JP2019075915A - マルチレベル電力変換装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチレベル電力変換装置において、直流電圧のリプルを低減する。【解決手段】マルチレベル電力変換装置は、各相共通の直流部1と、2相以上の相モジュール2と、を備える。直流部1は、4つ直列接続された第1〜第4直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,DCN1,DCN2と、2つの第1,第2フライングキャパシタFCP,FCNと、を有する。相モジュール2は第1〜第18半導体スイッチS1〜S18を有し、第1〜第18半導体スイッチS1〜S18をON/OFFすることにより、直流部1の電位を選択して出力する。【選択図】図2
Description
本発明は、中性点を有するマルチレベル電力変換装置に関する。
図7,図8,図9に、特許文献1の[実施形態15]で開示されたマルチレベル電力変換装置を示す。
このマルチレベル電力変換装置は、直流リンクキャパシタDCP,DCNとフライングキャパシタFCP,FCNの電圧を出力する直流部1a、1bと、直流部1a,1bの電位を選択してマルチレベル電力変換装置の出力電圧を生成する相モジュール2a,2b,2cと、を有する。
このマルチレベル電力変換装置では、ダイオード整流器やPWMコンバータ等の交流直流変換器(図示省略)を直流リンクキャパシタDCP,DCNに接続することで、直流リンクキャパシタDCP,DCNに2Eの電圧を印加する。また、直流部1a,1bの各半導体スイッチのオンオフによる充放電動作によって、フライングキャパシタFCP、FCNにEの電圧を印加する。
そして、相モジュール2a,2b,2cの各半導体スイッチのオンオフ動作によって、+2E、+E、0、−E、−2Eの5レベルの出力電圧を生成する。
図10に、特許文献1における+E,−E出力時の直流部1a,1bの簡略図およびその時の電圧波形の概略図を示す。
図10(a),(b)に示すように、特許文献1では、+E,−E出力時にそれぞれ2つのスイッチングパターンが存在する。この2つのスイッチングパターンはフライングキャパシタFCP,FCNの電圧を制御するために半導体スイッチを用いて制御している。
1つ目のスイッチングパターンは、図10(a)に示すように、フライングキャパシタFCP、FCNの電圧を+E端子または−E端子より出力する。2つ目のスイッチングパターンは、図10(b)に示すように、直流リンクキャパシタDCP,DCNとフライングキャパシタFCP,FCNの差分を+E端子または−E端子より出力する。(+E端子、−E端子の電圧の基準点はNP端子とする。)
特許文献1のような直流リンクキャパシタDCP,DCNとフライングキャパシタFCP,FCNを有する電力変換装置では、それぞれのキャパシタに電圧リプルが発生する。図10(c),(d),(e)に、キャパシタ電圧の波形例を示す。図10(c)は直流リンクキャパシタDCPの電圧波形、図10(d)はフライングキャパシタFCPの電圧波形、図10(e)は直流リンクキャパシタDCPとフライングキャパシタFCPの電圧差の波形である。
特許文献1のような直流リンクキャパシタDCP,DCNとフライングキャパシタFCP,FCNを有する電力変換装置では、それぞれのキャパシタに電圧リプルが発生する。図10(c),(d),(e)に、キャパシタ電圧の波形例を示す。図10(c)は直流リンクキャパシタDCPの電圧波形、図10(d)はフライングキャパシタFCPの電圧波形、図10(e)は直流リンクキャパシタDCPとフライングキャパシタFCPの電圧差の波形である。
この場合、直流リンクキャパシタDCPとフライングキャパシタFCPは逆位相の電圧リプルをもっているため、図10(a)の2E〜+E間に印加される電圧(または、図10(b)のNP〜−E間に印加される電圧)は、図10(e)のような大きな電圧リプルをもつ電圧波形となる。
この電圧波形が相モジュール2a,2b,2cの半導体スイッチに印加されることになる。このような大きなリプルをもつ電圧が半導体スイッチに印加されると、過電圧により半導体スイッチが破壊しやすくなる。
また、この電圧リプルは、電力変換装置の出力電圧にも重畳される。電圧リプルの影響で出力電圧の電圧精度が低下し、負荷に悪影響を与える。
電圧リプルを抑制する方法の1つに、直流リンクキャパシタDCP,DCN、および、フライングキャパシタFCP,FCNの静電容量を大きくする方法がある。しかし、この場合、各キャパシタの寸法が大きくなるため、電力変換装置が大型化、高コスト化してしまうという問題がある。
