JP2019077794A - 湿気硬化型ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

湿気硬化型ウレタン樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019077794A
JP2019077794A JP2017206093A JP2017206093A JP2019077794A JP 2019077794 A JP2019077794 A JP 2019077794A JP 2017206093 A JP2017206093 A JP 2017206093A JP 2017206093 A JP2017206093 A JP 2017206093A JP 2019077794 A JP2019077794 A JP 2019077794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
resin composition
lithium
urethane resin
isocyanate group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017206093A
Other languages
English (en)
Inventor
友昭 原田
Tomoaki Harada
友昭 原田
南田 至彦
Yukihiko Minamida
至彦 南田
諒 野中
Ryo Nonaka
諒 野中
山本 卓司
Takuji Yamamoto
卓司 山本
宏子 桜井
Hiroko Sakurai
宏子 桜井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2017206093A priority Critical patent/JP2019077794A/ja
Publication of JP2019077794A publication Critical patent/JP2019077794A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、酸素バリア及び水蒸気バリア性に優れる湿気硬化型ウレタン組成物を提供することである。【解決手段】 イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、リチウム型部分固定型スメクタイトとを含有する、湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を提供することで、上記課題を解決する。また、アルコール化合物とリチウム型部分固定型スメクタイトを含有する混合物と、イソシアネート化合物とを反応させ、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとリチウム型部分固定型スメクタイト含有する組成物を製造する工程を有することを特徴とする、湿気硬化型ウレタン樹脂組成物の製造方法も提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウム部分固定型スメクタイトを含有する、湿気硬化型ウレタン樹脂組成物に関する。
ウレタンプレポリマーを主成分とする湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、ウレタンプレポリマーが有する湿気架橋反応性により、湿気硬化型ポリウレタン接着剤などに使用される。
中でも、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、常温では固体であるが加熱によって溶融して塗布可能となるため、溶融状態で塗布し、冷えると固化し接着性を発現するものである。また、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、冷却固化により初期接着を発現し、その後硬化して最終的な接着強度を得るものである。
近年、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、溶剤を含まないことから、環境対応型接着剤として、建築部材、フィルム、ラベル、衛生用品、光学用部材等の貼り合せに広く利用されている。
上記用途の中でも、建材分野等で使用される化粧造作部材やフラッシュパネルに関しては、接着性性能に加え、美観や耐久性などの品質向上の強い要請があった。
特に、結露による化粧造作部材の反りや膨れを抑制して、耐久性(特に防湿性)を向上させる目的で、化粧造作部材の内部に耐透湿層を設ける方法が検討されてきた。
例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含有し、前記ポリオール成分は、分子中にシクロオレフィン構造を有するポリオールを含有し、前記ウレタンプレポリマー中の前記シクロオレフィン構造の含有量が10〜30質量%の範囲内である湿気硬化型ホットメルト接着剤が知られている(特許文献1参照)。
以上のように、水蒸気バリア性の改善手法としては、ウレタンプレポリマーに用いるポリオールについての検討が主々なされているが、未だ十分な水蒸気バリア性の改善が進んでいないのが現状である。
特開2008−231151号公報
本発明が解決しようとする課題は、酸素バリア及び水蒸気バリア性に優れる湿気硬化型ウレタン組成物を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく研究を進める中で、リチウム部分固定型スメクタイトに着目し鋭意研究を進めた。
その結果、ポリオール中にリチウム部分固定型スメクタイトを分散させたポリオール組成物を用いることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとリチウム型部分固定型スメクタイトとを含有する、湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、優れた水蒸気バリア性を有する湿気硬化型ウレタンは樹脂組成物が得られる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施
形態に限定されるものではない。
実施形態の樹脂組成物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有する。
