JP2019082335A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確な伝搬時間を計測可能な超音波流量計の提供。【解決手段】本発明の超音波流量計1は、一対の超音波センサS1,S2と、当該超音波センサS1が受信した受信波を取込み当該受信波に対応する包絡波を得るための実数、虚数、基準周期パルスをそれぞれ出力する直交検波処理部30と、前記包絡波のの測定点を決定する波高値・到達時刻検出処理部40と、前記包絡波の測定点および前記基準周期パルスに基づいて受信波に対応する受信波の伝搬時間を演算する伝搬時間計測処理部50とを備える。前記伝搬時間計測処理部50は、ゼロクロス検出部45により求められた包絡波の測定点に対応する基準周期パルスおよびバースト波の開始点に相当する基準クロック信号に基づいてバースト波の発信完了から受信波の受信までに要した伝搬時間を求める。【選択図】図2

Description

本発明は、配管内を流れる流体の流速を計測するものであり、特に前記流体中を通過させた超音波の伝搬時間の差に基づいて当該流体の瞬時流量を算出する超音波流量計に関する。
従来の超音波流量計は、特許文献1に示されるように、流体を流す配管に取り付けられ所定周期の超音波を送受信可能な一対の超音波センサと、この超音波センサにより受信された受信波の伝搬時間を計測するための基準になる基準クロック信号および当該基準クロック信号に対して90度だけ位相をシフトさせた異相クロック信号を発する発振器と、前記超音波センサに受信された受信波を並列に分岐して出力し分岐された一方の受信波に前記基準クロック信号を乗じて実数を出力する第1の乗算器およびローパスフィルタと、他方の受信波に前記異相クロック信号を乗じて虚数を出力する第2のローパスフィルタと、これら第1、第2の乗算器およびローパスフィルタから出力される前記実数および前記虚数に基づき前記受信波の包絡波を求めて前記受信波に係る伝搬時間を評価する評価ユニットとを備えて成る。
前記評価ユニットは、前記実数の二乗と前記虚数の二乗との和から求めた振幅および前記基準クロック信号に基づいて前記包絡波を求めるよう構成され、求めた前記包絡波の重心位置を基準に前記受信波に係る伝搬時間を評価可能に構成されている。
このように構成された従来の超音波流量計は、一方の超音波センサから発信され他方の超音波センサに受信された第1の受信波に係る第1の伝搬時間と、他方の超音波センサから発信され一方の超音波センサに受信された第2の受信波に係る第2の伝搬時間との差を演算して、この伝搬時間の差に基づき流体の流速や瞬時流量を計測処理している。つまり、従来の超音波流量計は、前記受信波または包絡波の振幅に依存しない包絡波の重心位置に基づいて前記伝搬時間を演算できるという特徴がある。
特許第4904289号
しかしながら、従来の超音波流量計は、求める前記包絡波の重心位置を、全ての受信波が超音波センサに到達し終えるまでのデータ(受信波の振幅および基準クロック信号に相当)を収集し、この収集した膨大な数のデータを演算し続け求めている。したがって、従来の超音波流量計は、この演算処理に係る負担が大きいという問題があった。
本発明に係る超音波流量計は、所定周期のバースト波を発信するとともにこのバースト波から変化した受信波を受信する一対の超音波センサと、前記受信波の伝搬時間を求めるための基準クロック信号を外部出力する基準クロック発信部と、前記受信波および前記基準クロック信号を取込み当該受信波に対応する包絡波を得るための実数、虚数、基準周期パルスをそれぞれ出力する直交検波処理部と、前記直交検波処理部および前記基準クロック発信部に接続され前記実数および虚数に基づいて前記包絡波の波高値を都度演算するとともに当該波高値に対応する前記基準周期パルスから包絡波の測定点を決定する波高値・到達時刻検出処理部と、この波高値・到達時刻検出処理部によって得られた包絡波の測定点および前記基準周期パルスに基づいて前記受信波に対応する受信波の伝搬時間を演算する伝搬時間計測処理部とを備えて成り、前記直交検波処理部は、前記バースト波と同じ位相に設定された基準位相信