JP2019091022A - 円偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】屈曲による色変化を低減しつつ、耐屈曲性に優れた円偏光板を提供する。【解決手段】屈曲可能な表示装置に用いられる円偏光板1であって、偏光子2と、偏光子2の一方の側に配置された位相差層RFとを備え、偏光子2の視感度補正単体透過率は、42%以上であり、位相差層RFは、1/2波長板3と、1/4波長板4とを含み、1/2波長板3及び1/4波長板4は、それぞれ液晶化合物が硬化した層を含み、1/4波長板4の遅相軸方向が偏光子2の吸収軸方向から反時計回りを正として、−20°〜20°の範囲にあり、且つ、1/4波長板4の遅相軸方向に対して表示装置の屈曲方向が80°〜100°又は−10°〜10°の範囲に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、円偏光板に関する。また、そのような円偏光板を備えた屈曲可能な表示装置に関する。
従来、表示装置において外光反射による悪影響を抑制するために、円偏光板が使用されている。一方、近年では、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に代表される屈曲可能(フレキシブル)な表示装置に対する要望が強まっている。さらに、表示装置の単なるフレキシブル化だけでなく、非常に小さい曲率半径でのフレキシブル化の実現が要求されるようになっている。
しかしながら、有機EL表示装置を非常に小さい曲率半径で屈曲させると、円偏光板中の位相差層に大きな力(屈曲部分の外側には引張力、屈曲部分の内側には圧縮力)が加わるため、屈曲部分の位相差が変化してしまうといった問題がある。
そこで、このような問題に対して、下記特許文献1では、1/2波長(λ/2)板および1/4波長(λ/4)板を含む位相差フィルムを備え、λ/2板及びλ/4板が、それぞれ液晶化合物を含み、位相差フィルムの遅相軸方向が表示装置の屈曲方向に対して75〜105度の角度を規定するように調整されている円偏光板が提案されている。
国際公開第2016/158300号
ところで、上述した屈曲可能な表示装置では、その視認性に関してより一層の向上が求められている。また、表示装置を屈曲させた際の屈曲部分における反射光の色相(色味)の変化を低減することが求められている。
このため、屈曲可能な表示装置に適用される円偏光板では、表示装置の屈曲部分に追従する必要がある。また、円偏光板の屈曲前後で皺が生じにくいことも求められている。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、屈曲による色変化を低減しつつ、屈曲による皺が生じにくい円偏光板、並びに、そのような円偏光板を備えた屈曲可能な表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の態様に従えば、屈曲可能な表示装置に用いられる円偏光板であって、偏光子と、前記偏光子の一方の側に配置された位相差層とを備え、前記偏光子の視感度補正単体透過率は、42%以上であり、前記位相差層は、1/2波長板と、1/4波長板とを含み、前記1/2波長板及び前記1/4波長板は、それぞれ液晶化合物が硬化した層を含み、前記1/4波長板の遅相軸方向が前記偏光子の吸収軸方向から反時計回りを正として、−20°〜20°の範囲にあり、且つ、前記1/4波長板の遅相軸方向に対して前記表示装置の屈曲方向が80°〜100°又は−10°〜10°の範囲に設定されていることを特徴とする円偏光板が提供される。
また、前記円偏光板において、前記1/2波長板と前記1/4波長板とが接着剤層を介して接着されている構成であってもよい。
また、前記円偏光板において、前記表示装置が、有機エレクトロルミネッセンス表示装置である構成であってもよい。
また、前記円偏光板において、屈曲前後で得られる反射光の色相が、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化しない構成であってもよい。
また、本発明の態様に従えば、前記何れかの円偏光板と、屈曲可能な表示パネルとを備える屈曲可能な表示装置が提供される。
また、前記表示装置において、前記円偏光板の前記表示パネルと対向する側に配置されたタッチセンサと、前記円偏光板の前記表示パネルと対向する側とは反対側に配置されたウィンドウフィルムとを備える構成であってもよい。
また、前記表示装置において、前記円偏光板の前記表示パネルと対向する側とは反対側に配置されたタッチセンサを備える構成であってもよい。
以上のように、本発明の態様によれば、屈曲による色変化を低減しつつ、屈曲による皺が生じにくい円偏光板、並びに、そのような円偏光板を備えた屈曲可能な表示装置を提供することが可能である。
本発明の一実施形態に係る円偏光板の構成を示す断面図である。 図1に示す円偏光板を備えた屈曲可能な表示装置の構成を示す断面図である。 有機EL素子の構成を示す断面図である。 表示装置の屈曲状態を説明するための模式図である。 表示装置の屈曲方向と偏光子の吸収軸方向との関係、並びに、λ/2板の遅相軸方向及びλ/4板の遅相軸方向の関係を説明するための模式図である。 図1に示す円偏光板を備えた屈曲可能な表示装置の別の構成例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面では、各構成要素を見やすくするため、構成要素を模式的に示している場合があり、構成要素によっては寸法の縮尺を異ならせて示すこともある。また、以下の説明において例示される材料や数値等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明の一実施形態として、例えば図1に示す円偏光板1、並びに図2に示す円偏光板1を備えた屈曲可能な表示装置10について説明する。なお、図1は、円偏光板1の構成を示す断面図である。図2は、表示装置10の構成を示す断面図である。
本実施形態の円偏光板1は、図1に示すように、偏光子2と、偏光子2の一方の面側に配置された1/2波長(λ/2)板3及び1/4波長(λ/4)板4を含む位相差層RFとを備えている。また、偏光子2の両面には、それぞれ保護フィルム(保護層)5,6が配置されている。
偏光子2の一方の面側には、PSA層(粘着剤層)7を介してλ/2板3が積層されている。λ/2板3とλ/4板4とは、接着剤層又は粘着剤層8を介して積層されている。円偏光板1のλ/4板4と対向する面には、後述する表示装置10に積層するためのPSA層(粘着剤層)9が配置されている。なお、このPSA層9の表面には、使用される前まで剥離フィルム(図示せず。)が貼合されている。また、PSA層7,9は、例えばアクリル系粘着剤により形成される。
偏光子2は、特定の方向に偏光面を持った直線偏光の光を通過させるものであり、この偏光子2を通過した光は、偏光子の透過軸方向に振動する直線偏光となる。偏光子2の厚みは、例えば1μm〜80μm程度である。
偏光子2としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理及び延伸処理が施されたものの他に、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物など、ポリエン系配向フィルムなどを用いることができる。その中でも、光学特性に優れたものとして、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し、一軸延伸して得られたものを用いることが好ましい。
ヨウ素による染色は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。一軸延伸の延伸倍率は、3〜7倍であることが好ましい。延伸は、染色処理後に行ってもよく、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムには、必要に応じて、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗することで、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
偏光子2としては、例えば特開2016−170368号公報に記載されるように、液晶化合物が重合した硬化膜中に、二色性色素が配向したものを使用してもよい。二色性色素としては、波長380〜800nmの範囲内に吸収を有するものを用いることができ、有機染料を用いることが好ましい。二色性色素として、例えば、アゾ化合物が挙げられる。液晶化合物は、配向したまま重合することができる液晶化合物であり、分子内に重合性基を有することができる。
偏光子2の視感度補正偏光度は、95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましい。また、99%以上であってもよいし、99.9%以上であってもよい。偏光子2の視感度補正偏光度は、99.995%以下であってもよいし、99.99%以下であってもよい。視感度補正偏光度は、積分球付き吸光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて、得られた偏光度に対して「JIS Z 8701」の2度視野(C光源)により視感度補正を行うことで算出することができる。
偏光子2の視感度補正偏光度を95〜99.9%とすることで、初期の(屈曲前の)色相をニュートラルから離れた位置に調整しやすくなる。このため、後述する屈曲前後の反射光の色相に関し、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化しにくくなる。さらに、偏光子2の視感度補正偏光度を99.9%以上とすることで、円偏光板1の耐久性を向上させることができる。一方、偏光子2の視感度補正偏光度が95%未満であると、反射防止膜としての機能が果たせないことがある。
