JP2019074477A - 光走査高さ測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象物の所望の部分の高さを短時間でかつ高精度で測定することが可能な光走査高さ測定装置を提供する。【解決手段】測定対象物Sに照射されるとともに反射されて導光部240に帰還する測定光と参照部250の参照体に照射されるとともに反射されて導光部240に帰還する参照光とを干渉させるために、参照部250内の可動部が移動して参照光の光路長が調整される。可動部の適切な移動範囲は、飛行時間法により算出される測定光の概略の光路長に基づいて干渉可能範囲として決定される。測定光と参照光とが干渉することにより干渉光が生成される。干渉光が測定部232の受光部により受光され、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号が生成される。可動部の位置と受光信号における干渉光の受光量とに基づいて測定光の光路長が第2の光路長として高精度で算出される。第2の光路長に基づいて測定対象物の部分の高さが算出される。【選択図】図3

Description

本発明は、測定対象物の表面形状を測定する光走査高さ測定装置に関する。
測定対象物の表面形状を測定するために、光走査高さ測定装置が用いられる。例えば、特許文献1に記載された寸法測定装置においては、低コヒーレンス光源から放射された光が、ビームスプリッタにより測定光と参照光とに分割される。測定光は、測定対象物走査光学系により偏向され、測定対象物の表面上に照射される。参照光は、参照光走査光学系に導かれ、参照光走査光学系における光路長が変化されつつコーナーキューブプリズムにより反射される。測定対象物で反射された測定光とコーナーキューブプリズムで反射された参照光との干渉に基づいて、測定対象物の測定点の表面位置が求められる。
特開2014−85269号公報
上記の参照光走査光学系においては、参照光走査光学系における参照光の光路長を変化させて測定光と参照光とを干渉させるために、直動ステージがコーナーキューブプリズムとともに直線状のガイドレール上を往復移動する。直動ステージの移動範囲を大きくすることにより表面位置の測定可能範囲を大きくすることができる。
しかしながら、直動ステージの移動範囲が大きくなると、直動ステージの移動時間が長くなる。それにより、測定に要する時間が長くなる。
本発明の目的は、測定対象物の所望の部分の高さを短時間でかつ高精度で測定することが可能な光走査高さ測定装置を提供することである。
(1)第1の発明に係る光走査高さ測定装置は、測定点の指定を受け付ける受付部と、時間的に低コヒーレンスな第1の光を出射する第1の光出射部と、第1の光出射部から出射された第1の光を分岐するとともに分岐された第1の光の一部を測定光として出力し、分岐された第1の光の他の部分を参照光として出力する分岐部と、第1の光とは異なる第2の光を出射する第2の光出射部と、分岐部から出力される測定光に第2の光出射部から出射される第2の光を結合する光結合部と、光結合部により結合された測定光および第2の光を偏向して測定対象物に照射する偏向部と、受付部により受け付けられた測定点に対応する測定対象物の部分に測定光および第2の光が照射されるように偏向部を制御する駆動制御部と、偏向部により測定対象物に照射されて測定対象物により反射された第2の光を受光する第1の受光部と、第2の光が第2の光出射部から出射された時点から当該第2の光が測定対象物により反射されて第1の受光部により受光される時点までの時間に基づいて、分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長を第1の光路長として算出する第1の算出部と、分岐部から出力される参照光が分岐部に帰還するように参照光を反射する参照体と、第1の移動軸に沿って移動することにより、測定対象物により反射されて分岐部に帰還する測定光と参照体により反射されて分岐部に帰還する参照光とが干渉するように、分岐部から参照体に至る参照光の光路長を変化させる可動部と、可動部を第1の移動軸上で移動可能に支持する支持部と、第1の算出部により算出された第1の光路長に基づいて測定光と参照光との干渉を可能とする可動部の移動範囲を干渉可能範囲として決定する決定部と、干渉可能範囲内で可動部を支持部に対して移動させる干渉駆動部と、支持部に対する可動部の相対位置を検出する可動部位置検出部と、測定光と参照光との干渉により生成された干渉光を受光し、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号を生成する第2の受光部と、可動部位置検出部により検出される相対位置と第2の受光部により生成される受光信号における干渉光の受光量とに基づいて分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長を第2の光路長として算出する第2の算出部と、偏向部の偏向方向または偏向部により偏向された測定光の照射位置と第2の算出部により算出された第2の光路長とに基づいて、指定された測定点に対応する測定対象物の部分の高さを算出する高さ算出部とを備える。
その光走査高さ測定装置においては、第1の光出射部から出射された第1の光が分岐部により測定光と参照光とに分岐される。測定光は、偏向部により測定対象物に照射され、測定対象物により反射されて分岐部に帰還する。一方、参照光は、分岐部から出力され、参照体により反射されて分岐部に帰還する。可動部の移動により分岐部から参照体に至る参照光の光路長が変化する。それにより、分岐部から出力されて分岐部に帰還する測定光の光路長と分岐部から出力されて分岐部に帰還する参照光の光路長とが一致するときに干渉光が生成される。
一方、第2の光出射部から出射された第2の光は測定光に結合され、測定光とともに偏向部から測定対象物に照射される。測定対象物により反射された第2の光は第1の受光部により受光される。このとき、第2の光が第2の光出射部から出射された時点から第1の受光部により受光される時点までの時間に基づいて、分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の概略の光路長が第1の光路長として算出される。さらに、第1の光路長に基づいて、測定光と参照光とを干渉させるための可動部の移動範囲が干渉可能範囲として決定される。この場合、干渉可能範囲は可動部の移動可能範囲よりも小さいため、短い移動時間で干渉光の生成が可能となる。
測定光と参照光との干渉により生成された干渉光は第2の受光部により受光され、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号が生成される。支持部に対する可動部の相対位置と受光信号における干渉光の受光量とに基づいて、分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長が第2の光路長として高精度で算出される。さらに、高精度な第2の光路長に基づいて、測定点に対応する測定対象物の部分の高さが高精度に算出される。
上記の構成によれば、概略的な第1の光路長に基づいて干渉可能範囲が決定されることにより、可動部の移動距離および移動時間が短縮されるので、測定に要する時間が短縮される。したがって、測定対象物の所望の部分の高さを短時間でかつ高精度で測定することが可能となる。
(2)第1の光出射部により出射される第1の光は、第1の波長を有し、第2の光出射部により出射される第2の光は、第2の波長を有し、第1の波長および第2の波長は互いに異なり、第2の波長は、可視光領域の波長であってもよい。
それにより、使用者は、第2の光とともに測定光が照射されている測定対象物の表面上の位置を容易に把握することができる。
(3)第2の発明に係る光走査高さ測定装置は、測定点の指定を受け付ける受付部と、時間的に低コヒーレンスな光を出射する光出射部と、光出射部から出射された光を分岐するとともに分岐された光の一部を測定光として出力し、分岐された光の他の部分を参照光として出力する分岐部と、分岐部から出力される測定光を偏向して測定対象物に照射する偏向部と、受付部により受け付けられた測定点に対応する測定対象物の部分に測定光が照射されるように偏向部を制御する駆動制御部と、偏向部により測定対象物に照射されて測定対象物により反射された測定光を受光する第1の受光部と、光出射部から光が出射された時点から当該光が分岐部により分岐されて生成される測定光が測定対象物により反射されて第1の受光部により受光される時点までの時間に基づいて、分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長を第1の光路長として算出する第1の算出部と、分岐部から出力される参照光が分岐部に帰還するように参照光を反射する参照体と、第1の移動軸に沿って移動することにより、測定対象物により反射されて分岐部に帰還する測定光と参照体により反射されて分岐部に帰還する参照光とが干渉するように、分岐部から参照体に至る参照光の光路長を変化させる可動部と、可動部を第1の移動軸上で移動可能に支持する支持部と、第1の算出部により算出された第1の光路長に基づいて測定光と参照光との干渉を可能とする可動部の移動範囲を干渉可能範囲として決定する決定部と、干渉可能範囲内で可動部を支持部に対して移動させる干渉駆動部と、支持部に対する可動部の相対位置を検出する可動部位置検出部と、測定光と参照光との干渉により生成された干渉光を受光し、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号を生成する第2の受光部と、可動部位置検出部により検出される相対位置と第2の受光部により生成される受光信号における干渉光の受光量とに基づいて分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長を第2の光路長として算出する第2の算出部と、偏向部の偏向方向または偏向部により偏向された測定光の照射位置と第2の算出部により算出された第2の光路長とに基づいて、指定された測定点に対応する測定対象物の部分の高さを算出する高さ算出部とを備える。
その光走査高さ測定装置においては、光出射部から出射された光が分岐部により測定光と参照光とに分岐される。測定光は、偏向部により測定対象物に照射され、測定対象物により反射されて分岐部に帰還する。一方、参照光は、分岐部から出力され、参照体により反射されて分岐部に帰還する。可動部の移動により分岐部から参照体に至る参照光の光路長が変化する。それにより、分岐部から出力されて分岐部に帰還する測定光の光路長と分岐部から出力されて分岐部に帰還する参照光の光路長とが一致するときに干渉光が生成される。
測定対象物の部分に測定光が照射された後でかつ参照光の光路長を変化させる前に、測定対象物により反射された測定光は第1の受光部により受光される。このとき、光出射部から光が出射された時点から当該光から生成された測定光が第1の受光部により受光される時点までの時間に基づいて、分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の概略の光路長が第1の光路長として算出される。さらに、第1の光路長に基づいて、測定光と参照光とを干渉させるための可動部の移動範囲が干渉可能範囲として決定される。この場合、干渉可能範囲は可動部の移動可能範囲よりも小さいため、短い移動時間で干渉光の生成が可能となる。
測定光と参照光との干渉により生成された干渉光は第2の受光部により受光され、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号が生成される。支持部に対する可動部の相対位置と受光信号における干渉光の受光量とに基づいて、分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長が第2の光路長として高精度で算出される。さらに、高精度な第2の光路長に基づいて、測定点に対応する測定対象物の部分の高さが高精度に算出される。
上記の構成によれば、概略的な第1の光路長に基づいて干渉可能範囲が決定されることにより、可動部の移動距離および移動時間が短縮されるので、測定に要する時間が短縮される。したがって、測定対象物の所望の部分の高さを短時間でかつ高精度で測定することが可能となる。
(4)光走査高さ測定装置は、測定対象物が載置される載置台と、測定光が上方から載置台の載置面上の測定対象物に照射されるように偏向部と載置台とを一体的に保持する保持部とをさらに備え、保持部は、偏向部を載置台の載置面に直交する方向に移動可能に構成されてもよい。
この場合、偏向部と載置台とが保持部により一体的に保持される。それにより、偏向部および載置台がそれぞれ別体として設けられる場合に比べて、光走査高さ測定装置の取り扱いが容易になる。また、偏向部を固定するための固定具を別途用意する必要がない。さらに、偏向部を移動させることにより載置面に直交する方向における測定対象物の表面の高さの測定可能範囲が拡大される。
(5)分岐部から参照体に至る参照光の光路長は、可動部が移動することにより第1の値以上第2の値以下の間で調整することが可能であり、保持部は、第1の光路長が第1の値以上第2の値以下となるように偏向部を載置台に対して移動させる保持駆動部を含んでもよい。
それにより、使用者は、煩雑な操作を行うことなく、載置面に直交する方向における広い範囲に渡って測定対象物の表面の高さを測定することができる。
(6)光走査高さ測定装置は、生成された干渉光を分光する分光部をさらに備え、第2の受光部は、分光部により分光された干渉光を受光し、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号を生成してもよい。
この場合、分光された干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号に基づいて第2の光路長が高い精度で算出される。したがって、測定対象物の表面の高さを高い精度で算出することができる。
(7)光走査高さ測定装置は、支持部に対して第1の移動軸に略平行に延びる第2の移動軸上で移動可能に支持された平衡部をさらに備え、干渉駆動部は、可動部の移動時に、可動部と平衡部とを互いに逆方向に支持部に対して移動させてもよい。
上記の構成によれば、可動部の移動時に、可動部と平衡部とが支持部に対して互いに逆方向に移動する。この場合、可動部が移動および停止を断続的に繰り返しても、光走査高さ測定装置の重心の位置はほぼ変化しない。それにより、光走査高さ測定装置が不安定に振動することが抑制されるので、光走査高さ測定装置を大型化および重量化する必要がない。
(8)受付部は、測定点の指定を測定対象物の画像上で受け付けてもよい。
この場合、使用者は、測定対象物の画像上で測定点を指定することができるので、測定対象物の所望の部分の高さを容易に測定することができる。
本発明によれば、測定対象物の所望の部分の高さを短時間でかつ高精度で測定することが可能になる。
第1の実施の形態に係る光走査高さ測定装置の全体構成を示すブロック図である。 図1のスタンド部を示す外観斜視図である。 第1の実施の形態に係る光走査高さ測定装置のスタンド部および測定ヘッドの構成を示すブロック図である。 測定部の構成を示す模式図である。 参照部の構成を示す模式図である。 可動部の移動可能範囲と参照光の光路長を調整する際の可動部の移動範囲とを説明するための模式図である。 合焦部の構成を示す模式図である。 走査部の構成を示す模式図である。 光走査高さ測定装置の表示部に表示される選択画面の一例を示す図である。 各動作モードにおいて制御部と制御基板との間で伝送されるデータの内容を示す図である。 図1の光走査高さ測定装置の制御系を示すブロック図である。 報告書作成部により作成される報告書の一例を示す図である。 図1の光走査高さ測定装置において実行される光走査高さ測定処理の一例を示すフローチャートである。 図1の光走査高さ測定装置において実行される光走査高さ測定処理の一例を示すフローチャートである。 図1の光走査高さ測定装置において実行される光走査高さ測定処理の一例を示すフローチャートである。 図1の光走査高さ測定装置において実行される光走査高さ測定処理の一例を示すフローチャートである。 制御基板による指定測定処理の一例を示すフローチャートである。 制御基板による指定測定処理の一例を示すフローチャートである。 図17および図18の指定測定処理を説明するための説明図である。 図17および図18の指定測定処理を説明するための説明図である。 制御基板による指定測定処理の他の例を示すフローチャートである。 制御基板による指定測定処理の他の例を示すフローチャートである。 図21および図22の指定測定処理を説明するための説明図である。 設定モードにおける光走査高さ測定装置の操作例を説明するための図である。 設定モードにおける光走査高さ測定装置の操作例を説明するための図である。 設定モードにおける光走査高さ測定装置の操作例を説明するための図である。 設定モードにおける光走査高さ測定装置の操作例を説明するための図である。 設定モードにおける光走査高さ測定装置の操作例を説明するための図である。 設定モードにおける光走査高さ測定装置の操作例を説明するための図である。 設定モードにおける光走査高さ測定装置の他の操作例を説明するための図である。 設定モードにおける光走査高さ測定装置の他の操作例を説明するための図である。 設定モードにおける光走査高さ測定装置の他の操作例を説明するための図である。 測定モードにおける光走査高さ測定装置の操作例を説明するための図である。 測定モードにおける光走査高さ測定装置の操作例を説明するための図である。 測定モードにおける光走査高さ測定装置の操作例を説明するための図である。 第2の実施の形態に係る光走査高さ測定装置のスタンド部および測定ヘッドの構成を示すブロック図である。 ヘッド部高さ調整処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係る光走査高さ測定装置について図面を参照しながら説明する。
