JP2019077960A - 繊維構造体、樹脂構造体及びその製造方法 - Google Patents

繊維構造体、樹脂構造体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】積層構造を有する樹脂構造体に関して、接合強度をよりよく高めると共に軽量且つ高弾性を実現することができる繊維構造体及び樹脂構造体並びに樹脂構造体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、コア層33と、コア層33の少なくとも一面側に配設されるスキン層31と、を備える樹脂構造体3であって、コア層33は、基材331と、基材331の間隙を充填するマトリックス樹脂34と、を備え、基材331は、内部に空隙13を有する立体編み地11と、立体編み地11の空隙13に挿通されている中空糸12と、を備える繊維構造体1であり、スキン層31は、強化繊維311がマトリックス樹脂34中に配された繊維強化樹脂よりなることを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、繊維構造体、樹脂構造体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、厚みを付与するコア層と、繊維強化された樹脂からなるスキン層と、を備える樹脂構造体に係る繊維構造体、樹脂構造体及びその製造方法に関する。
FRPに代表される繊維強化された樹脂構造体は、高強度・高剛性・軽量・高耐久性等の高い機械特性を備える点で、優れた材料である。近年、この繊維強化された樹脂構造体は、軽量化の観点から、車両等の構造体である鋼板に代えて用いられる。
一方で、車両等に用いられる樹脂構造体の中には、衝撃荷重を効果的に吸収する高弾性能が求められるものがある。例えば、車両用バンパ等の外板部材用構造体としての用途では、衝突時等における安全性を高めるために、樹脂構造体が高弾性を有することが求められる。このような用途の樹脂構造体が、特許文献1に開示されている。また、このような樹脂構造体を製造する方法が、特許文献2及び特許文献3に開示されている。
特開2003−146252号公報 特開2009−179038号公報 特開2013−198984号公報
上記の特許文献1には、発泡体であるコア層の両面側に繊維強化された樹脂よりなる一対のスキン層が積層された樹脂構造体が開示されている。コア層にスキン層より軽量の発泡体を用いることによって、繊維強化樹脂のみを用いる以上に、樹脂構造体に厚みを付与し更に軽量化を実現している。また、特許文献2には、VaRTM成形(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)で特許文献1に係る構成の樹脂構造体を製造する方法が開示されている。特許文献3には、プレスで特許文献1に係る構成の樹脂構造体を製造する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1の樹脂構造体を製造するには、コア層を形成する発泡体及びスキン層を形成する強化繊維を金型内にセットし、未硬化樹脂を注入し、強化繊維の間隙にマトリックス樹脂を充填してコア層とスキン層とを一体化させる必要がある(所謂RTM成形(特許文献2ではVaRTM成形))。発泡体前駆体を予め発泡成形し、当該発泡体前駆体をコア層の形状に賦形する別途の準備工程を行い、賦形されたコア層にスキン層を貼り付けて一体化させていた。
従って、上記の樹脂構造体を製造するためには、コア層とスキン層との接合強度を維持する手段が必要であった。両者の接合強度を維持する工夫を余儀なくされるという問題点を有していた。また、特許文献3には、コア層とスキン層との接合強度を維持するために、最終工程で、コア層とスキン層とを一体にプレスする方法が開示されている。この場合であっても、一体にプレスするための前駆体をプレ成形する別途の準備工程が必要になるという問題点を有していた。
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、軽量且つ高弾性な樹脂構造体のコア層として適した新規な繊維構造体を提供することを目的とする。更に、この繊維構造体を用いた樹脂構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下に示すとおりである。
1. 内部に空隙を有する布帛と、前記空隙に挿通されている中空糸と、を備えることを特徴とする繊維構造体。
2. 前記布帛は、二層以上の繊維層と、前記繊維層を互いに連結する結接糸と、を備え、
前記空隙は、前記内部であって前記各繊維層の間にあり、
前記各繊維層は、前記空隙を介して前記結接糸によって連結されている請求項1.に記載の繊維構造体。
3. 前記布帛は、立体編み地からなり、
前記立体編み地は、前記繊維層として二層の編み地を有し、
前記空隙は、二層の前記各編み地と前記結接糸とで区画されており、
前記中空糸は、前記編み地の面方向に沿って前記空隙に挿通されている2.に記載の繊維構造体。
4. 前記立体編み地は、ダブルラッセル編み地である3.に記載の繊維構造体。
5. コア層と、前記コア層の少なくとも一面側に配設されるスキン層と、を備える樹脂構造体であって、
前記コア層は、基材と、前記基材の間隙を充填するマトリックス樹脂と、を備え、
前記基材は、1.から4.のいずれかに記載の繊維構造体からなり、
前記スキン層は、強化繊維がマトリックス樹脂中に配された繊維強化樹脂よりなることを特徴とする樹脂構造体。
6. 前記スキン層を構成するマトリックス樹脂と前記コア層を構成するマトリックス樹脂とが、共通する5.に記載の樹脂構造体。
7. 前記樹脂構造体は、前記コア層の両面側にスキン層を備え、
前記両面側の各スキン層が、前記コア層の一面側及び他面側に対向して配設されている5.又は6.に記載の樹脂構造体。
8. 厚み方向に切断した前記コア層の断面の全面積に対して、前記中空糸の中空部分が占める面積の割合が、10%〜60%である5.から7.のいずれかに記載の樹脂構造体。
9. 曲面を有するパネル状構造体である5.から8.のいずれかに記載の樹脂構造体。
10. 車両用バンパとして用いられる5.から9.のいずれかに記載の樹脂構造体。
11. 5.から10.のいずれかに記載の樹脂構造体の製造方法であって、
繊維積層体がセットされたキャビティ内に未硬化樹脂を射出する射出工程と、
前記未硬化樹脂を硬化させて前記マトリックス樹脂を成形する硬化工程と、を備えており、
前記繊維積層体は、1.から4.のいずれかに記載の繊維構造体からなる前記基材と、前記基材の少なくとも前記一面側に積層される前記強化繊維と、よりなり、
前記射出工程では、前記繊維積層体に前記未硬化樹脂を含浸させることを特徴とする樹脂構造体の製造方法。
12. 前記硬化工程では、前記射出工程で前記繊維積層体に含浸された未硬化樹脂を硬化させる11.に記載の樹脂構造体の製造方法。
尚、以下、本明細書中で本発明の樹脂構造体に係る上記の「曲面」は、平面でない面をいい、屈曲、屈折、折れ曲がり、くねり、カーブ状等種々の態様の面を含む表現として用いる。
本発明の繊維構造体は、布帛内部の空隙に挿通される中空糸を備えており、この繊維構造体を樹脂構造体の基材として用いれば、樹脂構造体が中空糸内に中空部を維持する。これにより、繊維構造体は、樹脂構造体の軽量化に寄与できる。
