JP2019094683A - 床構造及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアロゲルを含む断熱材を備え、かつ歩行する人が強固な感触を感じることができる床構造及びその製造方法を提供する。【解決手段】床構造1は、建物の床に設置されている。床構造1は、断熱層2と、断熱層2の上に重なる表面板3とを備える。断熱層2は、上方に開口する複数の充填室5を有する枠体4と、複数の充填室5の各々に充填されている断熱材6とを備える。断熱材6は、エアロゲルを含有する。床構造1の上下方向の熱伝導率は0.1W/mK以下である。前記表面板の上面の10mm×10mmの寸法の領域に下方へ向けた荷重が負荷された場合の前記表面板の圧縮強度は15MPa以上である。【選択図】図1
Description
本発明は、一般に床構造及びその製造方法に関し、詳細には建物の床に設置されている床構造及びその製造方法に関する。
近年、古民家などの歴史的建築物の保存及び活用が活発になっている。このような歴史的建築物は、断熱性が低く、特に土間などの床は冬期には非常に冷たくなってしまう。このことが、歴史的建築物の活用の妨げになることがある。
床の断熱性を向上する技術として、特許文献1には、エアロゲルを含む断熱材を備える断熱パネルを床パネルとして使用することが開示されている。この場合、エアロゲルによって断熱材に低い熱伝導率が付与され、そのため床の断熱性向上が期待できる。
しかし、特に歴史的建築物の土間などにおける床は強固な感触を有するのに対し、エアロゲルを含む断熱材は一般に柔軟性が高い。このため、土間などの床に床パネルを設置した場合、床を歩行する人は、床から強固な感触を感じず、違和感を感じることがある。このことは、歴史的建築物特有の趣を損ねることになりかねない。
本発明は、エアロゲルを含む断熱材を備え、かつ歩行する人が強固な感触を感じることができる床構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る床構造は、建物の床に設置されている。前記床構造は、断熱層と、前記断熱層の上に重なる表面板とを備える。前記断熱層は、上方に開口する複数の充填室を有する枠体と、前記複数の充填室の各々に充填されている断熱材とを備える。前記断熱材は、エアロゲルを含有する。前記断熱材の熱伝導率は0.1W/mK以下である。前記表面板の上面の10mm×10mmの寸法の領域に下方へ向けた荷重が負荷された場合の前記表面板の圧縮強度は15MPa以上である。
本発明の一態様に係る床構造の製造方法では、建物の床に、上方に開口する複数の充填室を有する枠体を設置する。前記複数の充填室の各々に、エアロゲルを含有する断熱材を充填する。前記枠体及び前記断熱材の上に表面板を設置する。
本発明の一態様によれば、エアロゲルを含む断熱材を備え、かつ床を歩行する人が強固な感触を感じることができる床構造及びその製造方法を提供できる。
以下、本発明の一実施形態について、図1A、図1B、図1C及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係る床構造1は、建物の床に設置されている。図1C及び図2に示すように、床構造1は、断熱層2と、断熱層2の上に重なる表面板3とを備える。断熱層2は、上方に開口する複数の充填室5を有する枠体4と、複数の充填室5の各々に充填されている断熱材6とを備える。断熱材6は、エアロゲルを含有する。断熱材6の熱伝導率は0.1W/mK以下である。表面板3の上面の10mm×10mmの寸法の領域に下方へ向けた荷重が負荷された場合の表面板3の圧縮強度は15MPa以上である。このような強度を有するように、表面板3は選定され又は設計されている。
本実施形態に係る床構造1の製造方法では、図1Aに示すように、建物の床に枠体4を設置する。枠体4は、上方に開口する複数の充填室5を有する。図1Bに示すように、複数の充填室5の各々に、エアロゲルを含有する断熱材6を充填する。図1Cに示すように、枠体4及び断熱材6の上に表面板3を設置する。
本実施形態によれば、エアロゲルを含む断熱材6を備え、床に断熱性を付与でき、かつ床を歩行する人が強固な感触を感じることができる床構造1及びその製造方法を提供できる。
なお、床に強固な感触を感じるとは、人が床を歩行する際に、地面上を歩行する場合と同様の感触を感じることである。具体的には、例えば人が床を歩行する際に床が沈み込まないように感じること、又は人が床を歩行する際に床が足にかかる衝撃を和らげないように感じることである。