号および当該基準位相信号に対して90度異なる位相に設定された異相信号をそれぞれ出力する位相信号発生器と、前記受信波に相当する信号を並列出力するとともにこの並列出力された信号に前記基準位相信号を付与して実数を算出する実数算出部と、残る並列出力された信号に前記異相信号を付与して虚数を算出する虚数算出部と、前記基準位相信号または前記異相信号の何れかを前記バースト波に対する基準周期パルスとして出力する基準周期パルス出力部とを備え、前記波高値・到達時刻検出処理部は、前記実数算出部、虚数算出部、基準周期パルス出力部から出力される前記実数、虚数、基準周期パルスを記憶するメモリ部と、前記実数および虚数に基づいて前記包絡波における波高値を都度演算する波高値演算部と、この波高値演算部で求めた複数の前記波高値から1つの受信波に対応する最大波高値を予め設定された波高値設定値で除しこの除した値を予め設定された閾値設定値に乗じて閾値を求める閾値演算部と、前記メモリ部に記憶した実数、虚数、基準周期パルスに基づき別途演算された包絡波の再演算波高値および前記閾値を比較し前記再演算波高値が当該閾値を超えれば予備トリガ信号を発する閾値超越判定部と、この閾値超越判定部から発せられた予備トリガ信号を取込むとともに前記メモリ部から前記閾値を超えた時点の前記メモリ部へ記憶された前記実数、虚数、基準周期パルスを順次読出し包絡波の測定点を決定して当該測定点に対応する実数および虚数を出力するゼロクロス検出部とを備え、前記伝搬時間計測処理部は、前記ゼロクロス検出部から出力された実数および虚数に基づいて前記受信波の位相遅れに相当する伝搬時間を求めることを特徴とする。なお、前記波高値・到達時刻検出処理部は、前記波高値演算部により求めた前記包絡波の最大波高値に基づき次回得る包絡波も同等の波高値となるように補正処理するゲイン処理部に接続されて成り、前記波高値検出部は、前記実数の二乗と虚数の二乗との和に予め設定された比例係数を乗じて前記包絡波の波高値を演算処理して成り、前記ゲイン処理部は、前記直交検波処理部へ入力される直前の受信波を前回の受信波と同等の最大波高値となるよう補正処理して成ることが好ましい。
以上説明したように本発明に係る超音波流量計は、包絡波の伝搬時間の測定基準となる前記測定点を決定した上で、当該包絡波の波高値および位相位置をメモリ部に保存されたデータに基づいて演算できるので、当該包絡波の伝搬時間を正確に測定できるという利点がある。また、このように、本発明に係る超音波流量計は、包絡波の波高値全てを演算することなく、前記閾値に到達した後のデータを演算して伝搬時間を求めるので、従来に比べて演算処理回数を低減することができ、当該演算処理に係る負荷を低減できるという利点もある。
さらに、本発明に係る超音波流量計は、実数の二乗と虚数の二乗の和に予め選択された比例係数を乗じ包絡波の振幅を都度算出する波高値演算部および当該波高値演算部で求めた最大波高値に基づいて次回測定する包絡波の最大振幅を同等になるよう調整するゲインを記憶するゲイン処理部を備えるので、方向性を同じにする受信波のレベルを揃えた上で伝搬時間を正確に測定できるという利点もある。
本発明に係る超音波流量計の全体図であり、(a)は一方の超音波センサから発信されたバースト波が流体の流れ方向に沿って伝搬される状態を示し、(b)は他方の超音波センサから発信されたバースト波が流体の流れ方向に逆らって伝搬される状態を示す。 本発明に係る超音波流量計のブロック図である。 本発明に係る直交検波処理部のブロック図である。 本発明に係る波高値・到達時刻検出処理部のブロック図である。
本発明に係る超音波流量計1は、図1(a)、図1(b)、図2に示すように、所定周期のバースト波を発信するとともにこのバースト波から変化した受信波を受信する一対の超音波センサS1,S2と、前記バースト波を生成するための信号を発生するとともに前記受信波を収集して当該受信波の伝搬時間を計測する超音波処理ユニット10とを備えて成る。