更に、繊維構造体を樹脂構造体の基材として用いることにより、コア層とスキン層との接合強度を高める製法が採用可能になる。
また、布帛が、二層以上の繊維層と、繊維層を互いに連結する結接糸と、を備え、空隙が布帛の内部であって各繊維層の間にある場合は、空隙に対する中空糸の挿通性が高められる。
また、布帛が、立体編み地からなり、立体編み地には、二層の各編み地と結接糸とで区画される空隙が形成される場合には、空隙に対する中空糸の挿通性が一層高められる。
本発明の樹脂構造体は、コア層が繊維構造体からなる基材を備えている。これにより、コア層とスキン層との接合強度を高める製法を採用でき、樹脂構造体の信頼性が高められる。また、樹脂構造体の内部には、中空糸に基づく中空部が止まっている。これにより、樹脂構造体が軽量化される。また、コア層が、基材の間隙を充填するマトリックス樹脂を備えている。これにより、コア層として多孔質の発泡体を用いる構成よりも、撓みにくい樹脂構造体が得られる。
また、スキン層を構成するマトリックス樹脂とコア層を構成するマトリックス樹脂とが共通する場合には、接合強度を更に高める一体成型を採用でき、信頼性を高めた樹脂構造体が得られる。
また、コア層の両面側にスキン層が配設される場合には、高い機械特性を具備する樹脂構造体が得られる。
また、樹脂構造体が曲面を有するパネル状構造体である場合には、発泡体よりも撓性を備える繊維構造体をコア層の基材として用いることにより、所望の樹脂構造体形状に容易に賦形することができる。
また、樹脂構造体が、車両用バンパとして用いられる場合には、車両の軽量化に貢献することができると共に、局部的な衝撃による外力が加わっても、外力が取り去られた後に容易に元の形状に戻る高弾性を発現できる。
本発明の樹脂構造体の製造方法は、繊維構造体からなる基材と、基材の少なくとも一面側に積層される強化繊維と、よりなる繊維積層体に、未硬化樹脂を含浸させる射出工程を備える。これにより、発泡体を成形する等の別工程を要せずに樹脂構造体を成形できるので、生産工程を簡略化する観点から樹脂構造体の生産性を高められる。
尚、本明細書の以下の説明で「生産性」とは、特に断りがない限り、上記の観点からの生産性をいう。
また、繊維積層体に含浸された未硬化樹脂を硬化工程で硬化する場合には、コア層とスキン層とを確実に一体に成形できる。これにより、樹脂構造体の生産性を一層高めると共にコア層とスキン層との接合強度を高められる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
繊維構造体の全体構成を示す説明図である。 図1の繊維構造体で単層布帛を用いたX-X断面構成を示す説明図である。 図1の繊維構造体で多層布帛を用いたX-X断面構成を示す説明図である。 図1の繊維構造体で立体編み地を用いたX-X断面構成を示す説明図である。 樹脂構造体の全体構成を示す説明図である。 図5の樹脂構造体のY-Y断面の構成を示す説明図である。 図6の部分拡大図である。 車両用バンパを示す説明図である。 図8のZ−Z断面図である。 実施例3の樹脂構造体の製造方法を示す説明図である。 樹脂構造体の製造方法で、繊維積層体をセットする工程を示す説明図である。 樹脂構造体の製造方法で、射出工程を示す説明図である。 樹脂構造体の製造方法で、硬化工程を示す説明図である。 本発明に係る変形例を示した説明図である。
以下、本発明を、図も参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものである。本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に、本発明の構造的な詳細を示すことを意図するものでない。図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]繊維構造体
本発明の繊維構造体(1)は、内部に空隙(13)を有する布帛(10,18)と、布帛(10,18)の空隙(13)に挿通されている中空糸(12)と、を備えることを特徴とする(図1及び図2等参照)。
また、上記繊維構造体(1)は、本発明に係る布帛(10,19)が、二層以上の繊維層(191,192)と、各繊維層(191,192)を互いに連結する結接糸(193)と、を備え、空隙(13)が、布帛(10)の内部であって各繊維層(191,192)の間にあり、各繊維層(191,192)が、空隙(13)を介して結接糸(193)によって連結される、ことができる(図1及び図3等参照)。
また、上記繊維構造体(1)は、本発明に係る布帛(10)が、立体編み地(11)からなり、立体編み地(11)が、繊維層として二層の編み地(111,112)を有し、空隙(13)が、表裏二層の表側及び裏側の各編み地(111,112)と結接糸(113)とで区画されている、ことができる(図1及び図4等参照)。
また、上記立体編み地(11)は、本発明に係る中空糸(12)が、表裏二層の表側及び裏側の各編み地(111,112)の面方向に沿って、立体編み地(11)の空隙(13)に挿通される、ことができる(図1及び図4等参照)。
以下に、図1〜図4を適宜に参照し、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。尚、図2〜図4は、図1の繊維構造体1を構成する布帛10が、それぞれ後に説明する単層布帛18、多層布帛19及び立体編み地11である場合のX−X断面を示す図である。ここで、図1は、繊維構造体1の全体構成を代表する図であり、それぞれの布帛10(単層布帛18、多層布帛19及び立体編み地11)の線図と必ずしも同一ではない。
〔布帛〕
本実施形態に係る布帛10は、内部に空隙を有するものであれば、例えば、織物、編物、不織布等から構成されるものを用いることができる。本明細書の中で布帛10の内部の「空隙」とは、後述する中空糸が挿通される空間を意味する。布帛10としては、空隙を内部に有すべき観点から、所定厚みを有するように立体的に形成されたものを用いることができる。
布帛10の厚さは特に限定されないが、例えば1〜20mm、より好ましくは5〜15mm程度とすることができる。布帛10の厚さが1mm、より好ましくは5mm以上あれば、中空糸を挿通可能な空隙が得られ易いので好ましい。布帛10の厚さが20mm、より好ましくは15mm以下であれば、立体的な布帛を容易に形成できるので好ましい。
布帛10としては、上記の空隙を備えるものであれば用いることができる。例えば、多層構造を有さない単層の布帛、好ましくは複数の繊維層を積層させて多層に形成される布帛、より好ましくは多層且つ立体的に形成される布帛を用いることができる。
単層の布帛10としては、長繊維の複数箇所が接合点となるように複雑に絡み合うことで立体的に形成され、内部に空隙を備える不織布を用いることができる。
具体的には、図1及び図2に示すように、長繊維181が絡み合うことで立体的に形成され、内部に空隙13を備える不織布よりなる単層布帛18を用いることができる。
また、複数の繊維層を積層させて多層に形成される布帛としては、相対向して積層される少なくとも一対の繊維層と、一対の繊維層を繊維層の厚み方向に離間可能な状態で両層を連結する結接糸と、を備える多層布帛を用いることができる。
