JP2019083163A - カーボンの評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易的にカーボンを評価する方法を提供する。【解決手段】一群のカーボン試料のうち、結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅が各々異なる各カーボン試料を各電池の電極材料として用いて作製された一群の電池について低温特性評価及び/又は高率充放電特性評価を行い、得られた低温特性評価結果及び/又は高率充放電特性評価結果と、当該一群のカーボン試料の当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅と、の相関関係を示すデータを導出する工程と、前記相関関係を示すデータに基づいて、前記一群のカーボン試料の前記結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅に対応する評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定し、当該評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅から、当該評価用カーボンの電池低温特性及び/又は電池高率充放電特性の評価を行う工程と、を有する、カーボンの評価方法を提供する。【選択図】図3

Description

本開示は、カーボンの評価方法に関する。
特許文献1には、カーボン材料と有機溶媒の接触熱から電池容量を評価する方法が記載されている。
特開1997−082324号公報
電池用カーボンの電池低温特性及び電池高率充放電特性は実際に電池を組んでから評価するしかなく、手問がかかるという問題がある。
本開示は、上記実情に鑑み、簡易的にカーボンを評価する方法を提供することを目的とする。
本開示は、一群のカーボン試料のX線回析パターンを測定する工程と、
前記一群のカーボン試料のX線回折パターンから、Fundamental Parameter法(FP法)を用いて、前記一群のカーボン試料のa軸方向及びc軸方向を評価する面である(102)面又は(104)面の結晶子サイズ分布を測定し、当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定する工程と、
前記一群のカーボン試料のうち、結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅が各々異なる各カーボン試料を各電池の電極材料として用いて作製された一群の電池について低温特性評価及び/又は高率充放電特性評価を行い、得られた低温特性評価結果及び/又は高率充放電特性評価結果と、当該一群のカーボン試料の当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅と、の相関関係を示すデータを導出する工程と、
前記相関関係を示すデータに基づいて、前記一群のカーボン試料の前記結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅に対応する評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定し、当該評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅から、当該評価用カーボンの電池低温特性及び/又は電池高率充放電特性の評価を行う工程と、を有する、カーボンの評価方法を提供する。
本開示によれば、カーボンの結晶子サイズと電池の低温特性及び電池の高率充放電特性に相関関係があるため、当該関係を用いることで、実際の電池を組むことなく、カーボンの電池特性を評価することができる。
黒鉛のX線回折パターン(実測値、計算値、残差)の一例を示す図である。 黒鉛の結晶子サイズ分布の一例を示す図である。 黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性との関係を示す図である。 黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の1C充電後の低温特性との関係を示す図である。 黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅と、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性との関係を示す。 黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅と、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の1C充電後の低温特性との関係を示す。 黒鉛10種の(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性との関係を示す。 黒鉛10種の(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の1C充電後の低温特性との関係を示す。 黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の高率充放電特性(室温での10C充電後、室温での0.5C放電)との関係を示す。 黒鉛10種の各粒径と当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性との関係を示す図である。 黒鉛10種の各比表面積と当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性との関係を示す図である。
本開示は、一群のカーボン試料のX線回析パターンを測定する工程と、
前記一群のカーボン試料のX線回折パターンから、Fundamental Parameter法(FP法)を用いて、前記一群のカーボン試料のa軸方向及びc軸方向を評価する面である(102)面又は(104)面の結晶子サイズ分布を測定し、当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定する工程と、