床構造1の上面の、10mm×10mmの寸法を有し、かつ複数の充填室5のうち一つの充填室5の中心の上方に位置する中心を有する領域に、1.47kNの荷重が負荷された場合の、床構造1の上面の下方への変位量は、1mm以下であることが好ましい。この場合、床を歩行する人が足で床構造1に荷重をかけたときの、床構造1の沈み込みを抑制できる。そのため、床を歩行する人は、より強固な感触を感じることができる。
本実施形態について、更に詳細に説明する。
床構造1は、建物の床に設置されている。より具体的には、例えば床構造1は、建物内における床下地7上に設置される。床下地7は、例えば土間コンクリート、床スラブ、又は地面である。この場合、床下地7は、床構造1を強固に支えることで、床構造1に下方へ向けた荷重がかけられる場合の、床構造1の下方への変位量を特に小さくできる。
断熱層2における枠体4の材質及び形状には、枠体4が上方に開口する複数の充填室5を有するのであれば、制限はない。
枠体4の有する充填室5の長径は、910mm以下であることが好ましい。充填室5の長径とは、充填室5を上方から見た場合の充填室5の最も長い箇所の寸法であり、充填室5が上方から見て四角形であれば、四角形の対角線の寸法である。充填室5の長径が910mm以下であれば、床構造1に下方へ向けた荷重がかけられる場合の、床構造1の下方への変位量を特に小さくできる。
枠体4は、例えば水平面と平行な長さを有する仕切り材8を組み合わせて構成される。この場合、仕切り材8は、充填室5の外周を規定する。仕切り材8は、例えば角材又は板材である。仕切り材8は、例えば木材、金属、又は合成樹脂から作製される。枠体4が仕切り材8から構成されると、枠体4が表面板3を強固に支えることができるため、床を歩行する人は、より強固な感触を感じることができる。仕切り材8の長さ方向と直交する断面の寸法は、例えば幅5mm以上20mm以下、高さ10mm以上150mm以下である。枠体4が仕切り材8を組み合わせて構成される場合、枠体4は、例えば上方から見て格子状の形状を有し、枠体4で仕切られた複数の充填室5の各々は、上方から見て四角形の形状を有する。枠体4が仕切り材8を組み合わせて構成される場合、充填室5の長径は、50mm以上910mm以下であることが好ましく、100mm以上700mm以下であれば更に好ましい。
枠体4は、シート材を組み合わせて構成されてもよい。この場合、シート材は、シート材の厚み方向が水平面と平行になるように配置される。シート材は、例えば紙、金属シート、又は合成樹脂シートである。シート材を組み合わせて枠体4が構成される場合、充填室5を種々の形状に形成することが容易である。例えば充填室5を上方から見て四角形、三角形又は六角形に形成することが容易である。枠体4がシート材を組み合わせて構成される場合、充填室5の長径は、10mm以上50mm以下であることが好ましく、20mm以上40mm以下であれば更に好ましい。
枠体4は、例えば床下地7上に直接設置される。この場合、充填室5の底面は床下地7の上面で構成される。床下地7上に板材を設置し、この板材上に枠体4を設置してもよい。この場合、充填室5の底面は板材の上面で構成される。板材は、例えば木材、金属、合成樹脂又はセメントから作製される。
箱状部材を床下地7上に複数個敷き詰めることで、床下地7上に板材と枠体4とを設置してもよい。箱状部材は、例えば上方から見て四角形の底板と、底板の四つの辺の各々から上方に突出する側板とを有し、箱状部材の上面は箱状部材の内部空間に通じる開口を有する。この箱状部材を床下地7上に複数個敷き詰めると、箱状部材の底板で板材が構成され、箱状部材の側板で枠体4が構成され、箱状部材の内部空間で充填室5が構成される。この場合、板材及び枠体4を床下地7上に容易に設置できる。箱状部材は、例えば木材、金属、合成樹脂又はセメントを含有する水硬性無機材料から作製される。
断熱材6は、上記のとおり、充填室5に充填されている。断熱材6は、上記のとおり、エアロゲルを含有する。このため、床構造1が低い熱伝導率を有することができる。エアロゲルとは、ゲル中に含まれる溶媒を気体に置換して得られる多孔質体である。エアロゲルは、キセロゲルを含んでもよい。エアロゲルは、例えばシリカエアロゲル、カーボンエアロゲル及びアルミナエアロゲルからなる群から選択される一種以上の材料を含有する。特にエアロゲルが、シリカエアロゲルを含有することが好ましい。エアロゲルは、例えば超臨界乾燥法、常圧乾燥法などの、公知の製造方法で製造される。
