JP2019072310A - 生体情報測定用電極、生体情報取得装置及び生体情報測定用電極の製造方法 - Google Patents

生体情報測定用電極、生体情報取得装置及び生体情報測定用電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生体と接する電極において、構造が簡単で、適量の流動物を供給できる生体情報測定用電極、生体情報測定装置および生体情報測定用電極の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明は、基体部と、基体部の一方である第1の向き側にその先端部が向くように基体部から設けられる複数の電極脚と、を備え、複数の電極脚の少なくとも一つの先端が生体と接触可能な生体情報測定用電極である。基体部には、基体部の表面側に基体開口を有する複数の基体部貫通孔が設けられ、複数の電極脚のそれぞれには、先端部側に脚部開口を有する脚部貫通孔が設けられ、基体開口から複数の基体部貫通孔の一つ、一つの基体部貫通孔を通って複数の脚部貫通孔の一つ、一つの脚部貫通孔が有する脚部開口に至る供給流路を、脚部貫通孔を有した電極脚に対応して複数備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、生体情報測定用電極、生体情報取得装置及び生体情報測定用電極の製造方法に関する。
近年、様々な生体の情報、例えば、脈波、心電、筋電、体脂肪、脳波等を測定することが増えてきた。その際、安定して生体と接触させるために、様々な生体情報測定用電極が提案されている。特に、髪の毛が存在する頭部に装着する脳波測定用の電極に関しては、様々な工夫がなされている。そして、頭皮との接触を安定させるために、導電ゲルを用いるものもある。特許文献1には、進退手段と筒状電極とを備えたセンサ部材(電極に相当)を有し、頭皮に電解質のペーストを自動的に供給するペースト供給手段が筒状電極に接続された構成が開示される。
特開2004−254953号公報
生体情報を測定するため、生体と接する電極において、導電ゲルを供給するための構成は大がかりになりやすい。しかも電極だけの構成よりも大きくなるので設置が大変である。また、導電ゲルの供給量も多くなりやすく、測定後の頭皮から導電ゲル剤を除去する手間がかかる。また、導電ゲル剤を注入する空洞をもった電極を製造する工程は複雑であり、容易に製造することが求められている。
本発明は、生体と接する電極において、構造が簡単で、適量の流動物を供給できる生体情報測定用電極、生体情報測定装置および生体情報測定用電極の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、基体部と、基体部の一方である第1の向き側にその先端部が向くように基体部から設けられる複数の電極脚と、を備え、複数の電極脚の少なくとも一つの先端が生体と接触可能な生体情報測定用電極である。
この生体情報測定用電極において、基体部には、基体部の表面側に基体開口を有する複数の基体部貫通孔が設けられる。
複数の電極脚のそれぞれには、先端部側に脚部開口を有する脚部貫通孔が設けられる。
また、この生体情報測定用電極において、基体開口から複数の基体部貫通孔の一つ、一つの基体部貫通孔を通って複数の脚部貫通孔の一つ、一つの脚部貫通孔が有する脚部開口に至る供給流路が、脚部貫通孔を有した電極脚に対応して複数備えられる。
このような構成によれば、基体開口から基体部貫通孔及び脚部貫通孔を通って先端部の脚部開口に至る1つの供給流路が複数の電極脚のそれぞれに形成される。このため、基体開口から電解液または導電ゲル等の導電性を有する流動物(導電性流動物)を供給した際には、複数の供給流路のそれぞれを通して各電極脚へ確実に送り、各電極脚の先端部の脚部開口にその導電性流動物を到達させることができる。また、基体開口から複数の基体部貫通孔が設けられているため、基体開口から送られた導電性流動物は複数の基体部貫通孔のそれぞれに分けられるように送られる。したがって、基体開口から供給された導電性流動物が少量であっても基体開口から各基体部貫通孔へ確実に拡がっていき、安定した供給を行うことができる。
上記生体情報測定用電極において、複数の電極脚のそれぞれと基体部とが連結されている連結部には、供給流路のそれぞれにおける流路の流れ方向を横切る平面において、電極脚と基体部との接合面を有していなくてもよい。
このような構成によれば、複数の電極脚のそれぞれと基体部との連結部に、流路の流れ方向を横切るような接合面を有してないので、連結部において、電解液または導電ゲル等の導電性を有する流動物(導電性流動物)の流れを阻害する要因が低減される。これにより、導電性流動物の円滑な流れを実現することができる。
上記生体情報測定用電極において、複数の基体部貫通孔のそれぞれは、直線的に形成されていてもよい。このような構成によれば、基体部貫通孔に流れてきた導電性流動物が直線的に流れていくため、導電性流動物を各電極脚へ円滑に送ることができる。
上記生体情報測定用電極において、基体部には、基体部の第1の向き側とは反対向き側に延設された突起部がさらに設けられていてもよい。突起部は、基体部貫通孔と連通した空洞部を有し、空洞部は、基体部外に開口する空洞部開口を有していてもよい。
このような構成によれば、生体に対向する側(第1の向き側)とは反対向き側(第2の向き側)に突起部が設けられることで、突起部に設けられた空洞部開口から基体部貫通孔へ電解液等を送ることができる。このため、供給流路内に導電性流動物を供給することが容易となる。このことにより、例えば流路側からの逆流が生じても生体に影響が及びにくい。しかも、使用中に漏れ落ちる可能性をより安定的に低減させている。
上記生体情報測定用電極において、複数の電極脚は、基体部の外周部に沿って設けられ、空洞部は前記基体部の中央部に設けられていてもよい。このような構成によれば、複数の電極脚によって生体との接触が行われるため、接触圧力を分散させることができる。これにより、電極脚の接触による不快感を和らげることができる。また、空洞部が基体部の中央部に設けられていることで、(複数の供給流路が均一化され)空洞部から複数の基体部貫通孔に放射状に電解液等を流すことができ、複数の電極脚に万遍なく電解液等を供給することができる。
上記生体情報測定用電極において、前記突起部及び前記基体部のそれぞれは導電性を有していてもよい。このような構成によれば、導電性を有する突起部及び基体部によって突起部を電極端子として利用することができる。突起部に接続した配線によって、各電極脚と外部機器との電気的な導通を得ることができる。
上記生体情報測定用電極において、基体開口を介して基体部貫通孔と連通した流動物孔を有した流動部をさらに備えていてもよい。このような構成によれば、空洞部開口から直接的に、導電性流動物を供給しなくても、流動部で導電性流動物を供給することにより、供給流路に導電性流動物を供給することができる。このため、空洞部開口を備える基体部が生体の近傍にあるなどして、空洞部開口に導電性流動物を供給することが困難な状態であっても、供給流路に導電性流動物を安定的に供給することが実現される。
