JP2019099333A - ワイヤロープ掛数判定装置及び移動式クレーン - Google Patents

ワイヤロープ掛数判定装置及び移動式クレーン Download PDF

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Abstract

【課題】既存の機器を利用した簡単な構成によって、入力されたワイヤロープの掛数の正誤を自動的に判定することのできる、ワイヤロープ掛数判定装置を提供する。【解決手段】ワイヤロープ掛数判定装置Dであり、ブーム先端のブームヘッド144に配置された1乃至複数のブーム側シーブ21、22と、フック17に配置された1乃至複数のフック側シーブ31、32と、ウインチ45から繰り出されて、ブーム側シーブ21、22とフック側シーブ31、32との間に掛け回されるワイヤロープ16と、ワイヤロープ16の掛数を入力する掛数入力器64と、ウインチ45の回路圧力p1を検出する圧力検出器61と、ウインチ45のドラム回転速度nを検出する回転速度検出器62と、吊荷荷重xを検出する荷重検出器としての安全装置51と、検出された吊荷荷重xとドラム回転速度nとに基づいて閾値yを算出し、閾値yと検出された回路圧力p1とを比較して、掛数入力器64によって入力された掛数の正誤を判定する判定部50と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、移動式クレーンに搭載されるワイヤロープ掛数判定装置に関するものである。
従来から、移動式クレーンには、移動式クレーンの破損や転倒を防止するための安全装置(過負荷防止装置)が搭載されている。この安全装置は、作業の内容やワイヤロープの掛数などに応じて、移動式クレーンの性能を決定するようになっており、負荷が大きくなったときに警報を発したり、動作を停止して安全を確保したりするようにされている。
ワイヤロープの掛数は作業内容によって変更することがあり、その都度オペレータが安全装置に手動で入力していたが、誤入力する可能性があった。そこで、例えば特許文献1には、吊荷荷重を張力で除算することで得られた整数値を掛数として利用する過負荷防止装置が開示されている。この構成によれば、ワイヤロープの掛数を自動的に検出することで、誤入力をなくして事故の発生を防止することができるようになっている。
特開2001−89078号公報
ところで、特許文献1の過負荷防止装置では、ワイヤロープに作用する張力を計測する必要がある。しかしながら、ワイヤロープの張力検出器は大掛かりなものとなるうえ、コストも増大してしまう、という問題があった。
そこで、本発明は、既存の機器を利用した簡単な構成によって、入力されたワイヤロープの掛数の正誤を自動的に判定することのできる、ワイヤロープ掛数判定装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のワイヤロープ掛数判定装置は、ブーム先端に配置された1乃至複数のブーム側シーブと、フックに配置された1乃至複数のフック側シーブと、ウインチから繰り出されて、前記ブーム側シーブと前記フック側シーブとの間に掛け回されるワイヤロープと、前記ワイヤロープの掛数を入力する掛数入力器と、前記ウインチの回路圧力を検出する圧力検出器と、前記ウインチのドラム回転速度を検出する回転速度検出器と、吊荷荷重を検出する荷重検出器と、検出された前記吊荷荷重と前記ドラム回転速度とに基づいて閾値を算出し、前記閾値と検出された前記回路圧力とを比較して、前記掛数入力器によって入力された掛数の正誤を判定する判定部と、を備えている。
このように、本発明のワイヤロープの掛数判定装置は、ブーム側シーブと、フック側シーブと、ワイヤロープと、掛数入力器と、圧力検出器と、回転速度検出器と、荷重検出器と、検出された吊荷荷重と前記ドラム回転速度とに基づいて閾値を算出し、閾値と検出された回路圧力とを比較して、掛数入力器によって入力された掛数の正誤を判定する判定部と、を備えている。このような構成によれば、既存の機器を利用した簡単な構成によって、入力されたワイヤロープの掛数の正誤を自動的に判定することができる。したがって、誤入力をなくして事故の発生を防止することができるようになっている。
