JP2019096728A - 切削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加工物を切削しながら、有機酸と酸化剤とを含む液体を切削溝に十分に進入させる。【解決手段】切削手段6は、スピンドル62と、第1フランジ63と、第2フランジ64と、を備え、第1フランジ63は、ブレード支持部631と、ブレード60を挟持する第1挟持部632と、ブレード支持部631の外周にスピンドル軸方向に延びる溝631aと、溝631aに連通する連通口633と、第1挟持部632にスピンドル軸方向に対して放射状に延びる第1放射溝632aと、を備え、第2フランジ64は、ブレード支持部631を受け入れブレード60を挟持する第2挟持部642と、第2挟持部642にスピンドル軸方向に対し放射状に延びる第2放射溝642aと、を備え、液体供給手段により供給された液体が、連通口633から溝631aと第1放射溝632aと第2放射溝642aとに至りブレード60に供給される切削装置1である。【選択図】図9

Description

本発明は、被加工物に切削加工を施す切削装置に関する。
切削装置は、保持テーブルが保持した板状の被加工物に切削ブレードを切り込ませて、切削送り方向に被加工物と切削ブレードとを相対的に移動させることで被加工物を切削している。被加工物が、例えば、ガラエポ樹脂板に銅、アルミニウム、又はニッケル等の金属からなる配線が形成され該配線がエポキシ樹脂で覆われた構成となっている場合には、被加工物の切削加工において切削ブレードで該配線を切断する必要がある。
切削ブレードでエポキシ樹脂と金属からなる配線とを切削すると、樹脂と配線との境目部分で金属が引き延ばされてバリが形成される。このバリを除去しつつ被加工物を切削するための技術として、切削と高圧水の噴射とを行う複数の工程を備えた切削方法がある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載されているような切削方法は、複数の工程を実施する必要があるため時間が掛かるという問題がある。そこで、有機酸と酸化剤とを混合した切削水を切削ブレードと被加工物との接触部位及びその周囲に供給しつつ切削加工を行うケミカルアシストを伴う切削方法がある(例えば、特許文献2参照)。このようなケミカルアシストを伴う切削方法においては、有機酸と酸化剤とを混合した切削水により金属配線が切断されやすくなっているため、配線の切削面(切断面)が切削ブレードにより引きずられにくくなり、バリの発生を抑止することができる。
特開2016−181569号公報 特開2015−177089号公報
切削ブレードによる切削で被加工物に形成される切削溝の溝幅は、一般的に15μm〜20μm程度と非常に細いものとなる。そして、切削加工中において、切削ブレードは切削溝を形成しつつ切削溝内に切り込まれているので、ケミカルアシストを伴う切削方法を実施するとしても、従来のように、ノズルから有機酸と酸化剤とを混合した切削水を切削ブレードの外周に向かって噴射しても、切削溝の内側面と切削ブレードの外側面との間に十分な量の切削水を進入させることが難しいという問題がある。
よって、被加工物を切削する場合には、被加工物に切削ブレードを切り込ませ切削溝を形成しながら、例えば有機酸と酸化剤とを含む液体を切削溝内に十分に進入させるという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、被加工物を保持する保持手段と、該保持手段が保持した被加工物を切削する切削ブレードを回転可能に備えた切削手段とを少なくとも備えた切削装置であって、該切削手段は、ハウジングに回転可能に支持されたスピンドルと、該スピンドルの先端に装着された第1のフランジと、該第1のフランジの中央に形成されたボス部が挿入される開口を有し該切削ブレードを固定する第2のフランジと、を備え、該第1のフランジは、該ボス部の外周に形成され該切削ブレードの中央に形成された開口に挿入するブレード支持部と、該ブレード支持部の外周に形成され該切削ブレードを挟持する環状の第1の挟持部と、該ブレード支持部の外周に複数形成され該スピンドルの軸方向に延びる溝と、該溝に連通し該スピンドルの軸方向に貫通する連通口と、該第1の挟持部に複数形成され該スピンドルの軸方向に対して放射状に延びる第1の放射溝と、を備え、該第2のフランジは、該ブレード支持部を受け入れ該第1の挟持部と共に該切削ブレードを挟持する環状の第2の挟持部と、該第2の挟持部に複数形成され該スピンドルの軸方向に対して放射状に延びる第2の放射溝と、を備え、該連通口には、液体を供給する液体供給路を備えた液体供給手段が接続され、該液体供給手段によって供給された液体は、該連通口から該溝と該第1の放射溝と該第2の放射溝とに至り該切削ブレードに供給される切削装置である。
前記第1のフランジと前記第2のフランジとで前記切削ブレードを挟持したとき、前記溝と前記第1の放射溝との間及び該溝と前記第2の放射溝との間に環状の液体供給室を形成するものとすると好ましい。
前記液体供給手段は、第1の液体供給路を備えた第1の液体供給手段と、第2の液体供給路を備えた第2の液体供給手段とを備え、前記切削ブレードの回転方向に対して、下流側に該第1の液体供給手段が位置づけられ、上流側に該第2の液体供給手段が位置づけられるものとすると好ましい。
