JP2019089683A - 光学素子の製造方法および光学素子の製造装置 - Google Patents

光学素子の製造方法および光学素子の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成形不良を早期に発見することができ、かつ成形条件の調整を迅速に行うことができる光学素子の製造方法および光学素子の製造装置を提供すること。【解決手段】光学素子の製造方法は、加熱工程と、プレス工程と、冷却工程とを含み、冷却工程が、予め設定された、温度、圧力および時間を含む第一の冷却条件によって、成形素材を冷却する第一の冷却工程と、第一の冷却工程の後に、第一の冷却条件の温度および圧力を維持した状態の成形素材の面形状を測定する面形状測定工程と、面形状測定工程で測定された成形素材の面形状と目標面形状とを比較し、成形素材の面形状を目標面形状とするための、温度、圧力および時間を含む第二の冷却条件を算出する条件算出工程と、第二の冷却条件によって成形素材を冷却する第二の冷却工程と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、光学素子の製造方法および光学素子の製造装置に関する。
一対の金型間に成形素材を配置し、加熱、押圧および冷却を行って光学素子を製造する技術として、例えば特許文献1には、金型セットが加熱される加熱領域と、金型セットがプレスされるプレス領域と、金型セットが冷却される冷却領域と、を含み、加熱領域から冷却領域へと金型セットを順次搬送する搬送手段を備える光学素子の製造装置が開示されている。
特開2006−240944号公報
しかしながら、特許文献1の製造装置では、成形後の光学素子を製造装置から取り出して測定しなければ、光学素子の成形不良(例えば面形状の不良)の有無を確かめることができないため、成形不良の発見に時間が掛かるという問題があった。また、特許文献1の製造装置では、光学素子に成形不良が生じた場合、成形後の光学素子の測定結果に応じて成形条件を調整し直す必要があるため、成形条件の調整に時間が掛かるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、成形不良を早期に発見することができ、かつ成形条件の調整を迅速に行うことができる光学素子の製造方法および光学素子の製造装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光学素子の製造方法は、一対の金型間に成形素材を配置した型セットを加熱する加熱工程と、前記一対の金型によって前記成形素材を押圧して予め設定された目標面形状へと成形するプレス工程と、押圧状態の前記成形素材を冷却する冷却工程と、を行うことにより光学素子を製造する光学素子の製造方法であって、前記冷却工程は、予め設定された、温度、圧力および時間を含む第一の冷却条件によって、前記成形素材を冷却する第一の冷却工程と、前記第一の冷却工程の後に、前記第一の冷却条件の温度および圧力を維持した状態の前記成形素材の面形状を測定する面形状測定工程と、前記面形状測定工程で測定された前記成形素材の面形状と前記目標面形状とを比較し、前記成形素材の面形状を前記目標面形状とするための、温度、圧力および時間を含む第二の冷却条件を算出する条件算出工程と、前記第二の冷却条件によって前記成形素材を冷却する第二の冷却工程と、を含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光学素子の製造装置は、成形室内において、一対の金型間に成形素材を配置した型セットを加熱し、前記一対の金型によって前記成形素材を押圧して予め設定された目標面形状へと成形し、押圧状態の前記成形素材を冷却することにより、光学素子を製造する光学素子の製造装置であって、前記一対の金型によって押圧された前記成形素材を、予め設定された、温度、圧力および時間を含む第一の冷却条件によって冷却する制御を行う制御部と、前記第一の冷却条件の温度および圧力が維持された状態の前記成形素材の面形状を測定する面形状測定部と、前記面形状測定部によって測定された前記成形素材の面形状と、前記目標面形状とを比較し、前記成形素材の面形状を前記目標面形状とするための、温度、圧力および時間を含む第二の冷却条件を算出する条件算出部と、を備え、前記制御部は、前記第一の冷却条件によって前記成形素材を冷却した後に、前記第二の冷却条件によって前記成形素材を冷却することを特徴とする。