ラフテレーンクレーンの側面図である。 ブーム先端付近の拡大図である。 ワイヤロープの掛け回しについて説明した説明図である。 油圧系のシステム図である。 制御系のブロック図である。 掛数ごとに吊荷荷重と圧力の関係と閾値を示すグラフである。 掛数判定の概念を説明したグラフである。 掛数判定のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(構成)
まず、図1を用いて本実施例のワイヤロープの掛数判定装置Dを備える移動式クレーンとしてのラフテレーンクレーン1の全体構成について説明する。以下の実施例では、移動式クレーンとしてラフテレーンクレーン1を例にして説明するが、これに限定されるものではなく、カーゴクレーン、トラッククレーン、オールテレーンクレーンなどの他の移動式クレーンにも広く本発明を適用できる
(クレーンの全体構成)
本実施例のラフテレーンクレーン1は、図1に示すように、走行機能を有する車両の本体部分となる車体部10と、車体部10の四隅に設けられたアウトリガ11,・・・と、車体部10に水平旋回可能に取り付けられた旋回台12と、旋回台12に立設されたブラケット13に取り付けられたブーム14と、を備えている。
アウトリガ11は、スライドシリンダを伸縮することで車体部10から幅方向外側にスライド張出/スライド格納可能であるとともに、ジャッキシリンダを伸縮することで車体部10から上下方向にジャッキ張出/ジャッキ格納可能である。
旋回台12は、旋回用モータの動力を伝達されるピニオンギヤを有しており、このピニオンギヤが車体部10に設けた円形状のギヤに噛み合うことで旋回軸を中心に回動する。旋回台12は、前方右側に配置された運転室18と、後方中央に配置されたブラケット13と、後方下部に配置されたカウンタウェイト19と、を有している。運転室18内には、ワイヤロープ16の掛数を手動で入力するための掛数入力器(64)としてのテンキー、確定ボタン、及び/又は、タッチパネル式入力装置などが配置されている。
ブーム14は、複数段のブーム構成要素である、基端ブーム141、1乃至複数の中間ブーム142(142a〜142d)、先端ブーム143などによって入れ子式に構成されており、内部に配置された伸縮シリンダによって伸縮できるようになっている。
最も外側の基端ブーム141は、付け根部がブラケット13に水平に設置された支持軸に回動自在に取り付けられており、支持軸を回転中心として上下に起伏できるようになっている。さらに、ブラケット13と基端ブーム141の下面との間には、起伏シリンダ15が架け渡されており、起伏シリンダ15を伸縮することでブーム14全体を起伏することができるようになっている
(ワイヤロープの掛数について)
そして、図2に詳細に示したように、先端ブーム143の最先端のブームヘッド144には、上部に1つのブーム側シーブ23と、下部に2つのブーム側シーブ21、22と、が配置されている。同様に、フック(フックブロック)17には2つのフック側シーブ31、32が配置されている。そして、ウインチ45(図4も参照)から繰り出されたワイヤロープ16が、ブーム側シーブ21、22とフック側シーブ31、32との間に掛け回されている。なお、ブーム側シーブ21〜23及びフック側シーブ31、32の数については2つや3つに限定されるものではなく、1つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
具体的に言うと、1本掛けの場合には、ワイヤロープ16は、第1のブーム側シーブ21(又は第2のブーム側シーブ22)に巻き掛けられて、サブフック(不図示)側で終端する。このようにして、ブームヘッド144とサブフック(不図示)の間に架け渡された1本のワイヤロープ16によって荷重を支持する(吊る)ことになる。したがって、この場合は、「1本掛け」を選択(入力)することが正しいが、誤って「2本掛け」又は「4本掛け」と入力される可能性がある。
また、2本掛けの場合には、図3(a)に示すように、ワイヤロープ16は、順に、第1のブーム側シーブ21と、第1のフック側シーブ31と、に巻き掛けられて、ブームヘッド144側で終端する。この場合は、第2のブーム側シーブ22と第2のフック側シーブ32は、使用されない。このようにして、ブームヘッド144とフック17の間に架け渡された2本のワイヤロープ16によって荷重を支持する(吊る)ことになる。したがって、図3(a)の場合は、「2本掛け」を選択(入力)することが正しいが、誤って「1本掛け」又は「4本掛け」と入力される可能性がある。
