以下、本発明のワイピングシートをその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明においてワイピングとは、清掃及び清拭の両方の意味を含むものであり、例えば、床面、壁面、天井及び柱等の建物の清掃、建具や備品の清掃、物品の拭き取り、身体及び身体に係る器具の清拭等が含まれる。
図1(a)及び(b)には本発明のワイピングシートの一実施形態が示されている。ワイピングシート1は、第1面1a及びそれと反対側に位置する第2面1bとを有している。ワイピングシート1は、繊維集合体2と、繊維集合体2を支持する複数のストランド状の支持体3とを備えている。繊維集合体2と支持体3とは、一体的な絡合状態を形成している。詳細には、繊維集合体2の構成繊維どうしが絡合しているとともに、該構成繊維と支持体3とが絡合している。各支持体3は、ワイピングシートの一方向(図1(a)中、X方向)に沿ってそれぞれ延在している。各支持体3はそれぞれ隣り合う支持体3と交差することなく配されている。各支持体3は、X方向に沿ってワイピングシート1の全長にわたり途切れることなく連続して延びている。支持体3の配置状態は、後述するワイピングシートの製造方法にて詳述する。
ワイピングシート1には、その第1面1aに、繊維集合体2から構成される凸条部1Pと、凹条部1Rとが設けられている。凸条部1P及び凹条部1Rは、支持体3の延びる方向であるX方向と交差する方向であるY方向に延びるようにそれぞれ配されている。X方向とY方向とは直交している。図1(b)に示すように、ワイピングシート1をX方向に沿って見ると、凸条部1Pと凹条部1Rとは同方向に交互に配されている。
ワイピングシート1の第2面1bは、第1面1aと相補形状になっている。詳細には、第1面1aにおいて凸条部1Pが設けられている位置に対応する第2面1bの位置には凹条部1R’が設けられている。また第1面1aにおいて凹条部1Rが設けられている位置に対応する第2面1bの位置には凸条部1P’が設けられている。したがってワイピングシート1をその厚み方向であるZ方向に沿って見ると、該ワイピングシート1は波形形状をしている。
以上のとおり、ワイピングシート1には、少なくとも一方の面に、一方向に延びる凸条部及び及び凹条部が交互に形成されている。ワイピングシート1がこのような形状を有していることによって、ワイピングシート1におけるダストの捕集性を向上させることができる。また、ワイピングシート1の各面に、一方向に延びる凸条部及び及び凹条部が交互に形成されていることで、該ワイピングシート1を表裏の区別なく用いることができ、ダストの捕集量を向上させることができる。
繊維集合体2は、上述のとおり該繊維集合体2を構成する繊維どうしが絡合して形成された不織布状のものである。繊維集合体2の構成繊維の自由度を高めて、ダストの捕集性を高める観点から、繊維集合体2はその構成繊維どうしの絡合のみによって保形性を有し、且つ該合成繊維どうしは融着及び接着されていないことが好ましい。
繊維集合体2を構成する繊維は、合成繊維及び天然繊維のいずれであってもよい。合成繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド繊維、ポリ塩化ビニルやポリスチレン等のビニル系繊維、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸メチル等のアクリル系繊維、ポリパーフルオロエチレン等のフッ素樹脂繊維などが挙げられる。天然繊維としては各種セルロース繊維、例えばパルプ、コットン、レーヨン、リヨセル及びテンセル等が挙げられる。これらの繊維は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。繊維集合体2を構成する繊維がいずれの種類であっても、該繊維は熱によってその長さが実質的に変化しないものであることが好ましい。つまり繊維集合体2を構成する繊維は熱伸縮性繊維及び熱伸長性繊維のいずれでもないことが好ましい。
繊維集合体2を構成する繊維は、その繊度が0.6dtex以上であることが好ましく、1dtex以上であることが更に好ましく、3.5dtex以下であることが好ましく、2dtex以下であることが更に好ましい。具体的には、繊維集合体2を構成する繊維の繊度は0.6dtex以上3.5dtex以下であることが好ましく、1dtex以上2dtex以下であることが更に好ましい。繊維集合体2を構成する繊維は、繊維集合体2の製造方法に応じ、連続フィラメントであってもよく、あるいはステープルファイバであってもよい。ステープルファイバである場合、平均繊維長は一般に1mm以上100mm以下が好ましく、10mm以上90mm以下がより好ましく、20mm以上60mm以下が更に好ましい。このような繊維径及び繊維長を有していることによって、柔軟性に富み、且つ繊維の自由度が高い繊維集合体2を得ることができる。
ワイピングシートの強度を発現させる観点から、ワイピングシート1を構成する繊維集合体2の坪量は、20g/m2以上であることが好ましく、40g/m2以上であることが更に好ましく、200g/m2以下であることが好ましく、100g/m2以下であることが更に好ましい。
