JP2019083096A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】100[W/mK]以上の高い熱伝導率を得ることができ、長期の使用に資することのできる燃料電池用セパレータを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂と導電材とを含有する成形材料により成形され、燃料と酸化剤用の流路を複数有する燃料電池用セパレータであり、成形材料の熱可塑性樹脂がポリフェニレンスルフィド系樹脂とされ、導電材が黒鉛とされており、これらポリフェニレンスルフィド系樹脂と黒鉛とが重量配合比100:1700〜2500で混合されるとともに、ポリフェニレンスルフィド系樹脂のメルトフローレートが120[g/10min]以上に設定されることにより、熱伝導率が100[W/mK]以上とされる。熱伝導率の向上により、水の生成熱を燃料電池用セパレータの全体に拡散・伝熱することができ、燃料電池用セパレータの長期に亘る使用が期待できる。【選択図】なし

Description

本発明は、次世代エネルギー技術の有力候補である燃料電池の燃料電池用セパレータに関するものである。
燃料電池は、必要なエネルギー量に応じて複数の単位セルが一列に積層され、各単位セルが燃料電池用セパレータや膜電極接合体(MEA)等から形成されており、水素と酸素の反応により、水を生成する過程で発電する発電装置である。この装置の部品の中で、燃料電池用セパレータは、燃料電池の大部分を占める重要な部品であり、高い物性、例えば低い電気抵抗値、優れたガス透過性・導電性・曲げ強度、薄肉化等が求められている(特許文献1、2、3、4参照)。
このような燃料電池用セパレータを製造する場合には、熱可塑性樹脂と黒鉛とが所定量混合した成形材料で成形する方法が採用されている。熱可塑性樹脂としては、機械的強度・成形性・耐久性・耐薬品性等に優れるポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂等が採用されている。
特開2014‐022096号公報 特開2008‐078023号公報 特開2001‐122677号公報 特開2001‐126744号公報
従来における燃料電池用セパレータは、以上のように構成され、成形材料の熱可塑性樹脂と黒鉛とが単に配合・混合されるので、100[W/mK]以上の高い熱伝導率を得ることが困難であり、長期の使用に問題がある。
係る問題について詳しく説明すると、燃料電池用セパレータは、多数枚(例えば、自動車用の場合、400枚)の積層が要求されるのに鑑み、薄肉化が図られているが、薄肉化のために熱可塑性樹脂の樹脂比率を増大させると、ガスリーク性が向上するものの、電気抵抗値が上昇するので、比例して熱伝導率が下がることとなる。例えば、従来における燃料電池用セパレータは、薄肉化の観点から、熱可塑性樹脂の樹脂比率を増大させている関係上、25〜42[W/mK]の熱伝導率を得ることはできるが、100[W/mK]以上の熱伝導率を得ることは非常に困難である。
しかしながら、近年の燃料電池は、運転中の熱コントロールが重視され、100[W/mK]以上の高い熱伝導率が切望されている。これは、熱伝導率が高ければ、水の生成熱等を燃料電池用セパレータの一部ではなく、全体に拡散・伝熱することができるので、燃料電池用セパレータの長期に亘る使用が期待できるからである。したがって、熱伝導率が25〜42[W/mK]という低い値では、水の生成熱等を燃料電池用セパレータの一部にしか伝熱できないおそれがあり、燃料電池用セパレータの長期使用に困難が生じる。
本発明は上記に鑑みなされたもので、100[W/mK]以上の高い熱伝導率を得ることができ、長期の使用に資することのできる燃料電池用セパレータを提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、熱可塑性樹脂と導電材とを含有する成形材料により成形され、燃料と酸化剤用の流路を有する燃料電池用セパレータであり、