[1]第1の実施の形態
(1)光走査高さ測定装置の全体構成
図1は、第1の実施の形態に係る光走査高さ測定装置の全体構成を示すブロック図である。図2は、図1のスタンド部100を示す外観斜視図である。図1に示すように、光走査高さ測定装置400は、スタンド部100、測定ヘッド200および処理装置300を備える。
スタンド部100は、縦断面がL字形状を有し、設置部110、保持部120および昇降部130を含む。設置部110は、水平な平板形状を有し、設置面に設置される。図2に示すように、設置部110の上面には、測定対象物S(図1)が載置される正方形状の光学定盤111が設けられる。光学定盤111の上方には、測定ヘッド200により測定対象物Sを測定可能な測定領域Vが定義される。図2においては、測定領域Vが点線で図示される。
光学定盤111には、互いに直交する2方向に等間隔で並ぶように複数のねじ孔が形成される。これにより、クランプ部材およびねじ部材を用いて測定対象物Sの表面が測定領域V内に位置する状態で測定対象物Sを光学定盤111に固定することができる。
保持部120は、設置部110の一端部から上方に延びるように設けられる。保持部120の上端部には、光学定盤111の上面に対向するように測定ヘッド200が取り付けられる。この場合、測定ヘッド200と設置部110とが保持部120により保持されるので、光走査高さ測定装置400の取り扱いが容易になる。また、測定対象物Sを設置部110上の光学定盤111に載置することにより、測定対象物Sを測定領域V内に容易に位置させることができる。
図1に示すように、昇降部130は、保持部120の内部に設けられる。昇降部130は、光学定盤111上の測定対象物Sに対して測定ヘッド200を上下方向(測定対象物Sの高さ方向)に移動させることができる。測定ヘッド200は、制御基板210、撮像部220、光学部230、導光部240、参照部250、合焦部260および走査部270を含む。制御基板210は、例えばCPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)およびRAM(ランダムアクセスメモリ)を含む。制御基板210は、マイクロコンピュータにより構成されてもよい。
制御基板210は、処理装置300に接続され、処理装置300による指令に基づいて、昇降部130、撮像部220、光学部230、参照部250、合焦部260および走査部270の動作を制御する。また、制御基板210は、撮像部220、光学部230、参照部250、合焦部260および走査部270から取得する種々の情報を処理装置300に与える。撮像部220は、光学定盤111に載置された測定対象物Sを撮像することにより測定対象物Sの画像データを生成し、生成された画像データを制御基板210に与える。
光学部230は、時間的に低いコヒーレンス性を有する第1の光と第1の光とは異なる第2の光を導光部240に出射する。導光部240は、光学部230からの第1の光を参照光と測定光とに分割し、参照光を参照部250に導くとともに、測定光を合焦部260に導く。また、導光部240は、光学部230からの第2の光を測定光に結合し、測定光とともに合焦部260に導く。参照部250は、参照光を導光部240に反射する。合焦部260は、自己を通過する測定光および第2の光に焦点を付与する。走査部270は、合焦部260により焦点が付与された測定光および第2の光を走査することにより、測定対象物Sの所望の部分に測定光および第2の光を照射する。
ここで、第1の光は主として赤外領域の波長を有し、第2の光は可視光領域の波長を有する。それにより、第2の光が測定対象物Sに照射されることにより、使用者は、測定光が照射されている測定対象物Sの表面上の位置を容易に把握することができる。
測定対象物Sに照射された測定光の一部および第2の光の一部は、測定対象物Sにより反射され、走査部270および合焦部260を通して導光部240に導かれる。導光部240は、測定対象物Sにより反射された第2の光を光学部230に導く。光学部230は、導光部240から導かれる第2の光を受光することにより、いわゆる飛行時間法(TOF:time of flight method)により測定光の概略の光路長を算出する。測定光の光路長および算出結果の利用方法については後述する。
さらに、導光部240は、参照部250により反射された参照光と測定対象物Sにより反射された測定光との干渉光を生成し、光学部230に導く。光学部230は、干渉光の波長ごとの受光量を検出し、検出結果を示す信号を制御基板210に与える。測定ヘッド200の詳細は後述する。
処理装置300は、制御部310、記憶部320、操作部330および表示部340を含む。制御部310は、例えばCPUを含む。記憶部320は、例えばROM、RAMおよびHDD(ハードディスクドライブ)を含む。記憶部320には、システムプログラムが記憶される。また、記憶部320は、種々のデータの記憶およびデータの処理のために用いられる。
制御部310は、記憶部320に記憶されたシステムプログラムに基づいて、測定ヘッド200の撮像部220、光学部230、参照部250、合焦部260および走査部270の動作を制御するための指令を制御基板210に与える。また、制御部310は、測定ヘッド200の制御基板210から種々の情報を取得して記憶部320に記憶させる。
操作部330は、マウス、タッチパネル、トラックボールまたはジョイスティック等のポインティングデバイスおよびキーボードを含み、制御部310に指示を与えるために使用者により操作される。表示部340は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)パネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルを含む。表示部340は、記憶部320に記憶された画像データに基づく画像および計測結果等を表示する。
(2)昇降部および導光部
図3は、第1の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400のスタンド部100および測定ヘッド200の構成を示すブロック図である。図3では、昇降部130、光学部230および導光部240の詳細な構成が示される。図3に示すように、昇降部130は、駆動部131、駆動回路132および読取部133を含む。
駆動部131は、例えばモータであり、図3に太い矢印で示すように、光学定盤111上の測定対象物Sに対して測定ヘッド200を上下方向に移動させる。これにより、測定光の光路長を広い範囲にわたって調整することができる。ここで、測定光の光路長は、測定光が後述する導光部240のポート245dから出力された後、測定ヘッド200から測定対象物Sに照射されて測定対象物Sにより反射され、測定ヘッド200に帰還した測定光がポート245dに入力されるまでの光学的な光路の長さである。
駆動回路132は、制御基板210に接続され、制御基板210による制御に基づいて駆動部131を駆動させる。読取部133は、例えば光学式のリニアエンコーダであり、駆動部131の駆動量を読み取ることにより測定ヘッド200の上下方向における位置を検出する。また、読取部133は、検出結果を制御基板210に与える。
光学部230は、第1の光出射部231、測定部232、第2の光出射部233および第1の受光部234を含む。第1の光出射部231は、光源として例えばSLD(スーパールミネッセントダイオード)を含み、比較的低いコヒーレンス性を有する第1の光を出射する。具体的には、第1の光のコヒーレンス性は、LED(発光ダイオード)により出射される光または白色光のコヒーレンス性よりも高く、レーザ光のコヒーレンス性よりも低い。したがって、第1の光は、LEDにより出射される光または白色光の波長帯域幅よりも狭く、レーザ光の波長帯域幅よりも広い波長帯域幅を有する。第1の光出射部231から出射される第1の光は、導光部240に入力される。
導光部240から干渉光が測定部232に出力される。図4は、測定部232の構成を示す模式図である。図4に示すように、測定部232は、レンズ232a,232c、分光部232bおよび第2の受光部232dを含む。後述する導光部240の光ファイバ242から出力された干渉光は、レンズ232aを通過することにより略平行化され、分光部232bに入射される。分光部232bは、例えば反射型の回折格子である。分光部232bに入射された光は、波長ごとに異なる角度で反射するように分光され、レンズ232cを通過することにより波長ごとに異なる一次元上の位置に合焦される。
第2の受光部232dは、例えば複数の画素が一次元状に配列された撮像素子(一次元ラインセンサ)を含む。撮像素子は、多分割PD(フォトダイオード)、CCD(電荷結合素子)カメラまたはCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサであってもよいし、他の素子であってもよい。第2の受光部232dは、レンズ232cにより形成された波長ごとに異なる複数の合焦位置で撮像素子の複数の画素がそれぞれ光を受光するように配置される。
第2の受光部232dの各画素からは、受光量に対応するアナログの電気信号(以下、受光信号と呼ぶ。)が出力され、図3の制御基板210に与えられる。これにより、制御基板210は、第2の受光部232dの各画素(干渉光の波長)と受光量との関係を示すデータを取得する。制御基板210は、当該データに所定の演算および処理を行うことにより、測定対象物Sの部分の高さを算出する。
図3の第2の光出射部233は、光源として例えばLED(発光ダイオード)等を含み、波長660nm程度の可視光領域の光を第2の光として出射する。図3に二点鎖線の矢印で示すように、第2の光出射部233から出射される第2の光は、導光部240に入力される。
第2の光出射部233から導光部240に入力される第2の光は、後述するように測定光に結合されて合焦部260および走査部270を通して測定対象物Sに照射される。測定対象物Sにより反射された第2の光の少なくとも一部は、走査部270、合焦部260および導光部240を通して光学部230に帰還する。第1の受光部234は、帰還した第2の光を受光し、受光信号を制御基板210に与える。制御基板210は、測定対象物Sの部分の高さを算出する前に、飛行時間法により測定光の概略の光路長を第1の光路長として算出する。
具体的には、制御基板210は、第2の光出射部233から第2の光が出射された時点から当該第2の光が測定対象物Sに照射されて反射され、光学部230に帰還することにより第1の受光部234により受光される時点までの時間に基づいて、測定光の概略の光路長を第1の光路長として算出する。算出された第1の光路長は、後述する可動部252a,252bの干渉可能範囲を決定するために用いられる。
図3に示すように、導光部240は、4本の光ファイバ241,242,243,244、ファイバカプラ245、レンズ246および光結合部材247を含む。ファイバカプラ245は、いわゆる2×2型の構成を有し、4個のポート245a,245b,245c,245dおよび本体部245eを含む。ポート245a,245bとポート245c,245dとは、本体部245eを挟んで対向するように本体部245eに設けられる。
光ファイバ241は、第1の光出射部231とポート245aとの間に接続される。光ファイバ242は、測定部232とポート245bとの間に接続される。光ファイバ243は、参照部250とポート245cとの間に接続される。光ファイバ244は、合焦部260とポート245dとの間に接続される。なお、本実施の形態においては、光ファイバ243は、光ファイバ241,242,244よりも長い。レンズ246は、光ファイバ243と参照部250との光路上に配置される。光結合部材247は、例えばダイクロイックミラー等の波長選択性ミラーにより構成され、光ファイバ244に介挿される。本例では、第2の光に対しては高い反射率を示し、第1の光に対しては高い透過率を示す波長選択性ミラーが用いられる。
第1の光出射部231からの第1の光は、光ファイバ241を通してポート245aに入力される。ポート245aに入力された第1の光の一部は、ポート245cから参照光として出力される。参照光は、光ファイバ243およびレンズ246を通過することにより略平行化され、参照部250に導かれる。また、参照部250により反射された参照光は、レンズ246および光ファイバ243を通してポート245cに入力される。
ポート245aに入力された第1の光の他の一部は、ポート245dから測定光として出力される。このとき、光結合部材247は、第2の光出射部233により出射される第2の光を光ファイバ244を進行する測定光に結合する。結合された測定光および第2の光は、光ファイバ244、合焦部260および走査部270を通して測定対象物Sに照射される。
また、測定対象物Sにより反射された測定光の一部および第2の光の一部は、走査部270および合焦部260を通して光ファイバ244に入力される。光ファイバ244においては、合焦部260から帰還した第2の光が光結合部材247により反射され、第1の受光部234へ導かれる。それにより、第1の受光部234は、光結合部材247から導かれた第2の光を受光する。また、光ファイバ244においては、合焦部260から帰還した測定光が光結合部材247を透過してポート245dに入力される。
測定光の光路長と後述する参照光の光路長とが一致する場合に、ポート245cに入力された参照光とポート245dに入力された測定光とにより干渉光が生成される。生成された干渉光は、ポート245bから出力され、光ファイバ242を通して測定部232に導かれる。
なお、図3の例において、第2の光出射部233と光結合部材247との間および第1の受光部234と光結合部材247との間には、それぞれ第2の光の光路を形成する光ファイバが設けられてもよい。
また、光結合部材247は、第2の光出射部233から出射される第2の光を測定光に結合し、合焦部260から光ファイバ244に帰還する第2の光を第1の受光部234に導くのであれば、ファイバカプラおよび光ファイバにより構成されてもよいし、ハーフミラーにより構成されてもよい。
(3)参照部
図5は、参照部250の構成を示す模式図である。図5に示すように、参照部250は、支持部251、可動部252a,252b、反射部材253,254a,254b,254c、駆動部255a,255b、駆動回路256a,256bおよび読取部257a,257bを含む。
支持部251は、測定ヘッド200の本体に固定される。支持部251には、直線状に延びる2本のリニアガイド251gが取り付けられている。2本のリニアガイド251gは、ともに一方向に延びるようにかつ一方向に並ぶように支持部251に固定されている。より具体的には、2本のリニアガイド251gは、互いに平行でかつ一方のリニアガイド251gが他方のリニアガイド251gの延長線上に位置するように支持部251に固定されている。可動部252a,252bは、2本のリニアガイド251gにそれぞれ取り付けられ、対応するリニアガイド251g上でリニアガイド251gが延びる方向に沿って移動可能に支持部251に支持される。
反射部材253は、支持部251に取り付けられ、固定される。反射部材254a,254cは可動部252aに取り付けられる。反射部材254bは、可動部252bに取り付けられる。反射部材254cは、参照体として用いられる。本実施の形態では、反射部材254cは、コーナーキューブリフレクタにより構成される。コーナーキューブリフレクタは、光を入射方向によらず元の方向に反射する。したがって、参照部250内の参照光の光路を正確かつ容易に設定することができる。なお、反射部材254cとしては、コーナーキューブリフレクタに限らず、反射プリズム等を用いてもよい。
光ファイバ243から出力された参照光は、レンズ246を通過することにより略平行化された後、反射部材253、反射部材254a、反射部材254bおよび反射部材254cにより順次反射される。反射部材254cにより反射された参照光は、反射部材254b、反射部材254aおよび反射部材253により順次反射され、レンズ246を通して光ファイバ243に入力される。
