JP2019089770A - セリアック病に関連するエピトープ - Google Patents

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Abstract

【課題】セリアック病を予防または治療する方法の提供。【解決手段】(a)特定の配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびに、(b)(a)のペプチドを認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、(a)のアナログ;から選択される少なくとも一つの剤を個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、診断学、治療学、キット、及び前記のものの使用方法を含む、セリアック病の診断及び療法に有用なエピトープに関する。
セリアック病は、食物のグルテンに対する免疫を介した過敏性に起因する。小麦、ライ麦及び大麦、ならびに場合によってはオーツ麦中のグルテンタンパク質は、セリアック病において毒性である。グルテンは、α/β、γ及びωグリアジン、ならびに低分子量及び高分子量(LMW及びHMW)のグルテニン(小麦中)、ホルデイン(大麦中)、セカリン(ライ麦中)及びアベニン(オーツ麦中)から構成される。ホルデイン及びセカリンは、γ及びωグリアジンならびに低分子量及び高分子量グルテニン(小麦中)と相同性である。アベニンは、ホルデイン及びセカリンよりも、系統学的に小麦グルテンから遠い。
セリアック病研究の目的は、グルテン特異的T細胞を刺激するペプチドを定義付けることにより、グルテンの毒性成分を定義付けることである。グルテンエピトープの正確な定義付けにより、新たな診断学、治療学、食物中のグルテン混入検査、及び従来のグルテンのクッキング/ベーキングの質を保持する非毒性穀粒の開発が、可能となる。これらの応用の多くは、グルテン中の最も一般的な毒性ペプチドよりむしろすべての毒性ペプチドを包括的に理解することを必要とする。
HLA−DQ2及び/またはHLA−DQ8をコードする遺伝子は、一般的な白人集団のおよそ35%に比して、セリアック病を有する個体の99%超に存在する。HLA−DQ2またはHLA−DQ8と結合したグルテン由来ペプチド(エピトープ)は、特異的なT細胞を刺激する。HLA−DQ2及びDQ8拘束性エピトープは、ペプチドが結合するHLA−DQ2もしくはDQ8の溝ならびにコグネイトT細胞受容体と直接的に相互作用する、「コア」の9アミノ酸配列を含む。一般には、抗原中のすべてのユニークな10〜12merペプチドを含有する重複ペプチド(通常、15〜20mer)ライブラリが、HLAクラスII拘束性T細胞エピトープをマッピングするために用いられている。
一連のグルテンペプチドは、セリアック病においてグルテン特異的T細胞を活性化することが知られている。先の研究では、選択されたグルテンタンパク質またはグルテン食物から、グルテンペプチドが同定された。腸生検より単離されたT細胞のクローン及び株は、これらのグルテン成分をスクリーニングするために用いられている。
腸組織中に存在する酵素である組織トランスグルタミナーゼ(tTG)によるグルテンの修飾は、グルテン特異的T細胞へのグルテンの刺激能を実質的に増加させる。グルテン特異的T細胞に対する公知のエピトープのほとんどは、tTGによりアミド分解されたグルテンペプチドと一致する。トランスグルタミナーゼは、グルテン中の特定のグルタミン残基の(グルタミン酸への)アミド分解を媒介する。tTGによるアミド分解に感受性のグルタミン含有配列は、概して、モチーフ:QXPXまたはQXX (FYMILVW)に一致する(Vader
W.ら、2002年、J. Exp. Med. 195:643-649、PCT WO 03/066079、及びFleckenstein B.、2002年、J Biol Chem 277:34109-16を参照されたい)。HLA−DQ2と結合し、かつtTGによるアミド分解に感受性のペプチドに関するモチーフは、特定のグルテンエピトープを予測するために用いられている(Vaderら、J Exp Med、2002年、J. Exp. Med. 195:643-649、PCT WO 03/066079)。
しかしながら、他のグループは、グルテン特異的な腸のT細胞クローン及び株に対するエピトープを、11個の組換えα/β(11)及び5個のγグリアジンのパネル(Arentz-Hansen H.、2000年、J. Exp. Med. 191:603-612、Arentz-Hansen H.、2002年、Gastroen
terology 123:803-809、PCT WO 02/083722)、ならびに精製グルテンタンパク質のライセート(Sjostrom H.ら、1998年、Scand. J. Immunol. 48,111-115;van de Wal, Y.ら、1998年、J. Immunol. 161(4):1585-1588;van de Wal, Y.ら、1999年、Eur. J. Immunol. 29:3133-3139;Vader W.ら、2002年、Gastroenterology 122:1729-1737)を用いて、同定
した。
我々の研究は、in vivoにおけるグルテン攻撃(challenge)が、腸管ホーミングのためのインテグリン(α4β7)を発現している末梢血においてHLA−DQ2拘束性CD4+グルテン特異的T細胞を誘導するとの観測を、引き出した。この技術は、A−グリアジンにおけるドミナントエピトープのマッピングを可能にした(Anderson, RPら、2000年、Nat. Med. 6:337-342、WO 01/25793)。A−グリアジン57−73 QE65は、腸T細胞クローンを用いて同定された二つの重複エピトープと一致する(Arentz-Hansen H.ら、2000年、J. Exp. Med. 191:603-612、Arentz-Hansen H.ら、2002年、Gastroenterology 123:803-809)。グルテン特異的T細胞を誘導するためのin vivoにおけるグルテン攻撃の利点は、いかなる食物も消費されることが可能であって、そして結果として血中にて誘導されるT細胞(単純な一晩のインターフェロンγELISPOTアッセイを用いて、末梢血中にて定量)が、合成もしくは精製抗原によりin vitroで抗原刺激されるよりもむしろ、内因的に提示されたエピトープによりin vivoで刺激されているであろうということである。新鮮ポリクローナル末梢血T細胞の一晩アッセイはまた、T細胞クローンの長期にわたる精製に伴う人為産物の可能性を避ける。
興味深いことに、いくつかのγ−グリアジンエピトープ(Arentz-Hansen H.、2002年、Gastroenterology 123:803-809、PCT WO 02/083722)に特異的なT細胞クローン及び株は、最初に定義されたA−グリアジンエピトープ57−73 QE65と交差反応する。
α/βグリアジン内で実質的な相同性があるにもかかわらず、初期の研究(WO 03/104273を参照されたい)は、HLA−DQ2に関連するセリアック病において認識されるドミナントエピトープである「A−グリアジン57−73 QE65」がGenbankに存在する少数のα/βグリアジンによりコードされることを、示している。
発明の概要
現在の研究は、グルテン中のすべてのT細胞エピトープのマッピングを可能にするであろう方法を開発するために開始された。小麦パン(1日200gを3日間)またはオーツ麦(1日100gを3日間)の消費を、末梢血においてグルテンもしくはアベニン特異的T細胞を誘導するために用いた。末梢血単核球(PBMC)を、小麦グルテン及び/またはオーツ麦アベニンに関するすべてのGenbank登録に含まれるすべてのユニークな12mer配列を含むグルテン及びアベニンペプチドライブラリを用いた一晩のインターフェロンγ ELISPOTアッセイにて、評価した。本目的を、Genbankにおけるグルテンタンパク質中のすべての潜在的なエピトープに及ぶペプチド(2922個の20merは、すべての14964個のユニークな9merの潜在的なT細胞エピトープを含んだ)を設計するためのアルゴリズムを確立し、インターフェロン−γ ELISPOTアッセイを、一個体の血液を用いて1000個を超えるペプチドをスクリーニング可能なハイスループットアッセイに適合させ、そして得られたデータを解析及び解釈するためのバイオインフォマティクスツールを開発することにより、成し遂げた。
小麦グルテンペプチドの一連の41個の「スーパーファミリー」を、推定T細胞エピトープとして同定した。スーパーファミリーは、限られたレベルの重複性が可能とされるモチーフを共有した。最も強力なファミリーの多くには、先に記載したドミナントエピトープA−グリアジン57−73を含む公知のT細胞エピトープが、含まれる。
グルテン攻撃後のPBMCを用いたグルテンエピトープの包括的なマッピングにより、本発明者は、HLA−DQ2及びHLA−DQ8に関連するセリアック病に対する一連の新規グリアジン、LMW及びHMWグルテニンならびにアベニンのエピトープを発見した。新規エピトープは、HLA−DQ2及びHLA−DQ8に関連するセリアック病に関して同定された。HLA−DQ2とHLA−DQ8に関連するセリアック病は、認識されるT細胞エピトープの範囲の点で、遺伝的かつ機能的に相異なる。加えて、オーツ麦のエピトープが初めて定義付けられたとき、オーツ麦のアベニンタンパク質中に存在する三つのペプチドは、HLA−DQ2+セリアック被験者におけるオーツ麦攻撃後に、末梢血単核球(PBMC)もまた活性化した。in vivoでのオーツ麦攻撃後にT細胞により認識されるアベニンペプチドの同定は、オーツ麦攻撃後に観察されるセリアックの時折の再発の分子的根拠を提供し(Lundin KEAら、2003年、Gut 52:1649-52)、そして予測診断的または遺伝学的なオーツ麦の無毒化の根拠を提供しうる。
本明細書に示されるデータは、セリアック病における一般的な「ドミナント」T細胞エピトープと時折の「弱い」T細胞エピトープの双方の定義の包括的な根拠を提供するであろう。本情報は、診断学、食物検査、免疫治療学及び予防学などの機能的応用の、ならびに修飾された穀粒において有用な非毒性グルテンタンパク質設計の、基盤である。
具体的には、グルテンT細胞エピトープの包括的なマッピングにより、本発明者は、HLA−DQ2+患者のセリアック病において生物活性のエピトープを、類似したコア配列(例えば、配列番号1〜199)及び類似した延長配列(例えば、配列番号:200〜1554、1555〜1655、1656〜1671及び1830〜1903)を有する小麦グリアジン及びグルテニン中に発見した。本発明者はまた、HLA−DQ2+患者のセリアック病において生物活性のエピトープを、類似したコア配列(例えば、配列番号1684〜1695)及び類似した延長配列(例えば、配列番号:1672〜1683、1696〜1698及び1764〜1768)を有するオーツ麦アベニン;ライ麦セカリン(配列番号1769〜1786);及び大麦ホルデイン(配列番号1787〜1829)中に発見した。加えて、HLA−DQ8+患者のセリアック病において生物活性のエピトープが、類似したコア配列(例えば、配列番号1699〜1721)及び類似した延長配列(例えば、配列番号:1722〜1763及び1908〜1927)を有する小麦グリアジン中に同定された。このように、この包括的なマッピングは、セリアック患者のT細胞により認識されるドミナントエピトープを提供する。このように、本明細書に記載される本発明の方法を、これらの同定されたエピトープ、ならびにそのアナログ(analogues)及び同等物(equivalents)のいずれかを用いて行ってもよい。すなわち、本発明の剤は、これらのエピトープを含む。加えて、エピトープの組み合わせ、すなわち「コンビトープ」、または2もしくはそれより多くのエピトープを含んでなる単一ペプチドは、個々のエピトープとして同等の応答を誘導することが示されており、いくつかのエピトープを本発明の治療学的、診断学的及びその他の使用のために利用してもよいことを示している。このようなコンビトープは、例えば配列番号1906などの形態であってもよい。好ましくは、本発明の剤には、配列番号:1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927に列挙掲載した配列を有するエピトープ、ならびに本明細書に定義されるようなその類似物及び同等物の、1またはそれより多くが、含まれる。
HLA−DQ8+患者のセリアック病において生物活性である好ましい剤は、アミド分解に対する感受性を示唆する配列中に、アミド分解に対して同様に感受性の第二のグルタミンと7個の残基により分離されているグルタミンを有し(例えば、QGSFQPSQQに見つけられるように)、ここで、tTGによるアミド分解後に、アミド分解された配列
はHLA−DQ8に対して高親和性の結合体である(HLA−DQ8に対する結合モチーフは、1位及び9位がグルタミン酸であることが好ましい)。より好ましくない実施態様において、剤は、アミド分解に対して感受性であるが、ただしtTGを介したアミド分解に対して感受性の第二のグルタミンと7個の残基により分離されていないグルタミン残基を、有する。
このように、本発明は、以下の工程を含んでなる、個体においてセリアック病、またはセリアック病に対する感受性を診断する方法を、提供する:(a) 宿主から得た試料を、(i) 配列番号1〜1927から選択される、好ましくは配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927から選択されるアミノ酸配列、または自然発生グルテンタンパク質由来の同等配列を含んでなる、エピトープ、(ii) (i)を認識するT細胞受容体により認識されることが可能な(i)のアナログ、あるいは(iii) (i)または(ii)にて定義されるような2またはそれより多くの剤を含んでなる産物(product):から選択される剤と接触させること;ならびに、(b) 該試料中のT細胞が該剤を認識するかどうかを、in vitroで判定すること、ここで、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す。
「グルテンタンパク質」の語は、α/β、γ及びωグリアジン、ならびに低分子量及び高分子量(LMW及びHMW)のグルテニン(小麦中)、ホルデイン(大麦中)、セカリン(ライ麦中)及びアベニン(オーツ麦中)を包含する。本発明は、具体的には、グリアジン及びアベニンに関する。
本発明はまた、個体においてセリアック病、またはセリアック病に対する感受性を診断する方法であって、個体のT細胞が該剤を認識するかどうかを判定すること、ここで、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す、を含んでなる前記方法における使用のための、診断手段の調製のための剤の使用を提供する。
トランスグルタミナーゼによって修飾されるエピトープの発見はまた、これらのエピトープに対する他のタイプの免疫応答が存在するかどうかの判定に基づいたセリアック病の診断も可能にする。このように、本発明はまた、個体におけるセリアック病、またはセリアック病に対する感受性の診断方法であって、個体から得た試料中におけるエピトープと結合する抗体の存在を判定すること、ここで、抗体の存在は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す、を含んでなる上記方法も、提供する。
本発明は、組成物がセリアック病を引き起こすことが可能かどうかを判定する方法であって、トランスグルタミナーゼによって上記に定義されるようなオリゴペプチド配列へと修飾されることが可能なタンパク質が組成物中に存在するかどうかを判定すること、ここで、タンパク質の存在は、該組成物がセリアック病を引き起こすことが可能なことを示す、を含んでなる上記方法を、提供する。
本発明はまた変異グルテンタンパク質であって、その野生型配列はトランスグルタミナーゼによって上記に定義されるような配列を含んでなるエピトープを含んでなる配列へと修飾されることが可能であるが、しかし、その変異グルテンタンパク質は、このようなエピトープを含んでなる配列へと、トランスグルタミナーゼによって修飾されることが可能な配列を、含有しないように修飾されている、前記変異グルテン蛋白質を提供する;あるいは、このような変異グルテンタンパク質のフラグメントであって、少なくとも7アミノ酸長(例えば、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長)であって、かつ前記のように修飾されている配列を含んでなる、前記フラグメントを提供する。
本発明はまた、T細胞受容体と結合可能な配列を含有するタンパク質であって、T細胞受容体が剤を認識し、かつ配列がこのようなT細胞受容体を保有するT細胞のアンタゴニズムを引き起こすことが可能な上記タンパク質も、提供する。
加えて、本発明は、上記に定義されるタンパク質を含んでなる食物を、提供する。
加えて、本発明は、キャリアーと会合していてもよい剤であって、当該剤を認識するT細胞を寛容化することによりセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記剤を提供する。同様に提供されるのは、(i)を認識するT細胞受容体を有する、キャリアーと会合していてもよいT細胞のアンタゴニストであって、そのようなT細胞をアンタゴナイズすることによりセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記アンタゴニストである。加えて提供されるのは、剤と結合する抗体と、結合する剤またはアナログであって、個体を寛容化してこのような抗体の産生を防ぐことにより、個体においてセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記剤又はアナログである。
本発明はまた、以下から選択される少なくとも一つの剤を個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法も、提供する:a) 配列番号1〜1927からなる群、好ましくは配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物(equivalents);ならびに、b) a)のペプチドを認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、a)のアナログ。いくつかの実施態様では、剤は、HLA−DQ2拘束性、HLA−DQ8拘束性であるか、あるいは一つの剤がHLA−DQ2拘束性で、そして第二の剤がHLA−DQ8拘束性である。いくつかの実施態様では、剤は、小麦エピトープ、オーツ麦エピトープ、ライ麦エピトープ、大麦エピトープ、あるいは単一の剤または複数の剤としてのその任意の組み合わせを、含んでなる。
本発明はまた、上述のような剤及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物を個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法も、提供する。
本発明はまた、上記に定義されるようなT細胞受容体を有するT細胞のアンタゴニスト、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物を個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法も、提供する。
本発明はまた、セリアック病を予防または治療する方法であって、グルテンタンパク質に対して個体を寛容化するための組成物を個体に投与して、T細胞の産生または上記に定義されるような剤に対する抗体応答を抑制することを含んでなる、ここにおいて、上記に定義されるような剤を含んでなる、前記方法も提供する。
本発明はまた、1) a)宿主から得た試料を、i) 配列番号1〜1927からなる群より選択される配列、好ましくは配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、
1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびにii) i)を認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、i)のアナログ;から選択される少なくとも一つの剤と接触させ;そして、試料中のT細胞が剤を認識するかどうかをin vitroで判定すること;ここで、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す;あるいは、b) 上記に定義されるような剤を投与し、そして個体のT細胞が剤を認識するかどうかをin vivoにて判定すること、ここで、剤の認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す;のいずれかにより、個体においてセリアック病を診断すること;ならびに、2) セリアック病を有するかまたはそれに感受性であると診断された個体に、セリアック病を予防または治療するための治療剤を投与すること;によってセリアック病を予防または治療する方法も、提供する。
本発明はまた、キャリアーと会合していてもよい上記に定義されるような剤であって、剤を認識するT細胞を寛容化することによりセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記剤も提供する。
本発明はまた、上記に定義されるようなT細胞受容体を有するT細胞の、キャリアーと会合していてもよいアンタゴニストであって、このようなT細胞をアンタゴナイズすることによりセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記アンタゴニスト、も提供する。
本発明はまた、T細胞受容体と結合可能な配列を含んでなるタンパク質であって、T細胞受容体が上記に定義されるような剤を認識し、そしてその配列がこのようなT細胞受容体を保有するT細胞のアンタゴニズムを引き起こすことが可能な上記タンパク質も、提供する。
本発明はまた、定義されるような剤またはアンタゴニスト、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物も、提供する。
本発明はまた、グルテンタンパク質に対して個体を寛容化して、T細胞の産生または上記に定義されるような剤に対する抗体応答を抑制するための、上記に定義されるような剤を含んでなる組成物も、提供する。
本発明はまた、上記に定義されるような剤に対するT細胞応答をアンタゴナイズするための、上記に定義されるようなアンタゴニストを含んでなる組成物も、提供する。
本発明はまた、変異グルテンタンパク質であって、その野生型配列がトランスグルタミナーゼによって上記に定義されるような剤である配列へと修飾されることが可能であり、変異グルテンタンパク質は、上記に定義されるような剤である配列へのトランスグルタミナーゼによるその修飾を防ぐ変異を含んでなる、変異グルテンタンパク質も提供する;あるいは、このような変異グルテンタンパク質のフラグメントであって、少なくとも7アミノ酸長(例えば、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長)であって、かつ変異を含んでなる、前記フラグメントを提供する。
