JP2019077806A - ゲル状組成物及びそれを用いた筆記具用水性インキ組成物並びにそれを用いた筆記具 - Google Patents

ゲル状組成物及びそれを用いた筆記具用水性インキ組成物並びにそれを用いた筆記具 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高い増粘性と高い剪断減粘性を有したゲル状組成物、及び、筆記具に用いた際には良好な性能を発現でき、筆記した際にも筆跡が滲み難く、掠れたり、線割れをおこすこと無く、良好な筆跡が得られ、インキ組成物の保存安定性に優れた筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具を提供すること。【解決手段】水と、特定の構造を有する共重合体と架橋剤を含んでなるゲル状組成物であって、水と、着色剤と、ゲル状組成物を含んでなる筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具とした。【選択図】 なし

Description

本発明は、ゲル状組成物に関する。また、ゲル状組成物を用いた筆記具用水性インキ組成物並びにそれを用いた筆記具に関する。
従来、架橋型アクリル酸重合体などを用いたゲル状組成物が知られている(例えば特許文献1)。これらのゲル状組成物は、液体を固体のように取り扱えることから、洗浄剤、サニタリー用品、トイレタリー用品、パーソナルケア品、ヘルスケア品、化粧品、医療品、医薬品、農業用品、電極、電池などに用いられている。
しかしながら、ゲル状組成物として扱う際には、増粘させるために、添加量を多くしなければならない場合があり、保存安定性が悪くなるなどの課題があった。
また、剪断減粘性を有することから、筆記用水性インキ組成物などに用いられている。(例えば特許文献2〜4)。
この種のインキは、剪断応力が加わらない静置時には高粘度であり、機構内において安定的に保持されており、剪断がかかった際には、筆記時にあっては高速回転するボールによる高剪断力によってボール近傍のインキが低粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部の間隙から吐出して紙面に転写されるものである。前記紙面に転写されたインキは剪断力から解放されるため再び高粘度状態となり、従来の水性インキ組成物の欠点である筆跡の滲みを発生を改善できるもので有ったが、十分でなかった。また、前述の剪断減粘性によって、インキを保持する所謂中綿を必要とせず、インキを最後まで使用可能であったり、インキ流量を調節する流量調節部材(例えば、櫛歯状部材等のインキ一時的保溜部材)を要しないので、簡易な構造の筆記具が得られる等、多くの利点を有するため広く適用されている。
しかしながら、剪断減粘性付与剤として従来知られている架橋型アクリル酸重合体を用いると、架橋部が化学結合されているため、静置時のインキ粘度を高くできるが、架橋部の影響により剪断がかかった際にインキ粘度を一定値より低くすることができないため、筆記用水性インキ組成物として筆記具の用いた際に、筆跡が掠れたり筆跡が中抜けとなる所謂線割れをおこすなどの課題を有していた。
特開平4−114015号公報 特開2000−136340号公報 特開2001−64559号公報 特開2002−294132号公報
本発明は、高い増粘性と高い剪断減粘性を有したゲル状組成物、及び、筆記具に用いた際には良好な性能を発現でき、筆記した際にも筆跡が滲み難く、掠れたり、線割れをおこすこと無く、良好な筆跡が得られ、インキ組成物の保存安定性に優れた筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具を提供するものである。
本発明者は前記課題を解決するため、鋭意検討した結果、水と、特定のモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含んでなるゲル状組成物とすることなどにより、前記課題を解決できることを知見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
「1.水と、下記一般式(1)で表されるモノマーと下記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含んでなるゲル状組成物。
Figure 2019077806

(式中R、水素またはメチル基)
Figure 2019077806

(式中Rは、水素またはメチル基、Rは、炭素数1〜5の直鎖または側鎖を有するアルキル基)
2.前記架橋剤が、前記共重合体とファンデルワールスによる分子間凝集力を発現できる化合物である第1項に記載のゲル状組成物。
3.第1項または第2項に記載のゲル状組成物と着色剤を含んでなる筆記具用水性インキ組成物。
4.第3項に記載の筆記具用水性インキ組成物を具備してなる筆記具。」に関する。
