以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<<操作ナビを制限する実施形態>>
以下に説明する第1実施形態から第4実施形態は、AT(アシストタイム)遊技において操作ナビ(遊技者にとって有利な停止態様を導出させるストップボタンの操作に関する情報を報知する演出)を制限する実施形態で構成されている。
[第1実施形態]
本実施形態のスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、かつ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役およびその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
所謂AT(アシストタイム)遊技中においては、停止操作が単調となる傾向がある。特に、AT遊技において、左リール、中リール、右リールの順序で停止する順押しの情報が報知されたゲームでは、報知された情報に従った停止操作を行って所定の利益が得られたとしても、遊技者にとっては、通常よく行う停止操作と同一なので、あまり得した感じが得られない場合がある。一方、AT遊技において何ら停止操作に関する情報の報知が行われないゲームでは、遊技者はたぶん利益が得られないものと推測し、退屈と感じてしまう場合がある。
本実施形態の遊技台は、AT遊技中において停止操作を単調とせず、遊技意欲を向上させることができる遊技台である。
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。
詳しくは、左リール110の上段(表示位置1ともいう)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(表示位置2ともいう)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(表示位置3ともいう)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(表示位置4ともいう)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(表示位置5ともいう)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(表示位置6ともいう)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(表示位置7ともいう)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(表示位置8ともいう)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(表示位置9ともいう)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110〜112のそれぞれの図柄は図柄表示窓113を通して各リール110〜112にそれぞれ縦方向に三つ、合計九つ表示される。
そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(インデックスセンサ;図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン(以下、有効ラインともいう)は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。
本実施形態では、表示位置2、5、8によって構成される中段水平入賞ライン、表示位置1、4、7によって構成される上段水平入賞ライン、表示位置3、6、9によって構成される下段水平入賞ライン、表示位置3、5、7によって構成される右上がり入賞ライン、及び表示位置1、5、9によって構成される右下がり入賞ラインの5本の入賞ラインが設定されている。
本実施形態のスロットマシン100は3枚賭を推奨する遊技台であり、メダルの投入枚数(ベット数)が規定枚数(3枚)に達すると上記5本の入賞ラインが有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではない。また、推奨しない賭け数の遊技(ベット数が1枚又は2枚の遊技)において、ベット数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する入賞役内部抽選において特定の入賞役(具体的には、特別役(ボーナス))に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。なお、本実施形態の払出枚数表示器127は、停止操作に関する情報(例えば、ストップボタン137〜139の操作順序や操作タイミングなど)を報知する操作ナビ実行装置としても機能する。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型の押下スイッチであり、各リール110〜112に対応づけてそれぞれ設けられている。より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。
以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作といい、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという場合がある。さらに、回転中の各リール110〜112を全て停止させるためのストップボタン137〜139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。第1停止リールを左リール110とする停止操作とする操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止リールを右リール112とする停止操作とする操作順序を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
ナビ発生状態報知ランプ190は、主制御部300の遊技状態が後述するナビ発生状態1又は2のいずれかにある場合(以下、「ナビ発生状態にある場合」という)に点灯するランプである。遊技者は、ナビ発生状態報知ランプ190の点灯態様からナビ発生状態であることを把握することができる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
本実施形態の液晶表示装置(演出画像表示装置)157は、停止操作に関する情報(例えば、ストップボタン137〜139の操作順序や操作タイミングなど)を報知する操作ナビ実行装置としても機能する。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<筐体内部>
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110〜112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110〜112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に第1副制御部を構成する第1副制御基板を収納した第1副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110〜112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源スイッチ244は前面扉102を開けることで操作可能となり、閉じた状態では操作が困難または不能である。
電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、液晶表示装置157の上部には、演出装置160、及びこの演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272を設けている。液晶表示装置157の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔181に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
<制御部の回路構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、1払出枚数表示器127、ナビ発生状態報知ランプ190)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。また、主制御部300は、主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、シャッタ163を駆動する駆動回路424が設けられ、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路424は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第1副制御部400には、センサ回路426が設けられ、センサ回路426には入力インタフェースを介してシャッタセンサ428が接続されている。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428の状態を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157などの制御を行う。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU1504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM516のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図4を用いて、各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では、10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、左リール110の番号1のコマには「ベル図柄」、中リール111の番号0のコマには「リプレイ図柄」、右リール112の番号0のコマには「スイカ図柄」がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
スロットマシン100の入賞役には、特別役(特別役1、特別役2)と、一般役(再遊技役1〜再遊技役3、小役1〜小役4)がある。なお、入賞役の種類は、これらの役に限定されるものではなく、任意に採用することができる。
本実施形態における入賞役のうち、特別役1及び特別役2は、遊技者に所定の利益が付与される特別遊技状態(RT3とも表記。詳しくは後述)に移行する役である。また、再遊技役1〜再遊技役3は、新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役である。これらの入賞役は「作動役」と呼ばれる場合がある。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1、特別役2、及び再遊技役1〜再遊技役3への入賞が含まれる。
特別役1及び2(以下、「特別役」と総称する場合がある)は、入賞により特別遊技状態(RT3)に移行する役(作動役)である。ただし、この役自身に入賞したことよるメダルの払出は行われない。対応する図柄組み合わせは、特別役1が「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」であり、特別役2が「BAR−BAR−BAR(RB)」である。
特別役に内部当選すると、この内部当選した役に対応する特別役内部当選フラグがオンに設定される(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)。このフラグがオンに設定されていると、主制御部300は、遊技状態を特別役内部当選状態(RT2とも表記。詳しくは後述)に移行させる。このフラグは、その内部当選した役に入賞するまでオンの状態が維持され、次回以降の遊技においてもその内部当選した役に入賞しやすい状態となる。すなわち、特別役1又は2に内部当選した遊技において内部当選した特別役に入賞しなくとも、次回以降の遊技でその特別役に内部当選した状態となり、特別役に対応する図柄組み合わせ(例えば特別役1に内部当選した場合は「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」又は「セブン2−セブン2−セブン2(BB2)」の図柄組み合わせ)が、揃って入賞しやすい状態になる。
主制御部300は、内部当選した特別役に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態を特別遊技状態(RT3)に移行させる。さらにこの特別遊技状態において、所定の枚数の払出しがされると通常状態(RT1−1とも表記する。詳しくは後述)に移行させる。
再遊技役1〜3(以下、「再遊技役」と総称する場合がある)は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組み合わせは、再遊技役1(「通常リプレイ」ともいう)は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、再遊技役2(「昇格リプレイ1」ともいう)は「リプレイ−リプレイ−ベル」、再遊技役3(「昇格リプレイ2」ともいう)は「ベル−リプレイ−リプレイ」である。
主制御部300は、通常状態(RT1−1)において再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態をナビ発生状態1(RT1−2とも表記。詳しくは後述)に移行させる。また、ナビ発生状態1(RT1−2)において再遊技役3に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて、遊技状態をナビ発生状態2(RT1−3とも表記。詳しくは後述)に移行させる。
「小役1〜4」(以下、「小役」と総称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組み合わせは、小役1(「スイカ」ともいう)が「スイカ−スイカ−スイカ」、小役2(「チェリー」ともいう)が「ANY−チェリー−ANY」、小役3(「押順ベル」ともいう)が「ベル−ベル−ベル」、小役4(「共通ベル」ともいう)が「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール111の図柄が「チェリー」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
本実施形態では、小役1(スイカ)及び小役2(チェリー)は、それぞれ、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選し、かつ停止操作の操作タイミングが好適な場合に入賞する。また、小役3(押順ベル)は、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選し、かつ正解の停止操作順序で停止操作を行なった場合に入賞する。押順役ともいう。一方、小役4(共通ベル)は、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選した場合、停止操作の内容(操作順序、操作タイミング)に関係なく、常に入賞する。引き込み1の役、押順不問役、ともいう。
本実施形態において、小役3(押順ベル)は押順役、小役4(共通ベル)、再遊技役1(通常リプレイ)は、押順不問役である。
本実施形態では、小役3(押順ベル)と小役4(共通ベル)は、同一の図柄組合せをしており、メダル付与数も同一であるため、有効ライン上に「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが表示された場合、遊技者は小役3(押順ベル)に入賞したのか、小役4(共通ベル)に入賞したのかを判断することができない。以下、小役3(押順ベル)又は小役4(共通ベル)のいずれかに内部当選して、有効ライン上に「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが表示された場合を「ベル入賞」という場合がある。
小役3(押順ベル)は、遊技者のストップボタン137〜139に対する第1停止操作から第3停止操作までの操作順序に応じて利益度が異なるように設定されている。より詳しくは、小役3(押順ベル)は、図6に示すように、小役3a、小役3b、小役3c、小役3d、小役3e及び小役3fに細分化されて設定されている。なお、この6つの役の内部当選確率は、それぞれ同一である。
例えば、(1)小役3aに内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112とする停止操作(以下、「左中右」と略記する)が正解の停止操作であり、この正解の停止操作が行われた場合には、小役3aに入賞し、8枚のメダルが払い出される一方、この正解以外の停止操作が行われた場合には、小役3a(押順ベル)に入賞せず、8枚のメダルは払い出されない。同様にして、(2)小役3bに内部当選した場合には、第1停止リールを右リール112、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを中リール111とする停止操作(以下、「右左中」と略記する)が正解の停止操作であり、(c)小役3cに内部当選した場合には、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを左リール110とする停止操作(以下、「中右左」と略記する)が正解の停止操作であり、(d)小役3dに内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを右リール112、第3停止リールを中リール111とする停止操作(以下、「左右中」と略記する)が正解の停止操作であり、(e)小役3eに内部当選した場合には、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112とする停止操作(以下、「中左右」と略記する)が正解の停止操作であり、(f)小役3fに内部当選した場合には、第1停止リールを右リール112、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを左リール110とする停止操作(以下、「右中左」と略記する)が正解の停止操作である。
これに対して、小役4(共通ベル)は、遊技者のストップボタン137〜139に対する第1停止操作から第3停止操作までの操作順序に応じて利益度が異なるように設定されておらず、小役4(共通ベル)に内部当選した場合、上記6択のいずれの操作順序で停止操作が行われても、必ず小役4(共通ベル)に入賞し、8枚のメダルが払い出される。
なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。なお、入賞ラインに入賞に係る図柄組合せが停止されないことを、「ハズレとなる」、と称する場合がある。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
ここで、入賞役の内部当選確率について概説する。
以後に説明する各遊技状態における役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば、65535)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。後述する入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。尚、設定値とは、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合を調整するための値であり、いわゆる「払出率」と称されるものであり、複数段階の設定値、例えば、設定「1」〜設定「6」まで設定可能である。
なお、本実施形態の小役3(押順ベル)は、単独役として設定されていたが、複数の役に同時に当選する重複役として設定されていてもよい。例えば、小役3と小役5(図示せず)と小役6(図示せず)に同時に当選する役として設定されていてもよい。この場合、正解の停止操作が行われたとき、小役3(押順ベル)に入賞し、不正解の停止操作が行われたとき、他の小役に入賞したり、ハズレとなったりする。
また、本実施形態では、小役3(押順ベル)に内部当選し、正解の停止操作が行われた場合、小役3に入賞し、8枚のメダルが払い出される一方、不正解の停止操作が行われた場合、小役3に入賞せず、メダルの払出は行われなかった。しかしながら、上述したような小役3(押順ベル)を重複役として設定した場合には、当該重複役に内部当選した場合、正解の停止操作のとき、小役3(押順ベル)入賞に基づいて8枚のメダルを払い出し、一の不正解の停止操作のとき、他の小役入賞に基づいて8枚より少ない所定数のメダルを払い出すようにしてもよい。つまり、不正解の停止操作の場合、正解の停止操作の場合よりも少ないメダルが払い出されるようにしてもよい。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件(例えば、後述する入賞役の内部抽選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
例えば、小役1(スイカ)に内部当選した場合には、スイカ図柄は4コマを超えて配置されているので、ストップボタン137〜139を操作するタイミングが好適でないと、スイカ図柄は入賞ラインに停止しない。
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する、リプレイ図柄の配置間隔は最大4コマであるため、再遊技役1に内部当選すると、そのタイミングに係わらず100%入賞することになる。
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類及び遷移について説明する。図7(a)は、スロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100の主制御部300は、大別すると、通常状態(RT1−1)、ナビ発生状態1(RT1−2)、ナビ発生状態2(RT1−3)、特別役内部当選状態(RT2)、及び特別遊技状態(RT3)を有する。なお、通常状態(RT1−1)、ナビ発生状態1(RT1−2)、及びナビ発生状態2(RT1−3)を総称して「通常遊技状態」ともいう。また、ナビ発生状態1(RT1−2)及びナビ発生状態2(RT1−3)は、上述したように総称して「ナビ発生状態」という場合がある。ナビ発生状態のナビとは、操作ナビの意であり、操作ナビに関しては後述するAT系の遊技状態にて詳述する。本実施形態では、この5つに大別された遊技状態をRT系の遊技状態という。また、本実施形態では、主制御部300が所謂AT(アシストタイム)に関する状態(以下、AT系の遊技状態という)も制御しており、主制御部300が決定したAT系の遊技状態に従って、第1副制御部400は遊技状態を設定するようになっている。
以降、図面を適宜参照しながら、スロットマシン100のRT系の遊技状態について説明する。
<通常状態(RT1−1)>
通常状態(RT1−1)は、内部抽選の結果が概ねハズレ(特別役、再遊技役、及び小役のいずれにも内部当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、通常状態(RT1−1)は、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。
通常状態(RT1−1)は、初期状態において設定され、また、ナビ発生状態1(RT1−2)若しくはナビ発生状態2(RT1−3)において、規定回数の操作ナビが実行された場合(詳しくは後述)、又は特別遊技状態(RT3)において規定枚数を超えるメダルの払出があった場合(詳しくは後述)、通常状態(RT1−1)が設定される。
一方、通常状態(RT1−1)において、再遊技役2(昇格リプレイ1)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役2に入賞した場合)には、ナビ発生状態1(RT1−2)に移行する。また、特別役に内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT2)に移行し、特別役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役に入賞した場合)には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
<ナビ発生状態1(RT1−2)>
ナビ発生状態1(RT1−2)は、AT系の遊技状態がAT状態にある場合、小役3(押順ベル)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビが実行される遊技状態である。
ナビ発生状態1(RT1−2)は、通常状態(RT1−1)において再遊技役2(昇格リプレイ1)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役2に入賞した場合)に、設定される。
ここで、ナビ発生状態1(RT1−2)を設定する場合には、図7(b)に示す規定回数抽選テーブルを用いた規定回数抽選を実行し、1、2又は3のいずれかを規定回数に設定する。ここで、規定回数とは、本実施形態の場合、小役3(押順ベル)に内部当選して実行される操作ナビの最大回数を意味し、規定回数の操作ナビを実行した場合、ナビ発生状態1(RT1−2)は終了し、通常状態(RT1−1)に移行する。例えば、規定回数として3が設定された場合には、ナビ発生状態1(RT1−2)において小役3(押順ベル)内部当選に対する操作ナビを3回実行した場合に、ナビ発生状態1(RT1−2)は終了する。
ナビ発生状態1(RT1−2)において、再遊技役3に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役3に入賞した場合)には、ナビ発生状態2(RT1−3)に移行し、ナビ発生状態1(RT1−2)において、規定回数の操作ナビを実行した場合には、通常状態(RT1−1)に移行する。また、特別役に内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT2)に移行し、特別役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役に入賞した場合)には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
<ナビ発生状態2(RT1−3)>
ナビ発生状態2(RT1−3)は、ナビ発生状態1(RT1−2)と同様に、AT系の遊技状態がAT状態にある場合、小役3(押順ベル)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビが実行される遊技状態である。
ナビ発生状態2(RT1−3)は、ナビ発生状態1(RT1−2)において再遊技役3(昇格リプレイ2)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(再遊技役2に入賞した場合)に、設定される。すなわち、ナビ発生状態1(RT1−2)において規定回数(例えば、1〜3回)の操作ナビをすべて実行するまでの間に再遊技役3(昇格リプレイ2)に入賞した場合、ナビ発生状態2(RT1−3)は設定される。
ここで、ナビ発生状態2(RT1−3)を設定する場合には、図7(c)に示す規定回数抽選テーブルを用いた規定回数抽選を実行し、30、40又は50のいずれかを規定回数に設定する。例えば、規定回数が30の場合には、ナビ発生状態2(RT1−3)において小役3(押順ベル)内部当選に対する操作ナビを30回実行した場合に、ナビ発生状態2(RT1−3)は終了する。ナビ発生状態2(RT1−3)において設定される規定回数は、ナビ発生状態1(RT1−2)において設定される規定回数よりも大きいので、ナビ発生状態の期間という観点から、ナビ発生状態2(RT1−3)はナビ発生状態1(RT1−2)よりも有利な状態である。
ナビ発生状態2(RT1−3)において、規定回数の操作ナビを実行した場合には、通常状態(RT1−1)に移行する。また、特別役に内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT2)に移行し、特別役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役に入賞した場合)には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
<特別役内部当選状態(RT2)>
特別役内部当選状態(RT2)は、特別役1又は特別役2に対応する内部当選フラグがオンに設定された状態であり、遊技者が所定のタイミングで停止操作をすることで、このフラグに対応する特別役に対応する図柄組み合わせを表示させることができる遊技状態である。
特別役内部当選状態(RT2)は、通常遊技状態(通常状態、ナビ発生状態1、ナビ発生状態2)において、特別役に内部当選した場合に設定される。一方、特別役内部当選状態(RT2)において、内部当選した特別役に対応する図柄組み合わせが表示された場合には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
<特別遊技状態(RT3)>
特別遊技状態(RT3)は、遊技者にとっては利益となる遊技状態である。つまり、特別遊技状態(RT3)は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。
特別遊技状態(RT3)は、通常遊技状態(通常状態、ナビ発生状態1、ナビ発生状態2)、又は特別役内部当選状態(RT2)において、内部当選した特別役に入賞した場合に設定される。一方、特別遊技状態(RT3)において、規定枚数が払い出された場合に通常状態(RT1−1)に移行する。具体的には、特別役1に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、300枚を超えるメダルの払出しが終了すると通常状態(RT1−1)に移行する。また、特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、100枚を超えるメダルの払出しが終了すると通常状態(RT1−1)に移行する。
なお、本実施形態では、特別遊技状態(RT3)が規定枚数の払い出しが実行されると終了するが、例えば、所定の役(例えばシングルボーナス)に当選した場合に終了するものや、さらには所定の回数(例えば8回)の入賞があった場合、または所定の回数(例えば6回)の遊技が行われた場合に終了するものであってもよい。
また、本実施形態では、通常状態(RT1−1)において再遊技役2(昇格リプレイ2)に入賞した場合、ナビ発生状態1(RT1−2)に移行したが、通常状態(RT1−1)において再遊技役2(昇格リプレイ2)に内部当選した場合に、ナビ発生状態1(RT1−2)に移行するようにしてもよい。同様にして、ナビ発生状態1(RT1−2)において再遊技役3(昇格リプレイ3)に入賞した場合、ナビ発生状態2(RT1−3)に移行したが、ナビ発生状態1(RT1−2)において再遊技役3(昇格リプレイ3)に内部当選した場合に、ナビ発生状態2(RT1−3)に移行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、特別遊技状態(RT3)が終了した場合、一律に通常状態(RT1−1)に移行したが、これに限定されず、ナビ発生状態2(RT1−3)から特別役内部当選状態(RT2)及び特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、特別遊技状態(RT3)が終了したとき、ナビ発生状態2(RT1−3)に移行するようにしてもよい。
また、本実施形態の通常遊技状態において、再遊技役の内部当選確率の変更に関しては特に言及しなかったが、ナビ発生状態2(RT1−3)の内部当選確率を他の通常遊技状態(RT1−1、RT1−2)よりも高く設定してもよい。
<AT系の遊技状態>
図8(a)は、スロットマシン100の主制御部300のAT系の遊技状態の遷移図である。
AT系の遊技状態は、非AT状態とAT状態とに大別される。AT状態は、停止操作の内容に関する報知演出(以下、「操作ナビ」という)を実行可能な状態をいい、非AT状態は、操作ナビを実行不可能な状態をいう。すなわち、AT状態は、遊技者に有利な結果がもたらされるように、操作タイミング又は停止操作の操作順序を含んだ操作ナビが実行される遊技状態をいう。本実施形態では、AT状態において小役3(押順ベル)に内部当選した場合、より詳しくは、小役3(押順ベル)のうち、小役3b〜小役3fのいずれかに内部当選した場合、正解の操作順序を示す操作ナビが実行される(理由は後述)。