成形材料の熱可塑性樹脂がポリフェニレンスルフィド系樹脂とされるとともに、導電材が黒鉛とされ、これらポリフェニレンスルフィド系樹脂と黒鉛とが重量配合比100:1700〜2500で混合されることにより、熱伝導率が100[W/mK]以上とされることを特徴としている。
なお、曲げ強度が25[MPa]以上であることが好ましい。
また、ポリフェニレンスルフィド系樹脂のメルトフローレートが120[g/10min]以上に設定されることが好ましい。より好ましくは、ポリフェニレンスルフィド系樹脂のメルトフローレートが650[g/10min]以上4100[g/10min]以下に設定されると良い。
また、黒鉛の平均粒径が100μm以上150μm以下にされると良い。
ここで、特許請求の範囲における黒鉛は、異方性でも良いし、等方性でも良い。また、鱗片状タイプ、鱗状タイプ、土状タイプ、人造タイプ、膨張タイプ等があるが、特に問うものではない。混合という用語には、混練が含まれる。さらに、本発明に係る燃料電池用セパレータは、家庭用、小型店舗用、自動車用、モバイル機器用等の燃料電池に利用することができる。
本発明によれば、成形材料のポリフェニレンスルフィド系樹脂に大量の黒鉛粒子を配合するので、大量の黒鉛粒子が熱伝導路を形成し、燃料電池用セパレータの熱伝導率が100[W/mK]以上となる。
本発明によれば、ポリフェニレンスルフィド系樹脂と黒鉛とが重量配合比100:1700〜2500で混合されるので、100[W/mK]以上の高い熱伝導率を得ることができ、燃料電池用セパレータを長期に亘って使用することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における燃料電池用セパレータは、熱可塑性樹脂と導電材とを含有する成形材料により成形され、燃料と酸化剤用の流路を複数有する板形のセパレータであり、成形材料の熱可塑性樹脂がポリフェニレンスルフィド系樹脂とされるとともに、導電材が黒鉛とされ、これらポリフェニレンスルフィド系樹脂と黒鉛とが重量配合比100:1700〜2500で混合されることにより、熱伝導率が100[W/mK]以上とされる。
燃料電池用セパレータは、図示しないが、平面略矩形の薄い板を備え、この板の略平坦な表裏両面の周縁部以外の中央部に、燃料用の流通路を区画する複数の流路が横一列に並んでそれぞれ平面略S字形に配列形成されており、電解質層、空気極、燃料極と共に積層されて燃料電池を構成する。板の周縁部には、複数の流路の端部に略連通する複数の貫通口が並べて穿孔され、各貫通口が略トラック形に形成される。また、各流路は、断面略U字の溝形に凹み形成される。
成形材料の熱可塑性樹脂は、機械的強度・成形性・耐久性・耐薬品性等に優れる粉末のポリフェニレンスルフィド系樹脂が使用される。このポリフェニレンスルフィド系樹脂は、ポリフェニレンスルフィド骨格を有していれば良く、ポリフェニレンスルフィドと同族ポリマー(例えば、ポリフェニレンスルフィドケトンPPSK,ポリフェニレンスルフィドスルホンPPSS,ポリビフェニレンスルフィドPBPS等)も含まれる。
ポリフェニレンスルフィド系樹脂は、部分的な架橋構造を有していても良く、逆に架橋構造を有していなくても良い。また、ポリフェニレンスルフィド系樹脂は、直鎖構造を有する直鎖型(通常、リニア型又はセミリニア型と称する)でも良いし、分岐構造を有する分岐型でも良いが、通常は直鎖型が好ましい。さらに、ポリフェニレンスルフィド系樹脂は、ベンゼン環に置換基を有していても良い。
なお、ポリフェニレンスルフィド系樹脂は、溶出イオン防止の観点から、酸や水等により洗浄して使用されることが好ましい。これは、ポリフェニレンスルフィド系樹脂を洗浄して使用すれば、燃料電池の作動中に熱水中に溶出するイオンを低減し、燃料電池の劣化を防止することができるからである。
