JP2019089936A - バイオマス組成物及びバイオマス成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも少ない触媒で、優れた耐水性を有するバイオマス成形体を得ることができるバイオマス組成物を提供する。【解決手段】バイオマス組成物は、糖類を含む植物の柔細胞の粉砕物と、多価カルボン酸と、を含有する。前記植物はヤシである。硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムの少なくともいずれかを更に含有し、繊維を更に含有する。前記繊維は、ヤシの繊維束の繊維である。【選択図】なし

Description

本開示は、一般にバイオマス組成物及びバイオマス成形体に関し、より詳細には植物の粉砕物を含有するバイオマス組成物及びその硬化物であるバイオマス成形体に関する。
従来、成形体及び接着剤の原料として使用することができる組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の組成物は、加熱及び加圧により硬化する組成物であり、粉末化又は小片化された植物由来物とポリカルボン酸とを主成分としている。
国際公開第2010/001988号
特許文献1に記載の組成物では、ポリカルボン酸が硬化反応を促進する触媒として機能していると考えられる。耐水性を確保するためには、ある程度の触媒が必要であるが、酸などの触媒の使用量は少ない方が望ましい。
本開示の目的は、従来よりも少ない触媒で、優れた耐水性を有するバイオマス成形体を得ることができるバイオマス組成物及びバイオマス成形体を提供することにある。
本開示の一態様に係るバイオマス組成物は、糖類を含む植物の柔細胞の粉砕物と、多価カルボン酸と、を含有する。
本開示の一態様に係るバイオマス成形体は、前記バイオマス組成物の硬化物である。
本開示によれば、従来よりも少ない触媒で、優れた耐水性を有するバイオマス成形体を得ることができる。
(1)概要
本実施形態に係るバイオマス組成物は、糖類を含む植物の柔細胞の粉砕物と、多価カルボン酸と、を含有する。特に柔細胞を用いることで、従来よりも少ない触媒で、優れた耐水性を有するバイオマス成形体を得ることができる。
(2)詳細
(2.1)バイオマス組成物
本実施形態に係るバイオマス組成物は、糖類を含む植物の柔細胞の粉砕物と、多価カルボン酸と、を含有する。バイオマス組成物は、接着剤として使用可能であり、また成形材料としても使用可能である。すなわち、バイオマス組成物は、接着剤として、複数の部材を接着することができる。さらにバイオマス組成物は、成形材料として、単独で板などを形成したり、他の部材の表面に表層を形成したりすることができる。
以下、バイオマス組成物に含有される必須成分について具体的に説明する。
まず植物について説明する。植物は、木本(いわゆる木)と草本(いわゆる草)とに大別される。以下の説明では、植物が木本であることを前提としているが、草本でもよい。植物は、ヤシ(椰子)が好ましく、ヤシの中でもアブラヤシ及びココヤシが好ましい。ヤシは、他の植物に比べて柔細胞内に糖類を比較的多く含むためである。
ところで、東南アジアではパーム油産業が盛んであるが、ヤシは20〜30年で実の付きが悪くなるため、このような古木をいかに処理するかが問題となっている。それというのも、温室効果ガスの放出を防ぐなどという目的で古木の焼却処分が禁止されており、それに加えてヤシは含水率が高いため、木材としての再利用が難しいからである。このようなことから、伐採されたヤシの古木などをバイオマス組成物の原料として有効利用することができる。
次に植物の柔細胞の粉砕物について説明する。植物の柔細胞の粉砕物は、次のようにして得ることができる。まず植物の幹等を粉砕して圧搾することにより、残渣と搾汁とに分ける。次に残渣を乾燥させて、1次粉砕物を得る。残渣を乾燥させるのは、残渣中の水分を蒸発させるためである。1次粉砕物を得た後、必要に応じて、この1次粉砕物を更に粉砕して、2次粉砕物を得るようにしてもよい。2次粉砕物を構成する小片は、1次粉砕物を構成する小片に比べて平均的に小さくなる。そして、1次粉砕物又は2次粉砕物をふるいにかける。ここで、用いるふるいの公称目開きは、例えば、JIS Z8801−1規格で250μm以上850μm以下の範囲内であり、500μm程度が好ましい。そして、ふるいを通過した第1残渣と、ふるいを通過しなかった第2残渣とに分ける。第1残渣と第2残渣とを比べると、より多くの柔細胞が第1残渣に含まれている。ここで、柔細胞は、植物体の柔組織を構成し、同化、貯蔵、分解及び分泌などの重要な生理作用を営む細胞であり、糖類を含んでいる。柔細胞からなる柔組織は、植物体の皮層、髄、葉肉及び果肉などにみられる。そして、上記の第2残渣に比べて第1残渣により多くの柔細胞が含まれているため、この第1残渣を植物の柔細胞として用いることができる。なお、上記の搾汁には水溶性の糖類が溶解しているので、この搾汁を後述の中間生成物の合成に利用することができる。また上記の第2残渣には、第1残渣に比べてより多くの維管束が含まれているため、後述の繊維として利用することができる。
