JP2019085525A - フェノール樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本願発明の目的は、環境への負荷が低く、且つ優れた断熱性能を有し、更には施工性に優れたフェノール樹脂発泡体及びその製造方法を提供することにある。【解決手段】本願発明のフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂と、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、密度が10kg/m3以上100kg/m3以下であり、平均気泡径が50μm以上300μm以下であり、独立気泡率が80%以上99%以下であり、TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比が0.70以上1.5以下であることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、フェノール樹脂発泡体及びその製造方法に関する。
近年、断熱材を芯材として鋼板等によりサンドウィッチして複合板とし、住宅等の間仕切り等に使用することが増えてきている。芯材の断熱材としては優れた断熱性能を有するものが求められている。また前記のようなサンドウィッチ複合板においては鋼板の重量により全体の重量が重くなり施工性が悪いという課題があった。一方、芯材の曲げ強さが強いほど、鋼板の厚さを薄くして重量を抑えることが出来るため施工性を向上出来る。
特許文献1にはフェノール樹脂発泡体の製造において硬化完了前の状態で走行方向に延伸することにより長手方向の曲げ強さを向上させる方法が開示されている。これにより長手方向の曲げ弾性率と巾方向の曲げ弾性率の比を従来1.5であったものを1.6以上2.8以下と長手方向の弾性率を巾方向の弾性率に比べて非常に大きくしている。
また特許文献2には、発泡剤として炭化水素が広く用いられているが、それよりも熱伝導率が低く、且つオゾン破壊係数が低い又はゼロであり、地球温暖化係数が低い不飽和ハロゲン化ヒドロオレフィンを含む化合物が開示されている。
しかしながら、本発明者らがフェノール樹脂発泡体への特許文献2に記載のハロゲン化ヒドロオレフィンの適用について研究を重ねたところ、これらの化合物は極性が高いために、フェノール樹脂発泡体に使用する場合、親水基である水酸基を有するフェノール樹脂を可塑化してしまい、フェノール樹脂発泡体の気泡径を粗大化させてしまったり、独立気泡率を低下させてしまったりする虞があることが明らかとなった。更にフェノール樹脂と発泡剤を混合するミキサー内及び吐出までの圧力が特定の範囲外となることや前記可塑化により吐出直後の圧力解放が急激に起こることにより吐出が不連続となる。このため吐出された発泡性フェノール樹脂組成物がMD方向に不連続となり、MD方向曲げ強さが低下してしまうため、TD方向に比べてMD方向の曲げ強さが弱くなるという課題があった。前記サンドウィッチ複合板の軽量化にはTD方向とMD方向いずれの曲げ強さも重要となるため、MD方向の曲げ強さを向上させてTD方向の値に近付ける必要があった。更に前記サンドウィッチ複合板においてはMD方向を長辺として使用されることが多いため、施工後の面外方向から働く力に対して高いMD方向の曲げ強度が求められている。
一方、特許文献1に記載の方法においては、成形用のコンベアに加えて延伸用設備が必要であり、その設備費が余分に掛かることや設備用スペースが必要となることが課題であった。更にハロゲン化ヒドロオレフィンを用いた系においては前記の通りMD方向に不連続性が発生するために延伸処理を行うと破断し易いという課題もあった。
本発明者らの研究によれば、フェノール樹脂発泡体の製造においてハロゲン化ヒドロオレフィンを含む化合物を従来の発泡剤から単純に切り替えた場合、環境への負荷は低減できるものの、気泡径が粗大化したり、独立気泡率が低下したりして熱伝導率が悪化すること、MD方向の曲げ強さが弱くなり、前記サンドウィッチ複合板の重量増加による施工性の低下や施工後の強度が低下するという課題が明らかとなった。
一方、特許文献1に記載の方法においては、成形用のコンベアに加えて延伸用設備が必要であり、その設備費が余分に掛かることや設備用スペースが必要となることが課題であった。更にハロゲン化ヒドロオレフィンを用いた系においては前記の通りMD方向に不連続性が発生するために延伸処理を行うと破断し易いという課題もあった。
本発明者らの研究によれば、フェノール樹脂発泡体の製造においてハロゲン化ヒドロオレフィンを含む化合物を従来の発泡剤から単純に切り替えた場合、環境への負荷は低減できるものの、気泡径が粗大化したり、独立気泡率が低下したりして熱伝導率が悪化すること、MD方向の曲げ強さが弱くなり、前記サンドウィッチ複合板の重量増加による施工性の低下や施工後の強度が低下するという課題が明らかとなった。
そこで、本発明は、環境への負荷が低く(オゾン破壊係数が低い又はゼロであり、且つ地球温暖化係数が低く)、且つ優れた断熱性能を有し、更にはMD方向の曲げ強さを向上させることにより施工性に優れたフェノール樹脂発泡体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、フェノール樹脂と、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、フェノール樹脂発泡体の密度、平均気泡径、独立気泡率、TD方向の曲げ強さとMD方向の曲げ強さの比を特定範囲とすることにより、環境への負荷が低く、優れた断熱性能を有し、更には施工性に優れたフェノール樹脂発泡体を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の[1]〜[6]を提供する。
[1]フェノール樹脂と、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、密度が10kg/m3以上100kg/m3以下であり、平均気泡径が50μm以上300μm以下であり、独立気泡率が80%以上99%以下であり、TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比が0.70以上1.5以下であることを特徴とするフェノール樹脂発泡体。
[2]前記塩素化ハイドロフルオロオレフィンが、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンであり、前記非塩素化ハイドロフルオロオレフィンが、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンであることを特徴とする、上記[1]記載のフェノール樹脂発泡体。
[3]ハロゲン化飽和炭化水素をさらに含むことを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載のフェノール樹脂発泡体。
[4]炭素数6以下の炭化水素をさらに含むことを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体。
[5]熱伝導率が0.0190W/m・K未満であることを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体。
[6]面材上で、フェノール樹脂、界面活性剤、硬化触媒、並びに塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む発泡剤を含有する発泡性フェノール樹脂組成物を発泡及び硬化させるフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、前記発泡性フェノール樹脂組成物は、ミキサーを用いて混合した後、吐出分配管を用いて前記面材上に吐出され、前記フェノール樹脂の40℃における粘度が100mPa・s以上50000mPa・s以下であり、気泡核剤が前記発泡剤の合計量に対して質量換算で0.050%以上3.0%以下で上記発泡性フェノール樹脂組成物に含まれ、前記ミキサー内の圧力と前記発泡剤の蒸気圧の差が100kPa以上であり、前記吐出分配管の本数が2本以上32本以下であることを特徴とする、上記[1]記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
[1]フェノール樹脂と、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、密度が10kg/m3以上100kg/m3以下であり、平均気泡径が50μm以上300μm以下であり、独立気泡率が80%以上99%以下であり、TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比が0.70以上1.5以下であることを特徴とするフェノール樹脂発泡体。
[2]前記塩素化ハイドロフルオロオレフィンが、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンであり、前記非塩素化ハイドロフルオロオレフィンが、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンであることを特徴とする、上記[1]記載のフェノール樹脂発泡体。
[3]ハロゲン化飽和炭化水素をさらに含むことを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載のフェノール樹脂発泡体。
[4]炭素数6以下の炭化水素をさらに含むことを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体。
