JP2019085004A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発進・加速時の加速フィーリングを良好なものにして、ドライバビリティを向上することができる車両の制御装置を提供する。【解決手段】エンジンと駆動輪との間でトルクを伝達する自動変速機と、前記自動変速機の入力軸と出力軸との間で選択的にトルクの伝達および遮断を行う発進クラッチと、前記発進クラッチの動作を制御するコントローラとを備え、発進時または加速走行時に前記発進クラッチを係合して駆動力を発生させる車両の制御装置において、前記エンジンが出力するトルクを推定した推定エンジントルクを求め、前記推定エンジントルクの変化量に基づいて前記車両の加速度の変化量を推定した推定ジャークを求め、前記推定ジャークに応じて、前記エンジンの回転数が予め定めた最適エンジン回転上昇量で上昇するように、前記発進クラッチの前記伝達トルク容量を制御する。【選択図】図5

Description

この発明は、エンジンおよび自動変速機を搭載した車両を制御する制御装置に関し、特に、車両を発進させる際に係合し、エンジンと駆動輪との間でトルクを伝達する発進クラッチの動作を制御する車両の制御装置に関するものである。
特許文献1には、エンジン(内燃機関)の始動時にエンジン回転数の上昇率を安定させ、運転フィーリングを向上させることを目的としたエンジンの制御装置が記載されている。この特許文献1に記載されたエンジンの制御装置は、エンジンの回転数センサの出力信号を用いて、エンジン回転数の単位時間当たりの変化量に対応する加速度パラメータを算出する。そして、エンジンが始動してからエンジン回転数が定常状態となるまでの間に、エンジン回転数および加速度パラメータに応じて、エンジンの吸入空気量を補正する。また、その吸入空気量の補正量およびエンジン回転数に応じて、エンジンの点火時期を補正する。
なお、特許文献2には、エンジンの要求負荷(要求駆動力)およびエンジン回転数に基づいて推定する推定エンジントルクを求め、その推定エンジントルクおよび変速機の実変速比に基づいて、車両に生じる加速度を推定する無段自動変速機の変速制御装置が記載されている。
また、特許文献3には、エンジンの点火進角値、エンジン回転数、および、スロットル開度または吸入空気量からエンジントルクを求め、そのエンジントルクから車両の加速度を推定するエンジン制御方法が記載されている。
特開2009−85021号公報 特開平9−210159号公報 特開昭61−215438号公報
上述のように、特許文献1に記載されたエンジンの制御装置は、エンジン回転数の上昇率を安定させ、運転フィーリング、すなわち、いわゆるエンジンの吹き上がり感を向上させている。そのために、特許文献1に記載されたエンジンの制御装置では、エンジンの加速度パラメータが算出され、その加速度パラメータを基にエンジン回転数および出力が制御される。この場合の加速度パラメータは、エンジン回転数の変化に対応する値であり、具体的には、エンジンのクランク軸の角加速度である。
一般に、エンジンを駆動力源とする車両には、エンジンの出力軸(クランク軸)の回転数を変速し、エンジンと駆動輪との間でトルクを伝達する変速機が搭載される。変速機が自動変速機であれば、通常、車両の発進装置として、エンジンと自動変速機との間にトルクコンバータが設けられる。一方で、例えば、低回転域から大きなトルクを発生することが可能な高出力のエンジンを搭載する場合や、トルク伝達の応答性を高め、発進時や加速走行時の俊敏な操作フィーリングを実現するために、トルクコンバータを省いた車両も知られている。そのような自動変速機の入力側にトルクコンバータを搭載しない車両では、発進装置として、エンジンと自動変速機との間に、スリップ係合が可能な摩擦式のクラッチ(発進クラッチ)が設けられる。あるいは、自動変速機内に設けられて所定の変速段を設定する際に係合するクラッチが、発進クラッチとして用いられる。そして、車両の発進時に、そのような発進クラッチをスリップさせながら係合することにより、エンジンの動力を駆動輪へ徐々に伝達して駆動力を発生させる。すなわち、いわゆるフリクションスタートが実施される。