また、特許文献1では、5レベルを選択する相モジュール2a,2b,2cと、5つの電位を生成する直流部1a,1bと、の半導体スイッチを有する2つの構成要素がある。直流部1a,1bと相モジュール2a,2b,2cをそれぞれ別な筺体から成るユニットとした場合、2種類のユニットの両方に半導体スイッチがあるため、保守交換のコストが大きくなる。
以上示したようなことから、マルチレベル電力変換装置において、直流電圧のリプルを低減することが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、4つ直列接続された第1〜第4直流リンクキャパシタと、2つの第1,第2フライングキャパシタと、を有する各相共通の直流部と、半導体スイッチを有し、前記半導体スイッチをON/OFFすることにより、前記直流部の電位を選択して出力する2相以上の相モジュールと、を備えたマルチレベル電力変換装置であって、前記相モジュールは、前記第1直流リンクキャパシタの正極端と前記第1フライングキャパシタの一端との間に順次直列接続された第1,第2半導体スイッチと、前記第1フライングキャパシタの他端と前記第2,第3直流リンクキャパシタの共通接続点との間に順次直列接続された第7,第8半導体スイッチと、前記第2,第3直流リンクキャパシタの共通接続点と前記第2フライングキャパシタの一端との間に順次直列接続された第11,第12半導体スイッチと、前記第2フライングキャパシタの他端と前記第4直流リンクキャパシタの負極端との間に順次直列接続された第17,18半導体スイッチと、前記第1,第2半導体スイッチの共通接続点と前記第7,第8半導体スイッチの共通接続点との間に順次直列接続された第3,第4半導体スイッチと、前記第3,第4半導体スイッチに対して並列接続された第5,第6半導体スイッチと、前記第11,第12半導体スイッチの共通接続点と前記第17,第18半導体スイッチの共通接続点との間に順次直列接続された第13,第14半導体スイッチと、前記第13,第14半導体スイッチに対して並列接続された第15,第16半導体スイッチと、前記第5,第6半導体スイッチの共通接続点と前記第15,第16半導体スイッチの共通接続点との間に順次直列接続された第9,第10半導体スイッチと、を備え、前記第3,第4半導体スイッチの共通接続点は前記第1,第2直流リンクキャパシタの共通接続点に接続され、前記第13,第14半導体スイッチの共通接続点は前記第3,第4直流リンクキャパシタの共通接続点に接続され、前記第9,第10半導体スイッチの共通接続点を出力端子とすることを特徴とする。
また、その一態様として、前記第1〜第18半導体スイッチを以下の表2に示すスイッチングパターンで制御することで、前記第1,第2フライングキャパシタの電圧をそれぞれEに制御しつつ、+2E、+E、0、−E、−2Eのいずれかの電圧を出力することを特徴とする。
S1〜S18:第1〜第18半導体スイッチ
E:第1〜第4直流リンクキャパシタに印加する電圧
[LL],[LF],[LH],[FL],[FF],[FH],[HL],[HF],[HH]:第1〜第4直流リンクキャパシタ、第1,第2フライングキャパシタの接続パターン
1:半導体スイッチON
0:半導体スイッチOFF
*:半導体スイッチONでもOFFでも可
また、その一態様として、前記相モジュールを3相分有することを特徴とする。
E:第1〜第4直流リンクキャパシタに印加する電圧
[LL],[LF],[LH],[FL],[FF],[FH],[HL],[HF],[HH]:第1〜第4直流リンクキャパシタ、第1,第2フライングキャパシタの接続パターン
1:半導体スイッチON
0:半導体スイッチOFF
*:半導体スイッチONでもOFFでも可
また、その一態様として、前記相モジュールを3相分有することを特徴とする。
本発明によれば、マルチレベル電力変換装置において、直流電圧のリプルを低減すること可能となる。
まず、本願発明の基本構成を図1に基づいて説明する。図1に本願のマルチレベル電力変換装置のパターンLL,FF,HHにおける直流部1の簡略図を示す。本願発明では、直流リンクキャパシタDCP,DCNを直列に2分割し、第1〜第4直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,DCN1,DCN2として順次直列接続する。第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2の中点を+E端子,第3,第4直流リンクキャパシタDCN1,DCN2の中点を−E端子に接続する。
