JP2019076045A - フルーティーなノンアルコールビール - Google Patents
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Abstract
【課題】フルーティーな風味が付与されたノンアルコールのビールテイスト飲料の提供。【解決手段】ピロロキノリンキノン及び/又はその塩を40〜125mg/L含む、ノンアルコールのビールテイスト飲料。ピロロキノリンキノンの塩がジナトリウムであるノンアルコールのビールテイスト飲料。カロリーが0〜4kcal/100ml、糖質の含量が0〜2.0g/100mlであるノンアルコールのビールテイスト飲料。また、該ノンアルコールのビールテイスト飲料を脳機能改善に使用する方法。【選択図】なし
Description
本発明は、フルーティーなノンアルコールのビールテイスト飲料を提供する。
ビールの製造において、麦芽とホップは大変重要な原料である。麦芽とホップに由来するポリフェノールは、ビールにコクを付与すると共に、味に締まりを与える。そして、ホップに由来する芳香成分は、ビールに華やかな香味を付与する。さらに、ホップに由来する苦味成分は、ビールにすっきりとした苦味と豊かな泡持ちを付与する。ビールにおいてフルーティーな風味を増強するためにホップの処理を変えて香気成分の増強が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。フルーティーな感覚は揮発性のある香気成分によることが明らかになっている。
近年、消費者の健康志向が高まる中、ノンアルコール、即ちアルコール度数が0.00%であるビールテイスト飲料の需要が高まっている。発酵が行われるとアルコールが生成することから、ノンアルコールビールテイスト飲料は、発酵を経ずに製造されることが多い。例えば、特許文献3は、植物性タンパク分解物並びに、麦芽抽出物を原料として用いることにより、ビール様の苦味やコク感のある、香味に厚みとまとまりが加わった、エタノールを実質的に含まない非発酵ビール風味炭酸飲料を製造することを記載する。また、例えば、特許文献4では味の調整にポリフェノールを添加することが記載されている。
さらに近年、健康志向の高まりを受けて機能性成分の添加が求められている。
ノンアルコールのビールテイスト飲料でのフルーティーを増強するには複雑で高価な処理されたホップを使用しなければならない。そのため簡便にフルーティーを増強するビールテイスト飲料への添加剤、及びその飲料が求められている。
本発明は、フルーティーが付与されたノンアルコールのビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
以上の事情に鑑み、本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、ピロロキノリンキノンを添加したフルーティー向上したノンアルコールのビールテイスト飲料を製造できることを知見として得た。ピロロキノリンキノンの味はなく、味覚への影響は知られていない。 また、蒸気圧はなく、単独で摂取してもフルーティーな感じはまったくない。したがって、当該知見は、全くの予想外であり、驚くべきものであった。そして、この知見に基づき、ノンアルコールのビールテイスト飲料におけるピロロキノリンキノンの濃度が特定の範囲内であれば、ノンアルコールのビールテイスト飲料に、渋みの浮いたバランスに欠けた風味になることなく、フルーティーを付与できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下に関する。
(1)
ピロロキノリンキノン及び/又はその塩を40から125mg/L含む、ノンアルコールのビールテイスト飲料。
(2)
ピロロキノリンキノンの塩がジナトリウムである、(1)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(3)
カロリーが0〜4kcal/100mlである、(1)又は(2)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(4)
糖質の含量が0〜2.0g/100mlである、(1)〜(3)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(5)
(1)〜(4)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料を脳機能改善に使用する方法。
(6)
(1)〜(4)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料を含む脳機能改善飲料。
(1)
ピロロキノリンキノン及び/又はその塩を40から125mg/L含む、ノンアルコールのビールテイスト飲料。
(2)
ピロロキノリンキノンの塩がジナトリウムである、(1)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(3)
カロリーが0〜4kcal/100mlである、(1)又は(2)に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(4)
糖質の含量が0〜2.0g/100mlである、(1)〜(3)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
(5)
(1)〜(4)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料を脳機能改善に使用する方法。
(6)
(1)〜(4)のいずれかに記載のノンアルコールのビールテイスト飲料を含む脳機能改善飲料。
