以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る実施形態に関する概略正面図であり、図2は、その概略平面図である。包被食品成形装置1は、筺体2、所定量の流動性食材を送給する送給部3、所定量の塊状食材を供給する供給部4、送給された流動性食材及び供給された塊状食材を合流させて内材として外皮材に配置する吐出部5、吐出部5を上下動させる移動部6、外皮材を搬入する搬入部7、外皮材に内材を配置した状態で外皮材の周縁部を寄せ集めて封着する封着部8、及び、外皮材を支持するとともに成形品を搬出する支持部9を備えている。
内材に用いる流動性食材には、塊状食材と合流した際に塊状食材の周囲を流動して混合しやすくするために低粘性の食材が好ましく、低粘性のペースト状食材及び液状食材が挙げられる。ペースト状食材としては、例えば、粒餡や漉し餡等の豆類の餡、野菜ペースト、カスタードクリーム、カレーペースト、クリームチーズ等が挙げられ、液状食材としては、ピザソース、トマトソース、ホワイトソース等が挙げられる。
また、内材に用いる塊状食材には、固形食材及び柔らかいブロック状食材が挙げられる。固形食材としては、例えば、大栗、アーモンド、マカダミア・ナッツ、ブルーベリー等の果実類、リンゴやオレンジ等の果肉の角切り、甘納豆、乾燥フルーツ、金時豆、ナッツ類の粒状物、ウィンナ、角切り肉、角切りジャガイモ、角切りニンジン等の加工食材といったものが挙げられる。柔らかいブロック状食材としては、チャーシュー、ダイスカット野菜、ゆで卵、漬物、蜜漬けフルーツ等の加工食材が挙げられる。
成形に用いる外皮材としては、例えば、パン生地、中華饅頭生地、デニッシュパン生地、ドーナツ生地等が挙げられる。
送給部3は、筺体2の上部に取り付けられており、流動性食材を貯留して吐出部5に所定量を送給する。送給部3は、流動性食材を収容して貯留するホッパ10、ホッパ10内の流動性食材を供給管12に所定量ずつ圧送するベーンポンプ11を備えている。供給管12は、可撓性を有する管材からなり、吐出部5に接続されている。そのため、後述する吐出部5の上下動に対して柔軟に対応することができるようになっている。
供給部4及び吐出部5は、移動部6の支持フレーム60に取り付けられており、支持フレーム60は、筐体2の正面側に固定されたレール体62に上下動可能に取り付けられている。支持フレーム60は、筐体2内に設置された駆動機構61に作動部材を介して連結されている。駆動機構61を駆動することで、筐体2に形成された移動用開口内を作動部材が移動して支持フレーム60が上下動するようになり、供給部4及び吐出部5が一体で上下方向に動作するようになっている。
供給部4は、周方向に複数の収容孔41を穿設したターンテーブル40を備えており、ターンテーブル40の下面には支持プレートが当接して設けられている。収容孔41には支持プレートが露出しており、各収容孔には所定量の複数の塊状食材が配給される。支持プレートには、投入部42の投入口に対向する位置に開口が形成されており、ターンテーブル40を回転軸を中心に駆動機構43により回動させていくことで開口に収容孔41が順次合致して収容孔41内の塊状食材が投入部42内に落下していくようになる。
図3は、供給部4、吐出部5、封着部8及び支持部9に関する概略構成図である。供給部4の投入部42は、収容孔41の下側に対向配置された投入管42a、投入管42aが取り付けられた容器状の保持部材42b及び保持部材42b内に摺動可能に取り付けられた導入部材42cを備えており、導入部材42cは、図示せぬ駆動機構により保持部材42b内を吐出部5に向かって進退移動するようになっている。そして、図3に示すように、導入部材42cが吐出部5から退避する方向に移動した場合に、導入部材42cの移動経路に所定量の塊状食材Bが落下して投入されるようになっている。
吐出部5は、送給部3の供給管12及び供給部4の保持部材42bが接続された吐出管50、吐出管50を取り付ける取付フレーム51、吐出管50内に挿入された円柱状の開閉部材52を備えている。そして、保持部材42bが吐出管50と連通する接続口は、供給管12が吐出管50と連通する接続口よりも高い位置となるように設定されている。開閉部材52の上端部には、開閉部材52を吐出管50内で上下動させる駆動機構53が接続されている。駆動機構53には、開閉部材52を上下動させる機構の他に開閉部材52を中心軸を中心に回転させる機構を付加するようにしてもよい。