また、図1の第1〜第4直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,DCN1,DCN2の静電容量は、図10の直流リンクキャパシタDCP、DCNの静電容量の2倍にする。
これにより、図10の+2E〜NP端子間(またはNP端子〜−2E端子間)の直流リンクキャパシタDCP(またはDCN)の静電容量と、図1の+2E〜NP端子間(またはNP端子〜−2E端子間)の第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2(またはDCN1,DCN2)の静電容量の合計は変わらなくなる。よって、図10の直流リンクキャパシタDCP(またはDCN)の体積と、図1の第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2(またはDCN1,DCN2)の体積の合計もほぼ同じになる。
本願発明では、図1に示すように、+E、−E出力時にそれぞれ各キャパシタの接続パターンがそれぞれ3つ存在する。これらは第1〜第4直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,DCN1,DCN2や第1,第2フライングキャパシタFCP,FCNの電圧を制御するために半導体スイッチを用いて切り換える。
1つ目のパターン[LL]は、第1フライングキャパシタFCPを+E端子とNP端子に接続して電圧を出力し、第2フライングキャパシタFCNを−E端子とNP端子に接続して電圧を出力する。
2つ目のパターン[FF]は、第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2の中点と第3,第4直流リンクキャパシタDCN1,DCN2の中点を+E,−Eとして出力する。
3つ目のパターン[HH]は、第1フライングキャパシタFCPを+2E端子と+E端子に接続して電圧を出力し、第2フライングキャパシタFCNを−2E端子と−E端子に接続して電圧を出力する。
1つ目のパターン[LL]は、第2直流リンクキャパシタDCP2と第1フライングキャパシタFCP,第3直流リンクキャパシタDCN1と第2フライングキャパシタFCNが並列した接続となる。また、3つ目のパターン[HH]は、第1直流リンクキャパシタDCP1と第1フライングキャパシタFCP,第4直流リンクキャパシタDCN2と第2フライングキャパシタFCNが並列した接続となる。そのため、並列接続した端子間(パターン[LL]の+E端子とNP端子間およびNP端子と−E端子、パターン[HH]の+2Eと+E端子間および−Eと−2E端子間)では、さらに静電容量が大きくなる。
特許文献1と比較して静電容量が大きくなるため、直流電圧に含まれるリプル成分は小さくなる。特許文献1においてすべての直流リンクキャパシタDCP,DCN,フライングキャパシタFCP,FCNの静電容量が等しいとした場合、本実施形態1は特許文献1の2倍もしくは3倍の静電容量になる。そのため、直流電圧のリプルも2分の1もしくは3分の1になる。特許文献1に対する各パターン[LL],[FF],[HH]の静電容量の倍数を以下の表1に示す。
このように、パターン[LL]とパターン[HH]の両方を設けることで、すべての端子間(+2E〜+E間、+E〜NP間、NP〜−E間、−E〜−2E間)で特許文献1に対して静電容量が3倍となるモードが存在する。
逆に、直流電圧のリプルを特許文献1と同等の値に許容する場合は、第1〜第4直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,DCN1,DCN2の静電容量を小さくすることが可能である。
これ以降、1つ目のパターンをL、2つ目のパターンをF、3つ目のパターンをHと呼称する。直流部のパターン選択できる機構は第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2側と第3,第4直流リンクキャパシタDCN1,DCN2側の2つある。図1では、第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2側も第3,第4直流リンクキャパシタDCN1,DCN2側も同じパターンで記載したが、それぞれ独立して3つのパターンを選択可能である。
