JP2019092427A - 忌避システム - Google Patents
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Description
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、所定領域内にいる忌避対象を所定領域外へ忌避させるための忌避システムに関する。ここで、「所定領域」とは、忌避対象による被害が受ける可能性がある領域を意味する。この所定領域は、例えば、建物の屋上外周部(一例として、屋上に設置されたパラペット部、手擦部、パラペット部上に取り付けられる避雷導体等)、建物の屋上中央部、建物の搬入口近傍に設けられた庇の外周部又は下部、太陽光パネルやアンテナの上端部、田畑の外周部等を含む概念であるが、実施の形態では、建物の屋上外周部及び庇の外周部として説明する。また、「忌避対象」とは、所定領域から忌避させる対象であり、例えば、鳥獣、害虫等を含む概念であるが、実施の形態では、ドバトやカラス等の害鳥として説明する。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
最初に、実施の形態に係る忌避システムが設置される設置場所の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る忌避システムが設けられた建物を示す斜視図である。以下の説明では、図1のX方向を建物の左右方向(−X方向を建物の左方向、+X方向を建物の右方向)、図1のY方向を建物の前後方向(+Y方向を建物の前方向、−Y方向を建物の後方向)、図1のZ方向を建物の上下方向(+Z方向を建物の上方向、−Z方向を建物の下方向)と称する。
次に、実施の形態に係る忌避システム1の構成について説明する。図1に示すように、忌避システム1は、第1噴射機構10a、及び第2噴射機構10bを備えている。
次に、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの構成について説明する。図2は、第1噴射機構10aを示す斜視図である。ただし、これら第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの各々の構成は相互に略同一であるので、以下では、第1噴射機構10aの構成のみについて説明することとする。
供給源は、吹出管11に対して流体Fを供給するためのものである。この供給源は、例えば公知のタンク(一例として、エアタンク)等を用いて構成されており、屋上外周部3の前側部分3aに設けられたパラペット部6a(以下、「前側パラペット部6a」と称する)の近傍に設けられている。
コンプレッサは、供給源から供給された流体Fを加圧する加圧手段である。このコンプレッサは、例えば公知のコンプレッサ(一例として、エアコンプレッサ)等を用いて構成されており、供給源の近傍位置に設けられている。
バルブは、コンプレッサにて加圧された流体Fを吹出管11に送出するか否かを切り替えるためのものである。このバルブは、例えば公知の電磁弁等を用いて構成されており、コンプレッサと吹出管11との相互間に位置する配管15に設けられている。
吹出管11は、バルブから送出された流体Fを搬送する管である。この吹出管11は、例えば、当該吹出管11の上流側端面が開放端であり、且つ当該吹出管11の下流側端面が閉鎖端である公知の長尺な配管(一例として、金属製(例えば鋼製)の空気用配管)等を用いて構成されている。また、この吹出管11は、図2に示すように、前側パラペット部6aの上端部において、当該上端部の長手方向(図2では、上端部の左右方向)の略全長にわたって設けられていると共に、当該上端部に這わせるように設けられている。
噴射口12は、流体Fを噴射する開口である。この噴射口12は、吹出管11の側部11aに設けられており、具体的には、図2に示すように、相互に間隔を隔てて左右方向に略沿って複数並設されている。
検知部13は、例えば公知の検知センサ(一例として、焦電センサ等)を用いて構成されており、前側パラペット部6aの上端部に設けられ、検知部13、アンプ部、及び信号処理部を備えている(いずれも図示省略)。このうち、検知部13は、赤外線の熱エネルギーを吸収して温度変化を生じ、この温度変化に比例して誘起した信号をアンプ部に出力するものである。また、アンプ部は、検知部13から出力された信号を増幅して信号処理部に出力するものである。また、信号処理部は、アンプ部から出力された検知信号に基づいて忌避対象OAの有無を判定して、判定結果を示す信号を制御装置14に出力する。
