JP2019078808A - 表示装置 - Google Patents

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裕記 西本
Yuki Nishimoto
裕記 西本
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Abstract

【課題】配線の断線によって生じる不具合を防止することが可能な表示装置を提供することにある。【解決手段】実施形態に係る表示装置は、曲面領域を有する第1基板、第1基板上に設けられた複数の発光素子、複数の発光素子の各々を駆動する複数の画素回路、電源配線、検出回路及び停止回路を具備する。電源配線は、複数の画素回路に電源電圧を供給するために曲面領域において第1方向に延在するように配置され、第1電源配線及び前記第1電源配線と第2方向に離間して配置された第2電源配線を含む。検出回路は、第1電源配線及び前記第2電源配線と接続され、第1電源配線に関する第1信号と第2電源配線に関する第2信号とを比較して異なる場合に第1停止信号を出力する。停止回路は、第1電源配線及び第2電源配線と接続され、第1停止信号に基づいて電源電圧の供給を停止する。【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、表示装置に関する。
一般的に、スマートフォン等の電子機器には表示装置が搭載されているが、このような表示装置においては、性能面や、デザイン性等の観点から、狭額縁化が要求されている。狭額縁化の一例として、他の配線基板等が実装される実装部が表示面の下側に位置するように、表示装置(表示パネル)の一部を折り曲げることが知られている。
しかしながら、折り曲げ領域に設けられた配線は、折り曲げによる応力の影響を受けて断線する可能性がある。
特開2010−266848号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、配線の断線によって生じる不具合を防止することが可能な表示装置を提供することにある。
実施形態に係る表示装置は、曲面領域を有する第1基板と、前記第1基板上に設けられた複数の発光素子と、前記複数の発光素子の各々を駆動する複数の画素回路と、電源配線と、検出回路と、停止回路とを具備する。前記電源配線は、前記複数の画素回路に電源電圧を供給するために前記曲面領域において第1方向に延在するように配置され、第1電源配線及び前記第1電源配線と第2方向に離間して配置された第2電源配線を含む。前記検出回路は、前記第1電源配線及び前記第2電源配線と接続され、当該第1電源配線に関する第1信号と当該第2電源配線に関する第2信号とを比較して異なる場合に第1停止信号を出力する。前記停止回路は、前記第1電源配線及び前記第2電源配線と接続され、前記第1停止信号に基づいて前記電源電圧の供給を停止する。
第1の実施形態に係る表示装置を概略的に示す斜視図。 表示パネルに設けられている画素及び周辺回路の具体的な回路構成の一例を示す回路図。 表示装置の表示領域を示す断面図。 表示装置の構成の一例について説明するための図。 表示パネル内の電源配線の配置の一例を示す図。 曲面領域が折り曲げられた状態を示す図。 曲面領域が折り曲げられた状態を示す図。 検出回路の構成の一例を示す図。 第1電源配線及び第2電源配線における電圧値の差と比較部の出力との関係を表す図。 表示パネル内の電源配線の配置の別の例を示す図。 第2の実施形態に係る表示装置における電源IC及び比較回路について説明するための図。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の趣旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置1を概略的に示す斜視図である。図1は、第1方向Xと、第1方向Xに垂直な第2方向Yと、第1方向X及び第2方向Yに垂直な第3方向Zによって規定される3次元空間を示している。なお、第1方向Xと第2方向Yとは、90度以外の角度で交差していてもよい。また、本実施形態において、第3方向Zを上と定義し、第3方向Zと反対側の方向を下と定義する。例えば「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、または第1部材から離れていてもよい。
本実施形態においては、表示装置1の表示素子の一例として発光素子である有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を有する有機EL表示装置について説明するが、表示装置1は、他の発光素子である無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を有する無機EL表示装置または表示素子として液晶層を有する液晶表示装置等の他の表示装置であってもよい。
図1に示すように、表示装置1は、複数の副基板が接続される第1基板を備える。第1基板は、例えば、第1副基板、第1副基板に接続された第2副基板、第2副基板に接続された第3副基板、第3副基板に接続された第4副基板を含む。
第1副基板は、例えば、表示領域DAを含む表示パネル2である。表示パネル2は、一例では矩形上である。図示した例では、表示パネル2の長辺EYは、第1方向Xと平行であり、表示パネル2の短辺EXは、第2方向Yと平行である。第3方向Zは、表示パネル2の厚さ方向に相当する。表示パネル2の主面は、第1方向Xと第2方向Yとにより規定されるX−Y平面に平行である。表示パネル2は、表示領域DA、表示領域DAの外側の非表示領域NDAを有している。図示した例では、非表示領域NDAは、表示領域DAを囲むように配置されている。また、非表示領域NDAは、端子領域MTを有している。
表示領域DAは、画像を表示する領域であり、例えば、複数の画素PXを備えている。画素PXには、表示素子の一例として、発光素子である有機EL素子と、有機EL素子を駆動するためのスイッチング素子等が含まれる。なお、複数の画素PXは、例えば、マトリクス状に配置されている。
端子領域MTは、表示パネル2の一辺に沿って設けられている。端子領域MTには、表示パネル2を外部装置等と電気的に接続するための端子が含まれる。なお、本実施形態において、端子領域MTは、表示パネル2の短辺EXに沿って設けられているが、表示パネル2の長辺EYに沿って設けられていてもよい。
第2副基板は、例えば、フィルム基板であり、表示パネル2を駆動する駆動ICチップ6等を備えたCOF3(Chip On Film)である。COF3は、端子領域MTの上に実装され、表示パネル2と電気的に接続されている。なお、図示した例では、駆動ICチップ6は、COF3上に配置されているが、当該COF3の下に配置されていてもよい。また、図示した例では、COF3の第1方向Xに平行な側縁の長さは、短辺EXの長さと比べて小さいが、同等であってもよい。
第3副基板は、例えば、フレキシブルプリント基板であるFPC4(Flexible Printed Circuits)である。FPC4は、COF3の例えば下方においてCOF3と接続されている。
第4副基板は、例えば、表示パネル2を制御するための制御回路が配置された制御基板5である。制御基板5は、FPC4と接続されている。制御基板5上には、後述するように表示パネル2(画素PX)に電源電圧を供給する電源回路等が設けられている。
