JP2019090749A - 到来方向推定装置および到来方向推定方法 - Google Patents

到来方向推定装置および到来方向推定方法 Download PDF

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【課題】受信信号の到来方向を推定する処理の計算量を削減する。【解決手段】到来方向推定装置は、センサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する信号処理部を備える。信号処理部は、センサ回路の出力信号に基づいて第1〜第4の相関行列を生成し、第1の相関行列の逆行列と第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成する。信号処理部は、3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、第1の対角行列に基づいて受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成する。信号処理部は、3個の行列のうちの第2の行列、第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する。【選択図】図3

Description

本発明は、受信信号の到来方向を推定する装置および方法に係わる。
到来方向推定装置は、装置がカバーする所定の空間範囲から到来する信号(音波、電波、光等)を複数のセンサで受信し、これに様々な信号処理を施して信号に含まれる情報、特に信号が到来した方向を推定する機能を備えた装置である。到来方向を推定する機能は、信号処理を行う機能の中でも演算負荷が大きく、通常、高い精度で多くの信号の到来方向を推定するには多数のセンサと高速な信号処理装置を要する。また、演算負荷は、センサ数に応じても高くなる。
以下、到来方向を推定する機能を備えた装置の一例としてレーダーを取り上げる。レーダーは所定の観測範囲(FOV:Field Of View)に向けてプローブ信号を放射し、FOV内に存在する物標によって反射されてレーダーに戻ってきたプローブ信号(エコー信号)を複数のアンテナで受信する。そして、このエコー信号に対して各種信号処理を施すことにより、物標までの相対距離、物標の相対速度、装置の定める空間座標に対して物標が存在する相対方向(角度)を推定する(以下、相対距離、相対速度、相対方向を、それぞれ距離、速度、角度(又は方向)ということがある)。なお、車載レーダーは、近年急速に展開が始まった自動運転を実現するコア・コンポーネントの一つであり、到来方向推定装置の一例である。しかしながら、車載レーダーは殆ど民間用であるため、軍事用レーダーのように高価な信号処理装置を利用することは困難である。このため、最近までアジマス情報の推定機能を実装するのが限界であった。しかし、より安全な自動運転を実現するため、次世代の車載レーダーには、アジマス情報に加えてエレベーション情報(仰角)を推定する機能が要求されている。
高精度で角度を推定する方法として、MUSIC(multiple signal classification)、ESPRIT(estimation signal parameter via rotational invariant technique)などが知られている。MUSIC法は、信号共分散行列を固有値分解して得られる信号/雑音部分空間のうち、雑音部分空間を所定の角度ステップ(例えば、0.5度)で走査する。そして、この走査により得られる角度スペクトラムのピーク位置に基づいて到来方向が推定される。ESPRIT法は、信号部分空間から位相オフセットを有する複数の部分行列を抽出し、これらの部分行列の組合せに対して固有値分解を行う。そして、この固有値に基づいて到来方向が推定される。
なお、複数の受信アンテナまたは複数のセンサを用いて到来方向を推定する装置は、例えば、特許文献1〜3、非特許文献1〜2に記載されている。
特開2005−227084号公報 特開2004−032656号公報 特開2013−238432号公報
X.Zhang et al., IMPROVED BLIND 2D-DIRECTION OF ARRIVAL ESTIMATION WITH L-SHAPED ARRAY USING SHIFT INVARIANCE PROPERTY, J. of Electromagn. Waves and Appl., Vol.23, 593-606, 2009 Qiao Cheng et al., A Novel 2-D DOA Estimation for Coherent Signals Based on L-shaped Array
固有値分解の計算量は、一般にアンテナ数の3乗に比例して大きくなる。MUSIC法は固有値分解の回数は一度であるが、角度スペクトラム走査にかかる計算量が膨大である。例えば、MUSIC法における角度スペクトラム走査の計算量を概算するために、アジマスおよびエレベーションのFOVがそれぞれ±10度であり、雑音部分空間を走査する際の角度ステップが0.5度であるものとする。この場合、1600(=(20/0.5)×(20/0.5))点の角度スペクトラムを計算する必要がある。ここで、多くのケースにおいて、車載レーダーに実装される信号処理装置(例えば、CPU)の能力は高くない。他方、自動運転を実現するためには、非常に短い時間間隔で角度推定を行うことが求められる。したがって、車載レーダーにおいては、MUSIC法でアジマス角およびエレベーション角の双方を短時間で推定することは困難である。
MUSIC法と比較すると、ESPRIT法では通常2〜3回の固有値分解を行うが、角度スペクトラム走査を行わないために正味の計算量は少ない。しかし、ESPRIT法であっても、多くの物標についてアジマス角とエレベーション角の双方を求める場合には、複数の相関行列を積み上げた拡大行列を固有値分解する必要があり、計算量は大きい。したがって、特に、自動運転を実現するための車載レーダーにおいては、アジマス角およびエレベーション角を推定するための計算量をさらに削減する構成および方法が求められる。
本発明の1つの側面に係わる目的は、受信信号の到来方向を推定する処理の計算量を削減することである。
本発明の1つの態様の到来方向推定装置は、センサ回路および信号処理部を備える。前記センサ回路は、第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含む。前記信号処理部は、前記センサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する。前記信号処理部は、前記第1のセンサアレーの出力信号を要素とするベクトルから、互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、前記第2のセンサアレーの出力信号を要素とするベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出する。前記信号処理部は、前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、前記第2の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第4の相関行列を生成する。前記信号処理部は、前記第1の相関行列の逆行列と前記第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成し、前記3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、前記3個の行列のうちの第2の行列、前記第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する。
上述の態様によれば、受信信号の到来方向を推定する処理の計算量を削減することができる。
到来方向推定装置が備える受信センサの配置の一例を示す図である。 L字型センサアレーのセンサの配置の一例を示す図である。 到来方向推定装置の一例を示す図である。 部分ベクトルを生成する方法の一例を示す図である。 第1の実施形態の到来方向推定方法の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態の到来方向推定方法の一例を示すフローチャート(その1)である。 第2の実施形態の到来方向推定方法の一例を示すフローチャート(その2)である。 MIMOによる仮想受信センサを利用するセンサアレーの一例を示す図である。 サブアレーの配置の一例を示す図である。
図1は、到来方向推定装置が備える受信センサの配置の一例を示す。図1において、各受信センサは○印で表されている。すなわち、図1に示すセンサ回路は、N×M(本明細書ではM=Nとする)個の受信センサを備える。なお、受信センサを「受信アンテナ」または「受信素子」と呼ぶことがある。また、到来方向推定装置の一例としてレーダーを取り上げて説明を行う。
到来方向推定装置は、不図示の送信アンテナを備える。そして、到来方向推定装置は、送信アンテナを介して所定のFOVにプローブ信号を放射する。
プローブ信号は、FOV内に位置する物標kにおいて反射され、エコー信号として到来方向推定装置に到達する。センサ回路を構成する各受信センサは、エコー信号を受信する。そして、到来方向推定装置は、各受信センサの出力信号に対して所定の処理(例えば、ESPRIT法に基づく信号処理)を実行することにより、エコー信号の到来方向を推定する。すなわち、到来方向推定装置は、到来方向推定装置により設定される座標軸(X、Z、Y)を基準として、物標kが存在する方位情報を推定する。エコー信号の到来方向は、図1に示すように、アジマス角θおよびエレベーション角φで表される。なお、座標軸の設定には様々な考え方があり、それに従って角度情報の表記(従って角度計算の手順)も若干変わってくるが、発明の本質とは無関係なので、角度情報の表記が簡単な図1の座標系を採用する。また、FOV内にK個の物標k(k=1、…、K)が存在するケースでは、各物標によりエコー信号が生成され、各物標に対してアジマス角θkおよびエレベーション角φkが推定される。
ところで、自動運転等を実現するために、到来方向推定装置が車載レーダーとして実装されるケースでは、センサ回路の小型化が要求される。このためのセンサ回路の配置例の一つとして、L字型アレー(L-shaped array)がある。L字型アレーは、図2に示すように、X軸方向に沿って複数の受信センサが並べられたX軸センサアレーおよびZ軸方向に沿って複数の受信センサが並べられたZ軸センサアレーから構成される。なお、X軸およびZ軸は、互いに直交するものとする。
図2に示す例では、X軸センサアレーは、X軸方向に沿って等間隔に並べられた9個の受信センサにより構成され、Z軸センサアレーは、Z軸方向に沿って等間隔に並べられた9個の受信センサにより構成されている。また、空間位相の原点に配置される受信センサは、X軸センサアレーおよびZ軸センサアレーにより共用される。なお、この例では、プローブ信号を放射する送信アンテナは、X軸上に配置されている。