スメクタイトとは、層構造を有するフィロケイ酸塩鉱物(層状粘土鉱物)の一種である。スメクタイトの具体的な構造としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト、ソーコナイト等の構造が知られている。これらのうち、粘土材料の構造としてはモンモリロナイト及び/又はスティーブンサイト構造が好ましい。これらの構造は、八面体シートの金属元素の一部に低原子価金属元素との同型置換や欠陥があるために八面体シートが負に帯電している。その結果、これらの構造は八面体シートに空きサイトを有しており、イオンが安定して存在できる。
保有する陽イオンがリチウムイオンであるスメクタイトをリチウム型スメクタイトという。スメクタイトの有する陽イオンをリチウムイオンに交換する方法としては、例えば天然のナトリウム型スメクタイトの分散液に、水酸化リチウム、塩化リチウム等のリチウム塩を添加し、陽イオン交換させる方法が挙げられる。分散液中に添加するリチウムの量を調節することで、得られるリチウム型スメクタイトの浸出陽イオン量に占めるリチウムイオンの量を適宜に調節することができる。また、リチウム型スメクタイトは、陽イオン交換樹脂をリチウムイオンにイオン交換した樹脂を用いたカラム法、又はバッチ法によっても得ることができる。
本実施形態において、リチウム部分固定型スメクタイトとは、リチウム型スメクタイトにおけるリチウムイオンの一部が八面体シートの空きサイトに固定化されたスメクタイトのことをいう。リチウム部分固定型スメクタイトは、例えばリチウム型スメクタイトを加熱処理により、層間のリチウムイオンが八面体シートの空きサイトに固定化される。リチウムイオンが固定化されることで、スメクタイトが耐水化される。
リチウムを部分固定する加熱処理の温度条件は、リチウムを固定化できれば特に制限はない。後述するように、陽イオン交換容量が小さいと、リチウム部分固定型スメクタイトを配合した樹脂組成物の水蒸気バリア性及び酸素バリア性が向上する。そこで、リチウムイオンを効率的に固定化し、陽イオン交換容量を大きく低下させる観点から、150℃以上に加熱することが好ましい。上記加熱処理の温度は150〜600℃がより好ましく、更に好ましくは180〜600℃であり、特に好ましくは200〜500℃であり、最も好ましくは300〜500℃である。上記温度に加熱することで、陽イオン交換容量をより効率的に低下させることができると同時に、スメクタイト中の水酸基の脱水反応等を抑えることができる。上記加熱処理は開放系の電気炉で実施することが好ましい。この場合、加熱時の相対湿度は5%以下となり、圧力は常圧となる。上記加熱処理の時間も、リチウムを部分的に固定ができれば特に制限はないが、生産の効率性の観点から、0.5〜48時間とすることが好ましく、1〜24時間とすることがより好ましい。
通常、スメクタイトとは陽イオン交換容量が60−150meq/100gの粘土であるが、実施形態のリチウム部分固定型スメクタイトは、陽イオン交換容量が1〜50meq/100gであることが好ましい。リチウム部分固定型スメクタイトの陽イオン交換容量は、5〜50meq/100gであってもよく、10〜50meq/100gであってもよい。陽イオン交換容量が上述の範囲内であることにより、樹脂組成物の水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。
スメクタイトの陽イオン交換容量は、Schollenberger法(粘土ハンドブック第三版、日本粘土学会編、2009年5月、p.453−454)に準じた方法で測定することができる。より具体的には、日本ベントナイト工業会標準試験方法JBAS−106−77に記載の方法で測定することができる。 スメクタイトの浸出陽イオン量は、スメクタイトの層間陽イオンをスメクタイト0.5gに対して100mLの1M酢酸アンモニウム水溶液を用いて4時間以上かけて浸出させ、得られた溶液中の各種陽イオンの濃度を、ICP発光分析や原子吸光分析等により測定し、算出することができる。
リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、0.5〜50質量%であることが好ましい。なお、不揮発分とは、樹脂組成物全質量から、希釈溶剤質量、ウレタンプレポリマー、修飾剤および各種添加剤に含まれる揮発成分質量を除く質量とする。
リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が不揮発分全量に対し、0.5質量%以上である場合、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。また、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が50質量%以下である場合、樹脂組成物の成形性がより一層優れたものとなり、かつ、基材への密着性が向上する。リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、1〜30質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることが更に好ましい。
<イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー>
実施形態の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する。イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとはイソシアネート基とウレタン結合とを有する化合物である。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は特に限定はないが、500〜30000の範囲が好ましく、1000〜10000の範囲がより好ましい。ウレタンプレポリマーのMnが前記範囲であれば、流動性や加工性に優れるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー組成物を得ることができる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、イソシアネート化合物とアルコール化合物とを反応させることで得ることができる。例えば、イソシアネート化合物の入った反応容器に、アルコール化合物を滴下、分割、一括などの適当な方法で発熱を制御しながら仕込み加熱することで得ることができる。イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとしては、前記イソシアネート化合物の有するイソシアネート基が、前記アルコール化合物の有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることによって製造することができる。
