JP2019096638A - 電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】弁作用金属の合金からなる陽極体を用いた電解コンデンサにおいて、漏れ電流が低くバラツキの抑制された電解コンデンサを提供する。【解決手段】陽極体としてチタンとジルコニウムからなる合金と、誘電体として前記陽極体を陽極酸化して得られる酸化皮膜と、電解質とを含む電解コンデンサであって、陽極体の合金における鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度が100ppm以下であることを特徴とする電解コンデンサ。【選択図】なし

Description

本発明は、陽極にTiとZrの合金を用い、陽極酸化処理により酸化物からなる誘電体皮膜を形成し、液体もしくは固体の電解質を用いた電解コンデンサに関する。
従来、電解コンデンサは、弁作用金属を陽極として用い、電解酸化法等により陽極表面に弁作用金属の酸化皮膜を誘電体として形成している。弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウムなどが知られている。特に、近年はコンデンサの更なる高容量化が求められており、酸化膜の比誘電率が高いチタンの使用が検討されている。
しかしながら、チタンを電解酸化して製造した電解コンデンサは、アルミニウムやタンタルなどの旧来の実用化された電解コンデンサと比較して、漏れ電流が大きいという問題がある。
漏れ電流特性の劣化を防止するため、特許文献1では、チタンにジルコンを加え合金化した陽極基体を用いた電解コンデンサが開示されている。ジルコンは3〜10wt%範囲で最も漏れ電流低下効果を示し、約50wt%程度まで実用上好ましい特性が得られるとされている。
特許文献1は陽極基体を電解液に含浸して製造した液体電解コンデンサであるが、特許文献2,3には、固体電解コンデンサ、特に電解質として導電性高分子を含む固体電解コンデンサの陽極体としてチタンとジルコニウムからなる合金を用いることを提案している。特許文献2では微量の炭素原子を添加することで誘電体の結晶化を抑制し、アモルファス構造を安定化させることで、漏れ電流の少ない誘電体が得られるとされている。特許文献3では、陽極体のチタンとジルコニウムの組成比と誘電体(陽極酸化皮膜)の膜厚との関係を特定の範囲とすることで、静電容量が大きく、漏れ電流の少ない固体電解コンデンサが提供されている。
特公昭43−18012号公報 特開2015−207689号公報 特開2016−082126号公報
本発明者らは、弁作用金属の合金、特にチタンとジルコニウムとの合金からなる陽極体を用いて電解コンデンサ、特に固体電解コンデンサを形成すると、合金の組成を一定にしても、漏れ電流がばらつくという知見を得た。したがって、本発明は、弁作用金属の合金からなる陽極体を用いた電解コンデンサにおいて、漏れ電流が低くバラツキの抑制された電解コンデンサを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、陽極体としてチタンとジルコニウムからなる合金と、誘電体として前記陽極体を陽極酸化して得られる酸化皮膜と、電解質とを含む電解コンデンサであって、陽極体の合金における鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度が100ppm以下であることを特徴とする電解コンデンサに関する。
本発明によれば、チタンとジルコニウムとの合金に含まれる鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度を100ppm以下とすることで、合金組成のバラツキが少なく、漏れ電流特性に優れた電解コンデンサを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る固体電解コンデンサの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を掲げて説明するが、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
チタン(Ti)とジルコニウム(Zr)からなる合金を陽極体として、電解液中で陽極酸化処理を行うことにより、陽極表面に誘電体である酸化皮膜が形成される。この上に電解質層を形成させる。
本発明では、弁作用金属の中から、酸化膜の比誘電率に優れるチタンを選択し、さらにチタンと同族のジルコニウムとの合金が、鉄などの不純物の存在比を低減することで合金組成のバラツキが少なく、優れた漏れ電流特性を達成できることを見出した。