植物の柔細胞の粉砕物に含まれる糖類は、単糖、二糖及び多糖(オリゴ糖を含む)を意味する。二糖及び多糖は、複数の単糖がグリコシド結合して構成されている。単糖として、例えば、フルクトース、リボース、アラビノース、ラムノース、キシルロース及びデオキシリボースが挙げられる。二糖として、例えば、スクロース、マルトース、トレハロース、ツラノース、ラクツロース、マルツロース、パラチノース、ゲンチオビウロース、メリビウロース、ガラクトスクロース、ルチヌロース及びプランテオビオースが挙げられる。多糖として、例えば、デンプン、アガロース、アルギン酸、グルコマンナン、イヌリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、グリコーゲン及びセルロースが挙げられる。オリゴ糖として、例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖及びスタキオースが挙げられる。糖類は、植物の柔細胞の粉砕物に1種のみ含有されていても2種以上含有されていてもよい。
次に多価カルボン酸について説明する。多価カルボン酸は、複数のカルボキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。多価カルボン酸として、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、セバシン酸、イタコン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸(1,5−ペンタン二酸)、グルタコン酸及びペンテン二酸が挙げられる。多価カルボン酸として、酸無水物も使用できる。
上記に列挙した多価カルボン酸のうち、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、セバシン酸、イタコン酸は、植物を原料として製造されているため、特に好ましい。このように植物を原料としている場合、化石資源の使用が抑制されるため、環境へ負担をかけずにバイオマス組成物を得ることができる。多価カルボン酸は、バイオマス組成物に1種のみ含有されていても2種以上含有されていてもよい。なお、多価カルボン酸は、ポリカルボン酸と同義である。
特に植物の柔細胞を用いることで、触媒として機能する多価カルボン酸の使用量を少量に抑えることができる。具体的には多価カルボン酸の含有量は、バイオマス組成物全量に対して、0.3質量%以上5質量%以下の範囲内でよい。この含有量は、例えば特許文献1に記載の組成物におけるポリカルボン酸の含有量よりも少ない。そのため、バイオマス組成物の硬化物であるバイオマス成形体の、酸による強度低下を抑制したり、酸の溶出による環境悪化を抑制したりすることができる。
そして基本的には、バイオマス組成物は、上述の糖類を含む植物の柔細胞の粉砕物と、多価カルボン酸とを配合することにより得られる。植物の柔細胞の粉砕物も多価カルボン酸も一般に入手しやすいため、低コストでバイオマス組成物を製造することが可能である。
ここで、バイオマス組成物は、加熱処理されると2段階の反応を経て完全に硬化する。すなわち、加熱処理により第1段階の反応(以下「予備反応」という場合がある。)が進行して完了し、更なる加熱処理により第2段階の反応が進行して完了する。バイオマス組成物は、第2段階の反応の完了により硬化物となる。第1段階の反応及び第2段階の反応では、バイオマス組成物の温度は上昇するが、第1段階の反応と第2段階の反応との間では、バイオマス組成物の温度は上昇せず、その温度が一定時間維持される。第1段階の反応と第2段階の反応との間におけるバイオマス組成物は熱可塑性及び水溶性を有している。第2段階の反応に近づくにつれてバイオマス組成物は熱硬化性を有するようになる。接着剤又は成形材料としてのバイオマス組成物は、予備反応前の状態であっても、予備反応後かつ第2段階の反応前の状態であってもよい。
ここで、予備反応後のバイオマス組成物について説明する。予備反応のための加熱処理により、植物の柔細胞の粉砕物に含まれる糖類が加水分解し、加水分解生成物が生成される。さらに加水分解生成物は、脱水縮合して糖変性物の反応生成物が生成される。
