JP2019085016A - 車両の制御装置及び車両の制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ロックアップクラッチの締結の際に生じるショックを抑制すること。【解決手段】本発明は、エンジン(2)の出力軸(20)と変速機(3)の入力軸(30)との動力伝達状態を切り替え可能なロックアップクラッチ(42)の締結を制御するECU(12)に関するものである。ECUは、車両の減速中に変速機の変速状態を切り替えるセレクタ(7)が減速用シフト位置にある場合、出力軸の回転数を入力軸の回転数に近づくように増加させてロックアップクラッチを締結する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両の制御装置及び車両の制御システムに関する。
従来、車両の制御においては、ロックアップクラッチの締結により、車両にエンジンブレーキを発生させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、エンジンと自動変速機との間にトルクコンバータが設けられている。トルクコンバータは、エンジンの出力軸(クランクシャフト)と自動変速機の入力軸(メインシャフト)とを結合可能なロックアップクラッチを備えている。特許文献1では、車両が降坂路を走行中、所定条件下でロックアップクラッチが締結される。これにより、エンジンブレーキが発生し、車両を減速することが可能である。
しかしながら、ロックアップクラッチを締結するにあたって、クランクシャフトの回転数とメインシャフトの回転数が異なる場合、締結の際にショックが発生して、乗員に違和感を与えるおそれがある。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、ロックアップクラッチの締結の際に生じるショックを抑制することができる車両の制御装置及び車両の制御システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様の車両の制御装置は、原動機の出力軸と変速機の入力軸との動力伝達状態を切り替え可能なロックアップクラッチの締結を制御する車両の制御装置であって、車両の減速中に前記変速機の変速状態を切り替えるシフト切替機構が減速用シフト位置にある場合、前記出力軸の回転数を前記入力軸の回転数に近づくように増加させて前記ロックアップクラッチを締結することを特徴とする。
本発明の一態様の車両の制御システムは、車両に駆動力を発生する原動機と、前記駆動力を駆動輪に伝達する変速機と、前記変速機の変速状態を切り替えるシフト切替機構と、前記原動機の出力軸と前記変速機の入力軸との動力伝達状態を切り替え可能なロックアップクラッチと、前記ロックアップクラッチの締結を制御する制御装置と、を備える車両の制御システムであって、前記制御装置は、前記車両の減速中に前記シフト切替機構が減速用シフト位置にある場合、前記出力軸の回転数を前記入力軸の回転数に近づくように増加させて前記ロックアップクラッチを締結することを特徴とする。
本発明によれば、ロックアップクラッチの締結の際に生じるショックを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係る車両の制御装置及び車両の制御システムが適用される車両として、自動四輪車を例にして説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明を、自動二輪車、バギータイプの自動三輪車等、他のタイプの車両に適用してもよい。
図1を参照して、本実施の形態に係る車両の制御システムについて説明する。図1は、本実施の形態に係る車両(車両の制御システム)の概略図である。なお、車両の制御システムは、以下に示す構成に限定されず、適宜変更が可能である。
図1に示すように、車両としての自動四輪車1は、駆動力を発生する原動機(駆動源)としてのエンジン2や変速機3等で構成されるパワーユニットを車内に配置して構成される。エンジン2は、例えば、並列多気筒のガソリンエンジンで構成される。なお、エンジン2は、ガソリンエンジンに限らず、例えばディーゼルエンジンであってもよい。