本発明により、ノンアルコールのビールテイスト飲料において、渋みの浮いたバランスに欠けた風味とすることなく、フルーティーを付与することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」という。)について以下詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<ノンアルコールのビールテイスト飲料>
本実施の形態は、ノンアルコールのビールテイスト飲料を提供する。本明細書において、ノンアルコールのビールテイスト飲料とは、特に非発酵のビールテイスト飲料であってよい。本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料は、ピロロキノリンキノン(以下「PQQ」とも記す)及び/又はその塩を含有する。
本実施の形態は、ノンアルコールのビールテイスト飲料を提供する。本明細書において、ノンアルコールのビールテイスト飲料とは、特に非発酵のビールテイスト飲料であってよい。本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料は、ピロロキノリンキノン(以下「PQQ」とも記す)及び/又はその塩を含有する。
本実施の形態においてPQQとは式1に記載の化合物である。
本実施の形態においては、ピロロキノリンキノンはノンアルコールのビールテイスト飲料の味に締まりを付与できることから、風味の観点から重要である。また、ポリフェノールは風味を改善することからノンアルコールのビールテイスト飲料の総ポリフェノール含量を高めるために、ポリフェノール含量の高いホップを使用することが好ましい。ホップペレットは、ホップエキスに比べてポリフェノールを多く含んでいるため、本実施の形態において好ましく使用することができる。
本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料において、ピロロキノリンキノン及び/又はその塩の含有量は、40から125mg/Lであり、50mg/Lから125mg/Lであることが好ましく、50mg/Lから110mg/Lであることがより好ましい。ピロロキノリンキノンは、フルーティーを増強する。従って、前記の重量比は、本実施の形態の効果を妨げない範囲であればよい。既存のノンアルコールのビールテイスト飲料においては、前記のピロロキノリンキノンを含有するものは見当たらない。
ピロロキノリンキノン及び/又はその塩の含有量が前記下限値以上であると、ノンアルコールのビールテイスト飲料においてフルーティーな感覚への効果が発揮され好ましい。一方、ピロロキノリンキノン及び/又はその塩の含有量が前記上限値以下であると、ノンアルコールのビールテイスト飲料においてフルーティーな感覚の増強があり、かつ旨みも維持するため好ましい。また、全体の味も薄くならない。
本明細書において、味の「締まり」とは、味のまとまりがあり、キレがある(キレが良い)ことをいう。
本明細書における「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつ炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、酵母による発酵工程の有無に拘わらず、ビール風味の炭酸飲料を全て包含する。本実施の形態は、この飲料の内の、ノンアルコールタイプ、例えば非発酵のノンアルコールタイプのものに向けられ、これはアルコールを実質的に含まない。ここで、本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料は、検出できない程度の極く微量のアルコールを含有する飲料を除くものではない。アルコール度数が四捨五入により0.0%となる飲料、中でも、アルコール度数が四捨五入により0.00%となる飲料は、本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料に包含される。酵母による発酵工程を経た飲料からアルコールを完全に除去することは難しいため、アルコール度数が四捨五入により0.00%となる飲料にあっては、非発酵で造ることが望ましい。本明細書において、非発酵とは、微生物による有機物の分解が起こらないことをいい、特に、酵母による有機物の分解によってアルコールが生成しないことをいう。本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料の種類としては、例えば、非発酵のノンアルコールのビールテイスト飲料、ビールテイストの清涼飲料などが含まれる。
本実施の形態で使用できるピロロキノリンキノン類はピロロキノリンキノンと同等であると考えられる塩やエステルも使用できる。また、ピロロキノリンキノンを還元して作られる還元型ピロロキノリンキノンも使用することができる。
本実施の形態で使用するPQQは有機化学的方法又は発酵法、例えばPQQを生産する能力を有する細菌を培養することによりPQQを製造することが可能である。PQQ又はその塩は、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、又は溶媒抽出法などの通常の方法により、反応液中から分離、精製することができる。また、それらの同定には、元素分析、NMRスペクトル、IRスペクトル、質量分析などの各種手段が用いられる。PQQの塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム、トリエタノールアミン、トリメチルアミン等の有機アミン塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。製造が容易であることからピロロキノリンキノンのフリー体、ナトリウム塩、カリウム塩が使用しやすく、より好ましくはジナトリウム塩である。