エアロゲルは、粒子状であることが好ましい。エアロゲルの粒子の形状は、特に限定されず、種々の形状であってよい。例えば粒子が、角張った岩石状といった不定形の形状を有してもよい。粒子が、球状、ラグビーボール状、パネル状、フレーク状、繊維状といった形状を有してもよい。エアロゲルの粒子の平均粒径は、500μm以上であることが好ましい。この平均粒径は、500μm以上5mm以下であればより好ましく、500μm以上1.5mm以下であれば、更に好ましい。また、エアロゲルの粒子の長径が、50nm以上10mm以下であることが好ましく、100μm以上2mm未満であれば更に好ましい。なお、断熱材6中のエアロゲルの粒子の平均粒径は、断熱材6のX線CT測定によって得られるエアロゲルの粒子の断面積から算出される真円換算の直径の、算術平均値である。
断熱材6は、エアロゲルに加えて、バインダを含有することが好ましい。この場合、バインダは、断熱材6の剛性を高めることで、床構造1に下方へ向けた荷重がかけられる場合の、床構造1の下方への変位量を特に小さくできる。バインダは、例えば無機材料及び水性樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有する。この場合、バインダは、断熱材6の剛性を特に高めることができる。
バインダが無機材料を含有する場合、バインダは、例えばセメントを含有する水硬性無機材料の硬化物である。セメントは、例えばポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント及びアルミナセメントからなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有する。水硬性無機材料は、例えば更に水を含有する。水硬性無機材料は、更に砂などの細骨材を含有してもよい。水硬性無機材料は、更に砂利などの粗骨材を含有してもよい。なお、主としてセメントと水を含有する水硬性無機材料は、一般にセメントペーストと呼ばれる。主としてセメントと水と細骨材を含有する水硬性無機材料は、一般にモルタルと呼ばれる。主としてセメントと水と細骨材と粗骨材とを含有する水硬性無機材料は、一般にコンクリートと呼ばれる。すなわち、バインダは、例えばセメントペースト、モルタル又はコンクリートの、硬化物である。水硬性無機材料は、一般にグラウト材と呼ばれる材料を含んでもよい。
バインダが水性樹脂を含有する場合、バインダは例えば水性エポキシ樹脂又は水性シリル化ウレタン樹脂を含有する。水性樹脂は、必要に応じて硬化剤を含有する。水性エポキシ樹脂の例は、コニシ株式会社製の樹脂モルタル用エポキシ樹脂である商品名ボンドE−206を含む。水性シリル化ウレタン樹脂の例は、コニシ株式会社製の商品名アクアリンカーSU500を含む。
断熱材6の体積全体に対するエアロゲルの体積の百分率は、50体積%以上95体積%以下であることが好ましい。なお、エアロゲルの体積は、断熱材6中のエアロゲルの粒子の総体積(真の体積)である。エアロゲルの体積の百分率の値は、断熱材6を切断した場合の断面の面積に対するこの断面に現れるエアロゲルの粒子の断面の総面積の百分率の値と一致する。
エアロゲルの量が50体積%以上であることは、床構造1の低熱伝導率化に特に寄与できる。また、エアロゲルの量が95体積%以下であることは、断熱材6の剛性向上に特に寄与でき、このため床を歩行する人が強固な感触を感じることに特に寄与できる。エアロゲルの量が70体積%以上であれば、より好ましい。また、エアロゲルの量が90体積%以下であることも、より好ましい。
断熱材6は、例えば充填材料から作製される。充填材料は、例えばエアロゲルの粒子を含有し、又はエアロゲルの粒子とバインダ材料を含有する。バインダ材料とは、断熱材6中のバインダになる材料であり、例えば上述の水硬性無機材料及び水性樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有する。充填材料を、充填室5に充填し、更に必要に応じてこの充填材料を硬化させることで、断熱材6を作製できる。
断熱層2の厚みは50mm以上150mm以下であることが好ましい。断熱層2の厚みが50mm以上であると、床構造1は特に高い断熱性を有することができる。また、断熱層2の厚みが150mm以下であると、床構造1に下方へ向かう荷重がかけられた場合の断熱層2の変形量を低減でき、このため床構造1の下方への変位量を特に小さくできる。