前記一群のカーボン試料のうち、結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅が各々異なる各カーボン試料を各電池の電極材料として用いて作製された一群の電池について低温特性評価及び/又は高率充放電特性評価を行い、得られた低温特性評価結果及び/又は高率充放電特性評価結果と、当該一群のカーボン試料の当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅と、の相関関係を示すデータを導出する工程と、
前記相関関係を示すデータに基づいて、前記一群のカーボン試料の前記結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅に対応する評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定し、当該評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅から、当該評価用カーボンの電池低温特性及び/又は電池高率充放電特性の評価を行う工程と、を有する、カーボンの評価方法を提供する。
結晶子サイズ分布のピークトップ及び分布幅は、黒鉛内の欠陥(刃状転位、積層不整、格子欠陥等)と関係が深く、リチウムイオンの拡散性能に影響を及ぼすと考えられる。
そのため、結晶子サイズ分布のピークトップ及び分布幅が小さいと、リチウムイオンの拡散性を向上させられると考えられる。
リチウムイオンの拡散性能が向上すると、電池の低温特性及び高率充放電特性が向上する。
したがって、結晶子サイズ分布のピークトップ及び分布幅が小さいと電池の低温特性及び高率充放電特性が優れるのは、黒鉛内の欠陥(刃状転位、積層不整、格子欠陥等)により、リチウムイオンの拡散性が向上するためと考えられる。
よって、本開示によれば、カーボンの結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定することにより、簡易的にカーボンの電池低温特性及び電池高率充放電特性を評価することができる。
本開示のカーボンの評価方法は、少なくとも(1)X線回析パターン測定工程、(2)結晶子サイズ分布測定工程、(3)相関関係導出工程、及び、(4)評価工程を有する。
(1)X線回析パターン測定工程
X線回析パターン測定工程は、一群のカーボン試料のX線回析パターンを測定する工程である。
X線回析パターン測定は、X線回折法により、従来公知のX線回析測定装置を用いて行うことができる。
カーボン試料は、特に限定されず、電池に用いる電極用のカーボン材料を適宜選択することができ、天然黒鉛、人造黒鉛等が挙げられる。
カーボン試料は結晶を構成できているものであればよく、形状は、粒子状であってもよく、また板状やペレット状であってもよい。カーボンの二次粒子の形状は、球形であっても鱗片であってもよい。
カーボン試料の比表面積は、特に限定されないが、評価精度を向上させる観点から、1〜10m/gであってもよく、2〜7m/gであってもよい。
カーボン試料のc軸長格子定数は、特に限定されないが、評価精度を向上させる観点から、6.708〜6.740Åであってもよく、6.710〜6.736Åであってもよい。
カーボン試料の平均粒径は、特に限定されないが、評価精度を向上させる観点から、1〜30μmであってもよく、5〜25μmであってもよい。
本開示において、平均粒径とは、レーザー回折散乱式粒度分布を用いて測定したメディアン径(D50)である。
一群のカーボン試料は、後述する相関関係導出工程において相関関係を容易に導き出す観点から、各カーボン試料の平均粒径、比表面積、又は、c軸長格子定数の少なくともいずれか一つのパラメータが各々異なるものであってもよい。
(2)結晶子サイズ分布測定工程
結晶子サイズ分布測定工程は、前記一群のカーボン試料のX線回折パターンから、Fundamental Parameter法(FP法)を用いて、前記一群のカーボン試料のa軸方向及びc軸方向を評価する面である(102)面又は(104)面の結晶子サイズ分布を測定し、当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定する工程である。
FP法によれば、例えば、所定の回折角の範囲より得られたX線回折パターンに基づいて解析用ソフトウエアを用いることにより、カーボン試料の結晶子サイズ分布を求めることができる。
一群のカーボン試料について測定する結晶子サイズ分布から測定するパラメータは、(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップ、(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅、(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップ、及び、(104)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅からなる群より選ばれる少なくとも1種のパラメータである。
なお、一群のカーボン試料は、測定するパラメータを統一する必要がある。例えば、一群のカーボン試料のうちの1つのカーボン試料について(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップについて測定した場合は、一群のカーボン試料のうちのその他のカーボン試料についても(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップを測定する必要がある。
(3)相関関係導出工程
相関関係導出工程は、前記一群のカーボン試料のうち、結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅が各々異なる各カーボン試料を各電池の電極材料として用いて作製された一群の電池について低温特性評価及び/又は高率充放電特性評価を行い、得られた低温特性評価結果及び/又は高率充放電特性評価結果と、当該一群のカーボン試料の当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅との相関関係を示すデータを導出する工程である。