本発明はまた、上記に定義されるようなタンパク質またはフラグメントをコードするコード配列を含んでなるポリヌクレオチドも、提供する。
本発明はまた、上記に定義されるようなポリヌクレオチドを含んでなる細胞、またはこのようなポリヌクレオチドで形質転換されている細胞も、提供する。
本発明はまた、上記に定義されるようなT細胞受容体を発現する哺乳動物も、提供する。
本発明はまた、a) 宿主から得た試料を、i) 配列番号1〜1927からなる群より選択される、好ましくは配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびにii) i)を認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、i)のアナログ;から選択される少なくとも一つの剤と接触させること;ならびに、b) 該試料中のT細胞が剤を認識するかどうかを、in vitroで判定すること;ここで、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す;を含んでなる、個体においてセリアック病またはセリアック病に対する感受性を診断する方法も、提供する。
本発明はまた、組成物がセリアック病を引き起こすことが可能かどうかを判定する方法であって、トランスグルタミナーゼによってオリゴペプチド配列へと修飾されることが可能なタンパク質が組成物中に存在するかどうかを判定すること、ここで、タンパク質の存在は、該組成物がセリアック病を引き起こすことが可能なことを示す、を含んでなる上記方法も、提供する。
本発明はまた、上記に定義されるような剤を認識する、T細胞のアンタゴニストを同定する方法であって、候補の基質をT細胞と接触させ、そして該物質がT細胞の抗原特異的応答を起こす能の減少を引き起こすかどうかを検出すること、ここで、(前記能力の任意のこのような減少の検出は、該物質がアンタゴニストであることを示す、を含んでなる上記方法も、提供する。
本発明はまた、上記に定義されるような剤、及びT細胞によるペプチドの認識を検出する手段を含んでなる、上述の方法のいずれかを実行するためのキットも、提供する。
本発明はまた、セリアック病治療剤である産物を同定する方法であって、候補の基質を、セリアック病を有するかまたはそれに感受性である上記に定義されるような哺乳動物に投与し、そして該物質が哺乳動物においてセリアック病を予防または治療するかどうかを判定すること、ここで、セリアック病の予防または治療は、該物質が治療用産物であることを示す、を含んでなる上記方法も、提供する。
本発明はまた、a) 上述の細胞を、タンパク質の発現を可能とする条件下で培養すること;及び、所望により、b) 発現したタンパク質を回収すること;を含んでなる、上記に定義されるようなコード配列によりコードされるタンパク質の産生のためのプロセスも、提供する。
本発明はまた、植物細胞を上述のようなベクターで形質転換してトランスジェニック植物細胞を得ることを含んでなる、トランスジェニック植物細胞を得る方法も、提供する。
本発明はまた、上述のようなベクターで形質転換されたトランスジェニック植物細胞を再生してトランスジェニック植物を得ることを含んでなる、第一世代トランスジェニック植物を得る方法も、提供する。
本発明はまた、上述のように得ることが可能なトランスジェニック植物からトランスジェニック種子を得ることを含んでなる、トランスジェニック植物種子を得る方法も、提供する。
本発明はまた、トランスジェニック後代植物を得る方法であって、上述のような方法により得ることが可能な第一世代トランスジェニック植物から、第二世代のトランスジェニック後代植物を得て、そして所望により、このように得られた第二世代の後代植物から1またはそれより多くのさらなる世代のトランスジェニック植物を得ることを含んでなる上記方法も、提供する。
本発明はまた、上述の方法のいずれかによって得ることが可能なトランスジェニック植物細胞、植物、植物種子または後代植物も、提供する。
本発明はまた、上述のような植物細胞を含んでなるトランスジェニック植物または植物種子も、提供する。
本発明はまた、上記に定義されるようなトランスジェニック植物細胞、第一世代植物、植物種子または後代から得ることが可能な上述のような植物細胞を含んでなる、トランスジェニック植物細胞カルスも、提供する。
本発明はまた、上述の任意の方法にしたがって植物から穀物を収穫し、そして所望により収穫された産物をさらに加工することを含んでなる、穀物を得る方法も、提供する。
本発明はまた、上記に定義されるようなタンパク質を含んでなる食物も提供する。
発明の詳細な説明
「セリアック病」の語は、扁平な小腸粘膜(肥厚性の絨毛萎縮)により特徴付けられる重度の形態、及びより軽度の症状により特徴付けられる他の形態を含む、様々な程度のグルテン感受性により引き起こされる状態のスペクトラムを、包含する。
(診断または療法の文脈における)上記の個体は、ヒトである。彼らは、(症候性または無症候性の)セリアック病を有するか、またはそれを有する疑いがあってもよい。彼らは、グルテンを含まない食事を取っていてもよい。彼らは、急性期の応答中であってもよい(例えば、彼らはセリアック病を有してもよいが、ただし、14〜28日間グルテンを含まない食事を取る直前の24時間にのみ、グルテンを摂取してもよい)。
個体は、(例えば、セリアック病を有する親族を持つか、またはセリアック病に対する素因に起因する遺伝子を有する個体により決定される)遺伝学的感受性など、セリアック病に対して感受性であってもよい。
剤(aegent)
剤は、典型的には、10〜40、12〜35または15〜30アミノ酸長などの、例えば7〜50アミノ酸長のペプチドである。
剤は、配列番号1〜1927のいずれかにより表されるペプチド、または配列番号1〜1927のいずれかを含んでなる配列を含んでなる、グルテンタンパク質由来の単離オリゴペプチドであるエピトープ;あるいは、自然発生グルテンタンパク質由来のこれらの配列の同等物であってもよい。本発明のさらなる一連の実施態様において、剤は、オーツ麦グルテンの任意のペプチドエピトープである(例えば、アベニンの任意のT細胞エピトープ)。
好ましくは、剤は、配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927のいずれかにより表されるペプチドであるか、または配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927のいずれかを含んでなる配列を含んでなる、グルテンタンパク質由来の単離オリゴペプチドであるエピトープ;あるいは、自然発生グルテンタンパク質由来のこれらの配列の同等物である。
このように、エピトープは、具体的には小麦もしくはオーツ麦グルテン由来の、自然発生グルテンタンパク質の誘導体であってもよい。このような誘導体は、典型的には、グルテンタンパク質のフラグメント、あるいは全タンパク質またはフラグメントの変異誘導体である。したがって、本発明のエピトープは、自然発生全グルテンタンパク質を含まず、かつ他の全自然発生グルテンタンパク質を含まない。
典型的には、このようなフラグメントは、少なくとも7アミノ酸長(例えば、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長)であろう。
典型的には、このようなフラグメントは、それらが由来する剤がセリアック病患者から得た試料を用いた本明細書に記載されるアッセイのいずれかにおいて認識されるのと少なくとも同程度に、T細胞によって認識されるであろう。
剤は、配列番号1〜1927のいずれかにより表されるペプチド、好ましくは、配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927のいずれかにより表されるペプチドであってもよく、あるいは、配列番号1〜1927のいずれかに一致する配列を含んでなるタンパク質、好ましくは、配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927からのいずれかに一致する配列を含んでなるタンパク質であってもよい(例えば、グルテンタンパク質をトランスグルタミナーゼで処理した後の、配列番号1〜1927のいずれか、ならびに好ましくは配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927からのいずれかを含んでなるグルテンタンパク質のフラグメントなど)。このような配列の生物活性フラグメントもまた、本発明の剤である。典型的には、このようなフラグメントは、少なくとも7アミノ酸長(例えば、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長)であろう。配列番号1〜1927のいずれかと同等の配列、またはこれらの配列のアナログもまた、本発明の剤である。
エピトープが、別のグルテンタンパク質(例えば、本明細書に記述されるグルテンタンパク質のいずれか、またはセリアック病を引き起こす任意のグルテンタンパク質)に由来する上記のエピトープ(フラグメントを含む)と同等の配列を含んでなる場合、このような同等配列は、トランスグルタミナーゼで典型的に(部分または完全)処理されるグルテンタンパク質のフラグメントに対応するであろう。このような同等のペプチドは、他のグルテンタンパク質の配列を、元のエピトープが由来するグルテンタンパク質と配列比較することにより、例えば、本明細書に記述されるプログラムのいずれかを用いて、判定されることが可能である。トランスグルタミナーゼは、市販されている(例えば、シグマT−5398)。
アナログである剤は、(i)を認識するTCRによって認識されることが可能である。したがって、一般には、アナログを(i)の存在下で(典型的には、抗原提示細胞(APC)(本明細書に記述されるAPCのいずれかなど)の存在下でも)T細胞に加える場合に、アナログは(i)の認識を阻害する、すなわち、アナログはこのような系において(i)と競合することが可能である。
アナログは、(i)を認識するTCRと結合可能なものであってもよい。このような結合を、標準的な技術により試験することが可能である。このようなTCRを、(i)を認識することが示されているT細胞から、(例えば、本発明の方法を用いて)単離することが可能である。次いで、アナログのTCRへの結合の実証を、TCRがアナログのアナログと結合する物質、例えば、アナログに対する抗体、への結合を阻害するかどうかを測定することにより、示すことが可能である。典型的には、結合アッセイのこのような阻害において、アナログを、クラスII MHC分子(例えば、HLA−DQ2)と結合させる。
典型的には、アナログは、(i)のTCRへの結合を阻害する。この場合、アナログの存在下でTCRと結合することが可能な(i)の量は、減少する。これは、アナログがTCRと結合可能であり、そしてそれゆえにTCRへの結合に関して(i)と競合するためである。
上記の結合実験における使用のためのT細胞を、例えば本発明の方法を用いて、セリアック病を有する患者から単離することが可能である。アナログの他の結合特徴は、(i)と同じであってもよく、したがって典型的にはアナログは、ペプチドが結合する同じMHCクラスII分子(HLA−DQ2または−DQ8)と結合する。アナログは、典型的には、(i)に特異的な抗体と結合し、したがって(i)のこのような抗体への結合を阻害する。
該アナログは、典型的にはペプチドである。これは、例えば、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15またはそれより多くの連続的なアミノ酸の領域にわたって(アナログの全長及び/または(i)など、あるいはTCRと接触するかまたはMHC分子と結合する領域にわたって)、(i)との相同性、典型的には少なくとも70%の相同性、好ましくは少なくとも80、90%、95%、97%または99%の(i)との相同性を有してもよい。タンパク質の相同性を測定する方法は、当該技術分野において周知であり、そして、本文脈において、相同性がアミノ酸の一致(時には、「完全相同性」と称される)に基づき算出されることが、当業者により理解されるであろう。
例えば、UWGCGパッケージは、相同性を算出するのに用いられることが可能なBESTFITプログラム(例えば、そのデフォルト設定で用いられる)を提供する(Devereuxら(1984年)Nucleic Acids Research 12、387〜395頁)。PILEUP及びBLASTアルゴリズムを、例えばAltschul S. F.(1993年)J Mol Evol 36:290-300;Altschul, S, Fら(1990年)J Mol Biol 215:403-10に記載されるように、相同性を算出するかまたは配列比較を行うために(典型的には、そのデフォルト設定で)用いることが可能である。
BLAST解析を行うためのソフトウエアは、例えば「www.ncbi.nlm.nih.gov/」など
のインターネットを介したワールドワイドウェブ上で、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Inion)を介して公的に利用可能である。こ
のアルゴリズムは、データベース配列における同じ長さの語と配列比較した場合に、いくつかのプラス値の閾値スコアTと一致するかまたはこれを満たすクエリー配列における長さWの短い語を同定することにより、高スコアの配列対(HSP)をまず同定することを
、伴う。Tは、近隣語(neighbourhood word)スコア閾値と称される(Altschulら、同上)。これらの初期の近隣語のヒットは、それらを含有するHSPを見つけるための探索を開始するための源として働く。該語のヒットは、累積の配列比較スコアが増加可能である限り、各配列で両方向に伸長する。各方向における該語のヒットの伸長は、累積の配列比較スコアが、量Xによりその最大到達値から下落する場合;累積スコアが、1またはそれより多くのマイナススコア残基の配列比較の蓄積により、0またはそれより下となる場合;あるいは、いずれかの配列の末端に達する場合に、停止する。BLASTアルゴリズムのパラメータであるW、T及びXは、配列比較の感度及び速度を決定する。BLASTプログラムは、語の長さ(W)を11、BLOSUM62スコアマトリックス(Henikoff及びHenikoff(1992年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 10915-10919を参照されたい)の配列比較(B)を50、期待(E)を10、M=5、N=4、及び両鎖の比較を、デフォルトとして用いる。
BLASTアルゴリズムは、二つの配列間の類似性の統計学的解析を行う;例えば、Karlin及びAltschul(1993年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5787を参照されたい。BLASTアルゴリズムにより供される類似性のある基準は、smallest sum probability(P(N))により供され、これは、二つのヌクレオチドもしくはアミノ酸配列間での一致が偶然起こるであろう確率の指標を供する。例えば、第一配列と第二配列との比較におけるsmallest sum probabilityが約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、そして最も好ましくは約0.001未満であるならば、配列は、別の配列と類似すると考えられる。
相同性のペプチドアナログは、典型的には(i)と、1、2、3、4、5、6、7、8またはそれより多くの変異(置換、欠失または挿入であってもよい)により異なる。これらの変異を、相同性の算出に関して、上記の領域のいずれかにわたって測定してもよい。置換は、好ましくは「保存的」である。これらは、以下の表にしたがって定義される。第二列の同じブロックの、好ましくは第三列の同じ行のアミノ酸を、互いに置換してもよい:
Figure 2019089770
典型的には、MHC分子との結合に寄与するか、またはTCRによる認識に関与する(i)中のアミノ酸と同等の位置にあるアナログ中のアミノ酸は、同じか、または保存的である。
典型的には、アナログペプチドは1またはそれより多くの修飾を含んでなり、これは天
然の翻訳後修飾であっても、または人為的な修飾であってもよい。修飾は、アミノ、アセチル、ヒドロキシもしくはハロゲン(例えば、フッ素)基または炭水化物基などの化学的部分を、(典型的には、例えばC−H結合などの水素の置換により)供してもよい。典型的には、修飾は、NまたはC末端に存在する。
アナログは、1またはそれより多くの天然でないアミノ酸(例えば、天然アミノ酸と側鎖が異なるアミノ酸)を含んでなってもよい。一般に、天然でないアミノ酸は、N末端及び/またはC末端にあるであろう。天然でないアミノ酸は、L−またはD−アミノ酸であってもよい。
アナログは、典型的には、(i)と実質的に類似する形、サイズ、可動性または電気的立体配置を有する。これは、典型的には、(i)の誘導体である。一実施態様において、アナログは、配列番号1〜1927のいずれかの配列とグルテンでない配列とを含んでなる融合タンパク質である。好ましくは、本実施態様にしたがったアナログは、配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、1764〜1768、1769〜1786、1787〜1829、1895〜1903、1906、及び1908〜1927のいずれかとグルテンでない配列とを含んでなる、融合タンパク質である。
一実施態様において、アナログは、MHCクラスII分子と結合している(i)であるか、またはそれを模倣している。このような複合体の2、3、4またはそれより多くが、例えばビオチン/ストレプトアビジンに基づく系を用いて、互いに会合または結合してもよく、典型的には、2、3または4個のビオチン標識MHC分子がストレプトアビジン部分と結合する。このアナログは、典型的には、(i)/MHCクラスII複合体の、該複合体に特異的なTCRまたは抗体への結合を、阻害する。
アナログは、典型的には、FabもしくはF(ab’)フラグメントなどの、抗体または抗体フラグメントである。アナログは、固体担体上に固定化されてもよく、具体的には、MHC分子と結合しているペプチドを模倣するアナログであってもよい。
アナログを、典型的には、コンピュータ手段により設計し、次いで、当該技術分野において公知の方法を用いて合成する。あるいは、アナログを、化合物のライブラリから選択することが可能である。ライブラリは、コンビナトリアルライブラリであっても、またはファージディスプレイライブラリなどのディスプレイライブラリであってもよい。化合物のライブラリを、HLA−DQ2または−DQ8などのMHCクラスII分子と結合している形態で、ディスプレイライブラリにおいて発現させてもよい。アナログを、一般には、結合特徴(i)を模倣するその能に基づいたライブラリから選択する。このように、これらを、(i)を認識するTCRまたは抗体との結合能に基づいて選択してもよい。
典型的には、アナログは、典型的にはセリアック病患者由来のT細胞を用いて、剤(i)のいずれかと少なくとも同程度に、例えば、同等のエピトープが本明細書に記載されるアッセイのいずれかにおいて認識されるのと少なくとも同程度に、T細胞により認識されるであろう。アナログは、in vivoにてこのような程度に認識されてもよく、したがって本明細書に記述される剤のいずれかと少なくとも同程度に、例えば、ヒト患者または動物モデルにおいて、セリアック病の症状を誘導することが可能であってもよい。
アナログを、候補の物質が本発明のエピトープを認識するT細胞受容体により認識されるかどうかを判定すること、ここにおいて、物質の認識は、該物質がアナログであることを示す、を含んでなる方法にて、同定してもよい。このようなTCRは本明細書に記述さ
れるTCRのいずれであってもよく、かつT細胞上に存在してもよい。本明細書に記述される任意の適切なアッセイを用いて、アナログを同定することが可能である。一実施態様において、この方法をin vivoにて行う。上記のように、好ましいアナログは、同等のエピトープと少なくとも同程度に認識され、そこで、該方法を用いて、このような程度に認識されるアナログを同定してもよい。
一実施態様において、該方法は、候補の物質が本発明のエピトープの認識を阻害可能かどうかを判定すること、ここにおいて、認識の阻害は、該物質がアナログであることを示す、を含んでなる。
剤は、(i)または(ii)により定義されるような少なくとも2、5、10または20個の剤を含んでなる産物であってもよい。典型的には、該組成物は、任意の種、変種または型の本明細書に記述されるグルテンタンパク質などの、異なるグルテンタンパク質に由来する本発明のエピトープ(または同等のアナログ)を含んでなる。好ましい組成物は、本明細書に記載される任意の種または変種に存在するすべてのグルテンに由来する、あるいは本明細書に記述される2、3、4またはそれより多くの種に由来する(小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦またはライ小麦からなる種のパネルに由来するなど)、本発明の少なくとも一つのエピトープまたは同等のアナログを、含んでなる。このように、剤は、一価であっても、または多価であってもよい。
本発明の特定の実施態様によると、剤は、WO 02/083722及び/もしくはWO 01/25793及
び/もしくはWO03/104273において開示されているか、かつ/または配列番号1555〜
1577、1580〜1581、1584〜1586、1594〜1599、1621〜1622のいずれかに列挙されている配列を有していないか、またはそれに基づいておらず、かつ/あるいはA−グリアジン由来の剤(この配列を、図10に示す)ではない。
配列番号1〜1927のうち、好ましいサブセットは、配列番号1〜1763である。配列番号1764〜1927内で、好ましいサブセットは:(a) オーツ麦配列1764〜1768、(b) ライ麦配列1769〜1786、(c) 大麦配列1787〜1829、(d) 小麦配列1895〜1903、(e) 小麦DQ8配列1908〜1927、及び(f) コンビトープ配列1906である。他の好ましいサブセットは:(a) 1764〜1768、(b) 1769〜1773、(c) 1774〜1786、(d) 1787〜1792、(e) 1793〜1829、(f) 1830〜1894、(g) 1895〜1903、(h) 1830〜1903、(i) 1904〜1906、(j) 1908〜1916、(k) 1917〜1927、ならびに(l) 1908〜1913、1915〜1923及び1925〜1927である。
配列番号1578〜1579、1582〜1583、1587〜1593、1600〜1620、1623〜1655、1656〜1671、1672〜1698、1699〜1763、及び1764〜1927のうち、特に好ましい小麦エピトープは、配列番号1656〜1671、1830〜1903、及び1907〜1927である。
配列番号1830〜1894(表1)のうち、いくつかの配列は、N末端及びC末端にグリシンを有する。本発明は、C末端グリシン及び/またはN末端グリシンを除外したこれらの配列にまで及ぶ。好ましくは、C末端グリシンとN末端グリシンの双方は、除外される。
