JP2019084934A - 吸引機構及び飛翔機 - Google Patents

吸引機構及び飛翔機 Download PDF

Info

Publication number
JP2019084934A
JP2019084934A JP2017214056A JP2017214056A JP2019084934A JP 2019084934 A JP2019084934 A JP 2019084934A JP 2017214056 A JP2017214056 A JP 2017214056A JP 2017214056 A JP2017214056 A JP 2017214056A JP 2019084934 A JP2019084934 A JP 2019084934A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propeller
guide vanes
suction
aircraft
annular plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017214056A
Other languages
English (en)
Inventor
拓 工藤
Hiroshi Kudo
拓 工藤
羽田 芳朗
Yoshiro Haneda
芳朗 羽田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2017214056A priority Critical patent/JP2019084934A/ja
Publication of JP2019084934A publication Critical patent/JP2019084934A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】一つの側面として、吸引機構を小型化しつつ、高い吸着力を得られるようにする。【解決手段】吸引機構16は、吸引用プロペラ38と、ダクト42と、環状板50と、複数のガイドベーン52とを備える。ダクト42は、吸引用プロペラ38を囲う筒状である。環状板50は、ダクト42における吸気側の開口周縁部54に設けられ、ダクト42の径方向外側に拡がる。複数のガイドベーン52は、環状板50における対象物との対向面50Aに設けられ、吸引用プロペラ38の回転軸を中心に放射状に延びる。【選択図】図1

Description

本願の開示する技術は、吸引機構及び飛翔機に関する。
近年、対象物の壁面に沿って移動する移動体を用い、対象物に対する種々の作業を移動体に行わせることが検討されている。このような移動体は、対象物の壁面に沿って安定して移動できることが望まれる。そこで、移動体に吸引機構を設け、この吸引機構による吸着力により、移動体を壁面に吸着させる技術が提案されている。この技術に適用される吸引機構としては、例えば、次の第一及び第二の例に係る吸引機構が挙げられる。
すなわち、第一の例に係る吸引機構は、吸着用ダクトファンと、吸着用ダクトファンを囲う筒状のベルマウスと、ベルマウスにおける吸気側の開口周縁部に設けられたブラシとを備える(例えば、特許文献1参照)。この吸引機構では、ブラシが壁面に接触した状態で吸着用ダクトファンが回転すると、ブラシの内部が減圧室となり、吸着力が得られる。
また、第二の例に係る吸引機構は、吸引ブロアと、吸引ブロアと接続されたレジューサと、レジューサの先端に設けられた対向面とを備える(例えば、特許文献2参照)。この吸引機構では、移動体の走行輪が壁面に接触した状態で吸引ブロアが作動すると、壁面と対向面との間に形成された流路に高速流が生じ、この高速流に伴うベルヌーイ効果により、吸着力が得られる。
特開2011−194937号公報 特開平4−257780号公報 特開平4−121291号公報 特開2002−320578号公報 負圧効果板による壁/天井などへの効率的吸着法、[online]、立命館大学シーズ集、[平成29年10月27日検索]、インターネット〈URL:http://wwww.ritsumei-seeds.jp/627〉
しかしながら、上述の第一及び第二の例に係る吸引機構では、次の問題がある。すなわち、第一の例に係る吸引機構では、ブラシで気密性を維持することが困難であるため、十分な吸着力が得られない虞がある。また、第二の例に係る吸引機構では、高速流を生じさせるには、吸引能力の高い大型の吸引ブロアを用いたり、対向面の面積を拡大したりする必要があるため、吸引機構が大型化する。
本願の開示する技術は、上記事情に鑑みて成されたものであり、一つの側面として、小型化しつつ、高い吸着力を得られる吸引機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願の開示する技術の一観点によれば、プロペラと、ダクトと、環状板と、複数のガイドベーンとを備える吸引機構が提供される。ダクトは、プロペラを囲う筒状である。環状板は、ダクトにおける吸気側の開口周縁部に設けられ、ダクトの径方向外側に拡がる。複数のガイドベーンは、環状板における対象物との対向面に設けられ、プロペラの回転軸を中心に放射状に延びる。