例えば、糖類がスクロースの場合、バイオマス組成物は、以下の反応で硬化すると推測される。まず、スクロースが加水分解してグルコースとフルクトースとが生成される。次にフルクトースの脱水反応により、フルフラール(具体的には5−(ヒドロキシメチル)フルフラール)が生成される。糖変性物であるフルフラールは、更なる加熱処理により熱硬化性樹脂であるフラン樹脂となり、多価カルボン酸の存在下で硬化する。一方、グルコースは、脱水縮合反応により糖エステルポリマーとなって硬化する。
本実施形態では、乾燥後の残渣である1次粉砕物をそのまま用いるのではなく、1次粉砕物(又は1次粉砕物の更なる粉砕物である2次粉砕物)から第2残渣を除去して残った第1残渣を用いるようにしている。1次粉砕物と第1残渣とを比べると、第1残渣の方が柔細胞の含有率が高く、したがって糖類の含有率も高くなっている。このように、糖類の含有率が高められているので、触媒効率が高くなり、従来よりも少ない触媒で、優れた耐水性を有するバイオマス成形体を得ることができる。なお、多価カルボン酸は触媒として機能すると考えられるので顕著な変性はなく、そのままの形で残存する。
このように、バイオマス組成物は、加熱処理による予備反応が完了した状態では、糖変性物の反応生成物を含有している。この状態のバイオマス組成物は、熱可塑性及び水溶性を有している。
以下、バイオマス組成物に含有される任意成分について具体的に説明する。この場合、バイオマス組成物は、予備反応の前後のいずれであってもよい。またバイオマス組成物は、任意成分を含有した上で予備反応していてもよい。
バイオマス組成物は、植物の搾汁と多価カルボン酸との中間生成物を更に含有することが好ましい。ここで、中間生成物は、硬化反応の中間段階にある物質である。中間生成物は、いわば予備反応後のバイオマス組成物に似ている。そのため中間生成物も、接着剤として使用可能である。中間生成物は、植物の搾汁に多価カルボン酸を添加し、加熱処理により予備反応させることにより合成することができる。この場合の多価カルボン酸の添加量は、例えば、植物の搾汁中に含まれる糖類100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下の範囲内である。植物の搾汁は、上述のように植物を粉砕して圧搾して得られた搾汁を利用することができる。多価カルボン酸の具体例は、上述と同様である。中間生成物は、予備反応のための加熱処理により水分などが蒸発して固形物となる。この固形物をそのままバイオマス組成物に配合してもよいが、好ましくは固形物を粉砕して粉体としたり、この粉体を水等の溶媒に溶解して水溶液としたりする。これにより、中間生成物をバイオマス組成物に均一に配合しやすくなる。バイオマス組成物が中間生成物を更に含有することで、優れた強度をバイオマス成形体に付与することができる。なお、中間生成物は、接着剤としての機能を有しているので、バイオマス組成物の任意成分として使用するだけでなく、単独でも使用可能である。
バイオマス組成物は、硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムの少なくともいずれかを更に含有することが好ましい。バイオマス組成物を加熱処理すると、硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムは、多価カルボン酸と同様に、糖類の硬化反応の触媒として機能する。これにより、バイオマス成形体に優れた耐水性を付与することができる。
通常、植物の柔細胞の粉砕物中のヒドロキシ基と、多価カルボン酸とのエステル化反応は、比較的ゆっくりと時間をかけて進行する。そこで、触媒として硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムの少なくともいずれかをバイオマス組成物に配合しておくことにより、上記のエステル化の反応時間を短縮することができる。
硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムの少なくともいずれかの含有量(両方含有する場合には合計の含有量)は、バイオマス組成物全量に対して、好ましくは0.3質量%以上5質量%以下の範囲内である。これにより、エステル化の反応時間をより短縮することができる。しかもバイオマス成形体の耐水性を更に向上させることができる。なお、硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムは比較的酸性の弱い塩であるため、バイオマス成形体の強度は維持される。
