JP2019080049A - 基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体 - Google Patents

基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】エッチング処理時間を短縮する基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体を提供する。【解決手段】実施形態に係る基板処理装置は、基板処理槽と、混合部と、供給ラインとを備える。基板処理槽は、エッチング液によってエッチング処理を行う。混合部は、新液と、シリコン含有化合物またはシリコン含有化合物を含む液体とを混合する。供給ラインは、混合部によって混合した混合液を基板処理槽に供給する。【選択図】図2

Description

開示の実施形態は、基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体に関する。
従来、基板処理装置において、エッチング液を交換した際に、エッチング液中のシリコン濃度を高くするために、ダミーロットを基板処理槽に浸漬することが知られている(特許文献1参照)。
特開2015−56631号公報
しかしながら、上記基板処理装置においては、ダミーロットを搬送して、エッチング液にダミーロットを浸漬し、その後ダミーロットを取り出し、搬送している。そのため、エッチング液中のシリコン濃度を高くするまでの時間が長くなる。すなわち、エッチング処理時間が長くなる。
実施形態の一態様は、エッチング処理時間を短縮する基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る基板処理装置は、基板処理槽と、混合部と、供給ラインとを備える。基板処理槽は、エッチング液によってエッチング処理を行う。混合部は、新液と、シリコン含有化合物またはシリコン含有化合物を含む液体とを混合する。供給ラインは、混合部によって混合した混合液を基板処理槽に供給する。
実施形態の一態様によれば、エッチング処理時間を短縮することができる。
図1は、基板処理装置の概略平面図である。 図2は、第1実施形態に係るエッチング用の処理槽の構成を示す概略ブロック図である。 図3は、第1実施形態に係る溶解液の供給方法を説明するフローチャートである。 図4は、第2実施形態に係るエッチング用の処理槽を示す概略ブロック図である。 図5は、第3実施形態に係るエッチング用の処理槽を示す概略ブロック図である。 図6は、第3実施形態に係るミキサーの概略構成断面図である。 図7は、第3実施形態に係る基板処理装置の変形例の処理槽を示す概略ブロック図である。 図8は、第3実施形態に係る基板処理装置の変形例の処理槽を示す概略ブロック図である。 図9は、第4実施形態に係るエッチング用の処理槽を示す概略ブロック図である。 図10は、第4実施形態に係るシリコン溶液の供給方法を説明するフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係る基板処理装置1は、キャリア搬入出部2と、ロット形成部3と、ロット載置部4と、ロット搬送部5と、ロット処理部6と、制御部100とを有する。図1は、基板処理装置1の概略平面図である。ここでは、水平方向に直交する方向を上下方向として説明する。
キャリア搬入出部2は、複数枚(例えば、25枚)の基板(シリコンウエハ)8を水平姿勢で上下に並べて収容したキャリア9の搬入、および搬出を行う。
キャリア搬入出部2には、複数個のキャリア9を載置するキャリアステージ10と、キャリア9の搬送を行うキャリア搬送機構11と、キャリア9を一時的に保管するキャリアストック12,13と、キャリア9を載置するキャリア載置台14とが設けられている。
キャリア搬入出部2は、外部からキャリアステージ10に搬入されたキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック12や、キャリア載置台14に搬送する。すなわち、キャリア搬入出部2は、ロット処理部6で処理する前の複数枚の基板8を収容するキャリア9を、キャリアストック12や、キャリア載置台14に搬送する。
キャリアストック12は、ロット処理部6で処理する前の複数枚の基板8を収容するキャリア9を、一時的に保管する。
キャリア載置台14に搬送され、ロット処理部6で処理する前の複数枚の基板8を収容するキャリア9からは、後述する基板搬送機構15によって複数枚の基板8が搬出される。
また、キャリア載置台14に載置され、基板8を収容していないキャリア9には、基板搬送機構15から、ロット処理部6で処理した後の複数枚の基板8が搬入される。
キャリア搬入出部2は、キャリア載置台14に載置され、ロット処理部6で処理した後の複数枚の基板8を収容するキャリア9を、キャリア搬送機構11を用いてキャリアストック13や、キャリアステージ10に搬送する。
キャリアストック13は、ロット処理部6で処理した後の複数枚の基板8を一時的に保管する。キャリアステージ10に搬送されたキャリア9は、外部へ搬出される。
ロット形成部3には、複数枚(例えば、25枚)の基板8を搬送する基板搬送機構15が設けられている。ロット形成部3は、基板搬送機構15による複数枚(例えば、25枚)の基板8の搬送を2回行い、複数枚(例えば、50枚)の基板8からなるロットを形成する。
ロット形成部3は、基板搬送機構15を用いて、キャリア載置台14に載置されたキャリア9からロット載置部4へ複数枚の基板8を搬送し、複数枚の基板8をロット載置部4に載置することで、ロットを形成する。