なお、本実施形態において、表示パネル2は、曲面領域(折り曲げ領域)7を有している。曲面領域7は、表示装置1が電子機器等の筐体に収容される際に折り曲げられる領域である。曲面領域7は、例えば非表示領域NDAのうち端子領域MT側に位置している。曲面領域7が折り曲げられた場合、COF3、FPC4、及び、制御基板5は、表示パネル2と対向するように表示パネル2の下方に配置される。
図2は、表示パネル2に設けられている画素PX及び周辺回路の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。画素PXは、有機EL素子21、当該有機EL素子21を駆動する画素回路を備える。周辺回路は、画素回路を駆動するための回路であって、映像信号駆動部210及び走査信号駆動部220を備える。
周辺回路は、駆動ICチップ6から供給される制御信号に基づいて、制御される。駆動ICチップ6は、周辺回路を制御する制御信号を供給する。また、駆動ICチップ6は、基準クロックを生成するクロック生成回路を有し、生成される基準クロックに基づいて、映像信号駆動部210及び走査信号駆動部200に供給する各制御信号を生成する。映像信号駆動部210と走査信号220は、同一の基準クロックに基づく制御信号によって同期制御されている。
映像信号駆動部210には、駆動ICチップ6から映像信号Vdispに基づく画素信号Vsigを供給される。画素信号Vsigは、各画素PXの表示する諧調値に応じた信号である。映像信号駆動部210は、第1方向Xに延在する複数の画素信号線SLと接続される。各画素信号線SLは、各画素PXに含まれるスイッチ素子と接続されている。また、各画素信号線SLは、第1方向Xに配列された画素PXに共通である。なお、駆動ICチップ6と映像信号駆動部210との間にマルチプレクサを配置して、複数の画素PXに対応する複数の画素信号Vsigが時分割で供給されるようにしてもよい。
また、映像信号駆動部210は、複数の画素信号制御スイッチ211と、複数の初期化信号制御スイッチ212とを備える。
画素信号制御スイッチ211は、例えば、トランジスタである。画素信号制御スイッチ211は、ソースまたはドレインの一方(第1の端子)が画素信号線SLに接続され、他方(第2の端子)に画素信号Vsigの供給配線と接続される。また、画素信号制御スイッチ211のゲート(第3の端子)には、駆動ICチップ6から画素信号出力タイミング制御信号xasw1が入力される。画素信号制御スイッチ211のゲートに画素信号出力タイミング制御信号xasw1が印加されると、画素信号制御スイッチ211が導通状態となり、画素信号線SLに画素信号Vsigが印加される。本実施形態において、画素信号Vsigは、映像信号Vdispに応じて変動する階調信号であり、例えば0V以上5V以下の間の値を取り得る。
初期化信号制御スイッチ212は、第1トランジスタ22のオフセットキャンセルに用いられる。初期化信号制御スイッチ212は、例えば、トランジスタである。初期化信号制御スイッチ212は、ソースまたはドレインの一方(第1の端子)が画素信号線SLに接続され、他方(第2の端子)に初期化電圧Viniの供給配線と接続される。また、初期化信号制御スイッチ212のゲート(第3の端子)には、駆動ICチップ6から初期化電圧出力タイミング制御信号xasw2の供給配線が接続される。初期化信号制御スイッチ212のゲートに初期化信号出力タイミング制御信号xasw1が印加されると、初期化信号制御スイッチ212が導通状態となり、画素信号線SLに初期化信号Viniが印加される。本実施形態において、初期化信号Viniは、例えば1.27Vである。
走査信号駆動部220には、複数の走査信号線GL、発光制御線LCL、リセット線RSLが接続される。走査信号線GLは第2方向Yに延在し、第2方向Yに配列された画素PXに含まれるスイッチ素子と接続される。また、発光制御線LCL及びリセット線RSLについても、発光制御線220、及び、リセット線230は、それぞれ第2方向Yに延在し、画素PXに含まれるスイッチ素子と接続される。
走査信号駆動部220は、リセット制御スイッチ221を備える。リセット制御スイッチ221は、例えば、トランジスタである。リセット制御スイッチ221は、ソースまたはドレインの一方(第1の端子)がリセット線RSLに接続され、他方(第2の端子)にリセット信号Vrstの供給配線が供給される。また、リセット制御スイッチ221のゲート(第3の端子)には、リセット制御信号RGの供給配線と接続される。リセット制御スイッチ232のゲートにリセット制御信号RGが印加されると、リセット制御スイッチ221が導通状態となり、リセット線RSLにリセット信号Vrstが印加される。本実施形態において、リセット信号Vrstは、例えば−3Vである。
なお、図2において、映像信号駆動部210及び走査信号駆動部220は、それぞれ異なる構成部として記載されているが、1つの回路として構成されてもよいし、少なくとも一方の回路が駆動ICチップ6に内蔵されてもよい。
表示パネル2、及び、COF3は、アノード電源配線100及びカソード電源配線200を有する。アノード電源配線100には、第1電源電圧(PVDD)が供給され、カソード電源配線200には、第1電位より低い第2電源電圧(PVSS)が供給される。なお、第2電源電圧は、例えば、基準電位(グランド電位GND)である。なお、例えば、第1電源電圧と第2電源電圧との間の電位差は、例えば、10Vである。アノード電源配線100及びカソード電源配線200は、いずれも複数の第1方向Xに延在する配線を有し、第1方向Xに配列される画素PXと接続される。
有機EL素子21は、有機EL素子21に流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子である。有機EL素子21は、例えば、有機発光ダイオードである。有機EL素子21のアノード電極は、第3トランジスタ24を介してアノード電源配線100と接続されている。アノード電源配線100は、有機EL素子21を駆動する画素回路に電源電圧を供給する。また、有機EL素子21のカソード電極は、カソード電源配線200に接続されている。なお、カソード電源配線200は、画素回路に、例えば、基準電圧(グランド電圧GND)を供給する
画素PXの画素回路は、第1トランジスタ22、第2トランジスタ23、第3トランジスタ24、第1容量25及び第2容量26を備える。
第1トランジスタ22は、例えばTFT素子である。第1トランジスタ22は、ソースまたはドレインの一方(第1の端子)が画素信号線SLに接続される。また、第1トランジスタ22のゲート(第3の端子)は、走査信号線GLに接続される。
第2トランジスタ23は、例えば、nチャネル型トランジスタである。第2トランジスタ23は、ソースまたはドレインの一方(第1の端子)が有機EL素子21のアノード電極に接続され、他方(第2の端子)がリセット線RSLに接続される。また、第2トランジスタ23のゲート(第3の端子)は、第1トランジスタ22のソースまたはドレインの他方(第2の端子)に接続される。