本発明によれば、特定の構造を有する前記一般式(1)で表されるモノマーと前記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体を用い、特定の架橋剤を用いたことにより、高い増粘性を示すゲル状組成物を得ることができる。さらに本発明におけるゲル状組成物は、静置時の粘度を高く保つことができると共に、剪断応力が加わった際に、ゲル状組成物の粘度が従来と比較して低下し、高いTI値を有するゲル状組成物を得ることができる。さらに、前記ゲル状組成物を用いた筆記具用インキ組成物とすることにより、筆跡が掠れたり、線割れをおこすことが無く、良好な筆跡を保つことができる。また、アルキル基が分子間力により可逆性の物理結合を生じ、架橋剤と共重合体とがファンデルワールスによる分子間凝集力を発現し、静止時のインキ粘度を高くすることができるため、筆跡が滲み難く、インキの保存安定性が向上するなど優れた効果を奏する。
<ゲル状組成物>
本発明によるゲル状組成物は、水と、前記一般式(1)で表されるモノマーと前記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含んでなる。
本発明によるゲル状組成物は、下記一般式(1)で表されるモノマーと下記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含んでなる。
Figure 2019077806

(式中R、水素またはメチル基)
Figure 2019077806

(式中Rは、水素またはメチル基、Rは、炭素数1〜5の直鎖または側鎖を有するアルキル基)
本発明において、前記一般式(1)で表されるモノマーと下記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体を用いるが、前記共重合体が、カルボン酸基とカルボン酸エステルを有している。カルボン酸エステルの炭素数1〜5のアルキル基が疎水基であるためゲル状組成物中で疎水基間の分子間力によるアルキル基の凝集により、可逆性の物理的な結合をしてネットワークを形成、即ち結合点のように働く。この為、静止時の粘度が高くなる。そして剪断をかけると結合点のように働いている部分の物理的な結合が解離することで、ゲル状組成物の粘度が低下する。前記の通り、アルキル基の凝集と解離の可逆的作用により、静止時と剪断を加えた際の粘度勾配が大きくなるため、高いチクソトロピーインデックス値(以下、TI値と表すことがある)を得ることができる。一方、従来の架橋型アクリル酸は、架橋点が化学結合をしているため、ネットワークを形成して静止時の粘度は、高くなるが、剪断がかかった際にも架橋点の結合が切れることがないので、本願発明に用いる剪断減粘性付与剤と比較して、剪断がかかった際の粘度が高くなる。従って、TI値が本発明のゲル状組成物と比較して低くなるなど、ゲル状組成物としての性能が劣ることがある。
本願発明によるゲル状組成物を用いることで、従来の課題を解決することができる。
本発明に用いる前記一般式(1)で表されるモノマーと下記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体は、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体である。本発明において(メタ)アクリルは、アクリルとメタクリル両者を包含することを意味する。具体的には、アクリル酸−アクリルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリルエステル−メタクリル酸−メタクリルエステル共重合体などが挙げられる。本発明に用いる共重合体は、ランダム、ブロック、などの共重合体を用いることができる。これらの共重合体は、単独でまたは2種以上用いることができる。
また、共重合体のRは、炭素数1〜5の直鎖または側鎖を有するアルキル基であるが、炭素数が5より大きくなるとアルキル基の立体障害が大きくなり、アルキル基同士の凝集力が低下する。また、炭素数が5より大きくなるとアルキル基の疎水性が増大するため、一部で分離や沈殿などを生じやすくなり、不均一化する場合がある。このためゲル状組成物での安定性が劣る傾向にある。炭素数が1〜5の範囲にあると、アルキル基同士の凝集力が高く働き、物理的な結合をして架橋された状態になり、分子間でのネットワークを形成するため、好ましい。さらにアルキル基が直鎖であると、側鎖を有するアルキル基と比較して立体障害が小さくなるため、好ましい。特にRが、炭素数1のメチル基、炭素数2のエチル基の場合、疎水力が大きくないため、分子中へのアルキル基の導入量を比較的多く設計することが可能となる。アルキル基の導入量を多くすることでアルキル基同士の物理的な結合点を多く配置することが可能となり、より静置時粘度を高く、剪断時粘度を低くするなどの効果が得られるので、特に好ましい。
また、前記一般式(1)で表されるモノマーと前記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体のカルボン酸とカルボン酸エステルの比は、モル比で、1:0.05〜1:10、より好ましくは、1:0.1〜1:5、さらに好ましくは、1:0.3〜1:3である。カルボン酸エステルの比が小さ過ぎるとアルキル基の物理結合効果が不十分となり、増粘性や静置時と剪断時の粘度勾配が小さくなる傾向があり、カルボン酸エステルの比が大きすぎると、共重合体の疎水性が増大するため、一部の分離や沈殿を生じる恐れがある。この範囲にあると、高い静置粘度と低いせん断時粘度とを両立することができるので、特に好ましい。
