JP2019082957A - 人体を検出するための処理装置、処理方法、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

人体を検出するための処理装置、処理方法、プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】効率のよい人体検出処理のシミュレーションを行う。【解決手段】人体検出処理の対象となる映像に対して実際の人の代わりとなる人体モデルの画像を重畳し、人体モデルの画像が重畳された画像に対して検出処理を行うことによって、実際の人を検出対象とせずに処理時間の導出を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、映像内の人体を検出する処理に要する処理時間を効率的に導出する方法に関するものである。
従来、カメラで撮像した映像を解析して人体を検出してその数を計測(カウント)する技術が知られている。この技術において、人体検出処理を行う検出エリアを映像内で指定する方法が知られている。ところが検出エリアによっては、想定より処理時間がかかってしまうことがあるため、事前に処理時間を計測し、検出エリアなどのパラメータを調整する必要がある。
例えば、この調整のために、ユーザが実空間内に人が立っている様子を撮像した映像を確認しつつ、当該映像の人体検出処理に要する時間を計測することが考えられる。しかしながら、実空間内に人が立っている所を撮像した映像を作成するには、多くの実際の人間を動員する必要があり、とても手間がかかる。
一方、特許文献1では、領域の端点に人体を模した人物モデルを3Dモデル内に配置することにより、領域の端点に存在する人物がどのように表示されるかの検証を行う処理が開示されている。
特開2011−097284号公報
効率のよい人体検出処理のシミュレーションを行うことを目的とする。また、より実空間上により近い人物モデルの配置を用いてより精度の高い人体検出処理のシミュレーションを実現することを目的とする。
本発明の人体を検出するための処理装置は、撮像装置から得られた映像に、予め設定された数の人体モデルの画像を重畳する重畳手段と、前記重畳手段によって人体モデルの画像が重畳された映像から人体を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果および検出にかかった処理時間を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
本発明により、人体検出処理の処理時間を効率的に導出することができる。
検証システムの構成図及び画像処理装置の構成図 設定装置の構成図 設定装置の設定画面 画像処理装置の処理の一例を示すフローチャート 人体モデルの画像の重畳パターン及び重畳画像作成方法の一例 実環境に沿ったサイズの人体モデルの画像を作成するための設定方法の一例 実環境に沿った重なりで人体モデルの画像を配置するための設定方法の一例 床面を考慮して人体モデル配置を行うための設定方法の一例 設定装置および処理装置のハードウエア構成を示す図。
以下、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
本実施形態では、人体モデルを使用してユーザが設定した想定検出処理時間内に実際の検出処理時間が収まっているかの検証を行う検証システムについて記述する。
以下、図1、図2、図3ないし図4を参照して、本実施形態の検証システムについて説明する。
図1Aは、本発明の本実施形態にかかる検証システムの構成及び検証システム内の処理装置100の構成を示すブロック図である。
図1Bは、図1A内に示された解析部130の内部構成を示すブロック図である。
当該検証システムは、ネットワークカメラであるところの撮像装置180によって撮像された映像の解析結果を出力する処理装置100およびユーザからの要求に従って各種設定を行う設定装置190から構成される。なお、処理装置100の構成は撮像装置180に内蔵されてもよいし、処理装置100および設定装置190が一体的に構成されてもよい。
図1に示す処理装置100は、取得部110、重畳部120、解析部130、記憶部140、制御部150、圧縮部160、I/F部170から構成される。
取得部110は、処理装置100に接続されたネットワークカメラなどの撮像装置180あるいは不図示のビデオレコーダから映像を取り込む。そして取得部110は、後述の制御部150からの指示による映像データの復号および映像のサイズ変換処理などを行い、重畳部120に出力する。
