JP2019087970A - 識別体、識別方法および識別装置 - Google Patents

識別体、識別方法および識別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁波の照射範囲がID形成領域からずれた場合にその旨を検出する。【解決手段】互いに異なる共振周波数が割り当てられ、該共振周波数にて共振ピークが発現するアンテナパターン11〜22が形成される複数のアンテナ形成部51〜62からなるID形成領域10aのうちID形成領域10aの中心から最も離れ、該中心を介して対向する端部領域に形成されたアンテナパターン13,20を範囲検出用パターンとし、アンテナパターン13,20による共振ピークが検出されない場合に、電磁波の照射範囲がずれていると判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナパターンによる共振ピークを検出することで識別情報を認識可能とする識別体に関する。
昨今、情報化社会の進展に伴って、商品等に貼付されるラベルやタグに情報を記録し、このラベルやタグを用いて商品等の管理が行われている。このようなラベルやタグを用いた情報管理においては、ラベルやタグに対して非接触状態にて情報の書き込みや読み出しを行うことが可能なICチップが搭載された非接触型ICラベルや非接触型ICタグ等のRFID技術を利用した識別体がその優れた利便性から急速な普及が進みつつある。
このようなRFID技術を利用した識別体としては、上述したようにICチップが搭載されたものに限らず、共振ピークの周波数が互いに異なる複数のアンテナを有し、ICチップを用いずに複数のアンテナの組み合わせでIDを識別できるようにしたものも考えられている。例えば、複数のアンテナを構成する誘電子要素とコンデンサ要素の形状を異ならせたり、複数のアンテナの形状や向きを異ならせたりして共振周波数を複数のアンテナ毎に異ならせ、そのアンテナの組み合わせで多くのIDを表現可能とする技術が、特許文献1,2に開示されている。この技術を用いれば、アンテナの数をN個とした場合、1つのアンテナの有無によって“1”,“0”の2つの情報を持たせることができ、また、全てのアンテナが無い場合を除いて、(2N−1)個のIDを識別可能に表現することができる。
特公平7−80386号公報 特表2008−503759号公報
図20は、共振ピークの周波数が互いに異なる複数のアンテナを有する識別体の一例を示す図である。図21は、図20に示したIDタグ501に対してIDを識別する際の電磁波の照射範囲を示す図である。
共振ピークの周波数が互いに異なる複数のアンテナを有する識別体としては、例えば図20に示すように、ベース基材10上に、互いに異なる共振周波数が割り当てられたアンテナ形成部51〜62が設けられたIDタグ501が考えられる。そして、アンテナ形成部51〜62のそれぞれに、アンテナ形成部51〜62に割り当てられた共振周波数を有するアンテナパターンが形成されたりされなかったりすることで、IDを識別可能に表現することができる。図20に示したIDタグ501においては、アンテナ形成部51〜62が、この順番で割り当てられた共振周波数が高くなっており、このうちアンテナ形成部52〜55,57,60,62にアンテナパターン12〜15,17,20,22が形成されており、他のアンテナ形成部51,56,58,59,61にはアンテナパターンが形成されていない。
このように構成されたIDタグ501は、アンテナ形成部51〜62が設けられた領域がID形成領域10aとなり、図21(a)に示すように、このID形成領域10aを含む電磁波照射範囲8に電磁波が照射されることで、アンテナパターン12〜15,17,20,22における反射波が受信され、その反射波における共振ピークが検出される。そして、共振ピークが検出されたアンテナ形成部についての個別IDを“1”とし、共振ピークが検出されなかったアンテナ形成部についての個別IDを“0”とし、これを共振周波数が低い順に並べることで、IDタグ501に付与された“011110100101”が認識されることになる。
ここで、図21(b)に示すように、電磁波が照射される電磁波照射範囲8がずれてID形成領域10aの一部が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部51〜62のうち電磁波照射範囲8に含まれなくなったアンテナ形成部においては、アンテナパターンが形成されていたとしても、そのアンテナパターンでは照射された電磁波は反射せず、反射波は検出されないことになる。例えば図21(b)に示すように、図20に示したIDタグ501に対して、電磁波照射範囲8が図中右側にずれてアンテナ形成部51〜62のうちアンテナ形成部51,54,57,60が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部54,57,60にアンテナパターン14,17,20が形成されているにも関わらず、これらアンテナパターン14,17,20では照射された電磁波は反射せず、反射波は検出されない。そのため、共振ピークが検出されたアンテナ形成部についての個別IDを“1”とし、共振ピークが検出されなかったアンテナ形成部についての個別IDを“0”とし、これを共振周波数が低い順に並べたとしても、IDタグ501に付与された“011110100101”とは異なる“011010000001”が認識されてしまうことになる。
このようなIDの誤認識は、IDタグ501を小型化したりカード化したりして近距離にて電磁波の送受信を行った場合、電磁波を送信するリーダに対するIDタグ501の翳し位置が少しでもずれた場合に生じやすい。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、互いに異なる共振周波数が割り当てられ、該共振周波数にて共振ピークが発現するアンテナパターンが形成される複数のアンテナ形成部からなるID形成領域を有し、複数のアンテナ形成部のそれぞれにおいて当該アンテナ形成部に割り当たられた共振周波数にて共振ピークが検出されるかどうかによってIDを識別可能とする識別体において、電磁波の照射範囲がID形成領域からずれた場合にその旨を検出することができる識別体、識別方法および識別装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
互いに異なる共振周波数が割り当てられ、該共振周波数にて共振ピークが発現するアンテナパターンが形成される複数のアンテナ形成部からなるID形成領域をベース基材上に有し、前記複数のアンテナ形成部のそれぞれにおいて当該アンテナ形成部に割り当てられた共振周波数にて共振ピークが検出されるかどうかによってIDを識別可能とする識別体であって、
前記ID形成領域のうち該ID形成領域の中心から最も離れた複数の端部領域と、前記ID形成領域の外側の領域のうち前記ID形成領域の中心から最も離れた端部領域からX方向もしくはY方向に延びる直線上、または、当該端部領域に対して前記ID形成領域からX方向及びY方向に離れた複数の領域とのうち、前記ID形成領域を中心とした4象限のうち互いに異なる奇数象限または互いに異なる偶数象限に存在する少なくとも1組の領域に、共振ピークが前記アンテナパターンとは区別可能に構成された範囲検出用パターンを有する。
上記のように構成された本発明においては、電磁波の照射範囲がID形成領域からずれた場合、ID形成領域のうちID形成領域の中心から最も離れた複数の端部領域と、ID形成領域の外側の領域のうちID形成領域の中心から最も離れた端部領域からX方向もしくはY方向に延びる直線上、または、当該端部領域に対してID形成領域からX方向及びY方向に離れた複数の領域とのうち、ID形成領域を中心とした4象限のうち互いに異なる奇数象限または互いに異なる偶数象限に存在する少なくとも1組の領域に形成された範囲検出用パターンの少なくとも一方における共振ピークが検出されなくなる。この範囲検出用パターンは、アンテナ形成部に形成されるアンテナパターンとは共振ピークが区別可能に構成されているため、1組となる範囲検出用パターンの少なくとも一方の共振ピークが検出されなかった場合、電磁波の照射範囲がID形成領域からずれているものと判断することができる。
このように、範囲検出用パターンの共振ピークが検出されるかどうかによって、電磁波の照射範囲がID形成領域からずれている場合にその旨を検出することができる。
また、ベース基材を介してアンテナパターンに対向して設けられた導電層を有し、アンテナパターンが、導電層と対向することで共振周波数にて共振ピークが発現するものであれば、導電層側に手等の誘電体が存在していても誘電体の影響を受けることなく共振ピークが検出される。