ロットを形成する複数枚の基板8は、ロット処理部6によって同時に処理される。ロットを形成するときは、複数枚の基板8の表面にパターンが形成されている面を互いに対向するようにロットを形成してもよく、また、複数枚の基板8の表面にパターンが形成されている面がすべて一方を向くようにロットを形成してもよい。
また、ロット形成部3は、ロット処理部6で処理が行われ、ロット載置部4に載置されたロットから、基板搬送機構15を用いて複数枚の基板8をキャリア9へ搬送する。
基板搬送機構15は、複数枚の基板8を支持するための基板支持部として、処理前の複数枚の基板8を支持する処理前基板支持部(不図示)と、処理後の複数枚の基板8を支持する処理後基板支持部(不図示)の2種類を有している。これにより、処理前の複数枚の基板8等に付着したパーティクル等が処理後の複数枚の基板8等に転着することを防止することができる。
基板搬送機構15は、複数枚の基板8の搬送途中で、複数枚の基板8の姿勢を水平姿勢から垂直姿勢、および垂直姿勢から水平姿勢に変更する。
ロット載置部4は、ロット搬送部5によってロット形成部3とロット処理部6との間で搬送されるロットをロット載置台16で一時的に載置(待機)する。
ロット載置部4には、搬入側ロット載置台17と、搬出側ロット載置台18とが設けられている。
搬入側ロット載置台17には、処理前のロットが載置される。搬出側ロット載置台18には、処理後のロットが載置される。
搬入側ロット載置台17、および搬出側ロット載置台18には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて載置される。
ロット搬送部5は、ロット載置部4とロット処理部6との間や、ロット処理部6の内部間でロットの搬送を行う。
ロット搬送部5には、ロットの搬送を行うロット搬送機構19が設けられている。ロット搬送機構19は、ロット載置部4とロット処理部6とに沿わせて配置したレール20と、ロットを保持しながらレール20に沿って移動する移動体21とを有する。
移動体21には、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8で形成されるロットを保持する基板保持体22が設けられている。
ロット搬送部5は、搬入側ロット載置台17に載置されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、受取ったロットをロット処理部6に受け渡す。
また、ロット搬送部5は、ロット処理部6で処理されたロットをロット搬送機構19の基板保持体22で受取り、受取ったロットを搬出側ロット載置台18に受け渡す。
さらに、ロット搬送部5は、ロット搬送機構19を用いてロット処理部6の内部においてロットの搬送を行う。
ロット処理部6は、垂直姿勢で前後に並んだ複数枚の基板8で形成されたロットにエッチングや、洗浄や、乾燥などの処理を行う。
ロット処理部6には、ロットにエッチング処理を行う2台のエッチング処理装置23と、ロットの洗浄処理を行う洗浄処理装置24と、基板保持体22の洗浄処理を行う基板保持体洗浄処理装置25と、ロットの乾燥処理を行う乾燥処理装置26とが並べて設けられている。なお、エッチング処理装置23の台数は、2台に限られることはなく、1台でもよく、3台以上であってもよい。
エッチング処理装置23は、エッチング用の処理槽27と、リンス用の処理槽28と、基板昇降機構29,30とを有する。
エッチング用の処理槽27には、エッチング用の処理液(以下、「エッチング液」という。)が貯留される。リンス用の処理槽28には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。なお、エッチング用の処理槽27の詳細については後述する。
基板昇降機構29,30には、ロットを形成する複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて保持される。
エッチング処理装置23は、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構29で受取り、受取ったロットを基板昇降機構29で降下させることでロットを処理槽27のエッチング液に浸漬させてエッチング処理を行う。
その後、エッチング処理装置23は、基板昇降機構29を上昇させることでロットを処理槽27から取り出し、基板昇降機構29からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。
そして、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構30で受取り、受取ったロットを基板昇降機構30で降下させることでロットを処理槽28のリンス用の処理液に浸漬させてリンス処理を行う。
その後、エッチング処理装置23は、基板昇降機構30を上昇させることでロットを処理槽28から取り出し、基板昇降機構30からロット搬送機構19の基板保持体22にロットを受け渡す。
洗浄処理装置24は、洗浄用の処理槽31と、リンス用の処理槽32と、基板昇降機構33,34とを有する。
洗浄用の処理槽31には、洗浄用の処理液(SC−1等)が貯留される。リンス用の処理槽32には、リンス用の処理液(純水等)が貯留される。基板昇降機構33,34には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて保持される。
乾燥処理装置26は、処理槽35と、処理槽35に対して昇降する基板昇降機構36とを有する。
処理槽35には、乾燥用の処理ガス(IPA(イソプロピルアルコール)等)が供給される。基板昇降機構36には、1ロット分の複数枚の基板8が垂直姿勢で前後に並べて保持される。