駆動部255a,255bは、例えばボイスコイルモータであり、図5に白抜きの矢印で示すように、支持部251に対して可動部252a,252bをリニアガイド251gが延びる方向に沿ってそれぞれ移動させる。この場合、可動部252a,252bの移動方向に平行な方向において、反射部材253と反射部材254aとの間の距離、反射部材254aと反射部材254bとの間の距離および反射部材254bと反射部材254cとの間の距離が変化する。これにより、参照光の光路長を調整することができる。なお、駆動部255a,255bは、ボイスコイルモータに代えて、ステッピングモータまたはピエゾモータ等の他の駆動機構により構成されてもよい。
参照光の光路長は、参照光が図3のポート245cから出力された後、反射部材254cにより反射されて帰還した参照光がポート245cに入力されるまでの光学的な光路の長さである。参照光の光路長と測定光の光路長との差が一致するかまたは一定の値以下のとき、参照光と測定光とが干渉することにより干渉光が生成され、図3のポート245bから出力される。
そこで、参照光と測定光との干渉光を生成するために、参照光の光路長が測定光の光路長に合うように可動部252a,252bが移動される。図6は、可動部252a,252bの移動可能範囲と参照光の光路長を調整する際の可動部252a,252bの移動範囲とを説明するための模式図である。
図6(a)に各可動部252a,252bの移動可能範囲R1が示される。各可動部252a,252bが移動可能範囲R1の全体に渡って移動することにより、参照光の光路長を大きく(例えば、30mm程度)変化させることができる。しかしながら、参照光の光路長を調整するごとに各可動部252a,252bが移動可能範囲R1の全体に渡って移動すると、各可動部252a,252bに移動時間が長くなり、測定に要する時間が長くなる。
そこで、本実施の形態では、参照光の光路長を調整する前に、測定光の概略の光路長として算出される第1の光路長に基づいて、測定光と参照光との干渉を可能とする各可動部252a,252bの移動範囲が適切に決定される。このように、参照光の光路長を調整するために決定される各可動部252a,252bの移動範囲を干渉可能範囲と呼ぶ。
図6(b)に、参照光の光路長を調整するための各可動部252a,252bの移動範囲が干渉可能範囲R2として示される。図6(a),(b)に示すように、干渉可能範囲R2は、移動可能範囲R1に比べて小さく決定される。
具体的には、干渉可能範囲R2は、算出された第1の光路長とその測定精度とを考慮して定められる。例えば、算出された第1の光路長が200mmでありかつ第1の光路長の測定誤差が5mm程度である場合、干渉可能範囲R2は、参照光の光路長を195mm〜205mmの範囲内で変化させることが可能な範囲に決定される。
上記のように、干渉可能範囲R2が決定されることにより、参照光の光路長の調整時に各可動部252a,252bの移動距離および移動時間が短縮されるので、測定に要する時間が短縮される。
本実施の形態に係る参照部250においては、参照光の光路長を調整する際に、図5の駆動回路256a,256bは、可動部252a,252bを互いに逆方向に支持部251に対して移動させる。この場合、可動部252a,252bが移動および停止を断続的に繰り返しても、光走査高さ測定装置400の重心の位置はほぼ変化しない。それにより、可動部252a,252bの移動時に光走査高さ測定装置400の重心の位置が安定化する。したがって、光走査高さ測定装置400が不安定に振動することが抑制されるので、光走査高さ測定装置400を大型化および重量化する必要がない。
読取部257a,257bは、例えば光学式のリニアエンコーダである。読取部257aは、駆動部255aの駆動量を読み取ることにより支持部251に対する可動部252aの相対位置を検出し、検出結果を制御基板210に与える。読取部257bは、駆動部255bの駆動量を読み取ることにより支持部251に対する可動部252bの相対位置を検出し、検出結果を制御基板210に与える。
ここで、上記の参照部250において、一方の可動部252aの重量と可動部252aに取り付けられる反射部材254a,254cの重量との合計は、他方の可動部252bの重量と可動部252bに取り付けられる反射部材254bの重量との合計から一定の範囲になるように設定されることが好ましい。一定の範囲は、2つの合計値が等しいかまたはほぼ等しいとみなせる程度の範囲である。この場合、可動部252a,252bの移動時に光走査高さ測定装置400の重心の位置がより安定化する。
なお、本実施の形態においては、リニアガイド251gが延びる方向に沿って可動部252a,252bが互いに逆方向に移動するが、本発明はこれに限定されない。リニアガイド251gが延びる方向に沿って可動部252aおよび可動部252bのいずれか一方のみが移動し、他方は移動しなくてもよい。この場合においては、他方の移動しない可動部252a,252bは、リニアガイド251gではなく支持部251または測定ヘッド200の本体に非可動部として固定されてもよい。
(4)合焦部
図7は、合焦部260の構成を示す模式図である。図7に示すように、合焦部260は、固定部261、可動部262、可動レンズ263、駆動部264、駆動回路265および読取部266を含む。可動部262は、一方向に沿って移動可能に固定部261に取り付けられる。可動レンズ263は、可動部262に取り付けられる。可動レンズ263は、対物レンズとして用いられ、自己を通過する測定光および第2の光に焦点を付与する。
光ファイバ244から出力された測定光および第2の光は、可動レンズ263を通して図3の走査部270に導かれる。また、図3の測定対象物Sにより反射された測定光の一部および第2の光の一部は、走査部270を通過した後、可動レンズ263を通して光ファイバ244に入力される。
駆動部264は、例えばボイスコイルモータであり、図7に太い矢印で示すように、固定部261に対して可動部262を一方向(測定光の進行方向)に移動させる。これにより、測定光および第2の光の焦点を測定対象物Sの表面上に位置させることができる。
駆動回路265は、図3の制御基板210に接続され、制御基板210による制御に基づいて駆動部264を駆動させる。読取部266は、例えば光学式のリニアエンコーダであり、駆動部264の駆動量を読み取ることにより固定部261に対する可動部262(可動レンズ263)の相対位置を検出する。また、読取部266は、検出結果を制御基板210に与える。
なお、光ファイバ244と可動レンズ263との間に光ファイバ244から出力された測定光および第2の光を平行化するコリメータレンズを配置してもよい。この場合、可動レンズ263に入射される測定光および第2の光が平行化され、測定光および第2の光のビーム径が可動レンズの移動位置によらず変化しないため、可動レンズを小型に形成することが可能となる。
(5)走査部
図8は、走査部270の構成を示す模式図である。図8に示すように、走査部270は、偏向部271,272、駆動回路273,274および読取部275,276を含む。偏向部271は、例えばガルバノミラーにより構成され、駆動部271aおよび反射部271bを含む。駆動部271aは、例えば略垂直方向の回転軸を有するモータである。反射部271bは、駆動部271aの回転軸に取り付けられる。図3の光ファイバ244から合焦部260を通過した測定光および第2の光は、反射部271bに導かれる。駆動部271aが回転することにより、反射部271bで反射される測定光および第2の光の反射角度が略水平面内で変化する。
偏向部272は、偏向部271と同様に、例えばガルバノミラーにより構成され、駆動部272aおよび反射部272bを含む。駆動部272aは、例えば水平方向の回転軸を有するモータである。反射部272bは、駆動部272aの回転軸に取り付けられる。反射部271bにより反射された測定光および第2の光は、反射部272bに導かれる。駆動部272aが回転することにより、反射部272bで反射される測定光および第2の光の反射角度が略垂直面内で変化する。
このように、駆動部271a,272aが回転することにより、図3の測定対象物Sの表面上で測定光および第2の光が互いに直交する二方向に走査される。これにより、測定対象物Sの表面上の任意の位置に測定光および第2の光を照射することができる。測定対象物Sに照射された測定光および第2の光は、測定対象物Sの表面で反射される。反射された測定光の一部および第2の光の一部は、反射部272bおよび反射部271bにより順次反射された後、図3の合焦部260に導かれる。
駆動回路273,274は、図3の制御基板210に接続され、制御基板210による制御に基づいて駆動部271a,272aをそれぞれ駆動させる。読取部275,276は、例えば光学式のロータリエンコーダである。読取部275は、駆動部271aの駆動量を読み取ることにより反射部271bの角度を検出し、検出結果を制御基板210に与える。読取部276は、駆動部272aの駆動量を読み取ることにより反射部272bの角度を検出し、検出結果を制御基板210に与える。
(6)動作モード
図1の光走査高さ測定装置400は、複数の動作モードから使用者により選択された動作モードで動作する。具体的には、動作モードは、設定モード、測定モードおよびハイトゲージモードを含む。図9は、光走査高さ測定装置400の表示部340に表示される選択画面341の一例を示す図である。
図9に示すように、表示部340の選択画面341には、設定ボタン341a、測定ボタン341bおよびハイトゲージボタン341cが表示される。使用者が図1の操作部330を用いて設定ボタン341a、測定ボタン341bおよびハイトゲージボタン341cを操作することにより、光走査高さ測定装置400が設定モード、測定モードおよびハイトゲージモードでそれぞれ動作する。
以下の説明では、使用者のうち測定対象物Sの測定作業を管理する熟練した使用者を適宜測定管理者と呼び、測定管理者の管理の下で測定対象物Sの測定作業を行う使用者を適宜測定作業者と呼ぶ。設定モードは主として測定管理者により使用され、測定モードは主として測定作業者により使用される。
ここで、光走査高さ測定装置400においては、図2の測定領域Vを含む空間に固有の三次元座標系がX軸、Y軸およびZ軸により予め定義されている。ここで、X軸およびY軸は図2の光学定盤111に平行でかつ互いに直交し、Z軸はX軸およびY軸に直交する。各動作モードにおいては、上記の座標系により特定される座標のデータおよび撮像部220の撮像により取得される画像上の平面座標のデータが制御部310と制御基板210との間で伝送される。図10は、各動作モードにおいて制御部310と制御基板210との間で伝送されるデータの内容を示す図である。
設定モードにおいては、測定管理者は、所望の測定対象物Sについての情報を光走査高さ測定装置400に登録することができる。具体的には、測定管理者は、所望の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により測定対象物Sを撮像する。また、測定管理者は、図1の表示部340に表示された測定対象物Sの測定すべき部分を画像上で測定点として指定する。この場合、図10(a)に示すように、制御部310は、画像上で指定された測定点により特定される平面座標(Ua,Va)を制御基板210に与える。
制御基板210は、図2の測定領域V内において平面座標(Ua,Va)に対応する位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)を特定し、特定された三次元座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。制御部310は、制御基板210により与えられた三次元座標(Xc,Yc,Zc)を図1の記憶部320に記憶させる。また、制御部310は、記憶部320に記憶された三次元座標(Xc,Yc,Zc)および後述する基準面等の情報に基づいて測定点に対応する部分の高さを算出し、算出結果を記憶部320に記憶させる。
測定モードは、設定モードにおいて光走査高さ測定装置400に情報が登録された測定対象物Sと同一種類の測定対象物Sについて、測定点に対応する部分の高さを測定するために用いられる。具体的には、測定作業者は、設定モードにおいて光走査高さ測定装置400に情報が登録された測定対象物Sと同一種類の測定対象物Sを光学定盤111上に載置し、撮像部220により撮像する。この場合、図10(b)に示すように、制御部310は、設定モードにおいて記憶部320に記憶された三次元座標(Xc,Yc,Zc)を制御基板210に与える。
制御基板210は、取得した三次元座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて、測定点に対応する測定対象物Sの部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出する。また、制御基板210は、算出された三次元座標(Xb,Yb,Zb)を制御部310に与える。制御部310は、制御基板210により与えられた三次元座標(Xb,Yb,Zb)および後述する基準面等の情報に基づいて測定点に対応する部分の高さを算出する。また、制御部310は、算出結果を図1の表示部340に表示させる。
このように、測定モードにおいては、測定作業者は測定対象物Sの測定すべき部分を指定することなく当該位置の高さを取得することができる。そのため、測定作業者が熟練していない場合でも、測定対象物の所望の部分の形状を容易かつ正確に測定することができる。また、設定モードにおいて三次元座標(Xc,Yc,Zc)が記憶部320に記憶されるので、測定モードにおいては、記憶された三次元座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて測定点に対応する部分を高速に特定することができる。
本実施の形態においては、設定モードにおいて平面座標(Ua,Va)に対応する三次元座標(Xc,Yc,Zc)が特定され、記憶部320に記憶されるが、本発明はこれに限定されない。設定モードにおいては、平面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xc,Yc)が特定され、Z軸の成分Zcが特定されなくてもよい。この場合、特定された平面座標(Xc,Yc)が記憶部320に記憶される。また、測定モードにおいては、記憶部320に記憶された平面座標(Xc,Yc)が制御基板210に与えられる。
ハイトゲージモードは、使用者が画面上で測定対象物Sを確認しながら、測定対象物Sの所望の部分を測定点として画面上で指定し、当該部分の高さを測定するために用いられる。具体的には、使用者は、所望の測定対象物Sを光学定盤111上に載置し、撮像部220により測定対象物Sを撮像する。また、使用者は、表示部340に表示された測定対象物Sの画像上で測定すべき部分を測定点として指定する。この場合、図10(c)に示すように、制御部310は、画像上で指定された測定点により特定される平面座標(Ua,Va)を制御基板210に与える。
制御基板210は、図2の測定領域V内において平面座標(Ua,Va)に対応する位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)を特定し、特定された三次元座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。制御部310は、制御基板210により与えられた三次元座標(Xc,Yc,Zc)および後述する基準面等の情報に基づいて測定点に対応する部分の高さを算出し、算出結果を表示部340に表示させる。
図1の記憶部320には、座標変換情報および位置変換情報が予め記憶されている。座標変換情報は、測定領域V内の高さ方向(Z軸方向)の各位置における平面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xc,Yc)を示す。また、制御基板210は、図8の反射部271b,272bの角度を制御することにより測定領域V内の所望の位置に測定光を照射することができる。位置変換情報は、測定領域V内の座標と反射部271b,272bの角度との関係を示す。
制御部310および制御基板210により構成される制御系は、座標変換情報および位置変換情報を用いることにより、測定点に対応する位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)および三次元座標(Xb,Yb,Zb)を特定することができる。座標変換情報および位置変換情報の詳細は後述する。
(7)光走査高さ測定装置の制御系
(a)制御系の全体構成
