JP2019096222A - 画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 各画素に含まれているノイズ量が一定ではない画像に対しても高精度なノイズ低減を実現するための技術を提供すること。【解決手段】 着目パッチと類似する類似パッチと着目パッチとを含むパッチ集合を生成する。パッチ集合に含まれている各パッチの各画素に対応するノイズ量パラメータを推定する。パッチ集合とノイズ量パラメータとに基づいて、パッチ集合に対応する、ノイズが付加される前の画像の事前確率を推定する。パッチ集合とノイズ量パラメータと事前確率とに基づいて、着目パッチのノイズを低減した第1のパッチ、類似パッチのノイズを低減した第2のパッチ、を推定する。第1のパッチおよび第2のパッチに対して画像合成処理を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、画像におけるノイズを低減するための技術に関するものである。
デジタルカメラなどのデジタル撮像装置は、CCDやCMOSセンサなどの光電荷変換素子(撮像素子)で受光した光をデジタル信号に変換することでデジタル画像データを生成する。デジタル画像データを生成する過程では、撮像素子や回路の特性により暗電流ノイズ、熱雑音、及びショットノイズなどが発生し、その結果、デジタル画像データにノイズが混入する。近年の撮像素子の小型化、高画素化に伴い画素ピッチが極小化しているため、ノイズが目立ちやすくなっており、特に撮影感度を高くした場合などはノイズが顕著に発生し、画質劣化の大きな要因になっている。従って、高画質な画像を得るためには混入したノイズを低減する必要があり、このノイズを低減する技術が数多く知られている。
その中で、非特許文献1、2(NLベイズ法)には、撮影画像からパッチ集合を生成し、該パッチ集合に属する全てのパッチに対してノイズ低減処理を行い、さらにこれらパッチの合成処理を行うことでデノイズされた画像を生成する手法が開示されている。この非特許文献1、2の手法(NLベイズ法)では、エッジやテクスチャを出来るだけぼかさずにノイズのみを高精度に低減することが可能である。しかしこの技術は、入力画像内の各画素に含まれているノイズ量が同じであることが前提となっている。すなわち、グレースケール画像としては、全画素で同じレベルのノイズ量を持つ画像、RGB3色の色情報を持つRGB画像としては、RGBのそれぞれの情報毎に全画素で同レベルのノイズ量を持つ画像、が想定されている。
A Non-local Bayesian image denoising algorithm, SIAM Journal on Imaging Science, 2013. Implementation of the "Non-Local Bayes" (NL-Bayes) Image Denoising Algorithm, Image Processing On Line, 3 (2013)
デジタル撮像装置の撮像素子では、入射した光量に依存する量のノイズが発生するため、一般的な被写体を撮影した際、デジタル撮像装置で生成された画像データの各画素に含まれているノイズ量は一定にはならない。したがって、非特許文献1、2に開示されている技術をデジタル撮像装置で生成された画像データにそのまま適用しても、高精度にノイズを低減することはできない。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、各画素に含まれているノイズ量が一定ではない画像に対しても高精度なノイズ低減を実現するための技術を提供する。
本発明の一様態は、入力画像における着目画素を基準とした複数の画素で構成される着目パッチを設定し、該入力画像において該着目画素に対応する複数の参照画素のそれぞれについて、該参照画素を基準とした複数の画素で構成される参照パッチを設定する設定手段と、前記設定手段が設定した参照パッチのうち前記着目パッチと類似する類似パッチを前記着目パッチとの類似度に基づいて特定し、前記着目パッチと前記類似パッチとを含むパッチ集合を生成する生成手段と、前記パッチ集合に含まれている各パッチの各画素に対応するノイズ量パラメータを、該各画素の画素値に基づいて推定する第1の推定手段と、前記パッチ集合と前記ノイズ量パラメータとに基づいて、前記パッチ集合に対応する、ノイズが付加される前の画像の事前確率を推定する第2の推定手段と、前記パッチ集合と前記ノイズ量パラメータと前記事前確率とに基づいて、前記パッチ集合に含まれている前記着目パッチのノイズを低減した第1のパッチ、前記パッチ集合に含まれている前記類似パッチのノイズを低減した第2のパッチ、を推定する処理手段と、前記第1のパッチおよび第2のパッチに対して画像合成処理を行う合成手段とを備えることを特徴とする。
本発明の構成によれば、各画素に含まれているノイズ量が一定ではない画像に対しても高精度なノイズ低減を実現することができる。
画像処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図。 画像処理装置100の機能構成例を示すブロック図。 生成部203の機能構成例を示すブロック図。 センサのノイズ特性を一次近似でモデル化した模式図。 推定部205の機能構成例を示すブロック図。 パッチをベクトルで表現した模式図。 アグリゲーション処理を説明した模式図である。 画像処理装置100が行うノイズ低減処理のフローチャート。 画像処理装置900の機能構成例を示すブロック図。 推定部204’の機能構成例を示すブロック図。 ノイズ量パラメータ推定の流れを図解した模式図。 ノイズ低減処理の流れを図解した模式図。 推定部905の機能構成例を示すブロック図。 画像処理装置900が行うノイズ低減処理のフローチャート。 ステップS1409における処理の詳細を示すフローチャート。 ステップS1416における処理の詳細を示すフローチャート。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載した構成の具体的な実施例の1つである。
[第1の実施形態]
(画像処理装置のハードウェア構成例)
本実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例について、図1のブロック図を用いて説明する。なお、画像処理装置100のハードウェア構成は一例であり、適宜変更/変形が可能である。
CPU101はRAM102に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU101は、画像処理装置100全体の動作制御を行うと共に、画像処理装置100が行うものとして後述する各処理を実行若しくは制御する。
RAM102は、HDD(ハードディスクドライブ)103からロードされたコンピュータプログラムやデータ、汎用I/F(インターフェース)104を介して外部から受信したデータ、を格納するためのエリアを有する。さらにRAM102は、CPU101が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにRAM102は、各種のエリアを適宜提供することができる。
HDD103には、OS(オペレーティングシステム)や、画像処理装置100が行うものとして後述する各処理をCPU101に実行若しくは制御させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。HDD103に保存されているコンピュータプログラムには、以降の説明で画像処理装置100の機能部として説明する各機能部の機能をCPU101に実行させるためのコンピュータプログラムが含まれている。また、HDD103に保存されているデータには、以下の説明において既知の情報として説明するもの(予め設定された情報、予め取得した情報等)が含まれている。HDD103に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU101による制御に従って適宜RAM102にロードされ、CPU101による処理対象となる。