エンジン2の側方には、トルクコンバータ4を介して変速機3が設けられる。変速機3は、所定の伝達機構5を介してエンジン2の駆動力を駆動輪6に伝達する。駆動輪6は、エンジン2の駆動力を路面へ伝達する。変速機3は、例えば多段式のオートマチックトランスミッションで構成される。なお、変速機3は、上記構成に限らず、CVT(Continuously Variable Transmission)や、マニュアルトランスミッション等、他のタイプのトランスミッションで構成されてもよい。
トルクコンバータ4は、エンジン2の出力をオイルを介して変速機3に伝達する流体継手の一種である。具体的にトルクコンバータ4は、エンジン2の出力軸20(クランクシャフト)に設けられるインペラ40と、変速機3の入力軸30(メインシャフト)に設けられるタービン41とを含んで構成される。インペラ40の回転は、オイルを介してタービン41に伝達される。
また、トルクコンバータ4は、エンジン2の出力軸20と変速機3の入力軸30との動力伝達状態を切り替え可能なロックアップクラッチ42を有している。ロックアップクラッチ42が締結している間は、エンジン2の出力軸20と変速機3の入力軸30とが直接接続される。この結果、エンジンブレーキが発生する。一方、ロックアップクラッチ42の締結が解除されると、エンジン2の出力軸20と変速機3の入力軸30との接続が解除される。この場合、上記のように、インペラ40の回転は、オイルを介してタービン41に伝達される。
エンジン2の出力軸20には、出力軸20の回転数(インペラ40の回転数)を検出する出力軸回転数検出手段21が設けられる。また、変速機3の入力軸30には、入力軸30の回転数(タービン41の回転数)を検出する入力軸回転数検出手段31が設けられる。出力軸回転数検出手段21及び入力軸回転数検出手段31は、所定のセンサで構成される。出力軸回転数検出手段21及び入力軸回転数検出手段31の検出値は、ECU12に出力される。
また、車内には、セレクタ7、ブレーキペダル8及びアクセルペダル9が設けられている。セレクタ7は、変速機3の変速状態を切り替えるシフト切替機構を構成し、所定のシフトポジションに応じたシフト切り替え信号をECU12に出力する。具体的にセレクタ7は、シフトレバー70を不図示のシフトゲートに沿って移動可能に構成されている。シフトゲートには、その位置に応じて所定のシフトポジションが設定されている。
シフトポジションとしては、例えば、パーキングポジション(Pポジション)、リバースポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)、ドライブポジション(Dポジション)、ローポジション(Lポジション)、等が挙げられる。詳細は後述するが、Lポジションは、減速用シフト位置を表している。なお、これらのシフトポジションは、一例を示すものであり、他のシフトポジションが設定されてもよい。
ここで、車両の走行に関連するシフトポジションを走行レンジと呼び、車両の走行に関連しないシフトポジションを非走行レンジと呼ぶことにする。走行レンジは、上記したRポジション、Dポジション、Lポジション等を表し、非走行レンジは、Pポジション、Nポジションを表している。特に、Lポジションは、Dポジション(Dレンジと呼ばれてもよい)よりも変速比の大きい減速用レンジ(Lレンジと呼ばれてもよい)を示している。
上記した各シフトポジションには、シフトレバー70の位置、すなわち、変速機3のシフトポジションを検出するシフト位置検出手段として、シフトポジションセンサ(不図示)が設けられている。シフトポジションセンサが検出したシフトポジションは、ECU12に出力される。例えば、セレクタ7は、シフトレバー70がDポジションにある場合、シフト切り替え信号としてドライブ信号をシフトポジションセンサからECU12に出力し、シフトレバー70がLポジションにある場合、シフト切り替え信号としてロー信号をシフトポジションセンサからECU12に出力する。
ブレーキペダル8は、自動四輪車1に制動力を発生する制動手段を構成し、その踏み込み量(踏力)に応じた所定の電気信号をECU12に出力する。アクセルペダル9は、自動四輪車1に加速力を発生する加速手段を構成し、その踏み込み量(踏力)に応じた所定の電気信号(例えば加速要求値)をECU12に出力する。
