以下、本実施の一形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる電子レシートシステムの構成全体を示す構成図である。図1に示すように、電子レシートシステムは、POS(Point of Sales)端末1と、ストアサーバ2と、電子レシートサーバ3と、電子レシート管理サーバ4と、携帯端末7とを有する。
POS端末1とストアサーバ2とは、店舗P1内に設けられる。POS端末1とストアサーバ2とは、LAN(Local Area Network)等の店舗内ネットワークN1を介して通信可能に接続される。また、POS端末1及びストアサーバ2は、店舗内ネットワークN1に接続されたルータ等のネットワーク機器(図示せず)を介して、店舗P1と本部P2とを繋ぐネットワークN2に接続することが可能である。ここで、ネットワークN2は、例えば、インターネットやVPN(Virtual Private Network)等の専用線である。
POS端末1は、商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置である。POS端末1は、決済対象の商品の取引内容を含むレシート情報を生成し、当該レシート情報を後述するプリンタ13で印字することで紙レシートを出力する。また、POS端末1は、レシート情報のデータ形式を変換した電子レシート情報を、ネットワークN2を介して電子レシートサーバ3に出力(送信)する。電子レシート情報の送信方法は特に問わず、HTTPやHTTPS等の汎用プロトコルを用いてもよい。なお、店舗P1に設けられるPOS端末1の個数は特に問わず、複数台であってもよい。
ストアサーバ2は、POS端末1で行われる商品販売データ処理等の管理を統括的に行う。例えば、ストアサーバ2は、POS端末1の商品販売データ処理で生成された商品販売データを記憶・管理したり、商品販売データ処理に用いる商品データファイル等を記憶・管理する。
なお、店舗P1に配置されるPOS端末1の個数は特に問わず、複数台であってもよい。また、本実施形態では、POS端末1が電子レシート情報を出力する構成を説明するが、これに限らず、POS端末1で生成されたレシート情報を、ストアサーバ2や図示しない変換装置がデータ形式を変換することで、電子レシート情報として電子レシートサーバ3に出力する構成としてもよい。
電子レシートサーバ3は、店舗またはチェーン店舗(以下、店舗という)を運営する企業の本部P2に設けられており、店舗を運営する企業毎の電子レシート情報を管理する企業用のレシート管理サーバとして機能する。電子レシートサーバ3は、例えば、店舗を運営する企業の売上管理、売上分析、在庫管理などの機能を有する。
すなわち、電子レシートサーバ3は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、食品販売店、ドラッグストア、アパレル販売店、家電販売店、百貨店、生活雑貨店、飲食店などの店舗を運営する商品またはサービスの販売者である企業単位で複数台設けられている。
また、電子レシートサーバ3は、POS端末1から送信された電子レシート情報を、ネットワークN2を介して受信する。また、電子レシートサーバ3は、受信した電子レシート情報を、本部P2と電子レシートセンターP3とを繋ぐネットワークN3を介して、電子レシート管理サーバ4に送信する。
ここで、ネットワークN3は、例えば、インターネットやVPN等の専用線である。また、電子レシート情報の送信方法は特に問わず、HTTPやHTTPS等の汎用プロトコルを用いてもよい。
電子レシート管理サーバ4は、電子レシートセンターP3に設けられる。電子レシートセンターP3は、例えば、電子レシートサーバ3で電子レシート情報を管理する企業以外の第三者機関である。なお、電子レシートサーバ3についても第三者機関等が管理してもよい。
電子レシート管理サーバ4は、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に管理する顧客用レシート管理サーバとして機能する。電子レシート管理サーバ4は、後述する手順等により会員登録を行った各顧客(会員)の氏名や会員コード、電子レシート情報の送信先となる携帯端末7の送信先情報(例えばメールアドレス)等の会員データを、データベースDBに保持された会員マスタに記憶・管理する。なお、電子レシート管理サーバ4とは別に、会員データの記憶・管理を行う会員管理サーバ等を設ける構成としてもよい。
また、電子レシート管理サーバ4は、電子レシートサーバ3から送信された電子レシート情報を、ネットワークN3を介して受信し、この電子レシート情報をデータベースDBに保持された後述する電子レシート管理領域43aに記憶・管理する。より詳細には、電子レシート情報は、商品の取引内容(商品販売データ)の他、会員コード等の要素を含み、対応する会員の会員データと対応付けて管理される。
また、電子レシート管理サーバ4は、データベースDBに電子レシート情報を記憶すると、この電子レシート情報の会員コードに対応付けされた送信先情報を参照することで、送信先(携帯端末7)を特定する。そして、電子レシート管理サーバ4は、後述するネットワークN5を介して、データベースDBに記憶した電子レシート情報をその送信先に送信する。なお、電子レシート情報に付加情報が対応付けされている場合には、この付加情報についても送信先に送信する。
また、電子レシート管理サーバ4は、後述するネットワークN5を介して接続される携帯端末7から、会員コードを指定する電子レシート情報の照会を受け付けると、当該会員コードに対応する電子レシート情報をデータベースDBから抽出し、携帯端末7に送信する。なお、電子レシート情報に付加情報が対応付けされている場合、この付加情報についても照会があった携帯端末7に送信する。
携帯端末7は、本システムの利用者(顧客)が使用する、例えばスマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の端末装置である。携帯端末7は、ネットワークN5上で提供される各種情報を閲覧するためのWebブラウザ等のアプリケーションを実装する。なお、携帯端末7に代えて、PC等の端末装置を適用してもよい。
携帯端末7は、ネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4にアクセスすることで、本システムへの会員登録を行う。ここで、ネットワークN5は、インターネットや、各種公衆網である。
ところで、本システムでの顧客の会員登録は、例えば次のような手順で行われる。顧客は、携帯端末7からネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4に対して空メールを送信する。電子レシート管理サーバ4は、受信したメールアドレスに会員登録のためのページを示すURL(Uniform Resource Locator)を送信する。顧客は、携帯端末7から会員登録のためのページを示すURLにアクセスして会員登録に必要な事項(氏名、送信先情報等)を入力させる入力画面を表示させる。顧客による必要事項の入力終了後、電子レシート管理サーバ4は、会員マスタに対する会員登録を実行する。その後、電子レシート管理サーバ4は、携帯端末7に対して会員コード(顧客コード)及びパスワードを含む会員登録完了メールを配信する。これにより、会員登録が終了する。