前記第1の液体供給手段は、防食剤を供給し、前記第2の液体供給手段は、酸化剤を供給するものとすると好ましい。
前記第1の液体供給手段は、防食剤と有機酸とを混合して供給し、前記第2の液体供給手段は、酸化剤を供給するものとすると好ましい。
前記液体供給手段に第3の液体供給路を備えた第3の液体供給手段を加え、前記切削ブレードの回転方向に対して、前記第2の液体供給手段より上流側に該第3の液体供給手段が位置づけられ、前記第1の液体供給手段は、防食剤を供給し、該第2の液体供給手段は、酸化剤を供給し、該第3の液体供給手段は、有機酸を供給するものとすると好ましい。
本発明に係る切削装置は、ブレード支持部と、ブレード支持部の外周に形成され切削ブレードを挟持する環状の第1の挟持部と、ブレード支持部の外周に複数形成されスピンドルの軸方向に延びる溝と、溝に連通しスピンドルの軸方向に貫通する連通口と、第1の挟持部に複数形成されスピンドルの軸方向に対して放射状に延びる第1の放射溝と、を備え、第2のフランジは、ブレード支持部を受け入れ第1の挟持部と共に切削ブレードを挟持する環状の第2の挟持部と、第2の挟持部に複数形成されスピンドルの軸方向に対して放射状に延びる第2の放射溝と、を備えており、連通口には液体を供給する液体供給路を備えた液体供給手段が接続される。そのため、被加工物の切削加工時において、液体供給手段が連通口に供給した液体を、連通口から溝と第1の放射溝と第2の放射溝とに至たらせ切削ブレードに供給することが可能となる。即ち、切削ブレードで被加工物を切削し溝を形成するのと並行して、第1の放射溝及び第2の放射溝から切削ブレードの側面に供給された液体を、切削ブレードに働く遠心力によって径方向外側に向かって送り出して切削溝内に十分に進入させることができ、被加工物に配設された金属部分を切削するときのバリの発生をケミカルアシスト(金属の延性の低下)により防止することが可能となる。
また、第1のフランジと第2のフランジとで切削ブレードを挟持したとき、溝と第1の放射溝との間及び溝と第2の放射溝との間に環状の液体供給室を形成するものとすることで、例えば、切削溝内に供給したい液体が複数の液剤が混合された液体であり、かつ、被加工物の種類等によって液体中の液剤の混合割合を変えたい場合に、液体供給室を用いて該混合割合を容易に変えることが可能となる。
また、液体供給手段は、第1の液体供給路を備えた第1の液体供給手段と、第2の液体供給路を備えた第2の液体供給手段とを備え、切削ブレードの回転方向に対して、下流側に第1の液体供給手段が位置づけられ、上流側に第2の液体供給手段が位置づけられるものとすることで、下流側の第1の液体供給手段から供給する液体を切削溝内により多く進入できるようにする、即ち、切削溝内に供給したい液体の割合を調整することが可能となる。
切削装置の一例を示す斜視図である。 切削手段を各構成に分解して示す斜視図である。 切削手段を各構成に分解して示す断面図である。 第2のフランジの背面側の構造を示す斜視図である 切削手段の組み立て方の一例を説明するための斜視図である。 切削手段の組み立て方の一例を説明するための断面図である。 切削手段の一例を示す断面図である。 切削手段の組み立て方の別例を説明するための断面図である。 切削手段により保持手段で保持された被加工物を切削している状態を示す断面図である。 第1の液体供給手段、第2の液体供給手段、及び第3の液体供給手段の配置位置を説明する模式的な説明図である。 第1の液体供給手段、第2の液体供給手段、及び第3の液体供給手段のそれぞれから切削ブレードに各液体を供給している状態を説明する模式的な説明図である。
図1に示す切削装置1は、保持手段3で保持された被加工物Wに対して、切削手段6に備える切削ブレード60を回転させ切り込ませて、切削加工を施す装置である。
切削装置1の基台10上には、切削送り方向(X軸方向)に保持手段3を往復移動させる切削送り手段11が配設されている。切削送り手段11は、X軸方向の軸心を有するボールネジ110と、ボールネジ110と平行に配設された一対のガイドレール111と、ボールネジ110を回動させるモータ112と、内部のナットがボールネジ110に螺合し底部がガイドレール111に摺接する可動板113とから構成される。モータ112がボールネジ110を回動させると、可動板113がガイドレール111にガイドされてX軸方向に移動し、可動板113上に配設された保持手段3が可動板113の移動に伴いX軸方向に移動することで、保持手段3で保持された被加工物Wが切削送りされる。
被加工物Wを保持する保持手段3は、保持テーブル30と、保持テーブル30を支持する支持ベース31とを備えている。保持テーブル30は、例えば、その外形が円形状となっており、ポーラス部材等から構成され図示しない吸引源に連通する保持面30a上で被加工物Wを吸引保持する。保持テーブル30の底面側に配設された支持ベース31は可動板113上固定されており、保持テーブル30をZ軸方向の軸心周りに回転可能に支持している。保持テーブル30の周囲には、被加工物Wを支持する環状フレームFを固定する固定クランプ34が周方向に均等に4つ配設されている。