上記生体情報測定用電極において、複数の電極脚のそれぞれは、導電性を有したカーボンを含んでいてもよい。このような構成によれば、各電極脚に含まれる導電性を有したカーボン材料によって、生体との間の電気的な導通を得られるとともに、カーボン材料の可撓性によって生体との接触の圧力を逃がすことができる。これにより、生体との電気的な導通を確実に得ることができるとともに、被検者に対して不快感を与えないようにすることができる。
上記生体情報測定用電極において、複数の電極脚のそれぞれは、導電性を有した金属を含んでいてもよい。このような構成によれば、各電極脚に含まれる導電性を有した金属によって、生体との間の電気的な導通を得られるとともに、金属加工によって電極脚を容易に構成することができる。
本発明の一態様は、上記生体情報測定用電極と、供給流路に導電性を有した導電性流動物を供給するための供給部と、を備えた生体情報取得装置である。
このような構成によれば、供給部から導電性流動物が基体開口を介して基体部貫通孔に送られ、脚部貫通孔を介して脚部開口から生体へ送られることになる。したがって、供給流路に供給された導電性流動物が少量であっても基体開口から供給流路へ確実に拡がっていき、安定した供給を行うことができる。
本発明の一態様は、基体部と、基体部の一方である第1の向き側にその先端部が向くように基体部から延設される複数の電極脚と、を備え、基体部には、基体部の表面側に基体開口を有する複数の基体部貫通孔が設けられ、複数の電極脚のそれぞれには、先端部側に脚部開口を有する脚部貫通孔が設けられ、基体開口から基体部貫通孔及び脚部貫通孔を介して脚部開口に至る供給流路を複数備える生体情報測定用電極の製造方法である。
上記製造方法は、複数の板状部材を積層して、基体部の一部と基体部から延設された複数の電極脚とを備える中間部材を形成することを含む積層工程と、中間部材の複数の電極脚のそれぞれを折り曲げて、第1の向き側に先端部を向かせることを含む屈曲工程と、を備える。
積層工程では、複数の板状部材を積層することによって、供給流路が中間部材内に複数形成される。
このような構成によれば、複数の板状部材を積層する積層工程と、積層工程で形成された中間部材を折り曲げる屈曲工程と、を有しているので、複数の基体部貫通孔及び複数の脚部貫通孔を含む供給流路を有した生体情報測定用電極を容易に作製することができる。
上記製造方法において、板状部材である、第1部材、第2部材及び第3部材を用意してもよい。
第1部材は、基材を貫く第1部材貫通孔を有する第1中央部分と、第1中央部分から延出する複数の第1延出部分と、を有する。
第2部材は、第1部材貫通孔に対応した第2空洞用孔を有する第2中央部分と、第2中央部分から延出する複数の第2延出部分と、を有する。
第2中央部分には、第2空洞用孔に連続した複数の第2流路用孔が設けられるとともに、第2延出部分には、第2流路用孔に連続した第2電極脚用孔が設けられる。
第3部材は、第1中央部分及び第2中央部分に対応した第3中央部分と、第3中央部分から延出する複数の第3延出部分と、を有する。
第3延出部分の延出端部側には、第2電極脚用孔のそれぞれに対応した第3部材貫通孔が設けられる。
積層工程では、第1部材、第2部材、第3部材をこの順に重ねて接合する。
これにより、第1中央部分、第2中央部分及び第3中央部分の積層によって基体部が形成されるとともに、第1延出部分、第2延出部分及び第3延出部分の積層によって複数の電極脚が形成される。
また、積層工程では、第1貫通孔の片側を基体開口とするとともに、第3貫通孔の片側を脚部開口とし、第1貫通孔と第2空洞用孔とを連続させ、第2電極脚用孔と第3貫通孔とを連続させ、第1貫通孔から第3貫通孔に至る供給流路を形成することを含む。
屈曲工程では、複数の電極脚のそれぞれを第3貫通孔が形成された側に屈曲させることを含む。
このような構成によれば、積層工程において、第1部材、第2部材、第3部材をこの順に重ねて接合することにより、供給流路が形成された基体部及び複数の電極脚が形成され、屈曲工程において、複数の電極脚が基体部の一方である第1の向き側にその先端部が向くように基体部から延設されるようになる。
すなわち、第1中央部分、第2中央部分及び第3中央部分を積層することで、基体部に、基体開口及び複数の基体部貫通孔を形成することができる。
さらに、複数の第1延出部分、複数の第2延出部分及び複数の第3延出部分を積層することで、それぞれの電極脚に、脚部開口及び脚部貫通孔を形成することができる。
したがって、この製造方法では、基体部と複数の電極脚とが一体となった生体情報測定用電極を容易に製造することができる。また、複数の電極脚のそれぞれと基体部との連結部は、供給流路のそれぞれにおける流れ方向を横切る接合面を有していないため、積層工程において流路のふさがりが生じにくい。
上記製造方法において、内部に空洞部を有する突起部材を準備し、中間部材に突起部材を接続することにより、基体部から第1の向き側とは反対向き側に延設された突起部を形成する接続工程を備えていてもよい。突起部材には、外部に開口する空洞部開口及び接続開口が設けられる。接続工程では、空洞部開口が基体部外に開口するとともに、接続開口が基体開口と対向するように、突起部材を配設し、空洞部と基体部貫通孔とを連通するように、突起部材を接続する。
このような構成によれば、接続工程を有しているので、空洞部開口を有した突起部を容易に作製することができる。このため、突起部に設けられた空洞部開口から供給流路へ導電性流動物を供給することができる。
しかも、生体に対向する側(第1の向き側)とは反対向き側(第2の向き側)に突起部が設けられることで、供給流路の流路内に導電性流動物を供給することが容易となる。このため、例えば流路側からの逆流が生じても生体に影響が及びにくい。
上記製造方法において、板状部材の少なくともいずれかは、金属板であってもよい。このような構成によれば、金属板を金属加工(プレス加工、エッチング加工等)することによって生体情報測定用電極を容易に製造することができる。
上記製造方法において、板状部材の少なくともいずれかは、導電性を有するプリプレグまたは不織布プリプレグによって形成されてもよい。このような構成によれば、プリプレグまたは不織布プリプレグを用いた成型によって生体情報測定用電極を容易に製造することができる。
本発明の一態様は、基体部と、基体部の一方である第1の向き側にその先端部が向くように基体部から延設される複数の電極脚と、を備え、基体部には、基体部の表面側に基体開口を有する複数の基体部貫通孔が設けられ、複数の電極脚のそれぞれには、先端部側に脚部開口を有する脚部貫通孔が設けられ、基体開口から基体部貫通孔及び脚部貫通孔を介して脚部開口に至る供給流路を複数備える生体情報測定用電極の製造方法である。
この製造方法は、基体部を構成する複数の板部材を積層して積層構造体を形成する板部材積層工程と、積層構造体に複数の電極脚を接続する脚接続工程と、を備える。
板部材積層工程では、複数の板部材を積層することによって、供給流路の一部が積層構造体内に形成される。