図3は、センサ回路としてL字型アレーを採用した到来方向推定装置の一例である。到来方向推定装置1は、図3に示すように、発振器10、電力増幅器21、送信アンテナATX、X軸センサアレー31、Z軸センサアレー32、複数の低雑音増幅器33、分配器(DIV)34、複数のミキサ35、複数のA/D変換器36、信号処理部40、CPU50を備える。なお、到来方向推定装置1は、図3に示していない他の回路要素を備えていてもよい。
発振器10は、ベースバンド発振器11およびRF電圧制御発振器12を備え、プローブ信号として使用される発振信号(OSC_out)を生成する。ベースバンド発振器11は、CPU50から与えられる指示に従って発振制御信号を生成する。発振制御信号は、特に限定されるものではないが、例えば、電圧が増加する期間および電圧が減少する期間が周期的に繰り返される周期信号である。そして、発振制御信号は、RF電圧制御発振器12の制御端子に与えられる。RF電圧制御発振器12の発振周波数は、制御端子の電圧により制御される。よって、CPU50から与えられる指示に応じて発振信号が生成される。
電力増幅器21は、発振器10から出力される発振信号を増幅する。そして、送信アンテナATXは、電力増幅器21の出力信号をFOVに放射する。送信アンテナATXを介して放射される信号は、プローブ信号として使用される。
X軸センサアレー31は、X軸上に配置された受信センサARX1/Z1、ARX2〜ARXNから構成される。受信センサARX1/Z1、ARX2〜ARXNは、X軸上に等間隔で配置されていることが好ましい。ただし、受信センサARX1/Z1、ARX2〜ARXNは、必ずしも等間隔で配置されていなくてもよい。
Z軸センサアレー32は、Z軸上に配置された受信センサARX1/Z1、ARZ2〜ARZNから構成される。受信センサARX1/Z1、ARZ2〜ARZNは、Z軸上に等間隔で配置されていることが好ましい。ただし、受信センサARX1/Z1、ARZ2〜ARZNは、必ずしも等間隔で配置されていなくてもよい。なお、受信センサARX1/Z1は、X軸センサアレー31およびZ軸センサアレー32により共用される。受信センサARX1/Z1は、空間位相の原点として使用される。
各低雑音増幅器33は、対応する受信センサARX1/Z1、ARX2〜ARXN、ARZ2〜ARZNの出力信号を増幅する。分配器34は、発振器10から出力される発振信号を各ミキサ35に分配する。各ミキサ35は、対応する受信センサARX1/Z1、ARX2〜ARXN、ARZ2〜ARZNの出力信号(実際には、対応する低雑音増幅器33の出力信号)と発振信号をミキシングする。この構成により、プローブ信号の周波数成分が抽出される。各A/D変換器36は、対応するミキサ35の出力信号を、通常、図には明記していないフィルタで帯域制限した後に、デジタル信号に変換する。
信号処理部40は、信号ベクトルx(t)および信号ベクトルz(t)に基づいて、受信信号の到来方向を推定する。信号ベクトルx(t)は、X軸センサアレー31を用いて受信したN個の信号をその要素とする。すなわち、信号ベクトルx(t)は、受信センサARX1/Z1、ARX2〜ARXNを用いて受信した信号を表す。信号ベクトルz(t)は、Z軸センサアレー32を用いて受信したN個の信号をその要素とする。すなわち、信号ベクトルz(t)は、受信センサARX1/Z1、ARZ2〜ARZNを用いて受信した信号を表す。
信号処理部40は、例えば、プロセッサおよびメモリにより実現される。この場合、プロセッサは、受信信号の到来方向を推定する処理を記述した推定プログラムを実行し、CPU50の要求に応じて推定結果をCPU50に通知する。メモリには、推定プログラムが格納される。また、メモリは、プロセッサの作業領域を提供する。ただし、信号処理部40の一部または全部は、ハードウェア回路で実現されるようにしてもよい。
CPU50は、到来方向推定装置1の動作を制御する。例えば、CPU50は、発振器10の発振周波数を制御する。また、CPU50は、信号処理部40による推定結果をアプリケーション(例えば、自動運転プログラム)に通知する。
<到来方向推定の一例>
到来方向推定装置1は、FOV内に位置するK個の物標についてそれぞれ角度推定を行う。ここで、K個の物標は、距離/速度平面上で定位されているものとする。
この場合、信号処理部40に与えられるベクトルx(t)およびベクトルz(t)は、(1.1)式および(1.2)式で表される。x(t)は、X軸センサアレー31、すなわち、受信センサARX1/Z1、ARX2〜ARXNで受信され、後段の回路に出力された信号に所定の復調処理等を施し、デジタル信号に変換された各受信信号を要素とするベクトルである。z(t)は、Z軸センサアレー32、即ち、受信センサARX1/Z1、ARZ2〜ARZNで受信され、後段の回路に出力された信号に所定の復調処理等を施してデジタル信号に変換された各受信信号を要素とするベクトルである。s(t)は、プローブ信号がK個の物標で反射されて生成されたエコー信号を要素とするベクトルである。ベクトルn(t)は、X軸センサアレー31の各受信センサに付加される雑音信号を表す。ベクトルw(t)は、Z軸センサアレー32の各受信センサに付加される雑音信号を表す。AおよびBは、それぞれX軸、Z軸の交点を原点として、この原点からセンサの配置された位置に従ってエコー信号に重畳される空間位相を表す行列(角度行列)であり、センサアレーに到来するエコー信号の方向、即ち、各物標の方向によって具体的な要素の値が定まる。Nは、各センサアレー31、32を構成する受信センサの個数を表す。Kは、物標の個数を表す。なお、隣接するセンサ同士の間隔d、およびキャリア信号の波長λcに対し、α=d/λcである。また、角度行列のrankは、物標の個数Kと同じである。以下、簡単の為、時刻tを省略する。
Figure 2019090749
更に、通常のレーダーでは、到来信号は互いにコヒーレントであるから、慎重な扱いが必要となる。そこで本発明の詳細説明も、信号がインコヒーレントな場合とコヒーレントな場合とに分けて行う。ここでは先ず、各信号が互いにインコヒーレントな場合における本発明の内容と比較するために、各信号がインコヒーレントな場合を扱った非特許文献1の開示手法を従来技術として説明する。
信号処理部40は、(2.1)〜(2.4)式に示すように、抽出行列J1を用いてベクトルx、zからそれぞれ部分ベクトルx1、z1を生成し、抽出行列J2を用いてベクトルx、zからそれぞれ部分ベクトルx2、z2を生成する。抽出行列J1、J2は、(2.5)〜(2.6)式に示すように、N−1次のゼロベクトルおよびN−1次の単位行列から構成される。
Figure 2019090749
各部分ベクトルは、センサアレー中の一部の受信センサの出力信号を表す。例えば、図4に示すように、各センサアレー31、32が9個の受信センサを備えるものとする。この場合、部分ベクトルx1は、X軸センサアレー31の受信センサ1〜8の出力信号を表し、部分ベクトルx2は、X軸センサアレー31の受信センサ2〜9の出力信号を表す。同様に、部分ベクトルz1は、Z軸センサアレー32の受信センサ1〜8の出力信号を表し、部分ベクトルz2は、Z軸センサアレー32の受信センサ2〜9の出力信号を表す。なお、以下の記載では、各センサアレー31、32中の一部の受信センサ群を「サブアレー」と呼ぶことがある。
行列A1、B1は、それぞれ、角度行列A、Bの一部の要素から構成される。(2.2)、および(2.4)式に現れる行列Θ、Ψは、位相シフト行列と呼ばれ、サブアレーの原点の違いによって生ずる空間位相の差異を表す。図4に示す例では、位相シフト行列Θは、サブアレーx1、x2間の位相差を表し、位相シフト行列Ψは、サブアレーz1、z2間の位相差を表す。また、これらの位相シフト行列Θ、Ψは、対角行列であり、(3.1)〜(3.2)式で表される。
Figure 2019090749
位相シフト行列Θ、Ψの対角要素は、各物標の角度情報に対応する。即ち、θ1〜θKは、物標1〜Kのアジマス角を表す。φ1〜φKは、物標1〜Kのエレベーション角(即ち、仰角)を表す。
信号処理部40は、(4.1)〜(4.4)式に示すように、上述の部分ベクトルから4個の相関行列を生成する。なお、X軸、Z軸のセンサアレーで取得された信号に含まれる雑音成分は互いに独立であるから、E[nwH]はほぼゼロであり、(4.1)〜(4.4)式では省略されている。なお、Eは(集合、乃至時間)平均であり、上付き添え字のHはエルミート共役転置を示す。
Figure 2019090749
各相関行列は、X軸センサアレー31のサブアレーから得られる部分ベクトルとZ軸センサアレー32のサブアレーから得られる部分ベクトルのエルミート共役とを掛け合わせることで得られる。例えば、相関行列R11は、部分ベクトルx1と部分ベクトルz1のエルミート共役との積を表す。なお、Rssは、信号ベクトルsと信号ベクトルsのエルミート共役との積を表す(所謂、自己相関行列)。ここで、各物標からの到来信号はインコヒーレントであると仮定したから、行列Rssは対角行列となり、行列Rssと位相シフト行列Θ/ΨHとの順番を入れ替えることが可能である。
ここで、(5)式に示すように、上述した4個の相関行列R11〜R22を並べることにより行列RTを定義する。行列RTは、4(N−1)×4(N−1)次の正方行列である(以下、正方行列の場合は単に4(N−1)次行列等と記す)。信号処理部40は、行列RTについての共分散行列を生成する。そして、信号処理部40は、この共分散行列を固有値分解することにより、固有値(電力)Γを求める。また、行列Eは、固有値ベクトルから構成される。
Figure 2019090749
信号処理部40は、A.I.C(Akaike’s Information Criterion)またはM.D.L(Minimum Description Length)等を利用して、固有値Γの各要素に基づいて物標を推定する。単純な例としては、固有値Γの要素をk=1…N-1まで取り出してゆき、その比γk/γk+1が極端に大きくなった場合のkの値を以て物標の個数Kとする。
この様にして推定したKの値に基づいて行列EからK本の列ベクトルを取り出して並べ、更に、これを(N−1)×K次元の4組の部分行列として行方向に分解すると、行列E11〜E22を得る。これらの行列は、信号の部分空間を張る固有ベクトルから構成されているので、ある正則行列Tが存在して、(6)式が成り立つ。以下に、行列E11〜E22から角度情報を求める具体的手順の一例を示す。
Figure 2019090749
(6)式において、[E11 T、E21 T]Tは、[A1 T、A1 TΘ1 T]Tと行列Tを介して(7.1)式の関係が成り立つので、この式の両辺に右からT-1を掛けると、(7.2)式の関係を得る。ついで、[E12 T、E22 T]Tは、(7.3)式に示すように[A1 T、A1 TΘ1 T]TΨHTと等価であるから、[A1 T、A1 TΘ1 T]Tに(7.2)式を代入すると(7.3)式の最右辺を得る。
Figure 2019090749
従って、[E11 T、E21 T]Tの一般逆行列と[E12 T、E22 T]Tとの積を計算すると(8)式が得られる。なお、(8)式の添え字+は、一般逆行列を示す。