本願の開示する技術によれば、吸引機構を小型化しつつ、高い吸着力を得ることができる。
本実施形態に係る飛翔機の斜視図である。 図1の飛翔機の上面図である。 図1の飛翔機の正面図である。 図1の飛翔機の左側面図である。 図1の飛翔機の右前方部の要部拡大斜視図である。 図5のF6−F6線断面図である。 図6の右側のガイド部材及び吸引用プロペラの正面図である。 図6の右側のガイド部材の斜視図である。 図6の右側のガイド部材について複数のガイドベーンの向きを異ならせた場合を比較する図である。 図1の飛翔機にワイヤガード及びワイヤを取り付けた状態を示す斜視図である。 本実施形態に係る飛翔機の使用方法の一例を示す斜視図である。 図11の飛翔機が橋脚の壁面に沿って移動する様子を示す要部拡大平面図である。 図12のF13−F13線矢視図である。 本実施形態に係る吸引機構の変形例を示す側面図である。
以下、本願の開示する技術の一実施形態を説明する。
図1〜図5は、本実施形態に係る飛翔機10を示す図である。各図に示される矢印FR、矢印UP、矢印RHは、飛翔機10の前後方向前側、上下方向上側、左右方向右側をそれぞれ示している。図1〜図5に示されるように、飛翔機10は、飛翔機本体12と、一対の車輪駆動機構14と、一対の吸引機構16とを備える。
飛翔機本体12は、フレーム18と、複数の推進部20とを含む。フレーム18は、一例として、上面視で四角枠状のアウタフレーム22と、アウタフレーム22の内側に設けられたインナフレーム24とを有する。インナフレーム24は、アウタフレーム22の前部と後部とを連結している。
複数の推進部20の個数は、一例として、4個である。この複数の推進部20は、アウタフレーム22の内側を上面視で均等に四分割した領域にそれぞれ配置されている。複数の推進部20は、互いに同一の構成である。各推進部20は、飛翔用プロペラ26と飛翔用モータ28とを有する。
飛翔用プロペラ26は、「第一プロペラ」の一例であり、飛翔用モータ28は、「第一プロペラモータ」の一例である。飛翔用プロペラ26及び飛翔用モータ28は、飛翔機本体12の上下方向を軸方向としてそれぞれ配置されている。飛翔用モータ28は、インナフレーム24に設けられた固定部30に固定されており、飛翔用プロペラ26は、飛翔用モータ28の出力軸に固定されている。飛翔用モータ28は、飛翔機本体12に上方から下方へ向かう気流が発生する方向に飛翔用プロペラ26を回転させる。
一対の車輪駆動機構14は、飛翔機本体12の前部の左右両側の端部にそれぞれ固定されている。この一対の車輪駆動機構14は、左右対称に構成されている。各車輪駆動機構14は、一対の車輪32と、車輪駆動用モータ34とを有する。一対の車輪32は、飛翔機本体12の前方に配置されており、飛翔機本体12の上下方向に並んでいる。各車輪32は、飛翔機本体12の左右方向を軸方向として配置されており、支持部材36を介して飛翔機本体12の前部に回転可能に支持されている。
一対の車輪32の外周部は、飛翔機本体12の側面視で後述の吸引機構16よりも前方上下にそれぞれ突出している。つまり、一対の車輪32の前端部は、いずれも吸引機構16に設けられたガイド部材44よりも前方に突出しており、かつ、上側の車輪32の上端部は、ガイド部材44よりも上方に突出し、下側の車輪32の下端部は、ガイド部材44よりも下方に突出している。
車輪駆動用モータ34は、飛翔機本体12の左右方向を軸方向として配置されており、上側の支持部材36に固定されている。車輪駆動用モータ34の出力軸は、上側の車輪32に固定されている。車輪駆動用モータ34は、車輪32を双方向に回転可能である。
一対の吸引機構16は、左右対称に構成されている。各吸引機構16は、吸引用プロペラ38と、吸引用モータ40と、ダクト42と、ガイド部材44とを有する。吸引用プロペラ38は、「プロペラ、第二プロペラ」の一例であり、吸引用モータ40は、「第二プロペラモータ」の一例である。吸引用プロペラ38は、一例として、一対のブレード46を有する。
吸引用プロペラ38及び吸引用モータ40は、飛翔機本体12の前後方向を軸方向としてそれぞれ配置されている。吸引用モータ40は、吸引機構16の前方から空気が吸引機構16に吸引される方向に吸引用プロペラ38を回転させる。ダクト42は、吸引機構16の前後方向を軸方向として配置されており、吸引用プロペラ38を囲う筒状に形成されている。
アウタフレーム22の前側の角部には、飛翔機本体12の側方に延びる固定部48が設けられており、吸引機構16のうちの吸引用モータ40及びダクト42は、固定部48にそれぞれ固定されている。このように吸引機構16を固定する固定部48がアウタフレーム22の前側の角部から飛翔機本体12の側方に延びることにより、吸引機構16は、飛翔機本体12の両側の側方にそれぞれ配置されている。この吸引機構16は、飛翔機本体12(アウタフレーム22)の側部に対して側方に突出して配置されている。