同様に、4本掛けの場合には、図3(b)に示すように、ワイヤロープ16は、順に、第1のブーム側シーブ21と、第1のフック側シーブ31と、第2のブーム側シーブ22と、第2のフック側シーブ32と、に巻き掛けられて、ブームヘッド144側で終端する。この場合は、すべてのシーブ21、22、31、32が使用される。このようにして、ブームヘッド144とフック17の間に架け渡された4本のワイヤロープ16によって荷重を支持する(吊る)ことになる。したがって、図3(b)の場合は、「4本掛け」を選択(入力)することが正しいが、誤って「1本掛け」又は「2本掛け」と入力される可能性がある。
(油圧系の構成)
次に、図4を用いて、本実施例のラフテレーンクレーン1のウインチ45を作動させる油圧回路の構成について説明する。本実施例のワイヤロープ掛数判定装置Dは、油圧系の構成として、トランスミッションを介してエンジンの動力を取り出すPTO41と、PTO41によって回転される油圧ポンプ42と、作動油を貯める油タンク40と、油圧ポンプ42からの作動油の流れを制御する方向制御弁43と、ウインチ45に連結されたウインチモータ44と、繰り出し側に背圧を作用させるカウンタバランス弁46と、を備えている。
そして、本実施例のワイヤロープ掛数判定装置Dは、計測機器として、油圧回路の圧力を検出する圧力検出器61と、ウインチ45のドラム回転速度を検出する回転速度検出器62と、ウインチ45の操作レバー47の操作方向を検出する操作方向検出器63と、を備えている。これらの計測機器で検出されたデータは、判定部50に伝送される。後述するように、判定部50には、安全装置51などからのデータも伝送されるようになっている。
方向制御弁43は、ウインチモータ44に供給される作動油の方向及び流量を切り換えるためのパイロット式の3位置4ポート弁である。方向制御弁43の入口ポートは油圧ポンプ41に接続され、戻りポートは油タンク40に接続され、2つの出口ポートはそれぞれウインチモータ44の繰り入れ側と繰り出し側とに接続されている。方向制御弁43は、操作レバー47を傾動操作することで、スプールが左右いずれかの方向に移動させられて、ウインチモータ44への作動油の供給方向及び流量を切り換えるようになっている。
ウインチモータ44は、ウインチ45のドラムを回転させる油圧モータである。ウインチモータ44は、繰入側に作動油が供給されるとワイヤロープ16を繰り入れる方向にドラムを回転させ、繰出側に作動油が供給されるとワイヤロープ16を繰り出す方向にドラムを回転させる。
圧力検出器61は、油圧ポンプ42の下流側で方向制御弁43の上流側に配置されて、回路圧力p1を検出するものである。すなわち、圧力検出器61は、巻き上げ時には、ウインチモータ44の巻き上げ側に供給されている油圧を検出するようになっている。
回転速度検出器62は、ドラムの回転数を所定時間間隔ごとに検出することで、ウインチ45のドラムの回転速度を検出するものである。回転速度検出器62としては、例えば、ポテンショメータなどを使用することができる。
操作方向検出器63は、操作レバー47に付随して取り付けられるものであり、操作レバー47の「巻き上げ/巻き下げ」のいずれかを検出するものである。操作方向検出器63としては、例えば、操作レバー47の出力データの一部(方向のみ)を援用することができる
(制御系の構成)
次に、図5のブロック図を用いて、本実施例のラフテレーンクレーン1のウインチ45の制御系の構成について説明する。本実施例のワイヤロープ掛数判定装置Dは;入力側として、上述した圧力検出器61と、回転速度検出器62と、操作方向検出器63と、掛数入力器64と、安全装置51と、を備え;出力側として、安全装置51と、報知器52とを備え;制御部として、掛数判定制御を実行する判定部50と;を備えている。
掛数入力器64は、運転室18内に配置されて、オペレータがワイヤロープ16の掛数を手動で入力する入力手段である。掛数入力器64は、具体的には、テンキー、確定ボタン、及び/又は、タッチパネル式入力装置などを使用することができる。掛数入力器64によって入力された掛数データは、判定部50及び/又は安全装置51に伝送されて、吊上げ性能の計算に利用される。したがって、入力された掛数が誤っていると、吊上げ性能も誤って計算されるようになる。
