JP2019083279A - 半導体装置、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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勉 丹下
鈴木 幸伸
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愛子 加藤
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剛士 岡部
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Abstract

【課題】 コンタクトプラグにおけるシリサイドの異常成長の抑制と、コンタクト抵抗の低減を両立した半島体装置を提供する。【解決手段】 一態様は、半導体基板上の絶縁膜に形成されたコンタクトホールに、前記半導体基板と接するようにチタンを含む膜をCVD法により610℃以下の第1温度で形成し、前記チタンを含む膜の形成後、前記チタンを含む膜が形成された前記半導体基板を、前記第1温度より高い第2温度で加熱処理する半導体装置の製造方法。【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体基板と配線との接続にコンタクトプラグが用いられる。コンタクトプラグはコンタクトホール内に導電材料を充填して形成される。特許文献1には、半導体装置におけるコンタクトホール用のバリアメタル層として、例えば化学気相堆積法(CVD法)を用い、500〜700℃でTiNを成膜することが開示されている。
特開平9−219382号公報
基板上のコンタクトホール内にバリアメタル膜等の導電膜が形成される場合、導電膜とホール底のシリコンとが接する。本発明者らは、導電膜の成膜時の温度が高すぎると、シリコンと導電膜の材料とからなるシリサイドが部分的に他の部分より成長する、異常成長が起きることを発見した。シリサイドの異常成長が起きると、基板とコンタクトプラグの間のコンタクト抵抗が設計値からずれる可能性がある。あるいは、複数のコンタクトプラグ間でコンタクト抵抗がばらつく可能性が生じる。あるいは、導電膜の材料の原子が意図しない場所に拡散する可能性がある。
一方、コンタクトプラグ形成時の温度が低すぎると、基板のシリコンと導電膜の材料の反応が十分に進まず、基板とコンタクトプラグの間のコンタクト抵抗が十分に低くならないことがある。よって、コンタクトプラグにおける導電膜及びシリサイド層を成膜する際、単一温度でのCVD法による導電膜及びシリサイド層の成膜では、良好なコンタクトプラグが形成できない可能性が生じる。
本発明の一様態は、半導体装置の製造方法であって、半導体基板上の絶縁膜に形成されたコンタクトホールに、前記半導体基板と接するようにチタンを含む膜をCVD法により610℃以下の第1温度で形成し、前記チタンを含む膜の形成後、前記チタンを含む膜が形成された前記半導体基板を、前記第1温度より高い第2温度で加熱処理する、半導体装置の製造方法に関する。
また、本発明の別の一様態は、半導体基板の不純物領域と、前記半導体基板上の絶縁層のコンタクトホールの中に配され、前記不純物領域に接するコンタクトプラグと、を有し、
前記コンタクトプラグは、導電体と、前記コンタクトホールの底に形成されたチタンシリサイド層を有する導電部材と、を含み、前記導電体の底から前記不純物領域までの距離が30nm以下である半導体装置に関する。
基板とコンタクトプラグの間で、シリサイドの異常成長が抑制され、かつコンタクト抵抗が低抵抗化されたコンタクトプラグを形成することができる。
固体撮像装置の一部の一例のブロック図 第1の実施形態に係る固体撮像装置の一部の一例の模式的断面図 第1の実施形態に係るコンタクトプラグの一例の拡大断面図 第1の実施形態に係る固体撮像装置の一部の一例の製造方法を示す模式的断面図 第1の実施形態に係る固体撮像装置の一部の一例の製造方法を示す模式的断面図 第1の実施形態に係る固体撮像装置の一部の一例の製造方法を示す模式的断面図 チタンを含む膜の成膜温度と導電部材の膜厚の関係を示す図 第2の実施形態に係るコンタクトプラグの一例の製造方法を示す拡大断面図 第2の実施形態に係るコンタクトプラグの一例の製造方法を示す拡大断面図 第3の実施形態に係る撮像システムの一例を示すブロック図
本発明の実施形態について、例を挙げて具体的に説明する。しかし本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、適宜変形が可能であり、更に複数の実施形態を組み合わせたものであってもよい。なお、以下の説明および図面において、複数の図面を相互に参照する場合がある。共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