このような構成によれば、複数の板部材を積層する積層工程と、積層工程で形成された積層構造体に複数の電極脚を接続する脚接続工程と、を有しているので、複数の基体部貫通孔及び複数の脚部貫通孔を含む供給流路を有した生体情報測定用電極を容易に作製することができる。
上記製造方法において、板部材である、第1板部材、第2板部材、第3板部材及び複数の電極脚を用意してもよい。
第1板部材は、基材を貫く第1板部材貫通孔を有する。
第2板部材は、第1板部材貫通孔に対応した第2空洞用孔を有するとともに、第2空洞用孔に連続した複数の第2流路用孔を有する。
第3板部材は、第2流路用孔のそれぞれに対応した第3板部材貫通孔を有する。
複数の電極脚のそれぞれは、先端部側の脚部開口及び他端に設けられた端部開口を両端に有した脚部貫通孔を備える。
板部材積層工程では、第1板部材、第2板部材、第3板部材をこの順に重ねて接合して基体部が形成される。
また、板部材積層工程は、第1板部材貫通孔の片側を基体開口とし、第1板部材貫通孔と第2空洞用孔とを連続させ、第2流路用孔と第3板部材貫通孔とを連続させ、基体開口から第3板部材貫通孔に至る供給流路の一部を形成することを含む。
脚接続工程では、第3板部材の第3板部材貫通孔と電極脚の端部開口とを対向させて、第3板部材の第1の向き側の面に複数の電極脚のそれぞれを接続し、それぞれの第3板部材貫通孔とそれぞれの脚部貫通孔とを連続させ、基体開口から脚部開口に至る供給流路を形成することを含む。
このような構成によれば、板部材積層工程において、第1板部材、第2板部材及び第3板部材を積層して接合することにより、内部に空洞部及び複数の基体部貫通孔を備えた基体部を形成することができる。
また、脚接続工程において、この基体部の第1の向き側に複数の電極脚を接続することにより、複数の基体部貫通孔及び複数の脚部貫通孔を含む供給流路を備えた生体情報測定用電極を製造することができる。
上記製造方法において、板部材である、第4板部材及び第5板部材及び複数の電極脚を用意してもよい。
第4板部材は、基材を貫く第4板部材貫通孔を有する。
第4板部材と第5板部材の少なくとも一方には、第4板部材と第5板部材とが対向する面側に、窪み形状に形成された複数の溝部が設けられている。
複数の溝部のそれぞれの一端が第4板部材貫通孔に臨んでいる。
第5板部材は、溝部のそれぞれに対応した第5板部材貫通孔を有する。
複数の電極脚のそれぞれは、先端部側の脚部開口及び他端に設けられた端部開口を両端に有した脚部貫通孔を備える。
板部材積層工程では、複数の溝部が形成された面が内側になるようにして、第4板部材と第5板部材とを接合することにより、基体部が形成される。
また、板部材積層工程では、第4板部材貫通孔の片側を基体開口とし、基体開口穴と溝部とを連続させ、溝部と第5板部材貫通孔とを連続させ、基体開口から第5板部材貫通孔に至る供給流路の一部を形成することを含む。
脚接続工程では、第5板部材の第5板部材貫通孔と電極脚の端部開口とを対向させて、第5板部材の第1の向き側の面に複数の電極脚のそれぞれを接続し、それぞれの第5板部材貫通孔とそれぞれの脚部貫通孔とを連続させ、基体開口から脚部開口に至る供給流路を形成することを含む。
このような構成によれば、板部材積層工程において、第4板部材と第5板部材とを積層して接合することにより、内部に供給流路の一部を備えた基体部を形成することができる。
また、脚接続工程において、この基体部の第1の向き側に複数の電極脚を接続することにより、複数の基体部貫通孔及び複数の脚部貫通孔を含む供給流路を備えた生体情報測定用電極を製造することができる。
上記製造方法において、内部に空洞部を有する突起部材を準備し、積層構造体に突起部材を接続することにより、基体部から第1の向き側とは反対向き側に延設された突起部を形成する接続工程を備えていてもよい。
突起部材には、外部に開口する空洞部開口及び接続開口が設けられる。接続工程では、空洞部開口が基体部外に開口するとともに、接続開口が基体開口と対向するように、突起部材を配設し、空洞部と基体部貫通孔とを連通するように、突起部材を接続する。
このような構成によれば、接続工程を有しているので、空洞部開口を有した突起部を容易に作製することができる。このため、突起部に設けられた空洞部開口から供給流路へ導電性流動物を供給することができる。
しかも、生体に対向する側(第1の向き側)とは反対向き側(第2の向き側)に突起部が設けられることで、供給流路の流路内に導電性流動物を供給することが容易となる。このため、例えば流路側からの逆流が生じても生体に影響が及びにくい。
上記製造方法において、板部材の少なくともいずれかは、導電性を有するカーボン材料によって形成されてもよい。このような構成によれば、カーボン材料を用いた成型によって生体情報測定用電極を容易に製造することができる。
上記製造方法において、板部材の少なくともいずれかは、金属板であってもよい。このような構成によれば、金属板を金属加工(プレス加工、エッチング加工等)することによって生体情報測定用電極を容易に製造することができる。
本発明によれば、生体と接する電極において、構造が簡単で、適量の流動物を供給できる生体情報測定用電極、生体情報測定装置および生体情報測定用電極の製造方法を提供することが可能になる。
(a)及び(b)は、第1実施形態に係る生体情報測定用電極を例示する模式図である。 (a)及び(b)は、第1実施形態に係る生体情報測定用電極を例示する模式断面図である。 (a)〜(c)は、測定用電極の製造方法の一例を説明する模式図である。 (a)〜(c)は、測定用電極の製造方法の一例を説明する模式図である。 (a)及び(b)は、第2実施形態に係る生体情報測定用電極を例示する模式図である。 (a)及び(b)は、第2実施形態に係る生体情報測定用電極を例示する模式断面図である。 (a)及び(b)は、測定用電極の製造方法の一例を説明する模式図である。 (a)及び(b)は、第2実施形態の他の構成例を示す模式図である。 (a)及び(b)は、第3実施形態に係る生体情報取得装置を例示する模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
(第1実施形態:電極構造)
図1(a)及び(b)は、第1実施形態に係る生体情報測定用電極を例示する模式図である。図1(a)には斜視図が示され、図1(b)には平面図が示される。図2(a)及び(b)は、第1実施形態に係る生体情報測定用電極を例示する模式断面図である。図2(a)には図1(b)に示すA−A線断面図が示され、図2(b)には図2(a)に示すB−B線断面図が示される。
本実施形態に係る生体情報測定用電極(以下、単に「測定用電極」とも言う。)1Aは、基体部10と、複数の電極脚20とを備えている。測定用電極1Aは、生体(例えば、頭皮)と接触して導通を得て、脳波などの生体情報を測定するために用いられる。