黒鉛は、大量の粉末の黒鉛粒子が用いられるのが好ましい。この黒鉛粒子としては、球状の黒鉛粒子(例えば、球状化された天然黒鉛、人造黒鉛、フリュートコークス、ギルソナイトコークス等)、アスペクト比が2.0以下の黒鉛粉末(例えば、アスペクト比1〜2.0程度の天然黒鉛粉末や人造黒鉛粉末)等があげられる。また、黒鉛粒子の平均粒径は、特に限定されるものではないが、取り扱いを容易にする観点から、100μm以上150μm以下、好ましくは115μm以上135μm以下、より好ましくは118μm以上122μm以下とされる。この黒鉛粒子の具体例としては、例えば8020SJ(オリエンタル産業株式会社製:製品名)等があげられる。
ポリフェニレンスルフィド系樹脂と黒鉛とは、電気抵抗値を低減し、熱伝導率を向上させる観点から、重量配合比100:1700〜2500、好ましくは100:1750〜2450、より好ましくは100:1800〜2400で攪拌・混合される。
ポリフェニレンスルフィド系樹脂のメルトフローレート(Melt Flow Rate:MFR)は、溶融したポリフェニレンスルフィド系樹脂の流動性の大きさを数値で示す指標であり、120[g/10min]以上に設定される。具体的には、120[g/10min]以上4100[g/10min]以下、好ましくは650[g/10min]以上4100[g/10min]以下、より好ましくは700[g/10min]以上4050[g/10min]以下に設定される。
メルトフローレートが120[g/10min]以上なのは、120[g/10min]以下の場合には、ポリフェニレンスルフィド系樹脂の流動性が悪化して燃料電池用セパレータの熱伝導率を悪化させ、熱伝導率が100[W/mK]未満となるからである。
メルトフローレートの測定は、材料の種類毎に決められる標準条件の温度及び載荷荷重の下、シリンダの底部に設置された規定口径のダイスから10分当たりに押し出される樹脂量を計測して得られる。また、ポリフェニレンスルフィド系樹脂のメルトフローレートの上限値は、下限値と異なり、特に限定されるものではないが、実用性を考慮すると、4100[g/10min]以下が良い。
熱伝導率は、水の生成熱や燃料電池運転温度からの熱を燃料電池用セパレータの全体に拡散・伝熱する観点から、100[W/mK]以上であれば良い。好ましくは110[W/mK]以上、より好ましくは114[W/mK]以上が良い。この熱伝導率は、定常比較法である円板熱流計法(ASTM E1530では保護熱流計法という)により測定される。
上記において、熱伝導率が100[W/mK]以上の燃料電池用セパレータを製造する場合には、粉末のポリフェニレンスルフィド系樹脂と多量の粉末の黒鉛粒子とを所定の重量配合比でタンブラーボトルやヘンシェルミキサ等に多数のジルコニアボールと共に加え、配合機により所定の時間、攪拌・混合し、燃料電池用セパレータの成形材料を調製する。この際、粉末のポリフェニレンスルフィド系樹脂が溶融しないよう、加熱することなく配合することが好ましい。
こうして成形材料を調製したら、離型剤が予め塗布された燃料電池用セパレータの専用金型の下型に成形材料を充填し、この成形材料をスクレーバで平らにならし、下型をプッシャで軽く押圧してエアを外部に抜いた後、下型に専用金型の上型を嵌合してプレス機で本加熱加圧することにより、燃料電池用セパレータを圧縮成形する。成形材料の充填に際しては、専用金型の成形温度をポリフェニレンスルフィド系樹脂の融点よりも低くしておくことが好ましい。
成形材料を充填する場合には、燃料電池用セパレータの板と複数の流路とで成形材料の成形量が相違し、しかも、粉末の黒鉛粒子の流動性が低いので、これを考慮して充填する。具体的な充填方法としては、(1)専用金型の下型に計量した成形材料を充填してスクレーバ等により均一に広げてならし、複数の流路を成形する専用金型の成形部の成形材料をスクレーバ等によりかき取り、成形材料をバランス良く充填する方法、(2)燃料電池用セパレータの形状を考慮し、専用金型の下型に成形材料をディスペンサーにより増減させながら充填する方法のいずれかが選択して採用される。