また、前記一般式(1)で表されるモノマーと前記一般式(2)で表されるモノマーを共重合してえられる共重合体のアクリル酸基とメタクリル酸基の比は、モル比で、1:0.1〜1:2、より好ましくは、1:0.3〜1:1である。メタクリル酸基の比が大きすぎると、共重合体の疎水性が増大するため、一部の分離や沈殿を生じる恐れがある。この範囲にあると、高い静置粘度と低い剪断時粘度とを両立することができるので、特に好ましい。
前記共重合体の配合量としては、ゲル状組成物全質量に対し、0.01〜10質量%の範囲で用いることができる。
<架橋剤>
本発明によるゲル状組成物は、前記共重合体と架橋剤を用いるが、本発明による架橋剤とは、前記共重合体と物理的な架橋を形成することが可能な化合物であり、前記共重合体のエステルのアルキル基とファンデルワールスによる分子間凝集力を発現できる化合物である。ゲル状組成物が静止状態にある際には、架橋剤が前記共重合体のアルキル基と物理結合による架橋点を形成し、共重合体と架橋剤で強固なネットワークを形成することが可能であり、ゲル状組成物に剪断力が加えられた際には、架橋点の物理結合が簡単に外れる化合物である。
前記架橋剤は、アルキル基が、前記の通り、前記共重合体のアルキル基と物理架橋を形成する為、共重合体を単独で用いた際よりも架橋点の増加や、共重合体のアルキル基に対して、分子間距離や分子密度を補完する効果も得られるため、さらに強固なネットワークを形成することができる。従って、前記一般式(1)で表されるモノマーと前記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含んでなるゲル状組成物は、前記共重合体が単独で用いられたゲル状組成物よりも、高い増粘性を呈する。また、静置時の粘度を向上することができるとともに架橋点が物理架橋であるため、剪断がかかった際に、それぞれの物理結合が外れて、ゲル状組成物の粘度が低下し、従来の架橋型アクリル酸などの剪断減粘性付与剤や、前記共重合体が単独で用いられたゲル状組成物と比較して、低い粘度となり、結果として静置時と剪断時の粘度勾配を高くすることができる。前記の通り、静置時の粘度を高く、剪断時の粘度を低くすることができるので、高いTI値を得ることができる。
本発明に用いる架橋剤としては、具体的には、アルキル変性グルコース、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキル変性ポリエチレンオキシド、フェニル変性ポリエチレンオキシド、フェニルアルキル変性ポリエチレンオキシドなどが挙げられる。架橋剤はアルキル基を含む高分子化合物、低分子化合物のいずれを用いても効果が得られるが、低分子化合物を用いた方が剪断時の粘度がより低い傾向にあり、静置時と剪断時の粘度勾配を大きくすることができるため好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜30が用いられ、好ましくは1〜22、より好ましくは1〜18である。特に、アルキル基の炭素数が同じ場合には、立体障害の少ない化合物を用いると、その効果が大きくなるので、好ましい。
前記架橋剤の配合量としては、ゲル状組成物全質量に対し、0.01〜10質量%の範囲で用いることができる。
本発明によるチクソトロピーインデックスは、E型回転粘度計(DV−II+Pro、コーン型ローターCPA−52Z、ブルックフィールド社製)を用いて、20℃でずり速度が1.92sec−1及び192sec-1で測定した粘度の比[(1.92sec−1での粘度)/(192sec−1での粘度)]で算出される。
<ゲル状組成物の製造方法>
本発明によるゲル状組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
本発明によるゲル状組成物は、筆記具インキ組成物など各種インキ組成物、洗浄剤、サニタリー用品、トイレタリー用品、パーソナルケア品、ヘルスケア品、化粧品、医療品、医薬品、農業用品、電極、電池などに用いることができ、ゲル状組成物の粘度や、性状などに影響を与えない範囲で、着色剤、香料、水溶性有機溶剤、pH調整剤、保湿剤、防錆剤、防腐剤、増粘剤などの各種添加剤を添加することができる。
<筆記具用水性インキ組成物>
本発明によるゲル状組成物を用いた用途の一例としては、筆記具用水性インキ組成物(以下、場合により「インキ組成物」と表す)として用いることができる。筆記具用水性インキ組成物は、前記一般式(1)で表されるモノマーと前記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含むゲル状組成物と、着色剤を含んでなる。
前記共重合体の配合量としては、前記ゲル状組成物における水、架橋剤との配合割合から、インキ組成物全質量に対し、0.01〜10質量%の範囲で用いることができる。
前記架橋剤の配合量としては、前記ゲル状組成物における水、剪断減粘性付与剤との配合割合から、インキ組成物全質量に対し、0.01〜10質量%の範囲で用いることができる。
<着色剤>
本発明において用いることができる着色剤としては、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。