汎用I/F104には、撮像装置105、入力装置106、外部メモリ107が接続されている。汎用I/F104は1つ以上の接続インターフェースにより構成されており、撮像装置105、入力装置106、外部メモリ107を含む各種の機器を画像処理装置100に接続するために使用される。
撮像装置105は、デジタル撮像装置であり、CCDやCMOSセンサなどの光電荷変換素子(撮像素子)で受光した光をデジタル信号に変換することでデジタル画像データを生成し、該生成したデジタル画像データを画像処理装置100に対して出力する。CPU101は、汎用I/F104を介して撮像装置105から受信したデジタル画像データを入力画像としてRAM102やHDD103に取得(格納)する。
入力装置106は、キーボードやマウスなどのユーザインターフェースにより構成されており、ユーザが操作することで各種の指示をCPU101に対して入力することができる。
外部メモリ107はSDカードやUSBメモリなどの、画像処理装置100に対して着脱可能なメモリ装置である。画像処理装置100がノイズ低減処理の対象とする入力画像は撮像装置105から取得しても良いし、HDD103から取得しても良いし、外部メモリ107から取得しても良い。
モニタ108は、CRTや液晶画面などにより構成されており、CPU101による処理結果を画像や文字などでもって表示することができる。なお、入力装置106とモニタ108とを一体化させてタッチパネル画面を構成しても良い。CPU101、RAM102、HDD103、汎用I/F104、モニタ108、はいずれもバス109に接続されている。
(入力画像)
先ず、本実施形態においてノイズ低減処理の対象となる入力画像について説明する。デジタル撮像装置の撮像素子(センサ)では、入射した光量に依存する(輝度依存性のある)ノイズ量のノイズが発生する。これは、物理的な光子の揺らぎに起因するものである。したがって、明るさが一様な被写体を撮影しない限り、センサで撮像された画像には画素毎に異なる量のノイズが付加されている。本実施形態では、このようなディジタル撮像装置のセンサで撮像された画像、すなわち、画素毎に異なる量のノイズが付加されている画像を入力画像として取得し、該入力画像に対するノイズ低減処理を行う。
(NLベイズ法の処理の概要)
次に、本実施形態の前提となる、NLベイズ法によるノイズ低減処理ついて確認しておく。まず、入力画像における複数の画素を着目画素として設定し、着目画素毎にパッチ集合を生成する。次に、生成したパッチ集合に含まれる各パッチのノイズを低減する。まず、パッチの各画素の平均値と、各パッチの任意の2つの画素値の積をパッチ集合の全てのパッチについて和をとり計算する共分散行列とを算出する。この平均値と共分散行列により、ノイズのない理想的な画像の画素値が従う事前確率をモデル化(仮定)する。次に、「事後確率=尤度×事前確率」で表わされるベイズの定理を用いて、事後確率が最大となるようなパッチの画素値を決定する。すなわち、モデル化された事前確率と、尤度に相当する予め測定された画像のノイズ分散(デジタル撮像装置の撮像素子(センサ)に依拠)とを上記ベイズの定理に当て嵌め、事後確率を最大化するように各パッチの画素値を決定する。これにより、ノイズが低減されたパッチが得られる。そして、ノイズ低減後のパッチそれぞれを合成して、ノイズが低減された出力画像を生成する。このパッチの合成はアグリゲーションなどと呼ばれる。具体的には、ノイズ低減後の各パッチを入力画像における元のパッチ位置に戻し、複数のパッチが重なる画素については画素値を平均化、あるいは類似度に基づいた加重平均を行う。以上が、NLベイズ法によるノイズ低減処理の内容である。
本実施形態では、上記のNLベイズ法によるノイズ低減処理を、入力画像におけるそれぞれの画素のノイズ量が同じではない(入力画像におけるノイズが一定でない)ケースに対応させた修正NLベイズ法の理論を導く。そして、修正NLベイズ法を実施する基本的な様態について説明する。
(用語の定義)
ここで、以降の説明において使用する用語について確認しておく。「パッチ」とは、入力画像の一部に相当する矩形の画像領域を意味し、複数の画素で構成される。入力画像内の画素のうち着目画素を基準とする複数の画素で構成されたパッチを、以下では「着目パッチ」と呼ぶこととする。そして着目パッチについてノイズ低減を行うときに参照する、着目パッチの周辺に設定するパッチを「参照パッチ」と呼ぶこととする。参照パッチとは、着目画素に対する参照画素を基準とする複数の画素で構成されたパッチである。1つの着目画素に対して複数の参照画素が設定されるため、1つの着目画素あたり複数の参照パッチが存在することになる。前述したパッチ集合は、着目パッチと、複数の参照パッチのうち着目パッチとの類似度が高い参照パッチと、の集合である。
(輝度依存性のあるノイズに対応した修正NLベイズ法)
まず、入力画像のノイズが一定でない(画素ごとのノイズ量が同じではない)ケースに対応したNLベイズ法の理論式とその理論式に基づいて算出したアルゴリズムについて説明する。以下の式(1)に示すように、撮像された画像の各画素の画素値は、ノイズのない本来の画素値に標準偏差σのノイズが加算されていると考える。
このとき、xという画素値があるときに撮影された画素値
を得る条件付き確率密度関数は以下の式(2)のように表される。
次に、N次元(k×k)のパッチで考える。確率変数x(i=1,…,N)を考え、この確率変数は全て独立にガウス分布に従うとする。N個の確率変数は全て独立であるから、その同時分布p(x,…,x)=p(x)は、以下の式(3)、(4)のように表される。
したがって、ノイズのないパッチPがあるときに撮影されたパッチ
を得る条件付き確率密度関数は次の式(5)のようになる。
この時、ベイズの定理より、撮影されたノイズのあるパッチが
の場合に、ノイズの無いパッチがPである事後確率
は、以下の式(6)となる。
NLベイズでは、事後確率である
を最大化することでノイズの無いパッチを推定する。パッチPの類似パッチQが多次元正規分布で表されると仮定し、以下の式(7)に示す如く事前確率P(Q)を式(6)のP(P)として与える。
ここで、αは正規化定数である。式(5)〜(7)から
を最大化することと等価の問題を次の式(8)のように導ける。
また、

をそれぞれ、以下の式(9)〜(10)のように仮定する。
式(8)は以下の式(11)に示すようにPで微分すると0となる。
したがって、撮影されたノイズのある画像のパッチからノイズの無いパッチは、以下の式(14)のように求められる。これを1stSTEPの結果と呼ぶ。
さらに、1stSTEPの結果に基づいて、式(15)に示す如く、より高精度に共分散行列
、類似パッチ集合
の平均ベクトルを算出し直す。
すると、2ndSTEPでは以下の式(16)でより高精度なノイズ低減結果を得られる。
(画像処理装置の機能構成例)
次に、本実施形態に係る画像処理装置100の機能構成例について、図2のブロック図を用いて説明する。なお、図2に示した構成は適宜変形/変更が可能である。例えば、1つの機能部を機能別に複数の機能部に分割しても良いし、2つ以上の機能部を1つの機能部に統合しても良い。また、図2の構成は、2以上の装置によって構成しても良い。その場合、各装置は回路や有線若しくは無線のネットワークを介して接続され、互いにデータ通信を行って協調動作を行うことで、以下に画像処理装置が行うものとして後述する各処理を実現する。