また、上述したようにアンテナパターンに対向して導電層を設けたものにおいては、識別体に照射した電磁波がアンテナパターンのみならず、導電層においても反射することになるが、複数のアンテナ形成部に形成されるアンテナパターンのそれぞれが、当該アンテナパターンの2つの端部間の中間点から2つの端部に向かい、X方向およびY方向のベクトル成分の大きさが互いに異なる2つの成分からなり、複数のアンテナ形成部に形成されるアンテナパターンどうしにおいて、2つの成分の長さが互いに異なるものであれば、アンテナパターンの2つの成分のうち一方の成分と偏波方向が同じ電磁波を照射した場合に、アンテナパターンにおいてそれに対する反射波が2つの成分からそれぞれ反射する一方、アンテナパターンに対向した導電層においては、識別体に照射された電磁波と同じ偏波方向の反射波が反射することになるため、アンテナパターンの2つの成分のうち他方の成分と同じ偏波方向で反射波を受信することで、アンテナパターンによる反射波のみを受信することができ、それにより、反射波における共振ピークを確実に検出することができることになる。
上述した識別体に付与されたIDを識別する場合は、
複数のアンテナ形成部に割り当てられた共振周波数と、範囲検出用パターンの共振周波数とを含む電磁波を照射し、照射された電磁波の反射波を受信し、受信された反射波から範囲検出用パターンによる共振ピークが検出されたか否かを判断し、受信された反射波から組となる範囲検出用パターンの両者による共振ピークが検出された場合、その反射波からアンテナ形成部に割り当たられた共振周波数にて共振ピークを検出することでIDを識別し、受信された反射波から組となる範囲検出用パターンの少なくとも一方による共振ピークが検出されない場合、IDの誤読と判断することで、電磁波の照射範囲がID形成領域からずれた旨が検出されることになる。
本発明によれば、ID形成領域のうちID形成領域の中心から最も離れた複数の端部領域と、ID形成領域の外側の領域のうちID形成領域の中心から最も離れた端部領域からX方向もしくはY方向に延びる直線上、または、当該端部領域に対してID形成領域からX方向及びY方向に離れた複数の領域とのうち、ID形成領域を中心とした4象限のうち互いに異なる奇数象限または互いに異なる偶数象限に存在する少なくとも1組の領域に、共振ピークがアンテナパターンとは区別可能に構成された範囲検出用パターンが設けられているので、電磁波を照射してその反射波にて範囲検出用パターンによる共振ピークが検出されるかどうかによって、電磁波の照射範囲がID形成領域からずれた場合にその旨を検出することができる。
また、ベース基材を介してアンテナパターンに対向して設けられた導電層を有し、アンテナパターンが、導電層と対向することで共振周波数にて共振ピークが発現するものにおいては、導電層側に手等の誘電体が存在していても誘電体の影響を受けることなく共振ピークを検出することができる。
また、複数のアンテナ形成部に形成されるアンテナパターンのそれぞれが、当該アンテナパターンの2つの端部間の中間点から2つの端部に向かい、X方向およびY方向のベクトル成分の大きさが互いに異なる2つの成分からなり、複数のアンテナ形成部に形成されるアンテナパターンどうしにおいて、2つの成分の長さが互いに異なるものにおいては、上述したようにアンテナパターンに対向して導電層を設けた場合に、識別体に照射した電磁波がアンテナパターンのみならず導電層においても反射することになるものの、アンテナパターンの2つの成分のうち一方の成分と偏波方向が同じ電磁波を照射し、アンテナパターンの2つの成分のうち他方の成分と同じ偏波方向で反射波を受信することで、アンテナパターンによる反射波のみを受信することができ、それにより、反射波における共振ピークを確実に検出することができる。
本発明の識別体の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材上の構成を示す図である。 図1に示したアンテナパターンの詳細な構成を示す図である。 図1に示したIDタグに付与されたIDを識別するID識別システムの一構成例を示す図である。 図3に示したリーダにおけるIDの識別方法を説明するためのフローチャートであり、(a)は全体の流れを示す図、(b)は範囲検出用パターンの反射波による共振ピークが存在するか否かを判断する処理を示す図である。 図1に示したIDタグに対して図3に示したリーダから送信される電磁波の照射範囲を示す図である。 図1に示したIDタグの周波数特性を示す図である。 図1に示したIDタグに対して異なるIDが付与された識別体の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材の保護層との積層面の構成を示す図である。 図1に示したIDタグに対する電磁波照射範囲ずれた状態を示す図である。 図1に示したIDタグに対する電磁波照射範囲が図8に示すようにずれた場合のIDタグからの反射波の周波数特性を示す図である。 本発明の識別体の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材上の構成を示す図である。 図10に示したIDタグに対して図3に示したリーダから送信される電磁波の照射範囲を示す図である。 図10に示したIDタグの周波数特性を示す図である。 図10に示したIDタグに対する電磁波照射範囲がずれた状態を示す図である。 図10に示したIDタグに対する電磁波照射範囲が図13に示すようにずれた場合のIDタグからの反射波の周波数特性を示す図である。 本発明の識別体の第3の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材上の構成を示す図である。 図15に示したIDタグに対する電磁波照射範囲がずれた状態を示す図である。 本発明の識別体の第4の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材上の構成を示す図である。 図17に示したIDタグに対する電磁波照射範囲がずれた状態を示す図である。 本発明においてアンテナパターンによる個別IDを識別できないといった誤読を回避するための条件を説明するための図である。 共振ピークの周波数が互いに異なる複数のアンテナを有する識別体の一例を示す図である。 図20に示したIDタグに対してIDを識別する際の電磁波の照射範囲を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の識別体の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材10上の構成を示す図である。
本形態における識別体は図1に示すように、ベース基材10の両面が保護層30a,30bによって覆われてなる構成において、ベース基材10の保護層30aとの積層面にアンテナ形成部51〜62が設けられるとともに、ベース基材10の保護層30bとの積層面の全面にグランドパターン40が積層されて構成されたIDタグ1である。
ベース基材10は、200〜300μm程度の厚みを有する絶縁性材料からなる。絶縁性材料としては、PET等の樹脂フィルム等が考えられるが、誘電正接が小さなものが好ましい。
アンテナ形成部51〜62には、アンテナ形成部51〜62の順番に段階的に高くなるように互いに異なる共振周波数が割り当てられている。すなわち、アンテナ形成部51に割り当てられた共振周波数が最も低く、次いで、アンテナ形成部52、その後順番に、アンテナ形成部53、アンテナ形成部54、アンテナ形成部55、アンテナ形成部56、アンテナ形成部57、アンテナ形成部58、アンテナ形成部59、アンテナ形成部60、アンテナ形成部61と共振周波数が段階的に高くなっていき、アンテナ形成部62に割り当てられた共振周波数が最も高くなっている。そして、これらアンテナ形成部51〜62は、4行3列のマトリックス状に並べられ、共振周波数の低い順に、まず図1(c)中左側の列の上の行から下の行へ、次いで真ん中の列の上の行から下の行へ、最後に右側の列の上の行から下の行へ並べられている。これらアンテナ形成部51〜62には、アンテナ形成部51〜62に割り当てられた共振周波数にて共振ピークが検出されるアンテナパターン11〜22が形成されており、アンテナ形成部51〜62が設けられた領域がID形成領域10aとなっている。
図2は、図1に示したアンテナパターン11の詳細な構成を示す図である。なお、図1に示したアンテナパターン12〜22も同様の構成を有している。