前記超音波センサS1,S2は、流体を流すための配管90の外周に取り付けられており、それぞれが配管90の長さ方向へ離れる位置に取り付けられている。また、超音波センサS1,S2は、何れも前記バースト波を発信または前記受信波を受信可能に構成されており、前記超音波処理ユニット10の指令を受けてバースト波の発信と受信波の受信を切り替えられるよう構成されている。
前記超音波処理ユニット10は、普遍的な時間に相当する信号を常時発信する基準クロック発信部20と、この基準クロック発信部20から発せされた信号に基づき超音波センサS1(S2)へ前記バースト波を発するよう指令するバースト波発生器21と、このバースト波発生器21に接続され前記超音波センサS1,S2の送受信を切り替える送受信経路切替制御部22と、この送受信経路切替制御部22を通過した前記受信波を通過させる受信波通過部23と、この受信波通過部23を通過した前記受信波を取り入れ予め設定された増幅率に基づきアナログ信号を出力するゲイン処理部25と、このゲイン処理部25から出力された前記アナログ信号をデジタル信号へ変換するA/Dコンバータ26と、このA/Dコンバータ26および前記基準クロック発信部20に接続された直交検波処理部30と、この直交検波処理部30および前記基準クロック発信部20に接続され前記受信波に相当する包絡波の波高値の演算と当該包絡波の測定点を決定する波高値・到達時刻検出処理部40と、この波高値・到達時刻検出処理部40に接続され前記受信波の伝搬時間を計測する伝搬時間計測処理部50とを備える。
前記基準クロック発信部20は、これに接続された各ユニットを動作させるための基準クロック信号を発信するよう構成されており、基準クロック信号は、前記受信波の伝搬時間を求めるために紐付けされた後記基準周期パルスの生成の基となる最も短い時間間隔でONとOFFとに順次切り替わる連続的に発せられるパルス信号である。
前記バースト波発生器21は、基準クロック発信部20から発せられる前記基準クロック信号を整数Nだけ分周した所定周期のパルス信号を出力して成り、この所定周期のパルス信号を前記超音波センサS1またはS2の何れかへ発信して成る。
前記送受信経路切替部22は、超音波センサS1,S2の送信または受信を切り替える回路であり、一方の超音波センサS1が受信可能な時には他方の超音波センサS2が送信可能な状態になっており、これら双方の超音波センサS1,S2に接続される経路を切り替えるよう構成されている。
前記直交検波処理部30は、図3に示すように、前記受信波および前記基準クロック信号を取込み当該受信波に対応する包絡波を得るための実数、虚数、基準周期パルスをそれぞれ出力するよう構成されている。また、この直交検波処理部30は、バースト波と同じ位相になるように設定された基準位相信号および当該基準位相信号に対して90度異なる位相になるよう設定された異相信号をそれぞれ出力する位相信号発生器31と、前記受信波に相当する信号を並列出力するとともにこの並列出力された信号に前記基準位相信号を付与して実数33aを算出する実数算出部32aと、残る並列出力された信号に前記異相信号を付与して虚数33bを算出する虚数算出部32bと、前記基準位相信号または前記異相信号の何れかを前記バースト波に対する基準周期パルス33cとして出力する基準周期パルス出力部32cとを備えて成る。
前記位相信号発生器31は、基準クロック発信部20の基準クロック信号を基準位相信号へ変換して出力する基準位相信号発生器31aと、前記基準クロック信号を前記基準位相信号の位相と90度異なる異相信号へ変換して出力する異相信号発生器31bとを備える。
前記実数算出部32aは、基準位相信号発生器31aおよびA/Dコンバータ26に接続されており、A/Dコンバータ26から出力されるデジタル信号および前記基準位相信号に基づいて演算した結果である実数33aを出力するよう構成されている。
前記虚数算出部32bは、異相信号発生器31bおよびA/Dコンバータ26に接続されており、A/Dコンバータ26から出力されるデジタル信号および異相信号に基づいて演算した結果である虚数33bを出力するよう構成されている。
