JP2019095241A - 放射線撮像パネル、放射線撮像装置および放射線撮像システム - Google Patents

放射線撮像パネル、放射線撮像装置および放射線撮像システム Download PDF

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和美 長野
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Keiichi Nomura
慶一 野村
知貴 小松
Tomotaka Komatsu
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Abstract

【課題】多方向放射線撮像システムに用いる放射線撮像装置において、画質の向上に有利な技術を提供する。【解決手段】基板と基板の第1の面に配される複数の第1の光電変換素子を含む第1の光電変換部と第1の光電変換部を覆うように配されるシンチレータ層を含む第1の波長変換部と基板の第1の面とは反対側の第2の面を覆うように配される第2の波長変換部とを含み、第2の波長変換部は、所定の形状を有する複数の区画を定義する隔壁部と隔壁部によって区画された複数の領域にそれぞれ配される複数のシンチレータ部とを含み、隔壁部は、複数のシンチレータ部で発生する光の複数のシンチレータ部間での拡散を抑制し、第1の面に対する正射影において、隔壁部は、複数の第1の光電変換素子が配される行および列方向のうち少なくとも一方に沿って、複数の第1の光電変換素子のうち互いに隣接する光電変換素子の間の領域と重なるように配される。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線撮像パネル、放射線撮像装置および放射線撮像システムに関する。
医療画像診断や非破壊検査において、放射線撮像パネル(フラットパネルディテクタ:FPD)を用いた放射線撮像装置が広く使用されている。特許文献1には、光電変換素子が配された基板の両面にシンチレータを配することによって、放射線から変換される光量を増加させ、感度を向上させた放射線検出装置が示されている。
特開2009−133837号公報
特許文献1の放射線検出装置において、一方のシンチレータで変換された光は基板を介して光電変換素子に到達するため、他方のシンチレータで変換され基板を介さずに光電変換素子に到達する光と比較して光路長が長くなる。光路長が長くなると、散乱などの影響によって解像度が低下しうる。
本発明は、放射線撮像パネルの解像度の向上に有利な技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る放射線撮像パネルは、基板と、基板の第1の面にアレイ状に配される複数の第1の光電変換素子を含む第1の光電変換部と、第1の光電変換部を覆うように配されるシンチレータ層を含む第1の波長変換部と、基板の第1の面とは反対側の第2の面を覆うように配される第2の波長変換部と、を含む放射線撮像パネルであって、第2の波長変換部は、所定の形状を有する複数の区画を定義する隔壁部と、隔壁部によって区画された複数の領域にそれぞれ配される複数のシンチレータ部と、を含み、隔壁部は、複数のシンチレータ部で発生する光の複数のシンチレータ部間での拡散を抑制し、第1の面に対する正射影において、隔壁部は、複数の第1の光電変換素子が配される行方向および列方向のうち少なくとも一方に沿って、複数の第1の光電変換素子のうち互いに隣接する光電変換素子の間の領域と重なるように配されることを特徴とする。
上記手段によって、放射線撮像パネルの解像度の向上に有利な技術を提供する。
本発明の実施形態に係る放射線撮像パネルの概略を示す図。 図1の放射線撮像パネルの変形例を示す断面図。 図1の放射線撮像パネルの変形例を示す断面図。 放射線撮像パネルの比較例を示す断面図。 図1の放射線撮像パネルを用いた放射線撮像装置の構成例を示す図。 図5の放射線撮像装置を用いた放射線撮像システムの構成例を示す図。
以下、本発明に係る放射線撮像システムの具体的な実施形態を、添付図面を参照して説明する。以下の説明及び図面において、複数の図面に渡って共通の構成については共通の符号を付している。そのため、複数の図面を相互に参照して共通する構成を説明し、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。また、本発明における放射線には、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども含みうる。
図1〜6を参照して、本発明の実施形態による放射線撮像パネル100の構成について説明する。図1(a)〜(c)は、本発明の放射線撮像パネル100の構成例を示す概略図である。図1(a)は、放射線撮像パネル100の平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A’線における放射線撮像パネル100の断面図、図1(c)は、図1(b)のB−B’線における放射線撮像パネル100の断面図である。