[5]熱伝導率が0.0190W/m・K未満であることを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体。
[6]面材上で、フェノール樹脂、界面活性剤、硬化触媒、並びに塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む発泡剤を含有する発泡性フェノール樹脂組成物を発泡及び硬化させるフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、前記発泡性フェノール樹脂組成物は、ミキサーを用いて混合した後、吐出分配管を用いて前記面材上に吐出され、前記フェノール樹脂の40℃における粘度が100mPa・s以上50000mPa・s以下であり、気泡核剤が前記発泡剤の合計量に対して質量換算で0.050%以上3.0%以下で上記発泡性フェノール樹脂組成物に含まれ、前記ミキサー内の圧力と前記発泡剤の蒸気圧の差が100kPa以上であり、前記吐出分配管の本数が2本以上32本以下であることを特徴とする、上記[1]記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
本発明のフェノール樹脂発泡体は、上記構成を有するため、環境への負荷が低く、且つ優れた断熱性能を有し、更には施工性に優れる。また、本発明のフェノール樹脂発泡体の製造方法によれば、上記構成を有する本発明のフェノール樹脂発泡体を容易に製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂と、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、密度が10kg/m3以上100kg/m3以下であり、平均気泡径が50μm以上300μm以下であり、独立気泡率が80%以上99%以下であり、TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比が0.70以上1.5以下である。
上記塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、特に限定はされないが、熱伝導率の低さや発泡性、及び環境への負荷の観点から、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン及び2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンが好ましい。上記非塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、特に限定はされないが、熱伝導率の低さや発泡性、及び環境への負荷の観点から、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン等が好ましい。
また、発泡剤中の上記塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の割合は、特に限定されないが、熱伝導率の観点から、例えば、発泡剤全量(100質量%)に対して、30質量%以上100質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは70質量%以上90質量%以下である。
また、発泡剤中の上記塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の割合は、特に限定されないが、熱伝導率の観点から、例えば、発泡剤全量(100質量%)に対して、30質量%以上100質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは70質量%以上90質量%以下である。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体はハロゲン化飽和炭化水素をさらに含んでいてもよい。
上記ハロゲン化飽和炭化水素としては、特に限定はされないが、熱伝導率の低さや発泡剤の沸点、及び環境への負荷の観点から、水素原子を少なくとも一つ含むハロゲン化飽和炭化水素、2種類以上のハロゲン原子を含まないハロゲン化飽和炭化水素、又はフッ素原子を含まないハロゲン化飽和炭化水素が好ましく、より好ましくはイソプロピルクロリドである。
上記ハロゲン化飽和炭化水素としては、特に限定はされないが、熱伝導率の低さや発泡剤の沸点、及び環境への負荷の観点から、水素原子を少なくとも一つ含むハロゲン化飽和炭化水素、2種類以上のハロゲン原子を含まないハロゲン化飽和炭化水素、又はフッ素原子を含まないハロゲン化飽和炭化水素が好ましく、より好ましくはイソプロピルクロリドである。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、例えば、炭化水素をさらに含んでいてもよい。
上記炭化水素としては、例えば、炭素数が6以下の炭化水素が挙げられる。上記炭素数が6以下の炭化水素としては、具体的には、ノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン等を挙げることができる。中でも、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン等のペンタン類、又はノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン等のブタン類が好適に用いられる。上記炭化水素は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記炭化水素としては、例えば、炭素数が6以下の炭化水素が挙げられる。上記炭素数が6以下の炭化水素としては、具体的には、ノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン等を挙げることができる。中でも、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン等のペンタン類、又はノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン等のブタン類が好適に用いられる。上記炭化水素は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、特に限定されないが、例えば、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる単一の化合物を含んでいてもよいし、複数種の塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィン、又は少なくとも1種の塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンと、少なくとも1種の上記ハロゲン化飽和炭化水素や上記炭化水素とを含んでいてもよい。中でも、本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂のガス透過性が低く、発泡剤が発泡硬化中に抜け難く発泡性が良いという観点から、例えば、少なくとも1種の塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンと少なくとも1種の上記ハロゲン化飽和炭化水素や上記炭化水素とを含む(特に、第1成分として1種又は2種の塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィン、第2成分として上記ハロゲン化飽和炭化水素(例えば、イソプロピルクロリド)や上記炭化水素(例えば、シクロペンタン、イソペンタンなどのペンタン類)を含む発泡剤)ことが好ましい。
上記発泡剤中の上記ハロゲン化飽和炭化水素及び上記炭化水素の割合は、特に限定されないが、発泡性の観点から、例えば、発泡剤全量(100質量%)に対して、それぞれ、10質量%以上70質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体は、密度が10kg/m3以上100kg/m3以下であり、好ましくは20kg/m3以上50kg/m3以下であり、より好ましくは27kg/m3以上40kg/m3以下であり、さらに好ましくは30kg/m3以上35kg/m3以下である。密度が10kg/m3よりも低いと、気泡膜が薄くなり、発泡時に気泡膜が破れやすくなることから高い独立気泡構造を得ることが困難となり、発泡剤が発泡体から抜けて熱伝導率が悪化する。また、密度が100kg/m3より高いと、樹脂をはじめとする固形成分由来の固体熱伝導率が大きくなり断熱性能が低下する。
なお、上記密度は、後述の(評価)の「(1)発泡体密度」に記載の方法により測定される値をいう。上記密度は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
なお、上記密度は、後述の(評価)の「(1)発泡体密度」に記載の方法により測定される値をいう。上記密度は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体は、平均気泡径が50μm以上300μm以下であり、好ましくは60μm以上200μm以下であり、より好ましくは70μm以上150μm以下であり、更に好ましくは80μm以上120μm以下である。平均気泡径が300μmより大きいと、気泡内のガスの対流や気泡膜による熱の遮蔽が少なくなったり、気泡に内包された発泡剤が空気と置換し易くなったりするために断熱性能が悪化する傾向にある。平均気泡径が50μmより小さいと、個々の気泡膜が薄くなることから熱線を透過して断熱性能が悪化する傾向にある。