表面板3は、断熱層2上に、接着などの方法で固定される。表面板3は、例えば木材、合成樹脂、金属又は無機質材料から作製される。表面板3の厚みは例えば10mm以上30mm以下である。
表面板3が合成樹脂から作製される場合、表面板3は繊維強化プラスチックから作製されることが好ましい。この場合、表面板3は高い強度と剛性とを有することができ、そのため床を歩行する人は、より強固な感触を感じやすくなる。
表面板3が無機質材料から作製される場合、表面板3は、例えばセメントを含有する水硬性無機材料の硬化物からなる板材である。この場合も、表面板3は高い強度と剛性とを有することができ、そのため床を歩行する人は、強固な感触を感じやすくなる。
表面板3の上面には、必要に応じて塗膜が設けられていてもよい。特に表面板3の上面に、石、砂といった自然素材のような質感を有する塗膜が設けられていると、床構造1が歴史的建築物に設けられている場合に、床構造1が歴史的建築物特有の趣を損ねにくくなる。
上述のとおり、本実施形態に係る床構造1における断熱材6の熱伝導率は0.1W/mK以下である。断熱材6の熱伝導率は、上記の説明の範囲内において、例えば断熱材6中のエアロゲル量の調整、バインダーの材質の選択などによって、制御できる。断熱材6の熱伝導率は0.07W/mK以下であれば、より好ましい。断熱材6の熱伝導率は低いほど好ましいが、実際上は0.02W/mK以上である。
上述のとおり、表面板3の上面の10mm×10mmの寸法の領域に下方へ向けた荷重が負荷された場合の表面板3の圧縮強度は15MPa以上である。この圧縮強度は、上記の説明の範囲内において、表面板3の材質及び厚みの選択などによって、制御できる。表面板3の圧縮強度は18MPa以上であれば、より好ましい。表面板3の圧縮強度は高いほど好ましいが、実際上は100MPa以下である。
上述のとおり、本実施形態に係る床構造1の上面(すなわち表面板3の上面)の領域に、1.47kNの荷重が負荷された場合の、床構造1の上面の下方への変位量は、1mm以下であることが好ましい。この領域は、上述のとおり、10mm×10mmの寸法を有し、かつ複数の充填室5のうち一つの充填室5の中心の上方に位置する中心を有する。床構造1の上面の下方への変位量とは、床構造1に下方へ向けた荷重が掛けられていない状態を基準とした、床構造1の上面における、荷重がかけられた箇所の、下方への変位量である。この変位量は、表面板3の材質及び厚みの選択、断熱材6中のバインダの材質の選択、断熱材6中のエアロゲル量の調整、充填室5の長径の調整、枠体4の材質及び寸法の選択などによって、制御できる。床構造1の上面の下方への変位量は0.7mm以下であれば、より好ましい。床構造1の上面の下方への変位量は小さいほど好ましいが、実際上は0.1mm以上である。
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。
1 床構造1の製造
1.1 実施例1
床下地7である土間コンクリートの上に、長さ方向と直交する断面寸法が幅10mm、高さ100mmの木材製の角材を配置することで、枠体4を設けるとともに、枠体4で仕切られた、長径700mm、高さ100mmの、平面視正方形の充填室5を形成した。充填室5に、エアロゲルの粒子のみからなる充填材料を充填することで、断熱材6を設けた。これにより、床下地7上に、枠体4と断熱材6とを備える断熱層2を作製した。
1.1 実施例1
床下地7である土間コンクリートの上に、長さ方向と直交する断面寸法が幅10mm、高さ100mmの木材製の角材を配置することで、枠体4を設けるとともに、枠体4で仕切られた、長径700mm、高さ100mmの、平面視正方形の充填室5を形成した。充填室5に、エアロゲルの粒子のみからなる充填材料を充填することで、断熱材6を設けた。これにより、床下地7上に、枠体4と断熱材6とを備える断熱層2を作製した。
エアロゲルの粒子は、Cabot Corporation製のエアロゲル(品番:P−200)である。
断熱層2の上に、繊維強化プラスチック製の厚み10mmの表面板3を接着した。これにより、床下地7上に、断熱層2及び表面板3を備える床構造1を製造した。
1.2 実施例2〜5