エアを外部に抜いた場合には、プレス機で直ちに本加熱加圧しても良いが、本加熱加圧の前段階で予備加熱加圧すれば、燃料電池用セパレータの低温割れの防止、硬化組織の生成防止、延性・じん性等の機械的性質の向上、変形・残留応力の低減を図ることができる。専用金型の加熱加圧に際しては、成形材料の充填された専用金型を成形機の所定温度まで加熱した一対の熱板間にセットして加熱加圧する。また、専用金型の加熱温度はポリフェニレンスルフィド系樹脂の融点+100℃〜+150℃程度が好ましく、専用金型の加圧圧力は300kg/cm以上が必要である。
専用金型が加熱加圧されると、成形材料の加圧に伴い、大量に配合された複数の黒鉛粒子が密接してその間にポリフェニレンスルフィド系樹脂の流入する空隙が形成され、ポリフェニレンスルフィド系樹脂の融点を越えた温度域でポリフェニレンスルフィド系樹脂が流動し始め、複数の黒鉛粒子の周囲やその間にポリフェニレンスルフィド系樹脂が流動・流入することとなる。専用金型の加熱加圧時間としては、複数の黒鉛粒子の間にポリフェニレンスルフィド系樹脂が流入するのに要する時間であれば良い。
燃料電池用セパレータを圧縮成形したら、専用金型を所定の時間冷却し、専用金型から燃料電池用セパレータを脱型すれば、表裏両面にサーペイン型の流路を複数備えた薄い燃料電池用セパレータを製造することができる。専用金型を冷却する方法としては、(1)専用金型を取り外して冷却された別の成形機の一対の熱板間にセットし、加圧冷却する方法、(2)専用金型を成形機の一対の熱板間にセットしたままで加圧冷却する方法等があげられる。
専用金型は、ポリフェニレンスルフィド系樹脂の融点以下、好ましくはポリフェニレンスルフィド系樹脂の融点−100℃以下、より好ましくはポリフェニレンスルフィド樹脂のガラス転移点以下まで冷却する。これは、係る温度まで専用金型を冷却すれば、燃料電池用セパレータの導電性が向上し、燃料電池用セパレータの反りや曲がりの低減に資するからである。
但し、冷却温度の低下に伴い生産性が悪化するので、導電性を満足する範囲の高温で燃料電池用セパレータを脱型し、ガラス転移点以上の温度でアニーリングして燃料電池用セパレータの反りや曲がりを矯正しても良い。アニーリングは、燃料電池用セパレータを積層して0.05kg/cmの錘を載せることにより、実施することが好ましい。
製造された燃料電池用セパレータの曲げ強度は、機械的強度を確保するため、25[MPa]以上、好ましくは25.5[MPa]以上が良い。また、燃料電池用セパレータの曲げ弾性率は、優れた機械的特性を得る観点から、10[GPa]以上、好ましくは10.1[GPa]以上が良い。燃料電池用セパレータの面方向抵抗値は、電力損失抑制の観点から、2.00[mΩ・cm]未満、好ましくは1.98[mΩ・cm]未満、より好ましくは1.97[mΩ・cm]未満が良い。
上記によれば、成形材料のポリフェニレンスルフィド系樹脂に大量の黒鉛粒子を配合するので、この黒鉛粒子間が狭まって熱伝導路を形成し、燃料電池用セパレータの熱伝導率が100[W/mK]以上となる。この熱伝導率の向上により、水の生成熱を燃料電池用セパレータの全体に拡散・伝熱することができ、薄肉化を図りながら燃料電池用セパレータの長期に亘る使用が大いに期待できる。また、黒鉛粒子の密接により、電気抵抗値を低下させ、電気伝導性を向上させることができる。
さらに、成形材料のポリフェニレンスルフィド系樹脂のメルトフローレートを120[g/10min]以上に設定するので、ポリフェニレンスルフィド系樹脂の流動性が向上し、黒鉛粒子が密接する。この黒鉛粒子の密接により、黒鉛粒子間の空隙が狭まって熱伝導路を形成するので、燃料電池用セパレータの熱伝導率をより確実に100[W/mK]以上にすることができる。