以下では、図2,3,5,9,10,13に示す機能部を処理の主体として説明する場合があるが、実際には、該機能部に対応するコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、該機能部の機能が実現される。なお、図2,3,5,9,10,13に示す機能部はハードウェアで実装しても良い。
画素設定部201には入力画像(画像データ)が入力される。入力画像は、RAW画像であっても良いし、グレースケール画像であっても良いし、RGBの3ch画像であっても良いし、RGGBの4ch画像であっても良い。以下では入力画像が1chの画像であることを前提に説明を行うが、これに限るものではない。画素設定部201は、入力画像における任意の画素(着目画素)の座標位置(着目座標位置)と、該着目画素に対応する複数の参照画素のそれぞれの座標位置(参照座標位置)と、を設定する。
パッチ設定部202は、着目座標位置における画素である着目画素を含むパッチを着目パッチとして設定する。さらにパッチ設定部202は、参照座標位置ごとに、該参照座標位置における画素である参照画素を含むパッチを参照パッチとして設定する。
生成部203は、複数の参照パッチの中から着目パッチとの類似度が高い参照パッチを類似パッチとして選別し、該選別した類似パッチと該着目パッチとを含むパッチ集合である類似パッチ集合を生成する。
推定部204は、着目パッチ(類似パッチ集合)のノイズ量パラメータを推定する。推定部205は、類似パッチ集合と推定部204で推定されたノイズ量パラメータとに基づいて、着目パッチ(とその類似パッチ)のノイズのない理想的な画素値が従う事前確率をモデル化(仮定)する。処理部206は、類似パッチ集合を構成する各パッチのノイズを低減する。画像合成部207は、ノイズが低減された各パッチの合成(アグリゲーション)を行う。
(生成部203の機能構成例)
生成部203の機能構成例について、図3のブロック図を用いて説明する。算出部301は、パッチ設定部202で設定された参照パッチごとに、該参照パッチと着目パッチとの類似度を算出する。具体的には、Iを着目パッチ、Tを参照パッチとしたときに、着目パッチIと参照パッチTとの類似度は、例えば以下の式(17)や式(18)を用いて算出することができる。
式(17)では、着目パッチIと参照パッチTとの類似度として差分絶対値和(SAD:Sum of Absolute Difference)を求めている。また、式(18)では、着目パッチIと参照パッチTとの類似度として差分二乗和(SSD:Sum of Squared Difference)を求めている。式(17)、式(18)では、パッチ(着目パッチI、参照パッチT)のサイズをM画素×M画素としている。また、式(17)、式(18)では、着目パッチI内の座標位置(i,j)における画素の画素値をI(i,j)、参照パッチT内の座標位置(i,j)における画素の画素値をT(i,j)としている。
式(17)や式(18)で算出した類似度は、値(RSAD,RSSD)が小さいほど着目パッチと参照パッチとの類似性が高くなることを意味している。なお、類似度を求めるための方法は式(17)や式(18)に限るものではなく、他の手法を用いてもよい。
選別部302は、パッチ設定部202が設定した参照パッチのうち着目パッチと類似する参照パッチ(類似パッチ)を、算出部301で算出した類似度に基づいて選別(特定)する。そして選別部302は、着目パッチと該選別した参照パッチとを含むパッチ集合(類似パッチ集合)を生成する。選別部302は、着目パッチとの類似度が高い順に上位N(Nの定義は後述する)枚の参照パッチを選別しても良いし、式(17)又は式(18)で算出された類似度と規定値とを比較して類似度が規定値以上となる参照パッチを選別しても良い。このように、着目パッチと類似する参照パッチを選別する方法は特定の方法に限らない。
ただし、類似パッチ集合を構成するパッチの数は事前確率をモデル化(仮定)する上で大きな影響を与える。例えば、着目パッチとの類似度が低い参照パッチを含む類似パッチ集合を生成してしまうと、事前確率の精度の低下に繋がってしまう。一方で、着目パッチとの類似度が高い参照パッチのみを選別して類似パッチ集合を生成する場合、着目パッチとの類似度が高い参照パッチが十分に存在しない場合、パッチの枚数が足りないことに起因してノイズ低減処理が破綻してしまう。そこで本実施形態では、着目パッチとの類似度が高い順に上位N枚の参照パッチを選別する方式を採用する。ノイズ低減処理が成立し、好適な結果が得られるNの値を入力画像あるいは入力画像のノイズ量(例えば入力画像の撮影感度)に応じて定めておく。以下では、類似パッチ集合に含まれるパッチの総数をNとして説明する場合がある。
(ノイズ量パラメータの推定の詳細)
推定部204によるノイズ量パラメータの推定処理について説明する。デジタル撮像装置の撮像素子(センサ)では、ノイズ量が入射した光量に依存するようなノイズが発生する。センサのノイズモデルは、正確には温度や露光時間にも依存し、光量の二次の項も存在するため、厳密なモデル化及びパラメータの推定は困難である。しかしながら、ほとんどの条件においては、例えば、以下の式(19)、図4に示すような簡単な一次式近似によって、ノイズ低減処理に用いる上では実用上十分な精度でノイズ量パラメータを推定することが可能である。
ここで、左辺のσ は、入力画像の画素値に対応するノイズ量、kとIは、入力画像を撮像したセンサのノイズ特性を表す。ノイズ特性のパラメータは、ノイズ評価用のチャートを撮影して解析する等の作業(処理)を行うことで、事前に推定しておくものとする。これにより、着目パッチのノイズ量パラメータは、類似パッチ集合に含まれる各パッチの各画素の画素値と式(19)に基づいて推定することができる。着目パッチのノイズ量パラメータは、以下の式(20)で表され、σ 、σ 、…、σ は各パッチを構成する各画素のノイズ分散を示している。なお、Σは対角行列(対角成分以外が0)となっているが、これはセンサで発生したノイズが画素毎に独立であることを意味する。
(事前確率推定の詳細)
推定部205の機能構成例について、図5のブロック図を用いて説明する。算出部501は、類似パッチ集合に含まれる各パッチから座標位置(x、y)における画素値を収集し、該収集した画素値の平均値を座標位置(x、y)に対する平均値として求める。なお、パッチが3画素×3画素のサイズを有し、且つパッチの中心の座標位置を(0,0)とすると、−1≦x、y≦1となる。このように、推定部205は、パッチ上の各座標位置について画素値の平均値を求める。その結果、例えば、−1≦x、y≦1であるとすると、9(=3×3)個の平均値を要素とする1次元ベクトルが得られる。ここで、この先の行列演算のため、図6に示すようにパッチは1次元ベクトルとして表現して扱うものとする。
算出部502は、類似パッチ集合に基づいて分散共分散行列を算出する。平均ベクトル、分散共分散行列、は以下の式21に従って算出することができる。
は着目パッチ、
は類似パッチ集合を構成するパッチ(着目パッチ、類似パッチ)を示す。また、
は類似パッチ集合を構成する各パッチの列ベクトルを示す。また、Nは類似パッチ集合を構成するパッチの枚数、
は類似パッチ集合の平均列ベクトルである。また、
は類似パッチ集合の分散共分散行列である。
推定部503は、着目パッチ(とその類似パッチ)のノイズのない理想的な画素値が従う事前確率モデルのパラメータを推定する。NLベイズ法では、類似パッチ集合(類似パッチ群)が多次元正規分布で表せるものと仮定し、事前確率モデルとして多次元正規分布を用いている。したがって、多次元正規分布を表すパラメータである平均ベクトルと分散共分散行列を求めた。このとき、事前確率モデルのパラメータは、ノイズのある入力画像から推定しなくてはならないことに注意が必要である。すなわち、推定したい事前確率モデルのパラメータは、