充填材料として、エアロゲルの粒子とバインダ材料とを含有する混合物を用いた。バインダ材料は、セメントペーストである。また、断熱材6を作製する際には、セメントペーストと水を、重量比で1:0.4となるように秤量してこれらを混練し、更に所定の体積比率となるよう秤量したエアロゲルと混合することで、充填材料を調製した。この充填材料を充填室5に充填してから、3日間養生することで充填材料を硬化させた。それ以外は、実施例1と同じ条件で床構造1を製造した。また、充填材料から作製された断熱材6におけるエアロゲルの体積割合は、表に示すとおりである。
充填材料として、エアロゲルの粒子とバインダ材料とを含有する混合物を用いた。バインダ材料は、セメントペーストである。また、断熱材6を作製する際には、セメントペーストと水を、重量比で1:0.4となるように秤量してこれらを混練し、更に所定の体積比率となるよう秤量したエアロゲルと混合することで、充填材料を調製した。この充填材料を充填室5に充填してから、3日間養生することで充填材料を硬化させた。それ以外は、実施例1と同じ条件で床構造1を製造した。また、充填材料から作製された断熱材6におけるエアロゲルの体積割合は、表に示すとおりである。
1.3 実施例6
充填室5を、長径900、高さ100μmの、平面視正方形にしたこと以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
充填室5を、長径900、高さ100μmの、平面視正方形にしたこと以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
1.4 実施例7
枠体4として、紙製の、上方から見てハニカム状の部材を用いた。枠体4で仕切られる充填室5は、長径20mm、高さ100mmの、平面視正六角形である。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
枠体4として、紙製の、上方から見てハニカム状の部材を用いた。枠体4で仕切られる充填室5は、長径20mm、高さ100mmの、平面視正六角形である。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
1.5 実施8〜9
実施例3において、角材の高さ寸法を変更し、それに伴って充填室5の高さ寸法を表に示すように変更した。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
実施例3において、角材の高さ寸法を変更し、それに伴って充填室5の高さ寸法を表に示すように変更した。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
1.6 実施例10
実施例3において、表面板3として、厚み15mmの合板にモルタル仕上げにより厚み5mmの被覆を設けて得られた複合板を用いた。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
実施例3において、表面板3として、厚み15mmの合板にモルタル仕上げにより厚み5mmの被覆を設けて得られた複合板を用いた。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
1.7 実施例11
充填材料として、エアロゲルの粒子とバインダ材料とを含有する混合物を用いた。バインダ材料は、宇部興産株式会社製のグラウト材である商品名U−グラウトである。また、断熱材6を作製する際には、グラウト材と水を、重量比で1:0.2となるよう秤量してからこれらを混練し、更に所定の体積比率となるよう秤量したエアロゲルと混合することで、充填材料を調製した。この充填材料を充填室5に充填してから、3日間養生することで充填材料を硬化させた。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。また、充填材料から作製された断熱材6におけるエアロゲルの体積割合は、表3に示すとおりである。
充填材料として、エアロゲルの粒子とバインダ材料とを含有する混合物を用いた。バインダ材料は、宇部興産株式会社製のグラウト材である商品名U−グラウトである。また、断熱材6を作製する際には、グラウト材と水を、重量比で1:0.2となるよう秤量してからこれらを混練し、更に所定の体積比率となるよう秤量したエアロゲルと混合することで、充填材料を調製した。この充填材料を充填室5に充填してから、3日間養生することで充填材料を硬化させた。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。また、充填材料から作製された断熱材6におけるエアロゲルの体積割合は、表3に示すとおりである。
1.8 実施例12