また、自動四輪車1は、車速を検出する車速センサ10と、車両の傾斜角を検出する傾斜角センサ11とを備えている。車速センサ10及び傾斜角センサ11の検出値は、ECU12に出力される車両の傾斜角から走行路の勾配を検出することが可能である。
更に、自動四輪車1は、車両の各部を統括制御する制御装置としてのECU12(Electronic Control Unit)を備えている。ECU12は、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成される。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体で構成される。詳細は後述するが、ECU12は、上記の各構成からの出力等に基づいて、エンジン2、変速機3、トルクコンバータ4(ロックアップクラッチ42)の制御を実施する。
例えばECU12は、制御対象となる構成に応じて複数の機能ブロックを有している。具体的にECU12は、主にエンジン2を制御するエンジン制御部13と、ロックアップクラッチ42の締結を制御するロックアップクラッチ制御部14と、を有する。
エンジン制御部13は、上記した各種センサの出力に応じてエンジン回転数を変化(増減)させる。例えば、エンジン制御部13は、インジェクタ(不図示)を制御して燃料カットを実施することにより、エンジン回転数を減少させる。その他、エンジン制御部13は、インジェクタからの燃料噴射量を増やすことで、燃焼を促進してエンジン回転数を増加させる。また、エンジン制御部13は、出力軸回転数検出手段21及び入力軸回転数検出手段31の検出値から出力軸20と入力軸30との回転数差を算出し、当該回転数差に基づいてエンジ回転数を変化させる。
ロックアップクラッチ制御部14は、ロックアップクラッチ42内の油圧(油量)を調整することでロックアップクラッチ42の締結を制御する。具体的にロックアップクラッチ制御部14は、内部に設けられるソレノイドバルブ(不図示)の開度を制御する。ソレノイドバルブの開度が大きくなると、ロックアップクラッチ42内に供給される油量が増加して油圧が上昇する。当該油圧が所定油圧に達すると、ロックアップクラッチ42が締結される。一方、ソレノイドバルブの開度が小さくなると、ロックアップクラッチ42内に供給される油量が減少して油圧が降下する。当該油圧が所定油圧を下回ると、ロックアップクラッチ42の締結が解除される。また、ロックアップクラッチ制御部14は、シフトポジションセンサからのシフト切り替え信号、ブレーキペダル8からの電気信号、上記した出力軸20と入力軸30との回転数差等に基づいて、ロックアップクラッチ42の油圧を制御する。なお、これらの機能ブロックはあくまで一例を示すものであり、ECU12は、これらの機能ブロックに限らず、他の機能ブロックを有してもよい。
このように構成される車両の制御システムにおいては、自動四輪車1の状態に応じてロックアップクラッチ42が締結されることにより、エンジン2の出力軸20(クランクシャフト)と変速機3の入力軸30(メインシャフト)とが直接接続される。この結果、エンジン2の駆動力がダイレクトに変速機3、伝達機構5を通じて駆動輪6に伝達される。この結果、エンジンブレーキが発生し、自動四輪車1を減速させることが可能である。
ところで、ロックアップクラッチ42が解除されている場合、上記したようにインペラ40とタービン41は直接接続されていないため、インペラ40の回転は、オイルを介してタービン41に伝達される。この場合、インペラ40又はタービン41の回転数によっては、インペラ40とタービン41との間に回転数の差が生じることがある。特に、乗員によってブレーキ操作がなされた場合は、車輪(変速機)側、すなわちタービン41の回転数が減少することにより、インペラ40とタービン41との回転数差が大きくなる。この状態でロックアップクラッチ42が締結されると、上記した回転数差に起因して車両に振動(ショック)が発生するおそれがある。
そこで、本件発明者は、乗員に減速の意思がある場合に、出力軸20(クランクシャフト)の回転数が、入力軸30(メインシャフト)の回転数に近づくようにエンジン回転数を変化させてからロックアップクラッチ42を締結することを着想した。具体的に本実施の形態では、車両の減速中にセレクタ7が減速用シフト位置(例えば、Lポジション)にある場合、ECU12は、出力軸20の回転数を入力軸30の回転数に近づくように増加させてロックアップクラッチ42を締結する。