Figure 2019090749
11〜E22は既知であるから、信号処理部40は、(8)式の右辺を固有値分解することにより、位相シフト行列ΨHを得ることができる。この結果、エレベーション情報が得られる。同様に、信号処理部40は、E11〜E22から適当な部分行列のペアを選択して(8)式の様な相似変換問題を構成し、E11〜E22のペアから構成された行列に対して固有値分解を行うことにより、位相シフト行列Θおよび位相シフト行列ΘΨHを得ることができる。この結果、アジマス情報が得られる。そして、信号処理部40は、電力情報を利用して、各物標に対するアジマス情報とエレベーション情報とのペアが正しいか否かを検証する(なお、エレベーション情報とアジマス情報の具体的な求め方は第1の実施形態の説明文中に記す)。
ただし、上述の方法では、固有値分解のための計算量が多い。一般に、固有値分解の計算量は、行列の次元がNであるときは、N3に比例する。ここで、(5)式の行列の次元は4(N−1)である。したがって、(5)式の固有値分解の計算量は非常に多い。
計算量の問題については、例えば、X軸センサアレー31の出力信号およびZ軸センサアレー32の出力信号に対して個々にESPRIT法を適用してΘおよびΨHを個別に計算することで解決され得る。しかし、この場合、アジマス情報とエレベーション情報とのペアを正しく決定することは一般に困難である。
<第1の実施形態>
第1の実施形態の到来方向推定装置1は、図3に示す構成を有する。すなわち、センサ回路は、X軸センサアレー31およびZ軸センサアレー32を含むL字型アレーにより実現される。ただし、複数の物標からの到来信号はインコヒーレントであるものとする。
まず、上述した方法と同様に、信号処理部40には、X軸センサアレー31の出力信号に基づくベクトルxおよびZ軸センサアレー32の出力信号に基づくベクトルzが与えられる。そうすると、信号処理部40は、ベクトルxから部分ベクトルx1、x2を抽出し、また、ベクトルzから部分ベクトルz1、z2を抽出する。さらに、信号処理部40は、4個の部分ベクトルx1、x2、z1、z2から(9.1)〜(9.4)式に示す4個の相関行列を生成する。なお、第1の実施形態においては、到来信号はインコヒーレントなので、Rssは対角行列である。したがって、(9.1)〜(9.4)式において行列Rssと位相シフト行列Θ/ΨHとの順番を入れ替えることが可能である。なお、以下の記載では、パラメータ(例えば、θ、φ)の表記を省略する。
Figure 2019090749
角度行列A1、B1のrankはKである。ここで、任意の行列は直交行列Qと上三角行列Rとの積として必ず分解できるから、角度行列A1、B1をそれぞれ(10.1)〜(10.2)式の様に分解したものと仮定して(実際にQR分解をする訳ではない)、以降の説明を行う。
Figure 2019090749
(10.1)〜(10.2)式を利用して(9.1)〜(9.4)式を書き直すと、Rssは対角行列であるから、相関行列R11〜R22は(11.1)〜(11.4)式で表される。各相関行列は(N−1)次行列であり、各々正則であるものとする(即ち、K=N−1と仮定することと同義)。
Figure 2019090749
但し、例えば、相関行列R11を特許第5600866号公報に開示の方法で処理し、実際にKの値を求めても良い。この処理を追加した場合、後述する空間平均法を適用してK次のfull rank行列とするか、或いは、各相関行列のK次部分行列を取り出して演算を行えば良い。以上の処理を追加した場合、相関行列の次数(N−1)をKと読み替える。
なお、本件明細書において開示する手法は、相関行列がfull rankのケースを扱っているが、上述の特許第5600866号公報に開示の方法でxxHからアジマス方向の信号のrankを求め、zzHからエレベーション方向の信号のrankを求め、よりrankが小さい方をKとして角度推定を行っても良い(rankが大きな方向については一次元アレーによる推定を追加する)。
続いて、信号処理部40は、4個の相関行列のうちの適当な1つの相関行列の逆行列と他の相関行列とを掛け合わせる。例えば、相関行列R11の逆行列と相関行列R12とを掛け合わせ、行列R11 -112を生成する。この演算は、(12)式で表される。
Figure 2019090749
ここで、(13.2)式の様に行列Tを定義すれば、(12)式は(13.1)式の様に書き換えられる。
Figure 2019090749
このように、行列R11 -112は、ΨHを対角行列とする相似変換と等価である。なお、行列Tは、相似変換行列であり、正則行列である。
従って、信号処理部40は、行列R11 -112に対して固有値分解を行う、即ち、(13.1)式を計算することで固有値(対角行列)および各固有値に対応する固有ベクトル(相似変換行列)を算出する。この対角行列は、位相シフト行列Ψ(実際には、ΨH)であり、その要素は、(3.2)式で表されるように、各物標のエレベーション情報(φ)に相当する。よって、行列R11 -112を固有値分解することにより、各物標からの受信信号の仰角φ(φ1〜φk)が得られる。具体的には、行列ΨHのk番目の要素をΨkとすれば、φkは、(14)式で計算される(前述した様に、座標系の取り方次第で若干異なる)。
Figure 2019090749
同様に、信号処理部40は、相関行列R11の逆行列に相関行列R21を掛けることによって行列R11 -121を生成する。この演算は、(15)式で表される。
Figure 2019090749
さらに、信号処理部40は、相関行列R11の逆行列に相関行列R22を掛けることによって行列R11 -122を生成する。この演算は、(16)式で表される。
Figure 2019090749
このように、行列R11 -112、行列R11 -121、行列R11 -122は、いずれも同一の相似変換行列Tを用いて表される。よって、信号処理部40は、行列R11 -112から得られた相似変換行列Tを利用して、行列R11 -121、行列R11 -122からそれぞれ角度情報を得ることができる。例えば、行列R11 -121の左側から相似変換行列Tの逆行列を掛け、行列R11 -121の右側から相似変換行列Tを掛ければ、別途、行列R11 -121を固有値分解することなく、ΨHと同じく対角行列である位相シフト行列Θが得られる。この演算は(17)式で表される。
Figure 2019090749
ところで、位相シフト行列Θの要素は、(3.1)〜(3.2)式から明らかなように、各物標のアジマス情報(θ)およびエレベーション情報(φ)の双方を与えて初めてその値が決定される。ただし、行列R11 -112を最初に固有値分解しておくことで、各物標のエレベーション情報(φ)は既に算出されている。したがって、信号処理部40は、(17)式の演算結果にエレベーション情報(φ)を与えることにより、例えば、(18)式の様にして各物標からの受信信号のアジマス角θ(θ1〜θk)を得ることができる。なお、行列Θのk番目の要素をΘkとした。
Figure 2019090749
さらに、信号処理部40は、行列R11 -122の左側から相似変換行列Tの逆行列を掛け、行列R11 -122の右側から相似変換行列Tを掛けることにより、位相シフト行列ΘΨHを算出する。行列ΘΨHは対角行列であり、この演算は(19)式で表される。
Figure 2019090749
この場合、信号処理部40は、行列ΘΨHに基づいて角度情報を生成する。ここで、各物標のエレベーション情報(φ)は、上述した如く事前に算出されているから、最も単純なケースでは、信号処理部40は、(19)式の演算結果に右側から行列Ψを掛け、行列Θ、即ち各物標からの受信信号のアジマス角θ(θ1〜θk)を得ることができる。
このように、信号処理部40は、(17)式または(19)式からそれぞれアジマス情報を得ることができる。
特筆すべき点は、固有値φ1〜φkと、固有値θ1〜θkとは、何れも同じ固有ベクトルに対応する値であるから、従来技術の様に、求めた角度情報が同じ物標に対応する量であるか否かを検証(ペアリング)する必要がないことである。しかし、以下の様な処理を追加しても良い。
即ち、信号処理部40は、(17)式から得られる角度情報と(19)式から得られる角度情報とを比較することにより、角度推定の精度を向上させることができる(最も単純なケースでは、平均化)。また、例えば、信号処理部40は、仰角φ1〜φkとアジマス角θ1〜θkとのペアリングを行ってもよい。ペアリングは、各物標に対する仰角φiとアジマス角θjの正しいペアを決定する処理に相当する。
以下に最小二乗基準を目的関数としたペアリング法の例を示す。(13.1)式および(17)式から求めた行列Θ、ΨHをそれぞれΘ0、ΨH 0、とし、(19)式から求めた行列をΘΨHとする。
ここで、行列ΨH 0と正しいペアをなす行列が、行列Θ0にCommutation Matrix Cを掛けたCΘ0であるものとすると、ΘΨHとCΘ0ΨH 0との間に未知行列Cを変数としたコスト関数f(C)を導入できる。コスト関数f(C)を(20)式に示す。
Figure 2019090749
このコスト関数を最小にする(即ち、ΘΨH=CΘ0ΨH 0となる)Commutation Matrixの値は、(21)式で与えられるから、このCによって並べ替えたCΘ0がΨH 0と正しく対応するΘということになる。
Figure 2019090749
図5は、第1の実施形態の到来方向推定方法の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、信号処理部40により、例えば定期的に実行される。
S1において、信号処理部40は、信号ベクトルx、zを取得する。S2において、信号処理部40は、信号ベクトルxから互いに異なる2個の部分ベクトルを抽出し、信号ベクトルzから互いに異なる2個の部分ベクトルを抽出する。図4に示す例では、信号ベクトルxから部分ベクトルx1、x2が抽出され、信号ベクトルから部分ベクトルz1、z2が抽出される。
S3において、信号処理部40は、S2で抽出した部分ベクトルから第1〜第4の相関行列を生成する。上述の実施例においては、(9.1)〜(9.4)式で表される相関行列R11、R12、R21、R22が生成される。
S4において、信号処理部40は、第1の相関行列の逆行列と他の3個の相関行列との積をそれぞれ算出する。上述の例では、行列R11 -112、R11 -121、R11 -122が算出される。
S5において、信号処理部40は、S4で得られた3個の行列のうちの1つを固有値分解する。上述の例では、行列R11 -112に対して固有値分解が行われる。この結果、信号処理部40は、位相シフト行列ΨHおよび信号部分空間を張る固有ベクトルを要素とした相似変換行列Tを得る。
S6において、信号処理部40は、位相シフト行列ΨHを利用して各物標のエレベーション情報を算出する。
S7において、信号処理部40は、S4で得られた3個の行列のうちの他の1つの行列およびS5で得られた相似変換行列Tを用いて位相シフト行列を得る。上述の実施例では、行列R11 -121および相似変換行列Tに基づいて位相シフト行列Θが得られる。
