JP2012225204A - 点火装置及び点火システム - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導放電に用いられていたエネルギーを噴出力として有効に利用することで、エネルギー効率の向上を図りつつ、優れた着火性を実現する。
【解決手段】点火装置71は、中心電極5と、接地電極27と、両電極5,27間に形成された間隙29の少なくとも一部の周囲を包囲して放電空間を形成するキャビティ部28とを有する点火プラグ1に用いられる。点火装置71は、間隙29に電圧を印加する電圧印加部31と、間隙29に電力を投入する電力投入部41とを有する。加えて、電圧印加部31の電圧印加経路37に、静電容量を備える静電容量部51が点火プラグ1と並列に設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】点火装置71は、中心電極5と、接地電極27と、両電極5,27間に形成された間隙29の少なくとも一部の周囲を包囲して放電空間を形成するキャビティ部28とを有する点火プラグ1に用いられる。点火装置71は、間隙29に電圧を印加する電圧印加部31と、間隙29に電力を投入する電力投入部41とを有する。加えて、電圧印加部31の電圧印加経路37に、静電容量を備える静電容量部51が点火プラグ1と並列に設けられる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プラズマを生成して混合気等への着火を行うプラズマジェット点火プラグ用の点火装置に関する。
従来、内燃機関等の燃焼装置においては、火花放電により混合気へと着火する点火プラグが使用されている。また近年では、燃焼装置の高出力化や低燃費化の要求に応えるべく、燃焼の広がりが速く、着火限界空燃比のより高い希薄混合気に対してもより確実に着火可能な点火プラグとして、プラズマジェット点火プラグが提案されている。
一般にプラズマジェット点火プラグは、軸孔を有する筒状の絶縁碍子と、先端面が絶縁碍子の先端面よりも没入した状態で軸孔内に挿設される中心電極と、絶縁碍子の外周に配置される主体金具と、主体金具の先端部に接合される円環状の接地電極とを備える。また、プラズマジェット点火プラグは、中心電極の先端面及び軸孔の内周面によって形成された空間(キャビティ部)を有しており、当該キャビティ部は接地電極に形成された貫通孔を介して外部に連通されるようになっている。
このようなプラズマジェット点火プラグにおいては、次のようにして混合気への着火が行われる。まず、中心電極と接地電極との間に形成された間隙に電圧を印加して、当該間隙に火花放電を生じさせて絶縁破壊する。その上で、前記間隙に電力エネルギーを投入することによってキャビティ部内の気体をプラズマ化させて、キャビティ部の内部にプラズマを発生させる。そして、発生したプラズマをキャビティ部の開口から噴出させることで、混合気への着火が行われる。
また、プラズマジェット点火プラグ用の点火装置としては、間隙に電圧を印加し火花放電を生じさせるための電圧印加部と、間隙に電力エネルギーを投入するための電力投入部とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
ところで、優れた着火性を実現するためには、プラズマ又はプラズマが混合気に着火することで形成された初期火炎核に対して、キャビティ部の外側(燃焼室の中心側)に向けた噴出力を与えることが必要である。上記特許文献1に記載の技術では、電力投入部から供給される電力エネルギーを用いて噴出力を得ているが、十分な噴出力を得るためには非常に大きなエネルギーが必要である。
さらに、上記特許文献1等に記載の技術においては、電圧の印加による火花放電の際に、電圧が急激に変動する容量放電に続いて、微小な電流が流れ続ける誘導放電が生じる。ところが、容量放電は、気体のプラズマ化を促進し着火性の向上に寄与するものの、誘導放電は、着火性の向上にほとんど寄与しない。すなわち、誘導放電の分だけエネルギーが無駄に使われてしまい、エネルギー効率の悪化を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、誘導放電に用いられていたエネルギーを噴出力として有効に利用することで、エネルギー効率の向上を図りつつ、優れた着火性を実現することができる点火装置、及び、点火システムを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の点火装置は、中心電極と、接地電極と、前記両電極間に形成された間隙の少なくとも一部の周囲を包囲して放電空間を形成するキャビティ部とを有するプラズマジェット点火プラグに用いられる点火装置であって、
前記間隙に電圧を印加する電圧印加部と、
前記間隙に電力を投入する電力投入部とを有するとともに、
前記電圧印加部の電圧印加経路に、静電容量を備える静電容量部を前記プラズマジェット点火プラグと並列に備えることを特徴とする。