本実施形態について、半導体装置の一例である固体撮像装置を例に説明する。図1は本実施形態に係る固体撮像装置の一部の一例のブロック図である。固体撮像装置は、行列状に配列された複数の画素1を有する画素領域10と、画素領域の周辺に位置し、周辺回路が配された周辺回路領域20を備える。
例えば、画素1は光電変換を行う光電変換部PD、及び電荷を読み出すための読み出し部を備える。読み出し部は、光電変換部PDで生成された電荷が転送される電荷保持部、光電変換部PDで生成された電荷を電荷保持部に転送する転送トランジスタ、電荷保持部に保持された電荷を電荷電圧変換部に転送する転送トランジスタを含む。また、読み出し部は、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、電荷電圧変換部の電位に応じた信号を出力する増幅トランジスタ、増幅トランジスタを選択するための選択トランジスタを含む。
画素領域10には、有効な画素以外に、光電変換部PDが遮光されたオプティカルブラック画素、光電変換部PDを有さないダミー画素等、画像を直接形成する信号を出力しない画素が含まれていてもよい。
周辺回路領域20は、光電変換部PDで生成された電荷に基づく信号を処理する領域である。周辺回路領域20は、例えば、垂直走査回路21、列増幅回路22、水平走査回路23、出力部24等の周辺回路を有する。垂直走査回路21は、画素1の転送トランジスタ等のトランジスタをオン(導通状態)またはオフ(非導通状態)に制御するための制御信号を供給する。垂直信号線11は、画素1の各列に設けられ、画素1からの信号を列ごとに読み出す。列増幅回路22は差動増幅回路およびサンプル・ホールド回路を備え、垂直信号線11に出力された画素信号を増幅する。
水平走査回路23は、各列の増幅器に接続されたスイッチと、該スイッチをオンまたはオフに制御するための制御信号を供給する。出力部24はバッファアンプ、差動増幅器などから構成され、列増幅回路22からの画素信号を固体撮像装置の外部の信号処理部に出力する。出力された画素信号は信号処理部によって、アナログ/デジタル変換、入力データの補正などの処理が行われる。なお、固体撮像装置はアナログ/デジタル変換の機能を備えたいわゆるデジタルセンサであっても良い。
図2は、本実施形態に係る固体撮像装置の一部の一例の模式的断面図である。図2は画素回路領域10に配された転送トランジスタを含む断面を示している。ここでは画素回路領域における転送トランジスタの例を示すが、他のトランジスタ(不図示)に対しても同様の構成をとることができる。
前記の半導体基板101としては、例えばシリコン基板を用いることができ、具体的には、例えばn型半導体領域である単結晶シリコン基板を用いることができる。画素回路領域10において、半導体基板101には光電変換部PDとして機能する転送トランジスタのソースとして機能する不純物領域103が設けられている。また、電荷検出部FDとして機能する転送トランジスタのドレインとして機能する不純物領域104が設けられている。不純物領域103と不純物領域104との間のチャネル領域上に、ゲート絶縁膜110を介して転送トランジスタのゲート電極120が設けられている。転送トランジスタは、例えば、ゲート電極120と、ゲート絶縁膜110と、半導体基板101のチャネル領域として機能する領域と、で構成されたMOSトランジスタとすることができる。
半導体基板101の素子分離領域において、素子分離用の絶縁体102が半導体基板101に形成された溝の中に配されている。このように素子分離領域はSTI構造(Shallow Trehch Isolation構造)を有していてもよく、また、LOCOS構造(Local Oxidation of Silicon構造)であってもよい。また、分離領域は、絶縁体を用いずにPN接合分離構造を有していてもよい。
半導体基板101の上には層間絶縁膜210が設けられている。画素回路領域10では半導体基板101と層間絶縁膜210との間に、転送トランジスタ及び他の画素トランジスタ(不図示)を覆う絶縁膜200が設けられている。すなわち、半導体基板上に絶縁膜(絶縁膜200及び層間絶縁膜210の少なくとも1つ)が配されている。
画素回路領域10には、層間絶縁膜210及び絶縁膜200を貫通しているコンタクトプラグ300が設けられている。コンタクトプラグ300は、転送トランジスタのドレインとして機能する不純物領域104に接続されている。ここで、不純物領域104は、平面視(受光表面に対する平面視)においてコンタクトプラグ300と重なる領域に、不純物領域104の他の部分より不純物濃度が濃い不純物領域220を有する。