基台10上の後方側(−X方向側)には、門型コラム14が切削送り手段11を跨ぐように立設されている。門型コラム14の前面には、X軸方向に対して水平方向に直交するY軸方向に切削手段6を往復移動させるインデックス送り手段12が配設されている。インデックス送り手段12は、Y軸方向の軸心を有するボールネジ120と、ボールネジ120と平行に配設された一対のガイドレール121と、ボールネジ120を回動させるモータ122と、内部のナットがボールネジ120に螺合し側部がガイドレール121に摺接する可動板123とから構成される。モータ122がボールネジ120を回動させると、可動板123がガイドレール121にガイドされてY軸方向に移動し、可動板123上に配設された切削手段6が可動板123の移動に伴いY軸方向にインデックス送りされる。
可動板123上には、X軸方向及びY軸方向に直交するZ軸方向に切削手段6を往復移動させる切込み送り手段16が配設されている。切込み送り手段16は、Z軸方向の軸心を有するボールネジ160と、ボールネジ160と平行に配設された一対のガイドレール161と、ボールネジ160を回動させるモータ162と、内部のナットがボールネジ160に螺合し側部がガイドレール161に摺接する支持部材163とから構成される。モータ162がボールネジ160を回動させると、支持部材163がガイドレール161にガイドされてZ軸方向に移動し、支持部材163が支持する切削手段6が支持部材163の移動に伴いZ軸方向に切込み送りされる。
切削手段6の近傍にはアライメント手段18が備えられている。アライメント手段18は、被加工物Wに光を照射する光照射部と、被加工物Wからの反射光を捕らえる光学系及び反射光に対応した電気信号を出力する撮像素子(CCD)等で構成されたカメラとを有する撮像手段180を備えている。アライメント手段18は、撮像手段180により形成された被加工物Wの表面Waの撮像画像に基づきパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削ブレード60を切り込ませるべき切削予定ラインSの位置を検出することができる。アライメント手段18と切削手段6とは、連動してY軸方向及びZ軸方向へと移動する。
図2は図1に示す切削手段6を各構成に分解して示す分解斜視図である。切削手段6は、例えば、被加工物Wを切削する切削ブレード60と、スピンドル62を回転可能に支持するハウジング61(図2には不図示)と、軸方向がY軸方向であるスピンドル62と、スピンドル62の先端に装着される第1のフランジ63と、第1のフランジ63の中央に形成されたボス部630が挿入される開口640を有し切削ブレード60を固定する第2のフランジ64と、少なくとも備えている。
切削ブレード60は、中央に円形の開口600が形成された環状のワッシャー型のブレードであり、ダイヤモンド砥粒等が適宜のバインダーで固定されて形成されている。
図1に示すハウジング61中に回転可能に収容されているスピンドル62は、ハウジング61内からその先端部分が突出しており、先端部分の側面にはフランジ固定ナット651が螺合する雄ねじ620が形成されている。また、スピンドル62の後端側には、スピンドル62を回転駆動する図示しないモータが接続されている。
円形の外形を備える第1のフランジ63は、中央から−Y方向に向かって所定の厚みで突出するボス部630と、ボス部630の外周に形成され切削ブレード60の開口600に挿入するブレード支持部631と、ブレード支持部631の外周に形成され切削ブレード60を挟持する環状の第1の挟持部632と、ブレード支持部631の外周に複数形成されスピンドル62の軸方向に延びる溝631aと、溝631aに連通しスピンドル62の軸方向に貫通する連通口633と、該第1の挟持部632に複数形成されスピンドル62の軸方向に対して放射状に延びる第1の放射溝632aと、を備えている。また、第1のフランジ63の中心には、スピンドル62が嵌合する嵌合孔634が厚み方向(Y軸方向)に向かって貫通形成されている。
ボス部630の側面には、ブレード挟持ナット650が螺合する雄ねじ630aが形成されている。ボス部630の後端側の外周から径方向外側に突出するように形成されたブレード支持部631の直径は、切削ブレード60の開口600のよりも僅かに小さく形成されており、ブレード支持部631が切削ブレード60の開口600に挿入され嵌合すると、切削ブレード60は第1のフランジ63上で径方向にずれないように動きが規制された状態になる。
スピンドル62の軸方向(Y軸方向)に延びる溝631aは、ブレード支持部631の外周に周方向に等間隔を空けて複数形成されている。
環状の第1の挟持部632は、ブレード支持部631の後端側の外周から径方向外側に突出するように形成されている。第1の挟持部632はブレード支持部631よりも薄く形成されており、第1の挟持部632とブレード支持部631との間には環状の凹部632bが形成されている。第1の挟持部632の前面は、切削ブレード60を挟持する面となる。スピンドル62の軸方向に対して放射状に延びる第1の放射溝632aは、第1の挟持部632の前面に周方向に等間隔を空けて複数形成されており、第1の挟持部632の前面を横断している。