開閉部材52は、下降することで吐出管50の下端開口を閉じる閉鎖位置から、上昇することで供給管12及び保持部材42bとそれぞれ連通する接続口を開く開放位置まで移動するようになっている。そして、開閉部材52が閉鎖位置に設定される場合、下端開口とともに供給管12及び保持部材42bの接続口も閉じた状態に設定されるようになる。
吐出管50の下端開口の周囲には、投入された外皮材の周縁部を押えるリング状の押え部材54が配置されており、押え部材54は、支持フレーム60に取り付けられた駆動機構55の駆動ロッドに固定されて下端開口の周囲を上下動するようになっている。押え部材54は、上方に移動する場合に、供給管12が吐出管50に接続されているため、供給管12の接続位置が上限位置となるが、供給管12に当接する部分を供給管12のサイズに合わせて上側だけ切り欠くことで、さらに上方に移動可能に設定することができる。
図3では、供給部4及び吐出部5は、上昇した位置に設定されており、吐出管50内の開閉部材52は下降して吐出管50の下端開口を閉じた状態となっている。そのため、供給管12及び保持部材42bの接続口も開閉部材52により閉じた状態に設定されている。
搬入部7は、シャトルコンベヤからなり、シート状の外皮材を搬送する搬送ベルト70、搬送ベルト70を移動させる駆動プーリ71、並びに、シャトル動作を行う従動プーリ72及び73を備えている。従動プーリ72及び73は、搬送ベルト70の搬送方向に移動して、搬送ベルト70を吐出部5の下方まで延長させるように動作する。なお、搬入部7の搬送方向上流側には、外皮材を所定の厚さで略円形状に整形する整形機構が配置されており、整形されたシート状の外皮材が搬入部7に移送されるようになっている。
封着部8は、シャッタ手段として、上下2段のシャッタ80及び81を備えており、シャッタ80及び81の間には、中心部に開口が形成された平板状の受け部材82が挿入されている。シャッタ80及び81は、吐出管50の下方に配置されており、後述するシャッタ片により形成される開口の中心が吐出管50の中心軸とほぼ一致するように筺体2に取り付けられている。また、受け部材82についてもその中心部に形成された開口の中心が吐出管50の中心軸とほぼ一致するように配置されている。
上段のシャッタ80を駆動する駆動ロッド80aは、筺体2に形成された開口を貫通して筺体2の内部に固定された駆動モータ80bに連結されている。同様に、下段のシャッタ81を駆動する駆動ロッド81aは、筺体2に形成された開口を貫通して筺体2の内部に固定された駆動モータ81bに連結されている。
図4は、シャッタ80の一例を示す概略構成図であり、図4(a)は、シャッタ片側の概略図を示しており、図4(b)は、シャッタ片側とは反対側の図を示している。シャッタ80は、矩形のプレート状で中央部分が開口している枠体80cを備えており、枠体80cの四隅には、4枚のシャッタ片80dが回動可能にそれぞれ軸支されている。シャッタ片80dが配置された側とは反対側には、各シャッタ片80dの回動軸に4枚のフランジ80eがそれぞれ取り付けられている。4枚のフランジ80eは、リンク部材80fにより連結されており、1枚のフランジ80eには駆動ロッド80aが連結されている。そして、駆動ロッド80aを駆動モータ80bにより軸方向に移動させることで、フランジ80eが連動して回動するようになる。図4では、各シャッタ片80dが開いた状態となっており、各シャッタ片80dに囲まれた開口領域が形成されるようになる。
図5は、各シャッタ片80dが回動して閉じた状態に関する概略図であり、図5(a)は、シャッタ片側の概略図を示しており、図5(b)は、シャッタ片側とは反対側の図を示している。駆動モータ80bの駆動回転により各シャッタ片80dが反時計回りに回動して先端部分が突き当り、閉じた状態になる。こうして、シャッタ80は、図4及び図5に示す開閉動作を行う。下段のシャッタ81についても上段のシャッタ80と同様の構成を備えており、同様にシャッタ片の開閉動作を行うようになっている。シャッタ80及び81は、互いのシャッタ片側が対向するように重ね合うように配置され、互いのシャッタ片の間に受け部材82を挟持した状態で筺体2に取り付けられている。