上述のような会員登録後、携帯端末7は、顧客の会員コードを受取先コードとしてバーコードや二次元コード等のコードシンボルとして後述する表示部73(図6参照)に表示する。顧客は、店舗P1における取引決済時に店員に対して携帯端末7に表示されたコードシンボルを提示する。店員は、携帯端末7に表示されたコードシンボルをPOS端末1に接続されたコードスキャナ15(図2参照)で読み取る。これにより、POS端末1における商品販売データ処理による決済後に生成される電子レシート情報に対して顧客の会員コード(受取先コード)を対応付けることが可能になっている。
また、携帯端末7は、POS端末1での決済(取引)後、電子レシート管理サーバ4から送信される当該取引の電子レシート情報を、ネットワークN5を介して受信する。会員コードを指定する電子レシート情報の照会を、ネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4に送信することで、当該会員の電子レシート情報を電子レシート管理サーバ4から受信する。また、携帯端末7は、受信した電子レシートを、表示部73に表示する。
係る構成の電子レシートシステムにおいては、店舗P1のPOS端末1で商品販売データ処理が行なわれて生成された取引(決済)の内容を示す電子レシート情報が、電子レシートサーバ3を介して電子レシート管理サーバ4に伝送され、Web上に公開される。したがって、Webブラウザを実装してなる携帯端末7は、URL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、Web上に公開された電子レシート情報を携帯端末7にダウンロードしてWebブラウザで閲覧することができる。なお、携帯端末7に電子レシート情報を閲覧するためのアプリケーションをインストールして閲覧するようにしてもよい。
次に、本実施形態の電子レシートシステムを構築する主要な装置の構成について説明する。
まず、商品販売データ処理装置であるPOS端末1について説明する。図2は、POS端末1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、POS端末1は、各種演算やPOS端末1の各部を統括的に制御する制御部11を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、各種プログラムやデータを記憶するROM(Read Only Memory)、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)、現在の日時を計時するRTC(Real Time Clock)部等によって構成されるコンピュータである。
制御部11は、バス18を介して操作部12、プリンタ13、表示部14及びコードスキャナ15に接続されている。
操作部12は、オペレータが操作入力を行うための各種の操作キーを有している。操作キーとしては、例えば、数値を入力するための置数キー、所定の項目を選択するためのカーソルキーや選択決定キー、取引における売上登録が行われる商品の合計出力を指示する小計キー、一取引の締め処理を行って代金を決済することを宣言する締めキー、直前の取引を返品対象取引として読み出すことを宣言する「直前取引呼び出し」キー等が設けられている。
プリンタ13は、レシートやジャーナル等の印字を行うプリンタ装置である。プリンタ13は、印字の対象となるロール紙等の用紙を切断するカット機構を具備し(図示せず)、後述するカットコマンドに従い用紙を切断する。
表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等であり、販売登録された商品の品名、価格、決済が宣言された一取引の合計金額、釣銭額等の各種情報を表示する。表示部14は、キャッシャ向けに各種情報を表示するオペレータ用ディスプレイ14aと、顧客向けに各種情報を表示する客用ディスプレイ14bとを備える。なお、表示部14をタッチパネル構成としてもよく、この場合、タッチパネルは操作部12として機能する。
コードスキャナ15は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを光学的に読み取るスキャナ装置である。コードスキャナ15は、例えば、商品に付されたコードシンボルや、携帯端末7に表示されたコードシンボル等を読み取り、当該コードシンボルに保持された情報を制御部11に出力する。なお、商品に付されたコードシンボルには、その商品を特定するための商品コード等が保持されているとする。また、携帯端末7に表示されるコードシンボルには、その携帯端末7を携帯する顧客を特定するための会員コード(顧客コード)等が保持されているとする。
また、制御部11は、バス18を介して通信I/F(インターフェース)16に接続されており、この通信I/F16を介して店舗内ネットワークN1やネットワークN2に接続することが可能となっている。
また、制御部11は、バス18を介して、記憶部17に接続されている。記憶部17は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部17は、商品販売データ処理を含む各種のPOS業務を実行するためのプログラムを記憶する。また、記憶部17は、各商品の商品名、商品コード及び単価等の商品データを格納した商品データファイル等の商品販売データ処理に係る各種データファイルを記憶する。また、記憶部17は、商品販売データ処理や電子レシート情報に係る処理を行うためのレシート情報処理プログラム17aを記憶する。
また、記憶部17は、自己のPOS端末1を他のPOS端末1と識別するためのPOSナンバー、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、当該POS端末1が設置される店舗P1を示す店舗コード等を、識別コード管理領域17bに記憶する。ここで、業種・業態コードは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、薬局、レストラン、飲食店などとして、店舗の業種・業態を区別するコード(分類コード)である。なお、このような業種・業態は、ユーザの好みによって任意に変更可能である。また、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コードについては、電子レシートサーバ3に登録されていてもよい。
また、記憶部17は、非構造化形式のレシート情報を、XMLやCSV等の構造化形式の電子レシート情報に変換する際の、変換規則を記述したレシート情報スキーマ17cを記憶する。具体的に、レシート情報スキーマ17cには、レシート情報を構成する所定の要素と、その要素の属性を示す属性情報(タグ等)とが定義されている。
次に、企業用のレシート管理サーバとして機能する電子レシートサーバ3の構成を、図3のブロック図を用いて説明する。図3に示すように、電子レシートサーバ3は、各種演算や電子レシートサーバ3の各部を統括的に制御する制御部31を備えている。制御部31は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
制御部31は、バス34に接続された通信I/F32を介して、ネットワークN2やネットワークN3に接続することが可能となっている。また、制御部31は、バス34を介して記憶部33に接続されている。