偏光子2の視感度補正単体透過率は、42%以上であることが好ましく、44%以上であることがより好ましく、60%以下であることが好ましく、50%以下であることが更に好ましい。視感度補正単体透過率は、積分球付き吸光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用い、得られた透過率に対してJIS Z 8701の2度視野(C光源)により視感度補正を行うことで算出することができる。
偏光子2の視感度補正直交透過率を42%以上とすることで、偏光子2の直交色相を容易にニュートラル側から離れたところに調整ができるため、後述する屈曲前後で色変化を目立たなくすることが可能である。50%を超えると偏光度が低くなりすぎて、反射防止としての機能を達成できなくなることがある。
λ/2板3は、入射光の電界振動方向(偏光面)にπ(=λ/2)の位相差を与えるものであり、直線偏光の向き(偏光方位)を変える機能を有している。また、円偏光の光を入射させると、円偏光の回転方向を反対回りにすることができる。
λ/2板3は、特定の波長λnmにおける面内レターデーション値であるRe(λ)がRe(λ)=λ/2を満足する。この式は、可視光域の何れかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。その中でも、波長550nmにおける面内レターデーション値であるRe(550)が、210nm≦Re(550)≦300nmの満足することが好ましい。また、220nm≦Re(550)≦290nmを満足することがより好ましい。
波長550nmで測定したλ/2板3の厚み方向のレターデーション値であるRth(550)は、−150〜150nmであることが好ましく、−100〜100nmであることがより好ましい。
λ/2板3の厚みは、特に制限されないが、皺を防止するという効果を顕著にしやすいという観点から、0.5〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましく、0.5〜3μmが更に好ましい。なお、λ/2板3の厚みについては、面内の任意の5点の厚みを測定し、それらを算術平均したものである。
λ/2板3は、後述する保護フィルム5,6の材料として例示をした樹脂からなるフィルム、液晶化合物が硬化した層などを含むことができる。λ/2板3を樹脂から形成する場合、中でもポリカーボネート系樹脂、環状オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、セルロース系樹脂が好ましい。本実施形態において、λ/2板3は、液晶化合物が硬化した層を含むことが好ましい。液晶化合物の種類については、特に限定されないものの、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶化合物、ディスコティック液晶化合物)とに分類できる。さらに、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。なお、高分子とは、一般に重合度が100以上のものを言う(高分子物理・相転移ダイナミクス、土井 正男著、2頁、岩波書店、1992)。
本実施形態では、何れの液晶化合物を用いることもできる。さらに、2種以上の棒状液晶化合物や、2種以上の円盤状液晶化合物、又は、棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
なお、棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1、又は、特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好適に用いることができる。円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]、又は、特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好適に用いることができる。
λ/2板3は、重合性基を有する液晶化合物(棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物)を用いて形成することがより好ましい。これにより、光学特性の温度変化や湿度変化を小さくすることができる。
液晶化合物は、2種類以上の混合物であってもよい。その場合、少なくとも1つが2以上の重合性基を有していることが好ましい。すなわち、λ/2板3は、重合性基を有する棒状液晶化合物又は重合性基を有する円盤状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましく、このような層は液晶化合物が硬化した層に含まれる。この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物に含まれる重合性基の種類は、特に制限されるものではなく、例えば、重合性エチレン性不飽和基や環重合性基などの付加重合反応が可能な官能基が好ましい。より具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などを挙げることができる。その中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基及びアクリロイル基の両者を包含する概念である。
λ/2板3の形成方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が挙げられる。例えば、所定の基板(仮基板を含む)に、重合性基を有する液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(以下、単に「組成物」という。)を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜に対して硬化処理(紫外線の照射(光照射処理)又は加熱処理)を施すことにより、第1のλ/2板3を製造できる。
組成物の塗布としては、公知の方法、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、および、ダイコーティング法により実施できる。
組成物には、上述した液晶化合物以外の成分が含まれていてもよい。例えば、組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて、例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤が選択される。例えば、光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物、アシロインエーテル、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせなどが挙げられる。重合開始剤の使用量は、組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
また、組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、重合性モノマーが含まれていてもよい。重合性モノマーとしては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の化合物が挙げられる。その中でも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。
なお、重合性モノマーとしては、上述した重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。具体的な重合性モノマーとしては、例えば、特開2002−296423号公報中の段落[0018]〜[0020]に記載のものが挙げられる。重合性モノマーの使用量は、液晶化合物の全質量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
また、組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられる。その中でも特に、フッ素系化合物が好ましい。具体的な界面活性剤としては、例えば、特開2001−330725号公報中の段落[0028]〜[0056]に記載の化合物、特願2003−295212号明細書中の段落[0069]〜[0126]に記載の化合物が挙げられる。
また、組成物には、溶媒が含まれていてもよく、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が挙げられる。その中でも、アルキルハライド、ケトンが好ましい。また、2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
また、組成物には、偏光子界面側垂直配向剤、空気界面側垂直配向剤などの垂直配向促進剤、並びに、偏光子界面側水平配向剤、空気界面側水平配向剤などの水平配向促進剤といった各種配向剤が含まれていてもよい。さらに、組成物には、上記成分以外にも、密着改良剤、可塑剤、ポリマーなどが含まれていてもよい。
λ/2板3には、液晶化合物の配向方向を規定する機能を有する配向膜が含まれていてもよい。配向膜は、一般的にはポリマーを主成分とする。配向膜用ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。その中もでも、ポリマー材料として、ポリビニルアルコール又はポリイミド、その誘導体を用いることが好ましく、特に、変性又は未変性のポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
本実施形態において使用可能な配向膜については、国際公開第2001/88574号の43頁24行目〜49頁8行目、特許第3907735号公報の段落[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールを参照することができる。
