JP2019078638A - アスコルビン酸測定用電極およびバイオセンサ - Google Patents

アスコルビン酸測定用電極およびバイオセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】アスコルビン酸の即時測定を、精度よく、低コストで簡便に行うことを課題とする。【解決手段】電極と、アスコルビン酸からの電子授受を行う非触媒の電子アクセプター、並びに、アミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質を含む検知層とを含み、前記検知層において、前記電子アクセプターが前記アスコルビン酸により還元され、該電子アクセプターが前記電極で酸化される、アスコルビン酸応答電極。【選択図】図4

Description

本発明は、試料中のアスコルビン酸濃度を測定するための電極およびバイオセンサに関し、特に高濃度のアスコルビン酸を測定するための電極およびバイオセンサに関する。
アスコルビン酸(ビタミンC)は食事により摂取され、小腸より吸収され体内の臓器および組織へ広く分布する。生化学的にはコラーゲンの合成、カルニチンの合成、副腎皮質ホルモンの合成、カテコールアミンの合成、過酸化脂質の分解、活性酸素の分解等に関与しており、生体内で重要な役割を果たしている。近年では、ビタミンCの強い還元性による、抗がん作用、免疫力増強、そして、美肌、美白効果が着目され、高濃度ビタミンC点滴療法等に応用されている。
アスコルビン酸の測定としては、アスコルビン酸欠乏症診断のための測定や食品中のアスコルビン酸の測定等が挙げられる。また、高濃度ビタミンC点滴療法においては、血中のビタミンC濃度の即時モニタリングが必須であり、また、糖尿病における自己血糖測定においては、血中のアスコルビン酸がグルコース測定値に影響を及ぼすため、アスコルビン酸濃度の測定値によるグルコース値の補正の必要性が挙がっている。
特許文献1には、食品中の微量栄養素として、アスコルビン酸を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法で測定する方法が開示されている。
特許文献2には、アスコルビン酸測定の一例として、アスコルビン酸オキシダーゼおよびフェリシアン化合物等の電子メディエーターを含む検知層を構成要素とした電極を有するバイオセンサが開示されている。
特表2005−517926 特開平09−243591
先行文献1の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法でのアスコルビン酸測定に関しては、装置が高価になることからコスト面の問題がある。また、上記装置は、大型の医療施設や検査センターに設置されていることが多く、装置を設置していない施設においては、検査を外注分析に出すため、リアルタイムの測定が出来ないが、特に高濃度ビタミンC点滴療法においては、ビタミンCの代謝や排出の影響を考慮し、リアルタイムな測定が望まれており、問題となっている。
先行文献2では、バイオセンサにより、簡便で即時(リアルタイム)の測定が可能であるが、アスコルビン酸オキシダーゼ等の酵素触媒を用いていることにより、非特異的な触媒反応による測定精度の悪化の問題があった。また、酵素の変性に起因しセンサの保存安定性が悪いため、酵素の処方量を増加する必要があり、コストが高くなるという課題があった。
上記に鑑み、本発明は、アスコルビン酸の即時測定を、精度よく、低コストで簡便に行うことを課題とする。
発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、従来のようなHPLCやア
スコルビン酸オキシダーゼのような酵素触媒を用いることなくアスコルビン酸を精度よく簡便に測定することのできるアスコルビン酸応答電極を見出した。
すなわち、本発明は、電極と、該電極と接触し、アスコルビン酸からの電子授受を行う非触媒の電子アクセプター、並びに、アミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質を含む検知層を含み、該検知層において、前記電子アクセプターが前記アスコルビン酸により還元され、該電子アクセプターが前記電極で酸化されることを特徴とする、アスコルビン酸応答電極を提供する。
本発明はまた、基板と、該基板上に設けられた、前記アスコルビン酸応答電極および対極、とを含むバイオセンサを提供する。
本発明はまた、前記バイオセンサにアスコルビン酸含有試料を反応させ、前記アスコルビン酸応答電極に酸化電位を印加して応答電流を測定し、該応答電流に基づいてアスコルビン酸濃度を算出することを特徴とする、アスコルビン酸濃度の測定方法、を提供する。
本発明はまた、前記バイオセンサと、バイオセンサへの電圧印加を制御する、制御部と、バイオセンサへの電圧印加により得られる、アスコルビン酸応答電流を検出する、検出部と、前記電流値からアスコルビン酸の濃度を算出する、演算部と、前記算出されたアスコルビン酸の濃度を出力する出力部とから構成される測定装置、を提供する。