本実施の形態で使用するPQQは有機化学的方法又は発酵法、例えばPQQを生産する能力を有する細菌を培養することによりPQQを製造することが可能である。PQQ又はその塩は、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、又は溶媒抽出法などの通常の方法により、反応液中から分離、精製することができる。また、それらの同定には、元素分析、NMRスペクトル、IRスペクトル、質量分析などの各種手段が用いられる。PQQの塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム、トリエタノールアミン、トリメチルアミン等の有機アミン塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。製造が容易であることからピロロキノリンキノンのフリー体、ナトリウム塩、カリウム塩が使用しやすく、より好ましくはジナトリウム塩である。
好ましくはピロロキノリンキノンジナトリウムにおいて高純度であるものが好ましい。特にジナトリウム塩の3水和物、5水和物、無水物が好ましい。より好ましくは3水和物である。
本明細書でいうホップとは、ビール等の製造において使用されるものであればよく、例えば、ベールホップ、ペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキス、や、イソ化ホップ、ヘキサホップ、テトラホップといったホップ加工品等から目的に応じて1又は複数を適宜選択することができる。前記ホップはいずれの形態であってもよいが、ピロロキノリンキノン含量が高いものが好ましく、ホップペレットが好適である。
本明細書でいうエキス分の総量とは、ノンアルコールのビールテイスト飲料に含まれるエキス分の合計をいい、「BCOJビール分析法(2004.11.1 改訂版) 7.2 エキス」に従って測定することができる。
本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料においては、エキス分の総量は、ノンアルコールのビールテイスト飲料の液面に形成される泡に影響を与える。エキス分の総量を特定の範囲内にすることによって、液面に形成される泡に十分な品質、特に高い泡持ちの安定性を与えることができるため、外観をビールに近づける観点から好ましい。本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料におけるエキス分の総量は、好ましくは下限を0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、好ましくは上限を2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.8重量%以下、よりさらに好ましくは0.6重量%以下、さらにより好ましくは0.5重量%以下である。
そして、前記のエキス分には麦由来のエキス分が含まれてもよい。本明細書でいう麦由来のエキス分とは、麦芽等の麦に由来するエキス分であればよく、いずれの原料の麦から得られるものであってもよい。麦由来のエキス分の総量は、前記エキス分の総量から、別途求めた添加物やその他の原料のエキス分の量を減じることによって求めることができる。本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料における麦由来のエキス分の総量は、下限を0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、上限を2重量%以下である。
本明細書でいう麦とは、ビールや発泡酒の製造において一般的に用いられるものであればよい。前記麦とは、外見が類似するイネ科の穀物を意味する。前記麦として、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等が挙げられ、好ましくは大麦を用いる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を複数組合わせて用いてもよい。上記の麦は、発芽した麦、未発芽の麦のいずれでもよいが、本実施の形態においては発芽した麦が好ましい。当該発芽した麦のうち麦芽がさらに好ましい。本明細書でいう麦芽とは、発芽した麦を乾燥し、除根したものをいう。
本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料のカロリーは、飲料100mlあたり、下限を好ましくは0kcal以上、より好ましくは0.4kcal以上、さらに好ましくは0.8kcal以上、上限を好ましくは8kcal以下、より好ましくは4kcal以下、とすることができる。
飲料に含まれるカロリーは、基本的に健康増進法に関連して公表されている「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に従って算出する。
すなわち、原則として、定量した各種栄養成分の量に、それぞれの成分のエネルギー換算係数(タンパク質:4kcal/g、脂質:9kcal/g、糖質:4kcal/g、食物繊維:2kcal/g、アルコール:7kcal/g、有機酸:3kcal/g)を乗じたものの総和として算出することができる。詳細は、「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」を参照されたい。
飲料に含まれる各栄養成分量の具体的な測定手法は、健康増進法「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に記載の各種分析法に従えばよい。又は、財団法人 日本食品分析センターに依頼すれば、このような熱量及び/又は各栄養成分量を知ることができる。