本実施形態では、非AT状態においてAT開始条件が成立した場合、所定のATゲーム数が付与され、AT状態が開始される。本実施形態のAT開始条件は、入賞役内部抽選の結果に基づいて成立するようになっている。また、AT状態において、付与されたATゲーム数をすべて消化した場合、AT状態は終了し、非AT状態に移行する。
ここで、本実施形態のATゲーム数とは、小役3(押順ベル)内部当選に対する操作ナビの回数、つまり上述した規定回数を意味する。
ナビ発生状態は、その名から「操作ナビ」を実行可能な状態であるが、RT系の遊技状態とAT系の遊技状態は必ずしもリンクしていないため、ナビ発生状態であっても、「操作ナビ」が実行されない場合もある。例えば、通常状態(RT1−1)のAT開始条件が成立していない状態において、再遊技役2に入賞しても、ナビ発生状態(RT1−2)に移行するが、AT状態ではないので、「操作ナビ」は実行されない。同様にして、ナビ発生状態(RT1−2)のAT開始条件が成立していない状態において、再遊技役3に入賞しても、ナビ発生状態(RT1−3)に移行するが、AT状態ではないので、「操作ナビ」は実行されない。
なお、ナビ発生状態1(RT1−2)において規定回数の操作ナビを実行した場合は、ナビ発生状態1(RT1−2)のAT系の遊技状態はAT状態にあるので、通常状態(RT1−1)に移行するとともに非AT状態に移行する。同様にして、ナビ発生状態2(RT1−3)において規定回数の操作ナビを実行した場合は、ナビ発生状態2(RT1−3)のAT系の遊技状態はAT状態にあるので、通常状態(RT1−1)に移行するとともに非AT状態に移行する。
<操作ナビ>
本実施形態では、AT状態の小役3(押順ベル)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、(1)主制御部300による操作ナビ、及び(2)第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する。以下、単に「操作ナビ」と表記した場合には、(1)及び(2)の両方の操作ナビを含む。本実施形態の操作ナビは、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序を報知する。すなわち、「左中右」「左右中」「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」の6つ、所謂6択の中の一つの操作順序を報知する。
AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビについて、詳しく説明すると、本実施形態では、AT状態の小役3aに内部当選したゲームでは、操作ナビを実行しない。すなわち、AT状態の小役3b〜小役3fに内部当選したゲームにおいて、操作ナビは実行される。AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行しないのは、操作ナビの内容が「左中右」の順押しの場合、「左中右」の順押しは、遊技者が通常行う停止操作と同一なので、遊技者はあまり得した感じを受けないからである。そこで、本実施形態では、正解の停止操作順序が「左中右」の順押しの小役3aに内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行しないこととした。なお、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行しなくても、遊技者は、大概の場合、「左中右」の順押しの停止操作を行うので、結果として小役3に入賞することが予想される。
また、本実施形態では、AT状態において小役3(押順ベル)に内部当選したゲームだけでなく、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームでも操作ナビを実行する。これは、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて操作ナビが実行されないことに起因する。小役3aの正解の停止操作順序は、「左中右」の順押しである。仮にAT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいてのみ操作ナビを実行するとなると、「左中右」の順押しを示す操作ナビは実行されないこととなる。そこで、本実施形態では、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいても操作ナビを実行することとし、「左中右」の順押しを示す操作ナビを実行することとした。なお、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおける操作ナビの内容は、主制御部300が実行する押順抽選により決定される。
図8(b)は、押順抽選で用いられる押順抽選テーブルの内容を模式的に示す表である。本実施形態の押順抽選では、図8(b)に示すように、ストップボタン137〜139に対する第1停止操作から第3停止操作までの操作順序を正解の操作順序として設定する。すなわち、再遊技役1(通常リプレイ)は、いずれの停止操作でも入賞する役となっているが、本実施形態では、図8(b)に示すように、所謂6択の中の一つを押順抽選により、正解の停止操作として決定する。具体的には、「左中右」の順押しの当選確率は、7/12、それ以外の操作順序は、それぞれ、1/12となっており、「左中右」の順押しの操作ナビを実行する確率は高くなっている。上述したように、小役3に内部当選したゲームでは、「左中右」の操作ナビは実行されないので、AT状態の操作ナビを実行する全ゲーム(小役3b〜3f又は再遊技役1のいずれかが内部当選したゲーム)において、6択の操作内容が略均一に報知されるように設定したものである。
このようにAT状態の小役3(押順ベル;ただし小役3aは除く)又は小役4(通常リプレイ)に内部当選したゲームでは、主制御部300が操作ナビの報知内容(停止操作順序)を決定するので、主制御部300は、小役3(押順ベル;ただし小役3aは除く)又は小役4(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビの報知内容を示すコマンド(内部当選コマンド、押順コマンド)を第1副制御部400に送信する。この結果、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビでは、主制御部300による操作ナビと同一の報知内容を報知することが可能となっている。
ここで、主制御部300による操作ナビとは、具体的には、払出枚数表示機127を用いた7セグ点灯演出であり、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビとは、具体的には、スピーカ272、277を用いた音声出力演出、液晶表示装置157を用いた画像表示演出である。
図9(a)は、主制御部300による操作ナビの点灯態様を示す図である。例えば、次の停止操作が左リール110に対する停止操作である場合には、「L」の文字を表示する7セグデータを選択して払出枚数表示機127を点灯し、次の停止操作が中リール111に対する停止操作である場合には、「C」の文字を表示する7セグデータを選択して払出枚数表示機127を点灯し、次の停止操作が右リール112に対する停止操作である場合には、「R」の文字を表示する7セグデータを選択して払出枚数表示機127を点灯する。
図9(b)は、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビの表示態様を説明する図である。例えば、操作ナビの報知内容として、6択のうちの「左中右」が選択された場合には、左から右に「123」の数字が描かれた文字画像を液晶表示装置157に表示する。以下、操作ナビの文字画像を操作ナビ画像d10と表記する。
図9(c)は、操作ナビの報知内容として「右中左」が選択された場合における操作ナビの報知態様の推移を示している。スロットマシン100は、スタートレバー操作の時点t1Aにおいて、払出枚数表示機127に「R」の文字を表示するとともに液晶表示装置157に「321」の文字で構成された操作ナビ画像d10を表示する。また、スピーカ272、277より「右」の音声を出力する。これにより、遊技者は、右リール112が第1停止リールであることを把握することができる。次に、スロットマシン100は、第1停止操作が行われた時点t1Bにおいて、払出枚数表示機127に「C」の文字を表示するとともに液晶表示装置157に「32」の文字で構成された操作ナビ画像d10を表示する。また、スピーカ272、277より「中」の音声を出力する。これにより、遊技者は、中リール111が第2停止リールであることを把握することができる。次に、スロットマシン100は、第2停止操作が行われた時点t1Cにおいて、払出枚数表示機127に「C」の文字を表示するとともに液晶表示装置157に「3」の文字で構成された操作ナビ画像d10を表示する。また、スピーカ272、277より「左」の音声を出力する。これにより、遊技者は、左リール110が第3停止リールであることを把握することができる。最後に、スロットマシン100は、第3停止操作が行われた時点において、払出枚数表示機127の表示を終了するとともに液晶表示装置157の操作ナビ画像d10の表示を終了する。
図10は、非AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を説明する図である。
図10に示すように、スロットマシン100は、非AT状態では、小役3a〜小役3fのいずれの役に内部当選したゲームにおいても、操作ナビを実行しない。また、非AT状態において小役3(押順ベル)に内部当選したゲームでは、主制御部300は、小役3を示す内部当選コマンド(小役3a〜小役3fのいずれの役に内部当選したかは不明な情報)を第1副制御部400に送信する。非AT状態では操作ナビを実行しないので、正解の操作順序に関する情報を送信する必要はないからである。この結果、第三者により不正にコマンドを解析されたとしても、正解の操作順序が把握されることはない。
図11は、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を示す説明図である。
図11に示すように、スロットマシン100は、AT状態では、(1)小役3aに内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行しないが、(2)小役3b〜小役3fのいずれかの役に内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行する。
詳しくは、AT状態において小役3aに内部当選したゲームでは、主制御部300は、小役3を示す内部当選コマンド(小役3に内部当選したことはわかるが、小役3a〜小役3fのいずれの役に内部当選したかは不明な情報)を第1副制御部400に送信する。この場合、AT状態であっても操作ナビを実行しないので、正解の操作順序に関する情報を送信する必要はないからである。この結果、第三者により不正にコマンド解析されたとしても、正解の操作順序が把握されることはない。
これに対して、AT状態において小役3b〜小役3fのいずれかの役に内部当選したゲームでは、主制御部300は、内部当選した小役3b〜小役3fを示す内部当選コマンド(内部当選した役を示す情報であるとともに正解の操作順序を示す情報でもある)を第1副制御部400に送信する。この場合には、操作ナビを実行するからである。
この結果、AT状態の小役3b〜小役3fのいずれかの役に内部当選したゲームでは、主制御部300及び第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビが実行される(図9(c)参照)。
図12は、非AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を説明する図である。
図12に示すように、スロットマシン100は、非AT状態では、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行しない。また、非AT状態において再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームでは、主制御部300は、再遊技役1(通常リプレイ)の内部当選を示す内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する。
図13は、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を説明する図である。
図13に示すように、スロットマシン100は、AT状態では、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行する。詳しくは、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)の内部当選したゲームでは、主制御部300は、再遊技役1の内部当選を示す内部抽選コマンド、及び正解の操作順序を示す押順情報を含んだ押順コマンドを第1副制御部400に送信する。なお、押順情報は、押順抽選により決定された情報である(図8(b)参照)。
図14は、AT状態における操作ナビの実行状況を示す図である。図10〜図13を用いた説明の総括になるが、スロットマシン100は、AT状態では、再遊技役1(通常リプレイ)、又は小役3b〜3fのいずれかの小役3(押順ベル)に内部当選したゲームでは操作ナビを実行し、小役3aに内部当選したゲームでは操作ナビを実行しない。
<スロットマシンの動作>
以下、主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図15を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図15に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、賭け数設定/スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。
ステップS103では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。
ステップS104では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する乱数取得処理を行う。
ステップS105では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ここで、小役3(押順ベル)に内部当選した場合の内部抽選コマンドについて説明すると、(1)AT系の遊技状態が非AT状態にある場合には、小役3に内部当選したことを示す情報(小役3a〜小役3fのいずれに内部当選したかは不明)を送信し、(2−1)AT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3aに内部当選した場合には、小役3に内部当選したことを示す情報(小役3aに内部当選したことは不明)を送信する一方、(2−2)AT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3b〜小役3fのいずれかに内部当選した場合には、小役3b〜小役3fに内部当選したことを示す情報を送信するようにしている。
ステップS106では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。
ステップS107では、主制御部300の操作ナビの設定を行う主制御部・操作条件表示設定処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS108では、リール回転開始処理が実行され、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS109では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110〜112の何れかを停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS110へ進む。なお、このステップS109では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS110では、入賞判定を行う入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ−スイカ−スイカ」が揃っていたならば小役1(スイカ)に入賞したと判定される。また、このステップS110では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS111では、メダル付与処理を行う。メダル付与処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS112では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では各遊技状態(RT系の遊技状態、AT系の遊技状態)の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、現在の遊技状態を示す情報を含む遊技状態コマンドを送信するための準備を行う。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図16のステップS1006)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に図16を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS1004では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。
ステップS1005では、タイマ更新処理を行う。より具体的には、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS1006では、コマンド設定送信処理を行い、送信準備されていた各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS1007では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS1008では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ336、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS1009では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1011に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1010に進む。
ステップS1010では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図15に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS1011では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図15に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<主制御部・操作条件表示設定処理>
次に、図17(a)を用いて、主制御部・操作条件表示設定処理について説明する。図図17(a)は、図15のステップS107の主制御部・操作条件表示設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態にあるか否かを判定する。主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態にある場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、主制御部・操作条件表示設定処理を終了する。
ステップS202では、操作ナビの設定に関する操作ナビ設定処理(詳しくは後述)を実行する。
<操作ナビ設定処理>
次に、図17(b)を用いて、操作ナビ設定処理について説明する。図17(b)は、図17(a)のステップS202の操作ナビ設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、当該ゲームにおいて小役3(押順ベル)に内部当選したか否かを判定する。小役3(押順ベル)に内部当選した場合には、ステップS302に進み、そうでない場合には、ステップS304に進む。
ステップS302では、小役3(押順ベル)のうち、小役3aに内部当選したか否かを判定する。小役3aに内部当選した場合には、操作ナビ設定処理を終了し、そうでない場合、つまり小役3b〜小役3fのうちのいずれかに内部当選した場合には、ステップS303に進む。
ステップS303では、内部当選した小役3(押順ベル)の正解の操作順序を操作ナビの内容として、操作ナビの演出設定を行う。例えば、小役3bに内部当選した場合には、「右左中」の操作順序を示す操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。ステップS303の終了後は、操作ナビ設定処理を終了する。なお、主制御部300は、小役3b〜3fのいすれかに内部当選したことを示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に送信しているので(図15のステップS105参照)、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した内部抽選コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。
ステップS304では、当該ゲームにおいて再遊技役1(通常ベル)に内部当選したか否かを判定する。再遊技役1(通常ベル)に内部当選した場合には、ステップS305に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS305では、押順抽選を実行して、正解の操作内容を決定し、決定した正解の操作内容を操作ナビの内容とする。詳しくは、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の6択の中からいずれか一つの操作順序を操作ナビの内容とする(図8(b)参照)。
ステップS306では、ステップS305で決定された操作ナビの内容に従って、操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。また、ステップS306では、操作ナビの操作内容(押順情報)を含む押順コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した押順コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。
<第1副制御部の処理>
次に、図18を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図18(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図18(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図18(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図18(a)を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずステップS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。
ステップS3003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS3004では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。
ステップS3005では、演出制御処理を行う。ここでは、RAM408内に設けられた演出予約領域内にある演出予約情報に従って、演出の準備を行う。この準備には例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。例えば、本実施形態では、AT状態において、小役3(押順ベル;小役3aは除く)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選した場合には、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビの設定を行う。
ステップS3006では、ステップS3005の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS3007では、ステップS3005の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS3008では、ステップS3005の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS3009では、ステップS3005の処理結果に基づいて第2副制御部500にコマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS3005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信するコマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS3002へ戻る。
次に、図18(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS3101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図18(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS3201では、図18(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS3002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS3002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS3202では、ステップS3608で設定された第2副制御部500へのコマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部の処理>
次に、図19を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図19(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図19(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図19(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図19(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図19(a)のステップS4001では、各種の初期設定を行う。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS4002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS4003の処理に移行する。
ステップS4003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS4004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS4005では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS4004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS4006では、ステップS4005の処理結果に基づいて画像制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS4005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、第1副制御部400及び第2副制御部500による操作ナビを実行する場合には、操作ナビ画像を表示する画像制御が実行される。この画像制御処理が終了すると、ステップS4002へ戻る。
次に、図19(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS4101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図19(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS4201では、図19(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS4002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS4002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS4202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図19(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS4006の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS4301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS4302では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS4303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS4303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS4301でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、透過度など)をVDP516に指示する。VDP516はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS4304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS4305では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS4306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS4306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
以上、本実施形態によれば、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビを実行しないので、「左中右」の順押しの操作ナビを実行するときの利益量を減少させる遊技性がある。しかしながら、AT状態の操作ナビがない場合であっても、遊技者は通常は「左中右」の順押しの停止操作をすることが多いので、この操作に起因して小役3(押順ベル)に入賞する場合がある。これにより、遊技者はAT状態の操作ナビがない遊技であっても停止操作を単調とせず、遊技意欲を向上させることができる。
<変形例>
上記実施形態(第1実施形態)では、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行しなかった。しかしながら、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいても、所定の条件が成立した場合に操作ナビを実行してもよい。また、AT状態の再遊技役1に内部当選したゲームでは、必ず操作ナビを実行したが、所定の条件が成立した場合に操作ナビを実行するようにしてもよい。また、AT状態の他の役に内部当選したゲームにおいても、所定の条件が成した場合に操作ナビを実行してもよい。
