JP2019088540A - 多段階開閉甲バンドを有する履物 - Google Patents

多段階開閉甲バンドを有する履物 Download PDF

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敦美 江口
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沙野香 松田
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徹 古賀
浩史 古達
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浩史 古達
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Abstract

【課題】着脱時に甲バンド1を容易に大きく開く事が可能でありながら、甲バンド1による緊締が意図せず外れた際でも、足で踏み付けて転倒することを防止する履物を提供する。【解決手段】第一側部4と第二側部と甲バンド1を有し、甲バンド1により第一側部4と第二側部を緊締する履物において、甲バンド1は第一側部4の第一側部端13から離間した位置にバンド基端部を固着しており、第一側部端13とバンド固着端15の間に第一係合部A18を有し、バンド中間部16に第一係合部B19を有し、第一係合部A18と第一係合部B19が係合され、第二側部に第二係合部Aを有し、バンド先端部7に第二係合部B21を有し、第二係合部Aと第二係合部B21が係合され、バンド固着端15と第一係合部B19の間にはバンド易屈曲部17を有するので、二段階に甲バンド1の係合を開閉することができる。【選択図】図6

Description

本発明は、甲の緊締手段として甲バンド1を有する履物において、高齢者や幼児のように力が弱い人でも、容易にかつ安全に着脱できる履物に関する。
履物は、着脱する際には充分な大きさの開口部を必要とする一方、足を挿入した後は足を確実に固定しなければならない。甲バンドによって着脱や緊締できる履物として、従来図1ないし図3のような片面タイプの甲バンド1を用いた履物、および図4のような折り返しタイプの甲バンド2を用いた履物が主に取扱いされている。
ここで図1ないし図3のような片面タイプの甲バンド1の場合、バンド基端部6を甲被3の第一側部4に固着し、甲バンド1(またはその一部のバンド先端部7)内面に面ファスナー8を設け、甲バンド1固着と反対位置の第二側部5に対となる面ファスナー8を設けて、バンド先端部7を第二側部5へ係合する。図1の片面タイプの場合、甲バンド1全体の剛軟度が高い時などには、生産工程で熱により足型(ラスト)形状に沿って癖付保持されやすいため、面ファスナー8の係合を外しても手を放すと元に戻って再係合することがあり、着脱時に甲バンド1を開いた状態に保つには支え続けなければならなかった。
そこで本出願人は特許文献1にて、甲被前方に形成された切欠き部を開放して着脱する靴において、合成樹脂製の形状保持材を使用し、着脱を容易にする為に、履き口を希望する形状にするのに必要な個所、例えば緊締用ベルトや舌片や前記切欠き部の縁に形状保持材を取り付けて、形状保持材の形状保持性を利用して履き口を希望する形状にし得るようにした形状保持靴を開示している。これにより、履き口を構成する甲被、舌片、緊締具等を広げても、逆戻りしない、広い履き口の確保が可能な着脱容易な靴を提供できる。しかしながら、形状保持材は折り曲げ戻り角度もあり、緊締用ベルトの材質によって剛軟度が高いものなどは形状保持性が不充分な場合があった。
再係合を防止する他の解決手段として、図2のようにバンド基端部品9とバンド先端部品10を環状部品11で接続した履物や、図3のようにバンド基端部品9に柔軟部分を設けた履物などがある。このような場合には、バンド基端部品9とバンド先端部品10との間が容易に屈曲するので再係合する可能性低いが、高齢者や幼児のように力が弱い人などでは面ファスナー8の係合が弱いことがあり、過度に力が加わったりして意図せず外れてしまった際に甲バンド1が垂れ下がり地面に接し、自ら踏み付けて転倒する恐れなどがあった。
