JP2019078254A - シリンダヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】シリンダヘッドにおいて、冷却水通路の中子を製作する際の砂の充填性を確保しつつ、冷却水通路内における冷却水の適切な流通をも確保する。【解決手段】シリンダヘッド100の第1冷却水通路60は、吸気ポート20と排気ポート30との間に位置している。シリンダヘッド100の第2冷却水通路70は、シリンダヘッド100の短手方向において第1冷却水通路60よりも他方側に位置している。第1冷却水通路60における上流部と下流部との間と、第2冷却水通路70における上流部と下流部との間とが連結通路80によって接続されている。第2冷却水通路70における上流絞り部73の流路断面積Cは、第1冷却水通路60における最小の流路断面積(A+B)よりも小さくなっている。第2冷却水通路70における下流第1絞り部78a及び下流第2絞り部79aの流路断面積(D+F)は、上流絞り部73の流路断面積Cよりも小さくなっている。【選択図】図1
Description
本発明は、シリンダヘッドに関する。
特許文献1のシリンダヘッドには、複数の燃焼室が並設されている。各燃焼室には、燃焼室の並び方向に対して交差する方向の一方側に吸気ポートが接続されている。また、各燃焼室には、燃焼室の並び方向に対して交差する方向の他方側に排気ポートが接続されている。
特許文献1のシリンダヘッドにおいて、吸気ポートと排気ポートとの間や吸気ポート及び排気ポート周辺には、冷却水通路が設けられている。この冷却水通路は、全体として燃焼室の並び方向に延びている。このシリンダヘッドでは、冷却水通路内を流通する冷却水によって、吸気ポート、燃焼室、及び排気ポートの周辺が冷却される。
特許文献1のシリンダヘッドを鋳造により形成する場合には、例えば、このシリンダヘッドの外形に合わせて成形された金属製のヘッド用金型や、冷却水通路の形状に合わせて砂を固めた中子を予め製作する。そして、ヘッド用金型の内部において、冷却水通路を形成する部分に中子を配置し、その他の部分に溶融した金属を流す。溶融した金属が固まった後において、その固まった金属をヘッド用金型から取り出し、その固まった金属の内部の中子を崩してその砂を排出する。こうして所望の形状の冷却水通路が設けられたシリンダヘッドが形成される。
ここで、上記の中子を製作する際には、例えば、中子の外形に合わせて成形された金属製の中子用金型の内部に砂を十分に充填する必要がある。仮に、中子用金型の内部における砂の充填性が低いと、シリンダヘッドを鋳造する際において、溶融した金属が固まる前に中子の形状が崩れ、シリンダヘッドの製造不良が生じるおそれもある。そのため、シリンダヘッドの冷却水通路の形状は、冷却水通路の中子を製作する際の砂の充填性を確保しつつ、冷却水通路内における冷却水の適切な流通をも確保する必要がある。
上記課題を解決するためのシリンダヘッドは、複数並設された燃焼室と、前記燃焼室の並び方向に対して交差する方向の一方側に位置するとともに前記燃焼室のそれぞれに接続されている吸気ポートと、前記燃焼室の並び方向に対して交差する方向の他方側に位置するとともに前記燃焼室のそれぞれに接続されている排気ポートと、前記吸気ポートと前記排気ポートとの間に位置し、前記燃焼室の並び方向の一方側から他方側に延びる第1冷却水通路と、前記燃焼室の並び方向に対して交差する方向において前記第1冷却水通路よりも他方側に位置し、前記燃焼室の並び方向の一方側から他方側に延びる第2冷却水通路とを備えているシリンダヘッドであって、前記第2冷却水通路の上流部は前記第1冷却水通路の上流部に接続され、前記第2冷却水通路の下流部は前記第1冷却水通路の下流部に接続されており、前記第1冷却水通路における上流部と下流部との間と、前記第2冷却水通路における上流部と下流部との間とが連結通路によって接続されており、前記第2冷却水通路における前記連結通路よりも上流側の部分のうち、流路断面積が最小の部分である上流絞り部の流路断面積は、前記第1冷却水通路における最小の流路断面積よりも小さくなっており、前記第2冷却水通路における前記連結通路よりも下流側の部分のうち、流路断面積が最小の部分である下流絞り部の流路断面積は、前記上流絞り部の流路断面積以下になっている。
上記構成においては、中子を製作する際に、連結通路を介して砂が移動できる。そのため、中子を製作する際には、連結通路が設けられていない構成に比較して、第1冷却水通路における上流部と下流部との間や、第2冷却水通路における上流部と下流部との間における砂の充填性を高めやすい。
