JP2019082134A - エンジン - Google Patents

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正広 古谷
良一 萩原
Ryoichi Hagiwara
良一 萩原
武本 徹
Toru Takemoto
徹 武本
和輝 壽
Kazuteru Toshinaga
和輝 壽
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Abstract

【課題】点火装置の劣化を抑制し、寿命を延長することができる点火装置を備えたエンジンを提供する。【解決手段】エンジン100は、点火装置200を備える。点火装置200は、中心電極231と、中心電極231に対応して設けられグラウンドに接続される接地電極232と、グラウンドと接地電極232との間に設けられた応答遅れ生成部250と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、点火装置を備えたエンジンに関する。
従来から、点火プラグをエンジンの燃焼室に配設し、イグニッションコイルで発生させた電圧を中心電極と接地電極とで構成される電極部に印加し、該電極部の放電領域にてアーク放電させることにより、エンジンの燃焼室に供給された混合気を点火することが知られている。
例えば、特許文献1には、主高圧電極及び主接地電極で構成される主電極と、補助高圧電極及び補助接地電極で構成される補助電極とを備えた点火装置が開示されている。特許文献1の点火装置においては、バッテリに接続された二次コイルの高圧電圧を補助電極に印加し、一定時間経過後にスイッチを切り換えることで高圧電圧を主電極に印加して火花放電を発生させる。
また、特許文献2には、火花放電発生装置において、放電エネルギーを、オシロスコープを用いた波形観測手段により簡易算出するため放電電圧波形観測用端子を放電電極の一方に、放電電流波形観測用の抵抗(R3)を前記放電電極の他方に設ける点火装置が開示されている。
特開2007−032349号公報 特開2005−185027号公報
上記した特許文献1、2に開示された従来の点火装置では、接地電極がグラウンド(GND)に常時接続されており、接地電極側の電圧が略0Vで維持されている。このような構成の場合、火花放電を発生させるために必要となる電圧が比較的大きくなり、火花放電が発生した際に大電流が流れ、各電極に劣化が生じやすいという問題がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、点火装置を備えたエンジンであって、点火装置の劣化を抑制してその寿命を延長することができるエンジンを提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、点火装置を備えるエンジンであって、前記点火装置は、中心電極と、前記中心電極に対応して設けられグラウンドに接続される接地電極と、前記グラウンドと前記接地電極との間に設けられた応答遅れ生成部と、を備える、エンジンが提供される。
前記応答遅れ生成部は、巻線部を備える。
前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、前記点火プラグは、前記接地電極が形成される導電性のハウジングを有し、前記点火プラグは前記取り付け孔に対して絶縁体を介して取り付けられ、前記ハウジングと前記シリンダヘッドとは、前記応答遅れ生成部を介して接続されるように構成されていてもよい。前記応答遅れ生成部は、前記点火プラグを前記取り付け孔に取り付ける際のガスケットとして形成されていてもよい。
前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、前記応答遅れ生成部は、抵抗体と、前記抵抗体と前記シリンダヘッドとの間に配置される巻線部と、を備え、前記点火プラグは、前記接地電極が形成される導電性のハウジングを有し、前記取り付け孔に対して前記抵抗体を介して取り付けられるように構成されていてもよい。
前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグは、前記接地電極が形成される導電性のハウジングを有し、前記応答遅れ生成部は、前記ハウジングと前記取り付け孔との間に配置されるように構成されていてもよい。
前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、前記点火プラグは、前記接地電極が形成されると共に前記取り付け孔に取り付けられる導電性のハウジングを有し、前記接地電極は、前記応答遅れ生成部を介して前記ハウジングに接続されるように構成されていてもよい。