判定部50は、後述する回路圧力の閾値yの計算と、閾値yと検出(実測)された回路圧力p1とを比較して、掛数入力器64によって入力された掛数の正誤を判定するようになっている。掛数の正誤の具体的な判定手法については後述する。判定部50は、CPU、メモリ、HDD、SSDなどによって構成される汎用のマイクロコンピュータである。判定部50は、ハードウェアとしては、後述する安全装置51と一体に構成することもできる。
安全装置51は、オペレータからの作業状態入力と起伏シリンダ15に設けられた圧力センサ(不図示)からの入力信号によって、吊荷重検出器として吊荷荷重を検出(計算)し、安全性(負荷率等)を評価・表示する制御装置(コントローラ)である。さらに、安全装置51は、負荷率が100%を超えると危険側への作動を停止し、エラーコードとブザーで警報するようになっている。そして、本実施例の安全装置51は、荷重検出器の機能に加えて、掛数入力器64を介して入力された掛数が誤っている場合に、誤っている旨の報知を行うように報知器52の動作を制御する報知制御部としての機能を備えている。
報知器52は、運転室18内の表示モニタ内のコメントの表示、又は、スピーカ、ブザー等による音声によって、オペレータに掛数が誤っている旨を報知するものである。表示モニタ内のコメントとしては、例えば、「掛数の入力が誤っています。」等の文字表記や、コメントの点滅などが考えられる。音声としては、ブザーによる警告音(ビープ音)や、スピーカからの「掛数の入力が誤っています。作業を停止して、掛数を修正してください。」といった音声などが考えられる
(掛数判定の概念)
次に、図7のグラフ等を用いて、本実施例のラフテレーンクレーン1のワイヤロープ掛数判定装置Dで実施される掛数判定の概念について説明する
(1)判定条件
・油温:適切な範囲とする。例えば、セ氏20度以上とする。
・荷重:所定の範囲とする。例えば、2.0t〜7.0tとすることができる。
・操作内容:操作レバー47を巻上げ側に操作している状態のみとする。
レバーを中立に戻すまで判定を継続して行う。
・高速/低速ウインチモード:低速ウインチモードのみ。
・入力掛数:2本掛け、又は、4本掛け
ここにおいて、操作レバー47を巻下げ側に操作している状態で判定しないのは、巻下げ側で判定するためには、ウインチ前後差圧データが必要となるためである。さらに、流路抵抗の影響を大きく受けるために計算も複雑になるためである。逆に言うと、巻き上げ側に操作している状態では、そのような問題は生じない。
また、高速ウインチモードでは、モータの容量が小さくなるため、同じ荷重でも低速ウインチモードと比べて圧力が大きくなる。そうすると、閾値に対する圧力の差異が判別しにくくなり、誤判定の可能性があるためである。さらに、高速ウインチモードを行う領域は、比較的に荷重が小さい場合であり、掛数判定を必要としない荷重の範囲になるためである。ただし、高速ウインチモードでも、別途閾値を設定すれば掛数を判定することは可能である
(2)必要なパラメータ
・回路圧力p1:閾値に対しての比較対象とする。
・荷重値x:閾値の計算に使用する。
・ドラム回転速度n:閾値の計算に使用する
(3)判定内容
上述した判定条件(1)を満たしたときに掛数判定を行う。例えば、2本掛け設定時と4本掛け設定時で以下に示した式(1)又は式(2)を用いて閾値を計算する。式(1)及び式(2)に示すように、閾値yは、それ自体が、荷重とドラム回転速度とに応じて変化する変数となっている。
ここにおいて、閾値yは、以下に示すように、オペレータによって実際よりも大きい掛数が設定された状態(例:実際の掛数が1本に対して、設定された掛数が2本以上の状態)で、巻上げ操作を行うと、圧力検出器61で計測される圧力が閾値yを超えるような値に設定されている
(閾値について)
ある吊荷荷重を巻上げる際に必要となる圧力は、ウインチモータ44の容量と減速比、容量効率、機械効率、フック17へのワイヤの掛数、シーブ21、22、31、32のシーブ効率、吊荷荷重(重量)、ウインチドラムの外径、によって計算できる。このうち、ウインチモータ44の容量と減速比、ウインチドラムの外径は、クレーンの機種によって決まっている定数である。そのため、吊荷を巻上げる際に必要な圧力は、掛数を決めれば吊荷荷重のみが変数となる。したがって、図6に示すように、縦軸を圧力にとり、横軸を吊荷荷重xにとれば、掛数ごとに一次関数として計算することが可能である。このように、閾値yは、オペレータが設定可能な掛数ごとに吊荷荷重xの関数として計算することが可能である。そして、A本掛けの閾値は、A本掛けの算出圧力と、(A−1)本掛けの算出圧力と、の間となるように設定される。
