JP2019094360A - カルボキシル基含有重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造直後の水等への分散性、保存安定性、及び中和粘稠液の透明性の全てに優れたカルボキシル基含有重合体組成物を提供する。【解決手段】α,β−不飽和カルボン酸(a−1)及び分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)を含む単量体の共重合体である、カルボキシル基含有重合体(A)と、HLB値が5〜8である、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)と、を含む、カルボキシル基含有重合体組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、カルボキシル基含有重合体の組成物に関する。
従来、化粧品等の増粘剤、パップ剤等の保湿剤、乳化剤、懸濁物等の懸濁安定剤、電池等のゲル化基剤等として、カルボキシル基含有重合体が用いられている。カルボキシル基含有重合体をこれらの用途に使用する場合、例えば、カルボキシル基含有重合体を水等に添加し、均一な分散液を調製し、次いで、アルカリで中和し、溶解して使用する。しかしながら、一般に、カルボキシル基含有重合体は微粉末であるため、水等に分散させる際、塊状物(ママコ(継粉))が生じやすい。一度ママコが生成すると、ママコ表面にゲル状の層が形成されるため、ママコの内部に水が浸透する速度が遅くなり、均一な分散液を得ることが困難となる。
ママコの生成を防止する観点から、例えば、α,β−不飽和カルボン酸等を重合してカルボキシル基含有重合体を作製する際、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物および多価アルコール脂肪酸エステルのうちの少なくとも1種の化合物を特定量添加して重合することにより、水への分散性に優れたカルボキシル基含有重合体組成物が得られることが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されたカルボキシル基含有重合体組成物は、製造直後の水等への分散性及び中和粘稠液の透明性には優れているものの、例えば1ヶ月程度常温で保管すると、水等への分散性が悪化するという問題がある。すなわち、特許文献1に開示されたカルボキシル基含有重合体組成物には、保存安定性(分散性の安定性)の点で、改良の余地がある。本明細書において「保存安定性」とは、「優れた分散性が長期に亘って維持されること」を意味する。
本発明の主な目的は、製造直後の水等への分散性、保存安定性、及び中和粘稠液の透明性の全てに優れたカルボキシル基含有重合体組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため、検討を重ね、カルボキシル基含有重合体組成物に含まれる界面活性剤の構造に着目した。その結果、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)及び分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)を含む単量体の共重合体である、カルボキシル基含有重合体(A)と、HLB値が5〜8である、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)とを含むカルボキシル基含有重合体組成物とすることにより、保存安定性が改善されることを見出した。さらに、上記カルボキシル基含有重合体組成物は、製造直後に水などへ分散させた場合の分散性が、その中和粘稠液の透明性が損なわれることなく、改善されることを見出した。本発明はこのような知見に基づき、さらに鋭意検討を重ねて完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記の構成を備える発明を提供する。
項1. α,β−不飽和カルボン酸(a−1)及び分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)を含む単量体の共重合体である、カルボキシル基含有重合体(A)と、
HLB値が5〜8である、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)と、
を含む、カルボキシル基含有重合体組成物。
項2. 多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の含有量が、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)100質量部に対して、0.5〜9質量部である、項1に記載のカルボキシル基含有重合体組成物。
項3. 多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の多価アルコール部分が、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びヒマシ油誘導体からなる群より選択された少なくとも1種である、項1または2に記載のカルボキシル基含有重合体組成物。
項4. 多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の脂肪酸部分が、ステアリン酸またはイソステアリン酸である、項1〜3のいずれか一項に記載のカルボキシル基含有重合体組成物。
項1. α,β−不飽和カルボン酸(a−1)及び分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)を含む単量体の共重合体である、カルボキシル基含有重合体(A)と、
HLB値が5〜8である、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)と、
を含む、カルボキシル基含有重合体組成物。
項2. 多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の含有量が、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)100質量部に対して、0.5〜9質量部である、項1に記載のカルボキシル基含有重合体組成物。
項3. 多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の多価アルコール部分が、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びヒマシ油誘導体からなる群より選択された少なくとも1種である、項1または2に記載のカルボキシル基含有重合体組成物。
項4. 多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の脂肪酸部分が、ステアリン酸またはイソステアリン酸である、項1〜3のいずれか一項に記載のカルボキシル基含有重合体組成物。
本発明によれば、製造直後の水等への分散性、保存安定性、及び中和粘稠液の透明性の全てに優れた、カルボキシル基含有重合体組成物を提供することができる。
本発明のカルボキシル基含有重合体組成物は、カルボキシル基含有重合体(A)と、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)を含んでいる。また、カルボキシル基含有重合体(A)は、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)及び分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)を含む単量体の共重合体である。多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)は、HLB値が5〜8の化合物である。以下、本発明のカルボキシル基含有重合体組成物について、詳述する。なお、本明細書において、中和粘稠液とは、カルボキシル基含有重合体組成物を水に分散させた後、アルカリ性化合物等の中和剤を加えて、pHを約7(pH=6〜8)に調整した溶液をいう。
<カルボキシル基含有重合体(A)>