基体部10は、例えば円形状に設けられている。基体部10の外周部に沿って、例えば等間隔で複数の電極脚20が設けられる。各電極脚20は、基体部10の一方である第1の向きD1に先端部20aが向くように基体部10から延在している。本実施形態では、基体部10の外周に45°間隔で合計8本の電極脚20が設けられている。なお、電極脚20の本数は限定されない。この複数の電極脚20の少なくとも一つの先端部20aが生体と接触可能になっている。
複数の電極脚20のそれぞれには、先端部20a側に脚部開口210hを有する脚部貫通孔210が設けられる。また、基体部10には、電極脚20が設けられている側とは反対側(他方側、第2の向き側)に基体開口10hが設けられる。また、基体部10には、この基体開口10hと連通する複数の基体部貫通孔110が設けられる。複数の基体部貫通孔110は、基体部10の中央から放射状に延びている。基体部貫通孔110のそれぞれは、基体部10の中央から電極脚20の位置に向けて直線的に設けられており、各電極脚20の脚部貫通孔210と連通している。
これにより、基体開口10hから複数の基体部貫通孔110の一つ、一つの基体部貫通孔110を通って複数の脚部貫通孔210の一つ、一つの脚部貫通孔210が有する脚部開口210hに至る供給流路が、脚部貫通孔210を有した電極脚20に対応して複数設けられる。
このような構成を備えた測定用電極1Aでは、基体開口10hから基体部貫通孔110及び脚部貫通孔210を通って先端部20aの脚部開口210hに至る1つの供給流路が複数の電極脚20のそれぞれに形成される。このため、基体開口10hから電解液または導電ゲル等の導電性を有する流動物(以下、「導電性流動物」とも言う。)を供給した際には、複数の供給流路のそれぞれを通して各電極脚20へ確実に送り、各電極脚20の先端部20aの脚部開口210hにその導電性流動物を到達させることができる。
また、複数の基体部貫通孔110のそれぞれが直線的に形成されていることで、基体部貫通孔110に流れてきた導電性流動物が直線的に流れていく。これにより、導電性流動物を各電極脚20へ円滑に送ることができる。
また、本実施形態において、複数の電極脚20は、基体部10と一体的に形成されている。これにより、複数の電極脚20のそれぞれと基体部10とが連結されている連結部では、供給流路のそれぞれにおける流路の流れ方向を横切る平面において、電極脚20と基体部10との接合面が存在しない。このため、導電性流動物の流れを阻害する要因が低減され、導電性流動物の円滑な流れを実現することができる。
測定用電極1Aは、基体部10の第1の向きD1側とは反対向き側(第2の向き側)に延設された突起部30をさらに備えていてもよい。突起部30は、例えば円柱形の部材であり、部材の中央部に基体開口10hと連通した空洞部310が設けられる。空洞部310は、基体部外に開口する空洞部開口310hを有している。
このような突起部30が設けられることで、空洞部開口310hから基体部貫通孔110へ導電性流動物を送ることができる。このため、供給流路内に導電性流動物を供給することが容易となる。このことにより、例えば流路側からの逆流が生じても生体に影響が及びにくい。しかも、使用中に漏れ落ちる可能性をより安定的に低減させることができる。
本実施形態に係る測定用電極1Aでは、内部に導電性流動物を溜めておくタンクを備えていない。このため、外部から供給された導電性流動物は基体開口10h(突起部30が設けられている場合には空洞部開口310h)から内部の供給流路に送り込まれ、タンクなどで溜められることなく各電極脚20の脚部貫通孔210から放出される。導電性流動物を溜めるタンクを備えていないため、測定用電極1Aを傾けたり、逆さまにしたりしても、導電性流動物が漏れることはない。また、タンクを備えていないことで、構造の簡素化、軽量化を図ることができる。
ここで、突起部30は、基体部10の中央部分に配置されることが好ましい。これにより、突起部30の空洞部310から基体部10の外周に配置された各電極脚20に向けて導電性流動物が放射状に供給され、複数の電極脚20に万遍なく導電性流動物を供給することができる。
また、突起部30および基体部10のそれぞれは導電性を有していてもよい。これにより、突起部30を電極端子として利用することができる。すなわち、突起部30に接続した配線によって、各電極脚20と外部機器との電気的な導通を得ることができる。
また、複数の電極脚20のそれぞれは、導電性を有したカーボンを含んでいてもよいし、導電性を有した金属を含んでいてもよい。各電極脚20に導電性を有したカーボンが含まれる場合、このカーボン材料によって生体との間の電気的な導通を確実に得ることができる。また、カーボン材料を含むことで、電極脚20が被検者に接触した際に被検者に対して不快感を与えないようにすることができる。また、各電極脚20に導電性を有した金属が含まれていることで、この金属によって生体との間の電気的な導通を得られるとともに、金属加工によって電極脚20を容易に構成することができる。
(第1実施形態:製造方法)
次に、本実施形態に係る測定用電極1Aの製造方法を説明する。
図3(a)〜図4(c)は、測定用電極の製造方法の一例を説明する模式図である。
先ず、図3(a)〜(c)に示すように、板状部材である第1部材101、第2部材102及び第3部材103を用意する。
図3(a)に示すように、第1部材101は、円形状の第1中央部分1011と、第1中央部分1011の周縁から外方に延在(延出)して設けられる複数の第1延出部分1012とを備える。第1中央部分1011の中心部には第1部材貫通孔1011hが設けられる。
図3(b)に示すように、第2部材102は、円形状の第2中央部分1021と、第2中央部分1021の周縁から外方に延在(延出)して設けられる複数の第2延出部分1022とを備える。第2部材102には、第2中央部分1021の中央部から各第2延出部分1022へ延びるスリット1023が設けられる。スリット1023は、第2中央部分1021に位置する第2空洞用孔1023A、第2中央部分1021から各第2延出部分1022にわたって位置し、第2空洞用孔1023Aに連続する第2流路用孔1023B、および各第2延出部分1022の先端部分に位置し、第2流路用孔1023Bに連続する第2電極脚用孔1023Cからなる。
図3(c)に示すように、第3部材103は、円形状の第3中央部分1031と、第3中央部分1031の周縁から外方に延在(延出)して設けられる複数の第3延出部分1032とを備える。各第3延出部分1032の先端部分には第3部材貫通孔1032hが設けられる。
このような第1部材101、第2部材102及び第3部材103を構成するには、金属板をエッチングや打ち抜き加工によって成型してもよいし、プリプレグまたは不織布プリプレグによって成型してもよい。
次に、図4(a)に示すように、第1部材101、第2部材102及び第3部材103をこの順に重ね合わせ、中間部材1000を形成する(積層工程)。第1部材101、第2部材102及び第3部材103が金属板で成型されている場合、例えば拡散接合によって各部材を貼り合わせる。第1部材101、第2部材102及び第3部材103がプリプレグまたは不織布プリプレグで成型されている場合、熱圧着によって各部材を貼り合わせた後に硬化させる。