本願図2に似た構成の履物として、特許文献2(請求項5、段落0012〜0019、図2)には、第一接続バンド(甲バンド1;本段落の以下括弧内は本願における符号や名称を示す)の基端バンド部(バンド基端部品9)が第1側皮部(第一側部4)にリング(環状部品11)を介して固定(固着)されており、第2側皮部(第二側部5)だけでなく舌片部(舌片部12)にも延長バンド部(バンド先端部品10)と係合する面ファスナ(面ファスナー8)を有する靴が開示されている。しかしながら、この舌片部の面ファスナによる作用や機能は不明であり、舌片部の落ち込み防止などではないかと思われる。
特許文献2に示された実施形態はハイカットタイプだが、ローカットタイプや接続バンド取り付け位置・角度によっては、前述同様に面ファスナの係合が意図せず外れて延長バンド部が垂れ下がる恐れがある。舌片部にも延長バンド部と係合する面ファスナを有する場合、その恐れは僅かに減るかも知れないが、舌片部は側皮部よりも側皮部厚さの分一段低くなっているので、上から一度押さえておかないと充分に係合されていない可能性は高かった。
特許文献3には、着用時に甲被から甲ベルトが外れたとしても、甲ベルトが垂れ下がった状態とならないベルト式の靴が開示されている。履き心地が良好であるだけでなく、甲ベルトを外さなくても履いたり脱いだりすることが可能となるように、甲ベルトの基端付近が伸縮素材で形成されており、伸縮素材の外面のうち少なくとも一部が甲被に形成されたベルト通しによって覆われている。しかしながら、甲被から甲ベルトの先端が外れて甲ベルトが開こうとした際に、甲ベルトが垂れ下がらないように支持するだけでなく、甲ベルトにおけるベルト通しの上縁で折り曲げられた部分の表裏に生ずる応力の差によって、甲ベルトを自然に初期位置に復帰させることも可能となるので、面ファスナーの係合を外した際に手を放すと元に戻って再係合する点は解決できないままだった。
また、図4のような折り返しタイプの甲バンド2の場合、面ファスナー8の係合は、環状部品11を通すことで甲バンド2同士が正確に重なりやすく面ファスナー8の係合面積も広いので、意図せず外れて垂れ下がる恐れは極めて低い。しかしながら、着脱しやすいよう甲被開口部を広げるには、甲バンド2を環状部品11内でスライドさせて、バンド先端部7をある程度の位置まで引き出す必要があった。
特開2006−204407号公報 特開2006−334229号公報 特許第5236426号公報
本発明はこのような事情に鑑み、着脱時に甲バンド1を容易に大きく開く事が可能でありながら、甲バンド1による緊締が意図せず外れた際でも、足で踏み付けて転倒することを防止する履物を提供することを目的とする。
本発明に係る履物は、足の甲の第一側面を覆う第一側部4と、足の甲の第二側面を覆う第二側部5と、甲バンド1を有し、前記甲バンド1により前記第一側部4と前記第二側部5を緊締する履物において、前記甲バンド1は、前記第一側部4の第一側部端13から離間した位置にバンド基端部6を固着しており、前記第一側部端13とバンド固着端15の間に第一係合部A18を有し、バンド中間部16に第一係合部B19を有し、前記第一係合部A18と前記第一係合部B19が係合され、前記第二側部5に第二係合部A20を有し、バンド先端部7に第二係合部B21を有し、前記第二係合部A20と前記第二係合部B21が係合され、前記バンド固着端15と前記第一係合部B19の間には、前記バンド中間部16の連続的な形状保持性を断ち切る状態へ変形するバンド易屈曲部17を有する履物である。
また、本発明に係る履物は必要に応じて、前記第一係合部A18および前記第一係合部B19が面ファスナーである。
または、本発明に係る履物は必要に応じて、前記第一係合部A18と前記第一係合部B19の係合が磁力による引力である。
本発明の履物は、第一係合部A18・第一係合部B19と第二係合部A20・第二係合部B21を有することにより、二段階に甲バンド1の係合を開閉することができる。このため、仮に第二係合部A20・第二係合部B21の係合が不充分で甲バンド1による緊締が意図せず外れた際でも、第一係合部A18・第一係合部B19の係合は維持されることによって甲バンド1が垂れ下がること無く、踏み付けて転倒する恐れが無い。また、第一係合部A18・第一係合部B19の係合まで外せば、甲バンド1がバンド易屈曲部17で屈曲して大きく開くので、手を放しても第二係合部A20・第二係合部B21同士が再係合すること無く、甲バンド1が邪魔にならず容易に着脱できる。