放射線撮像パネル100は、複数の光電変換素子104を含むセンサパネル102と、波長変換部101と、波長変換部120と、を含む。センサパネル102は、基板103と、基板103の表面151にアレイ状に配される複数の光電変換素子104を含む光電変換部114と、光電変換部114を保護するために光電変換部114を覆うように配されるセンサ保護層105と、を含む。また、センサパネル102は、センサパネル102をセンサパネル102の外部の実装基板などと接続するための、フレキシブルケーブルなどを用いた配線部112が接続される接続パッド部111を含む。光電変換部114には、複数の光電変換素子104によって生成された電荷に応じた信号を読み出すためのスイッチング素子(不図示)が、それぞれの光電変換素子104に対応して配されうる。基板103は、ガラス基板やプラスティック基板などの波長変換部101、120で放射線から変換された光に対して透明な絶縁性基板でありうる。光電変換素子104は、基板103上に堆積されたシリコンなどの半導体層に形成されうる。
センサ保護層105は、光電変換部114を覆うように配される。センサ保護層105は、例えば、SiN、TiO、LiF、Al、MgOなどを用いて形成されうる。また、センサ保護層105は、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂などを用いて形成されてもよい。さらに、センサ保護層105は、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などを用いて形成されてもよい。ただし、波長変換部101によって放射線から変換された光がセンサ保護層105を通過することができるように、波長変換部101で変換された光の波長について高い透過率を有する材料で構成される。
波長変換部101は、シンチレータ層106と、接着層109と、保護層110と、を含む。シンチレータ層106は、基板103の表面151の側に、光電変換部114を覆うように配される。
波長変換部120は、基板103の光電変換部114が配される表面151とは反対側の裏面152を覆うように配される。波長変換部120は、所定の形状を有する複数の区画を定義する隔壁部122と、隔壁部122によって区画された複数の領域にそれぞれ配される複数のシンチレータ部121と、を含む。
シンチレータ層106およびシンチレータ部121は、放射線撮像パネル100に入射した放射線を光に変換する。シンチレータ層106およびシンチレータ部121は、柱状結晶のシンチレータおよび粒子状結晶のシンチレータの何れかを含む。
柱状結晶のシンチレータは、シンチレータで放射線から変換された光が柱状結晶内を伝搬するため、光散乱が少なく高い解像度を得ることができる。柱状結晶を形成するシンチレータ層の材料としては、ハロゲン化アルカリを主成分とする材料が用いられる。例えば、柱状結晶のシンチレータは、ヨウ化セシウムや臭化セシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウムなどを主成分とする。また、柱状結晶のシンチレータは、タリウム、ナトリウム、ユーロピウムなどの賦活剤を含む。つまり、柱状結晶のシンチレータは、例えば、CsI:Tl、CsI:Na、CsBr:Tl、NaI:Tl、LiI:Eu、KI:Tlなどが用いられる。例えば、CsI:Tlは、CsIとTlIを同時に蒸着することによって形成できる。
粒子状結晶のシンチレータは、放射線を光に変換する複数のシンチレータ粒子と、複数のシンチレータ粒子を互いに固定するバインダとを含みうる。粒子状結晶のシンチレータは、塗布などで容易に形成することができ、安価にシンチレータ層106やシンチレータ部121を得ることができる。例えば、粒子状結晶のシンチレータとして、微量のテルビウム(Tb)が添加された硫酸化ガドリニウム(GOS:Tb)が用いられうる。粒子状結晶のシンチレータは、耐湿性、発光効率、熱プロセス耐性、残光性の観点から、一般式MeS:Reで示される金属酸硫化物で構成されうる。ここで、MeはLa、Y、Gdのいずれか1つであり、ReはTb、Sm、Eu、Ce、Pr、Tmの少なくとも1つである。
バインダには、例えば、様々な種類の樹脂が用いられる。バインダは、有機溶剤に溶解するものであり、かつチクソトロピックな特性を有するものであってもよい。具体的には、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル系、ポリビニルブチラール溶剤系グレードなどのポリビニルアセタール系樹脂で構成されてもよい。バインダは、これらの樹脂の2種類以上の組み合わせで構成されてもよい。粒子状結晶のシンチレータおよびバインダは、バインダを溶解する有機溶剤に添加される。これによってペーストが形成される。粒子状結晶を含むシンチレータは、ペーストを基板103に直接塗布して形成されてもよいし、または、別の工程でシート状に形成してから接着材などを介してセンサ基板に貼り合わせて形成されてもよい。