第3トランジスタ24は、例えば、nチャネル型トランジスタである。第3トランジスタ24は、第2トランジスタ23のソースまたはドレインの他方(第2の端子)と、アノード電源配線100との間の電気的接続を制御する。第3トランジスタ24は、第3トランジスタ24のゲート(第3の端子)は、発光制御線LCLに接続される。ソースまたはドレインの一方(第1の端子)がアノード電源配線100と接続され、他方(第2の端子)がリセット線RSLを介して第2トランジスタ23のソースまたはドレインの他方(第2の端子)とに接続される。走査信号駆動部220より、発光制御線LCLに発光制御信号BGが印加されると、第3トランジスタ24が導通状態となる。
第3トランジスタ24が非導通状態、リセット制御スイッチ221が導通状態であれば、第2トランジスタ23のソースまたはドレインの他方(第2の端子)がリセット線RSLに接続される。リセット信号Vrstは、カソード電源配線200の電位(例えば、グランド電圧GND)であっても良い。
第2トランジスタ23のソースまたはドレインの一方(第1の端子)とゲート(第3の端子)との間には、第1容量25が接続される。また、当該第2トランジスタ23のソースまたはドレインの一方とアノード電源供給線100との間、または、第2トランジスタ23のソースまたはドレインの一方(第1の端子)とカソード電源供給線200との間には、第2容量26が接続される。なお、第2容量26は、第2トランジスタ23のソースまたはドレインの一方(第1の端子)とカソード電源供給配線200との間、及び、第2トランジスタ23のソースまたはドレインの一方(第1の端子)とアノード電源供給配線100との間に設けられていても良い。
走査信号駆動部220から、走査信号線GLに走査信号SGが印加されると、第1トランジスタ22が導通状態となる。第1トランジスタ22が導通状態の場合に、画素信号駆動部210から画素信号線SLに画素信号Vsigが印加されると、第2トランジスタ24のゲート(第3の端子)に画素信号Vsigが印加される。
第2トランジスタ23は、有機EL素子21に供給する電流値を、走査信号SGに応じて制御する。
第2トランジスタ23のゲート(第3の端子)に画素信号Vsigが印加されるのと並行して、第1容量25に電荷が蓄積される。第1容量25に蓄積された電荷により、第1トランジスタ22が非導通状態となった後も、一定期間は第2トランジスタ23のゲート(第3の端子)に電圧が印加され、第2トランジスタ23の導通状態が保たれる。
第2トランジスタ23のソースまたはドレインの一方(第1の端子)に接続された第2容量26は、第1容量25との容量分割により画素信号Vsigの電圧に応じて第2トランジスタ23のゲート(第3の端子)とソースまたはドレインの一方(第1の端子)との間の電圧を設定する役割を持つ。具体的には、第1容量25の静電容量より第2容量26の静電容量を大きく設定し、第2トランジスタ23のゲート(第3の端子)とソースまたはドレインの一方(第1の端子)との間の電圧の設定範囲を広くする場合が多い。
有機EL素子のカソード電極は、カソード電源配線200に接続される。第2トランジスタ23が導通状態の場合に、第3トランジスタ24が導通状態となれば、第2トランジスタ23のゲート電圧に応じて有機EL素子21に電流が流れ、有機EL素子21が発光する。
なお、図2に示す等価回路図は一例であり、異なる回路を採用してもよい。例えば、複数の画素PXで、第3トランジスタ24を共有してもよい。より具体的には、第2方向Yに隣接する複数の画素PXに含まれる複数の第2トランジスタ23のソースまたはドレインの他方(第2の端子)と、1つの第3トランジスタ24のソースまたはドレインの他方(第2の端子)と、共通配線(例えば、リセット配線RSL)を介して、接続されてもよい。
また、画素信号制御スイッチ211、初期化信号制御スイッチ212は、第1方向Xに配列された複数の画素PXに共通して配置されることとしているが、画素PX毎に画素回路として配置されていてもよい。また、リセット制御スイッチ221は、第2方向Yに配列される複数の画素PXに共通して配置されることとしているが、画素PX毎に画素回路として配置されてもよい。
また、上述した画素信号制御スイッチ211、初期化信号制御スイッチ212、リセット制御スイッチ221、第1トランジスタ22、第2トランジスタ23、第3トランジスタ24については、画素信号駆動部210、走査信号駆動部220、画素回路の回路構成に応じて、ソースまたはドレインの何れが第1の端子、あるいは第2の端子となるかについて適宜選択される。
図3は、表示装置1の表示領域DAを示す断面図である。図3に示すように、表示パネル2は、絶縁基板10、第1〜第5絶縁膜11〜15、スイッチング素子SW(SW1、SW2、SW3)、反射層RL及び有機EL素子21(211、212、213)等を備えている。
絶縁基板10は、例えばポリイミド等の有機絶縁材料によって形成されている。第1絶縁膜11は、絶縁基板10の上に形成されている。第1絶縁膜11は、絶縁基板10から有機EL素子21へ向かう水分等の侵入を抑制するためのバリア層を含んでいてもよい。なお、第1絶縁膜11は、省略されてもよい。
スイッチング素子SWは、第1絶縁膜11の上に形成されている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT:thin-film-transistor)により構成されている。図示した例では、スイッチング素子SWは、トップゲート型であるが、ボトムゲート型であってもよい。なお、図3に示すスイッチング素子SWは、図2に示す第2トランジスタ23に相当する。以下では、スイッチング素子SW1を例として、その構成を説明する。
スイッチング素子SW1は、半導体層SC、ゲート電極GE、ソース電極SE及び、ドレイン電極DEを備えている。
半導体層SCは、第1絶縁膜11の上に形成され、第2絶縁膜12により覆われている。ゲート電極GEは、第2絶縁膜12の上に形成され、第3絶縁膜13により覆われている。ゲート電極GEは、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)等の金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金等によって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、それぞれ第3絶縁膜13の上に形成されている。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、第3絶縁膜13を半導体層SCまで貫通するコンタクトホールにおいて、半導体層SCにそれぞれ接触している。ソース電極SE及びドレイン電極DEを形成する材料は、上記の金属材料が適用可能である。第1〜第3絶縁膜11〜13は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン等の無機絶縁材料により形成されている。スイッチング素子SW1は、第4絶縁膜14により覆われている。第4絶縁膜14は、有機絶縁材料により形成されている。
有機EL素子21は、第4絶縁膜14の上に形成されている。図示した例では、有機EL素子21は、絶縁基板10とは反対側に光を出射する所謂トップエミッションタイプであるが、この例に限らず、絶縁基板10の側に光を射出する所謂ボトムエミッションタイプであってもよい。一例では、有機EL素子21Aは、青色に発光する有機発光層ORG1を備え、有機EL素子21Bは、緑色に発光する有機発光層ORG2を備え、有機EL素子21Cは、赤色に発光する有機発光層ORG3を備えている。以下では、有機EL素子21Aを例として、その構成を説明する。