多層布帛の各繊維層の形態は特に限定されないが、各繊維層がシート状をなし、各繊維層がそれぞれの厚み方向に沿って相対向するように積層されていればよい。この場合、各繊維層間の対向領域を大きく確保し、ひいては空隙を大きく確保でき得るので好ましい。また、多層布帛は、繊維層を複数層積層する構成であればよく、その積層数によって特に限定されない。即ち、二層より多い三層以上の多層布帛であってもよい。二層より多い多層布帛であれば、繊維層間の対向領域の数を厚み方向に沿って増せるので、空隙を大きく確保でき得る観点から、より好ましい。
具体的には、図1及び図3に示すように、多層布帛19は、二層の繊維層191,192と、各繊維層191,192の所定の箇所に所定の方法で連結する結接糸193と、を備える。多層布帛19の内部であって各繊維層191,192の間には、空隙13が形成される。即ち、各繊維層191,192は、空隙13を介して結接糸193により連結される。
このように、繊維層191を積層してなる布帛19は、結接糸193の支えにより厚み方向Tに膨らみ、多層或いは立体的に形成される。離間する各繊維層191,192の間に各繊維層の対向領域として形成される中間層190を備える布帛であれば、中間層190よりなる空間を布帛19内部として用いる蓋然性が高められ、布帛19内部に容易に空隙13を形成できる。後述するように、空隙13に対する中空糸12の挿通性が高められるので、好例である。
多層且つ立体的に形成される布帛としては、多層に形成される布帛における繊維層が、不織布、織り地又は編み地等である布帛を用いることができる。
繊維層が不織布であれば、不織布からなる二層の布地を所定の結着手段で点結着し、点在する結着部を結接糸のように用い、空隙を介して積層して多層に形成するものを例示できる。
繊維層が織り地であれば多層或いは立体的に形成される織り地を、繊維層が編み地であれば同様の編み地を、又は、織り地と編み地が混在する同様の織り編み地を用いることができる。例えば、多重立体布帛、ダンボールニット、三次元織編物、三次元布帛等と称されるものが知られている。
繊維層として表裏二層の織り地を用いる場合には、表裏二層の織り地を互いに対向させ、両織り地に直交する方向に結接糸としてのパイルを織り出した多層編織物を構成できる。布帛内部である表裏二層の織り地の間には、空隙が形成され得る。容易に多層且つ立体的に編成できる観点から、本実施形態に係る布帛10として、図1及び図4を用いて以下に説明する立体編み地11を好適に用いることができる。
立体編み地としては、上記の中空糸が挿通される空隙を内部に備えるものであれば特に限定されない。具体的には、空間を介して対向する表側と裏側の二層の編み地を備え、対向面のほぼ全面乃至一部が結接糸で連結され、厚みをなすものが用いられる。ダブルジャージ生地、ダブルラッセル生地、ダンボールニット生地等と称される立体編み地が知られている。図4に示すように、二層の表側編み地111及び裏側編み地112を結接糸113で連結する構造を有するものが用いられる。
表側編み地111及び裏側編み地112に用いる編み生地(組織)は、結接糸113を介して連結可能な編み地であれば特に限定されない。具体的には、表裏両側の編み地を編み進むと共に表裏両側の編み地の間に結接糸113や中空糸12を容易に編成できる観点から、ダブルデンビ編、ダブルコード編等の編み地を好適に用いることができる。
表側編み地111及び裏側編み地112を編成する構成糸(以下、単に「編地糸」ともいう。)は、特に限定されず、合成繊維、天然繊維及びその他繊維の1種又は2種以上を適宜利用できる。これらの中では、強度及び耐久性の観点から合成繊維が好ましい。
合成繊維の種類は、特に限定されないが、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維及びポリオレフィン繊維等の熱可塑性樹脂繊維が挙げられる。このうちポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維等が、ポリアミド繊維としては、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維等が、ポリオレフィン繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等が、挙げられる。これらのなかでも、強度が大きく、優れた耐久性等を有する例えばポリエステル系繊維が好ましい。
編地糸の形態は、特に限定されないが、通常、フィラメント糸が用いられる。また、フィラメント糸は、モノフィラメント及びマルチフィラメントのいずれでもよく併用してもよい。
編地糸の繊度は、特に限定されないが、通常、50〜1500dtexである。この範囲であれば、立体編地を容易に編成できる。また、この繊度は、70〜1200dtexが好ましく、150〜500dtexがより好ましい。好ましい範囲では、空隙を区画する骨格としての強度と軽量性とを両立できる。
表側編み地111及び裏側編み地112の糸密度は、特に限定されないが、コース方向に10〜100本/inchが好ましい(但し、1inch=25.4mm)。また、ウェール方向に5〜50本/inchが好ましい。この範囲にあれば、立体編地を容易に編成できる。また、コース方向に15〜70本/inchが好ましい。この範囲にあれば、空隙を区画する骨格としての強度と、中空糸を挿通する領域を確保する観点から軽量性と、を両立できる。また、ウェール方向に15〜40本/inchが好ましく、4〜40本/inchが特に好ましい。この範囲にあれば、空隙を区画する骨格としての強度と、中空糸を挿通する領域を確保する観点から軽量性と、を両立できる。
尚、上記の編み生地、編地糸、編地糸の形態、繊度又は糸密度等は、表側編み地111と裏側編み地112とで同じでも、異なっていても、どちらでもよい。
結接糸は、布帛を多層或いは立体的に形成するための糸である。例えば、相対向して積層される繊維層を繊維層の厚み方向に離間させ、膨らみをもたせた状態で各層を連結する糸である。多層且つ立体的に形成される上記の立体編み地や多層編織物であれば、表地と裏地を連結する糸であり、つなぎ糸、柱糸、パイル糸等とも称される糸を意味する。
例えば図1及び図4に示すように、立体編み地11では、表側編み地111と裏側編み地112の間に垂設され、一定方向に大きく傾斜しない態様の結接糸113を好ましく用いることができる。このような態様であれば、表側編み地111と裏側編み地112の間に大きな空隙を区画し易く、中空糸12が備える中空部121による軽量化が担保されるので好ましい。
また、表又は裏側編み地を構成する経編目若しくは緯編目の一部の編目を兼ねる態様の結接糸113を好ましく用いることができる。この場合、結接糸を備える立体編み地を容易且つ丈夫に編成可能なので好ましい。また、経又は緯方向の編目の倍数に対応する規則的な間隔をあけて結接糸を配置でき、規則的に区画される空間を空隙として用いることができ、容易に中空糸を挿通できる蓋然性が高まるので好ましい。
結接糸は、特に限定されないが、編地糸同様に、強度及び耐久性の観点から合成繊維を好ましく用いることができる。具体的には、強度が大きく優れた耐久性等を有するポリエステル系繊維が好ましい。
結接糸の形態は、上記の編地糸と同様の形態の糸を用いることができる。例えば、結接糸113としては、通常、フィラメント糸が用いられる。このフィラメント糸は、マルチフィラメントであっても、モノフィラメントであってもよい。