図1に示したアンテナパターン11は、例えば18μm程度の厚さを有し、図2に示すように、アンテナパターン11の2つの端部11d,11e間の中間点11cから端部11d,11eにそれぞれ向かう直線状の2つのアンテナ成分11a,11bからなり、2つのアンテナ成分11a,11bが中間点11cにて互いに直交して構成されている。それにより、2つのアンテナ成分11a,11bは、X方向およびY方向のベクトル成分の大きさが互いに異なるものとなっている。アンテナ成分11a,11bの長さは、後述するグランドパターン40に対向した場合に共振ピークが発現するようなものとなっている。そして、このように構成されたアンテナパターン11〜22を覆ってベース基材10の一方の面の全面に保護層30aが積層されている。ここで、アンテナパターン11〜22は、グランドパターン40に対向した場合に共振ピークが発現するためには、グランドパターン40に対向しない状態におけるQ値が30以下である必要がある。Q値とは、共振ピークでの周波数をω0とし、その共振ピークよりも低周波側にて振動エネルギーが共振ピークの半値となる周波数をω1とし、共振ピークよりも高周波側にて振動エネルギーが共振ピークの半値となる周波数をω2とした場合、Q=ω0/(ω2−ω1)で表される値である。Q値が30を超える鋭い共振ピークを有するアンテナパターンにおいては、グランドパターン40と対向した場合、共振ピークが発現しなくなる。一方、Q値が30以下である緩やかな共振ピークを有するアンテナパターンにおいては、グランドパターン40と対向した場合、Q値が30以上となる鋭い共振ピークが発現するようになる。このように、グランドパターン40に対向した場合に共振ピークが発現するためには、Q値が30以下であるか、あるいは、アンテナパターン単体では共振ピークが発現しないものである必要がある。
保護層30aは、例えば100μmの厚さのPET等の絶縁性材料からなり、ベース基材10の一方の面の全面に積層されている。この保護層30aによって、アンテナパターン11が摩擦等から保護されることになる。
グランドパターン40は、本願発明における導電層となるものであって、ベース基材10の保護層30bとの積層面の全面に積層されている。グランドパターン40は、アンテナパターン11〜22と同様に、例えば18μm程度の厚さを有し、ベース基材10の他方の面の全面に積層されることで、平面視にてアンテナパターン11〜22を覆う形状となっている。そして、このグランドパターン40を覆ってベース基材10の他方の面の全面に保護層30bが積層されている。
保護層30bは、保護層30aと同様に、例えば、100μmの厚さのPET等からなり、ベース基材10の他方の面の全面に積層されている。この保護層30bによって、グランドパターン40が摩擦等から保護されることになる。なお、アンテナパターン11〜22およびグランドパターン40の厚さは、3μm程度であればよい。
ここで、アンテナパターン11〜22が図2に示したような形状であることによる効果について説明する。
図1に示したIDタグ1においては、アンテナパターン11〜22がベース基材10を介してグランドパターン40と対向していることで共振ピークが発現し、この共振ピークが検出されることでIDが認識されることになる。その際、アンテナパターン11〜22にグランドパターン40が対向していることで、IDタグ1に照射された電磁波はグランドパターン40においても反射することになる。
ここで、図1に示したIDタグ1においては、例えばアンテナパターン11が、アンテナパターン11の2つの端部11d,11e間の中間点11cから端部11d,11eにそれぞれ向かう直線状の2つのアンテナ成分11a,11bからなり、2つのアンテナ成分11a,11bが中間点11cにて互いに直交して構成されている。そのため、アンテナパターン11の2つのアンテナ成分11a,11bのうち一方と偏波方向が同じ電磁波を照射すると、アンテナパターン11においては、それに対する反射波が2つのアンテナ成分11a,11bからそれぞれ反射することになる。一方、アンテナパターン11に対向したグランドパターン40においては、IDタグ1に照射された電磁波と同じ偏波方向の反射波が反射することになる。
そこで、例えば、アンテナ成分11aと偏波方向が同じ電磁波を照射し、アンテナ成分11bと同じ偏波方向で反射波を受信することで、アンテナパターン11による反射波のみを受信することができ、それにより、反射波における共振ピークを確実に検出することができる。
アンテナパターン11〜22は、アンテナパターン11〜22をそれぞれ構成する2つのアンテナ成分の長さがアンテナパターン11〜22どうしで異なることで、共振ピークが検出される共振周波数が互いに異なるものとなっている。そして、本形態においては、アンテナパターン11〜22の中で、ID形成領域10aの1組の対角近傍に形成されたアンテナパターン13,20が本願発明における範囲検出用パターンとなっている。
以下に、上記のように構成されたIDタグ1に付与されたIDを識別する識別装置について説明する。
図3は、図1に示したIDタグ1に付与されたIDを識別する識別装置の一構成例を示す図である。
図1に示したIDタグ1に付与されたIDを識別する識別装置としては、例えば、図3に示すように、図1に示したIDタグ1に対して電磁波を送信し、その反射波を受信することで、IDタグ1に付与されたIDを識別するリーダ2が考えられる。
リーダ2は、送信部3と、受信部4と、送受信アンテナ5と、処理部6と、制御部7とを有しており、送信部3と送受信アンテナ5とから、本願発明の送信手段が構成され、受信部4と送受信アンテナ5とから、本願発明の受信手段が構成される。送信部3は、IDタグ1に送信する電磁波を生成する。送受信アンテナ5は、送信部3にて生成された電磁波を電磁波照射範囲8にてIDタグ1に照射し、その反射波を受信する。受信部4は、送受信アンテナ5にて受信された反射波の受信電力のレベルを検知する。処理部6は、受信部4にて検知された受信電力に基づいて、IDタグ1に付与されたIDを識別する。制御部7は、送信部3、受信部4及び処理部6を制御する。なお、送受信アンテナ5は、送信部3にて生成された電磁波をIDタグ1に照射する送信アンテナと、その反射波を受信する受信アンテナとに分離した系としてもよい。
以下に、上記のように構成されたリーダ2におけるIDの識別方法について説明する。
図4は、図3に示したリーダ2におけるIDの識別方法を説明するためのフローチャートであり、(a)は全体の流れを示す図、(b)は範囲検出用パターンの反射波による共振ピークが存在するか否かを判断する処理を示す図である。
図1に示したIDタグ1に付与されたIDを図3に示したリーダ2にて識別する場合、リーダ2においては、まず、IDタグ1に送信する電磁波が送信部3にて生成され、生成された電磁波が送受信アンテナ5を介して送信される(ステップ1)。この際、送信部3においては、アンテナ形成部51〜62に割り当てられた共振周波数を全て含むように電磁波が生成される。
図5は、図1に示したIDタグ1に対して図3に示したリーダ2から送信される電磁波の照射範囲を示す図である。
図3に示したリーダ2の送受信アンテナ5からは、図5に示すように、図1に示したIDタグ1のID形成領域10aを含む電磁波照射範囲8で電磁波が照射される。
すると、図1に示したIDタグ1においては、電磁波照射範囲8には、アンテナ形成部51〜62に形成されたアンテナパターン11〜22が存在するため、リーダ2の送受信アンテナ5から照射された電磁波がこれらアンテナパターン11〜22にて反射し、その反射波が送受信アンテナ5にて受信される(ステップ2)。
アンテナパターン11〜22からの反射波が送受信アンテナ5にて受信されると、リーダ2の受信部4において、送受信アンテナ5にて受信された反射波の受信電力のレベルが検知され、周波数特性に変換される(ステップ3)。
反射波の受信レベルが周波数特性に変換されると、リーダ2の処理部6において、周波数特性における共振ピークが検出される(ステップ4)。
図6は、図1に示したIDタグ1の周波数特性を示す図である。