図20は、本実施形態(第1実施形態)の操作ナビ設定処理の変形例を詳しく示すフローチャートである。この変形例では、小役3a、再遊技役1、ハズレに内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行可能とした。
ステップS401では、当該ゲームにおいて小役3(押順ベル)に内部当選したか否かを判定する。小役3(押順ベル)に内部当選した場合には、ステップS402に進み、そうでない場合には、ステップS407に進む。
ステップS402では、小役3(押順ベル)のうち、小役3aに内部当選したか否かを判定する。小役3aに内部当選した場合には、ステップS404に進み、そうでない場合、つまり小役3b〜小役3fのうちのいずれかに内部当選した場合には、ステップS403に進む。
ステップS403では、内部当選した小役3(押順ベル)の正解の操作順序を操作ナビの内容として、操作ナビの演出設定を行う。例えば、小役3bに内部当選した場合には、「右左中」の操作順序を示す操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。ステップS403の終了後は、操作ナビ設定処理を終了する。なお、主制御部300は、小役3b〜3fのいすれかに内部当選したことを示す内部抽選コマンドを第1副制御部400に送信しているので(図15のステップS105参照)、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した内部抽選コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。
ステップS404では、操作ナビ実行抽選を行う。操作ナビ実行抽選は、操作ナビを実行するか否かを決定する抽選である。具体的には、小役3a(押順ベル)に内部当選した場合の操作ナビ実行抽選の当選確率は1/2である。
ステップS405では、ステップS404の操作ナビ実行抽選の結果、当選した場合には、ステップS406に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS406では、内部当選した小役3a(押順ベル)の正解の操作順序を操作ナビの内容として、操作ナビの演出設定を行う。具体的には、「左中右」の操作順序を示す操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。
また、ステップS405では、操作ナビの操作内容(押順情報)を含む押順コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した押順コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。ステップS406の終了後は、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS407では、当該ゲームにおいて再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したか否かを判定する。再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選した場合には、ステップS408に進み、そうでない場合には、ステップS412に進む。
ステップS408では、操作ナビ実行抽選を行う。操作ナビ実行抽選は、操作ナビを実行するか否かを決定する抽選である。具体的には、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選した場合の操作ナビ実行抽選の当選確率は1/4である。
ステップS409では、ステップS408の操作ナビ実行抽選の結果、当選した場合には、ステップS410に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS410では、押順抽選を実行して、正解の操作内容を決定し、決定した正解の操作内容を操作ナビの内容とする。詳しくは、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の6択の中からいずれか一つの操作順序を操作ナビの内容とする(図8(b)参照)。
ステップS411では、ステップS410で決定された操作ナビの内容に従って、操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。また、ステップS411では、操作ナビの操作内容(押順情報)を含む押順コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した押順コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9(b)(c)参照)。ステップS411の終了後は、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS412では、当該ゲームにおいて入賞役内部抽選の結果がハズレであったか否かを判定する。当該ゲームにおいて入賞役内部抽選の結果がハズレであった場合には、ステップS413に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS413では、操作ナビ実行抽選を行う。操作ナビ実行抽選は、操作ナビを実行するか否かを決定する抽選である。具体的には、入賞役内部抽選の結果がハズレだった場合の操作ナビ実行抽選の当選確率は1/8である。
ステップS414では、ステップS413の操作ナビ実行抽選の結果、当選した場合には、ステップS415に進み、そうでない場合には、操作ナビ設定処理を終了する。
ステップS415では、押順抽選を実行して、正解の操作内容を決定し、決定した正解の操作内容を操作ナビの内容とする。詳しくは、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、及び「右中左」の6択の中からいずれか一つの操作順序を操作ナビの内容とする。
ステップS416では、ステップS415で決定された操作ナビの内容に従って、操作ナビの演出設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。また、ステップS416では、操作ナビの操作内容(押順情報)を含む押順コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500は、受信した押順コマンドの内容に基づいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する(図9参照)。
このように、小役3aに内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビを実行する場合があってもよいし、また、再遊技役1(通常リプレイ)の内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行しない場合があってもよいし、また、ハズレであっても、操作ナビを実行する場合があってもよい。これにより、遊技者はAT状態の操作ナビがある遊技と操作ナビがない遊技とにおいて、停止操作を終えるまで入賞結果が分からないこととなり、停止操作を単調とせず遊技意欲を向上させることができる。
また、上記実施形態では、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて操作ナビを実行しなかった。しかしながら、当該ゲームにおいて小役3(押順ベル)に内部当選したことを示唆する演出(以下、小役3当選示唆演出という)を実行してもよい。
図21(a)は、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、小役3当選示唆演出を実行した場合の演出例を示している。図21(a)に示す小役3当選示唆演出では、スタートレバー操作時において、小役3当選を示唆する画像(以下、小役3当選示唆画像という。例えば、画面の周縁に表示されたベル当選を示唆する黄色の画像枠など)d20を演出画像表示装置157に表示する。遊技者は、小役3当選示唆画像d20を視認することにより、小役3(押順ベル)に当選したことを把握するので、通常の停止操作である「左中右」の順押し操作を実行することが予想される。図21(a)は、遊技者が「左中右」の順押しを行った場合の第3停止操作後における、リールの表示態様及び演出態様を示している。この場合には、小役3入賞を示す小役3入賞画像d30が演出画像表示装置157に表示される。
図21(b)は、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、小役3当選示唆演出を実行した場合の別の演出例を示している。図21(b)に示す小役3当選示唆演出は、スタートレバー操作時において、シャッタ163a及び163bを左右に振動させる演出である。このように小役3当選示唆演出は、画像演出でなくてもよい。遊技者は、シャッタ163a及び163bの振動により注意喚起されていることを認識し、操作を慎重に行ったほうがよい(つまり、順押し以外の操作は行わない方がよい)ことを把握するので、通常の停止操作である「左中右」の順押し操作を実行することが予想される。なぜなら、従前の遊技台において通常の停止操作である「左中右」の順押し操作を実行しない場合、その順に応じたリールの引き込み制御が実行された結果、意図しない取りこぼしを生じさせてしまうことがあったからである。図21(b)は、遊技者が「左中右」の順押しを行った場合の第3停止操作後における、リールの表示態様及び演出態様を示しており、小役3入賞画像d30が演出画像表示装置157に表示されている。
また、上記実施形態の小役3(押順ベル)は、「左中右」「左右中」「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」の6択の中の一つを正解の操作順序として決めた。しかしながら、細分化された小役3(押順ベル)の一つは、第1停止操作に対してのみ正解を設定してもよい。例えば、図22に示すように、小役3(押順ベル)を小役3ax、小役3bx、小役3cx、小役3dx及び小役3exの5つに細分化し、小役3axの正解の停止操作を「左中右」「左右中」の2つとしてもよい。すなわち、小役3axに内部当選した場合には、第1停止リールを左リール110とする第1停止操作を行えば、小役3(押順ベル)に入賞するようにしてもよい。この場合には、AT状態の小役3axに内部当選したゲームでは、操作ナビを実行せず、AT状態の小役3bx〜小役3exのいずれかに内部当選したゲームでは、操作ナビを実行する。AT状態の小役3axに内部当選したゲームでは、操作ナビがなくても遊技者は第1停止リールを左リール110とする第1停止操作を行う確率が高いので、遊技者は小役3に入賞する確率が高い。なお、この5つの役の内部当選確率は、それぞれ同一である。
図23(a)は、AT状態の小役2(チェリー)又は小役3a(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビは実行しないが、遊技者に期待感を与える演出aを実行することがある場合の変形例のタイムチャートである。ここで、小役2(チェリー)は、当該役に内部当選した場合に、ATゲームの上乗せや特別役(ボーナス)との同時内部当選など所定の利益が付与される可能性がある役である。すなわち、演出aは、ATゲームの上乗せや特別役(ボーナス)の内部当選が期待できる演出である。なお、小役3a(押順ベル)は、ATゲームの上乗せや特別役(ボーナス)との同時内部当選など所定の利益が付与される可能性がない役とする。
図23(b)は、演出aの表示態様の一例を示している。演出aでは、例えば、期待感を示す画像(以下、期待感画像という。例えば、「激熱」などの文字)d40を演出画像表示装置157に表示する。遊技者は、演出aの期待感画像d40を見ることにより、ATゲームの上乗せを期待し、期待感を向上させることになる。
しかしながら、従来、このような期待感画像d40が表示されたゲームにおいて、小役2に入賞できなかった場合には、遊技者は落胆し、遊技の興趣を低下させることにもなっていた。
そこで、本変形例では、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいても演出aを実行し、期待感画像d40を演出画像表示装置157に表示することとした。これにより、演出aを視認した遊技者は、中リール111を最初に停止させた場合にチェリー図柄が有効ライン上に停止せずに小役2に入賞しなかったとしても、有効ライン上にベル図柄が停止していれば、その後の停止結果で小役3aに入賞する可能性があることを期待できるので、落胆せず、期待感を維持することができる。
なお、本変形例では、図23(a)に示すように、AT状態の入賞役内部抽選処理においてハズレの場合にも演出aを実行することがある。このようにハズレの場合にも演出aを実行してもよいし、しなくてもよい。
また、図23(a)に示すように、AT状態の小役2(チェリー)又は小役3a(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて演出aを実行しない場合もある。このように、本変形例では、AT状態の小役2(チェリー)又は小役3a(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて実行抽選を行い、当選した場合にだけ演出aを実行するようにしている。しかしながら、これとは別に、AT状態の小役2(チェリー)又は小役3a(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて必ず演出aを実行するようにしてもよい。
また、本変形例では、小役3aを、ATゲームの上乗せなど所定の利益を付与されない役として設定したが、ATゲームの上乗せなど所定の利益を付与される可能性がある役として設定してもよい。小役3a(押順ベル)入賞により、遊技者の期待感をさらに向上させる場合がある。しかしながら、この場合、小役2(チェリーの場合よりも上記所定の利益の付与の確率は小さい、又は利益の大きさを小さくするのが好ましい。
なお、AT状態の小役2に内部当選したゲームとAT状態の小役3aに内部当選したゲームとにおいて演出aを実行することしたが、同じ演出aを実行するものでなくてもよい。同系列の種類の演出であればよい。例えば、「激熱」などの文字を表示するが背景色を期待感が低いことを表す青色とする演出a1と、「激熱」などの文字を表示するが背景色を期待感が高いことを表す赤色とする演出a2とを用意し、AT状態の小役2に内部当選したゲームでは演出a2を実行し、AT状態の小役3aに内部当選したゲームでは演出a1を実行する。小役3aに内部当選したゲームではATゲームの上乗せがない(または、ATゲームの上乗せがある確率が低い)ことから、演出a1は演出a2よりも期待感の低いことを示す演出を行うことが好ましい。このように、演出aは一部の文字等が同じであっても他部の文字等が異なるものであってもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態では、AT状態の小役3(押順ベル;ただし小役3aは除く)又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームだけでなく、押順不問役の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいても操作ナビを実行する。そして、押順不問役の再遊技役1(通常リプレイ)又は小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビでは、主制御部300による操作ナビを実行せず、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビだけを実行する。これは、主制御部300の処理負荷の軽減の観点による。押順不問役は、停止操作の順序に関係なく常に入賞するので、押順役に比べて操作ナビの重要性は低い。そこで、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビだけとし、主制御部300の処理負荷の軽減を図ることとした。
なお、AT状態の押順不問役に内部当選したゲームにおいて、主制御部300による操作ナビを実行しない構成を採用した場合、操作ナビの対象となる押順不問役が1つしかないと、操作ナビの報知態様から内部当選役が遊技者に把握されてしまうので、第2実施形態では、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいても操作ナビを実行することとした。
例えば、小役4(共通ベル)の当選確率が設定1〜設定6で異なる場合、AT状態で小役4(共通ベル)に内部当選した場合に操作ナビを実行しないと、操作ナビが実行されずにベル入賞があったときに内部当選役が小役4(共通ベル)であったことが分かってしまう。その頻度をカウントすることで設定値を推測することが可能となる。また例えば、小役4(共通ベル)が内部当選したときにAT状態のゲーム数上乗せ抽選を行う場合、AT状態で小役4(共通ベル)に内部当選した場合に操作ナビを実行しないと、操作ナビが実行されずにベル入賞があったときに内部当選役が小役4(共通ベル)であったことが分かってしまう。その都度AT状態のゲーム数上乗せを期待してしまうが、実際に上乗せが無ければ遊技意欲を低下させてしまうこととなる。
そのため、第2実施形態では、第1副制御部400・第2副制御部500だけによる操作ナビを実行しても、内部当選役が遊技者にばれることはない。
第2実施形態においては、第1実施形態と異なる構成、機能及び処理のみ説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
図24は、非AT状態及びAT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を説明する図である。
図24に示すように、スロットマシン100は、非AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビを実行せず、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、主制御部300による操作ナビを実行せず、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する。
なお、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)又は小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビの報知内容は、第1副制御部400により決定される。すなわち、AT状態において主制御部300が再遊技役1(通常リプレイ)又は小役4(共通ベル)の内部当選を示す内部当選コマンドを送信した場合には、第1副制御部400は、再遊技役1(通常リプレイ)又は小役4(共通ベル)の内部当選を示す内部当選コマンドの受信を契機に押順抽選を実行し、操作ナビの報知内容を決定する。
また、第2実施形態では、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、必ず第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行するようにした。しかしながら、これとは別に、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、実行抽選を行い、当選した場合にだけ、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行するようにしてもよい。
図25は、第2実施形態のAT状態における操作ナビの実行状況を説明する図である。また、図26(a)は、AT状態において小役3a、小役4、又は再遊技役1に内部当選したゲームの操作ナビの報知態様を示す図である。
スロットマシン100は、図25に示すように、(1)AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)、又は小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、主制御部300による操作ナビを実行せず、第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行し、(2)AT状態の小役3b〜3fのいずれかの小役3に内部当選したゲームにおいて、主制御部300及び第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行し、(3)AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて主制御部300及び第1副制御部400・第2副制御部500のいずれでも操作ナビを実行しない。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態の変形例と同様に、小役3aに内部当選したゲームにおいて実行抽選を行い、当選した場合には、操作ナビを実行するようにしてもよい(図20のステップS402〜S406参照)。
図26(b)は、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおける操作ナビの報知態様の変化を示す図であり、図26(c)は、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおける操作ナビの報知態様の変化を示す図である。
第2実施形態では、図26(b)及び(c)に示すように、押順不問役に対する操作ナビの報知態様は同一となっている。入賞役内部抽選処理の結果が遊技者に把握されないようにするためである。具体的には、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいて、演出画像表示装置157上に表示された操作ナビ画像d10は、ベルを認識させる黄色ではなく黒色の文字による画像である。また、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、演出画像表示装置157上に表示された操作ナビ画像d10は、リプレイを認識させる水色ではなく黒色の文字による画像である。このようにAT状態において押順不問役に内部当選した場合、操作ナビ画像d10の表示態様を同一とし、内部当選役が把握されないようにしている。
[第3実施形態]
第3実施形態の再遊技役1(通常リプレイ)の図柄組合せは、第1実施形態における再遊技役1(通常リプレイ)の図柄組合せと異なっている。図27(a)は、第3実施形態の特別役1、特別役2、及び再遊技役1の図柄組合せを示す図である。特別役1(BB)に対応する図柄組合せは、「セブン1−セブン1−セブン1(BB1)」だけであり、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する図柄組合せは、「セブン2−セブン2−セブン2」と「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。それ以外の入賞役の種類及び図柄組合せは、第1実施形態と同一である。なお、第3実施形態においては、第1実施形態と異なる構成、機能及び処理のみ説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の再遊技役1(通常リプレイ)は、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選し、(1)「右中左」の逆押しの停止操作が行われた場合、有効ライン上に「セブン2−セブン2−セブン2」の図柄組合せが表示され、(2)「右中左」の逆押し以外の停止操作が行われた場合、有効ライン上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが表示されるようになっている。なお、(1)の再遊技役1をボーナス図柄の再遊技役1といい、(2)の再遊技役1をリプレイ図柄の再遊技役1という。
また、第3実施形態では、図27(b)に示すように、AT開始条件が成立した場合、第1副制御部400だけが先にAT状態となり、主制御部300は、AT開始条件が成立した以降の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの次ゲームからAT状態となる。図27(b)は、第3実施形態のAT系の遊技状態の遷移、期待感演出の報知態様、及び操作ナビの実行状況を示す図である。
第3実施形態では、AT開始条件が成立した以降の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、停止操作の内容を含んだ期待感演出を実行する。期待感演出は、所定の特典付与を期待させる演出であり、本実施形態では、AT状態への移行を期待させる演出である。期待感演出は、具体的には、図27(b)に示すように、操作ナビと同様に、第1停止操作から第3停止操作までの操作順序を示す操作ナビ画像d10、セブン2図柄を狙うように指示する画像d50を表示するとともにスピーカ272、277を介して操作順序を示す音声を出力して、ボーナス図柄の再遊技役1の入賞を促す演出である。すなわち、期待感演出は操作ナビの報知内容を含む演出となっている。本実施形態の期待感演出の報知内容は、「右中左」の逆押しの停止操作順序を示す情報となっている。遊技者は、期待感演出の演出画像d10及びd50を見るとともに、期待感演出の音声を聞くことにより、AT状態への移行を期待する。
なお、期待感演出を実行したゲームにおいて、ボーナス図柄の再遊技役1に入賞しても、ボーナス図柄の再遊技役1に入賞しなくても(リプレイ図柄の再遊技役1に入賞して)も、期待感演出を実行したゲームの次ゲームからは、主制御部300のAT系の遊技状態は、AT状態となる
このような遊技性を前提とする場合、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、「右中左」の逆押しの操作順序の操作ナビを実行すると、ボーナス図柄の再遊技役1が表示されてしまうので、遊技者は、誤解をして期待感を向上させてしまう場合がある。そこで、第3実施形態では、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいては、「右中左」の逆押しの操作順序の操作ナビを実行しないこととした。
図28(a)は、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの押順抽選で用いられる押順抽選テーブルの内容を模式的に示す表である。図28(a)に示すように、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの押順抽選では、「右中左」の逆押しが選択されることはない。そして、「右中左」の逆押しを回避するため、「左中右」の順押しが選択された確率を高く設定している。したがって、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームに限ると、「左中右」の順押しの操作ナビの実行確率が高くなる。
第3実施形態では、この点を鑑みて、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて、「左中右」の順押しの操作ナビを実行しないこととした。AT状態全体としての「左中右」の順押しの操作ナビの実行頻度を抑えるためである。
なお、第3実施形態では、AT状態の小役4(共通ベル)に内部当選したゲームにおいても操作ナビを実行する。すなわち、第3実施形態のAT状態では、小役3(押順ベル:小役3aは除く)、小役4(共通ベル)、又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、主制御部300及び第1副制御部400・第2副制御部500による操作ナビを実行する。そして、「左中右」の順押しの操作ナビは、小役4(共通ベル)、又は再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて実行可能である。
図28(b)は、期待感演出、及びAT状態における操作ナビの実行状況を示すタイムチャートである。総括すると、スロットマシン100は、AT開始条件が成立した以降の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、期待感演出を実行する。また、AT状態では、再遊技役1(通常リプレイ)、又は小役3b〜3fのいずれかの小役3(押順ベル)、小役4(共通ベル)に内部当選したゲームでは操作ナビを実行し、小役3aに内部当選したゲームでは操作ナビを実行しない。
よって、「左中右」の順押しの操作ナビは、小役3aに内部当選したゲームで実行されない分、再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームで実行されるため、実行頻度が少ない印象を与えることない。従来、AT状態において実行頻度の多い操作ナビの内容を覚えておき、通常遊技状態でその内容の操作を行う遊技者がいたが、順押しの操作ナビの実行頻度が少ない印象を与えることがなければ、通常遊技状態で順押しの操作を行うことを結果的に促す効果が期待できる場合がある。
[第4実施形態]
第4実施形態は、第3実施形態と類似する。ボーナス図柄の再遊技役1に入賞するための操作条件が異なっており、それ以外の遊技性は第3実施形態と略同一である。すなわち、再遊技役1(通常リプレイ)に対応する図柄組合せは、第3実施形態と同様に「セブン2−セブン2−セブン2」と「リプレイ−リプレイ−リプレイ」があるが、本実施形態の再遊技役1は、入賞役内部抽選処理において当該役に内部当選し、(1)「左中右」の順押しの停止操作が行われた場合、有効ライン上に「セブン2−セブン2−セブン2」の図柄組合せが表示され、(2)「左中右」の順押し以外の停止操作が行われた場合、有効ライン上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが表示される。
図29(a)は、第4実施形態のAT系の遊技状態の遷移、期待感演出の報知態様、及び操作ナビの実行有無を示すタイムチャートである。スロットマシン100は、AT開始条件が成立した以降の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、期待感演出を実行する。期待感演出は、所定の特典付与を期待させる演出であり、本実施形態でも、AT状態への移行を期待させる演出である。期待感演出は、具体的には、「左中右」の順押しの停止操作順序を示す操作ナビ画像d10、セブン2図柄を狙うように指示する画像d50を表示するとともにスピーカ272、277を介して「左中右」の操作順序を示す音声を出力して、ボーナス図柄の再遊技役1の入賞を促す演出である。
このような遊技性を前提とする場合、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて、「左中右」の逆押しの操作順序の操作ナビを実行すると、ボーナス図柄の再遊技役1が表示されてしまうので、遊技者は、誤解をして期待感を向上させてしまう場合がある。そこで、第4実施形態では、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいては、「左中右」の順押しの操作順序の操作ナビを実行しないこととした。
図29(b)は、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの押順抽選で用いられる押順抽選テーブルの内容を模式的に示す表である。図29(b)に示すように、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームの押順抽選では、「左中右」の順押しが選択されることはない。そして、「左中右」の順押しを回避するため、「右中左」の逆押しが選択された確率を高く設定している。
第4実施形態では、AT状態の再遊技役1(通常リプレイ)に内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビはを実行しないという点を鑑みて、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームでは、「左中右」の順押しの操作ナビを実行しないこととした。仮にAT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビを実行した場合には、当該ゲームは小役3(押順ベル)の内部当選であることが遊技者に把握されてしまうからである。