接着層109は、シンチレータ層106と保護層110とを結合し、保護層110をセンサパネル102に固定する。接着層109は、シンチレータ層106で変換された光の波長について高い透過率を有する材料で構成されうる。
保護層110は、シンチレータ層106を保護するほか、電磁シールドやシンチレータ層106で発生した光を光電変換部114の側に反射する反射層として機能しうる。シンチレータ層106と保護層110との間に、保護層110とは別に反射層(不図示)を配してもよい。保護層110は、例えば、金属箔または金属薄膜で構成されうる。保護層110の厚さは1μm以上かつ100μm以下でありうる。保護層110の厚さが1μmより薄い場合、保護層110の形成時に、保護層110にピンホール欠陥が発生しやすく、また遮光性に劣る。一方、保護層110の厚さが100μmを超えた場合、入射する放射線の吸収量が大きくなり過ぎ、また、保護層110によって形成される段差が大きくなり過ぎる。保護層110の材料として、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、アルミ合金などの金属材料が用いられうる。これらの中で、放射線透過性が高い材料であるアルミニウムが用いられてもよい。また、保護層110は、金属材料層に耐擦傷性を向上させるためにPETなど所望の樹脂層を最外層に形成した積層構造であってもよい。
次に、波長変換部120について図1(c)を用いて説明する。波長変換部120は、上述のように隔壁部122によって区画された複数の領域のそれぞれに複数のシンチレータ部121が配される。隔壁部122は、複数のシンチレータ部121で発生する光の複数のシンチレータ部間の相互での拡散を抑制する。また、基板の表面151に対する正射影において、隔壁部122は、複数の光電変換素子104が配される行方向および列方向のうち少なくとも一方に沿って、複数の光電変換素子104のうち互いに隣接する光電変換素子104の間の領域と重なるように配される。ここで、複数のシンチレータ部121が配されるピッチが、複数の光電変換素子104が配されるピッチの自然数倍であってもよい。また例えば、図1(b)、(c)に示すように、複数のシンチレータ部121が、複数の光電変換素子104が配されるピッチと同じピッチで配されてもよい。この場合、図1(c)に示すように、隔壁部122が、基板103の表面151に対する正射影において、複数の光電変換素子104と重ならないように配されてもよい。
基板103の裏面152の側からの光は、光電変換部114までの光路長が長いため、散乱などの影響によって拡散してしまい、得られる放射線画像の解像度が低下しうる。しかしながら、隔壁部122が配されることによって、複数のシンチレータ部121のそれぞれで放射線から変換された光の拡散が抑制される。結果として、センサパネル102の両面に配された波長変換部101、120両方で変換される光を検出することよって、放射線撮像パネル100の感度が高くなるだけでなく、得られる放射線画像の解像度が向上しうる。
隔壁部122は、隔壁部122を形成するための基板を切削して立方体や直方体などの空洞を配することによって形成してもよいし、隔壁格子構造と底面となる基板とを貼り合わせることによって形成してもよい。例えば、隔壁部122は、アルミニウム、金、銀、銅、アルミ合金などの金属材料や種々の樹脂材料を切削加工やエッチング加工を行うことで形成されうる。また、隔壁部122は、樹脂材料の表面にセラミックやガラス、金属粒子などを含有させた塗料を印刷することによって形成されてもよい。隔壁部122のそれぞれのシンチレータ部121は、導光性能を向上させるために反射性を高くかつ遮光性を高くしてもよい。例えば、高反射かつ遮光性の高い材料で、高いアスペクト比のエッチングが可能な材料を適宜用いることができる。
ここで、シンチレータ層106とシンチレータ部121とは、同じ材料のシンチレータが用いられてもよい。また、シンチレータ層106とシンチレータ部121とに、互いに異なるシンチレータ材料が用いられてもよい。例えば、シンチレータ層106が、ヨウ化セシウムを用いた柱状結晶のシンチレータであり、複数のシンチレータ部121のそれぞれが、硫酸化ガドリニウムを用いた粒子状結晶のシンチレータであってもよい。粒子状結晶のシンチレータは、柱状結晶のシンチレータと比較して光の指向性が低い。しかしながら、シンチレータ部121に粒子状結晶のシンチレータを用いた場合であっても、隔壁部122が存在するため、シンチレータ部121で変換される光の拡散を抑制することができる。
また、図1(b)に示されるように、シンチレータ層106は、シンチレータ部121と比較して光電変換部114のそれぞれの光電変換素子104までの光路長が短い。このため、波長変換部101が、シンチレータ層106を複数の区画に区分する波長変換部120に配されるような隔壁部を含まなくてもよい。