図2、3に示す複数の連通口633は、例えば、環状の凹部632bに周方向に等間隔を空けてスピンドル62の軸方向に貫通するように形成されている。各連通口633は、溝631aにそれぞれ連通している。なお、図2においては、連通口633を第1のフランジ63から仮想的に分離して示している。
図2に示すように、第1のフランジ63の連通口633には、液体を供給する液体供給路を備えた液体供給手段が配設される。液体供給手段は、例えば、第1の液体供給手段67と、第2の液体供給手段68とから構成される。第1の液体供給手段67は第1の液体供給路670を備え、第2の液体供給手段68は、第2の液体供給路680を備えている。第1の液体供給路670及び第2の液体供給路680は、例えば、外形が側面視略L字状のノズルで構成されている。
図1に示すように、組み立てられた状態の切削手段6には、切削ブレード60を上方から覆うようにブレードカバー69が取り付けられる。そして、第1の液体供給路670及び第2の液体供給路680は、このブレードカバー69内に配設される。図2に示すように、第1の液体供給路670及び第2の液体供給路680の下端側には、第1のフランジ63の連通口633が連通する。ここで、例えば、切削ブレード60の回転方向を−Y方向側から見て時計回り方向とした場合に、切削ブレード60の回転方向に対して、下流側に第1の液体供給手段67が位置づけられ、上流側に第2の液体供給手段68が位置づけられている。即ち、第1の液体供給路670は、第2の液体供給路680よりも切削ブレード60の回転方向に対して下流側に位置づけられている
第1の液体供給路670の上端側には、例えば、防食剤が蓄えられた防食剤供給源671が接続されており、第2の液体供給路680の上端側には、例えば、酸化剤が蓄えられた酸化剤供給源681が接続されている。したがって、図2に示す例においては、第1の液体供給手段67が防食剤を連通口633に対して供給し、第2の液体供給手段68が連通口633に対して酸化剤を供給する。なお、第1の液体供給手段67が、防食剤と有機酸とを混合した混合液を連通口633に供給するものとしてもよい。
図2、3に示す第2のフランジ64は、環状の外形を備え、その中央には、第1のフランジ63のボス部630が挿入される開口640が形成されている。また、図3、4に示すように、第2のフランジ64は、ブレード支持部631を受け入れ第1の挟持部632と共に切削ブレード60を挟持する環状の第2の挟持部642と、第2の挟持部642に複数形成されスピンドル62の軸方向に対して放射状に延びる第2の放射溝642aとを備えている。
第2の挟持部642は、第2のフランジ64の背面(+Y方向側の面)の外周領域から環状に立設しており、その内周側に形成される円形の凹部642bに第1のフランジ63のブレード支持部631が収容される。凹部642bの直径は、例えば、ブレード支持部631の直径よりも大径となっている。
第2の挟持部642の環状の背面は、切削ブレード60を挟持する面となる。第2の放射溝642aは、第2の挟持部642の背面に周方向に等間隔を空けて複数形成されており、第2の挟持部642の背面を横断している。
切削手段6の組み立て方としては、図5、6に示すように、例えば、まず、第1のフランジ63の嵌合孔634にスピンドル62に挿嵌した後、フランジ固定ナット651をスピンドル62の雄ねじ620に螺合することによって、第1のフランジ63をスピンドル62に装着する。さらに、切削ブレード60の開口600にブレード支持部631を嵌合すると、ボス部630及びブレード支持部631は、切削ブレード60から−Y方向側に突き出た状態になる。
次いで、第2のフランジ64の開口640にボス部630を挿入し、かつ、凹部642bにブレード支持部631を収容してから、ブレード挟持ナット650をボス部630の雄ねじ630aに螺合させて締め付けることにより、切削ブレード60が第2のフランジ64の第2の挟持部642と第1のフランジ63の第1の挟持部632とによりY軸方向両側から挟まれて固定されスピンドル62に装着された状態、即ち、図7に示すように切削手段6が組み立てられた状態になる。そして、図示しないモータによりスピンドル62が回転駆動されることに伴って、切削ブレード60が高速で回転できる状態になる。
図7に示すように、第1のフランジ63と第2のフランジ64とで切削ブレード60を挟持したとき、第1のフランジ63の溝631aと第1の放射溝632aとの間及び溝631aと第2の放射溝642aとの間に環状の液体供給室66が形成される。液体供給室66は、溝631a、各第1の放射溝632a、及び各第2の放射溝642aに連通している。なお、切削手段6は液体供給室66を備えない構成としてもよい。
切削手段6の組み立て方の別例としては、例えば、図8に示すように、まず、切削ブレード60の開口600に第1のフランジ63のブレード支持部631を嵌合させる。次に、第2のフランジ64の凹部642bにブレード支持部631を収容してから、ブレード挟持ナット650をボス部630の雄ねじ630aに螺合させて締め付けることにより、切削ブレード60を第2のフランジ64と第1のフランジ63とにより挟持固定し、切削ブレード60、第2のフランジ64、及び第1のフランジ63からなるブレードユニットを組み立てる。そして、該ブレードユニットにスピンドル62を挿通させて、ブレードユニットから−Y方向側に突き出たスピンドル62の雄ねじ620にフランジ固定ナット651を螺合させて、ブレードユニットをスピンドル62に装着する。