ワイピングシート1の厚さH1(図1(b)参照)は、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることが更に好ましく、またその上限は10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることが更に好ましい。このような厚さを有していることによって、ワイピングシート1の取り扱い性が良好になり、またダストの捕集性をより高めることができる。ワイピングシート1の厚さH1は、0.3kPaの荷重下に、大栄科学精機製作所製、厚さ測定器 FS−60DSを用いて測定される。
ワイピング対象面におけるダストの捕集性を高める観点から、ワイピングシート1における繊維集合体2の構成繊維が、該シート1の厚み方向Zに配向していることが好ましい。なお、「厚み方向Zに配向している」とは、ワイピングシート1の厚み方向の断面における任意の部位を観察したとき、該厚み方向に沿って延びる仮想直線と構成繊維の配向方向とのなす角度が50°以下となっていることを意味する。特に、ワイピングシート1の厚み方向の断面における任意の部位10箇所を観察したとき、前記仮想直線と構成繊維の配向方向とのなす角度が50°以下となっている部位が5箇所以上観察されることが好ましく、7箇所以上観察されることが一層好ましい。繊維の配向性は、繊維の配向角及び配向強度によって評価することができ、例えば特開2013−249558号公報に記載の方法に従って評価することができる。繊維のこのような配向状態は、後述するワイピングシート1の好適な製造方法によって実現することができる。
ワイピングシート1の第1面1aに着目したとき、凸条部1Pは、X方向に沿う断面視において、その頂部P1が第1面1a側に向けて凸の緩やかな曲線を描く形状をしている。頂部P1に連なる各凸条側壁部P2,P2は略直線であり、第2面1bに向かうに連れて両者間の距離が漸次広がっている。一方、凹条部1Rは、X方向に沿う断面視において、その最底部R1が第2面1b側に向けて凸の緩やかな曲線を描く形状をしている。最底部R1に連なる各凹条側壁部R2,R2は略直線であり、第1面1aに向かうに連れて両者間の距離が漸次広がっており、上述した凸条側壁部P2,P2と滑らかに連結している。ワイピングシート1の第2面1bに関しては、上述のとおり第1面1aと相補形状を有しているので、第2面1bの凸条部1P’及び凹条部1R’の形状に関しては、第1面1aの凸条部1P及び凹条部1Rの形状に関する説明が適用される。
ワイピングシート1の第1面1aにおいて、隣り合う凸条部1Pの間隔Dp(図1(b)参照)は、0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることが更に好ましく、1mm以上であることが一層好ましい。また間隔Dpは、30mm以下であることが好ましく、15mm以下であることが更に好ましく、10mm以下であることが一層好ましい。具体的には、間隔Dpは、0.1mm以上30mm以下であることが好ましく、0.5mm以上15mm以下であることが更に好ましく、1mm以上10mm以下であることが一層好ましい。一方、隣り合う凹条部1Rの間隔Dr(図1(b)参照)は、0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることが更に好ましく、1mm以上であることが一層好ましい。また間隔Drは、30mm以下であることが好ましく、15mm以下であることが更に好ましく、10mm以下であることが一層好ましい。具体的には、間隔Dpは、0.1mm以上30mm以下であることが好ましく、0.5mm以上15mm以下であることが更に好ましく、1mm以上10mm以下であることが一層好ましい。間隔Dp及びDrをこのように設定することで、隣り合う凸条部及び凹条部の間に粒径の大きなダストを挟んで捕集することが可能となるので好ましい。ワイピングシート1の第2面1bにおける凸条部1P’の間隔及び凹条部1R’の間隔についても同様である。
ワイピングシート1の第1面1aにおいて、凸条部1Pはその延びる方向の全域にわたり同じ幅を有していてもよく、あるいは幅が規則的又は不規則に変化していてもよい。同様に凹条部1Rはその延びる方向の全域にわたり同じ幅を有していてもよく、あるいは幅が規則的又は不規則に変化していてもよい。凸条部1P及び凹条部1Rの幅が一定であるかそれとも変化しているかは、ワイピングシート1の製造条件や、繊維集合体2の坪量、厚さ及び構成繊維の種類等に依存する。ワイピングシート1の第2面1bにおける凸条部1P’の幅及び凹条部1R’の幅についても同様である。