また、結接糸の一部に融着糸(表裏二層の編み地を構成する糸より融点が低い糸)を使用することもできる。この融着糸として、単独のものであってもよいし、融着糸と非融着糸(融着糸よりも融点が高い糸)とを撚り合わせたものあっても良いし、又は融着糸と非融着糸とを貼り合わせたモノフィラメント糸単独のものであっても良いし、芯鞘モノフィラメント糸単独でも良いし、それらを撚り合わせたもの等であってもよい。この融着糸を用いた場合、融着糸が溶けることで空隙を容易に保持することができ、好ましい。
結接糸の繊度は、特に限定されないが、10〜1500dtexである。この範囲であれば、立体編地を容易に編成できる。また、この繊度は、20〜1000dtexが好ましく、20〜350dtexがより好ましい。好ましい範囲では、空隙を区画する骨格としての強度と、中空糸を挿通する領域を確保する観点から軽量性と、を両立できる。
また、結接糸の糸密度は、特に限定されないが、コース方向の糸密度が10〜100本/inch、特に15〜70本/inch、且つウェール方向の糸密度が5〜50本/inch、特に8〜30本/inchであることが好ましい。この糸密度が上記範囲内であれば、空隙を区画する骨格としての強度と、中空糸を挿通する領域を確保する観点から軽量性と、を両立できる。
〔空隙〕
空隙は、布帛の内部に形成される空間であり、且つ中空糸が挿通される空間を意味する。空隙は、上記の空間であれば特に限定されず、長繊維が絡み合う不織布の内部空間であっても良いし、多層或いは立体的に形成された上記の布帛における中間層等であっても良い。
好ましくは、多層或いは立体的な織り地又は編み地に形成される中間層が挙げられる。このような織り地又は編み地は、結接糸により表裏の織り又は編み地二層が強固に連結される構造を備えている。表裏の織り地又は編み地層の間に形成される中間層であれば、空隙を区画する骨格としての強度が確保され易いので、好ましい。
例えば代表的な構成の上記の編み地であれば、ループ状の編み目で構成される表側及び裏側の各編み地と、各編み地の各編目に対しループ状に連結される結接糸と、を備える。故に、結接糸が連結する編み目を適宜に選択することで、空隙の一区画の大きさを自在に調整できるので、好ましい。
図1及び図4に示す空隙13は、立体編み地11の表裏二層の各編み地111,112と結接糸113とで区画される空間である。図示の立体編み地11では、表裏二層の各編み地111,112の間の中間層に、結接糸113が立設されている。結接糸113は、緯経方向S,Lに沿ってほぼ等しい間隔s1,l1をあけて立設される多数本よりなる。故に、各結接糸113の間には、緯方向Sに大凡間隔s1あけた開口部が形成され、経方向Lに沿って直状の空間が延び、略直方体状の一区画131が形成されると見たてることができる。空隙13は、このような一区画131が緯方向Sに並列配置される、全体空間であると見たてることができる。
上記の空隙13では、一区画131の厚み方向Tの間隔t1は、表地及び裏地の所定の編み目に連結される結接糸113の長さを適宜に設定することにより、調整できる。また、上記の開口部の間隔s1は、結接糸113が表地又は裏地に連結される編み目の緯方向Sに沿った連結間隔を適宜に選択することで、調整できる(図4に、符号101,102,103,104で表した編み目等参照)。立体編み地11であれば、結接糸113の長さや上記の連結間隔を調整することにより、空隙の一区画の空間体積を容易に大きくできる。故に、一区画内に挿通される中空糸12の本数の調整範囲を大きく確保できるので好ましい。尚、経方向Lに所定間隔で開口し、緯方向Sに沿って直状に延設された空間を空隙の一区画として見たてることもでき、同様に好ましい。
〔中空糸〕
中空糸は、細長い略筒状をなし、筒をなす周壁の内部に中空部が形成される糸形状を備える。中空糸の中空部には、空気等の気体が充満していてもよく、真空であってもよい。中空糸の周壁及び中空部の断面形状は特に限定されず、矩形状、多角形状又は星型等であってもよい。例えば断面が田形をなす場合のように、中空糸の周壁の内部に、複数個の中空部が形成されていてもよい。好ましくは、中空糸12は、図1〜図4等に示されるように、略円筒形状の周壁122の内部に断面円形の中空部121が形成され糸形状を備える。
中空糸を形成する繊維は限定されず、無機系又は有機系の繊維を用いることができる。例えば、繊維構造体に可撓性を付与する観点から、有機系繊維で汎用されるポリエステル繊維、中空アクリル繊維等を用いることができる。
また、中空糸断面の総面積に対して中空部の断面が占める好ましい面積の割合としては、例えば、20〜80%、更には30〜70%の範囲を挙げることができる。中空部の断面が占める割合がこの範囲にあれば、繊維構造体を基材とする樹脂成形体の軽量化をよりよく図ることができる。
布帛内部の空隙に中空糸が挿通される態様は特に限定されず、中空糸が空隙内で容易に動かないように保持される状態で挿通されていればよい。例えば、所定の方法により中空糸が布帛に係止する態様で挿通されていてもよいし、係止しない態様であってもよい。係止しない態様の場合には、挿通方向に沿って中空糸を引き抜かない限りは保持されている挿通態様であればよい。中空糸が布帛に係止する態様で挿通されている場合は、確実に布帛内部の空隙に中空糸が止まるので、樹脂構造体の軽量化に役立つ観点から好ましい。
布帛に係止する態様で中空糸を挿通する具体例として、表裏の各編み地及び結接糸を所定方向に編み進むのと同時に中空糸を所定方向に挿通し、立体編み地を編成する方法がある。この場合、繊維構造体の生産性の観点から好ましい。
尚、上記のとおり、本願の繊維構造体の好ましい実施形態として、本願に係る布帛が、表裏二層構造の立体編み地或いは立体織り地である場合を挙げたが、二層よりも多い多層構造を有していても構わない。多層の繊維層を編成或いは織成等する立体布帛であれば、布帛内部に空隙を大きく確保できる蓋然性が高まり、中空糸を空隙の一区画内に多数本挿通でき、樹脂構造体の軽量化に役立つ観点から好ましい。
[2]樹脂構造体
本発明の樹脂構造体(3)は、コア層(33)と、コア層(33)の少なくとも一面側に配設されるスキン層(31)と、を備え、コア層(33)は、基材(331)と、基材(331)の間隙を充填するマトリックス樹脂(34)と、を備え、基材は、上記の繊維構造体(1)からなり、スキン層(31)は、強化繊維(311)がマトリックス樹脂(34)中に配された繊維強化樹脂よりなることを特徴とする(図5及び図6等参照)。
また、上記樹脂構造体(3)は、スキン層(31)を構成するマトリックス樹脂(34)とコア層(33)を構成するマトリックス樹脂(34)とが、共通することができる。
また、樹脂構造体(3)は、コア層(33)の両面側にスキン層(31,32)を備え、両面側の各スキン層(31,32)が、コア層(33)の一面側及び他面側に対向して配設されている、ことができる。
また、上記のコア層(33)は、厚み方向(T)に切断したコア層(33)の断面の全面積に対して、中空糸(12)の中空部分(121)が占める面積の割合が、10%〜60%であることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。
樹脂構造体は、コア層のマトリックス樹脂中に配される基材として上記の繊維構造体1を用いて成形されていることを特徴としており、それ以外の構成によっては、特に限定されない。樹脂構造体は、樹脂構造体に所望の厚みを付与し、且つ、軽量化を担保するために設けられるコア層に、繊維強化されたスキン層を積層して構成される。所望の厚みを備えた樹脂構造体は、スキン層のマトリックス樹脂中に強化繊維が配されていることにより、優れた機械特性を発現可能に構成されている。