記憶部33は、店舗を運営する企業毎の電子レシート情報を電子レシート管理領域33aに記憶する。電子レシート情報は、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、店舗コード、買物客の会員コード、POS端末1のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データなどを含む。
また、記憶部33は、電子レシート情報を電子レシート管理領域33aで管理するための電子レシート管理プログラム33bを記憶する。また、記憶部33は、電子レシート管理領域33aに管理されている電子レシート情報を、電子レシート管理サーバ4へ送信するための情報送信プログラム33cを記憶する。
次に、顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ4の構成を、図4のブロック図を用いて説明する。図4に示すように、電子レシート管理サーバ4は、各種演算や電子レシート管理サーバ4の各部を統括的に制御する制御部41を備えている。制御部41は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
制御部41は、バス44に接続された通信I/F42を介して、ネットワークN3、ネットワークN4及びネットワークN5に接続することが可能となっている。また、制御部41は、バス44を介して、記憶部43に接続されている。
記憶部43には、会員マスタを記憶・管理するための会員マスタ管理領域(図示せず)の他、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に記憶するための電子レシート管理領域43aが確保されている。より詳細には、電子レシート管理領域43aは、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を会員毎に管理する。
電子レシート情報は、会員コード、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、店舗コード、POS端末1のPOSナンバー、取引番号、商品販売データ(日付・時刻を含む)などを含んでいる。したがって、例えば消費財メーカー等は、当該メーカーに関連する一意な購入商品の証明情報を、この電子レシート情報から特定条件の下(例えば、店舗を運営する特定の企業限定、特定の地域限定、特定の時間限定等)に取得することが可能になる。なお、消費財メーカーは、食料品、飲料、衣類、化粧品、薬品、生活雑貨などのメーカーである。
また、記憶部43は、会員マスタを会員マスタ領域で管理するための会員管理プログラム(図示せず)の他、各企業の電子レシート情報を電子レシート管理領域43aで管理するための電子レシート管理プログラム43cを記憶する。また、記憶部43は、電子レシート情報を携帯端末7へ送信するための情報送信プログラム43dを記憶する。なお、会員マスタ管理領域、電子レシート管理領域43aは、図1で示したデータベースDBに対応する。
また、記憶部43はスタンプ管理テーブルTを格納する。ここで、図5はスタンプ管理テーブルTのデータ構成を例示的に示す模式図である。図5に示すように、スタンプ管理テーブルTは、後述する特定処理(例えば、スタンプ押印処理)が実行されたレシートを識別できる情報(店舗・日付・時刻・取引番号)に対して当該スタンプ押印処理が実行されたことを示すスタンプ情報(スタンプフラグ、スタンプ種別、返品対象商品(商品コード)など)を関連付けて記憶する。すなわち、スタンプ管理テーブルTはスタンプ情報管理手段として機能する。なお、スタンプ情報がスタンプ画像を有していても良い。
なお、本実施形態においては、スタンプ押印処理が実行されたことを示すスタンプ情報のスタンプ種別として、POS端末1における返品処理が実行されたことを示す種別である「返品」を例にして説明する。
本実施形態の電子レシート管理サーバ4で実行される電子レシート管理プログラム43cおよび情報送信プログラム43dは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の電子レシート管理サーバ4で実行される電子レシート管理プログラム43cおよび情報送信プログラム43dを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の電子レシート管理サーバ4で実行される電子レシート管理プログラム43cおよび情報送信プログラム43dをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の電子レシート管理プログラム43cおよび情報送信プログラム43dを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
次に、携帯端末7の構成を、図6のブロック図を用いて説明する。図6に示すように、携帯端末7は、各種演算や携帯端末7の各部を統括的に制御する制御部71を備えている。制御部71は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
制御部71は、バス76を介して操作部72及び表示部73に接続されている。操作部72は、ユーザ(顧客)が操作入力を行うための各種の操作キーや、ポインティングデバイスを有している。表示部73は、例えば液晶ディスプレイ等であり、後述する電子レシート情報等の各種情報を表示する。なお、表示部73をタッチパネル構成としてもよく、この場合、タッチパネルは操作部72として機能する。
また、制御部71は、バス76を介して通信I/F74に接続されており、この通信I/F74を介してネットワークN5に接続することが可能となっている。なお、通信I/F74を介して、店舗内ネットワークN1に接続可能な構成としてもよい。
また、制御部71は、バス76を介して、記憶部75に接続されている。記憶部75は、Web上に公開されている各種情報(コンテンツ)を閲覧するためのWebブラウザの他、電子レシート管理サーバ4から電子レシート情報を受け取るための電子レシート対応プログラム75aと、受け取った電子レシート情報を閲覧するための電子レシート閲覧プログラム75bとを記憶する。
次に、本実施形態のシステムを構成する各部の動作について説明する。
まず、POS端末1の制御部11がレシート情報処理プログラム17aに従って動作することにより実行される電子レシート処理について、図7〜図10を参照しつつ説明する。
図7に示すように、POS端末1で実行されるレシート情報処理プログラム17aは、レシート情報生成手段として機能するレシート情報生成部111と、出力手段として機能するレシート情報出力部112とを含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部11のCPUが記憶部17からレシート情報処理プログラム17aを読み出して実行することにより上記各部がRAM上にロードされ、レシート情報生成部111、レシート情報出力部112がRAM上に生成されるようになっている。
ここで、レシート情報生成部111は、商品販売データ処理及びレシートの印字用データ(レシート情報)の生成を主に行う、既存のアプリケーションに対応する機能部である。レシート情報生成部111は、コードスキャナ15を介して商品を特定する商品コードを取得すると、その商品コードに対応する商品データを商品データファイルから読み出し、この商品データが含む単価に基づいて決済金額を算出する商品販売データ処理を実行する。そして、レシート情報生成部111は、商品販売データ処理の際に処理された商品販売データ、つまり、その商品の取引内容を含むレシート情報を生成する。