前記基準周期パルス出力部32cは、位相信号発生器31に接続されており、実数算出部32aまたは虚数算出部32bの何れか一方の信号を取り込むとともにこの取り込んだ基準位相信号または異相信号に同期した信号を前記基準周期パルス33cとして出力するよう構成される。つまり、前記基準周期パルスは、前述のバースト波発生器21と同様に前記基準クロック信号を整数Nだけ分周した信号となっている。
前記波高値・到達時刻検出処理部40は、図4に示すように、前記直交検波処理部30および基準クロック発信部20に接続され実数33aおよび虚数33bに基づいて前記包絡波の波高値を都度演算するとともに当該波高値に対応する基準周期パルス33cから包絡波の測定点を決定するよう構成される。
また、この波高値・到達時刻検出処理部40は、実数算出部32a、虚数算出部32b、基準周期パルス出力部32cから出力される各情報を順次記憶するメモリ部41と、前記実数33aおよび前記虚数33bに基づいて前記包絡波における波高値を都度演算する波高値演算部42と、この波高値演算部42で求めた複数の前記波高値から1つの受信波に対応する最大波高値を取り込み当該最大波高値に基づき閾値を演算する閾値演算部43と、前記メモリ部41に記憶された情報から包絡波の振幅を都度再演算するとともに前記閾値演算部43により求められた閾値を比較して予備トリガ信号を出力可能な閾値超越判定部44と、この閾値超越判定部44から発せられた予備トリガ信号を取込むとともに前記包絡波の伝搬時間の測定点を決定するゼロクロス検出部45とを備えて成る。
前記メモリ部41は、前記バースト波の発信完了時点から前記実数33a、虚数33b、基準周期パルス33cの数値を同じアドレス番号に記憶し、これを前記基準クロック信号のON、OFFの度に繰り返す。
前記波高値演算部42は、前記実数の二乗と虚数の二乗との和に予め設定された比例係数を乗じて前記包絡波の波高値を演算処理して成り、ここで求めた前記包絡波の最大波高値を前記ゲイン処理部25および閾値演算部43へそれぞれ出力して成る。
前記閾値演算部43は、波高値演算部42から出力された最大波高値を予め設定した波高値設定値で除し、この除した値を同じく予め設定した閾値設定値に乗じた閾値を演算するよう構成されており、求めた閾値を前記閾値超越判定部44へ入力して成る。
前記閾値超越判定部44は、リアルタイムで求められた前記閾値と前記メモリ部41に記憶された実数、虚数を読み出して別途演算された包絡波の波高値とを比較しており、演算された当該波高値が前記閾値を超えれると予備トリガ信号を発するよう構成されている。この予備トリガ信号は、前記ゼロクロス検出部45へ入力される。
前記ゼロクロス検出部45は、前記予備トリガ信号を入力されることで当該予備トリガ信号を発せられるきっかけとなった実数、虚数に対応するアドレス番号からこれ以降のメモリ部41に記憶した各情報(実数、虚数、基準周期パルス)をアドレス番号順に取り込む。また、ゼロクロス検出部45は、予め設定されているカウント数に基づいて前述の順に取込んだ基準周期パルスのON(1)・OFF(0)の立ち上がり回数(以下、立ち上がり個数という)をアドレス番号順にカウントしている。さらに、ゼロクロス検出部45は、前記立ち上がり個数が予め設定したカウント数に到達した時点のアドレス番号とこのアドレス番号に対応する実数および虚数を前記伝搬時間計測処理部50へ出力して成る。
前記ゲイン処理部25は、前記波高値・到達時刻検出処理部40から出力される前記包絡波の最大波高値をゲイン値として一時的に記憶するゲイン記憶部25aと、このゲイン記憶部25aに記憶されたゲイン値を読み出して前記増幅率を登録しこの増幅率に基づき前記受信波通過部23を通過した受信波の振幅を調整するゲインアンプ25bとを備えて成る。このゲインアンプ25bを通過して調整されたアナログ信号は、前記A/Dコンバータ26によってデジタル信号へ変わり前記直交検波処理部30へ入力される。このように構成されたゲイン処理部25は、前記直交検波処理部30へ入力される直前の受信波を前回の受信波と同等の最大波高値となるよう補正処理することを可能とする。
前記伝搬時間計測処理部50は、ゼロクロス検出部45から出力された前記虚数33bおよび前記実数33aに基づいて前記バースト波に対する受信波の位相遅れ分を加味した伝搬時間を演算するように構成されている。
