JP2019090593A - 換気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】給気フィルタの目詰まりの報知を精度よく行うことができる換気装置を提供すること。【解決手段】初期設定処理では、所定時間T毎に給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定してから初期値記憶部21を記憶し(S15)、その記憶された複数の前記電流及び/又は回転数を平均して得られた値を、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値として記憶する(S17)。そして、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数と初期値記憶部21に記憶された電流及び/又は回転数の初期値との差が所定値以上となる場合に、給気フィルタ15が目詰まりである旨の報知を行う。【選択図】図3
Description
本発明は、室内空気を屋外へ排出し、屋外空気を室内へ供給して室内の換気を行う換気装置に関する。
従来、この種の換気装置として、野外空気を取り込む室外側吹出口に給気フィルタを設け、野外空気に含まれるごみや砂塵、埃、虫等を取り除く換気装置が知られている(例えば、特許文献1)。ところが、長期間にわたり使用していると、給気フィルタが目詰まりする。給気フィルタが目詰まりすると、所定の給気風量を確保するために給気ファンを駆動する給気モータの消費電力が急増するおそれがあった。更には、給気風量が低下して換気装置の性能が得られなくなるおそれもあった。しかしながら、使用者は、給気フィルタが目詰まりしていることに気づきにくい。
特許文献1に記載の換気装置では、そのような課題を解決するために、初期段階において風量が一定となるように調整された給気モータの電流及び/又は回転数の初期値を記憶している。そして、再度風量が一定となるように調整された給気モータの電流及び/又は回転数と、記憶された電流及び/又は回転数の初期値との差が所定値以上であった場合に、給気フィルタが目詰まりである旨の報知を行う。
しかしながら、特許文献1の換気装置では、初期段階で風量が一定となるように給気モータの電流及び/又は回転数が調整されるときに、屋外で強い風が吹いていたり、室内でのドアの開閉が行われていたりして、偶発的にダクト内の静圧が大きく変化している場合も生じ得る。そのような場合、記憶される給気モータの電流及び/又は回転数の初期値が、本来初期段階で調整され得る給気モータの電流及び/又は回転数と大きくずれ、結果として、給気フィルタの目詰まりの報知を正しく行うことができないおそれがあるという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、給気フィルタの目詰まりの報知を精度よく行うことができる換気装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の換気装置は、室外側吸込口と室内側吹出口と室内側吸込口と室外側吹出口とを有する筐体と、前記室外側吸込口と前記室内側吹出口とを連通する給気風路と、前記室内側吸込口と前記室外側吹出口とを連通する排気風路と、前記室内側吸込口から前記室外側吹出口へ空気を導く排気ファンと、前記室外側吸込口から前記室内側吹出口へ空気を導く給気ファンと、前記排気ファンを駆動する排気モータと、前記給気ファンを駆動する給気モータと、前記室外側吸込口に設けられた給気フィルタと、制御部と、を備えたものであって、前記制御部は、前記排気モータ及び給気モータの電流及び/又は回転数を風量が一定となるように調整するモータ駆動制御部と、前記モータ駆動制御部により初期に風量が一定となるように調整された前記給気モータの電流及び/又は回転数を初期値として記憶する初期値記憶部と、前記モータ駆動制御部により再度風量が一定となるように調整された前記給気モータの電流及び/又は回転数と前記初期値記憶部に記憶された前記電流及び/又は回転数の初期値との差を判定する判定部と、前記判定部により判定された差が所定値以上となる場合に、前記給気フィルタが目詰まりである旨の報知を報知部により行わせる報知制御部と、を備え、前記初期値記憶部は、初期の所定期間中に、所定時間毎に前記モータ駆動制御部により風量が一定となるように調整された前記給気モータの電流及び/又は回転数を安定するまで待って記憶し、その記憶された複数の前記電流及び/又は回転数を平均して得られた値を前記初期値として記憶する。
本発明の換気装置によれば、初期値記憶部によって、初期の所定期間中に、所定時間毎にモータ駆動制御部により風量が一定となるように調整された給気モータの電流及び/又は回転数が安定してから記憶され、その記憶された複数の前記電流及び/又は回転数を平均して得られた値が、電流及び/又は回転数の初期値として記憶される。そして、モータ駆動制御部により再度風量が一定となるように調整された給気モータの電流及び/又は回転数と初期値記憶部に記憶された電流及び/又は回転数の初期値との差が判定部により判定される。この判定部により判定された差が所定値以上となる場合に、給気フィルタが目詰まりである旨の報知が報知部により行われる。これにより、給気フィルタの目詰まりの報知を精度よく行うことができる、という効果を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る給排型換気装置1について説明する。図1は、給排型換気装置1を概略的に示す概略図である。給排型換気装置1は、箱形の筐体(本体)2の側面に室外側吹出口4及び室外側吸込口5を有し、また、この側面に対向した側面に室内側吸込口6及び室内側吹出口7を設けている。