樹脂構造体は、内層側にコア層を、コア層の一面側であって表層側にスキン層を積層して構成してもよい。好ましくは、樹脂構造体は、コア層の一面側及び対面側を両側からスキン層で挟み込んだサンドイッチ構造を有する(図5等参照)。スキン層を複数備えることにより、一層優れた機械的特性を発現できる。
樹脂構造体は、コア層を形成するマトリックス樹脂とスキン層を形成するマトリックス樹脂とが共通して構成されていてもよい。後述するように、コア層とスキン層との一体化強度を大きく担保することが可能になる。
スキン層は、コア層の少なくとも一面側に配設される表皮層であり、強化繊維がマトリックス樹脂中に配された繊維強化樹脂層よりなる。スキン層としては、従来公知の樹脂構造体に用いられる従来構成のスキン層を用いることができ、特に限定されない。好ましくは、スキン層は、コア層の両側に配設され、一対の各スキン層は、それぞれ強化繊維がマトリックス樹脂中に配された繊維強化樹脂層よりなる。
スキン層を形成するマトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱又は光で硬化する樹脂を使用することができる。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。好ましくは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂や、熱、光等の外部からのエネルギーにより硬化成形される他の樹脂を用いることができる。
また、強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等の高強度且つ高弾性繊維が用いられる。また、アラミド繊維、ケブラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの強化された有機繊維も用いられる。中でも高い剛性を保持したまま軽量性を確保するために、炭素繊維を用いることが好ましい。
尚、樹脂構造体が上記のサンドイッチ構造を有する場合に、各スキン層の強化繊維又はマトリックス樹脂は、同じでも異なっていても、どちらでも構わない。後述する製造方法と関連して容易に接合強度が高められるので、一対のスキン層のそれぞれのマトリックス樹脂が同じであれば好ましい。
コア層は、上記の繊維構造体を基材とするマトリックス樹脂層よりなる。コア層の厚みは、基材の厚みに対応して形成される。従って、所定の厚みを備える繊維構造体を適宜に選択してコア層を形成し、樹脂構成体に所望の厚みを付与可能に構成される。
コア層は、基材として上記の繊維構造体を用いる構成であれば、特に限定されない。基材としては、上記した各種の布帛の空隙に、中空糸を挿通した樹脂構造体を用いることができるが、各種の布帛のうち、特に、上記の立体編み地を用いることが好ましい。
コア層を形成するマトリックス樹脂は、特に限定されず、スキン層同様に、熱可塑性樹脂、熱や光で硬化する硬化性樹脂で形成される。コア層のマトリックス樹脂は、スキン層のマトリックス樹脂と同じ樹脂で形成されていれば好ましい。この構成により、後述する製造方法と関連して、容易にスキン層とコア層との接合強度を高めることができる。
好ましい樹脂構造体3の実施形態を図5及び図6に示す。図示のとおり、スキン層31,32は、厚み方向Tに沿ってコア層33の両側に配設される。各スキン層31,32は、強化繊維311,321がマトリックス樹脂34中に配された繊維強化樹脂層よりなる。図示では、スキン層31,32は、コア層33の上方側及び下方側の両側からコア層33を挟み込むように、対向して配設される。コア層33は、基材331と、基材331の間隙を充填するマトリックス樹脂34と、を備える。基材331としては、布帛10が立体編み地11である繊維構造体1が用いられる。
従って、基材331が立体編み地11により立体的に形成されているので、コア層33に所望の厚みを容易に付与することができる。また、立体編み地11の空隙13に中空糸12が挿通されているので、コア層33中に、中空部121による空孔を内在できる。故に、コア層33は、マトリックス樹脂34と同一樹脂のみで成形した同体積の成形体と比較して、軽量化されている。また、空隙13の上記一区画131の大きさを容易に調整できるので、樹脂構造体3の一層の軽量化に寄与できる。このような構成の繊維構造体1よりなる基材331を用いるので、樹脂構造体3は、コア層33に適当な厚みを付与して機械特性を高めると共に、軽量化を実現している。
また、マトリックス樹脂34は、コア層33と各スキン層31,32とで同じ樹脂で形成されている。この構成により、後述する製造方法と関連して、各スキン層31,32とコア層33との接合強度が高められている。
また、コア層33は、厚み方向Tに切断したコア層33の断面の全面積に対して、中空糸12の中空部121が占める面積の割合が、10%〜60%であれば、好ましい。例えば、図7に示すコア層33の断面の単位面積A(コア層33の断面の全面積=A×n)に対して、中空部121の断面円形が占める面積B×6(中空部121が占める総面積=B×6×n)が、10%〜60%であれば好ましい。尚、図7は模式図であるため、図中のAに対する「B×6」の面積割合は、正確に上記範囲にあるとは限らない。
中空部121が占める面積の割合が10%以上であれば、発泡体でコア層を形成する従来構成の樹脂構造体よりも、樹脂構造体3の軽量化を好適に果たすことができる。中空部121が占める面積の割合が60%以下であれば、コア層の剛性を維持し、コア層が容易に撓み変形することを抑制し、樹脂構造体3全体としての高弾性を発現することに寄与できる。尚、図7では、中空部121の断面が円形の例を示したが、中空部121の断面が例えば略長方形状であっても、上記の面積割合は、同様の範囲にあると推察される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
尚、実施形態で各構成に付した符号は、各構成に対応する実施例に記載の具体的構成との対応関係に関して、対応する同一構成には同一符号を付して以下の説明を行う。
〔実施例1〕繊維構造体
実施例1の繊維構造体として、図1及び図4に示す立体編み地11を布帛10として用いた例を説明する。図1に示すとおり、繊維構造体1を形成する布帛10として、ダブルラッセル編み機を用いて編成した立体編み地11を用いる。立体編み地11は、経編みされた表側編み地111及び裏側編み地112が結接糸113で連結される構成を備える。
結接糸113は、図4に示されるように、表側編み地111(又は裏側編み地112)の所定の編目に連結し、厚み方向Tに沿った所定の間隔t1の間を略垂直に渡され、裏側編み地112(又は表側編み地111)の所定の編目に連結する。更に、結接糸113は、経方向L及び緯方向Sに沿って所定の略等間隔l1,s1をあけながら繰り返し連結するように編成されている。尚、図4では、2本の結接糸1131,1132で1組の結接糸113を構成する例を示している。
空隙13は、図4の断面視で、表側及び裏側の各編み地111,112断面が上下の各辺を、結接糸113の断面が左右の各辺をなす略矩形の開口部を有するように区画されている。また、この開口部から経方向Lに沿って直状に空間が延びた個室状の一区画131が形成される。空隙13は、一区画131が緯方向Sに並列配置されるように区画されている。
