JP2019074058A - 圧縮機、及び、これを備える冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
Description
以下では、一例として、密閉容器8(図1参照)の上部に吐出パイプPbが設置されたスクロール式の圧縮機10について説明する。
図1は、第1実施形態に係る圧縮機10の縦断面図である。
図1に示す圧縮機10は、固定スクロール1と旋回スクロール2との間の圧縮室Hにおいて、ガス状の冷媒を圧縮する機器である。図1に示すように、圧縮機10は、固定スクロール1及び旋回スクロール2を含む圧縮機構部Gを備えるとともに、電動機7、密閉容器8、カバー9等を備えている。
旋回スクロール2は、その移動によって固定スクロール1との間に圧縮室Hを形成する「移動部材」である。旋回スクロール2は、固定スクロール1に対向した状態で、旋回自在に配置されている。旋回スクロール2は、台板2aと、この台板2aに立設された渦巻状のラップ2bと、を有している。
図2に示すように、固定スクロール1が有する渦巻状のラップ1bと、旋回スクロール2が有する渦巻状のラップ2bと、が噛み合った状態にすることで、ラップ1b,2bの間に圧縮室Hが形成されるようになっている。前記した圧縮室Hは、冷媒を圧縮するための空間であり、旋回スクロール2のラップ2bの外線側に形成されるとともに、このラップ2bの内線側にも形成される。
図1に示すフレーム3は、旋回スクロール2を支持する部材であり、固定スクロール1にボルトBで締結されている。
クランク軸4は、電動機7の駆動によって回転する軸であり、主軸受5a及び下軸受5bによって、回転自在に支持されている。図1に示すように、クランク軸4は、主軸4aと、偏心部4bと、を備えている。
図3に示すように、カバー9は、平板状(円板状)の平板部9aと、この平板部9aの周縁付近に設けられる3つの凹部9bと、が一体成形された構成になっている。平板部9aは、潤滑油が混在しているガス状の冷媒を自身に衝突させることで、潤滑油を分離させる(つまり、潤滑油を自身に付着させる)機能を有している。平板部9aには、吸込パイプPaへの干渉を防ぐための切欠Vが形成されている。
図4に示す例では、固定スクロール1の台板1aの外周壁と、カバー9の周縁と、が略面一になっている。また、カバー9と固定スクロール1との間に所定の隙間Qが設けられ、さらに、カバー9と固定スクロール1との締結に伴う接触箇所(凹部9b)が3箇所に散在している。
第1実施形態によれば、吐出口N(図1参照)を介して吐出された冷媒がカバー9に衝突するため、冷媒に混在している潤滑油を適切に分離できる。これによって、圧縮機10における各機器の潤滑性を向上させ、また、圧縮室Hのシール性を維持できる。また、冷凍サイクルを構成する熱交換器(凝縮器や蒸発器:図示せず)に潤滑油が流れ込むことを抑制し、ひいては、冷凍サイクルの効率の低下を抑制できる。
第2実施形態は、吸込パイプPa(図5参照)の付近でカバー9Aが固定スクロール1に密着するように、カバー9Aに段差が設けられている点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図5に示すように、カバー9Aは、平板部9aと、凹部9bと、密着部9cと、接続部9dと、が一体成形された構成になっている。そして、凹部9bに形成されたボルト挿通孔h1と、密着部9cに形成された2つのボルト挿通孔h2,h3と、の計3箇所において、カバー9Aが固定スクロール1にボルトDで締結されている。ボルト挿通孔h1,h2,h3は、周方向において略等間隔(約120°間隔)になるように、カバー9Aの周縁付近に設けられている。
図6に示す平板部9aは、ガス状の冷媒を自身に衝突させることで、冷媒に混在している潤滑油を分離させる(つまり、潤滑油を自身に付着させる)部分であり、板状を呈している。
密着部9cは、固定スクロール1の台板1aの上面に密着(接触)する板状の部分である。密着部9cは、前記したボルト挿通孔h1,h2の位置を含むように、平面視で所定形状に形成されている。また、密着部9cには、吸込パイプPa(図5参照)への干渉を防ぐための切欠Vが形成されている。
なお、図7では、密閉容器8の蓋チャンバ8b(図1参照)や、3つのボルトD(図5参照)の図示を省略している。また、図7では、吸込パイプPaを二点鎖線で図示し、吐出パイプPbを破線で図示している。
第2実施形態によれば、吸込パイプPaの付近では、カバー9Aが固定スクロール1に密着している(図5参照)。これによって、カバー9Aと固定スクロール1との間の隙間Qを通流する冷媒が吸込パイプPaに直接当たることを抑制できる。したがって、吸込パイプPaを通流する冷媒の温度上昇を抑制できる。
第3実施形態は、カバー9B(図8参照)に複数の溝9eが形成されている点が、第2実施形態とは異なっているが、その他については第2実施形態と同様である。したがって、第2実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図8に示すように、カバー9Bは、吐出口N(図1参照)を介して自身に衝突した冷媒の流れが旋回流となるように、複数の溝9eを有している。より具体的に説明すると、平板部9aの周縁から中心付近に向けて、平面視で曲線状を呈する5つの溝9eが形成されている。
第3実施形態によれば、前記したように、カバー9Bに形成された5つの溝9eによって、冷媒の流れが旋回流になるため、潤滑油の分離が促される。これによって、圧縮機の摺動部(例えば、各軸受)での摩擦が抑制され、また、圧縮室H(図1参照)のシール性を維持できる。また、冷凍サイクルを構成する熱交換器(凝縮器や蒸発器:図示せず)に潤滑油が流れ込むことを抑制し、ひいては、冷凍サイクルの効率の低下を抑制できる。