支持体3は、繊維集合体2の構成繊維と絡合可能なストランド状のものである。支持体3は、ワイピングシート1のX方向に沿って、且つワイピングシート1の全長にわたって延びている。支持体3は複数本配されている。図1(b)に示すように、支持体3は、ワイピングシート1をその厚み方向Zに沿って見たときに、厚み方向Zの略中央部に配されている。支持体3は、ワイピングシート1に設けられている凸条部1P,1P’及び凹条部1R,1R’の形成状態を維持している。また、ワイピングシート1が複数本の支持体3を備えていることによって、繊維集合体2の構成繊維の自由度を高めるために構成繊維どうしの絡合の程度を弱くした場合でも、ワイピングシート1に実用上十分な強度を持たせることができるという利点もある。
支持体3の原料としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリロニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリスチレン等のビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン系樹脂等を用いることができる。
ワイピングシート1における凸条部1P及び凹条部1Rの構造をワイピング時に維持して、ダストの捕集性を高める観点から、支持体3は非伸縮性であることが好ましい。非伸縮性とは、10Nの張力を加えたときの長さL1が、元の長さL0に対して1.2倍以下であり(つまりL1/L0が1.2以下)、且つ元の長さL0に対して2倍に延ばす張力を加え、その状態から張力を解放したときの長さL2が、L0に対して1.8倍以上(つまりL2/L0が1.8以上)であることをいう。また、後述するワイピングシート1の製造において、高い生産効率で凸条部1P及び凹条部1Rを形成させる観点から、支持体3は、熱収縮性を有する原料を用いて形成することが好ましい。非伸縮性且つ熱収縮性を有する支持体3は、上述の原料を用いることによって製造することができる。
図1(a)に示すように、各支持体3は互いに略平行に延びていて、支持体3どうしは交差していない。各支持体3は、互いに交差しないことを条件として非平行に延びていてもよい。各支持体が互いに略平行に延びている場合、ワイピングシート1の強度と、凸条部1P及び凹条部1Rの形成とを両立させる観点から、隣り合う支持体3間の距離D1(図1(a)参照)は、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることが更に好ましく、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましい。具体的には、距離D1は5mm以上50mm以下であることが好ましく、10mm以上30mm以下であることが更に好ましい。各支持体が互いに非平行に延びている場合には、前記の距離D1とは最も距離が近い位置での当該距離のことである。
特に、図1(a)に示すように、支持体3がX方向に沿って途切れることなく連続して延びている場合、支持体3の本数は、10cm幅中に3本以上が好ましく、5本以上がより好ましく、10本以上が更に好ましく、また生産効率の観点から、その上限は100本以下が好ましく、50本以下がより好ましく、20本以下が更に好ましい。支持体3をこのような本数で配置することによって、凸条部1P及び凹条部1Rをワイピングシート1の全体に均一に形成することができ、その結果、ダストの捕集性をより一層高めることができる。また、凸条部1P及び凹条部1Rに起因したワイピングシート1の意匠性を高めることができる。
繊維集合体2及び支持体3の絡合性と、ワイピングシート1の強度とを両立させる観点から、支持体3の線径L1(図1(b)参照)は、繊維集合体2との絡合度合に応じて適宜調整できるが、10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることが更に好ましく、2000μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることが更に好ましい。線径L1は、一本の支持体において部分的に異なっていても良く、各支持体3間で同一でも異なっていてもよい。この場合、線径L1は支持体の線径の平均値とする。
ワイピングシート1は、ワイピング時において、繊維集合体2をそのまま(いわゆる乾式の態様)で使用してもよく、繊維集合体2に洗浄液を塗布、噴霧、担持又は含浸させた態様(いわゆる湿式の態様)で使用してもよい。これらの態様は、ワイピング対象面に付着している汚れの種類や、ワイピング対象物の物性に応じて選択することができる。ワイピング対象面における汚れの除去効率を高める観点からは、ワイピングシートを構成する繊維集合体には洗浄液が担持されていることが好ましい。
ワイピング時において、ワイピングシートを湿式の態様で用いる場合、該シートに担持される洗浄液としては、水単独や、添加剤を含む水溶液など、湿式ワイピングシートに用いられる一般的な組成のものを用いることができる。洗浄液に用いられる添加剤としては、例えば界面活性剤、殺菌剤、香料、芳香剤、消臭剤、pH調整剤、アルコール及び研磨粒子などが挙げられる。