重畳部120は、後述の制御部150からの指示によって、取得部110から出力された映像に人体モデルの画像を重畳する。本形態では人体モデルの画像として予め記憶部140に保存されている実際の人体の画像を使用することにするが、コンピュータグラフィックス等を使用して作成した画像を使用してもよい。重畳部120は、後述の検出部が検出すべき人体を模した人体モデルの画像を、検出部131が検出を行うように設定された領域(以下、人体検出領域)内の映像に重畳する。重畳部120で人体モデルの画像が重畳された映像データは解析部130と圧縮部160に送られる。
圧縮部160は後述の制御部150からの指示による圧縮方法や圧縮率で映像データを圧縮し、I/F部170を介して処理装置100から出力させる。圧縮方式は、例えば、Motion JPEG、MPEG4、H.264、などの規格に基づく。
解析部130は、人体形状の認識処理等の画像処理を用いて画像上の予め設定された人体検出領域内における人体を検出し、検出した人体の数のカウント及び人体検出処理に要した処理時間の算出を行う。検出部131は、公知の技術を用いて1画像内の検出領域内の人体を検出し、検出結果を算出部132に送る。算出部132は検出部131から送られた検出結果をもとに、検出領域内の人体の数をカウントし、人体の数を解析結果作成部134に送る。計測部133は検出部が人体の数の計測の処理に要した検出処理時間の計測を行い、結果を解析結果作成部134に送信する。解析結果作成部134は算出部132及び計測部133から送られた結果をもとに、解析結果の作成を行い、解析結果をI/F部170に送る。
ここで検出部131では、映像内の形状と予め定められた人体の形状とのパターンマッチングを行うことにより人体が検出される。よって、撮影されている環境に実際に人体が存在していなくても、人工的に人体の形状を有する画像を映像に対して重畳すれば、それを人体として検出させることが可能である。
記憶部140は取得部110、重畳部120、解析部130、圧縮部160の設定を記憶するRAMなどのメモリなどのコンピュータ可読記憶媒体である。
なお、取得部110に対する設定は、例えば、取得した映像サイズの変換等の設定を含む。また、重畳部120の設定は、例えば、入力画像に重畳する人体モデルの画像の形や大きさ、数、配置方法等についての設定を含む。また、解析部130の設定は、人体検出領域の範囲、検出する人体のサイズ等についての設定を含む。さらに、圧縮部160の設定は、例えば、画像圧縮部160に入力された画像の圧縮方法や圧縮率等についての設定を含む。
制御部150は、I/F部170を介してユーザ端末装置である設定装置190からの命令に基づいて、前述の取得部110、重畳部120、解析部130、圧縮部160の動作を制御し、映像および映像の解析結果を設定装置190に出力する。これらの制御は制御部150を動作させるCPUなどのプロセッサ及びメモリによって行われる。具体的にはメモリから読み出されたプログラムに基づいてプロセッサが制御部150の動作を実行する。
制御部150が受け取る設定装置190からの制御命令は、検証開始命令および設定保持命令を含む。
検証開始命令とは、制御部150が重畳部120及び解析部130を使用し、人体モデルを使用した人体検出処理時間の導出を実行させる命令のことをいう。
設定保持命令とは取得部110、重畳部120、解析部130、圧縮部160の動作設定を処理装置100に保持させる命令のことである。設定保持命令を受けた場合、制御部150は記憶部140に取得部110、重畳部120、解析部130、圧縮部160の動作設定を保存する。保存した設定は設定装置190からの制御命令がない場合の各部のデフォルト動作用の設定として用いられる。
I/F部170はネットワークを介して処理装置100と設定装置190との情報の受渡しを行う。設定装置190からの制御命令を制御部150に伝え、解析部130の解析結果、圧縮部160からの出力された映像データ、および制御部150からの応答を設定装置190に出力する。
図2は図1A内に示した設定装置190の構成を示すブロック図である。設定装置190はI/F部210、解析設定制御部220、解析変数設定部230、重畳設定制御部240、検証変数設定部250から構成される。
I/F部210は、ネットワークを介してユーザが設定した内容を処理装置100に対して送信する。解析変数設定部230は、ユーザが解析設定や解析命令を設定するためのユーザインターフェースを生成する。
解析設定制御部220は解析変数設定部230で設定された解析設定や解析命令を取得し、処理装置100への指示コマンドに変換を行い、I/F部210へと出力する。解析設定は、例えば人体を検出する対象である検出領域の座標情報等の設定を含む。
検証変数設定部250は、ユーザが人体モデルの画像及び重畳方法に関する設定を行うためのユーザインターフェースを生成する。