図1に示したIDタグ1においては、アンテナ形成部51に7.2GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部52に7.4GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部53に7.5GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部54に7.6GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部55に7.8GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部56に8.0GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部57に8.2GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部58に8.4GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部59に8.5GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部60に8.7GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部61に8.8GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部62に9.0GHzの共振周波数が割り当てられている。
そのため、図1に示したIDタグ1のように、全てのアンテナ領域51〜62にアンテナパターン11〜22が形成されている場合は、送受信アンテナ5にて受信された反射波においては、図6に示すように、アンテナ形成部51に割り当てられた共振周波数7.2GHz(図中A点)にてアンテナパターン11による共振ピークが検出され、アンテナ形成部52に割り当てられた共振周波数7.4GHz(図中B点)にてアンテナパターン12による共振ピークが検出され、アンテナ形成部53に割り当てられた共振周波数7.5GHz(図中C点)にてアンテナパターン13による共振ピークが検出され、アンテナ形成部54に割り当てられた共振周波数7.6GHz(図中D点)にてアンテナパターン14による共振ピークが検出され、アンテナ形成部55に割り当てられた共振周波数7.8GHz(図中E点)にてアンテナパターン15による共振ピークが検出され、アンテナ形成部56に割り当てられた共振周波数8.0GHz(図中F点)にてアンテナパターン16による共振ピークが検出され、アンテナ形成部57に割り当てられた共振周波数8.2GHz(図中G点)にてアンテナパターン17による共振ピークが検出され、アンテナ形成部58に割り当てられた共振周波数8.4GHz(図中H点)にてアンテナパターン18による共振ピークが検出され、アンテナ形成部59に割り当てられた共振周波数8.5GHz(図中I点)にてアンテナパターン19による共振ピークが検出され、アンテナ形成部60に割り当てられた共振周波数8.7GHz(図中J点)にてアンテナパターン20による共振ピークが検出され、アンテナ形成部61に割り当てられた共振周波数8.8GHz(図中K点)にてアンテナパターン21による共振ピークが検出され、アンテナ形成部62に割り当てられた共振周波数9.0GHz(図中L点)にてアンテナパターン22による共振ピークが検出されることになる。
反射波の受信レベルに基づく周波数特性にて共振ピークが検出されると(ステップ5)、処理部6において、検出された共振ピークの中に、範囲検出用パターンとなるアンテナパターン13,20の反射波による共振ピークが存在するか否かを判断する処理に移る(ステップ6)。
検出された共振ピークの中に、範囲検出用パターンとなるアンテナパターン13,20の反射波による共振ピークが存在するか否かを判断する処理においては、アンテナパターン13,20の反射波による共振ピークは、上述したように、アンテナパターン13の反射波による共振ピークが7.5GHzであり、アンテナパターン20の反射波による共振ピークが8.7GHzであるため、処理部6においては、まず、ステップ5にて検出された共振ピークの中に、7.5GHzの共振ピークが存在するかどうかが判断され(ステップ7)、次に、ステップ5にて検出された共振ピークの中に、8.7GHzの共振ピークが存在するかどうかが判断される(ステップ8)。
そして、ステップ5にて検出された共振ピークの中に、7.5GHzの共振ピークと、8.7GHzの共振ピークとのいずれもが存在する場合、範囲検出用パターン共振ピークフラグがONに設定され(ステップ9)、検出された共振ピークの中に、範囲検出用パターンとなるアンテナパターン13,20の反射波による共振ピークが存在するか否かを判断する処理するが終了する。また、ステップ5にて検出された共振ピークの中に、7.5GHzの共振ピークと、8.7GHzの共振ピークとの少なくともいずれか一方が存在しない場合は、範囲検出用パターン共振ピークフラグがONに設定されずに、処理が終了する。なお、ステップ7〜9における処理は、範囲検出用パターンの形態に応じて適宜変更されることになる。
その後、範囲検出用パターン共振ピークフラグがONに設定されている場合は(ステップ10)、処理部6において、共振ピークが検出されたアンテナ形成部についての個別IDを“1”とし、共振ピークが検出されなかったアンテナ形成部についての個別IDを“0”とし、これらを共振周波数が低い順に並べることで、IDタグ1に付与された“111111111111”が生成、表示されて、認識されることになる(ステップ11)。なお、アンテナ形成部51〜62のうち、範囲検出用パターンとなるアンテナパターン13,20が形成されるアンテナ形成部53,60においては、アンテナパターン13,20が常に形成されている必要があるため、生成されるIDのうち、範囲検出用パターンとなるアンテナパターン13,20が形成されるアンテナ形成部53,60に対応する桁は常に“1”となる。
また、ステップ5にて共振ピークが検出されなかった場合や、ステップ10にて範囲検出用パターン共振ピークフラグがONに設定されていないと判断された場合は、IDの誤読と判断してエラー表示を行い(ステップ12)、ステップ1の処理に戻る。
図7は、図1に示したIDタグ1に対して異なるIDが付与された識別体の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材10の保護層30aとの積層面の構成を示す図である。
本形態は図7に示すように、図1に示したものに対して、アンテナ形成部51〜62の配置は同一であるものの、アンテナ形成部51〜62のうち、アンテナ形成部51,56,58,59,61にはアンテナパターンが形成されていない点が異なるIDタグ101である。
上記のように構成されたIDタグ101に対して電磁波を照射してその反射波を受信すると、その反射波においては、アンテナ形成部51〜62のうち、アンテナ形成部52〜55,57,60,62に割り当てられた共振周波数にて共振ピークが検出されるものの、アンテナ形成部51,56,58,59,61に割り当てられた共振周波数においては共振ピークが検出されない。そのため、アンテナ形成部51〜62に割り当てられた共振周波数のそれぞれにおいて、共振ピークが検出された場合の個別IDを“1”とし、共振ピークが検出されなかった場合の個別IDを“0”とし、これらを共振周波数が低い順に並べることで、ID“011110100101”が認識されることになる。なお、アンテナ形成部51〜62のうち、範囲検出用パターンとなるアンテナパターン13,20が形成されるアンテナ形成部53,60においては、アンテナパターン13,20が常に形成されている必要があるため、生成されるIDのうち、範囲検出用パターンとなるアンテナパターン13,20が形成されるアンテナ形成部53,60に対応する桁は常に“1”となる。
このように、ベース基材10上に設けられたアンテナ形成部51〜62に、IDタグ1,101に付与されたIDに応じて選択的にアンテナパターンを形成することで、IDタグ1,101どうしで異なるIDを識別可能とすることができる。
以下に、範囲検出用パターンを設けたことによる効果について説明する。
図8は、図1に示したIDタグ1に対する電磁波照射範囲8がずれた状態を示す図である。図9は、図1に示したIDタグ1に対する電磁波照射範囲8が図8に示すようにずれた場合のIDタグ1からの反射波の周波数特性を示す図である。