であり、

ではない。そこで、入力画像から算出可能な

から修正NLベイズ法の理論で示した式(9)、(10)の仮定を用いて
を推定する。これにより、ノイズのない理想的な画素値が従う着目パッチ(とその類似パッチ)の多次元正規分布を表すパラメータが推定できる。
(画像パッチノイズ低減処理の詳細)
以下、処理部206が行う処理について説明する。NLベイズ法では、「事後確率=尤度×事前確率」で表わされるベイズの定理を用いて、事後確率が最大となるようなパッチの画素値を決定することで各パッチのノイズ低減結果を得る。具体的には、式(21)で得られたパラメータに基づいて、式(22)の行列演算を行えばよい。ここで、Q1stはノイズ低減後のパッチを表し、類似パッチ集合を構成する各パッチ
に対して求まる。
なお、式(22)で算出されたノイズ低減後のパッチQ1stは1stSTEPの結果であり、1stSTEPの結果を用いて事前確率モデルを推定し直すことで、さらにノイズ低減精度を向上させた2ndSTEPの結果を得ることも可能である。この形態については第2の実施形態で説明する。
(画像合成処理の詳細)
画像合成部207は上記の通り、ノイズが低減された類似パッチ集合を構成する各パッチの合成(アグリゲーション)を行う。具体的には、画像合成部207は、ノイズ低減後の各パッチを元のパッチ位置に戻し、複数のパッチが重なる画素の画素値は、該複数のパッチにおいて該画素に重なる画素の画素値の平均値を適用する。このときの様子を図7に示した。なお、複数のパッチが重なる画素の画素値は、該複数のパッチにおいて該画素に重なる画素の画素値の重み付き平均値を適用しても良く、重みには例えば類似度を用いることが考えられる。以上のようにして、ノイズが低減された画像が得られる。
(ノイズ低減処理フロー)
次に、本実施形態に係る画像処理装置100が行う、入力画像に対するノイズ低減処理について、図8のフローチャートに従って説明する。
ステップS801では、CPU101は、入力画像の各画素に対応するカウンタを0に初期化する。このカウンタは、アグリゲーション時に複数のパッチが重なるため、各画素に何回(何枚)のパッチが積み重ねられたかを記憶(カウント)するために用いる。
ステップS802では、CPU101は、撮像装置105、HDD103、外部メモリ107等から入力画像をRAM102に取得する。そしてCPU101は、該入力画像における任意の画素(着目画素)の座標位置(着目座標位置)と、該着目画素に対応する複数の参照画素のそれぞれの座標位置(参照座標位置)と、を設定する。参照画素は通常、着目画素の近傍の画素を用いる。具体的には、着目画素を中心とした周囲の規定サイズの探索範囲(矩形領域)に含まれる画素を参照画素とする。このとき、計算量の増大も招くが、一般的に探索範囲はできるだけ大きい方が性能は向上する。その理由は、参照画素を増やすことによって、着目パッチに対する類似度の高い類似パッチがより多く集められることになるからである。
ステップS803では、CPU101は、着目座標位置における画素である着目画素を含むパッチを着目パッチとして設定する。さらにCPU101は、参照座標位置ごとに、該参照座標位置における画素である参照画素を含むパッチを参照パッチとして設定する。なお、着目パッチや参照パッチのサイズ(パッチサイズ)は入力画像のノイズ量や被写体領域によって最適なサイズが異なり、例えば3画素×3画素、5画素×5画素、7画素×7画素などのサイズが用いられる。ここでは、入力画像を撮像したセンサのノイズ特性に基づいてパッチサイズを設定しておくものとする。
ステップS804では、CPU101は、ステップS803で設定された複数の参照パッチ(参照画素ごとに設定した参照パッチ)から未選択(未処理)の参照パッチを1つ、選択参照パッチとして選択する。そしてCPU101は、着目パッチと選択参照パッチとの類似度を算出する。
ステップS805では、CPU101は、ステップS803で設定された複数の参照パッチのうち選択参照パッチとして選択されていない参照パッチが残っているか否かを判断する。この判断の結果、ステップS803で設定された複数の参照パッチのうち選択参照パッチとして選択されていない参照パッチが残っている場合には、処理はステップS804に戻る。一方、ステップS803で設定された複数の参照パッチのうち選択参照パッチとして選択されていない参照パッチが残っていない場合には、処理はステップS806に進む。
ステップS806では、CPU101は、複数の参照パッチの中から着目パッチとの類似度が高い上位N枚の参照パッチを類似パッチとして選別し、該選別した類似パッチと該着目パッチとを含む類似パッチ集合を生成する。
ステップS807では、CPU101は、ステップS806で生成した類似パッチ集合の平均ベクトルを算出する。ステップS808では、CPU101は、ステップS806で生成した類似パッチ集合の分散共分散行列を算出する。上記の通り、平均ベクトルと分散共分散行列の算出は式(21)に基づいて行う。
ステップS809では、CPU101は、着目パッチ(類似パッチ集合)を構成する各画素のノイズ量を推定する。具体的には上記の通り、着目パッチの各画素の画素値を式(19)に代入してノイズ分散を算出し、ノイズ量パラメータとして式(20)の形で表す。
ステップS810では、CPU101は、ステップS807で求めた平均ベクトル、ステップS808で求めた分散共分散行列、ステップS809で求めたノイズ量パラメータ、に基づいて事前確率モデルを推定する。ここで、ノイズのないときに類似パッチ集合(類似パッチ群)が多次元正規分布でモデル化できると仮定している。したがって、ノイズのある入力画像に基づいて算出された平均ベクトル、分散共分散行列より、式(9)、(10)の仮定を用いて、ノイズのないときの平均ベクトルと分散共分散行列を推定する。
ステップS811では、CPU101は、類似パッチ集合に含まれているパッチの中から未選択のパッチを1つ選択パッチとして選択する。そしてCPU101は、選択パッチに対して、式(22)の行列演算に基づいてノイズを低減するノイズ低減処理を行う。
ステップS812では、CPU101は、類似パッチ集合に含まれている全てのパッチを選択パッチとして選択したか否かを判断する。この判断の結果、類似パッチ集合に含まれている全てのパッチを選択パッチとして選択した場合には、処理はステップS813に進む。一方、類似パッチ集合に含まれているパッチのうち選択パッチとして選択していないパッチが残っている場合には、処理はステップS811に戻る。
ステップS813では、CPU101は、ステップS811においてノイズ低減された全てのパッチをRAM102やHDD103に保持し、入力画像における各パッチの画素位置に対応するカウンタを更新する。つまり、入力画像の各画素について、該画素に重なるパッチの数をカウントして該画素のカウンタの値に累積する。
ステップS814では、CPU101は、ステップS802で入力画像の全ての画素を着目画素として設定したか否かを判断する。この判断の結果、ステップS802で入力画像の全ての画素を着目画素として設定した場合には、処理はステップS815に進み、入力画像において未だ着目画素として設定してない画素が残っている場合には、処理はステップS802に戻る。
なお、このとき必ずしも入力画像の全ての画素を着目画素として設定する必要はなく、例えば類似パッチ集合として一度でも使用されたパッチは着目パッチとしないように設定してもよい。このようにすることで、一般的なケースにおいて、ノイズ低減効果にはそれほど影響を与えずに、処理を大幅に高速化することができる。