本発明において用いることができる染料としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能であれば特に制限されるものではない。例えば、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、直接染料、分散染料および食用色素など各種染料が挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。染料の添加量は、インキ組成物の総質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
具体的には、酸性染料としては、C.I.アシッドレッド18、C.I.アシッドレッド51、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドオレンジ10、C.I.アシッドイエロー3、C.I.アシッドイエロー7、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー42、C.I.アシッドグリーン3、C.I.アシッドグリーン16、C.I.アシッドブルー1、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー22、C.I.アシッドブルー90、C.I.アシッドブルー239、C.I.アシッドブルー248、C.I.アシッドバオレット15、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.アシッドブラック1、C.I.アシッドブラック2、塩基性染料としては、C.I.ベーシックオレンジ2、C.I.ベーシックオレンジ14、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックブルー9、C.I.ベーシックブルー26、C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット3、C.I.ベーシックバイオレット10、直接染料としては、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトイエロー44、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー87、C.I.ダイレクトバイオレット51、C.I.ダイレクトブラック19、食用色素としては、C.I.フードイエロー3、C.I.フードブラック2などが挙げられる。
本発明において用いることができる顔料としては、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。その他、着色樹脂粒子体として顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法などにより樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶化させたマイクロカプセル顔料、液晶類、可逆熱変色性組成物、フォトクロミック材料などの機能性材料を内包したマイクロカプセル顔料を用いても良い。更に、顔料を透明、半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子などや、また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料もしくは染料で着色したもの等も用いることもできる。これらの染料および顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。前記の通り、本発明において、着色剤として顔料を用いた際に、特に高い効果が得られる。
<水>
水としては、特に制限はなく、例えば、イオン交換水、限外ろ過水または蒸留水などを用いることができる。
<その他>
本発明によるインキ組成物は、本発明の性能を損なわない範囲で、インキ物性や機能を向上させる目的で、水溶性有機溶剤、pH調整剤、保湿剤、防錆剤、防腐剤、増粘剤などの各種添加剤を含んでもよい。
水溶性有機溶剤としては、(i)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、またはグリセリンなどのグリコール類、(ii)メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコールなどのアルコール類、および(iii)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブタノール、または3−メトキシ−3−メチルブタノールなどのグリコールエーテル類などが挙げられる。水溶性有機溶剤の添加量は、インキ組成物に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
pH調整剤としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミンなどの水溶性のアミン化合物などの有機塩基性化合物、乳酸およびクエン酸などが挙げられる。pH調整剤の添加量は、インキ組成物に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