なお、図示しないが、第4実施形態のAT状態では、第3実施形態と同様に、再遊技役1(通常リプレイ)、又は小役3b〜3fのいずれかの小役3(押順ベル)、小役4(共通ベル)に内部当選したゲームでは操作ナビを実行し、小役3aに内部当選したゲームでは操作ナビを実行しない。
よって、「左中右」の順押しを除く操作ナビが実行された場合は、小役3aまたは再遊技役1(通常リプレイ)に入賞する可能性があり、遊技操作を終えるまで何れかの結果になることを期待させることができる。
[第1〜第4実施形態における変形例]
上記第1〜第3実施形態では、AT状態の全期間において、小役3a内部当選時に「左中右」の順押しの操作ナビを実行しなかった。しかしながら、AT状態の一部の期間において小役3a内部当選時の「左中右」の順押しの操作ナビを実行するようにしてもよい。例えば、図30(a)に示すように、AT状態を開始してから所定のゲーム数(例えば、500ゲームなど)までは、小役3a内部当選時の操作ナビを実行し、所定のゲーム数(例えば、500ゲームなど)以降においては小役3a内部当選時の操作ナビを実行しないようにしてもよい。また、例えば、図30(b)に示すように、AT状態における差枚数が所定の数(例えば、1000枚など)までは、小役3a内部当選時の操作ナビを実行し、AT状態における差枚数が所定の数(例えば、500ゲーム)を超えた場合においては小役3a内部当選時の操作ナビを実行しないようにしてもよい。ここで、差枚数とは、メダル払出枚数からメダル投入枚数を引いた総合計数である。
このようにAT状態を長時間経験し、操作ナビに対して慣れてきた遊技者に対しては、操作ナビを実行しない、又は操作ナビの頻度を下げるようにしてもよい。遊技者の疲労感を軽減できる場合がある。
また、AT状態の小役3a当選時の「左中右」の順押しの操作ナビは、原則実行しないようにし、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて小役3に連続して所定回数、非入賞だった場合に、次回のAT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて「左中右」の順押しの操作ナビを実行するようにしてもよい。
図31は、このような変形例における操作ナビの状況を説明する図である。図31は、AT状態の小役3aに内部当選したゲームG1、G2及G3において、操作ナビを実行していないこと、及び小役3(押順ベル)に非入賞だったこと(こぼし目が表示されている)を示している。また、図31は、その結果、次のAT状態の小役3aに内部当選したゲームG4において、操作ナビを実行して小役3(押順ベル)に入賞したことを示している。つまり、図31に示した例は、連続して3回小役3(押順ベル)に非入賞だった場合、次回の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームで操作ナビを実行する場合を示している。なお、小役3(押順ベル)の非入賞の回数は、3回に限定されるものではなく、また、連続回数のほか、積算回数としてもよい。
このようにAT状態の小役3aに内部当選したゲームの入賞結果に基づいて、次回、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおける操作ナビの実行有無を決定するようにしてもよい。
また、小役3(押順ベル)に内部当選した場合に表示されるこぼし目の図柄組合せに応じて、主制御部300の遊技状態が変化するようにしてもよい。例えば、(1)小役3b〜3fのいずれかに内部当選し、小役3(押順ベル)に非入賞であった場合には、こぼし目Aが表示されることがあり、(2)小役3aに内部当選し、小役3(押順ベル)に非入賞であった場合には、こぼし目Bが表示されることがあるようにしてもよい。
ここで、こぼし目Aは、遊技状態の移行を伴う図柄組合せであり、不利な遊技状態への移行を伴う図柄組合せとなっている。一方、こぼし目Bは、遊技状態の移行を伴わない図柄組合せである。すなわち、AT状態において小役3aに内部当選し、小役3に非入賞だった場合には、不利な遊技状態の移行し難いが、AT状態において小役3b〜3fに内部当選し、小役3に非入賞だった場合には、不利な遊技状態の移行が容易となるようにしてもよい。
図32は、このような変形例における操作ナビの状況を示すタイムチャートである。AT状態の小役3aに内部当選したゲームでは、操作ナビが実行されないため、仮に小役3(押順ベル)に非入賞だったとしても、こぼし目Bが表示されやすくなっている(こぼし目Aは表示されにくい)。一方、したがって、AT状態の小役3b〜3fのいずれかに内部当選し、操作ナビが実行されたゲームにおいて、小役3(押順ベル)に非入賞だった場合には、こぼし目Aが表示されやすくなっている。したがって、AT状態の小役3aに内部当選し、かつ小役3(押順ベル)に非入賞だったゲームは、AT状態の小役3b〜3fのいずれかに内部当選し、かつ小役3(押順ベル)に非入賞だったゲームに比べて、不利な遊技状態へ移行し難くなっている。
なお、上記第1〜第3実施形態は、小役3(押順ベル)を、所謂6択の中の一つの操作順序を正解操作順とする役としたが、例えば、所謂3択の中の一つの操作順序を正解操作順序とする役としてもよい。ここで、3択とは、例えば「第1停止操作が左」「第1停止操作が中」「第1停止操作が右」とする停止操作をいう。この場合、小役3aの正解操作を「第1停止操作が左」とする停止操作に設定し、AT状態の小役3aに内部当選したゲームにおいて、「第1停止操作が左」とする操作ナビを実行しない。従来、「左中右」の「順押し」と「左右中」の「挟み打ち」の操作を推奨操作順序とする遊技台が多くあったことから、AT状態において、「順押し」(左中右)又は「挟み打ち」(左右中)の停止操作を行った場合に取りこぼしを生じさせにくくできる。
また、「左中右」の「順押し」と「左右中」の「挟み打ち」の操作を推奨操作順序とした場合、小役3(押順ベル)を所謂5択(小役3a〜小役3e)とし、小役3aの正解の停止操作順序を「左中右」と「左右中」とし、小役3bの正解の停止操作順序を「中左右」とし、小役3cの正解の停止操作順序を「中右左」とし、小役3dの正解の停止操作順序を「右左右」とし、小役3eの正解の停止操作順序を「右中左」とする。小役3aに内部当選した場合に取りこぼしを生じさせ難くし、選択数を増やすことができる。
さらには、推奨操作順序を「右中左」の「逆押し」とする遊技台を前提とする場合には、AT状態において、「逆押し」(右中左)を正解の停止操作とする役に内部当選した場合に、操作ナビを実行しないようにしてもよい。
また、従来、第1停止リールを左リール110とし、黒BAR付近を操作すると取りこぼしが最小となる遊技台が多くあったことから、AT状態において、第1停止リールを左リール110とし黒BAR付近を操作すると取りこぼしを回避可能な役が内部当選した場合に、操作ナビを実行しないようにしてもよい。
また、複数種類の再遊技役を備えるようにし、複数種類の再遊技役のうちの少なくとも1つの再遊技役が、特定の遊技状態において、「左中右」の「順押し」の停止操作を行った場合に特定の遊技状態を維持する図柄組み合わせが停止し、「左中右」の「順押し」とは異なる停止操作を行った場合に特定の遊技状態よりも遊技者に不利な遊技状態に移行する図柄組み合わせが停止する移行再遊技役であるとしてもよい。そして、AT状態かつ特定の遊技状態において、移行再遊技役が内部当選当選した場合に操作ナビを実行しないようにしてもよい。
<<チャレンジゾーンを設けた遊技性の実施形態>>
以下に説明する第5実施形態から第6実施形態は、上記第1実施形態から第4実施形態で説明した、AT(アシストタイム)遊技において操作ナビを制限する実施形態ではなく、AT遊技に移行しやすい状態(チャレンジゾーン)を設けることにより新たな遊技性を実現している実施形態である。
[第5実施形態]
第5実施形態においては、第1実施形態と異なる構成、機能及び処理を中心に説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
<入賞役の種類>
図33は、第5実施形態(本実施形態)に係る入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組み合わせ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
図33に示すように、本実施形態の入賞役には、再遊技役2(昇格リプレイ)及び再遊技役3(降格リプレイ)は存在しないが(図5参照)、その他の役は、第1実施形態と同一である。また、図33に示した役(具体的には、特別役1、特別役2、再遊技役1、小役1、小役2、小役3、小役4)の図柄組み合わせ、付与数、及び役の内容は、第1実施形態で説明した通りである。
なお、本実施形態のスロットマシン100は、3枚賭け専用の遊技台ではなく、メダルの投入枚数(ベット数)に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定する。詳しくは、メダルが1枚ベットされた場合、中段水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。
<遊技状態の種類>
図34は、本実施形態に係るスロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
スロットマシン100の主制御部300は、大別すると、通常遊技状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT2)、及び特別遊技状態(RT3)を有する。本実施形態では、この3つに大別された遊技状態をRT系の遊技状態という。また、通常遊技状態(RT1)は、通常状態と、期待状態(チャレンジゾーンともいい、以下CZと略記する場合がある)と、AT状態と、にさらに細分化される。この通常遊技状態(RT1)の細分化された遊技状態をAT系の遊技状態という。すなわち、本実施形態では、主制御部300が所謂AT(アシストタイム)に関する状態も制御しており、主制御部300が決定したRT系の遊技状態及びAT系の遊技状態に従って、第1副制御部400は演出遊技状態を設定するようになっている。
以降、図面を適宜参照しながら、本実施形態に係るスロットマシン100のRT系の遊技状態の遷移について説明する。通常遊技状態(RT1)、特別役内部当選状態(RT2)、及び特別遊技状態(RT3)の定義は、第1実施形態と同一である。
通常遊技状態(RT1)は、初期状態において設定され、また、特別遊技状態(RT3)において規定枚数を超えるメダルの払出があった場合(詳しくは後述)、通常遊技状態(RT1)が設定される。なお、初期状態において設定される通常遊技状態(RT1)及び特別遊技状態(RT3)から遷移する場合に設定される通常遊技状態(RT1)は、通常状態である。また、通常遊技状態(RT1)において、特別役に内部当選した場合には、特別役内部当選状態(RT2)に移行し、特別役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合(特別役に入賞した場合)には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
特別役内部当選状態(RT2)は、通常遊技状態において、特別役に内部当選した場合に設定される。一方、特別役内部当選状態(RT2)において、内部当選した特別役に対応する図柄組み合わせが表示された場合には、特別遊技状態(RT3)に移行する。
特別遊技状態(RT3)は、通常遊技状態(RT1)、又は特別役内部当選状態(RT2)において、内部当選した特別役に入賞した場合に設定される。一方、特別遊技状態(RT3)において、規定枚数が払い出された場合に通常遊技状態(RT1)の通常状態に移行する。具体的には、特別役1に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、300枚を超えるメダルの払出しが終了すると通常状態に移行する。また、特別役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて特別遊技状態(RT3)に移行した場合には、100枚を超えるメダルの払出しが終了すると通常状態に移行する。
次に、図面を適宜参照しながら、本実施形態に係るスロットマシン100のAT系の遊技状態について説明する。
通常状態及び期待状態は、操作ナビが実行されない遊技状態である。通常状態及び期待状態は、期間全体を通してメダル払出数<メダル投入数となる状態であり、遊技者のメダルが目減りする状態である。一方、AT状態は、操作ナビが実行される遊技状態である。AT状態は、期間全体を通してメダル払出数>メダル投入数となる状態であり、遊技者のメダルが増加する状態である。AT系の遊技状態において、AT状態は遊技者に最も有利な遊技状態である。
また、通常状態及び期待状態は、所定の条件が成立することにより、AT状態に移行することが可能な遊技状態である。期待状態は、通常状態よりもAT状態への移行が容易となっている。つまり、期待状態は、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態である。
このように、通常状態と期待状態とは、期待状態が通常状態よりもAT状態に移行し易い点で差違がある。さらに、通常状態と期待状態とは、期待状態が通常状態よりAT状態への移行を期待させる演出が実行され易い点でも差違がある。つまり、期待状態においてはAT状態への移行を期待させる演出が実行される頻度は高い(毎遊技実行される)が、通常状態においてはAT状態への移行を期待させる演出が実行される頻度は低い。
なお、期待状態を操作ナビが実行される遊技状態としてもよい。このときAT状態よりも低い頻度(押順ベルに内部当選したゲームのうちの一部のゲームで操作ナビが実行される)で操作ナビが実行される遊技状態とするのが好適である。
ここで、本実施形態の操作ナビについて説明すると、本実施形態では、AT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3(押順ベル)に内部当選したゲーム、より詳しくは、小役3a〜小役3fのいずれかに内部当選した場合に正解の操作順序を示す操作ナビが実行される。
図35(a)は、本実施形態の特典期間を説明する図である。本実施形態では、AT状態と期待状態が交互に連続する遊技性に特徴を有しており、このAT状態と期待状態で構成される期間を特典期間と称している。開始された特典期間は、リミッタに到達した場合に終了し、リミッタに到達した時点のAT系の遊技状態(例えば、AT状態又は期待状態)から通常状態に移行する。本実施形態におけるリミッタ到達は、基本的には特典期間における1000ゲームの消化である。つまり、特典期間において1000ゲームを消化した場合、特典期間は終了する。
なお、リミッタ到達の条件として他の条件を設定してもよく、また、1000ゲームの消化の条件の他に別の条件を設定(複数種類の条件を設定)し、いずれかの条件を満たした場合をリミッタ到達の条件としてもよい。
なお、本実施形態では、この特典期間においてナビ発生状態報知ランプ190が点灯可能となっている。また、詳しくは後述するが、本実施形態では最後のAT状態に対してATゲーム数補正処理が実行される場合、特典期間におけるゲーム数が1000ゲームに到達しなくても特典期間は終了する場合がある。
図35(b)は、本実施形態のAT系の遊技状態の遷移を示す表である。
まず、通常状態から他の状態への移行について説明する。通常状態において、毎遊技実行される、期待状態に移行するか否かを決定する移行抽選1に当選した場合、期待状態に移行する。また、通常状態において、毎遊技実行される、AT状態に移行するか否かを決定する移行抽選2に当選した場合、AT状態に移行する。ここで、移行抽選1の当選確率は、移行抽選2の当選確率よりも高く設定されている。例えば、移行抽選1の当選確率は、1/100であり、移行抽選2の当選確率は、1/500である。したがって、通常状態においては、AT状態に移行するよりも期待状態に移行する方が容易となっている。
次に、期待状態から他の状態への移行について説明する。期待状態において、予め定めたゲーム数を消化した場合には、通常状態に移行する。ここで、予め定めたゲーム数とは、移行抽選1に当選した場合に設定されるゲーム数を意味する。詳しくは、移行抽選1に当選した場合、期待ゲーム数抽選が行われ、図35(c)に示すように、ゲーム数として10、20又は30のうちの1つが設定される。例えば、移行抽選1に当選し、期待ゲーム数抽選により10が設定された場合には、期待状態において10ゲームを消化した場合、期待状態を終了して通常状態に移行する。また、期待状態において、特典期間のリミッタに到達した場合には、期待状態を終了して通常状態に移行する。
なお、期待状態においてリミッタに到達すると遊技者の期待感を低下させる場合があるため、リミッタ到達までの遊技数が残り少ない場合は、期待状態を設定せずに通常状態を設定してもよい。例えば、期待状態を設定する際に、リミッタに到達するまでのゲーム数を判定し、30ゲームより少ないゲーム数である場合、期待状態を設定せずに通常状態を設定するようにしてもよい。
期待状態において、AT移行抽選に当選した場合には、AT状態に移行する。詳しくは後述するが、AT移行抽選には、期待状態に移行した最初のゲームで実行されるAT移行抽選1と、期待状態の各ゲーム(最初のゲームを除く)で実行されるAT移行抽選2と、がある。また、これも詳しくは後述するが、期待状態において、AT移行抽選に当選した場合には、期待状態を中断して即時AT状態に移行する場合と、期待状態の予め定めたゲーム数を消化した後にAT状態に移行する場合と、が存在する。
次に、AT状態から他の状態への移行について説明する。AT状態において、特典期間のリミッタに到達した場合には、AT状態を終了して通常状態に移行する。また、AT状態において、予め定めたゲーム数を消化した場合には、期待状態に移行する。ここで、予め定めたゲーム数とは、移行抽選2又はAT移行抽選に当選した場合に設定されるゲーム数を意味する。詳しくは、移行抽選2又はAT移行抽選に当選した場合、ATゲーム数抽選が行われ、図35(c)に示すように、ゲーム数として10、20、30、33、50、55又は70のうちの1つが設定される。本実施形態では、特典期間の最初のAT状態に対するATゲーム数抽選では、ゲーム数として10が設定されようになっており、また、33及び77は、設定値を示唆するゲーム数となっている。例えば、設定値として設定「1」〜設定「6」がある場合、33及び77は、設定「4」〜設定「6」が設定されている場合に選ばれやすい。以後、AT状態のゲーム数として、10、20、30、50及び70を、通常数、33及び55を、設定示唆数という。
なお、本実施形態では、期待状態から通常状態への移行条件を、期待状態の消化ゲーム数としたが、これに限定されない。例えば、ハズレの数、再遊技役1への当選回数などとし、期待ゲーム数抽選は、ハズレの数、再遊技役1への当選回数などに複数の選択肢を設けるようにしてもよい。この場合でも、期間が異なる複数種類の期待状態を設けることができる。同様にして、本実施形態では、AT状態から期待状態への移行条件を、AT状態の消化ゲーム数としたが、これに限定されない。例えば、押順役である小役3(押順ベル)の操作ナビ回数、メダル獲得枚数などとし、ATゲーム数抽選は、小役3(押順ベル)の操作ナビ回数、メダル獲得枚数などに複数の選択肢を設けるようにしてもよい。この場合でも、利益度の異なる複数のAT状態を設けることができる。
また、図35(b)に示したAT系の遊技状態における移行条件を、設定値(設定1〜設定6)に係わらず同一の条件としてもよいし、設定値ごとに異なる条件としてもよい。
図36(a)は、ATゲーム数抽選の内容を詳しく説明する模式図である。ATゲーム数抽選では、まず、10、20、30、50、又は70の中から1つのゲーム数を選択し、次いで、選択したゲーム数が50又は70の場合には、さらに抽選を実行する。例えば、選択したゲーム数が30の場合には、33選択抽選を実行し、33選択抽選に当選した場合には、ゲーム数として33を設定する。一方、選択したゲーム数が50の場合には、55選択抽選を実行し、55選択抽選に当選した場合には、ゲーム数として55を設定する。
なお、この1回目の抽選において、選択したゲーム数が10、20若しくは30の場合、又は、選択したゲーム数が50又は70であって2回目の抽選(33選択抽選、55選択抽選)に非当選だった場合には、選択したゲーム数をそのままAT状態のゲーム数として設定する。
なお、特典期間における初回のAT状態に対するATゲーム数抽選の場合には、AT状態のゲーム数として10を設定する。初回のAT状態に対して、10、20、30、50、70のうちの数が多いものが選ばれる仕様とすると、AT状態の連続(上乗せ)の頻度を多くできない可能性や、AT状態開始確率が低くなる可能性が生じるからある。また、特典期間における最後のAT状態(詳しくは後述する)に対するATゲーム数抽選の場合には、33選択抽選及び55選択抽選は行われない。つまり、最後のAT状態に対するATゲーム数抽選では、まず、10、20、30、50、又は70の中から1つのゲーム数が選択される。最後のAT状態では、ATゲーム数補正処理(詳しくは後述)を実行するためである。
図36(b)は、33選択抽選の内容を説明する模式図である。本実施形態の33選択抽選では、設定値に応じて当選確率が異なる抽選となっている。具体的には、設定値が設定1、3又は5の場合、33選択抽選の当選確率は30%となっており、設定値が設定2、4又は6の場合、33選択抽選の当選確率は70%となっている。すなわち、AT状態のゲーム数として33が設定された場合には、設定値は偶数である確率が高いと推定することができる。換言すれば、AT状態のゲーム数33は、設定値が奇数か偶数かを判断可能な数字であると言える。
図36(c)は、55選択抽選の内容を説明する模式図である。55選択抽選の内容を説明する模式図である。本実施形態の55選択抽選では、設定値に応じて当選確率が異なる抽選となっている。具体的には、設定値が設定1、2又は3の場合、55選択抽選の当選確率は30%となっており、設定値が設定4、5又は6の場合、55選択抽選の当選確率が70%となっている。すなわち、AT状態のゲーム数として55が設定された場合、設定値は高設定である確率が高いと推定することができる。換言すれば、AT状態のゲーム数55は、設定値が高設定か低設定かを判断可能な数字であると言える。
このように本実施形態において、AT状態のゲーム数33及び55は、設定値を示唆する設定示唆数となっている。そして、設定示唆数55は設定示唆数33より遊技者により有利な情報を与える数値となっている。
図37(a)及び(b)は、特典期間の別の例を説明する図である。特典期間は、図35(a)に示したように、AT状態と期待状態が交互に繰り返し連続することにより、一連の期間と認識されることを想定している。しかしながら、図37(a)及び(b)に示すように、AT状態と期待状態だけで終了してしまう場合、期待状態だけで終了してしまう場合も存在する。
図37(c)は、特典期間のゲーム数をカウントするカウント期間c1を示す図である。本実施形態の場合、特典期間カウンタが特典期間の開始からゲーム数をカウントし、特典期間カウンタの値が1000に到達した場合、特典期間を終了するようにしている。
図38は、特典期間における初回のAT状態のゲーム数と2回目以降のAT状態のゲーム数を説明する図である。
図38(a)は、特典期間における初回のAT状態のゲーム数及び初回のAT状態が終了した後の期待状態のゲーム数を説明する図である。具体的には、図38(a)は、初回のAT状態のゲーム数10、その後の期待状態のゲーム数10の場合を示している。
本実施形態では、上述したように、特典期間における初回のAT状態は10ゲームが設定される。そして、この初回のAT状態が規定ゲーム数の10ゲームを消化して終了した場合、初回のAT状態の後に開始される期待状態のゲーム数は、期待ゲーム数抽選の結果に基づいて、10、20又は30の中から選択されるが(図35(c)参照)、短いゲーム数、具体的には10が選択される確率が高くなっている。その結果、本実施形態では、特典期間において短い期間のAT状態が設定された場合、短い期間の期待状態が設定される確率が高い。初回のAT状態は短い期間であるため、初回のAT状態で得られるメダル数はそれほど多くない。そのため、初回のAT状態の後に開始される期待状態の期間も短くし、期待状態で失うメダル数を少なくすれば、遊技者がメダルを途中で買い足す可能性を低くできるという趣旨による。
なお、本実施形態のように初回のAT状態を固定的に10ゲームとするのではなく、短いゲーム数が設定されるようにしてもよい。例えば、10、20又は30の中からゲーム数を選択するようにしてよい。また、初回のAT状態の後の期待状態に対して、短いゲーム数が設定される確率を高くするのではなく、固定的に10ゲームを設定するようにしてもよい。
また、AT状態が10ゲームであった場合、期待状態の期間として必ず10が選択されるようにしてもよい。また、AT状態が20ゲームであった場合、期待状態の期間として20ゲーム以下となる数(10又は20)が選択されるようにしてもよい。
図38(b)は、特典期間における2回目以降のAT状態のゲーム数及びこの2回目の移行のAT状態が終了した後の期待状態のゲーム数を説明する図である。具体的には、図38(a)は、2回目のAT状態のゲーム数20、その後の期待状態のゲーム数20の場合を示している。
本実施形態では、特典期間における2回目以降のAT状態に対しては、10を除くゲーム数が設定されるようになっている。具体的には、ATゲーム数抽選を行い、20、30、33、50、55又は70のゲーム数の中から選択される。つまり、2回目以降のAT状態は初回のAT状態に比べて長い期間となるため、2回目以降のAT状態では、初回のAT状態よりも獲得できるメダル数は多くなる。そして、この2回目以降のAT状態が規定ゲーム数を消化して終了した場合、2回目以降のAT状態の後に開始される期待状態のゲーム数は、期待ゲーム数抽選により20又は30のゲーム数の中から選択される。その結果、本実施形態では、特典期間において長い期間のAT状態が設定された場合、長い期間の期待状態が設定される確率が高い。2回目以降のAT状態は長い期間であるため、2回目以降のAT状態で得られるメダル数は多くなる。そのため、2回目以降のAT状態の後に開始される期待状態の期間も長くし、期待状態で失うメダル数を多くしても、遊技者がメダルを途中で買い足す可能性を低くできるという趣旨による。
なお、特典期間における2回目以降のAT状態に対して、10、20、30、33、50、55又は70のゲーム数の中から選択されるようにしてもよい。この場合、2回目以降のAT状態で10が選択される確率は低くなるため、2回目以降のAT状態で獲得できるメダル数が多くなる確率は高くなる。
なお、図38では、通常状態からAT状態に移行する場合について説明したが、通常状態から期待状態を経由してAT状態に移行する場合も同様である。特典期間における最初のAT状態は、期待状態を経由した後のAT状態を、特典期間における最初のAT状態とすればよい。
図39は、期待状態において実行される、AT移行抽選を詳しく説明する図である。AT移行抽選は、上述したように、期待状態に移行した最初のゲームで実行されるAT移行抽選1と、期待状態の毎ゲーム(最初のゲームは除く)に実行されるAT移行抽選2と、がある。
図39(a)は、AT移行抽選の当選確率の一例を示す表である。図39(a)によれば、AT移行抽選1の当選確率は1/6、AT移行抽選2の当選確率は1/50である。この数値は、通常状態において実行される移行抽選2の当選確率よりもはるかに大きい数値である。この数値からも、期待状態は、通常状態と比べてAT状態に移行しやすい遊技状態であると言える。
図39(b)は、AT移行抽選の実行時期を示す図である。AT移行抽選1は、上述したように、期待状態に移行した最初のゲームで実行され、AT移行抽選2は、期待状態の毎ゲーム(最初のゲームは除く)で実行される。なお、AT移行抽選1及びAT移行抽選2は、遊技の開始時、つまりスタートレバー操作時に実行される。
図39(c)は、AT状態のストック数を説明する図である。本実施形態では、AT状態に移行する権利はストック可能であり、ストック数として、0〜255までの数値をメモリ上に記憶することができる。ストック数が1以上の場合には、期待状態が終了した後、AT状態に移行することが確定している。つまり、ストック数が1以上の場合、次回のAT状態が確定している。
図39(d)は、期待状態終了抽選の当選確率の一例を示す図である。図39(d)によれば、期待状態終了抽選の当選確率は1/2である。本実施形態では、AT移行抽選2において当選した場合、さらに期待状態終了抽選を実行し、期待状態を中断してAT状態を即時開始させるか否かを決定する。期待状態終了抽選に当選した場合には、期待状態を中断して、AT状態を即時開始させ、期待状態終了抽選に当選しなかった場合には、期待状態を継続して、規定ゲーム数を消化した後、AT状態を開始させる。期待状態は、期間全体を通してメダル払出数<メダル投入数となるため、AT状態を即時開始させたほうが遊技者に有利となる。なお、2回目のAT状態以降の期待状態において、期待状態終了抽選は行われ、1回目のAT状態後の期待状態においては、期待状態終了抽選は行われない。
図39(e)は、期待状態からAT状態に移行する場合の2つの移行パターンを説明する図である。
ケース1は、予め定められた規定ゲーム数を全て消化した後、AT状態に移行する移行パターンである。具体的には、ケース1は、規定ゲーム数として30ゲームが決定されていた期待状態の15ゲーム目においてAT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に非当選だった場合を示している。この場合には、AT移行抽選2に当選したので、AT状態に移行することは確定しているが、期待状態終了抽選に非当選だったため、期待状態において30ゲームを消化した後にAT状態を開始する。
これに対してケース2は、予め定められた規定ゲーム数を中断して、即時AT状態に移行する移行パターンである。具体的には、ケース2は、30ゲームのゲーム数が規定された期待状態のゲーム15ゲーム目においてAT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に当選だった場合を示している。この場合には、AT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選にも当選したので、15ゲーム目で期待状態を終了し、次ゲームからAT状態を開始する。
このように本実施形態の期待状態では、予め定められた規定ゲーム数を完走した後にAT状態に移行する場合、及び予め定められた規定ゲーム数を中断して即時AT状態に移行する場合の2つのパターンが存在する。
しかしながら、10ゲームの期待状態では、ケース2のパターンは存在しない。すなわち、10ゲームの期待状態では、AT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選にも当選したとしても、パターン1が選択され、規定ゲーム数である10ゲームの消化が要求される。10ゲームの期待状態は、最も短い期間の期待状態であるので、完走させてもメダルが目減りする影響はそれほど大きくないと考えられるからである。加えて、期待状態ではAT状態のストックを多く獲得させたい趣旨による。
なお、本実施形態では、AT移行抽選を期待状態において実行するようにしたが、これに限定されず、AT状態においてAT移行抽選2を実行するようにしてもよい。AT状態においても遊技の興趣を向上させることができる。
図40は、期待状態からAT状態に移行する場合の移行時期を示すタイミングチャートである。
図40(a)は、AT移行抽選1に当選し、AT状態への移行が決定した場合のタイミングチャートである。この場合には、期待状態の1ゲーム目G1において実行されるAT移行抽選1に当選したのでストック数は1になる。その後、期待状態において実行されるAT移行抽選2では非当選だったので、期待状態の規定ゲーム数を消化した後、ストック数を0にして、期待状態が終了したゲームの次ゲームG2からAT状態を開始する。
なお、図40(a)に示すように、AT移行抽選1に当選した場合には、期待状態の開始時に既に次回のAT状態が確定しているので、期待状態中の演出にメリハリをつけることが可能となる。
