JP2019072817A - 研磨材混合液体研磨装置、それを用いた研磨方法及び研磨材混合液体研磨装置の砥粒分離用積層金網フィルタ - Google Patents
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Abstract
Description
この金属光造形で得られる金型ではその焼結層を積層するという造型法に由来して、得られる内側水管内面が粗く、赤錆やスケール堆積による流量不足や詰まりが懸念されるという問題があった。
また研磨加工したときに発生した加工金属粉もシリンダー内面やピストンシールに、ダメージを与える問題もある。
本発明は、係る従来技術の問題に鑑み、耐久性が高く工業的に実用化可能な研磨材混合液体研磨装置、それを用いた研磨方法及び研磨材混合液体研磨装置の砥粒分離用積層金網フィルタを提供することを目的とする。
図1、図2に示す様に本実施の形態の研磨材混合液体研磨装置1は、金型内部に連通して形成された金型中空部2の一方の開口部2aと他方の開口部2bにそれぞれ連結する一対の、研磨材混合液体の貯留タンク3と、この一対の貯留タンク3の内圧を交互に増圧する液圧発生手段4とを有する。この液圧発生手段4は本実施の形態では両ロッド油圧シリンダ4aとこの両ロッド油圧シリンダ4aによって駆動されるピストン4b、パッキン4b−1を配設した液圧発生シリンダ4cとによって構成されるが、エアー圧、電動等液圧を発生することができればこれに限らない。
なお図2に示す様に貯留タンク3それぞれの底部3aはテーパ部3bによって逆台形状にされてなる。
ただし、砥粒6の平均粒径は研磨の対象となる金型中空部2の穴径の1/8〜1/12とするのが研磨の効率と、得られる金型中空部2内側面2cの表面平滑度の観点から望ましい。1/8を超える場合には金型中空部2における砥粒6の詰まりが生じやすくなり、一方1/12未満の場合には研磨の効率が低下する。
この砥粒分離手段8は貯留タンク3内に収納される積層金網フィルタとすることができ、この積層金網フィルタは液圧発生手段4からの液体流路7の貯留タンク3内開口部7aに装着される。
この積層金網フィルタは例えば5層積層金網フィルタとすることができその最外側の金網フィルタの開口径は40μm程度とされる。またその最外側の金網フィルタに積層される内側の金網フィルタはそれよりも目の粗い、開口径の大きなものとする。本実施の形態では最外側の金網フィルタの内側に最外側の金網フィルタよりも目の粗い、開口径の大きな金網フィルタを3層積層し、さらにその内側にそれよりも目の粗い、開口径の大きな金網フィルタを積層して全体として5層積層金網フィルタとする。その様にした積層金網フィルタは研磨材である砥粒分離の過程で目詰まりはする。しかし係る目詰まりは超音波洗浄で解消することができ、再生使用が可能となる。実施の態様によっては、内側に向かって徐々に開口径の大きな金網フィルタを積層する様にしても良い。
また以上のようにして得られた本実施の形態の積層金網フィルタは5Mpaの耐圧を有しており、耐圧が1Mpa程度のポーラスフィルタより耐圧性に優れており研磨材混合液体による研磨方法に必要な研磨材混合液体の流動圧を確保することができ、様々な径の金型中空部2内側面2cを研磨することができる。
なお、積層金網フィルタの積層数は本実施の形態の5層金網フィルタに限定されず、必要となる研磨材混合液体の流動圧等に応じて実験的に適宜決定することができる。
係る5層金網フィルタは図7に示す様に最外側の金網フィルタの内側に最外側の金網フィルタよりも目の粗い、開口径の大きな金網フィルタを3層積層し、さらにその内側にそれよりも目の粗い、開口径の大きな金網フィルタを積層して全体として5層積層金網フィルタとし、図8に示す開口径が最も大きな金網フィルタが内側表面となるように円筒状に巻回してなる。
この金属屑吸着手段9としては例えば強力永久磁石を用いることができ、市販の表面がメッキにより防蝕されたネオジム−鉄−ボロン系永久磁石を用いても良い。図2(a)に示す様に貯留タンク3の底部3aには砥粒6が収納されており、砥粒6の上に金属屑吸着手段9を載置する。
金型中空部2の一方の開口部2aと他方の開口部2bのそれぞれに連結した一対の貯留タンク3の一方を増圧し、研磨材混合液体を金型中空部2の流路内に強制流入させ、強制流入された研磨材混合液体は他方の貯留タンク3に戻される。その様に一対の貯留タンク3を交互に増圧することで金型中空部2の流路内を研磨材混合液体が往復流入出して、金型中空部2内側面2cが砥粒6によって研磨される。