なお、上記平均気泡径は、後述の(評価)の「(2)平均気泡径」に記載の方法により測定される値をいう。上記平均気泡径は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
なお、上記平均気泡径は、後述の(評価)の「(2)平均気泡径」に記載の方法により測定される値をいう。上記平均気泡径は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体は、独立気泡率が80%以上99%以下であり、より好ましくは85%以上99%以下、さらに好ましくは90%以上99%以下、特に好ましくは93%以上99%以下、最も好ましくは95%以上99%以下である。独立気泡率が80%より小さいと、気泡に内包された発泡剤が空気と置換しやすくなり、熱伝導率が悪化する。
なお、上記独立気泡率は、後述の(評価)の「(3)独立気泡率」に記載の方法により測定される値をいう。上記独立気泡率は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
なお、上記独立気泡率は、後述の(評価)の「(3)独立気泡率」に記載の方法により測定される値をいう。上記独立気泡率は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体は、TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比が0.70以上1.5以下であり、より好ましくは0.80以上1.3以下、さらに好ましくは0.90以上1.1以下である。TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比が0.70より小さいと、TD方向の曲げ強さがMD方向よりも低すぎることによりハンドリングの際に曲がってしまったりして運搬し難くなったり、更に端部が破損してしまったりと施工性が低下する。TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比が1.5より大きいと曲線部に施工する際や施工後に面外方向の力が加わる際に割れてしまったり、サンドウィッチ複合板においてはMD方向の曲げ強さが低いことによりサンドウィッチ複合板の鋼板が厚くなって重量が重くなるために施工性が低下したりする虞がある。
なお、上記TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比は、後述の(評価)の「(5)TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比」に記載の方法により測定される値をいう。上記TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、気泡核剤の割合、ミキサー内の圧力と前記発泡剤の蒸気圧の差、吐出分配管の本数、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
なお、上記TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比は、後述の(評価)の「(5)TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比」に記載の方法により測定される値をいう。上記TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、気泡核剤の割合、ミキサー内の圧力と前記発泡剤の蒸気圧の差、吐出分配管の本数、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体は、熱伝導率が0.0190W/m・K未満であることが好ましく、より好ましくは0.0185W/m・K未満であり、更に好ましくは0.0180W/m・K未満であり、特に好ましくは0.0175W/m・K未満である。
なお、上記熱伝導率は、後述の(評価)の「(6)熱伝導率」に記載の方法により測定される値をいう。上記熱伝導率は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、気泡核剤の割合、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
なお、上記熱伝導率は、後述の(評価)の「(6)熱伝導率」に記載の方法により測定される値をいう。上記熱伝導率は、例えば、フェノール樹脂の組成や粘度、発泡剤の種類や割合、気泡核剤の割合、硬化条件、発泡条件等により調整できる。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体は、例えば、フェノール樹脂及び上記発泡剤を含み、任意に界面活性剤、硬化触媒を含む発泡性フェノール樹脂組成物を発泡及び硬化させることにより製造することができる。上記発泡性フェノール樹脂組成物は、さらに、上記ハロゲン化飽和炭化水素や上記炭化水素、及び/又は可塑剤、難燃剤、硬化助剤、含窒素化合物、シラン系化合物、シロキサン系化合物等の添加剤を含んでいてもよい。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体の製造方法は、面材上で、フェノール樹脂、界面活性剤、硬化触媒、並びに塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む発泡剤を含有する発泡性フェノール樹脂組成物を発泡及び硬化させるフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、前記発泡性フェノール樹脂組成物は、ミキサーを用いて混合した後、吐出分配管を用いて前記面材上に吐出され、前記フェノール樹脂の40℃における粘度が100mPa・s以上50000mPa・s以下であり、気泡核剤が前記発泡剤の合計量に対して質量換算で0.050%以上3.0%以下で上記発泡性フェノール樹脂組成物に含まれ、前記ミキサー内の圧力と前記発泡剤の蒸気圧の差が100kPa以上であり、前記吐出分配管の本数が2本以上32本以下であることが好ましい。
本実施形態におけるフェノール樹脂は、例えば、フェニル基を有する化合物とアルデヒド基を有する化合物またはその誘導体を原料として、アルカリ触媒により40℃以上100℃以下の温度範囲で加熱して重合させることによって得られる。上記フェノール樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール樹脂の調製に用いられる上記フェニル基を有する化合物としては、例えば、フェノール、レゾルシノール、カテコール、o−、m−又はp−クレゾール、キシレノール類、エチルフェノール類、p−tertブチルフェノール等が挙げられる。中でも、フェノール、o−、m−又はp−クレゾールが好ましく、最も好ましくはフェノールである。フェニル基を有する化合物としては、2核のフェニル基を有する化合物も使用できる。フェニル基を有する上記化合物は、単独又は2種類以上で用いてもよい。
上記フェノール樹脂の調製に用いられる上記アルデヒド基を有する化合物またはその誘導体としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサン、テトラオキシメチレン等が挙げられる。中でも、ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒドが好ましい。上記アルデヒド基を有する化合物またはその誘導体は、単独又は2種類以上で用いてもよい。
上記フェノール樹脂の40℃における粘度は、特に限定されないが、例えば、100mPa・s以上50000mPa・s以下が好ましく、より好ましくは1000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、さらに好ましくは5000mPa・s以上20000mPa・s以下である。フェノール樹脂の40℃における粘度が100mPa・sより低いと、フェノール樹脂発泡体中の気泡が合一化してしまうため気泡径が大きくなりすぎてしまう傾向にある。さらには発泡圧によって気泡膜が容易に破れてしまうことから独立気泡率の悪化し、断熱性能の低下を招いてしまう傾向にある。フェノール樹脂の40℃における粘度が50000mPa・sより高いと、所定の発泡倍率を得るのが難しくなるため好ましくない。
なお、上記40℃における粘度は、後述の(評価)の「(7)40℃におけるフェノール樹脂の粘度」に記載の方法により測定される値をいう。上記40℃における粘度は、例えば、フェノール樹脂の重量平均分子量、フェノール樹脂の水分率等により調整できる。
なお、上記40℃における粘度は、後述の(評価)の「(7)40℃におけるフェノール樹脂の粘度」に記載の方法により測定される値をいう。上記40℃における粘度は、例えば、フェノール樹脂の重量平均分子量、フェノール樹脂の水分率等により調整できる。