また、第一係合部A18および第一係合部B19が面ファスナーである場合、これらが向かい合う対となる面同士で係合する手段であり、第一係合部A18が第一側部端13とバンド固着端15の間にあることにより、第一係合部A18は第一側部4よりも僅かに凸状となっており、第一係合部A18が舌片部12にある場合よりもバンド固着端15からの距離が短いので、テコの原理により弱い力で第一係合部B19との係合を開閉可能である。すなわち、甲バンド1を第一係合部A18・第一係合部B19まで開いた状態から閉じる際には、力点のバンド先端部7を動かし甲バンド1を足の甲に沿わせて第二係合部A20・第二係合部B21を留めただけで、作用点の第一係合部A18・第一係合部B19に加わる力が強く、第一係合部は上から一度押さえずとも強く係合する。また、力点のバンド先端部7の移動距離が、第二係合部が意図せず外れる(意識的に第二係合部のみ外す)程度の小ささでは、作用点の第一係合部A18・第一係合部B19にまで力が充分加わらず第一係合部は外れないが、履物を脱ぐ際に甲バンド1を大きく開きバンド先端部7の移動距離が大きいと、力点のバンド先端部7に加える力が小さくても、作用点の第一係合部A18・第一係合部B19に加わる力が強く第一係合部は容易に外れる。
また、第一係合部A18と第一係合部B19の係合が磁力による引力である場合、少し離れた位置から引力にて係合するので、押し込む必要が無く容易に係合する。一方で甲バンド1の係合を外す際には、面ファスナーの場合と同様にテコの原理による作用がある。
従来履用されている片面タイプの甲バンド靴。 従来履用されている環状部品を用いた片面タイプの甲バンド靴であり、図2(a)は甲バンドを閉じた状態、図2(b)および図2(c)は甲バンドを開いた状態を示す。 従来履用されている柔軟部分を設けた片面タイプの甲バンド靴であり、図3(a)は甲バンドを閉じた状態、図3(b)および図3(c)は甲バンドを開いた状態を示す。 従来履用されている折り返しタイプの甲バンド靴。 本発明の実施例1および実施例4の履物における、甲バンドを閉じた状態の第一側面前方からの斜視図 本発明の実施例1の履物における、甲バンドを第一係合部まで開いた状態の第一側面前方からの斜視図 本発明の実施例1および実施例2の履物における、甲バンドの第二係合部を開き第一係合部は閉じた状態の第二側面前方からの斜視図 本発明の実施例2の履物における、甲バンドを閉じた状態の第一側面前方からの斜視図 本発明の実施例2の履物における、甲バンドを第一係合部まで開いた状態の第一側面前方からの斜視図 本発明の実施例3の履物における、甲バンドを閉じた状態の第一側面前方からの斜視図 本発明の実施例3の履物における、甲バンドを第一係合部まで開いた状態の第一側面前方からの斜視図 本発明の実施例4の履物における、甲バンドを第一係合部まで開いた状態の第一側面前方からの斜視図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図5ないし図12は、本発明の一実施形態を示す履物(右足用)の斜視図である。履物の甲被3には、足の甲の第一側面を覆う第一側部4と、足の甲の第二側面を覆う第二側部5と、甲バンド1を有し、甲バンド1により第一側部4と第二側部5を緊締する。ここで、第一側部4の上端を第一側部端13、第二側部5の上端を第二側部端14とし、足を挿入する履口22の足首部分までを履口開口端23、それより爪先方向へ延びる部分を上甲端24とする。甲バンド1を有する履物では、着脱が容易なように上甲端24まで開口した場合多いが、上甲端24に接続し足の上甲を覆う伸縮性の高い上甲伸縮部25があっても良い。上甲端24が開口した場合に舌片部12があって良いが、必須では無い。また、一般的に甲バンド1は、足首より爪先側の上甲端24を渡るように取り付けること多いが、踵側の履口開口端23を渡るように取り付けても良い。更に、甲被3は爪先部分が覆われず開口したサンダルタイプの履物でも良い。