相関関係導出工程で用いる一群のカーボン試料は、各カーボン試料が、結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅が各々異なるものであってもよい。なお、上記「(2)結晶子サイズ分布測定工程」後に、結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅が各々異なる一群のカーボン試料を選別することができる。
一群の電池は、二次電池であれば、電池の種類は特に限定されない。
一群の電池において、各電池は、結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅が各々異なる各カーボン試料を当該各電池の電極材料として用いて作製されたものであればよい。
電極材料として用いるカーボン試料は、負極材料として用いてもよく、負極材料は、例えば、負極活物質として用いてもよい。
一群の電池の低温特性評価の方法は特に限定されない。例えば、電池を−30〜10℃にて0.1〜2C充電し、その後−30〜10℃にて0.1〜2C放電し、放電時の放電容量を測定して評価してもよい。なお、本開示において、低温とは、−30〜10℃の温度範囲をいうが、必ずしも上記温度範囲に限定されるものではない。
また、一群の電池の高率充放電特性評価の方法は特に限定されない。例えば、電池を室温で5〜20C充電し、その後、室温で0.1〜2C放電し、放電時の放電容量を測定して評価してもよい。なお、本開示において、高率のレートとは、2C以上のレートをいうが、必ずしも上記に限定されるものではない。
(4)評価工程
評価工程は、前記相関関係を示すデータに基づいて、前記一群のカーボン試料の前記結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅に対応する評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定し、当該評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅から、当該評価用カーボンの電池低温特性及び/又は電池高率充放電特性の評価を行う工程である。
一群のカーボン試料に用いられるカーボン材料と、評価用カーボンに用いられるカーボン材料は同じであっても異なっていてもよいが、精度よくカーボンを評価する観点から同じであってもよい。
そして、評価用カーボンについて測定する結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅は、カーボン試料と電池との相関関係を導き出した当該カーボン試料の結晶子分布のピークトップ又は分布幅と対応する。
すなわち、一群のカーボン試料と一群の電池との相関関係を導き出すために測定された当該カーボン試料の結晶子サイズ分布が、(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップである場合は、評価用カーボンについても、同様に(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップを測定すればよい。
評価用カーボンの平均粒径、比表面積、及び、c軸長格子定数は、特に限定されないが、精度よくカーボンを評価する観点から、上記一群のカーボン試料の平均粒径、比表面積、及び、c軸長格子定数について記載した範囲と同様の範囲であってもよい。
本開示の評価方法について、手順の一例を以下に示す。
まず、同種のカーボン材料で構成された結晶子サイズ分布が未知である複数のカーボン試料についてX線回析パターンを測定する。
そして、当該X線回折パターンから、複数のカーボン試料について、FP法を用いて(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップ、(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅、(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップ、及び、(104)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅からなる群より選ばれる少なくとも1種のパラメータについて測定する。
その後、上記パラメータが各々異なる一群のカーボン試料を選別し、当該一群のカーボン試料の各カーボン試料を各電池の電極材料として用いて、一群の電池を作製する。
そして、一群の電池について、低温特性評価及び/又は高率充放電特性評価を行う。
その後、一群のカーボン試料の結晶子サイズ分布のピークトップ又はピークの分布幅と、各カーボン試料を電極材料として用いて作製した各電池の低温特性評価及び/又は高率充放電特性評価により得られた電池の容量と、の相関関係を示すデータを導出する。
そして、電池特性を評価したい評価用カーボンを用意し、当該評価用カーボンについて、上記相関関係導出に用いた一群のカーボン試料の結晶子サイズ分布のピークトップ又はピークの分布幅に対応する、評価用カーボンの結晶子サイズ分布のピークトップ又はピークの分布幅を上記と同様の方法で測定する。
測定した評価用カーボンの結晶子サイズ分布のピークトップ又はピークの分布幅を、導出した相関関係を示すデータと照合することで、当該評価用カーボンの電池低温特性及び/又は高率充放電特性を評価する。
(参考例1)
[格子定数]
一群のカーボン試料として、黒鉛10種(表1において、試料No.1〜10と表記)を用意し、当該黒鉛10種についてX線回折法により、X線回折パターンを測定し、ピーク位置を用いてa軸長格子定数(Å)及びc軸長格子定数(Å)を算出した。結果を表1に示す。黒鉛のX線回折パターンの一例を図1に示す。
測定条件は以下の通りである。
<測定条件>
・装置:全自動多目的水平型X線回折装置 SmartLab(9kw)、集中法光学系、D/teX Ultra
・管球:Cu−Kα
・出力:45kV−200mA