前記「電子アクセプター」は、電子を供与できる電子ドナーの機能を持った化合物からの電子を授受できる化合物である。前記「非触媒」とは、酵素やオルガネラ等、化学反応を触媒する生体触媒の機能を持っていないか、もしくは、生体触媒の機能が小さいことを意味する。アスコルビン酸は、還元性物質として強い電子ドナーの機能を持っている。この特性を利用し、アスコルビン酸からの電子を電子アクセプターへ電子授受させることを実現した。さらに、電子ドナーからの電子を授受した電子アクセプターは、還元体となることから、電極上で電気化学的に酸化反応をさせることが出来る。さらに、前記検知層に、前記電子アクセプターに加え、適量のアミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質を添加することにより、電子アクセプターのみの反応系で発生する過剰な反応速度を制御することが可能になる。これにより、アスコルビン酸高濃度領域におけるセンサ性能の直線性および再現性が飛躍的に向上する。これらの種々の機能により本発明を完成させた。
本発明のアスコルビン酸応答電極は酵素を使用しないため、非特異的な触媒反応による測定精度の悪化を抑えた精度の高いアスコルビン酸の測定が可能である。また、酵素タンパク質の変性に起因する保存安定性の問題がないため、コストを抑えることが可能である。さらに、適量のアミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質の存在下で、電子アクセプターとアスコルビン酸を反応させることにより、アスコルビン酸高濃度領域においても精度よく測定を行うことが可能である。したがって、本発明により、アスコルビン酸の即時測定を、精度よく、低コストで簡便に行うことが可能になった。
図1は、本発明の一実施形態にかかるバイオセンサの製造方法の一例を示す工程図であり、(A)〜(E)は、各工程でのバイオセンサの模式図を示す。 図2は、本発明の測定装置の一態様を示す模式図である。 図3は、本発明の測定装置を用いた測定プログラムの一態様を示すフローチャート図である。 図4は、各種濃度のアスコルビン酸を含む試料を実施例および比較例のバイオセンサに反応させて電圧を印加したときの応答電流値を示すグラフである。 図5は、各種濃度のアスコルビン酸を含む試料の測定時における、実施例および比較例のバイオセンサの再現性を示すグラフである。 図6は、各種濃度のアスコルビン酸を含む試料を、アミノ酸および可溶性タンパク質濃度の異なる実施例のバイオセンサに反応させて電圧を印加したときの応答電流値を示すグラフである。 図7は、各種濃度のアスコルビン酸を含む試料を、各種濃度の各種アミノ酸および各種濃度の可溶性タンパク質を含む実施例のバイオセンサに反応させて電圧を印加したときの応答電流値を示すグラフである。 図8は、各種濃度のアスコルビン酸を含む試料を、アミノ酸および糖類または可溶性タンパク質を含む実施例のバイオセンサに反応させて電圧を印加したときの応答電流値を示すグラフである。Aはタウリンおよびキシリトールを含む実施例のバイオセンサを用いた結果を示す。Bはタウリンおよびトレハロースを含む実施例のバイオセンサを用いた結果を示す。CはタウリンおよびBSA(ウシ血清アルブミン)を含む実施例のバイオセンサを用いた結果を示す。
(電極の構成)
本発明のアスコルビン酸応答電極は、電極と、アスコルビン酸からの電子授受を行う非触媒の電子アクセプター、並びに、アミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質を含む検知層とを含み、前記検知層において、前記電子アクセプターが前記アスコルビン酸により還元され、該電子アクセプターが前記電極で酸化されることを特徴とする。
なお、検知層が酵素および電子アクセプターを含む従来の酵素電極とは異なり、本発明のアスコルビン酸応答電極では、検知層は電子アクセプターを含むが、酵素は含まない。
(電極)
電極は、導電性のある素材であれば特に制限されないが、例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)およびパラジウム(Pd)のような金属材料、或いはグラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン、メソポーラスカーボン等のカーボンに代表される炭素材料を用いて形成される。電極は、例えば、絶縁性基板上に形成される。絶縁性基板は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)のような熱可塑性樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂のような各種の樹脂(プラスチック)、ガラス、セラミック、紙のような絶縁性材料で形成される。電極および絶縁性基板の大きさ、厚さは適宜設定可能である。
(電子アクセプター)
電子アクセプターとしては、アスコルビン酸から電子を受け取って還元され、電極で再酸化される、触媒作用のない化合物であればよいが、例えば、ルテニウム化合物、フェリシアン化カリウム、シトクロムC、ピロロキノリンキノン(PQQ)、NAD、NADP、銅錯体、およびフェナジンメトサルフェートおよびその誘導体、オスミウム錯体等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上で併用してもよい。
この中では、酸化型の金属原子と配位子からなる錯体であることが好ましく、3価ルテニウム(Ru(III))と配位子からなる酸化型ルテニウム錯体であることがより好ましい。
本発明に用いる電子アクセプターは、通常の有機合成化学的手法で合成したもの、あるいは市販のものを用いることができる。
(酸化型ルテニウム錯体)
酸化型ルテニウム錯体の配位子としては、例えば、アンモニア、ビピリジン、イミダゾール、アミノ酸、フェナントロリン、エチレンジアミン等の含窒素配位子やハロゲン配位子が挙げられる。なお、これらを組み合わせて混合配位子としてもよい。