第1部材101、第2部材102及び第3部材103の重ね合わせによって第2部材102に設けられたスリット1023は上下を第1部材101及び第3部材103に囲まれた空間となる。第1部材101の第1部材貫通孔1011hは、スリット1023によって構成された空間と連通する。また、スリット1023によって構成された空間のうち各脚部に延びる部分のそれぞれと、第3部材103の各第3延出部分1032に設けられた第3部材貫通孔1032hとが連通する状態になる。
次に、図4(b)に示すように、中間部材1000の各脚部(複数の電極脚20のそれぞれ)を一方に折り曲げる(屈曲工程)。この折り曲げ(屈曲)によって、基体部10と、複数の電極脚20とが構成され、測定用電極1Aが完成する。そして、複数の電極脚20が基体部10の外周部に沿って設けられることとなる。
この折り曲げ(屈曲)により、スリット1023によって構成された空間は、基体部10から各電極脚20に延びる供給流路となる。すなわち、スリット1023によって構成された空間のうち基体部10の部分は基体部貫通孔110となり、各電極脚20に延びる部分は脚部貫通孔210となる。また、第1部材101に設けられた第1部材貫通孔1011hは基体開口10hとなる。さらに、第3部材103の各第3延出部分1032の延出端部側に設けられた第3部材貫通孔1032hは、脚部開口210hとなる。
次に、図4(c)に示すように、必要に応じて突起部30を取り付ける。突起部30は、突起部30の空洞部310と、基体部10の基体開口10hとが重なるように、基体部10の上に取り付けられる。
このような製造方法によって、基体部10から各電極脚20に流路が延びる構成を、複数の板状部材(第1部材101、第2部材102及び第3部材103)を積層する積層工程と、積層工程で形成された中間部材1000を折り曲げる屈曲工程と、によって容易に作製することができる。また、この製造方法では、複数の電極脚20のそれぞれと基体部10との連結部は、供給流路のそれぞれにおける流れ方向を横切る接合面を有していないため、積層工程において流路のふさがりが生じにくい。
(第2実施形態:電極構造)
図5(a)及び(b)は、第2実施形態に係る生体情報測定用電極を例示する模式図である。図5(a)には斜視図が示され、図5(b)には平面図が示される。図6(a)及び(b)は、第2実施形態に係る生体情報測定用電極を例示する模式断面図である。図6(a)には図1(b)に示すC−C線断面図が示され、図6(b)には図6(a)に示すD−D線断面図が示される。
本実施形態に係る測定用電極1Bは、例えば円形状に設けられた基体部10と、基体部10とは別体に設けられ、基体部10の外周に例えば等間隔で取り付けられた複数の電極脚20とを備える。各電極脚20は、基体部10の一方である第1の向きD1に先端部20aが向くように基体部10に取り付けられる。各電極脚20は、柱状(例えば、円柱状)に設けられており、内部に脚部貫通孔210が設けられている。電極脚20の先端部20aには、脚部貫通孔210と連通する脚部開口210hが設けられる。
基体部10には、電極脚20が設けられている側とは反対側(他方側、第2の向き側)に基体開口10hが設けられる。基体部10には、第1の向きD1側とは反対向き側に延設された突起部30が設けられていてもよい。基体部10には、この基体開口10hと連通する複数の基体部貫通孔110が設けられる。複数の基体部貫通孔110は、基体部10の中央から放射状に延びている。基体部貫通孔110のそれぞれは、基体部10の中央から電極脚20の位置に向けて直線的に設けられており、各電極脚20の脚部貫通孔210と連通している。
これにより、基体開口10hから複数の基体部貫通孔110の一つ、一つの基体部貫通孔110を通って複数の脚部貫通孔210の一つ、一つの脚部貫通孔210が有する脚部開口210hに至る供給流路が、脚部貫通孔210を有した電極脚20に対応して複数設けられる。
(第2実施形態:製造方法)
次に、本実施形態に係る測定用電極1Bの製造方法を説明する。
図7(a)及び(b)は、測定用電極の製造方法の一例を説明する模式図である。
先ず、図7(a)に示すように、板部材である第1板部材501、第2板部材502及び第3板部材503を用意する。
第1板部材501は、例えば円形状の基材5011を有し、この基材5011を貫く第1板部材貫通孔5011hを有する。第2板部材502は、基材5011と同様な例えば円形状の基材5021を有する。基材5021は、第1板部材501の第1板部材貫通孔5011hに対応した第2空洞用孔5021hを有するとともに、第2空洞用孔5021hに連続した複数の第2流路用孔5022hを有する。
第3板部材503は、基材5011及び基材5021と同様な例えば円形状の基材5031を有する。基材5031は、第2流路用孔5022hのそれぞれに対応した第3板部材貫通孔5031hを有する。
そして、図7(b)に示すように、用意した第1板部材501、第2板部材502及び第3板部材503をこの順に重ね合わせ、積層構造体5000を形成する(積層工程)。第1板部材501、第2板部材502及び第3板部材503が金属板で成型されている場合、例えば拡散接合によって各部材を貼り合わせる。第1板部材501、第2板部材502及び第3板部材503がプリプレグまたは不織布プリプレグで成型されている場合、熱圧着によって各部材を貼り合わせた後に硬化させる。
第1板部材501、第2板部材502及び第3板部材503の重ね合わせによって、第2板部材502に設けられた複数の第2流路用孔5022hは、上下を第1板部材501及び第3板部材503に囲まれた空間となる。第1板部材501の第1板部材貫通孔5011hは、第2空洞用孔5021hと連通する。また、複数の第2流路用孔5022hによって構成された空間のうち各脚部に延びる部分のそれぞれと、第3板部材503の各第3板部材貫通孔5031hとが連通する状態になる。このように、積層工程では、複数の板状部材を積層することによって、供給流路が中間部材内に複数形成される。
次に、積層構造体5000の一方側に複数の電極脚20を取り付ける(脚接続工程)。各電極脚20は、柱状(例えば、円柱状)に設けられており、内部に脚部貫通孔210が設けられている。この脚部貫通孔210と第3板部材503の第3板部材貫通孔5031hとが揃うように電極脚20を積層構造体5000に取り付ける。積層構造体5000及び電極脚20が金属で成型されている場合、例えば拡散接合によって両者を接合する。電極脚20がプリプレグまたは不織布プリプレグで成型されている場合、接着剤によって電極脚20を接合した後、硬化させる。
積層構造体5000に複数の電極脚20を接続して測定用電極1Bが完成する。また、突起部30に対応するものであって、外部に開口する空洞部開口310h及び接続開口を有する空洞部310を備える突起部材を必要に応じて準備し、積層構造体5000の上に配設する。具体的には、突起部30の空洞部310の接続開口と、積層構造体5000の第1板部材501の第1板部材貫通孔5011hとが重なるように、突起部材は積層構造体5000の上に取り付けられる。この製造方法では、積層構造体5000が基体部10となり、複数の第2流路用孔5022hによって構成された空間が基体部貫通孔110となり、第1板部材貫通孔5011hが基体開口10hとなる。