上記のようにトルクコンバータを搭載せず、フリクションスタートを実施する車両においては、車両の発進時あるいは加速走行時に良好な加速フィーリングを得るために、エンジンに加えて、発進クラッチの係合動作を適切に制御する必要がある。その際に、上述の特許文献1に記載されたエンジンの制御装置におけるエンジンの制御技術を適用することにより、発進・加速時のエンジンの吹き上がり感を向上させることができる。しかしながら、特許文献1に記載されたエンジンの制御装置では、車両の発進・加速時における発進クラッチの制御までは考慮されていない。特許文献1に記載されたエンジンの制御装置で考慮している加速度パラメータは、例えばエンジンの角加速度であり、車両が走行する際に生じる車両の加速度とは直接的には関連していない。したがって、特許文献1に記載されたエンジンの制御装置による制御技術だけでは、車両の発進・加速時に、エンジンの吹き上がり感と車両の加速感(運転者や乗員が体感する加速度)とを適合させることができず、その結果、良好な加速フィーリングを得ることができないおそれがある。
この発明は上記のような技術的課題に着目して考え出されたものであり、発進クラッチによってフリクションスタートを実施する車両を対象にして、発進・加速時の加速フィーリングを良好なものにして、ドライバビリティを向上することができる車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、エンジンと、駆動輪と、前記エンジンと前記駆動輪との間でトルクを伝達する自動変速機と、前記エンジンと前記自動変速機との間または前記自動変速機の入力軸と出力軸との間で選択的にトルクの伝達および遮断を行う発進クラッチと、少なくとも前記発進クラッチの動作を制御するコントローラとを備え、発進時または加速走行時に前記発進クラッチを係合して前記駆動輪で駆動力を発生させる車両の制御装置において、前記発進クラッチは、スリップ係合して伝達トルク容量を連続的に変化させることができるように構成され、前記コントローラは、前記エンジンが出力するトルクを推定した推定エンジントルクを求め、前記推定エンジントルクの変化量に基づいて前記車両の加速度の変化量を推定した推定ジャークを求め、前記推定ジャークに応じて、前記エンジンの回転数が予め定めた最適エンジン回転上昇量で上昇するように、前記発進クラッチの前記伝達トルク容量を制御することを特徴とする制御装置である。
この発明の車両の制御装置では、推定エンジントルクが求められ、その推定エンジントルクの変化量に基づいて、車両の推定ジャークが求められる。一方で、例えば官能評価などの結果を基に、車両のジャークに対応する適切なエンジン回転数の上昇量を求めた最適エンジン回転上昇量が設定されている。そして、上記のような推定ジャークおよび最適エンジン回転上昇量に基づいて、発進クラッチの伝達トルク容量が制御される。すなわち、事前に予測した車両のジャークに基づいて、車両の発進時または加速走行時に上昇させるべきエンジン回転数の回転上昇量が求められ、それに基づいて発進クラッチが制御される。したがって、車両の発進時または加速走行時に、車両の加速度の変化(ジャーク)を先読みし、それに合わせて適切な回転上昇量で、また、応答遅れを伴うことなく、エンジン回転数を上昇させることができる。そのため、この発明の車両の制御装置によれば、発進クラッチによってフリクションスタートを実施する車両を対象に、発進時および加速走行時の加速フィーリングを良好なものにして、ドライバビリティを向上させることができる。