電子アクセプターとなる酸化型ルテニウム錯体は、塩等の形態で検知層に含有させて、反応前および/または反応時に、反応性の錯体を形成するものであってもよい。このような形態も本発明に包含される。
例えば、ルテニウムアンモニア錯体としては、好ましくは以下の化合物が挙げられる。
[Ru(NHX]n+
ここで、Xとしては、NH、ハロゲン、CN、ピリジン、ニコチンアミド、ビピリジンまたはHO等が挙げられ、これらの中でもNHまたはハロゲン(例えば、Cl、F、Br、I)が好ましい。前記化学式におけるn+は、酸化型ルテニウム(III)錯体の価数を表し、Xの種類により適宜決定される。
ビピリジンルテニウム錯体の例としては、例えば、[Ru(bipyridine)]、[Ru(4,4’−dimethyl−2,2’−bipyridine)]、[Ru(4,4’−diphenyl−2,2’−bipyridine)]、[Ru(4,4’−diamino−2,2’−bipyridine)]、[Ru(4,4’−dihydroxy−2,2’−bipyridine)]、[Ru(4,4’−dicarboxy−2,2’−bipyridine)]、[Ru(4,4’−dibromo−2,2’−bipyridine)]、[Ru(5,5’−dimethyl−2,2’−bipyridine)]、[Ru(5,5’−diphenyl−2,2’−bipyridine)]、[Ru(5,5’−diamino−2,2’−bipyridine)]、[Ru(5,5’−dihydroxy−2,2’−bipyridine)]、[Ru(5,5’−dicarboxy−2,2’−bipyridine)]、[Ru(5,5’−dibromo−2,2’−bipyridine)]等がある。
イミダゾールルテニウム錯体の例としては、例えば、[Ru(imidazole)]、[Ru(4−methyl−imidazole)]、[Ru(4−phenyl−imidazole)]、[Ru(4−amino−imidazole)]、[Ru(4−hydroxy−imidazole)]、[Ru(4−carboxy−imidazole)]、[Ru(4−bromo−imidazole)]等がある。
検知層における電子アクセプターの含有量は、測定試料の種類等によって適宜決定できるが、例えば、検知層の表面積1cm当たり、0.1μmol〜50μmolが好ましく、より好ましくは0.1μmol〜10μmol、特に好ましくは0.1μmol〜5μmolである。
電極用試薬(検知層調製液)における電子アクセプターの含有量としては、特に限定されないが、例えば、1.5〜10質量%、好ましくは2.5〜5質量%である。
(アミノ酸、糖類、可溶性タンパク質)
本発明のアスコルビン酸応答電極においては、検知層において、電子アクセプターが試料中に含まれるアスコルビン酸から電子を受け取って還元され、還元された電子アクセプターが電極において再酸化される。
ここで、検知層においてアミノ酸と糖類の組み合わせ、アミノ酸と可溶性タンパク質の組み合わせ、またはアミノ酸と糖類と可溶性タンパク質の組み合わせを含むことにより、試薬(特に電子アクセプター)の溶解速度を調整することができ、酸化還元反応速度を調整することができる。したがって、アスコルビン酸高濃度領域まで良好な直線性を維持することができる。
また、検知層においてアミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質の組み合わせを含むことにより、センサ間における試薬の溶解速度も均一になるため、高濃度領域における高い再現性が得られる。
アミノ酸としては、可溶性に富み、前記成分と組み合わせて試薬の溶解速度の調整および酸化還元反応速度を調整できる限り特に限定されない。ここでアミノ酸は、アミノカル
ボン酸以外に、タウリンに代表されるアミノスルホン酸を含む。
アミノ酸としては、例えばグリシン、アラニン等の脂肪族アミノ酸、フェニルアラニン等の芳香族アミノ酸、プロリン等のイミノ酸、セリン、トレオニン等のオキシアミノ酸、システイン、メチオニン、タウリン等の含硫アミノ酸、バリン、ロイシン、イソロイシン等の分岐鎖アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸、アスパラギン、グルタミン等の酸性アミノ酸アミド、リシン、アルギニン等の塩基性アミノ酸、トリプトファン、ヒスチジン等の複素環式アミノ酸またはそれらの塩(例えばグルタミン酸ナトリウム等)等が挙げられ、脂肪族アミノ酸、オキシアミノ酸、含硫アミノ酸、酸性アミノ酸塩が好ましい。これらは単独で使用してもよいし、2種以上で併用してもよい。
検知層におけるアミノ酸の含有量は、測定試料の種類等によって適宜決定できるが、例えば、検知層の表面積1cm当たり、1μmol〜100μmolが好ましく、より好ましくは10μmol〜50μmol、特に好ましくは10μmmol〜15μmolである。
電極用試薬におけるアミノ酸の含有量としては、特に限定されないが、例えば、2.5〜5.0質量%、好ましくは4.5〜5.0質量%である。
糖類としては、可溶性に富み、アミノ酸と組み合わせて試薬の溶解速度の調整および酸化還元反応速度を調整できる限り特に限定されず、例えば単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、糖アルコール、アミノ糖等が挙げられ、二糖および糖アルコールが好ましい。