また、吸引機構16は、飛翔機本体12の前方から固定部48に固定されている。そして、吸引機構16が飛翔機本体12の側方に延びる固定部48よりも飛翔機本体12の前方に位置することにより、吸引機構16は、飛翔機本体12の側方前方に配置されている。つまり、吸引機構16は、飛翔機本体12(アウタフレーム22)の前部よりも前方で、かつ、飛翔機本体12の側部よりも側方に位置する。
図6は、図5のF6−F6線断面図である。また、図7は、図6の右側のガイド部材及び吸引用プロペラの正面図であり、図8は、図6の右側のガイド部材44の斜視図である。図6〜図8に示されるように、ガイド部材44は、環状板50と、複数のガイドベーン52とを有する。
環状板50は、一例として、ダクト42と別体である。この環状板50は、ダクト42と同軸上に配置され、ダクト42における吸気側の開口周縁部54に固定されている。この環状板50は、ダクト42における吸気側の開口周縁部54の周方向に沿う円環状に形成されており、ダクト42の軸方向を板厚方向として配置されている。
この環状板50は、ダクト42における吸気側の開口周縁部54からダクト42の径方向外側に拡がっている。環状板50の内側は、ダクト42の吸気側の開口56と連通する円穴58として形成されている。円穴58は、ダクト42の吸気側の開口56と略同じ大きさで形成されている。
複数のガイドベーン52は、環状板50における対象物との対向面50A、すなわち、環状板50におけるダクト42側と反対側の面に設けられている。この複数のガイドベーン52は、飛翔機本体12の側面視で一対の車輪32の前端部よりも後方に位置する。換言すれば、一対の車輪32の前端部は、飛翔機本体12の側面視で複数のガイドベーン52よりも前方に突出している。
この複数のガイドベーン52は、吸引用プロペラ38の回転軸を中心に渦巻き放射状に延びている。複数のガイドベーン52が渦巻き放射状に延びることにより、各ガイドベーン52は、湾曲している。吸引用プロペラ38が回転すると、複数のガイドベーン52の間を環状板50の外周側から内周側に案内されて吸引用プロペラ38のブレード46に供給される空気60の流れが形成される。
図7に示されるように、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fは、ブレード46の先端を通過し吸引用プロペラ38の接線方向に延びる仮想線Lv上に内周側が開口するガイドベーン52間の流路からブレード46に供給される空気60で規定される。
ここで、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとの関係について、複数のガイドベーン52の向きを異ならせた場合を比較して説明する。
図9は、図6の右側のガイド部材44について複数のガイドベーン52の向きを異ならせた場合を比較する図である。図9の上段には、右側の吸引機構16が斜視図にて示されており、図9の中段には、空気60の流れの渦巻き方向Sが模式的に示されている。また、図9の下段には、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとの関係が側面図で示されている。
図9(A)には、複数のガイドベーン52が図7で示される向きと逆向きに配置された場合が示されており、図9(B)には、複数のガイドベーン52が図7に示される向きに配置された場合が示されている。
具体的には、図9(A)では、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが同方向になる向きに複数のガイドベーン52が配置されている(下段参照)。また、図9(A)では、空気60の流れの渦巻き方向Sと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが逆方向となる向きに複数のガイドベーン52が配置されている(上段及び中段参照)。
一方、図9(B)では、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが逆方向になる向きに複数のガイドベーン52が配置されている(下段参照)。また、図9(B)では、空気60の流れの渦巻き方向Sと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが同方向となる向きに複数のガイドベーン52が配置されている(上段及び中段参照)。
なお、空気60の流れの渦巻き方向Sは、この空気60の流れの渦62が、環状板50の前方視で環状板50の径方向外側から内側に向かう際の方向で規定される。つまり、図9(A)において、空気60の流れの渦巻き方向Sは、反時計回りであり、図9(B)において、空気60の流れの渦巻き方向Sは、時計回りである。