甲バンド1は、第一側部4の第一側部端13から離間した位置に、バンド基端部6を縫い付けなどの方法により固着する。それにより、第一側部端13とバンド固着端15の間に第一係合部A18を設けること(段落0021にて後述)が可能であり、バンド固着端15と第一係合部B19の間にバンド易屈曲部17を設けること(段落0027にて後述)が可能である。ここで「バンド固着端15」とは、第一側部4へバンド基端部6を固着した部分の中で、第一側部端13側にある線(曲線を含む)や頂点のことである。バンド基端部6の第一側部4への固着方法は、縫い付けなど固定しているものが一般的だが、それに限らず着脱可能であったり、固定した回動軸を中心に回動可能であったりしても良い。甲バンド1は複数本あって良く、バンド先端部7側が1本でバンド基端部6側が複数に分岐したり、バンド基端部6側が1本でバンド先端部7側が複数に分岐したりしても良い。また、甲バンド1は細い帯状のものに限らず太くても良く、上甲端24が開口して舌片部12が無い場合などに、その部分全体を覆うような大きさでも良い。本実施形態ではバンド基端部6を甲被3の内足側に固着しているので、内足側が第一側部4、外足側が第二側部5となっているが、バンド基端部6は外足側に固着しても良い。なお、複数本の甲バンド1が内足側と外足側に固着している場合は、それぞれの甲バンド1について固着した方を第一側部4、もう一方を第二側部5とみなす。
甲被3の第一側部端13とバンド固着端15の間には第一係合部A18を有し、バンド中間部16に第一係合部B19を有し、対応する第一係合部A18と第一係合部B19が係合する。ここで「バンド中間部16」とは、バンド固着端15と第二係合部B21(段落0022にて後述)との間部分のことである。第一係合部A18は第一側部4にあるため、舌片部12や上甲伸縮部25が無くとも実施可能である。
また、甲被3の第二側部5には第二係合部A20を有し、バンド先端部7に第二係合部B21を有し、対応する第二係合部A20と第二係合部B21が係合する。従って、甲バンド1が複数本ある場合でも履物を着脱する際に邪魔にならぬよう、少なくとも上甲端24を渡り最も履口22側にある甲バンド1および履口開口端23を渡る甲バンド1は、第二側部5で折り返しバンド基端部6とバンド先端部7が重なる構造(図4に示したような甲バンド2)では無い。バンド基端部6とバンド先端部7が重ならず、上甲端24を渡りかつ折り返しとバンド先端部7がバンド基端部6よりも履口22側にあれば、例えば第二側部5でV字状に、更に第一側部4でN字状に、第二側部5でW字状に、と折り返す構造の甲バンドが併存しても良い。
甲バンド1と甲被3の係合手段としては様々あるが、操作の簡便さや製造コストの安さなどを考慮して、いずれか一方に雄の面ファスナー26を設け、対面する他方に雌の面ファスナー27を設けたもの(面ファスナー式)が一般的となっている。その他には、甲被3に支持されたピンを、甲バンド1の先端に所定間隔で設けられた複数の孔のうちいずれか1つに挿し込むようにしたもの(ピンバックル型)、甲被3に支持された一対のプレートの間に甲バンド1を挟み込ませるようにしたもの(プレートバックル型)、甲被3に支持された複数のリングの間に甲バンド1を挟み込むようにしたもの(リングバックル型)、スナップボタンやマグネットボタンなどのボタンを用いて甲バンド1を甲被3に留めるようにしたもの(ボタン型)、爪状のプラグをソケットに差し込み嵌合させて甲バンド1を甲被3に留めるようにしたもの(サイドリリースバックル型・フロントリリースバックル型)などがある。
ここで第二係合部A20・第二係合部B21としては、第二係合部B21がバンド先端部7にあるので上記の各種係合手段が利用できる。甲バンド1開閉による緊締だけでなく足の大きさに合わせて甲の緊締具合を調節するためには、第一側部端13と第二側部端14の間隔を調節可能でなければならないが、第二係合部自身で調節可能であっても良く、第二係合部とは別の甲バンド1部分に甲を緊締する調節可能な別部品があっても良い。例えば、ボタン型やサイドリリースバックル型・フロントリリースバックル型は一対一で位置が決まってしまうので、ボタン型では他の各種バックル型などと組み合わせたもの、サイドリリースバックル型・フロントリリースバックル型では、プラグとソケットの一方または両方にプレートバックル型のような調節機能ある部品が一般的である。開閉や緊締具合調節の容易さから考えると、面ファスナー式が最も好ましい。