図8に示すように、図1に示したIDタグ1に対して電磁波が照射される電磁波照射範囲8がずれてID形成領域10aの一部が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部51〜62のうち電磁波照射範囲8に含まれなくなったアンテナ形成部においては、アンテナパターンが形成されていたとしても、そのアンテナパターンでは照射された電磁波は反射せず、反射波は検出されないことになる。例えば図8に示すように、図1に示したIDタグ1に対して、電磁波照射範囲8が図中右側にずれてアンテナ形成部51〜62のうちアンテナ形成部51,54,57,60が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部51〜62の全てにアンテナパターン11〜22が形成されているにも関わらず、図9に示すように、IDタグ1からの反射波においては、アンテナ形成部52に割り当てられた共振周波数7.4GHz(図中B点)にてアンテナパターン12による共振ピークが検出され、アンテナ形成部53に割り当てられた共振周波数7.5GHz(図中C点)にてアンテナパターン13による共振ピークが検出され、アンテナ形成部55に割り当てられた共振周波数7.8GHz(図中E点)にてアンテナパターン15による共振ピークが検出され、アンテナ形成部56に割り当てられた共振周波数8.0GHz(図中F点)にてアンテナパターン16による共振ピークが検出され、アンテナ形成部58に割り当てられた共振周波数8.4GHz(図中H点)にてアンテナパターン18による共振ピークが検出され、アンテナ形成部59に割り当てられた共振周波数8.5GHz(図中I点)にてアンテナパターン19による共振ピークが検出され、アンテナ形成部61に割り当てられた共振周波数8.8GHz(図中K点)にてアンテナパターン21による共振ピークが検出され、アンテナ形成部62に割り当てられた共振周波数9.0GHz(図中L点)にてアンテナパターン22による共振ピークが検出されるものの、アンテナ形成部51に割り当てられた共振周波数7.2GHz(図中A点)と、アンテナ形成部54に割り当てられた共振周波数7.6GHz(図中D点)と、アンテナ形成部57に割り当てられた共振周波数8.2GHz(図中G点)と、アンテナ形成部60に割り当てられた共振周波数8.7GHz(図中J点)とにおいては、アンテナパターン11,14,17,20による共振ピークが検出されなくなってしまう。そのため、共振ピークが検出されたアンテナ形成部についての個別IDを“1”とし、共振ピークが検出されなかったアンテナ形成部についての個別IDを“0”とし、これを共振周波数が低い順に並べたとしても、IDタグ1に付与された“111111111111”とは異なる“011011011011”が認識されてしまうことになる。
そこで、上述したように、アンテナパターン11〜22の中で、ID形成領域10aの1組の対角近傍に形成されたアンテナパターン13,20を範囲検出用パターンとし、このアンテナパターン13,20が形成されたアンテナ形成部53,60に割り当てられた共振周波数の少なくとも一方にて共振ピークが検出されなかった場合に誤読と判断することで、IDタグ1に対する電磁波照射範囲8がID形成領域10aからずれた場合に、その旨を判断し、誤ったIDを識別してしまうことを回避することができる。特に、IDタグ1を小型化したりカード化したものにおいては、リーダに対するIDタグ1の翳し位置が少しでもずれた場合にIDタグ1に対する電磁波照射範囲8がID形成領域10aからずれやすいため、有効なものとなる。また、アンテナパターン11〜22の一部を範囲検出用パターンとして用いることで、範囲検出用パターンを別個に設ける必要がなく、IDタグ1が大型化してしまうことがなくなる。
なお、本形態においては、アンテナパターン11〜22の中で、ID形成領域10aの1組の対角近傍に形成されたアンテナパターン13,20を範囲検出用パターンとしているが、ID形成領域10aの対角近傍に形成されたアンテナパターン11,13,20,22を範囲検出用パターンとし、アンテナパターン13,20を1組とし、アンテナパターン11,22を1組としてもよい。すなわち、範囲検出用パターンは、ID形成領域10aのうちID形成領域10aの中心から最も離れ、その中心を介して対向する少なくとも1組の端部領域に形成されていればよい。その際、ID形成領域10aの対角近傍に形成されたアンテナパターン11,13,20,22を範囲検出用パターンとすれば、範囲検出用パターンとなるアンテナパターン11,13,20,22のうち共振ピークが検出されないアンテナパターンを判断することで、ID形成領域10aに対して電磁波照射範囲8がずれた方向を認識することができる。
(第2の実施の形態)
図10は、本発明の識別体の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材10上の構成を示す図である。
本形態は図10に示すように、図1に示したものに対して、ID形成領域10aの外部の領域に範囲検出用パターン71,72が形成されている点が異なるIDタグ201である。範囲検出用パターン71,72は、アンテナパターン11〜22に対して長さ以外は同一の形状を有し、ID形成領域10aの外部の領域において、ID形成領域10aの1組の対角近傍に形成されている。
以下に、上記のように構成されたIDタグ201の作用について説明する。
まず、図10に示したIDタグ201に対してID形成領域10aに電磁波がずれずに照射された場合の作用について説明する。
図11は、図10に示したIDタグ201に対して図3に示したリーダ2から送信される電磁波の照射範囲を示す図である。
図3に示したリーダ2の送受信アンテナ5からは、図11に示すように、図10に示したIDタグ101のID形成領域10aおよび範囲検出用パターン71,72を含む電磁波照射範囲8に電磁波が照射される。
すると、図10に示したIDタグ201においては、電磁波照射範囲8には、アンテナ形成部51〜62に形成されたアンテナパターン11〜22と範囲検出用パターン71,72とが存在するため、リーダ2から照射された電磁波がこれらアンテナパターン11〜22と範囲検出用パターン71,72とにて反射し、その反射波がリーダ2にて受信される。
アンテナパターン11〜22および範囲検出用パターン71,72からの反射波がリーダ2にて受信されると、リーダ2において、受信された反射波の受信電力のレベルが検知され、その周波数特性における共振ピークが検出される。
図12は、図10に示したIDタグ201の周波数特性を示す図である。
図10に示したIDタグ201においては、図1に示したIDタグ1と同様に、アンテナ形成部51に7.2GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部52に7.4GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部53に7.5GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部54に7.6GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部55に7.8GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部56に8.0GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部57に8.2GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部58に8.4GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部59に8.5GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部60に8.7GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部61に8.8GHzの共振周波数が割り当てられ、アンテナ形成部62に9.0GHzの共振周波数が割り当てられ、さらに、範囲検出用パターン71が6.9GHzにて共振ピークを有し、範囲検出用パターン72が9.2GHzにて共振ピークを有するものとなっている。