なお、配向膜には、通常公知の配向処理が施される。例えば、ラビング処理、偏光を当てる光配向処理などが挙げられるが、配向膜の表面粗さの観点から、光配向処理が好ましい。
配向膜の厚みは、特に制限されてないものの、20μm以下の場合が多く、その中でも、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜5μmであることがより好ましく、0.01〜1μmであることがさらに好ましい。
λ/4板4は、入射光の電界振動方向(偏光面)にπ/2(=λ/4)の位相差を与えるものであり、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(又は円偏光を直線偏光に)変換する機能を有している。
λ/4板4は、特定の波長λnmにおける面内レターデーション値であるRe(λ)がRe(λ)=λ/4を満足する。この式は、可視光域の何れかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。その中でも、波長550nmにおける面内レターデーション値であるRe(550)が、100nm≦Re(550)≦160nmの満足することが好ましい。また、110nm≦Re(550)≦150nmを満足することがより好ましい。
波長550nmで測定したλ/4板4の厚み方向のレターデーション値であるRth(550)は、−120〜120nmであることが好ましく、−80〜80nmであることがより好ましい。
λ/4板4の厚みは、特に制限されないが、屈曲時にフィルムの表裏での寸法変化の違いによる皺を防止できる点から、0.5〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましく、0.5〜3μmが更に好ましい。なお、λ/4板4の厚みについては、面内の任意の5点の厚みを測定し、それらを算術平均したものである。
λ/4板4は、液晶化合物が硬化した層を含むことが好ましい。液晶化合物の種類については、特に限定されないものの、上記λ/2板3の材料として挙げたものと同じ材料を用いることができる。その中でも、重合性基を有する棒状液晶化合物又は重合性基を有する円盤状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
円偏光板1に含まれる層のうち、偏光子2以外で、液晶化合物が硬化した層は、1層又は2層であることが好ましい。液晶化合物が硬化した層が3層以上含まれる場合、皺が生じる可能性がある層の数が多くなるので、屈曲時に皺が生じやすいと考えられる。
保護フィルム5,6は、偏光子2を保護する保護層として機能するものであり、少なくとも偏光子2の外側の面(λ/2板3と対向する側とは反対側の面)に保護フィルム5が配置されている。また、偏光子2の内側の面(λ/2板3と対向する側の面)に保護フィルム6が配置されていてもよい。
保護フィルム5,6の材料としては、例えば、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又はこれらの混合物、共重合物等を用いることができる。すなわち、λ/2板3が保護フィルム5,6の役割を兼ねることができる。
また、保護フィルム5,6は、位相差フィルムや輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもよい。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体の他、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物等が挙げられる。その中でも、環状オレフィンとして、例えばノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好適に用いられる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例としては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネート等が挙げられる。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものを用いることもできる。その中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース:TAC)が特に好ましい。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する、上記セルロースエステル系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としては、ジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。多価アルコールとしては、ジオールを用いることができ、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートが挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなる。ポリカーボネート系樹脂としては、ポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、共重合ポリカーボネート等であってもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂の具体例としては、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等)、メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)を含む。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルエステルを主成分とする重合体が用いられる。より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
保護フィルム5,6の厚みは、10μm〜200μmが好ましく、より好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは15μm〜95μmである。保護フィルム5,6は、面内位相差値Re(550)が例えば0nm〜10nmであり、厚み方向の位相差値Rth(550)が例えば−80nm〜+80nmである。
外側の保護フィルム5は、その偏光子2と対向する側とは反対側の表面に、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。この場合の保護フィルム5の厚みは、5mm以下であり、好ましくは1mm以下、より好ましくは1μm〜500μm、さらに好ましくは5μm〜150μmである。
内側の保護フィルム6は、光学的に等方性であることが好ましい。すなわち、この「光学的に等方性である」とは、面内位相差値Re(550)が0nm〜10nmであり、厚み方向の位相差値Rth(550)が−10nm〜+10nmであることをいう。この場合の保護フィルム6の厚みは、好ましくは20μm〜200μm、より好ましくは30μm〜100μm、さらに好ましくは35μm〜95μmである。
接着剤層8は、接着剤として、例えば、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性接着剤(好ましくは紫外線硬化性接着剤)や、ポリビニルアルコール系樹脂のような接着剤成分を水に溶解又は分散させた水系接着剤を用いることができる。円偏光板1では、接着剤層8を介してλ/2板3とλ/4板4とを積層することによって、屈曲時に皺が生じるのを防止することができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤としては、良好な接着性を示すことから、カチオン重合性の硬化性化合物及び/又はラジカル重合性の硬化性化合物を含む活性エネルギー線硬化性接着剤組成物を好ましく用いることができる。活性エネルギー線硬化性接着剤は、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤及び/又はラジカル重合開始剤をさらに含むことができる。
カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物(分子内に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物)や、オキセタン系化合物(分子内に1個又は2個以上のオキセタン環を有する化合物)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)や、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。カチオン重合性の硬化性化合物とラジカル重合性の硬化性化合物とを併用してもよい。
活性エネルギー線硬化性接着剤は、必要に応じて、カチオン重合促進剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶剤等の添加剤を含有することができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いてλ/2板3とλ/4板4とを貼合する場合、接着剤層8となる活性エネルギー線硬化性接着剤を介してλ/2板3とλ/4板とを積層した後、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線を照射して接着剤層を硬化させる。中でも紫外線が好適であり、この場合の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。水系接着剤を用いる場合は、水系接着剤を介してλ/2板3とλ/4板4とを積層した後、加熱乾燥させればよい。
接着剤層8の厚みは、0.5〜5μmが好ましく、0.5〜3μmがより好ましい。