以下に、図1に示す被加工物Wを切削装置1により切削する場合の切削装置1の動作について説明する。
図1に示す被加工物Wは、例えば、ガラス材とエポキシ樹脂とからなるガラスエポシキを母材とする円形板状の基板であり、その表面Waには、切削予定ラインSによって区画された格子状の領域にデバイスDが形成されている。また、被加工物Wには、銅、アルミニウム、又はニッケル等の金属からなる図示しない配線が形成され、配線がエポキシ樹脂で覆われている。例えば、被加工物Wの裏面WbはダイシングテープTの貼着面に貼着され、ダイシングテープTの外周部は環状フレームFに貼着されている。これにより、被加工物Wは環状フレームFを用いたハンドリングが可能なワークユニットの状態になっている。なお、被加工物Wは、上記のようなガラエポ基板に限定されず、矩形状の外形を備えるパッケージ基板、低誘電率絶縁体と金属箔と積層された積層体(Low−k膜)を備える半導体ウエーハ、又は、切削予定ラインにTEG(評価用素子)と称される金属膜が形成されているウエーハ等であってもよい。
まず、保持テーブル30の保持面30aに被加工物Wが載置され、次いで、図示しない吸引源により生み出された吸引力が保持面30a上に伝達されることで、保持テーブル30により被加工物Wが保持される。また、環状フレームFが固定クランプ34によって挟持固定される。
切削送り手段11により、保持テーブル30に保持された被加工物Wが−X方向に送られるとともに、撮像手段180によって被加工物Wの表面Waが撮像される。そして、形成された撮像画像に基づいて、アライメント手段18が切削すべき切削予定ラインSの位置を検出する。切削予定ラインSが検出されるのに伴って、切削手段6がインデックス送り手段12によってY軸方向に駆動され、切削すべき切削予定ラインSと切削ブレード60とのY軸方向における位置合わせがなされる。
切削ブレード60と検出した切削予定ラインSとのY軸方向の位置合わせがインデックス送り手段12によって行われた後、切削送り手段11が被加工物Wを保持する保持テーブル30をさらに所定の切削送り速度で−X方向に送り出す。また、切込み送り手段16が切削手段6を−Z方向に降下させていき、図9に示すように、例えば、切削ブレード60の最下端が被加工物Wを切り抜けダイシングテープTに切り込む高さ位置に到るように、切削手段6が位置づけられる。
そして、図示しないモータが、例えばスピンドル62を−Y方向側から見て時計回り方向に高速回転させ、スピンドル62に固定された切削ブレード60がスピンドル62の回転に伴って高速回転をしながら被加工物Wに切込み、切削予定ラインSを切削していく。
切削ブレード60による被加工物Wの切削が開始されるのに並行して、酸化剤供給源681から酸化剤を第2の液体供給路680を介して第1のフランジ63の連通口633に供給すると共に、防食剤供給源671から防食剤を第1の液体供給路670を介して連通口633に供給する。即ち、固定されている状態の第1の液体供給路670及び第2の液体供給路680に対して、スピンドル62と共に回転する第1のフランジ63の複数の連通口633が時計回り方向に順繰りに相対して連通し、また、離間していく。したがって、連通口633に対する第1の液体供給路670の位置、及び連通口633に対する第2の液体供給路680の位置は変化するが、いずれかの連通口633が常に第1の液体供給路670及び第2の液体供給路680に連通しているため、第1の液体供給路670から供給される防食剤及び第2の液体供給路680から供給される酸化剤は、そのとき第1の液体供給路670又は第2の液体供給路680に連通している連通口633から溝631a内に取り入れられる。
第1の液体供給手段67によって第1のフランジ63に供給される防食剤としては、
例えば、分子内に3つ以上の窒素原子を有し、且つ、縮環構造を有する複素芳香環化合物、又は、分子内に4つ以上の窒素原子を有する複素芳香環化合物を用いることが好ましい。更に、芳香環化合物は、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基を含むことが好ましい。具体的には、テトラゾール誘導体、1,2,3−トリアゾール誘導体、及び1,2,4−トリアゾール誘導体であることが好ましい。
防食剤として用いることのできるテトラゾール誘導体としては、テトラゾール環を形成する窒素原子上に置換基を有さず、且つ、テトラゾールの5位に、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された置換基、又は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル基が導入されたものが挙げられる。
また、防食剤として用いることのできる1,2,3−トリアゾール誘導体としては、1,2,3−トリアゾール環を形成する窒素原子上に置換基を有さず、且つ、1,2,3−トリアゾールの4位及び/又は5位に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された置換基、或いは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル基又はアリール基が導入されたものが挙げられる。