上記発泡性フェノール樹脂組成物中の上記発泡剤の含有量(塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィン、任意にハロゲン化飽和炭化水素及び/又は炭化水素)は、特に限定されないが、例えば、上記フェノール樹脂及び上記界面活性剤の総量(100質量%)に対して、3.0質量%以上25.0質量%以下が好ましく、より好ましくは4.0質量%以上20.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以上17.5質量%以下、特に好ましくは6.0質量%以上15.0質量%以下である。上記含有量が3.0質量%未満であると、必要な発泡倍率を得ることが非常に困難となり密度が高すぎる発泡体となってしまい、良好な発泡体が得られなくなるため好ましくない。上記含有量が25.0質量%超であると、上記塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの可塑化効果によりフェノール樹脂の粘度が低下してしまうことと、含有量が多すぎることによる過剰発泡が起きて発泡体の気泡が破れてしまい、独立気泡率が低下し長期断熱性能等が低下してしまうため好ましくない。
上記フェノール樹脂発泡体は、気泡核剤として発泡剤と共に窒素、アルゴン等の無機ガスを発泡剤の合計量に対して質量換算で0.050%以上3.0%以下の範囲で含むことが好ましく、より好ましくは0.10%以上2.0%以下、さらに好ましくは0.30%以上1.5%以下、特に好ましくは0.50%以上1.0%以下である。添加量が0.050%未満であると気泡核不足によって均一な吐出状態が得られないためMD方向で不均一になりやすい傾向があり、添加量が3.0%超であると発泡圧が高くなりすぎてしまうことから吐出状態が不安定になったり、発泡体の気泡が破れてしまったりして、独立気泡率が低く、気泡径が粗大で粗悪な発泡体となってしまうため好ましくない。
上記界面活性剤としては、一般にフェノール樹脂発泡体の製造に使用されるものを使用できるが、中でもノニオン系の界面活性剤が効果的であり、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体であるアルキレンオキサイドや、アルキレンオキサイドとヒマシ油の縮合物、アルキレンオキサイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのようなアルキルフェノールとの縮合物、アルキルエーテル部分の炭素数が14〜22のポリオキシエチレンアルキルエーテル、更にはポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系化合物、ポリアルコール類等が好ましい。上記界面活性剤は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記界面活性剤の使用量は、特に限定されないが、上記フェノール樹脂100質量部に対して、0.3質量部以上10質量部以下の範囲で好ましく使用される。
上記界面活性剤の使用量は、特に限定されないが、上記フェノール樹脂100質量部に対して、0.3質量部以上10質量部以下の範囲で好ましく使用される。
上記硬化触媒としては、フェノール樹脂を硬化できる酸性の硬化触媒であればよいが、例えば、無水酸硬化触媒が好ましい。上記無水酸硬化触媒としては、無水リン酸や無水アリールスルホン酸が好ましい。上記無水アリールスルホン酸としては、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、置換フェノールスルホン酸、キシレノールスルホン酸、置換キシレノールスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。上記硬化触媒は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記硬化触媒を、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の溶媒で希釈してもよい。
上記硬化触媒の使用量は、特に限定されないが、上記フェノール樹脂及び上記界面活性剤の総量(100質量部)に対して、3質量部以上30質量部以下の範囲で好ましく使用される。
上記硬化触媒の使用量は、特に限定されないが、上記フェノール樹脂及び上記界面活性剤の総量(100質量部)に対して、3質量部以上30質量部以下の範囲で好ましく使用される。
上記発泡性フェノール樹脂組成物を混合するミキサーの内圧力と発泡剤の蒸気圧の差は、特に限定されないが、例えば、100kPa以上が好ましく、より好ましくは300kPa以上であり、さらに好ましくは500kPa以上である。ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差が100kPaより小さいと、ミキサー内で発泡剤が気化して吐出状態が不安定になり、発泡性フェノール樹脂組成物が不連続に吐出されやすい傾向があるため好ましくない。
なお、上記ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差は、後述の(評価)の「(8)ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差」に記載の方法により測定される値をいう。上記ミキサー内圧力は、例えば、吐出分配管にバルブを付けて流路を制御することにより調整できる。
なお、上記ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差は、後述の(評価)の「(8)ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差」に記載の方法により測定される値をいう。上記ミキサー内圧力は、例えば、吐出分配管にバルブを付けて流路を制御することにより調整できる。
吐出方法としてはTダイ方式やマルチポート分配管方式があるが、均一に吐出し易いことからマルチポート分配管方式が好ましい。またマルチポート分配管方式の中でもトーナメント分配管方式が吐出状態を制御し易いため更に好ましい。また分配管に温度調節機能を備えていると吐出毎の斑を小さく出来る。
吐出分配管本数は、特に限定されないが、例えば、2以上32以下が好ましく、より好ましくは4以上16以下である。吐出分配管本数が32より多いと吐出分配管間で吐出された発泡性樹脂組成物同士が合流する境界面が多くなってTD方向の曲げ強さが低下するため好ましくない。
また、吐出分配管の間隔は、特に限定されないが、例えば、20〜600mmが好ましく、より好ましくは30〜350mm、特に好ましくは60〜150mmである。
吐出分配管本数は、特に限定されないが、例えば、2以上32以下が好ましく、より好ましくは4以上16以下である。吐出分配管本数が32より多いと吐出分配管間で吐出された発泡性樹脂組成物同士が合流する境界面が多くなってTD方向の曲げ強さが低下するため好ましくない。
また、吐出分配管の間隔は、特に限定されないが、例えば、20〜600mmが好ましく、より好ましくは30〜350mm、特に好ましくは60〜150mmである。
上記フェノール樹脂発泡体は、上記発泡性フェノール樹脂組成物を、発泡及び硬化(加熱硬化)させることにより得ることができる。フェノール樹脂発泡体は、例えば、上記発泡性フェノール樹脂組成物を複数の分配管を通して走行する面材(下面材)上に連続的に吐出し、フェノール樹脂組成物の面材と接触する面とは反対側の面を、他の面材(上面材)で被覆し(発泡又は未発泡のフェノール樹脂組成物の両面を面材で挟み)、加熱硬化させる連続生産方式などにより得ることができる。
なお、本明細書において、面材上にフェノール樹脂発泡体が積層した積層板(面材とフェノール樹脂発泡体を含む積層板)を、フェノール樹脂発泡体積層板と称する場合がある。フェノール樹脂発泡体積層板は、1枚の面材を有していてもよいし、2枚の面材(上面材と下面材)を有していてもよい。
なお、本明細書において、面材上にフェノール樹脂発泡体が積層した積層板(面材とフェノール樹脂発泡体を含む積層板)を、フェノール樹脂発泡体積層板と称する場合がある。フェノール樹脂発泡体積層板は、1枚の面材を有していてもよいし、2枚の面材(上面材と下面材)を有していてもよい。
上記面材は、例えば、生産時の面材破断を防止する目的で、可撓性を有していることが好ましい。可撓性を有する面材としては、例えば、合成繊維不織布、合成繊維織布、ガラス繊維紙、ガラス繊維織布、ガラス繊維不織布、ガラス繊維混抄紙、紙類、金属フィルムまたは、これらの組合せが挙げられる。金属フィルムまたは金属フィルムと従来のその他の面材を組み合わせた面材はフェノール樹脂発泡体より水やガスを排出するために事前又は製造中にオンラインで金属フィルムに貫通孔を設けても良い。更に、可撓性面材としては、難燃剤等の添加剤を混練したものを用いても構わない。
なお、本実施形態のフェノール樹脂発泡体を得るための発泡性フェノール樹脂組成物の発泡及び硬化方法は、上述の方法に限定されない。
以上、本実施形態に係る製造方法によれば、環境への負荷が低く、且つ優れた断熱性能を有し、更には施工性に優れたフェノール樹脂発泡体を提供することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(評価)
実施例及び比較例中のフェノール樹脂、フェノール樹脂発泡体について、以下の項目の測定及び評価を行った。
実施例及び比較例中のフェノール樹脂、フェノール樹脂発泡体について、以下の項目の測定及び評価を行った。
(1)発泡体密度
JIS K 7222に準拠して、実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から、20cm角の試料を切り出し、面材を取り除いて、フェノール樹脂発泡体の質量と見かけ容積を測定した。求めた質量及び見かけ容積を用いて、発泡体密度(発泡体見かけ密度)を算出した。