具体的に前記伝搬時間は、前記バースト波の発信完了から包絡波の測定点に到達する直前までの時間と、この測定点に到達する直前から前記測定点に到達するまでの時間とに分けられこれら2つの時間が加算され求められている。
前述の前者の時間は、前記バースト波の発信完了時点から前記包絡波の測定点に到達する直前の基準周期パルスの立ち上がり回数および前記基準クロック信号のONから次のONまでに要する時間(以下、基準クロック信号の単位時間という)に基づいて演算され、大まかな伝搬時間となっている。一方、後者の時間は、一例として前記整数Nに前記基準クロック信号の単位時間を乗じ、この値を2πで除し、さらにこの除した値をatan2(虚数,実数)に乗じて求められており、細かな伝搬時間となっている。これらそれぞれ求められた大まかな伝搬時間と細かな伝搬時間との和が最終的に伝搬時間計測処理部50で演算される位相遅れ分を加味した伝搬時間として演算される。よって、図1(a)または図1(b)に示すような配管90内へ伝搬されるバースト波の発信完了を基準にして、さらにこの発信完了から他方の超音波センサS2(S1)に当該受信波が到達したことを検知して、一方向の超音波の伝搬時間を求めることが可能となる。
このように構成された超音波流量計1は、前記配管90内を流れる流体(図示せず)の流速を計測するものである。まず、図1(a)に示すように、超音波センサS1から前記バースト波が発信され配管90内を反射し受信波へ変化した第1の信号を超音波センサS2により受信して、前記流体の流れ方向に沿って伝搬した第1の伝搬時間を計測する。この後、前記送受信経路切替制御部22が作動してバースト波を発信する超音波センサS1,S2の切り替えが行われる。これにより、図1(b)に示すように、超音波センサS2から前記バースト波が発信され配管90内を反射し受信波へ変化した第2の信号を超音波センサS1により受信して、前記流体の流れ方向とは逆方向へ伝搬した第2の伝搬時間を計測する。また、これら前記第1の伝搬時間と前記第2の伝搬時間との差が求められ、この得られた差に基づいて流体の瞬時流量が都度計測される。
以下、図1(b)および図2ないし図4を用いて前記超音波処理ユニット10の内部処理について説明する。前記基準クロック発信部20が前記基準クロック信号を前記バースト波発生器21、直交検波処理部30、波高値・到達時刻検出処理部40へ発信する。これを受けて前記バースト波発生器21は、前記基準クロック信号を所定周期分だけ前記送受信経路切替制御部22を介して前記超音波センサS2へ出力するとともに残りの周期分は超音波センサS2へ出力されないようマスク処理する。
これにより、例えば10周期分の基準クロック信号が前記超音波センサS2へ入力されてバースト波が配管90内の流体を介し減衰される。この減衰された受信波は、やがて他方の超音波センサS1によって受信され、前記送受信切替制御部22、受信波通過部23を順に通過して前記ゲイン処理部25へ入力される。
このゲイン処理部25へ入力される受信波は、前述したように減衰された所謂アナログ信号であるが、このゲイン処理部25を通過することでこのアナログ信号の振幅が高くなるよう増幅される。この増幅されたアナログ信号は、前記A/Dコンバータ26へ入力されて当該A/Dコンバータ26から出力されることでデジタル信号へ変換され、当該デジタル信号が前記直交検波処理部30へ入力される。
この直交検波処理部30へ入力されたデジタル信号は、前記実数算出部32aおよび前記虚数算出部32bへそれぞれ入力される。
これと同様に、直交検波処理部30へ入力される基準クロック信号は、位相信号発生器31から出力される際、前記基準位相信号および前記異相信号に変換されこれら変換された基準位相信号は実数算出部32aへ入力される一方、前記異相信号は虚数算出部32bへ入力される。
また、前記基準位相信号発生器31aから出力された前記基準位相信号または前記異相信号の何れか1つは、前記基準周期パルス出力部32cを通過して前記基準周期パルス33cとして前記波高値・到達時刻検出力処理部40へ入力される。