本発明の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを合成し、合成されたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとリチウム部分固定型スメクタイトと混合して得られたものであってもよく、イソシアネート化合物とアルコール化合物とリチウム部分固定型スメクタイトとを配合したのち、イソシアネート化合物とアルコール化合物とを反応させることで得られたものであってもよい。更には、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー原料の一方(イソシアネート化合物またはアルコール化合物のいずれか一方)とリチウム部分固定型スメクタイトを混合しておき、その後、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー原料の他方と混合してもよい。好ましくは、アルコール化合物とリチウム型部分固定型スメクタイトを含有する混合物と、イソシアネート化合物とを反応させ、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとリチウム型部分固定型スメクタイト含有する組成物を製造する方法である。
アルコール化合物としては、アルコール性水酸基を有する化合物であれば良く、好ましくは水酸基を2個以上有するポリオールである。アルコール化合物としては、例えば脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオール、ダイマージオール等が挙げられる。これらのポリオールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族ポリオールとしては、例えば炭素原子数2〜6のアルキレンジオールが挙げられる。炭素原子数2〜6のアルキレンジオールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のジオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体、プロピレングリコールプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加体、グリセリンプロピレンオキサイド付加体、エチレンジアミンプロピレンオキサイド付加体、エチレンジアミンプロピレンオキサイド付加体、ソルビトール系プロピレンオキサイド付加体、シュークローズ系プロピレンオキサイド付加体、プロピレンオキサイド・エチレンオキサイドランダムポリエーテル等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、一般式HO−R−[(OCOO)−R]n−OH(Rは二価の有機基、nは1以上の数)で表されるものが挙げられ、Rとしてはアルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基、アラルキレン基又はこれらの組合せが挙げられる。nは上述した好ましい水酸基価に相当する数が好ましい。具体的には、旭化成社製のデュラノールG3452、G4672、T5652(いずれも商品名)、三菱化学製のベネビオールNLB(商品名)、東ソー株式会社製のニッポラン981、ニッポラン980R、ニッポラン982R、ニッポラン963、ニッポラン964(いずれも商品名)等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、カルボン酸(又はその塩)若しくはジカルボン酸無水物と多価アルコールとの反応物、又はカプロラクトンの開環重合物等が挙げられる。前者の場合、カルボン酸としてはアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、およびこれらジカルボン酸の無水物、又はp−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等のエステル形成性誘導体およびこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体の多塩基酸が適用でき、これらは単独で、又は二種以上の混合物で使用することができる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の炭素数1〜12のアルキレンジオールが挙げられる。後者の例としては、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム、β−プロピロラクタム等の開環重合物がある。
前記ポリエステルポリオールの水酸基価は特に限定はないが、好ましくは45〜225mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは75〜225の範囲である。尚、水酸基価は、JIS K0070に準拠して測定した値である。
前記ポリエステルポリオールの酸価は、好ましくは2mgKOH/g以下であり、より好ましくは0〜1の範囲であり、更に好ましくは0〜0.5の範囲である。尚、酸価は、JIS K1557−5に準拠して測定した値である。
イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を有する化合物であれば良く、好ましくはイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネートである。イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族若しくは脂環族ポリイソシアネート、又はこれらの変性体が挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えばポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロへキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、又はこれらのイソシアネートの3量体等が挙げられる。ポリイソシアネートの変性体としては、例えばトリメチロールプロパンアダクト型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビューレット型変性体、アロファネート型変性体等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノールなどの第3級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類、重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、例えば、20〜120℃の温度範囲内で、必要に応じてウレタン化触媒を用い、上記イソシアネート化合物と上記アルコール化合物とを反応させることにより得ることができる。このとき、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、ジフェニルメタンジイソシアネート類に由来するイソシアネート基を分子末端に有するウレタンプレポリマーであると好ましい。
前記ウレタンプレポリマーを製造する際に使用するアルコール化合物とイソシアネート化合物との使用割合としては、前記イソシアネート化合物が有するイソシアネート基と前記アルコール化合物が有する水酸基との当量比(以下、[NCO基/OH基]という。)が、好ましくは1.1〜5.0の範囲であり、より好ましくは1.5〜3.0の範囲である。前記[NCO基/OH基]をかかる範囲に調整することにより、適度な溶融粘度を有していて、塗装作業性に優れる湿気硬化型ポリウレタンプレポリマーを得ることができる。
前記ウレタンプレポリマーの製造は、通常、無溶剤で行うことができるが、有機溶剤中で反応させ製造してもよい。有機溶剤中で反応させる場合には、反応を阻害しない溶剤を選択すべきであり、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶剤が挙げられる。使用した前記有機溶剤は、反応の途中又は反応終了後に減圧加熱等の適当な方法により有機溶剤を除去・回収する。
前記ウレタンプレポリマーを製造する際には、必要に応じてウレタン化触媒を使用することができる。ウレタン化触媒は、前記反応の任意の段階で、適宜加えることができる。
前記ウレタン化触媒としては、特に限定せず、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどの含窒素化合物;酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛及びオクチル酸錫などの金属塩;ジブチル錫ジラウレートなどの有機金属化合物が挙げられる。
また、前記ウレタンプレポリマーの120℃での溶融粘度としては、加工適正と防湿性とを両立するうえで、好ましくは1000〜50000mPa・sの範囲であり、より好ましくは3000〜30000mPa・sの範囲である。なお、前記120℃における溶融粘度は、B型粘度計で測定した値を示す。
また、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基含有率(即ち、NCO%)としては、加工適正と防湿性能とを両立するうえで、好ましくは1〜10%であり、より好ましくは2〜8%である。なお、前記ウレタンプレポリマーのNCO%は、JISK1603−1:2007に準拠し、電位差滴定法により測定した値を示す。
なお、本発明のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、湿気架橋反応性を有する。ウレタンプレポリマーが有する湿気架橋反応性は、ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基と湿気(水)とが反応して開始する架橋反応に由来するものであり、ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基に起因する性質である。
前記ウレタンプレポリマーの軟化点は特に限定はないが、好ましくは40〜120℃の範囲である場合である。前記軟化点がかかる範囲であれば、ホットメルト組成物として使用することができるため、優れた作業性を有する湿気硬化性ポリウレタン組成物として非常に好ましい。より好ましくは軟化点が60〜100℃の範囲である。
なお、本発明でいう軟化点とは、ウレタンプレポリマーの温度を段階的に上昇させた場合に、熱流動し始め凝集力を失う温度を云い、JIS K 5902に準拠した環球法により求められた値である。
前記湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の不揮発成分中の前記ウレタンプレポリマーの含有量は、好ましくは50〜99.5質量%の範囲であり、より好ましくは70〜99質量%の範囲である。
<添加剤>
本発明の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとリチウム型部分固定型スメクタイト以外の添加剤を含有しても構わない。添加剤としては、特に限定しないが、例えば、溶剤、修飾剤、有機フィラー、無機フィラー、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤、酸素捕捉剤(酸素捕捉機能を有する化合物)、粘着付与剤、架橋剤、硬化触媒、染料、顔料、蛍光増白剤等が例示できる。
溶剤としては有機溶剤が挙げられ、例えばメチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。溶剤の種類及び使用量は使用用途によって適宜選択すればよい。
修飾剤としては、カップリング剤、シラン化合物等が挙げられ、これらは単独でも複数種を同時に用いても構わない。樹脂組成物がこれらの修飾剤を含有する場合、リチウム部分固定型スメクタイトの濡れ性が向上し、樹脂組成物への分散性が向上する。