そのため、図10に示したIDタグ201のように、全てのアンテナ領域51〜62にアンテナパターン11〜22が形成されている場合は、リーダ2にて受信された反射波においては、図12に示すように、アンテナ形成部51に割り当てられた共振周波数7.2GHz(図中A点)にてアンテナパターン11による共振ピークが検出され、アンテナ形成部52に割り当てられた共振周波数7.4GHz(図中B点)にてアンテナパターン12による共振ピークが検出され、アンテナ形成部53に割り当てられた共振周波数7.5GHz(図中C点)にてアンテナパターン13による共振ピークが検出され、アンテナ形成部54に割り当てられた共振周波数7.6GHz(図中D点)にてアンテナパターン14による共振ピークが検出され、アンテナ形成部55に割り当てられた共振周波数7.8GHz(図中E点)にてアンテナパターン15による共振ピークが検出され、アンテナ形成部56に割り当てられた共振周波数8.0GHz(図中F点)にてアンテナパターン16による共振ピークが検出され、アンテナ形成部57に割り当てられた共振周波数8.2GHz(図中G点)にてアンテナパターン17による共振ピークが検出され、アンテナ形成部58に割り当てられた共振周波数8.4GHz(図中H点)にてアンテナパターン18による共振ピークが検出され、アンテナ形成部59に割り当てられた共振周波数8.5GHz(図中I点)にてアンテナパターン19による共振ピークが検出され、アンテナ形成部60に割り当てられた共振周波数8.7GHz(図中J点)にてアンテナパターン20による共振ピークが検出され、アンテナ形成部61に割り当てられた共振周波数8.8GHz(図中K点)にてアンテナパターン21による共振ピークが検出され、アンテナ形成部62に割り当てられた共振周波数9.0GHz(図中L点)にてアンテナパターン22による共振ピークが検出され、さらに、共振周波数6.9GHz(図中M点)にて範囲検出用パターン71による共振ピークが検出され、共振周波数9.2GHz(図中N点)にて範囲検出用パターン72による共振ピークが検出されることになる。
次に、図10に示したIDタグ201に対してID形成領域10aから電磁波がずれて照射された場合の作用について説明する。
図13は、図10に示したIDタグ201に対する電磁波照射範囲8がずれた状態を示す図である。図14は、図10に示したIDタグ201に対する電磁波照射範囲8が図13に示すようにずれた場合のIDタグ201からの反射波の周波数特性を示す図である。
図13に示すように、図10に示したIDタグ201に対して電磁波が照射される電磁波照射範囲8がずれてID形成領域10aの一部が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部51〜62のうち電磁波照射範囲8に含まれなくなったアンテナ形成部においては、アンテナパターンが形成されていたとしても、そのアンテナパターンでは照射された電磁波は反射せず、反射波は検出されないことになる。また、範囲検出用パターン71,72においても、電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合は、その反射波は検出されないことになる。例えば図13に示すように、図10に示したIDタグ201に対して、電磁波照射範囲8が図中右側にずれてアンテナ形成部51〜62のうちアンテナ形成部51,54,57,60が電磁波照射範囲8に含まれなくなるとともに、範囲検出用パターン72が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部51〜62の全てにアンテナパターン11〜22が形成されているにも関わらず、図14に示すように、IDタグ201からの反射波においては、アンテナ形成部52に割り当てられた共振周波数7.4GHz(図中B点)にてアンテナパターン12による共振ピークが検出され、アンテナ形成部53に割り当てられた共振周波数7.5GHz(図中C点)にてアンテナパターン13による共振ピークが検出され、アンテナ形成部55に割り当てられた共振周波数7.8GHz(図中E点)にてアンテナパターン15による共振ピークが検出され、アンテナ形成部56に割り当てられた共振周波数8.0GHz(図中F点)にてアンテナパターン16による共振ピークが検出され、アンテナ形成部58に割り当てられた共振周波数8.4GHz(図中H点)にてアンテナパターン18による共振ピークが検出され、アンテナ形成部59に割り当てられた共振周波数8.5GHz(図中I点)にてアンテナパターン19による共振ピークが検出され、アンテナ形成部61に割り当てられた共振周波数8.8GHz(図中K点)にてアンテナパターン21による共振ピークが検出され、アンテナ形成部62に割り当てられた共振周波数9.0GHz(図中L点)にてアンテナパターン22による共振ピークが検出されるものの、アンテナ形成部51に割り当てられた共振周波数7.2GHz(図中A点)と、アンテナ形成部54に割り当てられた共振周波数7.6GHz(図中D点)と、アンテナ形成部57に割り当てられた共振周波数8.2GHz(図中G点)と、アンテナ形成部60に割り当てられた共振周波数8.7GHz(図中J点)においては、アンテナパターン11,14,17,20による共振ピークが検出されなくなってしまう。また、共振周波数6.9GHz(図中M点)にて範囲検出用パターン71による共振ピークが検出されるものの、共振周波数9.2GHz(図中N点)にて範囲検出用パターン72による共振ピークが検出されなくなる。そのため、共振ピークが検出されたアンテナ形成部についての個別IDを“1”とし、共振ピークが検出されなかったアンテナ形成部についての個別IDを“0”とし、これを共振周波数が低い順に並べたとしても、IDタグ1に付与された“111111111111”とは異なる“011011011011”が識別されてしまうことになる。
ここで、図10に示したIDタグ201においては、ID形成領域10aの外部の領域においてID形成領域10aの1組の対角近傍に範囲検出用パターン71,72が形成されているため、ID形成領域10aに対して電磁波照射範囲8がずれた場合、範囲検出用パターン71,72の少なくともいずれか一方における反射波による共振ピークが検出されなくなる。そこで、範囲検出用パターン71,72の少なくともいずれか一方における反射波による共振ピークが検出されない場合、ID形成領域10aに対して電磁波照射範囲8がずれて誤読と判断することで、誤ったIDを識別してしまうことが回避される。
また、本形態においては、範囲検出用パターン71の共振周波数が、アンテナ形成部51〜62に割り当てられた共振周波数よりも低く、範囲検出用パターン72の共振周波数が、アンテナ形成部51〜62に割り当てられた共振周波数よりも高くなっている。そのため、図14に示すように、範囲検出用パターン71,72のいずれの共振周波数においても共振ピークが検出された場合、検出された共振ピークの最低周波数と最高周波数との差がf0となる。一方、上述したように、範囲検出用パターン71の共振周波数にて共振ピークが検出されたものの、範囲検出用パターン71の共振周波数にて共振ピークが検出されない場合、検出された共振ピークの最低周波数と最高周波数との差がf0よりも小さなf1となる。また、範囲検出用パターン71,72のいずれの共振周波数にて共振ピークが検出されない場合、検出された共振ピークの最低周波数と最高周波数との差は、f1よりもさらに小さくなる。
そのため、検出された共振ピークの最低周波数と最高周波数との差が、範囲検出用パターン71,72のいずれの共振周波数においても共振ピークが検出された場合の最低周波数と最高周波数との差f0よりも小さいかどうかを検出することによっても、IDタグ201に対する電磁波照射範囲8がID形成領域10aからずれているかどうかを判断することができる。上述したようなIDタグ201においては、誘電体等に接触することで共振周波数がシフトする場合があるため、上記のように、検出された共振ピークの最低周波数と最高周波数との差を用いて誤読かどうかを判断することは有効なものとなる。
本形態におけるIDタグ201においては、ID形成領域10aの外部の領域において、ID形成領域10aの1組の対角近傍にアンテナパターン11〜22とは別個に範囲検出用パターン71,72が形成され、この範囲検出用パターン71,72の少なくともいずれか一方による共振ピークが検出されなかった場合に誤読と判断されるので、範囲検出用パターン71,72による共振ピークが検出されたにも関わらず、アンテナパターン11〜22による個別IDを識別できないといった誤読を回避でき、安定性が向上する。
なお、本形態においては、ID形成領域10aの外部の領域において、ID形成領域10aの1組の対角近傍に範囲検出用パターン71,72が形成されているが、ID形成領域10aの2組の対角近傍に範囲検出用パターンをそれぞれ形成してもよい。すなわち、範囲検出用パターンは、ID形成領域10aの外側の領域のうちID形成領域10aの中心を介して対向する少なくとも1組の領域に形成されていればよい。その際、ID形成領域10aの外側の領域のうちID形成領域10aの中心を介して対向する少なくとも2組以上の領域に範囲検出用パターンを形成すれば、範囲検出用パターンのうち共振ピークが検出されない範囲検出用パターンを判断することで、ID形成領域10aに対して電磁波照射範囲8がずれた方向を認識することができる。
(第3の実施の形態)
図15は、本発明の識別体の第3の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材10上の構成を示す図である。