カルボキシル基含有重合体(A)は、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)と、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)とを含む単量体の、共重合体である。すなわち、カルボキシル基含有重合体(A)は、少なくとも、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)と、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)とを単量体とし、これらを含む単量体を共重合させることによって得られる。
カルボキシル基含有重合体(A)は、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)と、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)とを含む単量体の、共重合体である。すなわち、カルボキシル基含有重合体(A)は、少なくとも、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)と、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)とを単量体とし、これらを含む単量体を共重合させることによって得られる。
(α,β−不飽和カルボン酸)
α,β−不飽和カルボン酸(a−1)としては、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の炭素数3〜5のオレフィン系不飽和カルボン酸等が挙げられる。これらのα,β−不飽和カルボン酸(a−1)の中でも、安価で入手が容易であり、中和粘稠液の透明性が高いことから、アクリル酸、メタクリル酸などが好適に用いられる。なお、これらのα,β−不飽和カルボン酸は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
α,β−不飽和カルボン酸(a−1)としては、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の炭素数3〜5のオレフィン系不飽和カルボン酸等が挙げられる。これらのα,β−不飽和カルボン酸(a−1)の中でも、安価で入手が容易であり、中和粘稠液の透明性が高いことから、アクリル酸、メタクリル酸などが好適に用いられる。なお、これらのα,β−不飽和カルボン酸は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物)
エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)としては、特に限定されず、例えば、ポリオールの2置換以上のアクリル酸エステル類;ポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル類;ポリオールの2置換以上のアリルエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。なお、前記ポリオールとは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトール等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物の中でも、得られるカルボキシル基含有重合体組成物を用いた中和粘稠液の粘度調整が容易である観点から、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、リン酸トリアリル、ポリアリルサッカロースが好適に用いられる。なお、これらのエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)としては、特に限定されず、例えば、ポリオールの2置換以上のアクリル酸エステル類;ポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル類;ポリオールの2置換以上のアリルエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。なお、前記ポリオールとは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトール等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物の中でも、得られるカルボキシル基含有重合体組成物を用いた中和粘稠液の粘度調整が容易である観点から、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、リン酸トリアリル、ポリアリルサッカロースが好適に用いられる。なお、これらのエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)の割合は、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部であり、より好ましくは0.05〜10質量部であり、さらに好ましくは0.05〜3質量部である。エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)の割合が、0.01質量部以上であることにより、得られるカルボキシル基含有重合体組成物を用いた中和粘稠液の粘度調整効果が好適に発現される。また、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物の使用量が10質量部以下であることにより、得られるカルボキシル基含有重合体組成物を好適に水分散性とし得る。
(α,β−不飽和化合物)
カルボキシル基含有重合体(A)を構成する単量体としては、得られるカルボキシル基含有重合体組成物を用いた中和粘稠液の粘度を調整する観点から、α,β−不飽和化合物(a−3)等をさらに含んでいてもよい。
カルボキシル基含有重合体(A)を構成する単量体としては、得られるカルボキシル基含有重合体組成物を用いた中和粘稠液の粘度を調整する観点から、α,β−不飽和化合物(a−3)等をさらに含んでいてもよい。
α,β−不飽和化合物(a−3)としては、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)とは異なれば、特に限定されず、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウロイルアクリレート、ステアリルアクリレ−ト、グリシジルアクリレート等のアクリル酸エステル類;前記アクリル酸エステル類に相当するメタクリル酸エステル類;ビニルグリシジルエーテル、イソプロペニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;前記アクリルアミド類に相当するメタクリルアミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられる。これらのα,β−不飽和化合物(a−3)中でも、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類が好適に用いられ、とりわけ、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エイコサニル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸テトラコサニルが好適に用いられる。なお、これらのα,β−不飽和化合物(a−3)は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、前記アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類としては、例えば、日油株式会社製の商品名ブレンマーVMA70等の市販品を用いてもよい。
α,β−不飽和化合物(a−3)の使用量は、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、より好ましくは1〜10質量部である。α,β−不飽和化合物(a−3)の使用量が0.1質量部以上であれば、得られるカルボキシル基含有重合体組成物を用いた中和粘稠液の粘度調整効果を好適に発現し得る。また、α,β−不飽和化合物(a−3)の使用量が20質量部以下である場合、得られるカルボキシル基含有重合体組成物を用いた中和粘稠液の粘度が低くなり過ぎることを抑制できる。