カップリング剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばエポキシ基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。エポキシ基含有シランカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。アミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤としては、例えば3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。イソシアネート基含有シランカップリング剤としては、例えば3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
ジルコニウムカップリング剤としては、例えば、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、フッ化ジルコニウム等が挙げられる。
アルミカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロポキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
シラン化合物としては、アルコキシシラン、シラザン、シロキサン等が挙げられる。アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。シラザンとしてはヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。シロキサンとしては加水分解性基含有シロキサン等が挙げられる。
修飾剤の配合量としては、リチウム部分固定型スメクタイト全量に対し、0.1〜50
質量%であることが好ましい。修飾剤の配合量は、0.1質量%以上であればリチウム部
分固定型スメクタイトの樹脂組成物への分散性がより良好なものとなる。また、修飾剤の
配合量は、50質量%以下であれば樹脂組成物に対する修飾剤の機械物性への影響をより
抑えることができる。修飾剤の配合量は、好ましくは0.3〜30質量%であり、より好
ましくは0.5〜15質量%である。
添加剤のうち、無機フィラーとしては、金属、金属酸化物、樹脂、鉱物等の無機物及びこれらの複合物が挙げられる。無機フィラーの具体例としては、シリカ、アルミナ、チタン、ジルコニア、銅、鉄、銀、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク、粘土鉱物、カーボンブラック等が挙げられる。これらの中でも、ガスバリア性を向上させる目的で、粘土鉱物を使用することが好ましく、粘土鉱物の中でも膨潤性無機層状化合物を使用することがより好ましい。
膨潤性無機層状化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。膨潤性無機層状化合物は単独でまたは二種以上組み合わせて使用される。
酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC
、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化
合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
粘着付与剤としては、例えばロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、水添テルペン系樹脂や、石油樹脂としてC5系の脂肪族樹脂、C9系の芳香族樹脂、およびC5系とC9系の共重合樹脂等を使用することができる。
前記可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、トリオクチルホスフェート、エポキシ系可塑剤、トルエン−スルホアミド、クロロパラフィン、アジピン酸エステル、ヒマシ油等を使用することができる。メチルアシッドホスフェート(AP−1)、アクリル系表面調整剤(BYK−361N)も使用できる。
前記安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等を使用することができる。
<成形体>
実施形態の成形体は、上述した湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を成形して得ることができる。成形方法は任意であり、用途によって適時選択すればよい。成形体の形状に制限はなく、板状、シート状、又はフィルム状であってもよく、立体形状を有していてもよく、基材に塗布されたものであってもよく、基材と基材の間に存在する形で成形されたものであってもよい。
板状、シート状の成形体を製造する場合、例えば押し出し成形法、平面プレス、異形押し出し成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空成形法、射出成形法等を用いて樹脂組成物を成形する方法が挙げられる。また、フィルム状の成形体を製造する場合、例えば溶融押出法、溶液キャスト法、インフレーションフィルム成形、キャスト成形、押出ラミネーション成形、カレンダー成形、シート成形、繊維成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、被覆成形が挙げられる。熱や活性エネルギー線で硬化する樹脂組成物である場合、熱や活性エネルギー線を用いた各種硬化方法を用いて樹脂組成物を成形してもよい。
樹脂組成物が液状である場合、塗工により成形してもよい。塗工方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンス法等が挙げられる。
実施形態の積層体は、上述した成形体を基材上に備えるものである。積層体は2層構造であってもよく、3層構造以上であってもよい。
基材の材質は特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば木材、金属、プラスチック、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。基材の形状は特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また、基材の硬度、厚み等にも制限はない。