診断
上記のように、本発明の診断方法は、剤と結合するT細胞の検出、または剤を認識する抗体の検出に基づいてもよい。
(上記の使用を含む)該方法にて剤を認識するT細胞は、一般には、1またはそれより多くのグルテンタンパク質に対してin vivoで前感作されているT細胞である。上記のように、このような抗原を経験したT細胞は、末梢血中に存在することが見いだされている。
該方法において、T細胞を、in vitroまたはin vivoで剤と接触させることが可能であり、そしてT細胞が剤を認識するかどうかの判定を、in vitroまたはin vivoで行うことが可能である。このように、本発明は、ヒトの体で行われる診断の方法における使用のための剤を、提供する。異なる剤が、このような方法における同時、別々または連続的な使用のために提供される。
in vitroでの方法は、剤が加えられる水溶液において、典型的には行われる。該溶液はまた、T細胞(及び、特定の実施態様では以下に論じるAPC)も含んでなるであろう。本明細書で用いられるような「接触させる」の語には、特定の物質を溶液に加えることが含まれる。
T細胞が剤を認識するかどうかの判定は、一般には、剤の存在下でT細胞の状態の変化を検出するか、またはT細胞が剤と結合するかどうかを判定することにより、成し遂げられる。状態の変化は、一般には、TCRが剤と結合した後に、T細胞の抗原特異的な機能活性によって引き起こされる。状態の変化を、T細胞の内側(例えば、タンパク質の細胞内発現の変化)または外側(例えば、分泌される物質の検出)で測定してもよい。
T細胞の状態の変化は、サイトカイン(特に、IFN−γ、IL−2またはTNF−αなど)などのT細胞由来物質の分泌の開始または増加であってもよい。IFN−γ分泌の測定が、特に好ましい。該物質は、典型的には、特異的な結合剤と結合させ、次いで特異的な結合剤/物質複合体の存在を測定することによって、検出可能である。特異的な結合剤は、典型的には、ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体などの抗体である。サイトカインに対する抗体は、市販されているか、または標準的な技術を用いて作製可能である。
典型的には、特異的な結合剤を、固体担体上に固定化する。物質を結合させた後に、所望により、固体担体を洗浄して、該剤と特異的に結合していない材料を除去してもよい。該剤/物質複合体を、複合体と結合するであろう第二の結合剤を用いることによって検出してもよい。典型的には、第二の剤は、第一の剤が結合する部位とは異なる部位にて物質と結合する。第二の剤は、好ましくは抗体であり、そして検出可能な標識によって直接的または間接的に標識される。
よって、第二の剤は、典型的には検出可能な標識により直接的または間接的に標識されている第三の剤によって検出されてもよい。例えば、第二の剤は、ビオチン部分を含んでなってもよく、ストレプトアビジン部分及び典型的には検出可能な標識としてのアルカリホスファターゼを含んでなる第三の剤による検出を可能にする。
一実施態様において、用いられる検出システムは、WO 98/23960に記載されるex v
ivo ELISPOTアッセイである。このアッセイにおいて、T細胞から分泌されるIFN−γは、固体担体上に固定化されているIFN−γに特異的な第一抗体と結合する。次いで、結合したIFN−γを、検出可能な標識で標識されているIFN−γに特異的な第二抗体を用いて検出する。このような標識された抗体は、MABTECH(ストックホルム、スウェーデン)から入手可能である。用いられることが可能な他の検出可能な標識については、以下に論じる。
測定されることが可能なT細胞の状態の変化は、チミジン取り込みなどの、T細胞による物質の取り込みの増加であってもよい。状態の変化は、T細胞のサイズの増加、またはT細胞の増殖であってもよく、あるいはT細胞上の細胞表面マーカーの変化であってもよい。
一実施態様において、状態の変化を、タンパク質の細胞内発現の変化(例えば、上記のサイトカインのいずれかの細胞内発現の増加)を測定することにより検出する。このような細胞内変化を、T細胞の内側を、発現したタンパク質と特異的に結合し、そしてフローサイトメトリーによるT細胞の選別を可能にする部分と接触させることによって、検出してもよい。
一実施態様において、TCRと結合する際に、剤は、抗原提示細胞(APC)の表面に典型的には存在するMHCクラスII分子(典型的には、HLA−DQ2または−DQ8)と結合する。しかしながら、本明細書に記述のように、他の剤は、MHC分子とも結合する必要なく、TCRと結合することが可能である。
一般には、該方法において接触させるT細胞を、T細胞を含有する他のタイプの試料を用いることが可能ではあるものの、血液試料中に個体から採取する。試料を直接的にアッセイに加えてもよく、または最初に処理してもよい。典型的には、処理は、例えば水またはバッファーを用いた試料の希釈を含んでなってもよい。典型的には、試料を、1.5〜100倍、例えば、2〜50、または5〜10倍、に希釈する。
処理は、試料の成分の分離を含んでなってもよい。典型的には、単核球(MC)を試料から分離する。MCは、T細胞及びAPCを含んでなるであろう。このように、該方法において、分離されたMC中に存在するAPCは、ペプチドをT細胞に提示することが可能である。別の実施態様において、CD4 T細胞のみなどのT細胞のみを、試料から精製することが可能である。PBMC、MC及びT細胞を、Lalvaniら(1997年)J. Exp. Med. 186, 859〜865頁に記載されるものなどの当該技術分野において公知の技術を用いて、試料から分離することが可能である。
一実施態様において、アッセイに用いられるT細胞は、処理されていないかまたは希釈された試料の形態であるか、あるいはex vivoで直接的に用いられる単離されたばかりのT細胞(単離されたばかりのMCまたはPBMCの形態でなど)であり、すなわち、これらは該方法にて用いられる前に培養されていない。このように、T細胞は、in vitroで抗原特異性に再刺激されていない。しかしながら、T細胞を、使用前に、例えば1またはそれより多くの剤の存在下で培養することは可能であり、そして一般には、外因的な増殖もまたサイトカインを促進する。培養中、剤(群)は、典型的には、該方法において用いられるAPCなどのAPCの表面に存在する。T細胞の前培養は、該方法の感度の増加をもたらしてもよい。このように、T細胞を、(例えば、Otaら(1990年)Nature 346, 183〜187頁に記載されるような)短期細胞株などの細胞株に変換することが可能である。
該方法において典型的に存在するAPCは、T細胞と同じ個体由来であっても、または異なる宿主由来であってもよい。APCは、自然発生的なAPCであっても、または人工的なAPCであってもよい。APCは、ペプチドをT細胞に提示することが可能な細胞である。これは、典型的には、B細胞、樹状細胞またはマクロファージである。これは、典型的には、T細胞と同じ試料から分離され、そして典型的には、T細胞と同時精製される。このように、APCは、MCまたはPBMC中に存在してもよい。APCは、典型的には、ex vivoで単離されたばかりの細胞、または培養された細胞である。これは、短期もしくは不死化細胞株などの細胞株の形態であってもよい。APCは、空のMHCクラスII分子をその表面に発現してもよい。
該方法において、1またはそれより多くの(異なる)剤を用いてもよい。典型的には、試料由来のT細胞を、試験する予定のすべての剤とともにアッセイに入れるか、あるいは、T細胞を分けて、それぞれが1またはそれより多くの剤を含有する別々のアッセイに入れることが可能である。
本発明はまた、同時、別々または連続的な使用のための(例えば、in vivoでの使用のための)、2またはそれより多くの本明細書に記述される剤のいずれか(例えば、上記に論じた組成物の剤において存在する剤の組み合わせ)などの剤も、提供する。
一実施態様において、剤自体を、T細胞及びAPCを含んでなるアッセイに直接的に加える。上記に論じるように、このようなアッセイにおけるT細胞及びAPCは、MCの形態であることが可能である。APCによる提示の必要なしにT細胞により認識されることが可能な剤を用いる場合、APCは必要とされない。MHC分子と結合している元来の(i)を模倣するアナログは、このような剤の一例である。
一実施態様において、剤を、T細胞の非存在下でAPCに供する。次いで、剤をその表面に提示することが可能となった後に、APCをT細胞に供する。ペプチドは、APCの内部に取り込まれていてもよく、あるいはAPCの内部に入らずに表面に単に取り込まれていてもよい。
剤をT細胞と接触させる期間は、ペプチドの認識を判定するために用いられる方法に依存して変わるであろう。典型的には10〜10個、好ましくは5x10〜10個のPBMCを、各アッセイに加える。剤をアッセイに直接的に加える場合、その濃度は10−1〜10−3μg/ml、好ましくは0.5〜50μg/mlまたは1〜10μg/mlである。
典型的には、T細胞を剤とインキュベートする時間の長さは、4〜24時間、好ましくは6〜16時間である。ex vivoでPBMCを用いる場合、0.3x10個のPBMCを、37℃にて12時間、10μg/mlのペプチド中でインキュベート可能なことが見いだされている。
T細胞による剤の認識の判定を、剤のT細胞への結合を測定することにより行ってもよい(本明細書に論じる任意の適切な結合アッセイ形式を用いて、これを行うことが可能である)。典型的には、剤と結合するT細胞を、例えばFACS機器を用いて、この結合に基づいて選別することが可能である。剤を認識するT細胞の存在は、剤を用いて選別された細胞の頻度が「対照」値を超えるならば、生じると考えられるであろう。抗原を経験したT細胞の頻度は、一般には10個中1個〜10個中1個であり、それゆえに選別された細胞が抗原を経験したT細胞であるかどうかを判定することが可能である。
T細胞による剤の認識の判定を、in vivoにて測定してもよい。典型的には、剤を宿主に投与し、次いで剤の認識を示す応答を測定してもよい。剤を、典型的には、皮内または表皮に投与する。剤を、典型的には、皮膚の外側と接触させることにより投与し、そして硬膏剤または包帯剤を用いて当該部位に保持してもよい。あるいは、剤を、注射など、針により投与してもよいが、しかし弾道(ballistics)(例えば、核酸を送達するために用いられている弾道技術)などの他の方法により投与することもまた可能である。EP-A-0693119は、剤を投与するために典型的に用いられることが可能な技術について記載している。典型的には0.001〜1000μg(例えば、0.01〜100μ
gまたは0.1〜10μg)の剤を、投与する。
一実施態様において、in vivoで剤を供することが可能な産物(product)を、投与することが可能である。このように、剤を発現可能なポリヌクレオチドを、典型的には剤の投与に関して上述の方法のいずれかにより投与することが可能である。ポリヌクレオチドは、典型的には、以下に論じる本発明により提供されるポリヌクレオチドの特徴のいずれかを有する。剤を、in vivoでポリヌクレオチドから発現させる。典型的には0.001〜1000μg(例えば、0.01〜100μgまたは0.1〜10μg)のポリヌクレオチドを、投与する。
皮膚に投与された剤の認識は、典型的には、投与部位における炎症の発生(例えば、硬結、紅斑または浮腫)により示される。これは、一般には、該部位の目視検査によって測定される。
剤と結合する抗体の検出に基づいた診断方法を、典型的には、個体から得た試料(本明細書に記述される任意の方法で処理されていてもよい、本明細書に記述される試料のいずれかなど)を剤と接触させ、そして試料中の抗体が剤と結合するかどうかを判定すること、ここにおいて、このような結合は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す、により、行う。本明細書に記述される任意のこのような形式などの、任意の適切な形式の結合アッセイを、用いてもよい。
療法
免疫ドミナントエピトープ及び本明細書に記載される他のエピトープの同定は、このエピトープを認識するT細胞(このようなT細胞は、グルテンタンパク質に対する免疫応答に関与するものである)を標的とする治療用産物の作製を可能にする。これらの発見はまた、エピトープに対する抗体またはT細胞の応答を(寛容化により)抑制することによってセリアック病の予防または治療を可能にする。
本発明の特定の剤は、(上記に論じる結合アッセイのいずれかを用いて測定されるように)本発明のエピトープを認識するTCRと結合し、そしてTCRを保有するT細胞の寛容化を引き起こす。したがって、所望によりキャリアーと会合していてもよいこのような剤を用いて、セリアック病を予防または治療することが可能である。
一般には、寛容化を、T細胞の抗原特異的な機能活性(例えばサイトカイン分泌などの、本明細書に記述される任意のこのような活性など)を(TCRにより認識された後に)引き起こすことが可能な同じペプチドにより、引き起こすことが可能である。このような剤は、これらが「寛容化」の文脈において免疫系に提示される場合に、寛容化を引き起こす。
寛容化は、免疫系によるT細胞または抗体のエピトープの認識の減少をもたらす。T細胞のエピトープの場合、これは、エピトープを認識するT細胞の除去またはアネルギー化によって引き起こされることが可能である。このように、(例えば、本明細書に記述される適切なアッセイにて測定されるような)エピトープに応答したT細胞活性は、減少する。抗体応答の寛容化は、エピトープに対する特異的抗体量の減少が、エピトープが投与されるときにもたらされることを、意味する。
このような文脈において免疫系に抗原を提示する方法は公知であり、そして例えば、Yoshidaら、Clin. Immunol. Immunopathol. 82, 207-215(1997年)、Thurauら、Clin. Exp. Immunol. 109, 370-6(1997年)、及びWeinerら、Res. Immunol. 148, 528-33(1997年)に記載されている。具体的には、経口、経鼻または腹腔内などの特定の投与経路が、寛容化を引き起こすことが可能である。また、寛容化を、ペプチドを提示している樹状細胞及び四量体を介して成し遂げてもよい。寛容化を引き起こす特定の産物を、(例えば、剤もまた含んでなる組成物中に含めて)個体に投与してもよい。このような産物には、Th2応答を促すサイトカイン(例えば、IL−4、TGF−βまたはIL−10)などのサイトカインが含まれる。産物または剤を、寛容化を引き起こす用量にて投与してもよい。
本発明は、T細胞(該T細胞が、剤を認識する)のアンタゴニストとして作用することが可能な配列を含んでなるタンパク質を、提供する。このようなタンパク質及びこのようなアンタゴニストを用いても、セリアック病を予防または治療することが可能である。アンタゴニストは、T細胞応答の減少を引き起こすであろう。一実施態様において、アンタゴニストは、(一般には、HLA−DQ2または−DQ8との複合体の形態で)T細胞のTCRと結合するが、しかし正常な機能活性化引き起こす代わりに、異常なシグナルをTCRの細胞内シグナルカスケードに通し、(例えば、典型的には本明細書に記述される任意の適切なアッセイにより測定されるような、エピトープの認識に応答する)T細胞の機能活性を減少させる。
一実施態様において、アンタゴニストは、エピトープと競合して、MHC分子(典型的には、HLA−DQ2または−DQ8)などの、MHCの加工及び提示経路の成分と結合する。このように、アンタゴニストは、HLA−DQ2または−DQ8(及び、このようにこのMHC分子により提示されるペプチド)、あるいはそのホモログと結合してもよい。
アンタゴニズムを引き起こす方法は、当該技術分野において公知である。一実施態様において、アンタゴニストは、上記のエピトープのホモログであり、そして剤の配列、結合性または他の特性のいずれを有してもよい(具体的には、アナログ)。アンタゴニストは、典型的には、1、2、3、4またはそれより多くの変異(そのそれぞれは、置換、挿入または欠失であってもよい)によって、(T細胞において正常な抗原特異的機能を引き起こすことが可能な)上記のエピトープのいずれかとは異なる。このようなアンタゴニストは、当該技術分野において「改変ペプチドリガンド」または「APL」と称される。変異は、典型的には、TCRと接触するアミノ酸位置にある。
例えば、アンタゴニストは、A−グリアジン(A−グリアジンの配列を、図10に示す)のアミノ酸64〜67により表される配列と同等である配列内での置換により、エピトープと異なってもよい。このように、好ましくは、アンタゴニストは、64、65または67位と同等の位置が置換されている。好ましくは、該置換は、64W、67W、67Mまたは65Tである。
個体における本発明のエピトープに対するT細胞免疫応答がポリクローナルであることから、異なるTCRを有するT細胞の応答のアンタゴニズムを引き起こすために、1より多くのアンタゴニストを投与することを必要としてもよい。したがって、アンタゴニストを、それぞれが異なるT細胞をアンタゴナイズする、少なくとも2、4、6またはそれより多くの異なるアンタゴニストを含んでなる組成物に含めて、投与してもよい。
本発明はまた、(剤を認識する)T細胞のアンタゴニストを同定する方法であって、候補の物質をT細胞と接触させ、そして該物質が抗原特異的応答を起こすT細胞の能の減少を起こすかどうかを(例えば、本明細書に記述される任意の適切なアッセイを用いて)検出すること、ここで、前記の能の任意のこのような減少の検出は、該物質がアンタゴニストであることを示す、を含んでなる上記方法も、提供する。
一実施態様において、アンタゴニスト(特定のエピトープに対するアンタゴニストの組
み合わせを含む)、または寛容化する(T細胞及び抗体を寛容化する)剤は、本発明の異なるエピトープに対して、例えば、1物質よりも多くを含んでなる産物である剤に関連して上記に論じるエピトープの組み合わせに対して、アンタゴナイズするかまたは寛容化する、少なくとも2、4、6もしくはそれより多くのアンタゴニストまたは剤を含んでなる組成物にて、存在する。
組成物がセリアック病を引き起こすことが可能かどうかの検査
上記のように、本発明は、組成物がセリアック病を引き起こすことが可能かどうかを判定する方法であって、本発明の剤またはエピトープを含んでなる配列へとトランスグルタミナーゼにより修飾されることが可能なタンパク質配列の存在を検出すること、ここで、このようなトランスグルタミナーゼ活性は、ヒト腸トランスグルタミナーゼ活性であってもよい、を含んでなる上記方法を、提供する。典型的には、これを、配列と特異的に結合する部分を組成物と接触させ、そして配列/部分複合体の形成を検出し、そしてこれを用いて剤の存在を確かめる、結合アッセイを用いることにより、行う。このような部分は、本明細書に記述される任意の適切な物質(または物質のタイプ)であってもよく、そして典型的には、特異的抗体である。(本明細書に記述されるものなどの)任意の適切な形式の結合アッセイを、用いることが可能である。
一実施態様において、組成物を、異なるグルテンタンパク質に由来する本発明のエピトープに特異的な、少なくとも2、5、10またはそれより多くの抗体、例えば、1物質よりも多くを含んでなる産物である本発明の剤に関連して上記に論じるエピトープの組み合わせを認識可能な、抗体パネル、と接触させる。
組成物は、典型的には、セリアック病を引き起こすことが可能なグルテンタンパク質を発現する植物由来の材料(例えば、本明細書に記述されるグルテンタンパク質または植物のいずれか)を含んでなる。このような材料は、収穫された産物(例えば、種子)などの植物の一部分であってもよい。該材料は、グルテンタンパク質を含んでなる小麦粉または食物などの、植物材料の加工された産物(例えば、本明細書に記述される任意のこのような産物)であってもよい。植物材料の加工、及び適切な結合アッセイでの検査は、例えばKricka LJ, J. Biolumin. Chemilumin. 13, 189-93(1998年)に記述されるように、ルーチンに行われている。
結合アッセイ
本明細書に記述される任意の二つの物質間の結合の判定を、分光学的変化などの、結合に際して変化する一方または双方の物質の特徴を測定することにより、行ってもよい。
結合アッセイの形式は、「バンド移行」系であってもよい。これは、ゲル電気泳動中に、一方の物質(候補の物質など)の存在が他方の物質の進行を進めるかまたは遅らせるかどうかを判定することを、伴う。
該形式は、一方の物質が、他方の物質の、特異的抗体などの他方の物質と結合することが知られる剤への結合を阻害可能かどうかを判定する、競合的結合法であってもよい。
変異グルテンタンパク質
本発明は、本発明のエピトープ配列、またはこのような配列を供するためにトランスグルタミナーゼによって修飾されることが可能な配列が、エピトープを認識するT細胞応答をもはや引き起こさないか、またはそれにより認識されないように変異させているグルテンタンパク質を、提供する。本文脈において、認識の語は、正常な(拮抗的でない)抗原特異的なT細胞の機能活性が生じるようにTCRがエピトープと結合することを、指す。
他のグルテンタンパク質において同等のエピトープを同定する方法を、上記に論じている。変異させたグルテンタンパク質の野生型は、セリアック病を引き起こすものである。このような変異させたグルテンタンパク質は、この変異させたグルテンタンパク質の野生型と、その配列のすべてにわたり、あるいはその配列の15、30、60、100または200連続アミノ酸にわたり、例えば(アナログに関連して)上記の程度に、相同性を有してもよい。他の天然グルテンタンパク質の配列は、当該技術分野において公知である。
変異させたグルテンタンパク質は、セリアック病を引き起こさないか、または減少したセリアック病の症状を引き起こすであろう。典型的には、変異は、エピトープのT細胞応答誘導能を減少させる。変異させたエピトープは、HLA−DQ2または−DQ8との結合性が減少しているか、APCによる提示能が減少しているか、あるいは剤を認識するT細胞と結合するかまたはそれにより認識される(すなわち、抗原特異的な機能活性を引き起こす)能が減少していてもよい。したがって、変異させたグルテンタンパク質もしくはエピトープは、本発明の診断学的側面に関連して本明細書に記述されるアッセイのいずれかにおいて、認識を示さないか、または認識の低下を示すであろう。
変異は、エピトープにおける1〜3、4〜6、6〜10、11〜15またはそれを超える長の、例えば、配列番号1〜1927のいずれか;またはその同等物にわたる、1またはそれより多くの欠失、付加あるいは置換であってもよい。好ましくは、変異グルテンタンパク質は、配列番号1〜1927のいずれかの配列において、少なくとも一つの変異を有する。好ましい変異は、A−グリアジンにおける65位と同等の位置にある(図10を参照されたい)。好ましくは、自然発生グルタミンは、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン、リシン、プロリンまたはアルギニンに置換される。