さらに、前記実数算出部32aは、前記デジタル信号および前記基準位相信号に基づき前記実数33aを波高値・到達時刻検出処理部40へ入力する。これと同様に前記虚数算出部32bは、前記デジタル信号および前記異相信号に基づき前記虚数33bを波高値・到達時刻検出処理部40入力する。このように直交検波処理部30は、前記受信波に対応する実数33aおよび虚数33b、受信波の位相の基準となる基準周期パルス33cを連続的に出力している。
次に、前記波高値・到達時刻検出処理部40は、上述の実数33a、虚数33b、基準周期パルス33cおよび前記基準クロック発信部20から入力される基準クロック信号を前記メモリ部41へ順次記憶する。また、前記実数33a、虚数33bについては、前記メモリ部41の他に前記波高値演算部42へも随時入力されている。
前記波高値演算部42は、これに入力された実数33a、虚数33bおよび予め設定された比例係数を用いて前記受信波に相当する包絡波の波高値を演算処理する。ここで波高値を求めるための式は、実数33aの二乗と虚数33bの二乗の和に前記比例係数を乗じるというものである。また、波高値演算部42は、この包絡波の波高値を随時演算するとともに1つの伝搬時間を測定するために必要な1つの包絡波の最大波高値を判断してこの最大波高値を前記閾値演算部43と、前記ゲイン処理部25とへそれぞれ出力する。
前記最大波高値が入力された閾値演算部43は、この最大波高値を前記波高値設定値で除し、この除した値を前記閾値設定値に乗じた値(以下、閾値という)を求め、当該閾値を前記閾値超越判定部44へ入力する。
これを受けて前記閾値超越判定部44は、前記メモリ部41に一端記憶した実数、虚数に基づいて包絡波の振幅を随時演算するとともに、演算した振幅および前記閾値を比較する。また、前記振幅が閾値を超えれば、カウントスタート信号を前記ゼロクロス検出部45へ入力する。
このカウントスタート信号を受信したゼロクロス検出部45は、前記閾値を超えた時点の実数および虚数を前記メモリ部41から読み出すとともに、これら実数および虚数のアドレス番号から順次次のアドレス番号に記憶された前記実数、虚数、基準周期パルスを読み出す。さらに、ゼロクロス検出部45は、当該基準周期パルスの立ち上がり回数をカウントしてこのカウント回数が予め設定されている回数に到達した時点のアドレス番号に記憶されている実数、虚数を前記伝搬時間計測処理部50へ出力する。
この伝搬時間計測処理部50は、前記虚数33bおよび前記実数33aから位相遅れに相当する時間と、上述のバースト波の発信完了から包絡波の測定点の直前までの時間との和を演算し、前記超音波センサS2がバースト波を発信完了してから、前記超音波センサS1が受信波を受信した前記包絡波の測定点までの伝搬時間を算出する。なお、この超音波センサS2から超音波センサS1への伝搬に要した伝搬時間が上述した第2の伝搬時間に相当する。
以上説明したように本発明に係る超音波流量計1は、包絡波の伝搬時間の測定基準となる前記測定点を決定した上で、当該包絡波の波高値および位相位置をメモリ部に保存されたデータに基づいて演算できるので、当該包絡波の伝搬時間を正確に測定できるという利点がある。また、このように、本発明に係る超音波流量計1は、包絡波の波高値全てを演算することなく、前記閾値に到達した後のデータを演算して伝搬時間を求めるので、従来に比べて演算処理回数を低減することができ、当該演算処理に係る負荷を低減できるという利点もある。しかも、本発明に係る超音波流量計1は、実数の二乗と虚数の二乗の和に予め選択された比例係数を乗じ包絡波の振幅を都度算出する波高値演算部42および当該波高値演算部42で求めた最大波高値に基づいて次回測定する包絡波の最大振幅を同等になるよう調整するゲインを記憶、設定するゲイン処理部25を備えるので、方向性を同じにする受信波のレベルを揃えた上で第1および第2の伝搬時間を何れも正確に測定できるという利点もある。
1 … 超音波流量計
10 … 超音波処理ユニット
20 … 基準クロック発信部
21 … バースト波発生器
22 … 送受信経路切替制御部
23 … 受信波通過部
25 … ゲイン処理部
