JP2019074473A - 光走査高さ測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象物の所望の部分の形状を効率よく測定することが可能な光走査高さ測定装置を提供する。【解決手段】基準画像と測定画像との比較および指定点の位置情報に基づいて、指定点が非追従型である場合、基準画像上の指定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標点が設定され、指定点が追従型である場合、測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が基準対象画像と指定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標点が設定される。光出射部231から出射された光が走査部270により偏向され、目標点に対応する測定対象物Sの部分に光が照射される。走査部270の偏向方向または偏向部により偏向された光の照射位置が検出される。測定対象物Sからの光が測定部232により受光され、受光量を示す受光信号が出力される。検出部の検出結果と受光信号とに基づいて、目標点に対応する測定対象物Sの部分の高さが算出される。【選択図】図3
Description
本発明は、測定対象物の表面形状を測定する光走査高さ測定装置に関する。
測定対象物の表面形状を測定するために、光走査高さ測定装置が用いられる。例えば、特許文献1に記載された寸法測定装置においては、白色光源から放射された光が、光カプラにより測定光束と参照光束とに分割される。測定光束は、測定物走査光学系により走査され、被測定物の表面上の任意の測定点に照射される。参照光束は、参照光走査光学系に照射される。被測定物により反射された測定光束と参照光束との干渉に基づいて、被測定物の測定点の表面高さが求められる。
特許文献1の寸法測定装置を用いることにより、測定対象物の所望の部分の形状を測定することができる。この場合、当該部分に測定光束を照射するために、寸法測定装置に対する測定対象物の位置および姿勢を正確に決定した上で、当該部分の位置座標を予め用意しておく必要がある。しかしながら、位置および姿勢を正確に維持しつつ測定対象物を載置する作業は面倒である。そのため、測定対象物の所望の部分を容易に指定することができず、当該部分を効率よく測定することができない。
本発明の目的は、測定対象物の所望の部分の形状を効率よく測定することが可能な光走査高さ測定装置を提供することである。
(1)本発明に係る光走査高さ測定装置は、測定対象物に対応する基準対象画像を含む基準画像、基準画像上に指定された指定点の位置を示す位置情報、および指定点が非追従型であるか追従型であるかを示す型情報を受け付ける情報受付部と、測定対象物の画像を測定対象画像として含む測定画像を取得する測定画像取得部と、情報受付部により受け付けられた型情報に基づいて指定点が非追従型であるか追従型であるかを判定する型判定部と、情報受付部により受け付けられた基準画像と測定画像取得部により取得された測定画像との比較および情報受付部により受け付けられた位置情報に基づいて、基準画像上の指定点に対応する目標点を測定画像上に設定する目標点設定部と、光を出射する光出射部と、光出射部から出射された光を偏向して測定対象物に照射する偏向部と、偏向部の偏向方向または偏向部により偏向された光の照射位置を検出する検出部と、測定対象物からの光を受光し、受光量を示す受光信号を出力する受光部と、目標点に対応する測定対象物の部分に光が照射されるように偏向部を制御する駆動制御部と、検出部の検出結果と受光部により出力される受光信号とに基づいて、目標点に対応する測定対象物の部分の高さを算出する高さ算出部とを備え、目標点設定部は、型判定部により指定点が非追従型であると判定された場合に、基準画像上の指定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標点を設定し、指定点が追従型であると判定された場合に、測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が基準対象画像と指定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標点を設定する。
この光走査高さ測定装置においては、測定対象物に対応する基準対象画像を含む基準画像、基準画像上に指定された指定点の位置を示す位置情報、および指定点が非追従型であるか追従型であるかを示す型情報が情報受付部により受け付けられる。情報受付部により受け付けられた型情報に基づいて指定点が非追従型であるか追従型であるかが型判定部により判定される。測定対象物の画像を測定対象画像として含む測定画像が測定画像取得部により取得される。
情報受付部により受け付けられた基準画像と測定画像取得部により取得された測定画像との比較および情報受付部により受け付けられた位置情報に基づいて、基準画像上の指定点に対応する目標点が目標点設定部により測定画像上に設定される。ここで、型判定部により指定点が非追従型であると判定された場合に、基準画像上の指定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標点が設定される。指定点が追従型であると判定された場合に、測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が基準対象画像と指定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標点が設定される。
光出射部から出射された光が偏向部により偏向され、測定対象物に照射される。目標点設定部により設定された目標点に対応する測定対象物の部分に光が照射されるように偏向部が駆動制御部により制御される。偏向部の偏向方向または偏向部により偏向された光の照射位置が検出部により検出される。測定対象物からの光が受光部により受光され、受光量を示す受光信号が出力される。検出部の検出結果と受光部により出力される受光信号とに基づいて、目標点に対応する測定対象物の部分の高さが高さ算出部により算出される。
この構成によれば、基準画像上で指定された指定点に対応して測定画像上に目標点が設定され、設定された目標点に対応する測定対象物の部分の高さが自動的に算出される。ここで、指定点が追従型である場合には、基準対象画像に対する測定対象画像の移動に追従して測定画像上に目標点が設定される。そのため、使用者は、指定点を追従型に指定することにより、光走査高さ測定装置に対する位置および姿勢を正確に調整した状態で測定対象物を載置することなく所望の部分の高さを取得することができる。この場合、目標点の位置座標を予め用意する必要もない。
一方で、指定点が非追従型である場合には、基準対象画像に対する測定対象画像の移動に追従せずに測定画像上に目標点が設定される。そのため、測定対象物の位置とは無関係に常に同一の部分を測定したい場合には、使用者は、指定点を非追従型に指定することにより、所望の部分の高さを容易に取得することができる。これらの結果、測定対象物の所望の部分の形状を正確かつ容易に測定することが可能になる。
(2)指定点は、1以上の指定測定点および1以上の指定基準点を含み、型情報は、各指定測定点および各指定基準点が非追従型であるか追従型であるかを示し、型判定部は、型情報に基づいて各指定測定点および各指定基準点が非追従型であるか追従型であるかを判定し、目標点設定部は、各指定測定点が非追従型であると判定された場合に、基準画像上の当該指定測定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標測定点を設定し、各指定測定点が追従型であると判定された場合に、測定対象画像と目標測定点との相対的な位置関係が基準対象画像と当該指定測定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標測定点を設定し、各指定基準点が非追従型であると判定された場合に、基準画像上の当該指定基準点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標基準点を設定し、各指定基準点が追従型であると判定された場合に、測定対象画像と目標基準点との相対的な位置関係が基準対象画像と当該指定基準点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標基準点を設定し、駆動制御部は、目標点設定部により設定された1以上の目標測定点および1以上の目標基準点にそれぞれ対応する測定対象物の部分に光が順次照射されるように偏向部を制御し、光走査高さ測定装置は、検出部の検出結果と受光部により出力される受光信号とに基づいて、1以上の目標測定点および1以上の目標基準点にそれぞれ対応する座標を算出する座標算出部と、座標算出部により算出された1以上の目標基準点に対応する座標に基づいて基準面を取得する基準面取得部とをさらに備え、高さ算出部は、座標算出部により算出された1以上の目標測定点に対応する座標に基づいて、基準面取得部により取得された基準面を基準とする測定対象物の1以上の部分の高さを算出してもよい。
この場合、高さの算出対象である1以上の目標測定点に対応する1以上の指定測定点および基準面を構成する1以上の目標基準点に対応する1以上の指定基準点の各々について、非追従型であるか追従型であるかが示される。これにより、基準面に対する測定対象物の部分の相対的な高さを正確かつ容易に測定することができる。
(3)位置情報は、複数の指定点の位置を示し、光走査高さ測定装置は、基準画像上の複数の指定点のうち非追従型の指定点の1つに対応する目標点を目標補正点として設定する補正点設定部をさらに備え、駆動制御部は、予め定められた割り込み条件が満たされるごとに補正点設定部により設定された目標補正点に対応する測定対象物の部分に光が照射されるように偏向部を制御し、高さ算出部は、割り込み条件が満たされるごとに目標補正点に対応する高さを算出し、割り込み条件が満たされる前後における目標補正点に対応する高さの変化に基づいて他の目標測定点に対応する測定対象物の部分の高さを補正してもよい。
この場合、予め定められた割り込み条件が満たされるごとに、目標補正点に対応する高さが算出される。ここで、周辺温度の影響等によって光走査高さ測定装置を構成する各部材の寸法または部材間の距離が変化すると、各目標点に対応して算出された高さに誤差が生じ得る。このような各部材の寸法または部材間の距離の変化は、目標補正点に対応する高さの変化として現れる。そこで、目標補正点に対応する高さの変化に基づいて各目標点に対応する高さが補正される。これにより、各部材の寸法または部材間の距離の変化に起因する高さの誤差を低減することができる。その結果、高い精度で測定対象物の所望の部分の高さを測定することができる。
(4)割り込み条件は、時間、光の照射回数、および光の照射位置の移動距離のうち少なくとも1つに関する条件を含んでもよい。この場合、適切なタイミングで目標補正点に対応する高さを算出することができる。
(5)基準画像は、複数の基準対象画像を含み、位置情報は、複数の追従型の指定点の位置を示し、型情報は、追従型の各指定点と複数の基準対象画像のうちいずれかの基準対象画像との対応関係をさらに示し、測定画像は、複数の基準対象画像にそれぞれ対応する複数の測定対象画像を含み、目標点設定部は、追従型の各指定点に対応付けられた基準対象画像に対応する測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が、当該指定点と当該指定点に対応付けられた基準対象画像との相対的な位置関係に一致するように測定画像上に目標点を設定してもよい。
この構成によれば、測定対象物が複数の部材により形成され、部材間の位置関係が変化する場合でも、追従型の指定点を所望の部材に対応する基準対象画像に対応付けることができる。そのため、複数の基準対象画像のうち所望の基準対象画像に対する測定対象画像の移動に追従して測定画像上に目標点が設定される。これにより、測定対象物が複数の部材により形成される場合でも、測定対象物の所望の部分の形状を正確かつ容易に測定することができる。
(6)測定画像は、共通の基準対象画像に類似する複数の測定対象画像を含み、目標点設定部は、各測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が、基準対象画像と追従型の指定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標点を設定してもよい。
この場合、共通の基準対象画像を用いて単一の測定画像に含まれる複数の測定対象画像の各々について目標点が設定される。これにより、複数の測定対象物における所望の共通の部分の形状を正確、容易にかつ短時間で測定することができる。
(7)光走査高さ測定装置は、予め定められた固有の座標系を有し、目標点設定部は、固有の座標系における座標に基づいて基準画像上の非追従型の指定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標点を設定し、高さ算出部は、固有の座標系における原点を基準として目標点に対応する測定対象物の部分の高さを算出してもよい。
この場合、非追従型の指定点に対応する目標点を容易に設定することができる。また、固有の座標系における測定対象物の絶対的な高さを正確かつ容易に測定することができる。
(8)目標点設定部は、測定画像を基準画像に対して相対的に並進移動または回転移動させることにより測定画像における測定対象画像を特定し、特定された測定対象画像に基づいて追従型の指定点に対応する目標点を設定してもよい。この構成によれば、基準対象画像に対して測定対象画像が変位または回転している場合でも、追従型の指定点に対応する目標点を容易に設定することができる。
(9)目標点設定部は、基準画像に含まれる被写体のエッジ部分の形状と測定画像に含まれる被写体のエッジ部分の形状との比較に基づいて測定画像における測定対象画像を特定し、特定された測定対象画像に基づいて追従型の指定点に対応する目標点を設定してもよい。この場合、追従型の指定点に対応する目標点を高い精度で設定することができる。
(10)高さ算出部は、目標点に対応する測定対象物の部分の高さを算出できないときにはエラーメッセージを出力してもよい。この構成によれば、目標点が測定対象画像に追従することにより目標点が光走査高さ測定装置の測定領域に移動した場合でも、使用者は、エラーメッセージによりその旨を認識することができる。これにより、使用者は、測定対象物の位置または姿勢の変更等の処置を行うことができる。
(11)高さ算出部は、目標点に対応する算出された測定対象物の部分の高さが予め定められた値から一定値以上乖離するときには警告メッセージを出力してもよい。この構成によれば、測定対象画像が非追従型の指定点に対応する目標点に重なるように載置されることにより、当該目標点について誤った高さが算出された場合でも、使用者は、警告メッセージによりその旨を認識することができる。これにより、使用者は、測定対象物の位置または姿勢の変更等の処置を行うことができる。
(12)光走査高さ測定装置は、測定対象物および当該測定対象物に照射される光を撮像する撮像部と、撮像部による撮像画像における光の照射位置を特定する第1の位置特定部と、第1の位置特定部により特定された光の照射位置が目標点から予め定められた範囲内にあるか否かを判定する第1の位置判定部とをさらに備え、測定画像取得部は、撮像部により生成される画像を測定画像として取得し、駆動制御部は、第1の位置判定部による判定結果に基づいて偏向部を制御してもよい。この場合、測定画像を容易に取得することができる。また、第1の位置判定部による判定結果に基づいて、指定点に対応する測定対象物の部分に光を容易に照射することができる。
(13)光走査高さ測定装置は、検出部の検出結果と受光部により出力される受光信号とに基づいて光が照射される測定対象物上の平面位置を特定する第2の位置特定部と、第2の位置特定部により特定された測定対象物上の平面位置が目標点に対応する位置から予め定められた範囲内にあるか否かを判定する第2の位置判定部とをさらに備え、駆動制御部は、第2の位置判定部による判定結果に基づいて偏向部を制御してもよい。この場合、第2の位置判定部による判定結果に基づいて、指定点に対応する測定対象物の部分に光を容易に照射することができる。
(14)光走査高さ測定装置は、設定モードと測定モードとで選択的に動作するように構成され、設定モードにおいて、基準対象画像を含む基準画像を取得する基準画像取得部と、設定モードにおいて、基準画像取得部により取得された基準画像上の指定点の指定を受け付けることにより位置情報を生成する位置情報取得部と、設定モードにおいて、位置情報取得部により受け付けられた指定点が非追従型であるか追従型であるかの指定を受け付けることにより型情報を生成する型指定部と、設定モードにおいて、基準画像取得部により取得された基準画像を示す基準画像データ、位置情報取得部により生成された位置情報および型指定部により生成された型情報を対応付けることにより登録情報を生成し、生成された登録情報を情報受付部に与える登録情報生成部とをさらに備え、情報受付部、測定画像取得部、型判定部、目標点設定部、検出部、駆動制御部および高さ算出部は、測定モードにおいて動作してもよい。
この場合、光走査高さ測定装置は、設定モードと測定モードとで選択的に動作する。設定モードにおいて、基準画像上で指定点が指定されるとともに、指定点が非追従型であるか追従型であるかが指定されることにより、登録情報が生成される。測定モードにおいて、基準画像上で指定された指定点に対応して測定画像上に目標点が設定され、設定された目標点に対応する測定対象物の部分の高さが自動的に算出される。そのため、熟練した使用者が設定モードにおいて登録情報を生成することにより、測定モードにおいて、使用者が熟練していない場合でも、所望の部分の高さの算出結果を画一的に取得することができる。これにより、測定対象物の所望の部分の形状を効率よく測定することが可能になる。
(15)光走査高さ測定装置は、第1の移動軸に沿って移動可能に配置された参照体と、光出射部により出射された光を測定光として偏向部に導くとともに光出射部により出射された光を参照光として参照体に導き、偏向部で反射された測定対象物からの測定光と参照体で反射された参照光との干渉光を生成し、生成された干渉光を受光部に導く導光部と、参照体の位置を取得する参照位置取得部と、導光部により生成された干渉光を分光する分光部とをさらに備え、光出射部は、時間的に低コヒーレントな光を出射し、偏向部は、導光部により導かれた測定光を偏向して測定対象物に照射するとともに、測定対象物からの測定光を導光部に反射し、受光部は、分光部により分光された干渉光を受光し、干渉光の受光量を示す受光信号を出力し、高さ算出部は、参照位置取得部により取得される参照体の位置と、受光部から出力される受光信号における干渉光の受光量とに基づいて測定対象物の部分の高さを算出してもよい。この場合、参照光を反射した参照体の位置と分光された干渉光の受光量とに基づいて、測定対象物の部分の高さを高精度で算出することができる。
本発明によれば、測定対象物の所望の部分の形状を効率よく測定することができる。
(1)光走査高さ測定装置の全体構成
以下、本発明の実施の形態に係る光走査高さ測定装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る光走査高さ測定装置の全体構成を示すブロック図である。図2は、図1のスタンド部100を示す外観斜視図である。図1に示すように、光走査高さ測定装置400は、スタンド部100、測定ヘッド200および処理装置300を備える。
以下、本発明の実施の形態に係る光走査高さ測定装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る光走査高さ測定装置の全体構成を示すブロック図である。図2は、図1のスタンド部100を示す外観斜視図である。図1に示すように、光走査高さ測定装置400は、スタンド部100、測定ヘッド200および処理装置300を備える。