層間絶縁膜210の上には、各々対応するコンタクトプラグと接続する複数の導電パターンを含む第1導電層400が配されている。層間絶縁膜210及び第1導電層400の上には、必要に応じて複数の配線層、カラーフィルタアレイ、及びマイクロレンズアレイの少なくとも1つが配されていてもよい。この場合、固体撮像装置は、表面照射型の固体撮像装置である。
また、固体撮像装置は、半導体基板101に対して複数の配線層とは反対側にカラーフィルタアレイやマイクロレンズアレイの少なくとも1つを配する、裏面照射型の固体撮像装置であっても良い。
後述する通り、本実施形態では、コンタクトプラグを形成するバリアメタル膜等の導電膜の成膜時、第1成膜工程を610℃以下で行い、以降の工程が、少なくとも第1成膜工程の処理温度より高い処理温度の工程を含む。これにより、基板とコンタクトプラグの間において、コンタクト抵抗の低減とシリサイドの異常成長の抑制を両立したコンタクトプラグを実現できる。よって、消費電力が低減され、または複数のコンタクトプラグ間のコンタクト抵抗のばらつきが抑制された固体撮像装置を提供することができる。
なお、本発明は上述した固体撮像装置の製造方法に限定されるものではなく、コンタクトプラグを有する半導体装置に適宜適用が可能である。
以下、コンタクトプラグの形成方法について、転送トランジスタのコンタクト部を例として、詳細に説明する。図3は、図2における転送トランジスタのコンタクト部拡大断面図である。画素回路領域10のコンタクトプラグ300は、層間絶縁膜210及び絶縁膜200を貫通するコンタクトホール内に設けられている。
コンタクトプラグ300は、層間絶縁膜210及び絶縁膜200で構成された側面に形成された金属を含む膜と、該金属を含むシリサイド層と、金属を含む膜の開口内に配される導電体と、を有する。例えば、コンタクトプラグは、チタン(Ti)を含む層を有する導電層320、及び不純物領域104と接するシリサイド層310を含む導電部材301と、タングステンからなる導電体330と、を有する。チタンを含む層を有する導電層320は、例えば、チタン膜や、チタン膜と窒化チタン膜の積層とすることができる。
次に、図面を用いて、本発明に係る固体撮像装置の製造方法を説明する。なお、公知技術である作成方法は省略する。図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)、及び図6(a)〜(c)は、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を示す模式的断面図である。図4(a)において、画素回路領域10において、半導体基板101は、転送トランジスタのソースとして機能する不純物領域103及びドレインとして機能する不純物領域104を有する。また、半導体基板101上に転送トランジスタのゲート絶縁膜110及びゲート電極120等が形成されている。周辺回路領域20には、周辺トランジスタのソースとして機能する不純物領域、及びドレインとして機能する不純物領域105が半導体基板101内に形成されている。また、半導体基板101上には、ゲート絶縁膜111、及びゲート電極121等が形成されている。
次に、転送トランジスタ及び他の画素トランジスタ(不図示)を覆う絶縁膜200をCVD法やPVD法(物理気相堆積法)を用いて形成する。ここで、絶縁膜200は、半導体基板101の反射防止膜として機能させてもよく、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜、及びこれらの膜の積層構造をとることができる。また、画素回路領域10において、フォトリソグラフィー技術を用いてレジストマスクを形成し、周辺回路領域20上の絶縁膜200をエッチング技術により選択的に異方性エッチングする。これにより、絶縁膜200から周辺トランジスタのサイドウォール122を形成することができる。
次に、CVD法やPVD法を用いて周辺トランジスタのソースとして機能する不純物領域及びドレインとして機能する不純物領域105、ゲート絶縁膜、及びゲート電極121上に高融点金属膜としてコバルトを含む膜を形成する。高融点金属膜には、酸化防止膜として窒化チタンを積層する。この積層膜を加熱処理する。これにより、コバルトを含む膜と、周辺トランジスタのソースの不純物領域及びドレインの不純物領域105やゲート電極121の表面とを反応させ、シリサイド層201を形成する。このように、いわゆるサリサイドプロセスにより形成されるシリサイド層201は、半導体基板101の一部である。ここで、シリサイド層201形成時、画素回路領域10は絶縁層200に覆われている。高融点金属膜としてコバルト以外にチタン、ニッケル、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、パラジウム、プラチナ等を用いることもできる。