S8において、信号処理部40は、位相シフト行列ΘとS6で算出した各物標のエレベーション情報を利用して各物標のアジマス情報を算出する。S9において、信号処理部40は、アジマス情報およびエレベーション情報のペアリングを行う(必要な場合)。このとき、信号処理部40は、S4で得られた3個の行列のうちの残りの1つの行列を利用してペアリングを行ってもよい。
このように、第1の実施形態では、角度情報を得るために、S5においてN−1次行列に対して一回だけ固有値分解が実行される。これに対し、(1)〜(8)式を用いて説明した従来の方法では、(5)式に示す4(N−1)次行列Rの共分散行列に対して一回目の固有値分解を行い、電力指標である固有値から物標数を推定し、併せて信号部分空間を張る固有ベクトルを取得する。次いで、先の固有ベクトルを固有値の大きさの順に列毎に並べ、出来上がった4(N−1)×K次行列を(N−1)行ずつに分割して4個の(N−1)×K次次部分行列を生成する。そして、この4個の部分行列から適切な2組の行列を取り出し、これらに対し、(8)式の如く片方の行列の組の一般逆行列と、もう片方の部分行列の組とを掛け合わせた行列に再度固有値分解を適用する。最後の計算は、エレベーションとアジマスとを各個に推定可能なだけ行う必要があるから、Rの共分散行列の固有値分解に加え、後2〜3回の固有値分解を行わねばならない。
ここで、固有値分解の計算量は、一般に、行列の次元の3乗に比例する。したがって、(1)〜(8)式を用いて説明した従来技術に於ける固有値分解の計算量は、二回目以降の固有値分解を省略しても、第1の実施形態の64(=43)倍の計算量を要する。換言すれば、(1)〜(8)式を用いて説明した従来技術と比較すると、第1の実施形態における固有値分解の計算量は、64分の1以下となる。よって、第1の実施形態によれば、固有値分解のための計算量が大幅に削減され、到来方向推定の高速化が実現される。このことは、第1の実施形態によれば、演算能力の低いプロセッサが実装される車載レーダーシステムであっても、十分に高速に角度推定を行うことができることを意味する。
<第2の実施形態>
第1の実施形態は、各物標からの到来信号がインコヒーレントである場合に於ける本発明の適用例であったが、第2の実施形態は、各物標からの到来信号がコヒーレントである場合に於ける本発明の適用例である。即ち、レーダー装置に到来する複数の物標からのエコー信号は、互いにコヒーレントである(一般の通信に於いても、マルチパス信号成分やアンテナ間結合による相関信号成分の混入等で何らかの形でコヒーレント成分が受信されることの方が一般的である)。
第1の実施形態と同様に、第2の実施形態でも相関行列R11、R12、R21、R22が生成される。ただし、第2の実施形態においては、各物標からの到来信号はコヒーレントであるから、Rssは対角行列ではない。つまり、第1の実施形態の様にRssと位相シフト行列Θ、ΨHとで積の順番を交換することはできない。よって、信号処理部40が生成する4個の相関行列R11、R12、R21、R22は、(22.1)〜(22.4)式で与えられる。
Figure 2019090749
また、信号処理部40は、相関行列R11の逆行列に相関行列R12を掛けることで、行列R11 -112を生成する。更に、この行列R11 -112を固有値分解して位相シフト行列ΨHおよび相似変換行列Tを得る。これらの演算は、上述した(12)〜(13.1)式で表される。なお、第2の実施形態においても、上述した手順と同じく位相シフト行列ΨHに基づいて、各物標からの受信信号の仰角φ(φ1〜φk)が得られる。
続いて、第1の実施形態と同様に、信号処理部40は、相関行列R11の逆行列に相関行列R21を掛けることで行列R11 -121を生成する。この演算は、(23)式で表される。ここで、R11 -121が(23)式の様になるのは、第2の実施形態では、到来信号がコヒーレントであることを前提としているので、Rssと位相オフセット行列Θとの順番を入れ替えることはできず、R11 -121からはRssを消去できないからである。
Figure 2019090749
ただし、(24.2)〜(24.3)式に示すように、先に求めた相似変換行列Tに加え、Rss -1をUと定義すれば、TUを新たな相似変換行列とした(24.1)式が得られる。
Figure 2019090749
したがって、行列Θを求める一つの例としては、先ず、信号処理部40は、行列R11 -121の左側から相似変換行列Tの逆行列を掛け、その右側から相似変換行列Tを掛けて(25)式を求める。
Figure 2019090749
次に、信号処理部40は、(25)式の左辺に現れる行列(T-1(R11 -121)T)に対して固有値分解を行うことにより、固有値(位相シフト行列)Θおよび固有ベクトル(相似変換行列)Uを算出する。したがって、信号処理部40は、上述した手順と同じく位相シフト行列Θの各要素と、先に得られているエレベーション情報とを組み合わせて、各物標からの受信信号のアジマス情報を得ることができる。すなわち、各物標からの受信信号のアジマスθ(θ1〜θk)が得られる。
同様に、信号処理部40は、相関行列R11の逆行列に相関行列R22を掛けることによって行列R11 -122を生成する。この演算は(26)式で表される。
Figure 2019090749
続いて、信号処理部40は、行列R11 -122の左側から相似変換行列Tの逆行列を掛け、行列R11 -122の右側から相似変換行列Tを掛ける。この演算は(27)式で表される。
Figure 2019090749
さらに、信号処理部40は、(27)式の両辺に右側から行列Ψを掛ける。この結果(28)式が得られる。なお、行列Ψは、ステップ2で得られている。
Figure 2019090749
信号処理部40は、上述したように、(25)式の演算結果と(28)式の演算結果とを比較することにより、角度推定の精度を向上させることができる。また、信号処理部40は、(25)式および(28)式の演算結果を用いて、各物標に対する仰角φiおよびアジマス角θjのペアを検証してもよい。例えば、信号処理部40は、(28)式を固有値分解し、(25)式から求めたΘと比べる。具体的には(20)〜(21)式と同様に、Commutation Matrixを求める問題と同様に扱えば簡単である。
このように、第2の実施形態では、アジマス情報およびエレベーション情報を得るために2回の固有値分解が実行される。よって、第2の実施形態では、第1の実施形態と比較すると、固有値分解のための計算量が増加する。ただし、第2の実施形態では、複数の物標からの受信信号がコヒーレントであっても、各物標のアジマス情報およびエレベーション情報を推定することができる。
また、第2の実施形態においても、N−1次行列に対して固有値分解が実行される。しかし、第2の実施形態は、コヒーレント信号を対象にしているにも関わらず、(1)〜(8)式を用いて説明した、取り扱いの容易なインコヒーレント信号に対する従来技術と比較して、固有値分解に要する時間が32分の1(=43/2)以下になる。すなわち、第2の実施形態であっても、固有値分解のための計算量が大幅に削減され、到来方向推定の高速化が実現される。
なお、第2の実施形態の別解として、以下の様にしても良い。即ち、信号処理部40は、位相シフト行列ΨHおよび相似変換行列Tを算出した後に、行列R1121 -1を計算する。この演算は(29.1)式で表される。そこで、R1121 -1を固有値分解すれば、相似変換行列Vと固有値(位相シフト行列)ΘHとが得られる。相似変換行列Vは、(29.2)式で定義される。ΘHからアジマス情報を計算する方法については繰り返しになるので省略する。なお(29.1)式において、行列Θ-1は、行列ΘHと同じである。
Figure 2019090749
この様にして、相似変換行列TおよびVを求めると、相関行列R22は(30)式で表すことができる。
Figure 2019090749
(30)式の両辺において、左側から行列V-1を掛けると共に、右側から行列Tを掛ければ、(31.1)式が得られる。なお、(31.1)式では(31.2)式を用いている。
Figure 2019090749
したがって、信号処理部40は、(31.1)式を利用して各物標についてアジマス情報とエレベーション情報とのペアリングを評価できる。
次に、ペアリングの検証法として、数学的な論拠の明確な以下の例を挙げる。ここで、ΨHとΘとのペアリングを検証する基準となる計量は固有ベクトルだけなので、冗長ではあるが、(32)式を利用してR1211 -1からΨHを再度計算する。また、(32)式の右辺のVは(29.2)式から求められ、Rss(=U-1)は、R11の左からVの逆行列を掛けると共に、右からTを掛けることで求められる((31.2)式)。すなわち、(UV-1)(R1211 -1)(UV-1)-1からΨHを直接求めることもできるが、ここではΘとのペアリング検証が目的であるから以下の様な処理を行う。
Figure 2019090749
先ず、Rssはエコー信号の共分散行列であるから、(33)式に示すように、Uも固有値分解できる。
Figure 2019090749
さらに、R1211 -1に左からV-1を掛けると共に、右からVを掛けた後に(33)式を代入すると(34)式が得られる。
Figure 2019090749
(34)式を整理すると(35)式が得られる(EEH=I、即ち、E-1=EHに注意)。
Figure 2019090749
同様に、(25)式のUに(33)式を代入して整理すると(36)式が得られる。
Figure 2019090749
ここで、(35)式および(36)式をそれぞれ固有値分解して得られた位相シフト行列は、同じ固有ベクトルに対応しているので、ペアリングが取れたものとなる。この方法では、相似変換行列T、U、Vを利用するので、ペアリングのために行う固有値分解が3回(33、34、35式)追加され、全体で5回の固有値分解を行うことになる。しかし、それでも尚、従来技術の10分の1以下の計算量しか必要としない。
或いは、TおよびVは、同じN−1次空間を張る基底ベクトルであるから、ある基底変換行列Pが存在して(37)式の関係が成り立つ。
Figure 2019090749
そこで、TをVPに最小二乗の意味で変換する行列Pを求めて、Tの代わりにVPを用いてΨHを求めることでペアリングを省略する、という考え方もできる。Pは、(20)〜(21)式と同様にして容易に導出可能である。例えば、(38.1)〜(38.3)で算出される。
Figure 2019090749
図6〜図7は、第2の実施形態の到来方向推定方法の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、信号処理部40により、例えば定期的に実行される。
S11〜S12は、図5に示すS1〜S2と実質的に同じである。すなわち、S11において、信号処理部40は、信号ベクトルx、zを取得する。S12において、信号処理部40は、信号ベクトルxから部分ベクトルx1、x2を抽出し、信号ベクトルzから部分ベクトルz1、z2を抽出する。