保湿剤としては、前記水溶性有機溶剤の他に尿素、またはソルビットなどが挙げられる。保湿剤の添加量は、インキ組成物に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、サポニン、またはジアルキルチオ尿素などが挙げられる。
防腐剤としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3オン、N−(n−ブチル)−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバマート安息香酸ナトリウム、ベンゾトリアゾール及びフェノールなどが挙げられる。
また、水溶性樹脂として、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを用いることができる。さらに、樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂など含むエマルジョンを添加することができる。
さらには、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサンなどの消泡剤を添加することもできる。
また、潤滑性を向上することで、ボールの回転をスムーズにすることで、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制をしやすくするために、潤滑剤を用いることが好ましい。潤滑剤としては、脂肪酸、アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸エステル、アミノ酸、N−アシルアミノ酸、脂肪族アミドアルキレンオキサイド付加物、テルペノイド酸誘導体、およびそれらの塩などが挙げられる。より具体的には、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、アラニン、グリシン、リジン、スレオニン、セリン、プロリン、サルコシン、N-アシルサルコシン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドおよびそれらの塩などが挙げられる。特に、リン酸エステルを用いることが、好ましい。これは、リン酸基が金属吸着することで、より潤滑性を向上して、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制をしやすくするためである。リン酸エステルの種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、ヘキサノール系等が上げられる。この中でも、フェニル骨格を有すると立体障害により潤滑性に影響が出やすいため、フェニル骨格を有さないリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、好ましい。前記潤滑剤は、単独または2種以上混合して使用してもよい。
本発明のインキ組成物には、有機樹脂粒子を用いることができる。有機樹脂粒子を用いるとインキの垂れさがりを抑制することができる。本発明で用いることができる有機樹脂粒子としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂粒子や、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ナイロン樹脂などの化学構造中に窒素原子を含む含窒素樹脂粒子や、アクリル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、セルロース樹脂粒子などが挙げられる。これらの有機樹脂粒子は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
前記有機樹脂粒子の中でも、オレフィン系樹脂粒子、含窒素樹脂粒子を用いることが好ましい。これは、オレフィン系樹脂粒子が炭化水素化合物であり、無極性であるために水中で凝集が起こりやすく、該凝集構造と前記共重合体とが、相互に絡み合うことで、よりインキ漏れを抑制しつつ、インキ吐出量の不足などの不具合を起こさないような最適化された凝集構造を形成しやすいためと推定される。さらに、オレフィン系樹脂粒子は溶融温度が高いため、高温環境下であっても安定して存在しやすく、高圧環境にあった場合では、変形はしやすく変性はしにくいという特徴を持っており、インキ添加剤として好適に用いることが可能である。
また、含窒素樹脂粒子は、水素結合性官能基を有する含窒素樹脂粒子を用いることが好ましく、これは、前記水素結合性官能基構造と前記共重合体とが、相互に絡み合うことで、よりインキ漏れ抑制効果を呈すると推測する。
前記オレフィン系樹脂粒子の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、インキ漏れ抑制や書き味を向上することを考慮すれば、ポリエチレンを用いることが好ましく、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレン、変性高密度ポリエチレンなどが挙げられる。その中でもインキ漏れ抑制効果を考慮すれば、低密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレンが好ましく、特に低密度ポリエチレンは、他種のポリエチレンよりも融点が低く、柔らかい性質があるため、ポリエチレン粒子が密着しやすく、粒子間の隙間を生じづらく、インキ漏れしづらいため、低密度ポリエチレンが好ましく、さらに、低密度ポリエチレンは、柔らかいため、書き味を向上するなど、好適に用いることが可能である。オレフィン系樹脂粒子は、必要に応じてポリオレフィン以外の材料を含んでいてもよい。