スタンド部100は、縦断面がL字形状を有し、設置部110、保持部120および昇降部130を含む。設置部110は、水平な平板形状を有し、設置面に設置される。図2に示すように、設置部110の上面には、測定対象物Sが載置される正方形状の光学定盤111が設けられる。光学定盤111の上方には、測定ヘッド200により測定対象物Sを測定可能な測定領域Vが定義される。図2においては、測定領域Vが点線で図示される。
光学定盤111には、互いに直交する2方向に等間隔で並ぶように複数のねじ孔が形成される。これにより、クランプ部材およびねじ部材を用いて測定対象物Sの表面が測定領域V内に位置する状態で測定対象物Sを光学定盤111に固定することができる。
保持部120は、設置部110の一端部から上方に延びるように設けられる。保持部120の上端部には、光学定盤111の上面に対向するように測定ヘッド200が取り付けられる。この場合、測定ヘッド200と設置部110とが保持部120により保持されるので、光走査高さ測定装置400の取り扱いが容易になる。また、測定対象物Sを設置部110上の光学定盤111に載置することにより、測定対象物Sを測定領域V内に容易に位置させることができる。
図1に示すように、昇降部130は、保持部120の内部に設けられる。昇降部130は、光学定盤111上の測定対象物Sに対して測定ヘッド200を上下方向(測定対象物Sの高さ方向)に移動させることができる。測定ヘッド200は、制御基板210、撮像部220、光学部230、導光部240、参照部250、合焦部260および走査部270を含む。制御基板210は、例えばCPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)およびRAM(ランダムアクセスメモリ)を含む。制御基板210は、マイクロコンピュータにより構成されてもよい。
制御基板210は、処理装置300に接続され、処理装置300による指令に基づいて、昇降部130、撮像部220、光学部230、参照部250、合焦部260および走査部270の動作を制御する。また、制御基板210は、撮像部220、光学部230、参照部250、合焦部260および走査部270から取得する種々の情報を処理装置300に与える。撮像部220は、光学定盤111に載置された測定対象物Sを撮像することにより測定対象物Sの画像データを生成し、生成された画像データを制御基板210に与える。
光学部230は、時間的に低いコヒーレンス性を有する出射光を導光部240に出射する。導光部240は、光学部230からの出射光を参照光と測定光とに分割し、参照光を参照部250に導くとともに、測定光を合焦部260に導く。参照部250は、参照光を導光部240に反射する。合焦部260は、自己を通過する測定光に焦点を付与する。走査部270は、合焦部260により焦点が付与された測定光を走査することにより、測定対象物Sの所望の部分に測定光を照射する。
測定対象物Sに照射された測定光の一部は、測定対象物Sにより反射され、走査部270および合焦部260を通して導光部240に導かれる。導光部240は、参照部250により反射された参照光と測定対象物Sにより反射された測定光との干渉光を生成し、光学部230に導く。光学部230は、干渉光の波長ごとの受光量を検出し、検出結果を示す信号を制御基板210に与える。測定ヘッド200の詳細は後述する。
処理装置300は、制御部310、タイマ315、記憶部320、操作部330および表示部340を含む。制御部310は、例えばCPUを含む。タイマ315は、現在時刻等の時間情報を制御部310に与える。記憶部320は、例えばROM、RAMおよびHDD(ハードディスクドライブ)を含む。記憶部320には、システムプログラムが記憶される。また、記憶部320は、種々のデータの記憶およびデータの処理のために用いられる。
制御部310は、記憶部320に記憶されたシステムプログラムに基づいて、測定ヘッド200の撮像部220、光学部230、参照部250、合焦部260および走査部270の動作を制御するための指令を制御基板210に与える。また、制御部310は、測定ヘッド200の制御基板210から種々の情報を取得して記憶部320に記憶させる。
操作部330は、マウス、タッチパネル、トラックボールまたはジョイスティック等のポインティングデバイスおよびキーボードを含み、制御部310に指示を与えるために使用者により操作される。表示部340は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)パネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルを含む。表示部340は、記憶部320に記憶された画像データに基づく画像および計測結果等を表示する。
(2)昇降部および導光部
図3は、スタンド部100および測定ヘッド200の構成を示すブロック図である。図3では、昇降部130、光学部230および導光部240の詳細な構成が示される。図3に示すように、昇降部130は、駆動部131、駆動回路132および読取部133を含む。
図3は、スタンド部100および測定ヘッド200の構成を示すブロック図である。図3では、昇降部130、光学部230および導光部240の詳細な構成が示される。図3に示すように、昇降部130は、駆動部131、駆動回路132および読取部133を含む。
駆動部131は、例えばモータであり、図3に太い矢印で示すように、光学定盤111上の測定対象物Sに対して測定ヘッド200を上下方向に移動させる。これにより、測定光の光路長を広い範囲にわたって調整することができる。ここで、測定光の光路長は、測定光が後述する導光部240のポート245dから出力された後、測定対象物Sにより反射された測定光がポート245dに入力されるまでの光学的な光路の長さである。
駆動回路132は、制御基板210に接続され、制御基板210による制御に基づいて駆動部131を駆動させる。読取部133は、例えば光学式のリニアエンコーダであり、駆動部131の駆動量を読み取ることにより測定ヘッド200の上下方向における位置を検出する。また、読取部133は、検出結果を制御基板210に与える。
光学部230は、光出射部231および測定部232を含む。光出射部231は、光源として例えばSLD(スーパールミネッセントダイオード)を含み、比較的低いコヒーレンス性を有する出射光を出射する。具体的には、出射光のコヒーレンス性は、LED(発光ダイオード)により出射される光または白色光のコヒーレンス性よりも高く、レーザ光のコヒーレンス性よりも低い。したがって、出射光は、LEDにより出射される光または白色光の波長帯域幅よりも狭く、レーザ光の波長帯域幅よりも広い波長帯域幅を有する。光学部230からの出射光は、導光部240に入力される。
導光部240から干渉光が測定部232に出力される。図4は、測定部232の構成を示す模式図である。図4に示すように、測定部232は、レンズ232a,232c、分光部232bおよび受光部232dを含む。後述する導光部240の光ファイバ242から出力された干渉光は、レンズ232aを通過することにより略平行化され、分光部232bに入射される。分光部232bは、例えば反射型の回折格子である。分光部232bに入射された光は、波長ごとに異なる角度で反射するように分光され、レンズ232cを通過することにより波長ごとに異なる一次元上の位置に合焦される。
受光部232dは、例えば複数の画素が一次元状に配列された撮像素子(一次元ラインセンサ)を含む。撮像素子は、多分割PD(フォトダイオード)、CCD(電荷結合素子)カメラまたはCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサであってもよいし、他の素子であってもよい。受光部232dは、レンズ232cにより形成された波長ごとに異なる複数の合焦位置で撮像素子の複数の画素がそれぞれ光を受光するように配置される。
受光部232dの各画素からは、受光量に対応するアナログの電気信号(以下、受光信号と呼ぶ。)が出力され、図3の制御基板210に与えられる。これにより、制御基板210は、受光部232dの各画素(干渉光の波長)と受光量との関係を示すデータを取得する。制御基板210は、当該データに所定の演算および処理を行うことにより、測定対象物Sの部分の高さを算出する。
図3に示すように、導光部240は、4本の光ファイバ241,242,243,244、ファイバカプラ245およびレンズ246を含む。ファイバカプラ245は、いわゆる2×2型の構成を有し、4個のポート245a,245b,245c,245dおよび本体部245eを含む。ポート245a,245bとポート245c,245dとは、本体部245eを挟んで対向するように本体部245eに設けられる。
光ファイバ241は、光出射部231とポート245aとの間に接続される。光ファイバ242は、測定部232とポート245bとの間に接続される。光ファイバ243は、参照部250とポート245cとの間に接続される。光ファイバ244は、合焦部260とポート245dとの間に接続される。なお、本実施の形態においては、光ファイバ243は、光ファイバ241,242,244よりも長い。レンズ246は、光ファイバ243と参照部250との光路上に配置される。
光出射部231からの出射光は、光ファイバ241を通してポート245aに入力される。ポート245aに入力された出射光の一部は、ポート245cから参照光として出力される。参照光は、光ファイバ243およびレンズ246を通過することにより略平行化され、参照部250に導かれる。また、参照部250により反射された参照光は、レンズ246および光ファイバ243を通してポート245cに入力される。
ポート245aに入力された出射光の他の一部は、ポート245dから測定光として出力される。測定光は、光ファイバ244、合焦部260および走査部270を通して測定対象物Sに照射される。また、測定対象物Sにより反射された測定光の一部は、走査部270、合焦部260および光ファイバ244を通してポート245dに入力される。ポート245cに入力された参照光とポート245dに入力された測定光とは、ポート245bから干渉光として出力され、光ファイバ242を通して測定部232に導かれる。
(3)参照部
図5は、参照部250の構成を示す模式図である。図5に示すように、参照部250は、固定部251、直線状に延びるリニアガイド251g、可動部252a,252b、固定ミラー253、可動ミラー254a,254b,254c、駆動部255a,255b、駆動回路256a,256bおよび読取部257a,257bを含む。固定部251およびリニアガイド251gは、測定ヘッド200の本体に固定される。可動部252a,252bは、リニアガイド251gが延びる方向に沿って移動可能にリニアガイド251gに取り付けられる。
図5は、参照部250の構成を示す模式図である。図5に示すように、参照部250は、固定部251、直線状に延びるリニアガイド251g、可動部252a,252b、固定ミラー253、可動ミラー254a,254b,254c、駆動部255a,255b、駆動回路256a,256bおよび読取部257a,257bを含む。固定部251およびリニアガイド251gは、測定ヘッド200の本体に固定される。可動部252a,252bは、リニアガイド251gが延びる方向に沿って移動可能にリニアガイド251gに取り付けられる。
固定ミラー253は、固定部251に取り付けられる。可動ミラー254a,254cは可動部252aに取り付けられる。可動ミラー254bは、可動部252bに取り付けられる。可動ミラー254cは、いわゆる参照ミラーとして用いられる。可動ミラー254cは、コーナーキューブにより構成されることが好ましい。この場合、光学部材の配列を容易に行うことができる。
光ファイバ243から出力された参照光は、レンズ246を通過することにより略平行化された後、固定ミラー253、可動ミラー254a、可動ミラー254bおよび可動ミラー254cにより順次反射される。可動ミラー254cにより反射された参照光は、可動ミラー254b、可動ミラー254aおよび固定ミラー253により順次反射され、レンズ246を通して光ファイバ243に入力される。
駆動部255a,255bは、例えばボイスコイルモータであり、図5に白抜きの矢印で示すように、固定部251に対して可動部252a,252bをリニアガイド251gが延びる方向に沿ってそれぞれ移動させる。この場合、可動部252a,252bの移動方向に平行な方向において、固定ミラー253と可動ミラー254aとの間の距離、可動ミラー254aと可動ミラー254bとの間の距離および可動ミラー254bと可動ミラー254cとの間の距離が変化する。これにより、参照光の光路長を調整することができる。
ここで、参照光の光路長は、参照光が図3のポート245cから出力された後、可動ミラー254cにより反射された参照光がポート245cに入力されるまでの光学的な光路の長さである。参照光の光路長と測定光の光路長との差が一定の値以下のとき、参照光と測定光との干渉光が図3のポート245bから出力される。
本実施の形態においては、リニアガイド251gが延びる方向に沿って可動部252a,252bが互いに逆方向に移動するが、本発明はこれに限定されない。リニアガイド251gが延びる方向に沿って可動部252aおよび可動部252bのいずれか一方のみが移動し、他方は移動しなくてもよい。この場合においては、他方の移動しない可動部252a,252bは、リニアガイド251gではなく固定部251または測定ヘッド200の本体に非可動部として固定されてもよい。
駆動回路256a,256bは、図3の制御基板210に接続され、制御基板210による制御に基づいて駆動部255a,255bをそれぞれ駆動させる。読取部257a,257bは、例えば光学式のリニアエンコーダである。読取部257aは、駆動部255aの駆動量を読み取ることにより固定部251に対する可動部252aの相対位置を検出し、検出結果を制御基板210に与える。読取部257bは、駆動部255bの駆動量を読み取ることにより固定部251に対する可動部252bの相対位置を検出し、検出結果を制御基板210に与える。
(4)合焦部
図6は、合焦部260の構成を示す模式図である。図6に示すように、合焦部260は、固定部261、可動部262、可動レンズ263、駆動部264、駆動回路265および読取部266を含む。可動部262は、一方向に沿って移動可能に固定部261に取り付けられる。可動レンズ263は、可動部262に取り付けられる。可動レンズ263は、対物レンズとして用いられ、自己を通過する測定光に焦点を付与する。
図6は、合焦部260の構成を示す模式図である。図6に示すように、合焦部260は、固定部261、可動部262、可動レンズ263、駆動部264、駆動回路265および読取部266を含む。可動部262は、一方向に沿って移動可能に固定部261に取り付けられる。可動レンズ263は、可動部262に取り付けられる。可動レンズ263は、対物レンズとして用いられ、自己を通過する測定光に焦点を付与する。
光ファイバ244から出力された測定光は、可動レンズ263を通して図3の走査部270に導かれる。また、図3の測定対象物Sにより反射された測定光の一部は、走査部270を通過した後、可動レンズ263を通して光ファイバ244に入力される。
駆動部264は、例えばボイスコイルモータであり、図6に太い矢印で示すように、固定部261に対して可動部262を一方向(測定光の進行方向)に移動させる。これにより、測定光の焦点を測定対象物Sの表面上に位置させることができる。
駆動回路265は、図3の制御基板210に接続され、制御基板210による制御に基づいて駆動部264を駆動させる。読取部266は、例えば光学式のリニアエンコーダであり、駆動部264の駆動量を読み取ることにより固定部261に対する可動部262(可動レンズ263)の相対位置を検出する。また、読取部266は、検出結果を制御基板210に与える。
なお、光ファイバ244と可動レンズ263との間に光ファイバ244から出力された測定光を平行化するコリメータレンズを配置してもよい。この場合、可動レンズ263に入射される測定光が平行化され、測定光のビーム径が可動レンズの移動位置によらず変化しないため、可動レンズを小型に形成することが可能となる。
(5)走査部
図7は、走査部270の構成を示す模式図である。図7に示すように、走査部270は、偏向部271,272、駆動回路273,274および読取部275,276を含む。偏向部271は、例えばガルバノミラーにより構成され、駆動部271aおよび反射部271bを含む。駆動部271aは、例えば略垂直方向の回転軸を有するモータである。反射部271bは、駆動部271aの回転軸に取り付けられる。図3の光ファイバ244から合焦部260を通過した測定光は、反射部271bに導かれる。駆動部271aが回転することにより、反射部271bで反射される測定光の反射角度が略水平面内で変化する。
図7は、走査部270の構成を示す模式図である。図7に示すように、走査部270は、偏向部271,272、駆動回路273,274および読取部275,276を含む。偏向部271は、例えばガルバノミラーにより構成され、駆動部271aおよび反射部271bを含む。駆動部271aは、例えば略垂直方向の回転軸を有するモータである。反射部271bは、駆動部271aの回転軸に取り付けられる。図3の光ファイバ244から合焦部260を通過した測定光は、反射部271bに導かれる。駆動部271aが回転することにより、反射部271bで反射される測定光の反射角度が略水平面内で変化する。
偏向部272は、偏向部271と同様に、例えばガルバノミラーにより構成され、駆動部272aおよび反射部272bを含む。駆動部272aは、例えば水平方向の回転軸を有するモータである。反射部272bは、駆動部272aの回転軸に取り付けられる。反射部271bにより反射された測定光は、反射部272bに導かれる。駆動部272aが回転することにより、反射部272bで反射される測定光の反射角度が略垂直面内で変化する。
このように、駆動部271a,272aが回転することにより、図3の測定対象物Sの表面上で測定光が互いに直交する二方向に走査される。これにより、測定対象物Sの表面上の任意の位置に測定光を照射することができる。測定対象物Sに照射された測定光は、測定対象物Sの表面で反射される。反射された測定光の一部は、反射部272bおよび反射部271bにより順次反射された後、図3の合焦部260に導かれる。
駆動回路273,274は、図3の制御基板210に接続され、制御基板210による制御に基づいて駆動部271a,272aをそれぞれ駆動させる。読取部275,276は、例えば光学式のロータリエンコーダである。読取部275は、駆動部271aの駆動量を読み取ることにより反射部271bの角度を検出し、検出結果を制御基板210に与える。読取部276は、駆動部272aの駆動量を読み取ることにより反射部272bの角度を検出し、検出結果を制御基板210に与える。
(6)動作モード
図1の光走査高さ測定装置400は、複数の動作モードから使用者により選択された動作モードで動作する。具体的には、動作モードは、設定モード、測定モードおよびハイトゲージモードを含む。図8は、光走査高さ測定装置400の表示部340に表示される選択画面341の一例を示す図である。
図1の光走査高さ測定装置400は、複数の動作モードから使用者により選択された動作モードで動作する。具体的には、動作モードは、設定モード、測定モードおよびハイトゲージモードを含む。図8は、光走査高さ測定装置400の表示部340に表示される選択画面341の一例を示す図である。
図8に示すように、表示部340の選択画面341には、設定ボタン341a、測定ボタン341bおよびハイトゲージボタン341cが表示される。使用者が図1の操作部330を用いて設定ボタン341a、測定ボタン341bおよびハイトゲージボタン341cを操作することにより、光走査高さ測定装置400が設定モード、測定モードおよびハイトゲージモードでそれぞれ動作する。
以下の説明では、使用者のうち測定対象物Sの測定作業を管理する熟練した使用者を適宜測定管理者と呼び、測定管理者の管理の下で測定対象物Sの測定作業を行う使用者を適宜測定作業者と呼ぶ。設定モードは主として測定管理者により使用され、測定モードは主として測定作業者により使用される。