また、本発明に係る光学素子の製造装置は、上記発明において、前記一対の金型と、前記一対の金型を押圧する一対のプレートとは、光が透過可能な素材によって構成されており、前記面形状測定部は、前記一対の金型および前記一対のプレートにレーザ光を透過させ、前記一対の金型間に配置された前記成形素材に前記レーザ光を照射することにより、前記成形素材の面形状を測定することを特徴とする。
また、本発明に係る光学素子の製造装置は、上記発明において、前記面形状測定部は、前記制御部が前記第二の冷却条件によって前記成形素材を冷却している最中に、所定の時間間隔で前記成形素材の面形状を測定し、前記条件算出部は、前記面形状測定部によって前記成形素材の面形状が測定されるたびに前記第二の冷却条件を算出し、前記制御部は、前記条件算出部によって前記第二の冷却条件が算出されるたびに、前記第二の冷却条件を更新し、更新後の前記第二の冷却条件によって前記成形素材を冷却する制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、冷却中の成形素材の面形状を測定することにより、成形素材の成形不良を成形中の段階で早期に発見することができる。また、成形素材の面形状の測定結果に基づいて、成形条件を成形中に調整することにより、成形後の光学素子の面形状を、目標面形状に合わせ込むことができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学素子の製造装置の構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る光学素子の製造装置が備える上プレートの構成を示す断面図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る光学素子の製造装置を用いた光学素子の製造方法を示すフローチャートである。 図4は、本発明の実施の形態1に係る光学素子の製造装置を用いた光学素子の製造方法において、ガス置換工程および加熱工程を示す断面図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る光学素子の製造装置を用いた光学素子の製造方法において、プレス工程、第一の冷却工程および第二の冷却工程を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態2に係る光学素子の製造装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明に係る光学素子の製造装置およびこれを用いた光学素子の製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、以下の実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものも含まれる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る光学素子の製造装置について、図1〜図5を参照しながら説明する。光学素子の製造装置1は、一つの軸によって加熱工程、プレス工程および冷却工程を行う単軸式の成形装置であり、図1に示すように、型セット10と、成形室20と、上プレート31と、下プレート32と、加圧シリンダ33と、面形状測定部41,43と、条件算出部51と、制御部52と、を備えている。そのうち、条件算出部51および制御部52は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置の機能として実行される。なお、説明の便宜上、図1、図4および図5では、加圧シリンダ33のシャフト331を除く成形室20内の各構成を断面で示している。
型セット10は、上型11と、下型12と、スリーブ13と、スペーサ14と、を備えている。上型11および下型12は、それぞれ段付きの円柱状(凸状)に形成されている。また、上型11および下型12は、光が透過可能な素材で構成されており、例えば石英で構成されている。
上型11および下型12は、それぞれの成形面111,121が対向するように配置されている。これらの成形面111,121は、光学素子の上下面(光学機能面)を創生するための面である。また、上型11において、成形面111の反対側の面は、上プレート31に固定されている。また、下型12において、成形面121の反対側の面は、下プレート32に固定されている。
スリーブ13は、上型11および下型12を摺動させて中心軸の位置合わせを行うためのものである。スリーブ13は、全体として円筒状に形成されており、成形時は筒内部に上型11および下型12が収容される。また、スリーブ13は、例えば超硬合金で構成されている。