第一係合部A18・第一係合部B19としては、バンド固着端15からの距離が対応する第一係合部A18と第一係合部B19同士で一定であり、第一係合部A18がバンド固着端15と同じ第一側部4にあるため、その位置関係により甲の緊締具合を調節する機能は無いので、面ファスナー式やボタン型のように向かい合う対となる(点状・線状を含む)面同士で係合する手段が好ましい。面ファスナーは一方が雄で他方が雌のタイプだけでなく、同じ面に雄と雌を並べた混在型タイプを両面に用いても良い。面ファスナーであれば、面ファスナー面積の大小により係合力を調節設計することが容易である。
第一係合部A18・第一係合部B19がボタン型の場合、スナップボタンでは比較的強く押し込まないと係合しないので、第一係合部A18または第一係合部B19の少なくとも一方に磁石を用いたマグネットボタンがより好ましい。両方が磁石でも、一方が磁石でもう一方がそれと引き合う金属でも良い。マグネットボタンであれば、位置を正確に合わせずとも少し離れた位置から磁力による引力にて係合するので、押し込む必要が無い。なお磁力による引力を用いていれば、マグネットボタンに限らずマグネットシートや磁石を内部に縫い込んだものなどでも良い。
バンド固着端15と第一係合部B19の間には、バンド易屈曲部17を有する。ここで「易屈曲」とは、第一係合部A18・第一係合部B19の係合まで外した際に、甲バンド1自重や0.5N(約50gf)程度の力でバンド中間部16の連続的な形状保持性を断ち切る状態へ変形することを言う。そうであれば、第一係合部A18・第一係合部B19の係合まで外して開けば、甲バンド1から手を放しても第二係合部A20・第二係合部B21同士が再係合することは無い。バンド易屈曲部17の例としては、バンド基端部品9とバンド先端部品10が別部品に分割され、角カンや小判カンのような環状部品11などを介して回動可能に接続されていたり、織テープ28のような柔軟性が高い(剛軟度が低い)素材で接続されたりしていれば良い。また、バンド基端部品9とバンド先端部品10が直接接続されており、バンド基端部品9自身が織テープ28のような柔軟性が高い素材であっても良い。ここで「剛軟度」とは、JIS L 1096:2010(織物及び編物の生地試験方法)の8.21(剛軟度)や8.22(曲げ反発性)に規定されるような曲げ特性の測定値が参考となる。
バンド固着端15と第一係合部B19の間だけでは無く、それよりもバンド先端部7側にまでバンド易屈曲部17を有して良い。但しその場合、第二係合部が外れた際に甲バンド1が第一側部4の方向へ倒れてしまう可能性もあり、その際にバンド先端部7が地面に付いてしまわないよう、第一係合部A18の高さや甲バンド1の長さなどの設計にも注意する必要がある。
本発明における第一係合部A18・第一係合部B19が無い従来技術では、第二係合部A20・第二係合部B21が意図せず外れてしまうと、甲バンド1を内足側に固着し外足側で係合する場合は、バンド先端部7が内足側に垂れ下がり自身のもう片足で踏み付けてしまう恐れがあり、甲バンド1を外足側に固着し内足側で係合する場合は、バンド先端部7が外足側に垂れ下がり第三者が踏み付けたり外部に引っかけたりしてしまう恐れがある。
次に、本発明の実施例を更に詳しく説明する。図5ないし図7のように、本実施例1では上甲端24を開口し、その部分に舌片部12を設けた。甲バンド1は、バンド基端部品9とバンド先端部品10に分割してそれぞれに合成皮革を用い、バンド易屈曲部17として、環状部品(角カン)11の長辺棒状部材を通過させる回動可能な貫通孔を有するように、バンド基端部品9とバンド先端部品10それぞれの端部を折り返して環状部品11と縫い合わせ互いに接続した。また、バンド基端部品9を甲被3内足側の第一側部端13から離れた位置に縫い付けた。
図6および図7のように、第一側部端13とバンド固着端15の間には、第一係合部A18として面ファスナーフック(雄)面26を縫い付け、第二側部端14に沿った位置に第二係合部A20として面ファスナーフック(雄)面26を縫い付けた。また、対応する甲バンド1内面には、第一係合部B19および第二係合部B21として一体の面ファスナーループ(雌)面27を縫い付けた。バンド先端部品10内面の貫通孔部分を除いたほぼ全面を面ファスナーループ(雌)面27が覆っている。なお、第一係合部B19と第二係合部B21は、一体であっても分離していても良いが、縫製工程を簡略化するために一体とした。