このような製造方法によれば、複数の板部材(第1板部材501、第2板部材502及び第3板部材503)を積層する積層工程と、積層工程で形成された積層構造体5000に複数の電極脚20を接続する脚接続工程と、によって、複数の基体部貫通孔110及び複数の脚部貫通孔210を含む供給流路を有した測定用電極1Bを容易に作製することができる。
(第2実施形態:他の構成例)
図8(a)及び(b)は、第2実施形態の他の構成例を示す模式図である。
図8に示す測定用電極1Bでは、複数の電極脚20を一体成形した電極脚群2000が用いられる。電極脚群2000は、例えばカーボン材料や金属材料を切削加工したり、カーボン材料や金属材料を含む素材を用いて型成形したりすることで、製造される。
この測定用電極1Bを製造するには、図8(a)に示すように、用意した第1板部材501、第2板部材502及び第3板部材503をこの順に重ね合わせ、積層構造体5000を形成し、図8(b)に示すように、積層構造体5000の一方側に電極脚群2000を接続する。また、必要に応じて突起部30を積層構造体5000の他方側に接続する。
このような構成によれば、複数の電極脚20を一括して取り付けることができ、電極脚20の位置合わせも正確かつ容易に行うことができる。
なお、図8に示す例では、第1板部材501、第2板部材502及び第3板部材503を積層した積層構造体5000を用いているが、積層構造体5000と同様な構造の部材をカーボン材料や金属材料による一体成形品としてもよい。また、電極脚群2000における積層構造体5000との接続面2000aが平坦であり、第1板部材501との間で第2流路用孔5022hの空間を構成できる面を有していれば、第3板部材503を用いることなく、第2板部材502と電極脚群2000の接続面2000aとを直接接続する構成であってもよい。
また、上記説明した製造方法では、流路系統を構成するために部材や板部材に流路用孔を設けたが、流路用孔の代わりに溝を用いてもよい。
図示しないが、この場合の製造方法は、先ず、板部材である、第4板部材、第5板部材及び複数の電極脚を用意する。
第4板部材は、基材を貫く第4板部材貫通孔を有する。
第4板部材と第5板部材の少なくとも一方には、第4板部材と第5板部材とが対向する面側に、窪み形状に形成された複数の溝部が設けられている。
複数の溝部のそれぞれの一端は第4板部材貫通孔に臨んでいる。
第5板部材は、溝部のそれぞれに対応した第5板部材貫通孔を有する。
複数の電極脚のそれぞれは、先端部側の脚部開口及び他端に設けられた端部開口を両端に有した脚部貫通孔を備える。
板部材積層工程では、複数の溝部が形成された面が内側になるようにして、第4板部材と第5板部材とを接合することにより、基体部を形成する。
この板部材積層工程は、第4板部材貫通孔の片側を基体開口とし、第4板部材貫通孔と溝部とを連続させ、溝部と第5板部材貫通孔とを連続させ、基体開口から第5板部材貫通孔に至る供給流路の一部を形成することを含む。
脚接続工程では、第5板部材の第5板部材貫通孔と電極脚の端部開口とを対向させて、第5板部材の第1の向きD1側の面に複数の電極脚のそれぞれを接続し、それぞれの第5板部材貫通孔とそれぞれの脚部貫通孔とを連続させ、基体開口から脚部開口に至る供給流路を形成する。
このような溝を有する板部材を用いた製造方法によれば、板部材積層工程において、第4板部材と第5板部材とを積層して接合することにより、内部に供給流路の一部を備えた基体部を形成することができる。
また、脚接続工程において、この基体部の第1の向きD1側に複数の電極脚を接続することにより、複数の基体部貫通孔及び複数の脚部貫通孔を含む供給流路を備えた生体情報測定用電極を製造することができる。
(第3実施形態:生体情報取得装置)
図9(a)及び(b)は、第3実施形態に係る生体情報取得装置を例示する模式図である。図9(a)には供給部50を備えた構成が例示され、図9(b)には使用状態が例示される。
図9(a)に示すように、生体情報取得装置100は、本実施形態に係る測定用電極1Aと、供給部50とを備える。ここでは第1実施形態に係る測定用電極1Aを用いているが、第2実施形態に係る測定用電極1Bを用いてもよい。供給部50は、供給流路に導電性流動物を供給する部分である。供給部50と測定用電極1Aの例えば突起部30との間にはチューブTが接続される。供給部50から送られた導電性流動物は、チューブTを介して測定用電極1Aに供給される。そして、導電性流動物は、測定用電極1Aの基体開口10hを介して基体部貫通孔110に送られ、脚部貫通孔210を介して脚部開口210hから生体へ送られることになる。したがって、供給流路に供給された導電性流動物が少量であっても基体開口10hから供給流路へ確実に拡がっていき、安定した供給を行うことができる。
図9(b)に示すように、生体情報取得装置100は、生体S(例えば、頭皮)に接触させた複数の測定用電極1Aによって生体情報(例えば、脳波)の取得を行う。各測定用電極1Aには、供給部50と接続されるチューブTと、測定部60と接続されるケーブルCとが取り付けられている。
生体情報を測定するには、先ず、測定用電極1Aを生体Sに接触させる。複数の測定用電極1Aを生体Sの頭皮に接触させる場合には、例えば複数の測定用電極1Aが取り付けられた帽子を被るようにすればよい。測定用電極1Aを生体Sに接触させた後、供給部50から導電性流動物を各測定用電極1Aに供給する。導電性流動物は、測定用電極1Aの複数の電極脚20の脚部開口210hから放出される。この導電性流動物を生体Sに供給することで、電極脚20と生体Sとの導通性が向上する。
この状態で生体情報の検出を行う。すなわち、生体情報に基づき生体Sに流れる電流を複数の測定用電極1Aで検出し、検出した電流をケーブルCを介して測定部60へ送る。測定部60は電流に基づく信号処理を行い、生体情報を取得する。
本実施形態に係る測定用電極1Aを用いた生体情報取得装置100では、各電極脚20から適量の導電性流動物が生体Sに偏りなく供給されるため、少量の導電性流動物であっても確実に拡がっていくことになる。特に、複数の電極脚20が円周上に配置され、各電極脚20から導電性流動物が供給される。これにより、導電性流動物を介して測定用電極1Aによって安定した信号検出を行うことができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、生体Sと接する電極において、構造が簡単で、適量の導電性流動物を供給することができる測定用電極1A、1B、生体情報取得装置100および測定用電極1A、1Bの製造方法を提供することができる。