前記間隙に電圧を印加する電圧印加部と、
前記間隙に電力を投入する電力投入部とを有するとともに、
前記電圧印加部の電圧印加経路に、静電容量を備える静電容量部を前記プラズマジェット点火プラグと並列に備えることを特徴とする。
尚、「電圧印加部の電圧印加経路」とあるのは、電圧印加部からの出力電圧が加わることで、電圧印加部からの出力電圧と等しい電圧となり得る部位(例えば、電圧印加部と点火プラグとを接続する導電経路など)をいう。
上記構成1によれば、電圧印加部の電圧印加経路に、プラズマジェット点火プラグ(以下、「点火プラグ」と称することもある)と並列に静電容量部が設けられている。従って、電圧印加部から間隙に電圧を印加した際に、点火プラグと静電容量部との双方に電荷が蓄えられ、間隙の電位差が間隙の絶縁破壊電圧を上回ったときに、間隙に対して点火プラグに蓄えられた電荷に加えて、静電容量部に蓄えられた電荷が流れ込み、容量放電を生じさせることとなる。従って、容量放電で流れる電流を増大させることができ、プラズマの生成効率を向上させることができる。
さらに、容量放電が生じた際には間隙の抵抗値が低下するため、電圧印加部から間隙に電流が流れ込み、誘導放電が生じてしまうことが懸念されるが、上記構成1によれば、静電容量部の充電のために、電圧印加部からの電流は静電容量部へと流れ込むこととなる。すなわち、従前、誘導放電に用いられていたエネルギーにより静電容量部が充電される。そして、この静電容量部に蓄えられた電荷と点火プラグに蓄えられた電荷とにより容量放電を再度発生させることができ、容量放電(すなわち急峻な電圧変化)の作用でプラズマ又は初期火炎核に噴出力を与えることができる。また、電圧印加部から電気エネルギーが供給されている間、静電容量部に対する充電、及び、静電容量部等に蓄えられた電荷による容量放電を繰り返し発生させることができ、プラズマ又は初期火炎核に対して複数回に亘って噴出力を与えることができる。その結果、プラズマ等に対して強い噴出力を与えることができ、優れた着火性を実現することができる。
加えて、上記構成1によれば、噴出力を得るために、電力投入部から点火プラグに対して過大な電力エネルギーを投入する必要がなく、電力投入部から供給される電力エネルギーは、プラズマを生成可能(すなわち、着火可能な熱源を形成可能)な最低限のエネルギーであればよい。従って、電力投入部から供給される電力エネルギーを大幅に低減させることができ、エネルギー効率を飛躍的に向上させることができる。
構成2.本構成の点火装置は、上記構成1において、前記静電容量部の静電容量が、前記プラズマジェット点火プラグの静電容量以上であることを特徴とする。
一般に容量放電は短時間しか継続しないものであるが、静電容量部の充電が完了した時点で容量放電が継続していると、容量放電に伴い抵抗値の低下した間隙へと電流が流れ込んでしまい、誘導放電が生じてしまうおそれがある。
この点、上記構成2によれば、静電容量部の静電容量が、点火プラグの静電容量以上とされている。従って、容量放電後に間隙に対して流れ込む電荷を減らすことができ、容量放電を途切れやすくすることができる。そのため、静電容量部の充電が完了し、電圧印加部や静電容量部からの電流が間隙側へと流れ得る状態となったときには、間隙の抵抗値を容量放電前の元の値へとより確実に戻すことができる。その結果、電圧印加部や静電容量部からの電流が間隙に流れ込み、誘導放電が生じてしまうという事態をより確実に防止することができ、着火性を一層確実に向上させることができる。
構成3.本構成の点火装置は、上記構成1又は2において、前記静電容量部の静電容量が、20pF以上500pF以下であることを特徴とする。
上記構成3によれば、静電容量部の静電容量が20pF以上とされているため、誘導放電の発生を一層確実に防止することができ、着火性の更なる向上を図ることができる。
一方で、静電容量部の静電容量を過度に大きくしてしまうと、静電容量部の充電に時間を要することとなってしまう。そのため、容量放電の発生間隔が長くなり、噴出力が十分に得られなくなってしまうおそれがある。
この点、上記構成3によれば、静電容量部の静電容量が500pF以下とされているため、容量放電の発生間隔を短くすることができ、プラズマ等に対して連続的に噴出力を与えることができる。その結果、着火性をより確実に向上させることができる。
構成4.本構成の点火システムは、上記構成1乃至3のいずれかに記載の点火装置と、
前記電圧印加部及び前記電力投入部と電気的に接続されるプラズマジェット点火プラグとを備えることを特徴とする。
前記電圧印加部及び前記電力投入部と電気的に接続されるプラズマジェット点火プラグとを備えることを特徴とする。
上記構成4によれば、上記構成1等と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成5.本構成の点火システムは、上記構成4において、前記電力投入部から供給される電力のエネルギーが、100mJ以下であることを特徴とする。