S13において、信号処理部40は、部分ベクトルx1、x2、z1、z2から第1〜第3の相関行列(R11、R12、R21)を生成する。第1〜第3の相関行列は、例えば(9.1)〜(9.3)式に示す方法で生成される。
S14において、信号処理部40は、第1〜第3の相関行列を用いて第1〜第4の行列(R11 -112、R1121 -1、R1211 -1、R11 -121)を生成する。
S15において、信号処理部40は、第1の行列から第1の相似変換行列(T)を生成する。具体的には、第1の行列を固有値分解することにより第1の相似変換行列が生成される。この演算は、例えば、(13.1)式により実現される。
S16において、信号処理部40は、第2の行列から第2の相似変換行列(V)を生成する。具体的には、第2の行列を固有値分解することにより第2の相似変換行列が生成される。この演算は、例えば、(29.1)式により実現される。
S17において、信号処理部40は、第1の相関行列(R11)、第1の相似変換行列(T)、および第2の相似変換行列(V)に基づいて、第3の相似変換行列(U)を生成する。具体的には、第1の相関行列の左から第2の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、第1の相関行列の右から第1の相似変換行列を掛けることにより、第3の相似変換行列の逆行列が生成される。この演算は、例えば、(31.2)式で表される。なお、上記の計算で生成された行列が相似変換行列の逆行列であることは、(24.3)式の定義、または(25)式に示した通りである。
S18において、信号処理部40は、第3の相似変換行列(U)に基づいて第4の相似変換行列(E)および第3の対角行列(Λ)を生成する。具体的には、第3の相似変換行列の逆行列を固有値分解することにより第4の相似変換行列および第3の対角行列が生成される。この演算は、例えば、(33)式で表される。
S19において、信号処理部40は、第3の行列(R1211 -1)に基づいて、第5の行列(Λ-1H-1(R1211 -1)VEΛ)を生成する。具体的には、第3の行列の左から第2の相似変換行列の逆行列(V−1)、第4の相似変換行列のエルミート共役行列(EH)、および第3の対角行列の逆行列(Λ−1)を順番に掛け、且つ、第3の行列の右側から第2の相似変換行列(V)、第4の相似変換行列(E)、および第3の対角行列(Λ)を順番に掛けることにより第5の行列が生成される。なお、第4の相似変換行列のエルミート共役行列(EH)は、第4の相似変換行列の逆行列(E-1)と同じである。すなわち、信号処理部40は、第5の行列としてΛ-1-1-1(R1211 -1)VEΛを生成してもよい。この演算は、例えば、(35)式で表される。
S20において、信号処理部40は、第4の行列(R11 -121)に基づいて、第6の行列(ΛEH-1(R11 -121)TEΛ-1)を生成する。具体的には、第4の行列の左から第1の相似変換行列の逆行列(T−1)、第4の相似変換行列のエルミート共役行列(EH)、および第3の対角行列(Λ)を順番に掛け、且つ、第4の行列の右側から第1の相似変換行列(T)、第4の相似変換行列(E)、および第3の対角行列の逆行列(Λ−1)を順番に掛けることにより第6の行列が生成される。ここで、EH=E-1なので、信号処理部40は、第6の行列としてΛE-1-1(R11 -121)TEΛ-1を生成してもよい。この演算は、例えば、(36)式で表される。
S21において、信号処理部40は、第5の行列(Λ-1H-1(R1211 -1)VEΛ)から第1の対角行列(ΨH)を生成する。具体的には、第5の行列を固有値分解することで第1の対角行列が生成される。
S22において、信号処理部40は、第1の対角行列(ΨH)からエレベーション情報を算出する。エレベーション情報(すなわち、各物標の仰角)は、(14)式により算出される。
S23において、信号処理部40は、第6の行列(ΛEH-1(R11 -121)TEΛ-1)から第2の対角行列(Θ)を生成する。具体的には、第6の行列を固有値分解することで第2の対角行列が生成される。
S24において、信号処理部40は、S22で算出したエレベーション情報および第2の対角行列(Θ)からアジマス情報を算出する。アジマス情報(すなわち、各物標のアジマス角)は、(18)式により算出される。
<他の実施形態>
アジマス情報およびエレベーション情報だけを求める場合、必ずしも相似変換行列T、U(或いはVも)を保存しておく必要はない。例えば、信号処理部40は、(39.1)〜(39.2)式で表される代数方程式を解くことで、アジマス情報およびエレベーション情報を得ることができる。
Figure 2019090749
|*|は、行列式を表す。γおよびχは、行列ΨHおよび行列Θの要素に対応する代数方程式の変数である。したがって、(39.1)〜(39.2)式を解いてγおよびχを求めることにより、アジマス情報およびエレベーション情報が得られる。ただし、この方法では、変数γに対応する固有値と変数χに対応する固有値とのペアに対して、受信電力等他の計量を用いてペアリングの妥当性の評価を行うことが必要である。
また、L字型センサアレーは、MIMO(multi-input multi-output)による仮想受信センサを利用して構成してもよい。例えば、図8に示す例では、X軸センサアレー31は、X軸上に配置される9個の受信センサから構成され、Z軸センサアレー32は、Z軸上に配置される3個の受信センサから構成される。また、3個の送信アンテナTx1〜Tx3がZ軸に沿って等間隔で配置されている。送信アンテナTx1〜Tx3が配置される間隔は、Z軸センサアレー32の受信センサが配置される間隔の3倍である。
この構成においては、送信アンテナTx1から送信されるプローブ信号に対して得られる信号ベクトル、送信アンテナTx2から送信されるプローブ信号に対して得られる信号ベクトル、および送信アンテナTx3から送信されるプローブ信号に対して得られる信号ベクトルを収集することにより、図2に示すL字型船センサアレーと等価な信号ベクトルが得られる(MIMOではTx1〜Tx3によってX軸に平行な仮想受信センサも生成されるが、ここではこれを無視している)。したがって、信号処理部40は、これらの信号ベクトルを取得することにより、上述の手順で受信信号の到来方向を推定できる。なお、送信アンテナTx1〜Tx3は、時間分割多重、周波数分割多重、または符号分割多重でプローブ信号を送信する。
さらに、センサ回路は、L字型センサアレーに限定されるものではなく、複数のサブアレー群を抽出可能な2次元センサアレーを採用することができる。すなわち、本発明に係わるセンサ回路は、フルグリッドアレー、三角形型アレー、円形アレー、ポリゴンアレー等で実現してもよい。ただし、複数のサブアレー群は、並行移動または回転不変関係を有することが好ましい。
図9は、フルグリッドアレーにおけるサブアレーの配置の一例を示す。この例では、サブアレーSA1〜SA4が設定される。そして、信号処理部40には、サブアレーSA1〜SA4から出力される信号群1〜4が与えられる。信号群1、2、3、4は、L字型センサアレーから出力されるベクトルx1、z1、x2、z2に相当するが、その形式は行列となる。また、信号群1〜4に対応する角度行列は、(40.1)式に定義したA(A1、A2、A3、A4)で表される。Aの具体的な要素は、X軸方向においてn番目、Z軸方向においてm番に位置するRX素子に到来したk番目のエコー信号に対して(40.2)式の様になる。なお、(40.1)式で用いた位相シフト行列は、(40.3)式および(40.4)式で定義される。
Figure 2019090749
図9に示すサブアレーSA1〜SA4の出力信号は、例えば、アレーがN×N個のRXセンサで構成されている場合、(41.1)〜(41.4)式のX1〜X4で表される。なお、Xn(n=1〜4)はそれぞれ(N−1)次行列であり、Nn(n=1〜4)はそれぞれ(N−1)次の雑音部分行列である。また、sはエコー信号そのものである。
Figure 2019090749
なお、信号処理部40は、第1の実施形態または第2の実施形態と同様の方法で、行列Aから各物標の角度情報を生成する。但し、この構成では、自己相関項(雑音成分)を無視できないので、対角成分を除去することで雑音の混入を防ぎ、角度推定精度を向上させるPRISM法で角度推定を行ってもよい。或いは、フルグリッドアレーを複数のL字型センサアレーに分解して角度推定を行ってもよい。この場合は、雑音成分を考慮する必要はないので、第1の実施形態または第2の実施形態と同様に、ESPRIT法で角度推定を行ってもよい。
<空間平均>
複数の物標からのエコー信号がコヒーレントである場合は、例えば、X軸上に構成されたULA(Uniform Linear Array)の受信信号xを用いて物標のアジマスを推定する場合を考えると、xの共分散行列Rxxのrankは1になってしまうから、先ずはRxxのrankを回復させる処理が必要である。1次元角度推定においては、ULAから原点をシフトさせた複数のサブアレーを選択し、その出力信号ベクトルを加算平均してサブアレー間の位相シフト情報を消費することでRxxのrankを回復する。これが空間平均処理であり、その本質は共分散行列のrankと位相シフト情報との交換である。また、2次元角度推定における空間平均については、例えば、下記の文献に記載されている。
Yih-Min Chen, On Spatial Smoothing for Two-Dimensional Direction-of-Arrival Estimation of Coherent Signals, IEEE Transactions on Signal Processing, Vol.45, No.7, July 1997
Jian-Feng Gu et al., 2-D direction-of-arrival estimation of coherent signals using cross-correlation matrix, Signal Processing 88 (2008) 75-85
ところが、L字型センサアレーを用いるレーダー装置において、2次元角度推定のための空間平均を少ない計算量で実現する方法は知られていない。また、本発明に開示の技術はESPRIT法の考え方を敷衍したものであるから、サブアレー間の位相シフト情報を温存しておく必要がある。そこで、計算量が少なく、且つ、位相シフト情報を温存できる2次元角度推定のための空間平均の一例を開示する。
以下では、Z軸方向について検討する。また、以下に記載する実施例では、理解し易い様に下記の具体的な値を使用する。
物標の数:K=3
各物標を識別する物標番号:k=1、2、3(即ち、K≦N−1)
X軸/Z軸センサアレー中の受信センサの数:N=9
X軸/Z軸上に取ったサブアレーのサイズ(受信センサの数):M=4(≧K)
参考:MUSIC法の様に雑音部分空間を張るベクトルを利用する場合は、M≧K+1(この様に、各パラメータに付記した不等式制約は利用する角度推定法によって若干異なることに注意)
X軸/Z軸上に取った各サブアレーを識別するサブアレー番号:d=1、2、3、4、5