ここで、光走査高さ測定装置400においては、図2の測定領域Vを含む空間に固有の三次元座標系がX軸、Y軸およびZ軸により予め定義されている。ここで、X軸およびY軸は図2の光学定盤111に平行でかつ互いに直交し、Z軸はX軸およびY軸に直交する。各動作モードにおいては、上記の座標系により特定される座標のデータおよび撮像部220の撮像により取得される画像上の平面座標のデータが制御部310と制御基板210との間で伝送される。図9は、各動作モードにおいて制御部310と制御基板210との間で伝送されるデータの内容を示す図である。
設定モードにおいては、測定管理者は、所望の測定対象物Sについての情報を光走査高さ測定装置400に登録することができる。具体的には、測定管理者は、所望の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により測定対象物Sを撮像する。また、測定管理者は、図1の表示部340に表示された測定対象物Sの測定すべき部分を画像上で指定点として指定する。この場合、図9(a)に示すように、制御部310は、画像上で指定された指定点により特定される平面座標(Ua,Va)を制御基板210に与える。
制御基板210は、図2の測定領域V内において平面座標(Ua,Va)に対応する位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)を特定し、特定された三次元座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。制御部310は、制御基板210により与えられた三次元座標(Xc,Yc,Zc)を図1の記憶部320に記憶させる。また、制御部310は、記憶部320に記憶された三次元座標(Xc,Yc,Zc)および後述する基準面等の情報に基づいて指定点に対応する部分の高さを算出し、算出結果を記憶部320に記憶させる。
測定モードは、設定モードにおいて光走査高さ測定装置400に情報が登録された測定対象物Sと同一種類の測定対象物Sについて、指定点に対応する目標点の高さを測定するために用いられる。具体的には、測定作業者は、設定モードにおいて光走査高さ測定装置400に情報が登録された測定対象物Sと同一種類の測定対象物Sを光学定盤111上に載置し、撮像部220により撮像する。この場合、図9(b)に示すように、制御部310は、設定モードにおいて記憶部320に記憶された三次元座標(Xc,Yc,Zc)を制御基板210に与える。
制御基板210は、取得した三次元座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて、目標点に対応する測定対象物Sの部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出する。また、制御基板210は、算出された三次元座標(Xb,Yb,Zb)を制御部310に与える。制御部310は、制御基板210により与えられた三次元座標(Xb,Yb,Zb)および後述する基準面等の情報に基づいて目標点に対応する部分の高さを算出する。また、制御部310は、算出結果を図1の表示部340に表示させる。
このように、測定モードにおいては、測定作業者は測定対象物Sの測定すべき部分を指定することなく当該位置の高さを取得することができる。そのため、測定作業者が熟練していない場合でも、測定対象物の所望の部分の形状を容易かつ正確に測定することができる。また、設定モードにおいて三次元座標(Xc,Yc,Zc)が記憶部320に記憶されるので、測定モードにおいては、記憶された三次元座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて目標点に対応する部分を高速に特定することができる。
本実施の形態においては、設定モードにおいて平面座標(Ua,Va)に対応する三次元座標(Xc,Yc,Zc)が特定され、記憶部320に記憶されるが、本発明はこれに限定されない。設定モードにおいては、平面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xc,Yc)が特定され、Z軸の成分Zcが特定されなくてもよい。この場合、特定された平面座標(Xc,Yc)が記憶部320に記憶される。また、測定モードにおいては、記憶部320に記憶された平面座標(Xc,Yc)が制御基板210に与えられる。
ハイトゲージモードは、使用者が画面上で測定対象物Sを確認しながら、測定対象物Sの所望の部分を指定点として画面上で指定し、当該部分の高さを測定するために用いられる。具体的には、使用者は、所望の測定対象物Sを光学定盤111上に載置し、撮像部220により測定対象物Sを撮像する。また、使用者は、表示部340に表示された測定対象物Sの画像上で測定すべき部分を指定点として指定する。この場合、図9(c)に示すように、制御部310は、画像上で指定された指定点により特定される平面座標(Ua,Va)を制御基板210に与える。
制御基板210は、図2の測定領域V内において平面座標(Ua,Va)に対応する位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)を特定し、特定された三次元座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて指定点に対応する測定対象物Sの部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出する。また、制御基板210は、算出された三次元座標(Xb,Yb,Zb)を制御部310に与える。制御部310は、制御基板210により与えられた三次元座標(Xb,Yb,Zb)および後述する基準面等の情報に基づいて指定点に対応する部分の高さを算出し、算出結果を表示部340に表示させる。
図1の記憶部320には、座標変換情報および位置変換情報が予め記憶されている。座標変換情報は、測定領域V内の高さ方向(Z軸方向)の各位置における平面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xc,Yc)を示す。また、制御基板210は、図5の可動部252a,252bの位置と図7の反射部271b,272bの角度とを制御することにより測定領域V内の所望の位置に測定光を照射することができる。位置変換情報は、測定領域V内の座標と可動部252a,252bの位置および反射部271b,272bの角度との関係を示す。
制御部310および制御基板210により構成される制御系は、座標変換情報および位置変換情報を用いることにより、指定点または目標点に対応する位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)および三次元座標(Xb,Yb,Zb)を特定することができる。座標変換情報および位置変換情報の詳細は後述する。
ここで、周辺温度の影響等により、スタンド部100および測定ヘッド200を構成する各部材の寸法または部材間の距離が微小に変動することがある。その場合、測定値に微小な誤差が生じる。このような誤差を低減するため、本実施の形態では、指定点のうちの1つが指定補正点として設定され、予め定められた割り込み条件が満たされるごとに、指定補正点に対応する部分の高さの測定が行われる。その測定結果に基づいて、他の目標点に対応する測定対象物Sの部分の高さの補正が行われる。詳細は後述する。
(7)光走査高さ測定装置の制御系
(a)制御系の全体構成
図10は、図1の光走査高さ測定装置400の制御系を示すブロック図である。図10に示すように、制御系410は、基準画像取得部1、位置情報取得部2、型指定部3、補正点設定部4、駆動制御部5、基準面取得部6、許容値取得部7、登録部8、偏向方向取得部9、検出部10および画像解析部11を含む。また、制御系410は、参照位置取得部12、受光信号取得部13、距離情報算出部14、座標算出部15、位置判定部16、高さ算出部17、測定画像取得部18、型判定部19、目標点設定部20、検査部21および報告書作成部22をさらに含む。
(a)制御系の全体構成
図10は、図1の光走査高さ測定装置400の制御系を示すブロック図である。図10に示すように、制御系410は、基準画像取得部1、位置情報取得部2、型指定部3、補正点設定部4、駆動制御部5、基準面取得部6、許容値取得部7、登録部8、偏向方向取得部9、検出部10および画像解析部11を含む。また、制御系410は、参照位置取得部12、受光信号取得部13、距離情報算出部14、座標算出部15、位置判定部16、高さ算出部17、測定画像取得部18、型判定部19、目標点設定部20、検査部21および報告書作成部22をさらに含む。
図1の制御基板210および制御部310が記憶部320に記憶されたシステムプログラムを実行することにより、上記の制御系410の各構成部の機能が実現される。図10においては、全ての動作モードにおける共通の処理の流れが実線で示され、設定モードにおける処理の流れが一点鎖線で示され、測定モードにおける処理の流れが点線で示される。後述する図44においても同様である。ハイトケージモードにおける処理の流れは、設定モードにおける処理の流れと略等しい。以下、理解を容易にするために、制御系410の各構成部を設定モードと測定モードと分けて説明する。
(b)設定モード
測定管理者は、所望の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により測定対象物Sを撮像する。基準画像取得部1は、撮像部220により生成される画像データを基準画像データとして取得し、取得された基準画像データに基づく画像を基準画像として図1の表示部340に表示させる。基準画像には、測定対象物Sに対応する基準対象画像が含まれる。表示部340に表示される基準画像は、静止画像であってもよく、順次更新される動画像であってもよい。測定管理者は、表示部340に表示された基準画像上において、測定すべき部分を指定測定点として指定するとともに、指定基準点を指定することができる。指定基準点は、測定対象物Sの高さを算出する際の基準となる基準面を定めるための点である。
測定管理者は、所望の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により測定対象物Sを撮像する。基準画像取得部1は、撮像部220により生成される画像データを基準画像データとして取得し、取得された基準画像データに基づく画像を基準画像として図1の表示部340に表示させる。基準画像には、測定対象物Sに対応する基準対象画像が含まれる。表示部340に表示される基準画像は、静止画像であってもよく、順次更新される動画像であってもよい。測定管理者は、表示部340に表示された基準画像上において、測定すべき部分を指定測定点として指定するとともに、指定基準点を指定することができる。指定基準点は、測定対象物Sの高さを算出する際の基準となる基準面を定めるための点である。
位置情報取得部2は、基準画像取得部1により取得された基準画像上における指定測定点の指定を受け付け、受け付けられた指定測定点の位置(上記の平面座標(Ua,Va))を取得する。また、位置情報取得部2は、基準画像を用いて指定基準点の指定を受け付け、受け付けられた指定基準点の位置を取得する。位置情報取得部2は、指定測定点を複数受け付けることも可能であり、基準点を複数受け付けることも可能である。以下の説明では、適宜、指定測定点と指定基準点とを総称して指定点と呼ぶ。位置情報取得部2は、受け付けた指定点の位置を示す位置情報を生成する。
型指定部3は、位置情報取得部2により受け付けられた各指定点が非追従型であるか追従型であるかの指定を受け付け、各指定点の型(各指定点が非追従型であるか追従型であるかの区別)を示す型情報を生成する。測定管理者は、基準画面上の各指定点の型を指定することができる。指定点の型の詳細については後述する。
補正点設定部4は、位置情報取得部2により指定された複数の指定点のうち型指定部3により非追従型が指定された指定点の1つを指定補正点として設定する。補正点設定部4は、測定管理者による指定に基づいて割り込み条件を設定する。例えば、割り込み条件は、一定の時間(以下、補正基準時間と呼ぶ。)が経過することであってもよい。また、補正基準時間は、予め定められた固定値であってもよく、使用者が任意に設定可能であってもよい。
駆動制御部5は、図3の昇降部130の読取部133から測定ヘッド200の位置を取得し、取得された測定ヘッド200の位置に基づいて図3の駆動回路132を制御する。これにより、測定ヘッド200が上下方向の所望の位置に移動される。また、駆動制御部5は、図6の合焦部260の読取部266から可動レンズ263の位置を取得し、取得された可動レンズ263の位置に基づいて図6の駆動回路265を制御する。これにより、測定対象物Sの表面付近で測定光に焦点が付与されるように可動レンズ263が移動される。
また、駆動制御部5は、図1の記憶部320に記憶された位置変換情報と位置情報取得部2により取得された位置とに基づいて、図7の駆動回路273,274および図5の駆動回路256a,256bを制御する。これにより、図7の偏向部271,272の反射部271b,272bの角度が調整され、指定点(指定補正点を含む。以下の説明においても同様である。)に対応する測定対象物Sの部分に測定光が順次照射される。また、測定光の光路長が変化することに応じて、測定光の光路長と参照光の光路長との差が一定の値以下になるように参照光の光路長が調整される。上記の駆動制御部5の動作により、後述するように指定点に対応する測定対象物Sの部分の座標が座標算出部15により算出される。駆動制御部5の動作の詳細は後述する。
基準面取得部6は、位置情報取得部2により取得された1以上の指定基準点に対応して座標算出部15により算出された1以上の座標に基づいて基準面を取得する。測定管理者は、位置情報取得部2により取得された指定測定点について、高さに対する許容値を入力することができる。許容値は、後述する測定モードにおける測定対象物Sの検査に用いられ、設計値と設計値からの公差とを含む。許容値取得部7は、入力された許容値を受け付ける。
登録部8は、基準画像取得部1により取得された基準画像データ、位置情報取得部2により生成された位置情報、型指定部3により生成された型情報、補正点設定部4により設定された指定補正点に関する情報および許容値取得部7により設定された許容値を対応付けることにより登録情報を生成する。具体的には、登録部8は、基準画像データと、各指定点の位置と、各指定点の型と、各測定値に対応する許容値との関連性を示す登録情報を記憶部320に記憶させる。複数の基準面が設定されてもよい。この場合、登録部8は、基準面ごとに、当該基準面に対応する指定基準点と、当該基準面に対応する指定測定点と、各測定値に対応する許容値とを関連付けて登録する。
偏向方向取得部9は、図7の読取部275,276から反射部271b,272bの角度をそれぞれ取得する。検出部10は、偏向方向取得部9により取得された反射部271b,272bの角度に基づいて偏向部271,272の偏向方向をそれぞれ検出する。また、撮像部220による撮像が継続されることにより、基準画像には測定対象物S上の測定光が現れる。画像解析部11は、基準画像取得部1により取得された基準画像データを解析する。検出部10は、画像解析部11の解析結果に基づいて偏向部271,272により偏向された測定光の基準画像上の照射位置を示す平面座標を検出する。
参照位置取得部12は、図5の参照部250の読取部257a,257bから可動部252a,252bの位置をそれぞれ取得する。受光信号取得部13は、図4の受光部232dから受光信号を取得する。距離情報算出部14は、受光部232dにより取得された受光信号に基づいて、干渉光の波長と受光量との関係を示すデータに所定の演算および処理を行う。この演算および処理は、例えば波長から波数への周波数軸変換および波数のフーリエ変換を含む。
距離情報算出部14は、処理により得られたデータと参照位置取得部12により取得された可動部252a,252bの位置とに基づいて、図2の測定ヘッド200における測定光の出射位置と測定対象物Sにおける測定光の照射位置との間の距離を示す距離情報を算出する。測定ヘッド200における測定光の出射位置は、例えば図3のファイバカプラ245のポート245dの位置である。
座標算出部15は、検出部10により検出された偏向部271,272の偏向方向と距離情報算出部14により算出された距離情報とに基づいて、測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)を算出する。測定光の照射位置の三次元座標(Xc,Yc,Zc)は、高さ方向の座標Zcと、高さ方向に直交する平面内における平面座標(Xc,Yc)とからなる。
座標算出部15は、例えば三角測距方式を用いて、検出部10により検出される測定光の基準画像上の照射位置を示す平面座標と偏向部271,272の偏向方向とに基づいて測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標を算出してもよい。あるいは、座標算出部15は、検出部10により検出される測定光の基準画像上の照射位置を示す平面座標と距離情報算出部14により算出される距離情報とに基づいて測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標を算出してもよい。
位置判定部16は、指定点に対応する測定対象物Sの部分またはその近傍の部分に測定光が照射されているか否かを判定する。具体的には、座標算出部15は、算出された高さ方向の座標と記憶部320に記憶された座標変換情報とに基づいて、登録部8により登録された指定点に対応する平面座標(後述する平面座標(Xa’,Ya’))を取得する。また、位置判定部16は、座標算出部15により算出された平面座標(Xc,Yc)が指定点に対応する平面座標(Xa’,Ya’)から予め定められた範囲内にあるか否かを判定する。
あるいは、画像解析部11は、基準画像データを画像解析することにより、基準画像における測定光の照射位置の平面座標(後述する平面座標(Uc,Vc))を特定してもよい。この場合、位置判定部16は、画像解析部11により特定された測定光の照射位置の平面座標(Uc,Vc)が登録部8により登録された指定点の平面座標(Ua,Va)から予め定められた範囲内にあるか否かを判定する。
指定点に対応する測定対象物Sの部分およびその近傍の部分に測定光が照射されていないと位置判定部16により判定された場合には、駆動制御部5は、測定光の照射位置が移動するように図7の駆動回路273,274および図5の駆動回路256a,256bを制御する。指定点に対応する測定対象物Sの部分またはその近傍の部分に測定光が照射されていると位置判定部16により判定された場合には、駆動制御部5は測定光の照射位置が固定されるように駆動回路273,274および駆動回路256a,256bを制御する。
座標算出部15は、指定点のうち指定基準点について算出された座標を基準面取得部6に与える。高さ算出部17は、指定点のうち指定測定点に対応して座標算出部15により算出された三次元座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて、基準面取得部6により取得された基準面を基準とする測定対象物Sの部分の高さを算出する。例えば、高さ算出部17は、基準面が平面である場合、三次元座標(Xc,Yc,Zc)を通る基準面の垂線における基準面から三次元座標(Xc,Yc,Zc)までの長さを高さとして算出する。高さ算出部17は、算出された高さを表示部340に表示させる。登録部8は、座標算出部15により算出された三次元座標(Xc,Yc,Zc)および高さ算出部17により算出された高さを基準画像データ、各指定点の位置、各指定点の型および許容値と関連付けて登録情報として登録する。
(c)測定モード
測定作業者は、設定モードにおいて登録情報が登録された測定対象物Sと同一種類の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により撮像する。測定画像取得部18は、撮像部220により生成される画像データを測定画像データとして取得し、取得された測定画像データに基づく画像を測定画像として図1の表示部340に表示させる。測定画像には、測定対象物Sに対応する測定対象画像が含まれる。型判定部19は、登録情報における型情報に基づいて、位置情報により示される各指定点が非追従型であるか追従型であるかを判定する。