上記構成5によれば、電力投入部から供給される電力エネルギーが100mJ以下と小さくされているため、電力エネルギーだけでは十分な噴出力を得ることができないが、上記構成1等を採用することで、電力エネルギーを小さくしたとしても十分な噴出力を得ることができる。換言すれば、上記構成1等は、エネルギー効率を向上させるべく、電力投入部から供給される電力エネルギーを100mJ以下とした場合において、特に有意である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、プラズマジェット点火プラグ(以下、「点火プラグ」と称す)1と、電圧印加部31及び電力投入部41を有する点火装置71とを備えた点火システム101の概略構成を示すブロック図である。尚、図1では、点火プラグ1を1つのみ示しているが、内燃機関ENには複数の気筒が設けられており、各気筒に対応して点火プラグ1が設けられている。そして、各点火プラグ1ごとに電圧印加部31や電力投入部41が設けられている。
まず、点火システム101の説明に先立って、点火プラグ1の概略構成を説明する。
図2は、点火プラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図2では、点火プラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側を点火プラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
点火プラグ1は、筒状をなす絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、熱伝導性に優れる銅や銅合金等からなる内層5A、及び、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金〔例えば、インコネル(商標名)600や601等〕からなる外層5Bを備えている。さらに、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端が絶縁碍子2の先端面よりも軸線CL1方向後端側に配置されている。加えて、中心電極5のうち、その先端から軸線CL1方向後端側に少なくとも0.3mmまでの部位には、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、又は、これらの金属のうち少なくとも一種を主成分とする合金により形成された電極チップ5Cが設けられている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、中心電極5と端子電極6との間には、円柱状のガラスシール層9が配設されている。当該ガラスシール層9により、中心電極5と端子電極6とがそれぞれ電気的に接続されるとともに、中心電極5及び端子電極6が絶縁碍子2に固定されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面には点火プラグ1を燃焼装置(例えば、内燃機関や燃料電池改質器等)の取付孔に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を前記燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。併せて、主体金具3の先端部外周には、軸線CL1方向先端側に向けて突出するように形成された環状の係合部21が形成されており、当該係合部21に対して後述する接地電極27が接合されるようになっている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部22が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部22に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,22間には、円環状の板パッキン23が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材24,25が介在され、リング部材24,25間にはタルク(滑石)26の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン23、リング部材24,25及びタルク26を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部には、絶縁碍子2の先端よりも軸線CL1方向先端側に位置するようにして、円板状をなす接地電極27が接合されている。当該接地電極27は、前記主体金具3の係合部21に係合された状態で、自身の外周部分が前記係合部21に対して溶接されることで主体金具3に接合されている。尚、本実施形態において、接地電極27は、W、Ir、Pt,Ni、又は、これらの金属のうち少なくとも一種を主成分とする合金により構成されている。