図7は、甲バンド1の第二係合部A20・第二係合部B21を開き第一係合部A18・第一係合部B19は閉じた状態を示す図である。このように第二係合部を外した(あるいは意図せず係合が外れた)場合、バンド先端部品10の合成皮革とバンド先端部品10内面のほぼ全面を覆いほつれ止めバックコーティングされた面ファスナーループ(雌)面27が適度の剛軟度を持つので、甲バンド1が足型形状に沿って癖付保持されており、甲バンド1自重でもバンド先端部品10は屈曲しにくく、第一係合部A18・第一係合部B19の係合は維持されることによって甲バンド1が地面に垂れ下がることは無かった。その結果、甲バンド1を踏み付けて転倒する恐れは無い。
図6は、甲バンド1を第一係合部A18・第一係合部B19まで開いた状態を示す図である。このように第一係合部まで外せば、バンド先端部品10は環状部品11と貫通孔により弱い力で回動し大きく開くので、手を放しても第二係合部A20・第二係合部B21同士が再係合すること無く、甲バンド1が邪魔にならず容易に着脱できた。
背景技術(段落0006〜0007)にも記載の通り、第一係合部A18の面ファスナーフック(雄)面26が仮に第一側部4ではなく舌片部12にある場合(図示せず)、舌片部12は第一側部4よりも甲被3(表材・裏材)厚さの分一段低くなっており、甲バンド1を第一係合部A18・第一係合部B19まで開いた状態から、足の甲に沿わせて第二係合部A20・第二係合部B21を留めただけでは、第一係合部は充分に係合されない可能性高かった。しかしながら、本実施例1では上から一度押さえずとも第二係合部を留めただけで、第一係合部は強く係合していた。これは第一係合部A18の面ファスナーフック(雄)面26が第一側部4よりも厚さの分一段高く僅かに凸状となっているだけでなく、テコの原理でバンド先端部7が力点となり、支点のバンド固着端15から作用点の第一係合部A18・第一係合部B19までの距離が短い点が大きな要因と考えられる。また、力点のバンド先端部7の移動距離が、第二係合部が意図せず外れる(意図的に第二係合部のみ外す)程度の小ささでは、作用点の第一係合部A18・第一係合部B19にまで力が充分加わらず第一係合部は外れないが、履物を脱ぐ際に甲バンド1を大きく開きバンド先端部7の移動距離が大きいと、力点のバンド先端部7に加える力が小さくても、作用点の第一係合部A18・第一係合部B19に加わる力が強く第一係合部は容易に外れた。
また、第一係合部A18の面ファスナーフック(雄)面26が仮に第一側部4ではなく舌片部12にある場合(図示せず)は更に、バンド固着端15からの距離が甲の緊締程度により異なるので、距離が変化しても係合するよう、第一係合部A18に代わる面ファスナーフック(雄)面26または第一係合部B19の面ファスナーループ(雌)面27の少なくとも一方は広くしておく必要がある。それに対して本発明では、バンド固着端15からの距離が対応する第一係合部A18と第一係合部B19同士で一定なので、本実施例1では第一係合部B19および第二係合部B21として一体の大きな面ファスナーループ(雌)面27を縫い付けているが、第一係合部B19を小さくしても構わない。加えて、仮に舌片部12にある面ファスナーフック(雄)面26(図示せず)と第一係合部B19の面ファスナーループ(雌)面27が共に広い場合は、支点のバンド固着端15から遠い位置にまであるほど力点と作用点は近くテコの原理が働きにくいので、第二係合部と合わせて第一係合部を外す、すなわち甲バンド1を大きく開くためにはより大きい余分な力が必要となる。従って、高齢者や幼児のように力が弱い人には適さない。
図7ないし図9のように、本実施例2では、実施例1とは異なりバンド易屈曲部17として織テープ28を用いた。すなわち、甲バンド1はバンド基端部品9とバンド先端部品10に分割し、バンド基端部品9には織テープ28を、バンド先端部品10には合成皮革を用いて互いを縫い合わせた。バンド先端部品10内面の全面に面ファスナーループ(雌)面27を縫い付け、バンド基端部品9とバンド先端部品10の縫い合わせ位置から約10mm離れた位置がバンド固着端15となるように、バンド基端部品9を甲被3内足側の第一側部端13から離れた位置に縫い付けた。それ以外は実施例1とほぼ同様にした。