単糖としては、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース等が挙げられる。二糖としては、トレハロース、コージビオース、ニゲロース、マルトース、イソマルトース、ラクトース、スクロース等が挙げられる。オリゴ糖としては、デキストリン、ガラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖等が挙げられ、糖アルコールとしては、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上で併用してもよい。
検知層における糖類の含有量は、測定試料の種類等によって適宜決定できるが、例えば、検知層の表面積1cm当たり、1μmol〜100μmolが好ましく、より好ましくは1μmol〜50μmol、特に好ましくは1μmol〜10μmolである。
電極用試薬における糖類の含有量としては、特に限定されないが、例えば、1.2〜2.5質量%、好ましくは2.4〜2.5質量%である。
可溶性タンパク質としては、可溶性に富み、アミノ酸と組み合わせて試薬の溶解速度の調整および酸化還元反応速度を調整でき、水性溶媒に可溶性である限り特に限定されず、例えばシルクプロテイン由来のネオプロテインセイバー(NPS)(東洋紡)、ウシ、ヒト等の血清成分であるアルブミン、カゼイン、ゼラチン等の水性溶媒に可溶性のタンパク質が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上で併用してもよい。可溶性タンパク質の分子量は特に制限されず、例えば1,000〜100,000Da程度であってよい。
検知層における可溶性タンパク質の含有量は、測定試料の種類等によって適宜決定できるが、例えば、検知層の表面積1cm当たり、0.1nmol〜50nmolが好ましく、より好ましくは10nmol〜50nmol、特に好ましくは10nmol〜30nmolである。
電極用試薬における可溶性タンパク質の含有量としては、特に限定されないが、例えば、1.2〜2.5質量%、好ましくは2.4〜2.5質量%である。
本発明に用いるアミノ酸、糖類、可溶性タンパク質は、通常の有機合成化学的手法で合
成したもの、あるいは市販のものを用いることができる。
電極におけるアミノ酸と糖類との含有比(質量比)としては、通常5:1〜1:1、好ましくは2.5:1〜1:1である。電極おけるアミノ酸と可溶性タンパク質との含有比(質量比)としては、通常5:1〜1:1、好ましくは2.5:1〜1:1である。
電極における電子アクセプターとアミノ酸との含有比(質量比)としては、通常1:5〜1:1、好ましくは2:3〜1:2である。
電極製造工程において、検知層調製液として、電子アクセプター、アミノ酸、糖類、可溶性タンパク質、および溶媒または分散媒を含有したスクリーン印刷対応インクとして調製することができ、スクリーン印刷手法にて樹脂等の基材にパターンニング印刷を行い電極を形成することにより、電極作製効率を向上することができ、センサ間差を小さくすることが可能になる。
なお、検知層は、緩衝剤や界面活性剤などの添加剤を追加的に含んでもよく、これらの含有量は適宜設定できる。
緩衝剤としては、アミン系緩衝剤が好ましく、例えば、Tris、ACES、CHES、CAPSO、TAPS、CAPS、Bis−Tris、TAPSO、TES、TricineおよびADA等が挙げられる。これらの物質は、1種類でもよいし2種類以上を併用してもよい。また、前記緩衝剤としては、カルボキシル基を有する緩衝剤も使用でき、例えば、酢酸−酢酸Na緩衝剤、リンゴ酸−酢酸Na緩衝剤、マロン酸−酢酸Na緩衝剤、コハク酸−酢酸Na緩衝剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、Triton X−100、CHAPS、ドデシル硫酸ナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸またはステアリン酸ナトリウムが含まれてもよい。また、アルキルアミノカルボン酸(またはその塩)、カルボキシベタイン、スルホベタインおよびホスホベタイン等が挙げられる。
(電極の作製方法)
本発明のアスコルビン酸応答電極は、例えば、以下のようにして作製される。すなわち、絶縁性基板の片面に、電極として機能する金属層を形成する。例えば、所定の厚さ(例えば100μm程度)のフィルム状の絶縁性基板の片面に、金属材料をスクリーン印刷、物理蒸着(PVD、例えばスパッタリング)、或いは化学蒸着(CVD)によって成膜することによって、所望の厚さ(例えば30nm程度)を有する金属層が形成される。金属層の代わりに、炭素材料で形成された電極層を形成することもできる。次に、電極上に電子アクセプターを含む検知層調製液をコートし、乾燥させることで検知層を電極上に配置することができる。
本発明のアスコルビン酸応答電極は、試料中に含まれるアスコルビン酸の濃度を測定するためのバイオセンサに使用することができる。
上記のように、本発明のアスコルビン酸応答電極は、検知層においてアミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質を含むことにより、試薬(特に電子アクセプター)の溶解速度を調整することができ、酸化還元反応速度を調整することができる。すなわち、アスコルビン酸高濃度領域まで直線性を維持することができ、またセンサ間の再現性も高い。
本発明のアスコルビン酸応答電極による測定に用いられる、試料中に含まれるアスコルビン酸の濃度は特に限定されないが、例えば、50、100、200、300、500、600、800、1,000mg/dL以上であってよい。