測定作業者は、設定モードにおいて登録情報が登録された測定対象物Sと同一種類の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により撮像する。測定画像取得部18は、撮像部220により生成される画像データを測定画像データとして取得し、取得された測定画像データに基づく画像を測定画像として図1の表示部340に表示させる。測定画像には、測定対象物Sに対応する測定対象画像が含まれる。型判定部19は、登録情報における型情報に基づいて、位置情報により示される各指定点が非追従型であるか追従型であるかを判定する。
目標点設定部20は、登録情報における基準画像データに基づく基準画像と測定画像取得部18により取得された測定画像データに基づく測定画像との比較、および登録情報における位置情報に基づいて、基準画像上の各指定点に対応する目標点を測定画像上に設定する。具体的には、型判定部19により各指定測定点が非追従型であると判定された場合に、目標点設定部20は、基準画像上の当該指定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標点を設定する。ここで、絶対位置とは、上述した固有の三次元座標系により定まる絶対的な位置を意味する。一方で、型判定部19により各指定点が追従型であると判定された場合に、目標点設定部20は、測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が基準対象画像と当該指定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標点を設定する。
目標点は、指定測定点に対応する目標測定点と、指定基準点に対応する目標基準点とを含む。また、指定補正点に対応する目標点を目標補正点と呼ぶ。各指定測定点が非追従型であると判定された場合に、目標点設定部20は、基準画像上の当該指定測定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標測定点を設定する。一方、各指定測定点が追従型であると判定された場合に、目標点設定部20は、測定対象画像と目標測定点との相対的な位置関係が基準対象画像と当該指定測定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標測定点を設定する。
また、各指定基準点が非追従型であると判定された場合に、目標点設定部20は、基準画像上の当該指定基準点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標基準点を設定する。一方、各指定基準点が追従型であると判定された場合に、目標点設定部20は、測定対象画像と目標基準点との相対的な位置関係が基準対象画像と当該指定基準点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標基準点を設定する。
なお、測定画像における測定対象画像の特定方式として、目標点設定部20は、測定画像を基準画像に対して相対的に並進移動または回転移動させることにより測定画像における測定対象画像を特定してもよい。あるいは、目標点設定部20は、基準画像に含まれる被写体のエッジ部分の形状と測定画像に含まれる被写体のエッジ部分の形状との比較に基づいて測定画像における測定対象画像を特定してもよい。
駆動制御部5は、設定モードにおいて登録部8により登録された登録情報に基づいて、図7の駆動回路273,274および図5の駆動回路256a,256bを制御する。これにより、目標点設定部20により設定された目標点(目標補正点を含む。以下の説明においても同様である。)に対応する測定対象物Sの部分に測定光が順次照射される。目標補正点に対応する測定対象物Sの部分への測定光の照射は、補正点設定部4により設定された割り込み条件が満たされるごとに行われる。
目標点設定部20により設定された目標点に対応する測定対象物Sの部分の三次元座標が座標算出部15により算出される。ここで、駆動制御部5は、設定モードにおいて登録された三次元座標および高さに基づいて制御を行うので、座標算出部15は、目標点設定部20により設定された目標点に対応する測定対象物Sの部分の三次元座標を効率よく算出することができる。
測定モードにおける偏向方向取得部9および検出部10の処理は、設定モードにおける偏向方向取得部9および検出部10の処理とそれぞれ同様である。測定モードにおける画像解析部11の処理は、基準画像取得部1により取得された基準画像データに代えて測定画像取得部18により取得された測定画像データが用いられる点を除き、設定モードにおける画像解析部11の処理と同様である。測定モードにおける参照位置取得部12、受光信号取得部13および距離情報算出部14の処理は、設定モードにおける参照位置取得部12、受光信号取得部13および距離情報算出部14の処理とそれぞれ同様である。
座標算出部15は、検出部10により検出された偏向部271,272の偏向方向と距離情報算出部14により算出された距離情報とに基づいて、測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出する。座標算出部15は、検出部10により検出される測定光の測定画像上の照射位置を示す平面座標と距離情報算出部14により算出される距離情報とに基づいて測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出してもよい。測定光の照射位置の三次元座標(Xb,Yb,Zb)は、高さ方向の座標Zbと、高さ方向に直交する平面内における平面座標(Xb,Yb)とからなる。
測定モードにおける位置判定部16の処理は、登録部8により登録された指定点に代えて目標点設定部20により設定された目標点を用いる点、および三次元座標(Xc,Yc,Zc)に代えて三次元座標(Xb,Yb,Zb)を用いる点を除き、設定モードにおける位置判定部16の処理と同様である。これにより、座標算出部15は、目標点設定部20により設定された目標点に対応する座標を算出する。
基準面取得部6は、座標算出部15により算出された目標基準点に対応する座標に基づいて基準面を取得する。高さ算出部17は、座標算出部15により算出された三次元座標(Xb,Yb,Zb)に基づいて、目標測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さを基準面取得部6により取得された基準面を基準として算出する。また、高さ算出部17は、座標算出部15により算出された目標基準点に対応する三次元座標(Xb,Yb,Zb)に基づいて目標補正点に対応する部分の高さを算出し、割り込み条件が満たされる前後における高さの変化に基づいて、他の目標測定点に対応する部分の高さを補正する。高さの補正については後述する。
本例においては、割り込み条件は補正基準時間が経過することであるが、本発明はこれに限定されない。割り込み条件は、測定光の照射回数に関する条件を含んでもよい。例えば、1回の指定補正点の測定が行われた後、順次指定点または目標点に対応する部分に測定光が照射され、予め定められた数の点に測定光が照射されると、指定補正点の測定が再度行われる。
あるいは、割り込み条件は、測定光の照射位置の移動距離に関する条件を含んでもよい。例えば、1回の点の測定が行われた後、順次点に測定光が照射され、その複数の点の間の距離の累計が予め定められた距離に達すると、指定補正点の測定が再度行われる。測定の目的および条件等に応じて割り込み条件を設定することにより、適切なタイミングで指定補正点の測定を行うことができ、指定点または目標点に対応する部分の高さを適切に補正することができる。なお、補正点設定部4は、測定管理者による指定に基づいて補正機能をオフにすることも可能である。この場合、上記の高さの補正は行われない。
検査部21は、高さ算出部17により算出された測定対象物Sの部分の高さと登録部8に登録された許容値とに基づいて測定対象物Sを検査する。具体的には、算出された高さが設計値を基準とする公差の範囲内である場合には、検査部21は、測定対象物Sは良品であると判定する。一方、算出された高さが設計値を基準とする公差の範囲外である場合には、検査部21は、測定対象物Sは不良品であると判定する。
報告書作成部22は、検査部21による検査結果と測定画像取得部18により取得された基準画像に基づいて報告書を作成する。これにより、測定作業者は報告書を用いて測定対象物Sについての高さの測定値または検査結果を測定管理者または他の使用者に容易に報告することができる。報告書は、予め決定された記載様式に従って作成される。図11は、報告書作成部22により作成される報告書の一例を示す図である。
図11の記載様式においては、報告書420は、名称表示欄421、画像表示欄422、状況表示欄423、結果表示欄424および保証表示欄425を含む。名称表示欄421には、報告書420の名称(図11の例では「検査成績書」)が表示される。画像表示欄422には、検査対象の測定画像が表示される。状況表示欄423には、検査対象の名称、検査対象の識別番号、測定作業者の氏名および検査日時等が表示される。
結果表示欄424には、検査対象についての検査結果が表示される。具体的には、結果表示欄424には、検査対象に設定された種々の検査項目の名称、測定値および判定結果が、設計値および公差と対応付けられた状態で一覧表の形式で表示される。保証表示欄425は、署名または押印されるための空欄である。測定作業者および測定管理者は、保証表示欄425に署名または押印することにより検査結果を保証することができる。
報告書作成部22は、検査部21により良品と判定された測定対象物Sについてのみ報告書420を作成してもよい。このような報告書420は、検査対象の製品を顧客に納品する際に、製品の品質を保証するために納品書に添付される。また、報告書作成部22は、検査部21により不良品と判定された測定対象物Sについてのみ報告書420を作成してもよい。このような報告書420は、検査対象の製品が不良品であると判定された原因を解析するために自社で用いられる。
本実施の形態においては、報告書420の結果表示欄424に測定対象物Sの部分の高さの測定値と当該部分について設定された検査項目の判定結果とが対応付けられた状態で表示されるが、本発明はこれに限定されない。報告書420の結果表示欄424に高さの測定値および検査項目の判定結果のいずれか一方が表示され、他方が表示されなくてもよい。
(d)ハイトゲージモード
使用者は、所望の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により測定対象物Sを撮像する。基準画像取得部1は、撮像部220により生成される画像データを取得し、取得された画像データに基づく画像を図1の表示部340に表示させる。使用者は、表示部340に表示された画像上において、指定点を指定する。
使用者は、所望の測定対象物Sを図2の光学定盤111上に載置し、図3の撮像部220により測定対象物Sを撮像する。基準画像取得部1は、撮像部220により生成される画像データを取得し、取得された画像データに基づく画像を図1の表示部340に表示させる。使用者は、表示部340に表示された画像上において、指定点を指定する。
位置情報取得部2は、基準画像取得部1により取得された画像上における測定点の指定を受け付け、受け付けられた測定点の位置(上記の平面座標(Ua,Va))を取得する。位置情報取得部2は、指定点を複数受け付けることも可能である。
駆動制御部5は、図1の記憶部320に記憶された位置変換情報と位置情報取得部2により取得された位置とに基づいて、図7の駆動回路273,274および図5の駆動回路256a,256bを制御する。これにより、指定点に対応する測定対象物Sの部分に測定光が順次照射されるとともに、参照光の光路長が調整される。
上記の駆動制御部5の動作により、指定点に対応する測定対象物Sの部分の座標が座標算出部15により算出される。基準面取得部6は、位置情報取得部2により取得された基準点に対応して座標算出部15により算出された座標に基づいて基準面を取得する。
ハイトゲージモードにおける偏向方向取得部9、検出部10、画像解析部11、参照位置取得部12、受光信号取得部13および距離情報算出部14の処理は、設定モードにおける偏向方向取得部9、検出部10、画像解析部11、参照位置取得部12、受光信号取得部13および距離情報算出部14の処理とそれぞれ同様である。
座標算出部15は、検出部10により検出された偏向部271,272の偏向方向または測定光の照射位置と距離情報算出部14により算出された距離情報に基づいて、測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出する。座標算出部15は、検出部10により検出される測定光の測定画像上の照射位置を示す平面座標と距離情報算出部14により算出される距離情報とに基づいて測定対象物S上の測定光の照射位置の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出してもよい。ハイトゲージモードにおける位置判定部16および高さ算出部17の処理は、設定モードにおける位置判定部16および高さ算出部17の処理とそれぞれ同様である。
(8)制御系の全体的な動作フロー
図12〜図16は、図1の光走査高さ測定装置400において実行される光走査高さ測定処理の一例を示すフローチャートである。以下に示す一連の処理は、光走査高さ測定装置400の電源がオン状態にあるときに、制御部310および制御基板210により一定周期で実行される。なお、光走査高さ測定処理には、後述する指定測定処理および実測定処理が含まれる。以下の説明では、光走査高さ測定処理のうち指定測定処理および実測定処理が制御基板210により実行され、光走査高さ測定処理のうち他の処理が制御部310により実行されるが、本発明はこれに限定されない。例えば光走査高さ測定処理の全ての処理が制御基板210または制御部310により実行されてもよい。
図12〜図16は、図1の光走査高さ測定装置400において実行される光走査高さ測定処理の一例を示すフローチャートである。以下に示す一連の処理は、光走査高さ測定装置400の電源がオン状態にあるときに、制御部310および制御基板210により一定周期で実行される。なお、光走査高さ測定処理には、後述する指定測定処理および実測定処理が含まれる。以下の説明では、光走査高さ測定処理のうち指定測定処理および実測定処理が制御基板210により実行され、光走査高さ測定処理のうち他の処理が制御部310により実行されるが、本発明はこれに限定されない。例えば光走査高さ測定処理の全ての処理が制御基板210または制御部310により実行されてもよい。
初期状態においては、図2の光学定盤111上に測定対象物Sが載置された状態で、光走査高さ測定装置400の電源がオンされているものとする。このとき、図1の表示部340には、図8の選択画面341が表示される。
光走査高さ測定処理が開始されると、制御部310は、使用者の操作部330の操作により設定モードが選択されたか否かを判定する(ステップS101)。より具体的には、制御部310は、使用者により図8の設定ボタン341aが操作されたか否かを判定する。
制御部310は、設定モードが選択されない場合、後述する図15のステップS201の処理に進む。一方、制御部310は、設定モードが選択された場合、図1の表示部340に後述する図24の設定画面350を表示させる(ステップS102)。設定画面350においては、撮像部220により一定周期で取得される図2の測定領域Vの基準画像がリアルタイムに表示される。
本実施の形態に係る光走査高さ測定装置400においては、図10の目標点設定部20の設定機能を実現するために、設定モードにおいて基準対象画像およびサーチ領域を設定しておく必要がある。基準対象画像は、使用者により指定された時点で表示される基準画像の全領域のうち少なくとも測定対象物Sを含む部分の画像を意味する。また、サーチ領域は、設定モードで基準対象画像が設定された後に、測定モードにおいて測定画像内で基準対象画像に類似する測定対象画像をサーチする範囲(撮像部220の撮像視野内の範囲)を意味する。
そこで、制御部310は、使用者の操作部330の操作によりサーチ領域の指定があったか否かを判定する(ステップS103)。制御部310は、サーチ領域の指定がない場合、後述するステップS105の処理に進む。一方、制御部310は、サーチ領域の指定がある場合、指定されたサーチ領域の情報を記憶部320に記憶することにより設定する(ステップS104)。
次に、制御部310は、使用者の操作部330の操作により基準対象画像の指定があったか否かを判定する(ステップS105)。制御部310は、基準対象画像の指定がない場合、後述するステップS107の処理に進む。一方、制御部310は、基準対象画像の指定がある場合、指定された基準対象画像の情報を記憶部320に記憶することにより設定する(ステップS106)。なお、基準対象画像の情報には、基準画像における当該基準対象画像の位置を示す情報も含まれる。使用者による基準対象画像およびサーチ領域の具体的な設定例については後述する。
次に、制御部310は、ステップS104,S106の処理により、サーチ領域および基準対象画像が設定されたか否かを判定する(ステップS107)。制御部310は、サーチ領域および基準対象画像のうち少なくとも一方が設定されていない場合、ステップS103の処理に戻る。一方、制御部310は、サーチ領域および基準対象画像が設定されている場合、基準面の設定が受け付けられたか否かを判定する(ステップS108)。
制御部310は、ステップS108で基準面の設定を受け付けた場合、使用者の操作部330の操作により表示部340に表示される基準画像上で指定基準点の指定を受けたか否かを判定する(ステップS109)。制御部310は、指定基準点の指定を受けない場合、後続のステップS111の処理に進む。一方、制御部310は、指定基準点の指定を受けた場合、制御基板210に、指定測定処理を指令するとともに、基準画像上で指定された指定基準点により特定される平面座標(Ua,Va)を与える(図9(a)参照)。それにより、制御基板210は、指定測定処理を行うとともに(ステップS110)、指定測定処理により特定された座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。詳細は後述する。また、指定測定処理の詳細についても後述する。
その後、制御部310は、使用者の操作部330の操作により指定基準点の指定が完了したか否かを判定する(ステップS111)。制御部310は、指定基準点の指定が完了していない場合、ステップS109の処理に戻る。一方、制御部310は、指定基準点の指定が完了した場合、ステップS110の指定測定処理で取得された1または複数の座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて基準面を設定する(ステップS112)。本例では、1または複数の指定基準点に対応する座標(Xc,Yc,Zc)に基づいて基準面の座標を示す情報、例えば、各指定基準点に対応する平面座標(Xc,Yc)または各指定基準点に対応する座標(Xc,Yc,Zc)が記憶部320に記憶される。
ここで、基準面の座標を示す情報は、基準面を決定するための基準面拘束条件を含んでもよい。基準面拘束条件には、例えば、基準面が載置面に平行であること、または基準面は予め記憶された他の面に平行であること等の条件が含まれる。基準面が載置面に平行であるという基準面拘束条件の場合、1つの指定基準点に対する座標(Xb,Yb,Zb)が指定されると、Z=Zbで表される平面が基準面として取得されることとなる。
制御部310は、上記のステップS112の処理後あるいはステップS108で基準面の設定を受け付けていない場合、受け付けられる設定が測定対象物Sの測定に関する設定であるか否かを判定する(ステップS121)。より具体的には、制御部310は、受け付けられる設定が指定測定点の設定であるか否かを判定する。