重畳設定制御部240は、検証変数設定部250で設定された重畳モデル設定及び重畳変数設定を取得し、処理装置100への指示コマンドに変換を行い、I/F部210へと出力する。重畳モデル設定とは、重畳するモデルの画像の種類や画像のサイズ等の設定等である。重畳変数設定は、重畳する人体モデルの画像の数の設定等の設定を含む。
図3は検証変数設定部250によって生成され、ディスプレイ上に表示されるユーザインターフェースの一例を示した図である。
検証変数設定GUI300は、映像表示部310、人体モデル数設定部320、人体モデルサイズ設定部330、想定処理時間設定部340、処理時間表示部350、処理時間判定結果表示部360を有する。さらに、GUI300は、設定保存ボタン370、検証開始ボタン380、検証終了ボタン390を有する。
映像表示部310は、処理装置100から送信された映像及び、不図示の解析変数設定GUIにより設定された検出領域311の表示を行う。検出領域311は、映像表示部310によって表示される映像上で設定される。
人体モデル数設定部320は、検証時に重畳する人体モデルの数をユーザによって指定させるためのものである。人体モデルサイズ設定部330は、映像に重畳する人体モデルのサイズの範囲を指定するためのものである。本実施の形態では、高さ方向を用いて人体モデルの範囲を指定可能とするためのものである。想定処理時間設定部340は、ユーザが想定する処理時間を指定可能とするためのものである。処理時間表示部350は、処理装置100から送られた人体検出処理にかかった時間の表示を行うためのものである。
処理時間判定部360は、想定処理時間設定部340で指定された想定処理時間と処理装置100から送られた人体検出処理時間を比較し、人体検出処理時間が想定処理時間以内に完了しているかの判定結果の表示を行うためのものである。
設定保存ボタン370は、検証変数設定GUI300の設定の完了を指示し、処理装置100へ設定値及び設定保持命令を含む指示コマンドを送ることを指示するためのボタンである。検証開始ボタン380は、処理装置100へ検証開始命令を送ることを指示するためのボタンである。検証終了ボタン390は、検証変数設定GUIの表示を終了するためのボタンである。
図9は、処理装置100および設定装置190のハードウエアの構成を示す図である。図9において、処理装置100および設定装置190は、CPU2011、一次記憶装置2012、二次記憶装置2013、ユーザ入力インタフェース2015、ユーザ出力インタフェース2016、ネットワークインタフェース2017を有する。そしてそれらが内部バス2014を介して相互に接続されている。一次記憶装置2012は、RAMに代表される書き込み可能な高速の記憶装置で、OSや各種プログラム及び各種データがロードされ、またOSや各種プログラムの作業領域としても使用される。
二次記憶装置2013は、HDD、フラッシュメモリ、CD−ROMドライブ等に代表される不揮発性を持った記憶装置で、OSや各種プログラム及び各種データの永続的な記憶領域として使用される他に、短期的な各種データの記憶領域としても使用される。
ユーザ入力インタフェース2015にはキーボード、マウス、ジョイスティック等に代表される入力機器2018が接続され、ユーザからの入力をCPU2011へ中継する。入力機器2018は、スマートフォン、タブレット等のタッチパネルでもよい。
ユーザ出力インタフェース2016にはディスプレイ等に代表される表示機器2019が接続され、ユーザによる指示結果に関するデータや監視カメラ1000からの画像データを表示機器2019へ中継する。表示機器2019は、例えばユーザ出力インタフェース2016により渡されたデータに応じた画像を表示する。
ネットワークインタフェース2017はネットワーク3000と接続するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)等の通信媒体を介して撮像装置180等との通信を担う。
図4を用いて、本実施形態の検証システムにおける、人体モデルを使用した人体検出処理時間検証の処理を説明する。なお、以下に説明するS400、S401、およびS412は設定装置190の処理であり、設定装置190のCPU2011が二次記憶装置2013から読み出されたプログラムに従って制御を実行する。また、S402〜S411は処理装置100の処理であり、処理装置100のCPU2011が二次記憶装置2013から読み出されたプログラムに従って制御を実行する。図4は、ユーザが検証変数設定部250を使用し検証変数を行い、検証を開始してから検証結果が検証変数設定部250上に表示されるまでの処理を示している。
ユーザにより、検証変数設定部250を使用して検証のための各変数が設定され、さらに設定保存ボタン370がされると、設定装置190は、各変数を処理装置100に送付する。(S400)、次に、ユーザが検証開始ボタン380を押下すると、設定装置190は、検証開始命令を処理装置100に対して送信する(S401)。