積層体は、基材上に上述した成形体を積層することで得ることができる。基材上に積層する成形体は、基材に対し直接塗工又は直接成形により形成してもよく、樹脂組成物の成形体を積層してもよい。直接塗工する場合、塗工方法としては特に限定はなく、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。直接成形する場合は、インモールド成形、インサート成形、真空成形、押出ラミネート成形、プレス成形等が挙げられる。樹脂組成物の成形体を積層する場合、未硬化又は半硬化の樹脂組成物層を基材上に積層してから硬化させてもよく、樹脂組成物を完全硬化した硬化物層を基材上に積層してもよい。
また、積層体は、樹脂組成物の硬化物に対して基材の前駆体を塗工して硬化させることで得てもよく、基材の前駆体又は樹脂組成物が未硬化若しくは半硬化の状態で接着させた後に硬化させて得てもよい。基材の前駆体としては特に限定はなく、各種硬化性樹脂組成物等が挙げられる。また、実施形態に係る樹脂組成物を接着剤として用いることで積層体を作成してもよい。
湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、コーティング材又は接着剤として好適に用いることができる。すなわち、実施形態のコーティング材又は接着剤は、上述した湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を含むものであればよい。
コーティング材のコーティング方法としては特に制限されないが、具体的な方法として
は、ロールコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。
また、コーティング装置についても特に限定されない。
湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、接着性に優れるため、接着剤として好適に用いることができる。接着剤の形態には特に限定はなく、液状又はペースト状の接着剤としてもよく、固形状の接着剤としてもよい。湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、高いガスバリア性を有することから、この接着剤はガスバリア用接着剤として好適に利用可能である。
液状又はペースト状の接着剤の場合、1液型の接着剤としてもよく、硬化剤を別にした2液型の接着剤としてもよい。液状又はペースト状の接着剤の場合は、使用方法としては特に限定はないが、一方の接着面に塗布後、他方の接着面を貼り合わせ、接着させてよく、又は接着面の界面に注入後、接着させてよい。
固形状の接着剤の場合は、粉末状、チップ状、又はシート状に成形した接着剤を、接着面の界面に設置し、熱溶解させることで接着し、硬化させてよい。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂組成物に含有するフィラーとしてはリチウム部分固定型スメクタイト又はリチウム部分固定でないスメクタイトを用いた。リチウム部分固定型スメクタイトは、クニミネ工業株式会社製のモンモリロナイト分散スラリー(商品名:RCEC−W、陽イオン交換容量39.0meq/100g)を用いた。この分散スラリー中のリチウム部分固定型スメクタイトの含有量(w/w%)は20w/w%であった。また、リチウム部分固定でないスメクタイトは天然モンモリロナイト(商品名:クニピアF、陽イオン交換容量108meq/100g、クニミネ工業株式会社製)を用いた。
[実施例1]
ポリエステルポリオールとして、「樹脂1」(エチレングリコール、オルトフタル酸、アジピン酸をモル比で1.2:0.7:0.3で反応させたもの、水酸基価139.7、数平均分子量750)を160質量部、RCEC−Wを200重量部、アセトンを300重量部、ヘキサメチルジシラザン(商品名:LS−7150 信越化学工業株式会社製)を0.8重量部、をプラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、T.K.HIVISMIX 2P−1)を用い、50℃で加熱しながら減圧脱溶剤を行い、フィラー分散液1を作製した。フィラー分散液1中のフィラー含有量は20w/w%であった。
次に、温度計、撹拌機、不活性ガス導入口を備えた四口フラスコに、上記のフィラー分散液1を16.4質量部、脂環構造含有ポリオール(1,4−ヘキサンジカルボン酸とネオペンチルグリコールとの反応物、数平均分子量:1000)47.5質量部、結晶性ポリエステルポリオール(1,6−ヘキサンジオールとドデカン二酸との反応物、数平均分子量:3500)14質量部とを混合し、100℃で減圧加熱することにより、フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。次いで、フラスコ内を70℃に冷却し、70℃で溶融した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー(株)製、ミリオネートMT)を26.1質量部加え、イソシアネート基含有量が一定となるまで110℃で約3時間反応させることによってウレタンプレポリマーの合成反応を行い、ウレタンプレポリマーを含有する組成物1(120℃における溶融粘度;15000mPa・s、NCO%;3.0%)を得た。
[比較例1]
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口を備えた四口フラスコに、脂環構造含有ポリオール(1,4−ヘキサンジカルボン酸とネオペンチルグリコールとの反応物、数平均分子量:1000)47.5質量部、結晶性ポリエステルポリオール(1,6−ヘキサンジオールとドデカン二酸との反応物、数平均分子量:3500)14質量部とを混合し、100℃で減圧加熱することにより、フラスコ内の全量に対する水分が0.05質量%となるまで脱水した。次いで、フラスコ内を70℃に冷却し、70℃で溶融した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(東ソー(株)製、ミリオネートMT)を20質量部加え、イソシアネート基含有量が一定となるまで110℃で約3時間反応させることによってウレタンプレポリマーの合成反応を行い、ウレタンプレポリマーを含有する比較組成物1(120℃における溶融粘度;12000mPa・s、NCO%;3.0%)を得た。
[比較例2]