なお、試料は測定対象物質を含む試料であれば特に制限されないが、生体試料が好ましく、血液、尿などが挙げられる。
(バイオセンサ)
アスコルビン酸センサとしてのバイオセンサは、本発明のアスコルビン酸応答電極(作
用極)とともに対極となる電極を含む。対極としては、バイオセンサの対極として一般的に使用できるものであればよいが、例えば、スクリーン印刷により製膜したカーボン電極や、物理蒸着(PVD、例えばスパッタリング)、或いは化学蒸着(CVD)によって成膜した金属電極や、スクリーン印刷により製膜した銀/塩化銀電極を用いることができる。
また、銀/塩化銀電極やスクリーン印刷により製膜したカーボン電極や、物理蒸着、或いは化学蒸着によって成膜した金属電極を参照極とした3電極系を用いてもよい。
本発明のアスコルビン酸応答電極(作用極)表面にアスコルビン酸を含む試料を接触させると、アスコルビン酸の酸化反応によって生じた電子が電子アクセプターに受け渡され、電子アクセプターは還元される。そして、作用極に酸化電位を印加することで、作用極表面で還元型の電子アクセプターは酸化され、これによって酸化電流が発生する。この電流値に基づいて試料中のアスコルビン酸濃度を測定することができる。
以下、本発明のバイオセンサの一例について、図1に基づいて説明する。図1(A)〜(E)は、バイオセンサを製造する一連の工程を示した斜視図である。なお、本発明のバイオセンサは以下の態様には限定されない。
図1(E)に示すように、このバイオセンサAは、基板11、リード部12aを有する作用極12とリード部13aを有する対極13とから構成された電極系、絶縁層14、電子アクセプターと、アミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質と、緩衝液とを含む検知層16、開口部(スリット)を有するスペーサー18および貫通孔20を有するカバー19を備えている。図1(B)に示すように、基板11上には、検出部15が設けられており、検出部15には、作用極12と対極13とが、基板11の幅方向に並行して配置されている。前記両電極の一端は、それぞれリード部12a、13aとなり、これらと、検出部15における他端とが、垂直となるように配置されている(図1(A))。また、作用極12と対極13との間は、絶縁部となっている。このような電極系を備えた基板11の上には、図1(B)に示すように、リード部12a、13aおよび検出部15を除いて、絶縁層14が積層されており、絶縁層14が積層されていない前記検出部15上には、検知層16が積層されている。そして、絶縁層14の上には、図1(D)に示すように、試料導入口17aとなる一端から検出部15に対応する箇所をカバーする部分が解放した細幅な開口部(スリット)を有するスペーサー18が配置されている。さらにスペーサー18の上には、前記スペーサー18の開口部(スリット)の、試料導入口となる一端とは異なる他端に対応する箇所に貫通孔20を有するカバー19が配置されている(図1(E))。このバイオセンサAにおいて、前記開口(スリット)部の空間部分であり、かつ、前記検知層16および絶縁層14とカバー19とに挟まれた空間部分が、キャピラリー構造の試料供給部17となる。このキャピラリー17は、開口(スリット)部の試料導入口17aとなる一端および貫通孔20を介して外部と連通している。そして、前記貫通孔20が、試料を毛管現象により吸入するための空気孔となる。試料液導入口17aから供給された試料液は、毛細管現象により貫通孔20に向けてキャピラリー17内を進行し、検知層16で電極反応が起こる。
このようなバイオセンサは、例えば、以下のようにして作製できる。
まず、図1(A)に示すように、基板11上にリード部12aを有する作用極12およびリード部13aを有する対極13からなる電極系を形成する。
続いて、図1(B)に示すように、前記電極系12、13を形成した基板11上に絶縁層14を形成する。この絶縁層は、電極のリード部12a、13aと、電子アクセプター等を形成する検出部15を除いた基板11上に形成する。前記絶縁層14は、例えば、絶
縁性樹脂を溶媒に溶解した絶縁ペーストを前記基板11上に印刷し、これを加熱処理または紫外線処理して形成することができる。絶縁性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ブチラール樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ、前記溶媒としては、例えば、カルビトールアセテート、二塩基酸エステル系混合溶剤(DBEソルベント)等が挙げられる。
次に、図1(C)に示すように、絶縁層14が形成されていない検出部15において、基板11および電極12、13上に、検知層16を形成する。検知層16は、例えば、電子アクセプター、アミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質、および緩衝剤が分散された分散液を調製し、これを前記検出部15に分注して、乾燥することによって形成できる。前記分散液の調製に使用する溶媒としては、例えば、水、緩衝液、アルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が使用できる。