接着剤層8の温度30℃での貯蔵弾性率は、600MPa〜4000MPaであることが好ましく、700MPa〜3500MPaであることがより好ましく、1000MPa〜3000MPaであることがさらに好ましく、1500MPa〜3000MPaであることが最も好ましい。このような貯蔵弾性率を示す硬い接着剤層8でλ/2板3とλ/4板4とを貼合することにより、屈曲時に位相差層に皺が生じるのを一層防止しやすくできる。
接着剤層8の温度30℃での貯蔵弾性率は、円偏光板1における接着剤層8の温度30℃での貯蔵弾性率が下記の方法で直接測定できる場合は、その測定値とする。一方、直接測定できない場合は、接着剤層8の形成と同様の条件(接着剤の種類、硬化条件)で剥離紙上に接着層試験片を形成し、かかる接着層試験片を剥離紙から剥離したものについて下記の方法で測定した貯蔵弾性率と同じ値とみなすことができるものとする。
接着剤層8又は接着層試験片の貯蔵弾性率は、市販の動的粘弾性装置によって測定することができ、例えば、アイティー計測制御株式会社製の製品名DVA−220によって測定することができる。
粘着剤層8は、粘着剤として、従来公知のものを適宜選択すればよく、偏光板がさらされる高温環境、湿熱環境または高温と低温が繰り返されるような環境下において、剥れなどが生じない程度の接着性を有するものであればよい。具体的には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを挙げることができ、透明性、耐候性、耐熱性、加工性の点で、アクリル系粘着剤が特に好ましい。
粘着剤には、必要に応じ、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、シランカップリング剤など、各種の添加剤を適宜に配合してもよい。
粘着剤層8は、通常、粘着剤の溶液を離型シート上に粘着剤を塗布し、乾燥することにより形成される。離型シート上への塗布は、例えば、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などを採用できる。粘着剤層を設けた離型シートは、これを転写する方法等により利用される。
粘着剤層8の厚さは、通常3〜100μm程度であり、好ましくは5〜50μmである。
本実施形態の円偏光板1は、図2に示すような屈曲可能な表示装置10に用いられる。屈曲可能な表示装置10の具体例としては、有機EL表示装置、円偏光を利用した液晶表示装置(代表的には、VA(Vertical Alignment)モードの液晶表示装置)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ディスプレイ等が挙げられる。その中でも特に、本実施形態の円偏光板1は、屈曲可能な有機EL表示装置に対して好適に用いられる。
具体的に、本実施形態の表示装置10は、図2に示すように、屈曲可能な表示パネル20と、表示パネル20の視認側に配置された上記円偏光板1とを備えている。円偏光板1は、偏光子2が視認側となるように、PSA層9を介して表示パネル20の視認側の面に貼り付けられている。
本実施形態の表示装置10では、外光が表示パネル20の視認側から入射することによって、偏光子2を通過した光が直線偏光となる。この直線偏光の光は、λ/2板3を通過して直線偏光の向きが変換された後、λ/4板4を通過して円偏光となる。この円偏光の光は、表示パネル20で反射されることによって、入射時とは反転した円偏光となる。表示パネル20で反射された円偏光の光は、再びλ/4板4及びλ/2板3を通過した際に、入射時とは直交した直線偏光となる。したがって、この直線偏光の光は、偏光子2で遮断される。その結果として、外光反射による影響を抑制することが可能である。
表示パネル20の一例としては、例えば図3に示すような有機EL素子200を含む。なお、図3は、有機EL素子200の構成を示す断面図である。
具体的に、この有機EL素子200は、基板210と、第1電極220と、有機EL層230と、第2電極240と、これらを覆う封止層250とを有している。また、有機EL素子200は、必要に応じて、例えば、基板210上に平坦化層(図示せず。)を設けてもよく、第1電極220と第2電極240との間に短絡を防止するための絶縁層(図示せず。)を設けてもよい。
基板210は、可撓性を有する材料で構成される。可撓性を有する基板210を用いれば、表示装置10を上述した曲率半径で屈曲させることができる。また、有機EL素子200をいわゆるロールトゥロールプロセスで製造できるので、低コスト及び大量生産を実現し得る。また、基板210は、バリア性を有する材料で構成されることが好ましい。このような基板210は、有機EL層230を酸素や水分から保護し得る。
バリア性及び可撓性を有する基板210の具体的な材料としては、例えば、可撓性を付与した薄ガラス、バリア性を付与した熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂フィルム、合金、金属などが挙げられる。
熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂が挙げられる。合金としては、例えば、ステンレス、36アロイ、42アロイが挙げられる。金属としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、チタンが挙げられる。
基板210の厚みは、5μm〜500μmが好ましく、より好ましくは5μm〜300μmであり、さらに好ましくは10μm〜200μmである。このような厚みであれば、表示装置10を上述した曲率半径で屈曲させることができる。また、有機EL素子200をロールトゥロールプロセスに好適に用いることができる。
第1電極220は、陽極として機能し得る。この場合、第1電極を構成する材料としては、正孔注入性を容易にするという観点から、仕事関数の大きい材料が好ましい。このような材料の具体例としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物(IWO)、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物(IWZO)、酸化チタンを含むインジウム酸化物(ITiO)、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物(ITTiO)、モリブテンを含む酸化インジウムスズ(ITMO)などの透明導電性材料、並びに、金、銀、白金などの金属及びそれらの合金が挙げられる。
有機EL層230は、種々の有機薄膜を含む積層体である。具体的に、この有機EL層230は、正孔注入性有機材料(例えば、トリフェニルアミン誘導体)からなり、陽極からの正孔注入効率を向上させるべく設けられた正孔注入層230aと、例えば銅フタロシアニンからなる正孔輸送層230bと、発光性有機物質(例えば、アントラセン、ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニル〕ベンジジン、N,N’−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−(ビフェニル)−4,4’−ジアミン(NPB))からなる発光層230cと、例えば8−キノリノールアルミニウム錯体からなる電子輸送層230dと、電子注入性材料(例えば、ペリレン誘導体、フッ化リチウム)からなり、陰極からの電子注入効率を向上させるべく設けられた電子注入層230eとを有している。
有機EL層230は、それ以外にも、発光層230cにおいて電子と正孔とが再結合して発光を生じさせ得る任意の適切な組み合わせが採用される。有機EL層230の厚みは、発光した光を可能な限り透過させるため、できる限り薄いことが好ましく、具体的には、5nm〜200nmであり、より好ましくは10nm程度である。
第2電極240は、陰極として機能し得る。この場合、第2電極240を構成する材料としては、電子注入を容易にして発光効率を上げるという観点から、仕事関数の小さい材料が好ましい。このような材料の具体例としては、アルミニウム、マグネシウム、及びこれらの合金が挙げられる。
封止層250は、バリア性及び透明性に優れた材料で構成される。封止層250を構成する材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリ尿素などが挙げられる。また、封止層250は、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂接着剤)を塗工し、その上にバリア性シートを貼り付けて形成してもよい。
有機EL素子200は、ロールトゥロールプロセスで連続的に製造され得る。有機EL素子200は、例えば2012−169236号公報に記載の手順に準じた手順で製造され得る。当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。さらに、有機EL素子200は、長尺状の円偏光板1とロールトゥロールプロセスで連続的に積層されて、有機EL表示装置が連続的に製造され得る。
なお、屈曲可能な有機EL表示装置の詳細は、例えば、特許第4601463号公報又は特許第4707996号公報に記載されている。これらの記載は、参考として本明細書に援用される。
なお、上記表示パネル20では、有機EL素子200を使用した態様について例示しているが、そのような態様に必ずしも限定されるものではなく、本発明が適用される表示装置10は、例えば、液晶表示素子からなる表示パネル20と、表示パネル20の視認側に配置された円偏光板1とを備える態様であってもよい。
本実施形態の表示装置10としては、図4(a)〜図4(d)に示すように、屈曲した状態(屈曲が固定された状態)も含む。なお、図4(a)〜図4(d)は、表示装置10の屈曲状態を説明するための模式図である。
具体的に、この表示装置10は、例えば、図4(a)及び図4(b)に示す折り畳み式のように、中央部で屈曲されていてもよい。また、デザイン性と表示画面を最大限に確保するという観点から、図4(c)及び図4(d)に示すように、端部で屈曲されていてもよい。