上述した例では、4枚のシャッタ片を有するシャッタについて説明したが、図6に示すように、6枚のシャッタ片を有するシャッタを用いることもできる。図6では、略六角形状の枠体80c’の一方の面側に6枚のシャッタ片80d’が回動可能に取り付けられており、他方の面側にシャッタ片80d’に対応してフランジ80e’及びリンク部材80f’が取り付けられている。そして、シャッタ80と同様に、駆動モータ80b’を回転駆動することで、フランジ80e’に連結された駆動ロッド80a’を軸方向に移動させてシャッタ片80d’を開閉動作させるようになっている。
上述した4枚シャッタ及び6枚シャッタを上下二段のシャッタに組み合せて封着部8を構成することで、受け部材82上に載置した外皮材の周縁部を寄せ集めて内材を包み込むように封着し、丸型の成形品に成形することができる。こうした封着機構以外にも、図7に示す封着機構85のように、対向する一対の封着部材85aを用いて外皮材を二つ折りにして周縁部を重ね合せて封着することでリーフ型やパーカー型の成形品に成形することができる。封着機構85は、上述した6枚シャッタと組み合せて使用するために、中央に開口部が形成された枠体85bに6枚シャッタの回動軸と同じ位置に4つの回動軸が設けられており、各回動軸に4枚のフランジ85cがそれぞれ回動可能に装着されている。そして、対角状に配置された回動軸には一対の作動部材85dが回動可能に装着されており、各作動部材85dはフランジ85cと重ね合せて一体的に回動するように取り付けられている。
封着部材85aは、枠体85bの表面に設けられたレール体に嵌合する摺動溝が形成されており、レール体に沿って摺動可能に取り付けられている。そして、レール体に沿って互いに接近するように移動することで、互いの封着面が接近して封着動作が行われるようになっている。作動部材85dには、先端部に係合ピンが設けられており、係合ピンが封着部材85aに形成された長穴状の遊嵌溝に嵌合している。そのため、作動部材85dが回動軸を中心に揺動することで、封着部材85aは互いに接近又は離間するように直進動作するようになっている。
4枚のフランジ85cの間にはそれぞれリンク部材85eが連結されており、4枚のフランジ85cが連動して回動するようになっている。そして、1枚のフランジ85cに駆動ロッド85fが連結されており、駆動ロッド85fを駆動モータ85gにより軸方向に往復動させることで4枚のフランジ85cが連動して回動軸を中心に揺動する。そのため、フランジ85cとともに作動部材85dが揺動して封着部材85aが封着動作を行うようになっている。
封着機構85を用いる場合には、上段に6枚シャッタを配置して組み合せて用いることで、受け部材82上に載置した外皮材の周縁部をシャッタ片により寄せ集めて受け部材82の下側で一対の封着部材によりスムーズに封着動作を行うことができる。また、上下二段にそれぞれ封着機構85を配置して組み合せて用いることもでき、成形品の形状に合わせて封着機構を上下二段に組み合せて用いればよい。
支持部9は、成形品を搬出する搬送ベルト90を備えており、搬送ベルト90は、従動プーリ91及び92に張架されるとともに駆動プーリ93に巻回されて張設されている。そして、搬送ベルト90の従動プーリ91側は、シャッタ81の下方に延設されており、受け部材82の開口のほぼ直下の位置に支持部材94が設けられている。支持部材94は、搬送ベルト90の上側の下面に当接するように配置されている。
支持部材94は、作動部材を介して筐体2内の駆動機構に連結されており、駆動機構により支持部材94は上下動するように動作するようになっている。駆動機構としては、例えば、作動部材に接続されたラックを駆動モータの駆動ギアに噛み合わせて駆動モータを回転駆動することで、ラックを上下動させて支持部材94を上下動させることができる。
後述するように、封着部8において成形動作を行う際に支持部材94が搬送ベルト90とともに上昇して外皮材を支持し、外皮材に内材が包み込まれた成形品を搬送ベルト90上に載置した状態で支持部材94を下降させて搬送ベルト90を搬送動作させることで、成形品を搬出することができる。