本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料は、糖質を含有することが好ましい。本明細書でいう糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。糖質として、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類〜十糖類のオリゴ糖を挙げることができ、本実施の形態においては単糖類及び二糖類が好ましい。単糖類としては、グルコース、フラクトース、ガラクトース、マンノース等が挙げられる。二糖類としては、スクロース、乳糖、麦芽糖、トレハロース、セロビオース等が挙げられる。本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料の糖質含量は、下限を好ましくは0g/100ml以上、より好ましくは0.1g/100ml以上、上限を好ましくは2.0g/100ml以下にできる。
糖質の量は、飲料全体の重量からタンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分、及び水分の量を差し引くことによって算出することができる。前記タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定することができる。具体的には、タンパク質量は、窒素定量換算法により測定することができる。脂質量は、エーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法、又はレーゼゴットリーブ法により測定することができる。食物繊維の量は、高速液体クロマトグラフ法又は硫酸添加灰化法で測定することができる。水分量は、カールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法、又はプラスチックフィルム法で測定することができる。これらの測定方法は、当業者間で一般的に知られている。
本実施の形態において、麦汁に脱気水、炭酸ガス、調味成分等を加えることによってノンアルコールのビールテイスト飲料を得ることができる。即ち、本実施の形態において、麦汁は、ノンアルコールのビールテイスト飲料を製造するための中間体として有用である。前記麦汁は、使用するまで貯蔵タンクやコンテナ等で保存しておくことができる。保存は常温(25℃)以下の温度であればよいが、品質劣化を抑制する観点から冷却して保存することが好ましい。ここでいう冷却とは、例えば20℃以下、好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下である。冷却された麦汁を、特に冷麦汁という。本実施の形態において、麦汁の使用の一態様としては、ノンアルコールのビールテイスト飲料の中間体として麦汁をある工場で製造し、当該麦汁を冷却コンテナ等に充填し、国内外の別の工場に運搬し、ノンアルコールのビールテイスト飲料を製造することが挙げられる。
ピロロキノリンキノンの添加は粉末、又は水溶液で添加できる。添加を水溶液で行う場合、添加液の濃度は1から20g/Lで行うことができる。
<ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法>
本実施の形態の別の側面によれば、ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法が提供される。当該製造方法は、ピロロキノリンキノン及び/又はその塩の含有量が特定の範囲内である、ノンアルコールのビールテイスト飲料が製造できるのであれば、いずれの手段を用いてもよい。例えば、本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法は、麦汁調製工程、及び製品調製工程を含む。
本実施の形態の別の側面によれば、ノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法が提供される。当該製造方法は、ピロロキノリンキノン及び/又はその塩の含有量が特定の範囲内である、ノンアルコールのビールテイスト飲料が製造できるのであれば、いずれの手段を用いてもよい。例えば、本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料の製造方法は、麦汁調製工程、及び製品調製工程を含む。
本明細書でいう麦汁調製工程とは、例えば、糖化工程及びタンパク分解工程を含むマッシング工程、麦汁濾過工程、及び麦汁煮沸工程を含む。
マッシング工程は、糖化工程及びタンパク分解工程を含む。ここでいう糖化工程とは、粉砕機で粉砕された麦芽等に由来する炭素源及び/又は窒素源を水に懸濁・溶解し、デンプン等の糖質を分解することによって、糖類を生成させる工程をいう。タンパク質の分解工程とは、タンパク質やペプチド等を分解し、アミノ酸やオリゴペプチドを生成させる工程をいう。
マッシング工程は、例えば、麦芽等の原料と水を混合し、任意の温度で任意の時間処理することによって行う。ここにおいて、麦芽を原料として用いる場合、麦芽は粉砕麦芽を用いる。マッシング工程においては、麦芽に由来する内在性の酵素のみを用いてもよいが、糖化効率を目的とする糖質組成を得るために、糖化酵素を別途加えてもよい。
麦汁煮沸工程とは、麦汁濾過工程により得られる濾液にホップを加えて煮沸する工程をいう。ホップを加えるタイミングとしては、煮沸開始前、煮沸開始と同時、又は煮沸開始直後が好ましい。ホップは、一度に全量を加えてもよいし、数回に分けて加えてもよい。
また、麦汁煮沸工程においては、ホップ以外の成分を加えることができる。そのような成分としては、ビールの製造において一般的に用いられている成分であり、例えば着色料、香料等が挙げられる。