加えて、接地電極27は、自身の中央に板厚方向に貫通する貫通孔27Hを有している。そして、軸孔4の内周面と中心電極5の先端面とにより形成され、先端側に向けて開口する円柱状の空間であるキャビティ部28が、前記貫通孔27Hを介して外部へと連通されている。
上述した点火プラグ1においては、中心電極5と接地電極27との間に形成された間隙29に高電圧を印加することにより火花放電を生じさせた上で、間隙29に電力を投入し、放電状態を遷移させることで、キャビティ部28にプラズマを生成するようになっている。そこで次に、点火プラグ1の前記間隙29に高電圧を印加するための電圧印加部31、及び、間隙29に電力を投入するための電力投入部41の構成について説明する。
図1に示すように、電圧印加部31は、電力投入部41から自身に対する電流の流入を防止するためのダイオード36を介して点火プラグ1に電気的に接続されている。また、電圧印加部31は、一次コイル32、二次コイル33、コア34、及び、イグナイタ35を備えている。
一次コイル32は、前記コア34を中心に巻回されており、その一端が電力供給用のバッテリVAに接続されるとともに、その他端がイグナイタ35に接続されている。また、二次コイル33は、前記コア34を中心に巻回されており、その一端が一次コイル32及びバッテリVA間に接続されるとともに、その他端が点火プラグ1の端子電極6に接続されている。
加えて、イグナイタ35は、所定のトランジスタにより形成されており、所定のECU(電子制御装置)61から入力される通電信号に応じて、バッテリVAから一次コイル32に対する電力の供給及び供給停止を切り替える。点火プラグ1に高電圧を印加する場合には、バッテリVAから一次コイル32に電流を流し、前記コア34の周囲に磁界を形成した上で、ECU61からの通電信号をオンからオフに切り替えることにより、バッテリVAから一次コイル32に対する通電を停止する。通電の停止により、前記コア34の磁界が変化し、二次コイル33に負極性の高電圧(例えば、5kV〜30kV)が発生する。この高電圧が点火プラグ1(端子電極6)に印加されることで、間隙29において火花放電を発生させることができる。
さらに、本実施形態では、電圧印加部31から間隙29に対する供給エネルギーE(J)は、間隙29の絶縁破壊電圧(間隙29で火花放電を生じさせるために必要な電圧)をV(V)とし、後述する静電容量部51の静電容量と点火プラグ1の静電容量との合計をC(F)としたとき、E×0.05≦0.5×C×V2≦E×0.8(本実施形態では、E×0.05≦0.5×C×V2≦E×0.3)を満たすように構成されている。すなわち、静電容量部51及び点火プラグ1に蓄えられ得る電力量(0.5×C×V2)が、電圧印加部31からの供給エネルギーEの0.8倍以下(本実施形態では、0.3倍以下)と十分に小さくなるように設定されている。静電容量部51等に蓄えられる電力量を供給エネルギーEの0.8倍以下とすることで、間隙29における火花放電(容量放電)をより確実に発生可能となっている。
加えて、前記電力投入部41は、点火プラグ1に対して電気的に接続されており、電源PSと、コンデンサ42とを備えている。
電源PSは、負極性の高電圧(例えば、500V〜1000V)を発生可能な電源回路であり、点火プラグ1及びコンデンサ42に対して電気的に接続されている。また、ECU61により、電源PSからコンデンサ42対する充電が制御されている。
加えて、コンデンサ42は、一端が接地されるとともに、他端が電源PSに接続されている。そして、前記間隙29にて火花放電が生じ、前記両電極5,27間が絶縁破壊されると、コンデンサ42に蓄積された電力エネルギーが点火プラグ1へと供給され、プラズマが生成されるようになっている。
尚、本実施形態では、電力投入部41から点火プラグ1に供給される電力のエネルギーが100mJ以下と比較的小さなものとされている。一方で、プラズマをより確実に生成可能とすべく、前記電力のエネルギーは5mJ以上とされている。
また、電力投入部41から点火プラグ1に対する電力の投入経路には、電圧印加部31から電力投入部41に対する電流の流入を防止するためのダイオード43と、ダイオード43よりも電力投入部41側に設けられたインダクタ44とが介在されている。
さらに、本実施形態においては、電圧印加部31の電圧印加経路37に、静電容量を備える静電容量部51が点火プラグ1と並列に設けられている。尚、電圧印加経路37とあるのは、電圧印加部31からの出力電圧が加わることで、電圧印加部31からの出力電圧と等しい電圧となり得る部位をいう。具体的には、電圧印加部31と点火プラグ1とを結ぶ導電経路、及び、電力投入部41からの電力を点火プラグ1に投入する経路のうち、前記導電経路との合流点CPと前記ダイオード43との間に位置する部位をいう。本実施形態では、電圧印加部31と点火プラグ1とを結ぶ導電経路のうち、ダイオード36よりも上流側(電圧印加部31側)に静電容量部51が接続されている。
静電容量部51は、電圧印加部31(二次コイル33)から供給される電力が充電されるとともに、充電された電力を点火プラグ1の間隙29に供給するものであり、通電コード52,53と、コンデンサ54とを備えている。