前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、前記点火プラグは、前記中心電極及び前記接地電極と絶縁されたハウジングを有し、前記取り付け孔に対して前記ハウジングを介して取り付けられ、前記接地電極の端子と前記シリンダヘッドとは、前記応答遅れ生成部を介して接続されるように構成されていてもよい。
本発明のエンジンは、点火装置を備える。前記点火装置は、中心電極と、接地電極と、応答遅れ生成部と、を備える。前記接地電極は、前記中心電極に対応して設けられ、グラウンドに接続される。前記応答遅れ生成部は、前記グラウンドと前記接地電極との間に設けられる。これにより、火花点火をさせる前に中心電極と接地電極とで形成される放電領域の電界を強化することができ、火花を発生させるための電圧を低くすることができる。その結果、中心電極と接地電極で構成される電極部の劣化を抑制することが可能になる。また、火花放電をさせる前の電極部の電界を強化することになるため、混合気に点火する際の初期火炎核の形成が促進され、燃焼期間を短縮することができる。
第1実施例に係る点火装置を備えたエンジンの模式図である。 図1に示すエンジンに配設された点火装置の概略構成を示すブロック図である。 図2に示す点火装置の応答遅れ生成部の回路例を示す図である。 従来及び各実施例の点火装置により点火制御を実施した際の中心電極側電圧、接地電極側電圧、電流を示すタイムチャートである。 点火プラグ、及び点火プラグの取付構造の他の実施例を示す図である。 実施例及び従来技術によって混合気を点火した場合の圧力変化履歴を示す図である。
以下、点火装置を備えたエンジンの第1実施例について添付図面を参照して、詳細に説明する。
図1には、本発明の点火装置200を備えたエンジン100の構成を模式的に示している。エンジン100は、例えば、パイプラインから供給される都市ガスを燃料とするエンジンであって、後述する燃焼室Mに燃料ガスGと空気との混合気を供給し点火プラグ230で点火する形式のエンジンである。
エンジン100は、エンジン本体部10と、吸気系統20と、排気系統30と、制御部としてのECU(Engine Control Unit)50と、点火プラグ230及び応答遅れ生成部250を含む点火装置200と、を備えている。点火プラグ230は、中心電極231と、接地電極231とを有している。
エンジン本体部10は、シリンダヘッド70とシリンダブロック80等から構成される。エンジン本体部10は、複数の気筒11を備えている。図1では複数の気筒11のうち1気筒のみ示している。各気筒11は、吸気系統20によって連通されると共に、排気系統30によって連通されている。吸気系統20は、シリンダヘッド70に形成された吸気ポート21と、吸気マニホールド22とにより構成される。排気系統30は、排気ポート31と、排気マニホールド32とによって構成される。
吸気マニホールド22には、ガスインジェクタ42が設けられている。吸気系統20の上流側には、インタークーラ、メインスロットル、及び過給機のコンプレッサ等(図示は省略する。)が配設される。排気系統30における排気マニホールド32の下流側には、過給機のタービン等(図示は省略する。)が配設される。
ECU50は、点火装置200の点火制御を実施すると共に、空気流量としての吸気マニホールド圧力が目標吸気マニホールド圧力となるように、メインスロットル等を制御する。
図1を参照しながら、さらにシリンダヘッド70の構成について説明する。
シリンダヘッド70は、シリンダブロック80の上部に配設される。シリンダヘッド70には、吸気バルブ71と、排気バルブ72と、後述する燃焼室Mに臨む点火プラグ230と、が設けられる。シリンダヘッド70は、点火プラグ230をシリンダヘッド70に取り付けるための取り付け孔73を有する。
気筒11のシリンダ12には、ピストンPが摺動可能に収納される。シリンダヘッド70には、気筒11のシリンダ12の内壁、シリンダヘッド70の下面、及びピストンPの頂部によって、燃焼室Mが形成される。
吸気マニホールド22には、ガスインジェクタ42を介して燃料供給管41が接続されると共に、吸気マニホールド圧力センサ54が配設される。燃料供給管41には、燃料ガス圧力を検知する燃料ガス圧力センサ55と、燃料ガス圧力調整器56と、が配設されている。
エンジン100には、さらに、エンジン回転数Neを検知するエンジン回転数センサ51、エンジン出力Wを検知するエンジン出力センサ52が配設されている。エンジン回転数センサ51及びエンジン出力センサ52は、ガスインジェクタ42、燃料ガス圧力センサ55、及び燃料ガス圧力調整器56と共にECU50に接続されている。なお、ECU50には、上記したセンサ、装置に限定されず、種々のセンサ、装置が接続されていてもよい。