尚、X軸/Z軸上のサブアレーdは、原点からカウントしてd番目の受信センサを基準としてX軸/Z軸上のセンサアレーから抽出される4個の受信センサから構成される(図2を参照)。例えば、サブアレー1は、1〜4番目のX/Z軸上の受信センサから構成され、サブアレー2は、X/Z軸上の2〜5番目の受信センサから構成される。即ち、サブアレーdの出力信号は、x/zの部分ベクトルxd/zdで構成される。したがって、空間平均においては、5個の部分ベクトルx1〜xおよび5個の部分ベクトルz1〜zが信号処理部40に与えられる。
信号処理部40は、各サブアレーd(d=1〜4)に対して、部分ベクトルxd、zdに対応する相関行列xdd Hをそれぞれ生成する。そして、信号処理部40は、(42)式に示すように、これらの相関行列を平均化する。すなわち、xd/zd HのKroneck積に対して空間平均が行われる。なお、(42)および(47)式においてR11の上に付与されている横棒、及び(48)式においてR12の上に付与されている横棒は、それぞれ「平均」を表す。
Figure 2019090749
(42)式のカッコ内の項は、(43.1)式および(44.1)式で表される2個のKrylov基底の内積に相当する。各行列要素の指数関数項のχk d-1、γk d-1は、d=1〜4に対してそれぞれ(43.2)式および(44.2)式で定義される。
Figure 2019090749
Figure 2019090749
(43.1)および(44.1)式を整理すると、それぞれ(45)および(46)式に書き換えることができる。
Figure 2019090749
Figure 2019090749
Sは対角行列であり、V、Wは、Vandermode行列である。そうすると、行列SVおよび行列SWのrankは、それぞれK(=3)である。そして、(45)および(46)式を(42)式に代入すれば、(47)式が得られる。
Figure 2019090749
同様に、信号処理部40は、d=1〜4に対して行列xdd+1 H、行列xd+1d H、行列xd+1d+1 H、の平均を生成する。例えば、(48)式は、行列xdd+1 Hを平均化することで得られる平均行列を表す(この例の場合、位相シフト成分を取り出す為にd+1が5まで必要になる)。
Figure 2019090749
このような手順で空間平均を行うことにより、信号処理部40は、位相シフトを残したまま、rankが回復した相関行列を用意することができる。したがって、信号処理部40は、rankが回復した相関行列に基づいて角度推定を行うことができる。なお、(42)〜(48)式はFSS(Forward Spatial Smoothing)による平均化の例であるが、上記に開示した手順と既知の手順とを組み合わせて、BSS(Backward Spatial Smoothing)を実行してもよい。この場合、信号処理部40は、FBSSにより平均化された信号に基づいて角度推定を行うことができる。なお、空間平均は、例えば、図5に示すフローチャートのS1または図6に示すフローチャートのS11の後に実行される。
上述の実施例を含む実施形態に関し、さらに下記の付記を開示する。
(付記1)
第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路と、
前記センサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する信号処理部と、を備え、
前記信号処理部は、
前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
前記第2の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第4の相関行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成し、
前記3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、
前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
前記3個の行列のうちの第2の行列、前記第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
ことを特徴とする到来方向推定装置。
(付記2)
前記信号処理部は、
前記第2の行列の左側から前記第1の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、前記第2の行列の右側から前記第1の相似変換行列を掛けることにより得られる行列を固有値分解して第2の対角行列および第2の相似変換行列を生成し、
前記第1の角度情報および前記第2の対角行列に基づいて前記第2の角度情報を生成する
ことを特徴とする付記1に記載の到来方向推定装置。
(付記3)
前記センサ回路に複数の受信信号が到達したときに、前記信号処理部は、
前記3個の行列のうちの第3の行列の左側から前記第1の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、前記第3の行列の右側から前記第1の相似変換行列を掛けることにより得られる行列および前記第1の対角行列に基づいて評価行列を生成し、
前記第2の対角行列、前記第2の相似変換行列、および前記評価行列に基づいて、前記複数の受信信号のそれぞれに対する前記第1の角度情報および前記第2の角度情報の組合せの正しさを評価する
ことを特徴とする付記2に記載の到来方向推定装置。
(付記4)
第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路と、
前記センサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する信号処理部と、を備え、
前記信号処理部は、
前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第2の相関行列を掛け合わせて第1の行列を生成し、
前記第1の相関行列と前記第3の相関行列の逆行列を掛け合わせて第2の行列を生成し、
前記第2の相関行列と前記第1の相関行列の逆行列を掛け合わせて第3の行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第3の相関行列を掛け合わせて第4の行列を生成し、
前記第1の行列を固有値分解して第1の相似変換行列を生成し、
前記第2の行列を固有値分解して第2の相似変換行列を生成し、
前記第1の相関行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、前記第1の相関行列の右から前記第1の相似変換行列を掛けることにより第3の相似変換行列の逆行列を生成し、
前記第3の相似変換行列の逆行列を固有値分解することで第4の相似変換行列および第3の対角行列を生成し、
前記第3の行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛け、且つ、前記第3の行列の右側から前記第2の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列を順番に掛けることにより第5の行列を生成し、
前記第4の行列の左から前記第1の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列を順番に掛け、且つ、前記第4の行列の右側から前記第1の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛けることにより第6の行列を生成し、
前記第5の行列を固有値分解して第1の対角行列を生成し、
前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
前記第6の行列を固有値分解して第2の対角行列を生成し、
前記第1の角度情報および前記第2の対角行列から前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
ことを特徴とする到来方向推定装置。
(付記5)
前記第1のセンサアレーは、前記第1の方向に沿って等間隔に並べられたN個の受信センサにより構成され、
前記第2のセンサアレーは、前記第2の方向に沿って等間隔に並べられたN個の受信センサにより構成され、
前記第1のセンサアレー中の1つの受信センサは、前記第2のセンサアレー中の1つの受信センサとして使用される
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか1つに記載の到来方向推定装置。
(付記6)
前記第2のセンサアレーが備える受信センサの個数は、前記第1のセンサアレーが備える受信センサの個数よりも少なく、
前記到来方向推定装置は、前記第2の方向と平行して並べられた複数の送信アンテナを備え、
前記センサ回路は、前記複数の送信アンテナそれぞれから送信されるプローブ信号に対応する受信信号を検知する
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか1つに記載の到来方向推定装置。
(付記7)
複数の受信センサを含む2次元センサアレーと、
前記センサアレーの出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する信号処理部と、を備え、
前記信号処理部は、
前記2次元センサアレーから抽出される互いに異なる第1〜第4のサブアレーの出力信号行列を取得し、
前記第1のサブアレーの出力信号行列および前記第3のサブアレーの出力信号行列に基づいて第1の相関行列を生成し、
前記第1のサブアレーの出力信号行列および前記第4のサブアレーの出力信号行列に基づいて第2の相関行列を生成し、
前記第2のサブアレーの出力信号行列および前記第3のサブアレーの出力信号行列に基づいて第3の相関行列を生成し、
前記第2のサブアレーの出力信号行列および前記第4のサブアレーの出力信号行列に基づいて第4の相関行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成し、
前記3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、
前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
前記3個の行列のうちの第2の行列、前記第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
ことを特徴とする到来方向推定装置。
(付記8)
前記信号処理部は、
前記センサ回路の出力信号に対して空間平均処理を実行し、
空間平均処理が実行された前記センサ回路の出力信号を利用して前記第1の角度情報および前記第2の角度情報を生成する
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか1つに記載の到来方向推定装置。
(付記9)
第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路と、
前記センサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する信号処理部と、を備え、