このように、本発明はまた、セリアック病を引き起こすグルテンタンパク質の能を減少させるための、本発明のエピトープであるグルテンタンパク質のエピトープにおける変異(本明細書に論じられる配列のいずれかにおける、このようないずれかの変異)の使用も、提供する。
一実施態様において、変異させた配列は、アンタゴニストとして作用することが可能である。このように、本発明は、T細胞受容体と結合可能な配列を含んでなるタンパク質であって、T細胞受容体が本発明の剤を認識し、かつ配列がこのようなT細胞受容体を保有するT細胞のアンタゴニズムを引き起こすことが可能な、上記タンパク質を、提供する。
本発明はまた、上記の変異グルテンタンパク質のフラグメントであるタンパク質であって、少なくとも7アミノ酸長(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、30、60、100、150、200または250アミノ酸長)であり、かつグルテンの認識される能を減少させる上記に論じられる変異を含んでなる上記タンパク質も、提供する。本明細書に記述される(フラグメントを含む)変異タンパク質のいずれもが、例えば他のグルテンタンパク質または非グルテンタンパク質との融合タンパク質の形態にて、存在してもよい。
変異させたグルテンタンパク質と同等の野生型タンパク質は、典型的には、コムギ属(Triticum)、ライムギ属(Secale)、オオムギ属(Hordeum)、ライコムギ属(Triticale)またはカラスムギ属(Avena)(例えば、小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦またはライ小麦triticale)から選択される属の植物などの、イネ科単子葉植物由来である。例えば、該タンパク質は、α、αβ、β、γもしくはωグリアジン、またはアベニンである。
キット
本発明はまた、1またはそれより多くの剤、及び所望により、T細胞による剤の認識を
検出する手段を含んでなる、方法を実行するためのキットも、提供する。典型的には、異なる剤を、同時、別々、または連続的な使用のために提供する。典型的には、認識を検出する手段は、上記に論じる技術に基づいた検出を可能にするか、または補助する。
このように、該手段は、認識後にT細胞により分泌される物質の検出を可能にしてもよい。このように、キットは、抗体などの、該物質に特異的に結合する部分をさらに含んでもよい。該部分は、典型的には、IFN−γに特異的である。該部分は、典型的には、固体担体上に固定化される。このことは、該物質が、該部分と結合した後に、これを分泌するT細胞の近隣に留まり続けるであろうことを、意味する。このように、物質/部分複合体の「スポット」が担体上に形成され、ここで、各スポットは物質を分泌しているT細胞を表す。スポットを定量し、そして典型的には対照と比較することにより、剤の認識の判定が可能となる。
キットはまた、物質/部分複合体を検出する手段も含んでなる。色の変化などの検出可能な変化は、物質と結合した後に該部分自体に生じてもよい。あるいは、検出のために直接的または間接的に標識した第二の部分を、スポットの判定を可能にするために、物質/部分複合体と結合させてもよい。上記に論じるように、第二の部分は物質に特異的であってもよいが、しかし第一の部分とは異なる物質上の部位に結合する。
固定化された担体は、マイクロタイタープレートなどの、ウェルを伴うプレートであってもよい。したがって、各アッセイを、プレート中の別々のウェルにおいて行うことが可能である。
キットは、検出工程にて用いるためのT細胞用培地、検出用部分または洗浄バッファーをさらに含んでなってもよい。キットは、試料からのPBMCまたはT細胞の分離などの、試料からの分離に適した試薬を、さらに含んでなってもよい。キットは、試料の成分のいかなる分離も必要とせずに、試料中で直接的にT細胞の検出を可能にするように、設計されてもよい。
キットは、皮内または表皮投与などの、剤の投与を可能にする器具を、含んでなってもよい。典型的には、このような器具は、硬膏剤、包帯剤または1もしくはそれより多くの針を含んでなる。器具は、剤の弾道(ballistics)送達を可能にしてもよい。キット中の剤は、医薬組成物の形態であってもよい。
キットはまた、陽性対照または陰性対照などの対照も含んでよい。陽性対照は、検出系が検査されることを可能にしてもよい。このように、陽性対照は、典型的には、上記方法のいずれかにおける剤の認識を模倣する。典型的には、in vitroで認識を判定するよう設計されているキットにおいて、陽性対照はサイトカインである。剤のin vivo認識を検出するよう設計されているキットにおいて、陽性対照は、ほとんどの個体が応答するはずの抗原であってもよい。
キットはまた、血液試料などのT細胞を含有する試料を宿主から採取する手段も含んでなってもよい。キットは、単核球またはT細胞を宿主から得た試料より分離する手段を含んでなってもよい。
ポリヌクレオチド、細胞、トランスジェニック哺乳動物及び抗体
本発明はまた、剤または変異グルテンタンパク質を提供するための、発現可能なポリヌクレオチドを、提供する。典型的には、該ポリヌクレオチドはDNAまたはRNAであり、そして一本鎖または二本鎖である。該ポリヌクレオチドは、好ましくは少なくとも50塩基もしくは塩基対(例えば、50〜100、100〜500、500〜1000または1000〜2000、あるいはそれより多くの塩基または塩基対)を含んでなるであろう。したがって、該ポリヌクレオチドは、配列番号1〜1927のいずれかの配列、または本明細書に記述される他の剤のいずれかをコードする配列を含んでなる。このコード配列の5’及び3’に、本発明のポリヌクレオチドは、対応するグルテンタンパク質遺伝子中のこれらの配列の5’及び3’の配列またはコドンとは異なる配列またはコドンを有する。
ペプチドをコードする配列の5’及び/または3’に、ポリヌクレオチドは、コード配列または非コード配列を有する。コード配列の5’及び/または3’の配列は、剤をコードする配列の転写及び/または翻訳などの、発現を補助する配列を含んでなってもよい。該ポリヌクレオチドは、原核細胞または真核細胞において剤を発現することが可能であってもよい。一実施態様において、該ポリヌクレオチドは、ヒト、霊長類またはげっ歯類(例えば、マウスまたはラット)の細胞などの哺乳動物細胞において剤を発現することが可能である。
本発明のポリヌクレオチドを、バックグラウンドを有意に超えるレベルにて、剤が由来するグルテンタンパク質をコードするポリヌクレオチドと、選択的にハイブリダイズさせてもよい。選択的なハイブリダイゼーションを、典型的には、中等度〜高度にストリンジェントな条件(例えば、約50℃〜約60℃にて、0.03M塩化ナトリウム及び0.03Mクエン酸ナトリウム)を用いて成し遂げる。しかしながら、このようなハイブリダイゼーションを、当該技術分野において公知の任意の適切な条件下で行ってもよい(例えば、Sambrookら(1989年)Molecular Cloning: A Laboratory Manualを参照されたい)。例えば、高度のストリンジェンシーが必要とされるならば、適切な条件には、60℃にて0.2xSSCが含まれる。より低度のストリンジェンシーが必要とされるならば、適切な条件には、60℃にて2xSSCが含まれる。
本発明の剤またはタンパク質は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドによってコードされてもよい。
ポリヌクレオチドは、複製可能なベクターを形成するか、またはそれに取り込まれてもよい。このようなベクターは、適切な細胞において複製可能である。ベクターは、発現ベクターであってもよい。このようなベクターにおいて、本発明のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの発現のために供することが可能な制御配列と、機能可能なように連結されている。ベクターは、アンピシリン耐性遺伝子などの選択マーカーを含有してもよい。
ポリヌクレオチドまたはベクターは、細胞内に存在してもよい。このような細胞は、ポリヌクレオチドまたはベクターにより形質転換されていてもよい。該細胞は、剤を発現してもよい。該細胞は、前記ベクターと適合性であるように選択されるであろうし、そして例えば、原核(細菌)、酵母、昆虫または哺乳動物細胞であってもよい。ポリヌクレオチドまたはベクターを、リン酸カルシウム沈降、DEAE−デキストラン・トランスフェクションまたは電気穿孔を含む慣用の技術を用いて、宿主細胞内に導入してもよい。
本発明は、組換え手段による本発明のタンパク質の産生の過程を、提供する。これは、(a) 上記に定義されるような形質転換された細胞を、タンパク質の発現を可能にする条件下で培養すること;及び好ましくは、(b) 発現したポリペプチドを回収すること:を含んでなってもよい。所望により、該ポリペプチドを、当該技術分野において公知の技術により、単離及び/または精製してもよい。
本発明はまた、剤を認識(または結合)するTCR、あるいはこのような認識(または結合)が可能なそのフラグメントも、提供する。これらは、本発明のタンパク質に関連して本明細書に論じられている、本明細書に記述される任意の形態(例えば、純度)にて存
在することが可能である。本発明はまた、本発明の細胞に関して本明細書において論じられている任意の形態(例えば、純度)にて存在することが可能なこのようなTCRを発現するT細胞も、提供する。
本発明はまた、(本発明のエピトープのいずれかなどの)剤を特異的に認識し、かつ本発明の変異グルテンタンパク質を認識する(そして典型的には、同等の野生型グルテンタンパク質を認識しない)モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、ならびにこのような抗体の作製方法も、提供する。本発明の抗体は、本発明のこれらの物質と特異的に結合する。
本発明の目的上、「抗体」の語には、Fv、F(ab)及びF(ab’)フラグメントなどの抗体フラグメント、ならびに一本鎖抗体が含まれる。
ポリクローナル抗体を産生するための方法は、適切な宿主動物(例えば、実験動物)を免疫原で免疫し、そして血清から免疫グロブリンを単離することを含んでなる。したがって、動物に免疫原を接種し、続いて血液を動物から取り出し、そしてIgG画分を精製してもよい。モノクローナル抗体を産生するための方法は、所望の抗体を産生する細胞を不死化することを含んでなる。ハイブリドーマ細胞を、接種された実験動物由来の脾臓細胞を腫瘍細胞と融合させることにより、作製してもよい(Kohler及びMilstein(1975年)Nature 256, 495-497)。
所望の抗体を産生する不死化された細胞を、慣用の手順により選択してもよい。ハイブリドーマを、培養にて増殖させるか、あるいは腹水形成のために腹腔内注射するか、または同種宿主もしくは免疫不全宿主の血流中に注射してもよい。ヒト抗体を、ヒトリンパ球のin vitro免疫化と、それに続くEpstein-Barrウイルスによるリンパ球の形質転換によって、調製してもよい。
モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の双方を産生するためには、実験動物は、適切にはヤギ、ウサギ、ラットまたはマウスである。所望の場合には、免疫原を、免疫原が例えばアミノ酸残基のうちの一つの側鎖を介して適切なキャリアーと連結している結合体として、投与してもよい。キャリアー分子は、典型的には、生理学的に許容可能なキャリアーである。得られた抗体を単離し、そして所望の場合には精製してもよい。
本発明のポリヌクレオチド、剤、タンパク質または抗体は、検出可能な標識を保有してもよい。所望により光学的に拡大する手段を用いて、分泌された物質の目視検査による検出を可能にする検出可能な標識が、好ましい。このような系は、典型的には、基質の色の変化を引き起こす酵素標識(例えば、基質の色の変化を引き起こすアルカリホスファターゼ)に基づく。このような基質は、例えばバイオ・ラッド社から、市販されている。他の適切な標識には、ペルオキシダーゼなどの他の酵素、またはビオチンなどのタンパク質標識;あるいは、32Pまたは35Sなどのラジオアイソトープが含まれる。上記の標識を、公知の技術を用いて検出してもよい。
本発明のポリヌクレオチド、剤、タンパク質、抗体または細胞は、実質的に精製された形態であってもよい。これらは、実質的に単離された形態であってもよく、この場合、これらは、概して、調製物中に少なくとも80%(例えば、少なくとも90、95、97または99%)のポリヌクレオチド、ペプチド、抗体、細胞または乾燥質量を含んでなるであろう。ポリヌクレオチド、剤、タンパク質または抗体は、典型的には、他の細胞成分を実質的に含まない。ポリヌクレオチド、剤、タンパク質または抗体は、該方法において、実質的に単離されているか、精製されているか、または遊離している形態にて用いられてもよく、あるいはキット中でこのような形態にて存在してもよい。
本発明はまた、本発明のTCRを発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物も提供する。これは、(例えば、抗体の産生に関連して)本明細書に論じられる哺乳動物のいずれであってもよい。好ましくは、哺乳動物は、セリアック病を有するか、またはそれに感受性である。哺乳動物は、HLA−DQ2もしくは−DQ8、またはHLA−DQ3−DQ2も発現してよく、かつ/あるいはセリアック病を引き起こすグルテンタンパク質(例えば、本明細書に記述されるグルテンタンパク質のいずれか)を含んでなる食事を与えられてもよい。このように、哺乳動物は、セリアック病の動物モデルとしての役目を果たしてもよい。
本発明はまた、セリアック病治療用剤である産物を同定する方法であって、セリアック病を有するかまたはそれに感受性の本発明の哺乳動物に、候補の物質を投与し、そして物質が哺乳動物においてセリアック病を予防または治療するかどうかを判定すること、ここにおいて、セリアック病の予防または治療は、該物質が治療用産物であることを示す、を含んでなる上記方法も、提供する。このような産物を用いて、セリアック病を治療または予防してもよい。
本発明は、治療(予防も含む)剤、または診断用物質(本発明の剤、タンパク質及びポリヌクレオチド)を提供する。これらの物質は、これらを医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤と混合することにより、臨床投与用に処方物化される。例えば、これらは、局所、非経口、静脈内、筋肉内、皮下、眼内、皮内、表皮または経皮投与用に、処方物化されることが可能である。該物質を、医薬的に許容可能であって、かつ所望の投与経路に適切な任意のビヒクルと、混合してもよい。注射用の医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤は、例えば、注射用水または生理食塩液などの等張溶液、あるいは弾道送達用のキャリアー粒子であってもよい。
物質の用量を、種々のパラメータ、特に、用いられる剤;治療される患者の年齢、体重及び状態;用いられる投与方法;治療される状態の重症度;ならびに、必要とされる臨床レジメにしたがって、調整してもよい。参考として、注射により投与される物質の量は、適切には、0.01mg/kg〜30mg/kg、好ましくは0.1mg/kg〜10mg/kgである。
当業者が、任意の特定の患者及び状態に対する至適な投与経路及び投与量を容易に決定可能であろうことから、記載した投与経路及び投与量は参考に過ぎないことが、意図される。
このように、本発明の物質を、ヒトまたは動物の体の治療方法、あるいはヒトの体において実践される診断方法において用いてもよい。具体的には、これらを、セリアック病を治療または予防する方法において用いてもよい。本発明はまた、セリアック病を治療または予防するための薬剤の製造方法における使用のための剤も、提供する。このように、本発明は、本発明の物質(典型的には、その非毒性有効量)をそれを必要とするヒトに投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法を、提供する。
本発明の剤を、自動合成機を用いることによるなどの標準的な合成化学技術を用いて、作製することが可能である。剤を、典型的にはペプチドの配列を含んでなる、より長いポリペプチド(例えば、融合タンパク質)から、作製してもよい。ペプチドは、例えば、プロテアーゼを用いるなどしてポリペプチドを加水分解することにより;または、ポリペプチドを物理的に切断することにより、生じてもよい。本発明のポリヌクレオチドを、合成機を用いることによるなどの標準的な技術を用いて、作製することが可能である。
変異グルテンタンパク質を発現するか、またはアンタゴニストとして働くことが可能な
配列を含んでなるタンパク質を発現する、植物細胞及び植物
本発明の細胞は、イネ科単子葉植物種の細胞などの植物細胞であってもよい。該種は、その野生型が、本明細書に記述されるグルテンタンパク質のいずれかなどのグルテンタンパク質を発現するものであってもよい。このようなグルテンタンパク質は、ヒトにおいてセリアック病を引き起こしうる。該細胞は、小麦、トウモロコシ、オーツ麦、ライ麦、米、大麦、ライ小麦、ソルガムまたはサトウキビのものであってもよい。典型的には、該細胞は、aestivum、spelta、polonicumまたはmonococcumなどのコムギ属のものである。
本発明の植物細胞は、典型的には、1またはそれより多くの野生型グルテンタンパク質(セリアック病を引き起こす可能性のある、本明細書に記述されるグルテンタンパク質のいずれかなど)を発現しないもの、あるいは、剤を認識するT細胞により認識されることが可能な配列を含んでなる1またはそれより多くのグルテンタンパク質を発現しないものである。このように、野生型植物細胞がこのようなグルテンタンパク質を発現したならば、これを、このようなグルテンタンパク質の発現を防ぐかまたは低下させるよう、あるいは(典型的には、本発明のエピトープをもはや発現しないことにより)セリアック病をもはや引き起こさないようにグルテンタンパク質のアミノ酸配列を変化させるよう、操作してもよい。
これを、例えば、変異を1、2、3またはそれより多くの、あるいはすべてのこのような細胞中グルテンタンパク質遺伝子に(例えば、コードまたは非コード(例えば、プロモーター領域)に)導入することにより、行うことが可能である。このような変異は、(例えば、相同タンパク質に関連して)本明細書に論じられる変異のいずれの型または長さでもあることが可能である。変異を、定められた様式で(たとえば、部位特異的な変異誘発または相同組換え技術を用いて)、あるいはランダムな様式で(例えば、変異原を用い、そして、典型的には、もはやグルテンタンパク質(またはセリアック病を引き起こすグルテンタンパク質配列)を発現しない変異誘発された細胞を典型的には選択して)導入することが可能である。
アンタゴニストとして働くことが可能な配列を含んでなるタンパク質を発現する植物または植物細胞の場合、このような植物または植物細胞は、野生型グルテンタンパク質(例えば、セリアック病を引き起こすもの)を発現してもよい。好ましくは、アンタゴニストの存在を介して、配列は、植物または植物細胞由来のタンパク質を含んでなる食物を摂取する個体において、セリアック病症状の低下(無症状など)を引き起こすであろう。
植物細胞内に存在する(かまたは形質転換された)ポリヌクレオチドは、概して、植物細胞において変異グルテンタンパク質を発現可能なプロモーターを含んでなるであろう。所望の発現パターンに応じて、プロモーターは、構成的、組織もしくは時期特異的;及び/または誘導的であってもよい。例えば、植物における強い構成的発現を、CAMV 35S、Rubisco ssuまたはヒストンプロモーターを用いて得ることが可能である。同様に、組織特異的もしくは時期特異的プロモーターを、トランスジェニック植物における特定の組織に対して、またはその発生における特定の時期に対して本発明のタンパク質の発現を標的とするために用いてもよい。このように、例えば種子特異的、根特異的、葉特異的、花特異的等のプロモーターを、用いてもよい。種子特異的プロモーターには、Daltaら(Biotechnology Ann. Rev.(1997年)3, 269〜296頁)により記載されたものが含まれる。種子特異的プロモーターの具体例は、ナピンプロモーター(EP-A-0 255, 378)、ファセオリンプロモーター、グルテニンプロモーター、ヘリアンセニンプロモーター(WO92/17580)、アルブミンプロモーター(WO98/45460)、オレオシンプロモーター(WO98/45461)、ならびにATS1及びATS3プロモーター(WO99/20775)である。
細胞は、いかなる形態であってもよい。例えば、これは単離された細胞(例えば、プロ
トプラスト)であってもよく、またこれは植物組織の一部分(例えば、カルス、または植物から切除した組織)であってもよく、またはこれは全植物の一部分であってもよい。細胞は、任意のタイプ(例えば、任意のタイプの植物の一部分)であってもよい。例えば、カルス細胞などの未分化細胞;あるいは胚芽、花粉、根、芽または葉に見つけられるタイプの細胞などの分化細胞。植物の一部分には、根;芽;葉、ならびに、花粉、卵細胞、雄しべ、葯、花弁、萼片及び他の花の一部分などの生殖に関与する一部分が含まれる。
本発明は、植物細胞を本発明のポリヌクレオチドまたはベクターで形質転換してトランスジェニック植物細胞をもたらすことを含んでなる、トランスジェニック植物細胞を得る方法を、提供する。任意の適切な形質転換方法を用いてもよい(小麦の場合、Vasil Vら
、Biotechnology 10, 667-674(1992年)に開示される技術を用いてもよい)。好ましい
形質転換技術には、植物プロトプラストの電気穿孔、及び粒子衝突が含まれる。このように、形質転換は、一部の細胞がトランスジェニックで、かつ一部はそうでないキメラ組織もしくは植物を生じてもよい。
本発明の細胞、またはこのように得られた細胞を、当該技術分野において公知の技術によりトランスジェニック植物に再生してもよい。これらは、トランスジェニック細胞の増殖及び/または分裂を刺激するための、オーキシン、ジベレリン及び/またはサイトカイニンなどの植物成長物質の使用を、伴ってもよい。同様に、体細胞胚形成及び成長点培養などの技術を用いてもよい。再生技術は、当該技術分野において周知であり、そして例は、例えば、US 4,459,355、US 4,536,475、US 5,464,763、US 5,177,010、US 5,187,073、EP 267,159、EP 604,662、EP 672,752、US 4,945,050、US 5,036,006、US 5,100,792、US 5,371,014、US 5,478,744、US 5,179,022、US 5,565,346、US 5,484,956、US 5,508,468、US 5,538,877、US 5,554,798、US 5,489,520、US 5,510,318、US 5,204,253、US 5,405,765、EP 442,174、EP 486,233、EP 486,234、EP 539,563、EP 674,725、WO91/02071及びWO 95/06128に見つけられることが可能である。