図40(b)は、AT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に非当選で、AT状態への移行が決定した場合のタイミングチャートである。この場合には、期待状態の1ゲーム目G1において実行されるAT移行抽選1に非当選、その後、期待状態のゲームG3で実行されるAT移行抽選2に当選したのでストック数は1になる。しかしながら、期待状態終了抽選に非当選であったため、期待状態の規定ゲーム数を消化した後、ストック数を0にして、期待状態が終了したゲームの次ゲームG2からAT状態を開始する。
図40(c)は、AT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に当選して、AT状態への移行が決定した場合のタイミングチャートである。この場合には、期待状態の1ゲーム目G1において実行されるAT移行抽選1に非当選、その後、期待状態のゲームG3で実行されるAT移行抽選2に当選したのでストック数は1になる。また、期待状態終了抽選にも当選であったため、期待状態のゲームG3にて期待状態を終了し、ストック数を0にして、ゲームG3の次ゲームからAT状態を開始する。
図40(c)に示すように、規定ゲーム数の期待状態を即時終了し、AT状態を開始する場合には、不利な状態を終了して有利な状態に移行するので、メダルの獲得という観点からは遊技者にとって有利である一方、残りの期間の期待状態において毎ゲーム実行されるAT移行抽選2による特典は受けられなくなるので、AT状態の権利付与という観点からは遊技者にとって不利である。
図41は、特典期間とメダル獲得数との関係を示すグラフであり、AT状態と期待状態とが交互に連続する遊技性においてメダル獲得数を説明する図である。ここで、メダル獲得数は、毎遊技のメダル払出数−メダル投入数の合計で算出される。ここで、傾斜s1は、特典期間における理論上の出玉傾斜を示しており、傾斜s2は、AT状態における出玉傾斜を示している。
図41(a)は、特典期間のうちAT状態では、獲得したメダルが増加すること、期待状態では、獲得したメダルが減少することを示している。短期間(例えば、最初のAT状態だけ)で見れば、傾斜s2>傾斜s1となり、メダルが理論上の出玉傾斜を超えて増加することもあるが、長期間(例えば、AT状態と期待状態とが複数回交互に連続した期間)で見れば、特典期間全体の出玉傾斜は緩やかになり、傾斜s2に近づくこととなる。短期間のAT状態の後には短期間の期待状態が設定され、長期間のAT状態の後には長期間の期待状態が設定されることによる。
図41(b)は、このことを示しており、期待状態を短縮させることなく、AT状態と期待状態が交互に5回連続して特典期間を終了する場合を示している。このように、期待状態を短縮させず完走させた場合には、AT移行抽選2の機会が多くなるので、次回のAT状態の発生確率も高くなる。これにより、AT状態と期待状態が交互に複数回連続する確率が高くなり、結果的に長い特典期間が形成されるので、出玉率は傾斜s1に近づきながらメダル増加を実現することができる。
一方、図41(c)は、期待状態を短縮させて、AT状態と期待状態が交互に3回連続して特典期間を終了する場合を示している。この場合には、短期的にメダル獲得数は多くなるが、次回のAT状態の発生確率は低くなってしまうので、AT状態と期待状態の連続性が少ない回数で途絶えてしまい、結果、特典期間は短い期間で終了してしまう。
このように本実施形態では、AT移行抽選が受けられる期待状態を完走させた方が一連の長い特典期間を実現することができ、出玉傾斜も理論上の出玉傾斜s1に近づけることができる。一方、期待状態を短縮させた場合には、短期的にメダル獲得数を多くすることができる。
<通常遊技状態の演出>
次に、図42〜図48を用いて、通常遊技状態の演出について説明する。
・期待状態の演出
図42(a)は、操作ナビの有無の観点から期待状態及び通常状態の演出を説明する図である。上述したように、期待状態及び通常状態は、操作ナビが実行されない遊技状態である。期待状態及び通常状態は、メダル払出を抑制することを目的とした遊技状態であるからである。
図42(a)は、具体的には、期待状態及び通常状態のそれぞれにおいて、小役3bに内部当選したゲームの演出を示している。図42(a)は、期待状態及び通常状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて操作ナビは実行されないことを示している。なお、図42(a)には図示していないが、AT状態の小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて、操作ナビは実行される。しかしながら、この演出態様は第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する(図9参照)。
また、図42(a)は、期待状態ではストーリ演出が実行され、演出画像表示装置157上にはストーリ表示d110が行われることを示している。図42(b)は、ストーリ表示d110の一例を示している。本実施形態のストーリ演出は、期待状態の規定ゲーム数に亘って実行される連続演出であり、AT状態への移行を期待させる演出となっている。
なお、本実施形態では、通常状態及び期待状態において操作ナビを実行しなかったが、低確率にて操作ナビを実行するようにしてもよい。通常状態及び期待状態は、メダル払出を抑制することを目的とした遊技状態としつつも遊技意欲を向上させることができる。
図43(a)は、ストーリ演出の種類を示す表である。本実施形態のストーリ演出は、ストーリ1からストーリ6までの6種類の演出で構成されている。ストーリ演出は、期待状態への移行時に設定される。
ストーリ1は、期待状態のゲーム数が最小ゲーム数である10ゲームの場合に設定されるストーリ演出である。ストーリ1は、短い期間のAT状態の後の短い期間の期待状態であることを示唆する演出となっている。そのため、期待状態の各ゲームにおいて遊技者の緊張感を高める場合がある。
ストーリ6は、AT状態が確定している場合に設定可能であり、AT状態が確定していることを示すストーリ演出である(AT状態が確定していても、他のストーリ演出が設定されることもある)。なお、期待状態のゲーム数が最小ゲーム数である10ゲームの場合には、AT状態が確定していてもストーリ6が設定されることはない。つまり、ストーリ6は、期待状態の期間が長い場合に設定されるストーリ演出である。遊技者は、メダルが減少する期待状態の期間が長いと退屈を感じる場合があるが、ストーリ6のストーリ演出が実行されることにより、遊技意欲を高めることができる。
図43(b)は、特典期間におけるストーリ表示d110の一例を示すタイミングチャートである。具体的には、図43(b)は、特典期間における最初のAT状態の後に開始される期待状態の期間を10ゲーム、特典期間における2回目のAT状態の後に開始される期待状態の期間を20ゲームとした場合のストーリ表示の一例を示している。
この場合、10ゲームの期待状態では、ストーリ1のストーリ表示d110が演出画像表示装置157に表示されている。ストーリ1は、期待状態のゲーム数が最小ゲーム数である10ゲームの場合に設定されるからである。遊技者は、ストーリ1のストーリ表示を見ることにより、期待状態は短い期間で終了することを把握できる。
また、20ゲームの期待状態では、ストーリ6のストーリ表示d110が演出画像表示装置157に表示されている。このことは、20ゲームの期待状態では開始の時点においてストック数が1であり、次回のAT状態が確定していることを示している。遊技者は、ストーリ6のストーリ表示を見ることにより、期待状態の期間は長くなるが、次回のAT状態が確定しているので安心して遊技を進行することができる。
図44は、ストック数1で開始された期待状態においてAT移行抽選に当選し、ストック数2になった場合の特典期間におけるストーリ表示d110の一例を示すタイミングチャートである。
図44(a)は、ゲームG11から開始されるストーリ演出は、ストーリ6であり、ゲームG13から開始されるストーリ演出は、ストーリ6の場合を示している。
ゲームG11から開始される期待状態は、開始時点において既にストック数1であるため、期待状態終了後、AT状態への移行が確定している、そのため、次回AT状態の確定を示すストーリ6が選択された場合を示している。これにより、遊技者はゲームG11から開始される期待状態が終了するとAT状態が開始されることを把握する。次に、ゲームG11から開始される期待状態は、ゲームG12でAT移行抽選2に当選かつ期待状態終了抽選に当選するので、期待状態を中断して終了し、AT状態が開始される。これにより、遊技者は、ゲームG12の次ゲームから開始されるAT状態の他にもう一つAT状態が確定していることを把握することができる。
ゲームG13から開始される期待状態は、開始時点においてストック数1であるため、期待状態終了後、AT状態への移行が確定している。そのため、次回AT状態の確定を示すストーリ6が選択された場合を示している。これにより、遊技者はゲームG13から開始される期待状態が終了するとAT状態が開始されることを再度確認することができる。
図44(b)は、ゲームG11から開始されるストーリ演出は、ストーリ3であり、ゲームG13から開始されるストーリ演出は、ストーリ6の場合を示している。
ゲームG11から開始される期待状態は、開始時点においてストック数1であるため、期待状態終了後、AT状態への移行が確定している。しかしながら、ストーリ演出としてストーリ3が選択された場合を示している。この場合、遊技者はゲームG11から開始される期待状態が終了してもAT状態が開始されるか否かを把握できない。次に、ゲームG11から開始される期待状態は、ゲームG12でAT移行抽選2に当選かつ期待状態終了抽選に当選するので、期待状態を中断して終了し、AT状態が開始される。これにより、遊技者は、ゲームG12においてAT状態移行抽選に当選し、AT状態への移行が決定したことを把握することができる。
ゲームG13から開始される期待状態は、開始時点においてストック数1であるため、期待状態終了後、AT状態への移行が確定している。そのため、次回AT状態の確定を示すストーリ6が選択された場合を示している。これにより、遊技者は、ゲームG13から開始される期待状態が終了するとAT状態が開始されることを把握することができる。また、遊技者は、ゲームG11から開始される期待状態においても実はAT状態が確定していたことを確認することができる。
なお、本実施形態では、期待状態においてストーリ演出を行ったが、AT状態においてストーリ演出を行うようにしてもよい。この場合、ストーリ演出は、複数回のAT状態に連続性のあるストーリ演出を行ってよい。例えば、最初のAT遊技にストーリ演出の第一話を実行し、2回目のAT遊技にストーリ演出の第二話を実行し、3回目のAT遊技にストーリ演出の第三話を実行し、この継続によりAT遊技の実行回数に応じた物語演出を実行するようにしてもよい。そして、ストーリ演出の最終話を実行した場合、該AT遊技をもって特典期間を終了し通常期間を開始する。これによれば、特典期間の進行度合いを把握しやすくなる。
・AT状態の演出
図45は、AT状態において実行されるATゲーム数報知演出d120の一例を説明する図である。
ATゲーム数報知演出d120は、AT状態の期間全体のゲーム数や残りゲーム数を報知する演出である。ATゲーム数報知演出d120では、AT状態の期間全体のゲーム数を表示する全ゲーム数表示d121、AT状態の残りゲーム数を表示する残りゲーム数表示d122などを演出画像表示装置157に表示する。また、ATゲーム数報知演出d120には、(1)全ゲーム数表示d121をAT状態の最初のゲームだけで行う場合(以下、1回で全ゲーム数報知を行う場合という)の他、(2)全ゲーム数表示d121を最初のゲームを含む複数回に分けて行う場合(以下、複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合という)が存在する。
なお、全ゲーム数報知の回数、及び複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合のそれぞれの全ゲーム数表示d121の数値(ゲーム数)は、メモリに予め記憶された報知回数テーブルの報知パターンに応じて決定される。
図46に報知回数テーブルの一例を示す。図46は、報知回数テーブルの内容を示す模式図である。例えば、AT状態の期間が70ゲーム(通常数)の場合には、図46(a−2)に示すように、70ゲームに対して複数種類の報知パターンが記憶されており、抽選により決定された一の報知パターンの回数に基づいて決定される。図45(b)に示す報知パターンは、図46(a−2)のNO.2であり、2回に分けて報知するパターンである。図46(a−2)のNO.2の報知パターンは、70を20と50に分割して報知するパターンであり、1回目で報知するゲーム数は20、2回目で報知するゲーム数は70(=20+50)となる。
ここで、ATゲーム数報知演出d120において1回で全ゲーム数表示をする場合、例えば、AT状態の期間が70ゲーム(通常数)の場合には、AT状態の最初のゲームで70ゲームを示す全ゲーム数表示d121を行う。また、AT状態の期間が55ゲーム(設定示唆数)の場合には、AT状態の最初のゲームで55ゲームを示す全ゲーム数表示d121を行う。
以下では、複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合について説明する。ATゲーム数報知演出d120において複数回に分けて全ゲーム数表示d121を行う場合には、最終回で正しいAT状態の期間全体のゲーム数を報知し、最終回以外では、偽りのAT状態の期間全体のゲーム数(報知する時点において残されたAT状態のゲーム数よりも小さい数)を報知する。また、AT状態の期間を示す数値が通常数であって、複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合、それぞれの全ゲーム数報知において設定示唆数を報知することはしない。設定示唆数を報知した後に通常数を報知した場合には、遊技者に誤解を与えることになるからである。
図45(a)は、AT状態の期間が70ゲーム(通常数)の場合の遊技進行に関するタイミングチャートであり、図45(b)は、図45(a)に示した各ゲームG21〜G26−EのATゲーム数報知演出d120の演出態様を示す図である。なお、図45(a)に示した各ゲームG21〜G26−Sは、遊技の開始時、G26−Eは、遊技の終了時を示す。
図45(b)に示す例は、2回に分けて全ゲーム数報知を行う場合を示している。具体的には、1回目の全ゲーム数表示d121において20ゲームを表示し、2回目の全ゲーム数表示d121において正解の70ゲームを表示する場合である。
まず、スロットマシン100は、AT状態を開始したゲームG21のATゲーム数報知演出d120において、1回目の全ゲーム数表示d121を行い、20ゲームを表示する。これにより、遊技者は、これから始まるAT状態の期間は20ゲームであることをと把握する。
次いで、スロットマシン100は、AT状態の2ゲーム目であるゲームG22のATゲーム数報知演出d120において、19ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
遊技が進行して、スロットマシン100は、AT状態の20ゲーム目であるゲームG23のATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
なお、本実施形態では、残りゲーム数表示d122が示すゲーム数が3以下となると、残りゲーム数表示d122の数字の色が特殊な色(例えば、それまでは数字を黒色で表示していたが、特殊な色として赤色とするなど)に変化して、AT状態の継続又は終了を煽るAT継続示唆演出を実行する。AT継続示唆演出では、演出画像表示装置157にAT継続示唆画像d122Sを表示する。すなわち、ゲームG23における残りゲーム数表示d122は、AT継続示唆表示d122Sでもある。遊技者は、AT継続示唆表示d122Sを見ることにより、報知に基づくAT状態の残りのゲーム数は数ゲームとなったが、AT状態が継続することに期待を寄せる。
なお、本実施形態のAT継続示唆表示d122Sは、残りゲーム数表示d122の数字の色を目立つ色に変化させる画像表示としたが、AT継続示唆演出の演出態様はこれに限定されない。AT継続示唆表示d122Sは、残りゲーム数が閾値以下となった場合、複数ゲームに亘って実行される画像表示であればよく、例えば、AT状態のゲーム数の進行に従って登場するキャラクタが増えるような演出画像としてもよいし、残りゲーム数表示d122の数字の大きさを大きくし、残りゲーム数表示d122の数字の周囲にエフェクト表示を追加するなどして、残りゲーム数表示d122の数字の表示が目立つ変更を行ってもよい。
次いで、スロットマシン100は、ゲームG23の次ゲーム(AT状態の21ゲーム目)であるゲームG24のATゲーム数報知演出d120において、2回目の全ゲーム数表示d121を行い、70ゲームを示す表示を行う。この2回目の全ゲーム数表示d121は、AT状態の全期間の正しいゲーム数を示している。この結果、遊技者は、AT状態が今後も継続すること、そして1回目の全ゲーム数表示d121は誤りの数字であったことを把握する。また、スロットマシン100は、AT状態の残りゲーム数は50ゲーム存在するので、50ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
次いで、スロットマシン100は、AT状態の22ゲーム目であるゲームG25のATゲーム数報知演出d120において、49ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
遊技がさらに進行して、スロットマシン100は、AT状態の70ゲーム目であるゲームG26−SのATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
なお、ゲームG26における残りゲーム数表示d122は特殊な色のAT継続示唆表示d122Sではない。つまり、2回目の全ゲーム数表示d121において70を表示した場合には、報知に基づくAT状態の残りゲーム数が閾値以下となってもAT継続示唆表示d122Sを行わない。2回目の全ゲーム数表示d121で示した70は、AT状態の最長期間を示す数字なので、これ以上AT継続示唆演出を実行する必要がないからである。
最後に、スロットマシン100は、ゲームG26の終了時であるゲームG26−EのATゲーム数報知演出d120において、終了を示す文字画像を表示する。これにより、遊技者は、AT状態が終了することを把握する。
なお、図45では、2回に分けて全ゲーム数報知を行う場合を示したが、3回以上に分けて全ゲーム数報知を行ってよいのは勿論である。例えば、図46(a―2)に示すように、AT状態の期間が70ゲームの場合には、70ゲームを10、20、40と分けて、1回目の全ゲーム数報知で10、2回目の全ゲーム数報知で20、3回目の全ゲーム数報知で70と報知してもよい。
図47(a)は、AT状態の期間が20ゲーム(通常数)の場合の遊技進行に関するタイミングチャートであり、図47(b)は、図47(a)に示した各ゲームG21〜G26−EのにおけるATゲーム数報知演出d120の演出態様を示す図である。なお、図47(a)に示した各ゲームG21〜G26−Sは、遊技の開始時、G26−Eは、遊技の終了時を示す。
図47に示す例では、2回に分けて全ゲーム数報知を行う場合を示している。詳しくは、図46(a−1)に示した報知回数テーブルのNO.2を選択した場合の報知パターンを示している。具体的には、1回目の全ゲーム数表示d121において10ゲームを表示し、2回目の全ゲーム数表示d121において正解の20ゲームを表示する場合である。図47では、図45との違いを中心に説明する。
まず、スロットマシン100は、AT状態を開始したゲームG21のATゲーム数報知演出d120において、1回目の全ゲーム数表示d121を行い、10ゲームを表示する。これにより、遊技者は、これから始まるAT状態の期間は10ゲームであることを把握する。
遊技が進行して、スロットマシン100は、AT状態の10ゲーム目であるゲームG23のATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。この残りゲーム数表示d122は、AT継続示唆表示d122Sである。遊技者は、AT継続示唆表示d122Sを見ることにより、報知に基づくAT状態の残りのゲーム数は数ゲームあるが、AT状態が継続することに期待を寄せる。
次いで、スロットマシン100は、ゲームG23の次ゲーム(AT状態の11ゲーム目)であるゲームG24のATゲーム数報知演出d120において、2回目の全ゲーム数表示d121を行い、20ゲームを表示する。この2回目の全ゲーム数表示d121は、AT状態の全期間の正しいゲーム数を表示している。これにより、遊技者は、AT状態が今後も継続すること、及び1回目の全ゲーム数表示d121は誤りの数字であったことを把握する。また、スロットマシン100は、10ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
遊技がさらに進行して、スロットマシン100は、AT状態の20ゲーム目であるゲームG26−SのATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。ここで、ゲームG26における残りゲーム数表示d122はAT継続示唆表示d122Sでもある。つまり、2回目の全ゲーム数表示d121において20を表示した場合には、報知に基づくAT状態の残りゲーム数が閾値以下となった場合にAT継続示唆表示d122Sを行う。2回目の全ゲーム数表示d121で示した20は、AT状態の最長期間を示す数字でないので、3回目の全ゲーム数表示d121を行う可能性を示唆するためである。遊技者は、AT継続示唆表示d122Sを見ることにより、報知に基づくAT状態の残りゲーム数は当該1ゲームあるが、AT状態が継続することに期待を寄せる。
しかしながら、スロットマシン100は、ゲームG26の終了時であるゲームG26−EのATゲーム数報知演出d120において、終了を示す文字画像を表示する。これにより、遊技者は、AT状態が終了することを把握する。
図48(a)は、AT状態の期間が55ゲーム(設定示唆数)の場合の遊技進行に関するタイミングチャートであり、図48(b)は、図48(a)に示した各ゲームにおけるATゲーム数報知演出d120の演出態様を示す図である。なお、図48(a)に示した各ゲームG21〜G26−Sは、遊技の開始時、G26−Eは、遊技の終了時を示す。
図48に示す例では、2回に分けて全ゲーム数報知をする場合を示している。詳しくは、図46(b−2)に示した報知回数テーブルのNO.2を選択した場合の報知パターンを示している。具体的には、1回目の全ゲーム数表示d121において20ゲームを表示し、2回目の全ゲーム数表示d121において正解の55ゲームを表示する場合である。図48では、図45及び図47との違いを中心に説明する。
まず、スロットマシン100は、AT状態を開始したゲームG21のATゲーム数報知演出d120において、1回目の全ゲーム数表示d121を行い、20ゲームを表示する。これにより、遊技者は、これから始まるAT状態の期間は20ゲームであると把握する。
遊技が進行して、スロットマシン100は、AT状態の20ゲーム目であるゲームG23のATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。この残りゲーム数表示d122は、AT継続示唆表示d122Sである。遊技者は、AT継続示唆表示d122Sを見ることにより、報知に基づくAT状態の残りのゲーム数は当該1ゲームあるが、AT状態が継続することに期待を寄せる。
次いで、スロットマシン100は、ゲームG23の次ゲーム(AT状態の21ゲーム目)であるゲームG24のATゲーム数報知演出d120では、2回目の全ゲーム数表示d121を行い、55ゲームを表示する。この2回目の全ゲーム数表示d121は、AT状態の全期間の正しいゲーム数を表示している。これにより、遊技者は、AT状態が今後も継続すること、及び1回目の全ゲーム数表示d121は誤りの数字であったことを把握する。
遊技がさらに進行して、スロットマシン100は、AT状態の55ゲーム目であるゲームG26−SのATゲーム数報知演出d120において、1ゲームを示す残りゲーム数表示d122を行う。
なお、ゲームG26における残りゲーム数表示d122はAT継続了示唆表示d122Sではない。AT状態の期間において55以上のゲーム数は確かに存在する(例えば、70ゲーム)。しかしながら、2回目の全ゲーム数表示d121において設定示唆数である55を表示したため、設定示唆数を表示した後に3回目の全ゲーム数表示d121を行った場合、2回目の全ゲーム数表示d121において表示された数が否定されるとともに、2回目の全ゲーム数表示d121において示唆された設定値も否定されるものなのか否か、遊技者に疑念を生じさせることになるからである。
なお、本実施形態では、全ゲーム数表示d121において設定示唆数を表示した後にはAT継続示唆表示d122Sを表示しないようにしたが、これとは別に一定の条件の下、AT継続示唆表示d122Sを表示するようにしてもよい。例えば、全ゲーム数表示d121において表示した設定示唆数よりもさらに有利な情報を報知する設定示唆数が存在する場合には、その後、AT継続示唆表示d122Sを表示してもよい。具体的には、全ゲーム数表示d121において33を表示したとしても、その後、AT継続示唆表示d122Sにおいて55の表示を行ってもよい。本実施形態の設定示唆数の中には33より大きな55が存在するからである。また、33より55のほうが高設定である可能性が高ければ、遊技者には有利な情報となるからである。
また、図45〜図48に示したAT継続示唆演出では、残りゲーム数表示d122の表示態様を変化させる演出として説明したが、AT継続示唆演出の報知態様はこれに限定されない。
例えば、図49(a)に示すように、複数種類のAT継続示唆演出を備え、複数種類の中から一つのAT継続示唆演出を選択するようにしてもよい。図49(a)は、(1)全ゲーム数表示d121において設定示唆数である33又は55を表示した場合には、以後、AT継続示唆演出を実行しないが、(2)全ゲーム数表示d121において33及び55以外の数字を表示した場合には、複数種類のAT継続示唆演出の中からいずれか一つを選択して、選択したAT継続示唆演出を実行することを示している(AT継続/終了示唆演出を実行しない場合もある)。
例えば、図49(b)に示すように、2種類のAT継続示唆演出を用意し、次の全ゲーム数表示d121において設定示唆数を報知する場合には、演出Aが選択される確率を演出Bが選択される確率よりも高くなるように設定する一方、次の全ゲーム数表示d121において設定示唆数を報知しない場合には、演出Bが選択される確率を演出Aが選択される確率よりも高くなるように設定してもよい。AT継続示唆演出として演出Aが実行された場合、遊技者は期待感を高めることができる。なお、全ゲーム数表示d121において設定示唆数を報知するか否かは、上述した報知回数テーブルを用いた抽選処理により決定された報知パターンに基づく。
この場合、図49(c)に示すように、演出Aは、AT状態の残りゲーム数の表示色を赤色とし、演出の実行期間を5ゲームとする一方、演出Bは、AT状態の残りゲーム数の表示色を緑色とし、演出の実行期間を演出Aよりも短い演出期間である3ゲームとしてもよい。すなわち、演出Aは、演出Bよりも色彩及び実行期間においてより目立つ演出としてもよい。
なお、本実施形態のATゲーム数報知演出において複数回に分けて全ゲーム数報知を行う場合、複数ゲームに亘って複数回の全ゲーム数報知を行ったが、図50に示すように、1ゲームにおいて複数回の全ゲーム数報知を行うようにしてもよい。図50に示す変形例では、2回に分けて全ゲーム数報知を行う場合を示しており、1回目の全ゲーム数表示d121において20ゲームを表示し、2回目の全ゲーム数表示d121において正解の70ゲームを表示する場合を示している。
より詳しくは、スロットマシン100は、ATゲーム数報知演出d120において、AT状態を開始したゲームのスタートレバー操作の時点t31において1回目の全ゲーム数表示d121を行い、その後、ATゲーム数報知演出を発展させた後の時点t33において2回目の全ゲーム数表示d121を行っている。このようにゲームの進行でなく、演出の進行に合わせて2回目以降の全ゲーム数報知を行ってもよい。
<最後のAT状態>
次に、特典期間における最後のAT状態について説明する。ここで、特典期間の最後のAT状態とは、例えば、1セット50ゲーム(数が上乗せされる場合あり)として設定されたAT状態があり、当該AT状態が終了した後は通常状態が開始されるAT状態、つまり、特典期間のゲーム数がリミッタに到達したとき、または特典期間のゲーム数がリミッタ付近となったために当該AT状態が終了した後は通常期間が開始されることが決まったときのAT状態を意味する。本実施形態では、最後のAT状態の設定に対してはATゲーム数を補正する処理(以下、ATゲーム数補正処理という)を実行する場合がある。
図51(a)は、ATゲーム数補正処理の概要を説明する図である。ゲームG41から開始されるAT状態のATゲーム数は、ATゲーム数抽選(図36参照)の結果、70ゲームであったが、ゲームG41から70ゲームを消化すると、特典期間のリミッタである1000ゲームを超えてしまう(ゲームG44>1000)。そこで、このような場合、本実施形態では、ATゲーム数補正処理を実行し、設定されるATゲーム数を補正するようにしている。図51(a)に示した例では、70ゲームを50ゲームに補正して、最後のAT状態のATゲーム数を50に設定し、1000ゲーム手前のゲームG42にてAT状態及び特典期間を終了している。
最後のAT状態の設定に対してATゲーム数の補正をする場合には、図51(b−1)に示すように、ATゲーム数を、1000ゲームまでの残りゲーム数(ゲームG41からゲームG43までのゲーム数)に補正し、特典期間において1000ゲームを消化することにによりAT状態を終了させるという考えもある。しかし本実施形態のATゲーム数補正処理では、図51(b−2)に示すように、リミッタの手前でAT状態を終了するようにしている。補正された中途半端なATゲーム数が設定示唆数になってしまう可能性を排除できないからである。
また、リミッタの手前で最後のAT状態を終了する場合には、リミッタまでの遊技数が残り僅かであっても最後のAT状態を終了後に期待状態を設定し、期待状態にてリミッタに到達させ、期待状態にて特典期間を終了させる考えもあるが、本実施形態のATゲーム数補正処理では、図51(a)及び図51(b−2)に示すように、リミッタの手前で最後のAT状態及び特典期間を同時に終了させるようにしている。つまり、リミッタまでの遊技数が残り僅かである場合に期待状態でAT状態が終了しないようにしている。期待状態はメダルが目減りする期間なので、リミッタ近傍で遊技者に損した気持ちを与えず、最も多くメダルを獲得したときに気持ちよく特典期間を終了させるためである。
図52は、ATゲーム数抽選の結果、AT状態のATゲーム数が70ゲームに決定された場合のATゲーム数補正処理の内容を示す図である。なお、図52に示す数値は一例であってこれに限定されるものではない。
例えば、特典期間の消化ゲーム数が855ゲーム未満においてAT状態を開始する場合には、補正されず70ゲームが設定され、特典期間の消化ゲーム数が885〜914ゲームにおいてAT状態を開始する場合には、補正されて50ゲームが設定される。
本実施形態のATゲーム数補正処理では、ATゲーム数抽選により得られたATゲーム数が同一であれば、図52(b)に示すように、その時点においてリミッタまでの残りATゲーム数が多いほど、特典期間が短くなるようにAT状態のATゲーム数を補正する。つまり、本実施形態のATゲーム数補正処理によれば、補正前ATゲーム数が同一であれば、設定された最後のAT状態の期間が長いほど、結果として特典期間は短くなり、設定された最後のAT状態の期間が短いほど、結果として特典期間は長くなるという傾向を有する。遊技者に気持ちよくAT状態を終了させるとともにメダル払出数を抑制するためである。
なお、本実施形態では、最後のAT状態に対するATゲーム数抽選では、設定示唆数が選択されないようにしたが、これとは別に設定示唆数が選択されるようにしてもよい。ただし、最後のAT状態に対して設定示唆数が選択された場合には、該設定示唆数に最も近く、かつ該設定示唆数より小さい通常数を再度、選択し、この通常数を最後のAT状態に対するATゲーム数として設定するものである。
図53は、特典期間の最後のAT状態が終了した後に実行される設定示唆演出を説明する図である。図53(a)は、設定示唆演出の実行タイミングを示す図であり、図53(b)は、設定示唆演出の種類を説明する図である。