図8は、包被食品成形装置の制御に関するブロック構成図である。制御部100は、送給部3及び供給部4の動作制御を行い、送給部3及び供給部4の吐出部5への食材の投入タイミング及び投入量を調整して、後述するように、流動性食材及び塊状食材を所望の組み合せとなるように投入する。また、吐出部5及び移動部6の動作制御を行い、受け部材82上に載置された外皮材に流動性食材及び塊状食材を所望の組み合せで内材として所定量吐出して配置する。また、搬入部7及び封着部8の動作制御を行い、外皮材を受け部材82上に搬入するとともに搬入された外皮材の位置調整を行う。また、封着部8及び支持部9の動作制御を行い、流動性食材及び塊状食材を組み合せた内材が配置された外皮材の周縁部を寄せ集めて内材を包み込むように封着して成形し、成形品を搬出する。
図9から図15は、包被食品成形装置の成形動作に関する説明図であり、装置の側面からみた動作過程における概略断面図を示している。図9では、搬入部7によりシート状の外皮材Fが受け部材82上に搬入される。吐出部5は、上方の待機位置に設定されており、開閉部材52は、吐出管50内を下降した状態に設定されている。そのため、開閉部材52により吐出管50の供給管12及び保持部材42bとの接続口は閉鎖されている。そして、供給管12内には、流動性食材Lが充填された状態となっており、保持部材42b内では、導入部材42cが退避位置に移動して塊状食材Bが投入された状態となっている。また、吐出管50の下端開口50aは、開閉部材52の先端面52aと面一となるように設定されて閉鎖されている。
また、封着部8のシャッタ80及び81は、シャッタ片80d及び81dが開いた状態に設定されており、受け部材82の中央部に形成された開口82aが露出した状態となっている。そのため、搬入部7は、開口82aの上方まで搬送ベルトを延長させて外皮材Fを搬入して、外皮材Fが開口82aを覆うように載置する。支持部材94は、下降した待機位置に設定されている。
また、上段のシャッタ80は、シャッタ片80dを閉じる方向に動作させて、外皮材Fの周縁部を中心に向かって位置調整するようにしてもよい。こうしたシャッタ片80dによる位置調整により、後述するように、押え部材54が外皮材Fの周縁部を押圧する範囲の生地量が調整されて、外皮材Fの周縁部を封着する際の生地量を調整することができる。
図10では、吐出管50を下降させて下端開口を外皮材Fと密着する位置に設定するとともに、開閉部材52が吐出管50内を上方に移動させる。開閉部材52の上方移動に伴い、先端面52aが供給管12及び保持部材42bとの接続口よりも上方に設定され、吐出管50が供給管12及び保持部材42bと連通した状態となる。
図11では、吐出管50の下降とともに押え部材54が下降して外皮材Fの周縁部を受け部材82の開口82aの周囲に押さえ付けた状態とし、吐出管50の下端開口を外皮材Fに密着させた状態とする。押え部材54により外皮材Fを受け部材82に圧接した状態となっているので、吐出管50の下端開口は外皮材Fの上面に安定した密着状態とすることができる。そして、供給管12に流動性食材Lが圧送されて、供給管12から吐出管50内に流動性食材Lが流入するようになる。流動性食材Lは、吐出管50内を流下して外皮材Fに到達して所定量が吐出管50内に貯留した状態となる。その際に、吐出管50の下端開口は外皮材Fに密着しているので、吐出管50から流動性食材Lがほとんど漏出することはない。また、供給管12の接続口は、保持部材42bの接続口よりも低い位置に設定されているので、流動性食材Lが保持部材42b内に流出することなく確実に吐出管50内に流入する。
図12では、保持部材42b内の導入部材42cが吐出管50に向かって移動して保持部材42b内に投入された塊状食材Bが吐出管50内に貯留する流動性食材Lの上部に導入して合流するようになる。導入部材42cは、その先端面が吐出管50の内周面とほぼ面一となる位置まで移動して停止した状態となる。そのため、塊状食材Bはすべて吐出管50内に封入されて流動性食材Lの上部に配置された状態となる。
図13では、開閉部材52が吐出管50内を下降して閉鎖位置に設定されて開閉部材52の先端面52aが吐出管50の下端開口50aと面一の状態となる。そのため、流動性部材L及び塊状食材Bが吐出管50の下端開口50aから押し出されるように外皮材Fに向かって吐出され、それに伴って外皮材Fは膨らんで両食材を収容するように窪んだ状態に変形する。開閉部材52は、塊状食材Bを流動性食材L内に押し込みながら下降していくため、外皮材F内に吐出された塊状食材Bは流動性食材Lと混在して両食材が所定量ずつ混ざり合った内材Gを充填した状態とすることができる。塊状食材Bが柔らかい食材の場合でも、形状を維持した状態で流動性食材L内に無理なく押し込むことができるので、様々な塊状食材を含む内材を充填することが可能となる。