図9(A)に示されるように、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが同方向である場合(下段参照)には、空気60の流れに対するブレード46の相対速度が減少する。したがって、ブレード46に作用する揚力が減少する。
一方、図9(B)に示されるように、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが逆方向である場合(下段参照)には、空気60の流れに対するブレード46の相対速度が増加する。したがって、ブレード46に作用する揚力が増加する。このように、ブレード46に作用する揚力が増加すると、結果として、吸引機構16による吸着力が増加する。
以上を踏まえ、本実施形態では、図9(B)に示されるように、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが逆方向になる向きに複数のガイドベーン52が配置されている。
具体的には、図7に示されるように、空気60の流れの渦巻き方向Sと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが同方向となる向きに複数のガイドベーン52が配置されている。また、ガイドベーン52の外周端52Aと内周端52Bとを結んだ線L1と、ガイドベーン52の内周端52Bと環状板50の中心50Bとを結んだ線L2との成す角度αが鈍角になる向きに複数のガイドベーン52が配置されている。
ガイドベーン52の外周端52Aと、内周端52Bは、環状板50の外周側から内周側に延びるガイドベーン52における環状板50の外周側に位置する端部と、環状板50の内周側に位置する端部にそれぞれ相当する。
次に、本実施形態に係る飛翔機10の使用方法の一例を説明する。
図10は、図1の飛翔機10にワイヤガード70及びワイヤ72を取り付けた状態を示す斜視図である。図10に示されるように、本実施形態に係る飛翔機10の使用方法の一例では、飛翔機10にワイヤガード70、ワイヤ72、カメラ74、及び、センサ76が取り付けられる。
ワイヤガード70は、一対の第一パイプ部78と、一対の第二パイプ部80と、第三パイプ部82とを有する。一対の第一パイプ部78は、飛翔機本体12の左右方向と直交する方向に延びている。この一対の第一パイプ部78の一端は、飛翔機本体12の左右方向周りに回動可能に飛翔機本体12の側部に連結されている。一対の第二パイプ部80は、一対の第一パイプ部78の他端を連結しており、第三パイプ部82は、一対の第二パイプ部80の間に固定されている。
ワイヤ72は、飛翔機本体12と外部の装置とを接続するものであり、例えば、電源ケーブル、映像伝送ケーブル等である。ワイヤ72の一端側は、一方の第一パイプ部78、一方の第二パイプ部80、第三パイプ部82のそれぞれの内側に挿入されている。ワイヤガード70にワイヤ72が挿入されることにより、ワイヤ72が飛翔用プロペラ26に絡まることが抑制される。カメラ74及びセンサ76は、飛翔機本体12の中央部に搭載されている。
図11は、本実施形態に係る飛翔機10の使用方法の一例を示す斜視図である。本実施形態に係る飛翔機10の使用方法では、一例として、橋100に設けられた橋脚102の壁面(垂直面)に沿って飛翔機10を移動させながら、橋脚102の撮影や検査等の作業を飛翔機10に行わせる。橋脚102は、「対象物」の一例である。ワイヤ72は、橋桁104の上に設置された外部の装置(例えば、制御装置やバッテリ)と飛翔機10とを接続している。
図12は、図11の飛翔機10が橋脚102の壁面に沿って移動する様子を示す要部拡大平面図であり、図13は、図12のF13−F13線矢視図である。図12、図13に示されるように、各吸引機構16に設けられた吸引用モータ40がそれぞれ作動して一対の吸引用プロペラ38が回転すると、吸引機構16による吸着力16Aが発生し、飛翔機10が橋脚102の壁面に吸着される。
具体的には、図13に示されるように、飛翔機10の車輪32が橋脚102の壁面に接触すると、環状板50が橋脚102の壁面と対向し、複数のガイドベーン52が橋脚102の壁面に近接する。そして、吸引用プロペラ38が回転すると、空気が複数のガイドベーン52の間を環状板50の外周側から内周側に案内されてダクト42の内側に吸引される。
このとき、空気が環状板50と、複数のガイドベーン52と、橋脚102の壁面に囲われた領域を通過することで、空気の流速が高まるので、環状板50と橋脚102の壁面との間に高い負圧が発生し、飛翔機10が橋脚102の壁面に高い吸着力で吸着される。