図11は、図1の光走査高さ測定装置400の制御系を示すブロック図である。図11に示すように、制御系410は、基準画像取得部1、位置情報取得部2、駆動制御部3、基準面取得部4、許容値取得部5、登録部6、偏向方向取得部7、検出部8および画像解析部9を含む。また、制御系410は、第1の算出部20、範囲決定部21および干渉駆動部22を含む。また、制御系410は、参照位置取得部10、受光信号取得部11、第2の算出部12、座標算出部13、判定部14、高さ算出部15、測定画像取得部16、補正部17、検査部18および報告書作成部19をさらに含む。
図1の制御基板210および制御部310が記憶部320に記憶されたシステムプログラムを実行することにより、上記の制御系410の各構成部の機能が実現される。図11においては、全ての動作モードにおける共通の処理の流れが実線で示され、設定モードにおける処理の流れが一点鎖線で示され、測定モードにおける処理の流れが点線で示される。ハイトケージモードにおける処理の流れは、設定モードにおける処理の流れと略等しい。以下、理解を容易にするために、制御系410の各構成部を設定モードと測定モードとに分けて説明する。
(b)設定モード
測定管理者は、所望の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により測定対象物Sを撮像する。基準画像取得部1は、撮像部220により生成される画像データを基準画像データとして取得し、取得された基準画像データに基づく画像を基準画像として図1の表示部340に表示させる。表示部340に表示される基準画像は、静止画像であってもよく、順次更新される動画像であってもよい。測定管理者は、表示部340に表示された基準画像上において、測定すべき部分を測定点として指定するとともに、基準点を指定することができる。基準点は、測定対象物Sの高さを算出する際の基準となる基準面を定めるための点である。
位置情報取得部2は、基準画像取得部1により取得された基準画像上における測定点の指定を受け付け、受け付けられた測定点の位置(上記の平面座標(Ua,Va))を取得する。また、位置情報取得部2は、基準画像を用いて基準点の指定を受け付け、受け付けられた基準点の位置を取得する。位置情報取得部2は、測定点を複数受け付けることも可能であり、基準点を複数受け付けることも可能である。
第1の算出部20は、第2の光を出射するように図3の第2の光出射部233を制御するとともに、測定対象物Sに照射されて測定対象物Sにより反射されることにより図3の光学部230に帰還する第2の光を受光するように図3の第1の受光部234を制御する。また、第1の算出部20は、第2の光が出射された時点から第2の光が受光される時点までの時間に基づいて、測定光の概略の光路長を第1の光路長として算出する。
範囲決定部21は、第1の算出部20により算出された第1の光路長に基づいて、測定光と参照光との干渉を可能とする図6(b)の可動部252a,252bの干渉可能範囲R2を決定する。干渉駆動部22は、範囲決定部21により干渉可能範囲R2が決定された場合に、決定された干渉可能範囲R2内で可動部252a,252bを支持部251に対して移動させるように図5の駆動回路256a,256bを制御する。上記の第1の算出部20、範囲決定部21および干渉駆動部22の動作により、測定光の光路長が変化することに応じて、測定光の光路長と参照光の光路長との差が一致するようにまたは一定の値以下になるように参照光の光路長が調整される。
駆動制御部3は、図3の昇降部130の読取部133から測定ヘッド200の位置を取得し、取得された測定ヘッド200の位置に基づいて図3の駆動回路132を制御する。これにより、測定ヘッド200が上下方向の所望の位置に移動される。また、駆動制御部3は、図7の合焦部260の読取部266から可動レンズ263の位置を取得し、取得された可動レンズ263の位置に基づいて図7の駆動回路265を制御する。これにより、測定対象物Sの表面付近で測定光に焦点が付与されるように可動レンズ263が移動される。
また、駆動制御部3は、図1の記憶部320に記憶された位置変換情報と位置情報取得部2により取得された位置とに基づいて、図8の駆動回路273,274を制御する。これにより、図8の偏向部271,272の反射部271b,272bの角度が調整され、測定点および基準点に対応する測定対象物Sの部分に測定光が照射される。
上記の駆動制御部3および干渉駆動部22の動作により、後述するように測定点および基準点に対応する測定対象物Sの部分の座標が座標算出部13により算出される。駆動制御部3の動作の詳細は後述する。以下、測定点に対応する測定対象物Sの部分の座標を算出する処理を説明するが、基準点に対応する測定対象物Sの部分の座標を算出する処理も測定点に対応する測定対象物Sの部分の座標を算出する処理と同様である。
基準面取得部4は、位置情報取得部2により取得された1または複数の基準点に対応して座標算出部13により算出された1または複数の座標に基づいて基準面を取得する。測定管理者は、位置情報取得部2により取得された測定点について、高さに対する許容値を入力することができる。許容値は、後述する測定モードにおける測定対象物Sの検査に用いられ、設計値と設計値からの公差とを含む。許容値取得部5は、入力された許容値を受け付ける。
登録部6は、基準画像取得部1により取得された基準画像データ、位置情報取得部2により取得された位置および許容値取得部5により設定された許容値を関連付けて登録する。具体的には、登録部6は、基準画像データと、測定点および基準点の位置と、各測定値に対応する許容値との関連性を示す登録情報を記憶部320に記憶させる。複数の基準面が設定されてもよい。この場合、登録部6は、基準面ごとに、当該基準面に対応する基準点と、当該基準面に対応する測定点と、各測定値に対応する許容値とを関連付けて登録する。
偏向方向取得部7は、図8の読取部275,276から反射部271b,272bの角度をそれぞれ取得する。検出部8は、偏向方向取得部7により取得された反射部271b,272bの角度に基づいて偏向部271,272の偏向方向をそれぞれ検出する。また、撮像部220による撮像が継続されることにより、基準画像には測定対象物S上の測定光が現れる。画像解析部9は、基準画像取得部1により取得された基準画像データを解析する。検出部8は、画像解析部9の解析結果に基づいて偏向部271,272により偏向された測定光の基準画像上の照射位置を示す平面座標を検出する。
参照位置取得部10は、図5の参照部250の読取部257a,257bから支持部251に対する可動部252a,252bの相対位置をそれぞれ取得する。受光信号取得部11は、図4の第2の受光部232dから干渉光の受光信号を取得する。第2の算出部12は、第2の受光部232dにより取得された受光信号に基づいて、干渉光の波長と受光量との関係を示すデータに所定の演算および処理を行う。この演算および処理は、例えば波長から波数への周波数軸変換および波数のフーリエ変換を含む。
第2の算出部12は、処理により得られたデータと参照位置取得部10により取得された支持部251に対する可動部252a,252bの相対位置とに基づいて、測定光の光路長を第2の光路長として算出する。より具体的には、第2の算出部12は、図3のファイバカプラ245のポート245dから測定対象物Sに照射されるとともに測定対象物Sにより反射されてポート245dに帰還するまでの測定光の光路長を第2の光路長として算出する。
座標算出部13は、検出部8により検出された偏向部271,272の偏向方向と第2の算出部12により算出された第2の光路長とに基づいて、測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)を算出する。測定光の照射位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)は、高さ方向の座標Zcと、高さ方向に直交する平面内における平面座標(Xc,Yc)とからなる。
座標算出部13は、検出部8により検出される測定光の基準画像上の照射位置を示す平面座標と第2の算出部12により算出される第2の光路長とに基づいて測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標を算出してもよい。
判定部14は、測定点に対応する測定対象物Sの部分またはその近傍の部分に測定光が照射されているか否かを判定する。具体的には、座標算出部13は、算出された高さ方向の座標と記憶部320に記憶された座標変換情報とに基づいて、登録部6により登録された測定点に対応する平面座標(後述する平面座標(Xa’,Ya’))を取得する。また、判定部14は、座標算出部13により算出された平面座標(Xc,Yc)が測定点に対応する平面座標(Xa’,Ya’)から予め定められた範囲内にあるか否かを判定する。
あるいは、画像解析部9は、基準画像データを画像解析することにより、基準画像における測定光の照射位置の平面座標(後述する平面座標(Uc,Vc))を特定してもよい。この場合、判定部14は、画像解析部9により特定された測定光の照射位置の平面座標(Uc,Vc)が登録部6により登録された測定点の平面座標(Ua,Va)から予め定められた範囲内にあるか否かを判定する。
測定点に対応する測定対象物Sの部分およびその近傍の部分に測定光が照射されていないと判定部14により判定された場合には、駆動制御部3は、測定光の照射位置が移動するように図8の駆動回路273,274を制御する。測定点に対応する測定対象物Sの部分またはその近傍の部分に測定光が照射されていると判定部14により判定された場合には、駆動制御部3は測定光の照射位置が固定されるように駆動回路273,274を制御する。
座標算出部13は、基準点について算出された座標を基準面取得部4に与える。高さ算出部15は、測定点に対応して座標算出部13により算出された三次元座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて、基準面取得部4により取得された基準面を基準とする測定対象物Sの部分の高さを算出する。例えば、高さ算出部15は、基準面が平面である場合、三次元座標(Xc,Yc,Zc)を通る基準面の垂線における基準面から三次元座標(Xc,Yc,Zc)までの長さを高さとして算出する。高さ算出部15は、算出された高さを表示部340に表示させる。登録部6は、座標算出部13により算出された三次元座標(Xc,Yc,Zc)および高さ算出部15により算出された高さを基準画像データ、測定点の位置、基準点の位置および許容値と関連付けて登録情報として登録する。
(c)測定モード
測定作業者は、設定モードにおいて登録情報が登録された測定対象物Sと同一種類の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により撮像する。測定画像取得部16は、撮像部220により生成される画像データを測定画像データとして取得し、取得された測定画像データに基づく画像を測定画像として図1の表示部340に表示させる。
補正部17は、登録部6により登録された登録情報に基づいて、基準画像データに対する測定画像データのずれを補正する。これにより、補正部17は、登録部6により登録された登録情報に対応する測定点および基準点を測定画像データに設定する。
測定モードにおける第1の算出部20、範囲決定部21および干渉駆動部22の処理は、設定モードにおける第1の算出部20、範囲決定部21および干渉駆動部22の処理とそれぞれ同様である。それにより、決定される干渉可能範囲R2に基づいて参照光の光路長が調整される。駆動制御部3は、設定モードにおいて登録部6により登録された登録情報に基づいて、図8の駆動回路273,274を制御する。これにより、補正部17により設定された測定点および基準点に対応する測定対象物Sの部分の三次元座標が座標算出部13により算出される。ここで、駆動制御部3は、設定モードにおいて登録された三次元座標および高さに基づいて制御を行うので、座標算出部13は、補正部17により設定された測定点および基準点に対応する測定対象物Sの部分の三次元座標を効率よく算出することができる。
測定モードにおける偏向方向取得部7および検出部8の処理は、設定モードにおける偏向方向取得部7および検出部8の処理とそれぞれ同様である。測定モードにおける画像解析部9の処理は、基準画像取得部1により取得された基準画像データに代えて測定画像取得部16により取得された測定画像データが用いられる点を除き、設定モードにおける画像解析部9の処理と同様である。測定モードにおける参照位置取得部10、受光信号取得部11および第2の算出部12の処理は、設定モードにおける参照位置取得部10、受光信号取得部11および第2の算出部12の処理とそれぞれ同様である。
座標算出部13は、検出部8により検出された偏向部271,272の偏向方向と第2の算出部12により算出された第2の光路長とに基づいて、測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出する。座標算出部13は、検出部8により検出される測定光の測定画像上の照射位置を示す平面座標と第2の算出部12により算出される第2の光路長とに基づいて測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出してもよい。測定光の照射位置の三次元座標(Xb,Yb,Zb)は、高さ方向の座標Zbと、高さ方向に直交する平面内における平面座標(Xb,Yb)とからなる。
測定モードにおける判定部14の処理は、登録部6により登録された測定点に代えて補正部17により設定された測定点を用いる点、および三次元座標(Xc,Yc,Zc)に代えて三次元座標(Xb,Yb,Zb)を用いる点を除き、設定モードにおける判定部14の処理と同様である。これにより、座標算出部13は、補正部17により設定された基準点に対応する座標を算出する。
基準面取得部4は、座標算出部13により算出された基準点に対応する座標に基づいて基準面を取得する。高さ算出部15は、座標算出部13により算出された三次元座標(Xb,Yb,Zb)に基づいて、基準面取得部4により取得された基準面を基準とする測定対象物Sの部分の高さを算出する。
検査部18は、高さ算出部15により算出された測定対象物Sの部分の高さと登録部6に登録された許容値とに基づいて測定対象物Sを検査する。具体的には、算出された高さが設計値を基準とする公差の範囲内である場合には、検査部18は、測定対象物Sは良品であると判定する。一方、算出された高さが設計値を基準とする公差の範囲外である場合には、検査部18は、測定対象物Sは不良品であると判定する。
報告書作成部19は、検査部18による検査結果と測定画像取得部16により取得された測定画像に基づいて報告書を作成する。これにより、測定作業者は報告書を用いて測定対象物Sについての高さの測定値または検査結果を測定管理者または他の使用者に容易に報告することができる。報告書は、予め決定された記載様式に従って作成される。図12は、報告書作成部19により作成される報告書の一例を示す図である。
図12の記載様式においては、報告書420は、名称表示欄421、画像表示欄422、状況表示欄423、結果表示欄424および保証表示欄425を含む。名称表示欄421には、報告書420の名称(図12の例では「検査成績書」)が表示される。画像表示欄422には、検査対象の測定画像が表示される。状況表示欄423には、検査対象の名称、検査対象の識別番号、測定作業者の氏名および検査日時等が表示される。
結果表示欄424には、検査対象についての検査結果が表示される。具体的には、結果表示欄424には、検査対象に設定された種々の検査項目の名称、測定値および判定結果が、設計値および公差と対応付けられた状態で一覧表の形式で表示される。保証表示欄425は、署名または押印されるための空欄である。測定作業者および測定管理者は、保証表示欄425に署名または押印することにより検査結果を保証することができる。
報告書作成部19は、検査部18により良品と判定された測定対象物Sについてのみ報告書420を作成してもよい。このような報告書420は、検査対象の製品を顧客に納品する際に、製品の品質を保証するために納品書に添付される。また、報告書作成部19は、検査部18により不良品と判定された測定対象物Sについてのみ報告書420を作成してもよい。このような報告書420は、検査対象の製品が不良品であると判定された原因を解析するために自社で用いられる。
本実施の形態においては、報告書420の結果表示欄424に測定対象物Sの部分の高さの測定値と当該部分について設定された検査項目の判定結果とが対応付けられた状態で表示されるが、本発明はこれに限定されない。報告書420の結果表示欄424に高さの測定値および検査項目の判定結果のいずれか一方が表示され、他方が表示されなくてもよい。
(d)ハイトゲージモード
使用者は、所望の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により測定対象物Sを撮像する。基準画像取得部1は、撮像部220により生成される画像データを取得し、取得された画像データに基づく画像を図1の表示部340に表示させる。使用者は、表示部340に表示された画像上において、測定すべき部分を測定点として指定する。