図1(b)、(c)に示す構成において、センサパネル102の両面に配された波長変換部101、120両方で変換される光を検出することよって、高感度の放射線撮像パネル100を実現したが、放射線撮像パネル100の構成はこれに限られることはない。例えば、図2に示すように、光電変換素子104のうち一部の光電変換素子104’とシンチレータ層106との間に、シンチレータ層106からの光が光電変換素子104’に入射することを抑制するための遮光層107が配されてもよい。遮光層107によって、光電変換素子104と光電変換素子104’とで、シンチレータ層106で変換された光に対する感度を異ならせることが可能となる。これによって、エネルギ成分が異なる放射線を用いたエネルギサブトラクション画像を得ることが可能となる。図2に示す構成では、光電変換素子104は、シンチレータ層106とシンチレータ部121とで発生した光を信号に変換し、光電変換素子104’は、シンチレータ部121で発生した光を信号に変換する。このとき、波長変換部120に隔壁部122が配されるため、それぞれのシンチレータ部121で放射線から変換された光の拡散が抑制され、得られるエネルギサブトラクション画像の解像度を向上させることが可能となる。図2に示す構成では、光電変換素子104’とシンチレータ層106との間に遮光層107が配されるが、光電変換素子104’とシンチレータ部121との間に遮光層が配されてもよい。この場合であっても、それぞれのシンチレータ部121で放射線から変換された光の拡散が抑制され、得られるエネルギサブトラクション画像の解像度を向上させることが可能となる。
また、図3に示すように、エネルギサブトラクション画像を取得するために、放射線撮像パネル100が、基板103の裏面152にアレイ状に配される複数の光電変換素子124を含む光電変換部134をさらに含んでいてもよい。光電変換部134は、複数の光電変換素子104を含む光電変換部114と波長変換部120との間に配される。このとき、シンチレータ層106と複数の光電変換素子124のそれぞれとの間に、シンチレータ層106からの光が複数の光電変換素子124に入射することを抑制するための遮光層107が配されてもよい。また、シンチレータ部121と複数の光電変換素子104のそれぞれとの間に、シンチレータ部121からの光が複数の光電変換素子104に入射することを抑制するための遮光層(不図示)が配されてもよい。シンチレータ部121で放射線から変換される光を受光する光電変換素子124を基板103の裏面152に配することによって、図2に示される構成と比較して、シンチレータ部121で発せられる光の光路長を短くできる。このため、放射線撮像パネル100で得られるエネルギサブトラクション画像の解像度がより向上しうる。図3に示す構成において、基板103の表面151に対する正射影において、複数の光電変換素子124のそれぞれが、複数の光電変換素子104のそれぞれと重なる位置に配されてもよい。互いに重なる位置に配された光電変換素子104と光電変換素子124とで生成される信号からエネルギサブトラクション画像を生成することによって、画素の位置がずれることによる画質の低下を抑制できる。
次いで、放射線撮像パネル100の製造方法について実施例を用いて説明する。
実施例1
まず、表面151の側に光電変換部114が形成された基板103を準備した。光電変換部114の波長変換部101側の電極および波長変換部120側の電極には透明電極を用いた。次いで、光電変換部114が形成された基板103の上にポリイミドを含む保護層材料を塗布し、これを200℃で2時間硬化させることによって、センサ保護層105を形成した。次いで、センサ保護層105が形成されたセンサパネル102上に、シンチレータとしてCsI:Tlを用いて、光電変換部114を覆うようにシンチレータ層106を形成した。具体的には、センサパネル102の光電変換素子104が配される光電変換部114の領域の外側にマスキングを行い、所望の領域にシンチレータ層106を蒸着によって形成した。
次に、耐擦傷性を向上させるためのPET層と耐湿保護層であるAl層とが積層されたフィルム状シートに、さらに接着層109を積層させた保護シートを、シンチレータ層106全体を覆うようにセンサパネル102に貼りあわせた。貼りあわせには、真空ラミネータを使用し、シンチレータ層106の上に積層シートを配し、0.4Pa、90℃で5分間、保持した。これによって、シンチレータ層106全体が保護シートによって被覆され、保護シートの周端部の接着層109がセンサパネル102に全周接するように接着された。
次に波長変換部120の製造方法について説明する。まず、シリコンウェーハをエッチングし、光電変換素子104の画素ピッチである150μm間隔で深さ250μmの凹部を形成した。次いで、形成された凹部にシンチレータ部121として粒子状結晶のシンチレータとして硫酸化ガドリニウム(GOS:Tb)を充填し、波長変換部120を得た。