通電コード52,53は、導電性金属からなる導線(図示せず)が絶縁性材料からなる絶縁被膜(図示せず)に覆われて構成されたものである。通電コード52は、自身の一端が点火プラグ1と二次コイル33との間に接続され、自身の他端がコンデンサ54に接続されている。また、通電コード53は、自身の一端がコンデンサ54に接続され、自身の他端が接地されている。尚、通電コード52,53は、それぞれ微小の静電容量を有している。
コンデンサ54は、通電コード52,53間に配置されており、本実施形態では、一定の静電容量を有するものが用いられている。そして、本実施形態では、静電容量部51の静電容量(通電コード52,53の静電容量とコンデンサ54の静電容量との和)が、点火プラグ1の静電容量以上となるように構成されている。具体的には、静電容量部51の静電容量が20pF以上500pF以下となるように構成されている。尚、点火プラグ1の静電容量は、中心電極5と主体金具3との対向面積や両者間の距離、絶縁碍子2を構成する材料(絶縁碍子2の比誘電率)を調節することで変更可能である。
尚、コンデンサ54を自身の静電容量を変更可能な可変コンデンサにより構成してもよい。また、この場合には、コンデンサ54の静電容量を、ECU61やその他の制御装置により調節可能としてもよい。具体的には、間隙29の絶縁破壊電圧の増減に合わせて、コンデンサ54の静電容量を増減させる(例えば、絶縁破壊電圧が増大した場合には、コンデンサ54の静電容量を減少させる)こととしてもよい。尚、絶縁破壊電圧は、内燃機関ENの運転条件や間隙29の大きさ等の要因により変動し、例えば、中心電極5が消耗し、間隙29の大きさが増大すると、絶縁破壊電圧は増大する。
次いで、上述した点火システム101の動作について説明する。まず、間隙29において火花放電を発生させる前に、電源PSにより電力投入部41のコンデンサ42を充電しておく。その上で、所定の着火タイミングにてECU61からイグナイタ35に対する通電信号をオフとすることで、電圧印加部31の二次コイル33で負極性の高電圧を発生させ、電圧印加部31から間隙29側に電気エネルギーを供給する(尚、電気エネルギーは、一定時間の間、継続して供給される)。これにより、図3(a)に示すように、点火プラグ1及び静電容量部51に電荷が蓄えられていき、間隙29の電位差が増大していく。そして、間隙29の電位差が、間隙29の絶縁破壊電圧を上回ると、点火プラグ1に充電された電荷が間隙29に流れ込むとともに、静電容量部51に蓄えられた電荷とコンデンサ42に蓄えられた電荷(電力投入部41からの電力エネルギー)とが若干遅れて間隙29に流れ込む。その結果、図3(b)に示すように、間隙29で容量放電が生じるとともに、間隙29に大電流が流れ、プラズマが生成される。尚、電力投入部41から供給される電力のエネルギーは100mJ以下と比較的小さいため、このエネルギーは主としてプラズマ生成のために用いられる(換言すれば、電力投入部41からの電力エネルギーは、プラズマ等に噴出力を与えるためにはほとんど利用されない)。容量放電が生じると、間隙29の抵抗値が極めて小さなものとなるため、電圧印加部31から間隙29へと電流が流れ込みやすい状態となるが、点火プラグ1と並列に静電容量部51が設けられているため、電圧印加部31からの電流は、静電容量部51へと流れ込み、静電容量部51の充電に用いられることとなる。また、容量放電後の電圧印加部31から供給される電荷は静電容量部51だけでなく、点火プラグ1の静電容量や間隙29にも流れ込むものの、静電容量部51の静電容量が点火プラグ1の静電容量以上とされているため、間隙29に流れ込む電荷が減り、その結果、放電経路を維持できなくなり、間隙29の抵抗値が増大し、再び初期状態に戻る。そして、電圧印加部31からの供給エネルギーが静電容量部51と点火プラグ1との充電のみに用いられる状態となる。従って、静電容量部51の充電が完了した段階では、間隙29の抵抗値は容量放電前と同程度に増大することとなり、電圧印加部31や静電容量部51からの電流により誘導放電が発生してしまうことが抑制され、その結果、容量放電のみが生じる。
さらに、電圧印加部31から電気エネルギーが供給されている間、電圧印加部31から継続して供給されている電気エネルギーによる点火プラグ1及び静電容量部51への充電と、静電容量部51等に蓄えられた電荷による容量放電とが繰り返し行われる。すなわち、図3(a),(b)に示すように、容量放電が間欠的に複数回発生する。そして、生成されたプラズマ又は初期火炎核に対して、容量放電に伴う燃焼室の中心側に向けた噴出力が複数回与えられる。その結果、プラズマ又は初期火炎核が勢いよくキャビティ部28から噴出することとなる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、電圧印加部31の電圧印加経路37に、点火プラグ1と並列に静電容量部51が設けられている。