本発明において、カルボキシル基含有重合体(A)を構成する単量体における、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)、及びα,β−不飽和化合物(a−3)の合計割合としては、特に制限されないが、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%〜100質量%程度、さらに好ましくは90質量%〜100質量%程度、特に好ましくは95質量%〜100質量%程度が挙げられる。当該合計割合は、実質的に100質量%であってもよい。また、カルボキシル基含有重合体(A)を構成する単量体における、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)の割合としては、特に制限されないが、好ましくは95質量%以上、より好ましくは96質量%〜99質量%程度、さらに好ましくは97質量%〜98質量%程度が挙げられる。
(多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)は、多価アルコールの脂肪酸エステルに、アルキレンオキサイドが付加した化合物である。本発明において、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)は、乳化剤として機能する。本発明においては、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)のHLB値が5〜8であることを特徴としている。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)は、多価アルコールの脂肪酸エステルに、アルキレンオキサイドが付加した化合物である。本発明において、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)は、乳化剤として機能する。本発明においては、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)のHLB値が5〜8であることを特徴としている。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)における、多価アルコール部分の好適な例としては、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチルプロパノール、ソルビット、ソルビタンなどが挙げられる。すなわち、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の多価アルコール残基としては、これらの多価アルコールに由来するものが好ましい。多価アルコール部分は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
また、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)における、脂肪酸部分の好適な例としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸などが挙げられる。すなわち、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の脂肪酸残基としては、これらの脂肪酸に由来するものが好ましい。脂肪酸部分は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
また、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)における、多価アルコール脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸エステル、イソステアリン酸エステル、パルミチン酸エステルの他、硬化ヒマシ油誘導体なども挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)における、オキシアルキレン鎖の好適な例としては、下記一般式(I)で示されるオキシアルキレン基が挙げられる。
式(I):−(CH2−CHR1−O)n −
(式中、R1は水素原子、メチル基またはエチル基を示し、nは1〜100の整数を示す)nが2以上の整数である場合、複数のR1は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(I):−(CH2−CHR1−O)n −
(式中、R1は水素原子、メチル基またはエチル基を示し、nは1〜100の整数を示す)nが2以上の整数である場合、複数のR1は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)のHLB値は、5〜8であれば、特に制限されないが、製造直後の水等への分散性、保存安定性、及び中和粘稠液の透明性の全てに優れたカルボキシル基含有重合体組成物とする観点からは、好ましくは6〜7が挙げられる。
また、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)は、前述のHLB値の範囲内であれば特に問題は無いが、保存安定性および分散性をより良くするためには、水酸基価が100以下、より好ましくは50以下のものを用いることが望ましい。水酸基価の下限は、特に限定されないが、0が好ましく、例えば1である。なお、ここで述べる水酸基価とは、JIS K 0070−1992に規定された測定方法により測定される数値を指す。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の好ましい具体例としては、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレントリステアリン酸トリメチロールなどが挙げられる。さらに、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。
また、硬化ヒマシ油誘導体を多価アルコール脂肪酸エステルとした場合の、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の好ましい具体例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の中では、少量で目的とする水分散性を有するカルボキシル基含有重合体組成物が得られ、かつ該カルボキシル基含有重合体組成物を水に分散させて中和することで得られる中和粘稠液の高い透明性を維持したまま増粘効果を付与することができることから、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットが好ましい。
本発明のカルボキシル基含有重合体組成物の水への分散性をより向上させる観点から、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の含有量としては、カルボキシル基含有重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは3質量部以上が挙げられる。また、本発明のカルボキシル基含有重合体組成物の中和粘稠液の過度な粘度増加を抑える観点からは、カルボキシル基含有重合体(A)100質量部に対して、好ましくは9質量部以下、より好ましくは7質量部以下が挙げられる。すなわち、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の含有量は、好ましくは0.5〜9質量部程度、より好ましくは3〜7質量部が挙げられる。
本発明のカルボキシル基含有重合体組成物によれば、製造直後の水等への分散性、保存安定性(例えば、室温で1ヶ月程度放置しても、依然、水への優れた分散性を示す)、及び中和粘稠液の透明性の全てに優れている。
本発明のカルボキシル基含有重合体組成物の製造方法には、特に限定がない。本発明のカルボキシル基含有重合体組成物は、例えば、以下の方法(1)〜(4)のいずれかの方法によって製造することができる。
方法(1):α,β−不飽和カルボン酸(a1)と、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)とを共重合させる際に、所定量の多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)を、重合初期から共存させる方法。