また、上記構成においては、第1冷却水通路が吸気ポートと排気ポートとの間に位置しており、吸気ポート、燃焼室、及び排気ポートの周辺の冷却に寄与する。したがって、第2冷却水通路内に冷却水が過度に流入することを抑制して、第1冷却水通路内の冷却水の流通量を確保する必要がある。この点、上記構成によれば、第2冷却水通路の上流絞り部の存在により、第1冷却水通路の上流部から第2冷却水通路における連結通路よりも上流側に冷却水が流入しにくくなっている。また、第2冷却水通路の下流絞り部の存在により、第1冷却水通路から連結通路を介して第2冷却水通路における連結通路よりも下流側に冷却水が流入しにくくなっている。これらの結果、第1冷却水通路における冷却水の流通量を適切に確保できる。
以下、本発明を具体化した内燃機関のシリンダヘッド100について図1〜図3を参照して説明する。なお、以下の説明では、シリンダヘッド100を内燃機関に適用した場合に、ヘッドカバーが位置する側を上側とし、シリンダブロックが位置する側を下側とする。
図1に示すように、シリンダヘッド100は、全体として直方体形状になっている。図2に示すように、シリンダヘッド100の下面からは上側に向かって燃焼室10が窪んでいる。図1に示すように、燃焼室10は、上側から見たときに、略円形状になっている。シリンダヘッド100には、合計4つの燃焼室10が備えられている。4つの燃焼室10は、シリンダヘッド100の長手方向(図1における左右方向)に沿って並んでいる。シリンダヘッド100は、鋳造により形成されたアルミ合金製である。
シリンダヘッド100の下面(図1における紙面奥側の面、図2における下側の面)には、図示しないシリンダブロックが組み付けられる。シリンダヘッド100に設けられた各燃焼室10とシリンダブロックに設けられた各気筒とが対向配置されることで、略円柱状の空間が区画される。
図1に示すように、シリンダヘッド100には、燃焼室10に吸気を導入する吸気ポート20が設けられている。吸気ポート20は、燃焼室10に接続されている。吸気ポート20は、1つの燃焼室10に対して2つ接続されている。吸気ポート20は、燃焼室10の並び方向に対して交差する方向、すなわちシリンダヘッド100の短手方向の一方側(図1における上側)に位置している。図2に示すように、吸気ポート20は、シリンダヘッド100の短手方向の一方側(図2における左側)ほど、上側に位置するように延びている。また、シリンダヘッド100には、吸気側バルブ挿通孔51が設けられている。吸気側バルブ挿通孔51は、吸気ポート20に接続されている。吸気側バルブ挿通孔51は、吸気ポート20からシリンダヘッド100の上面まで貫通している。吸気側バルブ挿通孔51には、吸気ポート20を開状態又は閉状態にするための図示しない吸気バルブが配置される。
図1に示すように、シリンダヘッド100には、燃焼室10から排気を排出する排気ポート30が設けられている。排気ポート30は、燃焼室10に接続されている。排気ポート30は、1つの燃焼室10に対して2つ接続されている。排気ポート30は、シリンダヘッド100の短手方向の他方側(図1における下側)に位置している。図2に示すように、排気ポート30は、シリンダヘッド100の短手方向の他方側(図2における右側)ほど、上側に位置するように延びている。また、シリンダヘッド100には、排気側バルブ挿通孔52が設けられている。排気側バルブ挿通孔52は、排気ポート30に接続されている。排気側バルブ挿通孔52は、排気ポート30からシリンダヘッド100の上面まで貫通している。排気側バルブ挿通孔52には、排気ポート30を開状態又は閉状態にするための図示しない排気バルブが配置される。
図1に示すように、シリンダヘッド100における各燃焼室10の上側(図1における紙面手前側)の部分は、略円柱形状のプラグ取付部40になっている。プラグ取付部40は、上側から見たときに、燃焼室10の略中央に位置している。プラグ取付部40は、1つの燃焼室10に対して1つずつ構成されている。各プラグ取付部40には、プラグ孔41が上下方向に貫通している。プラグ孔41の下端は燃焼室10に開口し、プラグ孔41の上端はシリンダヘッド100の上面に開口している。プラグ孔41には、図示しない点火プラグが取り付けられる。また、シリンダヘッド100には、複数のボルト孔53が上下方向に貫通している。これらのボルト孔53に挿通されるボルトにより、シリンダヘッド100とシリンダブロックとが固定される。