有機EL素子21Aは、画素電極PE1、共通電極CE及び有機発光層ORG1により構成されている。
画素電極PE1は、第4絶縁膜14の上に設けられている。画素電極PE1は、有機EL素子21Aの例えば陽極(アノード電極)として機能する。画素電極PE1は、第4絶縁膜14内に設けられたコンタクトホールにおいて、スイッチング素子SW1のドレイン電極DEと接触し、スイッチング素子SW1と電気的に接続されている。有機発光層ORG1は、画素電極PE1の上に形成されている。有機発光層ORG1は、発光効率を向上するために、電子注入層、正孔注入層、電子輸送層及び正孔輸送層等を更に含んでいてもよい。共通電極CEは、有機発光層ORG1の上に形成されている。共通電極CEは、有機EL素子21Aの例えば陰極(カソード電極)として機能する。共通電極CE及び画素電極PEは、例えばインジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)等の透明な導電材料によって形成されている。以上のように構成された有機EL素子21Aは、画素電極PE1と共通電極CEとの間に印加される電圧(あるいは電流)に応じた輝度で発光する。
なお、図3に示すように、トップエミッションタイプの場合には、有機EL素子21Aは、第4絶縁膜14と画素電極PE1との間に反射層RLを含んでいることが望ましい。反射層RLは、例えばアルミニウムまたは銀等の反射率の高い金属材料により形成されている。なお、反射層RLの反射面、すなわち有機発光層ORG1側の面は、図示したように平坦であってもよいし、光散乱性を付与するために凹凸が形成されていてもよい。
各有機EL素子21は、有機絶縁材料からなる第5絶縁膜(リブ)15により、画素PX毎に区画されている。すなわち、有機発光層ORG1、ORG2及びORG3は、第5絶縁膜15間に位置している。図示した例では、共通電極CEは、有機発光層ORG1、ORG2及びORG3と接するとともに、第5絶縁膜15とも接している。
なお、表示パネル2は、複数の画素PXに亘って共通の有機発光層を有していてもよい。このような構成において、表示パネル2は有機EL素子21と対向する位置にカラーフィルタを備えている。カラーフィルタは、例えば青色、緑色、赤色等に着色された樹脂材料によって形成される。
また、図示されていないが、有機EL素子21は、透明な封止膜によって封止されていてもよい。
表示パネル2は、絶縁基板16を更に備えている。表示パネル2において、絶縁基板16は透明な接着剤17によって接着されている。
なお、図3に示すスイッチング素子SWは図2において説明した第2トランジスタ23に相当するものである。なお、図2に示す他のトランジスタ(第1トランジスタ22及び第3トランジスタ24)は図3においては省略されているが、第2トランジスタ23と同様の層構成を有する。
ここで、上記したように表示パネル2(に備えられる画素回路)には、アノード電源配線100を介して電源電圧が供給される。アノード電源配線100を介して表示パネル2に供給された電源電圧は、表示パネル2内の有機EL素子21のアノード電極(有機EL素子21を駆動する画素回路)に印加される。以下、図4を参照して、表示パネル2に電源電圧を供給するための電源配線について説明する。
図4に示すように、制御基板5上には、電源IC(電源回路)51が配置されている。電源IC51は、第1方向Xに延在するアノード電源配線100を介して、表示パネル2に電源電圧を供給する。
図4に示すように、アノード電源配線100は、電源IC51からの電源電圧が表示パネル2の左右2カ所から供給されるように、曲面領域7、COF3及びFPC4上に配置されている。
具体的には、アノード電源配線100は、曲面領域7において第1方向Xに延在する第1電源配線101(右側アノード配線)及び当該第1電源配線101と第2方向Yに離間して配置された第2電源配線102(左側アノード配線)を含む。第1電源配線101及び第2電源配線102は、それぞれ表示パネル2に接続されている。また、アノード電源配線100は、第1電源配線101及び第2電源配線と接続される第3電源配線103を含む。第3電源配線103は、電源IC51と接続される。
すなわち、本実施形態においては、アノード電源配線100は、電源IC51に接続された第3電源配線が接続部で第1電源配線101及び第2電源配線102に分岐し、当該第1電源配線101及び第2電源配線102の各々を介して表示パネル2に電源電圧が供給される。この場合において、第1電源配線101及び第2電源配線102を介して供給される電源電圧(値)は同一である。なお、図4において、第1電源配線101及び第2電源配線102と第3電源配線103との接続部は、FPC4上に配置されている。
ここで、図5は、表示パネル2内のアノード電源配線100(第1電源配線101及び第2電源配線102)の配置の一例を示している。なお、図5においては省略されているが、画素PXの各々には、上記した図2に示す有機EL素子21及び当該有機EL素子21を駆動する画素回路が備えられている。
アノード電源配線100は、表示パネル2内の各画素PXに対して電源電圧を供給するように配置されている。具体的には、アノード電源配線100は、表示領域DAの長辺及び端子領域MTとは反対側の表示領域DAの短辺の内側に沿うように配置される。また、アノード電源配線100は、図5に示すように、表示領域において、第1方向Xに延在する複数の部分配線100Xを有する。各部分配線100Xは、第1方向Xに配列されている複数の画素PXの各々と接続されている。複数の部分配線100Xは、第2方向Yに延在する部分配線100Yによって接続されている。部分配線100Yは、端子領域MTと反対側の表示領域DAの短辺に沿って配置される。これにより、第1電源配線101及び第2電源配線102を介して供給される電源電圧を表示パネル2内の全ての有機EL素子21のアノード電極に印加することができる。
なお、図4及び図5に示すアノード電源配線100の配置とは異なり、表示パネル2の1カ所から電源電圧(アノード電圧)を供給した場合、表示パネル2内においては、当該電源電圧が供給される位置から離れた部分で電圧降下が発生し、輝度差が生じる場合がある。これに対して、上記したように表示パネル2の左右2カ所から電源電圧が供給される構成とした場合には、電圧降下を抑制し、輝度差を小さくすることが可能となる。
ここで、本実施形態において、表示パネル2は可撓性を有している。すなわち、表示パネル2は、上記したように曲面領域7を有している。曲面領域7は、表示装置1が電子機器等の筐体に収容される際に折り曲げることが可能な領域(折り曲げられる領域)である。曲面領域7は、図1において示した通り、非表示領域NDAのうち、端子領域MT側に位置している。
図6及び図7は、曲面領域7が折り曲げられた状態を示す図である。図6はX−Z平面に平行な面を示し、図7はX−Y平面に平行な面を示している。ここでは省略されているが、表示装置1は、曲面領域7の折り曲げに関して保護部材及び支持部材等を備えていてもよい。