さらに、表示装置10は、図4(a)〜図4(d)に示すように、その長手方向に沿って屈曲されていてもよく、その短手方向に沿って屈曲されていてもよい。すなわち、表示装置10は、その用途に応じて、特定の部分が(例えば、四隅の一部又は全部が斜め方向に)屈曲されていればよい。
表示装置10の少なくとも一部は、曲率半径(屈曲半径)が10mm以下で屈曲していることが好ましく、より好ましくは8mm以下であり、さらに好ましくは4mm以下である。本実施形態の表示装置10は、このような非常に小さい曲率半径で屈曲した状態での反射光の色相(色味)の変化を低減し、且つ、円偏光板1に皺が生じにくい。
表示装置10の屈曲方向(屈曲開始線Lと直交する方向)と偏光子2の吸収軸方向との関係、並びに、λ/2板3の遅相軸方向及びλ/4板4の遅相軸方向の関係を図5(a),(b)を参照して説明する。なお、図5(a),(b)は、表示装置10の屈曲方向と偏光子2の吸収軸方向との関係、並びに、λ/2板3の遅相軸方向及びλ/4板4の遅相軸方向の関係を説明するための模式図である。なお、図5(a),(b)では、偏光子2の吸収軸方向を「破線」で示し、λ/2板3の遅相軸方向を「1点鎖線」で示し、λ/4板4の遅相軸方向を「実線」で示している。
表示装置10は、図5(a),(b)に示すように、少なくとも平坦部10aと、平坦部10aの端部に位置する直線状の屈曲開始線L(図5(a),(b)中に示す二点鎖線)から屈曲開始線Lと直交する方向(屈曲方向)に沿って屈曲された屈曲部10bとを有している。この場合、表示装置10の屈曲方向は、この表示装置10を平坦部10aの法線方向(図5(a),(b)中のZ軸方向)から見て、直線状の屈曲開始線Lと直交する方向(図5(a),(b)中のY軸方向)に該当する。
本実施形態の表示装置10では、λ/4板4の遅相軸方向(0°)に対して表示装置10の屈曲方向が反時計回りを正として、−10°〜10°(図5(a)では0°)又は80°〜100°(図5(b)では90°)の範囲、好ましくは−5°〜5°又は85°〜95°の範囲、より好ましくは0°又は90°に設定されている。
このとき、λ/2板3の遅相軸方向は、偏光子2の吸収軸方向に対して角度αを為すように設定されている。すなわち、偏光子2の吸収軸方向に対してλ/2板3の遅相軸方向が角度αとなるように、表示パネル20の面上に円偏光板1が配置される。
さらに、λ/4板4の遅相軸方向は、偏光子2の吸収軸方向に対して角度βを為すように設定されている。すなわち、偏光子2の吸収軸方向に対してλ/4板4の遅相軸方向が角度βとなるように、表示パネル20の面上に円偏光板1が配置される。なお、角度α及び角度βは、何れも偏光子2の吸収軸を基準とし、反時計回りを正とした角度である。角度βは、偏光子2の吸収軸方向(0°)に対してλ/4板4の遅相軸方向が反時計回りを正として、−20°〜20°(図5(a),(b)では−15°)の範囲に設定されている。
具体的に、角度αと角度βとの好ましい組合せについて説明をする。角度αは、−80°〜−70°であることが好ましく、−78°〜−70°であることがより好ましく、−76°〜−70°であることがさらに好ましい。このとき、角度βは、−20°〜−10°であることが好ましく、−18°〜−10°であることがより好ましく、−16°〜−10°であることがさらに好ましい。
また、角度αは、80°〜70°であることが好ましく、78°〜70°であることがより好ましく、76°〜70°であることがさらに好ましい。このとき、角度βは、20°〜10°であることが好ましく、18°〜10°であることがより好ましく、16°〜10°であることがさらに好ましい。
このような範囲となるように、λ/2板3の遅相軸方向(角度α)及びλ/4板4の遅相軸方向(角度β)を調整することによって、屈曲による色変化を抑制することが可能である。
また、本実施形態の円偏光板1は、屈曲前後で得られる反射光の色相が、CIE1976L色空間のa色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化しないことが好ましい。すなわち、屈曲前後で得られるSCE方式で測定した反射光の色相が、a色度座標におけるa座標軸を跨がず且つb座標軸を跨がない値に設定されていることが好ましい。これにより、屈曲前後で得られる反射光の色相が変化しても、この色相の変化を目立たなくすることが可能である。例えば、偏光板の色相を調製したり、位相差層の位相差値を調整したりすることで、各座標軸を跨がないように制御できる。
また、位相差フィルムの波長分散性を調整することも、色相の制御に有効である。例えば、円偏光板1の位相差値を上げた場合は、a値及びb値が低くなり、円偏光板1の位相差値を下げた場合は、a値及びb値が高くなる。
なお、屈曲開始前後で、a値及びb値の少なくとも一方が0であっても、他方の符号に変化がなかった場合は、屈曲前後で符号が変化しなかったものとする。すなわち、この場合は、a座標軸及びb座標軸を跨がなかったものとする。また、この評価をする際の屈曲方法は、後述する実施例に記載した方法に従うことができる。
反射色相の測定は、CM−2600d(コニカミノルタ株式会社製の分光測色計)で行うことができる。「JIS Z 8722」に準拠し、設定条件は以下のとおりとすることができる。
・光源:D65光源
・測定径:8mmφ
・視野:2°
・幾何条件:幾何条件c
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記表示装置10の入力手段として、タッチセンサを備える構成であってもよい。具体的には、図6に示す表示装置30のように、上記表示装置10の構成に加えて、タッチセンサ40と、ウィンドウフィルム50とを備えた構成とすることも可能である。なお、図6は、円偏光板1を備えた屈曲可能な表示装置30の別の構成例を示す断面図である。
図6に示す表示装置30において、タッチセンサ40は、円偏光板1の表示パネル20と対向する側に配置されていることが好ましく、ウィンドウフィルム50は、円偏光板1の表示パネル20と対向する側とは反対側に配置されていることが好ましい。タッチセンサ40の視認側に円偏光板1が存在すると、タッチセンサ40のパターンが視認されにくくなり、表示パネル20に表示される画像の視認性が良くなるので好ましい。
したがって、図6に示す表示装置30では、表示パネル20、タッチセンサ40、円偏光板1、ウィンドウフィルム50の順で、接着剤又は粘着剤等を用いて積層された構成を有している。また、ウィンドウフィルム50、円偏光板1、タッチセンサ40の何れかの層の少なくとも一面に、後述する遮光パターンを設けることも可能である。
なお、タッチセンサ40及びウィンドウフィルム50の積層する順序については、上述した構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、表示パネル20、円偏光板1、タッチセンサ40、ウィンドウフィルム50の順で積層された構成とすることも可能である。
また、ウィンドウフィルム50については、上述した円偏光板1を構成する保護フィルム5であってもよく、このウィンドウフィルム50が円偏光板1の保護フィルム5を兼ねる構成であってもよい。
また、本発明では、図示を省略するものの、上記表示装置10の構成に加えて、円偏光板1の表示パネル20と対向する側とは反対側にタッチセンサ40を備えた構成とすることも可能である。
(ウィンドウフィルム)
ウィンドウフィルム50は、屈曲可能な表示装置30の視認側に配置され、その他の構成要素を外部からの衝撃又は温湿度等の環境変化から保護する保護層の役割を担っている。従来、このような保護層としては、ガラスが使用されてきたが、屈曲可能な表示装置30におけるウィンドウフィルム50は、ガラスのようにリジッドで堅いものではなく、屈曲可能な特性を有している。
ウィンドウフィルム50は、屈曲可能な透明基材51と、透明基材51の少なくとも一面に設けられたハードコート層52とを有している。図6に示す表示装置30において、ウィンドウフィルム50を構成するハードコート層52は、透明基材51の円偏光板1とは反対側の面に設けられている。このハードコート層52は、表示装置30の最外層となっており、外気(空気)と接している。また、ハードコート層52は、透明基材51の円偏光板1側の面に設けられていてもよい。さらに、ハードコート層52は、透明基材51の片面だけに設けられていてもよく、透明基材51の両面に設けられていてもよい。
(透明基材)
透明基材51は、可視光線の透過率が70%以上であり、好ましくは80%以上である。また、透明基材51の厚みは、5〜200μmであり、好ましくは20〜100μmである。
透明基材51は、透明性のある高分子フィルムであれば、どのようなものでも使用可能である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ノルボルネン、又はシクロオレフィンを含む単量体の単位を有するシクロオレフィン系誘導体等のポリオレフィン類、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、プロピオニルセルロース等の(変性)セルロース類、メチルメタクリレート(共)重合体等のアクリル類、スチレン(共)重合体等のポリスチレン類、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体類、アクリロニトリル・スチレン共重合体類、エチレン‐酢酸ビニル共重合体類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリエステル類、ナイロン等のポリアミド類、ポリイミド類、ポリアミドイミド類、ポリエーテルイミド類、ポリエーテルスルホン類、ポリスルホン類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルアセタール類、ポリウレタン類、エポキシ樹脂類などの高分子で形成されたフィルムを挙げることができる。また、これらの未延伸フィルム、1軸延伸フィルム又は2軸延伸フィルムを使用することができる。