ここで、商品販売データ処理は、購入商品について返品を行う返品処理も含む。POS端末1における返品処理は、携帯端末7に表示されたコードシンボル(会員コード)および返品対象となる商品の商品コードをPOS端末1に接続されたコードスキャナ15で読み取った後、当該商品コードにかかる商品について実行される。なお、返品処理における返品対象取引は、ほとんどの場合には直前取引であることが多いため、操作部12に設けられた「直前取引呼び出し」キー(図示せず)の操作によって直前の取引を返品対象取引として読み出すものであって良い。また、携帯端末7に表示された電子レシート情報の取引検索用のコードシンボルをコードスキャナ15で読み取ってストアサーバ2のジャーナルファイルから検索して読み出すものであっても良い。
また、レシート情報生成部111は、一取引中の何れかのタイミングにおいて、コードスキャナ15を介して顧客を特定する会員コードを取得すると、その会員コードを含むレシート情報を生成する。
図8は、レシート情報の一例を模式的に示す図である。ここで、レシート情報は、非構造化形式のテキストデータ等であって、プリンタ13での印字に用いられるものである。図8に示すように、レシート情報は、上述した商品販売データD1や会員コードD2の要素を含んでいる。ここで、商品販売データD1は、決済の対象となった商品の商品名(商品コード)とその金額、各商品の合計金額、顧客が支払った預かり金額、お釣り金額等を有する。
また、レシート情報は、店舗を運営する企業を示す企業コード(企業名)D3、店舗コード(店舗名)D4、店舗の電話番号D5、住所D6、取引日時D7、取引ナンバー(レシートナンバー)D8、レジナンバーD9、担当者名D10等の要素を含む。なお、レシート情報に含まれる要素は、図8の例に限らず、業種・業態コード等の他の要素を含んでもよいし、電話番号D5や住所D6等の要素を取り除いてもよい。
加えて、返品処理を実行した場合には、レシート情報は、返品処理を実行したことを識別する特定文字を返品対象商品(商品コード)に対応付けて含んでいる。
また、レシート情報生成部111は、締めキーの押下を受け付けると、一取引分の商品販売データ処理が完了したと判断し、生成したレシート情報をカットコマンドとともにレシート情報出力部112に出力(発行)する。ここで、カットコマンドは、一般的に用いられるプリンタ制御コマンドの一つであって、レシート情報を印字する用紙のカット(切断)を指示する指示情報である。なお、レシート情報の生成は、締めキーの押下に伴い一括して生成してもよいし、商品コードや顧客コードを取得する毎に順次生成する形態としてもよい。
レシート情報出力部112は、レシート情報生成部111で一取引分のレシート情報が生成される毎に、当該レシート情報の出力先を決定する。より詳細には、レシート情報出力部112は、レシート情報生成部111でカットコマンドが発行されると、一取引分のレシート情報が生成されたと判断する。そして、レシート情報出力部112は、生成されたレシート情報に会員コードが含まれるか否かを判定し、その判定結果に応じて定まる出力先にレシート情報を出力する。
具体的に、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれないと判定した場合、そのレシート情報をカットコマンドとともにプリンタ13に出力する。これにより、プリンタ13では、レシート情報を用紙に印字した後、カットコマンドに従いその用紙を切断することで、一取引分の紙レシートを印字出力する。なお、印字出力の際には、レシート情報を構成する全ての要素を印字してもよいし、会員コード等を取り除いたり、広告等の他の情報を付加した状態で印字してもよい。
また、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれると判定した場合、レシート情報スキーマ17cの変換規則に従い、そのレシート情報を所定のデータ形式に変換する。そして、レシート情報出力部112は、データ形式を変換したレシート情報、つまり電子レシート情報を、企業コードに応じた企業単位で管理する電子レシートサーバ3に送信(出力)する。
また、レシート情報出力部112は、返品処理を実行したことを識別するものであって返品対象商品(商品コード)に対応付けられた特定文字を検出し、電子化する際に、返品処理が実行されていることをレシート属性情報の一つとして付加して電子レシートサーバ3に送信する。
ここで、図9は、電子レシート情報の一例を模式的に示す図である。図9に示すように、電子レシート情報は、XMLやCSV等の構造化形式のデータ(構造化文書)で構成される。なお、図9では、図8に示したレシート情報の各要素(D1〜D10)を、XML形式に変換した例を示している。
レシート情報から電子レシート情報への変換は、レシート情報スキーマ17cに記述された変換規則に基づき行われる。具体的に、レシート情報スキーマ17cには、レシート情報を構成する所定の要素と、その要素の属性を示す属性情報(タグ等)とが定義されている。レシート情報出力部112は、レシート情報の各要素を対応する属性情報を用いて構造化することで、図9に示すような構造化形式の電子レシート情報を生成する。このような、構造化形式の電子レシート情報とすることで、当該電子レシート情報に含まれる要素を効率的に利用することができるため、データ管理の上で様々な利点を得ることができる。
このように、レシート情報出力部112は、レシート情報生成部111によるカットコマンドの発行により、一取引分のレシート情報が生成されたことを判断し、当該レシート情報の出力を開始する。これにより、レシート情報生成部111から、一取引の終了を指示するための専用信号をレシート情報出力部112に通知する必要もないため、既存のアプリケーションに対応するレシート情報生成部111については、特段の変更を行わずに、一取引分のレシート情報の出力をレシート情報出力部112で行うことができる。また、レシート情報生成部111の変更部分を抑えることができるため、既存のアプリケーションを効率的に流用しつつ、電子レシート情報の出力機能を実現させることができる。
また、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれるか否かに応じて、当該レシート情報の出力先を決定する。これにより、紙レシートの要否情報を顧客毎に用意することなく、紙レシート又は電子レシート情報の出力を行うことができるため、レシート情報の出力先を効率的に決定することができる。また、例えば、顧客(会員)は、取引毎に会員コードを入力又は非入力とすることで、紙レシート又は電子レシート情報の出力を選択することができるため、顧客の利便性を向上させることができる。
さらに、レシート情報出力部112は、レシート情報を電子レシートサーバ3に出力する場合に、当該レシート情報に含まれる要素を構造化した電子レシート情報に変換し、当該電子レシート情報を出力する。これにより、電子レシート情報に含まれる要素を効率的に利用することができるため、当該電子レシート情報を管理する電子レシートサーバ3及び電子レシート管理サーバ4や、当該電子レシート情報の表示を行う携帯端末7において、電子レシート情報の利便性を向上させることができる。