図2に示すように、シリンダヘッド100には、冷却水が流通する第1冷却水通路60が設けられている。第1冷却水通路60は、吸気ポート20と排気ポート30との間に位置している。図1に示すように、第1冷却水通路60は、全体としてシリンダヘッド100の長手方向に沿って延びている。
図1に示すように、第1冷却水通路60は、シリンダヘッド100に冷却水を導入するための導入部61を備えている。導入部61の上流端は、シリンダヘッド100の下面(図1における紙面奥側の面)に開口している。導入部61は、シリンダヘッド100の下面から燃焼室10よりも上側(図1における紙面手前側)まで延びている。導入部61は、4つの燃焼室10よりも、シリンダヘッド100の長手方向の一方側(図1における左側)に位置している。
第1冷却水通路60は、シリンダヘッド100の長手方向に延びる主通路部62を備えている。主通路部62は、4つの燃焼室10の上側に位置している。主通路部62の上流端は、導入部61の下流端(図1における紙面手前側の端)に接続されている。主通路部62は、シリンダヘッド100の長手方向における他方側(図1における右側)に向かって延びている。主通路部62は、4つの燃焼室10よりも、シリンダヘッド100の長手方向の他方側(図1における右側)まで延びている。主通路部62は、上側から見たときに、燃焼室10の略中央を横断するように延びている。
主通路部62は、プラグ取付部40の付近で分岐する分岐通路部62aと、分岐通路部62a以外の直線通路部62bとに大別できる。具体的には、主通路部62は、プラグ取付部40の上流側の部分で2つの分岐通路部62aに分岐し、当該プラグ取付部40の下流側の部分で2つの分岐通路部62aが合流している。2つの分岐通路部62aは、シリンダヘッド100の短手方向において、プラグ取付部40を挟んで対称の形状になっている。分岐通路部62aは、燃焼室10毎に2つ設けられている。燃焼室10毎の2つの分岐通路部62aは、その他の燃焼室10毎の2つの分岐通路部62aと同じ形状になっている。
各分岐通路部62aの流路断面積は、シリンダヘッド100の長手方向において、当該分岐通路部62aの中央部分が最小の流路断面積になっている。なお、流路断面積とは、通路内を流通する冷却水の流れ方向に直交する通路の断面積である。直線通路部62bは、シリンダヘッド100の長手方向に沿うように直線状に延びている。直線通路部62bは、シリンダヘッド100の長手方向において、一様の流路断面積になっている。燃焼室10毎の2つの分岐通路部62aにおける一方の最小の流路断面積Aと他方の最小の流路断面積Bとの和は、直線通路部62bの流路断面積よりも小さくなっている。また、主通路部62における最小の流路断面積である流路断面積Aと流路断面積Bとの和は、導入部61の流路断面積よりも小さくなっている。
第1冷却水通路60は、シリンダヘッド100から冷却水を排出するための排出部63を備えている。排出部63の上流端は、主通路部62の下流端に接続されている。排出部63は、シリンダヘッド100の長手方向における他方側(図1における右側)に向かって延びている。排出部63の下流端は、シリンダヘッド100の長手方向における他方側の端面に開口している。排出部63の流路断面積は、主通路部62の流路断面積よりも大きくなっている。すなわち、第1冷却水通路60における最小の流路断面積は、主通路部62における流路断面積Aと流路断面積Bとの和である。
図1に示すように、シリンダヘッド100には、冷却水が流通する第2冷却水通路70が設けられている。第2冷却水通路70は、シリンダヘッド100の短手方向において第1冷却水通路60よりも他方側(図1における下側)に位置している。第2冷却水通路70は、シリンダヘッド100の短手方向において各排気ポート30よりも他方側(図1における下側)に位置している。また、図2に示すように、第2冷却水通路70は、排気ポート30よりも下側に位置している。図1に示すように、第2冷却水通路70は、全体としてシリンダヘッド100の長手方向に沿うように延びている。
第2冷却水通路70の上流端は、第1冷却水通路60の導入部61に接続されている。また、第2冷却水通路70の下流端は、第1冷却水通路60の排出部63に接続されている。なお、本実施形態では、第2冷却水通路70の上流端が第2冷却水通路70の上流部であり、第2冷却水通路70の下流端が第2冷却水通路70の下流部である。また、導入部61が第1冷却水通路60の上流部であり、排出部63が第1冷却水通路60の下流部である。