以上は本発明のワイピングシートの一実施形態に関する説明であったところ、以下に、ワイピングシートの製造に好適に用いられる製造装置10について説明する。図2に示す製造装置10は、搬送方向(X方向)に沿って、ウェブ形成部20と、水流交絡部30と、加熱部40をこの順で備えている。
ウェブ形成部20は、繊維集合体を形成するための繊維ウェブ21a,21bをそれぞれ製造するカード機21A,21Bと、繊維ウェブ21a,21bのガイドロール23と、複数本の支持体用ストランド3aを繰り出すための支持体ロール25とを備えている。支持体用ストランド3aは、熱収縮可能なストランドから構成されている。
水流交絡部30は、繊維ウェブ21a,21bと支持体用ストランド3aとを水流によって交絡させ、繊維集合体及び支持体が一体的に絡合した絡合体5を形成するものである。水流交絡部30は、繊維ウェブ21a側に水流を吹き付ける水流ノズル35と、無端ベルトからなる支持ベルト36とを備えている。水流ノズル35は、支持ベルト36の上方に位置しており、繊維ウェブ21a,21b及び支持体3の幅方向(搬送方向と直交する方向)全域にわたって高圧水流を吹き付けることができるようになっている。支持ベルト36は、水流ノズル35と対向して配されており、吹き付けられた水を透過させるために、格子状などの各種パターンで穴が空いた構造となっている(図示せず)。
加熱部40は、水流交絡部30によって形成された絡合体5を加熱して、支持体3を熱収縮させ、絡合体5に凸条部及び凹条部を形成するものである。加熱部40は、加熱装置41を備えており、その内部に絡合体5を搬送できるようになっている。加熱装置41の加熱の態様は特に制限はなく、例えばヒーター、熱風の吹き付け又は赤外線照射などによって絡合体5を加熱することができる。
図2に示す製造装置10を用いたワイピングシートの製造方法は以下に述べるとおりである。本製造方法は、繊維集合体を形成するための繊維ウェブと支持体用ストランドとを積層する積層工程と、繊維ウェブを絡合して繊維集合体を形成するとともに、該繊維集合体と支持体用ストランドとを絡合して絡合体を形成する絡合工程と、支持体用ストランドを熱収縮させて絡合体に凸条部及び凹条部を形成する加熱工程との3工程に大別される。
まず、ウェブ形成部20におけるカード機21A,21Bから繊維ウェブ21a,21bがガイドロール23,23を介してそれぞれ繰り出される。これとともに、支持体ロール25から複数の支持体用ストランド3aが非交差状態で繰り出される。これらの繰り出しによって、繊維ウェブ21a,21b及び支持体用ストランド3aが積層された積層体4が形成される(積層工程)。本工程では、支持体用ストランド3aの延在方向Xと、搬送方向Xとが一致するように支持体用ストランド3aが繰り出される。
次いで、水流交絡部30において、積層体4が、支持ベルト36で搬送されながら、水流ノズル35から噴出する高圧水流によって交絡処理される(絡合工程)。絡合工程を経ることによって、積層体4を構成する繊維ウェブ21a,21bの構成繊維どうしが絡合して繊維集合体2が形成されるとともに、繊維集合体2及び支持体用ストランド3aが一体的な絡合状態となった絡合体5が得られる。絡合体5における支持体用ストランド3aは、図3に示すように、X方向に沿って途切れることなる連続して配されていている。
繊維集合体2及び支持体3の絡合を効果的に行う観点から、図4に示すように、支持体用ストランド3aは、その延びる方向であるX方向と交差する方向に延びる1本又は複数本の分枝部3’を有していることが好ましい。隣り合う支持体用ストランド3aにおける分枝部3’どうしは互いに連結していない。分枝部3’を有する支持体用ストランド3aを備える絡合体5を製造するためには、例えば(イ)複数本の分枝部3’を有し、且つ連続した支持体用ストランド3aをX方向に沿って繰り出して積層体4を形成し、その後に交絡処理するか、又は(ロ)網状の支持体用ストランド3aを用いて積層体4を形成し、絡合工程の前又は後で、網状の支持体用ストランド3aにおけるY方向に延びる部分をカッター等の切断手段で切断することによって製造することができる。分枝部3’は、支持体用ストランド3aと実質的に同一のものであるので、支持体用ストランド3aに関する説明が適宜適用される。また、後述するとおり、支持体用ストランド3aを加熱収縮させることでこれを支持体3に変化させるので、支持体3も支持体用ストランド3aと同様に、X方向と交差する方向に延びる1本又は複数本の分枝部3’を有することになる。
絡合体5が形成されたら、該絡合体5を加熱部40における加熱装置41内に通過させ、該加熱装置41内において支持体用ストランド3aを加熱することで熱収縮させて、繊維集合体に凸条部及び凹条部を形成させる(加熱工程)。詳細には、図5(a)に示す絡合体5が加熱されると、支持体用ストランド3aがその延在方向Xに沿って収縮する。繊維集合体2及び支持体3の絡合に起因して、繊維集合体2と支持体用ストランド3aとの間で摩擦が生じやすくなっているので、支持体用ストランド3aの熱収縮に伴って繊維集合体2の幅が狭くなる。しかし支持体用ストランド3aの熱収縮の前後における繊維集合体2の体積に変化はないので、繊維集合体2の幅が狭くなった分の体積の変化は、繊維集合体2の厚みが増加することで相殺される。その結果、図5(b)に示すように繊維集合体2には、凸条部1P及び凹条部1Rが支持体用ストランド3aの延在方向Xに交互に生じ、繊維集合体2の厚みが増す。その結果、繊維集合体2の全域に凸条部1P及び凹条部1Rが交互に生じる。