図10は、POS端末1における電子レシート処理の流れを示すフローチャートである。まず、POS端末1のレシート情報生成部111は、コードスキャナ15により、商品に付されたコードシンボル(商品コード)又は携帯端末7に表示されたコードシンボル(会員コード)が読み取られたか否かを判定する(ステップS11)。コードシンボルの読み取りが行われない場合(ステップS11;No)、レシート情報生成部111は、ステップS16に移行する。
一方、レシート情報生成部111は、コードシンボルが読み取られたと判定すると(ステップS11;Yes)、その読み取りにより取得した情報が、商品コードか会員コードかを判別する(ステップS12)。
ステップS12で、商品コードを取得した場合(ステップS12;商品コード)、レシート情報生成部111は、その商品コードで特定される商品について、商品データファイルから商品データを読み出すと、この商品データが含む単価に基づいて決済金額を算出する商品販売データ処理を実行し、または返品モードに予め設定されている場合には返品処理を実行する(ステップS13)。次いで、レシート情報生成部111は、商品販売データ処理の際に処理された商品販売データ、または返品処理の際に処理された返品データを含むレシート情報を生成する(ステップS14)。
また、ステップS12で会員コードを取得した場合(ステップS12;会員コード)、レシート情報生成部111は、その会員コードを含むレシート情報を生成する(ステップS15)。
ここで、会員コードをPOS端末1に入力するためには、例えば、会員である顧客が携帯端末7の表示部73に会員コード等を含むコードシンボルを表示し、店員または会員である顧客自らがPOS端末1のコードスキャナ15で読み取る。なお、レシート情報生成部111は、一取引の間に入力される会員コードが唯一となるよう排他処理等を施す形態としてもよい。
続くステップS16において、レシート情報生成部111は、締めキーの押下等により締め処理の開始が指示されたか否かを判定する(ステップS16)。締め処理の開始が指示されない場合(ステップS16;No)、ステップS11に戻る。締め処理の開始が指示された場合(ステップS16;Yes)、レシート情報生成部111は、カットコマンドをレシート情報出力部112に発行(出力)する(ステップS17)。
レシート情報出力部112は、レシート情報生成部111からカットコマンドを受け付けると、一取引分のレシート情報が生成されたと判断し、そのレシート情報に会員コードが含まれるか否かを判定する(ステップS18)。
レシート情報に会員コードが含まれない場合(ステップS18;No)、レシート情報出力部112は、一取引分のレシート情報をカットコマンドとともにプリンタ13に出力することで、当該レシート情報を印字出力し(ステップS19)、本処理を終了する。これにより、プリンタ13では、レシート情報を用紙に印字した後、カットコマンドに従いその用紙を切断することで、一取引分の紙レシートを印字出力する。
一方、レシート情報に会員コードが含まれる場合(ステップS18;Yes)、レシート情報出力部112は、非構造化形式であるレシート情報のデータ形式を、レシート情報スキーマ17cに記述された変則規則に基づいて構造化形式に変換することで電子レシート情報を生成する(ステップS20)。そして、レシート情報出力部112は、通信I/F16を介して生成した電子レシート情報を電子レシートサーバ3に送信し(ステップS21)、本処理を終了する。
なお、上記の処理ではレシート情報に会員コードが含まれる場合、当該レシート情報を電子レシートサーバ3に出力する形態としたが、これに限らず、プリンタ13及び電子レシートサーバ3の両方に出力してもよい。
また、レシート情報に会員コードが含まれる場合には、そのレシート情報の出力先を選択可能な構成としてもよい。例えば、携帯端末7は表示するコードシンボルに、レシート情報の出力先を指定する出力区分情報を保持させ、この出力区分情報に基づいて出力先を選択する形態としてもよい。この形態の場合、レシート情報生成部111は、コードスキャナ15が読み取った出力区分情報を、会員コードとともにレシート情報に含める。そして、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれると判定し、且つ出力区分情報が存在すると判定した場合、その出力区分情報に基づいてレシート情報の出力先を決定する。なお、出力区分情報には、プリンタ13及び電子レシートサーバ3の何れか一方、又は両方を指定することが可能である。
また、商品の決済時にレシート情報の出力先をその都度選択させる形態としてもよい。この形態を用いる場合、例えば、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれると判定した場合に、レシート情報の出力先を選択するための出力先選択画面を表示部14に表示する。
次に、電子レシートサーバ3の制御部31が、電子レシート管理プログラム33bに従って動作することにより実行される電子レシート管理処理及び情報送信プログラム33cに従って動作することにより実行される情報送信処理の流れを、図11に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
電子レシートサーバ3の制御部31は、POS端末1から送信された電子レシート情報を通信I/F32を介して受信すると(ステップS31;Yes)、記憶部33の電子レシート管理領域33aに企業毎の電子レシート情報として記憶する(ステップS32)。そして、電子レシートサーバ3の制御部31は、ステップS32で記憶した電子レシート情報を電子レシート管理サーバ4に送信し(ステップS33)、ステップS31に戻る。
また、電子レシートサーバ3の制御部31は、予め設定された送信タイミングになると(ステップS31;No→ステップS34;Yes)、電子レシート管理領域33aに記憶して管理されている電子レシート情報を電子レシート管理サーバ4に送信し(ステップS35)、ステップS31に戻る。このステップS35の送信により、例えばステップS33で送信の対象から漏れた電子レシート情報を、電子レシート管理サーバ4に送信することができる。なお、ステップS35では、未送信の電子レシート情報のみを送信するよう制御してもよい。
次に、電子レシート管理サーバ4の制御部41が、電子レシート管理プログラム43cに従って動作することにより実行される電子レシート管理処理及び情報送信プログラム43dに従って動作することにより実行される商品情報送信処理の流れを、図12に示す機能ブロック図及び図13に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図12に示すように、電子レシート管理サーバ4で実行される電子レシート管理プログラム43c及び情報送信プログラム43dは、受信手段として機能する受信部411、電子レシート管理部412、電子レシート送信部413を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部41のCPUが記憶部43から電子レシート管理プログラム43c及び情報送信プログラム43dを読み出して実行することにより上記各部がRAM上にロードされ、受信部411、電子レシート管理部412、電子レシート送信部413がRAM上に生成されるようになっている。
受信部411は、店舗を運営する企業を示す企業コードを含み、商品販売データ処理の際に印字発行されるレシートあるいは領収書に代えて電子的に処理した企業単位の電子レシート情報を、電子レシートサーバ3から受信する。