つぎに、図1(D)に示すように、絶縁層14上にスペーサー18を配置する。図示のように、スペーサー18は、前記検知層16に対応する箇所が開口部となっている。スペーサー18の材料としては、例えば、樹脂製フィルムやテープ等が使用できる。また、両面テープであれば、前記絶縁膜14との接着だけでなく、後述するカバー19も容易に接着できる。この他にも、例えば、レジスト印刷等の手段によりスペーサーを形成してもよい。
次に、図1(E)に示すように、前記スペーサー18上にカバー19を配置する。前記カバー19の材料としては、特に制限されないが、例えば、各種プラスチック等が使用でき、好ましくは、PET等の透明樹脂が挙げられる。
このバイオセンサAの使用方法について、試料が全血、測定対象物がアスコルビン酸、電子アクセプターがルテニウム(III)化合物である例を挙げて説明する。
まず、全血試料をバイオセンサAの開口部17の一端(試料導入口17a)に接触させる。この開口部17は、前述のようにキャピラリー構造となっており、その他端に対応するカバー19には空気孔20が設けられているため、毛管現象によって前記試料が内部に吸引される。吸引された前記試料は、検出部15上に設けられた検知層16表面に達する。そして、表面に達した試料中のアスコルビン酸と、検知層16中のルテニウム(III)化合物とが反応する。具体的には、測定対象物であるアスコルビン酸の酸化反応により移動した電子によって、ルテニウム(III)化合物が還元され、ルテニウム(II)化合物が生成される。なお、検知層16において、ルテニウム(III)化合物の溶解速度が、アミノ酸および可溶用性タンパク質によって調節されている。電極に正の電位を印加することで、検知層16中に存在するこのルテニウム(II)化合物と、検知層16の下に位置する電極との間で、電子授受が行われ、酸化電流が流れる。これに基づいてアスコルビン酸濃度が測定できる。
具体的には、全血試料の供給から一定時間経過後、前記電圧を加える手段により対極13と作用極12との間に電圧を印加して、電極と接触している検知層中の還元型のルテニウム(II)化合物を電気化学的にルテニウム(III)化合物に酸化し、その際の酸化電流を、作用極12のリード部12aを介して前記電気信号を測定する手段等によって検出する。この酸化電流の値は、試料中のアスコルビン酸濃度に比例するため、これを前記演算手段によりアスコルビン酸濃度に演算すれば、試料中のアスコルビン酸濃度を求めることができる。
作用極12に印加する電圧としては、対極に対して正の電圧であればよいが、10〜700mV、50〜500mV、または100〜400mVが好ましい。
試料を接触させた後、所定の時間非印加の状態で保持した後、電極系に電圧を印加して
もよいし、前記試料との接触と同時に電極系に電圧を印加してもよい。非印加の状態で保持する時間としては、例えば、30秒以下、または20秒以下である。
(装置)
次に、図面を用いて、本発明の測定装置について説明する。ここでは、アスコルビン酸測定装置の一態様について例示したが、本発明の測定装置は以下の態様には限定されない。図2は、測定装置B内に収容された主な電子部品の構成例を示す。制御コンピュータ28、ポテンショスタット29、電力供給装置31が、筐体内に収容された基板30上に設けられている。
制御コンピュータ28は、ハードウェア的には、CPU(中央演算処理装置)のようなプロセッサと、メモリ(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory))のような記録媒体と、通信ユニットを含んでおり、プロセッサが記録媒体(例えばROM)に記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することによって、出力部21、制御部22、演算部23および検出部24を備えた装置として機能する。なお、制御コンピュータ28は、半導体メモリ(EEPROM、フラッシュメモリ)やハードディスクのような、補助記憶装置を含んでいてもよい。
制御部22は、電圧印加のタイミング、印加電圧値などを制御する。
電力供給装置31は、バッテリ26を有しており、制御コンピュータ28やポテンショスタット29に動作用の電力を供給する。なお、電力供給装置31は、筐体の外部に置くこともできる。
ポテンショスタット29は、作用極の電位を参照電極に対して一定にする装置であり、制御部22によって制御され、端子CR、Wを用いて、アスコルビン酸センサ27の対極と作用極との間に所定の電圧を印加し、端子Wで得られる作用極の応答電流を測定し、応答電流の測定結果を検出部24に送る。
演算部23は検出された電流値から測定対象物質の濃度の演算を行い、記憶する。出力部21は、表示ユニット25との間でデータ通信を行い、演算部23による測定対象物質の濃度の演算結果を表示ユニット25に送信する。表示ユニット25は、例えば、測定装置Bから受信されたアスコルビン酸濃度の演算結果を所定のフォーマットで表示画面に表示することができる。
図3は、制御コンピュータ28によるアスコルビン酸濃度測定処理の例を示すフローチャートである。制御コンピュータ28のCPU(制御部22)は、アスコルビン酸濃度測定の開始指示を受け付けると、制御部22は、ポテンショスタット29を制御して、作用極への所定の電圧を印加し、作用極からの応答電流の測定を開始する(ステップS01)。なお、測定装置へのセンサの装着の検知を、濃度測定開始指示としてもよい。
次に、ポテンショスタット29は、電圧印加によって得られる応答電流、すなわち、試料内の測定対象物質(アスコルビン酸)に由来する電子の電極への移動に基づく電荷移動律速電流、例えば、電圧印加から1〜20秒後の定常電流を測定し、検出部24へ送る(ステップS02)。