ステップS815では、CPU101は、ステップS813でRAM102やHDD103に保持している全てのノイズ低減された類似パッチ集合とカウンタに基づいてアグリゲーションを行う。そしてCPU101は、上記の処理によって得られるノイズ低減後画像を出力する。ノイズ低減後画像の出力先は特定の出力先に限らず、HDD103、外部メモリ107、汎用I/F104に接続される他の機器(例えばネットワークを介して画像処理装置100と接続される外部機器)であっても良い。以上説明した一連のノイズ低減処理の大まかな流れを図12に示した。
このように本実施形態によれば、デジタル撮像装置による撮像画像など、各画素に含まれているノイズ量が一定ではない画像であっても、該画像におけるノイズを高精度に低減することが可能になる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、入力画像における画素ごとのノイズが一定でない形に対応させた修正NLベイズ法を導き、このアルゴリズムの1stSTEPまでを実施する基本的な様態について示した。次に、第1の実施形態の構成にさらに2ndSTEPを加えて、パッチのノイズ量の推定方法を工夫した様態について、第2の実施形態として説明する。なお、以下では第1の実施形態との差分について説明し、以下で特に触れない限りは第1の実施形態と同様であるものとする。
(第1の実施形態の実用上の課題)
第1の実施形態で示した修正NLベイズ法により、画素ごとのノイズ量が一定でない入力画像に対しても高精度にノイズを低減することが可能になる。ただし、第1の実施形態で示した方法では、入力画像中の被写体によっては本来のノイズ低減性能が発揮できない。なぜならば、事前確率をモデル化(仮定)するにあたって生成したパッチ集合が、常に着目パッチと十分に類似度が高い参照パッチだけで構成されているとは限らないからである。すなわち、修正NLベイズ法の理論では、着目パッチと類似パッチのノイズ量が同じであることを仮定しており、この仮定が成り立たないと式(9)に基づいてノイズのない理想的な画像の画素値が従う事前確率を推定できない。パッチサイズに依存して、パッチ集合を構成する類似パッチ数が大量に必要になるため、一般的な被写体が撮影された入力画像においては、しばしばパッチ集合に類似していない参照パッチが含まれることになる。そこで、以下では、パッチのノイズ量の推定方法を工夫することによって、類似していないパッチが含まれるパッチ集合に対しても高精度にノイズ低減することを可能にする方法を示す。
(画像処理装置の機能構成例)
本実施形態に係る画像処理装置900の機能構成例について、図9のブロック図を用いて説明する。図9に示した構成において、図2と同じ機能部には同じ参照番号を付しており、該機能部に係る説明は省略する。
推定部204’は、着目パッチ(類似パッチ集合)のノイズ量パラメータを推定する。設定部901は、入力された二枚の画像のそれぞれに対して第1の実施形態と同様に着目画素と参照画素とを設定する。設定部901に入力される二枚の画像とは、入力画像、画像合成部207で得られたノイズ低減後の画像(ノイズ低減後画像)、であり、設定する着目画素及び参照画素の座標は入力画像とノイズ低減後画像とで共通である。設定部902は、設定部901が入力画像およびノイズ低減後画像のそれぞれについて設定した着目画素の座標位置および参照画素の座標位置に基づいて、第1の実施形態と同様に、上記の二枚の画像に対して着目パッチと参照パッチとを設定する。生成部903は、ノイズ低減後画像に対応する複数の参照パッチの中から着目パッチとの類似度の高い参照パッチを選別し、入力画像およびノイズ低減後画像のそれぞれに対して類似パッチ集合を生成する。推定部904は、着目パッチ(類似パッチ集合)の第二ノイズ量パラメータを推定する。推定部905は、入力画像およびノイズ低減後画像のそれぞれについて生成した類似パッチ集合と第二ノイズ量パラメータとに基づいて、着目パッチ(とその類似パッチ)のノイズのない理想的な画素値が従う第二の事前確率をモデル化(仮定)する。処理部906は、入力画像に対応する類似パッチ集合を構成する各パッチのノイズを低減する。合成部907は、ノイズが低減された入力画像に対応する類似パッチ集合を構成する各パッチの合成(アグリゲーション)を行う。
(ノイズ量パラメータ推定の詳細)
<<ノイズ量パラメータ推定の課題>>
ノイズ量パラメータ推定部で推定したノイズ量パラメータは、着目パッチ(とその類似パッチ)のノイズのない理想的な画素値が従う事前確率モデルのパラメータの推定と、ノイズ低減処理で用いられることになる。このとき、修正NLベイズ法では、着目パッチと類似パッチ集合を構成する類似パッチとのノイズ量が同じであることを前提として導出していることに注意する必要がある。すなわち、修正NLベイズ法の理論の式(8)の
に対応する左項のexpに存在するΣ−1は、着目パッチのノイズ分散の逆行列(=逆数)を表す。一方で、同じ右項のexpに存在するC −1を算出するために式(9)においても同じΣを用いているが、これは類似パッチ集合を構成する各パッチのノイズ分散が着目パッチのノイズ分散と等しいことを意味する。つまり、式(9)の仮定が成り立ち、修正NLベイズ法が理論上正しく適用できるのは、着目パッチに対して非常に類似度の高い類似パッチのみから構成される類似パッチ集合が構築されているときだけである。
また一方で、類似パッチ集合を構成する類似パッチ数には制約があり、それは(パッチサイズ×パッチサイズ+1)以上という非常に大きい数である。その上、実際には、入力画像のノイズ量にもよるものの、安定した事前確率モデルパラメータを推定するために、この最低枚数よりもさらに多くの枚数の類似パッチが必要となる。そのため、一般的な被写体が撮影された入力画像においては、しばしば着目パッチに類似していない参照パッチも含めて類似パッチ集合を生成することになる。そのような場合でも高精度なノイズ低減効果を発揮するために、推定部204’は、着目パッチ(類似パッチ集合)のノイズ量パラメータを単純に着目パッチの画素値と式(19)から推定するのではなく、次のように推定する。
<<推定部204’の詳細>>
推定部204’の機能構成例について、図10のブロック図を用いて説明する。算出部1001は、類似パッチ集合を構成する各パッチに対する共通のノイズ量パラメータを推定するために、ノイズ量パラメータ推定用の画素値(推定用画素値)を算出する。推定部1002は、算出部1001で推定されたパッチの各画素値に基づいて式(19)よりノイズ量パラメータを推定する。以下に、推定用画素値の算出方法とノイズ量パラメータ推定の一連の流れの詳細を示す。
推定用画素値は、例えば類似パッチ集合を構成する全パッチの画素毎(画素位置毎)の平均値によって算出する。このとき、着目パッチと類似度の高い順に上位の一部のパッチに限定して平均値を算出しても良いし、重み付き平均値を用いても良い。ただし、必ず着目パッチと一枚以上の参照パッチを用いて算出する。これらの方法では、平均化に使用する画素数はパッチを構成する各画素で共通である。しかし、必ずしも各画素で平均化する画素数は共通である必要はなく、例えば次のように推定用画素値を算出してもよい。
(1) 類似パッチ集合を構成する全パッチの画素毎の平均値に基づいて式(19)よりノイズ量パラメータを推定する。これを仮のノイズ量パラメータとする。式(19)ではノイズ分散が推定されるため、仮のノイズ量パラメータの平方根をとってノイズ標準偏差を算出する。
(2) パッチを構成する画素毎に、式(23)で示すようにS/Nに基づいて平均化に使用する画素数を決定する。すなわち、S/Nの低い暗部ほど多くの画素で平均化することを意味する。