電子レシート管理部412は、受信部411により受信した企業単位の電子レシート情報を記憶部43の電子レシート管理領域43aに記憶して管理する。
また、電子レシート管理部412は、受信部411により受信した企業単位の返品処理にかかる電子レシート情報に返品処理が実行されたことを識別する特定文字が付加されている場合には、電子レシート情報を返品電子レシート情報として記憶部43のスタンプ管理テーブルTに記憶して管理する。より詳細には、電子レシート管理部412は、返品処理を実行したことを識別するものであって返品対象商品(商品コード)に対応付けられた特定文字を含む返品電子レシート情報を受信すると、スタンプ管理テーブルTに返品処理が実行されたレシートを識別できる情報(店舗・日付・時刻・取引番号・返品対象商品(商品コード))を記憶するとともに、スタンプ管理テーブルTのスタンプフラグを有効にし、スタンプ管理テーブルTのスタンプ種別を「返品」にセットする。
電子レシート送信部413は、電子レシート閲覧可能手段として機能する。電子レシート送信部413は、所定の買物客の会員コードに対応付けられた携帯端末7に対し、当該会員コードに対応付けられていて少なくとも1以上の企業コードを含む電子レシート情報を電子レシート管理領域43aから取得して送信して、閲覧可能にする。また、電子レシート送信部413は、当該電子レシート情報にスタンプ管理テーブルTで管理されるスタンプ情報(スタンプフラグ、スタンプ種別、返品対象商品(商品コード)など)が対応付けられている場合には、そのスタンプ情報(スタンプフラグ、スタンプ種別、返品対象商品(商品コード)など)をスタンプ管理テーブルTから取得して、電子レシート情報とともに送信して、閲覧可能にする。
図13に示すように、電子レシート管理サーバ4の受信部411は、各企業の電子レシートサーバ3から送信された電子レシート情報を、通信I/F42を介して受信したか否かを判断する(ステップS41)。
電子レシート情報を受信した場合(ステップS41;Yes)、電子レシート管理サーバ4の電子レシート管理部412は、一般の電子レシート情報の場合には、記憶部43の電子レシート管理領域43aに各種企業の電子レシート情報を記憶し、返品処理にかかる電子レシート情報(返品電子レシート情報)の場合には、記憶部43のスタンプ管理テーブルTに各種企業の返品処理にかかるレシートを識別できる情報およびスタンプ情報を記憶する(ステップS42)。
続いて、電子レシート送信部413は、ステップS42で電子レシート情報を記憶した場合には記憶した電子レシート情報を、ステップS42で返品処理にかかる電子レシート情報(返品電子レシート情報)を記憶した場合には記憶したスタンプ情報と当該返品電子レシート情報の識別情報(店舗・日付・時刻・取引番号)に対応づけられた電子レシート情報を、当該電子レシート情報の会員コードに対応付けて管理されている送信先(携帯端末7)に送信し(ステップS43)、ステップS41に戻る。
また、電子レシート管理サーバ4の電子レシート送信部413は、携帯端末7から電子レシート情報の照会があった場合(ステップS41;No→ステップS44;Yes)、電子レシート管理領域43aに記憶して管理されている電子レシート情報および当該電子レシート情報の識別情報(店舗・日付・時刻・取引番号)に対応づけられたスタンプ情報を、電子レシート情報の照会の内容に従って抽出した後(ステップS45)、照会があった携帯端末7に送信し(ステップS46)、ステップS41に戻る。
次に、携帯端末7の制御部71が、電子レシート対応プログラム75aに従って動作することにより実行される電子レシート受け取り処理及び電子レシート閲覧プログラム75bに従って動作することにより実行される電子レシート閲覧処理の流れを、図14〜図16を参照しつつ説明する。
図14に示すように、携帯端末7で実行される電子レシート対応プログラム75a及び電子レシート閲覧プログラム75bは、会員対応付け部711、電子レシート受信部712、電子レシート表示部713を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部71のCPUが記憶部75から電子レシート対応プログラム75a及び電子レシート閲覧プログラム75bを読み出して実行することにより上記各部がRAM上にロードされ、会員対応付け部711、電子レシート受信部712、電子レシート表示部713がRAM上に生成されるようになっている。
会員対応付け部711は、所定の買物客の会員コードを対応付ける。電子レシート受信部712は、電子レシート管理サーバ4から電子レシート情報およびスタンプ情報を受信する。電子レシート表示部713は、電子レシート受信部712により受信した電子レシート情報およびスタンプ情報を表示部73に表示する。
図15に示すように、まず、携帯端末7の会員対応付け部711は、電子レシート管理サーバ4にアクセスして会員コード及びパスワードの入力によって認証処理を実行する(ステップS51)。これにより、携帯端末7と所定の買物客の会員コードとが対応付けられる。
認証後、携帯端末7の電子レシート受信部712は、入力された当該会員コードに対応して電子レシート管理サーバ4の電子レシート管理領域43aに記憶され管理されている電子レシート情報およびスタンプ情報を受信する(ステップS52)。なお、電子レシート情報の受信については、電子メールによって受信するものであってもよい。
次に、携帯端末7の電子レシート表示部713は、電子レシート受信部712が受信した電子レシート情報およびスタンプ情報を表示部73に表示し(ステップS53)、処理を終了する。
より詳細には、携帯端末7の電子レシート表示部713は、消費者の携帯端末7に表示する電子レシートイメージの生成の際に、当該電子レシート情報の識別情報(店舗・日付・時刻・取引番号)に対応づけられたスタンプ情報のスタンプフラグが「有効」であってスタンプ種別が「返品」の場合には、予め「返品」用に規定されたスタンプ(例えば、「取消線」と「返品印」)を当該電子レシート情報の返品対象商品に合成して表示する。すなわち、電子レシート情報に対する返品処理はスタンプ管理テーブルTのデータを合成して行われるため、電子レシート管理領域43aに記憶された電子レシート情報は元の状態を保持したままとなっている。
図16は、携帯端末7の表示部73に表示された返品電子レシート情報G2の一例を示す図である。返品電子レシート情報G2は、用紙に印字されるレシートと同様のレイアウトや内容で表示される。また、返品電子レシート情報G2内において、操作部72の入力に追従するカーソルにより、取引された商品を示す商品a等にフォーカスを当てることができる。また、図16では、返品電子レシート情報G2内に、店名のロゴを表示する店名ロゴ部G21や、広告等を表示するバナー表示部G22等を設けた例を示している。
また、図16に示すように、返品処理が実行された返品対象商品には、予め「返品」用に規定されたスタンプ(例えば、「取消線」Lと「返品印」S)が合成されて表示されている。
なお、電子レシート情報の表示形態は、必ずしも用紙に印字されるレシートのイメージに合わせる必要はない。しかしながら、電子レシート情報は、紙のレシートに代わるものであり、商品を購入したことを証明する電子的な商品購入証明情報となるものである。そこで、図16では、商品購入証明情報として提示する場合に使用するため、以下の情報を表示した例を示している。
・店舗名
・購入日時
・購入商品明細
・売上合計額
・預り金額