この発明における車両の制御装置で制御の対象とする車両の構成および制御系統の一例を示す図である。 図1に示す車両における「自動変速機」および「発進クラッチ」の具体的な構成を説明するための図(スケルトン図)である。 図2に示す「自動変速機」で、各変速段を設定するためのクラッチ、ブレーキ、および、ワンウェイクラッチの係合・解放の状態をまとめて示す図表(係合表)である。 この発明における車両の制御装置で制御の対象とする車両の構成の他の例(エンジンと自動変速機との間に「発進クラッチ」を設けた構成)を示す図である。 この発明における車両の制御装置で実行される制御の一例を説明するためのブロック線図である。 図5のブロック線図に示す制御を実行する際に用いられる「最適エンジン回転上昇量」を説明するための図であって、予め設定された「最適エンジン回転上昇量」から「目標エンジン回転上昇量」を求めるための制御マップの一例である。 図5のブロック線図に示す制御を実行した場合の作用・効果を説明するための図であって、その制御により、車両の加速度変化(ジャーク)を推定してエンジン回転数の上昇量を制御した場合の車両の挙動と、実際の加速度変化(センサ値)を用いてエンジン回転数の上昇量を制御した場合(従来技術)の車両の挙動とを比較して示すタイムチャートである。 図5のブロック線図に示す制御を実行した場合の作用・効果を説明するための図であって、車両の加速度の増大に対応してエンジン回転数が上昇する状態を示すタイムチャートである。
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に、この発明を適用することのできる車両の一例を示してある。図1に示す車両Veは、エンジン(ENG)1を駆動力源とし、そのエンジン1の出力側に、自動変速機(AT)2が連結されている。自動変速機2の出力側には、プロペラシャフト3が連結されている。プロペラシャフト3は、終減速機であるデファレンシャルギヤ4および左右の駆動軸5を介して、駆動輪6に連結されている。すなわち、この図1に示す例では、車両Veは、エンジン1が出力する動力を後輪(駆動輪6)に伝達して駆動力を発生させる後輪駆動車として構成されている。なお、この発明の実施形態における車両Veは、エンジン1が出力する動力を前輪に伝達して駆動力を発生させる前輪駆動車であってもよい。あるいは、エンジン1が出力する動力を前輪および後輪にそれぞれ伝達して駆動力を発生させる四輪駆動車であってもよい。
エンジン1は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関であり、出力の調整、ならびに、始動および停止などの作動状態が電気的に制御されるように構成されている。ガソリンエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料の供給量または噴射量、点火の実行および停止、ならびに、点火時期などが電気的に制御される。ディーゼルエンジンであれば、燃料の噴射量、燃料の噴射時期、あるいは、EGR[Exhaust Gas Recirculation]システムにおけるスロットルバルブの開度などが電気的に制御される。
自動変速機2は、例えば遊星歯車機構(図示せず)、および、後述する第1クラッチC1を含むクラッチ・ブレーキ機構から構成される従来一般的な有段式の自動変速機である。あるいは、この発明の実施形態における自動変速機2は、ベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機のように、変速比を連続的に変化させることが可能な無段変速機であってもよい。
いずれのタイプであっても、自動変速機2は、自動変速機2の入力軸2aと出力軸2bとの間で選択的に動力の伝達および遮断を行う発進クラッチ7を有している。例えば、上記のような遊星歯車機構を用いた有段式の自動変速機2であれば、自動変速機2内のいずれか二つの回転要素を選択的に連結するクラッチ機構(後述する例では、第1クラッチC1)が、この発明の実施形態における「発進クラッチ」に相当し、この発進クラッチ7として機能する。すなわち、発進クラッチ7は、自動変速機2で所定の変速段(もしくは変速比)を設定する場合に係合し、動力伝達を行うとともに、解放することにより、入力軸2aと出力軸2bとの間の動力伝達を遮断して自動変速機2をニュートラルの状態にするクラッチ機構である。
図2に、自動変速機2の具体的な例として、ドライブ(D)ポジションで前進8段を設定できる自動変速機2のギヤトレーンを示してある。この図2に示す例では、自動変速機2は、フロント側(図2の左側)にダブルピニオン型遊星歯車機構10、および、リヤ側(図2の左側)にラビニョ型遊星歯車機構20を備えている。それら二つの遊星歯車機構10,20に、駆動力源すなわちエンジン1からトルクを入力するように構成されている。