設定示唆演出は、キャラクタを用いた演出であり、演出画像表示装置157には、キャラクタを表示するキャラクタ画像d130を表示する。設定示唆演出は、図53(a)に示すように、最後のAT状態の最終ゲームの第3停止操作の後に実行される。設定示唆演出を実行する場合、複数のキャラクタの中からキャラクタ抽選に基づいていずれかのキャラクタを決定し、決定したキャラクタに基づく設定示唆演出を実行する。
図53(b)は、設定示唆演出に登場する複数のキャラクタを説明する図である。本実施形態では、キャラクタ1、2及び3は、設定値を示唆しないキャラクタとなっており、キャラクタ4、5及び6は、設定値を示唆するキャラクタとなっている。例えば、(1)キャラクタ4は、設定値が偶数の場合、10%の確率で選択され、(2)キャラクタ5は、設定値が4、5又は6の場合、20%の確率で選択され、(3)キャラクタ6は、設定値が5又は6の場合、20%の確率で選択されるようにしてもよい。遊技者は、設定示唆演出のキャラクタ画像d130を見ることにより、設定値を推測可能となる。
本実施形態では、最後のAT状態を終了した後に設定示唆演出を実行するので、最後のAT状態において、上述したATゲーム数報知演出d120の残りゲーム数表示d122を実行する場合、設定示唆数を表示しないことが望ましい。最後のAT状態で設定示唆数を報知してしまうと、その後、設定示唆演出を実行しても、設定示唆演出の期待感を高めることができないからである。例えば、最後のAT状態を55ゲーム(設定示唆数)とした場合、最後のAT状態の開始時に残りのゲーム数が55ゲームあることの表示を行った時点で、設定値は高設定である確率が高いと推定させている。加えて、最後のAT状態を終了した後に設定示唆演出を実行することが予定されていても、その演出を見た遊技者には役に立つ情報とはならない。
図54は、設定示唆演出の実行時期の変形例を示す図である。本実施形態の設定示唆演出は、図54(a)に示すように、最後のAT状態が終了した後に実行されるが、図54(b)に示すように、最後のAT状態において実行されてもよい。
<スロットマシンの動作>
以下、本実施形態(第5実施形態)に係る主制御部300、第1副制御部400、及び第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
<主制御部メイン処理>
まず、図55を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図55に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS501で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS502では、賭け数設定/スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルが投入されたことを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS103へ進む。
ステップS503では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する入賞ライン確定処理を行う。本実施形態では、1〜3枚のメダル投入が可能である。
ステップS504では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する乱数取得処理を行う。
ステップS505では、入賞役内部抽選処理を行う。入賞役内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS504で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行うとともに、この内部抽選の結果を示す内部抽選コマンドを第1副制御部400へ送信するための準備を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがオンになる。
ここで、小役3(押順ベル)に内部当選した場合の内部抽選コマンドについて説明すると、AT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3a〜小役3fのいずれかに内部当選した場合には、小役3a〜小役3fに内部当選したことを示す情報を送信するようにしている。
ステップS506では、入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択するリール停止データ選択処理を行う。なお、このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。
また、ステップS505では、AT系の遊技状態に関する抽選処理を実行する。例えば、通常状態の場合、移行抽選1及び2を実行し、期待状態の場合、AT移行抽選1又は2を実行する。また、AT移行抽選2に当選した場合には、期待状態終了抽選を実行する。
ステップS507では、主制御部300の操作ナビの設定を行う主制御部・操作条件表示設定処理を実行する。主制御部・操作条件表示設定処理では、主制御部300のAT系の遊技状態がAT状態にあり、小役3(押順ベル)に内部当選した遊技において、操作ナビの設定を行う。この結果、主制御部300による操作ナビが実行される(図9(a)(c)参照)。
ステップS508では、リール回転開始処理が実行され、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS509では、リール停止制御処理を行う。リール停止制御処理では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを停止させるために、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従ってリール110〜112の何れかを停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS510へ進む。なお、このステップS109では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS510では、入賞判定を行う入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ−スイカ−スイカ」が揃っていたならば小役1(スイカ)に入賞したと判定される。また、このステップS510では、入賞判定の結果を示す入賞判定コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
ステップS511では、メダル付与処理を行う。メダル付与処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップS512では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では各遊技状態(RT系の遊技状態、AT系の遊技状態)の移行に関する処理を行い、それらの開始条件又は終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、現在の遊技状態を示す情報を含む遊技状態コマンドを送信するための準備を行う。
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS502へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、前述した主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図16のステップS1006)において送信される。
<遊技状態制御処理>
次に、図56(a)を用いて、遊技状態制御処理について説明する。図56(a)は、図55のステップS512の遊技状態制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS601では、RT系の遊技状態制御処理を行う。
ステップS602では、AT系の遊技状態制御処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS603では、遊技状態コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。ここで、遊技状態コマンドには、RT系の遊技状態、AT系の遊技状態、トータルのATゲーム数、残りATゲーム数、AT状態のストック数、ATゲーム数報知の報知パターン、ストーリ演出の種類などの情報が含まれる。
<AT系の遊技状態制御処理>
次に、図56(b)を用いて、AT系の遊技状態制御処理について説明する。図56(b)は、図56のステップS602のAT系の遊技状態制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS701では、ステップS505で実行されたAT系の遊技状態移行に関する抽選処理の結果を取得する。例えば、通常状態の場合、移行抽選1及び2の結果、期待状態の場合、AT移行抽選1又は2の結果を取得する。また、AT移行抽選2に当選した場合には、期待状態終了抽選の結果を取得する。
ステップS702では、AT系の遊技状態移行に関する抽選処理の結果に基づいて、AT系の遊技状態の設定を行う状態移行処理Aを実行する。状態移行処理Aでは、例えば、ステップS701で移行抽選1に当選した場合、期待ゲーム数抽選を実行して、期待状態のゲーム数を決定し、AT系の遊技状態を期待状態に設定する。また、例えば、ステップS701で移行抽選2、T移行抽選1又は2に当選した場合には、ATゲーム数抽選を実行して、AT状態のゲーム数を決定する。そして、移行抽選2に当選、又はAT移行抽選2に当選し、かつ期待状態終了抽選に当選した場合には、AT系の遊技状態をAT状態に設定する。また、AT状態を設定する場合には、報知回数テーブルを用いた抽選処理を実行し、ATゲーム数報知演出d120の演出態様を決定する(1回で全ゲーム数報知を行うか、複数回で全ゲーム数報知を行うかなど)。
ステップS703では、カウント処理を行う。カウント処理では、例えば、特典期間にある場合、特典期間カウンタの値をインクリメントする。また、例えば、期待状態にある場合、期待状態のゲーム数をカウントするカウンタ(以下、期待状態カウンタという)の値をインクリメントし、AT状態にある場合、AT状態のゲーム数をカウントするカウンタ(以下、AT状態カウンタ)の値をインクリメントする。
ステップS704では、ステップS703でカウントアップされたカウンタ値がAT系の遊技状態を移行させる閾値(以下、状態移行値)に到達したか否かを判定する。カウンタ値が状態移行値に到達した場合には、ステップS705に進み、そうでない場合には、AT系の遊技状態制御処理を終了する。
ステップS705では、ステップ703のカウンタ値に基づいてAT系の遊技状態の設定を行う状態移行処理Bを実行する。状態移行処理Bでは、例えば、特典期間において特典期間カウンタの値がリミッタに到達した場合、AT系の遊技状態を通常状態に設定する。また、期待状態においてストック数0の状態で期待状態カウンタの値が規定ゲーム数に到達した場合には、AT系の遊技状態を通常状態に設定する一方、期待状態においてストック数1以上の状態で期待状態カウンタの値が規定ゲーム数に到達した場合には、AT系の遊技状態をAT状態に設定する。また、AT状態においてAT状態カウンタの値が規定ゲーム数に到達した場合には、AT系の遊技状態を期待状態に設定する。
<内部抽選コマンド処理>
次に、図57(a)を用いて、内部抽選コマンド処理について説明する。内部抽選コマンド処理は、図18(a)に示した第1副制御部メイン処理のステップS3004のコマンド処理において内部抽選コマンドに対応した処理である。図57(a)は、内部抽選コマンド処理を詳しく示したフローチャートである。
ステップS3301では、AT系の遊技状態がAT状態であるか否かを判定する。AT系の遊技状態がAT状態である場合には、ステップS3302に進み、そうでない場合には、ステップS3304に進む。
ステップS3302では、内部抽選コマンドに基づいて小役3(押順ベル)に当選したか否かを判定する。小役3(押順ベル)に当選した場合には、ステップS3303に進み、そうでない場合には、ステップS3304に進む。
ステップS3303では、内部当選した小役3(押順ベル)の正解の操作順序を操作ナビの内容として、操作ナビの演出設定を行う。例えば、小役3bに内部当選した場合には、「右左中」の操作順序を示す操作ナビの演出設定を行う。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500による操作ナビが実行される(図9(b)(c)参照)。
ステップS3304では、その他の内部抽選コマンド処理を実行する。
<遊技状態コマンド処理>
次に、図57(b)を用いて、遊技状態コマンド処理について説明する。内部抽選コマンド処理は、図18(a)に示した第1副制御部メイン処理のステップS3004のコマンド処理において遊技状態コマンドに対応した処理である。図57(b)は、遊技状態コマンド処理を詳しく示したフローチャートである。
ステップS3401では、当該ゲームの遊技状態制御処理においてAT系の遊技状態が期待状態に更新されたか否かを判定する。当該ゲームにおいて期待状態に更新された場合には、ステップS3402に進み、そうでない場合には、ステップS3403に進む。
ステップS3402では、次ゲームからストーリ演出を実行すべく、ストーリ演出の設定を行う。ストーリ演出の種類は遊技状態制御コマンドに含まれる情報に基づく。この結果、次ゲームから第1副制御部400及び第2副制御部500によるストーリ演出が実行される(図42、43参照)。
一方、ステップS3403では、当該ゲームの遊技状態制御処理においてAT系の遊技状態がAT状態に更新されたか否かを判定する。当該ゲームにおいてAT状態に更新された場合には、ステップS3404に進み、そうでない場合には、ステップS3405に進む。
ステップS3404では、次ゲームからATゲーム数報知演出を実行すべく、ATゲーム数報知演出を設定する。ATゲーム数報知演出の演出態様は遊技状態制御コマンドに含まれる情報に基づいて決定される。この結果、次ゲームから第1副制御部400及び第2副制御部500によるATゲーム数報知演出が実行される(図45(b)、図47(b)、図48(b)参照)。
ステップS3405では、その他の遊技状態コマンド処理を実行する。
[第6実施形態]
第6実施形態は、第5実施形態と比べて、AT系の遊技状態の構成が異なっている。
図58は、第6実施形態(本実施形態)に係るスロットマシン100の主制御部300の遊技状態の遷移図である。
なお、第6実施形態においては、第5実施形態と異なる構成、機能及び処理を中心に説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態のAT系の遊技状態は、通常状態と、期待状態(CZ)と、AT状態と、AT状態(エンディング)と、を備える。すなわち、本実施形態のAT系の遊技状態は、AT状態(エンディング)を備えることを特徴としている。
AT状態(エンディング)は、AT状態と同様、操作ナビが実行される遊技状態である。AT状態(エンディング)は、メダル払出数>メダル投入数となる状態であり、遊技者のメダルが増加する状態である。また、AT状態(エンディング)は、他のAT状態では実行されることのない連続演出が実行される状態である。加えて、AT状態(エンディング)が終了した場合、通常状態を開始する前に、特典期間の終了を示すAT終了演出が行われるようになっている。
AT状態(エンディング)は、AT状態において特典期間における消化ゲーム数が990ゲームに到達した場合に設定される。そして、AT状態(エンディング)において10ゲームを消化した場合、つまり特典期間における消化ゲーム数が1000ゲームに到達し、特典期間のリミッタに到達した場合には、AT状態(エンディング)を終了して通常状態に移行する。このように、AT状態(エンディング)は10ゲームの固定期間であるため、AT状態(エンディング)に移行すれば、特典期間において確実に1000ゲームを消化することができるようになっている。
例えば、特典期間におけるゲーム数が991ゲームとなるまでの権利しか得ていない場合、消化ゲーム数が990ゲームに到達した場合にAT状態(エンディング)となり、その後の10ゲームはAT状態(エンディング)となる。特典期間にリミッタがある場合において、リミッタに到達して終了した場合であっても遊技者に損した気持ちを与えないことができる場合がある。なお、AT状態(エンディング)においてベット数が1枚又は2枚の遊技を行った場合、AT状態(エンディング)の固定期間が変更されることはない。10ゲームの固定期間に対応する連続演出を実行することから、遊技数を変更することが好ましくないからである。
また、本実施形態のAT状態(エンディング)は、特典期間の完走が確約されているため、AT状態(エンディング)においては新たにAT権利を付与する抽選(例えば、AT移行抽選など)は実行されない。抽選を実行してAT権利を付与する結果を報知すると、リミッタに到達して終了した場合に遊技者に損した気持ちを与えてしまう場合があるが、新たにAT権利を付与する抽選を実行させないことにより、気持ちよく特典期間を終了させることができる。
図59(a)は、特典期間のゲーム数をカウントするカウント期間c1、及びAT状態(エンディング)のゲーム数をカウントするカウント期間c2を示す図である。本実施形態の場合、特典期間カウンタが特典期間の開始からゲーム数をカウントし、特典期間カウンタの値が1000に到達した場合、特典期間とともにAT状態(エンディング)を終了するようにしている。また、特典期間カウンタの値が990に到達した場合、AT状態(エンディング)を設定するとともに、次ゲームからエンディングカウンタがAT状態(エンディング)のゲーム数をカウント開始し、エンディングカウンタの値が10に到達した場合、AT状態(エンディング)とともに特典期間を終了するようにしている。
図59(b)は、カウント期間c1をカウントする特典期間カウンタが参照する閾値であり、図59(c)は、カウント期間c2をカウントするエンディングカウンタが参照する閾値である。これらの閾値はROM306に予め記憶されている。 図59(b)に示す第1閾値は、AT状態(エンディング)を開始させるとともにエンディングカウンタをカウント開始させるための数値であり、第2閾値は、特典期間を終了させるための数値である。また、図59(c)に示す閾値は、AT状態(エンディング)を終了させる数値である。
なお、AT状態(エンディング)直前の状態は、必ずAT状態となっており期待状態とはならない。期待状態はメダルが目減りする期間なので、AT状態(エンディング)を開始する前に期待状態があると遊技者に損をした気持ちを与える可能性があるからである。つまり、AT状態(エンディング)直前の状態においてAT状態(エンディング)を実行しない場合は、AT状態を終了すると期待状態とはならず特典状態を終了して通常状態となる。
なお、AT状態の次にAT状態(エンディング)があることを鑑み、AT状態(エンディング)開始前までに遊技者が獲得したメダル数に係わる表示を、AT状態において表示せずにAT状態が終了した次のゲーム(通常状態の開始ゲーム)で表示する。AT状態の次にAT状態(エンディング)が開始される場合には、遊技者が獲得したメダル数に係わる表示を一旦行うことなくAT状態(エンディング)を開始でき、AT状態(エンディング)が終了するときに遊技者が獲得したメダル数に係わる表示を行うことができる。これに対して、AT状態の次にAT状態(エンディング)が開始されない場合には、AT状態の終了と共に遊技者が獲得したメダル数に係わる表示を行うことができる。
図60(a)は、本実施形態のAT状態(エンディング)終了判定処理の概要を示すフローチャートである。AT状態(エンディング)終了判定処理は、遊技状態制御処理(図55のステップS512)の中に含まれる一処理である。
本実施形態のAT状態(エンディング)終了判定処理では、まず、エンディングカウンタによるカウンタ値が10に到達したか否かを判定し(ステップS1)、エンディングカウンタによるカウンタ値が10に到達した場合(ステップS1:YES)には、AT状態(エンディング)及び特典期間を終了する。したがって、エンディングカウンタが正常に動作している場合には、特典期間カウンタを用いることなく、AT状態(エンディング)及び特典期間を終了させることになる。
これに対して、エンディングカウンタによるカウンタ値が10に到達しない場合(ステップS1:NO)には、特典期間カウンタによるカウンタ値が1000に到達したか否かを判定し(ステップS2)、特典期間カウンタによるカウンタ値が1000に到達した場合(ステップS2:YES)には、AT状態(エンディング)及び特典期間を終了する。したがって、特典期間カウンタを用いてAT状態(エンディング)及び特典期間を終了させるのは、エンディングカウンタが正常に動作していない場合である。このような不慮の事態に備えてステップS2は設けている。
図60(b)は、エンディングカウンタが正常に動作していない状況下で、特典期間カウンタのカウンタ値に基づいてAT状態(エンディング)及び特典期間を終了させた様子を示したタイミングチャートである。このように、エンディングカウンタが正常に動作していない場合であっても、特典期間カウンタが存在するため、確実にAT状態(エンディング)及び特典期間を終了させることができる。
なお、図示しないが、特典期間カウンタとは独立した別のカウンタを設け、特典期間をカウントするようにしてもよい。本実施形態では、図59及び図60で説明したように、エンディングカウンタが誤作動したとしても、特典期間カウンタによって特典期間及びAT状態(エンディング)を終了することができるようになっているが、エンディングカウンタは、特典期間カウンタの値に基づいてカウントを開始するため、特典期間カウンタに誤作動が生じた場合、エンディングカウンタにもこの誤作動の影響が生じる可能性がある。そこで、さらなる確実性を求めて、別のカウンタを設けるものである。この場合、特典期間カウンタ及びエンディングカウンタに不具合が生じても、特典期間及びAT状態(エンディング)を終了させることができる。
本実施形態では、特典期間のリミッタを消化ゲーム数のみとしているが、特典期間のリミッタに消化ゲーム数に加えて別の条件(例えば、メダル払出数、メダル獲得数など)がある場合には、この別のカウンタは、特典期間カウンタがカウントする指標(例えば、ゲーム数)とは別の指標(例えば、メダル払出数、メダル獲得数など)をカウントすることが好ましい。
図61(a)は、AT状態(エンディング)の演出の概要を示す図である。
AT状態(エンディング)では、10ゲームに亘って1ゲームにつき一話の連続演出(以下、エンディング演出という)を実行する。エンディング演出では、図61(a)に示すように、AT状態(エンディング)のゲーム数を表示するゲーム数画像d140(例えば、AT状態(エンディング)の1ゲーム目の場合、第1話、1/10などの文字画像)を演出画像表示装置157に表示する。遊技者にAT状態(エンディング)の残りゲーム数を認識させるためである。
なお、ゲーム数画像d140には、特典期間におけるゲーム数を表示しない。複数種類のゲーム数表示があると、遊技者は数値の把握に注意が奪われ、遊技を楽しめなくなるからである。すなわち、本実施形態のゲーム数画像d140には、エンディングカウンタの値を表示し、特典期間カウンタの値を表示しない。
図61(b)は、AT状態(エンディング)の10ゲーム目のエンディング演出の内容を詳しく示す図である。スロットマシン100は、AT状態(エンディング)の10ゲーム目では、スタートレバー操作に基づいて、10ゲームを示すゲーム数画像d140を表示するとともにAT状態(エンディング)の最終ゲームであることを示す最終ゲーム予告画像d150(例えば、「ラストゲーム」などの文字画像)を演出画像表示装置157に表示する。これにより、遊技者に当該ゲームにおいてAT状態(エンディング)が終了することを遊技開始時に認識させることができる。
表示開始された最終ゲーム予告画像d150は、スタートレバー操作から所定時間T1(例えば、約0.5秒)が経過すると消去される。ここで、所定時間T1はスタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)よりも短く設定されている。
なお、本実施形態のエンディング演出では、10ゲームに亘ってゲーム数画像d140を表示したが、ゲーム数画像d140を表示するゲーム数はこれに限定されない。例えば、AT状態(エンディング)の6ゲーム目から5ゲームに亘ってゲーム数画像d140を表示するようにしてもよい。つまりこの場合、AT状態(エンディング)のラスト5ゲームになるまでは、AT状態(エンディング)のゲーム数を表示しない。ストーリ性のある演出期間を短くすることにより、AT状態(エンディング)の終わりを意識させる期間を短くすることができる。
図62(a)は、AT状態(エンディング)の最終ゲームで小役3(押順ベル)に内部当選し、操作ナビを実行した場合において、遊技者が第1停止操作において操作ナビの操作順序に従わない停止操作(不正解の停止操作)を行った場合のタイミングチャートを示している。
この場合、スロットマシン100は、スタートレバー操作に基づいて、操作ナビ画像d10、10ゲームを示すゲーム数画像d140及び最終ゲーム予告画像d150を表示開始し、スタートレバー操作から所定時間T1が経過した後、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去し、不正解の第1停止操作に基づいて操作ナビ画像d10の表示を消去する。これにより、第1停止操作時にはエンディングゲーム数画像d140は消去されているので、停止操作のミスがあった場合でも、ラストゲームの印象を弱めることができる。
所定時間T1は、スタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)よりも短いため、第1停止操作時に停止操作のミスがあっても、操作ナビ画像d10の表示の消去がある前に最終ゲーム予告画像d150の表示が消去されている。そのため、停止操作のミスの後にもラストゲームである状態が継続しているとの印象を与えにくくする場合がある。第1停止操作が不正解の操作になる場合の他に、第2停止操作、第3停止操作が不正解の操作になる場合があるが、第2停止操作、第3停止操作が行われたときには、最終ゲーム予告画像d150の表示が消去されているため、同様に停止操作のミスの後にもラストゲームである状態が継続しているとの印象を与えにくくする場合がある。
なお、所定時間T1をスタートレバー操作から約2.0秒としてもよい。スタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)とした場合に、第1停止操作が行われた後に最終ゲーム予告画像d150の表示が消去される可能性が高くなるが、1ゲームに必要な時間(約4.1秒)の半分より短い時間であるため、ラストゲームの印象を弱めることができる場合がある。
ここで、停止操作のミスは、操作ナビ画像d10(押順を示唆する画像)に従った操作を行わない操作をした結果、遊技者が得られるメダル払出がなかったり少なくなったりすることを意味する。例えば、操作ナビ画像d10が押順を示唆する画像でなく、内部当選役を示唆する画像や停止図柄を指定する画像とした場合、これに従わない操作をした結果、遊技者が得られる利益がなかったり少なくなったりすることも含まれる。換言すれば、停止操作のミスとは、内部当選役に係わる図柄組み合わせを入賞させることができない所謂取りこぼしが生じる操作の場合もあるし、内部当選役が複数種類ある場合には内部当選役のうちの遊技者に最も有利な役に係わる図柄組み合わせを入賞させることができない操作の場合もある。
図62(b)は、最終ゲーム予告画像d150の消去タイミングを時間でなく、停止操作の内容とした変形例のタイミングチャートである。図62(b)も図62(a)と同様、AT状態(エンディング)の最終ゲームで小役3(押順ベル)に内部当選し、操作ナビを実行した場合において、遊技者が第1停止操作において操作ナビの操作順序に従わない停止操作(不正解の停止操作)を行った場合を示している。
この場合には、不正解の第1停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去している。なお、正解の停止操作を行った場合には、第3停止操作後に最終ゲーム予告画像d150の表示を消去する。
なお、第1停止操作が不正解の操作になる場合の他に、第2停止操作、第3停止操作が不正解の操作になる場合があるが、第1停止操作が不正解の操作になった場合と同様に不正解の操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去している(図示せず)。また、不正解の停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示と操作ナビの表示との両者を消去している。正解の停止操作を行っている限り、停止操作を行ったストップボタン(ストップボタン137〜139の何れか)に対応する操作ナビの表示が消去され、残る停止操作に対応する操作ナビの表示が残ることになるが、不正解の停止操作が行われると、その時点で残る停止操作に対応する操作ナビの表示が消去される。そのため、そのときの最終ゲーム予告画像d150の表示の消去も行えば、液晶表示装置157の画面上から一斉に多くの表示が消去されることとなる。つまり、最終ゲーム予告画像d150の表示が消えたことに気がつき易くなる。これにより最終ゲームではなくなったことを印象付けることができる場合がある。
<最後のAT状態、AT状態(エンディング)>
図63(a)は、本実施形態のATゲーム数補正処理の概要を説明する図である。本実施形態のATゲーム数補正処理は、第5実施形態のATゲーム数補正処理の内容と略同一であるが、図63(a)及び(b)に示すように、AT状態の後に10ゲーム固定のAT状態(エンディング)が存在するので、ATゲーム数の補正をする際、10ゲーム分を考慮して補正値を決定する。本実施形態でも、1000ゲーム手前のゲームG53にてAT状態(エンディング)及び特典期間を終了させている。
また、リミッタの手前でAT状態(エンディング)を終了させる場合には、図51(a)及び図51(b−2)に示すように、最後のAT状態を終了後、期待状態を介入させることなく、AT状態(エンディング)にて特典期間を終了させるようにしている。特典期間はメダルが目減りする期間なので、最後のAT期間の後はAT状態(エンディング)とし、リミッタ近傍で遊技者に損した気持ちを与えず、気持ちよく特典期間を終了させるためである。
図64は、特典期間のAT状態(エンディング)が終了した後に実行される設定示唆演出を説明する図である。設定示唆演出は、図64(a)に示すように、AT状態(エンディング)の最終ゲームの第3停止操作の後に実行される。
図64(b)及び(c)は、設定示唆演出の実行時期の変形例を示す図である。本実施形態の設定示唆演出は、図64(b)に示すように、AT状態(エンディング)の開始時に実行してもよいし、図64(c)に示すように、AT状態(エンディング)の間に実行してもよい。
<その他の変形例>
上記第6実施形態では、AT状態(エンディング)のゲーム数は10ゲームと固定されていた。しかしながら、これとは別に、AT状態(エンディング)のゲーム数を可変としてもよい。例えば、AT状態(エンディング)において所定の条件が成立したゲームを10ゲーム消化した場合に終了するようにしてもよい。所定の条件の成立とは、例えば、AT状態(エンディング)におけるメダルの投入枚数(ベット数)が3枚のゲームである。つまり、ベット数が1枚又は2枚の場合には、AT状態(エンディング)において所定の条件が成立したゲーム数としてカウントされない。ベット数が1枚又は2枚の遊技は、ベット数3枚の遊技に比べて、小役3(押順ベル)の当選確率が低く設定され、AT状態となっても操作ナビが実行される確率が低くなており、出玉的に不利な仕様となっているので、不利な遊技に対しては、AT状態(エンディング)としてカウントしない趣旨である。
なお、本変形例では、ベット数が1枚又は2枚の遊技が行われることを配慮しつつ、特典期間において1000ゲームを消化した場合には特典期間を終了させる必要があることから、1000ゲームから10ゲームを引いた990よりも前の値(例えば、950)となった場合にAT状態(エンディング)をの開始することにした。
図65(a)は、このような変形例のAT状態(エンディング)を示すタイムチャートである。図65(b)は、カウント期間c1をカウントする特典期間カウンタが参照する閾値であり、図65(c)は、カウント期間c2をカウントするエンディングカウンタが参照する閾値である。