中空糸12は、表側及び裏側の各編み地111,112の略面方向であって、経方向Lに沿って上記の空隙13に挿通されている。
尚、各図面中で、空隙13の上記の一区画131毎に、6本の中空糸12が挿通される状態を示したが、この本数は、分かり易く図示するための便宜上の本数である。一区画内に挿通される中空糸12の本数は、図示の数字に特定されない。好ましくは、可能な限り一区画内に多数本の中空糸が挿通される。多数本の中空糸12が挿通されることにより中空部121による空孔の体積が大きく担保される蓋然性が高まり、後述する樹脂構造体の軽量化に役立つ観点から好ましい。
図1中の中空糸12は、経方向Lに沿って大きな間隔(間隔l1×4程度)をあけながら、表側編み地111の所定の編目と裏側編み地112の所定の編目とに交互に係止ししている。中空糸12は、上記のように立体編み地11に係止しながら、厚み方向Tに沿った所定の間隔t1の間で緩やかに傾斜して渡されるように挿通されている。尚、「緩やかに傾斜」は上記の「略面方向」とみなし得る平坦状であることを表す表現である。
また、各図中で、空隙13の上記の一区画131に挿通される6本の中空糸12のうち、1組の3本と別組の3本とが表側編み地111又は裏側編み地112にそれぞれ係止され、厚み方向Tに相対向するように挿通される態様を示したが、中空糸12の挿通態様はこの例に限定されない。具体的には、一区画131中の全ての中空糸12が、各編み地111,112に交互に同期しながら係止して挿通される例、一方の編み地のみに係止しながら挿通される例、いずれの編み地111,112にも係止せず経方向Lに引き抜き可能に挿通される例、緯方向Sに蛇行して結接糸113を迂回しながら経方向Lに挿通する例、経方向Lに挿通する中空糸群と緯方向Sに挿通する中空糸群とを有し、各編み地111,112の略面方向に沿って十字状に挿通する例等のような他の態様を例示できる。また、上記のような中空糸12の挿通態様は、公知の編成方法により実施可能である(例えば、繊維機械学会誌 Vol.47(1994) No.11 P478−P488「立体編物の開発状況」等参照)。
また、立体編み地11に関しては、空隙13内に挿通される中空糸12の密度は、必ずしも大きくなくてもよい。軽量化に寄与する観点から中空部121の体積が大きければよい一方で、空隙13中で中空糸12が占める空間以外の残余の間隙の大きさについて、必ずしも慎重な配慮を要しない。後述するように、樹脂構造体3を製造する際に、空隙13内で中空糸12が占める空間以外の残余の間隙には、未硬化樹脂が含浸される。成形型のキャビティ内に繊維構造体1を(より具体的には、後述する繊維積層体51として)セットする際や、未硬化樹脂の射出圧が加わることによっても、空隙13の残余の間隙が小さくなるように容易に賦形することができるからである。
本実施例の繊維構造体1は、布帛である立体編み地11の空隙13に挿通される中空糸12を備えており、略筒状の中空糸12内部には、中空部121が形成されている。この繊維構造体1を樹脂構造体3の基材として用いれば、樹脂構造体3の内部に中空糸12に基づく中空部121が維持される。これにより、繊維構造体1は、樹脂構造体3の軽量化に寄与できる。
更に、繊維構造体1を樹脂構造体3の基材331として用いることにより、コア層33とスキン層31,32との接合強度を高める製法を採用可能にできる。
また、布帛10が、立体編み地11からなり、立体編み地11には、二層の各編み地111,112と結接糸113とで区画される空隙13が形成されるので、空隙13に対する中空糸12の挿通性が高められる。つまり、布帛が立体編み地11であれば、布帛に容易に立体性を付与することができる。その結果、中空糸12を保持する型枠として立体編み地11を利用し、二層の各編み地111,112間の空隙13に容易に中空糸12を挿通することができる。従って、繊維構造体1の生産性が高められる。また、立体編み地11であれば、二層の各編み地111,112間の空隙13の大きさを、厚み方向Tに沿って大きく確保する容易性が高められる。故に、空隙13の一区画131内に挿通する中空糸12の本数を容易に多くできる。従って、樹脂構造体のコア層に厚みを付与することにより、樹脂構造体の機械特性向上に貢献できる。
また、立体編み地11が、ダブルラッセル編み地である場合には、繊維構造体1の生産性が一層高められる。具体的には、立体編み地11を編成するのと同時に、表側及び裏側の各編み地111,112間の空隙13に中空糸12を連続的に挿通し、且つ、編み込んで係止させ、生産できる。
また、本実施例の繊維構造体1は、繊維強化された樹脂構造体3や後述するバンパ30に厚みを付与するコア層33,38を形成する基材として好適に用いることができる。
〔実施例2〕樹脂構造体
実施例2の樹脂構造体として、上記実施例1の繊維構造体1をコア層の基材として用いた樹脂構造体を図8に示す車両用フロントバンパに適用する例を説明する。
図8に示すように、本実施例のバンパ30は、本実施形態の上記の樹脂構造体を用い、車両本体のフロント部に設けられた一対のバンパ取り付け部41に取り付け可能な形状に成形されている。バンパ30は、長尺なパネル形状をなし、車両40の高さ方向(バンパ30の短手方向)に沿って所定長の幅を有する。また、バンパ30は、車両40の幅方向(バンパ30の長手方向)に沿って緩やかな曲面をなし、車両40の幅とほぼ同じ長手方向長さを有する。バンパ30の緩やかな曲面は、長手方向の中央近辺301に向けて外方に徐々に高くなる緩やかな湾曲状に形成されている。
また、図9のZ-Z断面に示されるように、バンパ30は、コア層38に対して車両の外方側に積層されるスキン層36と車両の内方側に積層されるスキン層37とを備えている。各スキン層36,37は、コア層38よりも薄いパネル状をなし、バンパ30は、各スキン層36,37の数倍程度の厚みを有するコア層38を各スキン層36,37で厚み方向Tに挟み込むサンドイッチ構造を有している。また、バンパ30には、短手方向に沿った略1/4程度の上側及び下側に(図9参照)、車両内方側に向けて湾曲しながら折れ曲がる屈曲部302,303が形成されている。各屈曲部302,303は、長手方向の全長に亘って連続的に形成されている。尚、バンパ30は、車両内方のスキン層37側に形成される凹状部に図示しないエネルギーアブソーバを取り付け、バンパーレインフォースを介し、バンパ取り付け部41に取り付けられている。
各スキン層36,37は、炭素繊維よりなる強化繊維361,371がマトリックス樹脂39中に配された繊維強化樹脂よりなる。コア層38は、基材381と、基材381の間隙を充填するマトリックス樹脂39と、を備え、基材381は、実施例1に係る繊維構造体1からなる。また、スキン層36,37を構成するマトリックス樹脂39とコア層38を構成するマトリックス樹脂39とが、共通している。
本実施例のバンパ30に適用される樹脂構造体は、コア層38が繊維構造体1からなる基材381を備えている。これにより、コア層38とスキン層36,37との接合強度を高める製法を採用でき、バンパ30の信頼性が高められる。具体的には、実施例3で説明するように、コア層38の基材381である繊維構造体1にスキン層36,37を強化する強化繊維361を積層した繊維積層体51に、未硬化樹脂390を含浸させる射出工程を行う。バンパ30を構成するコア層38とスキン層36,37とを一体に成形できるので、両者の接合強度を高めてバンパ30の信頼性を一層高めることができる。