したがって、図12に示されるように、例えば横風106が吹くなどしても、飛翔機10が橋脚102の壁面に吸着しながら移動することが可能である。特に、橋脚102の壁面の材質や、橋脚102の壁面に対する吸引機構16の角度による影響を抑制しつつ、飛翔機10を橋脚102の壁面に高い吸着力で吸着することが可能である。これにより、飛翔機10を用いてより正確な作業を実行することが可能になる。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、本実施形態に係る吸引機構16では、ダクト42における吸気側の開口周縁部54に、ダクト42の径方向外側に拡がる環状板50が設けられている。また、この環状板50の対向面50Aには、吸引用プロペラ38の回転軸を中心に放射状に延びる複数のガイドベーン52が設けられている。したがって、飛翔機10の車輪32が対象物の壁面に接触した状態で、吸引用プロペラ38が回転したときには、空気が環状板50と、複数のガイドベーン52と、対象物の壁面に囲われた領域を通過する。
これにより、空気の流速が高まり、ベンチュリ効果により、環状板50と対象物の壁面との間に高い負圧を発生させることができる。つまり、ベンチュリ効果により発生する負圧は流速の2乗に比例するため、複数のガイドベーン52がない場合に比して、環状板50の対向面50Aの面積が同じでも高い負圧を発生させることができる。これにより、飛翔機10を対象物の壁面に高い吸着力で吸着できる。
しかも、ダクト42の吸気側にガイド部材44を設けることで、吸引機構16による吸着力を高められるので、吸引用モータ40に出力の高い大型のものを用いたり、環状板50の対向面50Aの面積を拡大したりしなくて済む。これにより、吸引機構16を小型化できる。
このように、本実施形態に係る吸引機構16によれば、吸引機構16を小型化しつつ、高い吸着力を得ることができる。
また、複数のガイドベーン52は、吸引用プロペラ38の回転軸を中心に渦巻き放射状に延びており、各ガイドベーン52は、湾曲している。したがって、例えば、各ガイドベーン52が直線状に形成された場合に比して、複数のガイドベーン52の間の流路の長さを長くすることができる。これにより、複数のガイドベーン52の間を通過する空気の流速を高められるので、吸引機構16による吸着力を増加させることができる。
また、複数のガイドベーン52は、複数のガイドベーン52の間を環状板50の外周側から内周側に案内されて吸引用プロペラ38のブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが逆方向になる向きに配置されている。したがって、空気60の流れに対するブレード46の相対速度が増加するので、ブレード46に作用する揚力を増加できる。これにより、吸引機構16による吸着力をより一層増加させることができる。
また、複数のガイドベーン52は、空気60の流れの渦巻き方向Sと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが同方向となる向きに配置されている。また、環状板50の外周側から内周側に延びるガイドベーン52の外周端52Aと内周端52Bとを結んだ線L1と、ガイドベーン52の内周端52Bと環状板50の中心50Bとを結んだ線L2との成す角度θは、鈍角になっている。これにより、簡単な構成で、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとを逆方向にすることができる。
また、飛翔機本体12の前方には、前端部が複数のガイドベーン52よりも前方に突出する車輪32が配置されている。したがって、車輪32が対象物の壁面に接触した状態では、複数のガイドベーン52が壁面から離間するので、対象物の壁面に沿って飛翔機10が移動する際に影響が生じることを抑制できる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図14は、本実施形態に係る吸引機構16の変形例を示す側面図である。図14に示される変形例では、複数のガイドベーン52における対象物との対向部52C(前端部)に、「摩擦低減部材」の一例であるブラシ90が設けられている。ブラシ90は、飛翔機10の車輪32が対象物に接触した状態において、対象物(一例として、橋脚102の壁面)と接触する。このブラシ90は、複数のガイドベーン52の対向部52Cが対象物に直接接触する場合に比して、対象物との接触時の摩擦が低減される材質で形成される。
このように、複数のガイドベーン52の対向部52Cにブラシ90が設けられていると、複数のガイドベーン52と対象物との間の隙間をブラシ90で埋めることができる。これにより、環状板50と、複数のガイドベーン52と、対象物の壁面に囲われた領域の密閉性を高められるので、環状板50と対象物との間の負圧を高めることができ、ひいては、吸引機構16による吸着力をより一層高めることができる。
また、ブラシ90が対象物に接触したときには、複数のガイドベーン52の対向部52Cが対象物に直接接触する場合に比して、対象物との接触時の摩擦が低減される。これにより、対象物の壁面に沿って飛翔機10が移動する際に影響が生じることを抑制できる。
なお、本変形例では、「摩擦低減部材」の一例として、ブラシ90が用いられているが、複数のガイドベーン52の対向部52Cが対象物に直接接触する場合に比して対象物との接触時の摩擦が低減されるものであれば、ブラシ90以外の部材が用いられても良い。