なお、上記したように曲面領域7上にはアノード電源配線100が設けられているため、図6及び図7に示すように曲面領域7が折り曲げられた場合には、第1電源配線101及び第2電源配線102も同様に折り曲げられた状態となる。この場合、アノード電源配線100(第1電源配線101及び第2電源配線102)の断線が懸念される。
ここで、図4に示すように配置されたアノード電源配線100において、第1電源配線101が例えば曲面領域7上で断線した場合を想定する。この場合、断線していない第2電源配線102に多くの電流が流れることになり、過電流が生じる可能性がある。このため、表示装置1においてはこのような過電流(不具合)を防止することが必要である。
そこで、本実施形態においては、図4に示すように、制御基板5上に検出回路52を備えている。検出回路52は、第1検出配線DL1を介して、第1電源配線101と接続される。また、検出回路52は、第2検出配線DL2を介して、第2電源配線102と接続される。検出回路52は、第1電源配線101に関する信号(第1信号)及び第2電源配線102に関する信号(第2信号)を比較することによって、例えば第1電源配線101または第2電源配線102の断線を検出する。なお、第1電源配線101に関する信号には、例えば当該第1電源配線101における電圧(値)を示す信号が含まれる。同様に、第2電源配線102に関する信号には、例えば当該第2電源配線102における電圧(値)を示す信号が含まれる。
上記したように第1電源配線101及び第2電源配線102を介して供給される電源電圧は同一であるため、第1電源配線101及び第2電源配線102が断線していない場合には、第1電源配線101における電圧値及び第2電源配線102における電圧値は同様の値となる。一方、第1電源配線101及び第2電源配線102の一方が断線している場合には、第1電源配線101における電圧値及び第2電源配線102における電圧値は異なる値となる。このため、検出回路52は、第1電源配線101に関する信号(第1電源配線101における電圧値)及び第2電源配線102に関する信号(第2電源配線102における電圧値)を比較して異なる場合に断線を検出することができる。
第1電源配線101または第2電源配線102の断線が検出された場合、検出回路52は、表示パネル2に対する電源電圧の供給を停止するための停止信号(第1停止信号)を出力する。
上記した検出回路52と第1電源配線101及び第2電源配線102とを接続するための検出配線DL1または検出配線DL2の少なくとも一方は、第1電源配線101及び第2電源配線102との間、特に、曲面領域7の第2方向Yにおける中央付近に配置されることで、当該配線の断線を抑制することができる。また、本実施形態において、図7に示す通り、検出配線DL1または検出配線DL2の少なくとも一方は、曲面領域7より表示領域DA側で第1電源配線101または第2電源配線と接続されている。このように配置することで、曲面領域7において断線する影響を検出することができる。
なお、図4に示すように、上記した電源IC51は停止回路511を含む。停止回路511は、第3電源配線103(を介して第1電源配線101及び第2電源配線102)と接続されており、例えば設定された電流よりも大きな電流(大電流)が第3電源配線103に流れた場合に表示パネル2に対する電源電圧の供給を停止するように構成されている。
次に、図8を参照して、図4に示す検出回路52の構成の一例について説明する。図8に示すように、検出回路52は、比較回路521、第1スイッチ素子522及び第2スイッチ素子523を有する。
比較回路521は、上記した第1電源配線101に関する信号及び第2電源配線102に関する信号を比較するための回路である。比較回路521は、A/Dコンバータ521a、A/Dコンバータ521b及び比較部521cを含む。
A/Dコンバータ521aは、検出配線DL1を介して、第1電源配線101と接続されている。A/Dコンバータ521aは、第1電源配線101における電圧値を示すアナログ信号を入力し、当該アナログ信号をデジタル信号(デジタルデータ)に変換する。このデジタル信号は、A/Dコンバータ521aから比較部521cに出力される。
A/Dコンバータ521bは、検出配線DL2を介して、第2電源配線102と接続されている。A/Dコンバータ521bは、第2電源配線102における電圧値を示すアナログ信号を入力し、当該アナログ信号をデジタル信号(デジタルデータ)に変換する。このデジタル信号は、A/Dコンバータ521bから比較部521cに出力される。
比較部521cは、A/Dコンバータ521aから出力されたデジタル信号(第1電源配線101における電圧値)及びA/Dコンバータ521bから出力されたデジタル信号(第2電源配線102における電圧値)を比較して当該電圧値が異なる場合に(つまり、第1電源配線101または第2電源配線102の断線が検出された場合に)停止信号を出力する。
具体的には、第1電源配線101における電圧値と第2電源配線102における電圧値との差(以下、電圧差と表記)が大きい場合には、比較部521cの出力は、ハイ(H)レベルとなる(つまり、停止信号が出力される)。一方、電圧差が小さい場合には、比較部521cの出力は、ロー(L)レベルとなる(つまり、停止信号は出力されない)。
なお、比較部521cにおいては基準となる電圧差(C)が予め設定されている。比較部521cは、この基準となる電圧差(C)に基づいてハイレベルまたはローレベル(の信号)を出力する。
第1スイッチ素子522は、比較部521cの出力に応じてオンまたはオフを切り替える機能を有する。具体的には、第1スイッチ素子522は、トランジスタを含む。第1スイッチ素子522のドレイン電極は、第1電源配線101と接続される。第1スイッチ素子522のソース電極は、基準電位と接続される。第1スイッチ素子522のゲート電極は、比較部521cと接続される。これによれば、比較部521cの出力がハイレベルとなると、第1スイッチ素子522はオンとなる。一方、比較部521cの出力がローレベルとなると、第1スイッチ素子522はオフとなる。
なお、第1スイッチ素子522のドレイン電極が基準電位と接続され、第1スイッチ素子522のソース電極が第1電源配線101と接続されてもよい。また、第1スイッチ522の接続されるドレイン電極またはソース電極の一方が基準電位ではなく、第1電源配線101で供給電源電位に対して、一定以上の電位差が生じる電位が供給されるようにしてもよい。
第2スイッチ素子523は、比較部521cの出力に応じてオンまたはオフを切り替える機能を有する。具体的には、第2スイッチ素子523は、トランジスタを含む。第1スイッチ素子523のドレイン電極は、第2電源配線102と接続される。第2スイッチ素子523のソース電極は、基準電位と接続される。第2スイッチ素子523のゲート電極は、比較部521cと接続される。これによれば、比較部521cの出力がハイレベルとなると、第1スイッチ素子523はオンとなる。一方、比較部521cの出力がローレベルとなると、第2スイッチ素子523はオフとなる。
なお、第2スイッチ素子522のドレイン電極が基準電位と接続され、第1スイッチ素子522のソース電極が第2電源配線102と接続されてもよい。また、第1スイッチ522の接続されるドレイン電極またはソース電極の一方が基準電位ではなく、第1電源配線101で供給電源電位に対して、一定以上の電位差が生じる電位が供給されるようにしてもよい。