多くのこのような技術において、1つ工程は、カルス、即ち、増殖している及び/または分裂している細胞を含む植物組織、の形成である。このようなカルスは、他のタイプの植物細胞培養物及び植物の一部分のように、本発明のさらなる側面である。このように、例えば、本発明は、胚芽、成長点、種子、芽、根、茎、葉及び花の一部分を含むトランスジェニック植物の組織及び一部分を提供する。これらは、これらの細胞の一部が本発明の細胞であって、かつ一部がそうでないという意味で、キメラであってもよい。本発明のトランスジェニック植物の一部分及び組織、植物ならびに種子は、本明細書に記述される植物種のいずれであってもよい。
再生の手順は、典型的には、マーカー遺伝子を用いた形質転換された細胞の選択を伴うであろう。
再生の工程は、第一世代トランスジェニック植物を生じる。本発明はまた、この第一世代植物からさらなる世代のトランスジェニック植物を得る方法も、提供する。これらは、後代トランスジェニック植物として公知である。第二、第三、第四、第五、第六及びさらなる世代の後代植物を、当該技術分野において公知の任意の手段により、第一世代トランスジェニック植物から得てもよい。
このように、本発明は、トランスジェニック後代植物を得る方法であって、本発明の第一世代トランスジェニック植物から第二世代トランスジェニック後代植物を得ることを含んでなり、そして所望により、このように得られた第二世代後代植物から1またはそれより多くのさらなる世代のトランスジェニック植物を得ることを含んでなる上記方法を、提供する。
後代植物を、任意の公知の技術により、より初期世代のその祖先から作り出してもよい。具体的には、後代植物を、(a) 前世代に属する本発明のトランスジェニック植物からトランスジェニック種子を得て、次いで、新しい世代に属する本発明のトランスジェニック後代植物を、トランスジェニック種子を成長させることによって得ること;及び/または、(b) 前世代に属する本発明のトランスジェニック植物をクローン増殖させて、新しい世代に属する本発明のトランスジェニック後代植物を得ること;及び/または、(c) 前世代に属する本発明の第一世代トランスジェニック植物を別の適合する植物と交配させて、新しい世代に属する本発明のトランスジェニック後代植物を得ること;及び所望により、(d) このように得られた後代植物から、1またはそれより多くのさらなる世代のトランスジェニック後代植物を得ること:により、作り出してもよい。
これらの技術を、任意の組み合わせで用いてもよい。例えば、クローン増殖及び実生増殖を、栽培に適したトランスジェニック植物を生じる過程における異なる時点にて用いてもよい。具体的には、農学的に望ましい特徴を伴う植物分類群との反復戻し交配を、行ってもよい。細胞を植物から取り出し、そしてそこから新たな植物を再生させるさらなる工程もまた、行ってよい。
また、さらなる望ましい特徴を、細胞、植物組織、植物または種子を、上記過程における任意の適切な時期に形質転換して、本発明のポリヌクレオチド以外の所望のコード配列を導入することによって、導入してもよい。これは、本発明のポリヌクレオチドの導入に関して本明細書に記載される技術によって行われてもよい。
例えば、さらなる導入遺伝子を、例えば、グリホセート(例えば、EPSP合成酵素遺伝子(EP-A-0,293,358)またはグリホセート酸化還元酵素(WO 92/00377)遺伝子を用い
て)に耐性の;あるいは、ホサメチン;ジハロベンゾニトリル;グルホシネート(例えば、ホスフィノトリシンアセチル転移酵素(PAT)またはグルタミン合成酵素遺伝子(EP-A-0,242,236を参照されたい)を用いて);アスラム(例えば、ジヒドロプテロイン酸合成酵素遺伝子(EP-A-0,369,367)を用いて);あるいは、スルホニル尿素(例えば、ALS遺伝子を用いて);アシフルオルフェンまたはオキシフルオルフェンなどのジフェニルエーテル(例えば、protoporphyrogen酸化酵素遺伝子を用いて);オキサジアゾンなどのオキサジアゾール;クロロフタリムなどの環状イミド;TNPなどのフェニルピラゾール、またはそのフェノピレートもしくはカルバメートアナログ:に耐性の、他の除草剤耐性形質をコードするものから、選択してもよい。
同様に、除草剤耐性以外の有益な特性のための遺伝子を、導入してもよい。例えば、昆虫耐性のための遺伝子(とりわけ、Bacillus thuringiensis(Bt)毒素をコードする遺伝子)を導入してもよい。同様に、疾患耐性のための遺伝子を、例えばWO91/02701またはWO95/06128におけるように導入してもよい。
典型的には、本発明のタンパク質は、本発明の植物において発現している。用いられるプロモーターに応じて、この発現は、構成的であっても、または誘導的であってもよい。同様に、これは、組織特異的であっても、または時期特異的であってもよい(すなわち、(本明細書に記述される組織のいずれかなどの)特定の植物組織に向けられるか、または特定の植物の発生の時期に向けられてもよい)。
本発明はまた、本発明のトランスジェニック植物を収穫し、そして所望によりさらに加工することによって穀物を得る方法も、提供する。穀物とは、作物から得ることが可能な任意の有用な産物を意味する。
変異グルテンタンパク質、またはアンタゴニストとして働くことが可能な配列を含んで
なるタンパク質を含有する、産物
本発明は、変異グルテンタンパク質、またはアンタゴニストとして働くことが可能な配列を含んでなるタンパク質を含んでなる産物を、提供する。これは、典型的には、このようなタンパク質を発現する本明細書に記述される植物から得た植物の一部分に由来するか、またはそれを含んでなる。このような産物は、収穫することによって直接的に、または本発明の植物を収穫し、そしてさらに加工することによって間接的に、得ることが可能であってもよい。直接的に得ることが可能な産物には、穀粒が含まれる。あるいは、このような産物は、収穫し、そしてさらに加工することによって、間接的に得ることが可能であってもよい。さらに加工することにより得ることが可能な産物の例は、小麦粉、または蒸留アルコール性飲料;直接的に得たかまたはさらに加工した材料から作られる食品(例えば、小麦粉から作られるベイク製品(例えば、パン))である。典型的には、このような食品は、ヒト個体により、摂取可能かつ消化可能である(すなわち、非毒性で、かつ栄養価がある)。
アンタゴニスト配列を含んでなるタンパク質を含んでなる食品の場合、食品はまた、野生型グルテンタンパク質も含んでなってよいが、しかし好ましくは、このような食物を摂取した後に、アンタゴニストがセリアック病の低下を(例えば、完全に)引き起こすことが可能である。
アミド分解
本明細書に記載される配列に、Gln残基が含まれる場合、本発明はまた、Gln残基がGlu残基へとアミド分解されているその配列も提供する。配列あたり1またはそれより多く(例えば、1、2、3、4、5等)のGln残基がアミド分解されてもよいが、しかし1より多くのGln残基がある場合は、そのすべてがアミド分解されていなければならないというわけではない。好ましくは、アミド分解されるGln残基は、トランスグルタミナーゼによるアミド分解に感受性のものである。
Glnがアミド分解されてもよい例を、配列リスト中に示す。例えば、配列番号1の残基4はGln残基またはGlu残基であることが可能であり、配列番号2の残基6はGln残基またはGlu残基であることが可能であり、配列番号6の残基4及び7は、それぞれ独立してGln残基またはGlu残基であることが可能である、等。アミド分解に感受性のGln残基、及びアミド分解されたその対応するGluを、「Glx」残基と称する。
剤に1より多くのGlx残基が含まれる場合、これらは、任意の配置に配列されてもよい。例えば、Glx残基は、構成的な残基であってもよく、かつ/あるいは1またはそれより多く(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8等)の他の残基によって分離されてもよい。上記のように、HLA−DQ8エピトープに関して、剤は、好ましくは、別のGlx残基と7残基により分離されているGlx残基を含んでなる。
本発明の好ましい剤は、アミド分解された剤である。すなわち、剤は、Gluの形態の1またはそれより多くのGlx残基を含んでなる。これを、例えば、生成中にGlu残基を含めることにより、またはGln残基をアミド分解によってGluへ変換することによるなどの、種々の方法にて、成し遂げることが可能である。GlnのGluへの変換を、アミド分解に感受性のGln残基を含有する剤を、アミド分解剤を用いて処理することによって、成し遂げることが可能である。1またはそれより多くのGln残基を、好ましくは、例えば実施例に記載のように、トランスグルタミナーゼによりGluへとアミド分解する。
当業者は、剤中のどの特定のGlu残基がアミド分解に感受性であるか、したがってど
の残基がGln残基のアミド分解から生じるGlu残基であるべきかを、判定することが可能であろう。例えば、トランスグルタミナーゼによるアミド分解に感受性のGln含有配列は、一般には、モチーフ:例えば、QXPX、QXPF(Y)、QXX(FYMILVW)、QXPF、QXX(FY)、PQ(QL)P(FY)Pと一致する。例えば、配列PQ(QL)P(FY)Pは、下線を引いた2位のQのトランスグルタミナーゼによるアミド分解を、促進する。
具体的には、配列番号1〜1927のアミド分解型を含んでなる剤が、好ましい(このような配列が、まだアミド分解されていない場合)。最も好ましくは、本発明の剤は、配列番号1〜1927のトランスグルタミナーゼによるアミド分解型を含んでなる(同じく、まだアミド分解されていない場合)。本明細書に定義されるように、これらの剤のアナログ及び同等物もまた、本発明の範囲内に包含される。
本発明を、以下の非限定的な実施例により、示す:
最初のグリアジンエピトープスクリーニングライブラリ
29例のセリアック病を有するHLA−DQ2+個体を伴う、長期間のグルテンを含まない食事に関する最初の実験において、インターフェロン−γ ELISPOTアッセイを用いて、最初にペプチドのプールとして、次いで15例の被験者においてtTGによるアミド分解を伴うかまたは伴わない個々のペプチドとして、先のペプセット(WO 03/104273に記載され、該出願は参照によって本明細書に援用される)をスクリーニングした。このペプセットライブラリは、2001年9月に発見された小麦グリアジンとして記載された、すべてのGenbank登録内に含有されるすべてのユニークな12merにわたる、652個の20merグリアジンペプチドからなる。このペプセットライブラリは、系統学的な分類に並べられた、ClustalWソフトウエア(MegAlign社)を用いて配列比較された遺伝子由来タンパク質配列から、「手作業で」設計された。
それぞれおよそ0.6マイクロモルの652個の20merが、供された。二つの20merマーカーペプチドを、96個の各セットに含め(VLQQHNIAHGSSQVLQESTY−ペプチド161、及びIKDFHVYFRESRDALWKGPG)、そして逆相HPLC及びアミノ酸配列解析によって
特徴付けた。これらのマーカーペプチドの平均の純度は、それぞれ19%及び50%であった。ペプチドを、最初にアセトニトリル(10%)及びヘペス100mM中に、10mg/mlとなるよう溶解した。IFNγ ELISpotアッセイのためにPBMCとインキュベートされた個々のペプチドの最終濃度は、20mcg/mlであった。これらのペプチドを、モルモット組織tTG(シグマT5398)と100:32mcg/mlの割合で37℃にて2時間インキュベートすることによって、アミド分解した。ペプチド溶液を−20℃に保管し、そして使用直前に解凍した。これらの試験を、オックスフォード、英国にて行った。ELISpotアッセイを、メルボルン、オーストラリアにて行われたもの(本明細書に記載されたすべての他の試験)に関して記載のように、行った。個々のペプチドに対する被験者の応答に関する「オックスフォード」のデータを、続いて行った「EMアルゴリズム」(以下を参照されたい)における「最小限の」エピトープ解析に関する「メルボルン」のデータとともに、プールした。
二巡目のグリアジンエピトープスクリーニングライブラリ
二巡目のグリアジンエピトープライブラリを、652個の20merの最初のグリアジンエピトープスクリーニングライブラリから同定された生物活性の配列にしたがって、設計した。すべての652個のアミド分解された20merを用いて評価した、15例のHLA−DQ2+被検者において最も強力なグリアジン20mer(91:PQPFPPQLPYPQPQLPYPQP)の>5%と同等の平均生物活性を伴うグリアジン20merを、定義付けた。初期の試験(WO 03/104273を参照されたい)により、このペプセットのアミド分解されたプールが、アミド分解されていないものよりも強力であることが示されたことから、tTGによりアミド分解される可能性のある生物活性の20mer内のグルタミン残基を、モチーフQXPX、QXZ (FYWILVM)(ここで、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸であり、そしてPはプロリン、Zは任意のアミノ酸であり、そしてFYWILVMは疎水性アミノ酸を表す)(Vader W.ら、J Exp Med 2002 J. Exp. Med. 195:643-649、PCT WO 03/066079、及びFleckenstein B. 2002. J Biol Chem 277:34109-16により公表されたtTGを介したアミド分解に関するモチーフと一致)にしたがって同定した。
次いで、12merのペプチドを、各潜在的アミド分解部位が、HLA−DQ2結合溝内に位置する9mer中の4、6または7位のいずれにあることが可能であるか(これらの位置にあるHLA−DQ2アンカーは、グルタミン酸が好ましいことを示す)を、同定した。次いで、候補の12merのコアエピトープ配列を、親グリアジンポリペプチド中に存在するN末端残基に続くグリシンと、そしてC末端では、親グリアジンポリペプチド中に存在するC末端残基に続くグリシンと、隣接させた(すなわち、GXXXXXXXQXXXXXXG)。
9位がグルタミンまたはグルタミン酸のペプチドを、合成した。次いで、ペプチド(100mcg/ml)(tTGによる+/−アミド分解)を、グルテン攻撃後の15例のHLA−DQ2+セリアック志願者から得たPBMCを用いたインターフェロンγ ELISPOTアッセイにおいて、評価した。これらのアッセイの結果を、EMアルゴリズム(以下を参照されたい)にしたがって解析した。加えて、最も強力な相異なるペプチドを、合成し、そして>80%に精製して(Mimotopes社)、そして、小麦グルテン攻撃後の15例のHLA−DQ2+セリアック志願者から得たPBMCを用いたインターフェロンγ ELISPOTアッセイにおいて、評価した。
完全なグルテンエピトープスクリーニングライブラリ
すべての小麦グリアジン及びグルテニン、ライ麦、大麦及びオーツ麦グルテン様タンパク質(プロラミン)にわたる、実質的により大きなペプチドライブラリの設計をより実際的にし、かつ先のグリアジンペプチドライブラリのデータを確認するために、反復アルゴリズムを開発して、グルテンタンパク質中の(シグナルペプチド配列を除く)すべてのユニークな12merを含む、20merの最小セットの設計を、自動化した。ScanSetアルゴリズムを、図1に示す。
該方法は、タンパク質群に由来するすべての可能なペプチドエピトープに対して、それらが様々な患者において潜在的な抗原であるかどうかを検査する。T細胞エピトープのサイズは、9〜15AAの範囲である。タンパク質セットにおけるすべての可能な12merを検査することは、数が多いため、迅速な実行が不可能となる。
ここで、我々は、例えば、20merペプチドが、9個までの異なる12merを網羅することが可能であるとの事実を、用いる。したがって、我々は、タンパク質ファミリー中に表されるすべての可能な12merを網羅する組み合わせアプローチを、開発した。
抗原として検査され、かつタンパク質群中に存在するすべての12merのペプチド配列を網羅する、20アミノ酸(20mer)の長いペプチドを、作出する。我々は、作出すべきペプチドの長さをL(例えば、20)として、そして我々が網羅したいエピトープの長さをSとして、定義した。我々は、タンパク質セットからすべてのユニークに生じるLmerを作出するコンピュータプログラムを、開発した。さらに、我々は、このタンパク質セットから、すべてのユニークに生じるSmerを作出する。次に、我々は、Lmerのすべての配列を含有するN個のLmerのセットを選択する。図1は、どのようにこのアルゴリズムが働くかを概説する。
2003年6月16日に、Genbankは、53個のα/β、53個のγ及び2個のωグリアジン、ならびにT. aestivum由来の77個のLMW及び55個のHMW、59個
のホルデイン、14個のセカリンならびに20個のアベニンの受入番号を、含有した(図2を参照されたい)。合計して、ScanSetは、225個のグルテン遺伝子産物中に含有される18117個のユニークな12merを同定した。
すべてのユニークなグルテンの12merを、2922個の20merに含めることが可能である。これらの20merを、ペプセットペプチドライブラリ(Mimotopes Inc.、メルボルン、オーストラリア)において合成した。ペプセットペプチドは、96個のバッチで合成された(Mimotopes Inc.、メルボルン、オーストラリア)。それぞれおよそ0.7〜1.3マイクロモルの2922個の20merが、供された。2個の20merマーカーペプチドが、96個の各セット(各特定のプレート上の94個の他のペプチドに由来する一つの代表的なペプチド、及びIKDFHVYFRESRDALWKGPG)に含まれ、そして逆相HPLC及び質量分析により特徴付けられた。これらのマーカーペプチドの平均の純度は、それぞれ36%(範囲:5〜68%)及び64%(範囲:55〜71%)であった。
ペプチドを、最初に水溶性アセトニトリル中に溶解した(50%)。水溶性アセトニトリルに溶解したペプチドを、無菌96ウェルプレートに移し、そして1mMカルシウムを伴う無菌PBS(250mcg/ml)中に希釈し、次いでtTG(25mcg/ml)(Sigma T5398)とともに37℃にて6時間インキュベートし、次いで使用するまで凍結
保管(−20℃)した。
被験者は全員、生検によりセリアック病であることが証明されており、そして続いて厳密にグルテンを含まない食事を少なくとも6ヶ月間与えた。すべての被験者は、HLA−DQB01*02(HLA−DQ2)のみ(n=100)、またはHLA−DQA1*03及びHLA−DQB1*0302(HLA−DQ8)のみ(n=5)を有した。全症例において、tTG−IgAを、グルテン攻撃前に評価し、そしてこれは正常範囲にあった(最初の志願者の30%で、tTG−IgAが上昇していることが見つかり、そして、慢性的なグルテン攻撃は、末梢血グルテン特異的T細胞を短期間のグルテン攻撃により誘導しないことを伴うため、除外した)。志願者は、Baker's Delight社の「white bread block loaf」(毎日200gを3日間)またはUncle Toby社のオーツ麦(毎日100gを3日間)を消費した。3例を除くすべての被験者は、3日間の攻撃を完了した(1例は最初の一口のパンの後に除外され、そして他の2例は最初の二切れのパンの後に嘔吐した。後者2例のデータは、これに続く解析に含めた)。血液(300ml)を、グルテン攻撃開始後6日に採取した。グルテンペプチド特異的IFNγ ELISpot応答は、我々の前の試験では見られず、したがって「攻撃前」血液を、この実験セットにおいて評価しなかった(Anderson, RPら、2000年、Nat. Med. 6:337-342.、WO 01/25793、WO 03/104273)。
IFNγ ELISpotアッセイ(Mabtech社、スウェーデン)を、96ウェルプレ
ート(MAIP S-45、ミリポア社)にて行い、ここで各ウェルは、25mclのペプチド溶
液及び100mclのPBMC(2〜8x10/ウェル)を、10%熱不活化ヒトAB血清含有RPMI中に含有した。発色及び乾燥後に、IFNγ ELISpotプレートを、MAIP自動化ELISpotプレート計数器を用いて評価した。次いで、データを、新規のアルゴリズム(期待値最大化:EM)にしたがって解析して、ペプチドライブラリ内に含有される9merの配列に対するインターフェロンγ応答を定義及び定量した(図3及び以下を参照されたい)。次いで、9merのペプチドを、T細胞認識における重複性を仮定するアルゴリズムである「Iterative Cluster」アルゴリズム(図4及び以下を参照されたい)にしたがって、9mer中の任意の一つの位置に類似した化学的特性を有するアミノ酸群を配分することにより、あるいは、任意の位置のグルタミンをグルタミン酸(アミド分解が起こりうると仮定)に置き換えることにより、合理化した。
HLA−DQ2+ではない2例のみのHLA−DQ8+個体から得たデータセットがあって、かつこれらが「完全なグルテンエピトープスクリーニングライブラリ」由来の721個の小麦グリアジンの20merのみを利用していたことから、生物活性のペプチドを、2例の被験者におけるペプチド特異的IFNγ ELISPOT応答の平均の順位を取ることにより、同定した。HLA−DQ8拘束性グリアジンエピトープらしきものを予測するため、tTGを介したアミド分解に感受性のグルタミン残基が、エピトープの潜在的な9merのコア領域内の1〜9位のいずれかを占めると仮定した(HLA−DQ8結合モチーフ、及びvan de Walら(van de Wal, Y.ら、1998年、J. Immunol. 161(4):1585-1588)の発見と一致)。
ELISpotのデータを解析するための期待値最大化(EM)アルゴリズム
図3は、ELISpotを用いたアッセイから得られたデータを解析するためのアルゴリズムを示す。異なるペプチドに対するT細胞応答を、T細胞アッセイを用いて、96ウェルプレートにて測定する。アッセイを、多くの異なるペプチド抗原を用いて行う。T細胞アッセイの結果を、表(横列がペプチドを表し、そして縦列が患者を表し、そして個々の測定値(計数値)が表中にある)中に要約することが可能である(例えば、図3Bを参照されたい)。EMアルゴリズムの目的は、ペプチドに対する患者の応答と非応答とを区別し、そして応答の平均速度、及び各ペプチドに対して応答するヒトの比率を見積もることである。
応答を、多くの異なる患者(iを、患者を示すために用いることにする)及び多くの異なるペプチド(jを、ペプチドを示すために用いることにする)に関して測定する。各測定値(yij)は、ペプチドjに応答する患者iのT細胞計数値を表す。患者における特定のペプチドに対する測定値を応答と呼ぶことが可能かどうか、あるいはこれがバックグラウンド分布からもたらされる可能性がより高いかどうかを見積もるために、我々は、yijが観察されたスポットの計数値であり、かつzijが、ヒトがペプチドjに応答するかどうかの観察されない指標である、不完全なデータ問題に対するモデルを、提唱する。
計数値の観察された数であるyijは、独立なポアソン分布から得られるようにモデル化される:患者iがペプチドjに応答している場合(すなわち、zij=1)は、ポアソン(αi、λj)、そして患者iがペプチドjに応答していない場合(すなわち、zij=0)は、ポアソン(αi、λ0)。