開閉部材52の先端面は塊状食材Bと接触しながら下降するため、流動性食材Lとほとんど接触することなく食材を吐出するようになり、両食材を合流させて確実に内材として外皮材F内に吐出することができる。また、保持部材42bの接続口が供給管12の接続口よりも高い位置に設定されているので、吐出管50内に導入された塊状食材Bが供給管12の接続口を通過する際に接続口近傍に滞留する流動性食材Lとともに移動して吐出するようになり、流動性食材Lの切れをよくすることができる。
また、吐出管50の下端開口50aと開閉部材52の先端面52aがほぼ面一の状態となることで、大きいサイズの塊状部材の場合でも、下端開口50aより上方に突出することがなくなり、後述するシャッタによる封着の際に塊状食材Bが支障とならずにスムーズに封着することができる。さらに、流動性食材Lが漏出することなく確実に外皮材F内に収容した状態とすることが可能となる。
また、支持部材94は、食材が外皮材Fに吐出されるのに合わせて上方に移動し、外皮材Fの下方に窪んだ部分に当接して支持する。一方、投入管42aには、次の塊状食材Bが所定量投入される。
図14では、供給部4及び吐出部5全体が上昇して、吐出管50及び開閉部材52が外皮材Fから離間するとともに押え部材54が離間するようになる。そして、上段のシャッタ80が閉じる方向に動作して受け部材82に載置された外皮材Fの周縁部を中心に向かって寄せ集めるようにする。その際に、外皮材Fに配置された内材Gは、受け部材82の載置面とほぼ同じ高さまでに収容されており、塊状食材Bが突出していないので、外皮材Fの内側にほぼ隙間の無い状態で周縁部を寄せ集めることができる。シャッタ80は、完全に閉じることなく外皮材Fの周縁部が密着した状態となるまで閉じる方向に動作する。
図15では、上段のシャッタ80の閉じる方向への動作に続いて下段のシャッタ81が閉じる方向に動作して、受け部材82の下方において寄せ集められた外皮材Fの周縁部をシャッタ片81dにより封着して成形品Hを得る。そして、支持部材94が下方に移動して、搬送ベルトを搬送制御して成形品Hを搬出する。また、供給部4では、導入部材42cが吐出管50から離間する方向に退避して、保持部材42b内に次の塊状食材Bが投入されるようになる。得られた成形品Hは、ひっくり返して封着部分を底面とすることで、外皮材Fの膨出面が表面となってきれいに仕上げることができる。また、内材Gについてもひっくり返ることで流動性食材Lが塊状食材Bの間を流下して全体にほぼ均一に混ざり合うようになる。
上述した例では、封着部8に上下二段のシャッタを用いているが、受け部材の上方にのみシャッタを配置した上一段シャッタ及び受け部材の下方にのみシャッタを配置した下一段シャッタでも外皮材Fを寄せ集めて封着することができ、外皮材及び内材の特性や成形品のサイズ等に基づいてシャッタの方式を適宜選択すればよい。
以上説明したように、吐出管内で塊状食材を流動性食材と合流させて内材として吐出しているので、柔らかい食材やサイズの大きい食材であってもその形態を維持したまま内材に含ませることができ、塊状食材を含む様々な食材を内材に用いることが可能となる。
次に、別の実施形態について説明する。図16から図22は、別の実施形態の成形動作に関する説明図であり、装置の側面からみた動作過程における概略断面図を示している。この例では、吐出部5の開閉部材52の上下位方向に流通管路52bが形成されており、流通管路52bは、開閉部材52の上端部に設けられた供給管12が接続される流入口と開閉部材52の先端面に形成された吐出孔52cとの間を連通している。そして、流動性食材Lは、流通管路52bを流通して開閉部材52の先端面に形成された吐出孔52cより吐出されるようになる。それ以外の供給部4、吐出部5、封着部8及び支持部9に関する構成は、上述した実施形態と同様である。
図16では、搬入部7によりシート状の外皮材Fが受け部材82上に搬入される。吐出部5は、上方の待機位置に設定されており、開閉部材52は、吐出管50内を下降した状態に設定されている。そのため、開閉部材52により吐出管50の保持部材42bとの接続口は閉鎖されている。そして、保持部材42b内では、導入部材42cが退避位置に移動して塊状食材Bが投入された状態となっている。また、吐出管50の下端開口50aは、開閉部材52の先端面52aと面一となるように設定されている。