バイオマス組成物は、繊維を更に含有することが好ましい。これにより、使用する繊維によって、バイオマス成形体の強度を高めたり耐水性を高めたりすることができる。繊維の平均長さは、特に限定されないが、例えば50μm以上5mm以下の範囲内である。繊維の平均径は、特に限定されないが、例えば5μm以上1mm以下の範囲内である。
ここで、繊維は、有機繊維と無機繊維とに大別される。有機繊維の具体例として、上述の第2残渣及び木材チップが挙げられる。木材チップの原料として、例えば、間伐材及び建築解体材が挙げられる。間伐材として、例えば、マツ、スギ及びヒノキなどの針葉樹、並びにラワン、カポール及びポプラなどの広葉樹が挙げられる。建築解体材として、例えば、木質合板、パーティクルボード、中密度繊維板及び配向性ストランドボードが挙げられる。このように繊維は、植物由来繊維であることが好ましい。このような植物由来繊維によって、バイオマス成形体の強度を高めることができる。さらに植物由来繊維は、ヤシの維管束の繊維であることが好ましい。これにより、ヤシの古木などを有効利用することができる。一方、無機繊維の具体例として、ロックウール及びガラス繊維が挙げられる。ロックウールは、天然岩石を溶融又は溶融スラグを溶融して、遠心力などで吹き飛ばして繊維状にした人造鉱物繊維である。
バイオマス組成物は、竹及び籾殻などの農産廃棄物の粉砕物を含有してもよい。
バイオマス組成物は、本実施形態の効果を阻害しない範囲内において、増粘剤及び反応促進剤を含有してもよい。またエステル化反応の触媒として、硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムの少なくともいずれかと、パラトルエンスルホン酸とを併用してもよい。
バイオマス組成物は、有機溶剤、ホルムアルデヒド及び第三級アミンを実質的に含有しないことが好ましい。第三級アミンは分解してホルムアルデヒドを発生し得る。これらの物質は、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)又はその発生源であるため、バイオマス組成物がこれらの物質を実質的に含有しないことにより、環境に配慮することができる。なお、上記の物質を実質的に含有しないとは、環境に悪影響を及ぼさなければ、上記の物質が不純物などとして極微量含有されていてもよいという趣旨である。
(2.2)バイオマス成形体
本実施形態に係るバイオマス成形体は、バイオマス組成物の硬化物である。したがって、バイオマス成形体は、優れた耐水性を有しているので、例えば、建築材、家具、住宅内装などに広く使用することができる。バイオマス成形体は、バイオマス組成物を熱圧成形することにより製造され得る。熱圧成形の成形条件は特に限定されない。成形温度は、例えば140℃以上230℃以下の範囲内である。成形時間は、例えば10秒以上1分以下の範囲内である。成形圧力は、例えば0.5MPa以上4MPa以下の範囲内である。バイオマス成形体の形状は、板状などの単純な形状でもよいし、板状以外の複雑な形状でもよい。
(3)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係るバイオマス組成物は、糖類を含む植物の柔細胞の粉砕物と、多価カルボン酸と、を含有する。
この態様によれば、従来よりも少ない触媒で、優れた耐水性を有するバイオマス成形体を得ることができる。
第2の態様に係るバイオマス組成物は、第1の態様において、前記植物の搾汁と多価カルボン酸との中間生成物を更に含有する。
この態様によれば、優れた強度をバイオマス成形体に付与することができる。
第3の態様に係るバイオマス組成物は、第1又は2の態様において、前記植物が、ヤシである。
この態様によれば、ヤシの古木などを有効利用することができる。
第4の態様に係るバイオマス組成物は、第1〜3のいずれかの態様において、硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムの少なくともいずれかを更に含有する。
この態様によれば、優れた耐水性をバイオマス成形体に付与することができる。
第5の態様に係るバイオマス組成物は、第1〜4のいずれかの態様において、繊維を更に含有する。
この態様によれば、使用する繊維によって、バイオマス成形体の強度を高めたり耐水性を高めたりすることができる。
第6の態様に係るバイオマス組成物は、第5の態様において、前記繊維が、植物由来繊維である。
この態様によれば、バイオマス成形体の強度を高めることができる。
第7の態様に係るバイオマス組成物は、第6の態様において、前記植物由来繊維が、ヤシの維管束の繊維である。
この態様によれば、ヤシの古木などを有効利用することができる。