図1に示すように、シリンダヘッド100には、第1冷却水通路60と第2冷却水通路70とを接続する連結通路80が設けられている。連結通路80は、第1冷却水通路60における導入部61と排出部63との間と、第2冷却水通路70における上流端と下流端との間とを接続している。本実施形態において、連結通路80は、第1冷却水通路60における主通路部62の略中央部と第2冷却水通路70の略中央部とを接続している。
図1に示すように、第2冷却水通路70は、連結通路80よりも上流側の部分である上流通路部71と、連結通路80よりも下流側の部分である下流通路部76とに大別できる。下流通路部76には、シリンダヘッド100の長手方向における最も他方側(図1における右側)の燃焼室10の付近で分岐した分岐第1通路部78及び分岐第2通路部79が設けられている。分岐第1通路部78は、シリンダヘッド100の短手方向において分岐第2通路部79よりも一方側(図1における上側)に位置している。
上流通路部71において、シリンダヘッド100の長手方向における最も一方側(図1における左側)の燃焼室10の付近には、当該上流通路部71の内壁面が通路の内側に向かって突出した上流絞り部73が設けられている。上流絞り部73の流路断面積Cは、上流通路部71のうちで流路断面積が最小になっている。また、上流絞り部73の流路断面積Cは、第1冷却水通路60の主通路部62における流路断面積Aと流路断面積Bとの和よりも小さくなっている。すなわち、上流絞り部73の流路断面積Cは、第1冷却水通路60における最小の流路断面積(A+B)よりも小さくなっている。
分岐第1通路部78の略中央部には、当該分岐第1通路部78の内壁面が通路の内側に向かって突出した下流第1絞り部78aが設けられている。下流第1絞り部78aの流路断面積Dは、分岐第1通路部78のうちで流路断面積が最小になっている。分岐第2通路部79の略中央部には、当該分岐第2通路部79の内壁面が通路の内側に向かって突出した下流第2絞り部79aが設けられている。下流第2絞り部79aの流路断面積Eは、分岐第2通路部79のうちで流路断面積が最小になっている。また、下流第2絞り部79aの流路断面積Eは、下流第1絞り部78aの流路断面積Dと略同じになっている。下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和は、下流通路部76における分岐第1通路部78及び分岐第2通路部79以外の部分の流路断面積よりも小さくなっている。また、下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和は、上流絞り部73の流路断面積Cよりも小さくなっている。
次に、シリンダヘッド100を鋳造により形成する方法、及びその作用について説明する。
シリンダヘッド100を鋳造により形成する場合には、このシリンダヘッド100の外形に合わせた金属製のヘッド用金型を予め製作する。また、第1冷却水通路60、第2冷却水通路70、及び連結通路80の形状に合わせて砂を固めた中子を予め製作する。そして、ヘッド用金型の内部において、第1冷却水通路60、第2冷却水通路70、及び連結通路80を形成する部分に中子を配置する。次に、ヘッド用金型の内部において、溶融したアルミ合金を流す。そして、溶融したアルミ合金が固まった後において、固まったアルミ合金を取り出し、そのアルミ合金の内部の中子を崩してその砂を排出する。こうして第1冷却水通路60、第2冷却水通路70、及び連結通路80が設けられたシリンダヘッド100が形成される。
シリンダヘッド100を鋳造により形成する場合には、このシリンダヘッド100の外形に合わせた金属製のヘッド用金型を予め製作する。また、第1冷却水通路60、第2冷却水通路70、及び連結通路80の形状に合わせて砂を固めた中子を予め製作する。そして、ヘッド用金型の内部において、第1冷却水通路60、第2冷却水通路70、及び連結通路80を形成する部分に中子を配置する。次に、ヘッド用金型の内部において、溶融したアルミ合金を流す。そして、溶融したアルミ合金が固まった後において、固まったアルミ合金を取り出し、そのアルミ合金の内部の中子を崩してその砂を排出する。こうして第1冷却水通路60、第2冷却水通路70、及び連結通路80が設けられたシリンダヘッド100が形成される。