支持体用ストランド3aの熱収縮によって、該支持体用ストランド3aは支持体3に変化する。支持体用ストランド3aは、これに熱が付与されることでその長さ及び太さが変化するのみであるから、隣り合う支持体用ストランド3a間の距離は、支持体用ストランド3aが変化した支持体3間の距離と実質的に同じである。
加熱工程において、支持体用ストランド3aの熱収縮温度は、繊維集合体2及び支持体用ストランド3aの原料によって適宜変更可能であるが、支持体用ストランド3aの融点MP(℃)を基準として、(MP−30)℃以上であることが好ましく、(MP−20)℃以上であることが更に好ましく、支持体用ストランド3aの原料の溶融や分解等を防ぐ観点から、(MP−5)℃以下であることが好ましく、(MP−10)℃以下であることが更に好ましい。なお、加熱工程における。繊維集合体2の構成繊維の溶融や分解を防ぐ観点から、繊維集合体2を構成する繊維の融点及び分解温度は、支持体用ストランド3aの融点MP以上であることが好ましい。また、支持体用ストランド3aの熱収縮時間は、1分以上60分以下とすることができる。
最後に、製造されたワイピングシート1は、そのままで乾式のワイピングシートとして用いてもよく、ワイピングシート1における繊維集合体2に洗浄液を担持させて(担持工程)、湿式のワイピングシートとして用いることもできる。洗浄液の担持工程において、繊維集合体2に担持させる洗浄液の担持量は、ワイピングシート1の寸法を例えば後述の実施例に記載のとおり、285mm×205mmとしたときに、1g/枚以上が好ましく、10g/枚以上が更に好ましく、40g/枚以下が好ましく、25g/枚以下が更に好ましい。換言すれば、17g/m2以上が好ましく、117g/m2以上が更に好ましく、690g/m2以下が好ましく、430g/m2以下が更に好ましい。
このようにして製造されたワイピングシートは、該ワイピングシート単体で、又はワイパーなどの清掃用具に装着させて、床面、壁面等の建物、戸棚、窓ガラス、鏡、ドア、ドアノブ等の建具、ラグ、カーペット、机食卓等の家具、キッチン、トイレ、身体の清拭や、衛生用品、包装などにも使用できる。
次に、本発明の別の実施形態を図6ないし図12を参照しながら説明する。図6ないし図12に示す実施形態に関し特に説明しない点については、図1ないし図5に示す実施形態についての説明が適宜適用される。また図6ないし図12において、図1ないし5と同じ部材には同じ符号を付した。
図6に示す実施形態のワイピングシート1においては、少なくとも一条の凸条部1P及び少なくとも一条の凸条部1Pを有する凹凸部群11を複数有している。凹凸部群11は繊維集合体2から構成されている。凹凸部群11は、ワイピングシート1のY方向に沿って直線状に延びている。凹凸部群11においては、ワイピングシート1の第1面1aと第2面1bとが相補形状になっている。第1面1aにおいては、凸条部1P及び凹条部1Rが形成されている一方、第2面1bにおいては、凸条部1P’及び凹条部1R’が形成されている。
凹凸部群11は、ワイピングシート1のY方向に沿って延びている。そしてワイピングシート1は、隣り合う凹凸部群11の間に平面部12を有している。平面部12は、凹凸部群11と同様に繊維集合体2から構成されている。平面部12と凹凸部群11とは一体に形成されている。ワイピングシート1の平面視において平面部12は略矩形をしている。平面部12は凹凸を有さない平坦な領域である。ワイピングシート1の第1面1aにおいては、凸条部1Pが平面部12から突出しているとともに、凹条部1Rが平面部12から凹陥している。一方、ワイピングシート1の第2面1bにおいては、凸条部1P’が平面部12から突出しているとともに、凹条部1R’が平面部12から凹陥している。
図6に示すワイピングシート1においては、長さの短い支持体3がその延びる方向に間隔をおいて複数本直列して配置されており、支持体列31をなしている。支持体列31は、ワイピングシート1のY方向に間隔をおいて複数列配置されている。1つの支持体列31を構成する各支持体3は同じ長さであってもよく、あるいは異なる長さであってもよい。図6には、同じ長さの複数の支持体3から構成されている複数の支持体列31が等間隔で配置されている状態が示されている。