例えば、第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2側がパターンH、第3,第4直流リンクキャパシタDCN1,DCN2側がパターンLを選択する場合、これらをまとめてパターン[HL]と呼称する。直流部のパターンは全部で9通りあり、それぞれのパターンを[LL],[LF],[LH],[FL],[FF],[FH],[HL],[HF],[HH]と呼称する。
以下、本願発明におけるマルチレベル電力変換装置の実施形態1,2を図2〜図6に基づいて詳述する。
[実施形態1]
図2に本実施形態1における一相分のマルチレベル電力変換装置を示す。図2に示すように、本実施形態1のマルチレベル電力変換装置は、直流部1と相モジュール2と、を備える。直流部1は各相共通であり、相モジュール2は各相ごと(2相以上)に設けられる。
図2に本実施形態1における一相分のマルチレベル電力変換装置を示す。図2に示すように、本実施形態1のマルチレベル電力変換装置は、直流部1と相モジュール2と、を備える。直流部1は各相共通であり、相モジュール2は各相ごと(2相以上)に設けられる。
直流部1は、4つの第1〜第4直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,DCN1,DCN2と、2つの第1,第2フライングキャパシタFCP,FCNと、を有する。
また、相モジュール2は、18個の第1〜第18半導体スイッチS1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8,S9,S10,S11,S12,S13,S14,S15,S16,S17,S18を有する。図2において、第1〜第18半導体スイッチS1〜S18はIGBTと逆並列に接続されたダイオードを例に挙げている。相モジュール2は、第1〜第18半導体スイッチS1〜S18をON/OFFすることにより、直流部1の電位を選択して出力する。
相モジュール2において、第1直流リンクキャパシタDCP1の正極端と第1フライングキャパシタFCPの一端との間に第1,第2半導体スイッチS1,S2を順次直列接続する。第1フライングキャパシタFCPの他端と第2,第3直流リンクキャパシタDCP2,DCN1の共通接続点との間に第7,第8半導体スイッチS7,S8が順次直列接続される。
第2,第3直流リンクキャパシタDCP2,DCN1の共通接続点と第2フライングキャパシタFCNの一端との間に第11,第12半導体スイッチS11,S12が順次直列接続される。第2フライングキャパシタFCNの他端と第4直流リンクキャパシタDCNの負極端との間に第17,第18半導体スイッチS17,S18が順次直列接続される。
第1,第2半導体スイッチS1,S2の共通接続点と第7,第8半導体スイッチS7,S8の共通接続点との間に第3,第4半導体スイッチS3,S4が順次直列接続される。第3,第4半導体スイッチS3,S4に対して第5,第6半導体スイッチS5,S6が並列接続される。
第11,第12半導体スイッチS11,S12の共通接続点と第17,第18半導体スイッチS17,S18の共通接続点との間に第13,第14半導体スイッチS13,S14が順次直列接続される。第13,第14半導体スイッチS13,S14に対して第15,第16半導体スイッチS15,S16が並列接続される。
第5,第6半導体スイッチS5,S6の共通接続点と第15,第16半導体スイッチS15,S16の共通接続点との間に第9,第10半導体スイッチS9,S10が直列接続される。
第3,第4半導体スイッチS3,S4の共通接続点は第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2の共通接続点に接続される。第13,第14半導体スイッチS13,S14の共通接続点は第3,第4直流リンクキャパシタDCN1,DCN2の共通接続点に接続される。第9,第10半導体スイッチS9,S10の共通接続点を出力端子とする。
直流部1では、第1〜第4直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,DCN1,DCN2と第1,第2フライングキャパシタFCP,FCNの平均電圧が、相モジュール2の第1〜第18半導体スイッチS1〜S18や第1〜第4直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,DCN1,DCN2に接続される交流/直流変換器(図示省略)の動作によって、E[V]に保たれる。