また、バンパ30の内部には、中空糸12に基づく中空部121が止まっている。これにより、バンパ30が軽量化される。
また、スキン層36,37のみならずコア層38が、基材381の間隙を充填するマトリックス樹脂39を備えている。これにより、内部全体に空孔が点在する多孔質の発泡体をコア層として用いる従来構成の樹脂構造体よりも、撓みにくいバンパ30が得られる。
尚、従来構成の樹脂構造体として、以下も知られている。即ち、繊維強化樹脂よりなる基層に無数の気孔体を有する(断熱)樹脂層を一体に形成した樹脂構造体であって、樹脂層のマトリックス樹脂中に、気孔体として中空ガラスバルーン(ビーズ)が内在する(例えば、特開2008−307901参照)。このような気孔体を内在する樹脂層をコア層として用いる樹脂構造体と比較しても、繊維構造体1が備える中空部121を空孔として内在する本実施例の樹脂構造体の方が、樹脂構造体の生産性及び高弾性能をよりよく高めることができる。
また、スキン層36,37を構成するマトリックス樹脂39とコア層38を構成するマトリックス樹脂39とが共通するので、接合強度を更に高める一体成型を採用でき、信頼性を更に高めたバンパ30が得られる。具体的には、未硬化樹脂を射出する工程で行う手数を最小限に止め、バンパ30の生産性を更に高めると共にスキン層36,37とコア層38との接合強度を一層高められる。
また、コア層38の両面側にスキン層36,37が配設されるので、高い機械特性を具備するバンパ30が得られる。具体的には、バンパ30は、一対のスキン層36,37をコア層38の厚み方向に相対向させて挟み込むサンドイッチ状の樹脂構造体として成形される。従って、バンパ30が、更なる高剛性高弾性を発現可能に成形されている。
また、バンパ30が曲面を有するパネル状構造体なので、発泡体よりも撓性を備える繊維構造体1をコア層38の基材381として用いることにより、所望のバンパ30形状に容易に賦形することができる。具体的には、繊維構造体1に強化繊維361,371を積層した後述する繊維積層体51を用いて、バンパ30が成形される。繊維積層体51は、自在に所望形状を形作る賦形性を有する。従って、従来構成の樹脂構造体よりも、湾曲状及び屈曲部302,303を備えるバンパ30を容易に成形することができ、生産性を高められる。
また、バンパ30は、撓みにくい機械特性を備えるために、衝撃による外力が加わっても、外力が取り去られた後に容易に元の形状に戻る高弾性を発現できる。想定される最大程度の大きな衝撃を受ける場合であっても、バンパ30の損傷程度が抑制される。バンパ30のコア層38中に、中空糸12の中空部121による空孔が内在するので車両40の軽量化に寄与できる。
[3]樹脂構造体の製造方法(実施例3)
実施例3の樹脂構造体の製造方法として、実施例2のバンパ30の製造方法を樹脂構造体の製造方法に適用する例を説明する。バンパ30の製造方法は、繊維積層体51がセットされたキャビティ63内に未硬化樹脂390を射出する射出工程と、未硬化樹脂390を硬化させて上記のマトリックス樹脂を成形する硬化工程と、を備えている。
本実施例の樹脂構造体からなるバンパ30は、例えば、図10〜図13の各図に示すように製造される。図10〜図13の各図は、繊維積層体51、成形型60又はバンパ30の中間成形体等をバンパ30の短手方向に沿って、厚み方向に切断した断面を示す。まず、図10に示すように、実施例1の繊維構造体1からなる基材381と、基材381(即ち、繊維構造体1であり、以下、適宜に、繊維構造体1とのみ記す)の両面側に積層される一対の強化繊維361,371と、よりなる繊維積層体51を準備する。実施例1の繊維構造体1と一対の強化繊維361,371とは、それぞれ、上記のバンパ30の湾曲状を長手方向に沿って平坦状に広げた長さ(図示せず)よりやや大きな長手方向の長さを有する。また、バンパ30の屈曲状を短手方向に沿って平坦状に広げた長さよりやや大きな短手方向幅Wを有する(図10参照)。繊維構造体1の両面に一対の強化繊維361,371を重ね合わせて積層し、繊維積層体51を準備する。繊維積層体51は、バンパ30を長手方向及び短手方向に広げた平坦な長尺帯形形状よりも、やや相似大形をなしている。
次に、図10〜図12に示すように、凹部611を有する下型61に対して凸部621を有する上型62を型締めした状態で、バンパ30の形状に対応するキャビティ63を形成する成形型60を準備する。キャビティ63は、上記のバンパ30の湾曲形状及び上記の屈曲部302,303の形状に対応する空間を備える。下型61は、上記バンパ30の上記各形状に対応するキャビティ63の空間を形成するために、湾曲状に凹んだ底面を具備する凹部611を備える。上型62は、上記の各形状に対応するキャビティ63の空間を形成するために、型締めした状態で凹部611に向けて突出する凸部621及び凸部621の図11中で左右側に形成される周縁溝部622,623を備える。
そして、上記の繊維積層体51を下型61の凹部611に載置する。載置する前の繊維積層体51は、上記の平坦な長尺帯状をなす。凹部611に繊維積層体51を載置後に、下型61に対して上型62を型締めする。型締め後の繊維積層体51は、キャビティ63を形成する壁面に圧せられて多少縮小しながら、バンパ30の実形状に対応する湾曲及び屈曲形状に賦形される。
次に、射出工程では、図12に示すように、未硬化樹脂390を繊維積層体51がセットされるキャビティ63内に射出する。具体的には、液状のエポキシ樹脂の未硬化樹脂390を上型62の樹脂注入口624に注入し、キャビティ63内に射出する。繊維積層体51は、自身の積層体全体に間隙を備えている。従って、未硬化樹脂390は、図12で上側に配置する強化繊維371、繊維構造体1、下側に配置する強化繊維361の順に透過し、繊維積層体51全体に含浸される。更に、キャビティ63全体が未硬化樹脂390で充填される。
尚、上記の未硬化樹脂390を繊維積層体51に効率よく含浸させるために、複数の注入口から高圧で射出する方法や、キャビティ63内を真空ポンプなどで減圧して未硬化樹脂を吸引する方法を用いても構わない。実施例3では、上型62、下型61を用いる製造方法を説明したが、所謂バックフィルムで繊維積層体51の上面を覆い、下型とバッグフィルムで形成したキャビティ空間内を減圧し、樹脂を注入する方法でも構わない。
硬化工程では、図13に示すように、射出工程で繊維積層体51に未硬化樹脂390を含浸させ、キャビティ63内を未硬化樹脂390で充填した後に、所定時間保持しながら加熱硬化させる。そして、屈曲部を有し湾曲パネル状の樹脂構造体300を離型する。更に、樹脂構造体300に仕上げ加工を施し、屈曲部302、303を有する湾曲パネル状のバンパ30(図9参照)を製造する。
尚、図12及び図13の上段図では、キャビティ63を形成する上型61及び下型62の内壁面と、繊維積層体51との間に隙間があるかのように、意図的に示しているが、実際の成形時においてこの隙間の有無は限定されない。また、図12では、矢印を用いて未硬化樹脂390の流れを誇張して示し、射出工程で未硬化樹脂390が繊維積層体51を透過する状態を分かり易く説明している。更に、図13では、射出工程で繊維積層体51に含浸された未硬化樹脂390を硬化工程で硬化させ、硬化後に成形されるマトリックス樹脂39となることを明確に示すために、この図13にのみ、ハッチングを付している。従って、図13の下段図に示した離型後のバンパ30、及び、図9右図のバンパ30については、バンパ30全体を分かり易く示すために、マトリックス樹脂39のハッチングを省略して図示した。