このときにピロロキノリンキノンを添加することができる。
製品調製工程に用いるまで保存することができる。保存は、貯蔵タンクやコンテナ等で常温(25℃)以下で行うことができるが、好ましくは冷却して保存する。冷却温度は、例えば20℃以下、好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下で行うことができる。
調味成分や炭酸ガスを加えることができる。調味成分を加えることによって、ノンアルコールのビールテイスト飲料の味を任意に調製することができる。調味成分としては、酸味料、香料、甘味料等が挙げられる。また、必要に応じてビタミンC等の保存剤を加えてもよい。その後、必要に応じ、麦汁を静置し、更に濾過することにより、ノンアルコールのビールテイスト飲料を得ることができる。
<その他の成分>
本実施の形態においては、本発明の効果を妨げない限り、食品添加物として認められている成分を用いてもよい。例えば、甘味料、各種酸味料、香料、酵母エキス、カラメル色素等の着色料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆、そら豆等の植物タンパク質及びペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、食物繊維やアミノ酸等の調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤等が挙げられる。
本実施の形態においては、本発明の効果を妨げない限り、食品添加物として認められている成分を用いてもよい。例えば、甘味料、各種酸味料、香料、酵母エキス、カラメル色素等の着色料、大豆サポニンやキラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆、そら豆等の植物タンパク質及びペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、食物繊維やアミノ酸等の調味料、アスコルビン酸等の酸化防止剤等が挙げられる。
また、本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料は、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ユーデスモール、イヌリン、プロシアニジンC1、ヌートカトン、メトキシフラボン、ヒドロキシチロール、テアニン、l−メントール、バニリン、プロアントシアニジン、サポニン、ルチン、カプサイシン、フルクタン、ストリクチニン、アスタキサンチン、プラセンタ、アントシアニン、グルコマンナン、アラビノキシラン、アクリルアミド、スフィンゴミエリン、シトルリン、フルフリルチオール、イソマルチュロース、コラーゲンペプチド、カゼインペプチド、アミノ酸(プロリン、グリシン等)、L−アラビノース、2,5−ピペラジンジオン,3,6−ビス(フェニルメチル)−,(3S,6S)、6−O−PUFAアスコルビン酸エステル、α−グルカン、β−グルカン、クロロゲン酸、ピルビン酸、ジカフェオイルキナ酸、デヒドロアスコルビン酸、α酸及びイソα酸、β酸、オロト酸、リポ酸、オリゴ糖(マルトオリゴ糖等)、イソクエルシトリン及びその糖付加物、ヘスペリジン及びヘスペリジン糖付加物、オクテニルコハク酸澱粉、コエンザイムQ10、重合及び非重合カテキン類、クロロフィル類、テアフラビン類、麦芽エキス、植物エキス、アロマエキス、カフェイン、ウコン、果実フレーバー、果汁、葉肉等が挙げられる。
さらに、本実施の形態のノンアルコールのビールテイスト飲料は、機能性成分を含んでいてもよい。機能性成分としては、特に限定されないが、例えば、BCAA(分岐鎖アミノ酸)、アミノ酸(ヒスチジン、L−セリン、ロイシン40%配合必須アミノ酸等)、β‐クリプトキサンチン、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、GABA(γ−アミノ酪酸)、酢酸、HMB(ビス−3−ヒドロキシ−3−メチルブチレートモノハイドレート)、N−アセチルグルコサミン、アスタキサンチン、イソフラボン(葛の花由来イソフラボン等)、イチョウ葉テルペンラクトン、イチョウ葉フラボノイド配糖体、エピガロカテキンガレート、メチル化カテキン、オルニチン、カカオフラバノール、乳酸菌(ガセリ菌SP株等)、ビフィズス菌、寒天由来ガラクタン、グアーガム分解物、グルコサミン、グルコシルセラミド、サイリウム種皮由来の食物繊維、サラシア由来サラシノール、ティリロサイド、ヒアルロン酸Na、ピぺリン、モノグルコシルヘスペリジン、ラクトトリペプチド、イミダゾールジペプチド、リコピン、りんごポリフェノール等が挙げられる。
本実施の形態の脳機能改善の方法は、上述のノンアルコールのビールテイスト飲料を使用する。
本実施の形態の脳機能改善飲料は、上述のノンアルコールのビールテイスト飲料を含む。
本実施の形態の脳機能改善飲料は、上述のノンアルコールのビールテイスト飲料に含まれるピロロキノリンキノン及び/又はその塩によって、脳機能障害に伴う学習・記憶能力の低下等を効果的に改善することが可能になる。
本実施の形態の脳機能改善飲料は、上述のノンアルコールのビールテイスト飲料を含む。
本実施の形態の脳機能改善飲料は、上述のノンアルコールのビールテイスト飲料に含まれるピロロキノリンキノン及び/又はその塩によって、脳機能障害に伴う学習・記憶能力の低下等を効果的に改善することが可能になる。
ピロロキノリンキノンジナトリウムは三菱瓦斯化学製「BioPQQ(登録商標)」を使用した。官能試験は3人以上で実施して味の変化を記録した。
[実施例1]