(3) パッチを構成する画素毎に、式(23)で決定した画素数Cに基づいて着目パッチと類似度の高い上位C個の参照パッチとにおける対象画素の平均値を算出し、これを推定用画素値とする。
(4) 推定用画素値に基づいて式(19)を用いてノイズ量パラメータを推定する。
図11は、このノイズ量パラメータを推定する一連の流れを示したものである。なお、(1)で仮のノイズ量パラメータを推定する際に使用する画素値は着目パッチの画素値でもよい。また、(2)で着目パッチの画素値を使用する代わりに類似パッチ集合を構成する全パッチの画素毎の平均値を使用することも考えられる。
(生成部903の詳細)
生成部903は先ず、ノイズ低減後画像について第1の実施形態と同様にして類似パッチ集合を生成する。次に生成部903は、入力画像に対応する類似パッチ集合を同様にして生成するのであるが、その際、ノイズ低減後画像について生成した類似パッチ集合と同じ参照パッチを用いて、入力画像に対応する類似パッチ集合を生成する点が第1の実施形態と異なる。このようにすることで、ノイズのある入力画像ではなく、ノイズ低減後画像で算出した類似度に基づいて、参照パッチをより高精度に選別することが可能となる。

(第二事前確率推定の詳細)
推定部905の機能構成例について、図13のブロック図を用いて説明する。算出部1302は、入力画像およびノイズ低減後画像のそれぞれについて生成した類似パッチ集合に基づいて分散共分散行列を算出し、これを第二分散共分散行列と呼ぶ。第二平均ベクトルと第二分散共分散行列は、以下の式(24)に基づいて算出することができる。
P1stは、1stSTEP処理後(ノイズ低減後)画像の着目パッチ、Sim(P1st)は、1stSTEP処理後の画像の類似パッチ集合を構成するパッチ(着目パッチと着目パッチの類似パッチ)である。また、
は、入力画像の類似パッチ集合を構成する各パッチの列ベクトル、Nは、類似パッチ集合を構成するパッチの枚数である。また、
は、入力画像の類似パッチ集合の平均列ベクトル、
は、類似パッチ集合の分散共分散行列である。
推定部1303は、着目パッチ(とその類似パッチ)のノイズのない理想的な画素値が従う事前確率モデルのパラメータを推定する。1stSTEP処理後のノイズの低減された画像を用いて類似パッチ集合を生成し、分散共分散行列を算出することによって、事前確率パラメータを推定部503よりも高精度に推定する。また、式(25)を仮定して、推定したい事前確率モデルのパラメータは、
であるため、式(24)で算出された

と式(25)の仮定を用いて推定する。
以上により、ノイズのない理想的な画素値が従う着目パッチ(とその類似パッチ)の多次元正規分布を表すパラメータをより高精度に推定できる。
(第二画像パッチノイズ低減処理の詳細)
処理部906は、入力画像の類似パッチ集合を構成する各パッチのノイズを低減する。具体的には、式(24)で得られたパラメータに基づいて、式(26)の行列演算を行えばよい。ここで、Q2ndは最終的なノイズ低減後のパッチを表し、入力画像の類似パッチ集合を構成する各パッチ
に対して求まる。
以上より、パッチのノイズ量の推定方法を工夫することによって、類似していないパッチが含まれるパッチ集合に対しても高精度にノイズ低減することできる。また、1stSTEPの結果を用いて事前確率パラメータを推定し直し、2ndSTEPの結果を算出したことによって、ノイズ低減精度をさらに向上させた結果が得られる。
(ノイズ低減処理フロー)
次に、本実施形態に係る画像処理装置900が行う、入力画像に対するノイズ低減処理について、図14のフローチャートに従って説明する。図14において図8に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
ステップS1409では、CPU101は、着目パッチ(類似画像パッチ集合)を構成する各画素のノイズ量を推定する。ステップS1409のノイズ量推定処理の詳細については後述する。
ステップS1416では、CPU101は、ステップS815で生成されたノイズ低減後画像と入力画像とに基づいてSTEP2のノイズ低減処理を実施する。ステップS1416のSTEP2のノイズ低減処理の詳細については後述する。
(ステップS1409のノイズ量推定処理の詳細)
ステップS1409における処理の詳細について、図15のフローチャートに従って説明する。ステップS1501では、CPU101は、類似パッチ集合を構成する全パッチの画素値の平均値を算出し、該平均値に基づいて式(19)により仮のノイズ量パラメータを推定し、該仮のノイズ量パラメータの平方根をとってノイズ標準偏差を算出する。
ステップS1502では、CPU101は、パッチを構成する画素毎に、式(23)で示すようにS/Nに基づいて平均化に使用する画素数Cを決定する。ステップS1503では、CPU101は、パッチを構成する画素毎に、ステップS1502で決定した画素数Cに基づいて着目パッチと類似度が高い順に上位C個の参照パッチとにおける対象画素の平均値を算出し、これを推定用画素値とする。ステップS1504では、CPU101は、ステップS1503で算出した推定用画素値に基づいて式(19)を用いてノイズ量パラメータを推定する。
(ステップS1416のSTEP2のノイズ低減処理の詳細)
ステップS1416における処理の詳細について、図16のフローチャートに従って説明する。ステップS1601では、CPU101は、入力画像の各画素に対応するカウンタ(第1の実施形態と同様のカウンタ)を0に初期化する。
ステップS1602では、CPU101は、入力画像およびノイズ低減後画像のそれぞれについて第1の実施形態と同様にして、着目座標位置と参照座標位置とを設定する。上記の通り、着目画素位置と参照画素位置は、ノイズ低減後画像と入力画像とで共通である。
ステップS1603でCPU101は、入力画像およびノイズ低減後画像のそれぞれについて第1の実施形態と同様にして、着目パッチおよび複数の参照パッチを設定する。着目パッチと参照パッチのそれぞれの座標位置は、ノイズ低減後画像と入力画像とで共通である。
ステップS1604では、CPU101は、入力画像およびノイズ低減後画像のそれぞれについて、次の処理を行う。即ちCPU101は、ステップS1603で設定された複数の参照パッチから未選択(未処理)の参照パッチを1つ、選択参照パッチとして選択し、着目パッチと選択参照パッチとの類似度を算出する。類似度の算出にはノイズ低減後画像のみを用いる。
ステップS1605では、CPU101は、ステップS1603で設定された複数の参照パッチのうち選択参照パッチとして選択されていない参照パッチが残っているか否かを判断する。この判断の結果、ステップS1603で設定された複数の参照パッチのうち選択参照パッチとして選択されていない参照パッチが残っている場合には、処理はステップS1604に戻る。一方、ステップS1603で設定された複数の参照パッチのうち選択参照パッチとして選択されていない参照パッチが残っていない場合には、処理はステップS1606に進む。
ステップS1606では、CPU101は、入力画像およびノイズ低減後画像のそれぞれについて、次の処理を行う。即ちCPU101は、複数の参照パッチの中から着目パッチとの類似度の高い上位N枚の参照パッチを類似パッチとして選別し、該選別した類似パッチと該着目パッチとを含む類似パッチ集合を生成する。すなわち、ノイズ低減後画像に基づいて選別して類似パッチ集合を生成し、それと同じ座標値のパッチに基づく入力画像の類似パッチ集合を生成する。
ステップS1607では、CPU101は、ステップS1606で生成した類似パッチ集合の平均ベクトルを算出する。ステップS1608では、CPU101は、ステップS1606で生成した類似パッチ集合の分散共分散行列を算出する。平均ベクトルと分散共分散行列の算出は式(24)に基づいて行う。