・お釣り金額
・レジナンバー
・取引ナンバー
なお、複数の電子レシート情報を受信した場合には、電子レシート情報に含まれる購入日、企業コード等に基づいて、電子レシート情報の各々を選択可能な選択画面を表示してもよい。この場合、電子レシート表示部713は、選択画面から選択された電子レシート情報を表示部73に表示する。
このように、実施形態の電子レシート管理サーバによれば、受信した電子レシート情報がスタンプ押印処理を実行したものである場合、当該スタンプ押印処理が実行された電子レシート情報の識別情報に対して当該スタンプ押印処理が実行されたことを示すスタンプ情報を関連付けて管理し、送信対象の電子レシート情報にスタンプ情報が対応付けられている場合には、当該スタンプ情報を電子レシート情報とともに携帯端末7に送信する。これにより、保存済みの電子レシート情報を変更せずに、後から電子レシート情報へのスタンプ押印や手書き運用を可能とすることができるので、電子レシート情報に対して正当性を確保するための電子署名やタイムスタンプ等の処理が施されていると元データの改ざんとなってしまうという問題が生じることはない。
なお、本実施形態においては、スタンプ押印処理が実行されたことを示すスタンプ情報のスタンプ種別として、POS端末1における返品処理が実行されたことを示す種別である「返品」を例にして説明したが、これに限るものではない。
(インセンティブ(景品交換、駐車券発給等)の付与)
例えば、スタンプ情報のスタンプ種別としては、景品交換済みレシートに対するスタンプ押印や、駐車券発給済みレシートに対するスタンプ押印にも適用可能である。例えば、POS端末1の操作部12に電子レシート情報における景品交換済みレシートに対するスタンプ押印や駐車券発給済みレシートに対するスタンプ押印を行ったことを宣言するスタンプキー(景品交換キーや駐車券発給キー)を設けておき、スタンプキー(景品交換キーや駐車券発給キー)が押下された場合、POS端末1のレシート情報生成部111は、景品交換または駐車券発給の実施を識別する特定文字をレシート属性情報の一つの要素としてレシート情報に含める。
そして、POS端末1のレシート情報出力部112は、特定文字の印字を検出し、電子化する際に、景品交換または駐車券発給済みスタンプが押印されることをレシート属性情報の一つとして付加して電子レシートサーバ3に送信する。
その後、電子レシート管理サーバ4の電子レシート管理部412は、景品交換または駐車券発給の実施を識別する特定文字を含む電子レシート情報を受信すると、スタンプ管理テーブルTに景品交換または駐車券発給が実施されたレシートを識別できる情報(店舗・日付・時刻・取引番号)を記憶するとともに、スタンプ管理テーブルTのスタンプフラグを有効にし、スタンプ管理テーブルTのスタンプ種別を「景品交換」または「駐車券発給」にセットする。
これにより、携帯端末7で電子レシート情報を表示する際、スタンプフラグが有効で、スタンプ種別が「景品交換」または「駐車券発給」であれば、予め「景品交換」または「駐車券発給」用に規定された景品交換済みスタンプまたは駐車券発給済みスタンプが電子レシート情報上に合成されて表示される。
(ポイントスタンプ押印)
例えば、スタンプ情報のスタンプ種別としては、ポイントスタンプ押印にも適用可能である。例えば、POS端末1の操作部12に電子レシート情報におけるポイントスタンプ押印を行ったことを宣言するスタンプキー(ポイント付与キー)を設けておき、スタンプキー(ポイント付与キー)が操作された場合、POS端末1のレシート情報生成部111は、ポイントスタンプ押印の実施を識別する特定文字をレシート属性情報の一つの要素としてレシート情報に含める。なお、ポイント付与条件をPOS端末1が判断するものであっても良い。
そして、POS端末1のレシート情報出力部112は、特定文字の印字を検出し、電子化する際に、ポイントスタンプが押印されることをレシート属性情報の一つとして付加して電子レシートサーバ3に送信する。
その後、電子レシート管理サーバ4の電子レシート管理部412は、ポイントスタンプ押印の実施を識別する特定文字を含む電子レシート情報を受信すると、スタンプ管理テーブルTにポイントスタンプ押印が実施されたレシートを識別できる情報(店舗・日付・時刻・取引番号)を記憶するとともに、スタンプ管理テーブルTのスタンプフラグを有効にし、スタンプ管理テーブルTのスタンプ種別を「ポイントスタンプ押印」にセットする。
これにより、携帯端末7で電子レシート情報を表示する際、スタンプフラグが有効で、スタンプ種別が「ポイントスタンプ押印」であれば、予め「ポイントスタンプ押印」用に規定されたポイントスタンプ押印済みスタンプが電子レシート情報上に合成されて表示される。なお、規定金額運用の場合には、端数が表示されるようにしても良い。
なお、以上の説明においては、規定のスタンプが電子レシート情報上に押印される事を前提に記載したが、スタンプのデザインは電子レシート情報の仕組みを導入する企業毎に変更が可能である。更には、POS端末1にデジタルペン等のデバイスが接続している場合には、手書きのデジタルサインを電子レシート情報に付与することも可能である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、前述した第1の実施形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
第1の実施形態においては、直前の取引を返品対象取引として読み出すようにしたが、第2の実施形態においては、ストアサーバ2のジャーナルファイルから対象取引を検索して読み出すようにしたものである。
図17は、第2の実施形態にかかる電子レシートシステムにおけるスタンプ処理にかかる画面遷移を示す図である。まず、POS端末1の制御部11は、対象となる元レシートをストアサーバ2のジャーナルファイルから検索して呼び出すジャーナルファイル検索機能を実行する。
次いで、POS端末1の制御部11は、各種処理業務の一覧を表示する業務選択画面X(図17(a))を表示部14に表示する。POS端末1の制御部11は、表示部14に表示された業務選択画面X(図17(a))から「スタンプ処理」ボタンX1の押下があったと判定すると、スタンプ処理を開始する。
続いて、POS端末1の制御部11は、業務選択画面Xから「スタンプ処理」ボタンX1の押下があったと判定すると、スタンプ選択画面Y(図17(b))を表示する。スタンプ選択画面Y(図17(b))で選択可能な「スタンプ」ボタンY1〜Y4は、例えば以下に示すものが挙げられる。
・「領収書発行済」
・「ポイント付与済」
・「駐車券発行済」
・「済」
「領収書発行済」ボタンY1は、領収書を発行した時に元レシートに対してスタンプ押下する従来の処理を電子化するものである。「ポイント付与済」ボタンY2は、ポイントカードを忘れた場合にポイントを後付した時に元レシートに対してスタンプ押下する従来の処理を電子化するものである。「駐車券発行済」ボタンY3は、XX円以上のお買上げ時にN時間分の駐車券を発行する場合に、元レシートに対してスタンプ押下する従来の処理を電子化するものである。「済」ボタンY4は、汎用的に使用可能であって、例えば、紙のスタンプカードにXX円でスタンプを押下する場合に、元レシートに対してスタンプ押下する従来の処理を電子化するものである。
POS端末1の制御部11は、表示部14に表示されたスタンプ選択画面Y(図17(b))からいずれかの「スタンプ」ボタンY1〜Y4の押下があったと判定すると、スタンプ押印処理を開始する。