上記した第1スイッチ素子522のソース電極及び第2スイッチ素子523のソース電極が接続される基準電位は、例えばグランド電位GNDであるものとする。
以下、本実施形態に係る表示装置1の動作について説明する。ここでは、主に制御基板5上に設けられている電源IC51及び検出回路52の動作について説明する。
アノード電源配線100を介して表示パネル2に電源電圧を供給する場合、検出回路52に含まれる比較回路521(比較部521c)は、上記したように第1電源配線101に関する信号(第1電源配線101における電圧値)及び第2電源配線102に関する信号(第2電源配線102における電圧値)を比較する。
ここで、図9は、第1電源配線101及び第2電源配線102における電圧値の差(電圧差)と比較部521cの出力との関係を表す図である。ここでは、第1電源配線101における電圧値(A/Dコンバータ521aによって変換されたデジタルデータ)をA、第2電源配線102における電圧値(A/Dコンバータ521bによって変換されたデジタルデータ)をB、上記した基準となる電圧差(所定の閾値)をCとする。なお、電圧差Cは、例えば正の値であるものとする。
この場合、図9に示すように、A−B(の値)がC以上である場合には、比較部521cの出力はハイ(H)レベルとなる。また、A−Bが−C以下である場合には、比較部521cの出力はハイ(H)レベルとなる。
一方、A−Bが−Cより大きい値であり、かつ、Cより小さいである場合には、比較部521cの出力はロー(L)レベルとなる。なお、A−Bの絶対値を演算することで、A−Bの絶対値がC以上である場合に、比較部521cの出力がハイ(H)レベルとなり、A−Bの絶対値がCより小さい場合に、比較部521cの出力がロー(L)レベルとなるようにしてもよい。
比較部521cの出力がローレベルである場合には、第1スイッチ素子522はオフとなり、第1スイッチ素子522のドレイン電極及びソース電極間には電流は流れない(オープンの状態である)。同様に、比較部521cの出力がローレベルである場合には、第2スイッチ素子523はオフとなり、第2スイッチ素子523のドレイン電極及びソース電極間には電流は流れない(オープンの状態である)。
一方、比較部521cの出力がハイレベルである場合には、第1スイッチ素子522はオンとなり、第1電源配線101が基準電位(グランド電圧GND)と導通する。同様に、比較部521cの出力がハイレベルである場合には、第2スイッチ素子523はオンとなり、第2電源配線102が基準電位(グランド電圧GND)と導通する。この場合、アノード電源配線100には大電流が流れる。なお、大電流とは、表示パネル2に電源電圧を供給する際にアノード電源配線100に流れる電流と比較して大きい電流を意味する。なお、第1スイッチ素子522及び第2スイッチ523を介して、第1電源配線101及び第2電源配線102が導通する電位は、基準電位に限らず、第1電源配線101及び第2電源配線に供給される電源電位と、一定以上の電位差が生じる電位が供給されてもよい。
ここで、本実施形態において、制御基板5上に設けられている電源IC51に含まれる停止回路511は、上記したようにアノード電源配線100(に含まれる第3電源配線103)に大電流が流れた場合に電源電圧の供給を停止することができる。具体的には、停止回路511は、アノード電源配線100(に含まれる第3電源配線103)に流れる電流量を監視(測定)し、当該電流量が予め定められた値以上である場合に電源供給を停止する(つまり、システムをシャットダウンする)。
これによれば、上記した比較回路521(比較部521c)からのハイレベルの信号(停止信号)に従って第1電源配線101及び第2電源配線102がグランド電圧GNDと接続された場合には、停止回路511は、システムをシャットダウンし、表示パネル2に対する電源供給を停止する。
上記したように本実施形態においては、複数の有機EL素子21の各々を駆動する複数の画素回路(表示パネル2)に電源電圧を供給するために曲面領域7上に配置されたアノード電源配線100は第1電源配線101(右側アノード配線)及び第2電源配線102(左側アノード配線)を含む。また、本実施形態においては、第1電源配線101に関する信号(第1信号)と第2電源配線102に関する信号(第2信号)とを比較して異なる場合に停止信号(第1停止信号)を出力する検出回路52と、当該停止信号に基づいて電源電圧の供給を停止する停止回路511とを備える。
具体的には、本実施形態においては、第1電源配線101及び第2電源配線102の一方が断線した場合には、第1電源配線101における電圧値及び第2電源配線102における電圧値の差(電圧差)が大きくなり、検出回路52から停止信号(ハイレベルの信号)が出力される。この場合、第1電源配線101及び第2電源配線102を基準電位と導通させることによって、アノード電源配線100(第3電源配線103)には大電流が流れる。これによれば、停止回路511においては予め定められた値以上の電流が測定され、電源供給が停止される(シャットダウンされる)。
本実施形態においては、このような構成により、第1電源配線101及び第2電源配線102の一方が断線した場合にアノード電源配線100に生じる過電流(つまり、断線による不具合)を防止することが可能となる。
第1電源配線101及び第2電源配線102が断線していない場合には、第1電源配線101における電圧値及び第2電源配線102における電圧値の差は小さいため、検出回路52からは停止信号は出力されず、電源供給は停止されない。
なお、本実施形態においては、第1電源配線101における電圧値及び第2電源配線102における電圧値を比較することによって第1電源配線101及び第2電源配線102の断線を検出するものとして説明したが、当該電圧値の比較によれば、例えば第1電源配線101及び第2電源配線102の一部が欠けている等の損傷または破損を検出することも可能である。
また、本実施形態に係る表示装置1は、例えば副基板として、表示パネル2、COF3、FPC4及び制御基板5を備え、表示パネル2が上記した曲面領域7を有するものとして説明したが、当該曲面領域7は、表示パネル2ではなく、COF3(フィルム基板)またはFPC4(フレキシブルプリント基板)上に配置されていてもよい。すなわち、本実施形態に係る表示装置1は、COF3またはFPC4で折り曲げることが可能なように構成されていてもよい。また、曲面領域7は、非表示領域NDAに配置されるとしたが、これに限られず、表示領域DAの一部を含んでもよい。
また、本実施形態においては、検出回路52が制御基板5上に配置されるものとして説明したが、当該検出回路52は、表示パネル2上に配置される構成としてもよい。また、当該検出回路52は、表示パネル2の短辺EXに対して曲面領域7より遠い位置に配置されてもよい。このような構成によれば、検出回路52と第1電源配線101及び第2電源配線102とを接続する配線が曲面領域7において断線することを防止することができる。
また、本実施形態においては、第1電源配線101または第2電源配線102と第3電源配線103との接続部がFPC4上に配置されるものとして説明したが、当該接続部は、COF3または制御基板5上に配置されていてもよい。