フロント側のダブルピニオン型遊星歯車機構10におけるサンギヤ11が、ケーシングなどの所定の固定部(図示せず)に連結されて固定要素となっている。サンギヤ11に噛み合っているピニオン12、および、そのピニオン12とリングギヤ13とに噛み合っている他のピニオン14が、キャリア15によって保持されている。そして、キャリア15が入力要素となっており、エンジン1の出力軸1aに連結されている。そのキャリア15をエンジン1の出力軸1aに連結している回転軸が、自動変速機2の入力軸2aである。この発明の実施形態では、入力軸2aの回転数を入力回転数Ninと表記する。
リヤ側のラビニョ型遊星歯車機構20は、上記のダブルピニオン型遊星歯車機構10と同一の回転軸線上で、かつ、入力軸2aとは反対側に配置されている。ラビニョ型遊星歯車機構20における第1サンギヤ21とリングギヤ22とに、ロングピニオン23が噛み合っている。そのロングピニオン23に噛み合っているショートピニオン24に、第2サンギヤ25が噛み合っている。それらロングピニオン23およびショートピニオン24が、キャリア26によって保持されている。そして、リングギヤ22が出力要素となっており、自動変速機2の出力軸2bに連結されている。この発明の実施形態では、出力軸2bの回転数を出力回転数Noutと表記する。
自動変速機2の各変速段を設定するために係合する複数のクラッチやブレーキが設けられている。自動変速機2のクラッチとして、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、および、第4クラッチC4が設けられている。第1クラッチC1は、ダブルピニオン型遊星歯車機構10のリングギヤ13とラビニョ型遊星歯車機構20の第2サンギヤ25とを選択的に連結する。第2クラッチC2は、入力軸2aとラビニョ型遊星歯車機構20のキャリア26とを選択的に連結する。第3クラッチC3は、ダブルピニオン型遊星歯車機構10のリングギヤ13とラビニョ型遊星歯車機構20の第1サンギヤ21とを選択的に連結する。そして、第4クラッチC4は、ダブルピニオン型遊星歯車機構10のキャリア26とラビニョ型遊星歯車機構20の第1サンギヤ21とを選択的に連結する。ここで、上記の各クラッチC1,C2,C3,C4のうち、第1クラッチC1が、この発明の実施形態における「発進クラッチ」に相当する。すなわち、第1クラッチC1は、前述の発進クラッチ7として機能する。第1クラッチC1は、リングギヤ13に連結されている入力側部材7aと、第1サンギヤ21に連結されている出力側部材7bとを有している。
自動変速機2のブレーキとして、第1ブレーキB1、および、第2ブレーキB2が設けられている。また、ワンウェイクラッチF1が設けられている。第1ブレーキB1は、ラビニョ型遊星歯車機構20の第1サンギヤ21を選択的に制動する。第2ブレーキB2は、ラビニョ型遊星歯車機構20のキャリア26を選択的に制動する。そして、ワンウェイクラッチF1は、第2ブレーキB2と並列に配置されている。ワンウェイクラッチF1は、キャリア26がエンジン1の回転方向とは反対方向に回転(逆回転)しようとする際に係合し、キャリア26の逆回転を阻止するように構成されている。
上記の各クラッチC1,C2,C3,C4、および、各ブレーキB1,B2は、いずれも、例えば、油圧に応じた伝達トルク容量となる摩擦式係合装置によって構成されている。したがって、各クラッチC1,C2,C3,C4、および、各ブレーキB1,B2は、いずれも、スリップしつつトルクを伝達する(スリップ係合する)ことが可能な構成となっている。これらの各クラッチC1,C2,C3,C4、および、各ブレーキB1,B2の油圧を制御する油圧制御装置(図示せず)が設けられている。その油圧制御装置は、従来の自動変速機に用いられる油圧制御装置と同様の構成であってよく、電気的に制御されるバルブ(図示せず)によって油圧の調圧あるいは油圧の供給・排出の制御を行うように構成されている。