相モジュール2は、大別して3つの機能がある。1つ目は直流部1の5つの電位(+2E,+E,0,−E,−2E)を選択して出力する機能である。2つ目は第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,第1フライングキャパシタFCPの接続を制御するためのパターンL,F,Hを選択する機能である。3つ目は第3,第4直流リンクキャパシタDCN1,DCN2,第2フライングキャパシタFCNの接続を制御するためのパターンL,F,Hを選択する機能である。
相モジュール2は上記の三つの機能に対して、それぞれ独立して制御を行う。スイッチングパターンは、5レベル出力が5通り(このパターンは各相の出力電圧指令に基づいて選択される)、第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,第1フライングキャパシタFCPの接続を制御するパターンが3通り、第3,第4直流リンクキャパシタDCN1,DCN2,第2フライングキャパシタFCNの接続を制御するパターンが3通りあるため、スイッチングパターンの組合せは5×3×3=45通り存在する。スイッチングパターンに従ってゲート信号(第1〜第18半導体スイッチS1〜S18のオンオフ信号)を制御することでマルチレベル電力変換装置を実現する。
なお、出力電圧レベル(+2E、+E、0、−E、−2E)のみで考えると、二つ目の機構と三つ目の機構では、パターンL,F,Hのいずれを選択してもよい。しかし、第1,第2フライングキャパシタFCP,FCNの電圧をEに制御するためには、パターンL,F,Hを組み合わせが必要となる。
また、表1に示すように、パターンLは他のパターンと比較して、+E端子〜NP端子間およびNP端子〜−E端子間の静電容量を大きくできる(つまり、電圧リプルを低減できる)特長がある。パターンHは他のパターンと比較して、+2E端子〜+E端子間および−E端子〜−2E端子間の静電容量を大きくできる特長がある。
一方、パターンFは他のパターンと比較して、半導体スイッチのオン導通数が少なくなる。例えば、表2の+2E出力時スイッチングパターンでの半導体スイッチのオン導通数は、[LL]では5個、[HH]では4個だが、[FF]では3個である。そのため、パターンFは、半導体スイッチの損失を低減させ、電力変換装置の効率を向上できる特長をもつ。
そこで、直流電圧リプルと半導体スイッチの損失の両方を所望の値以下となるような、パターンL,F,Hの選択パターンを事前に設定しておく。この選択パターンは、出力電圧の1周期内に出力電圧の位相に同期して数回変化する。そして、設定した選択パターンに基づいて、スイッチングパターンにおいてどのパターン(L,F,H)を選択するのかを決定する。
相モジュール2が一相のみの場合、スイッチングパターンの制約は特にないが、複数の相の場合は短絡防止をする必要がある。複数相を考慮した(短絡防止を考慮した)場合のスイッチングパターンを表2に示す。表2中の1はゲートオン(オン指令)、0はゲートオフ(オフ指令)、*はどちらでも良いことを示す。
図3,図4,図5にパターン[LL]、[LF]、[LH]のときのスイッチングパターンを示す。図3,図4,図5中の丸印はゲートオンしている半導体スイッチであることを示す。図3,図4,図5に示すように、本実施形態1は5レベル出力と二つの第1,第2フライングキャパシタFCP,FCNの制御を同時に行っている。
このように、第1〜第18半導体スイッチを表2に示すスイッチングパターンで制御することで、第1,第2フライングキャパシタの電圧をそれぞれEに制御しつつ、+2E、+E、0、−E、−2Eのいずれかの電圧を出力端子より出力することができる。
以上示したように、本実施形態1におけるマルチレベル電力変換装置は、従来技術と比較して、キャパシタの静電容量が等価的に2倍もしくは3倍になるため、直流電圧のリプルを低減できる。
また、直流電圧のリプルが小さいため、第1〜第18半導体スイッチS1〜S18に印加される(リプル分に相当する)過電圧が抑制される。よって、第1〜第18半導体スイッチS1〜S18が過電圧破壊しにくくなるため、電力変換装置の信頼性が向上する。さらに、直流電圧のリプルが小さいため、電力変換装置の出力電圧精度が向上する。
また、直流電圧のリプルを従来技術と同等の値とする場合、第1〜第4直流リンクキャパシタDCP1,DCP2,DCN1,DCN2の大きさを小さくすることが可能である。よって、電力変換装置の小型化、低コスト化を図ることが可能となる。
また、直流部1に半導体スイッチがないため、直流部1と相モジュール2をそれぞれ別な筺体からなるユニットとした場合に、直流部1の保守、メンテナンスの費用が低減できる。
また、直流部1に半導体スイッチがないため、相モジュール2の第1〜第18半導体スイッチS1〜S18の制御のみで、2つの第1,第2フライングキャパシタFCP,FCNの電圧制御ができる。これにより、電力変換装置全体の制御が容易となる。