前記含窒素樹脂粒子の中でも、アミノ基またはイミノ基を有することが好ましい、これは、アミノ基及またはイミノ基を有すると、安定な凝集構造を長期間とりやすく、インキ漏れを抑制しやすいためである。なお、アミノ基、イミノ基の官能基を有する含窒素樹脂粒子としては、3級アミン、4級アミンなども含むものとする。
さらに、アミノ基またはイミノ基を有する窒素樹脂粒子の中でも、化学的に結合した三次元架橋構造を有する含窒素樹脂粒子を用いることが好ましい。これは、化学的に結合した三次元架橋構造を有すると、強度、耐熱性、耐溶剤性などに特に優れるため水性インキ中での吸湿などもせずに安定しているため、経時安定性に優れるため好ましい。さらに前記含窒素樹脂粒子自体の安定性と、含窒素樹脂粒子間の相互的な水素結合性により、長期間凝集構造をとりやすく、インキ漏れを安定して抑制しやすいためある。特に、架橋構造を有する含窒素樹脂粒子中でも、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド樹脂などの複素環構造を有する樹脂粒子は、より吸湿しづらく、安定しているため、好ましい。
架橋構造を有する含窒素樹脂粒子については、具体的には、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂粒子が挙げられる。また、アミド結合を有する含窒素樹脂粒子については、ナイロン6、ナイロン12などのナイロン樹脂やポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ウレタンウレア樹脂などのウレタン樹脂粒子などが挙げられる。
前記有機樹脂粒子の形状については、球状、もしくは異形の形状のものなどが使用できるが、摩擦抵抗を低減することを考慮すれば、球状樹脂粒子が好ましい。ここでいう球状樹脂粒子とは、真球状に限定されるものではなく、略球状の樹脂粒子や、略楕円球状の樹脂粒子などでも良い。
また、前記有機樹脂粒子の含有量について、インキ組成物全量に対し、0.01〜10.0質量%がより好ましい。これは、前記有機樹脂粒子の含有量が、0.01質量%未満だとインキ漏れを抑制しづらく、10.0質量%を越えると、凝集構造が強くなりやすく、書き味やドライアップ性能に影響が出やすいためである。さらに、より考慮すれば、0.02〜5.0質量%が好ましく、0.03〜1.0が特に好ましく、最も好ましくは、0.05〜0.5質量%が好ましい。
また、本発明のインキ組成物は、デキストリンを用いることができる。
これは、デキストリンを用いることで、ボールペンのペン先のインキが乾燥する際、皮膜を形成することから、ボールとチップ先端の内壁との間の隙間からのインキ漏れを抑制したり、ペン先のドライアップ性能を向上したりする効果を得ることができる。特に、前記有機樹脂粒子とデキストリンと併用することは、インキ漏れ抑制において、より効果的である。
前記デキストリンの重量平均分子量については、5000〜120000がより好ましい。デキストリンの重量平均分子量が120000を超えると、ペン先に形成される皮膜が硬く、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡がカスレやすい傾向があり、一方、重量平均分子量が5000未満だと、吸湿性が高くなりやすく、ペン先に生ずる皮膜が柔らかくなりやすく、インキ漏れ抑制の効果を十分に得られづらい傾向があるためである。さらに、重量平均分子量が20000より小さいと、皮膜が薄くなりやすい傾向があるため、重量平均分子量が、20000〜120000が特に好ましい。
インキ組成物における前記デキストリンの含有量は、インキ組成物の総質量を基準として、0.1〜5質量%であることが好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、インキ漏れ抑制やペン先のドライアップ性能の向上効果が十分得られない傾向にあり、5質量%を越えると、インキ中で溶解しづらい傾向にあるためである。よりインキ中の溶解性について考慮すれば、0.1〜3質量%であることが好ましく、よりインキ漏れ抑制やドライアップ性能の向上について考慮すれば、1〜3質量%であることが、特に好ましい。
本発明において用いることができる増粘剤としては、アルカリ膨潤会合型増粘剤、ノニオン会合型増粘剤などの会合型増粘剤、天然物由来の高分子多糖類などの有機インキ粘度調整剤が挙げられ、これらの増粘剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。具体的には、高分子多糖類としては、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ−カラギーナン、ダイユータンガム、発酵セルロース、セルロースナノファイバーなどのセルロース及びその誘導体、などが挙げられる。