この構成によれば、例えば車両が降坂路を走行中にシフトポジションがLポジションに設定された場合、乗員に減速の意思があると予測することができる。このため、エンジン回転数(出力軸20の回転数)を入力軸30(メインシャフト)の回転数に近づくように増加させてロックアップクラッチ42を締結することで、ロックアップクラッチ42の締結時におけるショックを抑制しつつも早期にエンジンブレーキを作用させることが可能である。よって、乗員の意思を反映して好適に車両の制御を実現することが可能である。
次に図2を参照して、本実施の形態に係る車両の制御において、セレクタ操作に伴う各種パラメータの経時変化について説明する。図2は、本実施の形態に係る各種パラメータのタイムチャートである。図2に示すタイムチャートは一例を示すものであり、これに限定されるものではない。図2において縦軸に示す各種パラメータは、上から順に、走行路の勾配、セレクタ位置、燃料カットの有無、ロックアップクラッチの油圧、車両の加速度、回転数を示している。図2に示す勾配は、0未満が下り坂を示している。また、回転数は、実線が実際のエンジン回転数を示し、一点鎖線がタービン回転数(入力軸の回転数)を示し、破線が目標エンジン回転数を示している。なお、図2では、比較的勾配の緩い下り坂から勾配のきつい下り坂を走行する例を示し、その間のT1のタイミングでセレクタがLポジションに設定され、その後のT2のタイミングでロックアップクラッチが締結される場合について説明する。
図2に示すように、車両が降坂路を走行中、勾配が徐々に急になってくると、加速度、タービン回転数及びエンジン回転数は徐々に上昇する。そして、T1のタイミングで乗員がシフトレバー70(図1参照)を操作することにより、シフトポジションがLポジション(減速用シフト位置)に設定される。このとき、ECU12(図1参照)は、ソレノイドバルブの開度を大きくしてロックアップクラッチ42の油圧を上昇させる。ロックアップクラッチ42の油圧は、T1のタイミングで瞬間的に上昇し、その後、徐々に上昇し続ける。
T1のタイミングで減速シフトされたことにより、タービン回転数(メインシャフトの回転数)は急激に上昇し、T2の前に一定の回転数N1に落ち着く。T1以後、ECU12(エンジン制御部13)は、エンジン回転数がタービン回転数に近づくように上昇させる。具体的には、エンジン回転数とタービン回転数との差が所定値α(例えば、目標エンジン回転数N0−タービン回転数N1)以下となるようにエンジン回転数を上昇させる。
その後、ロックアップクラッチ42の油圧上昇に伴ってロックアップクラッチ42が締結し始める(ロックアップクラッチ42のスリップ開始点)。これにより、車両にはエンジンブレーキが効き始め、加速度が低下し始める。その後、T2のタイミングでロックアップクラッチ42が完全に締結し、加速度はゼロになる。
T2以後、車両にエンジンブレーキが作用することで車速が低下し、ECU12(エンジン制御部13)は、所定のタイミングで燃料カットを実施する。これに伴い、加速度が僅かに減速方向へ低下する。
このように、乗員の減速シフト操作をトリガにしてロックアップクラッチ42の油圧上昇及びエンジン回転数の上昇を実施することで、ロックアップクラッチ42が締結する際に出力軸20と入力軸30との回転数差を極力なくすことが可能である。この結果、ロックアップクラッチ42が締結する際のショックを抑制すると共に、乗員の意思を反映して早期にエンジンブレーキを作用させることができる。更に、車両が減速される結果、早期に燃料カットに移行することができ、燃費向上の効果も得ることができる。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る車両の制御フローについて説明する。図3は、本実施の形態に係る制御の一例を示すフロー図である。なお、以下に示す制御フローでは、特に明示が無い限り、動作(算出(演算)や判定等)の主体はECUとする。また、以下の制御では、図2に示したタイムチャートと同様に、急な降坂路で車両を減速させたい場合を想定して説明する。