本変形例では、AT状態において、特典期間カウンタの値が第1閾値である950に到達した場合、AT状態(エンディング)を開始する。つまり、AT状態(エンディング)への移行条件は、特典期間において950ゲームを消化した場合に成立する。
AT状態(エンディング)では、エンディングカウンタが作動し、エンディングカウンタの値が閾値である10に到達した場合、AT状態(エンディング)及び特典期間を終了する。ここで、本変形例のエンディングカウンタは、AT状態(エンディング)の3枚ベットのゲームだけをカウントする。なお、本変形例の特典期間カウンタは、ベット数に関係なく特典期間のゲーム数をカウントする。
図65(a)に示す例では、特典期間の951ゲーム目から開始された特典期間は、962ゲーム目に終了している。これは、951ゲーム目から962ゲーム目の間にベット数が3枚でないゲームが2ゲームあったことを意味する。
このように本変形例は、エンディングカウンタは、1枚又は2枚ベットのゲームをカウントしないので、AT状態(エンディング)の期間は10ゲーム以上に延長される可能性がある。そこで、本変形例では、第6実施形態の場合と異なり、AT状態(エンディング)の開始時期を特典期間の951ゲーム目からとした。
しかしながら、制限なくAT状態(エンディング)の期間を延長することは、不正遊技の温床となりうるため、できないので、特典期間カウンタの値が第2閾値である1000に到達した場合、強制的にAT状態(エンディング)を終了させ、特典期間を終了することとしている。つまり、特典期間カウンタの値は1枚又は2枚ベットのゲームであっても更新される。
なお、第6実施形態で述べたように、AT状態(エンディング)においては1ゲームごとにストーリ演出を実行するが、ベット数が1枚又は2枚の遊技においては、演出を進行させないようにしている。例えば、ベット数が1枚又は2枚の遊技においては、直近のベット数が3枚の遊技のストーリ演出を再度実行するようにしてもよいし、直近のベット数が3枚のストーリ遊技の演出を停止したままとしてもよい。例えば、AT状態(エンディング)の3ゲーム目(3枚遊技)で演出Aを実行した場合、4ゲーム目(2枚遊技)で演出Aを実行してもよい。
[第5〜第6実施形態に関連するその他の実施形態]
上記第5及び第6実施形態では、特典期間におけるゲーム数消化を特典期間のリミッタとした。しかしながら、特典期間のリミッタはこれに限定されない。例えば、特典期間におけるゲーム数消化、又は特典期間におけるメダル獲得枚数をリミッタに設定してもよい。以下に説明する実施形態では、特典期間において1000ゲームを消化した場合、又は特典期間における累積メダル獲得枚数(MY)が2000枚以上となった場合に特典期間は終了するものとする。
ここで、MYとは、MYカウンタによりカウントされる値であり、当該ゲームのメダル付与処理において(1)払出枚数>投入枚数の場合には、加算値=払出枚数−投入枚数とし、MYカウンタの値に加算値を加算する一方、(2)払出枚数≦投入枚数の場合には、減算値=投入枚数−払出枚数とし、MYカウンタの値から減算値を減算する。なお、更新の結果、MYカウンタの値<0の場合にはMYカウンタの値を0とする。すなわち、MYカウンタの値はマイナスとなることがない。
なお、以下に説明する実施形態では、第5実施形態と同一のAT系の遊技状態を備えているものとする。つまり、AT状態(エンディング)は存在しない実施形態として説明する。また、以下、AT状態の最終と予想されるゲーム(以下、最終予想ゲームという)の画像表示について説明するが、ここで、AT状態の最終予想ゲームとは、当該ゲームにおいてMYの値が2000枚以上になる可能性があるゲームを意味する。例えば、現在、MYが1995枚であり、当該ゲームにおいて小役3(押順ベル)に内部当選した場合、小役3(押順ベル)に入賞すれば、8枚のメダル払出によりMYは2003枚となり、特典期間のリミッタに到達する。しかしながら、小役3(押順ベル)に非入賞であれば、MYは1995枚のままであり、特典期間のリミッタには到達しない。AT状態の最終予想ゲームであるか否かの判定は、当該ゲームのスタートレバー操作時であり、入賞役内部抽選処理の結果に基づいて判定される。そして、AT状態の最終予想ゲームにおいて、特典期間のリミッタに到達した場合、当該ゲームはAT状態の最終ゲームとなる。
<AT状態の最終予想ゲームの演出画像>
図66〜図74を用いて、AT状態の最終予想ゲームの演出画像について説明する。なお、以下、特に但し書きがなければ、小役3(押順ベル)に内部当選し、AT状態の最終予想ゲームとなった場合について説明する。つまり、AT状態の最終予想ゲームにおいて操作ナビが実行される場合について説明する。また、図66(a)に示すように、AT状態の最終予想ゲームのスタートレバー操作時を時点t61、第1停止操作時を時点t62、第2停止操作時を時点t63、第3停止操作時を時点t64と以後、表記する。
図66(b)は、AT状態の最終予想ゲームにおいて、演出画像表示装置157に表示される演出画像の変化を説明する図である。図66(b)は、最終ゲーム予告画像d150を時間経過で消去する方法を示している。なお、図66以降に示す画面上の(AT遊技画像)の文字は、AT状態の背景画像などAT遊技の画像が表示されていることを意味する。
スロットマシン100は、AT状態の最終予想ゲームのスタートレバー操作に基づいて、時点t61から最終ゲーム予告画像d150及び操作ナビ画像d10を同時に表示する。スロットマシン100は、この最終ゲーム予告画像d150を、時点t61から所定時間T1(例えば、0.5秒)が経過した後、消去する。所定時間T1はスタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)よりも短く設定されているので、最終ゲーム予告画像d150は第1停止操作前に消去される。
遊技者が正解の停止操作をした場合には、スロットマシン100は、各停止操作に従って対応する停止操作のナビ画像d10を消去し、第3停止操作後には、AT終了画像d160を表示する。
AT終了画像d160は、AT状態が終了した旨、及びAT状態における利益度合い(合計の払出枚数など)を表示するため、AT状態の終了に際して欠かせない演出画像である。しかしながら、ゲーム開始時に最終ゲーム予告画像d150を表示することなく、いきなりこのAT終了画像d160を表示した場合には、遊技者は唐突感を覚えることになる。そこで、本実施形態では、最終ゲーム予告画像d150を表示した後にAT終了画像d160を表示するようにしている。
一方、遊技者が不正解の停止操作をした場合には、スロットマシン100は、不正解の停止操作(例えば、図66(b)は第1停止操作でミス)の時点でナビ画像d10すべてを消去する。ここで、AT状態の最終予想ゲームにおいて不正解の操作をした場合には、特典期間のリミッタに到達しないので、AT終了画像d160は表示されず、次ゲームもAT状態が継続する。
なお、次ゲームでは、前ゲーム同様に最終ゲーム予告画像d150を行うことを可能としつつ、次ゲームにおいてメダル払出数>メダル投入数とならないことが確定した場合には特典期間における累積メダル獲得枚数(MY)が2000枚以上とならないため、最終ゲーム予告画像d150を行わないようにした。具体的には、メダル3枚投入後の内部当選結果が3枚以上の払出しがある役の内部当選であった場合に、最終ゲーム予告画像d150を行い、メダル3枚投入後の内部当選結果が、はずれ、再遊技役、または3枚未満の払出しがある役の内部当選であった場合に、最終ゲーム予告画像d150を行わない。遊技者に過剰な頻度で報知を行うことを防ぐことができる。
図67は、従来におけるAT状態の最終予想ゲームの演出画像を説明する図である。AT状態の最終予想ゲームにおいて最終ゲーム予告画像d150を表示する場合の演出画像である。
従来においては、最終ゲームと予想される期間は最終ゲーム予告画像d150の表示を行うようにしていた。スロットマシン100においては、1ゲーム間に複数回の操作があるため、消去のタイミングによっては遊技者の操作に影響を及ぼす可能性がでるとの考えによるものである。よって、図67に示すように、例えば、第1停止操作で不正解の停止操作をした場合、第1停止操作以降、ナビ画像d10の表示を消去するが、最終ゲーム予告画像d150の表示を継続していた。なお、第2停止操作、第3停止操作で不正解の操作をした場合でも同様である。その結果、最終ゲームを示す表示を残したまま、AT状態を継続させていたので、遊技者に違和感を覚えさせていた。また、最終ゲーム予告画像d150が次ゲームも継続して表示される可能性も存在していた。
本実施形態では、このような不具合が生じないようにするため、停止操作の前に最終ゲーム予告画像d150の表示を消去することとした。
図68は、AT状態の最終予想ゲームにおいて、演出画像表示装置157に表示される演出画像の変化を説明する別の一例の図である。図68は、最終ゲーム予告画像d150を停止操作のミスで消去する方法を示している。
図68(a)は、第1停止操作で不正解の停止操作をした場合を示しており、スロットマシン100は、第1停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去している。一方、図68(b)は、第2停止操作で不正解の停止操作をした場合を示しており、スロットマシン100は、第2停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去している。なお、正解の停止操作をした場合には、第3停止操作後に最終ゲーム予告画像d150の表示を消去する。
この一例では、不正解の停止操作に基づいて、最終ゲーム予告画像d150と操作ナビ画像d10が同時に消去されるので、操作ミスに基づいて最終ゲームでなくなったことを把握することができる。
図69は、AT状態の最終予想ゲームにおける演出画像の変形例を示す図である。この変形例では、最終ゲーム予告画像d150を文字画像とするのでなく、色彩が変化する画面全体の画像としている。より具体的には、最終ゲーム予告画像d150Aは、正解の停止操作に従って徐々に暗くなっていく色彩画像である。遊技が開始されると、第1停止操作が行われる前に画面の色彩が暗く変化(変化1)し、第1停止操作が行われると画面の色彩が暗く変化(変化2)し、第2停止操作が行われると画面の色彩が暗く変化(変化3)し、第3停止操作が行われると画面の色彩が暗く変化(変化4)する。この変化により変化1<変化2<変化3<変化4の順で画面が暗くなる。徐々に暗くしていくことにより、AT背景画像を見えにくくし、AT状態の終了を印象づけるようにしている。なお、このような最終ゲーム予告画像d150は単一色でも全体に所定の図柄を施した画像としてもよい。
図69(a)は、正解の停止操作をした場合を示しており、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作と停止操作が進行していくごとに最終ゲーム予告画像d150Aは、徐々に暗くなっていき、第3停止操作後に、AT終了画像d160が表示されることを示している。
図69(b)は、不正解の停止操作をした場合を示しており、第1停止操作が操作ミスの場合には、第1停止操作以後、最終ゲーム予告画像d150Aの表示は消去され、第2停止操作が操作ミスの場合には、第2停止操作以後、最終ゲーム予告画像d150Aの表示は消去され、第3停止操作が操作ミスの場合には、第3停止操作以後、最終ゲーム予告画像d150Aの表示は消去されることを示している。
このように最終ゲームである旨の予告を、直接文字で報知するのではなく、画像の色彩で表現するようにしてもよい。
なお、画面全体の色彩が変化させるものでなくてもよく、例えば、操作を行う毎に終了を示唆する画像の表示領域を拡大する変化を行うようにしてもよい。遊技者に操作とともに終了が近づいてくることを認識させられる場合がある。また、画面全体の色彩が変化させるものでなくてもよく、例えば、遊技の進行とともに画像が変化する主要な画面領域だけ色彩が変化するようにしてもよい。遊技者に操作とともに終了が近づいてくることを認識させられる場合がある。
図70は、AT状態の最終予想ゲームにおける演出画像の別の変形例を示す図である。図70(a)に示す変形例では、最終ゲーム予告画像d150Bを操作ナビ画像d10よりも先に表示開始するとともに最終ゲーム予告画像d150Bを徐々に拡大表示していく。これにより、最終ゲーム予告画像d150Bを目立たせることができる。
図70(b)に示す変形例では、操作ナビ画像d10よりも最終ゲーム予告画像d150Cを大きく表示し、かつ最終ゲーム予告画像d150Cと操作ナビ画像d10を重ねて表示する。これにより、操作ナビに注目する遊技者がAT状態の最終ゲームであることに気が付きやすくなる。
図70(c)に示す変形例では、最終ゲーム予告画像d150Dを徐々に拡大表示していき画面全体に表示した後、消去する。拡大表示中に最終ゲーム予告画像d150Dは操作ナビ画像d10に重なる表示となる。最終ゲーム予告画像d150Dは、スタートレバー操作から第1停止操作が有効となるまでの時間T2(例えば、0.8秒)より短い時間(例えば、0.5秒)に表示される。これにより、操作ナビ画像d10の視認性を妨げるような表示を行ったとしても遊技者の停止操作のミスを誘発することなく、操作ナビに注目する遊技者が、AT状態の最終ゲームであることに気が付きやすくなる。
図71は、AT状態の最終予想ゲームにおける演出画像の別の変形例を示す図である。
詳しくは、図71は、AT状態の最終予想ゲームにおいて停止操作のミスをし、特典期間のリミッタに到達しなかった場合において、当該ゲームの次ゲームにおいて入賞役内部当選処理の結果に係わらずスタートレバー操作の時点t61から最終ゲーム予告画像d150を再度、表示開始する場合を示している。
この場合には、例えば、次ゲームにおいて再遊技役に内部当選したり、ハズレにななったりして、特典期間のリミッタに到達しない場合であっても、最終ゲーム予告画像d150を表示する。この結果、最終ゲーム予告画像d150は複数遊技に亘って何度も表示されるため、遊技者はAT状態の最終ゲーム近傍にいることを把握することができる。
ここで、2回目以降の最終ゲーム予告画像d150は、1回目の最終ゲーム予告画像d150と同一の表示態様としてもよいし、異なる表示態様としてもよい。後者の場合には、例えば、2回目以降の最終ゲーム予告画像d150は1回目の最終ゲーム予告画像d150よりも小さな表示としてもよい。2回目以降の最終ゲーム予告画像d150を目立たない表示とすることにより、他の演出画像がより目立つことになるので、停止操作のミスを軽減することができる。
なお、小さな表示は目立たない表示の一例であり、例えば、表示画像の濃度を薄くし、表示箇所を隅の箇所に移動することで目立たない表示としてもよい。また、後者の場合には、例えば、2回目以降の最終ゲーム予告画像d150は、1回目の最終ゲーム予告画像d150よりも大きな表示としてもよい。2回目以降の最終ゲーム予告画像d150を目立つ表示とすることにより、AT状態の最終ゲームの近傍にいることを把握することができる。なお、大きな表示は目立つ表示の一例であり、例えば、表示画像の濃度を濃くしたり、表示箇所を中央に移動したりすることで目立つ表示としてもよい。
図72は、AT状態の最終予想ゲームにおける演出画像の別の変形例を示す図である。
詳しくは、図72は、図71とは異なり、AT状態の最終予想ゲームにおいて停止操作のミスをし、特典期間のリミッタに到達しなかった場合において、当該ゲームの次ゲーム以降においては最終ゲーム予告画像d150を表示しない場合を示している。一度、最終ゲーム予告画像d150を表示することにより遊技者は認識済との判断による。
この場合には、例えば、次ゲームに入賞役内部抽選の結果、特典期間のリミッタに到達した場合又は到達しない場合のいずれであっても、最終ゲーム予告画像d150を表示しない。
なお、図71及び図72に示した変形例の最終ゲーム予告画像d150は、時点t61から所定時間T1(例えば、0.5秒)が経過した後、消去する場合を示している。
なお、図69に示した変形例では、正解の停止操作が行われた場合、最終ゲーム予告画像d150の表示を継続し、不正解の停止操作をした場合には、最終ゲーム予告画像d150の表示を消去するようにしたが、これに限定されず、図73(b)に示すように、不正解の停止操作をした場合も、最終ゲーム予告画像d150の表示を継続するようにしてもよい。
勿論、不正解の停止操作の場合には、第3停止操作後、AT終了画像d160は表示されない。また、不正解の停止操作の場合には、AT状態は継続するので、次ゲームのメダル投入操作に基づいてAT終了画像d160は消去される。すなわち、AT状態の最終予想ゲームにおいては、リミッタに到達し、AT終了画像d160を表示するまでの間は、停止操作の内容に係わらず最終ゲーム予告画像d150の表示を継続するようにしてもよい。
このように操作に応じ演出態様が変化する最終ゲーム予告演出があり、当該最終ゲーム予告演出中に操作ミスがない場合には、第3停止操作後に、AT終了画像を表示する一方、当該最終ゲーム予告演出中に操作ミスがある場合には、AT終了画像を表示せず、次ゲーム以降も最終ゲーム予告演出の表示を継続するようにしてもよい。操作ミスがあったことを操作時に気が付かなくても、AT終了画像の有無により操作ミスに気が付くことができる。
また、本実施形態では、AT状態の最終ゲームと予想されるゲーム、つまり最後の1ゲームににおいて最終ゲーム予告画像d150を表示したが、これに限定されず、複数ゲームに亘って最終ゲーム予告画像d170を表示するようにしてもよい。例えば、図74に示すように、ラスト3ゲームに亘って最終ゲーム予告画像d170を表示するようにしてもよい。この場合の最終ゲーム予告画像d170は、ゲーム進行とともに残りゲーム数を表示する画像である。例えば、残り3ゲームの時点では「ラスト3G」、残り2ゲームの時点では「ラスト2G」、残り1ゲームの時点では「ラスト1G」のように表示するものである。
なお、ラスト3ゲームの判定は、MYカウンタの値から判定する。例えば、MYカウンタの値がリミッタに近い所定の閾値(例えば、1800など)に到達した場合に最終ゲーム予告画像d170を表示開始するようにしてもよい。
図74(a)は、操作ナビに従った停止操作をして、最終ゲーム予告画像d150を表示開始してから3ゲームでAT状態を終了した場合を示している。図74(a)に示す例では、ゲームG71で小役3b入賞、ゲームG72でハズレ、ゲームG73で小役3b入賞という結果でAT状態を終了させている。つまり、この変形例では、最終ゲーム予告画像d150を開始後、ラスト3ゲームのメダル獲得枚数に関係なく、AT状態を3ゲームで終了させている。
一方、図74(b)は、操作ナビに従わない停止操作をして、最終ゲーム予告画像d150を表示開始してから3ゲームでAT状態を終了しなかった場合を示している。図74(b)に示す例では、ゲームG71で操作ナビに従わない停止操作をして小役3b非入賞であったので、次ゲームの最終ゲーム予告画像d150の残りゲーム数の表示は変化していない。同様に、ゲームG73でも操作ナビに従わない停止操作をして小役3b非入賞であったので、次ゲームの最終ゲーム予告画像d150の残りゲーム数の表示は変化していない。このように本変形例では、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対しては、次ゲームの最終ゲーム予告画像d150の残りゲーム数を変化させず、前遊技の最終ゲーム予告画像d150をそのまま表示するようにしている。つまり、この変形例では、最終ゲーム予告画像d150を開始後、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対してはAT状態の残りゲームの対象とせず、そのゲーム分AT状態を延長するようにしている。
なお、最終ゲーム予告画像d150を開始後、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対してはAT状態の残りゲームの対象とし、そのゲーム分も残りのゲーム数に含めるようにしてもよい。遊技者は最終ゲーム予告画像d150を見ているので、早期に終了させてあげることで、違和感なくAT状態を終えることができる場合がある。また、この場合、最終ゲーム予告画像d150を開始する前の遊技において、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対してはAT状態の残りゲームの対象とせず、最終ゲーム予告画像d150を開始後の遊技において、操作ナビに従わない停止操作をしたゲームに対してだけAT状態の残りゲームの対象とするのが好ましい。
なお、図66〜図74を用いて説明した実施形態のAT系の遊技状態は、AT状態(エンディング)を備えない構成であった。しかしながら、AT状態(エンディング)を備える構成としてもよい。
また、図66〜図74を用いて説明した実施形態は、特典期間のリミッタとしてMYに関する条件を追加した。しかしながら、MY以外の条件でもよい。例えば、メダルの払出枚数が所定の数に到達したら終了、所定の役の入賞回数が所定に回数に到達したら終了とする条件をリミッタとして追加してもよい。
また、AT状態の期間は、固定の期間(例えば、50ゲームなど)又は可変の期間(例えば、50ゲームのAT状態に20ゲームの上乗せのATゲームが加算されるなど)のいずれでもよいが、固定のAT状態の期間、又は可変のAT状態の場合は初期のAT状態の期間においては、特典期間の最初のAT状態と2回目以降のAT状態を比べた場合、最初のAT状態の方が2回目以降のAT状態よりも長い期間としてもよい。AT状態となっても多くメダルを獲得できない悪い印象を与えないことができる場合がある。
また、AT状態の遊技進行の結果に基づいて、該AT状態終了後に開始される次の期待状態の期待度(AT状態への移行の期待度)を決定するようにしてもよい。例えば、AT状態中の各遊技で抽選処理を行い、期待状態の期待度を決定するようにしてもよい。AT状態の期間が長くなるに従って、次の期待状態の期待度を高めることができる。この構成によれば、最初のAT状態が2回目以降のAT状態より長い場合には、初回のAT遊技を開始させることで2回目以降のAT遊技の実行に期待感を持てるようになるし、AT状態中に期間が長くなる変更が可能であれば、期間が長くなる変更が1度でもあれば、AT遊技が次回実行されることを期待できる場合がある。
また、AT状態を複数の部分(パート)に分けてもよい。例えば、AT状態を前半部分と後半部分に分けてもよい。この場合、前半部分は、ゲーム数が固定(例えば、5ゲーム固定)の期間とし、前半部分においては、AT状態の前半部分であることを把握可能な前半部分演出を実行するようにしてもよい。一方、後半部分は、ゲーム数が可変の期間とし(例えば、5ゲーム以上で可変)、前半部分においては、AT状態の後半部分であることを把握可能な後半部分演出を実行するようにしてもよい。これによりAT状態が終了するまでの経過の把握が容易となる。また、前半部分では遊技が継続することの安心感を与えられ、後半部分では遊技が長く続くことへの期待感を与えられるため、一の状態で異なる印象を与えられる。
また、AT状態を前半部分と後半部分に分ける場合、前半部分の期間を、後半部分の期間よりも短い期間とするのが好適である。この場合には、遊技が長く続くことへの期待感をより高められる場合がある。一方これに反して、前半部分の期間を、後半部分の期間よりも長い期間としてもよい。この場合には、遊技が継続することの安心感をより高められる場合がある。
また、AT状態を前半部分と後半部分に分ける場合、前半部分演出を連続性のある物語演出としてもよい。例えば、特典期間の最初のAT状態の前半部分において、物語演出の第一話を実行し、特典期間の2回目のAT状態の前半部分において、物語演出の第二話を実行し、特典期間の3回目のAT状態の前半部分において、物語演出の第三話を実行するようにしてもよい。つまり、特典期間におけるAT状態の実行回数に応じた物語演出を実行するようにしてもよい。なお、物語演出の最終話を実行した場合、該AT遊技をもって特典期間を終了し通常期間を開始するのが好ましい。これによれば、特典期間の進行度合いを把握しやすくなる。
また、AT状態を前半部分と後半部分に分ける場合、AT状態の前半部分の期間に関して言えば、特典期間における初回のAT状態の前半部分の期間を、特典期間における2回目以降のAT状態の前半部分の期間よりも長い期間とするのが好適である。この場合には、AT状態を開始できれば多くのメダルを獲得できる印象を与えることができる場合がある。これに対して、特典期間における初回のAT状態の前半部分の期間を、特典期間における2回目以降のAT状態よりも短い期間としてもよい。この場合には、2回目以降のAT状態を開始できれば多くのメダルを獲得できる印象を与えることができる場合がある。
また、AT状態を前半部分と後半部分に分ける場合、さらにAT状態の後半部分を前半部と後半部と分けてもよい。この場合、AT状態の後半部分の前半部は、ゲーム数が固定(例えば、10ゲーム固定)の期間とし、後半部分の前半部においては、AT状態の後半部分の前半部であることを把握可能な後半部分前半部演出を実行するようにしてもよい。一方、AT状態の後半部分の後半部は、ゲーム数が可変の期間とし(例えば、0ゲーム以上で可変)、後半部分の後半部においては、後半部分の後半部であることを把握可能な後半部分後半部演出を実行するようにしてもよい。なお、ゲーム数が可変の場合、複数種類の可変ゲーム数のうちの少なくとも1つが、後半部分の前半部(例えば、10ゲーム固定)の期間を超える期間(例えば、20ゲーム)となるようにしてもよい。遊技者の期待感を高めることができる場合がある。
また、期待状態の期間に関しては、直前のAT状態の期間の長さに依存せず、期待状態の期間の長さを決定してもよい。例えば、期待状態の開始時に一律に10ゲームと決定し、その後、期間延長の条件が成立した場合には、直前のAT状態の期間の長さの係わらず期待状態の期間を延長してもよい。直前のAT状態で得たメダルがどの程度減少するか予想をしやすくなる。
<<リミッタ終了直前に強調表示をする実施形態>>
[第7実施形態]
第7実施形態は、AT状態を含む特典期間の残数表示に工夫を施すことにより新たな遊技性を実現している実施形態である。
従来、AT状態など遊技者に有利な期間がいつ終了するかを遊技者に知らせるために当該有利な期間の残数を報知する技術が開示されている(例えば、特開2018−164754号公報、図73など)。
しかしながら、この有利な期間を終了する条件が複数存在している場合、複数の条件がともに成立した場合には、複数の異なる残数表示が行われるため、遊技者は残数の把握が困難になるという問題がある。
本実施形態の遊技台は、有利な期間を終了する複数の条件が重なったとしても、遊技者が有利な期間の残数を容易に把握することができる遊技台である。
本実施形態では、特典期間におけるゲーム数消化、又は特典期間における累積メダル獲得枚数をリミッタに設定している。つまり、特典期間の終了条件は、上記[第5〜第6実施形態に関連するその他の実施形態]で述べた終了条件と同一である。具体的には、特典期間において1000ゲームを消化した場合、又は特典期間における累積メダル獲得枚数(MY)が2000枚以上となった場合に特典期間は終了するものである。
なお、それ以外の構成、例えば、入賞役の種類、遊技性などは、第5実施形態の構成を踏襲しているものとして説明する。
本実施形態では、リミッタの到達直前になると残数表示演出を実行することを特徴としている。具体的には、(1)特典期間において975ゲームを消化した場合、つまり特典期間が残り25ゲーム以下に到達した場合、又は(2)特典期間における累積メダル獲得枚数(MY)が1950枚以上、つまり特典期間におけるMYが残り50枚以下に到達した場合に残数表示演出を実行開始するようにしている。残数表示演出は、演出画像表示装置157上に特典期間の残りのゲーム数を示す残数表示d210(例えば、「残25G」などの文言表示)を表示したり、特典期間の残りのMYを示す残数表示d220(例えば、「残50枚」などの文言表示)を表示したりする演出であり、遊技の進行とともに残数を更新するカウントダウン演出である。
なお、以下では、残数表示演出を実行開始する条件が成立した場合を「残数表示条件が成立した場合」といい、上記(1)の条件が成立した場合を「第1の残数表示条件が成立した場合」、上記(2)の条件が成立した場合を「第2の残数表示条件が成立した場合」という。すなわち、第1の残数表示条件が成立した場合には、残数表示d210を表示し、第2の残数表示条件が成立した場合には、残数表示d220を表示する。また、第1の残数表示条件及び第2の残数表示条件がともに成立した場合には、残数表示d210及び残数表示d220の双方を表示する。
図75は、残数表示条件が成立した場合の残数表示の演出態様を示すタイムチャートである。詳しくは、図75(a)は、第1の残数表示条件が成立した場合の残数表示d210の演出態様を示すタイムチャート、図75(b)は、第2の残数表示条件が成立した場合の残数表示d220の演出態様を示すタイムチャートである。なお、本実施形態では、いずれのゲームも3枚のメダルが投入されたものとして説明を行う。
図75(a)は、Gnゲーム目に第1の残数表示条件が成立して、残数表示演出を実行開始した場合を示している。具体的には、Gnゲーム目に「残25G」、Gn+1ゲーム目に「残24G」、Gn+2ゲーム目に「残23G」、Gn+3ゲーム目に「残22G」の残数表示d210をし、遊技が1ゲームずつ進行していくに従って残数表示のゲーム数が減算されていく様子を示している。
図75(b)は、Gmゲーム目に第2の残数表示条件が成立して、残数表示演出を実行開始した場合を示している。具体的には、Gmゲーム目に「残50枚」、Gm+1ゲーム目に「残45枚」、Gm+2ゲーム目に「残40枚」、Gm+3ゲーム目に「残35枚」の残数表示d220をし、遊技が1ゲームずつ進行していくに従って残数表示の残りのMYが減算されていく様子を示している。
なお、Gm+1ゲーム目からGm+3ゲーム目まではいずれのゲームも3枚のメダルが投入されて、小役は4(共通ベル)に入賞して、8枚のメダルが払い出された場合を示している。すなわち、1ゲームにつきMYは5枚加算されていく場合を示している。
図76は、残数表示条件の一方が成立した後に残数表示条件の他方が成立した場合の残数表示の演出態様を示すタイムチャートである。詳しくは、図76(a)は、第1の残数表示条件が成立した後に第2の残数表示条件が成立した場合の残数表示の演出態様を示すタイムチャート、図76(b)は、第2の残数表示条件が成立した後に第1の残数表示条件が成立した場合の残数表示の演出態様を示すタイムチャートである。
図76(a)に示した残数表示演出では、Gpゲーム目に第1の残数表示条件が成立して、「残25G」を示す残数表示d210を開始し、その2ゲーム後のGp+2ゲーム目に第2の残数表示条件が成立して、「残48枚」を示す残数表示d220を開始している。また、次ゲームのGp+3ゲーム目では、小役4(共通ベル)に入賞し、8枚のメダルが払い出されたので、残数表示演出では、「残22G」の表示d210とともに「残43枚」の表示d220を行っている。
このように本実施形態の残数表示演出は、2つの残数表示条件がともに成立した場合には、それぞれの残数表示d210及びd220を表示するようにしている。
図76(b)に示した残数表示演出では、Gqゲーム目に第2の残数表示条件が成立して、「残50枚」を示す残数表示d220を開始し、次ゲームのGq+1ゲーム目に第1の残数表示条件が成立して、「残25G」を示す残数表示d210を開始している。また、Gq+2ゲームでは、残りのMYが50より大きくなってしまったため、第2の残数表示条件が成立しなくなり、表示されていた残数表示d220を消去している。
このように本実施形態の残数表示演出では、残りのMYに関して、一度、第2の残数表示条件が成立してもその後、第2の残数表示条件が成立しなくなる場合があるので、第2の残数表示条件が成立しなくなった場合には、表示していた残数表示d220を消去するようにしている。なお、残りのゲーム数に関しては、一度、第1の残数表示条件が成立した場合、第1の残数表示条件が成立しなくなる場合は存在しない。
図76(b)に示した残数表示演出では、次いでGq+3ゲーム目に小役4(共通ベル)に入賞し、再び第2の残数表示条件が成立したので、残数表示d210及びd220の双方を表示している。
ここで、本実施形態の残数表示演出は、2つの残数表示d210及び残数表示d220をする場合、よりリミッタに近い残数に対して強調表示を実行することを特徴としている。先にリミッタに到達する蓋然性が高い条件を強調して報知することにより、遊技者は特典期間の残りを容易に把握することができる。ここで、強調表示とは、一方の残数表示を他方の残数表示よりも目立つような表示態様で表示することを意味し、例えば、一方の字体を大きくしたり、点滅したり、一方の書体を太字にしたり、一方の書体の色彩を目立つ色にしたりすることなどが含まれる。