JIS K 7222に準拠して、実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から、20cm角の試料を切り出し、面材を取り除いて、フェノール樹脂発泡体の質量と見かけ容積を測定した。求めた質量及び見かけ容積を用いて、発泡体密度(発泡体見かけ密度)を算出した。
(2)平均気泡径
JIS K 6402記載の方法を参考に、以下の方法で測定した。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板中のフェノール樹脂発泡体の厚み方向ほぼ中央を表裏面に平行に切削して得られた切断面を走査型電子顕微鏡で50倍に拡大した写真を撮影し、得られた写真上に9cmの長さ(実際の発泡体断面における1,800μmに相当する)の直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数の平均値を求めた。平均気泡径は、横切った気泡の数の平均値で、1,800μmを除した値である。
JIS K 6402記載の方法を参考に、以下の方法で測定した。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板中のフェノール樹脂発泡体の厚み方向ほぼ中央を表裏面に平行に切削して得られた切断面を走査型電子顕微鏡で50倍に拡大した写真を撮影し、得られた写真上に9cmの長さ(実際の発泡体断面における1,800μmに相当する)の直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数の平均値を求めた。平均気泡径は、横切った気泡の数の平均値で、1,800μmを除した値である。
(3)独立気泡率
ASTM D 2856−94(1998)A法を参考に以下の方法で測定した。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板中のフェノール樹脂発泡体の厚み方向中央部から、約25mm角の立方体試片を切り出した。厚みが薄く25mmの均質な厚みの試片が得られない場合は、切り出した約25mm角の立方体試片表面を約1mmずつスライスし均質な厚みを有する試片を用いた。各辺の長さをノギスにより測定し、見かけ体積(V1:cm3)を計測すると共に試片の重量(W:有効数字4桁,g)を測定した。引き続き、エアーピクノメーター(東京サイエンス社、商品名「MODEL1000」)を使用し、ASTM D 2856のA法に記載の方法に従い、試片の閉鎖空間体積(V2:cm3)を測定した。
また、上述の(2)平均気泡径の測定法に従い平均気泡径(t:cm)を計測すると共に、上記試片の各辺の長さより、試片の表面積(A:cm2)を計測した。
t及びAより、式VA=(A×t)/1.14により、試片表面の切断された気泡の開孔体積(VA:cm3)を算出した。また、固形フェノール樹脂の密度は1.3g/cm3とし、試片に含まれる気泡壁を構成する固体部分の体積(VS:cm3)を式VS=試片重量(W)/1.3により、算出した。
下記式(8)により独立気泡率を算出した。
独立気泡率(%)=〔(V2−VS)/(V1−VA−VS)〕×100 (8)
同一製造条件の発泡体サンプルについて6回測定し、その平均値を代表値とした。
ASTM D 2856−94(1998)A法を参考に以下の方法で測定した。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板中のフェノール樹脂発泡体の厚み方向中央部から、約25mm角の立方体試片を切り出した。厚みが薄く25mmの均質な厚みの試片が得られない場合は、切り出した約25mm角の立方体試片表面を約1mmずつスライスし均質な厚みを有する試片を用いた。各辺の長さをノギスにより測定し、見かけ体積(V1:cm3)を計測すると共に試片の重量(W:有効数字4桁,g)を測定した。引き続き、エアーピクノメーター(東京サイエンス社、商品名「MODEL1000」)を使用し、ASTM D 2856のA法に記載の方法に従い、試片の閉鎖空間体積(V2:cm3)を測定した。
また、上述の(2)平均気泡径の測定法に従い平均気泡径(t:cm)を計測すると共に、上記試片の各辺の長さより、試片の表面積(A:cm2)を計測した。
t及びAより、式VA=(A×t)/1.14により、試片表面の切断された気泡の開孔体積(VA:cm3)を算出した。また、固形フェノール樹脂の密度は1.3g/cm3とし、試片に含まれる気泡壁を構成する固体部分の体積(VS:cm3)を式VS=試片重量(W)/1.3により、算出した。
下記式(8)により独立気泡率を算出した。
独立気泡率(%)=〔(V2−VS)/(V1−VA−VS)〕×100 (8)
同一製造条件の発泡体サンプルについて6回測定し、その平均値を代表値とした。
(4)フェノール樹脂発泡体中の発泡剤の種類同定
はじめに塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの標準ガスを用いて、以下のGC/MS測定条件における保持時間を求めた。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から面材を剥がし、フェノール樹脂発泡体試料約10gと金属製やすりを10L容器(製品名「テドラーバック」)に入れて密封し、窒素5Lを注入した。テドラーバックの上からヤスリを用いて試料を削り、細かく粉砕した。続いて、試料をテドラーバックに入れたまま、81℃に温調された温調機内に10分間入れた。テドラーバック中で発生したガスを100μL採取し、以下に示す測定条件にて、GC/MS分析を行い、フェノール樹脂発泡体中の発泡剤を同定した。
塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの有無を、GC/MSの分析結果より確認した。塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの種類は、事前に求めた保持時間とマススペクトルから同定した。ハロゲン化飽和炭化水素や炭化水素については、保持時間とマススペクトルによって種類を求めた。別途、発生したガス成分の検出感度を各々標準ガスによって測定し、GC/MSで得られた各ガス成分の検出エリア面積と検出感度より、組成比を算出した。同定した各ガス成分の組成比とモル質量より各ガス成分の質量比を算出した。
(GC/MS測定条件)
ガスクロマトグラフィー:アジレント・テクノロジー社製「Agilent7890型」
カラム:ジーエルサイエンス社製「InertCap 5」(内径0.25mm、膜厚5μm、長さ30m)
キャリアガス:ヘリウム
流量:1.1mL/分
注入口の温度:150℃
注入方法:スプリット法(1:50)
試料の注入量:100μL
カラム温度:−60℃5分間保持、50℃/分で150℃まで昇温し、2.8分保持
質量分析:日本電子株式会社製「Q1000GC型」
イオン化方法:電子イオン化法(70eV)
スキャン範囲:m/Z=10〜500
電圧:−1300V
イオン源温度:230℃
インターフェース温度:150℃
はじめに塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの標準ガスを用いて、以下のGC/MS測定条件における保持時間を求めた。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から面材を剥がし、フェノール樹脂発泡体試料約10gと金属製やすりを10L容器(製品名「テドラーバック」)に入れて密封し、窒素5Lを注入した。テドラーバックの上からヤスリを用いて試料を削り、細かく粉砕した。続いて、試料をテドラーバックに入れたまま、81℃に温調された温調機内に10分間入れた。テドラーバック中で発生したガスを100μL採取し、以下に示す測定条件にて、GC/MS分析を行い、フェノール樹脂発泡体中の発泡剤を同定した。
塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの有無を、GC/MSの分析結果より確認した。塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの種類は、事前に求めた保持時間とマススペクトルから同定した。ハロゲン化飽和炭化水素や炭化水素については、保持時間とマススペクトルによって種類を求めた。別途、発生したガス成分の検出感度を各々標準ガスによって測定し、GC/MSで得られた各ガス成分の検出エリア面積と検出感度より、組成比を算出した。同定した各ガス成分の組成比とモル質量より各ガス成分の質量比を算出した。
(GC/MS測定条件)
ガスクロマトグラフィー:アジレント・テクノロジー社製「Agilent7890型」
カラム:ジーエルサイエンス社製「InertCap 5」(内径0.25mm、膜厚5μm、長さ30m)
キャリアガス:ヘリウム
流量:1.1mL/分
注入口の温度:150℃
注入方法:スプリット法(1:50)
試料の注入量:100μL
カラム温度:−60℃5分間保持、50℃/分で150℃まで昇温し、2.8分保持
質量分析:日本電子株式会社製「Q1000GC型」
イオン化方法:電子イオン化法(70eV)
スキャン範囲:m/Z=10〜500
電圧:−1300V
イオン源温度:230℃
インターフェース温度:150℃
(5)TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比
図1はフェノール樹脂発泡体積層板のMD方向、TD方向の説明図である。フェノール樹脂発泡体積層板3はミキサー1でフェノール樹脂と発泡剤、硬化剤等を混合後、吐出分配管2を通って吐出される。MD方向とは吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が流れていく方向であり、TD方向とはMD方向と垂直な方向である。