図3に示すように、制御が開始されると、ステップST101では、アクセル操作が有るか否かが判定される。具体的にECU12は、アクセルペダル9からの出力に基づいて、アクセル有無(アクセル開度の変化)を判定する。アクセル開度がゼロの場合(ステップST101:YES)、ECU12は、車両が惰性走行中であると判定して、ステップST102の処理に進む。アクセル開度がゼロでない場合(ステップST101:NO)、乗員に減速の意思がないものとして、制御は終了する。
ステップST102では、セレクタ7(シフトレバー70)が減速用シフト位置(Lポジション)にあるか否かが判定される。具体的にECU12は、セレクタ7(シフトポジションセンサ)からの出力に基づいて、現在のシフトポジションを判定する。シフトレバー70がLポジションにある場合(ステップST102:YES)、乗員に減速の意思があるものとして、ステップST103の処理に進む。シフトレバー70がLポジションにない場合(ステップST102:NO)、乗員に減速の意思がないものとして、制御は終了する。
ステップST103では、ロックアップクラッチ42の油圧を上昇させる。具体的にECU12は、ソレノイドバルブの開度を大きくすることで、ロックアップクラッチ42の油圧を上昇させる。詳細は後述するが、ECU12は、ロックアップクラッチ42の油圧を締結直前の油圧となるように上昇させる。次にステップST104の処理に進む。
ステップST104では、エンジン回転数を増加させる。具体的にECU12は、エンジン回転数をタービン回転数に近づけるように増加させる。ステップST103及びステップST104の結果、ロックアップクラッチ42が締結するタイミングで出力軸20と入力軸30と回転数差をなくすことができ、ロックアップクラッチ42の締結に伴うショックを抑制すると共に、乗員の減速意思を反映して適切にエンジンブレーキを発生させることが可能である。
以上説明したように、本実施の形態では、車両が降坂路を走行中にシフトポジションがLポジションに設定された場合、ECU12が出力軸20の回転数を入力軸30の回転数に近づくように増加させてロックアップクラッチ42を締結する。この構成によれば、シフトポジションから乗員の減速意思を予測することができる。そして、当該シフトポジションの切り替えをトリガにエンジン回転数の増加とロックアップクラッチ42の締結開始を制御する。具体的には、上記したように、Lポジションに変速した場合、ロックアップクラッチ42の油圧を締結直前の油圧となるように上昇させ、出力軸20と入力軸30との回転数差が所定値α以下となった場合、ロックアップクラッチ42を締結する。これにより、ロックアップクラッチ42の締結時におけるショックを抑制しつつも早期にエンジンブレーキを作用させることが可能である。よって、乗員の意思を反映して好適に車両の制御を実現することが可能である。
次に図4及び図5を参照して、変形例について説明する。図4は、変形例に係る各種パラメータのタイムチャートである。図5は、変形例に係る制御を示すフロー図である。上記実施形態では、シフトポジションの切り替えに基づいてエンジン及びロックアップクラッチを制御する場合について説明したが、変形例では、これに加え、ブレーキペダルの操作有無に基づいてエンジン及びロックアップクラッチを制御する場合について説明する。以下、変形例では主に相違点について説明し、上記実施の形態を共通する説明は適宜省略する。
図4は、図2のタイムチャートにパラメータとしてブレーキ(ブレーキペダル)の踏み込み有無が追加されたものである。図4では、図2と同様に比較的勾配の緩い下り坂から勾配のきつい下り坂を走行する例を示す。図4では、T3のタイミングでセレクタがLポジションに設定された後、T4のタイミングでブレーキ操作があり、その後のT5のタイミングでロックアップクラッチが締結される場合について説明する。
図4に示すように、車両が降坂路を走行中、勾配が徐々に急になってくると、加速度、タービン回転数及びエンジン回転数は徐々に上昇する。そして、T3のタイミングで乗員がシフトレバー70(図1参照)を操作することにより、シフトポジションがLポジション(減速用シフト位置)に設定される。このとき、ロックアップクラッチ42の油圧は上昇されない。