ここで、中子を製作する際には、中子の外形に合わせて成形された金属製の中子用金型90の内部に砂を十分に充填する必要がある。図3に示すように、中子用金型90には、第1冷却水通路60、第2冷却水通路70、及び連結通路80の中子を製作するための空間として第1冷却水通路用空間60A、第2冷却水通路用空間70A、及び連結通路用空間80Aが区画されている。本実施形態では、第1冷却水通路用空間60A及び第2冷却水通路用空間70Aのうち、第2冷却水通路用空間70A側(図3における下側)から中子を製作するための砂を入れる。すると、第2冷却水通路用空間70Aの上流端を介して、第1冷却水通路用空間60Aにおける導入部用空間61Aや第1冷却水通路用空間60Aにおける主通路部用空間62Aの上流側部分に砂が移動する。また、第2冷却水通路用空間70Aの下流端を介して、第1冷却水通路用空間60Aにおける排出部用空間63Aや第1冷却水通路用空間60Aにおける主通路部用空間62Aの下流側部分に砂が移動する。そして、第2冷却水通路用空間70A及び連結通路用空間80Aを介して、第1冷却水通路用空間60Aにおける主通路部用空間62Aの中央部分に砂が移動する。
仮に、シリンダヘッド100に連結通路80を設けない場合、中子用金型90には連結通路用空間80Aが存在しない。この場合には、第1冷却水通路用空間60Aにおける主通路部用空間62Aの中央部分には、第1冷却水通路用空間60Aにおける上流側部分及び下流側部分を介して、砂が移動することになる。そのため、第1冷却水通路用空間60Aにおける主通路部用空間62Aの中央部分は、砂の充填性が低くなりやすい。このように中子用金型90の内部における砂の充填性が低いと、シリンダヘッド100を鋳造する際において、溶融したアルミ合金が固まる前に中子の形状が崩れることがある。そして、第1冷却水通路60を所望の形状に製作できず、シリンダヘッド100の製造不良が生じるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、シリンダヘッド100に連結通路80を設けているため、中子用金型90には連結通路用空間80Aが存在する。そのため、第1冷却水通路用空間60Aにおける主通路部用空間62Aの中央部分には、連結通路用空間80Aを介して、砂が移動する。これにより、第1冷却水通路用空間60A、第2冷却水通路用空間70A、及び連結通路用空間80Aのそれぞれに砂が十分に充填される。その結果、中子における砂の充填性が低いことに伴って、シリンダヘッド100の製造不良が生じることを抑制できる。
次に、シリンダヘッド100における第1冷却水通路60及び第2冷却水通路70に冷却水が流通する際の作用について説明する。
図1に示すように、第1冷却水通路60は吸気ポート20と排気ポート30との間に位置しており、第1冷却水通路60内に冷却水が流通することは、吸気ポート20、燃焼室10、排気ポート30の周辺の冷却に寄与する。したがって、第2冷却水通路70内に冷却水が過度に流入することを抑制し、第1冷却水通路60内の冷却水の流通量を確保する必要がある。この点、第2冷却水通路70における上流絞り部73の流路断面積Cは、第1冷却水通路60における最小の流路断面積(A+B)よりも小さくなっている。そのため、第2冷却水通路70の上流絞り部73の存在により、第1冷却水通路60の導入部61から第2冷却水通路70の上流通路部71に冷却水が流入しにくくなっている。これにより、第1冷却水通路60内の冷却水の流通量は、第2冷却水通路70内の冷却水の流通量に比べて多くなる。
図1に示すように、第1冷却水通路60は吸気ポート20と排気ポート30との間に位置しており、第1冷却水通路60内に冷却水が流通することは、吸気ポート20、燃焼室10、排気ポート30の周辺の冷却に寄与する。したがって、第2冷却水通路70内に冷却水が過度に流入することを抑制し、第1冷却水通路60内の冷却水の流通量を確保する必要がある。この点、第2冷却水通路70における上流絞り部73の流路断面積Cは、第1冷却水通路60における最小の流路断面積(A+B)よりも小さくなっている。そのため、第2冷却水通路70の上流絞り部73の存在により、第1冷却水通路60の導入部61から第2冷却水通路70の上流通路部71に冷却水が流入しにくくなっている。これにより、第1冷却水通路60内の冷却水の流通量は、第2冷却水通路70内の冷却水の流通量に比べて多くなる。
ところで、第1冷却水通路60内の冷却水の流通量が第2冷却水通路70内の冷却水の流通量に比べて多くなると、第1冷却水通路60内の冷却水の圧力が第2冷却水通路70内の冷却水の圧力に比べて大きくなりやすい。仮に、第1冷却水通路60内の冷却水の圧力が第2冷却水通路70内の冷却水の圧力に比べて大きいと、第1冷却水通路60内の冷却水が連結通路80を介して第2冷却水通路70における下流通路部76内に流入する。この場合には、第1冷却水通路60(主通路部62)における連結通路80よりも下流側に位置する燃焼室10等の周辺が十分に冷却されないおそれがある。