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る給排型換気装置1について説明する。図1は、給排型換気装置1を概略的に示す概略図である。給排型換気装置1は、箱形の筐体(本体)2の側面に室外側吹出口4及び室外側吸込口5を有し、また、この側面に対向した側面に室内側吸込口6及び室内側吹出口7を設けている。
また、給排型換気装置1は、室外側吸込口5と室内側吹出口7とを連通する給気風路8と、室内側吸込口6と室外側吹出口4とを連通する排気風路9とを備えている。室外側吸込口5から導入される新鮮な屋外空気(外気、給気空気)と、室内側吸込口6から導入される汚染された室内空気(排気空気)は、給気ファン12と排気ファン13との運転によりそれぞれ給気風路8と排気風路9とを流れる。
給気ファン12は、給気モータ10により駆動され、室外側吸込口5から吸い込んだ給気空気を所定の給気風量で給気風路8を通して室内側吹出口7へ導くものである。室内側吹出口7へ導かれた空気は室内へ供給される。一方、排気ファン13は、排気モータ11により駆動され、室内側吸込口6から吸い込んだ排気空気を所定の排気風量で排気風路9を通して室外側吹出口4へ導くものである。室外側吹出口4へ導かれた空気は、室外に排気される。
給気風路8と排気風路9とが交差する位置には、熱交換素子14が配置される。熱交換素子14は、本発明の熱交換部を構成するものであり、給気風路8を通過する給気空気と、排気風路9を通過する排気空気との間で全熱交換方式による熱交換を行う。熱交換素子14により、排気される空気の全熱(温度及び湿度)が給気される空気に供給される、または、給気される空気の全熱が排気される空気に供給される。なお、本発明において、熱交換素子14は必ずしも必須の構成ではなく、熱交換素子14が設けられていなくてもよい。
室外側吸込口5には、給気フィルタ15が設けられている。給気フィルタ15は、野外空気に含まれるごみや砂塵、埃、虫等を取り除き、これらが室内へ導入されないようにするためのものである。
給排型換気装置1には、筐体2の外面上に、又は、筐体2から離れた位置に、報知部22と完了入力受付部23とが設けられている。報知部22は、例えば発光ダイオードにより構成され、給気フィルタ15が目詰まりのときは発光ダイオードを点灯させ、目詰まりでないときは発光ダイオードを消灯させることで、給気フィルタ15が目詰まりである旨を報知する。
完了入力受付部23は、例えば押下型のスイッチにより構成される。使用者又はメンテナンス作業者が給気フィルタ15のメンテナンスを完了した場合に完了入力受付部23の押下型スイッチを押下操作することにより、給気フィルタ15のメンテナンスが完了した旨の入力が給排型換気装置1にて受け付けられる。
給排型換気装置1の内部または外部には、給排型換気装置1の動作を制御する制御部20が設けられている。制御部20は、例えば、給気風量が一定となるように、給気ファン12の給気モータ10の電流(電流値)及び/又は回転数を調整する風量一定制御を実行する。また、制御部20は、排気風量が一定となるように、排気ファン13の排気モータ11の電流(電流値)及び/又は回転数を調整する風量一定制御を実行する。
また、制御部20は、図2を参照して後述する目詰まり判定処理を実行することにより、給気フィルタ15の目詰まりの有無を判定する。制御部20には、初期値記憶部21が設けられている。初期値記憶部21は、初期に給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数を初期値として記憶する。その初期値の設定は、目詰まり判定処理の一処理であり、図3を参照して後述する初期値設定処理を制御部20が実行することによって行われる。詳細については後述するが、制御部20は、再度風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数と初期値記憶部21に記憶された電流及び/又は回転数の初期値との差を判定することにより、給気フィルタ15の目詰まり判定を行う。
次いで、図2を参照して、制御部20にて実行される目詰まり判定処理について説明する。図2は、その目詰まり判定処理を示すフローチャートである。この目詰まり判定処理では、初期に給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数を初期値として設定する。そして、目詰まり判定処理では、再度風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数と初期値記憶部21に記憶された電流及び/又は回転数の初期値との差を判定することにより、給気フィルタ15の目詰まり判定を行う。