図2に示す自動変速機2の各変速段を設定するための、各クラッチC1,C2,C3,C4、および、各ブレーキB1,B2、ならびに、ワンウェイクラッチF1の係合・解放の状態を、図3にまとめて示してある。図3の係合表において、「〇」印は係合していること、「×」印は解放していることを示している。「1ST」〜「6TH」は、それぞれ、第1速〜第6速の変速段を示している。「OD1」および「OD2」は、それぞれ、第1オーバードライブ段、および、第2オーバードライブ段を示している。第1オーバードライブ段は、第6速よりも変速比が小さい増速段である。第2オーバードライブ段は、さらに第1オーバードライブ段よりも変速比が小さい増速段である。また、「E/G BREAKE」はエンジンブレーキ状態を示している。
車両Veは、車両Veの各部を制御するためのデータを取得する検出部8を備えている。検出部8は、車両Veを制御するための各種データを検出または算出するセンサや機器を総称している。検出部8は、例えば、エンジン1の吸入空気量を検出するエアーフローメータ8a、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサ8b、アクセルペダルなどのアクセル装置(図示せず)の操作量および操作速度等を検出するアクセルポジションセンサ8c、駆動輪6を含む車輪の回転速度をそれぞれ検出する車輪速センサ8dなどを有している。そして、検出部8は、後述するコントローラ9と電気的に接続されており、上記のような各種センサや機器等の検出値または算出値に応じた電気信号を検出データとしてコントローラ9に出力する。
上記のような車両Veを制御するためのコントローラ(ECU)9が設けられている。コントローラ9は、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成される電子制御装置である。コントローラ9には、上記の検出部8で検出または算出された各種データが入力される。コントローラ9は、入力された各種データおよび予め記憶させられているデータや計算式等を使用して演算を行う。そして、コントローラ9は、その演算結果を制御指令信号として出力し、少なくとも、上記のようなエンジン1および自動変速機2の動作をそれぞれ制御するように構成されている。例えば、コントローラ9は、自動変速機2の油圧制御装置を制御して各変速段を設定し、また、変速制御を実行する。なお、図1では一つのコントローラ9が設けられた例を示しているが、コントローラ9は、例えば制御する装置や機器毎に、あるいは制御内容毎に、複数設けられていてもよい。
この発明の実施形態で制御対象にする車両Veは、上記の図1で示した構成に限定されない。例えば、この発明の実施形態における「発進クラッチ」は、図4に示すように、エンジン1と自動変速機2との間に設けられた発進クラッチ30でもよい。発進クラッチ30は、エンジン1と自動変速機2との間に配置されたいわゆる発進装置であり、エンジン1と自動変速機2との間で選択的に動力の伝達および遮断を行う。発進クラッチ30は、スリップ係合あるいはいわゆる半クラッチが可能な摩擦クラッチによって構成されている。具体的には、発進クラッチ30は、エンジン1の出力軸1a側に連結された摩擦板30a、および、自動変速機2の入力軸2a側に連結された摩擦板30bを有している。図4では図示していないが、発進クラッチ30は、例えば、複数の摩擦板30aおよび複数の摩擦板30bを有し、それら複数の摩擦板30aと複数の摩擦板30bとを交互に配置した多板クラッチによって構成することもできる。
このように、この発明の実施形態における「発進クラッチ」は、上記の図1で示したような自動変速機2の内部に組み込まれた発進クラッチ7(すなわち、第1クラッチC1)に限らず、この図4に示すようなエンジン1の出力側に設けた発進クラッチ30であってもよい。いずれにしても、「発進クラッチ」をスリップ係合させ、エンジン1が出力するトルクを駆動輪6に伝達して駆動力を発生させ、車両Veを発進させることができる。すなわち、この発明の実施形態で制御対象にする車両Veは、「発進クラッチ」を用いて、いわゆるフリクションスタートを実施することが可能な構成となっている。