また、防食剤として用いることのできる1,2,4−トリアゾール誘導体としては、1,2,4−トリアゾール環を形成する窒素原子上に置換基を有さず、且つ、1,2,4−トリアゾールの2位及び/又は5位に、スルホ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された置換基、或いは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル基又はアリール基が導入されたものが挙げられる。
第2の液体供給手段68によって第1のフランジ63に供給される酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、セリウム酸塩、バナジン酸塩、オゾン水および銀(II)塩、鉄(III)塩や、その有機錯塩等を用いることができる。
第1の液体供給手段67によって第1のフランジ63に供給される防食剤に有機酸を混合させ被加工物Wに含まれる金属の延性を下げても良い。有機酸としては、例えば、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのアミノ基とを有する化合物を用いることができる。この場合、アミノ基のうち少なくとも1つは、2級又は3級のアミノ基であると好ましい。また、有機酸として用いる化合物は、置換基を有していてもよい。
有機酸として用いることのできるアミノ酸としては、グリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、グリシルグリシン、ヒドロキシエチルグリシン、N−メチルグリシン、β−アラニン、L−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−アロイソロイシン、L−イソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロキシン、L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−カナバニン、L−シトルリン、L−アルギニン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、エルゴチオネイン、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等が挙げられる。中でも、グリシン、L−アラニン、L−プロリン、L−ヒスチジン、L−リシン、ジヒドロキシエチルグリシンが好ましい。
切削ブレード60には回転による遠心力が作用しているため、各連通口633に供給された酸化剤及び防食剤は溝631a、液体供給室66を通り、第1のフランジ63の各第1の放射溝632a及び第2のフランジ64の各第2の放射溝642a内を放射方向に流れていき、切削ブレード60の両側面上に至る。また、各連通口633に供給された酸化剤の一部及び防食剤の一部は、溝631aと第1の放射溝632aとの間の液体供給室66及び溝631aと第2の放射溝642aとの間の環状の液体供給室66に流れ込み、液体供給室66内で混合されてから切削ブレード60の両側面上に至る。そして、切削ブレード60により被加工物Wが切削されて図9に示す切削溝Mが形成されると共に、切削ブレード60の両側面上を放射方向に向かって流れる酸化剤と防食剤とを含む液体が、切削溝M内に十分に進入していく。
切削ブレード60に供給された液体は、酸化剤が被加工物Wに形成されている金属配線を酸化し易くさせ、金属配線の延性を下げて切削していくことが可能になる。また、防食剤で、切削した被切削面(断面)の酸化を防止することができる。また、防食剤に有機酸を混合している場合には、防食剤に混合した有機酸が、酸化剤が金属配線の表面を改質して延性を下げる助けをすることで、金属配線の延性が十分下げられて被加工物Wを切削していくことが可能となる。
上記のように切削ブレード60に液体を供給しながら、切削ブレード60が切削予定ラインSを切削し終えるX軸方向の所定の位置まで被加工物Wが−X方向(図9における紙面奥側)に進行すると、図1に示す切削送り手段11による被加工物Wの切削送りを一度停止させ、切込み送り手段16が切削ブレード60を被加工物Wから離間させ、次いで、切削送り手段11が保持テーブル30を+X方向へ送り出して元の位置に戻す。そして、隣り合う切削予定ラインSの間隔ずつ切削ブレード60をY軸方向に割り出し送りしながら順次同様の切削を行うことにより、同方向の全ての切削予定ラインSを切削する。さらに、保持テーブル30を90度回転させてから同様の切削を行うと、被加工物Wは、全ての切削予定ラインSが縦横に全てカットされデバイスDを備えるチップCに分割される。