前記信号処理部は、
前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なるd個のM次元部分ベクトルx〜xを抽出し、
前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なるd個のM次元部分ベクトルz〜zを抽出し、
M次元部分ベクトルx〜xd−1とM次元部分ベクトルz〜zd−1とのKroneker積x H〜xd−1d−1 Hに対して空間平均を行って第1の相関行列を生成し、
M次元部分ベクトルx〜xd−1とM次元部分ベクトルz〜zとのKronecker積x H〜xd−1 Hに対して空間平均を行って第2の相関行列を生成し、
M次元部分ベクトルx〜xとM次元部分ベクトルz〜zd−1とのKronecker積x H〜xd−1 Hに対して空間平均を行って第3の相関行列を生成し、
M次元部分ベクトルx〜xとM次元部分ベクトルz〜zとのKronecker積x H〜x Hに対して空間平均を行って第4の相関行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成し、
前記3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、
前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
前記3個の行列のうちの第2の行列、前記第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
ことを特徴とする到来方向推定装置。
(付記10)
第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路と、
前記センサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する信号処理部と、を備え、
前記信号処理部は、
前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なるd個のM次元部分ベクトルx〜xを抽出し、
前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なるd個のM次元部分ベクトルz〜zを抽出し、
M次元部分ベクトルx〜xd−1とM次元部分ベクトルz〜zd−1とのKroneker積x H〜xd−1d−1 Hに対して空間平均を行って第1の相関行列を生成し、
M次元部分ベクトルx〜xd−1とM次元部分ベクトルz〜zとのKronecker積x H〜xd−1 Hに対して空間平均を行って第2の相関行列を生成し、
M次元部分ベクトルx〜xとM次元部分ベクトルz〜zd−1とのKronecker積x H〜xd−1 Hに対して空間平均を行って第3の相関行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第2の相関行列を掛け合わせて第1の行列を生成し、
前記第1の相関行列と前記第3の相関行列の逆行列を掛け合わせて第2の行列を生成し、
前記第2の相関行列と前記第1の相関行列の逆行列を掛け合わせて第3の行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第3の相関行列を掛け合わせて第4の行列を生成し、
前記第1の行列を固有値分解して第1の相似変換行列を生成し、
前記第2の行列を固有値分解して第2の相似変換行列を生成し、
前記第1の相関行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、前記第1の相関行列の右から前記第1の相似変換行列を掛けることにより第3の相似変換行列の逆行列を生成し、
前記第3の相似変換行列の逆行列を固有値分解することで第4の相似変換行列および第3の対角行列を生成し、
前記第3の行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛け、且つ、前記第3の行列の右側から前記第2の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列を順番に掛けることにより第5の行列を生成し、
前記第4の行列の左から前記第1の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列を順番に掛け、且つ、前記第4の行列の右側から前記第1の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛けることにより第6の行列を生成し、
前記第5の行列を固有値分解して第1の対角行列を生成し、
前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
前記第6の行列を固有値分解して第2の対角行列を生成し、
前記第1の角度情報および前記第2の対角行列から前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
ことを特徴とする到来方向推定装置。
(付記11)
第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する到来方向推定方法であって、
前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
前記第2の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第4の相関行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成し、
前記3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、
前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
前記3個の行列のうちの第2の行列、前記第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
ことを特徴とする到来方向推定方法。
(付記12)
第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路の出力信号を取得し、
前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
前記第2の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第4の相関行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成し、
前記3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、
前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
前記3個の行列のうちの第2の行列、前記第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
処理をプロセッサに実行させるための到来方向推定プログラム。
(付記13)
第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する到来方向推定方法であって、
前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第2の相関行列を掛け合わせて第1の行列を生成し、
前記第1の相関行列と前記第3の相関行列の逆行列を掛け合わせて第2の行列を生成し、
前記第2の相関行列と前記第1の相関行列の逆行列を掛け合わせて第3の行列を生成し、
前記第1の相関行列の逆行列と前記第3の相関行列を掛け合わせて第4の行列を生成し、
前記第1の行列を固有値分解して第1の相似変換行列を生成し、
前記第2の行列を固有値分解して第2の相似変換行列を生成し、
前記第1の相関行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、前記第1の相関行列の右から前記第1の相似変換行列を掛けることにより第3の相似変換行列の逆行列を生成し、
前記第3の相似変換行列の逆行列を固有値分解することで第4の相似変換行列および第3の対角行列を生成し、
前記第3の行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛け、且つ、前記第3の行列の右側から前記第2の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列を順番に掛けることにより第5の行列を生成し、
前記第4の行列の左から前記第1の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列を順番に掛け、且つ、前記第4の行列の右側から前記第1の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛けることにより第6の行列を生成し、
前記第5の行列を固有値分解して第1の対角行列を生成し、
前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
前記第6の行列を固有値分解して第2の対角行列を生成し、
前記第1の角度情報および前記第2の対角行列から前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
ことを特徴とする到来方向推定方法。
1 到来方向推定装置
10 発振器
31 X軸センサアレー
32 Z軸センサアレー
40 信号処理部
50 CPU

Claims (8)

  1. 第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路と、
    前記センサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する信号処理部と、を備え、
    前記信号処理部は、
    前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
    前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
    前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
    前記第2の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第4の相関行列を生成し、
    前記第1の相関行列の逆行列と前記第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成し、
    前記3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、
    前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