スペーサ14は、加圧シリンダ33による上型11のプレス量を規定するためのものである。スペーサ14は、全体として円筒状に形成されており、成形時は筒内部に上型11、下型12、スリーブ13および上プレート31が収容される。また、スペーサ14は、例えば超硬合金で構成されている。ここで、図4に示すように、成形素材Mの押圧前は、スペーサ14の上端に対して上プレート31の上端が突出した状態となる。一方、図5に示すように、成形素材Mの押圧後は、スペーサ14の上端と上プレート31の上端とが一致した状態となる。
成形室20内には、型セット10、上プレート31、下プレート32および加圧シリンダ33のシャフト331が配置される。成形室20の下面において、後記する面形状測定部43のレーザ光が通過する光路上は、例えば石英等の、光が透過可能な素材で構成されている。
上プレート31および下プレート32は、それぞれ円柱状に形成されている。また、上プレート31および下プレート32は、それぞれ図示しないヒータを内蔵しており、上型11および下型12を加熱または冷却可能に構成されている。図2に示すように、上プレート31において、後記する面形状測定部41のレーザ光が通過する光路上には、光を透過する透過部311が設けられている。また同様に、下プレート32において、後記する面形状測定部43のレーザ光が通過する光路上には、光を透過する透過部321が設けられている。
透過部311,321は、光が透過可能な素材で構成されており、例えば石英で構成されている。また、上プレート31および下プレート32において、透過部311,321以外の部分は、例えば超硬合金で構成されている。
加圧シリンダ33は、シャフト331を介して上プレート31と連結されており、成形素材Mの成形時において、上プレート31に固定された上型11を下型12の方向に移動させる。加圧シリンダ33およびシャフト331の内部は空洞となっており、光を透過可能に構成されている。また、加圧シリンダ33の内部には、後記する面形状測定部41から照射されたレーザ光を、成形素材Mの方向へと反射させるためのミラー42が配置されている。なお、成形室20の外部には、後記する面形状測定部43から照射されたレーザ光を、成形素材Mの方向へと反射させるためのミラー44が配置されている。
面形状測定部41は、成形素材Mの上面の形状を測定するためのものである。面形状測定部41は、加圧シリンダ33内のミラー42、シャフト331、上型11および上プレート31の透過部311にレーザ光を透過させ、型セット10内の成形素材Mの上面にレーザ光を照射することにより、当該成形素材Mの上面の面形状を測定する。また、面形状測定部41は、具体的には後記する光学素子の製造方法の第一の冷却工程の後に、第一の冷却条件の温度および圧力が維持された状態の成形素材Mの上面の面形状を測定する。
面形状測定部43は、成形素材Mの下面の形状を測定するためのものである。面形状測定部43は、ミラー44、下型12および下プレート32の透過部321にレーザ光を透過させ、型セット10内の成形素材Mの下面にレーザ光を照射することにより、当該成形素材Mの下面の面形状を測定する。また、面形状測定部43は、具体的には後記する光学素子の製造方法の第一の冷却工程の後に、第一の冷却条件の温度および圧力が維持された状態の成形素材Mの下面の面形状を測定する。
面形状測定部41,43としては、例えば成形素材Mの上下面でレーザ光を反射させることにより面形状を測定するフィゾー干渉計を用いることができる。また、フィゾー干渉計の光源としては、例えばHe−Neレーザ(波長:632.8nm)を用いることができる。なお、図1、図4および図5では、このフィゾー干渉計の具体的構成については図示を省略している。また、面形状測定部41,43として、例えば成形素材Mにレーザ光を透過させることにより面形状を測定するマッハツェンダ干渉計を用いてもよい。このマッハツェンダ干渉計を用いる場合は、予め設計したマスターレンズを用いて面形状の測定を行う。
条件算出部51は、第二の冷却条件を算出する。条件算出部51は、具体的には、面形状測定部41,43によって測定された成形素材Mの面形状と、予め設定された目標面形状とを比較することにより、第二の冷却条件を算出する。なお、「目標面形状」とは、成形の目標としている、光学素子の最終的な面形状のことを意味している。また、「第二の冷却条件」とは、後記する光学素子の製造方法の第二の冷却工程において用いられる冷却条件であり、第一の冷却工程後の成形素材Mの面形状を、目標面形状とするための冷却条件である。この第二の冷却条件には、第二の冷却工程を実施する際の温度(冷却温度)、圧力(押圧力)および時間(冷却時間)が含まれる。