透明基材51には、これらの高分子をそれぞれ単独又は2種以上混合して使用することができる。好ましくは、上述した透明基材51の中でも、透明性及び耐熱性に優れたポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム又はポリイミドフィルム、ポリエステル系フィルム、オレフィン系フィルム、アクリルフィルム、セルロース系フィルムを使用することが好ましい。
高分子フィルムの中には、シリカ等の無機粒子、有機微粒子、ゴム粒子等を分散させることも好ましい。さらに、顔料や染料のような着色剤、蛍光増白剤、分散剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤を含有させてもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層52の厚みは、特に限定されないものの、例えば、2〜100μmであることが好ましい。ハードコート層52の厚みが2μm未満であると、十分な耐擦傷性を確保することが難しくなる。一方、ハードコート層52の厚みが100μmを超えると、耐屈曲性が低下し、硬化収縮によるカール発生の問題が発生することがある。
ハードコート層52は、活性エネルギー線又は熱エネルギーを照射して架橋構造を形成する反応性材料を含むハードコート組成物の硬化により形成することができるが、活性エネルギー線の照射により硬化するものが好ましい。
活性エネルギー線とは、活性種を発生する化合物を分解して活性種を発生させることができるエネルギー線と定義される。活性エネルギー線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線及び電子線などを挙げることができる。その中でも特に、紫外線が好ましい。
ハードコート組成物は、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも1種の重合物を含有する。ラジカル重合性化合物とは、ラジカル重合性基を有する化合物である。ラジカル重合性化合物が有するラジカル重合性基としては、ラジカル重合反応を生じ得る官能基であればよく、炭素−炭素不飽和二重結合を含む基などが挙げられる。具体的には、ビニル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
なお、前記ラジカル重合性化合物が2個以上のラジカル重合性基を有する場合、これらのラジカル重合性基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。ラジカル重合性化合物が1分子中に有するラジカル重合性基の数は、ハードコート層52の硬度を向上する点から、2つ以上であることが好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、反応性の高さの点から、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、1分子中に2〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートと称される分子内に数個の(メタ)アクリロイル基を有する分子量が数百から数千のオリゴマーを好ましく使用できる。エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートから選択された1種以上を含むことが好ましい。
カチオン重合性化合物とは、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等のカチオン重合性基を有する化合物である。カチオン重合性化合物が1分子中に有するカチオン重合性基の数は、ハードコート層52の硬度を向上する点から、2つ以上であることが好ましく、更に3つ以上であることが好ましい。また、カチオン重合性化合物としては、カチオン重合性基としてエポキシ基及びオキセタニル基の少なくとも1種を有する化合物が好ましい。
エポキシ基、オキセタニル基等の環状エーテル基は、重合反応に伴う収縮が小さいという点から好ましい。また、環状エーテル基のうちエポキシ基を有する化合物は、多様な構造の化合物が入手し易く、得られたハードコート層52の耐久性に悪影響を与えず、ラジカル重合性化合物との相溶性もコントロールし易いという利点がある。
また、環状エーテル基のうちオキセタニル基は、エポキシ基と比較して重合度が高くなりやすく、低毒性であり、得られたハードコート層52のカチオン重合性化合物から得られるネットワーク形成速度を早め、ラジカル重合性化合物と混在する領域でも未反応のモノマーを膜中に残さずに独立したネットワークを形成する等の利点がある。
エポキシ基を有するカチオン重合性化合物としては、例えば、脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル又は、シクロヘキセン環、シクロペンテン環含有化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる脂環族エポキシ樹脂;脂肪族多価アルコール、又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートのホモポリマー、コポリマーなどの脂肪族エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールFや水添ビスフェノールA等のビスフェノール類、又はそれらのアルキレンオキサイド付加体、カプロラクトン付加体等の誘導体と、エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル、及びノボラックエポキシ樹脂等であり、ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ハードコート組成物には、重合開始剤を更に含むことができる。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等を挙げることができ、その中から適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、活性エネルギー線照射及び加熱の少なくとも一種により分解されて、ラジカル又はカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。
ラジカル重合開始剤は、活性エネルギー線照射及び加熱の少なくとも何れかによりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であればよい。例えば、熱ラジカル重合開始剤としては、過酸化水素、過安息香酸等の有機過酸化物、アゾビスブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
活性エネルギー線ラジカル重合開始剤としては、分子の分解でラジカルが生成されるType1型ラジカル重合開始剤と、3級アミンと共存して水素引き抜き型反応でラジカルを生成するType2型ラジカル重合開始剤があり、それぞれ単独で又は併用して使用することもできる。
カチオン重合開始剤は、活性エネルギー線照射及び加熱の少なくとも何れかによりカチオン重合を開始させる物質を放出することが可能であればよい。カチオン重合開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、シクロペンタジエニル鉄(II)錯体等が使用できる。これらは、構造の違いによって活性エネルギー線照射又は加熱の何れか、若しくは何れでもカチオン重合を開始することができる。
重合開始剤は、ハードコート組成物の全体(100重量%)に対して0.1〜10重量%を含むことができる。重合開始剤の含量が0.1重量%未満であると、硬化を十分に進行させることができず、最終的に得られた塗膜の機械的物性や密着力を具現することが難しい。一方、重合開始剤の含量が10重量%を超えると、硬化収縮による接着力不良や割れ現象及びカール現象が発生することがある。
ハードコート組成物は、溶剤、添加剤からなる群から選択される一つ以上を更に含むことができる。溶剤は、重合性化合物及び重合開始剤を溶解又は分散させることができるもので、本技術分野のハードコート組成物の溶剤として知られているものなら制限なく使用することができる。添加剤は、無機粒子、レベリング剤、安定剤、界面活性剤、帯電防止剤、潤滑剤、防汚剤などを更に含むことができる。
(タッチセンサ)
タッチセンサ40としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等様々な様式のものが提案されており、何れの方式でも構わない。その中でも静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチセンサ40は、活性領域及びこの活性領域の外郭部に位置する非活性領域に区分される。活性領域は、表示パネル20で画面が表示される領域(表示部)に対応する領域であって、使用者のタッチが感知される領域である。一方、非活性領域は、表示パネル20で画面が表示されない領域(非表示部)に対応する領域である。
タッチセンサ40は、フレキシブルな特性を有する基板と、基板の活性領域に形成された感知パターンと、基板の非活性領域に形成され、感知パターンとパッド部を介して外部の駆動回路と接続するための各センシングラインとを含むことができる。タッチセンサ40を構成する基板としては、通常は高分子材料からなるものが用いられる。
フレキシブルな特性を有する基板としては、ウィンドウフィルム50の透明基材51と同様の材料が使用できる。タッチセンサ40の基板は、靱性が2000MPa%以上のものが、クラックの抑制の面から好ましい。より好ましくは、靱性が2000〜30000MPa%のものである。