具体的には、目詰まり判定処理が実行されると、まず、初期値記憶部21に給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値が記憶されているか否かを判断する(S1)。その結果、初期値記憶部21に給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値が記憶されていなければ(S1:No)、給気モータ10の初期状態へ移行し、初期値設定処理を実行する(S11)。
一方、S1の処理の結果、初期値記憶部21に給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値が記憶されていれば(S1:Yes)、次いで、完了入力受付部23により、給気フィルタ15のメンテナンスが完了した旨の入力が受け付けられたかを判断する(S2)。その結果、完了入力受付部23により、給気フィルタ15のメンテナンスが完了した旨の入力が受け付けられたと判断される場合は(S2:Yes)、給気モータ10の初期状態へ移行し、初期値設定処理を実行する(S11)。
ここで、図3を参照して、初期値設定処理(S11)の詳細について説明する。図3は、その初期値設定処理(S11)を示すフローチャートである。初期値設定処置(S11)は、初期に給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数を初期値として設定する処理である。
具体的には、この初期値設定処理(S11)が実行されると、まず、初期値記憶部21に記憶されている初期値をリセットし、また、報知部22の発光ダイオードを消灯させて、給気フィルタ15が目詰まりである旨の報知を終了する(S12)。
次いで、初期値判断処理(S11)は、排気モータ11と給気モータ10の運転を開始し(S13)、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定したか否かを判断する(S14)。そして、給気モータ10の電流及び/又は回転数が不安定の間は(S14:No)、S14の処理を繰り返し、給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定したと判断されると(S14:Yes)、S15の処理へ移行する。即ち、S14の処理によって、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定するまで待機される。
S15の処理では、初期値記憶部21のNo.nに、そのときの給気モータ10の電流及び/又は回転数を記憶し、T時間だけ待つ(S15)。ここで、nは、S15の処理のループ回数を示す変数であり、S12の処理の初期値リセットに合わせて「1」に設定され、S15の処理が行われる毎に「1」加算される。
S15の処理の後、初期値判断処理(S11)は、変数nが所定の繰り返し回数を示す固定値Nより大きいか否かを判断する(S16)。その結果、変数nが固定値N以下である場合はS14の処理へ戻る。そして、S14及びS15の処理を再び実行する。
一方、S16の処理の結果、変数nが固定値Nより大きいと判断されると(S16:Yes)、S17の処理へ移行する。このとき、初期値記憶部21には、初期の所定期間中に所定時間T毎に記憶された、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数の計測データがN個存在している。S17の処理では、N個の計測データ(No.1〜Nの計測データ)として初期値記憶部21に記憶された各々の給気モータ10の電流及び/又は回転数を平均する。そして、平均によって得られた電流及び/又は回転数を初期値rpm_ivとして初期値記憶部21に記憶する。S17の処理の後、図2に示すS1の処理へ戻る。
図2に戻り、目詰まり判定処理の説明を続ける。S2の処理の結果、完了入力受付部23により、給気フィルタ15のメンテナンスが完了した旨の入力が受け付けられていなければ(S2:No)、目詰まり判定処理は、次いで給気モータ10の電流及び/又は回転数を検出する(S3)。そして、目詰まり判定処理は、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定したか否かを判断する(S4)。
その結果、給気モータ10の電流及び/又は回転数が不安定の間は(S4:No)、S4の処理を繰り返し、給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定したと判断されると(S4:Yes)、S5の処理へ移行する。即ち、S4の処理によって、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定するまで待機される。