ステップS1609では、CPU101は、着目パッチ(類似パッチ集合)を構成する各画素のノイズ量を推定する。具体的には上記の通り、ノイズ低減後画像の着目パッチの各画素の画素値を式(19)に代入してノイズ分散を算出し、ノイズ量パラメータとして式(20)の形で表す。なお、式(19)への代入に使用する画素値はノイズ低減後画像の着目パッチの画素値に限らず、例えばノイズ低減後の類似パッチ集合の平均値でもよい。また、入力画像の画素値を用いても良い。ただし、一般的にはノイズ低減後画像を用いて推定した方がよい。
ステップS1610では、CPU101は、ステップS1607で求めた平均ベクトル、ステップS1608で求めた分散共分散行列、ステップS1609で求めたノイズ量パラメータ、に基づいて事前確率モデルを推定する。具体的には、式(25)の仮定を用いて、1stSTEPのノイズ低減処理によってノイズを低減したノイズ低減後画像に基づいて算出された平均ベクトル、分散共分散行列をノイズのないときの平均ベクトルと分散共分散行列と考える。
ステップS1611では、CPU101は、入力画像の類似パッチ集合に含まれているパッチの中から未選択のパッチを1つ選択パッチとして選択する。そしてCPU101は、選択パッチに対して、式(26)の行列演算に基づいてノイズを低減するノイズ低減処理を行う。
ステップS1612では、CPU101は、類似パッチ集合に含まれている全てのパッチを選択パッチとして選択したか否かを判断する。この判断の結果、類似パッチ集合に含まれている全てのパッチを選択パッチとして選択した場合には、処理はステップS1613に進む。一方、類似パッチ集合に含まれているパッチのうち選択パッチとして選択していないパッチが残っている場合には、処理はステップS1611に戻る。
ステップS1613では、CPU101は、ノイズ低減された全てのパッチ(入力画像)をRAM102やHDD103に保持し、入力画像における各パッチの画素位置に対応するカウンタを更新する。つまり、入力画像の各画素について、該画素に重なるパッチの数をカウントして該画素のカウンタの値に累積する。
ステップS1614では、CPU101は、ステップS1602で入力画像の全ての画素を着目画素として設定したか否かを判断する。この判断の結果、ステップS1602で入力画像の全ての画素を着目画素として設定した場合には、処理はステップS1615に進み、入力画像において未だ着目画素として設定してない画素が残っている場合には、処理はステップS1602に戻る。
なお、このとき必ずしも入力画像の全ての画素を着目画素として設定する必要はなく、例えば類似パッチ集合として一度でも使用されたパッチは着目パッチとしないように設定してもよい。このようにすることで、一般的なケースにおいて、ノイズ低減効果にはそれほど影響を与えずに、処理を大幅に高速化することができる。
ステップS1615では、CPU101は、ステップS1613でRAM102やHDD103に保持している全てのノイズ低減された類似パッチ集合(入力画像)とカウンタに基づいてアグリゲーションを行う。そしてCPU101は、上記の処理によって得られるノイズ低減後画像(STEP2のノイズ低減後画像)を出力する。第1の実施形態と同様、STEP2のノイズ低減後画像の出力先は特定の出力先に限らない。
このように、本実施形態によれば、類似していないパッチが含まれる類似パッチ集合に対しても高精度にノイズ低減することができる。したがって、デジタル撮像装置で生成された各画素に含まれているノイズ量が一定ではない一般的な画像のほとんど全てのケースで高精度にノイズを低減することが可能になる。
[第3の実施形態]
第1,2の実施形態では、撮像装置105による撮像画像に対して画像処理装置100(900)がノイズ低減処理を行う例を説明したが、画像処理装置100(900)が行うものとして上述したノイズ低減処理を撮像装置105内で行うようにしても良い。この場合、撮像装置105に上記のノイズ低減処理用のハードウェアを設けて該ハードウェアにより上記のノイズ低減処理を行うようにしても良い。また、上記のノイズ低減処理用のコンピュータプログラムを撮像装置105のメモリに格納し、撮像装置105のプロセッサが該コンピュータプログラムを実行することで上記のノイズ低減処理を実行するようにしても良い。つまり、上記の画像処理装置100(900)の構成を撮像装置105に組み込むようにしても良い。
また、画像処理装置100(900)は、ネットワークを介してクライアント装置から送信された撮像画像に対してノイズ低減処理を行い、ノイズ低減後画像を自身に登録する若しくはクライアント装置に対して返信するようなシステムを構成しても良い。
[第4の実施形態]
上記の通り、第1の実施形態において生成したノイズ低減後画像や第2の実施形態において生成したSTEP2のノイズ低減後画像の出力先は特定の出力先に限らない。例えばCPU101は、入力画像、第1の実施形態において生成したノイズ低減後画像、第2の実施形態において生成したSTEP2のノイズ低減後画像、を並べて若しくは切り替え可能にモニタ108に表示させるようにしても良い。この3つの画像の画像のうち1つ以上を表示するようにしても良い。その際の表示方法は特定の表示方法に限らない。
また、CPU101は、第1の実施形態において生成したノイズ低減後画像をモニタ108に表示すると共に、更なるノイズ低減処理(図16のフローチャートに従った処理)を実行するか否かをユーザに問い合わせる画面をモニタ108に表示してもよい。この場合、ユーザが入力装置106を操作して更なるノイズ低減処理の実行指示を入力した場合には、CPU101は図16のフローチャートに従った処理を行う。
また、以上説明した各実施形態の一部若しくは全部を適宜組み合わせても構わない。また、以上説明した各実施形態の一部若しくは全部を選択的に使用しても構わない。また、以上説明した各処理のうち処理の内容によっては一部の処理の処理順を上記の処理順から変更しても構わないし、一部の処理を並列で行うようにしても良い。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
201:画素設定部 202:パッチ設定部 203:生成部 204:推定部 205:推定部 206:処理部 207:画像合成部

Claims (20)

  1. 入力画像における着目画素を基準とした複数の画素で構成される着目パッチを設定し、該入力画像において該着目画素に対応する複数の参照画素のそれぞれについて、該参照画素を基準とした複数の画素で構成される参照パッチを設定する設定手段と、
    前記設定手段が設定した参照パッチのうち前記着目パッチと類似する類似パッチを前記着目パッチとの類似度に基づいて特定し、前記着目パッチと前記類似パッチとを含むパッチ集合を生成する生成手段と、
    前記パッチ集合に含まれている各パッチの各画素に対応するノイズ量パラメータを、該各画素の画素値に基づいて推定する第1の推定手段と、
    前記パッチ集合と前記ノイズ量パラメータとに基づいて、前記パッチ集合に対応する、ノイズが付加される前の画像の事前確率を推定する第2の推定手段と、
    前記パッチ集合と前記ノイズ量パラメータと前記事前確率とに基づいて、前記パッチ集合に含まれている前記着目パッチのノイズを低減した第1のパッチ、前記パッチ集合に含まれている前記類似パッチのノイズを低減した第2のパッチ、を推定する処理手段と、