前述したように、この発明の実施形態におけるコントローラ9は、フリクションスタートを実施する車両Veを対象にして、発進・加速時の加速フィーリングを良好なものにして、ドライバビリティを向上することを目的として構成されている。そのような目的を実現するためにコントローラ9で実行される制御の概要を、図5のブロック線図に示してある。
この図5のブロック線図に示す制御は、運転者のアクセル操作によって車両Veに加速度が生じる場面で実行される。例えば、車両Veが発進クラッチ7(または30)を解放して停止している状態から、運転者によってアクセル装置が操作され、車両Veが発進する場合、または、車両Veが発進クラッチ7(または30)を解放して定常走行している状態、すなわち、車両Veがニュートラル状態で惰行している状態から、運転者によってアクセル装置が操作され、車両Veが加速走行する場合に実行される。
ブロックb1では、推定エンジントルクTest が求められる。ここで、推定エンジントルクTest は、エンジン1が実際に出力するトルクの推定値であり、エンジン1の摩擦抵抗やポンピングロス、および、例えば空調装置のコンプレッサやオルタネータなどの補機を駆動する際の負荷などを考慮して算出される。具体的には、推定エンジントルクTest は、下記の(1)式から算出される。
est =T×α−Tfrc −Taux ・・・・・(1)
上記の(1)式において、Tは理論エンジントルク、αは点火時期係数、Tfrc はエンジン1のフリクショントルク、Taux は補機の負荷トルクである。理論エンジントルクTは、エアーフローメータ8aで検出したエンジン1の吸入空気量、および、エンジン回転数センサ8bで検出したエンジン回転数から算出される理論上のエンジントルクである。フリクショントルクTfrc 、点火時期係数α、および、負荷トルクTaux は、それぞれ、例えば実験やシミュレーション等の結果を基に、予め定められた定数である。
ブロックb2では、目標エンジン回転上昇量ΔNEtgt が求められる。ここで、目標エンジン回転上昇量ΔNEtgt は、車両Veの推定ジャークJest 、および、最適エンジン回転上昇量ΔNEopt から求められる。推定ジャークJest は、車両Veの前後加速度の単位時間当たりの変化量(すなわち、ジャークJ)の推定値より、ギヤ比をγ、車輪の動荷重半径をd、車重をw、重力加速度をgとすると、下記の(2)式から算出される。なお、ギヤ比γは、自動変速機2で設定されている変速比とデファレンシャルギヤ4の減速比とを合わせたギヤ比である。
est =ΔTest ×γ ÷d ÷w ÷g ・・・・・(2)
上記の(2)式において、ΔTest は、所定の単位時間の間に算出した推定エンジントルクTest の変化量である。推定エンジントルクTest の変化量ΔTest は、例えば、時刻t1で算出した推定エンジントルクTest_t1 と、時刻t1から所定の単位時間後の時刻t2で算出した推定エンジントルクTest_t2 との差分として求めることができる。この場合、車両Veは、発進または加速するためにエンジントルクが増大する状況である。したがって、推定エンジントルクTest の変化量ΔTest は、具体的には、下記の(3)式から算出され、推定エンジントルクTest の増加量となる。
ΔTest =Test_t2 −Test_t1 ・・・・・(3)
一方、最適エンジン回転上昇量ΔNEopt は、加速時に運転手や乗員が体感する加速感を官能評価したものであり、車両VeのジャークJに対応する値として予め定められている。最適エンジン回転上昇量ΔNEopt は、例えば、図6に示すような制御マップとして、あるいは、ジャークJと最適エンジン回転上昇量ΔNEopt との関係を規定する演算式として、コントローラ9に記憶されている。
例えば、図6に示す制御マップでは、線Lで示すように、車両VeのジャークJおよび最適エンジン回転上昇量ΔNEopt を座標軸とする直交座標系で、ジャークJが大きくなるほど最適エンジン回転上昇量ΔNEopt も大きくなるように設定されている。したがって、図6に示す制御マップでは、線Lが最適エンジン回転上昇量ΔNEopt を表している。例えば、図6に示す制御マップ上で、最適エンジン回転上昇量ΔNEopt を表す線Lよりも上の領域では、運転者や乗員は、加速感に対してエンジン回転数の上昇が大きいと感じる(すなわち、いわゆるエンジン1の吹き上がり感が過大である)と判断される。反対に、図6に示す制御マップ上で、最適エンジン回転上昇量ΔNEopt を表す線Lよりも下の領域では、運転者や乗員は、加速感を受けているにもかかわらずエンジン回転数の上昇が小さいと感じる(すなわち、いわゆる車両Veの飛び出し感が過大である)と判断される。