ただし、ウインチ巻上げ時の圧力は、圧力損失があるため、流量が大きくなるに従って増加する。したがって、これを考慮するために、出圧力から最大流量時に増加する圧力をあらかじめ測定しておいて、流量が大きくなるのに伴って閾値も増加させる必要がある。流量は、ウインチモータ44の容量(定数)、減速比(定数)とウインチドラムの回転速度検出器62によって測定された回転速度により算出できるため、結局、閾値はドラム回転速度nの関数となる。
以上から、設定掛数(1本掛けを除く)ごとの閾値yは、吊荷荷重xとドラム回転速度nの関数として設定することができることになる。具体的には、以下の式(1)、式(2)を用いて計算することができる。
なお、機種ごとに、式中のa〜dの設定値、判定を行う油温、荷重範囲、所定の時間(超え続ける時間)を設定することで、すべての機種に対応することが可能な判定手法となる。
そして、図7に示すように、圧力検出器61によって検出された回路圧力p1が、閾値yを所定時間(例えば2.0s)以上にわたって継続して超え続けると、警報を発するようになっている。
例えば、図7では、正しくは2本掛けであるが、誤って1本掛けであると入力された場合を例として示している。この場合、閾値yはグラフ中の上にある3本の圧力値の概略中央のグラフである。閾値yは、ドラム回転速度nに応じて変化していることが読み取れる。
そして、誤った設定をした場合(1本掛け)の回路圧力p1は、4.0s付近で閾値を超えて、2.0s間継続して6.0s付近以降まで閾値を超えていることがわかる。このような場合、掛数入力が誤っていると判定されて、警報が発せられる。
これに対して、正しい設定をした場合(2本掛け)の回路圧力p1は、6.3s付近と12.2s付近で一時的に閾値を超えているものの、超えた状態が2.0s間継続していない。このような場合、掛数入力は正しいと判定されて、警報は発せられない
(作用)
次に、図8のフローチャートを用いて、本実施例のラフテレーンクレーン1の掛数判定制御の流れについて説明する。
はじめに、オペレータが、運転室18内の掛数入力器64を用いて、掛数を入力する(ステップS1)。入力された掛数は、判定部50に伝送される。
次に、オペレータが、操作レバー47を巻上げ側又は巻下げ側に操作する(ステップS2)。そうすると、操作方向検出器63が、巻上げ側又は巻下げ側のいずれの操作方向であるかを検出して、操作方向が判定部50に伝送される。なお、以下の各ステップは、操作レバー47が中立位置に戻されるまで繰り返し実行される。
そして、判定部50は、操作方向データが巻上げ操作である場合には(ステップS3のYES)、次のステップS4に進み、操作方向が巻下げ操作である場合には(ステップS3のNO)、ステップS2へ戻って次の操作レバー47の操作を待つ。
一方、荷重検出器の機能を備える安全装置51は、オペレータからの作業状態入力と各検出器からの入力信号によって、吊荷荷重xを検出(計算)する(ステップS4)。検出された吊荷荷重は、判定部50に伝送される。
そして、判定部50は、吊荷荷重データが所定の荷重範囲である場合には(ステップS5のYES)、次のステップS6に進み、吊荷荷重データが所定の荷重範囲にない場合には(ステップS5のNO)、ステップS2へ戻って次の操作レバー47の操作を待つ。
次に、圧力検出器61によって回路圧力p1が検出されて、検出された回路圧力p1は判定部50に伝送される(ステップS6)。次に、回転数検出器62によって回転数nが検出されて、検出された回転数nは判定部50に伝送される(ステップS7)。ここにおいて、ステップS6〜S10は、判定部50において、連続的に、又は、所定の微小な時間間隔ごとに繰り返し実行されるようにすることが好ましい。
次に、判定部50は、あらかじめ設定された定数a〜dと、検出された吊荷荷重xと回転数nとに基づいて、閾値yを計算する(ステップS8)。すなわち、2本掛け設定時には式(1)によって、4本掛け設定時には式(2)によって閾値yを計算する。
そして、判定部50は、検出された回路圧力p1が、その時点の閾値yを超えているか否かを判定する(ステップS9)。超えている場合には(ステップS9のYES)、次のステップS10へ進む。超えていない場合には(ステップS9のNO)、ステップS6へ戻って再び回路圧力p1を検出する。