なお、上記に本実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、突起部30に設けられた空洞部開口310hから導電性流動物を供給しているが、基体開口10hと介して基体部貫通孔110と連通した流動物孔を有した流動部を備えていてもよい。例えば、基体部10に流動物孔が設けられ、この流動物孔が基体部10の側面まで延在するように設けられていてもよいし、基体部10の表面に流動物孔の開口端が設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、脚部開口210hは、電極脚20の内側の面に設けられている例を示したが、脚部開口210hは電極脚20の外側の面に設けられていてもよいし、電極脚20の先端部20aに設けられていてもよい。
また、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
1A,1B…測定用電極
10…基体部
10h…基体開口
20…電極脚
20a…先端部
30…突起部
50…供給部
60…測定部
100…生体情報取得装置
101…第1部材
102…第2部材
103…第3部材
110…基体部貫通孔
210…脚部貫通孔
210h…脚部開口
310…空洞部
310h…空洞部開口
501…第1板部材
502…第2板部材
503…第3板部材
1000…中間部材
1011…第1中央部分
1011h…第1部材貫通孔
1012…第1延出部分
1021…第2中央部分
1022…第2延出部分
1023…スリット
1023A…第2空洞用孔
1023B…第2流路用孔
1023C…第2電極脚用孔
1031…第3中央部分
1032…第3延出部分
1032h…第3部材貫通孔
2000…電極脚群
2000a…接続面
5000…積層構造体
5011…基材
5011h…第1板部材貫通孔
5021…基材
5021h…第2空洞用孔
5022h…第2流路用孔
5031…基材
5031h…第3板部材貫通孔
C…ケーブル
D1…第1の向き
S…生体
T…チューブ

Claims (21)

  1. 基体部と、
    前記基体部の一方である第1の向き側にその先端部が向くように前記基体部から設けられる複数の電極脚と、を備え、
    前記複数の電極脚の少なくとも一つの先端が生体と接触可能な生体情報測定用電極であって、
    前記基体部には、前記基体部の表面側に基体開口を有する複数の基体部貫通孔が設けられ、
    前記複数の電極脚のそれぞれには、前記先端部側に脚部開口を有する脚部貫通孔が設けられ、
    前記基体開口から前記複数の基体部貫通孔の一つ、前記一つの前記基体部貫通孔を通って前記複数の脚部貫通孔の一つ、前記一つの前記脚部貫通孔が有する前記脚部開口に至る供給流路を、前記脚部貫通孔を有した前記電極脚に対応して複数備えることを特徴とする生体情報測定用電極。
  2. 前記複数の電極脚のそれぞれと前記基体部とが連結されている連結部には、前記供給流路のそれぞれにおける流路の流れ方向を横切る平面において、前記電極脚と前記基体部との接合面を有していないことを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定用電極。
  3. 前記複数の基体部貫通孔のそれぞれは、直線的に形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体情報測定用電極。
  4. 前記基体部には、前記基体部の前記第1の向き側とは反対向き側に延設された突起部がさらに設けられ、
    該突起部は、前記基体部貫通孔と連通した空洞部を有し、
    前記空洞部は、前記基体部外に開口する空洞部開口を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の生体情報測定用電極。
  5. 前記複数の電極脚は、前記基体部の外周部に沿って設けられ、
    前記空洞部は前記基体部の中央部に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の生体情報測定用電極。
  6. 前記突起部及び前記基体部のそれぞれは導電性を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の生体情報測定用電極。
  7. 前記基体開口を介して前記基体部貫通孔と連通した流動物孔を有した流動部をさらに備えることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の生体情報測定用電極。
  8. 前記複数の電極脚のそれぞれは、導電性を有したカーボンを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の生体情報測定用電極。
  9. 前記複数の電極脚のそれぞれは、導電性を有した金属を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の生体情報測定用電極。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の生体情報測定用電極と、
    前記供給流路に導電性を有した導電性流動物を供給するための供給部と、
    を備えたことを特徴とする生体情報取得装置。
  11. 基体部と、
    前記基体部の一方である第1の向き側にその先端部が向くように前記基体部から延設される複数の電極脚と、を備え、
    前記基体部には、前記基体部の表面側に基体開口を有する複数の基体部貫通孔が設けられ、
    前記複数の電極脚のそれぞれには、前記先端部側に脚部開口を有する脚部貫通孔が設けられ、
    前記基体開口から前記基体部貫通孔及び前記脚部貫通孔を介して前記脚部開口に至る供給流路を複数備える生体情報測定用電極の製造方法であって、
    複数の板状部材を積層して、前記基体部の一部と前記基体部から延設された前記複数の電極脚とを備える中間部材を形成することを含む積層工程と、
    該中間部材の前記複数の電極脚のそれぞれを折り曲げて、前記第1の向き側に前記先端部を向かせることを含む屈曲工程と、を備え、
    前記積層工程では、前記複数の板状部材を積層することによって、前記供給流路が前記中間部材内に複数形成されることを特徴とする生体情報測定用電極の製造方法。
  12. 前記板状部材である、第1部材、第2部材及び第3部材を用意し、
    前記第1部材は、基材を貫く第1部材貫通孔を有する第1中央部分と、該第1中央部分から延出する複数の第1延出部分と、を有し、
    前記第2部材は、前記第1部材貫通孔に対応した第2空洞用孔を有する第2中央部分と、該第2中央部分から延出する複数の第2延出部分と、を有し、
    前記第2中央部分には、前記第2空洞用孔に連続した複数の第2流路用孔が設けられるとともに、前記第2延出部分には、前記第2流路用孔に連続した第2電極脚用孔が設けられ、
    前記第3部材は、前記第1中央部分及び前記第2中央部分に対応した第3中央部分と、該第3中央部分から延出する複数の第3延出部分と、を有し、
    該第3延出部分の延出端部側には、前記第2電極脚用孔のそれぞれに対応した第3部材貫通孔が設けられ、
    前記積層工程では、前記第1部材、前記第2部材、前記第3部材をこの順に重ねて接合し、