例えば、対象物の壁面が平滑面である場合には、「摩擦低減部材」の一例として、滑り性の高い樹脂板や金属板などの部材が複数のガイドベーン52の対向部52Cに設けられても良い。一方、対象物の壁面が粗面である場合には、「摩擦低減部材」の一例として、ブラシ90などの接触面積を低減できる部材が複数のガイドベーン52の対向部52Cに設けられると好適である。
また、上記実施形態において、環状板50は、ダクト42と別体であるが、ダクト42と一体に形成されても良い。
また、複数のガイドベーン52が渦巻き放射状に延びることにより、各ガイドベーン52が湾曲しているが、各ガイドベーン52は、直線状に形成されても良い。
また、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが逆方向になるように、複数のガイドベーン52は、空気60の流れの渦巻き方向Sと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが同方向となる向きに配置される。しかしながら、ブレード46に供給される空気60の流れの方向Fと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが逆方向であれば、複数のガイドベーン52は、空気60の流れの渦巻き方向Sと吸引用プロペラ38の回転方向Rとが逆方向となる向きに配置されても良い。
また、環状板50は、円環状に形成されているが、例えば、四角環状など、円環状以外の環状形状に形成されても良い。
また、吸引機構16は、飛翔機10に適用されているが、飛翔機10以外の移動体に適用されても良い。また、吸引機構16は、移動体に吸着力を生じさせる用途以外に、単に吸引力を生じさせる用途に使用されても良い。
また、飛翔機10が移動する対象物は、橋100以外に、例えば、建物、トンネル、屋根、梯子、電柱、煙突、大型旅客機、及び、その他の構造物の少なくともいずれかでも良い。
また、飛翔機10に行わせる作業は、撮影や検査以外に、例えば、観測、記録、点検、運搬、塗装、マーキング、及び、その他の作業の少なくともいずれかでも良い。
以上、本願の開示する技術の一実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
なお、上述の本願の開示する技術の一実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
プロペラと、
前記プロペラを囲う筒状のダクトと、
前記ダクトにおける吸気側の開口周縁部に設けられ、前記ダクトの径方向外側に拡がる環状板と、
前記環状板における対象物との対向面に設けられ、前記プロペラの回転軸を中心に放射状に延びる複数のガイドベーンと、
を備える吸引機構。
(付記2)
前記複数のガイドベーンは、前記プロペラの回転軸を中心に渦巻き放射状に延びる、
付記1に記載の吸引機構。
(付記3)
前記複数のガイドベーンは、前記複数のガイドベーンの間を前記環状板の外周側から内周側に案内されて前記プロペラのブレードに供給される空気の流れの方向と前記プロペラの回転方向とが逆方向になる向きに配置されている、
付記1又は付記2に記載の吸引機構。
(付記4)
前記複数のガイドベーンは、前記空気の流れの渦巻き方向と前記プロペラの回転方向とが同方向となる向きに配置され、
前記環状板の外周側から内周側に延びる前記ガイドベーンの外周端と内周端とを結んだ線と、前記ガイドベーンの内周端と前記環状板の中心とを結んだ線との成す角度は、鈍角である、
付記3に記載の吸引機構。
(付記5)
前記複数のガイドベーンにおける前記対象物との対向部には、該対向部が前記対象物に直接接触する場合に比して前記対象物との接触時の摩擦を低減する摩擦低減部材が設けられている、
付記1〜付記4のいずれか一項に記載の吸引機構。
(付記6)
前記摩擦低減部材は、ブラシである、
付記5に記載の吸引機構。
(付記7)
飛翔機本体と、
前記飛翔機本体に設けられ、前記飛翔機本体の上下方向を軸方向とする第一プロペラと、
前記飛翔機本体の側方に配置され、前記飛翔機本体の前後方向を軸方向とする第二プロペラと、
前記第二プロペラを囲う筒状のダクトと、
前記ダクトにおける吸気側の開口周縁部に設けられ、前記ダクトの径方向外側に拡がる環状板と、
前記環状板における対象物との対向面に設けられ、前記第二プロペラの回転軸を中心に放射状に延びる複数のガイドベーンと、
を備える飛翔機。
(付記8)
前記複数のガイドベーンは、前記第二プロペラの回転軸を中心に渦巻き放射状に延びる、
付記7に記載の飛翔機。
(付記9)
前記複数のガイドベーンは、前記複数のガイドベーンの間を前記環状板の外周側から内周側に案内されて前記第二プロペラのブレードに供給される空気の流れの方向と前記第二プロペラの回転方向とが逆方向になる向きに配置されている、
付記7又は付記8に記載の飛翔機。
(付記10)