そして、判定部50は、検出された回路圧力p1が、閾値yを超えた時間が、所定時間連続して超えるか否かを判定する(ステップS10)。所定時間にわたって継続している場合には(ステップS10のYES)、掛数入力器64によって入力された掛数が誤っていると判定されるため、次のステップS11へ進む。所定時間にわたって継続していない場合には(ステップS10のNO)、掛数入力器64によって入力された掛数が正しいと判定されるため、ステップS6へ戻って再び回路圧力p1を検出する。
このようにして入力された掛数が誤っていると判定されると、判定部50から報知制御部としての安全装置51にその旨が伝送される。そして、報知制御部としての安全装置51は、報知器52によって、オペレータに掛数が誤っている旨の報知を行う(ステップS11)。このようにして、掛数判定制御と報知制御とが実行される
(効果)
次に、本実施例のワイヤロープ掛数判定装置Dの奏する効果を列挙して説明する
(1)上述してきたように、本実施例のワイヤロープ掛数判定装置Dは、ブーム先端のブームヘッド144に配置された1乃至複数のブーム側シーブ21、22と、フック17に配置された1乃至複数のフック側シーブ31、32と、ウインチ45から繰り出されて、ブーム側シーブ21、22とフック側シーブ31、32との間に掛け回されるワイヤロープ16と、ワイヤロープ16の掛数を入力する掛数入力器64と、ウインチ45の回路圧力p1を検出する圧力検出器61と、ウインチ45のドラム回転速度nを検出する回転速度検出器62と、吊荷荷重xを検出する荷重検出器としての安全装置51と、検出された吊荷荷重xとドラム回転速度nとに基づいて閾値yを算出し、閾値yと検出された回路圧力p1とを比較して、掛数入力器64によって入力された掛数の正誤を判定する判定部50と、を備えている。
このような構成であれば、既存の機器を利用した簡単な構成によって、入力されたワイヤロープ16の掛数の正誤を自動的に判定することができる。さらに、機器によって自動的に掛数の正誤が判定されるため、オペレータが意図的に(不正に)掛数を誤入力することを防止できる。したがって、誤入力をなくして事故の発生を防止することができるようになっている
(2)また、判定部50は、ドラム回転速度nの増減に応じて、閾値yを増減させるようになっている。すなわち、閾値yの計算において、ドラム回転速度nに係る定数c、fはいずれも正である。このような構成によれば、ドラム回転速度nによる回路圧力p1への影響を除くことで、いっそう正確な判定が可能となる
(3)さらに、判定部50は、第1の掛数と第2の掛数の間の正誤を判定する場合において、第1の掛数に基づいて推定される第1の回路圧力と、第2の掛数に基づいて推定される第2の回路圧力と、の中間値近傍を閾値とするようになっている。このように閾値を設定することで、第1の掛数と第2の掛数の間の正誤を判定しやすくなる。
具体的には、(第1の掛数:第2の掛数)の組み合わせとして、(1本掛け:2本掛け)の正誤を判定する場合には、1本掛けで推定される回路圧力と2本掛けで推定される回路圧力の中間値近傍を閾値とする。同様に、(第1の掛数:第2の掛数)の組み合わせとして、(2本掛け:4本掛け)の正誤を判定する場合には、2本掛けで推定される回路圧力と4本掛けで推定される回路圧力の中間値近傍を閾値とする。同様に、(第1の掛数:第2の掛数)の組み合わせとして、(1本掛け:4本掛け)の正誤を判定する場合には、1本掛けで推定される回路圧力と4本掛けで推定される回路圧力の中間値近傍を閾値とする。
(4)また、判定部50は、圧力検出器61によって検出された回路圧力p1が、算出された閾値yを所定時間連続して超えると、掛数入力器64によって入力された掛数が誤っていると判定するようになっている。このような構成によれば、回路圧力p1が一時的にスパイク状に閾値yを超えた場合の誤判定を防止することができる
(5)さらに、判定部50は、ウインチ45を巻上げ操作することを条件として、掛数の正誤を判定するようになっている。ここにおいて、操作レバー47を巻下げ側に操作している状態で判定しないのは、巻下げ側で判定するためには、ウインチ前後差圧データが必要となるためである。さらに、流路抵抗の影響を大きく受けるために計算も複雑になるためである。逆に言うと、巻き上げ側に操作している状態では、そのような問題は生じない