位置情報取得部2は、基準画像取得部1により取得された画像上における測定点の指定を受け付け、受け付けられた測定点の位置(上記の平面座標(Ua,Va))を取得する。また、位置情報取得部2は、基準画像を用いて基準点の指定を受け付け、受け付けられた基準点の位置を取得する。位置情報取得部2は、測定点を複数受け付けることも可能であり、基準点を複数受け付けることも可能である。
ハイトゲージモードにおける第1の算出部20、範囲決定部21および干渉駆動部22の処理は、設定モードにおける第1の算出部20、範囲決定部21および干渉駆動部22の処理とそれぞれ同様である。それにより、決定される干渉可能範囲R2に基づいて参照光の光路長が調整される。駆動制御部3は、図1の記憶部320に記憶された位置変換情報と位置情報取得部2により取得された位置とに基づいて、図8の駆動回路273,274を制御する。これにより、測定点および基準点に対応する測定対象物Sの部分に測定光が照射される。
上記の駆動制御部3および干渉駆動部22の動作により、測定点および基準点に対応する測定対象物Sの部分の座標が座標算出部13により算出される。基準面取得部4は、位置情報取得部2により取得された基準点に対応して座標算出部13により算出された座標に基づいて基準面を取得する。
ハイトゲージモードにおける偏向方向取得部7、検出部8、画像解析部9、参照位置取得部10、受光信号取得部11および第2の算出部12の処理は、設定モードにおける偏向方向取得部7、検出部8、画像解析部9、参照位置取得部10、受光信号取得部11および第2の算出部12の処理とそれぞれ同様である。
座標算出部13は、検出部8により検出された偏向部271,272の偏向方向または測定光の照射位置と第2の算出部12により算出された第2の光路長に基づいて、測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)を算出する。座標算出部13は、検出部8により検出される測定光の測定画像上の照射位置を示す平面座標と第2の算出部12により算出される第2の光路長とに基づいて測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)を算出してもよい。ハイトゲージモードにおける判定部14および高さ算出部15の処理は、設定モードにおける判定部14および高さ算出部15の処理とそれぞれ同様である。
(8)制御系の全体的な動作フロー
図13〜図16は、図1の光走査高さ測定装置400において実行される光走査高さ測定処理の一例を示すフローチャートである。以下に示す一連の処理は、光走査高さ測定装置400の電源がオン状態にあるときに、制御部310および制御基板210により一定周期で実行される。なお、光走査高さ測定処理には、後述する指定測定処理および実測定処理が含まれる。以下の説明では、光走査高さ測定処理のうち指定測定処理および実測定処理が制御基板210により実行され、光走査高さ測定処理のうち他の処理が制御部310により実行されるが、本発明はこれに限定されない。例えば光走査高さ測定処理の全ての処理が制御基板210または制御部310により実行されてもよい。
初期状態においては、図2の光学定盤111上に測定対象物Sが載置された状態で、光走査高さ測定装置400の電源がオンされているものとする。このとき、図1の表示部340には、図9の選択画面341が表示される。
光走査高さ測定処理が開始されると、制御部310は、使用者の操作部330の操作により設定モードが選択されたか否かを判定する(ステップS101)。より具体的には、制御部310は、使用者により図9の設定ボタン341aが操作されたか否かを判定する。
制御部310は、設定モードが選択されない場合、後述する図16のステップS201の処理に進む。一方、制御部310は、設定モードが選択された場合、図1の表示部340に後述する図24の設定画面350を表示させる(ステップS102)。設定画面350においては、撮像部220により一定周期で取得される図2の測定領域Vの基準画像がリアルタイムに表示される。
本実施の形態に係る光走査高さ測定装置400においては、図11の補正部17の補正機能を実現するために、設定モードにおいてパターン画像およびサーチ領域を設定しておく必要がある。パターン画像は、使用者により指定された時点で表示される基準画像の全領域のうち少なくとも測定対象物Sを含む部分の画像を意味する。また、サーチ領域は、設定モードでパターン画像が設定された後に、測定モードにおいて測定画像内でパターン画像に類似する部分をサーチする範囲(撮像部220の撮像視野内の範囲)を意味する。
そこで、制御部310は、使用者の操作部330の操作によりサーチ領域の指定があったか否かを判定する(ステップS103)。制御部310は、サーチ領域の指定がない場合、後述するステップS105の処理に進む。一方、制御部310は、サーチ領域の指定がある場合、指定されたサーチ領域の情報を記憶部320に記憶することにより設定する(ステップS104)。
次に、制御部310は、使用者の操作部330の操作によりパターン画像の指定があったか否かを判定する(ステップS105)。制御部310は、パターン画像の指定がない場合、後述するステップS107の処理に進む。一方、制御部310は、パターン画像の指定がある場合、指定されたパターン画像の情報を記憶部320に記憶することにより設定する(ステップS106)。なお、パターン画像の情報には、基準画像における当該パターン画像の位置を示す情報も含まれる。使用者によるパターン画像およびサーチ領域の具体的な設定例については後述する。
次に、制御部310は、ステップS104,S106の処理により、サーチ領域およびパターン画像が設定されたか否かを判定する(ステップS107)。制御部310は、サーチ領域およびパターン画像のうち少なくとも一方が設定されていない場合、ステップS103の処理に戻る。一方、制御部310は、サーチ領域およびパターン画像が設定されている場合、基準面の設定が受け付けられたか否かを判定する(ステップS108)。
制御部310は、ステップS108で基準面の設定を受け付けた場合、使用者の操作部330の操作により表示部340に表示される基準画像上で基準点として点の指定を受けたか否かを判定する(ステップS109)。制御部310は、点の指定を受けない場合、後続のステップS111の処理に進む。一方、制御部310は、点の指定を受けた場合、制御基板210に、指定測定処理を指令するとともに、画像上で指定された点により特定される平面座標(Ua,Va)を与える(図10(a)参照)。それにより、制御基板210は、指定測定処理を行うとともに(ステップS110)、指定測定処理により特定された座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。指定測定処理の詳細は後述する。
その後、制御部310は、使用者の操作部330の操作により基準点としての点の指定が完了したか否かを判定する(ステップS111)。制御部310は、点の指定が完了していない場合、ステップS109の処理に戻る。一方、制御部310は、点の指定が完了した場合、ステップS110の指定測定処理で取得された1または複数の座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて基準面を設定する(ステップS112)。本例では、1または複数の基準点に対応する座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて基準面の座標を示す情報、例えば、各基準点に対応する平面座標(Xc,Yc)または各基準点に対応する座標(Xc,Yc,Zc)が記憶部320に記憶される。
ここで、基準面の座標を示す情報は、基準面を決定するための基準面拘束条件を含んでもよい。基準面拘束条件には、例えば、基準面が載置面に平行であること、または基準面は予め記憶された他の面に平行であること等の条件が含まれる。基準面が載置面に平行であるという基準面拘束条件の場合、1つの基準点に対する座標(Xb,Yb,Zb)が指定されると、Z=Zbで表される平面が基準面として取得されることとなる。
制御部310は、上記のステップS112の処理後あるいはステップS108で基準面の設定を受け付けていない場合、受け付けられる設定が測定対象物Sの測定に関する設定であるか否かを判定する(ステップS121)。より具体的には、制御部310は、受け付けられる設定が高さが測定されるべき測定対象物Sの部分を特定する設定であるか否かを判定する。
制御部310は、受け付けられる設定が測定に関する設定でない場合、使用者の操作部330の操作による当該設定に関する情報を取得し、記憶部320に記憶する(ステップS130)。ここで取得される情報には、例えば、上記の許容値、測定モード時に測定画像上に表示させるべき指標およびコメント等の情報が挙げられる。その後、制御部310は、後述するステップS126の処理に進む。
制御部310は、ステップS121において受け付けられる設定が測定に関する設定であった場合、使用者の操作部330の操作により表示部340に表示される基準画像上で測定点として点の指定を受けたか否かを判定する(ステップS122)。制御部310は、点の指定を受けない場合、後続のステップS124の処理に進む。一方、制御部310は、点の指定を受けた場合、上記のステップS110と同様に、制御基板210に、指定測定処理を指令するとともに、画像上で指定された点により特定される平面座標(Ua,Va)を与える。それにより、制御基板210は、指定測定処理を行うとともに(ステップS123)、指定測定処理により特定された座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。
その後、制御部310は、使用者の操作部330の操作により測定点としての点の指定が完了したか否かを判定する(ステップS124)。制御部310は、点の指定が完了していない場合、ステップS122の処理に戻る。
一方、制御部310は、点の指定が完了した場合、ステップS123の指定測定処理で取得された1または複数の測定点の座標(Xc,Yc,Zc)を記憶部320に記憶することにより測定点の設定を行う(ステップS125)。
上記のステップS125,S130のいずれかの処理後、制御部310は、設定の完了が指令されたか、または新たな設定が指令されたかを判定する(ステップS126)。制御部310は、新たな設定が指令された場合、すなわち設定の完了が指令されない場合、ステップS108の処理に戻る。
一方、制御部310は、設定の完了が指令された場合、上記のステップS103〜S112,S121〜S125,S130のいずれかにおいて設定された情報を互いに関連付けて登録情報として登録する(ステップS127)。その後、光走査高さ測定処理が設定モードで終了する。登録される登録情報のファイルは、使用者により特定のファイル名が付された上で記憶部320に保存される。このとき、ステップS103〜S112,S121〜S125,S130のいずれかにおいて、設定のために一時的に記憶部320に記憶された情報が消去されてもよい。
ここで、ステップS127において、制御部310は、上記のステップS112の処理により基準面が設定されている場合、基準面と特定された座標(Xc,Yc,Zc)とに基づいて測定点の高さを算出し、算出結果を登録情報に含める。なお、上記のステップS125の時点で基準面が既に設定されている場合、ステップS125において、設定された基準面と特定された座標(Xc,Yc,Zc)とに基づいて測定点の高さが算出されてもよい。この場合、算出結果が測定点の高さとして設定画面350(図29)に表示されてもよい。
上記のステップS101において、設定モードが選択されない場合、制御部310は、使用者の操作部330の操作により測定モードが選択されたか否かを判定する(ステップS201)。より具体的には、制御部310は、使用者により図9の測定ボタン341bが操作されたか否かを判定する。制御部310は、測定モードが選択された場合、図1の表示部340に後述する図33の測定画面360を表示させる(ステップS202)。測定画面360においては、撮像部220により一定周期で取得される図2の測定領域Vの測定画像がリアルタイムに表示される。
次に、制御部310は、使用者の操作部330の操作により登録情報のファイルが指定されたか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、使用者により登録情報のファイル名の指定があったか否かを判定する。制御部310は、ファイルの指定がない場合、ファイルの指定を受けるまで待機状態となる。一方、制御部310は、ファイルの指定を受けると、指定された登録情報のファイルを記憶部320から読み込む(ステップS204)。なお、制御部310は、指定された登録情報のファイルが記憶部320に記憶されていない場合、指定されたファイルが存在しないことを示す情報を表示部340に表示してもよい。
次に、制御部310は、読み込んだ登録情報から登録されたパターン画像の情報を取得し、取得したパターン画像を表示部340に表示される測定画像上に重畳表示する(ステップS205)。このとき、制御部310は、パターン画像に加えてサーチ領域も取得する。なお、上記のように、パターン画像の情報には、基準画像における当該パターン画像の位置を示す情報も含まれる。そのため、パターン画像は、設定モードで設定された位置と同じ位置で測定画像上に重畳表示される。
ここで、パターン画像は半透明で表示されてもよい。この場合、使用者は、現在撮像されている測定対象物Sの測定画像と設定モード時に取得された測定対象物Sの基準画像とを容易に比較することができる。その上で、使用者は、光学定盤111上の測定対象物Sの位置決め作業を行うことができる。
次に、制御部310は、パターン画像と測定画像との対比を行う(ステップS206)。具体的には、制御部310は、パターン画像における測定対象物Sのエッジを基準エッジとして抽出するとともに、取得されたサーチ領域内で基準エッジに対応する形状のエッジが存在しないか否かをサーチする。
この場合、測定画像における測定対象物Sのエッジ部分が、最も基準エッジに類似すると考えられる。そこで、制御部310は、基準エッジに最も類似する測定画像の部分が検出されると、検出された部分が画像上で基準エッジからどれだけずれているのかを算出するとともに、検出された部分が画像上で基準エッジからどれだけ回転しているのかを算出する(ステップS207)。
次に、制御部310は、読み込んだ登録情報から登録された測定点の情報を取得し、取得された測定点の情報を算出されたずれ量および回転量に基づいて補正する(ステップS208)。これらのステップS206〜S208の処理が、図11の補正部17の機能に相当する。この構成によれば、補正画像における測定対象物がパターン画像における測定対象物に対して変位または回転している場合でも、測定点を高い精度で容易に特定し、補正することができる。
次に、制御部310は、制御基板210に、補正された測定点ごとに実測定処理を指令するとともに、補正された測定点の座標(Xc,Yc,Zc)を与える(図10(b)参照)。それにより、制御基板210は、実測定処理を行うとともに(ステップS209)、実測定処理により特定された座標(Xb,Yb,Zb)を制御部310に与える。実測定処理の詳細は後述する。
次に、制御部310は、登録された基準面の情報を取得し、基準面と取得された座標(Xb,Yb,Zb)とに基づいて測定点の高さを算出し、算出結果を測定結果として記憶部320に記憶する。また、登録された他の情報に応じた各種処理を行う(ステップS210)。登録された他の情報に応じた各種処理として、例えば読み込んだ登録情報に許容値が含まれる場合には、高さの算出結果が許容値で設定される公差の範囲内であるか否かを判定する検査処理があってもよい。その後、光走査高さ測定処理が測定モードで終了する。
上記のステップS201において、測定モードが選択されない場合、制御部310は、使用者の操作部330の操作によりハイトゲージモードが選択されたか否かを判定する(ステップS211)。より具体的には、制御部310は、使用者により図9のハイトゲージボタン341cが操作されたか否かを判定する。制御部310は、ハイトゲージモードが選択されない場合、ステップS101の処理に戻る。
一方、制御部310は、ハイトゲージモードが選択された場合、図1の表示部340に後述する図25の設定画面350を表示させる(ステップS212)。その後、制御部310は、使用者の操作部330の操作に基づいて基準面の設定を行う(ステップS213)。この設定処理は、上記のステップS109〜S112の処理と同じである。