ポリエステルポリオールとして「樹脂1」を160質量部、クニピアFを40重量部、ヘキサメチルジシラザン(商品名:LS−7150 信越化学工業株式会社製)を0.8重量部、をプラネタリーミキサーを用い2時間撹拌混合し、フィラー分散液2を作製した。フィラー分散液2中のフィラー含有量は20w/w%であった。
次に、実施例1に置いてフィラー分散液1をフィラー分散液2にした以外は同様にして、ウレタンプレポリマーを含有する比較組成物2を得た。
<評価>
表面温度100℃に調整したガラス板上に、ポリエチレンテレフタレートからなる離型フィルムを載置した。該離型フィルム上に、実施例および比較例で得られた各組成物を120℃で加熱溶融状態にし、膜厚100μmになるようにアプリケーターを用いて塗布し、塗布物とした。
該塗布物を、温度23℃、相対湿度65%の恒温恒湿槽内で1週間放置した後、各組成物から形成されたフィルムを該離型フィルムから剥離し、測定用フィルムを得た。
得られた各測定用フィルムについて、酸素透過性及び水蒸気透過性を評価した。評価結果を表1に示す。なお、酸素透過性、水蒸気透過性の評価は以下の方法で実施した。
(酸素透過率)
酸素透過率の測定は、JIS−K7126(等圧法)に準じ、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN1/50を用いて、温度23℃、湿度0%RHの雰囲気下、及び、温度23℃、湿度90%RHの雰囲気下で実施した。なお、RHとは相対湿度を表す。
(水蒸気透過率)
水蒸気透過率の測定は、JIS−K7129に準じ、イリノイ社製水蒸気透過率測定装置7001を用いて、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で測定した。
Figure 2019077794
本発明の樹脂組成物は、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性及び酸素バリア性に優れることから、接着剤を始め、包装材料、電子材料、建築材料等、様々な分野に好適に使用可能である

Claims (12)

  1. イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、リチウム型部分固定型スメクタイトとを含有する、湿気硬化型ウレタン樹脂組成物。
  2. 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、ジフェニルメタンジイソシアネート類に由来するイソシアネート基を分子末端に有するウレタンプレポリマーである、請求項1に記載の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物。
  3. 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの軟化点が40−120℃である、請求項1または2に記載の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物。
  4. 前記リチウム部分固定型スメクタイトは、陽イオン交換容量が1〜50meq/100gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物。
  5. 前記リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、前記樹脂組成物の不揮発分全量に対し、0.5〜50質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物の成形体。
  7. 請求項6に記載の成形体を基材上に備える積層体。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を含むガスバリア材。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を含むコーティング材。
  10. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を含む接着剤。
  11. アルコール化合物とリチウム型部分固定型スメクタイトを含有する混合物と、イソシアネート化合物とを反応させ、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとリチウム型部分固定型スメクタイト含有する組成物を製造する工程を有することを特徴とする、湿気硬化型ウレタン樹脂組成物の製造方法。
  12. イソシアネート化合物が有するイソシアネート基とアルコール化合物の有する水酸基の当量比が1.1〜5.0である、請求項11に記載の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物の製造方法。
JP2017206093A 2017-10-25 2017-10-25 湿気硬化型ウレタン樹脂組成物 Pending JP2019077794A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017206093A JP2019077794A (ja) 2017-10-25 2017-10-25 湿気硬化型ウレタン樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017206093A JP2019077794A (ja) 2017-10-25 2017-10-25 湿気硬化型ウレタン樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019077794A true JP2019077794A (ja) 2019-05-23

Family

ID=66627514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017206093A Pending JP2019077794A (ja) 2017-10-25 2017-10-25 湿気硬化型ウレタン樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019077794A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102223798B1 (ko) * 2019-09-06 2021-03-08 (주)디아스토리 섬유 접착용 수분 경화형 수지 조성물 및 이를 이용한 무봉제 접합방법