陽極体を構成するTiとZrからなる合金は、それぞれの単体金属を所定の比で混合して合金化する。合金化の過程で単体金属に含まれる鉄、ニッケル、クロム(以下、鉄系金属)が濃縮、分離して、合金中の鉄系金属の総量は、単体金属中の鉄系金属の総量よりも減少することがある。しかしながら、単体金属に含まれる鉄系金属は、工業的に得られる2N5(純度99.5%程度)材では少なくとも鉄が100ppm以上含まれており、このような材料を用いて合金化しても、鉄系金属の総量が100ppm以下まで低減することはない。そこで、本発明では3N(純度99.9%)以上、好ましくは4N(純度99.99%)以上の高純度チタンと高純度ジルコニウムを含む合金塊を作製し、得られた合金塊を鉄系金属に汚染されることなく粉末にして加圧成形した後、高真空、高温下に熱処理して陽極体を作製する方法が好ましい。なお、本明細書において、高純度チタンおよび高純度ジルコニウムとは、鉄系金属の総量が100ppm未満のものをいう。高純度チタンと高純度ジルコニウムの作製方法に特に指定はないが、例えば、ヨウ化物熱分解法、溶融塩電解精製法、水素プラズマ熔解法、電子ビーム熔解法などが使用できる。なお、原料金属の純度が高くなればなるほど、価格が上昇し、陽極体乃至電解コンデンサのコストが増加することになる。本発明では合金として鉄系金属の総濃度が100ppm以下となれば良いため、TiとZrの一方が高純度品であれば、組成比によっては他方が高純度品でないもの(鉄の濃度が100ppm以上のもの)と組み合わせることもできる。それによって、陽極体の製造コストの上昇を抑えることができる。また、製造過程での鉄系金属汚染を防止するためには、鉄系金属を主として含む装置と接触しての混合などを避けることが挙げられる。なお、6N(純度99.9999%)の超高純度品でも、規格上は最大1ppmの鉄を含み得ることから、本発明における鉄系金属の総量の下限値は1ppmと便宜上定義する。なお、この下限値1ppmは、実際に使用する測定装置の検出限界以下である場合がある。
陽極体としてのTi−Zr合金中の鉄系金属の総量は、50ppm以下であることがより好ましい。
合金中の鉄系金属の量は、例えば、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析により測定することができる。ICP発光分光分析は非常に高感度であり、理論上、検出下限は大半の元素に対して10ppb以下である場合がある。実際に使用する装置ではppmオーダーの測定が可能な装置であればよい。例えば、検出下限が10ppmの装置でも規定する100ppm以下、特に50ppm以下であることが確認できる。測定は、合金を適当な酸に溶解して溶液として、それを霧化した状態でプラズマ中に導入し、励起発光させることで行う。
なお、合金中の鉄系金属としては、鉄の含有量が最も多く、鉄の含有量が鉄系金属の総量となることがある。
TiとZrは同族元素であり全率固溶体となるため、任意組成で均一合金を得られる利点があるが、Zrが原子比率で20%以上では、電解質層形成後に漏れ電流が低くなり、コンデンサ特性が良好になる。また、Zrの原子比率が90%以下であれば、静電容量がTaを陽極体として用いた電解コンデンサよりも良好な値を示す。さらには、Zrの原子比率が20%以上、70%以下であれば、陽極酸化して得られる誘電体がアモルファス構造となることで、コンデンサの耐熱特性が向上するためより好ましい。つまり、本発明に係る陽極体は、チタンとジルコニウムの原子比がTi:Zrで80:20〜10:90である合金であることが好ましく、Ti:Zrが80:20〜30:70であることがより好ましい。
得られた合金塊は前述の通り粉末状に粉砕し、該粉末を所定の陽極体の形状に加圧成形した後、高真空、高温下に熱処理して陽極体を作製する。該陽極体は、合金粉末の焼結体であり、多孔質である。以下、多孔質焼結体ともいう。
合金塊の粉末化には、公知の粉砕機が使用でき、ボールミルやビーズミル等の粉砕媒体を使用する装置が挙げられる。これらの粉砕機には、鉄系金属の汚染を抑制するため、例えば、Ti−Zr合金よりも硬度の高い、ジルコニア(ZrO)製のタンク、粉砕媒体を使用することが好ましい。得られる粉末の粒径については特に制限はないが、100μm以下が好ましく、10μm以下が好ましい。また、ナノ粒子までの粉砕は必要はなく、サブミクロン(0.1μm:100nm)までの粉砕で十分である。
多孔質焼結体作製時の高温熱処理において、チタン−ジルコニウム合金の変態温度以上の温度で熱処理すると結晶粒界部分に鉄が濃縮される。しかし、本発明のように、合金中の鉄系金属濃度を100ppm以下とすれば、鉄の結晶粒界への偏析が低減される。その結果、陽極酸化により形成された酸化皮膜の皮膜破壊が抑制され、欠陥の無い均質な酸化皮膜を形成することが可能になり、電解コンデンサの漏れ電流が改善される。
さらに、チタンまたはジルコニウムと鉄との親和性の違いにより、合金中の鉄の濃度を100ppm未満とすればチタン−ジルコニウム合金の微視的なばらつきが低減されることが判明した。これにより、電解コンデンサの静電容量のばらつきが抑制される。本発明では、チタン−ジルコニウム合金(陽極体)中のチタン組成比率の最大値と最小値の差分が10パーセントポイント(ppt)以下であることが好ましく、5ppt以下がより好ましい。当該組成比率は任意の5カ所で測定することで全体的な組成比率と見なすことができる。
合金中に含まれる鉄以外の鉄系金属(ニッケル、クロム)についても同様の効果が得られることを確認している。
陽極体を構成するTiとZrからなる合金は、上記の粉末焼結法以外にも、アーク溶解法、スパッタ法、メカニカルアロイ法などで製造したものが利用できる。陽極体の形状としては、板状、箔状、線状など公知のいずれの形状であっても良い。また、適当な基体上にTiとZrからなる合金膜を形成したものでも良い。陽極体として、焼結法で形成したものは、微細な空孔を有して表面積が大きく、高い静電容量が要求される電解コンデンサに有利である。