S5の処理では、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数rpm_nowと、初期値記憶部21に記憶された給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivとの差が、所定値より大きいか否かを判断する(S5)。そして、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数rpm_nowと、初期値記憶部21に記憶された給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivとの差が、所定値より大きくなければ(S5:No)、S1の処理に戻る。一方、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数rpm_nowと、初期値記憶部21に記憶された給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivとの差が、所定値より大きければ(S5:Yes)、報知部22の発光ダイオードを点灯させて、給気フィルタ15が目詰まりである旨の報知を行い(S6)、S1の処理へ戻る。
ここで、図4を参照し、S5の処理による給気フィルタ15の目詰まり判定方法について説明する。図4は、給気ファン12のP−Q曲線と、給気ファン12について風量一定制御を行った場合の給気モータ10の電流及び/又は回転量の様子を示した図である。P−Q曲線は、縦軸を静圧P、横軸を風量Qとして、給気ファン12の性能を示したものである。
給気フィルタ15の目詰まりが発生しておらず、また、給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定した状態にある場合、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流/及び回転数rpm_nowは、初期状態において給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流/及び回転数の初期値rpm_ivから大きく変化しない。
一方、給気フィルタ15に目詰まりが発生している場合、図5に示す通り、給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定した状態において、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流/及び回転数rpm_nowは、給気モータ10の電流/及び回転数の初期値rpm_ivよりも大きなものとなる。
そこで、S5の処理では、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数rpm_nowと、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivとの差を判定することで、その差が所定値より大きい場合に給気フィルタ15に目詰まりが発生していると判断できる。
そして、本実施形態では、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivを設定する場合に、給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定するのを待つので、外風やドアの開閉等によって、局所的に給気モータ10の電流及び/又は回転数が上昇したときの値が初期値として設定されることを抑制できる。また、本実施形態では、初期の所定期間中に、所定時間T毎に、給気モータ10の電流及び/又は回転数を記憶し、その記憶された複数の電流及び/又は回転数を平均して得られた値を初期値として設定している。これにより、たとえ、記憶した給気モータ10の電流及び/又は回転数の中に、外風やドアの開閉等の影響を受けたものが含まれたとしても、平均することによって、その影響を排除できる。よって、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivを精度よく設定できるので、給気フィルタ15の目詰まりの報知を精度よく行うことができる。
また、本実施形態では、完了入力受付部23により、給気フィルタ15のメンテナンスが完了した旨の入力が受け付けられたことを契機として、給気モータ10が初期状態へ移行したと判断し、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivの設定を行う。これにより、給気フィルタ15のメンテナンスが行われる毎に、新たに給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivが設定される。よって、給気フィルタ15のメンテナンスに伴い、静圧が変化した場合であっても、その変化後の静圧に合わせて給気フィルタ15の目詰まりの報知を精度よく行うことができる。
また、本実施形態では、初期値記憶部21に給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivが記憶されていない場合にも、給気モータ10が初期状態へ移行したと判断し、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値rpm_ivの設定を行う。これにより、初期値記憶部21に初期値rpm_ivを確実に記憶させておくことができるので、給気フィルタ15の目詰まりの報知を確実に行うことができる。
なお、目詰まり判定処理において、S5の処理により給気フィルタ15の目詰まりがあると判断された後、所定時間後に再度S5の判断処理を行うようにしてもよい。そして、S5の処理において、給気フィルタ15の目詰まりがあるとの判断が所定回数繰り返された場合に、S6の処理を実行し、給気フィルタ15が目詰まりである旨の報知を行うようにしてもよい。これにより、給気フィルタ15の目詰まりが誤検知されることを抑制できる。