制御部52は、後記する光学素子の製造方法の各工程において、上プレート31および下プレート32による型セット10の加熱温度または冷却温度、加圧シリンダ33による押圧力等を制御する。
制御部52は、具体的には、上プレート31、下プレート32および加圧シリンダ33を制御することにより、型セット10に配置した成形素材Mを加熱する加熱工程と、型セット10によって成形素材Mを押圧して予め設定された目標面形状へと成形するプレス工程と、型セット10によって押圧された成形素材Mを、予め設定された第一の冷却条件によって成形素材Mを冷却する第一の冷却工程と、を実施する。
また、制御部52は、第一の冷却工程を実施した後に、上プレート31、下プレート32および加圧シリンダ33を制御することにより、条件算出部51によって算出された第二の冷却条件によって成形素材Mを冷却する第二の冷却工程を実施する。なお、「第一の冷却条件」とは、第一の冷却工程において用いられる冷却条件であり、予め設定される冷却条件である。この第一の冷却条件には、第一の冷却工程を実施する際の温度(冷却温度)、圧力(押圧力)および時間(冷却時間)が含まれる。
以下、製造装置1を用いた光学素子の製造方法について、図1、図3〜図5を参照しながら説明する。製造装置1を用いた光学素子の製造方法では、組み付け工程と、配置工程と、ガス置換工程と、加熱工程と、プレス工程と、冷却工程と、取り出し工程と、をこの順で行う。また、冷却工程の中では、第一の冷却工程と、面形状測定工程と、条件算出工程と、第二の冷却工程と、をこの順で行う。
組み付け工程では、型セット10を組み付ける(図3のステップS1参照)。組み付け工程では、具体的には図1に示すように、上型11を上プレート31に固定した後、スリーブ13およびスペーサ14をそれぞれ上型11に嵌合させる。また、下型12を下プレート32に固定する。
続いて、配置工程では、図1に示すように、下型12の成形面121の上に成形素材Mを配置する(図3のステップS2参照)。なお、成形素材Mとしては、例えばS−BAL42等の光学ガラスを用いることができる。
続いて、ガス置換工程では、型セット10内の雰囲気を不活性ガス(例えば窒素)で置換する(図3のステップS3参照)。ガス置換工程では、具体的には図4に示すように、上型11、スリーブ13およびスペーサ14を下型12に対し下降させ、型セット10内を1×10^−1MPaまで真空引きし、不活性ガスを導入する。
続いて、加熱工程では、成形素材Mを配置した型セット10を加熱する(図3のステップS4参照)。加熱工程では、具体的にはヒータを内蔵する上プレート31および下プレート32を介して、型セット10を所定温度(例えば620℃)まで加熱する。
続いて、プレス工程では、上型11および下型12によって、加熱軟化した成形素材Mを押圧して予め設定された目標面形状へと成形する(図3のステップS5参照)。プレス工程では、具体的には図5に示すように、加圧シリンダ33によって、上プレート31に固定された上型11を下型12の方向に移動させることにより、所望のプレス量まで成形素材Mを押圧する。なお、プレス工程におけるプレス量は、図示しないタッチセンサ等により監視し、所望のプレス量に到達したら押圧を終了させる。
続いて、第一の冷却工程では、上型11および下型12によって押圧された状態の成形素材Mを、第一の冷却条件によって冷却する(図3のステップS6参照)。第一の冷却工程では、具体的にはヒータを内蔵する上プレート31および下プレート32を介して、型セット10を所定温度(例えば560℃)まで冷却する。これにより、成形素材Mを、光学素子の最終的な面形状である目標面形状と近似の形状に成形する。
続いて、面形状測定工程では、第一の冷却工程の後に、第一の冷却条件の温度および圧力を維持した状態の成形素材Mの面形状を測定する(図3のステップS7参照)。面形状測定工程では、具体的には、フィゾー干渉計等からなる面形状測定部41,43によって、第一の冷却工程の際の温度(例えば560℃)と圧力を維持した状態の成形素材Mの上下面の面形状を測定する。なお、面形状測定部41,43によって成形素材Mの上下面の面形状を測定する際に、成形素材Mと上型11および下型12との界面をレーザ等で測距することにより成形素材Mの上下面の位置を特定してもよく、あるいは上型11および下型12の挙動によって成形素材Mの上下面の位置を特定してもよい。