・完全なデータ:yij(観察された計数値)、zij(観察されない、応答の指標)。・パラメータ:θ=(αi、λj、λ0、pj)
・αi:患者の全体的な応答性。
・λj:ペプチドにより誘導される応答速度。
・λ0:応答のバックグラウンド速度。
・pj:ペプチドjに応答するヒトの比率。
EMアルゴリズム:
・最初に、ランダムな値に対する変数を設定する。
・E工程:尤度をコンピュータ計算する。
・M工程:尤度関数を最大化する。
・E工程とM工程を繰り返す。
応答性エピトープの最小セットを見つけるための反復手順
EMアルゴリズムにおいて見積もられるT細胞応答に基づいたワクチンにおける使用のために、ペプチドの最小セットをコンピュータ計算するためのプログラムを開発した。我々は、タンパク質群から得たLmerに対するT細胞応答を、測定した。ペプチドは、す
べての可能なSmerを網羅するよう作出された。我々は、該応答に対する以下のパラメータを、EMアルゴリズムにより見積もった:応答速度、応答するヒトの数、応答するヒトの比率。応答するヒトの比率と見積もられる応答速度とを掛け合わせたものを、優れた抗原であるエピトープを定義付けるための判定基準として用いる。測定されたLmerの多くは、同じSmerのエピトープを含有する。Lmerにおけるすべての応答を説明可能なエピトープ(Smer)を見つけるため、我々は、平均して最も高度に応答するLmer内に含有されるSmerを選択する。次に、我々は、残ったLmerにおいて最も高度な応答を伴うSmerを選択する。我々は、特定のカットオフよりも高度に応答するSmerが存在しなくなるまで、この手順を反復する。我々は、異なるカットオフによる数回の反復を用いる。この過程を、図4に略図で示す。一群のLmerのこのような定義付けられたリストを、至適なエピトープを定義付け、そして優れた抗原として機能するペプチドを選択するための基礎として用いることが可能である。
小麦グルテンにおけるHLA−DQ2エピトープ
小麦グリアジン及びグルテニンにおけるHLA−DQ2エピトープを、合計76例のHLA−DQ2+個体におけるグルテン攻撃開始後第6日に採取されたPBMCを用いて、γ−インターフェロンELISPOTアッセイにて同定した(最初のグリアジンエピトープライブラリ:n=15、二巡目のグリアジンエピトープスクリーニングライブラリ:n=15、完全なグルテンエピトープスクリーニングライブラリ:n=46)。セリアック被験者における個々のペプチド応答に関連するすべてのデータをプールし、そしてEMアルゴリズムにより解析した。
一連の9merを、同定し、そしてγ−インターフェロン応答の強度及び応答する個体の比率にしたがって順序付けた(図5を参照されたい)。同定された配列の多くは、類似する化学的特性を伴ういくつかの異なるアミノ酸が、推定エピトープ内の任意の一位置に存在することが可能な「スーパーファミリー」に分類されることが可能であった(図6を参照されたい)。例えば、図6の「配列1」(配列番号1555)P(QR)P(QE)LP(FY)PQにおいて、グルタミン(Q)またはアルギニン(R)は、Qが実質的により生物活性のエピトープを作り出すことを除けば、双方とも、2位において許容される。
EMアルゴリズムにより同定された110個の最も「活性の」9mer配列を再検討することにより、9merモチーフの「リスト」を、41個の9merへ要約することが可能であって、その多くは、重複していた(例えば、「配列1」と「配列2」(それぞれ、配列番号1555及び1558)は、7残基が重複し、かつA−グリアジン57−73 QE65内に双方とも存在する)。選択された場合において、ハイグレードペプチドを合成し、そしてEMアルゴリズムにより同定されたペプチドの生物活性を確認した(図7を参照されたい)。
オーツ麦アベニンにおけるHLA−DQ2エピトープ
アベニンペプチドを、HLA−DQ2+セリアック被験者においてオーツ麦で攻撃後(n=30例の被験者)または小麦パンで攻撃後(n=8)に、評価した。ELISPOT応答が、図8に見つけられるペプチドに対して見いだされた。反応性アベニンペプチドの一つは、小麦グルテンにおける配列(配列番号1590)と相同であった。
オーツ麦(アベニン)の高品質ペプチド試験
ハイグレードアベニンペプチドを、小麦を含まない純粋なオーツ麦100g/日3日間のオーツ麦攻撃完了後3日に、評価した(「第6日」にPBMCインターフェロンγ ELISPOT応答)。これらのペプチドを、スクリーニンググレードの(「一巡目の」)アベニンペプチドライブラリを用いて先に定義付けたペプチド、及び潜在的なアミド分解部位に基づいて、設計した。HPLCにより>80%の純度と確認され、そして配列を質
量分析により確認された、25個の(16merとしての)ペプチドがあった。
tTGによるアミド分解後のハイグレードアベニンペプチドに対するインターフェロンγ ELISPOT応答を、DQ2+セリアック病を有する18例の被験者において比較した。
オーツ麦攻撃後のドミナント(>70%最大応答)ペプチドには:EQQFGQNIFSGFSVQL
(配列番号1764)(11/18例の被験者)、QLRCPAIHSVVQAIIL(配列番号1765)(4/18例の被験者)、及びQYQPYPEQEQPILQQQ(配列番号1766)(3/18例の被験者)が含まれた。2/18例の被験者はアベニン特異的な応答(SFU(スポット形成単位)>3Xブランクにより定義される)をせず、そして6/18例の被験者の平均最大SFUは10未満であった。二つのさらなるペプチドが、陽性応答を誘発した:QIPEQLRCPAIHSVVQ(配列番号1767)(3/18例の被験者)、及びEQYQPEQQPFMQPL(配列番号1768)(5/18例の被験者において、>40%最大ペプチド応答)。25個のペプチドのパネルには、Arentz-Hansen, PLoS Medicine(2004年10月、第1巻、第1号(84-92))において報告されたペプチド1490(SEQYQPYPEQQEPFVQ)に類似するい
くつかのペプチドが含まれたが、しかしながら、そのペプチドは、1例のみの被験者で強い陽性応答を、そして5例の被験者でははるかに弱い応答を誘導した。
ハイグレードアベニンペプチドに対するインターフェロンγ ELISPOT応答は、グルテン攻撃前にはなく、そして抗HLA DQ抗体を用いたPBMCの前処理によってブロックされたが、しかし抗HLA DR抗体を用いた場合にはブロックされなかった。
ライ麦及び大麦スクリーニングペプチドライブラリ
セカリン及びホルデインの20merの一巡目のペプチドライブラリを、ライ麦(パン、100g/日を3日間)または大麦(茹でたもの、100g/日を3日間)攻撃完了後3日に、評価した(「第6日」にPBMCインターフェロンγ ELISPOT応答)。エピトープを定義付けるための二巡目及び三巡目のペプチドライブラリを用いた反復解析をまだ行っていないにもかかわらず、「強力な」応答を誘導することが見いだされた、tTGで前処理された20merは、小麦攻撃後に同定された生物活性のペプチドと実質的な構造的類似性を共有した。しかしながら、ライ麦または大麦攻撃後のドミナントペプチド配列には、小麦攻撃後にドミナントなことが見いだされたPQPQLPY配列を伴うペプチドは含まれなかった。ライ麦攻撃後のドミナント(>70%最大ペプチド応答)の20merは、通常はPQQLFPLPQQPFPQPQQPFP(配列番号1769)(8/14例の被験者)、あるいは、時としてQPFPQPQQPTPIQPQQPFPQ(配列番号1770)(4/14例)、QQPQQLFPQTQQSSPQQPQQ(配列番号1771)(1/14例)、PQTQQPQQPFPQPQQPQQLF(配列番号1772)(1/14例)及び/またはQEQREGVQILLPQSHQQLVG(配列番号1773)(1/14例)であった。少なくとも1例の被験者において40%を超える最大応答を示したさらなるペプチドには、以下が含まれる:
FPQQPQQPFPQPQQQLPLQP(配列番号:1774)(3/14例、2 > 70%)
PQQPFPQQPEQIIPQQPQQP(配列番号:1775)(5/14例、3 > 70%)
QQLPLQPQQPFPQPQQPIPQ(配列番号:1776)(6/14例、2 > 70%)
QQPQQPFPLQPQQPVPQQPQ(配列番号:1777)(3/14例、1 > 70%)
SIPQPQQPFPQPQQPFPQSQ(配列番号:1778)(4/14例、1 > 70%)
QTQQSIPQPQQPFPQPQQPF(配列番号:1779)(3/14例、1 > 70%)
NMQVGPSGQVEWPQQQPLPQ(配列番号:1780)(2/14例、1 > 70%)
VGPSGQVSWPQQQPLPQPQQ(配列番号:1781)(2/14例、2 > 70%)
QQPFLLQPQQPFSQPQQPFL(配列番号:1782)(1/14例、1 > 70%)
FPLQPQQPFPQQPEQIISQQ(配列番号:1783)(5/14例、1 > 70%)
PQQPQRPFAQQPEQIISQQP(配列番号:1784)(3/14例、1 > 70%)
SPQQPQLPFPQPQQPFVVVV(配列番号:1785)(4/14例、1 > 70%)
QQPSIQLSLQQQLNPCKNVL(配列番号:1786)(1/14例、1 > 70%)。
典型的には、大麦攻撃後のドミナントペプチドは、6個のペプチドモチーフのうちの1個を含んだか、あるいは大麦攻撃後に17例の被験者中1例のみにおいて「ドミナント」であった、8個の他の個々の20merうちの1個であった。同定された6個のモチーフ:
QQPIPQQPQPY(配列番号1787)
PFPQPQQPFPW(配列番号1788)
LQPQQPFPQ(配列番号1789)
PQPQQASPL(配列番号1790)
IIPQQPQQPF(配列番号1791)
YPEQPQQPF(配列番号1792)。
少なくとも1例の被験者において少なくとも40%の最大ペプチド応答を示す大麦ホルデインペプチドには、以下が含まれる(ここで、アステリスクは1例の個体において最大応答を示した8個の個々のペプチドを示す)。
QQQPFPQQPIPQQPQPYPQQ(配列番号1793)(8/17例、2 > 70%)
QQPQPFSQQPIPQQPQPYPQ(配列番号1794)(9/17例、8 > 70%)
PQQPVPQQPQPYPQQPQPFP(配列番号1795)(5/17例、1 > 70%)
PQPFPQQPIPQQPQPYPQQP(配列番号1796)(6/17例、2 > 70%)
YPQQPQPFPQQPIPQQPQPY(配列番号1797)(6/17例、2 > 70%)
QPQPYPQQPQPYPQQPFQPQ(配列番号1798)(7/17例、2 > 70%)
QPQQPQPFPQQPVPQQPQPY(配列番号1799)(5/17例、2 > 70%)
PQPYPQQPQPFPQQPPFCQQ(配列番号1800)(1/17例、1 > 70%)*
QPFPQPQQPFPWQPQQPFPQ(配列番号1801)(10/17例、2 > 70%)
PFPQQPQQPFPQPQQPFRQQ(配列番号1802)(6/17例、3 > 70%)
WQPQQPFPQPQQPFPLQPQQ(配列番号1803)(9/17例、5 > 70%)*
PWQPQQPFPQPQEPIPQQPQ(配列番号1804)(1/17例、1 > 70%)
QQPFPQPQQPIPYQPQQPFN(配列番号1805)(5/17例、1 > 70%)
PQQPQQPFPQPQQPFSWQPQ(配列番号1806)(6/17例、2 > 70%)*
QPQQPFPQPQQPIPYQPQQP(配列番号1807)(4/17例、1 > 70%)*
QSQQQFPQPQQPFPQQPQQP(配列番号1808)(1/17例、0 > 70%)
PFPQPQQPFSWQPQQPFLQP(配列番号1809)(1/17例、0 > 70%)
FPQPQEPFPQQPQQPFPLQP(配列番号1810)(1/17例、0 > 70%)
PFPQPQQPFPWQPQQPFPQP(配列番号1811)(6/17例、0 > 70%)
FPQYQIPTPLQPQQPFPQQP(配列番号1812)(2/17例、1 > 70%)
FPLQPQQPFPQQPQQPFPQQ(配列番号1813)(1/17例、0 > 70%)
QQPFPLQPQQPFPQPQPFPQ(配列番号1814)(1/17例、0 > 70%)
SPLQPQQPFPQGSEQIIPQQ(配列番号1815)(1/17例、0 > 70%)
PQQASPLQPQPQQASPLQPQ(配列番号1816)(1/17例、1 > 70%)
PQQPPFWPQQPFPQQPPFGL(配列番号1817)(1/17例、1 > 70%)*
PVLSQQQPCTQDQTPLLQEQ(配列番号1818)(1/17例、1 > 70%)
RQLPKYIIPQQPQQPFLLQP(配列番号1819)(1/17例、1 > 70%)
QGSEQIIPQQPQQPFPLQPH(配列番号1820)(7/17例、3 > 70%)*
PQGSEQIIPQQPFPLQPQPF(配列番号1821)(2/17例、1 > 70%)
QPFPTPQQFFPYLPQQTFPP(配列番号1822)(4/17例、1 > 70%)
PFPQPPQQKYPEQPQQPFPW(配列番号1823)(1/17例、1 > 70%)
QKYPEQPQQPFPWQQPTIQL(配列番号1824)(1/17例、1 > 70%)
FQQPQQSYPVQPQQPFPQPQ(配列番号1825)(3/17例、1 > 70%)
QIPYVHPSILQQLNPCKVFL(配列番号1826)(1/17例、1 > 70%)
LAAQLPAMCRLEGGGGLLAS(配列番号1827)(1/17例、1 > 70%)
PYLPEELSPQYQIPTPLQPQ(配列番号1828)(1/17例、1 > 70%)*
VSPHPGQQTTVSPHQGQQTT(配列番号1829)(1/17例、1 > 70%)*
二巡目及び三巡目の小麦グルテニン及びグリアジンペプチドライブラリ
二巡目の小麦グリアジン及びグルテニンライブラリを、任意の被験者において最も活性のトランスグルタミナーゼ(tTG)前処理(酵素によりアミド分解)20merペプチドにより刺激された応答(インターフェロンγ ELISPOT)の少なくとも5%を誘導した20merの小麦グリアジン及びグルテニンペプチドの配列に基づいて、設計した。すべての二巡目の16merペプチドを、少なくとも18例の被験者において評価した。「オックスフォード」のグリアジン20merライブラリから作出された二巡目のライブラリを、10例の被験者において評価した−このデータを、新たな二巡目の(拡大された)グリアジン/グルテニンライブラリを評価するために用いられた、18例の被験者から作出されたデータと、合わせた。したがって、トランスグルタミナーゼで前処理された個々の16merペプチドを、18例(「メルボルン」の20merライブラリに基づいた、新規のグリアジン/グルテニン配列)または28例(「オックスフォード」の20merライブラリに基づいた、グリアジン配列)の被験者のいずれかにおいて評価した。
二巡目のペプチドライブラリのデータを、個々の被験者におけるインターフェロンγ ELISPOTにおけるペプチド応答(すなわち、ペプチドにより誘導される個体の最大応答に対して正規化された、特異的ペプチドに対する個体のPBMCのパーセント応答)の「ドミナンス」にしたがって、解析した。少なくとも1例の被験者で最大のペプチド特異的応答の少なくとも40%を刺激したペプチドの配列を、以下の表1に示す。該データセットは、上述の期待値最大化(EM)アルゴリズムを用いた一巡目の20merペプチドライブラリを用いて同定された配列に一致するペプチドの整合性及び「ドミナンス」を、サポートする。
Figure 2019089770
Figure 2019089770
三巡目のペプチドライブラリは、任意の被験者において任意のペプチドに対する最大応答の少なくとも10%を誘導することが見いだされた、二巡目のライブラリ中の構造的に相異なる配列に基づいた74個のペプチドからなった。これらのペプチドは、二巡目のライブラリにおいて用いられたものとほぼ同一の野生型(アミド分解されていない)配列と一致した。このライブラリの相異なる特色は、それが、HPLCにより>80%の純度と確認され、そして質量分析により配列を確認されたペプチドからなることであった。
tTGによるアミド分解後の三巡目のライブラリペプチドに対するインターフェロンγ
ELISPOT応答を、14例の被験者において比較した。この場合も、PQPQLPYモチ
ーフを含む配列は、9/14例の被験者において「ドミナント」であった。しかしながら、PFPQPQQPFPW(配列番号1895)は1/14例、PFPQQPQQPFPQ(配列番号1896)
は1/14例、PQPFLPQLPYPQP(配列番号1897)は1/14例、QPFPQPQQPQQP(配列
番号1898)は4/14例(PQPQLPYペプチドが強力なエピトープではなかった3例の
被験者を含む)、SGQGVSQSQQQSQQQ(配列番号1899)は2/14例(PQPQLPYが強力ではなかった1例を含む)の被験者において、QYEVIRSLVLRTLPNM(配列番号1900)及びGLARSQMLQQSICHVG(配列番号1901)それぞれは、PQPQLPYが強力なエピトープでない
1例の(同じ)被験者において、RTTTSVPFGVGTGVGA(配列番号1902)は1/14例の被験者において、そしてAIHTVIHSIIMQQEQQ(配列番号1903)は1/14例の被験者において、最大応答の>70%を刺激した。
三巡目において検査された配列の多くは構造的に関連し、そして個々の被験者の応答は、特定の配列の「関連性」にしたがってあるかまたはなく、in vivoグルテン攻撃により誘導されるグルテン特異的T細胞によって認識されるペプチドの重複性が示唆された。
三巡目のペプチドに対するインターフェロンγ ELISPOT応答は、グルテン攻撃前にはなく、そして抗HLA DQ抗体を用いたPBMCの前処理によってブロックされ
たが、しかし抗HLA DR抗体を用いた場合にはブロックされなかった。
コンビトープ
エピトープの重複性の課題、ならびに「ユニークな」ドミナントエピトープを組み合わせるよう設計されたペプチドの、診断学及び治療学における潜在的な利用に、小麦(n=16のHLA DQ2セリアック病被験者)、ライ麦(n=17)または大麦(n=13)攻撃後の、配列:QLQPFPQPELPYPQPQL(配列番号1904)(「P04724E」)、QPEQPFPQPEQPFPWQP(配列番号1905)(「626fEE」)及びQLQPFPQPELPYPQPFPQQPEQPFPQPEQPFPWQP(配列番号1906)(「コンビトープ」)に対するインターフェロンγ ELISPOT応答を比較することによって、取り組んだ。ライ麦及び大麦攻撃後に、P04724E及び626fEEに対するELISPOT応答(スポット形成単位)のメディアンの合計は、同様な
(至適)濃度のコンビトープに対する応答とほぼ同一であった(それぞれ、99%及び102%)。しかしながら、小麦攻撃後に(n=16の被験者)、P04724Eへの応答のメディアンは、コンビトープに対するものの89%であり、そして626fEEへの応答のメディアンは、コンビトープに対する応答の70%であった。これらの発見は、小麦攻撃後の(しかし、ライ麦または大麦攻撃後でない)、これらの関連するエピトープ配列であるP04724Eと626fEEの実質的な重複性と一致することになり、そしてより長いペプチド内のその組み合わされたドミナントエピトープ配列は、その生物学的利用性を低下させない。したがって、選択された強力なエピトープに由来するコンビトープは、T細胞エピトープに基づいたセリアック病の治療学及び診断学のための効率的な送達装置であってもよい。
HLA−DQ8+セリアック病に関連する小麦グルテン中のエピトープ
小麦グリアジン中のエピトープを、2例(1例はHLA−DQ8ホモ接合型、及び1例はHLA−DQ8へテロ接合型)の個体におけるグルテン攻撃後のPBMCを用いて、同定した。他のHLA−DQ8(DQ2でない)セリアック個体において誘導されたT細胞応答は、グルテン攻撃に対して弱く応答し、そしてそのデータで詳細な解析を行うことができなかった。
コア配列:QGSFQPSQQ(配列番号1907)を含むアミド分解された20merは、公
知のHLA−DQ8拘束性α−グリアジンエピトープ(至適な活性のために、Q1及びQ9がtTGによってアミド分解されている)に一致し、中等度に強いペプチド応答を誘導した。しかしながら、一連の「コア」ペプチドは、γ及びωグリアジン由来の20merにおけるより強力な応答と関連した(図9を参照されたい)。最も強力なペプチドは、(QGSFQPSQQ(配列番号1907)に見つけられるように)同様にアミド分解に対して感受性の第二のグルタミンと7残基により分離されているグルタミンを、アミド分解に対する感受性を示唆するであろう配列中に有し、これらのアミド分解された配列が、tTGによるアミド分解後にHLA−DQ8に対して高親和性のバインダーとなることが、示唆された。(HLA−DQ8に対する結合モチーフは、1及び9位がグルタミン酸であることが好ましい。)20merのさらなる群は、アミド分解に感受性であるが、ただしtTGを介するアミド分解に感受性の第二のグルタミンと7残基により分離されていないグルタミン残基を、有した。
HLA−DQ8セリアック病グリアジン及びグルテニンエピトープ
HLA DQ2及びHLA DQ8アリルを有するセリアック病の5例の被験者に、小麦グルテン攻撃を行った。最初に攻撃された2例の被験者から得たPBMCを用いて、一巡目の「メルボルン」の小麦グリアジン20merライブラリをスクリーニングした。これらの2例のHLA DQ8 CD被験者から得たPBMCを用いて同定された20mer配列を、2例の元の被験者を含む5例のHLA DQ8+ DQ2− CD被験者において、一巡目のライブラリ中の反応性の20merに基づいた二巡目のライブラリをスクリーニングすることにより、さらに精査した。二巡目のライブラリは、スクリーニンググ
レードの重複16mer、ならびに、1及び/または9位にグルタミンのアミド分解(HLA−DQ8ペプチド結合モチーフと一致)の可能性を伴うエピトープのtTGを介したアミド分解産物と一致することが予測される13merからなる。加えて、「メルボルン」小麦グルテンライブラリ中の1400個のグルテニン(HMW及びLMW)のtTGにより前処理された20merも、これら5例の被験者においてスクリーニングした。
最も強力かつ一貫してドミナントのグリアジン16merは、関連する配列VYIPPYCTIAPFGIFG(配列番号1908)(3/5例の被験者で、最大のグリアジン16merに対して>70%の応答)、及び同様に3/5例の被験者においてドミナントのAMCNVYIPPYCAMAPF(配列番号1908)であった(4/5例の被験者で、これらのペプチドの一方または双方に対するドミナントな応答が得られた)。加えて、ELISPOTにおけるその応答が増強されているか、またはアミド分解されている特異的なグルタミンに許容的である、先に同定された生物活性の20mer由来の一連のペプチドを、同定した:(QE)QPTPIQP(QE)(配列番号1909)、(QE)QPFPLQP(QE)(配列番号1910)、(QE)QPIPVQP(QE)(配列番号1911)、(QE)QPQQPFP(QE)(配列番号1912)、(QE)QP(QE)LPFP(QE)(配列番号1913)、(QE)GSFQPSQ(QE)(配列番号1914) (先に公表されたHLA DQ8エピトープ、van der Wal、1998年)、(QE)LPFP(QE)QP(QE)(配列番号1915)、及び(QE)QPFP(QE)QP(QE)(配列番号1916)。