スタンプ押印処理において、POS端末1の制御部11は、呼び出した元レシートの元POS番号、元レシート番号(取引番号)、元取引日時に加えて、会員コード、企業ID、店舗コード、ポイントカード番号、選択されたスタンプにかかるスタンプ文字列などに基づいてダミーの印字データであるレシート情報を作成する。
POS端末1の制御部11(レシート情報出力部112)は、レシート情報に会員コードが含まれているので、非構造化形式であるレシート情報のデータ形式を、レシート情報スキーマ17cに記述された変則規則に基づいて構造化形式に変換してスタンプ情報を生成し、生成したスタンプ情報を電子レシートサーバ3に送信する。
スタンプ情報は、電子レシートサーバ3を経由して電子レシート管理サーバ4の電子レシート管理領域43aに記憶される。
そして、電子レシート管理サーバ4は、携帯端末7からのアクセスがあった場合に、電子レシート情報およびスタンプ情報を携帯端末7の表示部73に表示する。
より詳細には、電子レシート管理サーバ4は、消費者の携帯端末7に表示する電子レシートイメージの生成の際に、携帯端末7から送られた電子レシート情報の識別情報(店舗・日付・時刻・取引番号)に対応づけられたスタンプ情報がある場合には、選択されたスタンプにかかるスタンプ文字列(例えば、「領収書発行済」、「ポイント付与済」、「駐車券発行済」、「済」など)に応じたスタンプ画像を生成する。そして、電子レシート管理サーバ4は、携帯端末7から送られた識別情報(店舗・日付・時刻・取引番号)に対応する電子レシート情報に対して、スタンプ画像を合成する。このようにして合成された電子レシート情報およびスタンプ画像が、携帯端末7の表示部73に表示されることになる。
ここで、図18は携帯端末7の表示部73に表示された電子レシート情報G3の一例を示す図である。電子レシート情報G3は、用紙に印字されるレシートと同様のレイアウトや内容で表示される。また、図18に示すように、スタンプ選択画面Y(図17(b))からいずれかの「スタンプ」ボタンY1〜Y4の押下があった場合には、当該選択されたスタンプにかかるスタンプ文字列に応じたスタンプ画像S1が合成されて表示されている。
図18に示す例は領収書を発行した場合であって、元取引の電子レシート情報に対して、「領収書発行済み」のスタンプ画像S1が重ねられて携帯端末7に表示されている。そして、図18に示す例では、スタンプ画像S1の表示位置は、ヘッダ部分である。また、スタンプ画像S1の文字列は、電子レシート情報にセットされている文字列でスタンプ画像S1を形成している。
したがって、スタンプ画像S1の文字列は変更可能なため、汎用的に以下のような場合にも使用できるものとなっている。
・「ポイント付与済み」
・「駐車券発行済み」
・「済み」
このように電子レシート情報に対してスタンプ画像を合成して表示することにより、特定処理(例えば、領収書発行に伴うスタンプ押印処理)の重複(例えば、領収書の二重発行)を抑止することができる。
なお、本実施形態においては、図18に示すように、一のスタンプ画像S1を電子レシート情報に対して合成して表示するようにしたが、これに限るものではない。例えば、図19に示すように、一つの電子レシート情報に対して、複数のスタンプ押印処理を連続的に実行し、各スタンプ押印処理にそれぞれ対応する複数のスタンプ画像S2〜S4を合成するようにしても良い。
なお、上記の各実施形態では、POS端末1の制御部11(レシート情報出力部112)が、レシート情報から電子レシート情報へと変換するようにしたが、これに限らず、POS端末1のプリンタ13がレシート情報から電子レシート情報への変換処理を実行するようにしても良い。具体的には、プリンタ13に備えられた印字を制御する印字制御装置(図示せず)が、レシート情報出力部112として機能することになる。この場合、プリンタ13の印字制御装置は、POS端末1の制御部11(レシート情報生成部111)で生成されて入力されたレシート情報に会員コードが含まれないと判定した場合、そのレシート情報を印字出力する。一方、プリンタ13の印字制御装置は、POS端末1の制御部11(レシート情報生成部111)で生成されて入力されたレシート情報に会員コードが含まれると判定した場合、レシート情報から電子レシート情報へと変換する。また、プリンタ13の印字制御装置は、POS端末1の制御部11(レシート情報生成部111)で生成されて選択されたスタンプにかかるスタンプ文字列などに基づいてダミーの印字データであるレシート情報に会員コードが含まれると判定した場合、選択されたスタンプにかかるスタンプ文字列などに基づいてダミーの印字データであるレシート情報から電子レシート情報へと変換する。そして、プリンタ13の印字制御装置は、生成した電子レシート情報を、POS端末1の通信I/F16を介して電子レシートサーバ3に送信する。
また、例えば、上記各実施形態では、コードスキャナ15を用いて会員コード等を取得する形態としたが、これに限らず、他の手法を用いて会員コード等を取得してもよい。具体的には、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信部をPOS端末1及び携帯端末7が備えることで、近距離無線通信により会員コード等を送受信可能な構成としてもよい。この場合、携帯端末7は、会員コード等を記憶部75や図示しないICタグ等に保持するものとする。
また、上記各実施形態では、携帯端末7から会員コード等を取得する形態としたが、これに限らず、ICカードや磁気カード等の会員コードを保持することが可能な媒体から取得してもよい。なお、ICカードを用いる場合には、POS端末1は、ICカードリーダライタ等の読取/書込部を備えるものとする。また、磁気カードを用いる場合には、POS端末1は、磁気カードのカードリーダ/カードライタ等を備えるものとする。
また、上記各実施形態では、本部P2に電子レシートサーバ3を設ける形態としたが、これに限らず、店舗P1内に、当該店舗用の電子レシートサーバ3を設ける形態としてもよい。この場合、POS端末1は、自店舗の店舗内ネットワークN1に接続された電子レシートサーバ3に電子レシート情報を出力し、電子レシートサーバ3は、店舗内ネットワークN1及びネットワークN2を介して電子レシート管理サーバ4に電子レシート情報を送信する。
また、上記各実施形態では、POS端末1で生成された電子レシート情報を、電子レシートサーバ3を介して電子レシート管理サーバ4に出力する形態としたが、これに限らず、POS端末1からネットワークN3を介して電子レシート管理サーバ4にアクセスすることで、電子レシート管理サーバ4に電子レシート情報を直接出力する形態としてもよい。
また、上記各実施形態では、携帯端末7は、電子レシート管理サーバ4を介して電子レシート情報を受信する形態としたが、これに限らず、POS端末1から電子レシート情報を直接受信する形態としてもよい。この場合、POS端末1は、店舗内ネットワークN1や図示しない近距離無線通信部を介して接続された携帯端末7に対し、生成した電子レシート情報を出力する。また、この場合、POS端末1で認証処理を行ってもよい。
また、上記各実施形態では、商品データファイルをPOS端末1が記憶する形態としたが、これに限らず、ストアサーバ2が、POS端末1から参照可能に商品データファイルを記憶する形態としてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。