[誘電体]
誘電体は、陽極酸化処理により形成される、酸化皮膜からなる。該誘電体の膜厚は、所望の静電容量が得られるように適宜決定されるが、導電性高分子を電解質に用いる場合、5nm以上、1000nm以下のときに、電解質層形成後の漏れ電流が低くなる。酸化皮膜の膜厚は、陽極酸化の処理電圧と陽極の組成により決定されるが、Zrの原子比率が20%以上の場合には、陽極酸化処理電圧が3V以上、500V以下であるときに、数時間の処理で膜厚を5nm以上、1000nm以下とすることができる。誘電体の膜厚は、薄くなるほど静電容量が高くなり、厚くなるほど高電圧での使用が可能となる。したがって、電解コンデンサに要求される性能に応じて、上記範囲から適宜選択することができる。
また陽極酸化処理には、公知の電解液を用いることができる。例えばリン酸、硝酸、ホウ酸、クエン酸、またはそれらのナトリウム塩、アンモニウム塩などを含む水溶液、または非水溶液を使用することができる。
[電解質層]
電解質層には、公知の電解質を用いることができる。具体的には、カルボン酸やアミン等の電解質を含み、グリコールやエーテル等の溶媒からなる電解液、二酸化マンガンもしくはポリチオフェン、ポリピロール等の導電高分子からなる固体電解質、またはそれらの複合物等を用いることができる。これらの中でも、導電性高分子からなる固体電解質を含む場合には、電解コンデンサの漏れ電流がより低くなるため好ましい。
酸化皮膜からなる誘電体の上に形成される導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリシラン、またはそれらの誘導体から選択される1種以上を使用することができる。導電性高分子を含む電解質層の形成方法としては、化学酸化重合法、電解重合法、分散液または溶液の塗布乾燥法などが適用できる。電解質層は、導電性高分子に導電性を発現させるドーパントを含むことができ、さらに必要に応じてバインダーを含むことができる。ドーパントとしてはアニオン性のドーパントが挙げられ、特にポリ酸アニオンが好ましい。バインダーとしては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコールや糖類等の水溶性樹脂等が挙げられる。
図1に、本実施形態に係る固体電解コンデンサの構造を示す模式的断面図を示す。この固体電解コンデンサは、陽極体1上に、誘電体層2、電解質層3がこの順に形成された構造を有している。電解質層3の外周には、グラファイト層4と銀層5形成して陰極を形成し、更に、導電性接着剤6を介して外部との接続端子となる電極7に接続される。また、陽極導体1の電解質層3を形成していない面には陽極導体1と同様の弁作用金属からなる金属リード8が設けられており、金属リード8は、陰極とは異なる接続端子の電極7に接続されている。また、全体はエポキシ樹脂等の絶縁性の外装樹脂9で覆われ、電解コンデンサが形成される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
原料として、ヨウ化物熱分解法により作製した高純度チタン(Ti)と同じくヨウ化物熱分解法により作製した高純度ジルコニウム(Zr)を、原子比40:60の組成で秤量した後、アークボタン溶解法により合金塊を作製した。作製した高純度チタン、高純度ジルコニウムのいずれも鉄系金属の総量は100ppm未満であった。この合金塊をジルコニアタンクのボールミルとビーズミルを用いて、平均粒径(D50)=2μmの合金粉末とした。得られた合金粉末を金型に充填し加圧成型することにより、外形2.2mm×1.7mm×1.2mmの成型体を作製した。次に、この成型体を800℃の高温真空中で焼結し、多孔質焼結体を得た。このとき多孔質焼結体中に含まれる濃度をICP発光分光分析したところ、鉄濃度と鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度はいずれも10ppm未満であった。また、多孔質焼結体を透過電子顕微鏡により組成分析した結果を表1に示す。組成分析は得られた多孔質焼結体の任意の5箇所に行い、チタン組成比率の最大値と最小値の差分(パーセントポイント:ppt)を記載した。得られた多孔質焼結体を陽極体とし、0.05質量%のリン酸と50質量%のエチレングリコールと水を含む電解液を用い、25℃で100Vの陽極酸化処理を2時間行うことにより、誘電体である酸化皮膜を形成した。続いて、導電性高分子であるポリチオフェンの分散液を酸化皮膜の上に塗布した後、溶媒を乾燥させて、電解質層を形成した。さらに、グラファイトペーストと、銀ペーストを塗布し、硬化させることにより、陰極引き出し層を形成させ、固体電解コンデンサを得た。得られた固体電解コンデンサについて、5Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
原料として、未精製のスポンジチタン(鉄系金属の総量約300ppm)と実施例1と同様にヨウ化物熱分解法により作製した高純度ジルコニウムを用いた以外は実施例1と同じ方法で、多孔質焼結体を得た。このとき多孔質焼結体中に含まれる濃度をICP発光分光分析したところ、鉄濃度と鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度はいずれも50ppmであった。また、多孔質焼結体を透過電子顕微鏡により組成分析した結果を表1に示す。得られた多孔質焼結体を陽極体とし、実施例1と同じ方法で固体電解コンデンサを得た。得られた固体電解コンデンサについて、5Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。結果を表1に示す