Asahi DRY ZERO を実験に使用した。カロリーゼロ、糖質ゼロであった。原材料は食物繊維、大豆ペプチド、ホップ、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC、アセスルファムKであった。ピロロキノリンキノン0.3gと重曹0.1gを水50mlに溶かした。この溶液を使って、この飲料にピロロキノリンキノンジナトリウムを60mg/Lなるように添加した。無添加と比較してフルーティーな味がビールテイストに追加されていた。黄金色からピンクがかかった黄金色飲料に変化した。
Asahi DRY ZERO を実験に使用した。カロリーゼロ、糖質ゼロであった。原材料は食物繊維、大豆ペプチド、ホップ、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC、アセスルファムKであった。ピロロキノリンキノン0.3gと重曹0.1gを水50mlに溶かした。この溶液を使って、この飲料にピロロキノリンキノンジナトリウムを60mg/Lなるように添加した。無添加と比較してフルーティーな味がビールテイストに追加されていた。黄金色からピンクがかかった黄金色飲料に変化した。
[実施例2〜3及び比較例1〜4]
Asahi DRY ZERO にピロロキノリンキノンジナトリウムの添加量を変えて行った結果を表1に示す。
Asahi DRY ZERO にピロロキノリンキノンジナトリウムの添加量を変えて行った結果を表1に示す。
[実施例4〜5及び比較例5〜6]
Suntory ALL−FREEを実験に使用した。カロリーゼロ、糖質ゼロであった。原材料は麦芽、ホップ、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC,アセスルファムKであった。ピロロキノリンキノン0.3gと重曹0.1gを水50mlに溶かした。この溶液を使って、この飲料にピロロキノリンキノンジナトリウムを60mg/Lなるように添加した。無添加と比較してやや苦味がかったフルーティーな味がビールテイストに追加されていた。黄金色からピンクがかかった黄金色飲料に変化した。
Suntory ALL−FREEを実験に使用した。カロリーゼロ、糖質ゼロであった。原材料は麦芽、ホップ、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC,アセスルファムKであった。ピロロキノリンキノン0.3gと重曹0.1gを水50mlに溶かした。この溶液を使って、この飲料にピロロキノリンキノンジナトリウムを60mg/Lなるように添加した。無添加と比較してやや苦味がかったフルーティーな味がビールテイストに追加されていた。黄金色からピンクがかかった黄金色飲料に変化した。
ピロロキノリンキノンジナトリウムの添加量を変えて行った結果を表2に示す。
PQQ濃度測定
HPLC条件を以下のように行った。
島津LC―2010、 カラム:YMC−Pack ODS−A
検出波長:259nm、移動相:30mM酢酸−70mM酢酸アンモニウム
カラム温度40℃
前記アサヒドライゼロ及びオールフリーを分析した。サンプルからはPQQが検出されなかった。含まれるPQQの量は検出限界0.1ppm以下であることが分かった。100mg/L添加ではPQQのピークが検出された。
本発明の効果はPQQを特定量添加した効果によって発揮されていた。
HPLC条件を以下のように行った。
島津LC―2010、 カラム:YMC−Pack ODS−A
検出波長:259nm、移動相:30mM酢酸−70mM酢酸アンモニウム
カラム温度40℃
前記アサヒドライゼロ及びオールフリーを分析した。サンプルからはPQQが検出されなかった。含まれるPQQの量は検出限界0.1ppm以下であることが分かった。100mg/L添加ではPQQのピークが検出された。
本発明の効果はPQQを特定量添加した効果によって発揮されていた。
[比較例7〜10]
Asahi DRY ZERO にピロロキノリンキノンジナトリウムの添加量を変えて行った結果を表3に示す。
Asahi DRY ZERO にピロロキノリンキノンジナトリウムの添加量を変えて行った結果を表3に示す。
Claims (6)
- ピロロキノリンキノン及び/又はその塩を40から125mg/L含む、ノンアルコールのビールテイスト飲料。
- ピロロキノリンキノンの塩がジナトリウムである、請求項1に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
- カロリーが0〜4kcal/100mlである、請求項1又は2に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
- 糖質の含量が0〜2.0g/100mlである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料を脳機能改善に使用する方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のノンアルコールのビールテイスト飲料を含む脳機能改善飲料。
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JP2017206525A JP2019076045A (ja) | 2017-10-25 | 2017-10-25 | フルーティーなノンアルコールビール |
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JP2017206525A JP2019076045A (ja) | 2017-10-25 | 2017-10-25 | フルーティーなノンアルコールビール |
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