(6)また、判定部50は、荷重検出器としての安全装置51によって検出された吊荷荷重xが所定の範囲にあることを条件として、掛数の正誤を判定するようになっている。このような構成によれば、掛数の誤入力による危険領域に限定して掛数判定を実施することで、効率的に作業を進めることができる
(7)さらに、本実施例の移動式クレーンとしてのラフテレーンクレーン1は、上述したいずれかのワイヤロープ掛数判定装置Dと、報知器52と、報知器52を制御する報知制御部としての安全装置51と、を備え、報知制御部としての安全装置51は、判定部50において掛数入力器64によって入力された掛数が誤っていると判定された場合に、掛数が誤っている旨の報知を行うように報知器52の動作を制御する。したがって、報知器52を介して掛数の入力が誤っていることを知ったオペレータは、作業を停止することができるようになり、安全性が向上する。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
1:ラフテレーンクレーン(移動式クレーン);
14:ブーム; 144:ブームヘッド; 16:ワイヤロープ; 17:フック;
21、22:ブーム側シーブ;
31、32:フック側シーブ;
44:ウインチモータ; 45:ウインチ; 47:操作レバー;
50:判定部;
51:安全装置(荷重検出器、報知制御部);
52:報知器;
61:圧力検出器; 62:回転速度検出器;
63:操作方向検出器; 64:掛数入力器;

Claims (7)

  1. ブーム先端に配置された1乃至複数のブーム側シーブと、
    フックに配置された1乃至複数のフック側シーブと、
    ウインチから繰り出されて、前記ブーム側シーブと前記フック側シーブとの間に掛け回されるワイヤロープと、
    前記ワイヤロープの掛数を入力する掛数入力器と、
    前記ウインチの回路圧力を検出する圧力検出器と、
    前記ウインチのドラム回転速度を検出する回転速度検出器と、
    吊荷荷重を検出する荷重検出器と、
    検出された前記吊荷荷重と前記ドラム回転速度とに基づいて閾値を算出し、前記閾値と検出された前記回路圧力とを比較して、前記掛数入力器によって入力された掛数の正誤を判定する判定部と、を備える、ワイヤロープ掛数判定装置。
  2. 前記判定部は、前記ドラム回転速度の増減に応じて、前記閾値を増減させるようになっている、請求項1に記載されたワイヤロープ掛数判定装置。
  3. 前記判定部は、第1の掛数と第2の掛数の間の正誤を判定する場合において、
    第1の掛数に基づいて推定される第1の回路圧力と、第2の掛数に基づいて推定される第2の回路圧力と、の中間値近傍を閾値とするようになっている、請求項1又は請求項2に記載されたワイヤロープ掛数判定装置。
  4. 前記判定部は、前記圧力検出器によって検出された前記回路圧力が、算出された前記閾値を所定時間連続して超えると、前記掛数入力器によって入力された前記掛数が誤っていると判定するようになっている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載されたワイヤロープ掛数判定装置。
  5. 前記判定部は、前記ウインチを巻上げ操作することを条件として、前記掛数の正誤を判定するようになっている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載されたワイヤロープ掛数判定装置。
  6. 前記判定部は、前記荷重検出器によって検出された前記吊荷荷重が所定の範囲にあることを条件として、前記掛数の正誤を判定するようになっている、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載されたワイヤロープ掛数判定装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載されたワイヤロープ掛数判定装置と、
    報知器と、
    前記報知器を制御する報知制御部と、を備え、
    前記報知制御部は、前記判定部において前記掛数入力器によって入力された前記掛数が誤っていると判定された場合に、前記掛数が誤っている旨の報知を行うように前記報知器の動作を制御する、移動式クレーン。
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