制御装置14は、第1噴射機構10aの各部を相互に連動させる装置であり、図2に示すように、前側パラペット部6aの近傍に設けられており、操作部、入力部、出力部、電源部、制御部、及び記憶部を備えている(いずれも図示省略)。
次に、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの各々の作用について説明する。ただし、これら第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bの各々の作用はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1噴射機構10aの作用のみについて説明することとする。
また、この他にも、忌避システム1の第1噴射機構10aは、任意の構造にて構成可能である。
このように実施の形態によれば、噴射手段が、流体Fを搬送する吹出管11と、吹出管11の側部11aに設けられた少なくとも1つ以上の噴射口12とを備えたので、噴射手段を所定領域に這わるように設けることができ、噴射手段を目立ちにくくすることができる。また、所定領域内にいる忌避対象OAに対して流体Fを噴射することができ、忌避対象OAを所定領域外へ確実に忌避させることができる。以上のことから、従来技術(複数の針状体を設ける技術)に比べて、所定領域の意匠性を維持しながら、忌避対象OAを忌避させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
上記実施の形態では、忌避システム1が、建物2の屋上外周部3に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、これらの設置場所に加えて、建物2の屋上に設けられた手摺部若しくは避雷導体、又はバルコニーに設けられた手摺部に設けられてもよい。ここで、忌避システム1が上記手摺部又は上記避雷導体に設けられる場合には、流体Fが鉛直上方向に向けて噴射されるように、第1噴射機構の如き噴射機構(噴射手段)を設けることが望ましい。これにより、上記手摺部又は上記避雷導体に止まる忌避対象OAに対して流体Fを効果的に噴射でき、流体Fが建物2の屋内側から屋外側へ向けて噴射されるように設けた場合に比べて、忌避対象OAを建物外へ忌避させることができる。
上記実施の形態では、忌避システム1が、屋上外周部3の一部のみ(具体的には、屋上外周部3の前側部分3a及び右側部分3b)に設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、屋上外周部3全体にわたって設けられてもよい。また、上記実施の形態では、忌避システム1が、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、第1噴射機構10a又は第2噴射機構10bのいずれか一方のみを備えてもよい。
上記実施の形態では、第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bが、検知部13を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、検知部13を省略してもよい。この場合には、これら第1噴射機構10a及び第2噴射機構10bを、以下に示す通りに作用させてもよい。すなわち、所定時間(例えば、一定時間又は不定時間)が経過したタイミング又は操作部が操作されたタイミングが到来すると、制御装置14の制御部によって、供給源から流体Fを供給させて、当該供給させた流体Fを加圧するようにコンプレッサを制御する。そして、制御装置14の制御部によって、バルブを閉鎖状態から開放状態に切り替えるように制御することにより、上記加圧された流体Fが吹出管11に送出されて、吹出管11にて搬送された流体Fが複数の噴射口12から噴射される。これにより、所定時間が経過したタイミング又は操作部が操作されたタイミングで流体Fを噴射できるので、検知部13が設けた場合と同様に、忌避対象OAを効果的に忌避させることができると共に、忌避システム1から与えられる刺激に対して忌避対象OAが慣れることを回避できる。あるいは、検知部13を省略せずに、上記作用が行われるようにしてもよい。この場合には、例えば、検知部13が検知された場合には複数の噴射口12から気体を噴射させることが可能な供給源と、所定時間が経過した場合には複数の噴射口12から液体(一例として、水)を噴射させることが可能な供給源とを備え、制御装置14の制御部がこれら供給源の供給を切り替えできるものであってもよい。これにより、液体によって吹出管11の内部や複数の噴射口12を清掃することができ、吹出管11の内部又は複数の噴射口12が埃や塵等によって詰まることにより、気体が噴射しにくくなることを回避できる。