なお、本実施形態においては、表示装置1がCOF3及びFPC4を備えるものとして説明したが、当該COF3及びFPC4の一方が省略され、1つのフレキシブルプリント基板(FPC)のみを備える構成であっても構わない。また、本実施形態においては、COG(Chip On Glass)を備える構成であってもよい。例えば、表示パネル2を駆動する駆動ICチップは、表示パネル2上に配置されてもよい。
また、本実施形態においては、検出回路52が第1電源配線101における電圧値及び第2電源配線102における電圧値を比較して停止信号を出力するものとして説明したが、当該検出回路52は、第1電源配線101に流れる電流値及び第2電源配線102に流れる電流値を比較して停止信号を出力する構成であってもよい。この場合、A/Dコンバータ521aは第1電源配線101に流れる電流値を示すアナログ信号をデジタル信号に変換し、A/Dコンバータ521bは第2電源配線102に流れる電流値を示すアナログ信号をデジタル信号に変換すればよい。比較部521cは、このデジタル信号に基づいて第1電源配線101に流れる電流値及び第2電源配線102に流れる電流値を比較して当該電流値が異なる場合に停止信号を出力する。
また、本実施形態においては、表示パネル2内においてアノード電源配線100が図5に示すように配置されているものとして説明したが、アノード電源配線100は、例えば図10に示すように配置されていても構わない。すなわち、アノード電源配線100は、第1方向Xに延在する複数の部分配線100Xと、第2方向Yに延在する部分配線100Yからなり、部分配線100Yは、表示領域DAの端子領域MT側の表示領域DAの短辺の内側に沿うように配置される。部分配線100Yは部分配線100Xと接続され、部分配線100Xと接続される第1方向Xに配列されている複数の画素PXの各々に電源電圧を供給するようにしていてもよい。また、第2方向Yに延在する部分配線100Yは、端子領域MT側及び端子領域MTと反対側の両方に配置されてもよい。言い換えると、アノード電源配線100は、表示領域DAを囲うように構成されてもよい。本実施形態におけるアノード電源配線100は、表示パネル2の例えば2カ所から当該表示パネル2に対して電源電圧を供給し、当該電源電圧が全ての画素PX(有機EL素子21のアノード電極)に印加できるように配置されていればよい。
なお、本実施形態においては第1電源配線101及び第2電源配線102を介して2カ所から表示パネル2に電源電圧を供給する場合について説明したが、例えば3カ所以上から表示パネル2に電源電圧を供給する場合に適用されても構わない。この場合、例えば表示パネル2に電源電圧を供給する各電源配線における電圧値を比較することによって、当該電源配線の断線を検出して電源供給を停止することが可能となる。
また、本実施形態においては表示装置1が曲面領域7(折り曲げられる領域)を有するものとして説明したが、本実施形態は、曲面領域7を有さない(つまり、折り曲げられない)表示装置に適用されても構わない。
更に、本実施形態においては表示パネル2に含まれる有機EL素子21のアノード電極に第1電源電圧(PVDD)を印加する場合について説明したが、本実施形態は、例えば有機EL素子21のカソード電極に第2電源電圧(PVSS)を印加する場合に適用されても構わない。
また、本実施形態においては表示装置1が有機EL表示装置であるものとして説明したが、本実施形態は、無機EL表示装置または液晶表示装置における配線に適用されても構わない。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る表示装置は有機EL表示装置であり、本実施形態に係る表示装置の構成は、前述した図1〜図7等において説明した第1の実施形態に係る表示装置の構成と同様であるため、ここではその詳しい説明を省略し、適宜、図1〜図7等を用いて説明する。以下においては、前述した第1の実施形態と異なる部分について主に述べる。
前述した第1の実施形態においては、検出回路52に含まれる比較回路521によって出力された停止信号に基づいて第1電源配線101及び第2電源配線102を基準電位(GND)と導通させ、当該導通によってアノード電源配線100に流れる大電流を測定することによって電源供給が停止される。これに対して、本実施形態は、検出回路52に含まれる比較回路521によって出力された停止信号が電源IC51(停止回路511)に入力された場合に電源電圧の供給を停止する点が第1の実施形態とは異なる。
図11は、本実施形態に係る表示装置1における電源IC51及び比較回路521(検出回路)について説明するための図である。なお、図11においては省略されているが、図11に示す比較回路521は制御基板5上の検出回路52内に設けられている。
なお、本実施形態における比較回路521は、前述した第1の実施形態において説明した比較回路521と同様の構成である。すなわち、比較回路521は、図8において説明したA/Dコンバータ521a、A/Dコンバータ521b及び比較部521cを含む。
詳細な説明については省略するが、A/Dコンバータ521aは第1電源配線101に接続されている。A/Dコンバータ521bは第2電源配線102に接続されている。比較部521cは、第1電源配線101における電圧値及び第2電源配線102における電圧値を比較して当該電圧値が異なる場合に(つまり、第1電源配線101または第2電源配線102の断線が検出された場合に)停止信号を出力する。
本実施形態において、比較回路521は電源IC51と接続されており、当該比較回路521(比較部521c)によって出力された停止信号(第1停止信号)は、電源IC51に入力される。
図11に示すように、電源IC51は、電源回路512、監視回路513、OR回路(論理和回路)514及び停止回路515を含む。
電源回路512は、第3電源配線103と接続されており、アノード電源配線100を介して表示パネル2に電源電圧を供給するための回路である。
監視回路513は、アノード電源配線100(に含まれる第3電源配線103)に流れる電流量を監視(測定)するための回路である。監視回路513は、予め定められた値以上の電流量が測定された場合、電源回路512による電源電圧の供給を停止するための停止信号(第2停止信号)を出力する。
OR回路514の一方の入力端子は、監視回路513と接続されている。OR回路514の他方の入力端子は、比較回路521と接続されている。
停止回路515は、監視回路513によって出力された停止信号及び比較回路521によって出力された停止信号の少なくとも一方がOR回路514に入力された場合に、当該OR回路514の出力に基づいて電源回路512による電源電圧の供給を停止する。すなわち、停止回路515は、前述した第1の実施形態における停止回路と比較して、比較回路521によって出力された停止信号が電源IC51に入力された際に電源電圧の供給を停止する(シャットダウンする)機能が付加されている。
上記したように本実施形態においては、表示パネル2に電源電圧を供給する際にアノード電源配線100に流れる電流量を監視することによって、電源回路512内での予め定められた値以上の電流の発生に伴い停止信号を出力する監視回路513を備え、停止回路515は、当該監視回路513によって出力された停止信号または比較回路521によって出力された停止信号に基づいて電源電圧の供給を停止する。