前記複数のガイドベーンは、前記空気の流れの渦巻き方向と前記第二プロペラの回転方向とが同方向となる向きに配置され、
前記環状板の外周側から内周側に延びる前記ガイドベーンの外周端と内周端とを結んだ線と、前記ガイドベーンの内周端と前記環状板の中心とを結んだ線との成す角度は、鈍角である、
付記9に記載の飛翔機。
(付記11)
前記複数のガイドベーンにおける前記対象物との対向部には、該対向部が前記対象物に直接接触する場合に比して前記対象物との接触時の摩擦を低減する摩擦低減部材が設けられている、
付記7〜付記10のいずれか一項に記載の飛翔機。
(付記12)
前記摩擦低減部材は、ブラシである、
付記11に記載の飛翔機。
(付記13)
前記飛翔機本体の前方には、前端部が前記複数のガイドベーンよりも前方に突出する車輪が配置されている、
付記7〜付記12のいずれか一項に記載の飛翔機。
(付記14)
付記7〜付記13のいずれか一項に記載の飛翔機を用い、橋、建物、トンネル、屋根、梯子、電柱、煙突、大型旅客機、及び、その他の構造物の少なくともいずれかである対象物の垂直な壁面に沿って前記飛翔機を移動させながら、撮影、検査、観測、記録、点検、運搬、塗装、マーキング、及び、その他の作業の少なくともいずれかを前記飛翔機に行わせることを含む、
飛翔機の使用方法。
10 飛翔機
12 飛翔機本体
14 車輪駆動機構
16 吸引機構
26 飛翔用プロペラ(第一プロペラの一例)
28 飛翔用モータ(第一プロペラモータの一例)
32 車輪
34 車輪駆動用モータ
38 吸引用プロペラ(プロペラ、第二プロペラの一例)
40 吸引用モータ(第二プロペラモータの一例)
42 ダクト
44 ガイド部材
46 ブレード
50 環状板
50A 対向面
50B 中心
52 ガイドベーン
52A 外周端
52B 内周端
52C 対向部
54 開口周縁部
90 ブラシ(摩擦低減部材の一例)

Claims (5)

  1. プロペラと、
    前記プロペラを囲う筒状のダクトと、
    前記ダクトにおける吸気側の開口周縁部に設けられ、前記ダクトの径方向外側に拡がる環状板と、
    前記環状板における対象物との対向面に設けられ、前記プロペラの回転軸を中心に放射状に延びる複数のガイドベーンと、
    を備える吸引機構。
  2. 前記複数のガイドベーンは、前記プロペラの回転軸を中心に渦巻き放射状に延びる、
    請求項1に記載の吸引機構。
  3. 前記複数のガイドベーンは、前記複数のガイドベーンの間を前記環状板の外周側から内周側に案内されて前記プロペラのブレードに供給される空気の流れの方向と前記プロペラの回転方向とが逆方向になる向きに配置されている、
    請求項1又は請求項2に記載の吸引機構。
  4. 前記複数のガイドベーンにおける前記対象物との対向部には、該対向部が前記対象物に直接接触する場合に比して前記対象物との接触時の摩擦を低減する摩擦低減部材が設けられている、
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の吸引機構。
  5. 飛翔機本体と、
    前記飛翔機本体に設けられ、前記飛翔機本体の上下方向を軸方向とする第一プロペラと、
    前記飛翔機本体の側方に配置され、前記飛翔機本体の前後方向を軸方向とする第二プロペラと、
    前記第二プロペラを囲う筒状のダクトと、
    前記ダクトにおける吸気側の開口周縁部に設けられ、前記ダクトの径方向外側に拡がる環状板と、
    前記環状板における対象物との対向面に設けられ、前記第二プロペラの回転軸を中心に放射状に延びる複数のガイドベーンと、
    を備える飛翔機。
JP2017214056A 2017-11-06 2017-11-06 吸引機構及び飛翔機 Pending JP2019084934A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017214056A JP2019084934A (ja) 2017-11-06 2017-11-06 吸引機構及び飛翔機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017214056A JP2019084934A (ja) 2017-11-06 2017-11-06 吸引機構及び飛翔機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019084934A true JP2019084934A (ja) 2019-06-06

Family