本形態は図15に示すように、図10に示したものに対して、範囲検出用パターン71,72が、ID形成領域10aの外側の領域のうちID形成領域10aの中心を介して対向していない点が異なるIDタグ301である。本形態における範囲検出用パターン71,72は、ID形成領域10aの外部の領域において、ID形成領域10aの1組の対角近傍に形成されていることでID形成領域10aを介して対向しているものの、ID形成領域10aの中心を介しては対向していない。
以下に、上記のように構成されたIDタグ301に対してID形成領域10aから電磁波がずれて照射された場合の作用について説明する。
図16は、図15に示したIDタグ301に対する電磁波照射範囲8がずれた状態を示す図である。
図16に示すように、図15に示したIDタグ301に対して電磁波が照射される電磁波照射範囲8がずれてID形成領域10aの一部が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部51〜62のうち電磁波照射範囲8に含まれなくなったアンテナ形成部においては、アンテナパターンが形成されていたとしても、そのアンテナパターンでは照射された電磁波は反射せず、反射波は検出されないことになる。また、範囲検出用パターン71,72においても、電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合は、その反射波は検出されないことになる。例えば図16に示すように、図15に示したIDタグ301に対して、電磁波照射範囲8が図中右側にずれてアンテナ形成部51〜62のうちアンテナ形成部51,54,57,60が電磁波照射範囲8に含まれなくなるとともに、範囲検出用パターン72が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部51〜62の全てにアンテナパターン11〜22が形成されているにも関わらず、アンテナパターン11,14,17,20による共振ピークが検出されなくなってしまう。また、範囲検出用パターン71による共振ピークが検出されるものの、範囲検出用パターン72による共振ピークが検出されなくなる。そのため、共振ピークが検出されたアンテナ形成部についての個別IDを“1”とし、共振ピークが検出されなかったアンテナ形成部についての個別IDを“0”とし、これを共振周波数が低い順に並べたとしても、IDタグ1に付与された“111111111111”とは異なる“011011011011”が識別されてしまうことになる。
ここで、図15に示したIDタグ301においては、ID形成領域10aの外部の領域においてID形成領域10aの1組の対角近傍に範囲検出用パターン71,72が形成されているため、ID形成領域10aに対して電磁波照射範囲8がずれた場合、範囲検出用パターン71,72の少なくともいずれか一方における反射波による共振ピークが検出されなくなる。そこで、範囲検出用パターン71,72の少なくともいずれか一方における反射波による共振ピークが検出されない場合、ID形成領域10aに対して電磁波照射範囲8がずれて誤読と判断することで、誤ったIDを識別してしまうことが回避される。
本形態におけるIDタグ301においては、図10に示したものと同様に、ID形成領域10aの外部の領域において、ID形成領域10aの1組の対角近傍にアンテナパターン11〜22とは別個に範囲検出用パターン71,72が形成され、この範囲検出用パターン71,72の少なくともいずれか一方による共振ピークが検出されなかった場合に誤読と判断されるので、範囲検出用パターン71,72による共振ピークが検出されたにも関わらず、アンテナパターン11〜22による個別IDを識別できないといった誤読を回避でき、安定性が向上する。
なお、本形態においては、ID形成領域10aの外部の領域において、ID形成領域10aの1組の対角近傍に範囲検出用パターン71,72が形成されているが、ID形成領域10aの2組の対角近傍に範囲検出用パターンをそれぞれ形成してもよい。なお、上述した効果を奏するための範囲検出用パターンの形成領域については後述する。
(第4の実施の形態)
図17は、本発明の識別体の第4の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はベース基材10上の構成を示す図である。
本形態は図17に示すように、図15に示したものに対して、範囲検出用パターン72が設けられていない点が異なるIDタグ401である。そのため、本形態のIDタグ401においては、アンテナ形成領域51〜62に形成されたアンテナパターン11〜22のうち、範囲検出用パターン71の近傍に形成されたアンテナパターン13にID形成領域10aの中心を介して対向するアンテナパターン20が範囲検出用パターンの役割を担うことになる。
以下に、上記のように構成されたIDタグ401に対してID形成領域10aから電磁波がずれて照射された場合の作用について説明する。
図18は、図17に示したIDタグ401に対する電磁波照射範囲8がずれた状態を示す図である。
図18に示すように、図17に示したIDタグ401に対して電磁波が照射される電磁波照射範囲8がずれてID形成領域10aの一部が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部51〜62のうち電磁波照射範囲8に含まれなくなったアンテナ形成部においては、アンテナパターンが形成されていたとしても、そのアンテナパターンでは照射された電磁波は反射せず、反射波は検出されないことになる。また、範囲検出用パターン71においても、電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合は、その反射波は検出されないことになる。例えば図18に示すように、図17に示したIDタグ401に対して、電磁波照射範囲8が図中右側にずれてアンテナ形成部51〜62のうちアンテナ形成部51,54,57,60が電磁波照射範囲8に含まれなくなった場合、アンテナ形成部51〜62の全てにアンテナパターン11〜22が形成されているにも関わらず、アンテナパターン11,14,17,20による共振ピークが検出されなくなってしまう。
しかしながら、本形態のIDタグ401においては、アンテナパターン20が範囲検出用パターンの役割を担っているため、アンテナパターン20による共振ピークが検出されない場合、ID形成領域10aに対して電磁波照射範囲8がずれて誤読と判断することで、誤ったIDを識別してしまうことが回避される。
また、図17に示したIDタグ401に対して、電磁波照射範囲8が図中左側にずれた場合は、範囲検出用パターン71による共振ピークが検出されなくなるため、図10に示したものと同様に誤読と判断することで、誤ったIDを識別してしまうことが回避される。
(まとめ)
以下に、上述した4つの実施の形態にて示したIDタグ1,101,201,301,401において、アンテナパターン11〜22による個別IDを識別できないといった誤読を回避するための条件について説明する。
図19は、本発明においてアンテナパターン11〜22による個別IDを識別できないといった誤読を回避するための条件を説明するための図である。
図1及び図7に示したIDタグ1,101においては、アンテナパターン11〜22のうちID形成領域10aの中心から最も離れ、その中心を介して対向する1組の端部領域となる対角近傍に形成されたアンテナパターン13,20を範囲検出用パターンとすることで、アンテナパターン11〜22による個別IDを識別できないといった誤読を回避している。
また、図10に示したIDタグ201においては、ID形成領域10aの外側の領域のうちID形成領域10aの中心を介して対向する1組の領域に範囲検出用パターン71,72を形成することで、アンテナパターン11〜22による個別IDを識別できないといった誤読を回避している。
また、図15に示したIDタグ301においては、ID形成領域10aの外側の領域のうち、ID形成領域10aの中心を介しては対向していないものの、ID形成領域10aを介した1組の領域となる、ID形成領域10aの対角近傍に範囲検出用パターン71,72を形成することで、アンテナパターン11〜22による個別IDを識別できないといった誤読を回避している。
また、図17に示したIDタグ401においては、アンテナパターン11〜22のうちID形成領域10aの中心から最も離れたアンテナパターン20を範囲検出用パターンとするとともに、ID形成領域10aの外側の領域のうちID形成領域10aを介してアンテナパターン20と対向する領域に範囲検出用パターン71を形成することで、アンテナパターン11〜22による個別IDを識別できないといった誤読を回避している。