    前記第1中央部分、前記第2中央部分及び前記第3中央部分の積層によって前記基体部が形成されるとともに、前記第1延出部分、前記第2延出部分及び前記第3延出部分の積層によって前記複数の電極脚が形成され、
    前記第1部材貫通孔の片側を前記基体開口とするとともに、前記第3部材貫通孔の片側を前記脚部開口とし、
    前記第1部材貫通孔と前記第2空洞用孔とを連続させ、前記第2電極脚用孔と前記第3部材貫通孔とを連続させ、前記第1部材貫通孔から前記第3部材貫通孔に至る前記供給流路を形成することを含み、
    前記屈曲工程では、前記複数の電極脚のそれぞれを前記第3部材貫通孔が形成された側に屈曲させることを含むことを特徴とする請求項11に記載の生体情報測定用電極の製造方法。
  13. 内部に空洞部を有する突起部材を準備し、前記中間部材に該突起部材を接続することにより、前記基体部から前記第1の向き側とは反対向き側に延設された突起部を形成する接続工程を備え、
    該突起部材には、外部に開口する空洞部開口及び接続開口が設けられ、
    前記接続工程では、前記空洞部開口が前記基体部外に開口するとともに、前記接続開口が前記基体開口と対向するように、前記突起部材を配設し、
    前記空洞部と前記基体部貫通孔とを連通するように、前記突起部材を接続することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の生体情報測定用電極の製造方法。
  14. 前記板状部材の少なくともいずれかは、金属板であることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の生体情報測定用電極の製造方法。
  15. 前記板状部材の少なくともいずれかは、導電性を有するプリプレグまたは不織布プリプレグによって形成されることを特徴とする請求項11ないし請求項14のいずれかに記載の生体情報測定用電極の製造方法。
  16. 基体部と、
    前記基体部の一方である第1の向き側にその先端部が向くように前記基体部から延設される複数の電極脚と、を備え、
    前記基体部には、前記基体部の表面側に基体開口を有する複数の基体部貫通孔が設けられ、
    前記複数の電極脚のそれぞれには、前記先端部側に脚部開口を有する脚部貫通孔が設けられ、
    前記基体開口から前記基体部貫通孔及び前記脚部貫通孔を介して前記脚部開口に至る供給流路を複数備える生体情報測定用電極の製造方法であって、
    前記基体部を構成する複数の板部材を積層して積層構造体を形成する板部材積層工程と、
    該積層構造体に前記複数の電極脚を接続する脚接続工程と、を備え、
    前記板部材積層工程では、前記複数の板部材を積層することによって、前記供給流路の一部が前記積層構造体内に形成されることを特徴とする生体情報測定用電極の製造方法。
  17. 前記板部材である、第1板部材、第2板部材、第3板部材及び前記複数の電極脚を用意し、
    前記第1板部材は、基材を貫く第1板部材貫通孔を有し、
    前記第2板部材は、該第1板部材貫通孔に対応した第2空洞用孔を有するとともに、前記第2空洞用孔に連続した複数の第2流路用孔を有し、
    前記第3板部材は、該第2流路用孔のそれぞれに対応した第3板部材貫通孔を有し、
    前記複数の電極脚のそれぞれは、前記先端部側の前記脚部開口及び他端に設けられた端部開口を両端に有した前記脚部貫通孔を備え、
    前記板部材積層工程では、前記第1板部材、前記第2板部材、前記第3板部材をこの順に重ねて接合して前記基体部が形成され、
    前記第1板部材貫通孔の片側を前記基体開口とし、
    前記第1板部材貫通孔と前記第2空洞用孔とを連続させ、前記第2流路用孔と前記第3板部材貫通孔とを連続させ、前記基体開口から前記第3板部材貫通孔に至る前記供給流路の一部を形成することを含み、
    前記脚接続工程では、前記第3板部材の前記第3板部材貫通孔と前記電極脚の前記端部開口とを対向させて、前記第3板部材の前記第1の向き側の面に前記複数の電極脚のそれぞれを接続し、
    それぞれの前記第3板部材貫通孔とそれぞれの前記脚部貫通孔とを連続させ、前記基体開口から前記脚部開口に至る供給流路を形成することを含むことを特徴とする請求項16に記載の生体情報測定用電極の製造方法。
  18. 前記板部材である、第4板部材、第5板部材及び前記複数の電極脚を用意し、
    前記第4板部材は、基材を貫く第4板部材貫通孔を有し、
    前記第4板部材と前記第5板部材の少なくとも一方には、前記第4板部材と前記第5板部材とが対向する面側に、窪み形状に形成された複数の溝部が設けられており、
    該複数の溝部のそれぞれの一端が前記第4板部材貫通孔に臨んでおり、
    前記第5板部材は、該溝部のそれぞれに対応した第5板部材貫通孔を有し、
    前記複数の電極脚のそれぞれは、前記先端部側の前記脚部開口及び他端に設けられた端部開口を両端に有した前記脚部貫通孔を備え、
    前記板部材積層工程では、前記複数の溝部が形成された面が内側になるようにして、前記第4板部材と前記第5板部材とを接合することにより、前記基体部が形成され、
    前記第4板部材貫通孔の片側を前記基体開口とし、
    前記第4板部材貫通孔と前記溝部とを連続させ、前記溝部と前記第5板部材貫通孔とを連続させ、前記基体開口から前記第5板部材貫通孔に至る前記供給流路の一部を形成することを含み、
    前記脚接続工程では、前記第5板部材の前記第5板部材貫通孔と前記電極脚の前記端部開口とを対向させて、前記第5板部材の前記第1の向き側の面に前記複数の電極脚のそれぞれを接続し、
    それぞれの前記第5板部材貫通孔とそれぞれの前記脚部貫通孔とを連続させ、前記基体開口から前記脚部開口に至る供給流路を形成することを含むことを特徴とする請求項16に記載の生体情報測定用電極の製造方法。
  19. 内部に空洞部を有する突起部材を準備し、前記積層構造体に該突起部材を接続することにより、前記基体部から前記第1の向き側とは反対向き側に延設された突起部を形成する接続工程を備え、
    該突起部材には、外部に開口する空洞部開口及び接続開口が設けられ、
    前記接続工程では、前記空洞部開口が前記基体部外に開口するとともに、前記接続開口が前記基体開口と対向するように、前記突起部材を配設し、前記空洞部と前記基体部貫通孔とを連通するように、前記突起部材を接続することを特徴とする請求項16ないし請求項18のいずれかに記載の生体情報測定用電極の製造方法。
  20. 前記板部材の少なくともいずれかは、導電性を有するカーボン材料によって形成されることを特徴とする請求項16ないし請求項19のいずれかに記載の生体情報測定用電極の製造方法。
  21. 前記板部材の少なくともいずれかは、金属板であることを特徴とする請求項16ないし請求項20のいずれかに記載の生体情報測定用電極の製造方法。
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