波長変換部120は、波長変換部101が形成された基板103の裏面152に光電変換素子104と格子のピッチが合うように配され、周辺を封止して固定された。2つの波長変換部101、120を形成したセンサパネル102に設けられた接続パッド部111に配線部112を熱圧着した。これによって、図1に示すような放射線撮像パネル100を得た。
実施例2
図2に示される実施例2の放射線撮像パネル100を形成した。光電変換素子104’の上にシンチレータ層106から入射する光を遮光するための遮光層107を配する以外は、上述の実施例1と同様の方法によって製造した。遮光層107は、Alなどの金属層を配してもよしい。また、遮光層107は、光電変換素子104’のシンチレータ層106側の電極を金属などの材料で形成することによって、遮光層107として機能させてもよい。
比較例1
実施例1と同様の方法でセンサパネル102および波長変換部101を形成した。波長変換部120は、PET基板132に粒子状結晶のシンチレータである硫酸化ガドリニウム(GOS:Tb)をバインダ樹脂に分散させたペーストをスリットコータ法によって塗布、乾燥して200μm厚シンチレータ層131を形成した。この波長変換部130を、センサパネル102の基板103の裏面152に、シンチレータの側を30μmのアクリル接着材を介して基板103と貼り合わせた。これによって、図4に示すような、比較例1の放射線撮像パネル200を得た。
比較例2
実施例2の波長変換部120を上述の比較例1と同様の波長変換部120と置き換えた比較例2の放射線撮像パネル200を製造した。
評価
放射線撮像パネル100、200を、図5に示すように、放射線撮像パネルを制御するための制御部501および放射線撮像パネルから出力される信号を処理するための信号処理部502に配線部112を介して接続させ、放射線撮像装置6040を得た。放射線撮像パネル100または放射線撮像パネル200、制御部501、信号処理部502は、図5に示されるように、1つの筐体500内に収められうる。放射線撮像装置6040は、さらに、各構成を動作させるためのバッテリなどの電源部や放射線撮像装置6040の外部と通信するための通信部などを含んでいてもよい。また、図5に示される構成では、制御部501と信号処理部502は、別々の構成で示されているが、一体の構成であってもよい。
得られた放射線撮像装置6040を評価装置にセットし、放射線撮像装置6040と放射線源との間に20mmAlフィルタをセットした。次いで、放射線撮像装置6040と放射線源との距離を130cmに調整した。この状態で、管電圧80kV、管電流250mA、50msで放射線パルスを3回爆射して画像を取得した。実施例2、比較例2については、異なるエネルギ成分の画像を2つ取得し、エネルギサブトラクション画像を得た。実施例1は比較例2と比べて、また、実施例2は比較例2と比べて、それぞれ得られた画像の画質の劣化を低減することができた。波長変換部120に隔壁部122を配する放射線撮像パネル100によって、鮮鋭度に優れた放射線撮像装置6040が得られた。
以上、本発明に係る実施形態および実施例を示したが、本発明はこれらの実施形態および実施例に限定されないことはいうまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態は適宜変更、組み合わせが可能である。
以下、図6を参照しながら本発明の放射線撮像パネル100が組み込まれた上述の放射線撮像装置6040を適用した放射線撮像システムについて例示的に説明する。放射線撮像装置6040に放射線を照射するための放射線源であるX線チューブ6050で発生したX線6060は、患者又は被験者6061の胸部6062を透過し、放射線撮像装置6040に入射する。この入射したX線に患者又は被験者6061の体内部の情報が含まれる。放射線撮像装置6040において、X線6060の入射に対応してシンチレータが発光し、これが光電変換素子で光電変換され、電気的情報を得る。この情報は、デジタルに変換され信号処理部としてのイメージプロセッサ6070によって画像処理され、制御室の表示部としてのディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は、電話、LAN、インターネットなどのネットワーク6090などの伝送処理部によって遠隔地へ転送できる。これによって別の場所のドクタールームなどの表示部であるディスプレイ6081に表示し、遠隔地の医師が診断することも可能である。また、この情報は、光ディスクなどの記録媒体に記録することができ、またフィルムプロセッサ6100によって記録媒体となるフィルム6110に記録することもできる。