本実施例のバンパに適用される樹脂構造体の製造方法は、繊維構造体1と、その両面側に積層される強化繊維361,371と、よりなる繊維積層体51に、未硬化樹脂390を含浸させる射出工程を備える。従って、従来製法による発泡体を成形する等の別工程が不要であり、バンパ30の生産性を高められる。
また、繊維積層体51に含浸される未硬化樹脂390を硬化工程で硬化するので、コア層38とスキン層36,37とを確実に一体に成形できる。これにより、高弾性を発現する所定の厚みを備えしかも軽量化が図られたバンパ30の生産性が一層高められる。コア層38とスキン層36,37との接合強度が高まっており、衝撃を受けてもバンパの機械特性が担保されることで信頼性が向上している。
尚、本発明の樹脂構造体であるバンパ30について、主に上記のRTM成形による製造方法と関連付けて説明したが、樹脂構造体は、係る製造方法によって限定されない。例えば、所謂プリプレグシートを用いてプレス成形する製法でも容易に製造することができる。
また、樹脂構造体は、コア層と、コア層の両面側に配設されるスキン層と、を備え、コア層及びスキン層は、それぞれ基材と、前記基材の間隙を充填するマトリックス樹脂と、を備え、基材は、本発明の繊維構造体1からなり、コア層を構成する基材は、繊維構造体1のうち、立体編み地11の二層の編み地111,112の間の中間層からなり、スキン層を構成する基材は、二層の各編み地111,112からなる構成であっても構わない。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
更に、本実施形態及び実施例として、本発明の繊維構造体に係る布帛が主に立体編み地であり編物から構成される例について説明したが、繊維構造体の参考例として、例えば、布帛に立体織り地を用いる例を挙げることができる。一つの変形例として、本発明の繊維構造体として布帛に立体織り地を用いる場合の模式的な説明図を図14に示す。符号2,21、211,212,213,214、215が、それぞれ、繊維構造体、立体織り地、表側緯糸、表側経糸、裏側緯糸、裏側経糸、結接糸を示す。変形例の場合であっても、布帛として立体編み地の代わりに立体織り地を適用すること以外の全ての前記説明(図を含む)は、この立体織り地に適用するものとする。立体織り地を用いる場合でも、立体編み地の場合と同様に、高い弾性を損なうことなく軽量化を実現すると共に、生産性を高めることができる繊維構造体及び樹脂構造体並びに樹脂構造体の製造方法を提供することができる。布帛として立体編み地を用いる場合と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の表皮材及び構造体は、種々の技術分野に利用することができる。具体的には、車両(自動車及び鉄道車両等)、航空機、船舶、建築、アパレル等の各種産業における構造体が関わる分野に好適に利用することができる。
1,2:繊維構造体、
10:布帛、
11:立体編み地、111:表側編み地、112:裏側編み地、101〜104:編目、113:結接糸、
12:中空糸、121:中空部、122:周壁、
13:空隙、131:一区画、
18:単層布帛、
19:多層布帛、191,192:繊維層、193:結接糸、
21:立体編み地、211:表側編み地、201:表側緯糸、202:表側経糸、212:裏側編み地、203:裏側緯糸、204:裏側経糸、213:結接糸、
3:樹脂構造体、
30:バンパ、
31,32,36,37:スキン層、
311,321,361,371:強化繊維、
33,38:コア層、331,381:基材、
34,39:マトリックス樹脂、390:未硬化樹脂、
51:繊維積層体
60:成形型、63:キャビティ、
L:経方向、
S:緯方向、
T:厚み方向。

Claims (12)

  1. 内部に空隙を有する布帛と、前記空隙に挿通されている中空糸と、を備えることを特徴とする繊維構造体。
  2. 前記布帛は、二層以上の繊維層と、前記繊維層を互いに連結する結接糸と、を備え、
    前記空隙は、前記内部であって前記各繊維層の間にあり、
    前記各繊維層は、前記空隙を介して前記結接糸によって連結されている請求項1に記載の繊維構造体。
  3. 前記布帛は、立体編み地からなり、
    前記立体編み地は、前記繊維層として二層の編み地を有し、
    前記空隙は、二層の前記各編み地と前記結接糸とで区画されており、
    前記中空糸は、前記編み地の面方向に沿って前記空隙に挿通されている請求項2に記載の繊維構造体。
  4. 前記立体編み地は、ダブルラッセル編み地である請求項3に記載の繊維構造体。
  5. コア層と、前記コア層の少なくとも一面側に配設されるスキン層と、を備える樹脂構造体であって、
    前記コア層は、基材と、前記基材の間隙を充填するマトリックス樹脂と、を備え、
    前記基材は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の繊維構造体からなり、
    前記スキン層は、強化繊維がマトリックス樹脂中に配された繊維強化樹脂よりなることを特徴とする樹脂構造体。
  6. 前記スキン層を構成するマトリックス樹脂と前記コア層を構成するマトリックス樹脂とが、共通する請求項5に記載の樹脂構造体。
  7. 前記樹脂構造体は、前記コア層の両面側にスキン層を備え、
    前記両面側の各スキン層が、前記コア層の一面側及び他面側に対向して配設されている請求項5又は6に記載の樹脂構造体。
  8. 厚み方向に切断した前記コア層の断面の全面積に対して、前記中空糸の中空部分が占める面積の割合が、10%〜60%である請求項5乃至7のいずれか一項に記載の樹脂構造体。
  9. 曲面を有するパネル状構造体である請求項5乃至8のいずれか一項に記載の樹脂構造体。
  10. 車両用バンパとして用いられる請求項5乃至9のいずれか一項に記載の樹脂構造体。
  11. 請求項5乃至10のいずれか一項に記載の樹脂構造体の製造方法であって、
    繊維積層体がセットされたキャビティ内に未硬化樹脂を射出する射出工程と、
    前記未硬化樹脂を硬化させて前記マトリックス樹脂を成形する硬化工程と、を備えており、
    前記繊維積層体は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の繊維構造体からなる前記基材と、前記基材の少なくとも前記一面側に積層される前記強化繊維と、よりなり、
    前記射出工程では、前記繊維積層体に前記未硬化樹脂を含浸させることを特徴とする樹脂構造体の製造方法。
  12. 前記硬化工程では、前記射出工程で前記繊維積層体に含浸された前記未硬化樹脂を硬化させる請求項11に記載の樹脂構造体の製造方法。
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KR102188549B1 (ko) * 2020-05-08 2020-12-08 김용철 정전 필터 기능이 향상된 다층 편직물 및 이의 용도
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