処理装置100の制御部150は、受信した各変数を記憶部140に記憶させる。そして、制御部150は、設定装置190から検証開始命令を受け取り、重畳部120に対して重畳画像作成を指示する(S402)。
重畳部120は、重畳処理の開始命令を受け取ると、まず記憶部140から検証のための変数を読み出し、読みだした変数に基づいて人体モデルを配置するための重畳パターンの作成を行う(S403)。重畳パターンとは、重畳対象となる検出領域内に人体モデルをどのように配置するかを表したものである。このパターンの作成方法の例を、図5を用いて示す。図5Aは人体モデルを重畳するパターンの一例を示したものである。図5A中の黒丸501、502は人体モデルの足元の位置座標をそれぞれ示す。すなわち、設定装置190から人体モデル数が「2」という変数に基づいて、重畳部120は「2」に対応する足元の位置の座標をランダムに決定する。
次に重畳部120は、作成したパターンをもとにして、映像に対して重畳する画像の作成処理を行う(S404)。まず重畳部120は記憶部140から人体モデル作成用の変数の読み出しを行う。人体モデル作成用の変数とは、例えば実際の人体の画像を人体モデルとして重畳する場合はその画像データ、コンピュータグラフィックスを用いて画像データを作成し重畳する場合はコンピュータグラフィックスに関する設定値のことを指す。重畳画像の作成処理の一例を、図5Bを用いて示す。図5Bは図5Aに示した配置パターンに沿って人体モデルを重畳した映像の一例である。図5B中の511、512はそれぞれ501,502に対して配置された人体モデルを示す。
重畳部120は、人体モデルサイズ設定部330で設定された範囲内のサイズの人体モデルの画像を生成する。そして、S403で作成したパターンの座標501、502に人体モデルの足元が位置するように人体モデル511、512を入力映像上に重畳する。
重畳部120は、人体モデルの入力映像上への重畳処理が完了すると制御部150に対して重畳画像作成完了の通知を送る。
制御部150は重畳部120から重畳画像作成完了の通知を受け取ると、重畳部120に対して重畳開始命令を行う(S405)。重畳開始命令を受け取った重畳部120は、重畳終了命令を受け取るまで取得部110から入力される映像に対して人体モデルの画像を重畳する。
重畳開始命令を行った後、制御部150は解析部130に対して人体検出開始命令を行う(S406)。人体検出開始命令を受け取った解析部130は、重畳部120から入力される重畳済み画像に対して人体検出処理および人体検出の処理時間の計測を開始する(S407)。解析部130は、人体検出処理が完了した場合(S408)、制御部150に人体検出処理の完了通知を返す。
制御部150は人体検出処理の完了通知受け取ると、重畳部120に対して重畳終了命令を行い(S409)、さらに、解析部130に対して人体検出処理にかかった時間の計測結果を取得するための処理時間送信命令を送信する(S410)。この送信命令を受け取った解析部130は、I/F部170を介して人体検出処理にかかった時間の計測結果である処理時間を設定装置190に送信する(S411)。
処理時間を受け取った設定装置190はユーザが想定処理時間設定部340を使用して設定した想定処理時間と受け取った処理時間との比較を行い、結果を処理時間判定部360に表示する(S412)。
本実施形態では処理装置100と設定装置190を独立した装置としたが、これらを1つの装置に一体にしてもよい。
本実施形態では、人体検出処理の検証に使用する配置パターン数を1としたが、ユーザに配置パターン数を指定させ、複数の配置パターンを使用して検証を行ってもよい。
以上、本実施形態により、検証システムはユーザに対して現在の人体検出設定での検出処理時間が想定処理時間内に収まっているかどうかを通知することができる。
人体の大きさが人体検出の処理時間に影響を与えるような人体検出アルゴリズムを使用している場合、実環境に沿ったサイズの人体のモデルを重畳した方が正確な処理時間を求めることができる。本実施形態では、人体のモデルの作成および重畳は以下に説明する条件に基づいて作成される。
そこで本実施形態では、映像内の実環境に沿ったサイズの人体モデルを映像上に重畳するための処理を行う。
図6Aは検証用変数設定部250にモデルのサイズの設定機能を追加したものを示している。すなわち、本実施の形態では、設定されたモデルのサイズを基準とした条件に基づいて人体モデルの作成処理が行われる。
基準人体モデル601,602は、人体モデルのサイズの基準となる基準人体モデルである。基準人体モデル601,602は、検証変数設定部250のユーザインターフェース320を介してユーザによりその高さおよび位置が設定される。