なお、上記実施形態では黒鉛を、1種類の黒鉛粒子としたが、何らこれに限定されるものではない。例えば黒鉛を、平均粒径の異なる少なくとも2種類以上の黒鉛粒子としても良い。この場合、1種類の黒鉛粒子の平均粒径を100μm以上150μm以下とし、他種類の黒鉛粒子の平均粒径を40μm以上60μm以下にすることができる。
以下、本発明に係る燃料電池用セパレータの実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
熱伝導率が100[W/mK]以上、かつ曲げ強度が25[MPa]以上の燃料電池用セパレータを製造するため、先ず、粉末のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂と粉末の黒鉛粒子とを用意した。
ポリフェニレンスルフィド樹脂としては、メルトフローレート値が4000[g/10min]のL4031(東レ株式会社製:製品名)を用いた。また、黒鉛粒子としては、平均粒径120μmの8020SJ(オリエンタル産業株式会社製:製品名)を用いた。これらの重量配合比は、100:1800に調整した。
次いで、ポリフェニレンスルフィド樹脂と、黒鉛粒子とを60Lタンブラーボトル〔株式会社セイワ技研製〕に多数のジルコニアボール〔株式会社ニッカトー製〕と共に加え、配合機〔株式会社セイワ技研製:製品名TM‐60P〕により回転数30rpm(40Hz)、60分の条件で攪拌・混合し、燃料電池用セパレータの成形材料を調製した。ジルコニアボールは、φ9mmサイズとφ5mmサイズとをそれぞれ9kg、合計18kg用いた。
こうして成形材料を調製したら、離型剤〔ダイキン工業株式会社製:製品名GA‐7500〕が予め噴霧・塗布された燃料電池用セパレータの専用金型の下型に成形材料を充填し、この成形材料をスクレーバで平らに広げてならし、下型をプッシャで軽く押圧してエアを外部に抜いた後、下型に専用金型の上型を嵌合して300tのプレス機で本加熱加圧することにより、燃料電池用セパレータを圧縮成形した。
専用金型は、S45C材により構成した。また、プレス機は、その上熱板を380℃、下熱板を440℃に設定した。本加熱加圧は、面圧481kg/cm、7分間の条件で実施した。
燃料電池用セパレータを圧縮成形したら、専用金型を所定の時間冷却し、専用金型から燃料電池用セパレータを脱型して燃料電池用セパレータを製造した。専用金型の冷却は、面圧481kg/cm、22分間の条件で実施した。脱型した燃料電池用セパレータは、測定したところ、297×210×4tmmの大きさであった。
燃料電池用セパレータを製造したら、この燃料電池用セパレータの熱伝導率、曲げ強度、曲げ弾性率、面方向抵抗値をそれぞれ測定し、表1にまとめて評価した。燃料電池用セパレータの熱伝導率は、ASTM E1530の円板熱流計法により測定した。また、燃料電池用セパレータの曲げ強度と曲げ弾性率、面方向抵抗値は、JIS K7171に準拠した曲げ試験(n=5)により測定した。
〔実施例2〕
ポリフェニレンスルフィド樹脂として、メルトフローレート値が4000[g/10min]のL4031(東レ株式会社製:製品名)を用いた。また、黒鉛粒子として、平均粒径120μmの8020SJ(オリエンタル産業株式会社製:製品名)を用いた。これらの重量配合比は、100:2000に調整した。
その他は実施例1と同様にして燃料電池用セパレータを製造し、製造した燃料電池用セパレータの熱伝導率、曲げ強度、曲げ弾性率、面方向抵抗値をそれぞれ測定し、表1にまとめて評価した。
〔実施例3〕
ポリフェニレンスルフィド樹脂として、メルトフローレート値が4000[g/10min]のL4031(東レ株式会社製:製品名)を採用した。また、黒鉛粒子として、平均粒径120μmの8020SJ(オリエンタル産業株式会社製:製品名)を採用した。これらの重量配合比は、100:2200に調整した。
その他は実施例1と同様にして燃料電池用セパレータを製造し、製造した燃料電池用セパレータの熱伝導率、曲げ強度、曲げ弾性率、面方向抵抗値をそれぞれ測定し、表1にまとめて評価した。