なお、基板の靭性(toughness)は、基板を構成する高分子材料の引張実験を通じて得られるひずみ(%)〔横軸〕に対して応力(MPa)〔縦軸〕をプロットして得られる応力−ひずみ曲線(Stress-strain curve)で破壊点までの曲線の下部面積として定義される。タッチセンサ40を構成する基板は、上記範囲の靭性を有することが、このタッチセンサ40の亀裂抑制の観点から望ましい。
感知パターンは、第1の方向に形成された第1パターン及び第2の方向に形成された第2パターンを備えることができる。第1パターンと第2パターンとは、互いに異なる方向に配置される。第1パターン及び第2パターンは、同一層に形成され、タッチされる地点を感知するためには、それぞれのパターンが電気的に接続されなければならない。
第1パターンは、各単位パターンが継ぎ手を介して互いに接続された形態である。一方、第2パターンは、各単位パターンがアイランド形態に互いに分離された構造となっている。したがって、第2パターンを電気的に接続するためには、別途のブリッジ電極が必要である。
感知パターンは、周知の透明電極素材を適用することができる。例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(IZTO)、カドミウムスズ酸化物(CTO)、PEDOT(poly(3,4―ethylenedioxythiophene))、炭素ナノチューブ(CNT)、グラフェン、金属ワイヤなどを挙げることができる。また、これらを単独又は2種以上混合して使用することができる。その中でも、ITOを使用することが好ましい。
金属ワイヤに使用される金属は、特に限定されないものの、例えば、銀、金、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、テレニウム、クロムなどを挙げることができる。また、これらを単独又は2種以上混合して使用することができる。
ブリッジ電極は、感知パターンの上部に絶縁層を介して形成することができる。また、基板上にブリッジ電極を形成し、その上に絶縁層及び感知パターンを形成することができる。
ブリッジ電極は、感知パターンと同じ素材で形成することもでき、例えば、モリブデン、銀、アルミニウム、銅、パラジウム、金、白金、亜鉛、スズ、チタン又はこれらのうちの2種以上の合金などの金属で形成することもできる。
第1パターンと第2パターンとは、電気的に絶縁されなければならないので、感知パターンとブリッジ電極の間には、絶縁層が形成されている。絶縁層は、第1パターンの継ぎ手とブリッジ電極との間にのみ形成することができ、感知パターンを覆う層に形成することもできる。後者の場合、ブリッジ電極は、絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して第2パターンと接続することができる。
タッチセンサ40は、パターンが形成されたパターン領域と 、パターンが形成されていない非パターン領域間との透過率の差、具体的には、これらの領域における屈折率の差によって誘発される光透過率の差を適切に補償するための手段として、基板と電極との間に光学調節層を更に含むことができる。
光学調節層は、無機絶縁物質又は有機絶縁物質を含むことができる。光学調節層は、光硬化性有機バインダ及び溶剤を含む光硬化組成物を基板上にコーティングして形成することができる。光硬化組成物は、無機粒子を更に含むことができる。無機粒子によって光学調節層の屈折率を上昇させることができる。
光硬化性有機バインダは、例えば、アクリレート系単量体、スチレン系単量体、カルボン酸系単量体などの各単量体の共重合体を含むことができる。光硬化性有機バインダは、例えば、エポキシ基含有繰り返し単位、アクリレート繰り返し単位、カルボン酸繰り返し単位などの互いに異なる各繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。
無機粒子は、例えば、ジルコニア粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子などを含むことができる。 光硬化組成物は、光重合開始剤、重合性モノマー、硬化補助剤などの各添加剤をさらに含むこともできる。
(接着剤)
接着剤としては、水系接着剤、有機溶剤系、無溶剤系接着剤、固体接着剤、溶剤揮散型接着剤、湿気硬化型接着剤、加熱硬化型接着剤、嫌気硬化型、活性エネルギー線硬化型接着剤、硬化剤混合型接着剤、熱溶融型接着剤、感圧型接着剤(粘着剤)、再湿型接着剤等が使用できる。その中でも、水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤等がよく用いられる。また、水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤としては、上述したものを使用することができる。
(粘着剤)
粘着剤としては、主剤ポリマーに応じて、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等に分類され何れを使用することもできる。粘着剤には、主剤ポリマーに加えて、架橋剤、シラン系化合物、イオン性化合物、架橋触媒、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤、染料、顔料、無機フィラー等を配合してもよい。
粘着剤を構成する各成分を溶剤に溶解・分散させて粘着剤組成物を得て、この粘着剤組成物を基材上に塗布した後に乾燥させることで、粘着層が形成される。粘着層は、直接形成してもよく、基材に形成したものを別途転写することもできる。
接着前の粘着面をカバーするためには、離型フィルムを使用することも好ましい。活性エネルギー線硬化型接着剤を用いる場合の粘着層の厚みは、0.1〜500μmであり、好ましくは1〜300μmである。粘着剤を複数層用いる場合、それぞれの層の厚みや種類は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
(遮光パターン)
遮光パターンは、屈曲可能な表示装置30のベゼル又はハウジングの少なくとも一部として適用することができる。遮光パターンによって屈曲可能な表示装置30の辺縁部に配置される配線が隠されて視認されにくくなることで、画像の視認性が向上する。
遮光パターンは、単層又は複層の形態であってもよい。遮光パターンのカラーは、特に制限されることはなく、黒色、白色、金属色などの多様なカラーを有する。遮光パターンは、カラーを具現するための顔料と、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン、シリコーンなどの高分子で形成することができる。また、これらを単独又は2種類以上の混合物で使用することもできる。
遮光パターンは、印刷、リソグラフィ、インクジェットなど各種の方法にて形成することができる。遮光パターンの厚みは、1μm〜100μmであり、好ましくは2μm〜50μmでる。また、光パターンの厚み方向に傾斜等の形状を付与することも好ましい。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
[実施例1]
(偏光子の作製)
長尺状のポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて6倍に一軸延伸し、長手方向に吸収軸を有する長尺状の偏光子を得た。この長尺状の偏光子は延伸後、巻き取って巻回体とした。この偏光子の色度は、直交a=0.04、直交b=−0.11であり、偏光子の視感度補正偏光度は、99.995%程度であり、偏光子の視感度補正単体透過率は42.7%であった。
(保護フィルム)
保護フィルムとして、長尺状のトリアセチルセルロースフィルム(厚み40μm、コニカミノルタ社製、商品名:KC4UYW)を用いた。この保護フィルムは巻回体として用意した。なお、この保護フィルムの面内位相差値Re(550)は5nmであり、厚み方向の位相差値Rth(550)は45nmであった。
(λ/2板)
λ/2板として、液晶化合物が硬化した層及び配向膜からなるフィルムを用いた。
(λ/4板)
λ/4板として、液晶化合物が硬化した層及び配向膜からなるフィルムを用いた。
(紫外線硬化型接着剤)
以下の成分を混合し、脱泡して紫外線硬化型接着剤を調整した。
3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名:CEL2021P、株式会社ダイセル製):70質量部
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(商品名:EX−211、ナガセケムテックス株式会社製):20質量部
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(商品名:EX−121、ナガセケムテックス株式会社製):10質量部
カチオン重合開始剤(商品名:CPI−100、サンアプロ株式会社製):固形分量2.25質量部(50%プロピレンカーボネート溶液として配合した。)
1,4−ジエトキシナフタレン:2質量部
(円偏光板の作製)
偏光子、保護フィルム、λ/2板及びλ/4板を、それぞれ200mm×300mmに切り出した後に、ポリビニルアルコール系接着剤を介して偏光子の両面に保護フィルムを貼り合わせた。λ/2板とλ/4板とを上記紫外線硬化型UV接着剤(接着剤層)を介して貼り合わせた。さらに、λ/2板と保護フィルムとをアクリル系粘着剤層(PSA層)を介して貼り合わせた。λ/4板に剥離フィルム付きのアクリル系粘着剤層(PSA層)を貼り付けた。
λ/2板は、貼り合わせた際に、その遅相軸が偏光子の吸収軸に対して−75°の角度αをなすように配置した。λ/4板は、貼り合わせた際に、その遅相軸が偏光子の吸収軸に対して−15°の角度βをなすように配置した。また、偏光子の吸収軸は長手方向に平行となるように配置した。