方法(2):α,β−不飽和カルボン酸(a−1)と、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)を混合した後、得られた混合物に、多価アルコール飽和脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)を連続的に添加しながら、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)とエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a2)とを重合させる方法。
方法(3):α,β−不飽和カルボン酸(a−1)と、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)とを含む単量体を共重合し、当該共重合が終了した後、得られたスラリーに、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)を添加する方法。
方法(4):α,β−不飽和カルボン酸(a−1)と、多価アルコール飽和脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)を混合して得られた混合物に、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)を連続的に添加しながら、共重合させる方法。
一例として、方法(1)を具体的に説明する。方法(1)においては、例えば、攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、及び冷却管を備えた反応容器に、それぞれ予め所望量に秤量された、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)、ラジカル重合開始剤、及び不活性溶媒を仕込む。
次に、反応容器内の内容物を攪拌し、組成が均一となるように混合する。次に、反応容器の上部空間に含まれている酸素ガス、及び内容物中に溶解している溶存酸素を除去するために、内容物中に窒素ガスを吹き込む。重合反応は、温浴などで20〜120℃、好ましくは30〜90℃に加熱することによって行うことができる。重合反応は、通常2〜10時間で終了する。重合反応終了後、減圧または常圧下、加熱して反応溶液から不活性溶媒を留去することにより、カルボキシル基含有重合体組成物を白色微粉末として得ることができる。
α,β−不飽和カルボン酸(a−1)、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)、ラジカル重合開始剤、及び不活性溶媒の仕込み全量における、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)及びエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)の合計仕込量は、容積効率を高め、生産性を向上させる観点から、1質量%以上、好ましくは5質量%以上であることが望ましく、また重合反応の進行に伴って重合体の析出が著しくなり、スラリーの粘度が高くなるのを回避し、反応を円滑に進行させる観点から、30質量%以下、好ましくは25質量%以下であることが望ましい。好ましい合計仕込量は、1〜30質量%であり、より好ましくは5〜25質量%である。
不活性溶媒としては、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)及びエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)は溶解するが、得られるカルボキシル基含有重合体組成物は溶解しない溶媒であればよく、特に制限されない。不活性溶媒の好ましい具体例としては、エチレンジクロライド、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタンなどのハロゲン置換されていてもよい炭素数2〜8の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭素数5〜7の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどのハロゲン置換されていてもよい芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどの酢酸アルキルエステル;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系化合物などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの不活性溶媒の中では、品質が安定しており、入手が容易である観点から、エチレンジクロライド、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタンおよび酢酸エチルが好ましい。
ラジカル重合開始剤の種類には、特に限定がない。その具体例としては、α,α’−アゾイソブチロニトニル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキサイド、第3級ブチルハイドロパーオキシドなどを挙げることができる。ラジカル重合開始剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ラジカル重合開始剤の量は、その種類や反応温度などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)及びエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)の合計量に対して、重合反応速度を増大させる観点から、0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上とすることが望ましく、また重合反応の際の除熱を容易に行なうことができるようにするために、10質量%以下、好ましくは3質量%以下であることが望ましい。ラジカル重合開始剤の量としては、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.3〜3質量%である。
なお、反応の際に酸素が存在していると、反応に悪影響を及ぼすため、あらかじめ反応系から酸素を除去しておくことが好ましい。したがって、反応時の雰囲気は、酸素による影響を回避する観点から、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
かくして本発明のカルボキシル基含有重合体組成物が得られる。本発明のカルボキシル基含有重合体組成物を、例えば、水に分散させた後、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンなどのアルカリ成分を加えて、そのpHが約7(pH=6〜8)となるように調整することにより、中和粘稠液を得ることができる。この中和粘稠液は、従来の架橋型カルボキシル基含有重合体を用いて中和粘稠液を調製した場合と対比して、増粘性に優れたものである。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
実施例および比較例により得られたカルボキシル基含有重合体組成物を、以下の方法により測定、評価した。
実施例および比較例により得られたカルボキシル基含有重合体組成物を、以下の方法により測定、評価した。
(1)分散性
200mL(ミリリットル)容のビーカーに、イオン交換水100gを入れ、イオン交換水の温度を25℃に調整する。このビーカーに、カルボキシル基含有重合体組成物3.0gを無攪拌条件下で一気に投入し、該カルボキシル基含有重合体組成物の膨潤状態を目視で観察して、該カルボキシル基含有重合体組成物が乾いた部分無く、すべて濡れきるのに要する時間(分)を測定する。膨潤するのに要する時間(「分散時間」と称する)が30分間以下であれば、分散性に優れていると判断できる。なお、60分間を超えても膨潤しきれずに、乾いた部分が残っていた場合は、分散時間を「60<」と評価した。