    前記3個の行列のうちの第2の行列、前記第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
    ことを特徴とする到来方向推定装置。
  2. 前記信号処理部は、
    前記第2の行列の左側から前記第1の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、前記第2の行列の右側から前記第1の相似変換行列を掛けることにより得られる行列を固有値分解して第2の対角行列および第2の相似変換行列を生成し、
    前記第1の角度情報および前記第2の対角行列に基づいて前記第2の角度情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の到来方向推定装置。
  3. 前記センサ回路に複数の受信信号が到達したときに、前記信号処理部は、
    前記3個の行列のうちの第3の行列の左側から前記第1の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、前記第3の行列の右側から前記第1の相似変換行列を掛けることにより得られる行列および前記第1の対角行列に基づいて評価行列を生成し、
    前記第2の対角行列、前記第2の相似変換行列、および前記評価行列に基づいて、前記複数の受信信号のそれぞれに対する前記第1の角度情報および前記第2の角度情報の組合せの正しさを評価する
    ことを特徴とする請求項2に記載の到来方向推定装置。
  4. 第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路と、
    前記センサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する信号処理部と、を備え、
    前記信号処理部は、
    前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
    前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
    前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
    前記第1の相関行列の逆行列と前記第2の相関行列を掛け合わせて第1の行列を生成し、
    前記第1の相関行列と前記第3の相関行列の逆行列を掛け合わせて第2の行列を生成し、
    前記第2の相関行列と前記第1の相関行列の逆行列を掛け合わせて第3の行列を生成し、
    前記第1の相関行列の逆行列と前記第3の相関行列を掛け合わせて第4の行列を生成し、
    前記第1の行列を固有値分解して第1の相似変換行列を生成し、
    前記第2の行列を固有値分解して第2の相似変換行列を生成し、
    前記第1の相関行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、前記第1の相関行列の右から前記第1の相似変換行列を掛けることにより第3の相似変換行列の逆行列を生成し、
    前記第3の相似変換行列の逆行列を固有値分解することで第4の相似変換行列および第3の対角行列を生成し、
    前記第3の行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛け、且つ、前記第3の行列の右側から前記第2の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列を順番に掛けることにより第5の行列を生成し、
    前記第4の行列の左から前記第1の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列を順番に掛け、且つ、前記第4の行列の右側から前記第1の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛けることにより第6の行列を生成し、
    前記第5の行列を固有値分解して第1の対角行列を生成し、
    前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
    前記第6の行列を固有値分解して第2の対角行列を生成し、
    前記第1の角度情報および前記第2の対角行列から前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
    ことを特徴とする到来方向推定装置。
  5. 前記信号処理部は、
    前記センサ回路の出力信号に対して空間平均処理を実行し、
    空間平均処理が実行された前記センサ回路の出力信号を利用して前記第1の角度情報および前記第2の角度情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の到来方向推定装置。
  6. 第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する到来方向推定方法であって、
    前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
    前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
    前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
    前記第2の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第4の相関行列を生成し、
    前記第1の相関行列の逆行列と前記第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成し、
    前記3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、
    前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
    前記3個の行列のうちの第2の行列、前記第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
    ことを特徴とする到来方向推定方法。
  7. 第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路の出力信号を取得し、
    前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
    前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
    前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
    前記第2の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第4の相関行列を生成し、
    前記第1の相関行列の逆行列と前記第2〜第4の相関行列とをそれぞれ掛け合わせて3個の行列を生成し、
    前記3個の行列のうちの第1の行列を固有値分解して第1の対角行列および第1の相似変換行列を生成し、
    前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
    前記3個の行列のうちの第2の行列、前記第1の相似変換行列、および前記第1の角度情報に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
    処理をプロセッサに実行させるための到来方向推定プログラム。
  8. 第1の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第1のセンサアレーおよび前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数の受信センサが並べられた第2のセンサアレーを含むセンサ回路の出力信号に基づいて受信信号の到来方向を推定する到来方向推定方法であって、
    前記第1のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第1の部分ベクトルおよび第2の部分ベクトルを抽出し、
    前記第2のセンサアレーの出力信号を表すベクトルから互いに異なる第3の部分ベクトルおよび第4の部分ベクトルを抽出し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第1の相関行列を生成し、
    前記第1の部分ベクトルおよび前記第4の部分ベクトルに基づいて第2の相関行列を生成し、
    前記第2の部分ベクトルおよび前記第3の部分ベクトルに基づいて第3の相関行列を生成し、
    前記第1の相関行列の逆行列と前記第2の相関行列を掛け合わせて第1の行列を生成し、
    前記第1の相関行列と前記第3の相関行列の逆行列を掛け合わせて第2の行列を生成し、
    前記第2の相関行列と前記第1の相関行列の逆行列を掛け合わせて第3の行列を生成し、
    前記第1の相関行列の逆行列と前記第3の相関行列を掛け合わせて第4の行列を生成し、
    前記第1の行列を固有値分解して第1の相似変換行列を生成し、
    前記第2の行列を固有値分解して第2の相似変換行列を生成し、
    前記第1の相関行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列を掛け、且つ、前記第1の相関行列の右から前記第1の相似変換行列を掛けることにより第3の相似変換行列の逆行列を生成し、
    前記第3の相似変換行列の逆行列を固有値分解することで第4の相似変換行列および第3の対角行列を生成し、
    前記第3の行列の左から前記第2の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛け、且つ、前記第3の行列の右側から前記第2の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列を順番に掛けることにより第5の行列を生成し、
    前記第4の行列の左から前記第1の相似変換行列の逆行列、前記第4の相似変換行列のエルミート共役行列、および前記第3の対角行列を順番に掛け、且つ、前記第4の行列の右側から前記第1の相似変換行列、前記第4の相似変換行列、および前記第3の対角行列の逆行列を順番に掛けることにより第6の行列を生成し、
    前記第5の行列を固有値分解して第1の対角行列を生成し、
    前記第1の対角行列に基づいて前記受信信号の到来方向に係わる第1の角度情報を生成し、
    前記第6の行列を固有値分解して第2の対角行列を生成し、
    前記第1の角度情報および前記第2の対角行列から前記受信信号の到来方向に係わる第2の角度情報を生成する
    ことを特徴とする到来方向推定方法。
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