制御部310は、受け付けられる設定が測定に関する設定でない場合、使用者の操作部330の操作による当該設定に関する情報を取得し、記憶部320に記憶する(ステップS130)。ここで取得される情報には、例えば、上記の許容値、測定モード時に測定画像上に表示させるべき指標およびコメント等の情報が挙げられる。その後、制御部310は、後述するステップS128の処理に進む。
制御部310は、ステップS121において受け付けられる設定が測定に関する設定であった場合、使用者の操作部330の操作により表示部340に表示される基準画像上で指定測定点の指定を受けたか否かを判定する(ステップS122)。制御部310は、指定測定点の指定を受けない場合、後続のステップS124の処理に進む。一方、制御部310は、指定測定点の指定を受けた場合、上記のステップS110と同様に、制御基板210に、指定測定処理を指令するとともに、基準画像上で指定された指定測定点により特定される平面座標(Ua,Va)を与える。それにより、制御基板210は、指定測定処理を行うとともに(ステップS123)、指定測定処理により特定された座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。
その後、制御部310は、使用者の操作部330の操作により指定測定点の指定が完了したか否かを判定する(ステップS124)。制御部310は、指定測定点の指定が完了していない場合、ステップS122の処理に戻る。
一方、制御部310は、指定測定点の指定が完了した場合、ステップS123の指定測定処理で取得された1または複数の指定測定点の座標(Xc,Yc,Zc)を記憶部320に記憶することにより指定測定点の設定を行う(ステップS125)。ここで、制御部310は、ステップS109,S122で指定された各指定測定点の型(各指定点が非追従型であるか追従型であるかの区別)を設定する(ステップS126)。指定測定点の型の設定については後述する。
次に、制御部310は、指定補正点を設定する(ステップS127)。具体的には、ステップS126で設定された非追従型の指定点の1つが指定補正点として設定される。指定補正点は、複数の非追従型の指定点から使用者により選択されてもよい。あるいは、複数の指定点のうち、予め定められた選択条件で選択された指定点(例えば最初に指定された非追従型の指定点)が指定補正点に設定されてもよい。複数の指定点のうち、平均的な座標を有する指定点が指定補正点に設定されてもよい。複数の指定点のうち、基準面に対する高さが最も大きいか、または最も小さい指定点が指定補正点に設定されてもよい。本例では、割り込み条件として、補正基準時間が予め定められる。割り込み条件は、使用者によって指定されてもよい。また、使用者は、補正機能をオフにすることも可能である。この場合、ステップS127はスキップされる。
上記のステップS127,S130のいずれかの処理後、制御部310は、指定点の設定の完了が指令されたか、または新たな設定が指令されたかを判定する(ステップS128)。制御部310は、新たな設定が指令された場合、すなわち設定の完了が指令されない場合、ステップS108の処理に戻る。
次に、制御部310は、上記のステップS103〜S112,S121〜S127,S130のいずれかにおいて設定された情報を互いに関連付けて登録情報として登録する(ステップS129)。その後、光走査高さ測定処理が設定モードで終了する。登録される登録情報のファイルは、使用者により特定のファイル名が付された上で記憶部320に保存される。このとき、ステップS103〜S112,S121〜S127,S130のいずれかにおいて、設定のために一時的に記憶部320に記憶された情報が消去されてもよい。
ここで、ステップS129において、制御部310は、上記のステップS112の処理により基準面が設定されている場合、基準面と特定された座標(Xc,Yc,Zc)とに基づいて指定点の高さを算出し、算出結果を登録情報に含める。なお、上記のステップS125の時点で基準面が既に設定されている場合、ステップS125において、設定された基準面と特定された座標(Xc,Yc,Zc)とに基づいて指定点の高さが算出されてもよい。この場合、算出結果が指定点の高さとして設定画面350(後述する図29)に表示されてもよい。また、上記のステップS127の時点で基準面が既に設定されている場合、ステップS127において、設定された基準面と特定された座標(Xc,Yc,Zc)とに基づいて指定補正点の高さが算出されてもよい。
上記のステップS101において、設定モードが選択されない場合、制御部310は、使用者の操作部330の操作により測定モードが選択されたか否かを判定する(ステップS201)。より具体的には、制御部310は、使用者により図8の測定ボタン341bが操作されたか否かを判定する。制御部310は、測定モードが選択された場合、図1の表示部340に後述する図34の測定画面360を表示させる(ステップS202)。測定画面360においては、撮像部220により一定周期で取得される図2の測定領域Vの測定画像がリアルタイムに表示される。
次に、制御部310は、使用者の操作部330の操作により登録情報のファイルが指定されたか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、使用者により登録情報のファイル名の指定があったか否かを判定する。制御部310は、ファイルの指定がない場合、ファイルの指定を受けるまで待機状態となる。一方、制御部310は、ファイルの指定を受けると、指定された登録情報のファイルを記憶部320から読み込む(ステップS204)。なお、制御部310は、指定された登録情報のファイルが記憶部320に記憶されていない場合、指定されたファイルが存在しないことを示す情報を表示部340に表示してもよい。
次に、制御部310は、読み込んだ登録情報から登録された基準対象画像の情報を取得し、取得した基準対象画像を表示部340に表示される測定画像上に重畳表示する(ステップS205)。このとき、制御部310は、基準対象画像に加えてサーチ領域も取得する。なお、上記のように、基準対象画像の情報には、基準画像における当該基準対象画像の位置を示す情報も含まれる。そのため、基準対象画像は、設定モードで設定された位置と同じ位置で測定画像上に重畳表示される。
ここで、基準対象画像は半透明で表示されてもよい。この場合、使用者は、現在撮像されている測定対象物Sの測定対象画像と設定モード時に取得された測定対象物Sの基準対象画像とを容易に比較することができる。その上で、使用者は、光学定盤111上の測定対象物Sの位置決め作業を行うことができる。
次に、制御部310は、基準対象画像と測定対象画像との対比を行う(ステップS206)。具体的には、制御部310は、基準対象画像における測定対象物Sのエッジを基準エッジとして抽出するとともに、取得されたサーチ領域内で基準エッジに対応する形状のエッジが存在しないか否かをサーチする。
この場合、測定対象画像における測定対象物Sのエッジ部分が、最も基準エッジに類似すると考えられる。そこで、制御部310は、基準エッジに最も類似する測定対象画像の部分が検出されると、検出された部分が画像上で基準エッジからどれだけずれているのかを算出するとともに、検出された部分が画像上で基準エッジからどれだけ回転しているのかを算出する(ステップS207)。
次に、制御部310は、読み込んだ登録情報から登録された指定点の情報を取得し、取得された指定点に対応する目標点を設定する(ステップS208)。具体的には、指定点が非追従型である場合には、制御部310は、基準画像上の当該指定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標点を設定する。したがって、指定点が指定補正点である場合には、目標補正点が設定される。一方、指定点が追従型である場合には、制御部310は、算出されたずれ量および回転量に基づいて、測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が基準対象画像と当該指定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標点を設定する。
これらのステップS206〜S208の処理が、図10の目標点設定部20の機能に相当する。この構成によれば、測定画像における測定対象画像が基準画像における基準対象画像に対して変位または回転している場合でも、目標点を高い精度で容易に特定することができる。
次に、制御部310は、制御基板210に、目標補正点の実測定処理を指令するとともに、目標補正点の座標(Xc,Yc,Zc)を与える。それにより、制御基板210は、目標補正点の実測定処理を行うとともに(ステップS209)、実測定処理により特定された座標(Xb,Yb,Zb)を制御部310に与える。実測定処理の詳細は後述する。
次に、制御部310は、登録された基準面の情報と取得された座標(Xb,Yb,Zb)とに基づいて目標補正点の高さを算出する(ステップS210)。算出された目標補正点の高さは、記憶部320に記憶される。
次に、制御部310は、図1のタイマ315からの時間情報に基づいて、直近のステップS210の処理から予め定められた補正基準時間が経過したか否かを判定する(ステップS211)。補正基準時間が経過した場合、制御部310は、ステップS209に戻る。これにより、指定補正点の高さが再度算出され、記憶部320に記憶される。
補正基準時間が経過していない場合、制御部310は、設定されている全ての目標測定点の高さが算出されたか否かを判定する(ステップS212)。全ての目標測定点の高さが算出された場合、光走査高さ測定処理が測定モードで終了する。
全ての目標測定点の高さが算出されていない場合、制御部310は、制御基板210に、高さが算出されていないいずれかの目標測定点を対象として実測定処理を指令するとともに、その目標測定点の座標(Xc,Yc,Zc)を与える(図9(b)参照)。それにより、制御基板210は、対象の目標測定点の実測定処理を行うとともに(ステップS213)、実測定処理により特定された座標(Xb,Yb,Zb)を制御部310に与える。
次に、制御部310は、登録された基準面の情報と取得された座標(Xb,Yb,Zb)とに基づいて、目標測定点の高さを算出する(ステップS214)。次に、制御部310は、記憶部320に記憶されている指定補正点の高さに基づいて、対象の目標測定点の高さを補正する。目標測定点の高さの補正については後述する。補正後の目標測定点の高さは、記憶部320に記憶される。
次に、制御部310は、登録された他の情報に応じた各種処理を行う(ステップS216)。登録された他の情報に応じた各種処理として、例えば読み込んだ登録情報に許容値が含まれる場合には、高さの算出結果が許容値で設定される公差の範囲内であるか否かを判定する検査処理があってもよい。その後、ステップS211に戻る。
上記のステップS201において、測定モードが選択されない場合、制御部310は、使用者の操作部330の操作によりハイトゲージモードが選択されたか否かを判定する(ステップS221)。より具体的には、制御部310は、使用者により図8のハイトゲージボタン341cが操作されたか否かを判定する。制御部310は、ハイトゲージモードが選択されない場合、ステップS101の処理に戻る。
一方、制御部310は、ハイトゲージモードが選択された場合、図1の表示部340に後述する図24の設定画面350を表示させる(ステップS222)。その後、制御部310は、使用者の操作部330の操作に基づいて基準面の設定を行う(ステップS223)。この設定処理は、上記のステップS109〜S112の処理と同じである。
その後、制御部310は、指定測定点の指定を受けた場合、制御基板210に、指定測定処理を指令するとともに、画像上で指定された指定測定点により特定される平面座標(Ua,Va)を与える(図9(c)参照)。それにより、制御基板210は、指定測定処理を行う(ステップS224)。また、制御基板210は、指定測定処理により特定された座標(Xc,Yc,Zc)と位置変換情報とに基づいて図5の可動部252a,252bの位置および図7の反射部271b,272bの角度を調整して測定光を照射する(ステップS225)。
続いて、制御基板210は、図4の受光部232dから出力される受光信号、図5の可動部252a,252bの位置、および図7の偏向部271,272の偏向方向に基づいて、測定対象物S上で測定光が照射される部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出し、制御部310に与える(ステップS226)。
なお、制御基板210は、上記のステップS225において、図4の受光部232dから出力される受光信号、図5の可動部252a,252bの位置、および図1の撮像部220により取得される画像上の測定光の照射位置を示す平面座標に基づいて、測定対象物S上で測定光が照射される部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出してもよい。
次に、制御部310は、設定された基準面の情報を取得し、基準面と取得された座標(Xb,Yb,Zb)とに基づいて測定対象物S上で測定光が照射される部分の高さを算出し、算出結果を測定結果として表示部340に表示する。例えば、制御部310は、基準面が平面である場合、取得された座標(Xb,Yb,Zb)を通る基準面の垂線を引いたときの基準面から座標(Xb,Yb,Zb)までの垂線の長さを高さとして算出し、算出結果を測定結果として表示部340に表示する。また、制御部310は、撮像部220により取得される画像上の測定光の照射位置を示す平面座標または画像上で指定された指定測定点により特定される平面座標に、指定測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さを算出できたことを示す緑色の「+」印を表示部340に表示する(ステップS227)。
続いて、制御部310は、使用者の操作部330の操作により追加の指定測定点が指定されたか否かを判定する(ステップS228)。追加の指定測定点が指定された場合、制御部310は、ステップS224の処理に戻る。これにより、追加の指定測定点が指定されなくなるまでステップS224〜S228の処理が繰り返される。追加の指定測定点が指定されない場合、光走査高さ測定処理がハイトゲージモードで終了する。
上記のハイトゲージモードによれば、使用者は、画像上で指定基準点を指定することにより、基準面を指定することができる。また、使用者は、指定測定点を画面上で指定することにより、高さの測定結果を取得することができる。さらに、使用者は、複数の指定測定点を指定することにより、引き続き基準面を維持したまま測定を継続することができる。
(9)指定測定処理の一例
図17および図18は、制御基板210による指定測定処理の一例を示すフローチャートである。図19および図20は、図17および図18の指定測定処理を説明するための説明図である。図19(a),(b),(c)および図20(a),(b)の各々では、左側に光学定盤111上に載置される測定対象物Sと撮像部220および走査部270との位置関係が側面図で示されるとともに、右側に撮像部220の撮像により表示部340に表示される画像(基準画像)が示される。表示部340に表示される画像には、測定対象物Sの画像SIが含まれる。以下の説明では、表示部340に表示される画像上の平面座標を画面座標と呼ぶ。
図17および図18は、制御基板210による指定測定処理の一例を示すフローチャートである。図19および図20は、図17および図18の指定測定処理を説明するための説明図である。図19(a),(b),(c)および図20(a),(b)の各々では、左側に光学定盤111上に載置される測定対象物Sと撮像部220および走査部270との位置関係が側面図で示されるとともに、右側に撮像部220の撮像により表示部340に表示される画像(基準画像)が示される。表示部340に表示される画像には、測定対象物Sの画像SIが含まれる。以下の説明では、表示部340に表示される画像上の平面座標を画面座標と呼ぶ。
制御基板210は、制御部310から指定測定処理の指令を受けることにより、指定測定処理を開始する。そこで、制御基板210は、制御部310から指令とともに与えられる画面座標(Ua,Va)を取得する(ステップS301)。
図19(a)の右側においては、表示部340に表示される画像上に画面座標(Ua,Va)が示される。また、図19(a)の左側においては、画面座標(Ua,Va)に対応する測定対象物Sの部分が点P0で示される。
ステップS301において、画面座標(Ua,Va)に対応する点P0の座標のうちZ軸の成分(高さ方向の成分)は不明である。そこで、制御基板210は、使用者により指定された点P0のZ軸の成分を「Za」と仮定する(ステップS302)。この場合、図19(b)に示すように、仮定されるZ軸の成分は、実際に指定された点P0のZ軸の成分に一致するとは限らない。
次に、制御基板210は、上記の座標変換情報に基づいてZ軸の成分が仮定された「Za」であるときの画面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xa,Ya)を算出する(ステップS303)。それにより、図19(b)に示すように、画面座標(Ua,Va)および仮定されたZ軸の成分に対応する仮想点P1の座標(Xa,Ya,Za)が得られる。なお、本例では、「Za」は図2の測定領域V内のZ方向における中間位置とする。
次に、制御基板210は、ステップS303の処理により得られる座標(Xa,Ya,Za)および位置変換情報に基づいて図5の可動部252a,252bの位置および図7の反射部271b,272bの角度を調整して測定光を照射する(ステップS304)。
この場合、ステップS302で仮定されるZ軸の成分が実際に指定された点P0のZ軸の成分から大きくずれていると、図19(c)の左側の側面図に示すように、測定対象物S上の測定光の照射位置が実際に指定された点P0から大きくずれる。そこで、以降の処理が行われる。
ステップS304の処理により、撮像部220により取得される画像上には、走査部270から測定対象物Sに照射される測定光の照射部分(光スポット)が現れる。この場合、測定光の照射部分の画面座標は画像処理等を用いて容易に検出することができる。図19(c)の右側の図では、表示部340に表示される画像上に現れる測定光の照射部分(光スポット)が丸印で示される。
制御基板210は、ステップS304の処理後、撮像部220により取得される画像上で測定光の照射位置を示す平面座標を画面座標(Uc,Vc)として検出するとともに、図7の反射部271b,272bの角度から測定光の偏向方向を検出する(ステップS305)。
次に、制御基板210は、検出された画面座標(Uc,Vc)および偏向方向に基づいて測定対象物Sまたは光学定盤111上の測定光の照射位置P2の座標を座標(Xc,Yc,Zc)とする(ステップS306)。
ここで、図19(c)に示すように、照射位置P2が点P0からずれていると、画面座標(Uc,Vc)も画面座標(Ua,Va)からずれる。そこで、制御基板210は、画面座標(Ua,Va)に対する検出された画面座標(Uc,Vc)の誤差(Ua−Uc,Va−Vc)を算出するとともに、算出された誤差が予め定められた判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS307)。このとき用いられる判定範囲は、使用者により設定可能であってもよいし、光走査高さ測定装置400の工場出荷時に予め設定されていてもよい。
ステップS307において、誤差(Ua−Uc,Va−Vc)が予め定められた判定範囲内である場合、制御基板210は、直前のステップS306で定められた座標(Xc,Yc,Zc)を使用者により指定された座標として特定し(ステップS308)、指定測定処理を終了する。その後、制御基板210は、特定された座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。