乾燥処理装置26は、ロット搬送機構19の基板保持体22からロットを基板昇降機構36で受取り、受取ったロットを基板昇降機構36で降下させて処理槽35に搬入し、処理槽35に供給した乾燥用の処理ガスでロットの乾燥処理を行う。そして、乾燥処理装置26は、基板昇降機構36でロットを上昇させ、基板昇降機構36からロット搬送機構19の基板保持体22に、乾燥処理を行ったロットを受け渡す。
基板保持体洗浄処理装置25は、処理槽37を有し、処理槽37に洗浄用の処理液、および乾燥ガスを供給できるようになっており、ロット搬送機構19の基板保持体22に洗浄用の処理液を供給した後、乾燥ガスを供給することで基板保持体22の洗浄処理を行う。
制御部100は、基板処理装置1の各部(キャリア搬入出部2、ロット形成部3、ロット載置部4、ロット搬送部5、ロット処理部6)の動作を制御する。制御部100は、スイッチなどからの信号に基づいて、基板処理装置1の各部の動作を制御する。
制御部100は、例えばコンピュータからなり、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体38を有する。記憶媒体38には、基板処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。
制御部100は、記憶媒体38に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理装置1の動作を制御する。なお、プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38に記憶されていたものであって、他の記憶媒体から制御部100の記憶媒体38にインストールされたものであってもよい。
コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体38としては、例えばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
次に、エッチング用の処理槽27について、図2を参照し説明する。図2は、第1実施形態に係るエッチング用の処理槽27の構成を示す概略ブロック図である。
エッチング用の処理槽27では、エッチング液を用いて、基板8上に形成された窒化膜(SiN)と酸化膜(SiO2)のうち、窒化膜のみを選択的にエッチングする。
窒化膜のエッチング処理では、リン酸(H3PO4)水溶液にシリコン(Si)含有化合物を添加してシリコン濃度を調整した溶液が、エッチング液として一般的に用いられる。シリコン濃度の調整手法としては、既存のリン酸水溶液にダミー基板を浸漬させてシリコンを溶解させる方法(シーズニング)や、コロイダルシリカなどのシリコン含有化合物をリン酸水溶液に溶解させる方法がある。また、リン酸水溶液にシリコン含有化合物水溶液を添加してシリコン濃度を調整する方法もある。
エッチング処理においては、エッチング液のシリコン濃度を高くすることで、窒化膜のみをエッチングする選択性を向上させることができる。しかし、エッチング処理により窒化膜がエッチング液に溶解し、エッチング液のシリコン濃度が高くなり過ぎると、エッチング液に溶け込んだシリコンがシリコン酸化物として酸化膜上に析出する。
本実施形態では、シリコン酸化物の析出を抑制するために、シリコン溶液を溶かしたリン酸水溶液にSiO2析出防止剤をさらに混合したエッチング液を用いてエッチング処理を行う。
シリコン含有化合物は、一例として、コロイダルシリカが挙げられる。なお、シリコン含有化合物は、コロイダルシリカの他に、ヒュームドシリカなどのシリカであってもよい。
また、シリコン含有化合物は、例えば、アルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなど)や、シラザン(ヘキサメチルシラザン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルプロパンジシラザンなど)や、シロキサン(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンなど)や、シラノール(トリエチルシラノール、トリメチルシラノールなど)や、ケイ酸(オルトケイ酸、メタケイ酸など)であってもよい。
SiO2析出防止剤は、例えば、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム(NH4)2SiF6や、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム(Na2SiF6)などである。
エッチング用の処理槽27は、リン酸水溶液供給部40と、リン酸水溶液排出部41と、純水供給部42と、SiO2析出防止剤供給部43と、シリコン供給部44と、内槽45と、外槽46と、温調タンク47とを有する。内槽45と外槽46とは、基板処理槽を構成する。
リン酸水溶液供給部40は、リン酸水溶液供給源40Aと、リン酸水溶液供給ライン40Bと、第1流量調整器40Cとを有する。
リン酸水溶液供給源40Aは、リン酸水溶液を貯留するタンクである。リン酸水溶液供給ライン40Bは、リン酸水溶液供給源40Aと内槽45とを接続し、リン酸水溶液供給源40Aから内槽45にリン酸水溶液を供給する。
リン酸水溶液供給ライン40Bは、分岐ライン40Dを有し、分岐ライン40Dを介してリン酸水溶液供給源40Aと温調タンク47とを接続し、リン酸水溶液供給源40Aから温調タンク47にリン酸水溶液を供給する。
分岐ライン40Dは、例えば、三方弁40Eを介してリン酸水溶液供給ライン40Bに接続される。三方弁40Eは、リン酸水溶液の供給先を内槽45または温調タンク47に切り替える。
第1流量調整器40Cは、三方弁40Eよりもリン酸水溶液供給源40A側のリン酸水溶液供給ライン40Bに設けられ、内槽45や、温調タンク47へ供給されるリン酸水溶液の流量を調整する。第1流量調整器40Cは、開閉弁や、流量制御弁や、流量計などから構成される。なお、リン酸水溶液供給部40は、外槽46にリン酸水溶液を供給してもよい。