したがって、このブロックb2では、例えば、上記の図6に示すような最適エンジン回転上昇量ΔNEopt を線Lで表した制御マップ、あるいは、ジャークJと最適エンジン回転上昇量ΔNEopt との関係式などから、目標エンジン回転上昇量ΔNEtgt が求められる。例えば、上記の図6に示す制御マップで、推定ジャークJest に対応する最適エンジン回転上昇量ΔNEopt が、目標エンジン回転上昇量ΔNEtgt として算出される。
なお、図6に示す例では、最適エンジン回転上昇量ΔNEopt を表す線Lは直線になっているが、上記のように官能評価あるいは官能試験などによって定められたジャークJと最適エンジン回転上昇量ΔNEopt との関係式に応じて、放物線や双曲線などの二次曲線もしくはその一部分であってもよい。
ブロックb3では、車両VeのイナーシャトルクTint が求められる。イナーシャトルクTint は、車両Veに固有の値であり、車速Vや車重w等に基づいて算出することができる。後述するように、このイナーシャトルクTint を考慮して発進クラッチ7(または30)の制御油圧HPを求めることにより、発進クラッチ7(または30)の伝達トルク容量を精度良く制御することができる。
上記のブロックb1、ブロックb2、ブロックb3でそれぞれ求められた、推定エンジントルクTest 、目標エンジン回転上昇量ΔNEtgt 、および、イナーシャトルクTint を基に、ブロックb4では、発進クラッチ7(または30)に対する制御油圧HPが求められる。制御油圧HPは、発進クラッチ7(または30)の伝達トルク容量を制御するために、発進クラッチ7(または30)に対して供給される油圧である。制御油圧HPは、ブロックb1で算出した推定エンジントルクTest 、および、ブロックb2で算出した目標エンジン回転上昇量ΔNEtgt を基に、エンジン1の回転数が目標エンジン回転上昇量ΔNEtgt で上昇するように、発進クラッチ7(または30)をスリップ係合させる油圧として設定される。
ブロックb4で制御油圧HPが算出されると、その制御油圧HPが発進クラッチ7(または30)に対して出力され、発進クラッチ7(または30)の伝達トルク容量が制御される。具体的には、エンジン1の回転数を徐々に上昇させるために、発進クラッチ7(または30)の伝達トルク容量が徐々に増大するように制御される。
したがって、この発明の実施形態におけるコントローラ9では、エンジン1が出力するトルクを推定した推定エンジントルクTest が求められ、その推定エンジントルクTest の変化量ΔTest に基づいて、車両Veの加速度の変化量を推定した推定ジャークJest が求められる。そして、その推定ジャークJest に応じて、エンジン1の回転数が予め定めた最適エンジン回転上昇量ΔNEopt で上昇するように、発進クラッチ7(または30)の伝達トルク容量が制御される。
上記のように、発進クラッチ7(または30)の伝達トルク容量およびエンジン1の回転数を制御した場合の車両Veの挙動を、図7のタイムチャートに示してある。この図7のタイムチャートでは、一例として、車両Veが発進した後に、加速のためにアクセル装置が操作され(例えば、アクセルペダルが踏み込まれ)、車速が上昇し始め、加速度が立ち上がる状況を示してある。比較例として、図7のタイムチャートに一点鎖線で示すように、従来の制御装置では、実際の加速度の変化(実際のジャーク)に基づいてエンジン回転数が上昇するように制御される。そのため、エンジン回転数の立ち上がりに遅れ(図7のΔt)が発生してしまう。それに対して、この発明の実施形態におけるコントローラ9で実行される制御では、車両Veの加速度の変化、すなわち車両VeのジャークJを予測し(推定ジャークJest を求め)、その推定ジャークJest に基づいてエンジン回転数が上昇するように制御される。そのため、エンジン1の回転数は、実際の加速度の変化に対応し、遅れることなく、立ち上がっている。