ステップS307において、誤差(Ua−Uc,Va−Vc)が予め定められた判定範囲外である場合、制御基板210は、上記の誤差(Ua−Uc,Va−Vc)に基づいて測定光の偏向方向を調整する(ステップS309)。具体的には、例えばX軸およびY軸に対応する画面座標上の誤差と反射部271b,272bの調整すべき角度との関係を誤差対応関係として予め記憶部320に記憶させておく。その上で、制御基板210は、図20(a)に白抜きの矢印で示すように、算出された誤差(Ua−Uc,Va−Vc)と誤差対応関係とに基づいて測定光の偏向方向を微調整する。
その後、制御基板210は、ステップS305の処理に戻る。それにより、測定光の偏向方向が微調整された上で再度ステップS305〜S307の処理が行われる。その結果、最終的に、図20(b)に示すように、誤差(Ua−Uc,Va−Vc)が判定範囲内となることにより、指定点に対応する座標(Xc,Yc,Zc)が特定される。
本例では、照射位置P2の座標(Xc,Yc,Zc)の座標がステップS306の処理により算出されるが、本発明はこれに限定されない。照射位置P2の座標(Xc,Yc,Zc)は、後述する図21および図22の指定測定処理におけるステップS405,S406の処理により算出されてもよい。
(10)指定測定処理の他の例
図21および図22は、制御基板210による指定測定処理の他の例を示すフローチャートである。図23は、図21および図22の指定測定処理を説明するための説明図である。図23(a),(b)の各々では、左側に光学定盤111上に載置される測定対象物Sと撮像部220および走査部270との位置関係が側面図で示されるとともに、右側に撮像部220の撮像により表示部340に表示される画像(測定画像)が示される。
図21および図22は、制御基板210による指定測定処理の他の例を示すフローチャートである。図23は、図21および図22の指定測定処理を説明するための説明図である。図23(a),(b)の各々では、左側に光学定盤111上に載置される測定対象物Sと撮像部220および走査部270との位置関係が側面図で示されるとともに、右側に撮像部220の撮像により表示部340に表示される画像(測定画像)が示される。
指定測定処理が開始されると、制御基板210は、制御部310から指令とともに与えられる画面座標(Ua,Va)を取得する(ステップS401)。続いて、制御基板210は、上記のステップS302の処理と同様に、使用者により指定された点P0のZ軸の成分を「Za」と仮定する(ステップS402)。この場合、図19(b)の例と同様に、仮定されるZ軸の成分は、実際に指定された点P0のZ軸の成分に一致するとは限らない。
次に、制御基板210は、上記のステップS303の処理と同様に、Z軸の成分が仮定された「Za」であるときの画面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xa,Ya)を算出する(ステップS403)。また、制御基板210は、上記のステップS304の処理と同様に、ステップS403の処理により得られる仮想点P1の座標(Xa,Ya,Za)および位置変換情報に基づいて図5の可動部252a,252bの位置および図7の反射部271b,272bの角度を調整して測定光を照射する(ステップS404)。ステップS404において、使用者により指定される点P0と測定対象物Sに照射される測定光の照射位置との関係は、上記の図19(c)の状態と同じである。その後、測定対象物S上の測定光の照射位置が実際に指定された点P0に一致するかまたは近づくように、以降の処理が行われる。
まず、制御基板210は、図5の可動部252a,252bの位置を検出するとともに、図7の反射部271b,272bの角度から測定光の偏向方向を検出する(ステップS405)。
次に、制御基板210は、直前のステップS405で検出された可動部252a,252bの位置と図4の受光部232dにより取得される受光信号とに基づいて測定光の出射位置と測定対象物Sにおける測定光の照射位置との間の距離を算出する。また、制御基板210は、算出された距離および直前のステップS405で検出された測定光の偏向方向に基づいて測定対象物Sまたは光学定盤111上の測定光の照射位置P2の座標を座標(Xc,Yc,Zc)とする(ステップS406)。
上記のステップS406の処理により、測定光の照射位置P2のZ軸の成分「Zc」は、使用者により指定された点P0のZ軸の成分に一致するかまたは近い値であると推定される。そこで、制御基板210は、座標変換情報に基づいてZ軸の成分が仮定された「Zc」であるときの画面座標(Ua,Va)に対応する平面座標(Xa’,Ya’)を算出する(ステップS407)。それにより、図23(a)に示すように、画面座標(Ua,Va)および仮定されたZ軸の成分に対応する仮想点P3の座標(Xa’,Ya’,Zc)が得られる。
次に、制御基板210は、仮想点P3の平面座標(Xa’,Ya’)に対する照射位置P2の平面座標(Xc,Yc)の誤差(Xa’−Xc,Ya’−Yc)を算出するとともに、算出された誤差が予め定められた判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS408)。このとき用いられる判定範囲は、使用者により設定可能であってもよいし、光走査高さ測定装置400の工場出荷時に予め設定されていてもよい。
ステップS408において、誤差(Xa’−Xc,Ya’−Yc)が予め定められた判定範囲内である場合、制御基板210は、直前のステップS406で定められた照射位置P2の座標(Xc,Yc,Zc)を使用者により指定された座標として特定し(ステップS409)、指定測定処理を終了する。その後、制御基板210は、特定された座標(Xc,Yc,Zc)を制御部310に与える。
ステップS408において、誤差(Xa’−Xc,Ya’−Yc)が予め定められた判定範囲外である場合、制御基板210は、直前のステップS407で得られた仮想点P3の座標(Xa’,Ya’,Zc)を上記のステップS404で測定光の照射対象となる座標(Xa,Ya,Za)とする(ステップS410)。その後、制御基板210は、上記のステップS404の処理に戻る。
それにより、測定光の偏向方向が変更された上で再度ステップS404〜S408の処理が行われる。その結果、最終的に、図23(b)に示すように、誤差(Xa’−Xc,Ya’−Yc)が判定範囲内となることにより、指定点に対応する座標(Xc,Yc,Zc)が特定される。
本例では、照射位置P2の座標(Xc,Yc,Zc)の座標がステップS405,S406の処理により算出されるが、本発明はこれに限定されない。照射位置P2の座標(Xc,Yc,Zc)の座標は、図17および図18の指定測定処理におけるステップS306の処理により算出されてもよい。
(11)実測定処理
制御基板210は、制御部310から実測定処理の指令を受けることにより、実測定処理を開始する。実測定処理が開始されると、制御基板210は、まず制御部310から指令とともに与えられる座標(Xc,Yc,Zc)を取得する。
制御基板210は、制御部310から実測定処理の指令を受けることにより、実測定処理を開始する。実測定処理が開始されると、制御基板210は、まず制御部310から指令とともに与えられる座標(Xc,Yc,Zc)を取得する。
ここで、設定モードで設定された指定点の座標(Xc,Yc,Zc)と位置変換情報とに基づいて測定光を照射しても、測定モードで測定される測定対象物Sの形状によっては、測定対象物S上の測定光の照射位置の指定点の座標から大きくずれる場合がある。
例えば、目標点に対応する測定対象物Sの部分のZ軸の成分が「Zc」から大きくずれていると、測定光の照射位置の平面座標も設定された指定点の平面座標(Xc,Yc)から大きくずれる。そこで、実測定処理では、測定光の照射位置の平面座標が指定点の平面座標(Xc,Yc)から一定の範囲内に収まるように調整される。
具体的には、制御基板210は、例えば取得された目標点の座標(Xc,Yc,Zc)に対応する画面座標を(Ua,Va)とした上で、取得された目標点の座標(Xc,Yc,Zc)を図17のステップS303の処理で得られる仮想点P1の座標(Xa,Ya,Za)とする。次に、制御基板210は、図17および図18のステップS304〜S308の処理を行う。続いて、制御基板210は、ステップS308の処理で特定された座標(Xc,Yc,Zc)と位置変換情報とに基づいて図5の可動部252a,252bの位置および図7の反射部271b,272bの角度を調整して測定光を照射する。
続いて、制御基板210は、図4の受光部232dから出力される受光信号、図5の可動部252a,252bの位置、および図7の偏向部271,272の偏向方向に基づいて、測定対象物S上で測定光が照射される部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出し、制御部310に与える。それにより、実測定処理が終了する。なお、制御基板210は、図4の受光部232dから出力される受光信号、図5の可動部252a,252bの位置、および図1の撮像部220により取得される画像上の測定光の照射位置を示す平面座標に基づいて、測定対象物S上で測定光が照射される部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出してもよい。
あるいは、制御基板210は、以下のように実測定処理を実行してもよい。制御基板210は、例えば取得された目標点の座標(Xc,Yc,Zc)に対応する画面座標を(Ua,Va)とした上で、取得された目標点の座標(Xc,Yc,Zc)を図21のステップS403の処理で得られる仮想点P1の座標(Xa,Ya,Za)とする。次に、制御基板210は、図21および図22のステップS404〜S409の処理を行う。続いて、制御基板210は、ステップS408の処理で特定された座標(Xc,Yc,Zc)と位置変換情報とに基づいて図5の可動部252a,252bの位置および図7の反射部271b,272bの角度を調整して測定光を照射する。
その後、制御基板210は、上記の例と同様に、図4の受光部232dから出力される受光信号、図5の可動部252a,252bの位置、および図7の偏向部271,272の偏向方向に基づいて、測定対象物S上で測定光が照射される部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出し、制御部310に与える。または、制御基板210は、図4の受光部232dから出力される受光信号、図5の可動部252a,252bの位置、および図1の撮像部220により取得される画像上の測定光の照射位置を示す平面座標に基づいて、測定対象物S上で測定光が照射される部分の三次元座標(Xb,Yb,Zb)を算出し、制御部310に与える。
(12)設定モードおよび測定モードを用いた操作例
図24〜図30は、設定モードにおける光走査高さ測定装置400の操作例を説明するための図である。以下では、光走査高さ測定装置400の使用者を測定管理者と測定作業者とに区別して説明する。
図24〜図30は、設定モードにおける光走査高さ測定装置400の操作例を説明するための図である。以下では、光走査高さ測定装置400の使用者を測定管理者と測定作業者とに区別して説明する。
まず、測定管理者は、高さ測定の基準となる測定対象物Sを光学定盤111上に位置決めし、図1の操作部330を用いて図8の設定ボタン341aを操作する。それにより、光走査高さ測定装置400が設定モードの動作を開始する。この場合、例えば図24に示すように、図1の表示部340に設定画面350が表示される。設定画面350は、画像表示領域351およびボタン表示領域352を含む。画像表示領域351には、現在撮像されている測定対象物Sの画像を含む基準画像RIが表示される。図24〜図30の各図および後述する図31〜図36の各図では、画像表示領域351に表示される基準画像RIおよび後述する測定画像MIのうち測定対象物Sの形状を示す輪郭が太い実線で示される。
設定モードの開始時点には、ボタン表示領域352に、サーチ領域ボタン352a、基準対象画像ボタン352bおよび設定完了ボタン352cが表示される。測定管理者は、例えばサーチ領域ボタン352aを操作し、画像表示領域351上でドラッグ操作等を行う。それにより、図24に点線で示すようにサーチ領域SRを設定する。また、測定管理者は、例えば基準対象画像ボタン352bを操作し、画像表示領域351上でドラッグ操作等を行う。それにより、図24に一点鎖線で示すように基準対象画像PIを設定することができる。
測定管理者は、サーチ領域SRおよび基準対象画像PIの設定を行った後、設定完了ボタン352cを操作する。それにより、サーチ領域SRおよび基準対象画像PIの設定が完了するとともに、設定画面350の表示態様が図25に示すように切り替わる。具体的には、画像表示領域351において、設定されたサーチ領域SRおよび基準対象画像PIを示す指標が除去される。また、ボタン表示領域352において、図24のサーチ領域ボタン352aおよび基準対象画像ボタン352bに代えて、点指定ボタン352dおよび基準面設定ボタン352eが表示される。
測定管理者は、点指定ボタン352dを操作し、画像表示領域351上でクリック操作等を行う。それにより、図26に「+」印で示すように1または複数(本例では4つ)の指定基準点が指定される。その後、測定管理者は、基準面設定ボタン352eを操作する。それにより、指定された1または複数の指定基準点を含む基準面が設定され、図27に二点鎖線で示すように、画像表示領域351に設定された基準面RFを示す指標が表示される。ここで、4以上の指定基準点が指定される場合には、4以上の全ての指定基準点が必ずしも基準面RFに含まれる必要はない。この場合、基準面RFは、例えば複数の指定基準点との間の距離が全体的に小さくなるように設定される。同様に、基準面を決定するための基準面拘束条件が定められている場合、例えば、基準面が載置面に平行であること、または基準面が予め記憶された他の面と平行であること等の条件が定められている場合において、2以上の指定基準点が指定される場合には、2以上の全ての指定基準点が必ずしも基準面RFに含まれる必要はない。なお、基準面RFは、点指定ボタン352dおよび基準面設定ボタン352eの操作が繰り返されることにより複数設定されてもよい。
その後、測定管理者は、設定完了ボタン352cを操作する。それにより、基準面RFの設定が完了するとともに、設定画面350の表示態様が図28に示すように切り替わる。具体的には、画像表示領域351において、基準面RFの設定に用いられた1または複数の指定基準点を示す指標が除去される。また、ボタン表示領域352において、図27の基準面設定ボタン352eに代えて、型指定ボタン352fおよび許容値ボタン352gが表示される。
測定管理者は、点指定ボタン352dを操作し、画像表示領域351上でクリック操作等を行う。それにより、図29に「+」印で示すように、指定測定点が指定される。このとき、複数の基準面RFが設定されている場合、指定された指定測定点の基準となる基準面RFとして設定された複数の基準面RFの中から一の選択を受け付ける。また、指定された指定測定点について、上記の指定測定処理が行われ、指定測定点の測定点高さを算出できたときには、その高さが画像表示領域351上に表示される。このとき「+」印の色を例えば緑色に変化させることにより、高さを算出できたことを示してもよい。
一方、指定された指定測定点について、上記の指定測定処理が行われ、高さを算出できないときには、「FAIL」等のエラーメッセージが画像表示領域351上に表示されてもよい。このとき「+」印の色を例えば赤色に変化させることにより、高さを算出できないことを示してもよい。
複数の指定測定点が指定されている場合、測定経路情報を指定可能であってもよい。例えば、複数の指定測定点の指定順通りに測定経路を設定する、あるいは、測定時間の短縮のために、複数の指定測定点の位置に基づいて、最短の測定経路が導出されてもよい。指定測定点の指定時に、測定管理者は、さらに許容値ボタン352gを操作することにより、指定測定点ごとに許容値として設計値および公差を設定することができる。
また、測定管理者は、型指定ボタン352fを操作することにより、指定点ごとに非追従型であるか追従型であるかの区別を指定することができる。具体的には、型指定ボタン352fが指定されると、図30に示すように、ボタン表示領域352に複数のチェックボックスCBおよび戻るボタンRBが表示される。複数のチェックボックスCBは、複数の指定点にそれぞれ対応する。測定管理者は、所望のチェックボックスCBを操作することにより、対応する指定点の型を非追従型と追従型とで切り替えることができる。なお、本例においては、チェックボックスCBがオン状態である場合、対応する指定点が追従型に指定される。図30の例では、4つの指定基準点が非追従型に指定され、2つの指定測定点が追従型に指定されている。
ボタン表示領域352には、全部のチェックボックスCBを一律にオン状態にするためのボタンおよび全部のチェックボックスCBを一律にオフ状態にするためのボタンが設けられてもよい。測定管理者は、指定した非追従型の指定点の1つを指定補正点に設定することができる。また、測定管理者は、戻るボタンRBを操作することにより、設定画面350の表示を図30から図29に戻すことができる。
最後に、測定管理者は、設定完了ボタン352cを操作する。それにより、複数の指定測定点および許容値を含む一連の情報が互いに関連付けられて登録情報として記憶部320に記憶される。このとき、登録情報は、特定のファイル名が付与される。なお、このファイル名は、測定管理者により設定可能であってもよい。
図26〜図30に示すように、基準画像RIには、測定管理者により指定された指定点の位置を示す指標「+」が重畳表示される。これにより、測定管理者は、測定対象物Sの基準画像RI上に重畳表示された指標を視認することにより、指定された指定点を容易に確認することができる。ここで、本発明においては、設定モードにおける指定点の設定の順は上記の例に限定されない。指定点の設定は、以下のように行われてもよい。
図31〜図33は、設定モードにおける光走査高さ測定装置400の他の操作例を説明するための図である。本例では、サーチ領域SRおよび基準対象画像PIの設定後、図31に示すように、ボタン表示領域352に、設定完了ボタン352c、点指定ボタン352d、基準面設定ボタン352e、型指定ボタン352f、許容値ボタン352g、基準点設定ボタン352hおよび測定点設定ボタン352iが表示される。
この状態で、測定管理者は、点指定ボタン352dを操作し、画像表示領域351上でクリック操作等を行う。このとき、測定管理者は、図31に「+」印で示すように、複数(本例では6つ)の指定点を指定する。
次に、測定管理者は、指定した指定点ごとに、基準点設定ボタン352hまたは測定点設定ボタン352iを操作することにより、当該指定点を指定基準点として用いるのか指定測定点として用いるのかを決定する。さらに、測定管理者は、1または複数の指定点を指定基準点として決定した後、基準面設定ボタン352eを操作する。それにより、図32に示すように、画像表示領域351に点線の「+」印で示すように1または複数(本例では4つ)の指定基準点が表示される。また、二点鎖線で示すように1または複数の指定基準点に基づく基準面が表示される。さらに、実線の「+」印で示すように1または複数(本例では2つ)の指定測定点が表示される。型指定ボタン352fを操作することにより、各指定点の型を指定することができる。
その後、図33に示すように、指定された指定測定点の高さが画像表示領域351上に表示される。このとき、測定管理者は、上記の例と同様に、許容値ボタン352gを操作することにより、指定測定点ごとに許容値として設計値および公差を設定することができる。最後に、測定管理者は、設定完了ボタン352cを操作する。
図34〜図36は、測定モードにおける光走査高さ測定装置400の操作例を説明するための図である。測定作業者は、高さ測定の対象となる測定対象物Sを光学定盤111上に位置決めし、図1の操作部330を用いて図8の測定ボタン341bを操作する。それにより、光走査高さ測定装置400が測定モードの動作を開始する。この場合、例えば図34に示すように、図1の表示部340に測定画面360が表示される。測定画面360は、画像表示領域361およびボタン表示領域362を含む。画像表示領域361には、現在撮像されている測定対象物Sの画像が測定画像MIとして表示される。