(第2実施形態)
次いで、図5〜図7を参照して第2実施形態に係る給排型換気装置1について説明する。第1実施形態に係る給排型換気装置1は、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値と現在値との差から給気フィルタ15の目詰まりを判定する場合について説明した。これに対し、第2実施形態に係る給排型換気装置1は、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値と現在値との差に加え、排気モータ11の電流及び/又は回転数の初期値と現在値との関係をも考慮して、から給気フィルタ15の目詰まりを判定する。
次いで、図5〜図7を参照して第2実施形態に係る給排型換気装置1について説明する。第1実施形態に係る給排型換気装置1は、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値と現在値との差から給気フィルタ15の目詰まりを判定する場合について説明した。これに対し、第2実施形態に係る給排型換気装置1は、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値と現在値との差に加え、排気モータ11の電流及び/又は回転数の初期値と現在値との関係をも考慮して、から給気フィルタ15の目詰まりを判定する。
以下、第2実施形態に係る給排型換気装置1について、第1実施形態に係る給排型換気装置1と相違する点を中心に説明する。第1実施形態に係る給排型換気装置1と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
図5は、第2実施形態に係る給排型換気装置1の制御部20により実行される目詰まり判定処理を示すフローチャートである。第2実施形態に係る目詰まり判定処理において、S1〜S5の各処理は、それぞれ第1実施形態に係る目詰まり判定処理のS1〜S5の処理と同一の処理である。一方、第2実施形態に係る目詰まり判定処理は、第1実施形態に係る目詰まり判定処理の初期値設定処理(S11)に代えて、図6に示す初期値設定処理(S21)を実行する。
ここで、図6を参照してその初期値設定処理(S21)の詳細について説明する。図6は、初期値設定処理(S21)を示すフローチャートである。この初期値設定処理(S21)において、S12,S13,S16の各処理は、それぞれ第1実施形態に係る初期値設定処理(S11)のS12,S13,S16の各処理と同一の処理である。
初期値設定処理(S21)では、S13の処理の後、S22の処理へ移行する。S22の処理では、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数と、排気風量が一定となるように調整された排気モータ11の電流及び/又は回転数とが安定したか否かを判断する(S22)。
そして、給気モータ10の電流及び/又は回転数と排気モータ11の電流及び/又は回転数とが不安定である間は(S22:No)、S22の処理を繰り返し、給気モータ10の電流及び/又は回転数と排気モータ11の電流及び/又は回転数とが安定したと判断されると(S22:Yes)、S23の処理へ移行する。即ち、S22の処理によって、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数と、排気風量が一定となるように調整された排気モータ11の電流及び/又は回転数とが安定するまで待機される。
なお、S22の処理に代えて、第1実施形態の初期値設定処理(S11)のS14と同一の処理を実行してもよい。この場合は、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定するまで待機される。
S23の処理では、初期値記憶部21のNo.nに、そのときの給気モータ10の電流及び/又は回転数と排気モータ11の電流及び/又は回転数とを記憶し、T時間だけ待つ(S23)。ここで、nは、S23の処理のループ回数を示す変数であり、S12の処理の初期値リセットに合わせて「1」に設定され、S23の処理が行われる毎に「1」加算される。
続くS16の処理により、変数nが固定値Nより大きいと判断されると(S16:Yes)、S24の処理へ移行する。このとき、初期値記憶部21には、初期の所定期間中に所定時間T毎に記憶された、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流及び/又は回転数の計測データがN個存在し、また、排気風量が一定となるように調整された排気モータ11の電流及び/又は回転数の計測データがN個存在している。
S24の処理では、N個の計測データ(No.1〜Nの計測データ)として初期値記憶部21に記憶された各々の給気モータ10の電流及び/又は回転数を平均する。そして、平均によって得られた給気モータ10の電流及び/又は回転数を初期値SA_rpm_ivとして初期値記憶部21に記憶する(S24)。