また、酸化防止膜として窒化チタン膜以外に、ニッケル膜やチタン膜等を用いることもできる。シリサイド層201を形成後、周辺トランジスタを覆う絶縁膜202をCVD法やPVD法を用いて成膜する。その後、絶縁膜202の上に、例えばシリコン酸化膜、あるいは、ボロン、リンを含んだシリコン酸化膜等で構成された層間絶縁膜210を形成する。
次に図4(b)に示すように、画素回路領域10において、フォトリソグラフィーおよび、エッチングを用いて、コンタクトホール350を形成する。コンタクトホール350形成後、コンタクトホールを介して不純物領域104のコンタクトホール下に不純物注入を行うことで、不純物領域104より不純物濃度が濃い不純物領域220を形成することもできる。これにより、後に形成されるコンタクトプラグ300と接する不純物領域の不純物濃度を高め、画素回路領域10のコンタクト抵抗の低抵抗化を図ることができる。
図4(c)に示すように、画素回路領域10のコンタクトホール350の中及び層間絶縁膜210上に、チタンを含む膜を有する導電膜320aを、化学気相堆積法(CVD法:Chemical Vapor Deposition法)を用いて形成する。導電膜320aは、チタンを含む膜としてのチタン膜、窒化チタン膜、又はこれらの積層構造等からなり、バリアメタル層として機能する。ここで、チタン膜や窒化チタン膜の成膜の前処理としてフッ酸やアンモニア過水などの酸性あるいはアルカリ性の溶液で、コンタクトホール350内の洗浄を行ってもよい。また、水素ガスなどを用いた還元処理によりコンタクトホール350の底の自然酸化膜等の除去を行ってもよい。
導電膜320aの膜厚は、10nm以上とすることが好ましい。導電膜320aにおいて、チタン膜の成膜時の温度は、例えば400℃〜610℃とすることができる。また、窒化チタン膜の成膜時の温度は、例えば400℃〜700℃とすることができる。具体的には、導電膜320aにおいて、チタン膜の成膜時の温度を、例えば400℃〜610℃とし、窒化チタン膜の成膜時の温度を、チタン膜の成膜時の温度より高い温度とすることができる。
ここで、チタン膜及び窒化チタン膜の成膜時の温度は、ウエハを搭載するステージに設置された熱電対によりモニターされる温度であってもよい。この場合には、チタン膜の成膜装置において、温度測定が可能なウエハを用い、ステージ温度と処理中のウエハ温度がほぼ一致していることを予め確認しておくことが好ましい。
半導体基板101と接するチタン膜をCVD法にて成膜する際、成膜温度が高いと、チタンがシリコンと接触した部分からシリサイドが形成され、シリサイドが局所的に成長する異常成長が起きる可能性がある。詳細については後述する。
シリサイドが異常成長した場合、半導体基板101とコンタクトプラグ300との抵抗が、設計値からずれる可能性がある。また、半導体装置は、通常、複数のコンタクトプラグ300を有する。よって、コンタクトプラグ300においてシリサイドの異常成長が起きると、それぞれのコンタクトプラグ300における半導体基板101とコンタクトプラグ300とのコンタクト抵抗がばらつくこととなる。これにより、半導体装置において、コンタクトプラグ300を有する素子の性能がばらつき、半導体装置の信頼性が低下する可能性がある。
一方、コンタクトプラグ300の形成温度が低いと、半導体基板101とコンタクトプラグ300とのコンタクト抵抗が十分低減されない可能性がある。コンタクト抵抗は、コンタクトプラグ底部における不純物領域と導電層との接触部分における、シリサイドの形成状況、及びシリサイド下の不純物領域の不純物濃度の影響を強く受ける。よって、コンタクト抵抗低減の観点からはシリサイドの形成温度はコンタクト抵抗が十分に低減可能な高温での加熱処理が好ましい。コンタクト抵抗の低減が不十分な場合、半導体装置の消費電極が増大する、また、コンタクトプラグ300を有する素子が破壊される等の可能性が生じる。
本実施形態では、半導体基板101と接するチタンを含む膜を610℃以下で成膜する。これにより、シリサイドの異常成長を抑制しつつ、窒化チタンの成膜をチタン膜の成膜時の温度より高い温度で行うことで、コンタクト抵抗を低減している。
また、チタン膜の成膜時の温度を、例えば400℃〜610℃とし、窒化チタン膜の成膜温度を、チタン膜の成膜温度以下とし、別途、チタン膜の処理温度以上の加熱処理(アニール)を行っても良い。アニールは、チタン膜の成膜後、窒化チタン膜の成膜前に行っても良く、また、チタン膜及び窒化チタン膜の成膜後に行っても良い。この場合でも、半導体基板101と直接接するチタン膜の成膜温度を610℃以下とすることで、シリサイドの異常成長を抑制し、かつ、その後にチタン膜成膜時より高い温度で熱処理することで、コンタクト抵抗を低減することができる。