純水供給部42は、純水供給源42Aと、純水供給ライン42Bと、第2流量調整器42Cとを有する。純水供給部42は、エッチング液を加熱することにより蒸発した水分を補給するために外槽46に純水(DIW)を供給する。
純水供給ライン42Bは、純水供給源42Aと外槽46とを接続し、純水供給源42Aから外槽46に所定温度の純水を供給する。
第2流量調整器42Cは、純水供給ライン42Bに設けられ、外槽46へ供給される純水の流量を調整する。第2流量調整器42Cは、開閉弁、流量制御弁、流量計などから構成される。
SiO2析出防止剤供給部43は、SiO2析出防止剤供給源43Aと、SiO2析出防止剤供給ライン43Bと、第3流量調整器43Cとを有する。SiO2析出防止剤供給部43は、エッチング処理を行う際にSiO2析出防止剤を外槽46に供給する。また、SiO2析出防止剤供給部43は、エッチング液を加熱することにより蒸発したSiO2析出防止剤を補給するために外槽46にSiO2析出防止剤を供給する。
SiO2析出防止剤供給源43Aは、SiO2析出防止剤を貯留するタンクである。SiO2析出防止剤供給ライン43Bは、SiO2析出防止剤供給源43Aと外槽46とを接続し、SiO2析出防止剤供給源43Aから外槽46にSiO2析出防止剤を供給する。
第3流量調整器43Cは、SiO2析出防止剤供給ライン43Bに設けられ、外槽46へ供給されるSiO2析出防止剤の流量を調整する。第3流量調整器43Cは、開閉弁や、流量制御弁や、流量計などから構成される。
シリコン供給部44は、シリコン供給源44Aと、シリコン供給ライン44Bと、第4流量調整器44Cとを有する。
シリコン供給源44Aは、シリコン溶液を貯留するタンクである。シリコン供給ライン44Bは、シリコン供給源44Aと温調タンク47とを接続し、シリコン供給源44Aから温調タンク47にシリコン溶液を供給する。
第4流量調整器44Cは、シリコン供給ライン44Bに設けられ、温調タンク47へ供給されるシリコン溶液の流量を調整する。第4流量調整器44Cは、開閉弁や、流量制御弁や、流量計などから構成される。
内槽45は、上部が開放され、エッチング液が上部付近まで供給される。内槽45では、基板昇降機構29によってロット(複数枚の基板8)がエッチング液に浸漬され、基板8にエッチング処理が行われる。
外槽46は、内槽45の上部周囲に設けられるとともに上部が開放される。外槽46には、内槽45からオーバーフローしたエッチング液が流入する。また、外槽46には、シリコン溶液がリン酸水溶液に溶けた溶解液が温調タンク47から供給される。また、外槽46には、純水供給部42から純水が供給される。また、外槽46には、SiO2析出防止剤供給部43からSiO2析出防止剤が供給される。外槽46に供給されたSiO2析出防止剤は、外槽46内のエッチング液に混合される。すなわち、SiO2析出防止剤は、外槽46においてリン酸水溶液に混合される。
外槽46と内槽45とは第1循環ライン50によって接続される。第1循環ライン50の一端は、外槽46に接続され、第1循環ライン50の他端は、内槽45内に設置された処理液供給ノズル49に接続される。
第1循環ライン50には、外槽46側から順に、第1ポンプ51、第1ヒーター52およびフィルタ53が設けられる。外槽46内のエッチング液は第1ヒーター52によって加温されて処理液供給ノズル49から内槽45内に流入する。第1ヒーター52は、内槽45に供給されるエッチング液を、エッチング処理に適した第1所定温度に加温する。
第1ポンプ51を駆動させることにより、エッチング液は、外槽46から第1循環ライン50を経て内槽45内に送られる。また、エッチング液は、内槽45からオーバーフローすることで、再び外槽46へと流出する。このようにして、エッチング液の循環路55が形成される。すなわち、循環路55は、外槽46、第1循環ライン50、内槽45によって形成される。循環路55では、内槽45を基準として外槽46が第1ヒーター52よりも上流側に設けられる。
温調タンク47では、シリコン供給部44から供給されたシリコン溶液が、内槽45および外槽46に供給されたリン酸水溶液とは異なる液体であるリン酸水溶液(新液)に混合される。すなわち、温調タンク47では、循環路55に存在するリン酸水溶液ではないリン酸水溶液に、シリコン溶液が混合される。そして、シリコン溶液がリン酸水溶液に溶けた溶解液(混合液)が生成され、溶解液が温調タンク47に貯留される。温調タンク47には、温調タンク47内の溶解液を循環させる第2循環ライン60が接続される。また、温調タンク47には、供給ライン70の一端が接続される。供給ライン70の他端は、外槽46に接続される。なお、リン酸水溶液は、リン酸水溶液供給部40とは別の手段によって供給されてもよい。温調タンク47は、混合部を構成する。第2循環ライン60は、循環ラインを構成する。
第2循環ライン60には、第2ポンプ61および第2ヒーター62が設けられている。第2ヒーター62をONにした状態で第2ポンプ61を駆動させることにより、温調タンク47内の溶解液が加温されて循環する。溶解液が第2循環ライン60によって循環することで、リン酸水溶液へのシリコン溶液の溶解が促進され、溶解液中のシリコン含有化合物の濃度が均一になる。
なお、溶解液中のシリコン含有化合物の濃度が、所定溶解濃度となるようにシリコン溶液の供給量が調整される。
第2ヒーター62は、溶解液を、予め設定された第2所定温度に加温する。なお、第2所定温度は、第1所定温度と同じ温度であってもよく、異なる温度であってもよい。例えば、第2所定温度を第1所定温度よりも高い温度に設定した場合、第1所定温度の場合と比較して、溶解液により多くのシリコン含有化合物が溶解するため、溶解液のシリコン濃度をより高くすることができる。