第8の態様に係るバイオマス成形体は、第1〜7のいずれかの態様に係るバイオマス組成物の硬化物である。
この態様によれば、バイオマス成形体は、優れた耐水性を有しているので、例えば、建築材、家具、住宅内装などに広く使用することができる。
本開示を実施例によって具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されない。
(実施例1〜7)
植物としてヤシ(アブラヤシ)を用いた。まずヤシの幹を粉砕して圧搾することにより、残渣と搾汁とに分けた。次に残渣を乾燥させて1次粉砕物を得た後、1次粉砕物を更に粉砕して2次粉砕物を得た。そして、この2次粉砕物をふるいにかけた。ふるいの公称目開きは、JIS Z8801−1規格で500μmである。ふるいを通過した第1残渣と、ふるいを通過しなかった第2残渣とに分けた。第1残渣及び第2残渣を顕微鏡などで拡大して観察することにより、第1残渣はヤシ柔細胞が主成分であり、第2残渣はヤシ維管束が主成分であることを確認した。搾汁(固形分約10質量%)は、中間生成物である搾汁合成品の製造に使用した。すなわち、まず、搾汁中に含まれる糖類100質量部に対してクエン酸を25質量部添加して、105℃で加熱することにより固形物を得た。次にこの固形物を粉砕して粉体とすることにより搾汁合成品を得た。
木材チップとして針葉樹の粉砕物を用いた。木材チップの平均長さは2mm、平均径は500μmであった。
ロックウール粉砕品として、ロックウールを遊星式撹拌機にて粉砕したものを用いた。ロックウール粉砕品の平均長さは100μm、平均径は5μmであった。
そして、表1に示す配合量で各成分を配合することによって、実施例1〜7のバイオマス組成物を製造した。次にこのバイオマス組成物を表1に示す成形条件で熱圧成形することによって、板状のバイオマス成形体を製造した。
(比較例1〜4)
木材チップとして上記と同様のものを用いた。
バガスとして、サトウキビの砂糖を搾った後の搾りかすを、粉砕機を用いて平均長さ15mm、平均径3mmに粉砕したものを用いた。
そして、表1に示す配合量で各成分を配合することによって、比較例1〜4のバイオマス組成物を製造した。次にこのバイオマス組成物を表1に示す成形条件で熱圧成形することによって、板状のバイオマス成形体を製造した。
<評価>
[成形性]
成形性の評価は、バイオマス成形体の厚さ方向における亀裂の有無を確認することにより行った。
[吸水厚さ膨張率]
耐水性を評価するため、JIS A 5908に準拠して吸水厚さ膨張率試験を行った。
[剥離強さ]
強度を評価するため、JIS A 5908に準拠して剥離強さ試験を行った。
Figure 2019089936
表1から明らかなように、実施例1〜7では多価カルボン酸の含有量が3質量%以下でありながら、吸水厚さ膨張率は15%以下に抑えられている。つまり、少量の触媒で優れた耐水性が得られることが分かる。
これに対して、比較例3、4の結果から、実施例1と同量の触媒では耐水性が悪くなることが分かる。また比較例2の結果から、実施例1よりも触媒の量を多くしても耐水性が悪いことが分かる。さらに比較例1の結果から、実施例1よりも触媒の量を多くし、かつ成形時間を長くして、ようやく実施例1と同程度の性能が得られることが分かる。

Claims (8)

  1. 糖類を含む植物の柔細胞の粉砕物と、多価カルボン酸と、を含有する、
    バイオマス組成物。
  2. 前記植物の搾汁と多価カルボン酸との中間生成物を更に含有する、
    請求項1に記載のバイオマス組成物。
  3. 前記植物は、ヤシである、
    請求項1又は2に記載のバイオマス組成物。
  4. 硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムの少なくともいずれかを更に含有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマス組成物。
  5. 繊維を更に含有する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオマス組成物。
  6. 前記繊維は、植物由来繊維である、
    請求項5に記載のバイオマス組成物。
  7. 前記植物由来繊維は、ヤシの維管束の繊維である、
    請求項6に記載のバイオマス組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のバイオマス組成物の硬化物である、
    バイオマス成形体。
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