ECU50には、燃料噴射量マップが設定されている。燃料噴射量マップは、エンジン回転数Neと、エンジン出力Wと、燃料流量としての指令燃料噴射量Qとの相関を表すものであって、エンジン回転数Ne及びエンジン出力Wに対して指令燃料噴射量Qを決定するものである。ECU50は、指令燃料噴射量Qに基づいてガスインジェクタ42を制御する。
ECU50には、さらに目標吸気マニホールド圧力マップが設定されている。目標吸気マニホールド圧力マップは、エンジン回転数Neと、エンジン出力Wと目標吸気マニホールド圧力Piとの相関を表すものであって、エンジン回転数Ne及びエンジン出力Wに対して目標吸気マニホールド圧力Piを決定するものである。ECU50は、吸気マニホールド圧力が目標吸気マニホールド圧Piとなるようにメインスロットルを制御する。
以上のような構成とすることで、ECU50は、燃料ガス圧力調整器56及びガスインジェクタ42、並びにメインスロットル等を制御して吸気マニホールド22に燃料ガスGと空気とを混合した混合気を供給する。混合ガスは、吸気マニホールド22を介して燃焼室Mに供給され、点火プラグ230によって点火される。
図1に加え、図2、及び図3を参照しながら、点火装置200についてさらに説明する。
点火装置200は、上記したECU50と、点火プラグ230と応答遅れ生成部250とを含んで構成される。図1、及び図2にその概略を示すように、点火装置200は、点火プラグ230の中心電極231に連結された端子231aを介して中心電極231と接地電極232との間に火花放電を発生させるための電圧を印加する。応答遅れ生成部250は、接地電極232とGNDとの間に配置される。応答遅れ生成部250は、火花放電前の接地電極232の電位を高い状態に維持し、中心電極231と接地電極232との間に形成される放電領域の電界強化を図るべく接地電極232の電位変化に応答遅れを生じさせる機能を有する。
図2に示すように、点火装置200は、一次コイル241、二次コイル242、コア243からなるイグニッションコイル、イグナイタ244、及び電源245を備えている。一次コイル241は、コア243に巻き回される。一次コイル241の一端部は、電源245に接続され、一次コイル241の他端部はイグナイタ244に接続される。二次コイル242は、コア243に巻き回される。二次コイル242一端部は一次コイル241に接続されており、二次コイル242の他端部は点火プラグ230の中心電極231の端子231aに接続されている。
イグナイタ244は、例えば、トランジスタから構成される。イグナイタ244は、上記したECU50からの通電信号によって、一次コイル241に対する電源245からの電力の供給、供給停止を切り換える。なお、上記した回路は、点火プラグに電圧を印加する回路として一般的に知られた回路であり、種々の変形例を想定することができる。例えば、本実施例では、イグナイタ244をトランジスタにより構成されたものとしたが、本発明はこれに限定されず、ポイント(接点)式のディストリビューター(分配器)等で置き換えることも可能である。
応答遅れ生成部250は、図2に示すように、点火プラグ230の接地電極232とGNDとの間に配設されている。応答遅れ生成部250は、中心電極231と接地電極232との間に形成される放電領域において火花放電が発生した後、接地電極232の電位が低下することを妨げる機能を有する。応答遅れ生成部250は、巻線部(コイル)を備えていることが好ましい。応答遅れ生成部250は、巻線部を備えることによる過度応答によって起電力を生じさせて、上記機能を実現する。
この応答遅れ生成部250を構成する回路例を図3に示す。図3に示すように、応答遅れ生成部250は、巻線部としてインダクタを備えることができる。より具体的には、応答遅れ生成部250の構成として、インダクタ251からなる構成(図3(a)を参照。)と、抵抗体252とインダクタ253とを直列に配設した構成(図3(b)を参照。)、あるいは、直列に配列された抵抗体254及びインダクタ255と、これらと並列に配置されるコンデンサ256を備える構成(図3(c)を参照。)等を採用することができる。図3(c)に示す構成は、例えば、炭素皮膜抵抗器によって実現することができる。炭素皮膜抵抗器は、磁器棒の表面に、高温度、高真空の中で熱分解により密着固定させた純粋な炭素皮膜を形成し、該炭素皮膜に螺旋状に溝を切って巻線構造を形成することで必要な抵抗値を得るようにしたものである。図3(a)〜(c)に配設される巻線部のインダクタンス、抵抗体252、254の抵抗値、コンデンサ256の静電容量等を調整することにより、応答遅れ生成部250の過度応答特性を調整することができる。応答遅れ生成部250の過度応答特性は、適宜実験等により決定される。なお、点火装置200を構成する点火プラグ230は気筒11毎に配設される。