供給ライン70には、第3ポンプ71と、第5流量調整器72とが設けられる。第5流量調整器72は、外槽46へ供給される溶解液の供給量を調整する。第5流量調整器72は、開閉弁や、流量制御弁や、流量計などから構成される。
温調タンク47に貯留された溶解液は、エッチング液の全部、または一部を入れ替える際に、供給ライン70を介して外槽46に供給される。溶解液が外槽46に供給される場合には、エッチング液中のシリコン濃度が予め設定された所定シリコン濃度となるように、供給量が調整されて外槽46に供給される。具体的には、予め実験などによって設定されたエッチング処理の経過時間に基づいて、溶解液の供給量は調整される。
溶解液は、シリコン含有化合物が十分に溶けた液である。そのため、外槽46に供給された溶解液は、エッチング液に混合され、エッチング液は、シリコン含有化合物が溶けた液となる。
なお、温調タンク47にシリコン濃度を検出する濃度計を設け、濃度計によって検出されたシリコン濃度に基づいて溶解液の供給量を調整してもよい。すなわち、内槽45内のエッチング液中のシリコン濃度が所定シリコン濃度となるように、検出されたシリコン濃度に基づいて溶解液の供給量を調整してもよい。
リン酸水溶液排出部41は、エッチング処理で使用されたエッチング液の全部、または一部を入れ替える際にエッチング液を排出する。リン酸水溶液排出部41は、排出ライン41Aと、第6流量調整器41Bと、冷却タンク41Cとを有する。
排出ライン41Aは、第1循環ライン50に接続される。第6流量調整器41Bは、排出ライン41Aに設けられ、排出されるエッチング液の排出量を調整する。第6流量調整器41Bは、開閉弁や、流量制御弁や、流量計などから構成される。冷却タンク41Cは、排出ライン41Aを流れてきたエッチング液を一時的に貯留するとともに冷却する。
なお、第1流量調整器40C〜第6流量調整器41Bを構成する開閉弁の開閉や、流量制御弁の開度は、制御部100からの信号に基づいてアクチュエータ(不図示)が動作することで、変更される。すなわち、第1流量調整器40C〜第6流量調整器41Bを構成する開閉弁や、流量制御弁は、制御部100によって制御される。
次に、第1実施形態に係る基板処理装置1における溶解液の供給方法について図3を参照し説明する。図3は、第1実施形態に係る溶解液の供給方法を説明するフローチャートである。
基板処理装置1は、所定タイミングであるか否かを判定する(S10)。所定タイミングは、予め設定されたタイミングであり、エッチング液中のシリコン濃度が予め設定された所定シリコン濃度よりも小さくなるタイミングである。例えば、所定タイミングは、エッチング液の全部、または一部が排出されたタイミングである。基板処理装置1は、例えば、エッチング処理の経過時間に基づいて所定タイミングであるか否かを判定する。なお、基板処理装置1は、外槽46内のエッチング液中のシリコン濃度を濃度計によって検出し、所定タイミングであるか否かを判定してもよい。
基板処理装置1は、所定タイミングである場合には(S10:Yes)、温調タンク47から溶解液を外槽46に供給し(S11)、SiO2析出防止剤供給部43からSiO2析出防止剤を外槽46に供給する(S12)。これにより、シリコン含有化合物が十分に溶けた溶解液およびSiO2析出防止剤が外槽46に供給される。
基板処理装置1は、所定タイミングではない場合には(S10:No)、今回の処理を終了する。
基板処理装置1は、温調タンク47において、内槽45および外槽46に供給されたリン酸水溶液(エッチング液)とは異なる液体であるリン酸水溶液に、シリコン溶液を混合し、リン酸水溶液にシリコン溶液を溶かした溶解液を温調タンク47において生成する。そして、基板処理装置1は、生成した溶解液を外槽46に供給する。このように、基板処理装置1は、シリコン溶液を溶かした溶解液を外槽46に供給することで、エッチング処理に用いられるエッチング液にシリコン溶液を容易に溶かすことができる。従って、基板処理装置1は、エッチング処理液中のシリコン濃度を高くするための調整時間を短縮することができ、エッチング処理時間を短縮することができる。
また、基板処理装置1は、シリコン溶液が溶けた溶解液を外槽46に供給することで、シリコン含有化合物がフィルタ53に詰まることを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る基板処理装置1について図4を参照し説明する。図4は、第2実施形態に係るエッチング用の処理槽27を示す概略ブロック図である。ここでは、第1実施形態とは異なる箇所を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を付して詳しい説明は省略する。
エッチング用の処理槽27は、第1実施形態と比較して、第2ヒーター62を有していない。
温調タンク47には、シリコン溶液(シリコン含有化合物)を溶かす薬液にシリコン溶液を混合し、シリコン溶液を薬液に溶かした溶解液が貯留される。薬液は、常温でシリコン溶液を溶かす薬液である。薬液は、例えば、フッ化水素酸や、水酸化アンモニウムである。
基板処理装置1は、第1実施形態と同様に、所定タイミングである場合に、温調タンク47から溶解液を外槽46に供給し、SiO2析出防止剤を外槽46に供給する。
第2実施形態に係る基板処理装置1は、温調タンク47でシリコン溶液を常温で溶かす薬液にシリコン溶液を混合し、シリコン溶液を薬液に溶かした溶解液を生成し、生成した溶解液を外槽46に供給する。これにより、基板処理装置1は、エッチング処理中のシリコン濃度を高くするための時間を短縮することができ、エッチング処理時間を短縮することができる。