・走査モード:連続
・サンプリング間隔:0.01°
・走査速度:1°/min
・走査角度:10〜140°
[X線回折パターン]
上記黒鉛10種について、X線回折法により、X線回折パターンを測定した。測定条件は以下の通りである。
<測定条件>
・装置:全自動多目的水平型X線回折装置 SmartLab(9kw)、集中法光学系、D/teX Ultra
・管球:Cu−Kα
・出力:45kV−200mA
・走査モード:連続
・サンプリング間隔:0.01°
・走査速度:0.5°/min
・走査角度:49.3〜73.7°
[結晶子サイズ分布]
上記黒鉛10種のそれぞれのX線回折パターンから、FP法を用いて結晶子サイズ分布を求めた。解析条件は以下の通りである。
<解析条件>
・軸発散モデル:Cheary−Coelho
・結晶子サイズ分布:対数正規分布(個数分布)
・線吸収係数:タップ密度を測定して黒鉛10種それぞれの線吸収係数を算出
・精密化回数:結晶子サイズが収束するまで精密化
FP法を用いて黒鉛の結晶子サイズ分布を求めた時の、結晶子サイズ分布の一例を図2に示す。
[低温特性評価]
上記黒鉛10種を用いてそれぞれコインセルを作製し、電池の低温特性を評価した。
コインセルの作製条件、及び、電池の低温特性を評価した時の評価条件は以下の通りである。
<コインセルの作製条件>
・正極:活物質(ニッケルマンガンコバルト酸化物)/導電化材(カーボン)/結着剤=90/6/4(質量%)
・負極:活物質(黒鉛)/結着剤=95/5(質量%)
・容量比:負極容量/正極容量=1.5
<低温特性の評価条件>
[0.5C充電]
まず、コインセルを室温にてエージング処理した。その後0℃にて0.5C充電した。そして0℃にて0.5C放電し、放電時の放電容量を測定した。
[1C充電]
まず、コインセルを室温にてエージング処理した。その後0℃にて1C充電した。そして0℃にて0.5C放電し、放電時の放電容量を測定した。
上記黒鉛(炭素材料)10種を用いた電池の低温特性評価結果を表1に示す。
[(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと低温特性]
上記黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップを調べた。上記黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップの値を表1に示す。
図3は、黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性と、の関係を示す図である。
図4は、黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の1C充電後の低温特性と、の関係を示す図である。
表1、図3〜4に示されるように、(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、電池の低温特性とは、相関関係があることがわかる。また、(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップが小さいと電池の低温特性が優れることがわかる。
[(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅と低温特性]
上記黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅を調べた。
なお、本開示において、ピークの分布幅とは、半値幅のことであり、結晶子サイズ分布におけるピークトップの値の半分の値をとる結晶子サイズの幅である。
結晶子サイズ分布のピークの分布幅と電池の低温性能との関係を図5〜6に示す。
図5は、黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅と、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性と、の関係を示す。
図6は、黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅と、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の1C充電後の低温特性と、の関係を示す。
図5〜6に示すように、(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅と、電池の低温特性とは、相関関係があることがわかる。また、結晶子サイズ分布のピークの分布幅が小さいと電池の低温特性が優れることがわかる。
[(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップと低温特性]
上記黒鉛10種の(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップを調べた。上記黒鉛10種の(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップの値を表1に示す。
結晶子サイズ分布のピークトップと電池の低温性能との関係を図7〜8に示す。
図7は、黒鉛10種の(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性との関係を示す。
図8は、黒鉛10種の(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の1C充電後の低温特性との関係を示す。
図7〜8に示すように、(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、電池の低温特性とは、相関関係があることがわかる。また、(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップが小さいと電池の低温特性が優れることがわかる。
[(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと高率充放電特性]