続いて、条件算出工程では、面形状測定工程で測定された成形素材Mの面形状と、予め設定された目標面形状とを比較し、成形素材Mの面形状を目標面形状とするための第二の冷却条件を算出する(図3のステップS8参照)。条件算出工程では、具体的には、条件算出部51によって、面形状測定工程で測定された成形素材Mの上下面の面形状と、目標面形状との差分を算出し、当該差分を小さくするために必要な温度、圧力および時間を第二の冷却条件として決定する。
前記した差分を小さくするための第二の冷却条件は、温度、圧力および時間の変化量と成形素材Mの面形状の変化量とを予め実験等により割り出しておき、例えばテーブル化して保持しておく。そして、条件算出部51は、面形状測定工程で測定された成形素材Mの上下面の面形状と、目標面形状との差分を算出した後、当該テーブルを参照して第二の冷却条件を決定する。
なお、条件算出部51は、第一の冷却条件からの変更幅が極力小さくなるように、温度と圧力の最適な組み合わせを考慮しながら第二の冷却条件を決定する。条件算出部51は、例えば「温度:20℃、圧力:0kgf」のように一つのパラメータのみで面形状の補正を行うのではなく、「温度:10℃、圧力:10kgf」のように二つのパラメータによってバランスよく面形状の補正を行うような条件を、第二の冷却条件として決定する。また、条件算出部51は、前記した温度および圧力の最適な組み合わせに加えて、時間(冷却時間)が最短となるように、かつ目標面形状との差分が±0.1μm以内に収まるように、第二の冷却条件を決定する。
続いて、第二の冷却工程では、第二の冷却条件によって成形素材Mを冷却する(図3のステップS9参照)。最後に、取り出し工程では、型セット10を成形室20の外部に搬送し、光学素子を取り出すことが可能な温度(例えば200℃程度)まで型セット10を急冷する。そして、型セット10から光学素子を取り出して(図3のステップS10参照)、成形を完了する。
以上説明したような光学素子の製造装置1およびこれを用いた光学素子の製造方法によれば、冷却中の成形素材Mの面形状を測定することにより、成形素材Mの成形不良を成形中の段階で早期に発見することができる。また、成形素材Mの面形状の測定結果に基づいて、成形条件を成形中に調整することにより、成形後の光学素子の面形状を、目標面形状に合わせ込むことができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る光学素子の製造装置について、図6を参照しながら説明する。光学素子Oの製造装置1Aは、複数の軸によって加熱工程、プレス工程および冷却工程を行う循環式の成形装置であり、図6に示すように、型セット10と、成形室20Aと、上プレート31,31Aと、下プレート32,32Aと、加圧シリンダ33と、面形状測定部41,43と、条件算出部51と、制御部52と、ガス置換室60と、を備えている。なお、説明の便宜上、図6では、加圧シリンダ33のシャフト331を除く成形室20A内の各構成を断面で示している。
型セット10、上プレート31、下プレート32、加圧シリンダ33、面形状測定部41,43、条件算出部51および制御部52は、実施の形態1(図1参照)と同様の構成を備えている。
成形室20Aは、加熱工程を行う加熱ステージ21と、プレス工程を行うプレスステージ22と、第一の冷却工程を行う第一の冷却ステージ23と、第二の冷却工程を行う第二の冷却ステージ24と、を備えている。加熱ステージ21およびプレスステージ22には、透過部311,321を備えない上プレート31Aおよび下プレート32Aが設けられている。また、第一の冷却ステージ23および第二の冷却ステージ24には、透過部311,321を備える上プレート31および下プレート32が設けられている。
ガス置換室60では、後記する光学素子Oの製造方法のガス置換工程が実施される。ガス置換室60は、ガス置換時に型セット10を収容するチャンバ61を備えている。
以下、製造装置1Aを用いた光学素子Oの製造方法について、図6を参照しながら説明する。製造装置1Aを用いた光学素子Oの製造方法では、組み付け工程と、配置工程と、ガス置換工程と、加熱工程と、プレス工程と、冷却工程と、取り出し工程と、をこの順で行う。また、冷却工程では、第一の冷却工程と、面形状測定工程と、条件算出工程と、第二の冷却工程と、をこの順で行う。なお、循環式の成形装置である製造装置1Aでは、複数の型セット10を各ステージで同時に処理可能であり、成形室20Aおよびガス置換室60には、所定のサイクル(例えば150秒サイクル)で新たな型セット10が順次搬送される。