JIS K 7221−2:2006に準拠して、実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から全厚みでTD方向試験体4(TD方向350mm×MD方向100mm)とMD方向試験体5(TD方向100mm×MD方向350mm)をそれぞれ3個切り出して支点間距離を300mmとして曲げ強さを測定し、その平均値からTD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比を算出した。
図1はフェノール樹脂発泡体積層板のMD方向、TD方向の説明図である。フェノール樹脂発泡体積層板3はミキサー1でフェノール樹脂と発泡剤、硬化剤等を混合後、吐出分配管2を通って吐出される。MD方向とは吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が流れていく方向であり、TD方向とはMD方向と垂直な方向である。
JIS K 7221−2:2006に準拠して、実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から全厚みでTD方向試験体4(TD方向350mm×MD方向100mm)とMD方向試験体5(TD方向100mm×MD方向350mm)をそれぞれ3個切り出して支点間距離を300mmとして曲げ強さを測定し、その平均値からTD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比を算出した。
(6)熱伝導率
JIS A 1412−2:1999に準拠し、以下の方法で23℃における熱伝導率を測定した。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板を600mm角に切断し、試片を温度23±1℃、湿度50±2%の雰囲気に入れ、24時間ごとに質量の経時変化を測定し、24時間経過の質量変化が0.2質量%以下になるまで、状態調節をした。状態調節された試片は、同環境下に置かれた熱伝導率装置に導入した。
熱伝導率測定は、フェノール樹脂発泡体表面を傷つけないように面材を剥がし、低温板13℃高温板33℃の条件で、それぞれ試片1枚・対称構成方式の測定装置(英弘精機株式会社製、商品名「HC−074/600」)を用い行った。
JIS A 1412−2:1999に準拠し、以下の方法で23℃における熱伝導率を測定した。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板を600mm角に切断し、試片を温度23±1℃、湿度50±2%の雰囲気に入れ、24時間ごとに質量の経時変化を測定し、24時間経過の質量変化が0.2質量%以下になるまで、状態調節をした。状態調節された試片は、同環境下に置かれた熱伝導率装置に導入した。
熱伝導率測定は、フェノール樹脂発泡体表面を傷つけないように面材を剥がし、低温板13℃高温板33℃の条件で、それぞれ試片1枚・対称構成方式の測定装置(英弘精機株式会社製、商品名「HC−074/600」)を用い行った。
(7)40℃におけるフェノール樹脂の粘度
フェノール樹脂0.5mLを量りとり、回転粘度計(東機産業株式会社製、R−100型、ローター部は3°×R−14)にセットした。測定するフェノール樹脂の粘度が、装置の測定上限粘度に対して50〜80%の範囲になるようにローターの回転数を設定した。測定温度を40℃とし、測定開始から3分間後の粘度の値を測定値とした。
フェノール樹脂0.5mLを量りとり、回転粘度計(東機産業株式会社製、R−100型、ローター部は3°×R−14)にセットした。測定するフェノール樹脂の粘度が、装置の測定上限粘度に対して50〜80%の範囲になるようにローターの回転数を設定した。測定温度を40℃とし、測定開始から3分間後の粘度の値を測定値とした。
(8)ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差
ミキサー内圧力はミキサー内に圧力計を設置して測定した。
発泡剤の蒸気圧は、以下の式(1)によって求めることができる。
発泡剤の蒸気圧=q×Pq+r×Pr+s×Ps… (1)
(上記式(1)において、対象となる発泡剤の含有成分(Q、R、S、…)の各々の含有率がq、r、s、…(モル分率)、20℃における蒸気圧がPq、Pr、Ps、…(kPa)である。)
下記式より、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を算出した。
「ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差」(kPa)=「ミキサー内圧力」(kPa)−「発泡剤の蒸気圧」(kPa)
ミキサー内圧力はミキサー内に圧力計を設置して測定した。
発泡剤の蒸気圧は、以下の式(1)によって求めることができる。
発泡剤の蒸気圧=q×Pq+r×Pr+s×Ps… (1)
(上記式(1)において、対象となる発泡剤の含有成分(Q、R、S、…)の各々の含有率がq、r、s、…(モル分率)、20℃における蒸気圧がPq、Pr、Ps、…(kPa)である。)
下記式より、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を算出した。
「ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差」(kPa)=「ミキサー内圧力」(kPa)−「発泡剤の蒸気圧」(kPa)
(9)施工性
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板の施工性を以下の評価基準で判定した。
○(優れる):サンドウィッチ複合板の作成時に鋼板厚さを薄くして軽量化が可能、
且つフェノール樹脂発泡体積層板のハンドリング時に欠け等破損なし。
×(不良):上記軽量化が不可もしくは上記ハンドリング時に欠け等破損あり。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板の施工性を以下の評価基準で判定した。
○(優れる):サンドウィッチ複合板の作成時に鋼板厚さを薄くして軽量化が可能、
且つフェノール樹脂発泡体積層板のハンドリング時に欠け等破損なし。
×(不良):上記軽量化が不可もしくは上記ハンドリング時に欠け等破損あり。
(実施例1)
反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液3500kgと99質量%フェノール2510kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで50質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液を80℃まで昇温し、その後オストワルド粘度が150センチストークス(150×10−6m2/s、25℃における測定値、終点粘度)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を470kg添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.4になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によって濃縮処理した結果、粘度は10000mPa・sであった。
反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液3500kgと99質量%フェノール2510kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで50質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液を80℃まで昇温し、その後オストワルド粘度が150センチストークス(150×10−6m2/s、25℃における測定値、終点粘度)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を470kg添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.4になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によって濃縮処理した結果、粘度は10000mPa・sであった。
フェノール樹脂100質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドのブロック共重合体50質量%とポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル50質量%との混合物を2.0重量部の割合で混合した。上記界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して、発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを10質量部、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で1.0%、硬化触媒としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%との混合物14質量部を、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を300kPaとしたミキサーで混合して、発泡性フェノール樹脂組成物を調製した。そして、発泡性フェノール樹脂組成物を16本の吐出分配管を通してTD方向の長さが1000mmとなるように移動する面材上に供給した。