これに対して、本実施形態では、第2冷却水通路70における下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和が上流絞り部73の流路断面積Cよりも小さくなっている。そのため、本実施形態では、第2冷却水通路70における下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和が上流絞り部73の流路断面積Cよりも大きくなっている構成に比べて、第2冷却水通路70内における上流絞り部73と下流第1絞り部78a及び下流第2絞り部79aとの間の冷却水の圧力が大きくなる。これにより、第1冷却水通路60内の冷却水の圧力が第2冷却水通路70内の冷却水の圧力に比べて大きくなることを抑制できる。そして、第2冷却水通路70における下流第1絞り部78a及び下流第2絞り部79aの存在により、第1冷却水通路60から連結通路80を介して第2冷却水通路70における下流通路部76に冷却水が流入しにくくなっている。その結果、第1冷却水通路60(主通路部62)における連結通路80よりも下流側に位置する燃焼室10等の周辺が十分に冷却されないことを抑制できる。
さらに、下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和が上流絞り部73の流路断面積Cよりも小さくなっていることで、第1冷却水通路60内を流通する冷却水の圧力と第2冷却水通路70内を流通する冷却水の圧力との圧力差がほとんどなくなる。そのため、第1冷却水通路60内の冷却水が連結通路80を介して第2冷却水通路70内に流入することがほとんどない。これにより、第1冷却水通路60(主通路部62)における連結通路80よりも下流側の冷却水の流通量は、第1冷却水通路60(主通路部62)における連結通路80よりも上流側の冷却水の流通量と略同じ流通量を確保できる。
本実施形態の効果をまとめると次のとおりである。
(1)図3に示すように、本実施形態では、中子を製作する際に、連結通路用空間80Aを介して砂が移動できる。そのため、中子を製作する際には、シリンダヘッド100に連結通路80が設けられてなく、中子用金型90に連結通路用空間80Aが存在しない構成に比較して、第1冷却水通路用空間60Aの主通路部用空間62Aの中央部における砂の充填性を高めやすい。
(1)図3に示すように、本実施形態では、中子を製作する際に、連結通路用空間80Aを介して砂が移動できる。そのため、中子を製作する際には、シリンダヘッド100に連結通路80が設けられてなく、中子用金型90に連結通路用空間80Aが存在しない構成に比較して、第1冷却水通路用空間60Aの主通路部用空間62Aの中央部における砂の充填性を高めやすい。
また、図1に示すように、本実施形態では、冷却水が流通する際に、第2冷却水通路70における上流絞り部73、下流第1絞り部78a、及び下流第2絞り部79aの存在により、第1冷却水通路60から第2冷却水通路70に冷却水が流入しにくくなっている。その結果、本実施形態では、第1冷却水通路60、第2冷却水通路70、及び連結通路80の中子を製作する際の砂の充填性を確保しつつ、第1冷却水通路60及び第2冷却水通路70内における冷却水の適切な流通をも確保できる。
なお、上記の実施形態は、以下のように変更できる。
・上記実施形態において、下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和は、上流絞り部73の流路断面積Cと同じであっても良い。この場合にも、第2冷却水通路70における下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和が上流絞り部73の流路断面積Cよりも大きくなっている構成に比べて、第1冷却水通路60内の冷却水の圧力が第2冷却水通路70内の冷却水の圧力に比べて大きくなることを抑制できる。
・上記実施形態において、下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和は、上流絞り部73の流路断面積Cと同じであっても良い。この場合にも、第2冷却水通路70における下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和が上流絞り部73の流路断面積Cよりも大きくなっている構成に比べて、第1冷却水通路60内の冷却水の圧力が第2冷却水通路70内の冷却水の圧力に比べて大きくなることを抑制できる。