また、封着部8のシャッタ80及び81は、シャッタ片80d及び81dが開いた状態に設定されており、受け部材82の中央部に形成された開口82aが露出した状態となっている。そのため、搬入部7は、開口82aの上方まで搬送ベルトを延長させて外皮材Fを搬入して、外皮材Fが開口82aを覆うように載置する。支持部材94は、下降した待機位置に設定されている。
また、上段のシャッタ80は、シャッタ片80dを閉じる方向に動作させて、外皮材Fの周縁部を中心に向かって位置調整するようにしてもよい。こうしたシャッタ片80dによる位置調整により、後述するように、押え部材54が外皮材Fの周縁部を押圧する範囲の生地量が調整されて、外皮材Fの周縁部を封着する際の生地量を調整することができる。
図17では、吐出管50を下降させて下端開口を外皮材Fと密着する位置に設定するとともに、開閉部材52が吐出管50内を上方に移動させる。開閉部材52の上方移動に伴い、先端面52aが保持部材42bとの接続口よりも上方に設定され、吐出管50が保持部材42bと連通した状態となる。
図18では、吐出管50の下降とともに押え部材54が下降して外皮材Fの周縁部を受け部材82の開口82aの周囲に押さえ付けた状態とし、吐出管50の下端開口を外皮材Fに密着させた状態とする。押え部材54により外皮材Fを受け部材82に圧接した状態となっているので、吐出管50の下端開口は外皮材Fの上面に安定した密着状態とすることができる。
図18では、保持部材42b内の導入部材42cが吐出管50に向かって移動して保持部材42b内に投入された塊状食材Bが吐出管50内に導入され、塊状食材Bは外皮材F上に積み重なった状態となる。導入部材42cは、その先端面が吐出管50の内周面とほぼ面一となる位置まで移動して停止した状態となる。そのため、塊状食材Bはすべて吐出管50内に封入されて外皮材F上に配置された状態となる。
図19では、開閉部材52が吐出管50内を下降して閉鎖位置に設定されて開閉部材52の先端面52aが吐出管50の下端開口50aと面一の状態となる。そのため、塊状食材Bが吐出管50の下端開口50aから押し出されるように外皮材Fに向かって吐出され、それに伴って外皮材Fは膨らんで塊状両食材Bを収容するように窪んだ状態に変形する。
図20では、供給管12に流動性食材Lが圧送されて、供給管12から流通管路52b内に流動性食材Lが流入するようになる。流動性食材Lは、流通管路52bを流通して吐出孔52cより吐出され、窪んだ状態に変形した外皮材F内に流入して塊状食材Bの間を通過しながら合流するようになる。その際に、流動性食材Lの供給量を窪んだ状態に変形した外皮材F内の空き領域が満たされる程度に設定しておくことで、吐出管50から流動性食材Lが漏出することなく外皮材F内に収容でき、塊状食材Bの間を流動性食材Lで満たした内材Gを充填した状態とすることができる。塊状食材Bが柔らかい食材の場合でも、形状を維持した状態で内材として吐出することができ、様々な塊状食材を含む内材を安定した品質で充填することが可能となる。
吐出管50の下端開口50aと開閉部材52の先端面52aがほぼ面一の状態となることで、大きいサイズの塊状部材の場合でも、下端開口50aより上方に突出することがなくなり、後述するシャッタによる封着の際に塊状食材Bが支障とならずにスムーズに封着することができる。さらに、流動性食材Lが漏出することなく確実に外皮材F内に収容した状態とすることが可能となる。
また、支持部材94は、食材が外皮材Fに吐出されるのに合わせて上方に移動し、外皮材Fの下方に窪んだ部分に当接して支持する。一方、投入管42aには、次の塊状食材Bが所定量投入される。
図21では、供給部4及び吐出部5全体が上昇して、吐出管50及び開閉部材52が外皮材Fから離間するとともに押え部材54が離間するようになる。そして、上段のシャッタ80が閉じる方向に動作して受け部材82に載置された外皮材Fの周縁部を中心に向かって寄せ集めるようにする。その際に、外皮材Fに配置された内材Gは、受け部材82の載置面とほぼ同じ高さまでに収容されており、塊状食材Bが突出していないので、外皮材Fの内側にほぼ隙間の無い状態で周縁部を寄せ集めることができる。シャッタ80は、完全に閉じることなく外皮材Fの周縁部が密着した状態となるまで閉じる方向に動作する。