本発明によるインキ組成物の粘度勾配は、20℃における粘性指数nで表すことができる。ここで、粘性指数nは、S=αDで示される粘性式中のnを指す。なお、Sは剪断応力(dyn/cm2=0.1Pa)、Dは剪断速度(s−1)、αは粘性係数を示す。粘性指数nは、E型回転粘度計(DV−II+Pro、コーン型ローターCPE−42、ブルックフィールド社製)を用いてインキ粘度を測定して、算出することができる。
<インキ組成物の製造方法>
本発明によるインキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記の配合組成および方法により、ゲル状組成物を得た。
トリエタノールアミン(pH調整剤) 1.0質量%
(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体 0.3質量%
(共重合体 カルボン酸とメチルエステルのモル比1:2.1、
アクリル酸基とメタクリル酸基のモル比1:0.36)
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンメチルグルコース 0.7質量%
(架橋剤)
イオン交換水 98.0質量%
水、共重合体、架橋剤、pH調整剤をホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌して、実施例1のゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、950mPa・sであり、剪断速度192sec−1(回転数50rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、113mPa・sであった。その時のTI値は8.6であった。
<実施例2〜11>
ゲル状組成物を表1において表される組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてゲル状組成物を得た。
<比較例1〜3>
ゲル状組成物を表1において表される組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてゲル状組成物を得た。
Figure 2019077806

(1)(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体
(カルボン酸とメチルエステルのモル比1:2.1、
アクリル酸基とメタクリル酸基のモル比1:0.36)
(2)(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エチル共重合体
(カルボン酸とエチルエステルのモル比1:1、
アクリル酸基とメタクリル酸基のモル比1:0.82)
(3)メチル変性量 8/100
(エチレンオキシドユニット100に対しメチル変性8)
(4)フェニル変性量 1/100 メチル変性量 1/100
(エチレンオキシドユニット100に対しフェニル変性1、メチル変性1)
(5)フェニル変性量 2/100
(エチレンオキシドユニット100に対しフェニル変性2)
(表1)に示した通り、実施例1〜5、9、10に係るゲル状組成物は、架橋剤を用いていない比較例1、2と比較して、同量の共重合体を用いたにも拘わらず、静置時の粘度が高く得られていた。また、実施例6〜8、11に係るゲル状組成物は、比較例1と比較して、共重合体の配合量が少ないにも拘わらず、比較例よりも高い粘度が得られていた。特に、実施例6、7、11の結果から分かるように、共重合体の配合量が少ないにも拘わらず、剪断速度1.92sec−1における粘度と剪断速度192sec−1における粘度の粘度勾配が大きく、比較例よりも高いTI値を示していた。比較例3は、架橋剤のみを用いて例であったが、架橋剤だけでは、増粘しない事が明らかである。
前記の通り、実施例1〜11のゲル状組成物は、共重合体と架橋剤を組み合わせた効果により、発現粘度が高く、剪断減粘性が大きく、良好な性能を示すことが明らかとなった。
<実施例12>
下記の配合組成および方法により、筆記具用インキ組成物を得た。
(筆記具用水性インキ組成物1)
着色球状樹脂粒子(着色剤) 10.0質量%
ジエチレングリコール(水溶性有機溶剤) 10.0質量%
トリエタノールアミン(pH調整剤) 3.0質量%
リン酸エステル(ラウリルアルコール系 潤滑剤) 1.0質量%
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5質量%
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(防腐剤) 0.1質量%
(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体 0.45質量%
(共重合体 カルボン酸とメチルエステルのモル比1:2.1、
アクリル酸基とメタクリル酸基のモル比1:0.36)
ポリオキシエチレンテトラオレエート(架橋剤) 1.8質量%
イオン交換水 73.16質量%