図1に戻り、点火プラグ230の詳細な構成、及び応答遅れ生成部250の構成例について説明する。点火プラグ230の先端部には、中心電極231、接地電極232が配設される。点火プラグ230は、導電性のハウジング233をさらに有する。中心電極231は点火プラグ230の中心を通り絶縁碍子で包囲された銅芯を介して、上方の端子231aに電気的に連結されている。接地電極232は、導電性のハウジング233に形成されている。ハウジング233は、例えば、特殊ニッケル合金等で構成される。ハウジング233は、ねじ部233aと、ヘッド部233bとを備えている。ねじ部233aは、シリンダヘッド70の取り付け孔73に結合される。ねじ部233aの一端に、接地電極232が係止されている。ヘッド部233bはねじ部233aの他端に接続されている。
本実施例では、シリンダヘッド70の取り付け孔73と点火プラグ230のハウジング233との間に略円筒状の絶縁体74が配設される。絶縁体74は、シリンダヘッド70と点火プラグ230との電気的な導通を遮断する。絶縁体74は、略円筒状をなす。そして、点火プラグ230のハウジング233とシリンダヘッド70との間には、上述した応答遅れ生成部250が配設される。ハウジング233とシリンダヘッド70とは、応答遅れ生成部250を介して接続される。このような構成によれば、応答遅れ生成部250を形成するために点火プラグ230を加工する必要がない。このため、一般的に使用されている点火プラグを、本実施例の点火プラグ230として採用することができる。
本実施例は、概ね以上のように構成されており、上記した点火装置200によって実施される点火制御について図1〜図4を参照しながら以下に説明する。
点火プラグ230で火花放電を発生させるために、エンジンの運転状態によって決定される点火時期を考慮したタイミングで、ECU50からイグナイタ244に通電信号が送られる。これにより、電源245から1次コイル241に電流が供給されて、コア243の周囲に磁界を形成する。次いで、イグナイタ244に対する通電信号が遮断されることで、電源245から1次コイル241に対する通電が停止される。1次コイル241に対する通電が停止されることで、2次コイル242側に相互誘導作用により負極性の2次電圧が生じる。そして、この2次電圧により中心電極231と接地電極232との間で形成される放電領域に電圧が印加され、これにより火花放電が生じ、燃焼室Mにおいて圧縮された混合気が点火される。このような点火制御を各気筒11の点火タイミングに合わせて繰り返し実施する。
図4(a)は、従来の点火装置により点火制御を実施した際の中心電極側の電圧、接地電極側の電圧、及び電流を示すタイムチャートである。図4(b)は、本実施例の点火装置200により点火制御を実施した際の中心電極側電圧、接地電極側電圧、及び電流を示すタイムチャートである。図4において、火花放電が生じるタイミングをBDで示す。
従来の点火装置では、接地電極がGNDに常時接続されている。このため、図4(a)において点線で示すように、従来の点火装置では、接地電極側電圧が略0Vで維持されている。このような構成の場合、図4(a)に実線で示すように、火花放電を発生させるために必要となる中心電極側電圧が設置電極側電圧に対して大きくなる。これにより、図4(a)に一点鎖線で示すように、火花放電が発生した際に大電流が流れる。よって、中心電極及び接地電極に劣化が生じやすい。
一方、本実施例の点火装置200では、接地電極232とGNDとの間に応答遅れ生成部250が配設されている。このため、火花放電が発生して混合気に対する点火が行われた後、図4(b)に点線で示すように、接地電極側電圧が、しばらく低下しない。すなわち、中心電極231と接地電極232との間で形成される放電領域の電界が強化された状態が維持される。このような構成において点火制御を実施することで、図4において実線で示すように、点火プラグ230において火花放電を生じさせるための中心電極電圧を、従来の点火装置に比して低下させることができる。その結果、火花放電させる際に流れる電流値を抑えることができ、中心電極231、及び接地電極232に劣化が生じるのを抑制することが可能になる。なお、本実施例の応答遅れ生成部250は、図3(a)〜(c)で示す応答遅れ生成部250の回路例のいずれによって構成されていてもよい。
図4(b)に示すように、本実施例の点火装置200では、火花放電が生じた後、接地電極側電圧が急激に低下するのではなく、緩やかに低下する。この現象を応答遅れと称する。応答遅れ生成部250は、この応答遅れを生じさせるための構成部材である。