また、N個の計測データ(No.1〜Nの計測データ)として初期値記憶部21に記憶された各々の排気モータ11の電流及び/又は回転数を平均する。そして、平均によって得られた排気モータ11の電流及び/又は回転数を初期値EA_rpm_ivとして初期値記憶部21に記憶する(S25)。S25の処理の後、図5に示すS1の処理へ戻る。
図5に戻り、目詰まり判定処理の説明を続ける。S5の処理の結果、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数SA_rpm_nowと、初期値記憶部21に記憶された給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値SA_rpm_ivとの差が、所定値より大きいと判断される場合(S5:Yes)、次いで、S31の処理を実行する。
S31の処理では、排気モータ11の現在の電流及び/又は回転数EA_rpm_nowと、初期値記憶部21に記憶された排気モータ11の電流及び/又は回転数の初期値EA_rpm_ivとが等しいか否かを判断する(S31)。ここでは、排気モータ11の現在の電流及び/又は回転数EA_rpm_nowが、排気モータ11の電流及び/又は回転数の初期値EA_rpm_ivを中心として所定範囲内に入っている場合に、それらが等しいと判断する。
そして、排気モータ11の現在の電流及び/又は回転数EA_rpm_nowと、排気モータ11の電流及び/又は回転数の初期値EA_rpm_ivとが等しくないと判断される場合は(S31:No)、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数SA_rpm_nowと、初期値記憶部21に記憶された給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値SA_rpm_ivとに生じた差が、外風やドア開閉等によるものであると判断できる。よって、そのままS1の処理へ戻る。
一方、S31の処理の結果、排気モータ11の現在の電流及び/又は回転数EA_rpm_nowと、排気モータ11の電流及び/又は回転数の初期値EA_rpm_ivとが等しいと判断される場合は(S31:Yes)、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数SA_rpm_nowと、初期値記憶部21に記憶された給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値SA_rpm_ivとに生じた差が、給気フィルタ15の目詰まりによるものであると判断できる。よって、この場合は、報知部22の発光ダイオードを点灯させて、給気フィルタ15が目詰まりである旨の報知を行い(S6)、S1の処理へ戻る。
ここで、図7を参照し、S5及びS31の処理による給気フィルタ15の目詰まり判定方法について説明する。給気フィルタ15の目詰まりが発生しておらず、また、給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定した状態にある場合、図7(a)に示す通り、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流/及び回転数SA_rpm_nowは、初期状態において給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流/及び回転数の初期値SA_rpm_ivから大きく変化しない。よって、S5の処理では、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数SA_rpm_nowと、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値SA_rpm_ivとの差を判定し、その差が所定値以下である場合は、給気フィルタ15に目詰まりが発生していないと判定する。
一方、給気フィルタ15に目詰まりが発生している場合、給気モータ10の電流及び/又は回転数が安定した状態において、給気風量が一定となるように調整された給気モータ10の電流/及び回転数SA_rpm_nowは、給気モータ10の電流/及び回転数の初期値SA_rpm_ivよりも大きなものとなる。ただし、給気フィルタ15に目詰まりが発生していなくても、外風やドア開閉等が原因となって、給気モータ10の電流/及び回転数SA_rpm_nowが、給気モータ10の電流/及び回転数の初期値SA_rpm_ivよりも大きくなることがある。
しかしながら、給気モータ10の電流/及び回転数SA_rpm_nowが給気モータ10の電流/及び回転数の初期値SA_rpm_ivよりも大きくなった原因が、給気フィルタ15に目詰まりによるものである場合、図7(b)に示す通り、排気風量が一定となるように調整された排気モータ11の電流/及び回転数EA_rpm_nowは、排気モータ11の電流/及び回転数の初期値EA_rpm_ivから変化しない。
一方、給気モータ10の電流/及び回転数SA_rpm_nowが給気モータ10の電流/及び回転数の初期値SA_rpm_ivよりも大きくなった原因が、外風やドアの開閉等である場合、図7(c)に示す通り、排気風量が一定となるように調整された排気モータ11の電流/及び回転数EA_rpm_nowは、排気モータ11の電流/及び回転数の初期値EA_rpm_ivから大きく変化する。