グルテニン20merライブラリのスクリーニングは、少なくとも5例中1例の被験者においてドミナントのさらなる一連の配列を、同定した。ドミナントの20merペプチドは、モチーフを共有するか、あるいは配列:PQQQQQQLVQQQ(配列番号1917)、QGIFLQPH(LQ)I(AS)QLEV(配列番号1918)、QPGQGQQG(HY)Y(配列番号1919)、QSRYEAIRAII(FY)S(配列番号1920)、RTTTSVPFD(配列番号1921)、QPPFWRQQP(配列番号1922)、Q(PS)(PS)(FI)(PS)QQQQ(配列番号1923)、(QPLR)GYYPTSPQ(配列番号1924) (先に同定されたHLA DQ8エピトープ、van der Wal、2001年)、QGSYYPGQASPQ(配列番号1925)、GYYPTSSLQPEQGQQGYYPT(配列番号1926)及び、QGQQLAQGQQGQQPAQVQQG(配列番号1927)を有した。グルテニンペプチドを、トランスグルタミナーゼで前処理後に評価した。したがって、これらのエピトープのアミド分解のための必要条件は、公知でない。
(製パン用)小麦(Triticum aestivum)、ライ麦、大麦もしくはオーツ麦のグルテン
、グリアジン、グルテニン、セカリン、ホルデインまたはアベニンとして定義付けられたGenbankに存在する遺伝子によりコードされる、すべてのユニークな12mer配列を含む、「特徴付けられていない」スクリーニンググレードのペプチドの包括的なライブラリを、in vivoでのグルテン攻撃開始後6日にHLA DQ2+(及び、いくつかの症例ではHLA DQ8+)セリアック病志願者から得たT細胞を用いて、評価した。比較的一貫したパターンのエピトープヒエラルキーが、セリアック病において毒性の他の穀粒の消費後と類似するが、しかし同一でないHLA DQ2セリアック病において、同定された。配列PQPQLPYを有するペプチドは、HLA DQ2+セリアック病の少な
くとも3分の2において、小麦攻撃後に場合によりドミナントであるが、しかし他のエピトープは場合によってはドミナントであり、一方、PQLPYペプチドは、セリアック病を有
する6例のHLA DQ2+被験者中1例未満において、基本的に不活性である。稀なドミナントエピトープの寄与を、多数(例えば、>30例)の被験者をスクリーニングした後に評価するのが良いであろう。ライ麦及び大麦消費後のエピトープヒエラルキーは、グリアジン/ホルデイン/セカリン配列であるPQPQQPFPまたはPFPQQPQQPに類似するアミド
分解されたペプチドが、通常はPQPQLPY(小麦α−グリアジンにユニークな配列)よりも
むしろドミナントであることを除けば、小麦消費後のものと類似する。連続的な、または部分的に重複するグルテンエピトープを含んでなるコンビトープは、単一のエピトープのみと同程度に活性であるか、またはそれよりも活性であり、そしてT細胞認識のための複
数のグルテンエピトープを効率的に送達する手段を提供する。したがって、このようなコンビトープは、複数のユニークなT細胞エピトープを標的とするセリアック病におけるペプチド療法の設計及び送達において、有用である。
参考文献
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本明細書に引用または参照されるPTC公報、米国特許、他の特許、ジャーナル参考文献、及び任意の他の出版物は、その全体が参照によって本明細書に援用される。
図1は、タンパク質群からすべての可能なペプチドエピトープを作出する方法を示す。 図2は、2003年6月16日にGenbankデータベースに存在したグルテン遺伝子産物のGenbank受入番号を示す。 図2は、2003年6月16日にGenbankデータベースに存在したグルテン遺伝子産物のGenbank受入番号を示す。 図3Aは、ELISpotから得たデータを解析するための期待値最大化(EM)アルゴリズムを示す。 図3Bは、セリアック病を有する患者のデータセットに関する検査を示す。 図4は、応答性エピトープの最小セットを見つけるための反復手順を示す。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図5は、グリアジン及びグルテニンの配列(配列番号1〜1554)を示す。「コンセンサス」の列では、小文字は標準的な一文字アミノ酸コードを用いるが、しかし大文字は異なる意味を有する:E=[eまたはq]、F=[fまたはyまたはw]、I=[iまたはlまたはv]、S=[sまたはt]、R=[rまたはkまたはh]。「配列」の列は、標準的な一文字アミノ酸コードを用いる。 図6は、HLA−DQ2+セリアック病志願者においてグルテン攻撃後6日に採取されたPBMCにおける、γインターフェロンを刺激するグルテンペプチド(配列番号1555〜1655)を、示す。示された9merは、200群の生物活性の「構造的に」関連する20merペプチドに共通している。グルテン配列は、生物活性X応答する被験者の比率にしたがって順序付けられている。 図6は、HLA−DQ2+セリアック病志願者においてグルテン攻撃後6日に採取されたPBMCにおける、γインターフェロンを刺激するグルテンペプチド(配列番号1555〜1655)を、示す。示された9merは、200群の生物活性の「構造的に」関連する20merペプチドに共通している。グルテン配列は、生物活性X応答する被験者の比率にしたがって順序付けられている。 図6は、HLA−DQ2+セリアック病志願者においてグルテン攻撃後6日に採取されたPBMCにおける、γインターフェロンを刺激するグルテンペプチド(配列番号1555〜1655)を、示す。示された9merは、200群の生物活性の「構造的に」関連する20merペプチドに共通している。グルテン配列は、生物活性X応答する被験者の比率にしたがって順序付けられている。 図6は、HLA−DQ2+セリアック病志願者においてグルテン攻撃後6日に採取されたPBMCにおける、γインターフェロンを刺激するグルテンペプチド(配列番号1555〜1655)を、示す。示された9merは、200群の生物活性の「構造的に」関連する20merペプチドに共通している。グルテン配列は、生物活性X応答する被験者の比率にしたがって順序付けられている。 図7は、小麦攻撃実験の結果を示す(配列番号1656〜1671)。これらのペプチドは、小麦攻撃後に10例の被験者(A〜J)において良質の応答(「Y」で示す)をもたらした。 図8は、HLA−DQ2+セリアック病志願者においてグルテン攻撃後6日に採取されたPBMCにおける、γインターフェロンを刺激するアベニンペプチド(tTGによる+/−アミド分解)(配列番号1672〜1698)を、示す。*を付けたものは、オーツ麦攻撃後にIFN−γを誘導する、至適なユニークな20merである。 図9は、共有のコア配列にしたがって分類された、2例のHLA−DQ8(HLA−DQ2でない)被験者における最も強力な40個の20merである。第6群のコア配列(QGSFQPSQQ)は、van de Walら(J. Immunol. 1998年、161(4):1585-1588)により記載されたα−グリアジンエピトープと一致する。被験者Aにおける最大応答は、271SFC(中等度のみ、ペプチド応答なし:4SFC)であり、Bにおいては26SFC(中等度のみ、ペプチド応答なし:1SFC)であった。 図10は、アミノ酸配列決定に基づいたA−グリアジンのアミノ酸配列(配列番号1928)を示す。
具体的には、配列番号1〜1927のアミド分解型を含んでなる剤が、好ましい(このような配列が、まだアミド分解されていない場合)。最も好ましくは、本発明の剤は、配列番号1〜1927のトランスグルタミナーゼによるアミド分解型を含んでなる(同じく、まだアミド分解されていない場合)。本明細書に定義されるように、これらの剤のアナログ及び同等物もまた、本発明の範囲内に包含される。
本発明は、非限定的に以下の態様を含む。
[態様1]
(a) 配列番号1〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびに、
(b) (a)のペプチドを認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、(a)のアナログ;
から選択される少なくとも一つの剤を個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
[態様2]
剤がHLA−DQ2拘束性である、態様1に記載の方法。
[態様3]
剤がHLA−DQ8拘束性である、態様1に記載の方法。
[態様4]
一つの剤がHLA−DQ2拘束性であり、かつ第二の剤がHLA−DQ8拘束性である、態様1に記載の方法。
[態様5]
剤が小麦エピトープを含んでなる、態様1に記載の方法。
[態様6]
剤がオーツ麦エピトープを含んでなる、態様1に記載の方法。
[態様7]
一つの剤が小麦エピトープを含んでなり、かつ一つの剤がオーツ麦エピトープを含んでなる、態様1に記載の方法。
[態様8]
態様1に定義されるような剤、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物を、個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
[態様9]
態様1に定義されるようなT細胞受容体を有するT細胞のアンタゴニスト、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物を、個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
[態様10]
態様1に定義されるような剤に対してT細胞もしくは抗体の応答が生じることを抑制するために、グルテンタンパク質に対して個体を寛容化するための、態様1に定義されるような剤を含んでなる組成物を、個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
[態様11]
a) 宿主から得た試料を、
i) 配列番号1〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびに、
ii) i)を認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、i)のアナログ;
から選択される少なくとも一つの剤と接触させ、そして、in vitroにおいて試料中のT細胞が剤を認識するかどうかを判定すること;ここで、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す;あるいは、
b) 態様1に定義されるような剤を投与し、そしてin vivoにおいて個体中のT細胞が剤を認識するかどうかを判定すること、ここで、剤の認識は、個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す;
のいずれかにより、個体においてセリアック病を診断し、そして、
セリアック病を有するかまたはそれに感受性であると診断された個体に、セリアック病を予防または治療するための治療剤を投与する
ことを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
[態様12]
セリアック病を治療または予防するための薬剤を調製するための剤の使用であって、当該剤は
(a) 配列番号1〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびに、
(b) (a)のペプチドを認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、(a)のアナログ;
を含んでなる、前記使用。
[態様13]
剤がHLA−DQ2拘束性である、態様12に記載の使用。
[態様14]
剤がHLA−DQ8拘束性である、態様12に記載の使用。
[態様15]
一つの剤がHLA−DQ2拘束性であり、かつ第二の剤がHLA−DQ8拘束性である、態様12に記載の使用。
[態様16]
剤が小麦エピトープを含んでなる、態様12に記載の使用。
[態様17]
剤がオーツ麦エピトープを含んでなる、態様12に記載の使用。
[態様18]
一つの剤が小麦エピトープを含んでなり、かつ一つの剤がオーツ麦エピトープを含んでなる、態様12に記載の使用。
[態様19]
剤が、医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物中に存在する、態様12に記載の使用。
[態様20]
剤が、態様12に定義されるようなT細胞受容体を有するT細胞のアンタゴニスト、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物中に存在する、態様12に記載の使用。
[態様21]
剤が、態様1に定義されるような剤に対してT細胞もしくは抗体の応答が生じることを抑制するために、グルテンタンパク質に対して個体を寛容化するための組成物中に存在する、態様12に記載の使用。
[態様22]
所望によりキャリアーと会合していてもよい、態様1に定義されるような剤であって、当該剤を認識するT細胞を寛容化することによってセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記剤。
[態様23]
所望によりキャリアーと会合していてもよい、態様1に定義されるようなT細胞受容体を有するT細胞のアンタゴニストであって、そのようなT細胞をアンタゴナイズすることによってセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記アンタゴニスト。
[態様24]
態様1に定義されるような剤のエピトープと結合する抗体と結合する、態様1に定義されるような剤またはアナログであって、そのような抗体の産生を防ぐために個体を寛容化することによって個体においてセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記剤またはアナログ。
[態様25]
T細胞受容体と結合可能な配列を含んでなるタンパク質であって、T細胞受容体が態様1に定義されるような剤を認識し、かつ配列がこのようなT細胞受容体を保有するT細胞のアンタゴニズムを引き起こすことが可能な、上記タンパク質。
[態様26]
態様1に定義されるような剤、または態様9に定義されるようなアンタゴニスト。
[態様27]
態様1に定義されるような剤、または態様9に定義されるようなアンタゴニスト、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる、医薬組成物。
[態様28]
態様1に定義されるような剤に対してT細胞もしくは抗体の応答が生じることを抑制するために、グルテンタンパク質に対して個体を寛容化するための、態様1に定義されるような剤を含んでなる組成物。
[態様29]
態様1に定義されるような剤に対するT細胞応答をアンタゴナイズするための、態様9に定義されるようなアンタゴニストを含んでなる組成物。
[態様30]
変異グルテンタンパク質であって、その野生型配列は、態様1に定義されるような剤である配列へとトランスグルタミナーゼにより修飾されることが可能であって、その変異グルテンタンパク質は、態様1に定義されるような剤である配列へのトランスグルタミナーゼによる修飾を防ぐ変異を含んでいる、前記変異グルテンタンパク質;あるいは、少なくとも7アミノ酸長であり、かつ変異を含んでなる、このような変異グルテンタンパク質のフラグメント。
[態様31]
態様25または30に定義されるようなタンパク質またはフラグメントをコードするコード配列を含んでなる、ポリヌクレオチド。
[態様32]
コード配列と機能可能なように連結され、細胞におけるコード配列の発現を確保することが可能な1またはそれより多くの調節配列を、さらに含んでなる、態様31に記載のポリヌクレオチド。
[態様33]
調節配列(群)が、原核細胞または哺乳動物細胞においてコード配列の発現を可能にする、態様32に記載のポリヌクレオチド。
[態様34]
ベクターであるか、またはベクターの形態である、態様31〜33のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
[態様35]
態様31〜34のいずれか1項に定義されるようなポリヌクレオチドを含んでなるか、またはこのようなポリヌクレオチドで形質転換されている、細胞。
[態様36]
原核細胞または哺乳動物細胞である、態様35に記載の細胞。
[態様37]
態様1に定義されるようなT細胞受容体を発現する、哺乳動物。
[態様38]
(a) 宿主から得た試料を、
i) 配列番号1〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびに、
ii) (i)を認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、(i)のアナログ;
から選択される少なくとも一つの剤と接触させること;ならびに、
(b) 試料中のT細胞が剤を認識するかどうかを、in vitroで判定すること、ここで、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す;
を含んでなる、個体においてセリアック病またはセリアック病に対する感受性を診断する方法。
[態様39]
個体においてセリアック病またはセリアック病に対する感受性を診断する方法であって、個体のT細胞が剤を認識するかどうかを判定すること、ここにおいて、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す、を含んでなる前記方法における使用のための診断手段の調製のための、態様38に定義されるような剤の使用。
[態様40]
剤が、(a) HLA分子または(b) (i)もしくは(ii)と結合可能なHLA分子のフラグメントと結合している(i)または(ii)を含んでなる、アナログ(iii)である、態様38もしくは39に記載の方法または使用。
[態様41]
HLA分子またはフラグメントが、4個のHLA分子またはHLA分子のフラグメントを含んでなる複合体に含まれる、態様40に記載の方法または使用。
[態様42]
方法が、剤を個体の皮膚に投与し、そして投与部位における炎症の存在を検出すること、ここにおいて、炎症の検出は、該個体のT細胞が剤を認識することを示す、を含んでなる、態様39〜41のいずれか1項に記載の使用。
[態様43]
試料が血液試料である、態様39、41または42に記載の方法。
[態様44]
T細胞が、前記判定の前にin vitroで抗原特異性に再刺激されていない、態様38、40、41または43に記載の方法。
[態様45]
T細胞による剤の認識が、T細胞からのサイトカインの分泌を検出することによって判定される、態様38〜44のいずれか1項に記載の方法または使用。
[態様46]
サイトカインがIFN−γである、態様45に記載の方法または使用。
[態様47]
サイトカインを、サイトカインに特異的な固定化された抗体と結合させ、次いで抗体/サイトカイン複合体の存在を検出することによって、サイトカインを検出する、態様45または態様46に記載の方法または使用。
[態様48]
前記判定を、剤がT細胞受容体と結合するかどうかを測定することによって行う、態様38〜44のいずれか1項に記載の方法または使用。
[態様49]
候補の物質が、態様38に定義されるような配列を含んでなるエピトープを認識するT細胞受容体によって認識されるかどうかを判定すること、ここにおいて、該物質の認識は、該物質がアナログであることを示す、を含んでなる、態様38、40または41に定義されるようなアナログを同定するための方法。
[態様50]
個体においてセリアック病またはセリアック病に対する感受性を診断する方法であって、個体から得た試料において、態様38に定義されるような配列を含んでなるエピトープのエピトープと結合する抗体の存在を判定すること、ここにおいて、抗体の存在は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに対して感受性であることを示す、を含んでなる、上記方法。
[態様51]
組成物がセリアック病を引き起こすことが可能かどうかを判定する方法であって、トランスグルタミナーゼによって態様38に定義されるようなオリゴペプチド配列へと修飾されることが可能なタンパク質が組成物中に存在するかどうかを判定すること、ここにおいて、タンパク質の存在は、該組成物がセリアック病を引き起こすことが可能なことを示す、を含んでなる、上記方法。
[態様52]
前記判定を、組成物を、オリゴペプチド配列へと修飾されることが可能な配列に特異的な抗体と接触させることによって行う、ここにおいて、抗体と組成物中のタンパク質との結合は、該組成物がセリアック病を引き起こすことが可能なことを示す、態様51に記載の方法。
[態様53]
T細胞のアンタゴニストを同定する方法であって、(ここにおいて、T細胞は態様1に定義されるような剤を認識する)、候補の基質をT細胞と接触させ、そして該物質がT細胞の抗原特異的応答を起こす能の減少を引き起こすかどうかを検出すること、ここで、任意のこのような減少の検出は該物質がアンタゴニストであることを示す、を含んでなる、上記方法。
[態様54]
態様38、40または41に定義されるような剤、及びT細胞によるペプチドの認識を検出する手段を含んでなる、態様38〜48のいずれか1項に記載の方法または使用を実行するためのキット。
[態様55]
認識を検出する手段が、IFN−γに対する抗体を含んでなる、態様54に記載のキット。
[態様56]
抗体が固体担体上に固定され、そして所望によりキットが抗体/IFN−γ複合体を検出する手段もまた含んでなる、態様55に記載のキット。
[態様57]
態様56に定義されるような剤またはアンタゴニスト、あるいは態様30に定義されるような野生型配列の、当該剤、アンタゴニストまたは野生型配列に特異的な抗体を産生するための使用。
[態様58]
グルテンタンパク質のエピトープにおける変異の、グルテンタンパク質がセリアック病を引き起こす能を減少させるための使用であって、当該エピトープは態様38に定義されるようなものである、前記使用。
[態様59]
セリアック病治療剤である産物を同定する方法であって、セリアック病を有するかまたはそれに感受性である態様37に定義されるような哺乳動物に候補の物質を投与し、そして該物質が哺乳動物においてセリアック病を予防または治療するかどうかを判定すること、ここにおいて、セリアック病の予防または治療は、該物質が治療用産物であることを示す、を含んでなる上記方法。
[態様60]
セリアック病を予防または治療する方法における使用のための、態様59に記載の方法において同定されるような治療用産物。
[態様61]
個体においてセリアック病またはセリアック病に対する感受性を診断する方法であって、態様38に定義されるような剤を投与し、そして個体のT細胞が剤を認識するかどうかをin vivoにて判定すること、ここにおいて、剤の認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す、を含んでなる、上記方法。