〔実施例4〕
ポリフェニレンスルフィド樹脂として、メルトフローレート値が4000[g/10min]のL4031(東レ株式会社製:製品名)を採用した。また、黒鉛粒子として、平均粒径120μmの8020SJ(オリエンタル産業株式会社製:製品名)を採用した。これらの重量配合比は、100:2400に調整した。
その他は実施例1と同様にして燃料電池用セパレータを製造し、製造した燃料電池用セパレータの熱伝導率、曲げ強度、曲げ弾性率、面方向抵抗値をそれぞれ測定し、表1にまとめて評価した。
〔比較例〕
燃料電池用セパレータを製造するため、粉末のポリフェニレンスルフィド樹脂と、粉末の黒鉛粒子とを用意した。ポリフェニレンスルフィド樹脂としては、メルトフローレート値が600[g/10min]のM2888(東レ株式会社製:製品名)を用いた。また、黒鉛粒子として、平均粒径120μmの8020SJ(オリエンタル産業株式会社製:製品名)を採用した。これらの重量配合比は、100:1600に設定した。
次いで、ポリフェニレンスルフィド樹脂と黒鉛粒子とを60Lタンブラーボトル〔株式会社セイワ技研製〕に多数のジルコニアボール〔株式会社ニッカトー製〕と共に加え、配合機〔株式会社セイワ技研製:製品名TM‐60P〕により回転数30rpm(40Hz)、60分の条件で攪拌・混合し、燃料電池用セパレータの成形材料を調製した。ジルコニアボールは、φ9mmサイズとφ5mmサイズとをそれぞれ9kg、合計18kg用いた。
その他は実施例1と同様にして燃料電池用セパレータを製造し、この製造した燃料電池用セパレータの熱伝導率、曲げ強度、曲げ弾性率、面方向抵抗値をそれぞれ測定し、表1にまとめて評価した。
Figure 2019083096
各実施例における燃料電池用セパレータは、ポリフェニレンスルフィド系樹脂と黒鉛との重量配合比が100:1700〜2500なので、熱伝導率が100[W/mK]以上となり、きわめて良好な結果を得た。また、燃料電池用セパレータの曲げ強度が25[MPa]以上、面方向抵抗値が1.96[mΩ・cm]以下となり、良好な結果を得た。さらに、水素や酸素の気体透過性についても測定したが、優れた結果を得ることができた。
これに対し、比較例における燃料電池用セパレータは、曲げ強度や曲げ弾性率こそ良好であったが、ポリフェニレンスルフィド樹脂と黒鉛粒子の重量配合比が100:1600なので、熱伝導率が100[W/mK]未満の78.5[W/mK]となり、満足する結果を得ることができなかった。
本発明に係る燃料電池用セパレータは、燃料電池の製造分野で使用される。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂と導電材とを含有する成形材料により成形され、燃料と酸化剤用の流路を有する燃料電池用セパレータであり、
    成形材料の熱可塑性樹脂がポリフェニレンスルフィド系樹脂とされるとともに、導電材が黒鉛とされ、これらポリフェニレンスルフィド系樹脂と黒鉛とが重量配合比100:1700〜2500で混合されることにより、熱伝導率が100[W/mK]以上とされることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 曲げ強度が25[MPa]以上である請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
  3. ポリフェニレンスルフィド系樹脂のメルトフローレートが120[g/10min]以上に設定される請求項1又は2記載の燃料電池用セパレータ。
  4. ポリフェニレンスルフィド系樹脂のメルトフローレートが650[g/10min]以上4100[g/10min]以下に設定される請求項3記載の燃料電池用セパレータ。
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