上記実施の形態では、供給源は、公知のエアタンクを用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、エアの温度を調整可能な温度調整部を有するエアタンクを用いて構成されてもよい。
上記実施の形態では、検知部13は、焦電センサを用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、アクティブ又はパッシブ赤外線センサ、超音波センサ、光電センサ、又は重量センサを用いて構成されてもよい。あるいは、画像を撮像する撮像部と、撮像部にて撮像された画像に基づいて忌避対象OAの有無を判定して、その旨を示す信号を出力する画像処理部とを備えて構成されてもよい。
上記実施の形態では、吹出管11の縦断面形状が、略円環状に設定されていると説明したが、これに限られず、例えば、多角形環状(一例として、矩形環状、六角環状等)や楕円環状に設定されてもよい。
上記実施の形態では、吹出管11に複数の噴射口12が設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、1つの噴射口12のみが設けられてもよい。
付記1の忌避システムは、所定領域内にいる忌避対象を前記所定領域外へ忌避させるための忌避システムであって、前記所定領域に設けられた噴射手段であって、前記忌避対象に対して流体を噴射するための噴射手段を備え、前記噴射手段は、前記流体を搬送する吹出管と、前記吹出管の側部に設けられた少なくとも1つ以上の噴射口であって、前記流体を噴射する噴射口と、を備えた。
付記1に記載の忌避システムによれば、噴射手段が、流体を搬送する吹出管と、吹出管の側部に設けられた少なくとも1つ以上の噴射口とを備えたので、噴射手段を所定領域に這わるように設けることができ、噴射手段を目立ちにくくすることができる。また、所定領域内にいる忌避対象に対して流体を噴射することができ、忌避対象を所定領域外へ確実に忌避させることができる。以上のことから、従来技術(複数の針状体を設ける技術)に比べて、所定領域の意匠性を維持しながら、忌避対象を忌避させることが可能となる。
2 建物
3 屋上外周部
3a 前側部分
3b 右側部分
6 パラペット部
6a 前側パラペット部
10a 第1噴射機構
10b 第2噴射機構
11 吹出管
11a 側部
12 噴射口
12a 開口
13 検知部
14 制御装置
15 配管
16 バルブ
41 第1吹出管
42 第2吹出管
43 補助供給源
44 補助バルブ
45 圧力検知部
46 信号線
47 吹出細管
F 流体
OA 忌避対象
Claims (6)
- 所定領域内にいる忌避対象を前記所定領域外へ忌避させるための忌避システムであって、
前記所定領域に設けられた噴射手段であって、前記忌避対象に対して流体を噴射するための噴射手段を備え、
前記噴射手段は、
前記流体を搬送する吹出管と、
前記吹出管の側部に設けられた少なくとも1つ以上の噴射口であって、前記流体を噴射する噴射口と、を備えた、
忌避システム。 - 前記所定領域は、建物の屋上外周部であり、
前記流体が前記建物の屋内側から屋外側へ向けて噴射されたり、又は前記流体が鉛直上方向に向けて噴射されるように、前記噴射手段を設けた、
請求項1に記載の忌避システム。 - 前記吹出管は、
前記少なくとも1つ以上の噴射口が設けられた複数の第1吹出管と、
前記複数の第1吹出管に接続された第2吹出管であって、前記複数の第1吹出管の各々に前記流体を搬送する第2吹出管と、を備え、
前記第2吹出管の口径を、前記複数の第1吹出管の各々の口径よりも大きくした、
請求項1又は2に記載の忌避システム。 - 前記噴射手段は、
複数の前記吹出管と、
前記複数の吹出管の各々と接続された複数の供給源であって、対応する吹出管に対して前記流体を供給する複数の供給源と、を備えた、
請求項1又は2に記載の忌避システム。 - 前記噴射手段は、
前記噴射口が複数設けられた前記吹出管と、
前記吹出管内において前記複数の噴射口の少なくともいずれか1つに対応するように設けられたバルブであって、当該バルブ内の圧力が閾値以上となった場合に当該複数の噴射口の少なくともいずれか1つから前記流体を噴射するバルブと、を備えた、
請求項1又は2に記載の忌避システム。 - 噴射タイミングが到来した際に、前記噴射手段によって前記流体を噴射させるための制御手段を備えた、
請求項1から5のいずれか一項に記載の忌避システム。
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