複数列の支持体列31においては、一つの支持体列31に着目したとき、該支持体列31を構成する各支持体の2つの端部の位置が、該支持体列31と隣り合う別の支持体列31を構成する各支持体の2つの端部の位置とX方向において一致している。詳細には、図7に示すとおり、第1支持体列31aを構成する各支持体を32a,33a,34a,・・・とし、第2支持体列31bを構成する各支持体を32b,33b,34b,・・・としたとき、第1支持体列31aにおける支持体32aの2つの端部321a,322aの位置が、第2支持体列31bにおける支持体32bの2つの端部321b,322bの位置とX方向において一致している。この関係は、他の支持体33aと33bや、34aと34bとでも成立している。したがって、ワイピングシート1を平面視し、X方向に沿って見ると、支持体が存在していない領域である支持体不存在領域12aがX方向に沿って断続的に存在することになる。この支持体不存在領域12aは、上述した平面部12に対応している。一方、支持体3が存在している領域は、上述した凹凸部群11に対応している。
本実施形態によれば、図1ないし図5に示すワイピングシート1が奏する効果に加えて、平面的にシートが床に接触する面が増えるため、粒径の小さなダストを拭き取るこることができるという効果も奏される。この効果を一層顕著なものとする観点から、X方向に沿う平面部12の長さは5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることが更に好ましく、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることが更に好ましい。
同様の観点から、X方向に沿う平面部12の長さ12Lに対する凹凸部群11の長さ11Lの比率である11L/12Lの値は、0.01以上であることが好ましく、0.1以上であることが更に好ましく、1以下であることが好ましく、0.5以下であることが更に好ましい。
本実施形態のワイピングシート1は、先に説明したワイピングシート1の製造方法と同様の方法で製造できる。ただし本実施形態のワイピングシート1の製造方法では、先に説明した図3に示す絡合体5を製造することに代えて、図8に示す絡合体5を製造する。図8に示す絡合体5においては、長さの短い支持体用ストランド3aがその延びる方向に間隔をおいて複数本直列して配置されており、ストランド列31’をなしている。ストランド列31’は、絡合体5のY方向に間隔をおいて複数列配置されている。複数列のストランド列31’においては、一つのストランド列31’に着目したとき、該ストランド列31’を構成する各支持体用ストランド3aの2つの端部の位置が、該ストランド列31’と隣り合う別のストランド列31’を構成する各支持体用ストランド3aの2つの端部の位置とX方向において一致している。
図8に示す絡合体5のX方向に沿う断面が図9(a)に示されている。同図に示す状態の絡合体5を加熱すると、支持体用ストランド3aが熱収縮して、その部分に存在する繊維集合体2の幅が狭くなる。その結果、図9(b)に示すとおり、繊維集合体2と支持体用ストランド3aが絡合している部分のみに凸条部1P,1P’及び凹条部1R,1R’を備えた凹凸部群11が形成される。一方、支持体用ストランド3aが存在していない部分は、繊維集合体2の幅が狭くならないので、凹凸部群11は形成されず、加熱前の状態から実質的に変化しない。その結果、当該部分は平面部12となる。
図8に示す絡合体5においては、支持体用ストランド3aの長さD2(図8参照)は、凸条部1P,1P’及び凹条部1R,1R’の効果的な形成と、ワイピングシートの強度とを両立する観点から、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることが更に好ましく、100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることが更に好ましい。同様の観点から、1つのストランド列31’において前後隣り合う支持体用ストランド3aの間隔D3は、1mm以上であることが好ましく、5mm以上であることが更に好ましく、100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることが更に好ましい。また、D2に対するD3の比率であるD3/D2の値は0.1以上であることが好ましく、0.25以上であることが更に好ましく、5以下であることが好ましく、3以下であることが更に好ましい。
図10に示す実施形態のワイピングシート1は、図6に示す実施形態のワイピングシート1と同様に、少なくとも一条の凸条部1P及び少なくとも一条の凸条部1Pを有する凹凸部群11を複数有している。図10においては、ワイピングシート1の第1面1aにおいて二条の凸条部1Pとその間に位置する一条の凹条部1Rとで一つの凹凸部群11が構成されている。図示していないが、凹凸部群11においては、ワイピングシート1の第1面1aと第2面1bとが相補形状になっている。したがって第2面においては、二条の凹条部とその間に位置する一条の凸条部とで1つの凹凸部群が構成されている。凹凸部群11は繊維集合体2から構成されている。