なお、チタン膜の形成温度は500℃以上とすることが好ましい。また、チタン膜成膜後の加熱処理(窒化チタン膜の成膜時の加熱も含む)は、610℃より高い温度とすることで、コンタクト抵抗の低減をより十分に行うことができる。
なお、導電膜320aのチタン膜の成膜工程以降の処理温度は、周辺回路領域20に形成されたシリサイド層201の耐熱温度以下とすることが好ましい。
その後、図5(a)に示すように、コンタクトホール350の中及び導電膜320a上にタングステン等からなる金属膜を形成する。図5(b)に示すように、金属膜をCMP法(Chemical Mechanical Polishing法)などにより余分な金属膜を除去することで、開口350の中に導電体330を形成する。また、導電膜320aの一部が除去され、チタンを含む層を有する導電層320及びシリサイド層310を含む導電部材301が形成される。このようにして、導電部材301及び導電体330を有するコンタクトプラグ300を形成が形成される。
次に、図5(c)に示すように、周辺回路領域20にフォトリソグラフィーにおいて、及びエッチングを用いてコンタクトホール360を形成する。次に図6(a)に示すように、周辺回路領域20のコンタクトホール360の中、及び層間絶縁膜210上にチタンを含む膜345aをバリアメタル層として、CVD法やPVD法を用いて形成する。チタンを含む膜345aとしては、例えば、チタン膜や、窒化チタン膜、及びこれらの膜の積層構造等を用いることができる。
その後、図6(b)に示すように、コンタクトホール360の中、及びチタンを含む膜345a上にタングステン等からなる金属膜を形成する。その後、図6(c)に示すように、CMP法などにより余分な金属膜を除去することで、開口360の中に導電体346を形成する。また、チタンを含む膜345aの一部が除去され、チタンを含む層345が形成される。このようにして、チタンを含む膜345及び導電体346を有するコンタクトプラグ340が形成される。なお、チタンを含む膜345は、例えば、チタン層、窒化チタン層、またはチタン層と窒化チタン層の積層とすることができる。
周辺回路領域20におけるコンタクトプラグ340を形成する工程は、シリサイド層201の耐熱温度以下とすることが好ましい。シリサイド層201の耐熱温度以上の温度を有する処理を行うと、シリサイド層201が劣化、破壊されることにより、半導体基板101とコンタクトプラグ340とのコンタクトが良好なものでなくなる可能性がある。周辺回路領域20のコンタクトプラグ340は、例えばコバルトシリサイドを含む。
本実施形態では、半導体基板101と直接接してシリサイドを形成するチタン膜を、610℃以下の温度で成膜することで、シリサイドの異常成長を低減している。これについて、図7を用いて具体的に説明する。
チタン膜の成膜温度と、チタン膜と窒化チタン膜形成後の導電部材301(シリサイド層、チタン層、及び窒化チタン層)の膜厚の測定結果を図7に示す。チタン膜の成膜温度が610℃より高くなると、導電部材301の膜厚が大きく増加することがわかる。この時のコンタクトプラグ300及び半導体基板101の断面を電子顕微鏡(SEM)で観察すると、成膜温度が610℃より高い場合には、局所的なシリサイドの異常成長が顕著であることがわかった。これは、半導体基板101と接するチタン膜の成膜温度が高いと、チタンが半導体基板101と接触した部分からシリサイドが形成され、結果として局所的に異常成長につながるためと考えられる。
一方、チタン膜の成膜温度を610℃以下とし、その後、加熱処理を行うことで、局所的なシリサイドの異常成長を抑制しつつ、シリサイドの形成を行うことができるものと考えられる。よって、シリサイドの異常成長を抑制しつつコンタクト抵抗の低抵抗化に必要なシリサイドの形成は行うことができるため、半導体基板101とコンタクトプラグ300との間のコンタクト抵抗も十分低減することができる。
更に、本実施形態によれば、光電変換部PDへのコンタクトプラグ300の材料(金属)に起因する金属汚染の抑制を行うことができる。固体撮像装置において、画素回路領域10における光電変換部PDへの金属汚染は、リーク電流の増大等、画質の劣化を引き起こす原因となる。例えば、光電変換部PDに近接するコンタクトプラグ300におけるシリサイド形成時の加熱処理により、コンタクトプラグ300の導電部材301の金属が半導体基板101内を拡散し、光電変換部PDに達することがある。
よって、光電変換部PDへの金属汚染抑制のため、画素回路領域10では、転送トランジスタのソース及びドレイン等として機能する不純物領域の全体にはシリサイド層を形成しないことが好ましい。すなわち、画素回路領域10のコンタクト抵抗低減の構成としては、コンタクトプラグ底部における不純物領域と導電層の接触部分のみをシリサイド化する構造が好ましい。これにより、光電変換部PDへの金属汚染源を減らし、シリサイド層形成時やその後の加熱処理における光電変換部PDへの高融点金属の拡散を抑制することができる。
