JP2019077806A - ゲル状組成物及びそれを用いた筆記具用水性インキ組成物並びにそれを用いた筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
この種のインキは、剪断応力が加わらない静置時には高粘度であり、機構内において安定的に保持されており、剪断がかかった際には、筆記時にあっては高速回転するボールによる高剪断力によってボール近傍のインキが低粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部の間隙から吐出して紙面に転写されるものである。前記紙面に転写されたインキは剪断力から解放されるため再び高粘度状態となり、従来の水性インキ組成物の欠点である筆跡の滲みを発生を改善できるもので有ったが、十分でなかった。また、前述の剪断減粘性によって、インキを保持する所謂中綿を必要とせず、インキを最後まで使用可能であったり、インキ流量を調節する流量調節部材(例えば、櫛歯状部材等のインキ一時的保溜部材)を要しないので、簡易な構造の筆記具が得られる等、多くの利点を有するため広く適用されている。
すなわち、本発明は、
「1.水と、下記一般式(1)で表されるモノマーと下記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含んでなるゲル状組成物。
(式中R1、水素またはメチル基)
(式中R2は、水素またはメチル基、R3は、炭素数1〜5の直鎖または側鎖を有するアルキル基)
2.前記架橋剤が、前記共重合体とファンデルワールスによる分子間凝集力を発現できる化合物である第1項に記載のゲル状組成物。
3.第1項または第2項に記載のゲル状組成物と着色剤を含んでなる筆記具用水性インキ組成物。
4.第3項に記載の筆記具用水性インキ組成物を具備してなる筆記具。」に関する。
本発明によるゲル状組成物は、水と、前記一般式(1)で表されるモノマーと前記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含んでなる。
(式中R1、水素またはメチル基)
(式中R2は、水素またはメチル基、R3は、炭素数1〜5の直鎖または側鎖を有するアルキル基)
本願発明によるゲル状組成物を用いることで、従来の課題を解決することができる。
本発明によるゲル状組成物は、前記共重合体と架橋剤を用いるが、本発明による架橋剤とは、前記共重合体と物理的な架橋を形成することが可能な化合物であり、前記共重合体のエステルのアルキル基とファンデルワールスによる分子間凝集力を発現できる化合物である。ゲル状組成物が静止状態にある際には、架橋剤が前記共重合体のアルキル基と物理結合による架橋点を形成し、共重合体と架橋剤で強固なネットワークを形成することが可能であり、ゲル状組成物に剪断力が加えられた際には、架橋点の物理結合が簡単に外れる化合物である。
本発明によるゲル状組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
本発明によるゲル状組成物を用いた用途の一例としては、筆記具用水性インキ組成物(以下、場合により「インキ組成物」と表す)として用いることができる。筆記具用水性インキ組成物は、前記一般式(1)で表されるモノマーと前記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含むゲル状組成物と、着色剤を含んでなる。
本発明において用いることができる着色剤としては、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。
水としては、特に制限はなく、例えば、イオン交換水、限外ろ過水または蒸留水などを用いることができる。
本発明によるインキ組成物は、本発明の性能を損なわない範囲で、インキ物性や機能を向上させる目的で、水溶性有機溶剤、pH調整剤、保湿剤、防錆剤、防腐剤、増粘剤などの各種添加剤を含んでもよい。
これは、デキストリンを用いることで、ボールペンのペン先のインキが乾燥する際、皮膜を形成することから、ボールとチップ先端の内壁との間の隙間からのインキ漏れを抑制したり、ペン先のドライアップ性能を向上したりする効果を得ることができる。特に、前記有機樹脂粒子とデキストリンと併用することは、インキ漏れ抑制において、より効果的である。
本発明によるインキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
下記の配合組成および方法により、ゲル状組成物を得た。
トリエタノールアミン(pH調整剤) 1.0質量%
(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体 0.3質量%
(共重合体 カルボン酸とメチルエステルのモル比1:2.1、
アクリル酸基とメタクリル酸基のモル比1:0.36)
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンメチルグルコース 0.7質量%
(架橋剤)
イオン交換水 98.0質量%
ゲル状組成物を表1において表される組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてゲル状組成物を得た。
ゲル状組成物を表1において表される組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてゲル状組成物を得た。
(1)(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体
(カルボン酸とメチルエステルのモル比1:2.1、
アクリル酸基とメタクリル酸基のモル比1:0.36)
(2)(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エチル共重合体
(カルボン酸とエチルエステルのモル比1:1、
アクリル酸基とメタクリル酸基のモル比1:0.82)
(3)メチル変性量 8/100
(エチレンオキシドユニット100に対しメチル変性8)
(4)フェニル変性量 1/100 メチル変性量 1/100
(エチレンオキシドユニット100に対しフェニル変性1、メチル変性1)
(5)フェニル変性量 2/100
(エチレンオキシドユニット100に対しフェニル変性2)
前記の通り、実施例1〜11のゲル状組成物は、共重合体と架橋剤を組み合わせた効果により、発現粘度が高く、剪断減粘性が大きく、良好な性能を示すことが明らかとなった。
下記の配合組成および方法により、筆記具用インキ組成物を得た。
(筆記具用水性インキ組成物1)
着色球状樹脂粒子(着色剤) 10.0質量%
ジエチレングリコール(水溶性有機溶剤) 10.0質量%
トリエタノールアミン(pH調整剤) 3.0質量%
リン酸エステル(ラウリルアルコール系 潤滑剤) 1.0質量%
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5質量%
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(防腐剤) 0.1質量%
(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体 0.45質量%
(共重合体 カルボン酸とメチルエステルのモル比1:2.1、
アクリル酸基とメタクリル酸基のモル比1:0.36)
ポリオキシエチレンテトラオレエート(架橋剤) 1.8質量%
イオン交換水 73.16質量%
インキ組成物を表2において表される組成に変更した以外は、実施例12と同様にして水性ボールペン用インキ組成物を得た。
インキ組成物を表2において表される組成に変更した以外は、実施例1と同様にして水性ボールペン用インキ組成物を得た。
○:着色剤などの凝集が見られず、初期状態を保っており、インキ安定性は良好。
△:着色剤などの凝集がわずかに見られ、上澄みがわずかに見られるなどインキ安定性が若干悪い。
×:着色剤などの凝集が見られ、初期の状態を保っておらず、インキ安定性が悪い。
◎:筆跡に滲みが見られず、良好な筆跡が得られている。
○:筆跡にわずかに滲みが見られるが、良好な筆跡が得られている。
△:筆跡に滲みが見られるが、実用上問題ない筆跡が得られている。
×:筆跡の滲みがひどく、実用上問題のある筆跡となっている。
○:筆跡に線割れが見られず、均一で良好な筆跡が得られている。
△:筆跡に線割れが見られるが、実用上問題ない筆跡が得られている。
×:筆跡の線割れがひどく、実用上問題のある筆跡となっている。
前記の通り、実施例12、13のインキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンは、特定の共重合体と架橋剤を用いることにより、良好な性能を示すことが明らかとなった。
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