上記黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップを調べた。
結晶子サイズ分布のピークトップと、電池の高率充放電特性(室温での10C充電後、室温での0.5C放電)との関係を図9に示す。
図9は、黒鉛10種の(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の高率充放電特性(室温での10C充電後、室温での0.5C放電)との関係を示す。
図9に示すように、(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、電池の高率充放電特性とは、相関関係があることがわかる。また、(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップが小さいと電池の高率充放電特性が優れることがわかる。
(参考例2)
参考例1と同じ黒鉛10種(表1において、試料No.1〜10と表記)を準備し、当該黒鉛10種の平均粒径を、レーザー回折散乱式粒度分布を用いて測定した。
また、黒鉛10種の比表面積を、BET法(N吸着)を用いて測定した。
上記の測定結果を表1に示す。
得られた平均粒径、比表面積と、低温特性(0℃にて0.5C充電後、0℃にて0.5C放電時の放電容量)との関係を図10〜11に示す。
図10は、黒鉛10種の各平均粒径と当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性との関係を示す図である。
図11は、黒鉛10種の各比表面積と当該黒鉛10種を各々用いて作製した各電池の0.5C充電後の低温特性との関係を示す図である。
図10〜11に示されるように、黒鉛の平均粒径及び比表面積については、電池の低温特性と相関関係がないことが分かった。そのため、黒鉛の平均粒径及び比表面積と、電池の高率充放電特性との間にも相関関係がないと推定される。
※結晶子サイズ分布の相対値
[結晶子サイズ分布のピークトップ及び分布幅と、電池の低温特性との関係]
上記に示すように、平均粒径5〜25μm、比表面積2〜7m/g、格子定数(c軸長)6.710〜6.736の範囲においては、(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップ、ピークの分布幅、及び(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、電池の低温特性と、は相関関係があることがわかった。
そのため、(104)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅と、電池の低温特性との間にも相関関係があることが推定される。
[結晶子サイズ分布のピークトップ及び分布幅と、電池の高率充放電特性との関係]
また、(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップと、電池の高率充放電特性についても相関関係があることがわかった。
そのため、(102)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅、(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップ、及び、(104)面の結晶子サイズ分布のピークの分布幅と、電池の高率充放電特性との間にも相関関係があることが推定される。
したがって、本開示によれば、カーボンを電池に組み込むことなく、当該カーボンの(102)面の結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅、(104)面の結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定することにより、上記結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅と、電池低温特性及び電池高率充放電特性との相関関係に基づいて、当該カーボンの電池低温特性及び/又は電池高率充放電特性を評価することができる。

Claims (1)

  1. 一群のカーボン試料のX線回析パターンを測定する工程と、
    前記一群のカーボン試料のX線回折パターンから、Fundamental Parameter法(FP法)を用いて、前記一群のカーボン試料のa軸方向及びc軸方向を評価する面である(102)面又は(104)面の結晶子サイズ分布を測定し、当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定する工程と、
    前記一群のカーボン試料のうち、結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅が各々異なる各カーボン試料を各電池の電極材料として用いて作製された一群の電池について低温特性評価及び/又は高率充放電特性評価を行い、得られた低温特性評価結果及び/又は高率充放電特性評価結果と、当該一群のカーボン試料の当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅と、の相関関係を示すデータを導出する工程と、
    前記相関関係を示すデータに基づいて、前記一群のカーボン試料の前記結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅に対応する評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅を測定し、当該評価用カーボンの当該結晶子サイズ分布のピークトップ又は分布幅から、当該評価用カーボンの電池低温特性及び/又は電池高率充放電特性の評価を行う工程と、を有する、カーボンの評価方法。
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CN113962585A (zh) * 2021-10-29 2022-01-21 中持水务股份有限公司 一种碳源性能测评方法及系统
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