従って、電圧印加部31から間隙29に電圧を印加した際に、点火プラグ1と静電容量部51との双方に電荷が蓄えられ、間隙29の電位差が間隙29の絶縁破壊電圧を上回ったときに、間隙29に対して点火プラグ1に蓄えられた電荷に加えて、静電容量部51に蓄えられた電荷が流れ込み、容量放電を生じさせることとなる。従って、容量放電で流れる電流を増大させることができ、プラズマの生成効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、静電容量部51の充電のために、電圧印加部31からの電流は静電容量部51へと流れ込むこととなる。すなわち、従前、誘導放電に用いられていたエネルギーにより静電容量部51が充電される。そして、この静電容量部51に蓄えられた電荷と点火プラグ1に蓄えられた電荷とにより容量放電を再度発生させることができ、容量放電の作用でプラズマ又は初期火炎核に噴出力を与えることができる。また、電圧印加部31から電気エネルギーが供給されている間、静電容量部51に対する充電及び静電容量部51等に蓄えられた電荷による容量放電を繰り返し発生させることができ、プラズマ又は初期火炎核に対して複数回に亘って噴出力を与えることができる。その結果、プラズマ等に対して強い噴出力を与えることができ、優れた着火性を実現できる。
加えて、噴出力を得るために、電力投入部41から点火プラグ1に対して過大な電力エネルギーを投入する必要がなく、電力投入部41から供給される電力エネルギーは、プラズマを生成可能な最低限のエネルギーであればよい。従って、電力投入部41から供給される電力エネルギーを100mJ以下と大幅に低減させることができ、エネルギー効率を飛躍的に向上させることができる。
併せて、静電容量部51の静電容量が、点火プラグ1の静電容量以上とされているため、容量放電後に間隙29に対して流れ込む電荷を減らすことができ、容量放電を途切れやすくすることができる。そのため、静電容量部51の充電が完了し、電圧印加部31や静電容量部51からの電流が間隙29側へと流れ得る状態となったときには、間隙29の抵抗値を容量放電前の元の値へとより確実に戻すことができる。その結果、電圧印加部31や静電容量部51からの電流が間隙29に流れ込み、誘導放電が生じてしまうという事態をより確実に防止することができ、着火性を一層確実に向上させることができる。
また、静電容量部51の静電容量が20pF以上とされているため、誘導放電の発生をより確実に防止することができる。さらに、静電容量部51の静電容量が500pF以下とされているため、容量放電の発生間隔を短くすることができ、プラズマ又は初期火炎核に対して連続的に噴出力を与えることができる。その結果、着火性の更なる向上を図ることができる。
加えて、静電容量部51及び点火プラグ1に蓄えられ得る電力量(0.5×C×V2)が、電圧印加部31の供給エネルギーEの0.05倍以上0.3倍以下とされている。従って、電圧印加部31からの1回当たりの供給エネルギーによって、容量放電をより確実に複数回(3回〜20回程度)発生させることができる。その結果、着火性の更なる向上を図ることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、点火プラグの静電容量を10pF、15pF、又は、20pFとした上で、静電容量部の静電容量を種々変更した点火装置のサンプルを複数作製し、各サンプルについて誘導放電測定試験を行った。誘導放電測定試験の概要は次の通りである。すなわち、点火プラグの間隙の電圧を測定しつつ、間隙にて100回の火花放電を発生させた。ここで、例えば、図4(a)に示すように、絶縁破壊から5μsの間に間隙の電圧が−1kVを下回らない場合には、容量放電に続いて誘導放電が発生しているものと判定し、例えば、図4(b)に示すように、絶縁破壊から5μs以内に間隙の電圧が−1kVを下回った場合には、誘導放電が発生していないものと判定した。そして、100回の火花放電中に発生した誘導放電の回数の割合(誘導放電発生率)を算出した。図5に、点火プラグの静電容量に対する静電容量部の静電容量の割合(容量比率)と、誘導放電発生率との関係を表すグラフを示す。尚、図5においては、点火プラグの静電容量を10pFとしたサンプルの試験結果を丸印で示し、点火プラグの静電容量を15pFとしたサンプルの試験結果を三角で示し、点火プラグの静電容量を20pFとしたサンプルの試験結果を四角で示す。また、容量比率が0とあるのは、静電容量部を設けなかったことを意味する。加えて、各サンプルは、電力投入部からの供給される電力エネルギーの影響を排除すべく、電力投入部を設けることなく構成した。また、電圧印加部としてCDIを用い、静電容量部のコンデンサとして可変コンデンサを用いた。尚、点火プラグの静電容量は、絶縁碍子の構成材料や主体金具及び中心電極の対向面積等を調節することで変更し、静電容量部の静電容量は、コンデンサの静電容量を調節することで変更した。