・上記実施形態において、第1冷却水通路60及び第2冷却水通路70の接続構成は適宜変更できる。例えば、第2冷却水通路70の上流端及び第2冷却水通路70の下流端が第1冷却水通路60の主通路部62に接続されていてもよい。この場合、第2冷却水通路70が第1冷却水通路60に対して接続されている部分のうち、第2冷却水通路70の最も上流側に位置する部分が第2冷却水通路70の上流部である。また、第1冷却水通路60において、第2冷却水通路70の上流部に接続されている部分が第1冷却水通路60の上流部である。同様に、第2冷却水通路70が第1冷却水通路60に対して接続されている部分のうち、第2冷却水通路70の最も下流側に位置する部分が第2冷却水通路70の下流部である。また、第1冷却水通路60において、第2冷却水通路70の下流部に接続されている部分が第1冷却水通路60の下流部である。
・上記実施形態において、第2冷却水通路70の形状は適宜変更できる。例えば、第2冷却水通路70の上流通路部71には、分岐した2つの分岐通路部が設けられていてもよい。この場合には、2つの分岐通路部のそれぞれに上流絞り部が設けられ、その2つの上流絞り部の流路断面積の和が第1冷却水通路60における最小の流路断面積(A+B)よりも小さくなっていればよい。また、上記の2つの上流絞り部の流路断面積の和が下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和以上になっていればよい。
また、例えば、第2冷却水通路70の下流通路部76には分岐第1通路部78及び分岐第2通路部79が設けられず、第2冷却水通路70の下流通路部76が一本の通路によって形成されていてもよい。この場合にも、下流通路部76に下流絞り部が設けられ、その下流絞り部の流路断面積が上流絞り部73の流路断面積C以下になっていればよい。
・上記実施形態において、下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとが略同じになっていなくてもよい。例えば、下流第1絞り部78aの流路断面積Dが下流第2絞り部79aの流路断面積Eよりも小さくなっていてもよい。この場合にも、下流第1絞り部78aの流路断面積Dと下流第2絞り部79aの流路断面積Eとの和が上流絞り部73の流路断面積C以下になっていればよい。
・上記実施形態において、第1冷却水通路60における導入部61と排出部63との間と第2冷却水通路70における上流端と下流端との間とが、複数の連結通路80によって接続されていてもよい。この場合には、第2冷却水通路70において、最も上流側に位置する連結通路80よりも上流側の部分に上流絞り部73が設けられていればよい。また、第2冷却水通路70において、最も下流側に位置する連結通路80よりも下流側の部分に下流第1絞り部78a及び下流第2絞り部79aが設けられていればよい。
・上記実施形態において、連結通路80における第1冷却水通路60に対する接続位置や連結通路80における第2冷却水通路70に対する接続位置は適宜変更できる。
・上記実施形態において、第1冷却水通路60は、シリンダヘッド100の長手方向に対して傾くように延びていてもよい。同様に、第2冷却水通路70は、シリンダヘッド100の長手方向に対して傾くように延びていてもよい。
・上記実施形態において、第1冷却水通路60は、シリンダヘッド100の長手方向に対して傾くように延びていてもよい。同様に、第2冷却水通路70は、シリンダヘッド100の長手方向に対して傾くように延びていてもよい。
・上記実施形態において、シリンダヘッド100における燃焼室10の数は適宜変更できる。
・上記実施形態において、燃焼室10に対する吸気ポート20の数は適宜変更できる。例えば、吸気ポート20は、1つの燃焼室10に対して1つ接続されていてもよい。同様に、燃焼室10に対する排気ポート30の数は適宜変更できる。例えば、排気ポート30は、1つの燃焼室10に対して1つ接続されていてもよい。
・上記実施形態において、燃焼室10に対する吸気ポート20の数は適宜変更できる。例えば、吸気ポート20は、1つの燃焼室10に対して1つ接続されていてもよい。同様に、燃焼室10に対する排気ポート30の数は適宜変更できる。例えば、排気ポート30は、1つの燃焼室10に対して1つ接続されていてもよい。
・上記実施形態において、シリンダヘッド100の材質は適宜変更できる。例えば、シリンダヘッド100の材質は鋳鉄としてもよい。なお、鋳鉄製のシリンダヘッド100を鋳造により形成する場合には、シリンダヘッド100の外形に合わせて砂を固めたヘッド用砂型を予め製作してもよい。