面材上に供給した発泡性フェノール樹脂組成物は、面材と接触する面とは反対側の面が、他の面材で被覆されると同時に、二枚の面材で挟み込まれるようにして、75℃に加熱されたスラット型ダブルコンベアに導入し、11分の滞留時間で硬化させた後、90℃のオーブンで2時間キュアして厚さ約45mmのフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例2)
発泡剤として1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンを界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して13質量部添加した以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤として1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンを界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して13質量部添加した以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例3)
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(90質量%)とシクロペンタン(10質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して10質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を40000mPa・s、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で0.50%とした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(90質量%)とシクロペンタン(10質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して10質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を40000mPa・s、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で0.50%とした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例4)
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(90質量%)とイソプロピルクロリド(10質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して9質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を1000mPa・s、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で3.0%、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を100kPaとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(90質量%)とイソプロピルクロリド(10質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して9質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を1000mPa・s、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で3.0%、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を100kPaとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例5)
気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で1.5%とした以外は実施例4と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で1.5%とした以外は実施例4と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例6)
気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で0.10%とした以外は実施例4と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で0.10%とした以外は実施例4と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例7)
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(70質量%)とシクロペンタン(30質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して8質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を20000mPa・s、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で0.10%、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を100kPa、吐出分配管本数を4本とした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(70質量%)とシクロペンタン(30質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して8質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を20000mPa・s、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で0.10%、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を100kPa、吐出分配管本数を4本とした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例8)
ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を300kPaとした以外は実施例7と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を300kPaとした以外は実施例7と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例9)
ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を500kPaとした以外は実施例7と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を500kPaとした以外は実施例7と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例10)
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(50質量%)とイソプロピルクロリド(50質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して7質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を3000mPa・s、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を400kPaとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(50質量%)とイソプロピルクロリド(50質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して7質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を3000mPa・s、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を400kPaとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例11)