そこで、S5の処理で、給気モータ10の現在の電流及び/又は回転数SA_rpm_nowと、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値SA_rpm_ivとの差が所定値より大きいと判定し、且つ、S31の処理で、排気モータ11の現在の電流及び/又は回転数EA_rpm_nowと、排気モータ11の電流及び/又は回転数の初期値EA_rpm_ivとが等しいと判断される場合に、給気フィルタ15に目詰まりが発生していると判断できる。
そして、本実施形態では、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値SA_rpm_iv及び排気モータ11の電流及び/又は回転数の初期値EA_rpm_ivを設定する場合に、給気モータ10の電流及び/又は回転数及び排気モータ11の電流及び/又は回転数が安定するのを待つ。これにより、外風やドアの開閉等によって、局所的に給気モータ10の電流及び/又は回転数が上昇したときの値が初期値として設定されることを抑制できる。また、外風やドアの開閉等によって、局所的に排気モータ11の電流及び/又は回転数が上昇したときの値が初期値として設定されることを抑制できる。
また、本実施形態では、初期の所定期間中に、所定時間T毎に、給気モータ10の電流及び/又は回転数と排気モータ11の電流及び/又は回転数を記憶する。そして、その記憶された複数の給気モータ10の電流及び/又は回転数を平均して得られた値を給気モータ10の初期値として設定し、複数の排気モータ11の電流及び/又は回転数を平均して得られた値を排気モータ11の初期値として設定する。これにより、たとえ、記憶した給気モータ10の電流及び/又は回転数や、排気モータ11の電流及び/又は回転数やの中に、外風やドアの開閉等の影響を受けたものが含まれたとしても、平均することによって、その影響を排除できる。よって、給気モータ10の電流及び/又は回転数の初期値SA_rpm_ivと、排気モータ11の電流及び/又は回転数の初期値EA_rpm_ivとを精度よく設定できるので、給気フィルタ15の目詰まりの報知を精度よく行うことができる。
なお、目詰まり判定処理において、S5及びS31の処理により給気フィルタ15の目詰まりがあると判断された後、所定時間後に再度S5及びS31の判断処理を行うようにしてもよい。そして、S5及びS31の処理において、給気フィルタ15の目詰まりがあるとの判断が所定回数繰り返された場合に、S6の処理を実行し、給気フィルタ15が目詰まりである旨の報知を行うようにしてもよい。これにより、給気フィルタ15の目詰まりが誤検知されることを抑制できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部又は複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部又は複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
本発明に係る換気装置は、室内空気を屋外へ排出し、屋外空気を室内へ供給して室内の換気を行う換気装置として有効である。
1 給排型換気装置
2 筐体
4 室外側吹出口
5 室外側吸込口
6 室内側吸込口
7 室内側吹出口
8 給気風路
9 排気風路
10 給気モータ
11 排気モータ
12 給気ファン
13 排気ファン
14 熱交換素子
15 給気フィルタ
20 制御部
21 初期値記憶部
22 報知部
23 完了入力受付部
2 筐体
4 室外側吹出口
5 室外側吸込口
6 室内側吸込口
7 室内側吹出口
8 給気風路
9 排気風路
10 給気モータ
11 排気モータ
12 給気ファン
13 排気ファン
14 熱交換素子
15 給気フィルタ
20 制御部
21 初期値記憶部
22 報知部
23 完了入力受付部
Claims (5)
- 室外側吸込口と室内側吹出口と室内側吸込口と室外側吹出口とを有する筐体と、
前記室外側吸込口と前記室内側吹出口とを連通する給気風路と、
前記室内側吸込口と前記室外側吹出口とを連通する排気風路と、
前記室内側吸込口から前記室外側吹出口へ空気を導く排気ファンと、
前記室外側吸込口から前記室内側吹出口へ空気を導く給気ファンと、
前記排気ファンを駆動する排気モータと、
前記給気ファンを駆動する給気モータと、
前記室外側吸込口に設けられた給気フィルタと、
制御部と、を備えた換気装置であって、
前記制御部は、
前記排気モータ及び給気モータの電流及び/又は回転数を風量が一定となるように調整するモータ駆動制御部と、
前記モータ駆動制御部により初期に風量が一定となるように調整された前記給気モータの電流及び/又は回転数を初期値として記憶する初期値記憶部と、
前記モータ駆動制御部により再度風量が一定となるように調整された前記給気モータの電流及び/又は回転数と前記初期値記憶部に記憶された前記電流及び/又は回転数の初期値との差を判定する判定部と、
前記判定部により判定された差が所定値以上となる場合に、前記給気フィルタが目詰まりである旨の報知を報知部により行わせる報知制御部と、を備え、
前記初期値記憶部は、