また、基板処理装置1は、シリコン溶液を常温で溶かす薬液に、シリコン溶液を溶かすため、溶解液を加温するヒーターを用いずに溶解液を生成することができる。そのため、基板処理装置1は、装置を小型化し、コストを低減することができる。
なお、基板処理装置1は、第1実施形態と同様に、第2循環ライン60に第2ヒーター62を設け、溶解液を加温してもよい。これにより、シリコン溶液を薬液に溶かす時間を短縮することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る基板処理装置1について図5を参照し説明する。図5は、第3実施形態に係るエッチング用の処理槽27を示す概略ブロック図である。ここでは、第1実施形態とは異なる箇所を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を付して詳しい説明は省略する。
エッチング用の処理槽27は、第1実施形態と比較して、温調タンク47を有していない。また、エッチング用の処理槽27は、ミキサー80を有する。ミキサー80は、純水供給ライン42Bとシリコン供給ライン44Bとに接続される。
ミキサー80は、図6に示すように、内管81の一端が外管82内で開口する二重管である。内管81の他端は、シリコン供給ライン44Bに接続される。外管82は、純水供給ライン42B(図5参照)に接続される。具体的には、ミキサー80は、純水供給ライン42Bに介挿され、外管82は、純水供給ライン42Bの一部を構成する。図6は、第3実施形態に係るミキサー80の概略構成断面図である。ミキサー80は、外管82を流れるDIWに内管81から流出したシリコン溶液を混合する。すなわち、内槽45および外槽46に供給されたリン酸水溶液(エッチング液)とは異なる液体であるDIWにシリコン溶液を混合した混合液を生成する。ミキサー80は、混合部を構成する。純水供給ライン42Bは、供給ラインを構成する。
内管81から流出したシリコン溶液が外管82を流れるDIWに均一に混合されるように、内管81は、例えば、螺旋状に形成される。ミキサー80は、内管81から流出されたシリコン溶液に乱流を発生させ、DIWにシリコン溶液を混合する。ミキサー80によってシリコン溶液が混合されたDIWは、外槽46に供給される。
なお、ミキサー80は、乱流を発生させてDIWにシリコン溶液を混合すればよく、例えば、外管82の内壁に凹凸を設けてもよく、内管81の内壁や外壁に凹凸を設けてもよい。また、ミキサー80は、スタティックミキサーであってもよい。
また、ミキサー80は、内管81の他端を純水供給ライン42Bに接続し、外管82をシリコン供給ライン44Bに接続してもよい。
なお、第3実施形態に係る基板処理装置1は、ミキサー80を設けずに、純水供給ライン42Bとシリコン供給ライン44Bとを接続し、シリコン溶液をDIWに混合し、シリコン溶液とDIWとの混合液を外槽46に供給してもよい。
第3実施形態に係る基板処理装置1は、第1実施形態と同様に、所定タイミングである場合に、シリコン溶液をDIWに混合した混合液を外槽46に供給し、SiO2析出防止剤を外槽46に供給する。
第3実施形態に係る基板処理装置1は、シリコン溶液をDIWに混合することで、シリコン溶液中のシリコン含有化合物の粒子をDIW中で分散させる。これにより、基板処理装置1は、シリコン含有化合物の粒子が凝縮することを抑制することができ、フィルタ53にシリコン含有化合物が詰まることを抑制することができる。
なお、基板処理装置1は、図7に示すように、シリコン溶液とリン酸水溶液とを混合してもよい。図7は、第3実施形態に係る基板処理装置1の変形例の処理槽27を示す概略ブロック図である。例えば、基板処理装置1は、ミキサー85をリン酸水溶液供給ライン40Bとシリコン供給ライン44Bとに接続する。なお、リン酸水溶液供給部40は、外槽46にリン酸水溶液を供給する。
また、基板処理装置1は、図8に示すように、シリコン溶液、リン酸水溶液、およびSiO2析出防止剤を混合してもよい。図8は、第3実施形態に係る基板処理装置1の変形例の処理槽27を示す概略ブロック図である。例えば、基板処理装置1は、2つのミキサー85、86によってシリコン溶液、リン酸水溶液、およびSiO2析出防止剤を混合する。基板処理装置1は、ミキサー85をリン酸水溶液供給ライン40Bとシリコン供給ライン44Bとに接続し、ミキサー86を、リン酸水溶液供給ライン40BとSiO2析出防止剤供給ライン43Bとに接続する。なお、リン酸水溶液供給部40は、外槽46にリン酸水溶液を供給する。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る基板処理装置1について図9を参照し説明する。図9は、第4実施形態に係るエッチング用の処理槽27を示す概略ブロック図である。ここでは、第1実施形態とは異なる箇所を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ符号を付して詳しい説明は省略する。
シリコン供給部44は、外槽46、または温調タンク47にシリコン溶液を供給する。具体的には、シリコン供給部44は、シリコン供給ライン44Bから分岐する分岐ライン44Dを有し、分岐ライン44Dを介してシリコン供給源44Aと外槽46とを接続し、シリコン供給源44Aから外槽46にシリコン溶液を供給する。
分岐ライン44Dは、例えば、三方弁44Eを介してシリコン供給ライン44Bに接続される。三方弁44Eは、シリコン溶液の供給先を温調タンク47または外槽46に切り替える。
リン酸水溶液供給部40は、リン酸水溶液供給ライン40Bによって外槽46にリン酸水溶液を供給する。
SiO2析出防止剤供給部43は、SiO2析出防止剤供給ライン43Bによって温調タンク47にSiO2析出防止剤を供給する。なお、SiO2析出防止剤供給部43は、第1実施形態と同様に、外槽46にSiO2析出防止剤を供給してもよい。