本発明は、上記した第1実施例に示した構成に限定されず、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の変形例を想定することができる。以下に他の実施例について説明する。なお、以下に述べる他の実施例は、点火プラグ230、応答遅れ生成部250、及びシリンダヘッド70の取り付け孔73に対する点火プラグ230の取付構造が第1実施例と相違し、その余の構成においては共通しているため、共通している点についての詳細な説明は省略する。
(第2実施例)
図5(a)を参照し、第2実施例について説明する。図5(a)に示す第2実施例は、図3(b)に示す回路例を実現すべく構成されたものである。応答遅れ生成部250は、抵抗体252とインダクタ251(巻線部)とで構成されている。抵抗体252は、シリンダ70の取り付け孔73内に配置されている、抵抗体252は、略円筒状をなす。点火プラグ230は、抵抗体252を介して、取り付け孔73に取り付けられている。
第2実施例では、インダクタ251と抵抗体252とにより応答遅れ生成部250を構成する。この場合、応答遅れ生成部250を形成するための点火プラグ230を加工する必要がない。そのため、一般的に使用されている点火プラグをそのまま採用することが可能である。また、抵抗体252の抵抗値は、適宜選択することができる。
(第3実施例)
図5(b)を参照し、第3実施例について説明する。図5(b)に示す第3実施例では、第1実施例と同様に、シリンダヘッド70の取り付け孔73に、絶縁体74を介して点火プラグ230を取り付ける。その際に、点火プラグ230のハウジング233とシリンダヘッド70の取り付け孔73との間に、応答遅れ生成部250としてのガスケットを配設する。この応答遅れ生成部250により、点火プラグ230とシリンダヘッド間の気密性が保持される。本実施例の応答遅れ生成部250は、中央部に貫通孔が形成されており(図示は省略する。)、該貫通孔に点火プラグ230のねじ部233aが挿入される。これにより、点火プラグ230のハウジング233とシリンダヘッド70とが直接的に接続されず、応答遅れ生成部250を介して接続される。本実施例の応答遅れ生成部250は、例えば、巻線構造を備え、インダクタンスを有するように構成されることができる。このような構成により、本実施例も、上記した第1実施例と同様の作用効果を奏することができる。また、本実施例は、第1及び第2実施例と同様、応答遅れ生成部250を形成するための点火プラグ230の加工が不要である。
(第4実施例)
図5(c)を参照し、第4実施例について説明する。図5(c)に示す第4実施例では、巻線部を備えた応答遅れ生成部250が筒状に形成されている。点火プラグ230のねじ部233aは、応答遅れ生成部250に挿入される。すなわち、応答遅れ生成部250を介して点火プラグ230がシリンダヘッド70の取り付け孔73に取り付けられる。このように構成されることで、上記した第1実施例と同様の作用効果を奏することができる。また、本実施例は、第1〜第3実施例と同様、応答遅れ生成部250を形成するための点火プラグ230の加工が不要である。
(第5実施例)
図5(d)を参照し、第5実施例について説明する。図5(d)に示す第5実施例は、接地電極232の構成において、第1〜第4実施例と異なっている。本実施例では、接地電極232が応答遅れ生成部250を介してハウジング233に連結されている。このような応答遅れ生成部250は、例えば、小型のインダクタにより構成することができ、上記した第1実施例と同様の作用効果を奏することができる。
(第6実施例)
図5(e)を参照し、第6実施例について説明する。図5(e)に示す第6実施例では、中心電極231及び接地電極232と、ハウジング233とが電気的に絶縁されている。中心電極231の端子231aは上記したイグニッションコイルに接続され、接地電極232の端子232aは応答遅れ生成部250を介してシリンダヘッド70に接続される。本実施例の点火プラグ230は、シリンダヘッド70の取り付け孔73に直接取り付けられるが、ハウジング233と接地電極232は絶縁されている。本実施例も、上記した第1実施例と同様の作用効果を奏することができる。なお、上記した第5及び第6実施例は、点火プラグ230側に改良を施すものであるため、シリンダヘッド70に対して大きな変更を実施する必要がない。