充填材料として、エアロゲルの粒子とバインダ材料とを含有する混合物を用いた。バインダ材料は、コニシ株式会社製の樹脂モルタル用エポキシ樹脂である商品名ボンドE−206である。また、断熱材6を作製する際には、主剤と硬化剤を重量比で2:1となるよう秤量してからこれらを混練し、更に所定の体積比率となるよう秤量したエアロゲルと混合することで、充填材料を調製した。この充填材料を充填室5に充填してから、3日間養生することで充填材料を硬化させた。それ以外は、実施例1と同じ条件で床構造1を製造した。また、充填材料から作製された断熱材6におけるエアロゲルの体積割合は、表3に示すとおりである。
充填材料として、エアロゲルの粒子とバインダ材料とを含有する混合物を用いた。バインダ材料は、コニシ株式会社製の樹脂モルタル用エポキシ樹脂である商品名ボンドE−206である。また、断熱材6を作製する際には、主剤と硬化剤を重量比で2:1となるよう秤量してからこれらを混練し、更に所定の体積比率となるよう秤量したエアロゲルと混合することで、充填材料を調製した。この充填材料を充填室5に充填してから、3日間養生することで充填材料を硬化させた。それ以外は、実施例1と同じ条件で床構造1を製造した。また、充填材料から作製された断熱材6におけるエアロゲルの体積割合は、表3に示すとおりである。
1.8 比較例1
実施例3において、充填材料から作製された断熱材6におけるエアロゲルの体積割合が表3に示すとおりになるように、充填材料中のエアロゲルの粒子とバインダ材料との配合比を調整した。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
実施例3において、充填材料から作製された断熱材6におけるエアロゲルの体積割合が表3に示すとおりになるように、充填材料中のエアロゲルの粒子とバインダ材料との配合比を調整した。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
1.9 比較例2
実施例3において、表面板3として、厚み15mmの合板を用いた。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
実施例3において、表面板3として、厚み15mmの合板を用いた。それ以外は、実施例3と同じ条件で床構造1を製造した。
2.評価試験
2.1 熱伝導率
断熱材6の熱伝導率を、JIS A1412−2に準拠して測定した。測定に当たっては、試験用の断熱材6を、縦300mm、横300mm、厚さ30mmの寸法に形成し、測定装置としてNETZSCH社製の熱伝導率計測装置(HFM 436/3/1)を用いた。この結果を表1〜3に示す。
2.1 熱伝導率
断熱材6の熱伝導率を、JIS A1412−2に準拠して測定した。測定に当たっては、試験用の断熱材6を、縦300mm、横300mm、厚さ30mmの寸法に形成し、測定装置としてNETZSCH社製の熱伝導率計測装置(HFM 436/3/1)を用いた。この結果を表1〜3に示す。
2.2 圧縮強度
表面板3の圧縮強度を、次の方法で測定した。表面板3から、平面視寸法が縦40mm、横40mmである試験片を切り出し、この試験片の上面に、10mm×10mm×10mmの寸法のステンレスブロックを載せた。島津製作所社製の圧縮/引張試験機(型番AGS−X)を用いて、ステンレスブロックを介して試験片に荷重を負荷し、表面板3が破壊されるまでに表面板3にかけられた最大荷重を測定した。この結果を表1〜3に示す。
表面板3の圧縮強度を、次の方法で測定した。表面板3から、平面視寸法が縦40mm、横40mmである試験片を切り出し、この試験片の上面に、10mm×10mm×10mmの寸法のステンレスブロックを載せた。島津製作所社製の圧縮/引張試験機(型番AGS−X)を用いて、ステンレスブロックを介して試験片に荷重を負荷し、表面板3が破壊されるまでに表面板3にかけられた最大荷重を測定した。この結果を表1〜3に示す。
2.3 変位量
床構造1の下方への変位量を、次の方法で測定した。床構造1の上面の、10mm×10mmの寸法を有し、かつ複数の充填室5のうち一つの充填室5の中心の上方に位置する中心を有する領域に、10mm×10mm×10mmの寸法のステンレスブロックを載せた。このステンレスブロックを介して、表面板3の上面の領域に1.47kNの荷重を負荷した。この場合の、床構造1の上面の下方への変位量を測定した。この結果を下記表1〜3に示す。