200mL(ミリリットル)容のビーカーに、イオン交換水100gを入れ、イオン交換水の温度を25℃に調整する。このビーカーに、カルボキシル基含有重合体組成物3.0gを無攪拌条件下で一気に投入し、該カルボキシル基含有重合体組成物の膨潤状態を目視で観察して、該カルボキシル基含有重合体組成物が乾いた部分無く、すべて濡れきるのに要する時間(分)を測定する。膨潤するのに要する時間(「分散時間」と称する)が30分間以下であれば、分散性に優れていると判断できる。なお、60分間を超えても膨潤しきれずに、乾いた部分が残っていた場合は、分散時間を「60<」と評価した。
(2)分散性の安定性(保存安定性)
カルボキシル基含有重合体組成物を製造後24時間以内に上記(1)の方法で測定した分散時間(「分散時間1」と称する)に対する、製造後30日後に上記(1)の方法で測定した分散時間(「分散時間2」と称する)の比[=分散時間2/分散時間1]を、保存安定性(分散性の安定性;時間が経っても良好な分散性が維持される特性)の指標とした。上記比が1に近いほど保存安定性がよく、0.8〜1.2であれば良好と判断できる。
カルボキシル基含有重合体組成物を製造後24時間以内に上記(1)の方法で測定した分散時間(「分散時間1」と称する)に対する、製造後30日後に上記(1)の方法で測定した分散時間(「分散時間2」と称する)の比[=分散時間2/分散時間1]を、保存安定性(分散性の安定性;時間が経っても良好な分散性が維持される特性)の指標とした。上記比が1に近いほど保存安定性がよく、0.8〜1.2であれば良好と判断できる。
(3)中和粘稠液透過率
500mL(ミリリットル)容のビーカーに、イオン交換水297.0gを入れ、イオン交換水の温度を25℃に調整する。このビーカーを、4枚羽根パドル(翼径:50mm)を備えた攪拌機を用いて、回転速度300r/minで攪拌しながら、カルボキシル基含有重合体組成物3.0gを一気に投入し、該カルボキシル基含有重合体組成物の分散状態を目視で観察しながら、ママコを生成させることなしにすべて分散させた。得られた分散液を、18質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=7に中和し、これを評価用中和粘稠液とした。得られた評価用中和粘稠液について分光光度計(島津製作所株式会社製、型番:UV−3150)を用い、波長:425nmの光の透過率を測定した。上記透過率が90%以上であれば、透明性が高いと判断できる。
500mL(ミリリットル)容のビーカーに、イオン交換水297.0gを入れ、イオン交換水の温度を25℃に調整する。このビーカーを、4枚羽根パドル(翼径:50mm)を備えた攪拌機を用いて、回転速度300r/minで攪拌しながら、カルボキシル基含有重合体組成物3.0gを一気に投入し、該カルボキシル基含有重合体組成物の分散状態を目視で観察しながら、ママコを生成させることなしにすべて分散させた。得られた分散液を、18質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=7に中和し、これを評価用中和粘稠液とした。得られた評価用中和粘稠液について分光光度計(島津製作所株式会社製、型番:UV−3150)を用い、波長:425nmの光の透過率を測定した。上記透過率が90%以上であれば、透明性が高いと判断できる。
(実施例1)
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500mL(ミリリットル)容の四つ口フラスコに、アクリル酸40g、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてブレンマーVMA70(日油株式会社製、メタクリル酸ステアリルが10〜20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10〜20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59〜80質量部およびメタクリル酸テトラコサニルの含有率が1質量%以下の混合物)0.88g、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(a−2)としてペンタエリスリトールテトラアリルエーテル0.20g、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)0.116g、および反応溶媒としてノルマルヘキサン230.9gを仕込んだ。引き続き、溶液を均一に攪拌、混合した後、反応容器(四つ口フラスコ)の上部空間、原料および反応溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、加熱して60〜65℃に昇温した。その後、3時間60〜65℃に保持した。加熱終了直後、ノルマルヘキサン2.0gに多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)(乳化剤)としてトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−330)2.0gを溶解させたものを、反応容器に投入し、更に1時間撹拌を続けた。その後、生成したスラリーを100℃に加熱して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに115℃、10mmHg、8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500mL(ミリリットル)容の四つ口フラスコに、アクリル酸40g、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてブレンマーVMA70(日油株式会社製、メタクリル酸ステアリルが10〜20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10〜20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59〜80質量部およびメタクリル酸テトラコサニルの含有率が1質量%以下の混合物)0.88g、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(a−2)としてペンタエリスリトールテトラアリルエーテル0.20g、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)0.116g、および反応溶媒としてノルマルヘキサン230.9gを仕込んだ。引き続き、溶液を均一に攪拌、混合した後、反応容器(四つ口フラスコ)の上部空間、原料および反応溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、加熱して60〜65℃に昇温した。その後、3時間60〜65℃に保持した。加熱終了直後、ノルマルヘキサン2.0gに多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)(乳化剤)としてトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−330)2.0gを溶解させたものを、反応容器に投入し、更に1時間撹拌を続けた。その後、生成したスラリーを100℃に加熱して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに115℃、10mmHg、8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
なお、各実施例及び比較例において、実験に用いた多価アルコール不飽和脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)のHLB値は、表1に記載の通りである。
(実施例2)
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油の添加量を1.2gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油の添加量を1.2gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(実施例3)