その後、制御部310は、測定点の指定を受けた場合、制御基板210に、指定測定処理を指令するとともに、画像上で指定された測定点により特定される平面座標(Ua,Va)を与える(図10(c)参照)。それにより、制御基板210は、指定測定処理を行う(ステップS214)。また、制御基板210は、指定測定処理により特定された座標(Xc,Yc,Zc)を指定された測定点に対応する座標として取得し、制御部310に与える(ステップS215)。
次に、制御部310は、設定された基準面の情報を取得し、基準面と取得された座標(Xc,Yc,Zc)とに基づいて測定対象物S上で測定光が照射される部分の高さを算出し、算出結果を測定結果として表示部340に表示する。例えば、制御部310は、基準面が平面である場合、取得された座標(Xc,Yc,Zc)を通る基準面の垂線を引いたときの基準面から座標(Xc,Yc,Zc)までの垂線の長さを高さとして算出し、算出結果を測定結果として表示部340に表示する。また、制御部310は、撮像部220により取得される画像上の測定光の照射位置を示す平面座標または画像上で指定された測定点により特定される平面座標に、測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さを算出できたことを示す緑色の「+」印を表示部340に表示する(ステップS216)。
続いて、制御部310は、使用者の操作部330の操作により追加の測定点が指定されたか否かを判定する(ステップS217)。追加の点が指定された場合、制御部310は、ステップS214の処理に戻る。これにより、追加の測定点が指定されなくなるまでステップS214〜S217の処理が繰り返される。追加の点が指定されない場合、光走査高さ測定処理がハイトゲージモードで終了する。
上記のハイトゲージモードによれば、使用者は、画像上で点を指定することにより、基準点および基準面を指定することができる。また、使用者は、測定点を画面上で指定することにより、高さの測定結果を取得することができる。さらに、使用者は、複数の測定点を指定することにより、引き続き基準面を維持したまま測定を継続することができる。
(9)指定測定処理の一例
図17および図18は、制御基板210による指定測定処理の一例を示すフローチャートである。図19および図20は、図17および図18の指定測定処理を説明するための説明図である。図19(a),(b),(c)および図20(a),(b)の各々では、左側に光学定盤111上に載置される測定対象物Sと撮像部220および走査部270との位置関係が側面図で示されるとともに、右側に撮像部220の撮像により表示部340に表示される画像が示される。表示部340に表示される画像には、測定対象物Sの画像SIが含まれる。以下の説明では、表示部340に表示される画像上の平面座標を画面座標と呼ぶ。
制御基板210は、制御部310から指定測定処理の指令を受けることにより、指定測定処理を開始する。そこで、制御基板210は、制御部310から指令とともに与えられる画面座標(Ua,Va)を取得する(ステップS301)。
図19(a)の右側においては、表示部340に表示される画像上に画面座標(Ua,Va)が示される。また、図19(a)の左側においては、画面座標(Ua,Va)に対応する測定対象物Sの部分が点P0で示される。
ステップS301において、画面座標(Ua,Va)に対応する点P0の座標のうちZ軸の成分(高さ方向の成分)は不明である。そこで、制御基板210は、使用者により指定された点P0のZ軸の成分を「Za」と仮定する(ステップS302)。この場合、図19(b)に示すように、仮定されるZ軸の成分は、実際に指定された点P0のZ軸の成分に一致するとは限らない。
次に、制御基板210は、上記の座標変換情報に基づいてZ軸の成分が仮定された「Za」であるときの画面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xa,Ya)を算出する(ステップS303)。それにより、図19(b)に示すように、画面座標(Ua,Va)および仮定されたZ軸の成分に対応する仮想点P1の座標(Xa,Ya,Za)が得られる。なお、本例では、「Za」は図2の測定領域V内のZ方向における中間位置とする。
次に、制御基板210は、ステップS303の処理により得られる座標(Xa,Ya,Za)および位置変換情報に基づいて図8の反射部271b,272bの角度を調整して測定光を照射する(ステップS304)。
この場合、ステップS302で仮定されるZ軸の成分が実際に指定された点P0のZ軸の成分から大きくずれていると、図19(c)の左側の側面図に示すように、測定対象物S上の測定光の照射位置が実際に指定された点P0から大きくずれる。そこで、以降の処理が行われる。
ステップS304の処理により、撮像部220により取得される画像上には、走査部270から測定対象物Sに照射される測定光の照射部分(光スポット)が現れる。この場合、測定光の照射部分の画面座標は画像処理等を用いて容易に検出することができる。図19(c)の右側の図では、表示部340に表示される画像上に現れる測定光の照射部分(光スポット)が丸印で示される。
制御基板210は、ステップS304の処理後、撮像部220により取得される画像上で測定光の照射位置を示す平面座標を画面座標(Uc,Vc)として検出する(ステップS305)。
次に、制御基板210は、図3の第2の光出射部233および第1の受光部234を制御することにより測定光の概略の光路長を第1の光路長として算出するとともに、第1の光路長に基づいて図6(b)の可動部252a,252bの干渉可能範囲R2を算出する(ステップS306)。また、制御基板210は、算出された干渉可能範囲R2内で図5の可動部252a,252bを移動させる(ステップS307)。
さらに、制御基板210は、干渉光が生成されるときの図5の可動部252a,252bの位置を検出するとともに、図8の反射部271b,272bの角度から測定光の偏向方向を検出する(ステップS308)。この場合、可動部252a,252bの移動範囲が干渉可能範囲R2内に制限されているので、干渉光が生成されるときの可動部252a,252bの位置が短時間で検出される。
次に、制御基板210は、検出された可動部252a,252bの位置と図4の第2の受光部232dにより取得される受光信号とに基づいて測定光の光路長を第2の光路長として算出する(ステップS309)。また、制御基板210は、算出された第2の光路長および直前のステップS308で検出された測定光の偏向方向に基づいて測定対象物Sまたは光学定盤111上の測定光の照射位置P2の座標を座標(Xc,Yc,Zc)とする(ステップS310)。
ここで、図19(c)に示すように、照射位置P2が点P0からずれていると、画面座標(Uc,Vc)も画面座標(Ua,Va)からずれる。そこで、制御基板210は、画面座標(Ua,Va)に対する検出された画面座標(Uc,Vc)の誤差(Ua−Uc,Va−Vc)を算出するとともに、算出された誤差が予め定められた判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS311)。このとき用いられる判定範囲は、使用者により設定可能であってもよいし、光走査高さ測定装置400の工場出荷時に予め設定されていてもよい。
ステップS311において、誤差(Ua−Uc,Va−Vc)が予め定められた判定範囲内である場合、制御基板210は、直前のステップS310で定められた座標(Xc,Yc,Zc)を使用者により指定された座標として特定し(ステップS312)、指定測定処理を終了する。その後、制御基板210は、特定された座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。
ステップS311において、誤差(Ua−Uc,Va−Vc)が予め定められた判定範囲外である場合、制御基板210は、上記の誤差(Ua−Uc,Va−Vc)に基づいて測定光の偏向方向を調整する(ステップS313)。具体的には、例えばX軸およびY軸に対応する画面座標上の誤差と反射部271b,272bの調整すべき角度との関係を誤差対応関係として予め記憶部320に記憶させておく。その上で、制御基板210は、図20(a)に白抜きの矢印で示すように、算出された誤差(Ua−Uc,Va−Vc)と誤差対応関係とに基づいて測定光の偏向方向を微調整する。
その後、制御基板210は、ステップS305の処理に戻る。それにより、測定光の偏向方向が微調整された上で再度ステップS305〜S311の処理が行われる。その結果、最終的に、図20(b)に示すように、誤差(Ua−Uc,Va−Vc)が判定範囲内となることにより、使用者により指定された測定点に対応する座標(Xc,Yc,Zc)が特定される。
(10)指定測定処理の他の例
図21および図22は、制御基板210による指定測定処理の他の例を示すフローチャートである。図23は、図21および図22の指定測定処理を説明するための説明図である。図23(a),(b)の各々では、左側に光学定盤111上に載置される測定対象物Sと撮像部220および走査部270との位置関係が側面図で示されるとともに、右側に撮像部220の撮像により表示部340に表示される画像が示される。
指定測定処理が開始されると、制御基板210は、制御部310から指令とともに与えられる画面座標(Ua,Va)を取得する(ステップS401)。続いて、制御基板210は、上記のステップS302の処理と同様に、使用者により指定された点P0のZ軸の成分を「Za」と仮定する(ステップS402)。この場合、図19(b)の例と同様に、仮定されるZ軸の成分は、実際に指定された点P0のZ軸の成分に一致するとは限らない。
次に、制御基板210は、上記のステップS303の処理と同様に、Z軸の成分が仮定された「Za」であるときの画面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xa,Ya)を算出する(ステップS403)。また、制御基板210は、上記のステップS304の処理と同様に、ステップS403の処理により得られる仮想点P1の座標(Xa,Ya,Za)および位置変換情報に基づいて図8の反射部271b,272bの角度を調整して測定光を照射する(ステップS404)。ステップS404において、使用者により指定される点P0と測定対象物Sに照射される測定光の照射位置との関係は、上記の図19(c)の状態と同じである。その後、測定対象物S上の測定光の照射位置が実際に指定された点P0に一致するかまたは近づくように、以降の処理が行われる。
まず、制御基板210は、上記のステップS306と同様に、図3の第2の光出射部233および第1の受光部234を制御することにより測定光の概略の光路長を第1の光路長として算出するとともに、第1の光路長に基づいて図6(b)の可動部252a,252bの干渉可能範囲R2を算出する(ステップS405)。また、制御基板210は、算出された干渉可能範囲R2内で図5の可動部252a,252bを移動させる(ステップS406)。さらに、制御基板210は、干渉光が生成されるときの図5の可動部252a,252bの位置を検出するとともに、図8の反射部271b,272bの角度から測定光の偏向方向を検出する(ステップS407)。この場合、可動部252a,252bの移動範囲が干渉可能範囲R2内に制限されているので、干渉光が生成されるときの可動部252a,252bの位置が短時間で検出される。
次に、制御基板210は、検出された可動部252a,252bの位置と図4の第2の受光部232dにより取得される受光信号とに基づいて測定光の光路長を第2の光路長として算出する(ステップS408)。また、制御基板210は、算出された第2の光路長および直前のステップS407で検出された測定光の偏向方向に基づいて測定対象物Sまたは光学定盤111上の測定光の照射位置P2の座標を座標(Xc,Yc,Zc)とする(ステップS409)。
上記のステップS409の処理により、測定光の照射位置P2のZ軸の成分「Zc」は、使用者により指定された点P0のZ軸の成分に一致するかまたは近い値であると推定される。そこで、制御基板210は、座標変換情報に基づいてZ軸の成分が仮定された「Zc」であるときの画面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xa’,Ya’)を算出する(ステップS410)。それにより、図23(a)に示すように、画面座標(Ua,Va)および仮定されたZ軸の成分に対応する仮想点P3の座標(Xa’,Ya’,Zc)が得られる。
次に、制御基板210は、仮想点P3の平面座標(Xa’,Ya’)に対する照射位置P2の平面座標(Xc,Yc)の誤差(Xa’−Xc,Ya’−Yc)を算出するとともに、算出された誤差が予め定められた判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS411)。このとき用いられる判定範囲は、使用者により設定可能であってもよいし、光走査高さ測定装置400の工場出荷時に予め設定されていてもよい。
ステップS411において、誤差(Xa’−Xc,Ya’−Yc)が予め定められた判定範囲内である場合、制御基板210は、直前のステップS409で定められた照射位置P2の座標(Xc,Yc,Zc)を使用者により指定された座標として特定し(ステップS412)、指定測定処理を終了する。その後、制御基板210は、特定された座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。
ステップS411において、誤差(Xa’−Xc,Ya’−Yc)が予め定められた判定範囲外である場合、制御基板210は、直前のステップS410で得られた仮想点P3の座標(Xa’,Ya’,Zc)を上記のステップS404で測定光の照射対象となる座標(Xa,Ya,Za)とする(ステップS413)。その後、制御基板210は、上記のステップS404の処理に戻る。
それにより、測定光の偏向方向が変更された上で再度ステップS404〜S411の処理が行われる。その結果、最終的に、図23(b)に示すように、誤差(Xa’−Xc,Ya’−Yc)が判定範囲内となることにより、使用者により指定された測定点に対応する座標(Xc,Yc,Zc)が特定される。
(11)実測定処理
制御基板210は、制御部310から実測定処理の指令を受けることにより、実測定処理を開始する。実測定処理が開始されると、制御基板210は、まず制御部310から指令とともに与えられる測定点の座標(Xc,Yc,Zc)を取得する。
ここで、設定モードで設定された測定点の座標(Xc,Yc,Zc)と位置変換情報とに基づいて測定光を照射しても、測定モードで測定される測定対象物Sの形状によっては、測定対象物S上の測定光の照射位置の平面座標が測定点の座標から大きくずれる場合がある。
例えば、測定点に対応する測定対象物Sの部分のZ軸の成分が「Zc」から大きくずれていると、測定光の照射位置の平面座標も設定された測定点の平面座標(Xc,Yc)から大きくずれる。そこで、実測定処理では、測定光の照射位置の平面座標が測定点の平面座標(Xc,Yc)から一定の範囲内に収まるように調整される。
具体的には、制御基板210は、例えば取得された測定点の座標(Xc,Yc,Zc)に対応する画面座標を(Ua,Va)とした上で、取得された測定点の座標(Xc,Yc,Zc)を図17のステップS303の処理で得られる仮想点P1の座標(Xa,Ya,Za)とする。次に、制御基板210は、図17および図18のステップS304〜S312の処理を行う。続いて、制御基板210は、ステップS312の処理で特定された座標(Xc,Yc,Zc)を取得された測定点に対応する測定対象物Sの部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)として、制御部310に与える。それにより、実測定処理が終了する。なお、制御基板210は、図4の第2の受光部232dから出力される受光信号、図5の可動部252a,252bの位置、および図1の撮像部220により取得される画像上の測定光の照射位置を示す平面座標に基づいて、測定対象物S上で測定光が照射される部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出してもよい。
あるいは、制御基板210は、以下のように実測定処理を実行してもよい。制御基板210は、例えば取得された測定点の座標(Xc,Yc,Zc)に対応する画面座標を(Ua,Va)とした上で、取得された測定点の座標(Xc,Yc,Zc)を図21のステップS403の処理で得られる仮想点P1の座標(Xa,Ya,Za)とする。次に、制御基板210は、図21および図22のステップS404〜S412の処理を行う。続いて、制御基板210は、ステップS412の処理で特定された座標(Xc,Yc,Zc)を取得された測定点に対応する測定対象物Sの部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)として、制御部310に与える。それにより、実測定処理が終了する。
(12)設定モードおよび測定モードを用いた操作例