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(50質量%)とシクロペンタン(50質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して7質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を20000mPa・s、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で1.5%、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を500kPa、吐出分配管本数を32本とした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(50質量%)とシクロペンタン(50質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して7質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を20000mPa・s、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で1.5%、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を500kPa、吐出分配管本数を32本とした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例12)
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(30質量%)とイソプロピルクロリド(70質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して6質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を5000mPa・s、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を500kPaとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤として1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(30質量%)とイソプロピルクロリド(70質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して6質量部添加し、フェノール樹脂の粘度を5000mPa・s、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を500kPaとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例13)
発泡剤として1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(90質量%)とイソプロピルクロリド(10質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して12質量部添加した以外は実施例5と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤として1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(90質量%)とイソプロピルクロリド(10質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して12質量部添加した以外は実施例5と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例14)
発泡剤として1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(70質量%)とシクロペンタン(30質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して10質量部添加した以外は実施例8と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤として1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(70質量%)とシクロペンタン(30質量%)との混合物を界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して10質量部添加した以外は実施例8と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(比較例1)
気泡核剤を加えなかったこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
気泡核剤を加えなかったこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(比較例2)
ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を10kPaとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を10kPaとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(比較例3)
発泡剤としてシクロペンタンを界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して5質量部添加し、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で0.10%、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を100kPaとしたとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡剤としてシクロペンタンを界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して5質量部添加し、気泡核剤として窒素を発泡剤の合計量に対して質量換算で0.10%、ミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差を100kPaとしたとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
上記実施例及び比較例で使用したフェノール樹脂の評価結果、及びフェノール樹脂発泡体の評価結果を表1〜3に示す。
表1、表2及び表3に示すとおり、実施例1〜14では、MD曲げ強さが向上しTD/MD曲げ強さ比が小さくなった。またそれにより前記サンドウィッチ複合板作成時に鋼板厚さを薄くでき、施工性が向上した。更にハンドリング時にも欠け等の破損は発生しなかった。一方、比較例1では気泡核剤が入っていないことにより、また比較例2ではミキサー内圧力と発泡剤の蒸気圧の差が小さいことにより、MD曲げ強さが低くTD/MD曲げ強さ比も大きかった。
1:ミキサー
2:吐出分配管
3:フェノール樹脂発泡体積層板
4:TD方向試験体
5:MD方向試験体
2:吐出分配管
3:フェノール樹脂発泡体積層板
4:TD方向試験体
5:MD方向試験体
Claims (6)
- フェノール樹脂と、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、
密度が10kg/m3以上100kg/m3以下であり、
平均気泡径が50μm以上300μm以下であり、
独立気泡率が80%以上99%以下であり、
TD方向曲げ強さ/MD方向曲げ強さ比が0.70以上1.5以下である
ことを特徴とするフェノール樹脂発泡体。 - 前記塩素化ハイドロフルオロオレフィンが、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンであり、前記非塩素化ハイドロフルオロオレフィンが、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンであることを特徴とする、請求項1記載のフェノール樹脂発泡体。
- ハロゲン化飽和炭化水素をさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2記載のフェノール樹脂発泡体。
- 炭素数6以下の炭化水素をさらに含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のフェノール樹脂発泡体。
- 熱伝導率が0.0190W/m・K未満であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のフェノール樹脂発泡体。
- 面材上で、フェノール樹脂、界面活性剤、硬化触媒、並びに塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む発泡剤を含有する発泡性フェノール樹脂組成物を発泡及び硬化させるフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、前記発泡性フェノール樹脂組成物は、ミキサーを用いて混合した後、吐出分配管を用いて前記面材上に吐出され、前記フェノール樹脂の40℃における粘度が100mPa・s以上50000mPa・s以下であり、気泡核剤が前記発泡剤の合計量に対して質量換算で0.050%以上3.0%以下で上記発泡性フェノール樹脂組成物に含まれ、前記ミキサー内の圧力と前記発泡剤の蒸気圧の差が100kPa以上であり、前記吐出分配管の本数が2本以上32本以下であることを特徴とする、請求項1記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
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