第4実施形態では、第1実施形態で説明した圧縮機10(図1参照)を備える空気調和機W(冷凍サイクル装置:図9参照)について説明する。
なお、図9の実線矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示している。
また、図9の破線矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示している。
空気調和機Wは、冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)で冷媒を循環させることによって、空調を行う機器である。図9に示すように、空気調和機Wは、圧縮機10と、室外熱交換器20と、室外ファン30と、膨張弁40と、四方弁50と、室内熱交換器60と、室内ファン70と、を備えている。
室外熱交換器20は、その伝熱管(図示せず)を通流する冷媒と、室外ファン30から送り込まれる外気と、の間で熱交換が行われる熱交換器である。
室内ファン70は、室内ファンモータ71の駆動によって、室内熱交換器60に室内空気を送り込むファンであり、室内熱交換器60の付近に設置されている。
第4実施形態によれば、圧縮機10からの潤滑油の流出を抑制することで、運転効率の高い空気調和機Wを提供できる。
以上、本発明に係る圧縮機10等について各実施形態で説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、各実施形態では、吐出パイプPb(図1参照)の設置箇所が、密閉容器8の蓋チャンバ8b(図1参照)の中央付近である構成について説明したが、これに限らない。例えば、吐出パイプPbを蓋チャンバ8bの別の箇所に設置してもよいし、また、ケース8a(図1参照)に設置してもよい。
また、例えば、吐出パイプPbの設置箇所が扇形領域Sの外部に存在するとともに、円Cの内部に存在する構成にしてもよい。このような構成でも、密閉容器8の天井に冷媒が当たって潤滑油が分離されやすくなる。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
2 旋回スクロール(移動部材)
3 フレーム
4 クランク軸
6 オルダムリング
7 電動機
8 密閉容器
8a ケース
9,9A,9B カバー
9a 平板部(第2領域)
9b 凹部(接触箇所、第2領域)
9c 密着部(接触箇所、第1領域)
9d 接続部(第2領域)
9e 溝
10 圧縮機
20 室外熱交換器(凝縮器、蒸発器)
30 室外ファン
40 膨張弁
50 四方弁
60 室内熱交換器(蒸発器、凝縮器)
70 室内ファン
C 円
F 冷媒回路
G 圧縮機構部
H 圧縮室
K 吸込室
L1,L2 線分(一対の線分)
N 吐出口
O 中心
Pa 吸込パイプ
Pb 吐出パイプ
Q 隙間
S 扇形領域
W 空気調和機(冷凍サイクル装置)
h1,h2 ボルト挿通孔(一対の締結箇所)
h3 ボルト挿通孔(別の締結箇所)
Claims (7)
- 吸込室を介して吸い込まれるガス状の冷媒を圧縮室で圧縮し、圧縮した冷媒を吐出口を介して吐出する圧縮機構部と、
前記吐出口を覆うように配置されるカバーと、
少なくとも前記圧縮機構部及び前記カバーを収容し、潤滑油が封入される殻状の密閉容器と、を備え、
前記圧縮機構部は、前記吐出口が設けられる固定部材と、その移動によって前記固定部材との間に前記圧縮室を形成する移動部材と、を有し、
前記カバーと前記固定部材との間に所定の隙間が設けられ、さらに、前記カバーと前記固定部材との締結に伴う接触箇所が複数箇所に散在していること
を特徴とする圧縮機。 - 前記密閉容器に設置され、前記吸込室に冷媒を導く吸込パイプを備え、
前記カバーは、
前記吸込パイプの付近に設けられて、前記固定部材に接触している第1領域と、
前記カバーの前記第1領域以外の領域である第2領域と、を有し、
前記第2領域には、前記所定の隙間が設けられた部分が含まれていること
を特徴とする請求項1に記載の圧縮機。 - 前記密閉容器に設置され、前記吐出口を介して吐出された冷媒が通流する吐出パイプを備え、
平面視において円形状を呈する前記カバーが、少なくとも3つの締結箇所で前記固定部材に締結されており、
円形状の前記カバーの中心を基準として、前記カバーの周縁の一部を円弧とする所定の扇形領域内に、平面視での前記吐出パイプの設置箇所が存在し、
前記扇形領域の輪郭を構成する一対の線分は、周方向において前記吸込パイプの両側に設けられた一対の締結箇所を通っており、
前記扇形領域は、前記第2領域内の別の締結箇所を含んでいること
を特徴とする請求項2に記載の圧縮機。 - 平面視での前記吐出パイプの設置箇所は、前記扇形領域内に存在するとともに、前記一対の締結箇所、及び前記別の締結箇所の3点を通る円の内部に存在していること
を特徴とする請求項3に記載の圧縮機。 - 前記カバーの周縁付近において、前記所定の隙間の幅が、周方向で異なっていること
を特徴とする請求項1に記載の圧縮機。 - 前記カバーは、前記吐出口を介して自身に衝突した冷媒の流れが旋回流となるように、複数の溝を有していること
を特徴とする請求項1に記載の圧縮機。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の圧縮機を備えるとともに、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、を備え、
前記圧縮機、前記凝縮器、前記膨張弁、及び前記蒸発器を順次に介して、冷凍サイクルで冷媒が循環すること
を特徴とする冷凍サイクル装置。
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