図24〜図29は、設定モードにおける光走査高さ測定装置400の操作例を説明するための図である。以下では、光走査高さ測定装置400の使用者を測定管理者と測定作業者とに区別して説明する。
まず、測定管理者は、高さ測定の基準となる測定対象物Sを光学定盤111上に位置決めし、図1の操作部330を用いて図9の設定ボタン341aを操作する。それにより、光走査高さ測定装置400が設定モードの動作を開始する。この場合、例えば図24に示すように、図1の表示部340に設定画面350が表示される。設定画面350は、画像表示領域351およびボタン表示領域352を含む。画像表示領域351には、現在撮像されている測定対象物Sの画像が基準画像RIとして表示される。図24〜図29の各図および後述する図30〜図35の各図では、画像表示領域351に表示される基準画像RIおよび後述する測定画像MIのうち測定対象物Sの形状を示す輪郭が太い実線で示される。
設定モードの開始時点には、ボタン表示領域352に、サーチ領域ボタン352a、パターン画像ボタン352bおよび設定完了ボタン352cが表示される。測定管理者は、例えばサーチ領域ボタン352aを操作し、画像表示領域351上でドラッグ操作等を行う。それにより、図24に点線で示すようにサーチ領域SRを設定する。また、測定管理者は、例えばパターン画像ボタン352bを操作し、画像表示領域351上でドラッグ操作等を行う。それにより、図24に一点鎖線で示すようにパターン画像PIを設定することができる。
測定管理者は、サーチ領域SRおよびパターン画像PIの設定を行った後、設定完了ボタン352cを操作する。それにより、サーチ領域SRおよびパターン画像PIの設定が完了するとともに、設定画面350の表示態様が図25に示すように切り替わる。具体的には、画像表示領域351において、設定されたサーチ領域SRおよびパターン画像PIを示す指標が除去される。また、ボタン表示領域352において、図24のサーチ領域ボタン352aおよびパターン画像ボタン352bに代えて、点指定ボタン352dおよび基準面設定ボタン352eが表示される。
測定管理者は、点指定ボタン352dを操作し、画像表示領域351上でクリック操作等を行う。それにより、図26に「+」印で示すように1または複数(本例では3つ)の基準点が指定される。その後、測定管理者は、基準面設定ボタン352eを操作する。それにより、指定された1または複数の基準点を含む基準面が設定され、図27に二点鎖線で示すように、画像表示領域351に設定された基準面RFを示す指標が表示される。ここで、4以上の基準点が指定される場合には、4以上の全ての基準点が必ずしも基準面RFに含まれる必要はない。この場合、基準面RFは、例えば複数の基準点との間の距離が全体的に小さくなるように設定される。同様に、基準面を決定するための基準面拘束条件が定められている場合、例えば、基準面が載置面に平行であること、または基準面が予め記憶された他の面と平行であること等の条件が定められている場合において、2以上の基準点が指定される場合には、2以上の全ての基準点が必ずしも基準面RFに含まれる必要はない。なお、基準面RFは、点指定ボタン352dおよび基準面設定ボタン352eの操作が繰り返されることにより複数設定されてもよい。
その後、測定管理者は、設定完了ボタン352cを操作する。それにより、基準面RFの設定が完了するとともに、設定画面350の表示態様が図28に示すように切り替わる。具体的には、画像表示領域351において、基準面RFの設定に用いられた1または複数の基準点を示す指標が除去される。また、ボタン表示領域352において、図27の基準面設定ボタン352eに代えて、許容値ボタン352gが表示される。
測定管理者は、点指定ボタン352dを操作し、画像表示領域351上でクリック操作等を行う。それにより、図29に「+」印で示すように、測定点が指定される。このとき、複数の基準面RFが設定されている場合、指定された測定点の基準となる基準面RFとして設定された複数の基準面RFの中から一の選択を受け付ける。また、指定された測定点について、上記の指定測定処理が行われ、測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さを算出できたときには、測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さが画像表示領域351上に表示される。このとき「+」印の色を例えば緑色に変化させることにより、測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さを算出できたことを示してもよい。
一方、指定された測定点について、上記の指定測定処理が行われ、測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さを算出できないときには、「FAIL」等のエラーメッセージが画像表示領域351上に表示されてもよい。このとき「+」印の色を例えば赤色に変化させることにより、測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さを算出できないことを示してもよい。
複数の測定点が指定されている場合、測定経路情報を指定可能であってもよい。例えば、複数の測定点の指定順通りに測定経路を設定する、あるいは、測定経路が最短になるような測定経路を設定する等の情報を設定可能であってもよい。
測定点の指定時に、測定管理者は、さらに許容値ボタン352gを操作することにより、測定点ごとに許容値として設計値および公差を設定することができる。最後に、測定管理者は、設定完了ボタン352cを操作する。それにより、複数の測定点および許容値を含む一連の情報が互いに関連付けられて登録情報として記憶部320に記憶される。このとき、登録情報は、特定のファイル名が付与される。なお、このファイル名は、測定管理者により設定可能であってもよい。
図26、図27および図29に示すように、基準画像RIには、測定管理者により指定された基準点および測定点の位置を示す指標「+」が重畳表示される。これにより、測定管理者は、測定対象物Sの基準画像RI上に重畳表示された指標を視認することにより、指定された基準点および測定点を容易に確認することができる。
ここで、本発明においては、設定モードにおける基準点および測定点の設定の順は上記の例に限定されない。基準点および測定点の設定は、以下のように行われてもよい。
図30〜図32は、設定モードにおける光走査高さ測定装置400の他の操作例を説明するための図である。本例では、サーチ領域SRおよびパターン画像PIの設定後、図30に示すように、ボタン表示領域352に、設定完了ボタン352c、点指定ボタン352d、基準面設定ボタン352e、許容値ボタン352g、基準点設定ボタン352hおよび測定点設定ボタン352iが表示される。
この状態で、測定管理者は、点指定ボタン352dを操作し、画像表示領域351上でクリック操作等を行う。このとき、測定管理者は、図30に「+」印で示すように、基準点または測定点になりえる複数(本例では5つ)の点を指定する。
次に、測定管理者は、指定した各点ごとに、基準点設定ボタン352hまたは測定点設定ボタン352iを操作することにより、当該点を基準点として用いるのか測定点として用いるのかを決定する。さらに、測定管理者は、1または複数の点を基準点として決定した後、基準面設定ボタン352eを操作する。それにより、図31に示すように、画像表示領域351に点線の「+」印で示すように1または複数(本例では3つ)の基準点が表示される。また、二点鎖線で示すように1または複数の基準点に基づく基準面が表示される。さらに、実線の「+」印で示すように1または複数(本例では2つ)の測定点が表示される。
その後、図32に示すように、指定された測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さが画像表示領域351上に表示される。このとき、測定管理者は、上記の例と同様に、許容値ボタン352gを操作することにより、測定点ごとに許容値として設計値および公差を設定することができる。最後に、測定管理者は、設定完了ボタン352cを操作する。
図33〜図35は、測定モードにおける光走査高さ測定装置400の操作例を説明するための図である。測定作業者は、高さ測定の対象となる測定対象物Sを光学定盤111上に位置決めし、図1の操作部330を用いて図9の測定ボタン341bを操作する。それにより、光走査高さ測定装置400が測定モードの動作を開始する。この場合、例えば図33に示すように、図1の表示部340に測定画面360が表示される。測定画面360は、画像表示領域361およびボタン表示領域362を含む。画像表示領域361には、現在撮像されている測定対象物Sの画像が測定画像MIとして表示される。
測定モードの開始時点には、ボタン表示領域362に、ファイル読込ボタン362aが表示される。測定作業者は、ファイル読込ボタン362aを操作することにより、測定管理者に指示されたファイル名を選択する。それにより、光学定盤111に載置された測定対象物Sに対応する高さ測定の登録情報が読み込まれる。
登録情報が読み込まれると、図34に示すように、画像表示領域361の測定画像MI上に、読み込まれた登録情報に対応するパターン画像PIが半透明の状態で重畳表示される。また、ボタン表示領域362に測定ボタン362bが表示される。この場合、測定作業者は、パターン画像PIを参照しつつ光学定盤111上で測定対象物Sをより適切な位置に位置決めすることができる。
その後、測定作業者は、測定対象物Sのより正確な位置決め作業を行った後、測定ボタン362bを操作する。それにより、読み込まれた登録情報の複数の測定点に対応する測定対象物Sの複数の部分の基準面からの高さが測定される。また、読み込まれた登録情報に許容値が含まれる場合には、その許容値に基づいて測定点の対応部分の良否判定が行われる。
その結果、図35に示すように、画像表示領域361上に、設定されている測定点にそれぞれ対応する測定対象物Sの部分の高さが表示される。また、ボタン表示領域362上に、設定されている測定点にそれぞれ対応する測定対象物Sの部分の高さが表示されるとともに、許容値に基づく良否判定の結果が検査結果として表示される。
(13)効果
(a)上記の光走査高さ測定装置400においては、第1の光出射部231から出射された第1の光が導光部240において測定光と参照光とに分岐される。測定光は、測定対象物Sに照射され、測定対象物Sにより反射されて導光部240のポート245dに帰還する。一方、参照光は、導光部240から出力され、参照部250の反射部材254cにより反射されて導光部240のポート245cに帰還する。参照部250においては、可動部252a,252bの移動により参照光の光路長が変化する。測定光の光路長と参照光の光路長とが一致するときに導光部240において干渉光が生成される。
一方、第2の光出射部233から出射された第2の光は測定光に結合され、測定光とともに測定対象物Sに照射される。測定対象物Sにより反射された第2の光は第1の受光部234により受光される。このとき、第2の光が第2の光出射部233から出射された時点から第1の受光部234により受光される時点までの時間に基づいて、測定光の概略の光路長が第1の光路長として算出される。さらに、第1の光路長に基づいて、測定光と参照光とを干渉させるための可動部252a,252bの移動範囲が干渉可能範囲R2として決定される。この場合、干渉可能範囲R2は可動部の移動可能範囲R1よりも小さいため、短い移動時間で干渉光の生成が可能となる。
測定光と参照光との干渉により生成された干渉光は測定部232の第2の受光部232dにより受光され、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号が生成される。支持部251に対する可動部252a,252bの相対位置と受光信号における干渉光の受光量とに基づいて、測定光の光路長が第2の光路長として高精度で算出される。さらに、高精度な第2の光路長に基づいて、測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さが高精度に算出される。
上記の構成によれば、概略的な第1の光路長に基づいて干渉可能範囲R2が決定されることにより、可動部252a,252bの移動距離および移動時間が短縮されるので、測定に要する時間が短縮される。したがって、測定対象物Sの所望の部分の高さを短時間でかつ高精度で測定することが可能となる。
(b)上記の光走査高さ測定装置400においては、保持部120に設けられる昇降部130により、光学定盤111上の測定対象物Sに対して走査部270を含む測定ヘッド200を上下方向に移動させることができる。それにより、測定対象物Sの表面の高さの測定可能範囲が拡大される。
(c)光走査高さ測定装置400が設定モードまたはハイトゲージモードにある状態で、基準点および測定点は表示部340に表示される測定対象物Sの基準画像RI上で受け付けられる。それにより、使用者は、測定対象物Sの所望の部分の高さを容易に測定することができる。
[2]第2の実施の形態
第2の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400は、光学部230および導光部240の構成が異なる点を除いて第1の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400と基本的に同じ構成を有する。第2の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400について、第1の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400と異なる点を説明する。
図36は、第2の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400のスタンド部100および測定ヘッド200の構成を示すブロック図である。図36に示すように、本実施の形態に係る光走査高さ測定装置400には、光学部230に図3の第2の光出射部233が設けられていない。また、導光部240は、第1の実施の形態に係る光結合部材247に代えて光導出部材248を含む。光導出部材248は、例えばハーフミラーにより構成され、測定対象物Sに照射されるとともに測定対象物Sにより反射されて導光部240に帰還する測定光の一部を第1の受光部234に導く。なお、光導出部材248は、例えばファイバカプラおよび光ファイバにより構成されてもよい。
上記の構成において、第1の受光部234は、第1の実施の形態に係る第2の光に代えて、走査部270から測定対象物Sに照射されるとともに測定対象物Sから反射されて導光部240に帰還する測定光の一部を受光する。それにより、本実施の形態では測定光を用いて、測定光の概略の光路長が第1の光路長として算出される。
具体的には、第1の算出部20(図11)は、干渉可能範囲R2を算出するための第1の光路長の算出時に、例えば比較的短いパルス幅で第1の光が出射されるように第1の光出射部231を制御する。また、第1の算出部20は、第1の光が出射されることにより測定対象物Sに照射されるとともに測定対象物Sにより反射されて光学部230に帰還する測定光を受光するように第1の受光部234を制御する。さらに、第1の算出部20は、第1の光が出射された時点から測定光が受光される時点までの時間に基づいて、測定光の概略の光路長を第1の光路長として算出する。
その後、算出された第1の光路長に基づいて範囲決定部21(図11)により干渉可能範囲R2が決定される。また、決定された干渉可能範囲R2内で可動部252a,252bが移動するように図5の駆動回路256a,256bが干渉駆動部22(図11)により制御される。
第1の光路長が算出されると、第1の算出部20は、比較的長いパルス幅で第1の光が出射されるようにまたは連続して第1の光が出射されるように第1の光出射部231を制御する。それにより、導光部240において安定した干渉光を得ることが可能となり、第2の算出部12(図12)において測定光の光路長が第2の光路長として高精度に算出される。
本実施の形態に係る光走査高さ測定装置400においても、指定測定処理および実測定処理中に、概略的な第1の光路長に基づいて干渉可能範囲R2が決定されることにより、可動部252a,252bの移動距離および移動時間が短縮されるので、測定に要する時間が短縮される。したがって、測定対象物Sの所望の部分の高さを短時間でかつ高精度で測定することが可能となる。
また、本実施の形態では、測定光が第1の光路長を求めるための光および第2の光路長を求めるための光として兼用される。したがって、第1の光路長を求めるための光および第2の光路長を求めるための光を個別に発生させるための複数の光出射部を設ける必要がない。その結果、光走査高さ測定装置400の部品点数が低減され、光走査高さ測定装置400の小型化が実現される。
[3]他の実施の形態