基準人体モデル設定保存ボタン610は、基準人体モデル601、602の基準情報を処理装置100に送信する命令を指示する。基準人体モデル601、602の基準情報とは、例えば基準人体モデルの高さ(h1、h2)や、画像内の高さ方向を表すy座標系での人体モデルの足元の位置を示す座標(y1、y2)についての情報を指す。なお、人体モデルの幅は人体モデルの高さに比例するものとする。すなわち、人体モデルの高さが決定されると人体モデルのサイズが一意に決定される。例えば人体モデルの高さと幅の比は6:1などに設定される。
検証変数設定部250は、ユーザによって基準人体モデル設定保存ボタン610が指示されたことを検出すると、基準人体モデルの位置情報及びサイズ情報はI/F部170を介して処理装置100に送られ、記憶部140に保存される。
重畳部120は、基準人体モデル601、602の基準情報を使用してS404における重畳画像の作成処理人体モデル画像を作成する。図6Bは画像内の高さ方向を表すy座標系の座標値yに対応した人体モデルのサイズhを算出する式を示したものである。重畳部120は重畳画像作成処理(S404)で人体モデルの画像を作成する際に、501、502のy座標と図6Bの計算式を用いて511、512のモデルのサイズを算出し、算出した値のサイズの人体モデル画像を作成・重畳する。例えば、人体のモデル数が「5」の場合、重畳部120はランダムに人体のモデルの足元の位置座標(y座標)を5つ決定する。そしてそれら位置座標および基準人体モデルの基準情報を参照することにより、各人体モデルのサイズが決定されることになる。
この処理を行うことによって、処理装置100は映像内の実環境に沿ったサイズのモデルを重畳することが可能となり、より正確な人体検出処理の処理時間を求めることができる。
また、映像上に人体モデル間で重なりが発生するケースがある。実環境により近くするため、人体モデル同士の重なり順序を実環境に合わせて決定した方がよい。
図7Aは実環境に沿わないモデル同士の重なりの一例である。図7Aは映像内の奥行方向に対して、本来後方に表示されるべきモデルが前方に配置されてしまった例である。人体モデル701は実空間上では後方に存在するべき人物を模した人体モデル、人体モデル702は、実空間上では前方に存在する人物を模した人体モデルを示している。
図7Aにおいて、本来、人体モデル701は、撮像装置180に対して人体モデル702の後方に存在するものとして映像上に重畳されなければならないが、図7Aでは人体モデル701が前方面に配置されてしまっている。すなわち、実空間上で後方に存在する人物が前面に存在する人物よりも前に映っていることになり、実環境に沿わない人体モデルの配置であるといえる。
本実施形態では、映像内の実環境に沿ったサイズのモデルを重畳するための処理を行う。図7Bは、S404における重畳画像の作成処理において、人体モデルの画像を入力映像に重畳する際に、異なる奥行座標に存在する複数の人体モデルを使用した重畳画像を作成する際の手順を説明するための図である。映像内の同じ床面上に複数の人物が存在する場合であって、かつ撮像装置が上方から見下ろすように配置されている場合、原点を映像の上にとると、後方に存在する人物の足元の座標の方が前方に存在する人物の足元の座標(高さ座標y)の値が小さくなる。
このことを利用し、重畳部120は、異なる奥行座標に複数の人体モデルの画像を配置する際に、人体モデルの足元の位置を示すy座標の値が小さい、つまり実空間上では後方に存在するはずの人体モデル(701)を先に入力映像上に重畳する。そして、y座標の値が大きい、つまり実空間上では手前に存在するモデル(702)を後に重畳する。
この条件に従うことにより、実空間上で後方に存在するはずの人体のモデルが前方に存在する人体モデルよりも前面に重畳されることを防ぐことが可能となる。
図7Cは、図7Aとは異なる実環境に沿わないモデル同士の重なりの一例である。人体モデル711、712は同じ奥行座標上に存在し、重なり合っているが、実空間上ではありえない。図7Dは、S404における重畳画像の作成処理において人体モデルの画像を入力映像に重畳する際に、類似する範囲内の奥行座標に存在する複数の人体モデルを使用した重畳画像を作成する際の手順を示したものである。
重畳部120は、S403において、類似する範囲内のy座標(奥行座標)に存在する複数の身体モデルを使用したパターンを作成する際には、少なくとも予め設定された人体モデルの幅(d)より長い間隔で、人体モデル同士を横方向に離して重畳する。具体的には、人体モデル数に応じて各人体モデルの座標位置がランダムに決定されるが、そのうち近接する座標があるかどうか確認する。その場合、重畳部120は、座標位置に応じて決定される人体モデルの幅分、人体モデルの少なくとも一方を奥行き方向に垂直な横軸方向に移動させる。