その際、研磨材混合液体中の砥粒6は砥粒分離手段8によって分離され、砥粒分離手段8に連通する減圧側の液体流路7及び減圧側の液圧発生シリンダ4cに流入することはない。
また金型中空部2内側面2cを研磨することによって不可避的に発生する金属屑10は研磨材混合液と共に減圧側の貯留タンク3内に流入し、貯留タンク3内を沈降して金属屑吸着手段9によって吸着される。
この実施の形態の研磨材混合液体研磨装置21によれば、砥粒6が貯留される第一の貯留タンク22よりも砥粒6の濃度が軽減される第二の貯留タンク23内に砥粒分離手段8が収納される結果、砥粒分離手段8の早期の目詰まりを防止することができ、研磨材混合液体による研磨方法のサイクルタイムを向上することができる。
Claims (12)
- 金型内部に連通して形成された金型中空部の一方の開口部と他方の開口部に連結する一対の研磨材混合液体の貯留タンクと、当該一対の貯留タンクの内圧を交互に増圧する液圧発生手段とを有し、研磨材混合液体が前記金型中空部の内側面を、往復流入出することで前記金型中空部内側面が研磨される研磨材混合液体研磨装置において、前記液圧発生手段と前記金型との間の前記研磨材混合液体流路に前記液圧発生手段に流入する研磨材混合液体から砥粒を分離する砥粒分離手段が配置されることを特徴とする研磨材混合液体研磨装置。
- 前記一対の貯留タンク内に金属屑吸着手段が配置される請求項1記載の研磨材混合液体研磨装置。
- 前記砥粒分離手段は前記液圧発生手段からの液体流路の前記貯留タンク内開口部に装着される請求項1または請求項2に記載の研磨材混合液体研磨装置。
- 前記砥粒分離手段が積層金網フィルタである請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の研磨材混合液体研磨装置。
- 前記積層金網フィルタは比較的に密な金網フィルタと、比較的に粗な金網フィルタとを積層してなり、前記密な金網フィルタを外側とし、前記粗な金属フィルタを内側として一端を開口部とし、他端を閉止部とした筒状であることを特徴とする請求項4記載の研磨材混合液体研磨装置。
- 前記密な金網フィルタよりも粗であり、前記粗な金網フィルタよりも密な金網フィルタを前記比較的に密な金網フィルタと前記比較的に粗な金網フィルタとの間に介在させて積層してなる請求項5記載の研磨材混合液体研磨装置。
- 前記研磨材混合液体は水に防錆剤を加え、さらに潤滑剤が加えられてなる請求項1〜請求項6のいずれか一に記載の研磨材混合液体研磨装置。
- 前記貯留タンクが前記金型中空部と液体流路によって接続される第一の貯留タンクと、この第一の貯留タンクと液体流路によって接続されると共に前記液圧発生手段と液体流路によって接続される第二の貯留タンクとよりなり、この第二の貯留タンク内に前記砥粒分離手段が収納される請求項1〜請求項7のいずれか一に記載の研磨材混合液体研磨装置。
- 前記液圧発生手段と前記金型との間の複数の前記研磨材混合液体流路のそれぞれに前記研磨材混合液体から砥粒を分離する砥粒分離手段が配置される請求項1〜請求項8のいずれか一に記載の研磨材混合液体研磨装置。
- 請求項2〜請求項9のいずれか一に記載の研磨材混合液体研磨装置を用い、金型内部に連通して形成された中空部に研磨材混合液体を強制流入し、中空部内面を研磨する工程と、前記液圧発生手段と前記金型との間の前記研磨材混合液体流路にて砥粒を分離する工程と、前記一対の貯留タンク内で金属屑を吸着する工程とを有することを特徴とする研磨材混合液体による研磨方法。
- 比較的に密な金網フィルタと、比較的に粗な金網フィルタとを積層してなり、前記密な金網フィルタを外側とし、前記粗な金属フィルタを内側として一端を開口部とし、他端を閉止部とした筒状であることを特徴とする研磨材混合液体研磨装置の砥粒分離用積層金網フィルタ。
- 前記密な金網フィルタよりも粗であり、前記粗な金網フィルタよりも密な金網フィルタを前記比較的に密な金網フィルタと前記比較的に粗な金網フィルタとの間に介在させて積層してなる請求項11記載の研磨材混合液体研磨装置の砥粒分離用積層金網フィルタ。
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