しかし、近年では画素回路領域10の微細化に伴い、光電変換部PDとコンタクトプラグ間の距離が近づいている。よって、コンタクトプラグ底部におけるバリアメタル層等の導電層の材料に起因した光電変換部PDへの金属汚染をより抑制することが好ましい。ここで、コンタクトプラグに起因する光電変換部PDの金属汚染は、下地である不純物領域とコンタクトプラグが直接接触する際の処理温度に強く依存する。よって、金属汚染抑制の観点からも、半導体基板101と接するチタンを含む膜を成膜する際の温度は低温であることが好ましい。
本実施形態では、チタン膜の成膜温度を610℃以下としているため、コンタクトプラグ300に起因する光電変換部PDの金属汚染を効果的に抑制することができる。また、その後、チタン膜の成膜時以上の温度で加熱するため、コンタクト抵抗低減も十分に行うことができ、金属汚染の抑制とコンタクト抵抗の低減の両立を図ることができる。なお、転送トランジスタのソースやドレインに接続されるコンタクトプラグ300は、光電変換部PDとの距離が近いため、効果的に光電変換部PDの金属汚染を抑制できるが、本実施形態はこれに限定されない。また、固体撮像装置以外の半導体装置においても、金属汚染を低減すべき素子が用いられるため、金属汚染の低減の効果を得ることができる。
本実施形態では画素回路領域10のコンタクトプラグ300と周辺回路領域20のコンタクトプラグ340をそれぞれ別に形成する方法を示したが、コンタクトホール350とコンタクトホール360を同時に形成しても良い。また、画素回路領域10のコンタクトホール350の形成後、不純物領域220を形成したのちに周辺回路領域20のコンタクトホール360を形成しても良い。この場合、この後、コンタクトホール350及びコンタクトホール360内に、同時にチタンを含む膜、及び金属膜を成膜、余分な部分を除去し、コンタクトプラグ300とコンタクトプラグ340を形成しても良い。
また、本実施形態では、表面照射型の固体撮像装置の例を示したが、受光面と配線層が基板の反対側に配される裏面照射型の固体撮像装置であっても良い。また、本実施形態では、画素回路領域10と周辺回路領域20が同一基板上に形成された構造を示したが、周辺回路領域20を別基板にて形成し、各基板の配線を接続した積層型の固体撮像装置であっても良い。
周辺回路領域20を別基板にて形成した場合、画素回路領域10を形成した基板には、画素回路領域10に最適化した温度で加熱処理を行うことが可能となる。これにより、画素回路領域10のコンタクトプラグ300の形成時におけるチタンを含む膜の初めの成膜工程以降の加熱処理の温度をより高温とすることができる。例えば、加熱処理の温度を、前述した周辺回路領域10に形成されたシリサイド層201の耐熱温度以上の温度とすることが可能となり、半導体基板101とコンタクトプラグ300のコンタクト抵抗をより低減することができる。
(第2の実施形態)
次に図8(a)〜(c)及び図9(a)〜(c)を参照して、コンタクトプラグの製造方法を詳細に述べる。本実施形態において、第1の実施形態と同様の構成、材料、機能、効果、方法の部分については説明を省略する。
図8(a)〜(c)及び図9(a)〜(c)は、本実施形態に係るコンタクト部の製造方法を示す拡大断面図である。図8(a)に示すように、画素回路領域10にコンタクトホール350を形成する。次に、図8(b)に示すように、コンタクトホール350を介して不純物領域104のコンタクトホール下に不純物注入を行うことで、不純物領域104より不純物濃度が濃い不純物領域220を形成する。次に図8(c)に示すように、コンタクトホール350の底にCVD法を用いてバリアメタル膜として機能する導電層として、チタン膜310bを成膜する。ここで、図には示していないがチタンはコンタクトホール側壁に成膜してもよい。
また、チタン成膜時の処理温度は、例えば400℃〜610℃とすることができる。400℃〜610℃においてチタン膜を不純物領域104または不純物領域220上に成膜すると、成膜と同時に下地である不純物領域とチタンの反応が進みシリサイド層310が形成される。ここで、チタンと不純物領域が直接接触する際の処理温度を610℃より高温とすると、チタンの光電変換部PD(不図示)への拡散が促進されると共に、シリサイド層が不純物領域の深くまで不均一に形成される異常成長が起きる。これらは、リーク電流増加やコンタクト抵抗ばらつき増加の原因となりうる。