本実施形態においては、このような構成により、第1電源配線101及び第2電源配線102の一方が断線した場合にアノード電源配線100に生じる過電流(つまり、断線による不具合)を防止することが可能となる。
上記した本実施形態の構成によれば、前述した第1の実施形態と比較して、検出回路52にスイッチ素子522及び523を設ける必要がないため、当該検出回路52の構成を簡素化することが可能となる。
なお、本実施形態においては、電源IC51がOR回路514を備え、監視回路513によって出力された停止信号及び比較回路521によって出力された停止信号の一方が入力された場合に電源電圧の供給を停止するものとして説明したが、例えば監視回路513及びOR回路514は備えない構成であってもよい。このような構成であっても、例えば第1電源配線101及び第2電源配線102の一方が断線した場合には、比較回路521によって出力される停止信号が電源IC51に入力されることによって、停止回路515は電源回路512による電源電圧の供給を停止することが可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…表示装置、2…表示パネル、3…COF、4…FPC、5…制御基板、6…駆動ICチップ、7…曲面領域、10…絶縁基板、11…第1絶縁膜、12…第2絶縁膜、13…第3絶縁膜、14…第4絶縁膜、15…第5絶縁膜、16…絶縁基板、17…接着剤、21…有機EL素子、22…第1トランジスタ、23…第2トランジスタ、24…第3トランジスタ、25…第1容量、26…第2容量、100…アノード電源配線、200…カソード電源配線、101…第1電源配線、102…第2電源配線、103…第3電源配線、51…電源IC、52…検出回路、511,515…停止回路、512…電源回路、513…監視回路、514…OR回路、521…比較回路、521a,521b…A/Dコンバータ、521c…比較部、522,523…スイッチ素子、PX…画素。

Claims (15)

  1. 曲面領域を有する第1基板と、
    前記第1基板上に設けられた複数の発光素子と、
    前記複数の発光素子の各々を駆動する複数の画素回路と、
    前記複数の画素回路に電源電圧を供給するために前記曲面領域において第1方向に延在するように配置された電源配線であって、第1電源配線及び前記第1電源配線と第2方向に離間して配置された第2電源配線を含む電源配線と、
    前記第1電源配線及び前記第2電源配線と接続され、当該第1電源配線に関する第1信号と当該第2電源配線に関する第2信号とを比較して異なる場合に第1停止信号を出力する検出回路と、
    前記第1電源配線及び前記第2電源配線と接続され、前記第1停止信号に基づいて前記電源電圧の供給を停止する停止回路と
    を具備する表示装置。
  2. 前記第1基板は、フィルム基板である副基板を含み、
    前記曲面領域は、前記副基板上に配置される
    請求項1記載の表示装置。
  3. 前記第1基板は、フレキシブルプリント基板である副基板を含み、
    前記曲面領域は、副基板上に配置される
    請求項1記載の表示装置。
  4. 前記第1基板は、前記複数の発光素子及び前記複数の画素回路が配置された副基板を含み、
    前記検出回路は、前記副基板上に配置される
    請求項1記載の表示装置。
  5. 前記第1基板は、第1副基板、第2副基板及び第3副基板を含み、
    前記複数の発光素子及び前記複数の画素回路は、前記第1副基板上に配置され、
    前記第2副基板は、前記第1副基板と接続されるフレキシブルプリント基板であり、
    前記第3副基板は、前記第2副基板と接続され、前記検出回路が配置される制御基板である
    請求項1記載の表示装置。
  6. 前記第1電源配線及び前記第2電源配線と接続され、前記複数の画素回路に電源電圧を供給する電源回路を更に具備する請求項1記載の表示装置。
  7. 前記第1基板は、第1副基板、第2副基板及び第3副基板を含み、
    前記複数の発光素子及び前記複数の画素回路は、前記第1副基板上に配置され、
    前記第2副基板は、前記第1副基板と接続されるフレキシブルプリント基板であり、
    前記第3副基板は、前記第2副基板と接続され、前記電源回路が配置される制御基板である
    請求項6記載の表示装置。
  8. 前記電源配線は、前記第1電源配線及び前記第2電源配線と接続される第3電源配線を含み、
    前記第3電源配線は、前記電源回路と接続される
    請求項6記載の表示装置。
  9. 前記第3電源配線は、前記第1電源配線または前記第2電源配線との接続部を含み、
    前記第1基板は、第1副基板、第2副基板及び第3副基板を含み、
    前記複数の発光素子及び前記複数の画素回路は、前記第1副基板上に配置され、
    前記第2副基板は、前記第1副基板と接続されるフレキシブルプリント基板であり、
    前記第3副基板は、制御基板であり、
    前記接続部は、前記第2副基板上に配置される
    請求項8記載の表示装置。
  10. 前記第3電源配線は、前記第1電源配線または前記第2電源配線との接続部を含み、
    前記第1基板は、第1副基板、第2副基板及び第3副基板を含み、
    前記複数の発光素子及び前記複数の画素回路は、前記第1副基板上に配置され、
    前記第2副基板は、前記第1副基板と接続されるフレキシブルプリント基板であり、
    前記第3副基板は、制御基板であり、
    前記接続部は、前記第3副基板上に配置される
    請求項8記載の表示装置。
  11. 前記複数の画素回路に電源電圧を供給する電源回路内での予め定められた値以上の電流の発生に伴い第2停止信号を出力する監視回路を更に具備し、
    前記停止回路は、前記第1停止信号または前記第2停止信号に基づいて前記電源電圧の供給を停止する
    請求項1記載の表示装置。
  12. 前記検出回路は、第1スイッチ素子及び第2スイッチ素子を有し、
    前記第1スイッチ素子のドレイン電極及びソース電極の一方は、前記第1電源配線と接続され、
    前記第2スイッチ素子のドレイン電極及びソース電極の一方は、前記第2電源配線と接続され、
    前記第1スイッチ素子のゲート電極及び前記第2スイッチ素子のゲート電極には、前記第1停止信号が入力され、
    前記第1スイッチ素子のドレイン電極またはソース電極の他方は、基準電位と接続され、
    前記第2スイッチ素子のドレイン電極またはソース電極の他方は、基準電位と接続される
    請求項1記載の表示装置。
  13. 前記停止回路は、第1停止信号に基づいて、第1電源配線及び第2電源配線が基準電位と導通されることによって、前記電源配線に流れる予め定められた値以上の電流が測定された場合に、前記電源電圧の供給を停止する請求項1記載の表示装置。
  14. 前記電源配線は、前記第2方向に延在し、前記第1電源配線と前記第2電源配線とを接続する第1部分配線を更に有し、
    前記複数の画素回路に第1部分配線を介して電源電圧が供給される、請求項1記載の表示装置。
  15. 前記検出回路は、第1信号と第2信号との差が、所定の閾値以上である場合に停止信号を出力する、請求項1に記載の表示装置。
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