    前記第1のパッチおよび前記第2のパッチに対して画像合成処理を行う合成手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第2の推定手段は、ノイズが付加される前の前記パッチ集合を多次元正規分布でモデル化できると仮定し、事前確率モデルとして多次元正規分布を用いて、前記事前確率モデルを表すパラメータを事前確率パラメータとして推定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第2の推定手段は、前記パッチ集合の平均ベクトルと前記パッチ集合の分散共分散行列と前記ノイズ量パラメータとに基づいて前記事前確率パラメータを推定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記処理手段は、前記パッチ集合における各パッチを構成する画素に付加されているノイズが全て独立に正規分布に従うことを尤度としたときに、ノイズが付加される前のパッチの事後確率を最大化するようなノイズ低減後のパッチを、前記各パッチと前記事前確率と前記尤度と前記ノイズ量パラメータとに基づいてベイズの定理により推定することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記処理手段は、Pをノイズが付加される前の本来の画像に基づいて構成されるパッチ、
    を撮像素子によるノイズが付加された入力画像に基づいて構成されるパッチ、Σをパッチを構成する各画素のノイズ量パラメータを表した対角行列、
    をノイズが付加される前の本来の画像に基づいて構成されるパッチと該パッチに対する類似パッチとから生成されるパッチ集合の分散共分散行列、とするとき、前記事前確率がP(P)、前記尤度が
    、前記事後確率が
    にそれぞれ対応し、前記事後確率を最大化するような式
    と同じものとみなせる計算に基づいて、前記第1のパッチおよび前記第2のパッチを推定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、
    前記設定手段が設定したそれぞれの参照パッチと前記着目パッチとの類似度を算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出した類似度に基づいて、前記パッチ集合に前記類似パッチとして含める参照パッチを選別する選別手段と
    を備え、
    前記着目パッチと前記選別手段で選別された参照パッチとを含むパッチ集合を生成することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記選別手段は、前記算出手段が算出した類似度と規定値との比較により、前記パッチ集合に前記類似パッチとして含める参照パッチを選別することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記選別手段は、前記算出手段が算出した類似度が高い順に上位の規定の数の参照パッチを、前記類似パッチとして選別することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 前記第1の推定手段は、パッチの各画素値と前記入力画像を撮像した撮像素子のノイズ特性とに基づいてノイズ量パラメータを推定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記第1の推定手段は、前記パッチ集合に含まれる各パッチに対して共通のノイズ量パラメータを推定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記第1の推定手段は、ノイズ量パラメータを推定する際に使用する画素値を算出する第2の算出手段を有し、前記画素値と前記ノイズ特性とに基づいてノイズ量パラメータを推定することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理装置。
  12. 前記第2の算出手段は、前記パッチ集合における画素位置ごとの画素値の平均値を算出することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 前記第2の算出手段は、前記パッチ集合のうち、前記着目パッチと一枚以上の前記参照パッチとにおいて対応する画素位置ごとの画素値の重み付き平均値を算出することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  14. 前記第2の算出手段は、前記パッチ集合のうち、前記着目パッチと、該着目パッチとの類似度が高い順に上位の規定の数の前記参照パッチと、において対応する画素位置ごとの画素値の重み付き平均値を算出し、前記規定の数は前記パッチ集合のノイズ量に応じて決定されることを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  15. 前記入力画像は、撮像素子による輝度依存性のあるノイズが付加された画像であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の画像処理装置。
  16. 更に、
    前記入力画像における複数の画素を前記着目画素として、前記設定手段、前記生成手段、前記第1の推定手段、前記第2の推定手段、前記処理手段、前記合成手段、により得られる画像を、前記入力画像に対するノイズ低減処理を行ったノイズ低減後画像として出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の画像処理装置。
  17. 前記出力手段は、前記ノイズ低減後画像および/または前記入力画像を表示することを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 前記画像処理装置はデジタル撮像装置であることを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の画像処理装置。
  19. 画像処理装置が行う画像処理方法であって、
    前記画像処理装置の設定手段が、入力画像における着目画素を基準とした複数の画素で構成される着目パッチを設定し、該入力画像において該着目画素に対応する複数の参照画素のそれぞれについて、該参照画素を基準とした複数の画素で構成される参照パッチを設定する設定工程と、
    前記画像処理装置の生成手段が、前記設定工程で設定した参照パッチのうち前記着目パッチと類似する類似パッチを前記着目パッチとの類似度に基づいて特定し、前記着目パッチと前記類似パッチとを含むパッチ集合を生成する生成工程と、
    前記画像処理装置の第1の推定手段が、前記パッチ集合に含まれている各パッチの各画素に対応するノイズ量パラメータを、該各画素の画素値に基づいて推定する第1の推定工程と、
    前記画像処理装置の第2の推定手段が、前記パッチ集合と前記ノイズ量パラメータとに基づいて、前記パッチ集合に対応する、ノイズが付加される前の画像の事前確率を推定する第2の推定工程と、
    前記画像処理装置の処理手段が、前記パッチ集合と前記ノイズ量パラメータと前記事前確率とに基づいて、前記パッチ集合に含まれている前記着目パッチのノイズを低減した第1のパッチ、前記パッチ集合に含まれている前記類似パッチのノイズを低減した第2のパッチ、を推定する処理工程と、
    前記画像処理装置の合成手段が、前記第1のパッチおよび前記第2のパッチに対して画像合成処理を行う合成工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  20. コンピュータを、請求項1乃至18の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
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