ID=66763852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017214056A Pending JP2019084934A (ja) 2017-11-06 2017-11-06 吸引機構及び飛翔機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019084934A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7416373B2 (ja) 2019-09-09 2024-01-17 日本製鉄株式会社 自己推進式塗装機および塗装方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0269099U (ja) * 1988-11-15 1990-05-25
JPH0671378U (ja) * 1993-03-22 1994-10-07 日本航空株式会社 壁面吸着移動装置
WO2015162613A1 (en) * 2014-04-24 2015-10-29 Neustadt Roi Hovering device for drawing on walls
JP2017150214A (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 学校法人立命館 作業装置
WO2017183219A1 (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 株式会社プロドローン 無人航空機

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0269099U (ja) * 1988-11-15 1990-05-25
JPH0671378U (ja) * 1993-03-22 1994-10-07 日本航空株式会社 壁面吸着移動装置
WO2015162613A1 (en) * 2014-04-24 2015-10-29 Neustadt Roi Hovering device for drawing on walls
JP2017150214A (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 学校法人立命館 作業装置
WO2017183219A1 (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 株式会社プロドローン 無人航空機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7416373B2 (ja) 2019-09-09 2024-01-17 日本製鉄株式会社 自己推進式塗装機および塗装方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5788915B2 (ja) 粒子分離器
JP5335618B2 (ja) ダクテッドファン無人航空機用の騒音を抑える支柱支持システム
JP2009505907A (ja) 振動羽根アクチュエータ装置および流れの能動制御方法
JP6448239B2 (ja) 回転駆動装置及び関節形ロボット
US10493506B2 (en) Inhalation device for local ventilation system
JPWO2004061297A1 (ja) 風力発電装置
JP2019084934A (ja) 吸引機構及び飛翔機
KR101249841B1 (ko) 축류팬 조립체
TWI573551B (zh) Centrifugal blowers and electric vacuum cleaners
JP4910809B2 (ja) 遠心式送風機
US20070297894A1 (en) Regenerative Vacuum Generator for Aircraft and Other Vehicles
JP4431602B2 (ja) 電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機
JP2010011997A (ja) 電動送風機及びこれを用いた電気掃除機
JP2020165640A (ja) 竜巻発生装置
TWI715227B (zh) 飛行載具及其推進裝置
JP3649754B2 (ja) ヘリコプタの反トルク及び横方向操縦装置
JPH0355727B2 (ja)
JP6468985B2 (ja) 二重反転式送風機
JPH06100193B2 (ja) 送風機
JP2007247548A (ja) 送風装置および該送風装置を備えた空気調和装置並びに加湿ユニット
JP2007192073A (ja) 電動送風機およびそれを用いた電気掃除機
JP2007282980A (ja) 電気掃除機
JP2007198327A (ja) 送風機
JP2006052926A (ja) 吸引型竜巻の人工竜巻発生機
CN110657109A (zh) 产生螺旋风的风机

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210427

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211019