ここで、例えばチタン膜310bの膜厚は1nm以上とすることができる。ここで、チタンの成膜を複数工程に分割しても良い。例えば、初期のチタン膜の成膜工程を400℃〜610℃で行い、以降のチタン膜の成膜処理を、初期のチタン膜の成膜工程の処理温度以上としても良い。
次に図9(a)において、窒化チタン膜等をCVD法を用いて、図8(c)に記載のコンタクトホール350内及びチタン膜310b上に形成し、導電膜320aを形成する。ここで、窒化チタン膜の成膜時の温度は例えば400℃〜700℃とすることができる。例えば、チタン膜310bの成膜時より高い温度で窒化チタン膜を成膜する。これにより、不純物領域104、及び不純物領域104より不純物濃度が高い不純物領域220とチタン膜310b中の未反応のチタンを加熱処理により反応させ、シリサイド化することができる。また、チタン膜310bの下部のシリサイド層310に熱処理をすることによりシリサイド層を低抵抗化することができる。図9(a)において、導電膜320aは、未反応のチタン膜310bと窒化チタン膜を含む。
また、チタン膜310b中の未反応のチタンを窒化することにより、窒化チタンとすることも可能である。ここで、窒化チタン膜の加熱処理の温度をチタン膜310bの成膜時の温度以下とし、別途チタン膜310bの成膜温度以上の加熱処理を実施しても良い。導電部材301は、チタンシリサイド層や、チタン膜、窒化チタン膜、及びこれらの膜の積層構造等からなる。
ここで、図7にも示したように、導電体330の底から半導体基板101(が含む不純物領域220)までの距離は、30nm以下とすることができ、10nm〜30nmとすることが好ましい。すなわち、加熱処理後の導電部材301の膜厚は30nm以下とすることができ、好ましくは10nm〜30nmとすることができる。加熱処理後の導電部材301は、例えば、チタンを含む層及び窒化チタンの層を含むが、チタンを含む層が大きくシリサイド化している場合には、チタンを含む層はなくても良い。
本実施形態に係る固体撮像装置は、図8(c)に示すように、不純物領域220に均一にシリサイドが形成されており、導電部材301の形成以降の工程による加熱処理によるチタンの光電変換部PD(不図示)への拡散が抑制される。このため、導電部材301のコンタクト抵抗低減の為にチタンを含む膜の初期成膜工程より高温の熱処理をかけることが可能となる。
図9(b)に示すように、コンタクトホール350内及びシリサイド310及びチタンを含む膜を含む導電膜320a上にタングステン等からなる金属膜を形成する。この後、図9(c)に示すように、CMP法などにより余分な金属膜を除去して導電体330を形成する。また、導電膜320aの一部を除去して導電層320を形成する。これにより、シリサイド層310及び導電層320を有する導電部材301と、導電体330と、を有するコンタクトプラグ300が形成される。
以上より、コンタクトプラグ300のコンタクト抵抗低減とコンタクトプラグ底部でのシリサイドの異常成長の低減を両立することができる。更に、光電変換部PDへの導電部材301の材料による金属汚染の低減を行うことができる。
(第3の実施形態)
本実施の形態では、第1の実施形態または第2の実施形態の固体撮像装置を有する撮像システムの一例について、図10を用いて説明する。第1及び第2実施形態と同様の構成、効果、材料、機能、及び方法となる部分には同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図10は、撮像システム1300の構成を説明するブロック図である。図10において、光の入射面に対し、絞り機構1301、撮影レンズ1302、ミラーユニット1303、及び機械式のシャッタ1304を介して、固体撮像装置200が配されている。
ミラーユニット1303は、露光、ライブビュー撮影、及び動画撮影の際に、システム制御部1305からの指示に応じてアップダウンする。これにより、撮影レンズ1302から入射した光束の導入をファインダ1308側と、光検出装置1200側とに切り替える。固体撮像装置1200から出力された撮像信号は、信号処理部1309に送られ画像処理されたのち、メモリ1310に記憶される。
ミラーユニット1303によりファインダ1308側に光束が導かれるとき、ペンタプリズム1306を介して光束の一部が、自動露出を行うためのAEセンサ1307に入射する。AEセンサでは、被写体の露出計測を行い、得られた情報はシステム制御部1305に入力される。
固体撮像装置1200として第1または第2実施形態に係る固体撮像装置を用いることで、信頼性が向上し、または、消費電極が低減された撮像システム1300を実現することができる。
101 半導体基板
350 コンタクトホール
300 コンタクトプラグ
320 導電層

Claims (18)

  1. 半導体装置の製造方法であって、