T3のタイミングで減速シフトされたことにより、タービン回転数(メインシャフトの回転数)は急激に上昇し、T4の前に一定の回転数N1に落ち着く。T3の後、T4のタイミングにおいて、乗員によるブレーキペダル8の踏み込みが実施される。このとき、ECU12(図1参照)は、ソレノイドバルブの開度を大きくしてロックアップクラッチ42の油圧を上昇させる。ロックアップクラッチ42の油圧は、T4のタイミングで瞬間的に上昇し、その後、徐々に上昇し続ける。また、T4以後、ECU12(エンジン制御部13)は、エンジン回転数がタービン回転数に近づくように上昇させる。具体的には、エンジン回転数とタービン回転数との差が所定値α以下になるようにエンジン回転数を上昇させる。
その後、ロックアップクラッチ42の油圧上昇に伴ってロックアップクラッチ42が締結し始める(ロックアップクラッチ42のスリップ開始点)。これにより、車両にはエンジンブレーキが効き始め、加速度が低下し始める。その後、T5のタイミングでロックアップクラッチ42が完全に締結し、加速度はゼロになる。
T5以後、車両にエンジンブレーキが作用することで車速が低下し、ECU12(エンジン制御部13)は、所定のタイミングで燃料カットを実施する。これに伴い、加速度が僅かに減速方向へ低下する。
このように、乗員の減速シフト操作に加え、ブレーキペダル8の操作をトリガにしてロックアップクラッチ42の油圧上昇及びエンジン回転数の上昇を実施することで、ロックアップクラッチ42が締結する際に出力軸20と入力軸30との回転数差を極力なくすことが可能である。この結果、ロックアップクラッチ42が締結する際のショックを抑制すると共に、乗員の意思を反映して早期にエンジンブレーキを作用させることができる。図2の形態では、減速シフトでのみ乗員の減速意思を予測する構成としたが、図4に示す変形例では、更に乗員のブレーキ操作を考慮したことで、より適切に乗員の減速意思を制御に反映することが可能である。
次に変形例に係る制御フローについて説明する。図5では、図3に示すステップST102とステップST103との間にステップST105の処理が実施される点で相違する。ステップST105以外の処理は、図3の処理と同じため、説明は省略する。
図5に示すように、シフトレバー70がLポジションにある場合(ステップST102:YES)、乗員に減速の意思があるものとして、ステップST105の処理に進む。ステップST105では、ブレーキペダル8の操作があったか否かが判定される。具体的にECU12は、ブレーキペダル8からの出力に基づいて、ブレーキペダル8の操作有無を判定する。ブレーキペダル8の操作があった場合(ステップST105:YES)、乗員に減速の意思があるものとして、ステップST103の処理に進む。ブレーキペダル8の操作がない場合(ステップST105:NO)、乗員に減速の意思がないものとして、制御は終了する。
このように、変形例において、ECU12は、車両の減速中にセレクタ7が減速用シフト位置(例えば、Lポジション)にある場合で且つブレーキペダル8の操作があった場合、出力軸20の回転数を入力軸30の回転数に近づくように増加させてロックアップクラッチ42を締結する。この構成によれば、シフトポジションだけでなくブレーキ操作も考慮して、エンジン2及びロックアップクラッチ42の制御が実施される。よって、シフトポジションのみでエンジン2及びロックアップクラッチ42を制御する場合に比べ、より適切に乗員の意思を反映した減速制御を実施することが可能である。
なお、上記実施の形態では、駆動力を発生させる原動機としてエンジン2(内燃機関)を例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。エンジン2の代わりに原動機として電動モータ等の電動機が採用されてもよい。
また、上記実施の形態において、ステップST103及びステップST104では、ロックアップクラッチ42の油圧を増加させた(ステップST103)後にエンジン回転数を増加させる(ステップST104)場合について説明したが、この構成に限定されない。ステップST103とステップST104の順序は前後逆であってもよく、エンジン回転数を増加させてからロックアップクラッチ42の油圧を増加させてもよい。いずれの場合であっても、ECU12は、出力軸20と入力軸30との回転数差が所定値α以下と成り得る際に、ロックアップクラッチ42の油圧が締結直前の油圧となるように制御することが好ましい。この結果、ロックアップクラッチ42の締結時のショックを抑制すると共に、車両に対して滑らかにエンジンブレーキを作用させることが可能である。