図5に示すように、容量比率を1.0以上とした(つまり、静電容量部の静電容量を点火プラグの静電容量以上とした)サンプルは、誘導放電発生率が0%となり、供給エネルギーが非常に効率よく容量放電に使用されていることが明らかとなった。これは、静電容量部の充電に時間を要することとなったため、静電容量部の充電が完了した時点では、容量放電が途切れることとなり、ひいては容量放電に続く形で電圧印加部等からの電流が間隙へと流れ込んでしまうという事態が防止されたためであると考えられる。
上記試験の結果より、電圧印加部からの供給エネルギーが効率的に容量放電の発生用に利用されるようにして着火性の向上を図るためには、静電容量部の静電容量を点火プラグの静電容量以上とすることが好ましいといえる。
次に、電力投入部から供給される電力のエネルギー(mJ)と、静電容量部の静電容量C(pF)とを種々変更した点火装置のサンプルについて、着火性評価試験を行った。着火性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルの点火プラグを排気量2.0L、4気筒エンジンに取付けた上で、点火タイミングをMBT(最適点火位置)として回転数1500rpmでエンジンを動作させた。そして、空燃比を徐々に増大(燃料を薄く)させつつ、各空燃比ごとにエンジントルクの変動率を測定し、エンジントルクの変動率が5%を上回ったときの空燃比を限界空燃比として特定した。尚、限界空燃比が大きいほど、着火性に優れることを意味する。図6及び図7に、当該試験の試験結果を示す。尚、図6及び図7においては、電力エネルギーを0mJとしたサンプルの試験結果を白抜き丸で示し、電力エネルギーを3mJとしたサンプルの試験結果を黒丸で示し、電力エネルギーを5mJとしたサンプルの試験結果を白抜き三角で示し、電力エネルギーを30mJとしたサンプルの試験結果を黒三角で示す。また、電力エネルギーを60mJとしたサンプルの試験結果を白抜き四角で示し、電力エネルギーを100mJとしたサンプルの試験結果を黒四角で示し、電力エネルギーを120mJとしたサンプルの試験結果をバツ印で示す。また、当該試験においては、静電容量部の静電容量が点火プラグの静電容量以上となるように設定した。加えて、電力投入部から供給される電力のエネルギーが0mJとあるのは、電力投入部を設けなかったことを意味する。
図6及び図7に示すように、静電容量部の静電容量を20pF以上とすることで、限界空燃比が飛躍的に増大し、優れた着火性を実現できることが分かった。これは、静電容量を20pF以上としたことで、誘導放電の発生をより確実に防止できたことによると考えられる。尚、電力投入部からの電力エネルギーを5mJ未満とした場合であって、静電容量Cを比較的小さくしたときには、着火性の向上効果がさほど発揮されなかったが、これは、電力エネルギーが過度に小さかったため、プラズマ生成に支障が生じてしまったことによると考えられる。従って、電力エネルギーは、プラズマを生成可能な程度の大きさ(例えば、5mJ以上)とすることが好ましい。
また、静電容量部の静電容量を500pF超としたサンプルは、着火性にやや劣ることが明らかとなった。これは、静電容量部の充電に時間を要することとなったため、容量放電の発生間隔が長くなり、噴出力が十分に得られなくなってしまったことに起因すると考えられる。
さらに、電力投入部からの電力エネルギーを100mJ超としたサンプルは、静電容量部の静電容量の大小に関わらず、優れた着火性を有することが分かった。これは、電力エネルギーが十分に大きかったため、電力エネルギーにより噴出力を得ることができたためであると考えられる。換言すれば、電力エネルギーを100mJ超とすると、静電容量部を設けることにより容量放電を発生させ、噴出力を得るという効果が表れず、容量放電のエネルギーが無駄に用いられてしまうといえる。
上記試験の結果より、着火性の更なる向上を図るべく、静電容量部の静電容量を20pF以上500pF以下とすることが好ましいといえる。また、プラズマをより確実に生成可能とし、着火性をより一層向上させるためには、電力投入部から供給される電力のエネルギーを5mJ以上とすることが好ましいといえる。
加えて、静電容量部による容量放電のエネルギーを有効に利用し、エネルギー効率をより確実に向上させるためには、電力投入部から供給される電力のエネルギーを100mJ以下とすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、静電容量部51は1つのコンデンサ54を備えているが、静電容量部が並列に接続された2つ以上のコンデンサを有するように構成してもよい。
(b)上記実施形態では、各点火プラグ1ごとに電圧印加部31や電力投入部41が設けられているが、各点火プラグ1ごとに電圧印加部31や電力投入部41を設けることなく、電圧印加部31や電力投入部41からの電力をディストリビュータを介して各点火プラグ1に供給することとしてもよい。