組み付け工程では、製造装置1Aの外部において、スリーブ13およびスペーサ14をそれぞれ下型12に嵌合させる。続いて、配置工程では、下型12の成形面121の上に成形素材Mを配置した後、スリーブ13に上型11を嵌合させる。なお、成形素材Mとしては、例えばS−BAL42等の光学ガラスを用いることができる。
続いて、ガス置換工程では、ガス置換室60において、型セット10内の雰囲気を不活性ガス(例えば窒素)に置換する。ガス置換工程では、具体的には図6に示すように、図示しない搬送機構によってガス置換室60に搬送された型セット10に対してチャンバ61を下降させる。そして、チャンバ61内を1×10^−1MPaまで真空引きし、不活性ガスを導入する。
続いて、加熱工程では、加熱ステージ21において、成形素材Mを配置した型セット10を、所定温度(例えば620℃)まで加熱する。続いて、プレス工程では、プレスステージ22において、上型11および下型12によって、加熱軟化した成形素材Mを押圧して予め設定された目標面形状へと成形する。なお、プレス工程では、加熱工程における加熱開始から所定時間(例えば60秒)経過後に、所定のプレス圧(例えば200kgf)で加熱プレスを実施する。
続いて、第一の冷却工程では、第一の冷却ステージ23において、上型11および下型12によって押圧された状態の成形素材Mを、予め設定された第一の冷却条件によって冷却する。第一の冷却工程では、型セット10を所定温度(例えば560℃)まで冷却することにより、成形素材Mを、光学素子Oの最終的な面形状である目標面形状と近似の形状に成形する。
続いて、面形状測定工程では、フィゾー干渉計等からなる面形状測定部41,43によって、第一の冷却工程の際の温度(例えば560℃)と圧力を維持した状態の成形素材Mの上下面の面形状を測定する。
続いて、条件算出工程では、面形状測定工程で測定された成形素材Mの面形状と、予め設定された目標面形状とを比較し、成形素材Mの面形状を目標面形状とするための第二の冷却条件を算出する。なお、第二の冷却条件の算出方法は、実施の形態1と同様である。
続いて、第二の冷却工程では、第二の冷却ステージ24において、第二の冷却条件によって成形素材Mを冷却する。最後に、取り出し工程では、型セット10を成形室20Aの外部に搬送し、光学素子Oを取り出すことが可能な温度(例えば200℃程度)まで型セット10を急冷する。そして、型セット10から光学素子Oを取り出して、成形を完了する。
以上説明したような光学素子Oの製造装置1Aおよびこれを用いた光学素子Oの製造方法によれば、冷却中の成形素材Mの面形状を測定することにより、成形素材Mの成形不良を成形中の段階で早期に発見することができる。また、成形素材Mの面形状の測定結果に基づいて、成形条件を成形中に調整することにより、成形後の光学素子Oの面形状を、目標面形状に合わせ込むことができる。
以上、本発明に係る光学素子の製造方法および光学素子の製造装置について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
例えば、本発明の実施の形態1,2では、上プレート31および下プレート32に、石英から構成される透過部311,321を設けていたが、レーザ光(例えば波長が632.8nmのHe−Neレーザ)が透過可能な素材であれば、石英以外によって透過部311,321を構成してもよい。また、上プレート31および下プレート32の透過部311,321に相当する部分を空洞(貫通孔)とすることにより、面形状測定部41,43のレーザ光を通過させてもよい。
また、本発明の実施の形態1,2では、第二の冷却工程の実施中に成形素材Mの面形状の測定と第二の冷却条件の算出を繰り返し行い、第二の冷却工程の実施中に第二の冷却条件を更新してもよい。
この場合、面形状測定部41,43は、制御部52が第二の冷却条件によって成形素材Mを冷却する第二の冷却工程を実施している最中に、所定の時間間隔で成形素材Mの上下の面形状を測定する。また、条件算出部51は、面形状測定部41,43によって成形素材Mの面形状が測定されるたびに第二の冷却条件を算出する。そして、制御部52は、条件算出部51によって第二の冷却条件が算出されるたびに、第二の冷却工程における第二の冷却条件を更新し、更新後の第二の冷却条件によって成形素材Mを冷却する。このように、第二の冷却工程の実施中に、成形中の成形素材Mの面形状と、予め設定された目標面形状との差分が小さくなるように第二の冷却条件を更新することにより、成形後の光学素子Oの面形状を、目標面形状に、より確実に合わせ込むことができる。