これらの方法で重畳することにより、同じ奥行座標のモデル同士の重なりを防ぐことで、実環境に沿わないモデル配置を防止することが可能となる。
また、本実施の形態では、さらに実環境に近づけるため、床面領域を設定する。
図8Aは人体モデルの足元が床面に接していない状態で入力映像に重畳された場合の一例である。人体モデル801は足元が床面に接していない人体モデルを示す。これは、実空間上では人物が宙に浮いてしまっていることを表している。実環境上では人体の足元は床面に接しているはずであり、このようなことは実環境上ではありえないため、これは実環境に沿わないモデル配置であるといえる。以下では、人体モデルを床面に対して正確な位置に配置するための設定方法について述べる。
図8Bは検証用の変数設定部300の映像表示部310上に表示される映像上で人体モデルを配置する床面範囲810の設定が行われた状態を示している。
ユーザは床面範囲の設定機能を使用して、人体モデルを配置する床面領域810の指定を行う。ユーザが設定した重畳モデルの配置範囲の情報はI/F部170を介して処理装置100に送られ、記憶部140に保存される。
重畳部120は、重畳パターン作成処理(S403)で重畳モデルの配置パターンの作成を行う際に、記憶部140から重畳モデルの床面範囲810の設定を読み出す。すなわち、読み出された床面範囲内に人体モデルの足元の位置(501、502)が含まれるように足元の位置の座標を決定する。なお、足元の位置は、例えば表示画面に対して人体モデルの最も下方に位置する。人体モデルを配置する床面範囲810内の座標を使用して配置パターンの作成を行う。この手法により、指定した床面上に人体モデルの足元の座標を指定することが可能となる。
このように配置パターンの作成を行うことによって、実環境に沿った位置にモデルを配置することが可能となる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 画像処理装置
110 取得部
120 重畳部
130 解析部
140 記憶部
150 制御部
160 圧縮部
170 I/F部
180 撮像装置
190 設定装置

Claims (11)

  1. 撮像装置から得られた映像に、予め設定された数の人体モデルの画像を重畳する重畳手段と、
    前記重畳手段によって人体モデルの画像が重畳された映像から人体を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果および検出にかかった処理時間を出力する出力手段と、を有することを特徴とする人体を検出するための処理装置。
  2. 前記人体モデルの画像は、実際の人体の画像あるいはコンピュータグラフィックスを用いて人体を模した画像のすくなくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の人体を検出するための処理装置。
  3. 前記人体モデルの画像の数は、設定装置においてあらかじめ設定され、
    前記重畳手段は、前記予め設定された数の人体モデルの画像を重畳する位置を、前記設定装置において設定された人体の検出の領域内に予め定められた条件でランダムに決定することを特徴とする請求項1記載の人体を検出するための処理装置。
  4. 前記人体モデルの画像のサイズは、当該人体モデルの画像が配置される奥行き方向の座標の値に応じて決定されることを特徴とする人体を検出するための処理装置。
  5. 前記人体モデルの画像が配置される間隔は、当該画像の幅より長いことを特徴とする請求項4に記載の人体を検出するための処理装置。
  6. 前記重畳手段は、前記人体モデルの画像の奥行き方向の位置に応じて映像上に重畳する順序を決定することを特徴とする請求項1に記載の人体を検出するための処理装置。
  7. 前記重畳手段は、設定装置において設定された床面領域に人体モデルの足元の位置が配置されるように人体モデルの画像を映像上に重畳することを特徴とする請求項1に記載の人体を検出するための処理装置。
  8. 請求項3または請求項7に記載の設定装置。
  9. 撮像装置から得られた映像に、予め設定された数の人体モデルの画像を重畳する重畳ステップと、
    前記重畳ステップにおいて人体モデルの画像が重畳された映像から人体を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにおける人体の検出結果および検出にかかった処理時間を出力する出力ステップと、を有することを特徴とする人体を検出するための処理方法。
  10. 請求項9に記載の処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
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