凹凸部群11は、ワイピングシート1のY方向に沿って波形に蛇行しながら延びている。1つの凹凸部群11に着目したとき、該凹凸部群11においては、Y方向に沿って頂部11aと底部11bとが交互に位置している。そして、隣り合う2つの凹凸部群11においては、一方の凹凸部群11における頂部11aと、他方の凹凸部群11における底部11bとが接するように、各凹凸部群11が配置されている。それによって隣り合う2つの凹凸部群11で画成される領域12が形成される。この領域12は平面部となっている。平面部12は、凹凸部群11と同様に繊維集合体2から構成されている。平面部12と凹凸部群11とは一体に形成されている。ワイピングシート1の平面視において平面部12はY方向に延びる略紡錘形をしている。平面部12は凹凸を有さない平坦な領域である。ワイピングシート1の第1面1aにおいては、凸条部1Pが平面部12から突出しているとともに、凹条部1Rが平面部12から凹陥している。一方、図示していないが、ワイピングシート1の第2面1bにおいては、凸条部1P’が平面部12から突出しているとともに、凹条部1R’が平面部12から凹陥している。
図10に示すワイピングシート1においては、長さの短い支持体3がその延びる方向に間隔をおいて複数本直列して配置されており、支持体列31をなしている。支持体列31は、ワイピングシート1のY方向に間隔をおいて複数列配置されている。1つの支持体列31を構成する各支持体3は同じ長さであってもよく、あるいは異なる長さであってもよい。また、支持体列31間の距離は同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。図10には、同じ長さの複数の支持体3から構成されている複数の支持体列31が等間隔で配置されている状態が示されている。
複数列の支持体列31においては、一つの支持体列31に着目したとき、該支持体列31を構成する各支持体の2つの端部の位置が、該支持体列31と隣り合う別の支持体列31を構成する各支持体の2つの端部の位置とX方向においてずれている。詳細には、図11に示すとおり、第1支持体列31aを構成する各支持体を32a,33a,34a,・・・とし、第2支持体列31bを構成する各支持体を32b,33b,34b,・・・とし、第3支持体列31cを構成する各支持体を32c,33c,34c,・・・としたとき、第2支持体列31bにおける支持体32bの2つの端部321b,322bの位置が、第1支持体列31aにおける支持体32aの2つの端部321a,322aの位置とX方向においてずれているとともに、第3支持体列31cにおける支持体32cの2つの端部321c,322cの位置とX方向においてずれている。これに加えて、第1支持体列31aにおける支持体32aの2つの端部321a,322aの位置が、第3支持体列31cにおける支持体32cの2つの端部321c,322cの位置とX方向において一致している。この関係は、他の支持体33a,33b,33cや、34a,34b,34cでも成立している。したがって、ワイピングシート1を平面視したとき、すべての支持体3は千鳥格子状に配置されている。そして、支持体3は、1つの凹凸部群11における頂部11aと、該凹凸部群11に隣接する他の凹凸部群11における底部11bとが接する位置に存在している。また、一つの支持体列における前後隣り合う支持体間の領域が、上述した平面部12に対応している。
本実施形態によれば、図1ないし図5に示すワイピングシート1が奏する効果に加えて、凸条部及び凹条部の曲線に沿って構成繊維の配向方向が変化し、該繊維の端部が様々な方向を向くため、糸状のごみを絡め取り易くなるという効果も奏される。この効果を一層顕著なものとする観点から、X方向に沿う平面部12の最大長さは3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることが更に好ましく、30mm以下であることが好ましく、20mm以下であることが更に好ましい。一方、Y方向に沿う平面部12の最大長さは3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることが更に好ましく、30mm以下であることが好ましく、20mm以下であることが更に好ましい。
同様の観点から、X方向に沿う平面部12の最大長さ12Lに対するY方向に沿う平面部12の最大長さ11Lの比率である11L/12Lの値は、0.01以上であることが好ましく、0.1以上であることが更に好ましく、5以下であることが好ましく、1以下であることが更に好ましい。
本実施形態のワイピングシート1は、図6に示すワイピングシート1の製造方法と同様の方法で製造できる。ただし本実施形態のワイピングシート1の製造方法では、先に説明した図8に示す絡合体5を製造することに代えて、図12に示す絡合体5を製造する。図12に示す絡合体5においては、該絡合体5を平面視したときに各支持体用ストランド3aが千鳥格子状に配置されている。