    半導体基板上の絶縁膜に形成されたコンタクトホールに、前記半導体基板と接するようにチタンを含む膜をCVD法により610℃以下の第1温度で形成し、
    前記チタンを含む膜の形成後、前記チタンを含む膜が形成された前記半導体基板を、前記第1温度より高い第2温度で加熱処理する、
    半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1温度は、500℃より高い、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第2温度は、610℃より高い、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記加熱処理は、前記コンタクトホールの中に窒化チタンを含む膜をCVD法により成膜する工程である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記窒化チタンを含む膜を形成した後、前記コンタクトホールの中に導電体を形成する、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記導電体は、タングステンを含む、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記導電体の底から前記半導体基板までの距離は30nm以下である、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記チタンを含む膜の成膜にて形成されるチタンを含む膜の膜厚は10nm以上である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記チタンを含む膜は少なくとも前記コンタクトホールの底に形成される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記チタンを含む膜はバリアメタルである、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記半導体基板に光電変換部を形成し、
    前記光電変換部で生成された電荷を転送するための転送トランジスタを形成し、
    前記転送トランジスタの上に絶縁層を形成し、
    前記絶縁層に前記コンタクトホールを形成する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を処理する周辺回路領域において、前記半導体基板上の絶縁膜が有するコンタクトホールに、前記半導体基板と接するようにコンタクトプラグを形成し、
    前記コンタクトプラグは、前記半導体基板が有するコバルトシリサイドと接する、請求項11に記載の固体撮像装置の製造方法。
  13. 半導体基板の不純物領域と、
    前記半導体基板上の絶縁層のコンタクトホールの中に配され、前記不純物領域に接するコンタクトプラグと、を有し、
    前記コンタクトプラグは、導電体と、前記コンタクトホールの底に形成されたチタンシリサイド層を有する導電部材と、を含み、
    前記導電体の底から前記不純物領域までの距離が30nm以下である、半導体装置。
  14. 前記導電部材は、前記導電体と前記シリサイド層との間に配された、窒化チタンを含む層を有する、請求項13に記載の半導体装置。
  15. 前記導電部材は、前記シリサイド層と前記窒化チタンを含む層との間にチタンを含む層を有する請求項14に記載の半導体装置。
  16. 前記不純物領域は、前記コンタクトプラグと平面視において重なる第1部分と、前記第1部分を囲む第2部分と、有し、
    前記第1部分は、前記第2部分よりも不純物濃度が高い、請求項13乃至15のいずれか1項に記載の半導体装置。
  17. 光電変換部、及び前記光電変換部で生成された電荷を転送するための転送トランジスタを有し、
    前記不純物領域が、前記転送トランジスタのソースまたはドレインとして機能する、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の半導体装置。
  18. 前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を処理する周辺回路領域を有し、
    前記周辺回路領域は前記半導体基板に不純物領域を有し、
    前記周辺回路領域において、前記半導体基板上に形成されたコンタクトホールの中に配され、前記不純物領域と接するコンタクトプラグを有し、
    前記周辺回路領域における前記コンタクトプラグは、前記半導体基板が有するコバルトシリサイドと接する、請求項17に記載の半導体装置。
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