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。従って、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
以上説明したように、本発明は、ロックアップクラッチの締結の際に生じるショックを抑制することができるという効果を有し、特に、車両の制御装置及び車両の制御システムに有用である。
1 :自動四輪車(車両)
2 :エンジン(原動機)
3 :変速機
4 :トルクコンバータ
7 :セレクタ(シフト切替機構)
8 :ブレーキペダル(制動手段)
12 :ECU(車両の制御装置)
13 :エンジン制御部
14 :ロックアップクラッチ制御部
20 :出力軸
21 :出力軸回転数検出手段
30 :入力軸
31 :入力軸回転数検出手段
40 :インペラ
41 :タービン
42 :ロックアップクラッチ
70 :シフトレバー
α :回転数差の所定値
2 :エンジン(原動機)
3 :変速機
4 :トルクコンバータ
7 :セレクタ(シフト切替機構)
8 :ブレーキペダル(制動手段)
12 :ECU(車両の制御装置)
13 :エンジン制御部
14 :ロックアップクラッチ制御部
20 :出力軸
21 :出力軸回転数検出手段
30 :入力軸
31 :入力軸回転数検出手段
40 :インペラ
41 :タービン
42 :ロックアップクラッチ
70 :シフトレバー
α :回転数差の所定値
Claims (5)
- 原動機の出力軸と変速機の入力軸との動力伝達状態を切り替え可能なロックアップクラッチの締結を制御する車両の制御装置であって、
車両の減速中に前記変速機の変速状態を切り替えるシフト切替機構が減速用シフト位置にある場合、前記出力軸の回転数を前記入力軸の回転数に近づくように増加させて前記ロックアップクラッチを締結することを特徴とする車両の制御装置。 - 前記シフト切替機構が前記減速用シフト位置にある場合で且つ前記車両に制動力を発生する制動手段の操作があった場合、前記出力軸の回転数を増加して前記ロックアップクラッチを締結することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記減速用シフト位置に変速した場合、前記ロックアップクラッチの油圧を締結直前の油圧となるように上昇させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の制御装置。
- 前記出力軸と前記入力軸との回転数差が所定値以下となった場合、前記ロックアップクラッチの油圧を上昇させて前記ロックアップクラッチを締結することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の制御装置。
- 車両に駆動力を発生する原動機と、
前記駆動力を駆動輪に伝達する変速機と、
前記変速機の変速状態を切り替えるシフト切替機構と、
前記原動機の出力軸と前記変速機の入力軸との動力伝達状態を切り替え可能なロックアップクラッチと、
前記ロックアップクラッチの締結を制御する制御装置と、を備える車両の制御システムであって、
前記制御装置は、前記車両の減速中に前記シフト切替機構が減速用シフト位置にある場合、前記出力軸の回転数を前記入力軸の回転数に近づくように増加させて前記ロックアップクラッチを締結することを特徴とする車両の制御システム。
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JP2017216020A Pending JP2019085016A (ja) | 2017-11-09 | 2017-11-09 | 車両の制御装置及び車両の制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019085016A (ja) |
-
2017
- 2017-11-09 JP JP2017216020A patent/JP2019085016A/ja active Pending
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