<実施例3>
原料として、実施例1と同様にヨウ化物熱分解法により作製した高純度チタンと未精製のスポンジジルコニウム(鉄系金属の総量約500ppm)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、多孔質焼結体を得た。このとき多孔質焼結体中に含まれる濃度をICP発光分光分析したところ、鉄濃度と鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度はいずれも90ppmであった。また、多孔質焼結体を透過電子顕微鏡により組成分析した結果を表1に示す。得られた多孔質焼結体を陽極体とし、実施例1と同じ方法で固体電解コンデンサを得た。得られた固体電解コンデンサについて、5Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。結果を表1に示す
<比較例1>
原料として、実施例2で使用の未精製のスポンジチタンと実施例3で使用の未精製のスポンジジルコニウムを用いた以外は実施例1と同じ方法で、多孔質焼結体を得た。このとき多孔質焼結体中に含まれる濃度をICP発光分光分析したところ、鉄濃度と鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度はいずれも140ppmであった。また、多孔質焼結体を透過電子顕微鏡により組成分析した結果を表1に示す。得られた多孔質焼結体を陽極体とし、実施例1と同じ方法で固体電解コンデンサを得た。得られた固体電解コンデンサについて、5Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。結果を表1に示す
<比較例2>
ステンレスタンクのボールミルとビーズミルを用いた以外は実施例1と同じ方法で多孔質焼結体を得た。このとき多孔質焼結体中に含まれる濃度をICP発光分光分析したところ、鉄濃度が80ppm、鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度は110ppmであった。また、多孔質焼結体を透過電子顕微鏡により組成分析した結果を表1に示す。得られた多孔質焼結体を陽極体とし、実施例1と同じ方法で固体電解コンデンサを得た。得られた固体電解コンデンサについて、5Vの直流電圧を印加し、5分後の漏れ電流を測定した。結果を表1に示す
Figure 2019096638
表1より、陽極体中の鉄系金属(鉄、ニッケル、クロム)の総量濃度が100ppm以下である実施例1〜3の場合に、陽極体中の組成ばらつきが減少し、電解コンデンサの漏れ電流が低くなることが分かった。
1:陽極体(TiZr合金)
2:誘電体層
3:電解質層(導電性高分子)
4:グラファイト層
5:銀層
6:導電性接着剤
7:電極
8:金属リード
9:外装樹脂

Claims (8)

  1. 陽極体としてチタンとジルコニウムからなる合金と、誘電体として前記陽極体を陽極酸化して得られる酸化皮膜と、電解質とを含む電解コンデンサであって、陽極体の合金における鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度が100ppm以下であることを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記陽極体は、多孔質体である請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記陽極体は、任意の5カ所で測定したチタン組成比率の最大値と最小値の差が10パーセントポイント以下である請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記電解質は、固体電解質である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記固体電解質は、導電性高分子を含む請求項4に記載の電解コンデンサ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法であって、単体チタンと単体ジルコニウムを混合し、合金化した合金塊を得る工程と、該合金塊を粉砕して粉末を得る工程と、該粉末を真空焼結して多孔質の陽極体を得る工程を含むことを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記単体チタンと単体ジルコニウムの一方は鉄、ニッケル、クロムの総量の濃度が100ppm未満の高純度品であり、他方は前記総量が100ppmを越える材料である請求項6に記載の電解コンデンサの製造方法。
  8. 前記粉末を得る工程は、前記合金塊を鉄系金属と接触しない装置を用いて粉末化したものである請求項6又は7に記載の電解コンデンサの製造方法。
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