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油の添加量を2.8gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油の添加量を2.8gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(実施例4)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−320)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−320)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(実施例5)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−315)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−315)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(実施例6)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−340)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−340)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(実施例7)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)グリセリル(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−310)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)グリセリル(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−310)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(実施例8)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−320)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−320)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(実施例9)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をポリオキシエチレン(10)トリステアリン酸トリメチロール(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスTPS−310)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をポリオキシエチレン(10)トリステアリン酸トリメチロール(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスTPS−310)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(実施例10)
ブレンマーVMA70を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
ブレンマーVMA70を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(比較例1)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物39gを得た。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物39gを得た。
(比較例2)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−310)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−310)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(比較例3)
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−350)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)をトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスRWIS−350)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
(比較例4)
加熱終了直後に添加する多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)を、ポリオキシエチレン(3)ヒマシ油0.20g及びモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(6)グリコール付加物0.80gに変更し、また、重合温度が60℃になってから1時間後にトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油0.80gを添加したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
加熱終了直後に添加する多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)を、ポリオキシエチレン(3)ヒマシ油0.20g及びモノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(6)グリコール付加物0.80gに変更し、また、重合温度が60℃になってから1時間後にトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油0.80gを添加したこと以外は実施例1と同様にして、白色微粉末のカルボキシル基含有重合体組成物38gを得た。
[評価結果]
実施例1〜10および比較例1〜4のカルボキシル基含有重合体組成物について、上記の方法により分散時間(分散時間1)、分散性の安定性、中和粘稠液の透過度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜10および比較例1〜4のカルボキシル基含有重合体組成物について、上記の方法により分散時間(分散時間1)、分散性の安定性、中和粘稠液の透過度を測定した。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- α,β−不飽和カルボン酸(a−1)及び分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物(a−2)を含む単量体の共重合体である、カルボキシル基含有重合体(A)と、
HLB値が5〜8である、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)と、
を含む、カルボキシル基含有重合体組成物。 - 多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の含有量が、α,β−不飽和カルボン酸(a−1)100質量部に対して、0.5〜9質量部である、請求項1に記載のカルボキシル基含有重合体組成物。
- 多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の多価アルコール部分が、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びヒマシ油誘導体からなる群より選択された少なくとも1種である、請求項1または2に記載のカルボキシル基含有重合体組成物。
- 多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物(B)の脂肪酸部分が、ステアリン酸またはイソステアリン酸である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカルボキシル基含有重合体組成物。
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