(c)上記実施形態における点火プラグ1の構成は例示であって、利用可能なプラズマジェット点火プラグの構成は特に限定されるものではない。従って、例えば、接地電極27のうち火花放電に伴い消耗する内周側の部位のみをWやIr等の金属により形成することとしてもよいし、電極チップ5Cを設けることなく、中心電極5を構成することとしてもよい。
1…点火プラグ(プラズマジェット点火プラグ)、5…中心電極、27…接地電極、29…間隙、31…電圧印加部、37…電圧印加経路、41…電力投入部、51…静電容量部、71…点火装置、101…点火システム。
構成1.本構成の点火装置は、中心電極と、接地電極と、前記両電極間に形成された間隙の少なくとも一部の周囲を包囲して放電空間を形成するキャビティ部とを有するプラズマジェット点火プラグに用いられる点火装置であって、
前記間隙に電圧を印加する電圧印加部と、
前記間隙に電力を投入する電力投入部とを有するとともに、
前記電圧印加部の電圧印加経路に、静電容量を備える静電容量部を前記プラズマジェット点火プラグと並列に備え、
前記静電容量部の静電容量が、前記プラズマジェット点火プラグの静電容量以上であることを特徴とする。
前記間隙に電圧を印加する電圧印加部と、
前記間隙に電力を投入する電力投入部とを有するとともに、
前記電圧印加部の電圧印加経路に、静電容量を備える静電容量部を前記プラズマジェット点火プラグと並列に備え、
前記静電容量部の静電容量が、前記プラズマジェット点火プラグの静電容量以上であることを特徴とする。
また、一般に容量放電は短時間しか継続しないものであるが、静電容量部の充電が完了した時点で容量放電が継続していると、容量放電に伴い抵抗値の低下した間隙へと電流が流れ込んでしまい、誘導放電が生じてしまうおそれがある。
この点、上記構成1によれば、静電容量部の静電容量が、点火プラグの静電容量以上とされている。従って、容量放電後に間隙に対して流れ込む電荷を減らすことができ、容量放電を途切れやすくすることができる。そのため、静電容量部の充電が完了し、電圧印加部や静電容量部からの電流が間隙側へと流れ得る状態となったときには、間隙の抵抗値を容量放電前の元の値へとより確実に戻すことができる。その結果、電圧印加部や静電容量部からの電流が間隙に流れ込み、誘導放電が生じてしまうという事態をより確実に防止することができ、着火性を一層確実に向上させることができる。
この点、上記構成1によれば、静電容量部の静電容量が、点火プラグの静電容量以上とされている。従って、容量放電後に間隙に対して流れ込む電荷を減らすことができ、容量放電を途切れやすくすることができる。そのため、静電容量部の充電が完了し、電圧印加部や静電容量部からの電流が間隙側へと流れ得る状態となったときには、間隙の抵抗値を容量放電前の元の値へとより確実に戻すことができる。その結果、電圧印加部や静電容量部からの電流が間隙に流れ込み、誘導放電が生じてしまうという事態をより確実に防止することができ、着火性を一層確実に向上させることができる。
構成2.本構成の点火装置は、上記構成1において、前記電圧印加部は、ダイオードを介して前記プラズマジェット点火プラグに電気的に接続されており、
前記静電容量部は、前記電圧印加部の電圧印加経路において前記ダイオードよりも前記電圧印加部側に備えられていることを特徴とする。
前記静電容量部は、前記電圧印加部の電圧印加経路において前記ダイオードよりも前記電圧印加部側に備えられていることを特徴とする。
Claims (5)
- 中心電極と、接地電極と、前記両電極間に形成された間隙の少なくとも一部の周囲を包囲して放電空間を形成するキャビティ部とを有するプラズマジェット点火プラグに用いられる点火装置であって、
前記間隙に電圧を印加する電圧印加部と、
前記間隙に電力を投入する電力投入部とを有するとともに、
前記電圧印加部の電圧印加経路に、静電容量を備える静電容量部を前記プラズマジェット点火プラグと並列に備えることを特徴とする点火装置。 - 前記静電容量部の静電容量が、前記プラズマジェット点火プラグの静電容量以上であることを特徴とする請求項1に記載の点火装置。
- 前記静電容量部の静電容量が、20pF以上500pF以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の点火装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点火装置と、
前記電圧印加部及び前記電力投入部と電気的に接続されるプラズマジェット点火プラグとを備えることを特徴とする点火システム。 - 前記電力投入部から供給される電力のエネルギーが、100mJ以下であることを特徴とする請求項4に記載の点火システム。
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- 2011-04-18 JP JP2011091646A patent/JP2012225204A/ja active Pending
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