・上記実施形態において、中子を製作する際には、第1冷却水通路用空間60A及び第2冷却水通路用空間70Aのうち、第1冷却水通路用空間60A側(図3における上側)から中子を製作するための砂を入れてもよい。この場合、第2冷却水通路用空間70Aの中央部分には第1冷却水通路用空間60A側から連結通路用空間80Aを介して砂が移動することで、第2冷却水通路用空間70Aの中央部分における砂の充填性が確保される。
A…流路断面積、B…流路断面積、C…流路断面積、D…流路断面積、E…流路断面積、10…燃焼室、20…吸気ポート、30…排気ポート、40…プラグ取付部、41…プラグ孔、51…吸気側バルブ挿通孔、52…排気側バルブ挿通孔、53…ボルト孔、60…第1冷却水通路、60A…第1冷却水通路用空間、61…導入部、61A…導入部用空間、62…主通路部、62a…分岐通路部、62A…主通路部用空間、62b…直線通路部、63…排出部、63A…排出部用空間、70…第2冷却水通路、70A…第2冷却水通路用空間、71…上流通路部、73…上流絞り部、76…下流通路部、78…分岐第1通路部、78a…下流第1絞り部、79…分岐第2通路部、79a…下流第2絞り部、80…連結通路、80A…連結通路用空間、90…中子用金型、100…シリンダヘッド。
Claims (1)
- 複数並設された燃焼室と、前記燃焼室の並び方向に対して交差する方向の一方側に位置するとともに前記燃焼室のそれぞれに接続されている吸気ポートと、前記燃焼室の並び方向に対して交差する方向の他方側に位置するとともに前記燃焼室のそれぞれに接続されている排気ポートと、前記吸気ポートと前記排気ポートとの間に位置し、前記燃焼室の並び方向の一方側から他方側に延びる第1冷却水通路と、前記燃焼室の並び方向に対して交差する方向において前記第1冷却水通路よりも他方側に位置し、前記燃焼室の並び方向の一方側から他方側に延びる第2冷却水通路とを備えているシリンダヘッドであって、
前記第2冷却水通路の上流部は前記第1冷却水通路の上流部に接続され、前記第2冷却水通路の下流部は前記第1冷却水通路の下流部に接続されており、
前記第1冷却水通路における上流部と下流部との間と、前記第2冷却水通路における上流部と下流部との間とが連結通路によって接続されており、
前記第2冷却水通路における前記連結通路よりも上流側の部分のうち、流路断面積が最小の部分である上流絞り部の流路断面積は、前記第1冷却水通路における最小の流路断面積よりも小さくなっており、
前記第2冷却水通路における前記連結通路よりも下流側の部分のうち、流路断面積が最小の部分である下流絞り部の流路断面積は、前記上流絞り部の流路断面積以下になっている
ことを特徴とするシリンダヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017208293A JP2019078254A (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | シリンダヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2017208293A JP2019078254A (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | シリンダヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019078254A true JP2019078254A (ja) | 2019-05-23 |
Family
ID=66627560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017208293A Pending JP2019078254A (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | シリンダヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019078254A (ja) |
-
2017
- 2017-10-27 JP JP2017208293A patent/JP2019078254A/ja active Pending
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