着色剤、水、水溶性有機溶剤、pH調整剤、潤滑剤、防錆剤、防腐剤をディスパーで加温撹拌等してベースインキを作製した。その後、上記作製したベースインキを加温しながら、剪断減粘性付与剤、架橋剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌して、実施例12の筆記具用水性インキ組成物を得た。得られたインキ組成物のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、1254mPa・sであり、剪断速度192sec−1(回転数50rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、106mPa・sであった。
<実施例13>
インキ組成物を表2において表される組成に変更した以外は、実施例12と同様にして水性ボールペン用インキ組成物を得た。
<比較例4〜8>
インキ組成物を表2において表される組成に変更した以外は、実施例1と同様にして水性ボールペン用インキ組成物を得た。
Figure 2019077806

(6)架橋型アクリル酸重合体(ハイビスワコー104 和光純薬社製)
(7)架橋型アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体
(Pemulen TR1 ルーブリゾール社製 アルキルの炭素数10〜30)
インキ安定性試験:前記実施例12、13、比較例4〜8で得られたインキ組成物を50mlスクリュー管に入れ、50℃で2ヶ月経時し、顕微鏡にてその状態を観察した。
○:着色剤などの凝集が見られず、初期状態を保っており、インキ安定性は良好。
△:着色剤などの凝集がわずかに見られ、上澄みがわずかに見られるなどインキ安定性が若干悪い。
×:着色剤などの凝集が見られ、初期の状態を保っておらず、インキ安定性が悪い。
実施例12、13、比較例4、7、8で得られたインキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.7mm、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ボール径:0.7mm、ボール表面の算術平均粗さ(Ra):1nm)をチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に充填したレフィル(インキ充填量1.0g)を(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−2)に装着して、以下の試験および評価を行った。
筆記性試験1:前記実施例12、13、比較例4、7、8で得られたインキ組成物を用いたゲルインキボールペンを筆記角度65度、筆記速度4m/minで筆記用紙Aに筆記し、その時の筆跡の滲み状態を目視により観察した。
◎:筆跡に滲みが見られず、良好な筆跡が得られている。
○:筆跡にわずかに滲みが見られるが、良好な筆跡が得られている。
△:筆跡に滲みが見られるが、実用上問題ない筆跡が得られている。
×:筆跡の滲みがひどく、実用上問題のある筆跡となっている。
筆記性試験2:前記実施例12、13、比較例4、7、8で得られたインキ組成物を用いたゲルインキボールペンを筆記角度65度、筆記速度4m/minで筆記用紙Aに筆記し、その時の筆跡の線割れ状態を目視により観察した。
○:筆跡に線割れが見られず、均一で良好な筆跡が得られている。
△:筆跡に線割れが見られるが、実用上問題ない筆跡が得られている。
×:筆跡の線割れがひどく、実用上問題のある筆跡となっている。
(表2)に示した通り、実施例12、13に係るインキ組成物は、インキ安定性、筆記性共に優れたもので有った。一方、比較例4、7、8のインキ組成物を用いたボールペンにおいては、筆記した際に滲み、線割れが見られ、性能が劣っていることが明らかとなった。
前記の通り、実施例12、13のインキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンは、特定の共重合体と架橋剤を用いることにより、良好な性能を示すことが明らかとなった。
本発明のゲル状組成物は、筆記具インキ組成物など各種インキ組成物、洗浄剤、サニタリー用品、トイレタリー用品、パーソナルケア品、ヘルスケア品、化粧品、医療品、医薬品、農業用品、電極、電池などに用いることができる。さらに、インキ組成物とした場合に、それを用いた、キャップ式、ノック式等のボールペン、各種マーカー類などの筆記具用として用いることができる。

Claims (4)

  1. 水と、下記一般式(1)で表されるモノマーと下記一般式(2)で表されるモノマーを共重合して得られる共重合体と架橋剤を含んでなるゲル状組成物。
    Figure 2019077806

    (式中R、水素またはメチル基)
    Figure 2019077806

    (式中Rは、水素またはメチル基、Rは、炭素数1〜5の直鎖または側鎖を有するアルキル基)
  2. 前記架橋剤が、前記共重合体とファンデルワールスによる分子間凝集力を発現できる化合物である請求項1に記載のゲル状組成物。
  3. 請求項1または2に記載のゲル状組成物と着色剤を含んでなる筆記具用水性インキ組成物。
  4. 請求項3に記載の筆記具用水性インキ組成物を具備してなる筆記具。
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