図22では、上段のシャッタ80の閉じる方向への動作に続いて下段のシャッタ81が閉じる方向に動作して、受け部材82の下方において寄せ集められた外皮材Fの周縁部をシャッタ片81dにより封着して成形品Hを得る。そして、支持部材94が下方に移動して、搬送ベルトを搬送制御して成形品Hを搬出する。また、供給部4では、導入部材42cが吐出管50から離間する方向に退避して、保持部材42b内に次の塊状食材Bが投入されるようになる。得られた成形品Hは、ひっくり返して封着部分を底面とすることで、外皮材Fの膨出面が表面となってきれいに仕上げることができる。また、内材Gについてもひっくり返ることで流動性食材Lが塊状食材Bの間を流動して全体にほぼ均一に混ざり合うようになる。
図23は、成形品Hに関する外観図であり、図24は、成形品Hに関する断面図である。成形品Hは、塊状食材B及び流動性食材Lを混在させた内材Gを外皮材Fで包み込むように成形されている。成形品Hの外観形状は、丸型(図23(a))、リーフ型(図23(b))及びパーカー型(図23(c))といった様々な形状に成形することができる。
図24(a)では、20mm〜30mmサイズの角切りの肉や野菜のブロックを塊状食材Bとして用い、低粘度のカレーペーストを流動性食材Lとして用いて両食材を混ぜ合わせた内材を外皮材Fで包み込むことで、カレーパンの成形品を成形することができる。また、塊状食材Bとしてシュレッダーチーズ、サラミ、ハム、マッシュルーム等の食材を20mm〜30mmサイズに切断して混合したものを用い、流動性食材Lとしてピザソースを用いることで、ピザパンの成形品を成形することができる。また、図24(a)では、リンゴ等のフルーツ角切りを塊状食材Bとして用い、流動性食材Lとしてカスタードクリームやクリームチーズを用いてフルーツパンの成形品を成形することもできる。
図24(b)では、金時豆、鹿の子豆、甘納豆といった豆類を塊状食材Bとして用い、低粘度の漉し餡を流動性食材Lとして用いることで、豆類を含むアンパンの成形品を成形することができる。また、図24(c)では、塊状食材Bとして、うずらの卵、肉の角切り、野菜の角切り等を混合したものを用い、流動性食材Lとして、あんかけ等のソースを用いることで、肉まんの成形品を成形することができる。
図25は、別の成形品に関する断面図である。この例では、流動性食材Lが粘度を有するペースト状食材の場合であり、流動性食材Lは、塊状食材Bの一部の周囲に流入した状態となっている。図25(a)では、図16に示す実施形態で成形した場合を示し、塊状食材Bの上部に流動性食材Lが配置されて一部の塊状食材Bの間に流入している。また、図25(b)では、図3に示す実施形態で成形した場合を示し、流動性食材Lの上部に塊状食材Bが配置されて一部の塊状食材Bの周囲に流動性食材Lが入り込んでいる。
このように、様々な塊状食材を用いてその形態を維持した状態で内材として外皮材により包み込んで成形することができるので、バラエティに富んだ食感を楽しめる食品を成形することが可能となる。
以上説明した例では、移動部6により供給部4及び吐出部5全体を上下動させて、吐出管50の下端開口を受け部材82の開口82aに接近又は離間するようにしているが、移動部6により封着部8を上下動させて、受け部材82の開口82aを吐出管50の下端開口に接近又は離間させるようにすることもできる。
また、上述した例では、封着部8のシャッタとして上下2段のシャッタを用いて1つの成形品を成形するように構成されているが、シャッタとしては、複数の成形品を同時に成形することができる多連タイプのシャッタを用いることもできる。例えば、図26に示すように、4枚のシャッタ片を有するシャッタを2つ並列して同時に動作させる2連タイプのもの、図27に示すように、6枚のシャッタ片を有するシャッタを2つ並列して同時に動作させる2連タイプのもの、といった2連タイプのシャッタを用いることで、2つの成形品を同時に成形して生産性を向上させることができる。そして、3連タイプ、4連タイプといった多連タイプも容易に構成することが可能で、特に限定されない。また、シャッタに使用するシャッタ片の枚数についても4枚又は6枚のシャッタ片を用いるものを例示したが、これ以外の枚数のシャッタ片を用いたシャッタでもよく特に限定されることはない。