内面に面ファスナーループ(雌)面27も無い織テープ28のみの部分は柔軟性が高く(剛軟度が低く)、バンド固着端15との間約10mm部分で自由に屈曲するため、第一係合部A18・第一係合部B19の係合まで外せば、バンド先端部品10は実施例1同様に大きく開き、手を放しても第二係合部A20・第二係合部B21同士が再係合すること無かった。
図10および図11のように、本実施例3では、実施例1とは異なり上甲端24を開口させず、上甲端24に接続する上甲伸縮部25として、SBR系ゴムスポンジの表裏にツーウェイストレッチ素材を貼り合わせた部品を縫い付けた。上甲伸縮部25としては、他にも織ゴムや編ゴムのような平ゴムなどであっても良い。それ以外は実施例1とほぼ同様にした。上甲端24が開口していなくとも上甲伸縮部25は高伸縮性なので、履口22からの着脱を邪魔すること無く、甲バンド1による二段階の開閉は他実施例と同様に機能した。
図5および図12のように、本実施例4では、第一側部端13とバンド固着端15の間には、第一係合部A18として実施例1の面ファスナーフック(雄)面26に代わりマグネットボタン雌面29を取り付け、対応する甲バンド1内面には、第一係合部B19として面ファスナーループ(雌)面27に代わりマグネットボタン雄面30を取り付けた。その分、甲バンド1内面の面ファスナーループ(雌)面27は狭くして残りの部分を合成皮革とした。それ以外は実施例1とほぼ同様にした。
本実施例4の場合、第一係合部A18・第一係合部B19が面ファスナーの場合とは異なり、甲バンド1を第一係合部まで開いた状態から、足の甲に沿わせて第二係合部A20・第二係合部B21を留めようとする際には、第一係合部同士が少し離れた位置から引力にて係合した。一方で甲バンド1の係合を外す際には、テコの原理による力点のバンド先端部7に加える(加わる)力や移動距離と第一係合部が外れる力の関係について、面ファスナーの場合とほぼ同様だった。
1 甲バンド(片面タイプ)
2 甲バンド(折り返しタイプ)
3 甲被
4 第一側部
5 第二側部
6 バンド基端部
7 バンド先端部
8 面ファスナー
9 バンド基端部品
10 バンド先端部品
11 環状部品(角カン)
12 舌片部
13 第一側部端
14 第二側部端
15 バンド固着端
16 バンド中間部
17 バンド易屈曲部
18 第一係合部A
19 第一係合部B
20 第二係合部A
21 第二係合部B
22 履口
23 履口開口端
24 上甲端
25 上甲伸縮部
26 面ファスナーフック(雄)面
27 面ファスナーループ(雌)面
28 織テープ
29 マグネットボタン雌面
30 マグネットボタン雄面

Claims (3)

  1. 足の甲の第一側面を覆う第一側部(4)と、足の甲の第二側面を覆う第二側部(5)と、甲バンド(1)を有し、前記甲バンド(1)により前記第一側部(4)と前記第二側部(5)を緊締する履物において、
    前記甲バンド(1)は、前記第一側部(4)の第一側部端(13)から離間した位置にバンド基端部(6)を固着しており、
    前記第一側部端(13)とバンド固着端(15)の間に第一係合部A(18)を有し、バンド中間部(16)に第一係合部B(19)を有し、前記第一係合部A(18)と前記第一係合部B(19)が係合され、
    前記第二側部(5)に第二係合部A(20)を有し、バンド先端部(7)に第二係合部B(21)を有し、前記第二係合部A(20)と前記第二係合部B(21)が係合され、
    前記バンド固着端(15)と前記第一係合部B(19)の間には、前記バンド中間部(16)の連続的な形状保持性を断ち切る状態へ変形するバンド易屈曲部(17)を有することを特徴とする履物。
  2. 前記第一係合部A(18)および前記第一係合部B(19)が面ファスナーであることを特徴とする請求項1記載の履物。
  3. 前記第一係合部A(18)と前記第一係合部B(19)の係合は、磁力による引力であることを特徴とする請求項1記載の履物。
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