演算部23は、電流値に基づいて演算処理を行い、アスコルビン酸濃度を算出する(ステップS03)。例えば、制御コンピュータ28の演算部23は、アスコルビン酸濃度の計算式またはアスコルビン酸濃度の検量線データを予め保持しており、これらの計算式または検量線を用いてアスコルビン酸濃度を算出する。
出力部21は、アスコルビン酸濃度の算出結果を、表示ユニット25との間に形成された通信リンクを通じて表示ユニット25へ送信する(ステップS04)。その後、制御部
22は、測定エラーの有無を検知し(ステップS05)、エラーがなければ測定を終了し、アスコルビン酸濃度を表示部に表示する。エラーがあればエラー表示をした後に、図3のフローによる処理を終了する。また、算出結果を演算部23に保存し、後から算出結果を呼び出して、表示部に表示し確認することも可能である。なお、ここでは、算出結果の表示ユニット25への送信(ステップS04)後に、制御部22による測定エラー検知(ステップS05)を行っているが、これらのステップの順番を入れ替えることも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の態様には限定されない。
<実施例1>
バイオセンサは、図1に示すように、以下の手順で作製した。まず、図1(A)に示すように、アスコルビン酸センサの絶縁性基板11として、PET製基板(長さ50mm、幅6mm、厚み250μm)を準備し、その一方の表面に、スクリーン印刷により、リード部をそれぞれ有する作用極12および対極13からなるカーボン電極系を形成した。
次に、図1(B)に示すように、前記電極上に絶縁層14を形成した。まず、絶縁性樹脂ポリエステルを、75%(wt)となるように溶媒カルビトールアセテートに溶解させて絶縁性ペーストを調製し、これを前記電極上にスクリーン印刷した。印刷条件は、300メッシュスクリーン、スキージ圧40kgであり、印刷する量は、電極面積1cmあたり0.002mLとした。なお、検出部15上と、リード部12a、13a上には、スクリーン印刷を行わなかった。そして、155℃で20分間、加熱処理し、絶縁層14を形成した。
さらに、図1(C)に示すように、絶縁層14を形成しなかった検出部15に、ルテニウム化合物層(検知層)16を形成した。まず、2.9%(wt)のルテニウム化合物([Ru(NH]Cl、Heesung社製)、5.0%(wt)のタウリン、2.4%(wt)のNPS(東洋紡)、CHAPS、2-プロパノールおよび蒸留水を含むルテニウム化合物液(pH7.5)を調製した。1.0μLのルテニウム化合物液を、検出部15に分注した。センサ一枚あたりの検知層に含まれる試薬の配合量を表1に示す。
なお、検出部15の表面積は約0.02cmであり、前記検出部15における電極12、13の表面積は約0.003cmであった。そして、これを、25℃で乾燥させて、ルテニウム化合物層16を形成した。
図1(D)に示すように、開口部を有するスペーサー18を絶縁層14上に配置した。さらに、図1(E)に示すように、スペーサー18上に空気孔となる貫通孔20を有するカバー19を配置してバイオセンサを作製した。前記カバー19と絶縁層14とに挟まれたスペーサー18の開口部の空間が、キャピラリー構造となるため、これを試料供給部17とした。このようにして作製したバイオセンサを、実施例のバイオセンサ1とした。
また、前記バイオセンサ1においてタウリンおよびNPSを蒸留水に置換した以外は同様にして比較例のバイオセンサを作製した。
次に、所定濃度(実施例については0、140、280、490、560、840、1120または1400mg/dL、比較例については0、50、100、200、300、400、600、800または1000mg/dL)となるようにアスコルビン酸(ASA)を含む、ヘマトクリット(Ht)値42%のアスコルビン酸含有全血試料を調製した。
そして、各アスコルビン酸含有全血試料を前記バイオセンサの試料供給部から供給して反応させたのち、クロノアンペロメトリー法により電流値を計測した。測定シーケンスは、次のようにした:開回路20sec→200mV 20sec(エンドポイントを測定)。結果を図4に示す。実施例のバイオセンサ1を用いた場合、測定した濃度域全体に渡り、アスコルビン酸の濃度の増加に伴って応答電流が増加した電流プロファイルが得られることが確認できた。一方、比較例のバイオセンサを用いた場合、低濃度域(400mg/dL以下)においては、アスコルビン酸の濃度の増加に伴って応答電流が増加した電流プロファイルが得られたが、高濃度域(600mg/dL以上)においては、アスコルビン酸の濃度と応答電流値の間に十分に良好な直線性が得られなかった。
タウリンとNPSを添加することにより、試薬(特にルテニウム化合物)の溶解速度を下げることができた。つまり、酸化還元反応速度を調整することができ、結果として600mg/dL以上におけるアスコルビン酸高濃度領域まで良好な直線性を維持することができることが確認された。
なお、上記アスコルビン酸の測定は、全血を用いているが、全血中には、尿酸、グルタチオン等の還元性物質が存在する。本発明では、上記還元性物質の存在化においても、アスコルビン酸の測定が、広い濃度域で出来ており、本測定条件において、測定の特異性があることが確認できている。