(a)第1および第2の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400においては、制御基板210は、指定測定処理または実測定処理中に第1の光路長が算出された場合に、以下に示すヘッド部高さ調整処理を行ってもよい。
図37は、ヘッド部高さ調整処理の一例を示すフローチャートである。本例では、図5の参照部250により調整可能な参照光の光路長が第1の値から第1の値よりも大きい第2の値までの範囲に設定されているものとする。また、初期状態では、現時点における第1の光路長が算出されているものとする。
図37に示すように、制御基板210は、まず現時点で算出されている第1の光路長が第1の値よりも小さいか否かを判定する(ステップS501)。
制御基板210は、第1の光路長が第1の値以上である場合に、後述するステップS504の処理に進む。第1の光路長が第1の値よりも小さい場合には、測定光の光路長を大きくする必要がある。そこで、制御基板210は、第1の光路長が第1の値よりも小さい場合に、測定ヘッド200が予め定められた一定距離上昇するように図3の駆動回路132を制御するとともに第1の光路長を再度算出する(ステップS502)。
次に、制御基板210は、第1の光路長が第1の値よりも小さいか否かを再度判定する(ステップS503)。そこで、制御基板210は、第1の光路長が第1の値よりも小さい場合に、ステップS502の処理に戻る。一方、制御基板210は、第1の光路長が第1の値以上である場合に、現時点で算出されている第1の光路長が第2の値よりも大きいか否かを判定する(ステップS504)。
制御基板210は、第1の光路長が第2の値以下である場合に、ヘッド部高さ調整処理を終了する。第1の光路長が第2の値よりも大きい場合には、測定光の光路長を小さくする必要がある。そこで、制御基板210は、第1の光路長が第2の値よりも大きい場合に、測定ヘッド200が予め定められた一定距離下降するように図3の駆動回路132を制御するとともに第1の光路長を再度算出する(ステップS505)。
次に、制御基板210は、第1の光路長が第2の値よりも大きいか否かを再度判定する(ステップS506)。そこで、制御基板210は、第1の光路長が第1の値よりも大きい場合に、ステップS505の処理に戻る。一方、制御基板210は、第1の光路長が第2の値以下である場合に、ヘッド部高さ調整処理を終了する。
上記のヘッド部高さ調整処理によれば、使用者は、煩雑な操作を行うことなく、光学定盤111の載置面に直交する方向における広い範囲に渡って測定対象物Sの表面の高さを測定することができる。
(b)第1の実施の形態においては、第1の光路長が指定測定処理および実測定処理における三次元座標(Xc,Yc,Zc)の特定前に算出され、干渉可能範囲R2が決定されるが、本発明はこれに限定されない。制御基板210は、走査部270から測定対象物Sに測定光が照射される場合に、所定周期で第1の光路長を算出し、算出された第1の光路長に基づいて干渉可能範囲R2を決定してもよい。さらに、制御基板210は、干渉可能範囲R2が決定されるごとに図6(b)の可動部252a,252bの移動を制御してもよい。
(c)第1の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400においては、第2の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400と同様に、第1の受光部234が第2の光ではなく測定光を受光することにより、第1の光が出射される時点から測定光が受光される時点までの時間に基づいて測定光の概略の光路長が第1の光路長として測定されてもよい。この場合、第2の光は、測定光が照射される測定対象物Sの表面上の位置を示すためにのみ用いられることになる。
(d)上記実施の形態において、測定対象物Sの高さが分光干渉方式により算出されるが、本発明はこれに限定されない。測定対象物Sの高さは、白色干渉方式により算出されてもよい。測定対象物Sの高さが白色干渉方式により算出される場合には、参照光の光路長を変化させるための可動部材を往復移動させる必要がある。このような場合でも、測定光の概略の光路長が第1の光路長として算出されることにより、参照光の光路長を調整するための可動部材の往復移動の範囲を干渉可能範囲R2として可動部材の移動可能範囲よりも小さく決定することができる。なお、この場合、測定点が受け付けられるごとに決定された干渉可能範囲R2内で可動部材が往復移動することにより、可動部材の往復移動の中心がシフトすることになる。
(e)上記実施の形態において、光走査高さ測定装置400の動作モードは複数の動作モードを含み、光走査高さ測定装置400は使用者により選択された動作モードで動作するが、本発明はこれに限定されない。光走査高さ測定装置400の動作モードは複数の動作モードを含まずに単一の動作モードのみを含み、光走査高さ測定装置400は当該動作モードで動作してもよい。例えば、光走査高さ測定装置400の動作モードは設定モードおよび測定モードを含まず、光走査高さ測定装置400はハイトゲージモードと同様の動作モードで動作してもよい。
[4]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、位置情報取得部2が受付部の例であり、第1の光出射部231が第1の光出射部および光出射部の例であり、導光部240のファイバカプラ245が分岐部の例であり、第2の光出射部233が第2の光出射部の例であり、導光部240の光結合部材247が光結合部の例であり、走査部270の偏向部271,272が偏向部の例である。
また、駆動制御部3が駆動制御部の例であり、第1の受光部234が第1の受光部の例であり、第1の算出部20が第1の算出部の例であり、反射部材254cが参照体の例であり、可動部252a,252bのうち一方が可動部の例であり、可動部252a,252bのうち他方が平衡部の例であり、2本のリニアガイド251gがそれぞれ第1の移動軸および第2の移動軸の例である。
また、干渉可能範囲R2が干渉可能範囲の例であり、範囲決定部21が決定部の例であり、干渉駆動部22が干渉駆動部の例であり、参照位置取得部10が可動部位置検出部の例であり、第2の受光部232dが第2の受光部の例であり、第2の算出部12が第2の算出部の例であり、高さ算出部15が高さ算出部の例である。
また、光学定盤111が載置台の例であり、保持部120が保持部の例であり、制御基板210、駆動制御部3、駆動部131および駆動回路132が保持駆動部の例であり、分光部232bが分光部の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、種々の光走査高さ測定装置に有効に利用することができる。
1…基準画像取得部,2…位置情報取得部,3…駆動制御部,4…基準面取得部,5…許容値取得部,6…登録部,7…偏向方向取得部,8…検出部,9…画像解析部,10…参照位置取得部,11…受光信号取得部,12…第2の算出部,13…座標算出部,14…判定部,15…高さ算出部,16…測定画像取得部,17…補正部,18…検査部,19…報告書作成部,20…第1の算出部,21…範囲決定部,22…干渉駆動部,100…スタンド部,110…設置部,111…光学定盤,120…保持部,130…昇降部,131,255a,255b,264,271a,272a…駆動部,132,256a,256b,265,273,274…駆動回路,133,257a,257b,266,275,276…読取部,200…測定ヘッド,210…制御基板,220…撮像部,230…光学部,231…第1の光出射部,232…測定部,232d…第2の受光部,232a,232c,246…レンズ,232b…分光部,233…第2の光出射部,234…第1の受光部,240…導光部,241,242,243,244…光ファイバ,245…ファイバカプラ,245a,245b,245c,245d…ポート,245e…本体部,247…光結合部材,248…光導出部材,250…参照部,251…支持部,251g…リニアガイド,252a,252b,262…可動部,253,254a,254b,254c…反射部材,260…合焦部,261…固定部,263…可動レンズ,270…走査部,271,272…偏向部,271b,272b…反射部,300…処理装置,310…制御部,320…記憶部,330…操作部,340…表示部,341…選択画面,341a…設定ボタン,341b,362b…測定ボタン,341c…ハイトゲージボタン,350…設定画面,351,361…画像表示領域,352,362…ボタン表示領域,352a…サーチ領域ボタン,352b…パターン画像ボタン,352c…設定完了ボタン,352d…点指定ボタン,352e…基準面設定ボタン,352g…許容値ボタン,352h…基準点設定ボタン,352i…測定点設定ボタン,360…測定画面,362a…ファイル読込ボタン,400…光走査高さ測定装置,410…制御系,420…報告書,421…名称表示欄,422…画像表示欄,423…状況表示欄,424…結果表示欄,425…保証表示欄,P0…点,P1,P3…仮想点,P2…照射位置,PI…パターン画像,R1…移動可能範囲,R2…干渉可能範囲,RF…基準面,S…測定対象物,V…測定領域

Claims (8)

  1. 測定点の指定を受け付ける受付部と、
    時間的に低コヒーレンスな第1の光を出射する第1の光出射部と、
    前記第1の光出射部から出射された第1の光を分岐するとともに分岐された第1の光の一部を測定光として出力し、分岐された第1の光の他の部分を参照光として出力する分岐部と、
    前記第1の光とは異なる第2の光を出射する第2の光出射部と、
    前記分岐部から出力される測定光に前記第2の光出射部から出射される第2の光を結合する光結合部と、
    前記光結合部により結合された測定光および第2の光を偏向して測定対象物に照射する偏向部と、
    前記受付部により受け付けられた測定点に対応する測定対象物の部分に測定光および第2の光が照射されるように前記偏向部を制御する駆動制御部と、
    前記偏向部により測定対象物に照射されて測定対象物により反射された第2の光を受光する第1の受光部と、
    第2の光が前記第2の光出射部から出射された時点から当該第2の光が測定対象物により反射されて前記第1の受光部により受光される時点までの時間に基づいて、前記分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長を第1の光路長として算出する第1の算出部と、
    前記分岐部から出力される参照光が前記分岐部に帰還するように参照光を反射する参照体と、
    第1の移動軸に沿って移動することにより、測定対象物により反射されて前記分岐部に帰還する測定光と前記参照体により反射されて前記分岐部に帰還する参照光とが干渉するように、前記分岐部から前記参照体に至る参照光の光路長を変化させる可動部と、
    前記可動部を前記第1の移動軸上で移動可能に支持する支持部と、
    前記第1の算出部により算出された第1の光路長に基づいて測定光と参照光との干渉を可能とする前記可動部の移動範囲を干渉可能範囲として決定する決定部と、
    前記干渉可能範囲内で前記可動部を前記支持部に対して移動させる干渉駆動部と、
    前記支持部に対する前記可動部の相対位置を検出する可動部位置検出部と、
    測定光と参照光との干渉により生成された干渉光を受光し、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号を生成する第2の受光部と、
    前記可動部位置検出部により検出される相対位置と前記第2の受光部により生成される受光信号における干渉光の受光量とに基づいて前記分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長を第2の光路長として算出する第2の算出部と、
    前記偏向部の偏向方向または前記偏向部により偏向された測定光の照射位置と前記第2の算出部により算出された第2の光路長とに基づいて、前記指定された測定点に対応する測定対象物の部分の高さを算出する高さ算出部とを備える、光走査高さ測定装置。
  2. 前記第1の光出射部により出射される第1の光は、第1の波長を有し、
    前記第2の光出射部により出射される第2の光は、第2の波長を有し、
    前記第1の波長および第2の波長は互いに異なり、
    前記第2の波長は、可視光領域の波長である、請求項1記載の光走査高さ測定装置。
  3. 測定点の指定を受け付ける受付部と、
    時間的に低コヒーレンスな光を出射する光出射部と、
    前記光出射部から出射された光を分岐するとともに分岐された光の一部を測定光として出力し、分岐された光の他の部分を参照光として出力する分岐部と、
    前記分岐部から出力される測定光を偏向して測定対象物に照射する偏向部と、
    前記受付部により受け付けられた測定点に対応する測定対象物の部分に測定光が照射されるように前記偏向部を制御する駆動制御部と、
    前記偏向部により測定対象物に照射されて測定対象物により反射された測定光を受光する第1の受光部と、
    前記光出射部から光が出射された時点から当該光が分岐部により分岐されて生成される測定光が測定対象物により反射されて前記第1の受光部により受光される時点までの時間に基づいて、前記分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長を第1の光路長として算出する第1の算出部と、
    前記分岐部から出力される参照光が前記分岐部に帰還するように参照光を反射する参照体と、
    第1の移動軸に沿って移動することにより、測定対象物により反射されて前記分岐部に帰還する測定光と前記参照体により反射されて前記分岐部に帰還する参照光とが干渉するように、前記分岐部から前記参照体に至る参照光の光路長を変化させる可動部と、
    前記可動部を前記第1の移動軸上で移動可能に支持する支持部と、
    前記第1の算出部により算出された第1の光路長に基づいて測定光と参照光との干渉を可能とする前記可動部の移動範囲を干渉可能範囲として決定する決定部と、
    前記干渉可能範囲内で前記可動部を前記支持部に対して移動させる干渉駆動部と、
    前記支持部に対する前記可動部の相対位置を検出する可動部位置検出部と、
    測定光と参照光との干渉により生成された干渉光を受光し、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号を生成する第2の受光部と、
    前記可動部位置検出部により検出される相対位置と前記第2の受光部により生成される受光信号における干渉光の受光量とに基づいて前記分岐部から測定対象物に至るまでの測定光の光路長を第2の光路長として算出する第2の算出部と、
    前記偏向部の偏向方向または前記偏向部により偏向された測定光の照射位置と前記第2の算出部により算出された第2の光路長とに基づいて、前記指定された測定点に対応する測定対象物の部分の高さを算出する高さ算出部とを備える、光走査高さ測定装置。
  4. 測定対象物が載置される載置台と、
    測定光が上方から前記載置台の載置面上の測定対象物に照射されるように前記偏向部と前記載置台とを一体的に保持する保持部とをさらに備え、
    前記保持部は、前記偏向部を前記載置台の載置面に直交する方向に移動可能に構成された、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。
  5. 前記分岐部から前記参照体に至る参照光の光路長は、前記可動部が移動することにより第1の値以上第2の値以下の間で調整することが可能であり、
    前記保持部は、前記第1の光路長が前記第1の値以上第2の値以下となるように前記偏向部を前記載置台に対して移動させる保持駆動部を含む、請求項4記載の光走査高さ測定装置。
  6. 前記生成された干渉光を分光する分光部をさらに備え、
    前記第2の受光部は、前記分光部により分光された干渉光を受光し、干渉光の波長ごとの受光量を示す受光信号を生成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。
  7. 前記支持部に対して前記第1の移動軸に略平行に延びる第2の移動軸上で移動可能に支持された平衡部をさらに備え、
    前記干渉駆動部は、前記可動部の移動時に、前記可動部と前記平衡部とを互いに逆方向に前記支持部に対して移動させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。
  8. 前記受付部は、測定点の指定を測定対象物の画像上で受け付ける、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。
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