図12に示す絡合体5においては、支持体用ストランド3aの長さD2(図12参照)は、凸条部1P,1P’及び凹条部1R,1R’の効果的な形成と、ワイピングシートの強度とを両立する観点から、10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることが更に好ましく、100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることが更に好ましい。同様の観点から、前後隣り合う支持体用ストランド3aの間隔D3(図12参照)は、1mm以上であることが好ましく、5mm以上であることが更に好ましく、100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることが更に好ましい。また、D2に対するD3の比率であるD3/D2の値は0.1以上であることが好ましく、0.25以上であることが更に好ましく、5以下であることが好ましく、3以下であることが更に好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。上述の製造方法では、2つの繊維ウェブ及び支持体を用いて絡合体を形成したが、これに代えて、1つの繊維ウェブ及び支持体を用いて絡合体を形成してもよい。
また、図4に示す分枝部3’を、図6及び/又は図10に示す実施形態のワイピングシート1における支持体に適用してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図2に示す装置を用い、上述した製造方法に従ってワイピングシートを製造した。繊維集合体としてPET:アクリル:レーヨン=7:1.5:1.5を質量割合で含む3種類のステープルファイバ(繊維長51mm)からなる繊維ウェブをカード機によって製造した。PETの平均繊維径は1.45dtexであり、アクリルの平均繊維径は1.0dtexであり、レーヨンの平均繊維径は1.7dtexであった。これらの繊維はいずれも支持体用ストランドを熱収縮させる熱によって収縮及び伸長するものではない。繊維集合体の坪量は60g/m2とした。支持体用ストランドとして、熱収縮性を有するポリプロピレン製のものを用いた。絡合体5においては、図3に示すように、支持体用ストランドが、シートのX方向に沿って連続的に延在するように、Y方向に沿って等間隔に32本配置した。得られたワイピングシートは矩形のものであり、その寸法は285mm×205mmとした。ワイピングシートにおいては、その構成繊維が厚み方向に配向していた。
〔実施例2〕
支持体用ストランドをY方向に沿って等間隔に18本配置したほかは、実施例1と同様にワイピングシートを得た。
〔実施例3〕
図3に示す支持体の配置形態に代えて、図8に示すように、支持体用ストランドを間欠的に配置したほかは、実施例1と同様にワイピングシートを得た。支持体用ストランドの長さD2は40mmとした。X方向において隣り合う支持体用ストランドの間隔D3は20mmとした。
〔実施例4〕
図3に示す支持体の配置形態に代えて、図12に示すように、支持体用ストランドを半ピッチずれるように千鳥格子状に配置したほかは、実施例1と同様にワイピングシートを得た。支持体用ストランドの長さD2は20mmとした。X方向において隣り合う支持体用ストランドの間隔D3は20mmとした。
〔比較例1〕
ワイピングシートに対して加熱を行わなかったほかは、実施例1と同様にワイピングシートを得た。本比較例のシートは、凸条部及び凹条部が形成されていないものであった。
〔ダスト捕集性能の評価〕
実施例及び比較例のワイピングシートについて、ダストの捕集性能の評価を行った。詳細には、長さ(清拭方向)90cm×幅90cmのフローリング(コンビットニューアドバンス101、ウッドワン社製)に、JIS Z 8901に規定される試験用粉体7種(中位粒径:27〜31μm)を清拭方向手前から15cm〜30cmの範囲に長さ15cm×幅90cmの面積で0.1g散布した。このフローリングに対して、実施例又は比較例のワイピングシートを、幅30cmごとに清拭方向に2往復させてワイピングした。この操作を6セット行った。ワイピング前後のシート質量の変化を測定して、以下の式からダストの捕集率(%)を算出した。
ダストの捕集率(%)=100×((ワイピング後のワイピングシート質量[g])−(ワイピング前のワイピングシート質量[g]))/0.1[g])
〔ワイピングシートの強度〕
実施例及び比較例のワイピングシートについて、引張強度の測定を行った。詳細には、引張強度試験機(株式会社島津製作所製、AG−IS 100N)を用いて、幅30mm×長さ150mmの試料を、スパン100mm、速度300mm/分で引っ張ったときの、試料が破断するまでの最大荷重値(N)を測定した。この測定を、試料のX方向(MD方向)及びMD方向に直交するY方向(CD方向)でそれぞれ行い、各方向での引張強度(N/30mm)とした。結果を表1に示す。
図13に示すように、凸条部及び凹条部を有する実施例1ないし4のワイピングシートは、凸条部及び凹条部を有しない比較例1のワイピングシートと比較して、ダストの捕集性能が高いものであることが判る。また、実施例1ないし4のワイピングシートはワイピング時に破断等が生じることなく使用でき、表1に示すような引張強度を有しているので、実用に耐え得る強度を有していることが判る。
このように、本発明のワイピングシートは、シートの構成繊維の自由度を低下させることなく、ダストの捕集性に優れるものであることが判る。