床構造1の下方への変位量を、次の方法で測定した。床構造1の上面の、10mm×10mmの寸法を有し、かつ複数の充填室5のうち一つの充填室5の中心の上方に位置する中心を有する領域に、10mm×10mm×10mmの寸法のステンレスブロックを載せた。このステンレスブロックを介して、表面板3の上面の領域に1.47kNの荷重を負荷した。この場合の、床構造1の上面の下方への変位量を測定した。この結果を下記表1〜3に示す。
2.4 歩行感
床構造1の上を人が歩行する際に人が感じる感触を、次の方法で評価した。5人の被験者(平均体重65kg)が、床構造の上を歩いた際の印象を、次の4段階で評価した。この結果を下記表1〜3に示す。
1.問題なし。
2.僅かな沈み込みを感じる。
3.はっきりとした沈み込みを感じる。
4.床が壊れそうに感じる。
床構造1の上を人が歩行する際に人が感じる感触を、次の方法で評価した。5人の被験者(平均体重65kg)が、床構造の上を歩いた際の印象を、次の4段階で評価した。この結果を下記表1〜3に示す。
1.問題なし。
2.僅かな沈み込みを感じる。
3.はっきりとした沈み込みを感じる。
4.床が壊れそうに感じる。
1 床構造
2 断熱層
3 表面板
4 枠体
5 充填室
6 断熱材
2 断熱層
3 表面板
4 枠体
5 充填室
6 断熱材
Claims (7)
- 建物の床に設置されている床構造であり、
断熱層と、前記断熱層の上に重なる表面板とを備え、
前記断熱層は、上方に開口する複数の充填室を有する枠体と、前記複数の充填室の各々に充填されている断熱材とを備え、
前記断熱材は、エアロゲルを含有し、
前記断熱材の熱伝導率は0.1W/mK以下であり、
前記表面板の上面の10mm×10mmの寸法の領域に下方へ向けた荷重が負荷された場合の前記表面板の圧縮強度は15MPa以上である、
床構造。 - 前記床構造の上面の、10mm×10mmの寸法を有し、かつ前記複数の充填室のうち一つの充填室の中心の上方に位置する中心を有する領域に、1.47kNの荷重が負荷された場合の、前記床構造の前記上面の下方への変位量は、1mm以下である、
請求項1に記載の床構造。 - 前記断熱材は、バインダを更に含有する、
請求項1又は2に記載の床構造。 - 前記バインダは、無機材料と水性樹脂とからなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有する、
請求項3に記載の床構造。 - 前記断熱材全体に対する前記エアロゲルの量は、50体積%以上90体積%以下である、
請求項3又は4に記載の床構造。 - 前記断熱層は、土間コンクリート上、床スラブ上、又は地面上に設置されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の床構造。 - 建物の床に、上方に開口する複数の充填室を有する枠体を設置し、
前記複数の充填室の各々に、エアロゲルを含有する断熱材を充填し、
前記枠体及び前記断熱材の上に表面板を設置する、
床構造の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017224989A JP2019094683A (ja) | 2017-11-22 | 2017-11-22 | 床構造及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017224989A JP2019094683A (ja) | 2017-11-22 | 2017-11-22 | 床構造及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019094683A true JP2019094683A (ja) | 2019-06-20 |
Family
ID=66972807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017224989A Pending JP2019094683A (ja) | 2017-11-22 | 2017-11-22 | 床構造及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019094683A (ja) |
-
2017
- 2017-11-22 JP JP2017224989A patent/JP2019094683A/ja active Pending
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