これらを鑑みると、アンテナパターン11〜22による個別IDを識別できないといった誤読を回避するための条件としては、まず、ID形成領域10aのうちID形成領域10aの中心から最も離れた端部領域に範囲検出用パターンが形成されているか、ID形成領域10aの外側の領域に範囲検出用パターンが形成されている必要がある。また、ID形成領域10aの外側の領域においては、電磁波照射範囲がID形成領域10aからずれたことを検出するためには、図19の網掛けで示すように、ID形成領域10aの中心から最も離れた端部領域からX方向もしくはY方向に延びる直線上(図中X軸とY軸上)、または、端部領域に対してID形成領域からX方向及びY方向のそれぞれに離れた領域(図中網掛け部分)を範囲検出用パターン形成領域70とし、この範囲検出用パターン検出領域70に範囲検出用パターンが形成されている必要がある。そして、電磁波照射範囲がID形成領域10aから図中上下左右いずれの方向にずれた場合でもその旨を検出するためには、これらID形成領域10aの端部領域とID形成領域10aの外側の領域とのうち、ID形成領域10aを介した少なくとも1組の領域に範囲検出用パターンが形成されている必要がある。さらには、範囲検出用パターンがID形成領域10aの外側の領域に形成されるものにおいては、上述した組となる領域がID形成領域10aを介していなくても上述した効果を得ることができる。ID形成領域10aを中心として一定の方向周りに第1、第2、第3及び第4象限の4象限を考えた場合、組となる領域が、ID形成領域10aの中心から最も離れた端部領域からX方向もしくはY方向に延びる直線上、または、端部領域に対してID形成領域からX方向及びY方向のそれぞれに離れた領域に範囲検出用パターンが形成されていれば、第1象限と第3象限とに存在しているか、または第2象限と第4象限とに存在しているか、すなわち、組となる領域が、4象限のうち互いに異なる奇数象限または互いに異なる偶数象限に存在していることにより、上述したものと同様に、電磁波を照射してその反射波にて範囲検出用パターンによる共振ピークが検出されるかどうかによって、電磁波の照射範囲がID形成領域10aからずれた場合にその旨を検出することができる。
なお、上述した実施の形態においては、アンテナパターン11〜22として、互いに直交する2つの直線部がその端部にて交差するように形成されたものを例に挙げて説明したが、アンテナパターンの形状はこれに限らず、例えば、長方形の外形を有し、その短辺の1つからスリットが長手方向に入ったもの等、共振ピークが検出されるものであれば任意の形状のものを適用することができる。
また、上述した実施の形態においては、ベース基材10の保護層30bとの積層面の全面にグランドパターン40が積層されているが、グランドパターン40は、平面視にてアンテナパターン11〜22を覆う形状であれば、複数に分割されていてもよいし、アンテナパターン11〜22のそれぞれと対向して個別に積層されていてもよい。
また、上述した実施の形態においては、ベース基材10を介してアンテナ11〜22に対向してグランドパターン40が設けられているが、アンテナパターンが、グランドパターン40と対向しない状態で共振ピークが発現するものであれば、グランドパターン40を有さない構成としてもよい。ただ、アンテナパターンとして、グランドパターンと対向することで共振ピークが発現するものを用い、ベース基材10を介してアンテナパターンに対向してグランドパターン40を設けたものにおいては、グランドパターン40側に手等の誘電体が存在していても誘電体の影響を受けることなく共振ピークを検出することができる。また、グランドパターン40を有するものにおいては、上述したように、アンテナパターン11〜22の形状として、互いに直交する2つの直線部がその端部にて交差するように形成されたものを用いることで、グランドパターン40の影響を受けずにアンテナパターン11〜22による反射波のみを受信することができ、それにより、反射波における共振ピークを確実に検出することができる。
また、上述した実施の形態においては、範囲検出用パターンの共振周波数が他のアンテナパターンの共振周波数と異なることで、範囲検出用パターンによる共振ピークが検出されたかどうかを判断しているが、範囲検出用パターンの偏波方向を他のアンテナパターンの偏波方向と異ならせる等、範囲検出用パターンによる共振ピークが他のアンテナパターンとは区別可能に構成されていれば、範囲検出用パターンによる共振ピークが検出されたかどうかを判断することができる。
1,101,201,301,401 IDタグ
2 リーダ
3 送信部
4 受信部
5 送受信アンテナ
6 処理部
7 制御部
8 電磁波照射範囲
10 ベース基材
10a ID形成領域
11〜22 アンテナパターン
11a,11b アンテナ成分
11c 中間点
11d,11e 端部
30a,30b 保護層
40 グランドパターン
51〜62 アンテナ形成部
70 範囲検出用パターン形成領域
71,72 範囲検出用パターン

Claims (5)

  1. 互いに異なる共振周波数が割り当てられ、該共振周波数にて共振ピークが発現するアンテナパターンが形成される複数のアンテナ形成部からなるID形成領域をベース基材上に有し、前記複数のアンテナ形成部のそれぞれにおいて当該アンテナ形成部に割り当てられた共振周波数にて共振ピークが検出されるかどうかによってIDを識別可能とする識別体であって、
    前記ID形成領域のうち該ID形成領域の中心から最も離れた複数の端部領域と、前記ID形成領域の外側の領域のうち前記ID形成領域の中心から最も離れた端部領域からX方向もしくはY方向に延びる直線上、または、当該端部領域に対して前記ID形成領域からX方向及びY方向に離れた複数の領域とのうち、前記ID形成領域を中心とした4象限のうち互いに異なる奇数象限または互いに異なる偶数象限に存在する少なくとも1組の領域に、共振ピークが前記アンテナパターンとは区別可能に構成された範囲検出用パターンを有する、識別体。
  2. 請求項1に記載の識別体において、
    前記ベース基材を介して前記アンテナパターンに対向して設けられた導電層を有し、
    前記アンテナパターンは、前記導電層と対向することで前記共振周波数にて共振ピークが発現する、識別体。
  3. 請求項2に記載の識別体において、
    前記複数のアンテナ形成部に形成されるアンテナパターンのそれぞれは、当該アンテナパターンの2つの端部間の中間点から前記2つの端部に向かい、X方向およびY方向のベクトル成分の大きさが互いに異なる2つの成分からなり、前記複数のアンテナ形成部に形成されるアンテナパターンどうしにおいて、前記2つの成分の長さが互いに異なる、識別体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の識別体に付与されたIDを識別する識別方法であって、
    前記複数のアンテナ形成部に割り当てられた共振周波数と、前記範囲検出用パターンの共振周波数とを含む電磁波を照射するステップと、
    前記照射された電磁波の反射波を受信するステップと、
    前記受信された反射波から前記範囲検出用パターンによる共振ピークが検出されたか否かを判断するステップと、
    前記受信された反射波から前記組となる範囲検出用パターンの両者による共振ピークが検出された場合、該反射波から前記アンテナ形成部に割り当たられた共振周波数にて共振ピークを検出することでIDを識別し、前記受信された反射波から前記組となる範囲検出用パターンの少なくとも一方による共振ピークが検出されない場合、IDの誤読と判断するステップとを有する、識別方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の識別体に付与されたIDを識別する識別装置であって、
    前記複数のアンテナ形成部に割り当てられた共振周波数と、前記範囲検出用パターンの共振周波数とを含む電磁波を照射する送信手段と、
    前記照射された電磁波の反射波を受信する受信手段と、
    前記受信された反射波から前記組となる範囲検出用パターンの両者による共振ピークが検出された場合、該反射波から前記アンテナ形成部に割り当たられた共振周波数にて共振ピークを検出することでIDを識別し、前記受信された反射波から前記組となる範囲検出用パターンの少なくとも一方による共振ピークが検出されない場合、IDの誤読と判断する処理手段とを有する、識別装置。
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