以上のようにして、保護フィルム、偏光子、保護フィルム、PSA層、λ/2板、UV接着剤層、λ/4板、PSA層が順に積層された円偏光板を作製した。その後、作製した円偏光板を20mm×80mmのサイズにトリミングした。
(評価用サンプルの作製)
実施例1の円偏光板から剥離フィルムを除去した後、粘着剤面をアルミニウム箔(株式会社UACJ製、商品名「マイホイル(登録商標)」)のマット面に貼り付け、評価用サンプルを得た。
その結果、図5(a)に示す場合のように、λ/2板の遅相軸は、偏光子の吸収軸方向に対して−75°の角度αをなしていた。λ/4板の遅相軸は、偏光子の吸収軸方向に対して−15°の角β度をなしていた。円偏光板の屈曲方向は、λ/4板の遅相軸方向に対して0°の角度をなしていた。円偏光板の屈曲開始線Lは、偏光子の吸収軸方向に対して75°をなしていた。このようにして、評価用サンプルを得た。得られた評価用サンプルについて、屈曲後に屈曲状態を解消した状態(平らな状態)で、色変化及び皺の発生の評価試験を行った。
(接着層試験片の温度30℃での貯蔵弾性率の測定)
先ず、厚み50μmの環状ポリオレフィン系樹脂フィルムの片面に、塗工機(バーコーター、第一理化株式会社製)を用いて、λ/2板とλ/4板とを貼合するために使用した紫外線硬化型接着剤を塗工し、その塗工面にさらに厚み50μmの環状ポリオレフィン系樹脂フィルムを積層させた。
次に、フュージョンUVシステムズ社製の「Hバルブ」により、積算光量が1500mJ/cm(UVB)となるように紫外線を照射して、接着剤層を硬化させた。接着剤層の厚みは30μmであった。これを5mm×30mmの大きさに裁断し、両面の環状ポリオレフィン系樹脂フィルムを剥がして接着剤の硬化フィルムを得た。
この硬化フィルムをその長辺が引張り方向となるように、アイティー計測制御株式会社製の動的粘弾性測定装置「DVA−220」を用いて、つかみ具の間隔2cmで把持し、引張りと収縮の周波数を10Hz、測定温度を30℃にし、温度30℃における貯蔵弾性率を求めた。接着層試験片の温度30℃における貯蔵弾性率は、2060MPaであった。
(評価試験)
評価用サンプルを、直径5mmのマンドレルを押し当てながら、λ/4板の遅相軸方向(0°)に対して表示装置10の屈曲方向が0°の角度となるように、マンドレルの周面に沿って円偏光板がアルミニウム箔に対して外側(OUT)となるように折り曲げた。そして、折り曲げ後に円偏光板を目視により観察し、色変化が少ないものを「○」、色変化が大きいものを「×」として評価した。さらに、皺が少ないものを「○」、皺が多いものを「×」として評価した。その評価結果を下記表1に示す。また、屈曲前後で得られる反射光の色相は、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化していなかった。
[実施例2]
実施例2では、実施例1と同様の評価用サンプルを作製した。そして、この評価用サンプルを、マンドレルの周面に沿って円偏光板がアルミニウム箔に対して内側(IN)となるように折り曲げた。そして、折り曲げ後に、実施例1と同様の評価試験を行った。その評価結果を下記表1に示す。また、屈曲前後で得られる反射光の色相は、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化していなかった。
[実施例3]
実施例3では、図5(b)に示す場合のように、円偏光板の屈曲方向がλ/4板の遅相軸方向に対して90°の角度をなし、円偏光板の屈曲開始線Lが偏光子の吸収軸方向に対して−15°をなす以外は、実施例1と同様の評価用サンプルを作製した。そして、この評価用サンプルを、実施例1と同様の条件で折り曲げた。そして、折り曲げ後に、実施例1と同様の評価試験を行った。その評価結果を下記表1に示す。また、屈曲前後で得られる反射光の色相は、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化していなかった。
[実施例4]
実施例4では、実施例3と同様の評価用サンプルを作製した。そして、この評価用サンプルを、マンドレルの周面に沿って円偏光板がアルミニウム箔に対して内側(IN)となるように折り曲げた。そして、折り曲げ後に、実施例1と同様の評価試験を行った。その評価結果を下記表1に示す。また、屈曲前後で得られる反射光の色相は、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化していなかった。
[比較例1]
比較例1では、円偏光板の屈曲方向がλ/4板の遅相軸方向に対して60°の角度をなし、円偏光板の屈曲開始線Lが偏光子の吸収軸方向に対して−45°をなす以外は、実施例1と同様の評価用サンプルを作製した。そして、この評価用サンプルを、実施例1と同様の条件で折り曲げた。そして、折り曲げ後に、実施例1と同様の評価試験を行った。その評価結果を下記表1に示す。また、屈曲前後で得られる反射光の色相は、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化していなかった。
[比較例2]
比較例2では、円偏光板の屈曲方向がλ/4板の遅相軸方向に対して−30°の角度をなし、円偏光板の屈曲開始線Lが偏光子の吸収軸方向に対して45°をなす以外は、実施例1と同様の評価用サンプルを作製した。そして、この評価用サンプルを、実施例1と同様の条件で折り曲げた。そして、折り曲げ後に、実施例1と同様の評価試験を行った。その評価結果を下記表1に示す。また、屈曲前後で得られる反射光の色相は、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化していなかった。
[比較例3]
比較例3では、λ/2板とλ/4板とを粘着層を介して貼り合わせた以外は、比較例1と同様の評価用サンプルを作製した。そして、この評価用サンプルを、実施例1と同様の条件で折り曲げた。そして、折り曲げ後に、実施例1と同様の評価試験を行った。その評価結果を下記表1に示す。また、屈曲前後で得られる反射光の色相は、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化していなかった。
[比較例4]
比較例4では、λ/2板とλ/4板とを粘着層を介して貼り合わせた以外は、比較例2と同様の評価用サンプルを作製した。そして、この評価用サンプルを、実施例1と同様の条件で折り曲げた。そして、折り曲げ後に、実施例1と同様の評価試験を行った。その評価結果を下記表1に示す。また、屈曲前後で得られる反射光の色相は、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化していなかった。
[比較例5]
比較例5では、比較例1と同様の評価用サンプルを作製した。そして、この評価用サンプルを、マンドレルの周面に沿って円偏光板がアルミニウム箔に対して内側(IN)となるように折り曲げた。そして、折り曲げ後に、実施例1と同様の評価試験を行った。その評価結果を下記表1に示す。また、屈曲前後で得られる反射光の色相は、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化していなかった。
Figure 2019091022
[評価]
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4によれば、比較例1〜5に比べて、屈曲部分における反射光の色相(色味)の変化及び皺の発生の有無について、何れも良好な結果が得られた。
1…円偏光板 2…偏光子 RF…位相差層 3…λ/2板(1/2波長板層) 4…λ/4板(1/4波長板) 5,6…保護フィルム(保護層) 7…PSA層(粘着層) 8…接着剤層又は粘着剤層 9…PSA層(粘着層) 10…表示装置 20…表示パネル 30…表示装置 40…タッチセンサ 50…ウィンドウフィルム 200…有機EL素子 210…基板 220…第1電極 230…有機EL層 240…第2電極 250…封止層

Claims (7)

  1. 屈曲可能な表示装置に用いられる円偏光板であって、
    偏光子と、前記偏光子の一方の側に配置された位相差層とを備え、
    前記偏光子の視感度補正単体透過率は、42%以上であり、
    前記位相差層は、1/2波長板と、1/4波長板とを含み、
    前記1/2波長板及び前記1/4波長板は、それぞれ液晶化合物が硬化した層を含み、
    前記1/4波長板の遅相軸方向が前記偏光子の吸収軸方向から反時計回りを正として、−20°〜20°の範囲にあり、且つ、前記1/4波長板の遅相軸方向に対して前記表示装置の屈曲方向が80°〜100°又は−10°〜10°の範囲に設定されていることを特徴とする円偏光板。
  2. 前記1/2波長板と前記1/4波長板とが接着剤層を介して接着されていることを特徴とする請求項1に記載の円偏光板。
  3. 前記表示装置が、有機エレクトロルミネッセンス表示装置であることを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載の円偏光板。
  4. 屈曲前後で得られる反射光の色相が、a色度座標におけるa座標軸及びb座標軸を挟んで符号が変化しないことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の円偏光板。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の円偏光板と、屈曲可能な表示パネルとを備える屈曲可能な表示装置。
  6. 前記円偏光板の前記表示パネルと対向する側に配置されたタッチセンサと、
    前記円偏光板の前記表示パネルと対向する側とは反対側に配置されたウィンドウフィルムとを備えることを特徴とする請求項5に記載の屈曲可能な表示装置。
  7. 前記円偏光板の前記表示パネルと対向する側とは反対側に配置されたタッチセンサを備えることを特徴とする請求項5に記載の屈曲可能な表示装置。
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