初期の所定期間中に、所定時間毎に前記モータ駆動制御部により風量が一定となるように調整された前記給気モータの電流及び/又は回転数を安定するまで待って記憶し、その記憶された複数の前記電流及び/又は回転数を平均して得られた値を前記初期値として記憶することを特徴とする換気装置。 - 前記給気フィルタのメンテナンスが完了した旨の入力を受け付ける完了入力受付部を備え、
前記制御部は、
前記完了入力受付部により前記入力が受け付けられた場合に初期状態への移行を判断し、前記初期値記憶部による前記初期値の記憶を行うことを特徴とする請求項1記載の換気装置。 - 前記制御部は、
前記初期値記憶部により前記初期値が記憶されていない場合に初期状態への移行を判断し、前記初期値記憶部による前記初期値の記憶を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の換気装置。 - 前記初期値記憶部は、
初期の所定期間中に、所定時間毎に前記モータ駆動制御部により風量が一定となるように調整された前記給気モータの電流及び/又は回転数と前記排気モータの電流及び/又は回転数とを安定するまで待って記憶し、その記憶された複数の前記給気モータの前記電流及び/又は回転数を平均して得られた値を給気モータ初期値として記憶し、複数の前記排気モータの前記電流及び/又は回転数を平均して得られた値を排気モータ初期値として記憶し、
前記判定部は、
前記モータ駆動制御部により再度風量が一定となるように調整された前記給気モータの電流及び/又は回転数と前記初期値記憶部に記憶された前記給気モータ初期値との差を判定するものであり、
前記制御部は、
前記モータ駆動制御部により再度風量が一定となるように調整された前記排気モータの電流及び/又は回転数と前記初期値記憶部に記憶された前記排気モータ初期値とが等しいかを判定する第2判定部を備え、
前記報知部は、
前記判定部により判定された差が所定値以上であり、前記第2判定部により判定された差が等しい場合に、前記給気フィルタが目詰まりである旨の報知を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の換気装置。 - 前記給気風路を通過する空気と前記排気風路を通過する空気との間で熱交換する熱交換部を備えた請求項1から4のいずれかに記載の換気装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017221398A JP2019090593A (ja) | 2017-11-17 | 2017-11-17 | 換気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017221398A JP2019090593A (ja) | 2017-11-17 | 2017-11-17 | 換気装置 |
Publications (1)
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JP2019090593A true JP2019090593A (ja) | 2019-06-13 |
Family
ID=66836179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017221398A Pending JP2019090593A (ja) | 2017-11-17 | 2017-11-17 | 換気装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019090593A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020159659A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱交換換気装置 |
CN112414919A (zh) * | 2020-11-11 | 2021-02-26 | 厦门浦睿智能电子有限公司 | 基于直流电机工作电流测算净化器滤网寿命的方法及装置 |
WO2022269821A1 (ja) * | 2021-06-23 | 2022-12-29 | 三菱電機株式会社 | 熱交換型換気装置 |
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-
2017
- 2017-11-17 JP JP2017221398A patent/JP2019090593A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7336629B2 (ja) | 2019-03-28 | 2023-09-01 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱交換換気装置 |
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WO2022269820A1 (ja) * | 2021-06-23 | 2022-12-29 | 三菱電機株式会社 | 熱交換型換気装置 |
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