[態様62]
イネ科単子葉植物種の細胞である、態様35に記載の細胞。
[態様63]
小麦、トウモロコシ、オーツ麦、ライ麦、米、大麦、ライ小麦、ソルガムまたはサトウキビの細胞である、態様62に記載の細胞。
[態様64]
(a) 態様35、36、62または63のいずれか1項に記載の細胞を、タンパク質の発現を可能にする条件下で培養すること;及び、所望により、
(b) 発現したタンパク質を回収すること;
を含んでなる、態様31に定義されるようなコード配列によってコードされるタンパク質の産生のためのプロセス。
[態様65]
(a) 態様34に記載のベクターで植物細胞を形質転換して、トランスジェニック植物細胞を得ること;
を含んでなる、トランスジェニック植物細胞を得る方法。
[態様66]
(b) 態様34に記載のベクターで形質転換されたトランスジェニック植物細胞を再生して、トランスジェニック植物を得ること;
を含んでなる、第一世代トランスジェニック植物を得る方法。
[態様67]
(c) 態様66の工程(b)により得ることが可能なトランスジェニック植物から、トランスジェニック種子を得ること;
を含んでなる、トランスジェニック植物種子を得る方法。
[態様68]
トランスジェニック後代植物を得る方法であって、態様66に記載の方法によって得ることが可能な第一世代トランスジェニック植物から、第二世代トランスジェニック後代植物を得て、そして所望により、このように得られた第二世代後代植物から1またはそれより多くのさらなる世代のトランスジェニック植物を得ることを含んでなる、上記方法。
[態様69]
(d) トランスジェニック種子を、態様67に記載の方法によって得ることが可能な第一世代トランスジェニック植物から得て、次いで第二世代トランスジェニック後代植物を、トランスジェニック種子から得ること;及び/または、
(e) 態様66に記載の方法によって得ることが可能な第一世代トランスジェニック植物をクローン増殖させて、第二世代後代植物を得ること;及び/または、
(f) 態様66に記載の方法によって得ることが可能な第一世代トランスジェニック植物を、別の植物と交配させて、第二世代後代植物を得ること;及び、所望により、
(g) このように得られた後代植物から、1またはそれより多くのさらなる世代のトランスジェニック後代植物を得ること;
を含んでなる、態様68に記載の方法。
[態様70]
態様65〜69のいずれか1項に記載の方法によって得ることが可能な、トランスジェニック植物細胞、植物、植物種子または後代植物。
[態様71]
態様62または63に記載の植物細胞を含んでなる、トランスジェニック植物または植物種子。
[態様72]
態様62、63、または65〜69のいずれか1項に定義されるようなトランスジェニック植物細胞、第一世代植物、植物種子または後代から得ることが可能な、態様62または63に記載の植物細胞を含んでなる、トランスジェニック植物細胞カルス。
[態様73]
態様62または63に定義されるような種のものである、態様70〜72のいずれか1項に記載の植物またはカルス。
[態様74]
態様70〜73のいずれか1項に記載の植物から穀物を収穫し、そして所望により収穫された産物をさらに加工することを含んでなる、穀物を得る方法
[態様75]
植物が小麦植物であり、かつ収穫された穀物が穀粒であって;所望により、小麦粉または別の穀粒産物へとさらに加工する、態様74に記載の方法。
[態様76]
態様74または75に記載の方法によって得ることが可能な、穀物。
[態様77]
態様25または30のいずれかに定義されるようなタンパク質を含んでなる、食物。
[態様78]
態様25または30に定義されるようなタンパク質が、野生型グルテンの代わりに用いられる、態様77に記載の食物。

Claims (78)

  1. (a) 配列番号1〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびに、
    (b) (a)のペプチドを認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、(a)のアナログ;
    から選択される少なくとも一つの剤を個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
  2. 剤がHLA−DQ2拘束性である、請求項1に記載の方法。
  3. 剤がHLA−DQ8拘束性である、請求項1に記載の方法。
  4. 一つの剤がHLA−DQ2拘束性であり、かつ第二の剤がHLA−DQ8拘束性である、請求項1に記載の方法。
  5. 剤が小麦エピトープを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  6. 剤がオーツ麦エピトープを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  7. 一つの剤が小麦エピトープを含んでなり、かつ一つの剤がオーツ麦エピトープを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  8. 請求項1に定義されるような剤、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物を、個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
  9. 請求項1に定義されるようなT細胞受容体を有するT細胞のアンタゴニスト、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物を、個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
  10. 請求項1に定義されるような剤に対してT細胞もしくは抗体の応答が生じることを抑制するために、グルテンタンパク質に対して個体を寛容化するための、請求項1に定義されるような剤を含んでなる組成物を、個体に投与することを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
  11. a) 宿主から得た試料を、
    i) 配列番号1〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびに、
    ii) i)を認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、i)のアナログ;
    から選択される少なくとも一つの剤と接触させ、そして、in vitroにおいて試料中のT細胞が剤を認識するかどうかを判定すること;ここで、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す;あるいは、
    b) 請求項1に定義されるような剤を投与し、そしてin vivoにおいて個体中のT細胞が剤を認識するかどうかを判定すること、ここで、剤の認識は、個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す;
    のいずれかにより、個体においてセリアック病を診断し、そして、
    セリアック病を有するかまたはそれに感受性であると診断された個体に、セリアック病を予防または治療するための治療剤を投与する
    ことを含んでなる、セリアック病を予防または治療する方法。
  12. セリアック病を治療または予防するための薬剤を調製するための剤の使用であって、当該剤は
    (a) 配列番号1〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびに、
    (b) (a)のペプチドを認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、(a)のアナログ;
    を含んでなる、前記使用。
  13. 剤がHLA−DQ2拘束性である、請求項12に記載の使用。
  14. 剤がHLA−DQ8拘束性である、請求項12に記載の使用。
  15. 一つの剤がHLA−DQ2拘束性であり、かつ第二の剤がHLA−DQ8拘束性である、請求項12に記載の使用。
  16. 剤が小麦エピトープを含んでなる、請求項12に記載の使用。
  17. 剤がオーツ麦エピトープを含んでなる、請求項12に記載の使用。
  18. 一つの剤が小麦エピトープを含んでなり、かつ一つの剤がオーツ麦エピトープを含んでなる、請求項12に記載の使用。
  19. 剤が、医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物中に存在する、請求項12に記載の使用。
  20. 剤が、請求項12に定義されるようなT細胞受容体を有するT細胞のアンタゴニスト、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる医薬組成物中に存在する、請求項12に記載の使用。
  21. 剤が、請求項1に定義されるような剤に対してT細胞もしくは抗体の応答が生じることを抑制するために、グルテンタンパク質に対して個体を寛容化するための組成物中に存在する、請求項12に記載の使用。
  22. 所望によりキャリアーと会合していてもよい、請求項1に定義されるような剤であって、当該剤を認識するT細胞を寛容化することによってセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記剤。
  23. 所望によりキャリアーと会合していてもよい、請求項1に定義されるようなT細胞受容体を有するT細胞のアンタゴニストであって、そのようなT細胞をアンタゴナイズすることによってセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記アンタゴニスト。
  24. 請求項1に定義されるような剤のエピトープと結合する抗体と結合する、請求項1に定義されるような剤またはアナログであって、そのような抗体の産生を防ぐために個体を寛容化することによって個体においてセリアック病を治療または予防する方法における使用のための、前記剤またはアナログ。
  25. T細胞受容体と結合可能な配列を含んでなるタンパク質であって、T細胞受容体が請求
    項1に定義されるような剤を認識し、かつ配列がこのようなT細胞受容体を保有するT細胞のアンタゴニズムを引き起こすことが可能な、上記タンパク質。
  26. 請求項1に定義されるような剤、または請求項9に定義されるようなアンタゴニスト。
  27. 請求項1に定義されるような剤、または請求項9に定義されるようなアンタゴニスト、及び医薬的に許容可能なキャリアーまたは希釈剤を含んでなる、医薬組成物。
  28. 請求項1に定義されるような剤に対してT細胞もしくは抗体の応答が生じることを抑制するために、グルテンタンパク質に対して個体を寛容化するための、請求項1に定義されるような剤を含んでなる組成物。
  29. 請求項1に定義されるような剤に対するT細胞応答をアンタゴナイズするための、請求項9に定義されるようなアンタゴニストを含んでなる組成物。
  30. 変異グルテンタンパク質であって、その野生型配列は、請求項1に定義されるような剤である配列へとトランスグルタミナーゼにより修飾されることが可能であって、その変異グルテンタンパク質は、請求項1に定義されるような剤である配列へのトランスグルタミナーゼによる修飾を防ぐ変異を含んでいる、前記変異グルテンタンパク質;あるいは、少なくとも7アミノ酸長であり、かつ変異を含んでなる、このような変異グルテンタンパク質のフラグメント。
  31. 請求項25または30に定義されるようなタンパク質またはフラグメントをコードするコード配列を含んでなる、ポリヌクレオチド。
  32. コード配列と機能可能なように連結され、細胞におけるコード配列の発現を確保することが可能な1またはそれより多くの調節配列を、さらに含んでなる、請求項31に記載のポリヌクレオチド。
  33. 調節配列(群)が、原核細胞または哺乳動物細胞においてコード配列の発現を可能にする、請求項32に記載のポリヌクレオチド。
  34. ベクターであるか、またはベクターの形態である、請求項31〜33のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
  35. 請求項31〜34のいずれか1項に定義されるようなポリヌクレオチドを含んでなるか、またはこのようなポリヌクレオチドで形質転換されている、細胞。
  36. 原核細胞または哺乳動物細胞である、請求項35に記載の細胞。
  37. 請求項1に定義されるようなT細胞受容体を発現する、哺乳動物。
  38. (a) 宿主から得た試料を、
    i) 配列番号1〜1927からなる群より選択される配列を含んでなる少なくとも一つのエピトープを含んでなるペプチド、及びその同等物;ならびに、
    ii) (i)を認識するT細胞受容体により認識されることが可能であって、かつ50アミノ酸長を超えない、(i)のアナログ;
    から選択される少なくとも一つの剤と接触させること;ならびに、
    (b) 試料中のT細胞が剤を認識するかどうかを、in vitroで判定すること、ここで、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性で
    あることを示す;
    を含んでなる、個体においてセリアック病またはセリアック病に対する感受性を診断する方法。
  39. 個体においてセリアック病またはセリアック病に対する感受性を診断する方法であって、個体のT細胞が剤を認識するかどうかを判定すること、ここにおいて、T細胞による認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す、を含んでなる前記方法における使用のための診断手段の調製のための、請求項38に定義されるような剤の使用。
  40. 剤が、(a) HLA分子または(b) (i)もしくは(ii)と結合可能なHLA分子のフラグメントと結合している(i)または(ii)を含んでなる、アナログ(iii)である、請求項38もしくは39に記載の方法または使用。
  41. HLA分子またはフラグメントが、4個のHLA分子またはHLA分子のフラグメントを含んでなる複合体に含まれる、請求項40に記載の方法または使用。
  42. 方法が、剤を個体の皮膚に投与し、そして投与部位における炎症の存在を検出すること、ここにおいて、炎症の検出は、該個体のT細胞が剤を認識することを示す、を含んでなる、請求項39〜41のいずれか1項に記載の使用。
  43. 試料が血液試料である、請求項39、41または42に記載の方法。
  44. T細胞が、前記判定の前にin vitroで抗原特異性に再刺激されていない、請求項38、40、41または43に記載の方法。
  45. T細胞による剤の認識が、T細胞からのサイトカインの分泌を検出することによって判定される、請求項38〜44のいずれか1項に記載の方法または使用。
  46. サイトカインがIFN−γである、請求項45に記載の方法または使用。
  47. サイトカインを、サイトカインに特異的な固定化された抗体と結合させ、次いで抗体/サイトカイン複合体の存在を検出することによって、サイトカインを検出する、請求項45または請求項46に記載の方法または使用。
  48. 前記判定を、剤がT細胞受容体と結合するかどうかを測定することによって行う、請求項38〜44のいずれか1項に記載の方法または使用。
  49. 候補の物質が、請求項38に定義されるような配列を含んでなるエピトープを認識するT細胞受容体によって認識されるかどうかを判定すること、ここにおいて、該物質の認識は、該物質がアナログであることを示す、を含んでなる、請求項38、40または41に定義されるようなアナログを同定するための方法。
  50. 個体においてセリアック病またはセリアック病に対する感受性を診断する方法であって、個体から得た試料において、請求項38に定義されるような配列を含んでなるエピトープのエピトープと結合する抗体の存在を判定すること、ここにおいて、抗体の存在は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに対して感受性であることを示す、を含んでなる、上記方法。
  51. 組成物がセリアック病を引き起こすことが可能かどうかを判定する方法であって、トラ
    ンスグルタミナーゼによって請求項38に定義されるようなオリゴペプチド配列へと修飾されることが可能なタンパク質が組成物中に存在するかどうかを判定すること、ここにおいて、タンパク質の存在は、該組成物がセリアック病を引き起こすことが可能なことを示す、を含んでなる、上記方法。
  52. 前記判定を、組成物を、オリゴペプチド配列へと修飾されることが可能な配列に特異的な抗体と接触させることによって行う、ここにおいて、抗体と組成物中のタンパク質との結合は、該組成物がセリアック病を引き起こすことが可能なことを示す、請求項51に記載の方法。
  53. T細胞のアンタゴニストを同定する方法であって、(ここにおいて、T細胞は請求項1に定義されるような剤を認識する)、候補の基質をT細胞と接触させ、そして該物質がT細胞の抗原特異的応答を起こす能の減少を引き起こすかどうかを検出すること、ここで、任意のこのような減少の検出は該物質がアンタゴニストであることを示す、を含んでなる、上記方法。
  54. 請求項38、40または41に定義されるような剤、及びT細胞によるペプチドの認識を検出する手段を含んでなる、請求項38〜48のいずれか1項に記載の方法または使用を実行するためのキット。
  55. 認識を検出する手段が、IFN−γに対する抗体を含んでなる、請求項54に記載のキット。
  56. 抗体が固体担体上に固定され、そして所望によりキットが抗体/IFN−γ複合体を検出する手段もまた含んでなる、請求項55に記載のキット。
  57. 請求項56に定義されるような剤またはアンタゴニスト、あるいは請求項30に定義されるような野生型配列の、当該剤、アンタゴニストまたは野生型配列に特異的な抗体を産生するための使用。
  58. グルテンタンパク質のエピトープにおける変異の、グルテンタンパク質がセリアック病を引き起こす能を減少させるための使用であって、当該エピトープは請求項38に定義されるようなものである、前記使用。
  59. セリアック病治療剤である産物を同定する方法であって、セリアック病を有するかまたはそれに感受性である請求項37に定義されるような哺乳動物に候補の物質を投与し、そして該物質が哺乳動物においてセリアック病を予防または治療するかどうかを判定すること、ここにおいて、セリアック病の予防または治療は、該物質が治療用産物であることを示す、を含んでなる上記方法。
  60. セリアック病を予防または治療する方法における使用のための、請求項59に記載の方法において同定されるような治療用産物。
  61. 個体においてセリアック病またはセリアック病に対する感受性を診断する方法であって、請求項38に定義されるような剤を投与し、そして個体のT細胞が剤を認識するかどうかをin vivoにて判定すること、ここにおいて、剤の認識は、該個体がセリアック病を有するかまたはそれに感受性であることを示す、を含んでなる、上記方法。
  62. イネ科単子葉植物種の細胞である、請求項35に記載の細胞。
  63. 小麦、トウモロコシ、オーツ麦、ライ麦、米、大麦、ライ小麦、ソルガムまたはサトウキビの細胞である、請求項62に記載の細胞。
  64. (a) 請求項35、36、62または63のいずれか1項に記載の細胞を、タンパク質の発現を可能にする条件下で培養すること;及び、所望により、
    (b) 発現したタンパク質を回収すること;
    を含んでなる、請求項31に定義されるようなコード配列によってコードされるタンパク質の産生のためのプロセス。
  65. (a) 請求項34に記載のベクターで植物細胞を形質転換して、トランスジェニック植物細胞を得ること;
    を含んでなる、トランスジェニック植物細胞を得る方法。
  66. (b) 請求項34に記載のベクターで形質転換されたトランスジェニック植物細胞を再生して、トランスジェニック植物を得ること;
    を含んでなる、第一世代トランスジェニック植物を得る方法。
  67. (c) 請求項66の工程(b)により得ることが可能なトランスジェニック植物から、トランスジェニック種子を得ること;
    を含んでなる、トランスジェニック植物種子を得る方法。
  68. トランスジェニック後代植物を得る方法であって、請求項66に記載の方法によって得ることが可能な第一世代トランスジェニック植物から、第二世代トランスジェニック後代植物を得て、そして所望により、このように得られた第二世代後代植物から1またはそれより多くのさらなる世代のトランスジェニック植物を得ることを含んでなる、上記方法。
  69. (d) トランスジェニック種子を、請求項67に記載の方法によって得ることが可能な第一世代トランスジェニック植物から得て、次いで第二世代トランスジェニック後代植物を、トランスジェニック種子から得ること;及び/または、
    (e) 請求項66に記載の方法によって得ることが可能な第一世代トランスジェニック植物をクローン増殖させて、第二世代後代植物を得ること;及び/または、
    (f) 請求項66に記載の方法によって得ることが可能な第一世代トランスジェニック植物を、別の植物と交配させて、第二世代後代植物を得ること;及び、所望により、
    (g) このように得られた後代植物から、1またはそれより多くのさらなる世代のトランスジェニック後代植物を得ること;
    を含んでなる、請求項68に記載の方法。
  70. 請求項65〜69のいずれか1項に記載の方法によって得ることが可能な、トランスジェニック植物細胞、植物、植物種子または後代植物。
  71. 請求項62または63に記載の植物細胞を含んでなる、トランスジェニック植物または植物種子。
  72. 請求項62、63、または65〜69のいずれか1項に定義されるようなトランスジェニック植物細胞、第一世代植物、植物種子または後代から得ることが可能な、請求項62または63に記載の植物細胞を含んでなる、トランスジェニック植物細胞カルス。
  73. 請求項62または63に定義されるような種のものである、請求項70〜72のいずれか1項に記載の植物またはカルス。
  74. 請求項70〜73のいずれか1項に記載の植物から穀物を収穫し、そして所望により収穫された産物をさらに加工することを含んでなる、穀物を得る方法
  75. 植物が小麦植物であり、かつ収穫された穀物が穀粒であって;所望により、小麦粉または別の穀粒産物へとさらに加工する、請求項74に記載の方法。
  76. 請求項74または75に記載の方法によって得ることが可能な、穀物。
  77. 請求項25または30のいずれかに定義されるようなタンパク質を含んでなる、食物。
  78. 請求項25または30に定義されるようなタンパク質が、野生型グルテンの代わりに用いられる、請求項77に記載の食物。
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