[実施形態2]
図6は、本実施形態2のマルチレベル電力変換装置を示す回路構成図である。本実施形態2は実施形態1におけるマルチレベル電力変換装置を三相に拡張したものである。図6に示すように、本実施形態2のマルチレベル電力変換装置は、一つの直流部1と、三つの相モジュール2a,2b,2cと、を有する。
図6は、本実施形態2のマルチレベル電力変換装置を示す回路構成図である。本実施形態2は実施形態1におけるマルチレベル電力変換装置を三相に拡張したものである。図6に示すように、本実施形態2のマルチレベル電力変換装置は、一つの直流部1と、三つの相モジュール2a,2b,2cと、を有する。
直流部1の9つの接続点(第1直流リンクキャパシタDCP1の正極端、第1フライングキャパシタFCPの一端,他端,第1,第2直流リンクキャパシタDCP1,DCP2の共通接続点,第2,第3直流リンクキャパシタDCP2,DCN1の共通接続点,第2フライングキャパシタFCNの一端,他端,第3,第4直流リンクキャパシタDCN1,DCN2の共通接続点,第4直流リンクキャパシタDCN2の負極端)に対し、各相モジュール2a,2b,2cを並列接続した構成である。
本実施形態2におけるマルチレベル電力変換装置は、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
本実施形態2では、3相の電力変換回路を示したが、本願発明は2相以上のマルチレベル電力変換装置に適用できる。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
1…直流部
2,2a,2b,2c…相モジュール
DCP1,DCP2,DCN1,DCN2…第1〜第4直流リンクキャパシタ
FCP,FCN…第1,第2フライングキャパシタ
2,2a,2b,2c…相モジュール
DCP1,DCP2,DCN1,DCN2…第1〜第4直流リンクキャパシタ
FCP,FCN…第1,第2フライングキャパシタ
Claims (4)
- 4つ直列接続された第1〜第4直流リンクキャパシタと、2つの第1,第2フライングキャパシタと、を有する各相共通の直流部と、半導体スイッチを有し、前記半導体スイッチをON/OFFすることにより、前記直流部の電位を選択して出力する2相以上の相モジュールと、を備えたマルチレベル電力変換装置であって、
前記相モジュールは、
前記第1直流リンクキャパシタの正極端と前記第1フライングキャパシタの一端との間に順次直列接続された第1,第2半導体スイッチと、
前記第1フライングキャパシタの他端と前記第2,第3直流リンクキャパシタの共通接続点との間に順次直列接続された第7,第8半導体スイッチと、
前記第2,第3直流リンクキャパシタの共通接続点と前記第2フライングキャパシタの一端との間に順次直列接続された第11,第12半導体スイッチと、
前記第2フライングキャパシタの他端と前記第4直流リンクキャパシタの負極端との間に順次直列接続された第17,18半導体スイッチと、
前記第1,第2半導体スイッチの共通接続点と前記第7,第8半導体スイッチの共通接続点との間に順次直列接続された第3,第4半導体スイッチと、
前記第3,第4半導体スイッチに対して並列接続された第5,第6半導体スイッチと、
前記第11,第12半導体スイッチの共通接続点と前記第17,第18半導体スイッチの共通接続点との間に順次直列接続された第13,第14半導体スイッチと、
前記第13,第14半導体スイッチに対して並列接続された第15,第16半導体スイッチと、
前記第5,第6半導体スイッチの共通接続点と前記第15,第16半導体スイッチの共通接続点との間に順次直列接続された第9,第10半導体スイッチと、
を備え、前記第3,第4半導体スイッチの共通接続点は前記第1,第2直流リンクキャパシタの共通接続点に接続され、前記第13,第14半導体スイッチの共通接続点は前記第3,第4直流リンクキャパシタの共通接続点に接続され、前記第9,第10半導体スイッチの共通接続点を出力端子とすることを特徴とするマルチレベル電力変換装置。 - 前記第1〜第18半導体スイッチを以下の表2に示すスイッチングパターンで制御することで、前記第1,第2フライングキャパシタの電圧をそれぞれEに制御しつつ、+2E、+E、0、−E、−2Eのいずれかの電圧を出力することを特徴とする請求項1記載のマルチレベル電力変換装置。
E:第1〜第4直流リンクキャパシタに印加する電圧