また、アスコルビン酸濃度100〜1400mg/dL(比較例については、100〜1000mg/dL)のアスコルビン酸含有全血試料を用いて、n=5における再現性(CV)(%)をCV=SD/Aveとして算出した。結果を表2および図5に示す。実施例のバイオセンサ1を用いた場合、測定した濃度域全体に渡り、再現性が得られることが確認できた。一方、比較例のバイオセンサを用いた場合、低濃度域(400mg/dL以下)においては、再現性が得られたが、高濃度域(600mg/dL以上)においては、十分に良好な再現性が得られなかった。
アミノ酸および可溶性タンパク質であるNPSを添加することにより、センサ間における試薬の溶解速度も均一になるため、高濃度領域における再現性が向上することが確認された。
前記バイオセンサ1においてタウリンおよびNPSをそれぞれ0.5倍量とした以外は同様にしてバイオセンサ2を作製した。バイオセンサ1およびバイオセンサ2を用い、前記と同様にして、各アスコルビン酸含有全血試料について電流値を計測した。結果を図6に示す。バイオセンサ1およびバイオセンサ2を用いた場合のいずれも、アスコルビン酸の濃度と応答電流値の間に良好な直線性が得られたが、バイオセンサ1の方が直線性性能が向上した。すなわち、電極用試薬におけるタウリン濃度は4.5〜5.0%程度、NPSの添加量は2.4〜2.5%程度であるとさらに好ましいことが確認された。
<実施例2>
前記バイオセンサ1においてアミノ酸を下記表3に記載のアミノ酸および量、NPSを下記表3に記載の量とした以外は同様にしてバイオセンサを作製した。同バイオセンサを用い、前記と同様にして、各アスコルビン酸含有全血試料について電流値を計測した。結果を図7に示す。タウリン以外のアミノ酸であっても、直線性が改善されることが確認された。また、アミノ酸とNPSの添加量が多いほど超高濃度領域まで良好な直線性を示す)ことが確認された。
<実施例3>
前記バイオセンサ1においてNPSをBSAまたは糖類(キシリトール、トレハロース)とした以外は同様にしてバイオセンサを作製した。同バイオセンサを用い、前記と同様にして、各アスコルビン酸含有全血試料について電流値を計測した。結果を図8に示す。アミノ酸と共に糖類(キシリトール、トレハロース)を用いてもアスコルビン酸の濃度と応答電流値の間に良好な直線性が得られることが確認された。また、可溶性タンパク質としてBSAを用いてもアスコルビン酸の濃度と応答電流値の間に良好な直線性が得られることが確認された。
A・・・バイオセンサ
11・・・基板
12・・・作用極
12a・・・リード部
13・・・対極
13a・・・リード部
14・・・絶縁層
15・・・検出部
16・・・検知層
17・・・開口部(スリット)
17a・・・試料導入口
18・・・スペーサー
19・・・カバー
20・・・空気孔
B・・・測定装置
21・・・出力部
22・・・制御部
23・・・演算部
24・・・検出部
25・・・表示部ユニット
26・・・バッテリ
27・・・アスコルビン酸センサ
28・・・制御コンピュータ
29・・・ポテンショスタット
30・・・基板
31・・・電力供給装置
CR、W・・・端子
S01〜S05・・・アスコルビン酸濃度測定処理における各ステップ

Claims (10)

  1. 電極と、
    アスコルビン酸からの電子授受を行う非触媒の電子アクセプター、並びに、アミノ酸と糖類および/または可溶性タンパク質を含む検知層とを含み、
    前記検知層において、前記電子アクセプターが前記アスコルビン酸により還元され、該電子アクセプターが前記電極で酸化される、アスコルビン酸応答電極。
  2. 前記電子アクセプターは、ルテニウム化合物である、請求項1に記載のアスコルビン酸応答電極。
  3. 前記ルテニウム化合物は、下記化学式に示すルテニウム(III)錯体である、請求項2に記載のアスコルビン酸応答電極。
    [Ru(NHX]n+
    ここで、Xは、NH、ハロゲン、CN、ピリジン、ニコチンアミド、ビピリジンまたはHOを示し、n+は、ルテニウム(III)錯体の価数を表す。
  4. 前記アミノ酸は、タウリン、アラニン、グリシンまたはセリンである、請求項1〜3の何れか一項に記載のアスコルビン酸応答電極。
  5. 前記可溶性タンパク質は、ネオプロテインセイバーまたは血清アルブミンである、請求項1〜4の何れか一項に記載のアスコルビン酸応答電極。
  6. 前記糖類は、キシリトールまたはトレハロースである、請求項1〜5の何れか一項に記載のアスコルビン酸応答電極。
  7. 基板と、該基板上に設けられた、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアスコルビン酸応答電極および対極、とを含む、バイオセンサ。
  8. アスコルビン酸濃度が50mg/dL以上である試料を測定するための、請求項7に記載のバイオセンサ。
  9. 請求項7または8に記載のバイオセンサにアスコルビン酸含有試料を反応させ、前記アスコルビン酸応答電極に酸化電位を印加して応答電流を測定し、該応答電流に基づいてアスコルビン酸濃度を算出する、アスコルビン酸濃度の測定方法。
  10. 請求項7または8に記載のバイオセンサと、
    前記バイオセンサへの電圧印加を制御する、制御部と、
    前記バイオセンサへの電圧印加により得られる、アスコルビン酸応答電流を検出する、検出部と、
    前記電流値からアスコルビン酸の濃度を算出する、演算部と、
    前記算出されたアスコルビン酸の濃度を出力する出力部とから構成される、アスコルビン酸濃度の測定装置。
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