また、図8のタイムチャートでは、一例として、車両Veが発進する際のエンジン1の回転数の推移および車両Veの加速度の推移を示してある。なお、図8のタイムチャートでは、Case1、Case2、および、Case3の三通り発進状況を示してある。図8のタイムチャートに示すように、この発明の実施形態におけるコントローラ9による制御を実行した場合、車両Veは、エンジン1の回転数の上昇の波形と車両Veの加速度の上昇の波形とがほぼ一致している。すなわち、加速度の増大に対応してエンジン回転数が上昇している。したがって、車両Veの発進時に、加速度の増大に対応してエンジン1の回転音(エンジン音)が増大する。そのため、車両Veの運転者や乗員は、適度で良好な加速フィーリングを得ることができる。
このように、この発明の実施形態における車両Veの制御装置によれば、車両Veの発進時または加速走行時に、車両Veの加速度の変化(すなわち、推定ジャークJest に)を先読みし、それに合わせて適切な回転数の上昇量で、また、応答遅れを伴うことなく、エンジン1の回転数を上昇させることができる。そのため、車両Veの発進時および加速走行時の加速フィーリングを良好なものにして、車両Veのドライバビリティを向上させることができる。
1…エンジン(ENG)、 1a…(エンジン1の)出力軸、 2…自動変速機(AT)、 2a…(自動変速機の)入力軸、 2b…(自動変速機の)出力軸、 3…プロペラシャフト、 4…デファレンシャルギヤ、 5…駆動軸、 6…駆動輪、 7,30…発進クラッチ、 7a,30a…入力側部材、 7b,30b…出力側部材、 8…検出部、 8a…エアーフローメータ、 8b…エンジン回転数センサ、 8c…アクセルポジションセンサ、 8d…車輪速センサ、 9…コントローラ(ECU)、 10…ダブルピニオン型遊星歯車機構、 11…(ダブルピニオン型遊星歯車機構の)サンギヤ、 12,14…(ダブルピニオン型遊星歯車機構の)ピニオン、 13…(ダブルピニオン型遊星歯車機構の)リングギヤ、 15…(ダブルピニオン型遊星歯車機構の)キャリア、 20…ラビニョ型遊星歯車機構、 21…(ラビニョ型遊星歯車機構の)第1サンギヤ、 22…(ラビニョ型遊星歯車機構の)リングギヤ、 23…(ラビニョ型遊星歯車機構の)ロングピニオン、 24…(ラビニョ型遊星歯車機構の)ショートピニオン、 25…(ラビニョ型遊星歯車機構の)第2サンギヤ、 26…(ラビニョ型遊星歯車機構の)キャリア、 B1…第1ブレーキ、 B2…第2ブレーキ、 C1…第1クラッチ(発進クラッチ)、 C2…第2クラッチ、 C3…第3クラッチ、 C4…第4クラッチ、 F1…ワンウェイクラッチ、 Ve…車両。

Claims (1)

  1. エンジンと、駆動輪と、前記エンジンと前記駆動輪との間でトルクを伝達する自動変速機と、前記エンジンと前記自動変速機との間または前記自動変速機の入力軸と出力軸との間で選択的にトルクの伝達および遮断を行う発進クラッチと、少なくとも前記発進クラッチの動作を制御するコントローラとを備え、発進時または加速走行時に前記発進クラッチを係合して前記駆動輪で駆動力を発生させる車両の制御装置において、
    前記発進クラッチは、スリップ係合して伝達トルク容量を連続的に変化させることができるように構成され、
    前記コントローラは、
    前記エンジンが出力するトルクを推定した推定エンジントルクを求め、
    前記推定エンジントルクの変化量に基づいて前記車両の加速度の変化量を推定した推定ジャークを求め、
    前記推定ジャークに応じて、前記エンジンの回転数が予め定めた最適エンジン回転上昇量で上昇するように、前記発進クラッチの前記伝達トルク容量を制御する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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