本発明に係る切削装置1は、ブレード支持部631と、ブレード支持部631の外周に形成され切削ブレード60を挟持する環状の第1の挟持部632と、ブレード支持部631の外周に複数形成されスピンドル62の軸方向に延びる溝631aと、溝631aに連通しスピンドル62の軸方向に貫通する連通口633と、第1の挟持部632に複数形成されスピンドル62の軸方向に対して放射状に延びる第1の放射溝632aと、を備え、第2のフランジ64は、ブレード支持部631を受け入れ第1の挟持部632と共に切削ブレード60を挟持する環状の第2の挟持部642と、第2の挟持部642に複数形成されスピンドル62の軸方向に対して放射状に延びる第2の放射溝642aと、を備えており、連通口633には液体を供給する液体供給路を備えた液体供給手段が接続される。そのため、被加工物Wの切削加工時において、液体供給手段が連通口633に供給した液体を、連通口633から溝631aと第1の放射溝632aと第2の放射溝642aとに至たらせ切削ブレード60に供給することが可能となる。即ち、切削ブレード60で被加工物Wを切削し切削溝Mを形成するのと並行して、第1の放射溝632a及び第2の放射溝642aから切削ブレード60の側面に供給された液体を、切削ブレード60に働く遠心力によって径方向外側に向かって送り出して切削溝M内に十分に進入させることができ、被加工物Wが備える金属配線の延性を低下させて、バリの発生を抑制しながら切削を遂行できる。
第1のフランジ63と第2のフランジ64とで切削ブレード60を挟持したとき、溝631aと第1の放射溝632aとの間及び溝631aと第2の放射溝642aとの間に環状の液体供給室66を形成するものとすることで、本実施形態のように切削溝M内に供給したい液体が酸化剤と防食剤を含む液体であり、かつ、被加工物Wの種類等によって液体中の防食剤と酸化剤との混合割合を変えたい場合に、液体供給室66を用いて酸化剤と防食剤との混合を行うことが可能となるため、液体の混合割合を容易に変えることが可能となる。
また、液体供給手段は、第1の液体供給路670を備えた第1の液体供給手段67と、第2の液体供給路680を備えた第2の液体供給手段68とを備え、切削ブレード60の回転方向に対して、下流側に第1の液体供給手段67が位置づけられ、上流側に第2の液体供給手段68が位置づけられるものとすることで、下流側の第1の液体供給手段67から供給する液体(本実施形態においては防食剤)を上流側の第2の液体供給手段68から供給する液体(本実施形態においては酸化剤)よりも多く切削溝M内に進入させることが可能となる。これは、切削加工中において、第1のフランジ63には回転による遠心力が作用しているため、上流側の第2の液体供給手段68から第1のフランジ63の連通口633に供給された酸化剤は、回転する切削ブレード60と被加工物Wとの接触点においてもっとも濃度が濃くなり、下流側の第1の液体供給手段67から第1のフランジ63の連通口633に供給された防食剤は、遠心力によって切削ブレード60と被加工物Wとの接触点より後に供給される。したがって、酸化剤は、上記接触点においてもっとも濃度が濃く、防食剤は、上記接触点で切削された切削溝に進入させる濃度が濃くなる。よって、よって、切削溝M内に進入させたい酸化剤と防食剤との割合を調整することが可能となる。
なお、本発明に係る切削装置1は上記実施形態に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている切削装置1の各構成についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
例えば、図10に示すように、液体供給手段に、防食剤を供給する第1の液体供給手段67及び酸化剤を供給する第2の液体供給手段68に加えて、有機酸を供給する第3の液体供給路700を備えた第3の液体供給手段70を加えるものとしもよい。第1の液体供給路670、第2の液体供給路680、及び第3の液体供給路700は、ブレードカバー69内に配設される。そして、図11に示すように、切削ブレード60の回転方向(紙面手前側である−Y方向側から見て時計回り方向)に対して、第1の液体供給手段67より上流側に第2の液体供給手段68が位置付けられ、第2の液体供給手段68より上流側に第3の液体供給手段70が位置づけられる。
図11に示すように、切削ブレード60による被加工物Wの切削が開始されるのに並行して、有機酸供給源702から有機酸を第3の液体供給路700を介して第1のフランジ63の連通口633(図2参照)に供給し、酸化剤供給源681から酸化剤を第2の液体供給路680を介して第1のフランジ63の連通口633に供給し、防食剤供給源671から防食剤を第1の液体供給路670を介して連通口633に供給する。即ち、固定されている状態の第1の液体供給路670、第2の液体供給路680、及び第3の液体供給路700に対して、スピンドル62と共に回転する第1のフランジ63の複数の連通口633が時計回り方向に順繰りに相対して連通し、また、離間していく。したがって、第1の液体供給路670から供給される防食剤、第2の液体供給路680から供給される酸化剤、及び第3の液体供給路700から供給される有機酸は、そのとき第1の液体供給路670、第2の液体供給路680、又は第3の液体供給路680に連通している連通口633から溝631a内に取り入れられる。