26 … A/Dコンバータ
30 … 直交検波処理部
31 … 位相信号発生器
31a… 基準位相信号発生器
31b… 異相信号発生器
32a… 実数算出部
32b… 虚数算出部
32c… 基準周期パルス出力部
33a… 実数
33b… 虚数
33c… 基準周期パルス
40 … 波高値・到達時刻検出処理部
41 … メモリ部
42 … 波高値演算部
43 … 閾値演算部
44 … 閾値超越判定部
45 … ゼロクロス検出部
50 … 伝搬時間計測処理部
90 … 配管
S1,S2 … 超音波センサ

Claims (2)

  1. 所定周期のバースト波を発信するとともにこのバースト波から変化した受信波を受信する一対の超音波センサと、
    前記受信波の伝搬時間を求めるための基準クロック信号を外部出力する基準クロック発信部と、
    前記受信波および前記基準クロック信号を取込み当該受信波に対応する包絡波を得るための実数、虚数、基準周期パルスをそれぞれ出力する直交検波処理部と、
    前記直交検波処理部および前記基準クロック発信部に接続され前記実数および虚数に基づいて前記包絡波の波高値を都度演算するとともに当該波高値に対応する前記基準周期パルスから包絡波の測定点を決定する波高値・到達時刻検出処理部と、
    この波高値・到達時刻検出処理部によって得られた包絡波の測定点および前記基準周期パルスに基づいて前記受信波に対応する受信波の伝搬時間を演算する伝搬時間計測処理部とを備えて成り、
    前記直交検波処理部は、前記バースト波と同じ位相に設定された基準位相信号および当該基準位相信号に対して90度異なる位相に設定された異相信号をそれぞれ出力する位相信号発生器と、前記受信波に相当する信号を並列出力するとともにこの並列出力された信号に前記基準位相信号を付与して実数を算出する実数算出部と、残る並列出力された信号に前記異相信号を付与して虚数を算出する虚数算出部と、前記基準位相信号または前記異相信号の何れかを前記バースト波に対する基準周期パルスとして出力する基準周期パルス出力部とを備え、
    前記波高値・到達時刻検出処理部は、前記実数算出部、虚数算出部、基準周期パルス出力部から出力される前記実数、虚数、基準周期パルスを記憶するメモリ部と、前記実数および虚数に基づいて前記包絡波における波高値を都度演算する波高値演算部と、この波高値演算部で求めた複数の前記波高値から1つの受信波に対応する最大波高値を予め設定された波高値設定値で除しこの除した値を予め設定された閾値設定値に乗じて閾値を求める閾値演算部と、前記メモリ部に記憶した実数、虚数、基準周期パルスに基づき別途演算された包絡波の再演算波高値および前記閾値を比較し前記再演算波高値が当該閾値を超えれば予備トリガ信号を発する閾値超越判定部と、この閾値超越判定部から発せられた予備トリガ信号を取込むとともに前記メモリ部から前記閾値を超えた時点の前記メモリ部へ記憶された前記実数、虚数、基準周期パルスを順次読出し包絡波の測定点を決定して当該測定点に対応する実数および虚数を出力するゼロクロス検出部とを備え、
    前記伝搬時間計測処理部は、前記ゼロクロス検出部から出力された実数および虚数に基づいて前記受信波の位相遅れに相当する伝搬時間を求めることを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記波高値・到達時刻検出処理部は、前記波高値演算部により求めた前記包絡波の最大波高値に基づき次回得る包絡波も同等の波高値となるように補正処理するゲイン処理部に接続されて成り、
    前記波高値検出部は、前記実数の二乗と虚数の二乗との和に予め設定された比例係数を乗じて前記包絡波の波高値を演算処理して成り、
    前記ゲイン処理部は、前記直交検波処理部へ入力される直前の受信波を前回の受信波と同等の最大波高値となるよう補正処理して成ることを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
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