測定モードの開始時点には、ボタン表示領域362に、ファイル読込ボタン362aが表示される。測定作業者は、ファイル読込ボタン362aを操作することにより、測定管理者に指示されたファイル名を選択する。それにより、光学定盤111に載置された測定対象物Sに対応する高さ測定の登録情報が読み込まれる。
登録情報が読み込まれると、図35に示すように、画像表示領域361の測定画像MI上に、読み込まれた登録情報に対応する基準対象画像PIが半透明の状態で重畳表示される。また、ボタン表示領域362に測定ボタン362bが表示される。この場合、測定作業者は、基準対象画像PIを参照しつつ光学定盤111上で測定対象物Sをより適切な位置に位置決めすることができる。
その後、測定作業者は、測定対象物Sのより正確な位置決め作業を行った後、測定ボタン362bを操作する。それにより、読み込まれた登録情報の複数の指定点にそれぞれ対応する複数の目標点が設定される。また、複数の目標測定点にそれぞれ対応する測定対象物Sの複数の部分の基準面からの高さが測定される。また、読み込まれた登録情報に許容値が含まれる場合には、その許容値に基づいて目標測定点の対応部分の良否判定が行われる。
その結果、図36に示すように、画像表示領域361上に、設定されている目標測定点の高さが表示される。また、ボタン表示領域362上に、設定されている目標測定点の高さが表示されるとともに、許容値に基づく良否判定の結果が検査結果として表示される。
図37〜図39は、図35において設定される目標点の詳細を説明するための図である。図37の例においては、図24の基準画像RIの基準対象画像PIに対応する測定対象画像QIが測定画像MI上で特定される。また、測定画像MI上で6つの目標点P1〜P6が設定される。4つの目標点P1〜P4は、非追従型の指定基準点に対応する目標基準点である。2つの目標点P5,P6は、追従型の指定測定点に対応する目標測定点である。
この目標点の設定においては、図37に示すように、測定対象画像QIが基準対象画像PIに対して並進移動または回転移動している場合でも、測定対象画像QIの移動に追従して目標点P5,P6が移動する。これにより、測定画像MI上の所望の部分を測定することができる。また、目標点P1〜P4は移動しないので、常に同一の基準平面に基づいて測定画像MI上の所望の部分の高さを算出することができる。
なお、図38に示すように、測定対象画像QIが移動することにより非追従型の目標点(図38の例では目標点P3)に重なることがある。この場合、目標点P3に対応する部分に測定光が出射されず、測定対象物Sの部分に測定光が出射されることとなる。そのため、目標点P3に対応する部分の高さの代わりに、測定対象物Sにおける測定光の照射部分の高さが算出される。
このような場合でも、設定モードにおいて、各指定点の高さが予め算出されている。そこで、本実施の形態においては、測定モードにおける各目標点の高さが設定モードにおいて対応する指定点の高さから一定値以上乖離するときには、警告メッセージが出力される。これにより、測定作業者は、非追従型の目標点に測定対象画像QIが重なっていることを認識し、測定対象物Sの位置決め作業を再度行うことができる。
上記の例では、指定基準点が非追従型に指定され、指定測定点が追従型に指定されるが、本発明はこれに限定されない。複数の指定点の型は個別に指定可能である。図39の例では、全部の指定点が追従型に指定されている。ここで、いずれか目標点(図39の例では目標点P3)が測定領域Vの外に位置すると、当該目標点に対応する部分の高さを算出することができない。
このような場合でも、本実施の形態においては、目標点に対応する部分の高さを算出できないときには、エラーメッセージが出力される。これにより、測定作業者は、追従型の目標点が測定領域Vの外に位置していることを認識し、測定対象物Sの位置決め作業を再度行うことができる。上記の警告メッセージまたはエラーメッセージは、表示部340に表示されてもよいし、光走査高さ測定装置400が音声出力装置を有する場合には音声として出力されてもよい。
(13)目標測定点の高さの補正
目標補正点の高さに基づく目標測定点の高さの補正について説明する。図40は、目標測定点の高さの補正の具体例について説明するための図である。図40において、横軸は時間を表し、縦軸は目標測定点および目標補正点の高さを表す。図40の上部に補正前の目標測定点および目標補正点の高さが示され、図40の下部に補正後の目標測定点の高さが示される。目標測定点の高さは「●」で表され、目標補正点の高さは「△」で表される。
目標補正点の高さに基づく目標測定点の高さの補正について説明する。図40は、目標測定点の高さの補正の具体例について説明するための図である。図40において、横軸は時間を表し、縦軸は目標測定点および目標補正点の高さを表す。図40の上部に補正前の目標測定点および目標補正点の高さが示され、図40の下部に補正後の目標測定点の高さが示される。目標測定点の高さは「●」で表され、目標補正点の高さは「△」で表される。
図40の例では、時点t1,t2,t3において目標補正点APの高さH1,H2,H3がそれぞれ算出される。この場合、時点t1から時点t2までの時間および時点t2から時点t3までの時間ATがそれぞれ補正基準時間に相当する。上記のように、周辺温度の影響等によって各部材の寸法または部材間の距離が変動することにより、同じ目標補正点APであっても、算出される高さが変化する。
本例では、最初に算出された目標補正点の高さが補正基準値に設定される。その後、目標測定点の高さが算出されるごとに、直近の目標補正点の高さと補正基準値との差分値(以下、補正差分値と呼ぶ。)に基づいて目標測定点の高さが補正される。
具体的には、時点t1で算出される目標補正点APの高さH1が補正基準値に設定される。時点t1と時点t2との間の時点t11,t12,t13において、目標測定点MP11,MP12,MP13の高さH11,H12,H13が順次算出される。時点t1から時点t2までの期間においては、直近で算出された目標補正点の高さH1が補正基準値であるため、補正差分値は0に設定される。この場合、目標測定点MP11,MP12,MP13のH11,H12,H13は、算出された値に維持される。
時点t2で算出される目標補正点APの高さH2と補正基準値(高さH1)との差分値はd1である。そのため、時点t2から時点t3までの期間においては、補正差分値がd1に設定される。時点t2と時点t3との間の時点t21,t22,t23において、目標測定点MP21,MP22,MP23の高さH21,H22,H23が順次算出される。この場合、補正差分値d1に基づいて、高さH21,H22,H23が補正される。具体的には、算出された高さH21,H22,H23から補正差分値d1がそれぞれ減算される。
時点t3で算出される目標補正点APの高さH3と補正基準値(高さH1)との差分値はd2である。そのため、時点t3から補正用基準時間が経過するまでの期間においては、補正差分値がd2に設定される。時点t3の後の時点t31,t32において、目標測定点MP31,MP32の高さH31,H32が順次算出される。この場合、補正差分値d2に基づいて、高さH31,H32が補正される。具体的には、算出された高さH31,H32から補正差分値d2がそれぞれ減算される。
このように、算出される目標補正点の高さの変位に基づいて、目標測定点の高さが順次補正される。この場合、時間の経過とともに生じる誤差が目標補正点の高さの変化として現れるので、その変化に基づいて目標測定点の高さを補正することにより、高さの誤差を容易にかつ効率よく低減させることができる。
補正方法は図40の例に限らない。例えば、目標補正点の高さの変化の線形近似を用いて高さが補正されてもよい。具体的には、目標補正点の高さの経時変化を表す一次関数が求められ、その一次関数を用いて、各目標測定点の測定時点における高さの変化量が推定される。これにより、各目標測定点の高さについて、その測定時点における高さの変化量を用いて補正することができる。これにより、各目標測定点の高さの補正の精度が高くなる。さらに補正の精度を高めるため、より高次の関数近似によって目標補正点の高さの変化位量が求められ、その変化量を用いて高さが補正されてもよい。
(14)変形例
上記実施の形態において、基準対象画像PIに類似する1つの測定対象画像QIが測定画像MI上に特定されるが、本発明はこれに限定されない。基準対象画像PIに類似する複数の測定対象画像QIが測定画像MI上に特定されてもよい。
上記実施の形態において、基準対象画像PIに類似する1つの測定対象画像QIが測定画像MI上に特定されるが、本発明はこれに限定されない。基準対象画像PIに類似する複数の測定対象画像QIが測定画像MI上に特定されてもよい。
図41は、変形例における測定画像MIを示す図である。図41の例においては、ウェルプレートWP上の複数の測定対象物Sが測定される。ウェルプレートWPは、複数(本例では3行×5列=15個)のウェルWを有する。各ウェルWに測定対象物Sが配置される。一部のウェルWには測定対象物Sが配置されなくてもよい。
図42は、変形例における基準画像RIを示す図である。図42の例においては、基準画像RI上に複数(本例では7個)の指定点が指定されている。なお、測定対象物S上に位置する3つの指定点は追従型の指定測定点であり、測定対象物Sの周囲に位置する4つの指定点は非追従型の指定基準点である。
図42の基準画像RI上の共通の基準対象画像PIを用いて、図41の測定画像MI上で複数の測定対象画像QIが特定される。なお、測定画像MIにおける所望の数の画像を測定対象画像QIとして特定することを容易にするために、測定対象画像QIの数が指定可能であってもよい。あるいは、測定対象画像QIの行の数および列の数が指定可能であってもよい。
指定された数より大きい数の測定対象画像QIが測定画像MI上に存在する場合には、類似度が大きい順に、指定された数だけ測定対象画像QIが特定されてもよい。一方で、指定された数より小さい数しか測定対象画像QIが測定画像MI上に存在しない場合には、指定された数より小さい数の測定対象画像QIが特定されてもよい。特定された測定対象画像QIの部分が枠等により使用者に識別可能に表示されてもよい。また、測定対象画像QIを特定する際の回転角度が制限されていてもよい。この場合、基準対象画像PIに対する回転角度が、制限された回転角度以下の測定対象画像QIのみが特定される。
測定画像MI上で特定された各測定対象画像QIについて、共通の基準対象画像PIに基づいて、追従型の指定点に対応する目標点が設定される。ここで、登録情報として、基準画像RI上に基準対象画像PIとは独立してウェルWの輪郭を示すウェル画像WIを指定することが可能である。これにより、基準画像RIにおける共通のウェル画像WIと各測定対象画像QIにおけるウェルWの輪郭を示す画像との比較に基づいて、各測定対象画像QIについて、非追従型の指定点に対応する目標点を設定することができる。なお、図42の例では各ウェルWは矩形状の輪郭を有するが、円形状等の輪郭を有してもよい。
設定された目標基準点に基づいて目標測定点に対応する各測定対象物Sの部分の高さが算出される。また、共通の許容値に基づいて、各測定対象物Sが検査される。各測定対象画像QIには、検査結果を示す指標が表示されてもよい。例えば、良品であると判定された測定対象物Sに対応する測定対象画像QIは緑色の枠で囲まれ、不良品であると判定された測定対象物Sに対応する測定対象画像QIは赤色の枠で囲まれてもよい。この構成によれば、複数の測定対象物Sにおける所望の共通の部分の形状を正確、容易にかつ短時間で測定および検査することができる。
図43は、変形例における基準画像RIの他の例を示す図である。図43の例においては、図42の基準画像RI上にウェル画像WIを指定することに代えて、各ウェルWに対応して1または複数の(本例では4個)の非追従型の指定基準点が指定される。また、共通の非追従型の指定基準点は指定されず、4個の非追従型の指定基準点が15組指定されることとなる。そのため、15個の基準平面が設定される。設定された各基準平面に基づいて、対応する目標測定点の高さが算出される。
(15)効果
本実施の形態に係る光走査高さ測定装置400においては、基準画像上で指定された指定点に対応して測定画像上に目標点が設定され、設定された目標点に対応する測定対象物Sの部分の高さが自動的に算出される。ここで、指定点が追従型である場合には、基準対象画像に対する測定対象画像の移動に追従して測定画像上に目標点が設定される。そのため、使用者は、指定点を追従型に指定することにより、光走査高さ測定装置400に対する位置および姿勢を正確に調整した状態で測定対象物Sを載置することなく所望の部分の高さを取得することができる。この場合、目標点の位置座標を予め用意する必要もない。
本実施の形態に係る光走査高さ測定装置400においては、基準画像上で指定された指定点に対応して測定画像上に目標点が設定され、設定された目標点に対応する測定対象物Sの部分の高さが自動的に算出される。ここで、指定点が追従型である場合には、基準対象画像に対する測定対象画像の移動に追従して測定画像上に目標点が設定される。そのため、使用者は、指定点を追従型に指定することにより、光走査高さ測定装置400に対する位置および姿勢を正確に調整した状態で測定対象物Sを載置することなく所望の部分の高さを取得することができる。この場合、目標点の位置座標を予め用意する必要もない。
一方で、指定点が非追従型である場合には、基準対象画像に対する測定対象画像の移動に追従せずに測定画像上に目標点が設定される。そのため、測定対象物Sの位置とは無関係に常に同一の部分を測定したい場合には、使用者は、指定点を非追従型に指定することにより、所望の部分の高さを容易に取得することができる。これらの結果、測定対象物Sの所望の部分の形状を正確かつ容易に測定することが可能になる。
(16)他の実施の形態
(a)図44は、他の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400の制御系410を示すブロック図である。図44の制御系410について、図10の制御系410と異なる点を説明する。図44に示すように、他の実施の形態においては、制御系410は、幾何要素取得部23および幾何要素算出部24をさらに含む。
(a)図44は、他の実施の形態に係る光走査高さ測定装置400の制御系410を示すブロック図である。図44の制御系410について、図10の制御系410と異なる点を説明する。図44に示すように、他の実施の形態においては、制御系410は、幾何要素取得部23および幾何要素算出部24をさらに含む。
設定モードにおいては、幾何要素取得部23は、位置情報取得部2により取得された指定測定点の位置に関する幾何要素の指定を受け付ける。ここで、指定測定点の位置に関する幾何要素とは、指定測定点に対応する測定対象物Sの部分の座標に基づいて算出可能な種々の要素であり、例えば測定対象物Sの所望の面の平坦度または測定対象物Sの複数の部分の距離もしくは角度を含む。指定された幾何要素に対応する許容値が許容値取得部7にさらに入力されてもよい。
登録部8は、幾何要素取得部23により受け付けられた幾何要素を指定測定点と関連付けて登録する。また、幾何要素に対応する許容値が許容値取得部7に入力された場合には、登録部8は、許容値取得部7により受け付けられた許容値を幾何要素と関連付けて登録する。座標算出部15は、登録部8に登録された幾何要素に関連する座標をさらに算出する。幾何要素算出部24は、座標算出部15により算出された幾何要素に関連する座標に基づいて、登録部8に登録された幾何要素の値を算出する。
測定モードにおいては、目標点設定部20は、登録部8により登録された登録情報に対応する幾何要素を測定画像にさらに設定する。座標算出部15は、目標点設定部20により設定された幾何要素に関連する座標をさらに算出する。幾何要素算出部24は、座標算出部15により算出された幾何要素に関連する座標に基づいて、目標点設定部20により設定された幾何要素を算出する。幾何要素の算出結果は、測定画像に重畳表示される。
この構成によれば、測定管理者が設定モードにおいて幾何要素を指定することにより、測定モードにおいて、測定作業者が熟練していない場合でも、測定対象物Sの対応部分の幾何要素の算出結果を画一的に取得することができる。これにより、測定対象物Sの平坦度または組み付け寸法等を含む種々の幾何要素を正確かつ容易に測定することが可能になる。
また、幾何要素に対応する許容値が登録部8に登録されている場合には、検査部21は、幾何要素算出部24により算出された幾何要素と登録部8に登録された許容値とに基づいて測定対象物Sをさらに検査する。具体的には、算出された幾何要素が設計値を基準とする公差の範囲内である場合には、検査部21は、測定対象物Sは良品であると判定する。一方、算出された幾何要素が設計値を基準とする公差の範囲外である場合には、検査部21は、測定対象物Sは不良品であると判定する。
報告書作成部22は、検査部21による検査結果と測定画像取得部18により取得された測定画像に基づいて図11の報告書420を作成する。この場合、報告書420には、高さ以外の種々の幾何要素の検査結果が記載される。図11の例においては、幾何要素として、測定対象物Sの部分の高さに加えて、平面度、段差および角度が記載されている。これにより、測定作業者は、測定対象物Sの組み付け寸法を検査することができるとともに、報告書420を用いて検査結果を測定管理者または他の使用者に容易に報告することができる。
(b)上記実施の形態において、基準画像は1つの基準対象画像を含むが、本発明はこれに限定されない。基準画像は、複数の基準対象画像を含んでもよい。この構成においては、追従型の各指定点が複数の基準対象画像のうちいずれの基準対象画像と対応付けられる。この場合、追従型の各指定点に対応付けられた基準対象画像に対応する測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が、当該指定点と当該指定点に対応付けられた基準対象画像との相対的な位置関係に一致するように測定画像上に目標点が設定される。
この構成によれば、測定対象物Sが複数の部材により形成され、部材間の位置関係が変化する場合でも、追従型の指定点を所望の部材に対応する基準対象画像に対応付けることができる。そのため、複数の基準対象画像のうち所望の基準対象画像に対する測定対象画像の移動に追従して測定画像上に目標点が設定される。これにより、測定対象物Sが複数の部材により形成される場合でも、測定対象物Sの所望の部分の形状を正確かつ容易に測定することができる。
(c)上記実施の形態において、光学定盤111は移動不可能に設置部110に固定されるが、本発明はこれに限定されない。光学定盤111は、例えば可動ステージにより設置部110に対して移動可能に設けられてもよい。この場合、光学定盤111を移動させることにより、より大きい寸法を有する測定対象物Sを適切に測定することができる。この構成においては、光学定盤111の移動に追従して光走査高さ測定装置400に固有の三次元座標系も移動する。したがって、光学定盤111が移動された場合でも、その移動量に基づいて追従型および非追従型の指定点に対応する目標点を設定することができる。
(d)上記実施の形態において、複数の指定測定点のうち非追従型が指定された指定測定点の1つが指定補正点として設定されるが、本発明はこれに限定されない。複数の指定基準点のうち非追従型が指定された指定基準点の1つが指定補正点として設定されてもよい。
(e)高さ算出部17は、光走査高さ測定装置400に定義された固有の三次元座標系における原点を基準とする測定対象物Sの部分の高さを算出してもよい。この場合、使用者は、固有の三次元座標系における測定対象物Sの部分の高さの絶対値を取得することができる。また、高さ算出部17は、基準面を基準とする高さの相対値を算出する相対値算出モードと、固有の三次元座標系における高さの絶対値を算出する絶対値算出モードとで選択的に動作可能であってもよい。絶対値算出モードにおいては、基準面が必要ないので、指定基準点が指定されてなくてもよい。