図77(a)は、残数表示演出においていずれの残数表示を強調表示するかを決定する強調表示処理の概要を示す模式図である。本実施形態では、残ゲーム数と残MYを比較し、図77(a)に示す対応表のレベルが低い方の残ゲーム数又は残MYを示す残数表示を強調するようにしている。なお、前提として、残ゲーム数と残MYを比較するに当たって、本実施形態のAT状態は平均してメダルの純増が2枚となっているため、残数表示の開始条件である残MY50と残ゲーム数25を同一のレベルとして設定している(2枚×25ゲーム=50枚であり、50枚獲得するのに25ゲームを要するという趣旨による)。
図77(b)は、強調表示を行う場合の残数表示の演出態様を示すタイムチャートである。なお、図面上、強調表示されている残数表示を明確にするため、強調表示されている残数表示をEDとも表記する。図面上では、書体を太字にして強調している。
図77(b)に示した残数表示演出では、Grゲーム目において、「残37枚」を示す残数表示d220の残残MYのレベルは19、「残21ゲーム」を示す残数表示d210のレベルは21なので、残数表示d220を残数表示d210よりも強調して表示する。次いで、Gr+1ゲーム目において、「残40枚」を示す残数表示d220のレベルは20、「残20ゲーム」を示す残数表示d210のレベルは20であり、同一のレベルにあるので、残数表示d210及び220のいずれに対しても強調表示を行わない。次いで、Gr+2ゲーム目において、「残43枚」を示す残数表示d220のレベルは19残MYの数値43のレベルは22、「残19ゲーム」を示す残数表示d210のレベルは19なので、残数表示d210を残数表示d220よりも強調して表示する。
このように本実施形態の残数表示演出では、残数表示d210及びd220の双方を表示している場合、図77(a)に示す対応表のレベルが低い方の残数表示を強調して表示する一方、両者が同一のレベルにある場合には、残数表示に対して強調表示を行わない。
なお、図75(a)及び(b)は、残数表示d210が示す残ゲーム数と残数表示d220が示す残MYが同一のレベルにあったため、強調表示を行わなかった場合を示している。
また、本実施形態の強調表示処理では、図77(a)に示した対応テーブルを用いて強調表示する残数表示を決定したが、強調表示処理の方法はこれに限定されない。例えば、過去100ゲーム以内のメダル払出実績に基づいてMY2000枚に到達するゲーム数を算出し、この算出したゲーム数と残ゲーム数を比較し、よりリミッタに近い残数表示を強調するようにしてもよい。また、残MY及び残ゲーム数のそれぞれに対して、図77(a)に示した対応表の表示開始レベルとは別の基準を設け(例えば、残MYは10、残ゲーム数は20など)、先にこの基準に到達した方の残数表示に対して強調表示を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、残数表示d210が示す残ゲーム数と残数表示d220が示す残MYが同一のレベルにある場合、強調表示を行わなかったが、これとは別に強調表示を行うようにしてもよい。例えば、同一レベルになる前に強調表示していた残数表示をそのまま強調表示してもよい。違和感ない表示とすることができる。
図78は、本実施形態の第1副制御部400の演出制御処理(図18(a)のステップS3006)の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3501では、特典期間の残ゲーム数に関するコマンド(以下、残ゲーム数コマンドという)を受信したか否かを判定する。詳しくは、本実施形態では、主制御部300は、スタートレバー操作時に特典期間の残ゲーム数に関する情報を含んだ残ゲーム数コマンドを送信するので、この残ゲーム数コマンドを受信したか否かを判定するものである。残ゲーム数コマンドを受信した場合には、ステップS3502に進み、残ゲーム数コマンドを受信しなかった場合には、ステップS3503に進む。
ステップS3502では、残ゲーム数表示更新処理を実行する。詳しくは、特典期間の残ゲーム数に基づいて、第1の残数表示条件が成立したか否かを判断し、第1の残数表示条件が成立した場合には、残数表示演出を実行開始して残数表示d210を行う一方、第1の残数表示条件が成立していない場合には、残数表示d210を行わない。また、残数表示演出を実行開始して残数表示d210を行っている場合には、特典期間の残ゲーム数に基づいて、残数表示d210の更新を行う。ステップS3502の処理を実行した後はステップS3505に進む。
ステップS3503では、特典期間の残MYに関するコマンド(以下、残MYコマンドという)を受信したか否かを判定する。詳しくは、本実施形態では、主制御部300は、メダル払出終了時に特典期間の残MYに関する情報を含んだ残MYコマンドを送信するので、この残MYコマンドを受信したか否かを判定するものである。残MYコマンドを受信した場合には、ステップS3504に進み、残ゲーム数コマンドを受信しなかった場合には、ステップS3506に進む。
ステップS3504では、残MY表示更新処理を実行する。詳しくは、特典期間の残MYに基づいて、第2の残数表示条件が成立したか否かを判断し、第2の残数表示条件が成立した場合には、残数表示演出を実行開始して残数表示d220を行う一方、第2の残数表示条件が成立していない場合には、残数表示d220を行わない。また、残数表示演出を実行開始して残数表示d220を行っている場合には、第2の残数表示条件が未だ成立しているか否かを判定し、第2の残数表示条件が成立した場合には、特典期間の残MYに基づいて、残数表示d220の更新を行う一方、第2の残数表示条件が成立していない場合には、残数表示d220を中止する。また、ステップS3504の処理を実行した後はステップS3505に進む。
ステップS3505では、強調表示処理を実行する。詳しくは、残数表示d210及びd220の双方が表示されている場合には、残ゲーム数のレベルと残MYのレベルを比較して、いずれのレベルが低いかを判断する(図77(a)参照)。そして、低いレベルの残数表示に対して強調表示を行う。なお、両者が同一のレベルの場合には、強調表示を行わない。
なお、残数表示d210及びd220の双方が表示されている場合であっても、強調表示を開始する条件を満たしていない場合には、強調表示を行わないようにしてもよい。例えば、残数表示d210及びd220の何れか一方が強調表示を開始する条件を満たした場合(例えば、残数表示d210が10以下になった場合)に強調表示を開始する。特典期間の終了間近となったことの印象を与えやすい場合がある。
ステップS3506では、その他の演出制御処理を実行する。
図79は、特典期間の最終ゲームにおける残数表示の演出態様を示すタイムチャートである。ここでいう最終ゲームとは、特典期間の残ゲーム数が0、つまり当該ゲームにおいて特典期間が確実に終了するゲーム、及び特典期間の残MYが当該ゲームの入賞役内部抽選の結果に基づいて確実に0以下、又は0以下に到達する蓋然性が高い(具体的には入賞すれば残MYは0以下になる)ゲームを意味する。
図79(a)は、特典期間において1000ゲームを消化して特典期間を終了する場合の残数表示d210及びd220の演出態様を示している。なお、図79(a)は、特典期間の最終ゲームまでの数ゲームにおいて残数表示d210が強調表示される場合を示している。
図79(a)は、Gsゲーム目では「残2G」、Gs+1ゲーム目では「残1G」、Gs+2ゲーム目では「残0G」の残数表示d210をして、特典期間を終了する場合を示している。特典期間を終了した後は、終了演出を実行し、特典期間における獲得枚数、及び特典期間のゲーム数などを表示する終了画像d230を表示する。
ここで、Gs+2ゲーム目では「残0G」を示す残数表示d210をするとともに、「残36枚」の残数表示d220も表示するようしている。特典期間は当該Gs+2ゲーム目において確実に終了するため、「残36枚」の残数表示d220をする必要はないが、他方の残数表示d220を消去すると、他方のリミッタ条件がなくなった印象を与えてしまうため、最終ゲームまで残数表示d220を表示するようにしている。
図79(b)及び(c)は、特典期間におけるMYが2000枚以上となって特典期間を終了する場合の残数表示d210及びd220のの演出態様を示している。なお、図79(b)及び(c)は、最終ゲームまでの数ゲームにおいて残数表示d220が強調表示される場合を示している。
図79(b)は、Gt+2ゲーム目では「残4枚」を示す残数表示d220をした後、小役4(共通ベル)に内部当選かつ入賞して特典期間を終了する場合を示している。小役4(共通ベル)に内部当選したゲームでは確実に小役4(共通ベル)に入賞するので、Gt+2ゲーム目で特典期間は終了する。
ここで、Gt+2ゲーム目では「残4枚」を示す残数表示d220をするとともに、「残7G」を示す残数表示d210も表示している。当該Gt+2ゲーム目において特典期間が終了する蓋然性は高いため、「残7G」の残数表示d210をする必要はないが、他方の残数表示を消去すると、他方のリミッタ条件がなくなった印象を与えてしまうため、最終ゲームまで残数表示d210を表示するようにしている。
一方、図79(c)は、Gu+2ゲーム目では「残4枚」の残数表示d220をした後、小役3(押順ベル)に内部当選して特典期間を終了する場合、及び特典期間を終了しない場合を示している。詳しくは、Gu+2ゲーム目において正解の停止操作を行った場合には、小役3(押順ベル)に入賞して特典期間は終了する一方、Gu+2ゲーム目において不正解の停止操作を行った場合には、小役3(押順ベル)に入賞しないので特典期間は終了しない。
AT状態では、小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて操作ナビが実行され、操作ナビ画像d10が表示されるので、操作ナビ画像d10の内容に従えば小役3(押順ベル)に入賞するが、操作ミスなど操作ナビ画像d10の内容に従った停止操作を行わなかった場合には小役3(押順ベル)に入賞しない。
ここで、Gu+2ゲーム目では「残4枚」を示す残数表示d220をするとともに、「残7G」を示す残数表示d210も表示している。当該Gs+2ゲーム目において特典期間が終了する蓋然性は高いため、「残7G」の残数表示d210をする必要はないが、他方の残数表示を消去すると、他方のリミッタ条件がなくなった印象を与えてしまうため、最終ゲームまで残数表示d210を表示するようにしている。
このように本実施形態の残数表示演出では、一のリミッタ到達条件に基づいて特典期間が終了する場合、最終ゲームにおいて当該一のリミッタ到達条件に関する残数表示(例えば、「残0G」、「残4枚」)だけでなく、他のリミッタ到達条件に関する残数表示(例えば、「残0G」に対して「残36枚」、「残4枚」に対して「残7G」)も表示するようにしている。
図80は、本実施形態の残数表示演出において残数表示d210及びd220の更新タイミング及び強調表示の更新タイミングを示すタイムチャートである。
なお、図80に示すゲームでは、入賞役内部抽選処理において小役2(チェリー)に内部当選し、小役2(チェリー)に入賞した場合を示している。また、当該ゲームのベットボタン操作前の時点においては、「残21G」を示す残数表示d210のレベルは21、「残40枚」を示す残数表示d220のレベルは20となっているので、残数表示d220が残数表示d210よりも強調表示されている。
本実施形態の残数表示演出では、スロットマシン100は、まず、ベットボタン操作の時点t1に残数表示d220の数を更新する。具体的には、3枚のメダルが投入されたので、残MYに3が加算されて「残43枚」の残数表示d220を表示する。次いで、スロットマシン100は、スタートレバー操作の時点t2に残数表示d210の数を更新する。具体的には、残ゲーム数が1減算されて「残20G」の残数表示d210を表示する。次いで、スロットマシン100は、メダル払出終了の時点t3に残数表示d220の数を更新する。具体的には、小役2(チェリー)入賞により2枚のメダルが払い出されるので、残MYから2減算されて「残41枚」の残数表示d220を表示する。最後に、スロットマシン100は、残数表示d210及びd220の更新が終了した後の時点t4において強調表示処理を実行し、強調表示の更新を行う。具体的には、時点t3において、「残20G」を示す残数表示d210のレベルは20、「残41枚」を示す残数表示d220のレベルは21なので、残数表示d210を残数表示d220よりも強調表示する。
なお、時点t3と時点t4が同時点とならないよう時点t3から時点t4の期間を約0.3秒経過後とする。
このように本実施形態の残数表示演出は、残数表示d210及びd220の双方が表示されている場合、1遊技において残数表示d210及びd220の更新が終了した後に、強調表示処理を実行して、残数表示d210及びd220のうちいずれを強調表示するかを決定し、決定した残数表示を強調表示する(又はいずれも強調表示しない)。すなわち、本実施形態の残数表示演出では、強調表示の更新タイミングを、特典期間の残りゲーム数の更新タイミング及び特典期間の残りMYの更新タイミングのそれぞれと異なるタイミングとしている。残数表示d210及びd220の更新のたびに強調表示を更新すると強調表示が目まぐるしく変化することがあるので、一遊技が終了した後に強調表示を一回更新することとしたものである。この結果、遊技者は、困惑することなく強調表示が変更されたことを容易に認識することができる。
<残数表示の強調表示に係わる変形例1>
図81は、残数表示の強調表示に関わる変形例1の演出態様の一例を示す図である。図81に示す変形例では、一方の残数表示しか表示されない場合であっても、表示された一方の残数表示を強調して表示する。図81(a)は、残数表示d220だけが表示されている場合において残数表示d220を強調表表示する場合を示しており、図81(b)は、残数表示d220だけが表示されている場合において残数表示d220を強調表示し、その後、残数表示d220が強調表示されている最中に残数表示d210も表示された場合を示している。
このように残数表示の強調表示は、一方しか残数表示されていない状況であっても行ってもよい。すなわち、仮に一方の残数表示しか行われていなくても、後に他方の残数表示が行われ、両者がともに表示された場合に他方の残数表示よりも相対的に目立つ表示態様で表示されているのであれば、一方しか表示されていない状態であっても残数表示の強調表示といってもよい。
また、強調表示の表示態様は、残数を示す文字自体を強調する表示態様に限定されない。例えば、図82(a)に示すように、文字自体を強調するのではなく、文字の周囲を装飾する(図82(a)では残数表示d210)ことにより残りゲーム数や残りMYを目立たせるようにしてもよい。この場合には、残りゲーム数や残りMYの数ごとに強調表示パターンのデータを備えなくてもよいので、データを削減することができる。また、図82(b)に示すように、他方の残数表示(図82(b)では残数表示d220)を小さく表示して目立たなくすることにより、一方の残数表示(図82(b)では残数表示d220)を相対的に目立つようにしても。勿論、この場合において一方の残数表示を大きく表示してもよい。
また、残数表示の強調表示を複数ステップに分けて行ってもよい。例えば、図83(a)に示すように、特典期間のリミッタに近づくに従って強調レベル1で強調表示されていた残数表示d220をより大きな字体の強調レベル2にして表示するようにしてもよい。遊技者はリミッタに近づいていることを明確に認識することができる。また、図83(b)に示すように、特典期間のリミッタに近づくに従って残数表示d220の表示態様は変化させないが、強調されていない方の残数表示d210をより小さな字体で表示したり、薄く表示したりすることにより、より目立たない残数表示d210aとし、他方の残数表示d220を相対的に目立つようにしてもよい。なお、残数表示d210aを最終的には消去するようにしてもよい。
また、背景色を変化させることにより、残数表示d210及び/又はd220を強調表示するようにしてもよい。例えば、背景色を青色から赤色に変化させることにより、残数表示d210及び/又はd220を相対的に目立たせるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、図80で述べたように、残数表示d210の更新タイミングと残数表示d220の更新タイミングを異ならせていたが、残数表示d210の更新タイミングと残数表示d220の更新タイミングを同一としてもよい。例えば、メダル払出がないゲームにおいては、図84(a)に示すように、残数表示d210及び残数表示d220のそれぞれを入賞判定後に同時に更新し、メダル払出があるゲームにおいては、図84(b)に示すように、残数表示d210及び残数表示d220のそれぞれをメダル払出が終了した後に同時に更新するようにしてもよい。更新時期が少なくなるので、遊技者は残数表示d210及び残数表示d220の更新タイミングに注目しやすくなる。勿論、この場合においても、残数表示d210及び残数表示d220のそれぞれを同時に更新した後に強調表示の更新を行う。
<残数表示演出の強調表示に係わる変形例2>
変形例2では、一方の残数表示が他方の残数表示よりも強調表示されている場合において、特典期間の最終ゲームでは、他方の残数表示を消去するようにしている。これにより、特典期間の最終ゲームの認識が容易となり、遊技者は無用な情報を見る必要がない。なお、ここでいう最終ゲームとは、特典期間の残ゲーム数が0、つまり当該ゲームにおいて特典期間が確実に終了するゲーム、及び特典期間の残MYが当該ゲームの入賞役内部抽選の結果に基づいて確実に0以下、又は0以下に到達する蓋然性が高い(具体的には入賞すれば残MYは0以下になる)ゲームを意味する。
図85は、特典期間の最終ゲームにおける残数表示の演出態様を示すタイムチャートである。
図85(a)は、特典期間において1000ゲームを消化して特典期間を終了する場合の残数表示演出の演出態様を示している。なお、図85(a)は、特典期間の最終ゲームまでの数ゲームにおいて残数表示d210が強調表示される場合を示している。
図85(a)は、Gsゲーム目では「残2G」、Gs+1ゲーム目では「残1G」、Gs+2ゲーム目では「残0G」の残数表示d210をして、特典期間を終了する場合を示している。特典期間を終了した後は、終了演出を実行し、特典期間における獲得枚数、及び特典期間のゲーム数などを表示する終了画像d230を表示する。
ここで、Gs+2ゲーム目では「残0G」の残数表示d210をする一方、残数表示d220を消去する。当該ゲームで特典期間が確実に終了するため、他の残数表示d220を表示しても無用であるからである。
図示しないが、Gs+2ゲーム目に獲得枚数で特典期間が終了する可能性がある場合には、Gs+2ゲーム目に残数表示d220も行ってよい。特典遊技がどの条件で終了する可能性があるのか遊技者に認識させやすくする場合がある。なお、Gs+2ゲーム目に獲得枚数で特典期間が終了する可能性がある場合でも、Gs+2ゲーム目に残数表示d220を行わず残数表示d210のみをしてもよい。確実な条件だけ示すことで遊技者の状況把握を容易にさせる場合がある。
図85(b)及び(c)は、特典期間におけるMYが2000枚以上となって特典期間を終了する場合の残数表示演出の演出態様を示している。なお、図85(b)及び(c)は、最終ゲームまでの数ゲームにおいて残数表示d220が強調表示される場合を示している。
図85(b)は、Gt+2ゲーム目では「残4枚」の残数表示d220をした後、小役4(共通ベル)に内部当選かつ入賞して特典期間を終了する場合を示している。小役4(共通ベル)に内部当選したゲームでは確実に小役4(共通ベル)に入賞するので、Gt+2ゲーム目で特典期間は終了する。
ここで、Gt+2ゲーム目では「残4枚」の残数表示d220をする一方、残数表示d210を消去する。当該ゲームで特典期間が確実に終了するため、他の残数表示d210を表示しても無用であるからである。
一方、図85(c)は、Gt+2ゲーム目では「残4枚」の残数表示d220をした後、小役3(押順ベル)に内部当選して特典期間を終了する場合、及び特典期間を終了しない場合を示している。詳しくは、Gu+2ゲーム目において正解の停止操作を行った場合には、小役3(押順ベル)に入賞して特典期間は終了する一方、Gu+2ゲーム目において不正解の停止操作を行った場合には、小役3(押順ベル)に入賞しないので特典期間は終了しない。
AT状態では、小役3(押順ベル)に内部当選したゲームにおいて操作ナビが実行され、操作ナビ画像d10が表示されるので、操作ナビ画像d10の内容に従えば小役3(押順ベル)に入賞するが、操作ミスなど操作ナビ画像d10の内容に従った停止操作を行わなかった場合には小役3(押順ベル)に入賞しない。
ここで、Gu+2ゲーム目では「残4枚」を示す残数表示d220をするとともに、「残7G」を示す残数表示d210も表示している。操作ナビ画像d10が表示されているため、当該Gu+2ゲーム目において特典期間が終了する蓋然性は高いが、確実ではないからである。
このように変形例2の残数表示演出では、(1)特典期間の残りゲーム数に基づいて、又は(2)残りMYと当該ゲームの内部等当選役に基づいて確実に当該ゲームにおいて特典期間が終了すると判断した場合には、他方の残数表示を消去し、強調されている一方の残数表示だけを表示する。
なお、図85(c)では、Gu+2ゲーム目において「残7G」を示す残数表示d210を表示したが、これとは別に、残数表示d210を消去してもよい。特典期間が終了する蓋然性は高いからである。
図86(a)は、図85(c)のGu+2ゲーム目の残数表示の他の演出態様を示すタイムチャートである。図86(a)に示すように、特典期間の最終ゲームであることを示す画像(例えば、「ラストゲーム」などの文言画像)d240を追記してもよい。なお、Gu+2ゲーム目に小役3に非入賞であった場合、つまりGu+2ゲーム目において特典期間が終了しなかった場合には、図86(a)及び(b)に示すように、以後のそれぞれのゲームにおいて画像d240を継続して表示してもよい。
図86(b)は、図86(a)のGu+2ゲーム目において小役3に非入賞だった場合の以後のゲームを示している。最終的には、Gu+9ゲーム目において特典期間の1000ゲームに到達したので、MYの条件ではなく、ゲーム数消化の条件で特典期間を終了した場合を示している。この場合においても、Gu+9ゲーム目において確実に特典期間が終了するため、「残0G」を示す残数表示d210をする一方、残数表示d220を消去している。
なお、本実施形態では、リミッタとして特典期間の消化ゲーム数とMY(累積メダル獲得枚数)の2つを用いたが、リミッタとして設ける条件はこれに限定されない。少なくとも2以上の異なる種類のリミッタが設けていればよく、例えば、メダルの累積払出数、メダルの累積投入数、特定役の当選回数、特定状態の実行回数などをリミッタとして設けてもよい。
なお、本実施形態の特典期間の終了は、(1)リミッタに到達して終了する場合と、(2)リミッタに到達せずとも終了条件を満たして終了する場合がある。(2)の場合は、例えば、予め決められた期間の経過(例えば、50ゲーム経過)で終了する場合がある。換言すれば、(1)の終了はリミッタで終了するリミッタ終了であり、(2)の終了はリミッタを除く終了条件で終了する非リミッタ終了である。
そこで、(1)の終了と(2)の終了のいずれの場合にも強調表示を行うしてもよい。特典期間の終了に近づいていることを明確に認識させることができる。
一方、(2)の終了の場合には強調表示を行わず、(1)の終了の場合にだけ強調表示を行うようにしてもよい。(2)の終了は、リミッタに到達した場合ではなく、遊技者が特典期間の継続を期待する場合があるため、強調表示を行わないことで、継続を期待させやすくする場合がある。
また、(1)の終了の場合には強調表示を行わず、(2)の終了の場合にだけ強調表示を行うようにしてもよい。(1)の終了は、リミッタに到達という強制的な措置であり、遊技者に不快な印象を与え兼ねないものであるため、強調表示を行わないことで、遊技者に不快な印象を与える期間を短くさせる場合がある。
[実施形態の総括]
以上、上記実施形態(例えば、第7実施形態)の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、
所定の開始条件(例えば、通常状態において移行抽選1又は2に当選)、が成立した場合に特定遊技期間(例えば、特典期間)を開始させる特典遊技期間開始手段(例えば、主制御部300)と、
所定の終了条件が成立した場合(例えば、特典期間の1000ゲーム消化、特典期間のMY2000枚到達)に前記特定遊技期間を終了する特典遊技期間終了手段(例えば、主制御部300)と、
前記特定遊技期間において遊技に関する数を計数する計数手段(例えば、主制御部300)と、
前記計数手段により計数された数に基づいた表示を行う表示手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、演出画像表示装置157)と、
を備えた遊技台であって、
前記計数手段は、
第一の種類の数(例えば、ゲーム数)を計数する第一の計数手段(例えば、主制御部300)と、
前記第一の種類の数とは異なる第二の種類の数(例えば、MY)を計数する第二の計数手段(例えば、主制御部300)と、を備えた手段であり、
前記特定遊技期間終了手段は、前記特定遊技期間において前記第一の計数手段により計数された前記第一の種類の数が、第一の終了数(例えば、1000ゲーム)となった場合に、前記特定遊技期間を終了させる手段であり、
前記特定遊技期間終了手段は、前記特定遊技期間において前記第二の計数手段により計数された前記第二の種類の数が、第二の終了数(例えば、2000枚)となった場合に、前記特定遊技期間を終了させる手段であり、
前記表示手段は、前記特定遊技期間において前記第一の計数手段により計数された前記第一の種類の数と前記第一の終了数とから導出された第一の残数を表示可能な手段であり(例えば、残数表示d210)、
前記表示手段は、前記特定遊技期間において前記第二の計数手段により計数された前記第二の種類の数と前記第二の終了数とから導出された第二の残数を表示可能な手段であり(例えば、残数表示d220)、
前記表示手段は、第一の残数表示開始条件が成立した場合(例えば、特典期間における残ゲーム数が25ゲームに到達した場合)に、前記第一の残数を表示する手段であり、
前記表示手段は、第二の残数表示開始条件が成立した場合(例えば、特典期間における残MYが50以下に到達した場合)に、前記第二の残数を表示する手段であり、
前記表示手段は、前記第一の残数表示開始条件が成立し、前記第二の残数表示開始条件が成立していない場合に、前記第一の残数を表示し、前記第二の残数を表示しない手段であり(例えば、図75(a)など)、
前記表示手段は、前記第二の残数表示開始条件が成立し、前記第一の残数表示開始条件が成立していない場合に、前記第二の残数を表示し、前記第一の残数を表示しない手段であり(例えば、図75(b)など)、
前記表示手段は、前記第一の残数表示開始条件と前記第一の残数表示開始条件がともに成立している場合に、前記第一の残数と前記第二の残数をともに表示する手段である(例えば、図76(a)及び(b)など)、
ことを基本的構成とする。
この基本的構成によれば、特定遊技期間を終了する複数の条件が重なったとしても、遊技者が特定遊技期間の残数を容易に認識することができる。
上記基本的構成において、
前記表示手段は、前記第一の残数を表示している場合、第一のタイミング(例えば、スタートレバー操作時など)で前記第一の残数を更新表示する手段であり、
前記表示手段は、前記第二の残数を表示している場合、前記第一のタイミングとは異なるタイミング(メダル投入時、メダル払出終了時など)である第二のタイミングで前記第二の残数を更新表示する手段である(例えば、図80など)、
ことを第1の好適な構成とする。
この第1の好適な構成によれば、第一の残数及び第二の残数のそれぞれの更新された数値を容易に認識することができる。
上記第1の好適な構成において、
前記表示手段は、前記第一の残数と前記第二の残数をともに表示している場合において、前記第一の計数手段により計数された前記第一の種類の数、前記第二の計数手段により前記第二の種類の数、及び所前記所定の終了条件に基づいて強調表示開始条件が成立した場合(例えば、特典期間の残ゲーム数が25、特典期間の残MYが50など)に、前記第一の残数及び前記第二の残数の少なくとも一方に対して所定の強調表示(例えば、字体を太字するなど)を行う手段である(例えば、図77(b)など)、
ことを第2の好適な構成とする。
この第2の好適な構成によれば、いずれの種類の数が終了に近いかを明確に把握することができるので、特定遊技期間の終了時期がさらに容易に認識することができる。
上記第2の好適な構成において、
前記表示手段は、1遊技内において、前記所定の強調表示を更新するタイミング(例えば、メダル払出終了の後)を、前記第一のタイミング及び前記第二のタイミングのいずれよりも後のタイミングとする手段である(例えば、図80など)、
ことを第3の好適な構成とする。
この第3の好適な構成によれば、第一の残数及び第二の残数の更新タイミングよりも後のタイミングで強調表示を更新するので、遊技者は容易に強調表示を認識することができる。
上記第2の好適な構成、又は上記第3の好適な構成において、
前記表示手段は、
前記特定遊技期間において前記第一の計数手段により計数された前記第一の種類の数が前記第一の終了数に到達する時期が、前記特定遊技期間において前記第二の計数手段により計数された前記第二の種類の数が前記第二の終了数に到達する時期より早いと判断した第一の強調表示条件が成立した場合、前記第一の残数の表示を前記第二の残数の表示よりも強調する第一の表示態様にて強調表示を行い(例えば、図77など)、
前記特定遊技期間において前記第二の計数手段により計数された前記第二の種類の数が前記第二の終了数に到達する時期が、前記特定遊技期間において前記第一の計数手段により計数された前記第一の種類の数が前記第一の終了数に到達する時期より早いと判断した第二の強調表示条件が成立した場合、前記第二の残数の表示を前記第一の残数の表示よりも強調する第二の表示態様にて強調表示を行う手段である(例えば、図77など)、
ことを第4の好適な構成とする。
この第4の好適な構成によれば、第一の残数の表示又は第二の残数の表示のいずれかを強調表示するので、特定遊技期間の終了時期がより明確になる。
上記第4の好適な構成において、
前記表示手段は、前記第一の表示態様で強調表示を行っている場合において、前記第二の強調表示条件が成立した場合、前記第二の表示態様に変更して強調表示を行う手段であり、
前記表示手段は、前記第二の表示態様で強調表示を行っている場合において、前記第一の強調表示条件が成立した場合、前記第一の表示態様に変更して強調表示を行う手段である(例えば、図80など)、
ことを第5の好適な構成とする。
この第5の好適な構成によれば、強調表示を変更可能としているので、遊技の状況が変化しても、特定遊技期間の終了時期を正確に把握することができる。
上記第4の好適な構成、又は上記第5の好適な構成において、
前記表示手段は、前記第一の残数と前記第二の残数をともに表示し、前記第一の表示態様で強調表示を行っている場合において、残数消去条件が成立した場合(例えば、当該ゲームにおいて残ゲーム数が0、残MYが0以下になる場合)、に、前記第二の残数の表示を消去する手段であり(例えば、図85など)、
前記残数消去条件は、前記特定遊技期間において前記第一の計数手段により計数された前記第一の種類の数が前記第一の終了数に到達する時期が、前記特定遊技期間において前記第二の計数手段により計数された前記第二の種類の数が前記第二の終了数に到達する時期よりも確実に早いと判断された場合に成立する条件である、
ことを第6の好適な構成とする。
この第6の好適な構成によれば、無用な残数表示を行わないので、残数の表示を簡素化することができる。
上記第6の好適な構成において、
前記第一の計数手段は、一遊技の開始(例えば、スタートレバー操作)に基づいて前記第一の種類の数を計数し、
前記第二の計数手段は、遊技媒体の払出(例えば、メダル投入、メダル払出)に基づいて前記第二の種類の数を計数し、
前記残数消去条件は、前記特定遊技期間において前記第一の計数手段により計数された前記第一の種類の数が前記第一の終了数に到達する時期が当該遊技(例えば、残ゲーム数0)であると判断された場合に成立する条件である(例えば、図85(a)、図86(b)など)、
ことを第7の好適な構成とする。
この第7の好適な構成によれば、必要な残数表示だけを行うので、残数の表示を簡素化することができ、特定遊技期間の終了時期を確実に伝えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。