遠心力により、各連通口633に供給された酸化剤、有機酸、及び防食剤は溝631a、液体供給室66(図2参照)を通り、第1のフランジ63の各第1の放射溝632a及び第2のフランジ64(図2参照)の各第2の放射溝642a内を放射方向に流れていき、切削ブレード60の両側面上に至る。そして、切削ブレード60により被加工物Wが切削されて切削溝Mが形成されると共に、切削ブレード60の両側面上を放射方向に向かって流れる酸化剤と防食剤と有機酸とを含む液体が、切削溝M内に十分に進入していく。
切削加工中において、第1のフランジ63には回転による遠心力が作用しているため、最も上流側の第3の液体供給手段70から第1のフランジ63の連通口633に供給された有機酸は、例えば、切削ブレード60と被加工物Wとの接触点よりも前方の地点に多く供給される。また、第3の液体供給手段70よりも下流側の第2の液体供給手段68から第1のフランジ63の連通口633に供給された酸化剤は、第2の液体供給手段68よりも下流側の第1の液体供給手段67から第1のフランジ63の連通口633に供給された防食剤は、遠心力によって切削ブレード60と被加工物Wとの接触点より後に供給される。したがって、有機酸は、上記接触点よりも前方の地点において最も濃度が濃くなり、酸化剤は、上記接触点においてもっとも濃度が濃くなり、防食剤は、上記接触点で切削された切削溝に進入させる濃度が濃くなる。即ち、切削溝M内に進入させたい酸化剤と防食剤と有機酸との割合を調整することが可能となる。
1:切削装置 10:基台 14:門型コラム
11:切削送り手段
110:ボールネジ 111:ガイドレール 112:モータ 113:可動板
12:インデックス送り手段
120:ボールネジ 121:ガイドレール 122:モータ 123:可動板
3:保持手段
30:保持テーブル 30a:保持面 31:支持ベース 34:固定クランプ
18:アライメント手段 180:撮像手段 19:モニター
6:切削手段 60:切削ブレード 600:開口 61:ハウジング
62:スピンドル 620:雄ねじ
63:第1のフランジ 630:ボス部 630a:雄ねじ 631:ブレード支持部 631a:溝 632:第1の挟持部 632a:第1の放射溝 632b:凹部 633:連通口 634:嵌合孔
64:第2のフランジ 640:開口 642:第2の挟持部 642a:第2の放射溝
650:ブレード挟持ナット 651:フランジ固定ナット
66:液体供給室
67:第1の液体供給手段 68:第2の液体供給手段
W:被加工物 S:切削予定ライン D:デバイス T:ダイシングテープ F:環状フレーム
70:第3の液体供給手段

Claims (6)

  1. 被加工物を保持する保持手段と、該保持手段が保持した被加工物を切削する切削ブレードを回転可能に備えた切削手段とを少なくとも備えた切削装置であって、
    該切削手段は、ハウジングに回転可能に支持されたスピンドルと、該スピンドルの先端に装着された第1のフランジと、該第1のフランジの中央に形成されたボス部が挿入される開口を有し該切削ブレードを固定する第2のフランジと、を備え、
    該第1のフランジは、該ボス部の外周に形成され該切削ブレードの中央に形成された開口に挿入するブレード支持部と、該ブレード支持部の外周に形成され該切削ブレードを挟持する環状の第1の挟持部と、該ブレード支持部の外周に複数形成され該スピンドルの軸方向に延びる溝と、該溝に連通し該スピンドルの軸方向に貫通する連通口と、該第1の挟持部に複数形成され該スピンドルの軸方向に対して放射状に延びる第1の放射溝と、を備え、
    該第2のフランジは、該ブレード支持部を受け入れ該第1の挟持部と共に該切削ブレードを挟持する環状の第2の挟持部と、該第2の挟持部に複数形成され該スピンドルの軸方向に対して放射状に延びる第2の放射溝と、を備え、
    該連通口には、液体を供給する液体供給路を備えた液体供給手段が接続され、
    該液体供給手段によって供給された液体は、該連通口から該溝と該第1の放射溝と該第2の放射溝とに至り該切削ブレードに供給される切削装置。
  2. 前記第1のフランジと前記第2のフランジとで前記切削ブレードを挟持したとき、前記溝と前記第1の放射溝との間及び該溝と前記第2の放射溝との間に環状の液体供給室を形成する請求項1記載の切削装置。
  3. 前記液体供給手段は、第1の液体供給路を備えた第1の液体供給手段と、第2の液体供給路を備えた第2の液体供給手段とを備え、
    前記切削ブレードの回転方向に対して、下流側に該第1の液体供給手段が位置づけられ、上流側に該第2の液体供給手段が位置づけられる請求項1又は2記載の切削装置。
  4. 前記第1の液体供給手段は、防食剤を供給し、前記第2の液体供給手段は、酸化剤を供給する請求項3記載の切削装置。
  5. 前記第1の液体供給手段は、防食剤と有機酸とを混合して供給し、前記第2の液体供給手段は、酸化剤を供給する請求項3記載の切削装置。
  6. 前記液体供給手段に第3の液体供給路を備えた第3の液体供給手段を加え、前記切削ブレードの回転方向に対して、前記第2の液体供給手段より上流側に該第3の液体供給手段が位置づけられ、
    前記第1の液体供給手段は、防食剤を供給し、該第2の液体供給手段は、酸化剤を供給し、該第3の液体供給手段は、有機酸を供給する請求項3記載の切削装置。
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