温調タンク47では、リン酸水溶液、シリコン溶液、およびSiO2析出防止剤が混合された溶解液(混合液)が生成され、貯留される。なお、温調タンク47内の溶解液は、第2循環ライン60によって循環され、第2所定温度に加温される。また、溶解液は、シリコン濃度が初期濃度となるように調整される。初期濃度は、予め設定された濃度であり、所定シリコン濃度よりも低い濃度である。
次に、第4実施形態に係る基板処理装置1におけるシリコン溶液の供給方法について図10を参照し説明する。図10は、第4実施形態に係るシリコン溶液の供給方法を説明するフローチャートである。なお、第4実施形態に係るシリコン溶液の供給方法は、例えば、エッチング液の全部を入れ替えて、エッチング処理を行う場合に実行される。
基板処理装置1は、温調タンク47に貯留された溶解液を、エッチング処理に用いられたエッチング液が排出された外槽46、および内槽45に供給する(S20)。具体的には、基板処理装置1は、溶解液を外槽46に供給し、第1循環ライン50によって内槽45に溶解液を供給する。内槽45、および外槽46に供給された溶解液は、エッチング液としてエッチング処理に用いられる。
基板処理装置1は、循環路55でエッチング液を温調循環させる(S21)。具体的には、基板処理装置1は、第1ポンプ51を駆動させて、エッチング液を循環させ、第1ヒーター52によってエッチング液を第1所定温度に加温する。
基板処理装置1は、内槽45にロット(複数枚の基板8)を浸漬させてエッチング処理を開始する(S22)。エッチング液は、シリコン濃度が初期濃度、すなわち所定濃度よりも低い濃度に調整されている。エッチング処理を開始した直後は、基板8からエッチング液に溶け出すシリコンの溶解量が一時的に多くなり、一時的にシリコン酸化物(SiO2)が析出し、局所的にシリコン濃度が高くなる。そのため、基板処理装置1は、シリコン濃度を初期濃度としたエッチング液でエッチング処理を開始する。なお、初期濃度は、処理条件に応じて設定することができ、初期濃度を0ppmとしてもよい。
基板処理装置1は、エッチング処理を開始してから所定時間が経過すると(S23:Yes)、シリコン供給部44から外槽46にシリコン溶液を供給する(S24)。所定時間は、局所的にシリコン濃度が高くなる時間が経過するまでの時間であり、実験などによって予め設定された時間である。すなわち、基板処理装置1は、エッチング処理を開始してから所定時間が経過した後に、シリコン供給部44から外槽46にシリコン溶液を供給し、所定時間経過後のシリコン濃度を、所定時間経過前のシリコン濃度よりも高くする。
基板処理装置1は、エッチング液のシリコン濃度が所定シリコン濃度となるように、シリコン溶液を供給する。例えば、基板処理装置1は、予め実験などによって設定されたエッチング処理の経過時間に基づいて、シリコン溶液を供給する。また、基板処理装置1は、濃度計によってエッチング液中のシリコン濃度を検出し、検出したシリコン濃度に基づいて、シリコン溶液を供給する。
なお、基板処理装置1は、エッチング処理を開始してから所定時間が経過するまで(S23:No)、シリコン溶液を供給せずにエッチング処理を行う。
基板処理装置1は、外槽46にシリコン溶液を供給するシリコン供給部44を備える。これにより、基板処理装置1は、エッチング処理中にエッチング液のシリコン濃度を変更することができる。そのため、基板処理装置1は、エッチング液のシリコン濃度をエッチング処理に適した濃度とすることができ、精度のよいエッチング処理を行うことができる。
また、基板処理装置1は、エッチング処理を開始した後に、シリコン供給部44からシリコン溶液を外槽46に供給し、エッチング液中のシリコン濃度をエッチング処理開始時のシリコン濃度よりも高くする。具体的には、基板処理装置1は、エッチング処理を開始してから所定時間が経過した後に、シリコン溶液を外槽46に供給する。
これにより、基板処理装置1は、エッチング処理を開始した後に、基板8からエッチング液に溶け出したシリコンによってエッチング液中のシリコン濃度が高くなり過ぎることを抑制することができる。そのため、基板処理装置1は、シリコン酸化物が酸化膜上に析出することを抑制することができる。
また、基板処理装置1は、エッチング処理を開始してから所定時間が経過した後に、シリコン溶液を外槽46に供給することで、窒化膜のみをエッチングする選択性を向上させることができる。
また、基板処理装置1は、例えば、窒化膜と酸化膜とが交互に複数積層され、エッチング液を浸入させて窒化膜をエッチングするための溝が形成された基板8にエッチング処理を行う場合に、溝付近の酸化膜の一部をエッチングすることができる。具体的には、基板処理装置1は、酸化膜の端部をエッチングすることができる。これにより、基板処理装置1は、溝付近のシリコン酸化膜間の距離を大きくすることができる。そのため、シリコン酸化膜間におけるエッチング液の置換が容易となる。従って、基板処理装置1は、窒化膜のエッチングを進行させることができ、エッチング処理時間を短くすることができる。
なお、基板処理装置1では、シリコン供給部44から外槽46にシリコン溶液を供給したが、これに限られることはない。例えば、基板処理装置1は、シリコン溶液とリン酸水溶液とを混合するタンクをさらに備え、シリコン溶液とリン酸水溶液とを混合した液(混合液)を、タンクから外槽46に供給してもよい。また、基板処理装置1は、タンクで混合する液中のシリコン濃度を高くしてもよい。具体的には、基板処理装置1は、シリコン溶液とリン酸水溶液との混合比率を変更することで、タンクで混合する液中のシリコン濃度を高くする。そして、基板処理装置1は、エッチング処理を開始した後に、シリコン濃度を高くした液を、タンクから外槽46に供給してもよい。すなわち、基板処理装置1は、タンクで混合する液中のシリコン濃度を高くしつつ、混合した液をタンクから外槽46に供給し、エッチング処理を行う。これらによっても、基板処理装置1は、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、基板処理装置1は、温調タンク47にシリコン溶液を供給せずに、リン酸水溶液、およびSiO2析出防止剤を混合した溶解液(混合液)を温調タンク47で生成してもよい。すなわち、基板処理装置1は、シリコン含有化合物を含まないエッチング液でエッチング処理を開始してもよい。