(f)高さ算出部17は、設定モードにおいて、指定測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さを算出できないときには、「FAIL」等のエラーメッセージを表示部340に表示させてもよい。この場合、測定管理者は、表示部340を視認することにより、指定測定点に対応する測定対象物Sの部分の高さが算出不可能であることを認識することができる。これにより、測定管理者は、測定対象物Sの部分の高さが算出可能になるように測定対象物Sまたは光走査高さ測定装置400の配置を変更するか、または指定する指定測定点の位置を変更することができる。
(g)光走査高さ測定装置400は、設定モードにおいて取得される基準画像または計測モードにおいて取得される測定画像に描画およびコメントを挿入可能に構成されてもよい。これにより、測定対象物Sの測定状況をより詳細に記録することができる。また、基準画像に挿入された描画およびコメントは、登録情報として登録されてもよい。
例えば、設定モードにおいて設定されたサーチ領域を示す枠線が基準画像に描画されてもよい。この場合、測定モードにおいては、測定画像に当該枠線が表示される。これにより、測定モードにおいて、測定作業者が測定画像に表示された枠線内に測定対象物Sが収まるように測定対象物Sを光学定盤111に載置することが容易になる。その結果、基準画像に対する測定画像のずれを効率的に特定することができる。
(h)基準画像取得部1は、取得した基準画像を画像処理することにより表示部340に鳥瞰表示させてもよい。同様に、測定画像取得部18は、取得した測定画像を画像処理することにより表示部340に鳥瞰表示させてもよい。
(i)上記実施の形態において、基準画像取得部1および測定画像取得部18は、撮像部220による測定対象物Sの撮像画像をそれぞれ基準画像および測定画像として取得するが、本発明はこれに限定されない。基準画像取得部1および測定画像取得部18は、予め準備された測定対象物SのCAD(Computer Aided Design)画像をそれぞれ基準画像および測定画像として取得してもよい。
あるいは、測定対象物Sの複数の部分に測定光が照射される場合には、高さ算出部17は、測定対象物Sの複数の部分の高さを算出可能である。そこで、基準画像取得部1および測定画像取得部18は、測定対象物Sの複数の部分の高さに基づいて、測定対象物Sの距離画像をそれぞれ基準画像および測定画像として取得してもよい。
基準画像としてCAD画像または距離画像が用いられる場合、測定管理者は、測定対象物Sの立体的な形状を認識しつつ、CAD画像または距離画像上で所望の指定基準点、指定測定点および指定補正点を正確に指定することができる。また、基準画像および測定画像として距離画像が用いられる場合には、当該距離画像は、分解能が低減されることにより高速に生成されてもよい。
(j)上記実施の形態において、測定作業者は、測定モードの開始時に登録情報のファイルを指定するが、本発明はこれに限定されない。例えば、登録情報のファイルに対応するID(Identification)タグが測定対象物Sに貼付されていてもよい。この場合、測定モードの開始時に測定対象物SとともにIDタグが撮像部220に撮像されることにより、当該タグに対応する登録情報のファイルが自動的に指定される。この構成によれば、測定作業者は、測定モードの開始時に登録情報のファイルを指定する必要がない。そのため、図15のステップS203の処理は省略される。
(k)上記実施の形態において、測定対象物Sの高さが分光干渉方式により算出されるが、本発明はこれに限定されない。測定対象物Sの高さは、白色干渉方式、共焦点方式、三角測距方式またはTOF(Time Of Flight)方式等の他の方式により算出されてもよい。
(l)上記実施の形態において、光走査高さ測定装置400の動作モードは複数の動作モードを含み、光走査高さ測定装置400は使用者により選択された動作モードで動作するが、本発明はこれに限定されない。光走査高さ測定装置400の動作モードは複数の動作モードを含まずに単一の動作モードのみを含み、光走査高さ測定装置400は当該動作モードで動作してもよい。例えば、光走査高さ測定装置400の動作モードはハイトゲージモードを含まず、光走査高さ測定装置400は、設定モードおよび測定モードで動作してもよい。また、光走査高さ測定装置400は、登録情報を外部から取得可能である場合、光走査高さ測定装置400の動作モードは設定モードを含まず、光走査高さ測定装置400は、測定モードで動作してもよい。
(m)上記実施の形態において、導光部240は光ファイバ241〜244およびファイバカプラ245を含むが、本発明はこれに限定されない。導光部240は、光ファイバ241〜244およびファイバカプラ245に代えてハーフミラーを含んでもよい。
(17)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
上記実施の形態においては、測定対象物Sが測定対象物の例であり、基準対象画像PIが基準対象画像の例であり、基準画像RIが基準画像の例であり、登録部8が情報受付部および登録情報生成部の例である。測定対象画像QIが測定対象画像の例であり、測定画像MIが測定画像の例であり、測定画像取得部18が測定画像取得部の例であり、型判定部19が型判定部の例であり、目標点設定部20が目標点設定部の例である。光出射部231が光出射部の例であり、偏向部271,272が偏向部の例であり、検出部10が検出部の例であり、受光部232dが受光部の例であり、駆動制御部5が駆動制御部の例であり、高さ算出部17が高さ算出部の例である。
光走査高さ測定装置400が光走査高さ測定装置の例であり、座標算出部15が座標算出部および第2の位置特定部の例であり、基準面取得部6が基準面取得部の例であり、補正点設定部4が補正点設定部の例である。撮像部220が撮像部の例であり、画像解析部11が第1の位置特定部の例であり、位置判定部16が第1および第2の位置判定部の例であり、基準画像取得部1が基準画像取得部の例であり、位置情報取得部2が位置情報取得部の例である。型指定部3が型指定部の例であり、可動ミラー254cが参照体の例であり、導光部240が導光部の例であり、読取部257a,257bが参照位置取得部の例であり、分光部232bが分光部の例である。
1…基準画像取得部,2…位置情報取得部,3…型指定部,4…補正点設定部,5…駆動制御部,6…基準面取得部,7…許容値取得部,8…登録部,9…偏向方向取得部,10…検出部,11…画像解析部,12…参照位置取得部,13…受光信号取得部,14…距離情報算出部,15…座標算出部,16…位置判定部,17…高さ算出部,18…測定画像取得部,19…型判定部,20…目標点設定部,21…検査部,22…報告書作成部,23…幾何要素取得部,24…幾何要素算出部,100…スタンド部,110…設置部,111…光学定盤,120…保持部,130…昇降部,131,255a,255b,264,271a,272a…駆動部,132,256a,256b,265,273,274…駆動回路,133,257a,257b,266,275,276…読取部,200…測定ヘッド,210…制御基板,220…撮像部,230…光学部,231…光出射部,232…測定部,232a,232c,246…レンズ,232b…分光部,232d…受光部,240…導光部,241〜244…光ファイバ,245…ファイバカプラ,245a〜245d…ポート,245e…本体部,250…参照部,251,261…固定部,251g…リニアガイド,252a,252b,262…可動部,253…固定ミラー,254a〜254c…可動ミラー,260…合焦部,263…可動レンズ,270…走査部,271,272…偏向部,271b,272b…反射部,300…処理装置,310…制御部,315…タイマ,320…記憶部,330…操作部,340…表示部,341…選択画面,341a…設定ボタン,341b,362b…測定ボタン,341c…ハイトゲージボタン,350…設定画面,351,361…画像表示領域,352,362…ボタン表示領域,352a…サーチ領域ボタン,352b…基準対象画像ボタン,352c…設定完了ボタン,352d…点指定ボタン,352e…基準面設定ボタン,352f…型指定ボタン,352g…許容値ボタン,352h…基準点設定ボタン,352i…測定点設定ボタン,360…測定画面,362a…ファイル読込ボタン,400…光走査高さ測定装置,410…制御系,420…報告書,421…名称表示欄,422…画像表示欄,423…状況表示欄,424…結果表示欄,425…保証表示欄,CB…チェックボックス,MI…測定画像,P1〜P6…目標点,PI…基準対象画像,QI…測定対象画像,RB…戻るボタン,RF…基準面,RI…基準画像,S…測定対象物,SI…画像,V…測定領域,WI…ウェル画像,WP…ウェルプレート
Claims (15)
- 測定対象物に対応する基準対象画像を含む基準画像、基準画像上に指定された指定点の位置を示す位置情報、および指定点が非追従型であるか追従型であるかを示す型情報を受け付ける情報受付部と、
測定対象物の画像を測定対象画像として含む測定画像を取得する測定画像取得部と、
前記情報受付部により受け付けられた型情報に基づいて指定点が非追従型であるか追従型であるかを判定する型判定部と、
前記情報受付部により受け付けられた基準画像と前記測定画像取得部により取得された測定画像との比較および前記情報受付部により受け付けられた位置情報に基づいて、基準画像上の指定点に対応する目標点を測定画像上に設定する目標点設定部と、
光を出射する光出射部と、
前記光出射部から出射された光を偏向して測定対象物に照射する偏向部と、
前記偏向部の偏向方向または前記偏向部により偏向された光の照射位置を検出する検出部と、
測定対象物からの光を受光し、受光量を示す受光信号を出力する受光部と、
目標点に対応する測定対象物の部分に光が照射されるように前記偏向部を制御する駆動制御部と、
前記検出部の検出結果と前記受光部により出力される受光信号とに基づいて、目標点に対応する測定対象物の部分の高さを算出する高さ算出部とを備え、
前記目標点設定部は、前記型判定部により指定点が非追従型であると判定された場合に、基準画像上の指定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標点を設定し、指定点が追従型であると判定された場合に、測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が基準対象画像と指定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標点を設定する、光走査高さ測定装置。 - 指定点は、1以上の指定測定点および1以上の指定基準点を含み、
型情報は、各指定測定点および各指定基準点が非追従型であるか追従型であるかを示し、
前記型判定部は、型情報に基づいて各指定測定点および各指定基準点が非追従型であるか追従型であるかを判定し、
前記目標点設定部は、各指定測定点が非追従型であると判定された場合に、基準画像上の当該指定測定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標測定点を設定し、各指定測定点が追従型であると判定された場合に、測定対象画像と目標測定点との相対的な位置関係が基準対象画像と当該指定測定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標測定点を設定し、各指定基準点が非追従型であると判定された場合に、基準画像上の当該指定基準点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標基準点を設定し、各指定基準点が追従型であると判定された場合に、測定対象画像と目標基準点との相対的な位置関係が基準対象画像と当該指定基準点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標基準点を設定し、
前記駆動制御部は、前記目標点設定部により設定された1以上の目標測定点および1以上の目標基準点にそれぞれ対応する測定対象物の部分に光が順次照射されるように前記偏向部を制御し、
前記光走査高さ測定装置は、
前記検出部の検出結果と前記受光部により出力される受光信号とに基づいて、1以上の目標測定点および1以上の目標基準点にそれぞれ対応する座標を算出する座標算出部と、
前記座標算出部により算出された1以上の目標基準点に対応する座標に基づいて基準面を取得する基準面取得部とをさらに備え、
前記高さ算出部は、前記座標算出部により算出された1以上の目標測定点に対応する座標に基づいて、前記基準面取得部により取得された基準面を基準とする測定対象物の1以上の部分の高さを算出する、請求項1記載の光走査高さ測定装置。 - 位置情報は、複数の指定点の位置を示し、
前記光走査高さ測定装置は、
基準画像上の複数の指定点のうち非追従型の指定点の1つに対応する目標点を目標補正点として設定する補正点設定部をさらに備え、
前記駆動制御部は、予め定められた割り込み条件が満たされるごとに前記補正点設定部により設定された目標補正点に対応する測定対象物の部分に光が照射されるように前記偏向部を制御し、
前記高さ算出部は、割り込み条件が満たされるごとに目標補正点に対応する高さを算出し、割り込み条件が満たされる前後における目標補正点に対応する高さの変化に基づいて他の目標測定点に対応する測定対象物の部分の高さを補正する、請求項2記載の光走査高さ測定装置。 - 割り込み条件は、時間、光の照射回数、および光の照射位置の移動距離のうち少なくとも1つに関する条件を含む、請求項3記載の光走査高さ測定装置。
- 基準画像は、複数の基準対象画像を含み、
位置情報は、複数の追従型の指定点の位置を示し、
型情報は、追従型の各指定点と複数の基準対象画像のうちいずれかの基準対象画像との対応関係をさらに示し、
測定画像は、複数の基準対象画像にそれぞれ対応する複数の測定対象画像を含み、
前記目標点設定部は、追従型の各指定点に対応付けられた基準対象画像に対応する測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が、当該指定点と当該指定点に対応付けられた基準対象画像との相対的な位置関係に一致するように測定画像上に目標点を設定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。 - 測定画像は、共通の基準対象画像に類似する複数の測定対象画像を含み、
前記目標点設定部は、各測定対象画像と目標点との相対的な位置関係が、基準対象画像と追従型の指定点との相対的な位置関係と一致するように測定画像上に目標点を設定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。 - 予め定められた固有の座標系を有し、
前記目標点設定部は、固有の座標系における座標に基づいて基準画像上の非追従型の指定点の絶対位置に対応する測定画像上の位置に目標点を設定し、
前記高さ算出部は、固有の座標系における原点を基準として目標点に対応する測定対象物の部分の高さを算出する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。 - 前記目標点設定部は、測定画像を基準画像に対して相対的に並進移動または回転移動させることにより測定画像における測定対象画像を特定し、特定された測定対象画像に基づいて追従型の指定点に対応する目標点を設定する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。
- 前記目標点設定部は、基準画像に含まれる被写体のエッジ部分の形状と測定画像に含まれる被写体のエッジ部分の形状との比較に基づいて測定画像における測定対象画像を特定し、特定された測定対象画像に基づいて追従型の指定点に対応する目標点を設定する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。
- 前記高さ算出部は、目標点に対応する測定対象物の部分の高さを算出できないときにはエラーメッセージを出力する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。
- 前記高さ算出部は、目標点に対応する算出された測定対象物の部分の高さが予め定められた値から一定値以上乖離するときには警告メッセージを出力する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。
- 測定対象物および当該測定対象物に照射される光を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像画像における光の照射位置を特定する第1の位置特定部と、
前記第1の位置特定部により特定された光の照射位置が目標点から予め定められた範囲内にあるか否かを判定する第1の位置判定部とをさらに備え、
前記測定画像取得部は、前記撮像部により生成される画像を測定画像として取得し、
前記駆動制御部は、前記第1の位置判定部による判定結果に基づいて前記偏向部を制御する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。 - 前記検出部の検出結果と前記受光部により出力される受光信号とに基づいて光が照射される測定対象物上の平面位置を特定する第2の位置特定部と、
前記第2の位置特定部により特定された測定対象物上の平面位置が目標点に対応する位置から予め定められた範囲内にあるか否かを判定する第2の位置判定部とをさらに備え、
前記駆動制御部は、前記第2の位置判定部による判定結果に基づいて前記偏向部を制御する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。 - 設定モードと測定モードとで選択的に動作するように構成され、
設定モードにおいて、基準対象画像を含む基準画像を取得する基準画像取得部と、
設定モードにおいて、前記基準画像取得部により取得された基準画像上の指定点の指定を受け付けることにより位置情報を生成する位置情報取得部と、
設定モードにおいて、前記位置情報取得部により受け付けられた指定点が非追従型であるか追従型であるかの指定を受け付けることにより型情報を生成する型指定部と、
設定モードにおいて、前記基準画像取得部により取得された基準画像を示す基準画像データ、前記位置情報取得部により生成された位置情報および前記型指定部により生成された型情報を対応付けることにより登録情報を生成し、生成された登録情報を前記情報受付部に与える登録情報生成部とをさらに備え、
前記情報受付部、前記測定画像取得部、前記型判定部、前記目標点設定部、前記検出部、前記駆動制御部および前記高さ算出部は、測定モードにおいて動作する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。 - 第1の移動軸に沿って移動可能に配置された参照体と、
前記光出射部により出射された光を測定光として前記偏向部に導くとともに前記光出射部により出射された光を参照光として前記参照体に導き、前記偏向部で反射された測定対象物からの測定光と前記参照体で反射された参照光との干渉光を生成し、生成された干渉光を前記受光部に導く導光部と、
前記参照体の位置を取得する参照位置取得部と、
前記導光部により生成された干渉光を分光する分光部とをさらに備え、
前記光出射部は、時間的に低コヒーレントな光を出射し、
前記偏向部は、前記導光部により導かれた測定光を偏向して測定対象物に照射するとともに、測定対象物からの測定光を前記導光部に反射し、
前記受光部は、前記分光部により分光された干渉光を受光し、干渉光の受光量を示す受光信号を出力し、
前記高さ算出部は、前記参照位置取得部により取得される前記参照体の位置と、前記受光部から出力される受光信号における干渉光の受光量とに基づいて測定対象物の部分の高さを算出する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光走査高さ測定装置。
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