なお、上記のように、第二の冷却工程の実施中に成形素材Mの面形状を測定する場合において、測定した面形状と目標面形状との差分が大きい場合のみ第二の冷却条件の算出および更新を行い、測定した面形状と目標面形状との差分が小さい場合は第二の冷却条件の算出および更新を行わない構成としてもよい。この場合、測定した面形状と目標面形状との差分が小さい場合は成形素材Mの面形状の監視のみを行う。
また、本発明の実施の形態2では、第二の冷却工程後の型セット10を成形室20Aの外部に搬送し、光学素子Oを取り出すことが可能な温度(例えば200℃程度)まで型セット10を急冷していたが、例えば成形室20A内に第三の冷却ステージを増設し、当該第三の冷却ステージ上で、光学素子Oを取り出すことが可能な温度まで型セット10を急冷してもよい。
1,1A 製造装置
10 型セット
11 上型
111 成形面
12 下型
121 成形面
13 スリーブ
14 スペーサ
20,20A 成形室
21 加熱ステージ
22 プレスステージ
23 第一の冷却ステージ
24 第二の冷却ステージ
31,31A 上プレート
311 透過部
32,32A 下プレート
321 透過部
33 加圧シリンダ
331 シャフト
41,43 面形状測定部
42,44 ミラー
51 条件算出部
52 制御部
60 ガス置換室
61 チャンバ
M 成形素材
O 光学素子

Claims (4)

  1. 一対の金型間に成形素材を配置した型セットを加熱する加熱工程と、前記一対の金型によって前記成形素材を押圧して予め設定された目標面形状へと成形するプレス工程と、押圧状態の前記成形素材を冷却する冷却工程と、を行うことにより光学素子を製造する光学素子の製造方法であって、
    前記冷却工程は、
    予め設定された、温度、圧力および時間を含む第一の冷却条件によって、前記成形素材を冷却する第一の冷却工程と、
    前記第一の冷却工程の後に、前記第一の冷却条件の温度および圧力を維持した状態の前記成形素材の面形状を測定する面形状測定工程と、
    前記面形状測定工程で測定された前記成形素材の面形状と前記目標面形状とを比較し、前記成形素材の面形状を前記目標面形状とするための、温度、圧力および時間を含む第二の冷却条件を算出する条件算出工程と、
    前記第二の冷却条件によって前記成形素材を冷却する第二の冷却工程と、
    を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 成形室内において、一対の金型間に成形素材を配置した型セットを加熱し、前記一対の金型によって前記成形素材を押圧して予め設定された目標面形状へと成形し、押圧状態の前記成形素材を冷却することにより、光学素子を製造する光学素子の製造装置であって、
    前記一対の金型によって押圧された前記成形素材を、予め設定された、温度、圧力および時間を含む第一の冷却条件によって冷却する制御を行う制御部と、
    前記第一の冷却条件の温度および圧力が維持された状態の前記成形素材の面形状を測定する面形状測定部と、
    前記面形状測定部によって測定された前記成形素材の面形状と、前記目標面形状とを比較し、前記成形素材の面形状を前記目標面形状とするための、温度、圧力および時間を含む第二の冷却条件を算出する条件算出部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第一の冷却条件によって前記成形素材を冷却した後に、前記第二の冷却条件によって前記成形素材を冷却することを特徴とする光学素子の製造装置。
  3. 前記一対の金型と、前記一対の金型を押圧する一対のプレートとは、光が透過可能な素材によって構成されており、
    前記面形状測定部は、前記一対の金型および前記一対のプレートにレーザ光を透過させ、前記一対の金型間に配置された前記成形素材に前記レーザ光を照射することにより、前記成形素材の面形状を測定することを特徴とする請求項2に記載の光学素子の製造装置。
  4. 前記面形状測定部は、前記制御部が前記第二の冷却条件によって前記成形素材を冷却している最中に、所定の時間間隔で前記成形素材の面形状を測定し、
    前記条件算出部は、前記面形状測定部によって前記成形素材の面形状が測定されるたびに前記第二の冷却条件を算出し、
    前記制御部は、前記条件算出部によって前記第二の冷却条件が算出されるたびに、前記第二の冷却条件を更新し、更新後の前記第二の冷却条件によって前記成形素材を冷却する制御を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光学素子の製造装置。
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