また、基板処理装置1は、エッチング処理を開始した直後からシリコン溶液を外槽46に供給し、エッチング液中のシリコン濃度を高くし、エッチング処理を行ってもよい。すなわち、基板処理装置1は、エッチング処理を開始した後に、シリコン溶液を外槽46に供給し、エッチング処理開始時のエッチング液中のシリコン濃度よりも、シリコン濃度を高くしつつ、エッチング処理を行う。
(変形例)
変形例に係る基板処理装置1は、温調タンク47内の溶解液を撹拌する攪拌機を温調タンク47に設けてもよい。また、変形例に係る基板処理装置1は、シリコン含有化合物をパウダー状にして温調タンク47の底部に沈め、撹拌した上澄み液を外槽46に供給してもよい。
変形例に係る基板処理装置1は、シリコン溶液を混合した混合液(溶かした溶解液)を外槽46に供給するタイミングと、SiO2析出防止剤を供給するタイミングとを異なるタイミングとしてもよい。
変形例に係る基板処理装置1は、供給ライン70を第2循環ライン60に接続し、第2循環ライン60から供給ライン70によって外槽46に混合液を供給してもよい。この場合、例えば、供給ライン70に第3ポンプ71を設けずに、外槽46に混合液を供給することができる。
上記基板処理装置1は、複数枚の基板8を同時に処理する装置であるが、基板8を1枚ずつ洗浄する枚葉式の装置であってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 基板処理装置
27 エッチング用の処理槽
45 内槽(基板処理槽)
46 外槽(基板処理槽)
47 温調タンク(混合部)
50 第1循環ライン
60 第2循環ライン
70 供給ライン
80 ミキサー(混合部)

Claims (12)

  1. エッチング液によってエッチング処理を行う基板処理槽と、
    新液と、シリコン含有化合物またはシリコン含有化合物を含む液体とを混合する混合部と、
    前記混合部によって混合した混合液を前記基板処理槽に供給する供給ラインと
    を備える基板処理装置。
  2. 前記基板処理槽では、第1循環ラインによって前記エッチング液が循環され、
    前記混合部は、
    前記混合液を貯留し、第2循環ラインによって前記混合液を循環させるタンクであり、 前記基板処理槽と前記混合部とは、
    供給ラインによって接続される
    請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記混合部は、
    前記シリコン含有化合物を含む液体が常温で溶ける溶剤と、前記シリコン含有化合物を含む液体とを混合する
    請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記混合部は、
    純水と、前記シリコン含有化合物を含む液体とを混合する
    請求項1に記載の基板処理装置。
  5. 前記混合部は、
    前記混合液を、前記エッチング液の温度とは異なる温度に温調する
    請求項1から4のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  6. 前記基板処理槽に、前記シリコン含有化合物を含む液体を供給するシリコン供給部
    を備える請求項1から5のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  7. 前記シリコン供給部は、
    前記エッチング処理が開始された後に、前記シリコン含有化合物を含む液体を前記基板処理槽に供給する
    請求項6に記載の基板処理装置。
  8. 新液と、シリコン含有化合物またはシリコン含有化合物を含む液体とを混合した混合液を生成する工程と、
    生成した前記混合液を、エッチング処理を行う基板処理槽にエッチング液として供給する工程と
    を含み、
    前記混合液は、
    循環ラインを有する混合タンクにおいて、前記新液と、前記シリコン含有化合物または前記シリコン含有化合物を含む液体とが循環することで生成される
    基板処理方法。
  9. 前記エッチング処理が開始された後に、前記シリコン含有化合物を含む液体を前記基板処理槽に供給する工程
    を含む請求項8に記載の基板処理方法。
  10. 前記エッチング処理が開始されてから所定時間が経過した後に、前記シリコン含有化合物を含む液体を前記基板処理槽に供給し、前記所定時間経過後のシリコン濃度を、前記所定時間経過前のシリコン濃度よりも高くする工程
    を含む請求項8または9に記載の基板処理方法。
  11. 前記混合液中のシリコン含有化合物の濃度を高くする工程と、
    前記エッチング処理が開始された後に、前記シリコン含有化合物の濃度を高くした混合液を前記基板処理槽に供給する工程と
    を含む請求項9に記載の基板処理方法。
  12. 請求項9から11のいずれか一つに記載の基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを記憶した記憶媒体。
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