100:放射線撮像パネル、101,120:波長変換部、104,124:光電変換素子、106:シンチレータ層、114,134:光電変換部、121:シンチレータ部、122:隔壁部

Claims (15)

  1. 基板と、前記基板の第1の面にアレイ状に配される複数の第1の光電変換素子を含む第1の光電変換部と、前記第1の光電変換部を覆うように配されるシンチレータ層を含む第1の波長変換部と、前記基板の前記第1の面とは反対側の第2の面を覆うように配される第2の波長変換部と、を含む放射線撮像パネルであって、
    前記第2の波長変換部は、所定の形状を有する複数の区画を定義する隔壁部と、前記隔壁部によって区画された複数の領域にそれぞれ配される複数のシンチレータ部と、を含み、
    前記隔壁部は、前記複数のシンチレータ部で発生する光の前記複数のシンチレータ部間での拡散を抑制し、
    前記第1の面に対する正射影において、前記隔壁部は、前記複数の第1の光電変換素子が配される行方向および列方向のうち少なくとも一方に沿って、前記複数の第1の光電変換素子のうち互いに隣接する光電変換素子の間の領域と重なるように配されることを特徴とする放射線撮像パネル。
  2. 前記複数のシンチレータ部が配されるピッチが、前記複数の第1の光電変換素子が配されるピッチの自然数倍であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像パネル。
  3. 前記複数のシンチレータ部が、前記複数の第1の光電変換素子が配されるピッチと同じピッチで配されることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮像パネル。
  4. 前記第1の面に対する正射影において、前記隔壁部が、前記複数の第1の光電変換素子と重ならないように配されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の放射線撮像パネル。
  5. 前記複数の第1の光電変換素子のうち一部の第1の光電変換素子と前記シンチレータ層との間に、前記シンチレータ層からの光が前記一部の第1の光電変換素子に入射することを抑制するための第1の遮光層が配されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の放射線撮像パネル。
  6. 前記放射線撮像パネルは、前記第2の面にアレイ状に配される複数の第2の光電変換素子を含む第2の光電変換部をさらに含み、
    前記シンチレータ層と前記複数の第2の光電変換素子のそれぞれとの間に、前記シンチレータ層からの光が前記複数の第2の光電変換素子に入射することを抑制するための第2の遮光層が配されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の放射線撮像パネル。
  7. 前記第1の面に対する正射影において、前記複数の第2の光電変換素子が、前記複数の第1の光電変換素子と重なる位置に配されることを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像パネル。
  8. 前記第1の波長変換部が、前記シンチレータ層を複数の区画に区分する隔壁部を含まないことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の放射線撮像パネル。
  9. 前記シンチレータ層と前記複数のシンチレータ部とに、互いに異なるシンチレータ材料が用いられることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の放射線撮像パネル。
  10. 前記シンチレータ層が、柱状結晶のシンチレータを含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の放射線撮像パネル。
  11. 前記柱状結晶のシンチレータが、ヨウ化セシウムを含むことを特徴とする請求項10に記載の放射線撮像パネル。
  12. 前記複数のシンチレータ部のそれぞれが、粒子状結晶のシンチレータを含むことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の放射線撮像パネル。
  13. 前記粒子状結晶のシンチレータが、硫酸化ガドリニウムを含むことを特徴とする請求項12に記載の放射線撮像パネル。
  14. 請求項1乃至13の何れか1項に記載の放射線撮像パネルと、
    前記放射線撮像パネルを制御するための制御部と、
    前記放射線撮像パネルから出力される信号を処理するための信号処理部と、
    を含む放射線撮像装置。
  15. 請求項14に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置に放射線を照射するための放射線源と、
    を含む放射線撮像システム。
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