点火装置200によって混合気を点火させた場合の燃焼室M内の圧力変化履歴に及ぼす影響について、図6に基づき説明する。図6に示すデータは、所定の容積を有する密閉容器に当量比0.7の混合気を充填し、該容器内圧を1MPaとした状態で点火させた場合の容器内の圧力変化履歴を示すものである。図中点線は、応答遅れ生成部250を備えない従来の点火装置(従来例)によって混合気に点火した場合の容器内の圧力変化履歴を示している。図中の実線は、上述した第1実施例の点火装置200によって混合気に点火した場合の容器内の圧力変化履歴を示している。なお、図6では、火花放電が生じた点火タイミング(0ms)を揃え、その後の圧力変化履歴を比較している。
図6から理解されるように、実線で示す第1実施例では、従来例に比べ、点火後の圧力の上昇が早められる。これは、応答遅れ生成部250によって中心電極231と接地電極232との間の電界が強化されていることに起因する。図6は、第1実施例について、混合気が点火されて燃焼が進行する状態においても電界が強化された状態が維持されていることで、初期火炎核の形成が促進され、混合気の燃焼が良好に進行し、燃焼期間が短縮されたことを示している。
本発明は、上記した実施例に限定されることなく、本発明の技術的範囲に含まれる限り、種々の変形例を含むことができる。上記した第1〜6実施例は、いずれもパイプラインから供給される都市ガスを燃料とするガスエンジンに適用した例を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、CNGやLNGを燃料とする他のガスエンジン、又はガソリンエンジン等、火花放電によって燃料に点火するエンジンであれば、いずれのエンジンにも適用することが可能である。
10:エンジン本体部
11:気筒
20:吸気系統
21:吸気ポート
22:吸気マニホールド
30:排気系統
31:排気ポート
32:排気マニホールド
41:燃料供給路
42:ガスインジェクタ
50:ECU
70:シリンダヘッド
80:シリンダブロック
200:点火装置
230:点火プラグ
231:中心電極
232:接地電極
250:応答遅れ生成部

Claims (8)

  1. 点火装置を備えるエンジンであって、
    前記点火装置は、
    中心電極と、
    前記中心電極に対応して設けられ、グラウンドに接続される接地電極と、
    前記グラウンドと前記接地電極との間に設けられた応答遅れ生成部と、を備える、エンジン。
  2. 前記応答遅れ生成部は、巻線部を備える、請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、
    前記点火プラグは、前記接地電極が形成される導電性のハウジングを有し、前記点火プラグは前記取り付け孔に対して絶縁体を介して取り付けられ、前記ハウジングと前記シリンダヘッドとは、前記応答遅れ生成部を介して接続される、請求項1又は2に記載のエンジン。
  4. 前記応答遅れ生成部は、前記点火プラグを前記取り付け孔に取り付ける際のガスケットとして形成される、請求項3に記載のエンジン。
  5. 前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、
    前記応答遅れ生成部は、抵抗体と、前記抵抗体と前記シリンダヘッドとの間に配置される巻線部と、を備え、
    前記点火プラグは、前記接地電極が形成される導電性のハウジングを有し、前記取り付け孔に対して前記抵抗体を介して取り付けられる、請求項1に記載のエンジン。
  6. 前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、
    前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグは、前記接地電極が形成される導電性のハウジングを有し、
    前記応答遅れ生成部は、前記ハウジングと前記取り付け孔との間に配置される、請求項1又は2に記載のエンジン。
  7. 前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、
    前記点火プラグは、前記接地電極が形成されると共に前記取り付け孔に取り付けられる導電性のハウジングを有し、
    前記接地電極は、前記応答遅れ生成部を介して前記ハウジングに接続される、請求項1又は2に記載のエンジン。
  8. 前記エンジンは、前記中心電極と前記接地電極とを有する点火プラグを取り付けるための取り付け孔を有するシリンダヘッドをさらに備え、
    前記点火プラグは、前記中心電極及び前記接地電極と絶縁されたハウジングを有し、前記取り付け孔に対して前記ハウジングを介して取り付けられ、
    前記接地電極の端子と前記シリンダヘッドとは、前記応答遅れ生成部を介して接続される、請求項1又は2に記載のエンジン。
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