WO2023042735A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23 Dic株式会社 接着剤、積層体、包装材
WO2023042734A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23 Dic株式会社 ウレタンプレポリマーの製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013129736A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Dic Corp 一液硬化型ガスバリア接着剤及びそれを用いたフィルム、容器、チューブ
JP2017031015A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 クニミネ工業株式会社 リチウム固定型有機修飾モンモリロナイトの製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013129736A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Dic Corp 一液硬化型ガスバリア接着剤及びそれを用いたフィルム、容器、チューブ
JP2017031015A (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 クニミネ工業株式会社 リチウム固定型有機修飾モンモリロナイトの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102223798B1 (ko) * 2019-09-06 2021-03-08 (주)디아스토리 섬유 접착용 수분 경화형 수지 조성물 및 이를 이용한 무봉제 접합방법
WO2023042735A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23 Dic株式会社 接着剤、積層体、包装材
WO2023042734A1 (ja) * 2021-09-16 2023-03-23 Dic株式会社 ウレタンプレポリマーの製造方法
JP7409570B2 (ja) 2021-09-16 2024-01-09 Dic株式会社 ウレタンプレポリマーの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10407596B2 (en) UV-reactive hot-melt adhesive for laminating transparent films
JP6980234B2 (ja) 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤
EP1634904B1 (de) Blockierte Polyurethan-Prepolymere als Klebstoffe
US11739242B2 (en) Adhesive, laminated film using thereof and polyol composition for adhesive
US10329390B2 (en) Polyurethane nanocomposites
EP3770228A1 (en) Adhesive, laminated film, and production method for laminated film
RU2010129449A (ru) Термически отверждаемая полиэфирная композиция порошкового покрытия
EP3284794B1 (en) Adhesive composition and layered body using same
JP2019077794A (ja) 湿気硬化型ウレタン樹脂組成物
JP2000128949A (ja) ポリウレタン組成物
US11015013B2 (en) Resin composition, molded body, laminate, gas barrier material, coating material, and adhesive
JP4053415B2 (ja) ポリウレタン組成物
US20210087324A1 (en) Dual cure method using thermally latent tin catalysts
TWI388583B (zh) A polyurethane resin film material group formed on the substrate
JP2000007748A (ja) 多官能ポリウレタン尿素ポリオール樹脂組成物およびそれを用いたラミネート用接着剤組成物
EP3919579B1 (en) Urethane-based adhesive composition
JP2013095759A (ja) 樹脂ガラス用ポリウレタン接着剤組成物
JP7235698B2 (ja) ウレタン接着剤組成物
KR101191974B1 (ko) 금속-수지간 접착력 향상 방법
JP7409217B2 (ja) 接着剤セット、並びに構造体及びその製造方法
WO2014050839A1 (ja) 電子写真装置用ブレード、及び、その製造方法
JP2000160003A (ja) 1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物
JP2021176940A (ja) 接着剤セット、並びに構造体及びその製造方法
JP2004149787A (ja) ポリサルファイド系シーリング材組成物
JP2019210413A (ja) 接着剤、積層体および積層体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20180220

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190624

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210615

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211207