[LL],[LF],[LH],[FL],[FF],[FH],[HL],[HF],[HH]:第1〜第4直流リンクキャパシタ、第1,第2フライングキャパシタの接続パターン
1:半導体スイッチON
0:半導体スイッチOFF
*:半導体スイッチONでもOFFでも可 - 前記相モジュールを3相分有することを特徴とする請求項1または2記載のマルチレベル電力変換装置。
- 4つ直列接続された第1〜第4直流リンクキャパシタと、2つの第1,第2フライングキャパシタと、を有する各相共通の直流部と、半導体スイッチを有し、前記半導体スイッチをON/OFFすることにより、前記直流部の電位を選択して出力する2相以上の相モジュールと、を備えたマルチレベル電力変換装置の制御方法であって、
前記相モジュールは、
前記第1直流リンクキャパシタの正極端と前記第1フライングキャパシタの一端との間に順次直列接続された第1,第2半導体スイッチと、
前記第1フライングキャパシタの他端と前記第2,第3直流リンクキャパシタの共通接続点との間に順次直列接続された第7,第8半導体スイッチと、
前記第2,第3直流リンクキャパシタの共通接続点と前記第2フライングキャパシタの一端との間に順次直列接続された第11,第12半導体スイッチと、
前記第2フライングキャパシタの他端と前記第4直流リンクキャパシタの負極端との間に順次直列接続された第17,18半導体スイッチと、
前記第1,第2半導体スイッチの共通接続点と前記第7,第8半導体スイッチの共通接続点との間に順次直列接続された第3,第4半導体スイッチと、
前記第3,第4半導体スイッチに対して並列接続された第5,第6半導体スイッチと、
前記第11,第12半導体スイッチの共通接続点と前記第17,第18半導体スイッチの共通接続点との間に順次直列接続された第13,第14半導体スイッチと、
前記第13,第14半導体スイッチに対して並列接続された第15,第16半導体スイッチと、
前記第5,第6半導体スイッチの共通接続点と前記第15,第16半導体スイッチの共通接続点との間に順次直列接続された第9,第10半導体スイッチと、
を備え、前記第3,第4半導体スイッチの共通接続点は前記第1,第2直流リンクキャパシタの共通接続点に接続され、前記第13,第14半導体スイッチの共通接続点は前記第3,第4直流リンクキャパシタの共通接続点に接続され、前記第9,第10半導体スイッチの共通接続点を出力端子とし、
前記第1〜第18半導体スイッチを以下の表2に示すスイッチングパターンで制御することで、前記第1,第2フライングキャパシタの電圧をそれぞれEに制御しつつ、+2E、+E、0、−E、−2Eのいずれかの電圧を出力することを特徴とするマルチレベル電力変換装置の制御方法。
E:第1〜第4直流リンクキャパシタに印加する電圧
[LL],[LF],[LH],[FL],[FF],[FH],[HL],[HF],[HH]:第1〜第4直流リンクキャパシタ、第1,第2フライングキャパシタの接続パターン
1:半導体スイッチON
0:半導体スイッチOFF
*:半導体スイッチONでもOFFでも可
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017201454A JP2019075915A (ja) | 2017-10-18 | 2017-10-18 | マルチレベル電力変換装置およびその制御方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI756906B (zh) * | 2019-11-06 | 2022-03-01 | 美商高效電源轉換公司 | 具有用以對飛馳電容器進行預充電之分壓器的多階轉換器 |
-
2017
- 2017-10-18 JP JP2017201454A patent/JP2019075915A/ja active Pending
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TWI756906B (zh) * | 2019-11-06 | 2022-03-01 | 美商高效電源轉換公司 | 具有用以對飛馳電容器進行預充電之分壓器的多階轉換器 |
US11646656B2 (en) | 2019-11-06 | 2023-05-09 | Efficient Power Conversion Corporation | Multi-level converter with voltage divider for pre-charging flying capacitor |
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