JP2019070500A - 暖房熱源機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高断熱の部屋を例えば高効率温水マット等で快適に暖房する。【解決手段】暖房用の液体の熱媒体を暖房用熱交換器11で加熱し、その熱媒体を暖房用熱交換器11の出口から低温暖房用往通路63を介し、外部に設けられる暖房端末装置に供給し、暖房端末装置に通した前記熱媒体を、管路59,61,62を有する戻り通路を通して暖房用熱交換器11の入口に戻す。戻り通路には暖房用熱交換器11の入口に向けて順にシスターン10と循環ポンプ9と、前記熱媒体の流れの有無を検出する水流スイッチ120とを設ける。管路59における水流スイッチ120の下流側部位と、管路62における循環ポンプ9の上流側部位とを接続し水流スイッチ120を通って暖房用熱交換器11へ向けて流れる前記熱媒体の一部を循環ポンプ9の上流側部位へ分流帰還させる帰還通路121を設ける。【選択図】図1
Description
本発明は、暖房機能を備えた暖房熱源機に関するものである。
図9には、暖房機能を備えた熱源装置である暖房熱源機の構成例が模式的なシステム構成図により示されている。同図に示されるように、器具ケース80内に燃焼室100が設けられ、燃焼室100内には暖房用のバーナ装置5が設けられている。暖房用のバーナ装置5には、ガス供給通路16を通して燃料ガスが供給されるものであり、図9の図中、符号17,117はガス電磁弁、符号18はガス比例弁をそれぞれ示す。暖房用のバーナ装置5の上側には、暖房用の液体の熱媒体(例えば水)を加熱する暖房用熱交換器11が設けられており、バーナ装置5の下方側には、バーナ装置5の給排気用の燃焼ファン15が設けられている。
暖房用熱交換器11の出口側には高温暖房用往通路64が接続されており、暖房用熱交換器11で加熱した熱媒体(例えば水)を、該暖房用熱交換器11の出口から高温暖房用往通路64を介し、暖房熱源機の外部に設けられる図示されていない高温暖房端末装置(例えば浴室乾燥機)に供給する。高温暖房用往通路64には暖房用熱交換器11から出る熱媒体の温度を検出する出側温度センサ(出力温度検出センサ)40が設けられている。
また、暖房熱源機には、前記高温暖房端末装置に通した前記熱媒体を暖房用熱交換器11の入口に戻すために、管路61、シスターン10、管路62、循環ポンプ9、管路59が順に接続されており、管路59には暖房用熱交換器11の入口側が接続されている。また、管路59には、暖房用熱交換器11に導入される熱媒体の温度を検出する入側温度センサ(入力温度検出センサ)77が設けられており、さらに、管路59には、低温暖房用往通路63が分岐接続されている。
低温暖房用往通路63には、外部に設けられる図示されていない低温暖房端末装置(例えば温水マット等の暖房マット)が接続され、低温暖房用往通路63を通して熱媒体が低温暖房端末装置に供給される構成と成している。周知の如く、暖房マットは、一般には、熱媒体を通す暖房用パイプをマット本体に設けて形成されるものであり、その暖房用パイプに熱媒体として水(水が加熱されて形成される温水)を通す構成のものが温水マットである。
なお、本明細書において、熱媒体としての水を、単なる水と表記したり温水と表記したりするが、いずれも液体である水を示している。暖房用として循環されたり暖房端末装置に供給されたりする水は、暖房熱源機の暖房運転が最初に行われたときや、暖房運転が長い間休止した後に行われたとき等を除き、温水(つまり、加熱により温められた水)となるものであり、単に水と表記されていても温水の場合もある。
また、図9に示す暖房熱源機には、管路61と高温暖房用往通路64とを接続するバイパス路150が設けられており、この暖房熱源機では、高温暖房用往通路64、管路59,61,62、バイパス路150、シスターン10、循環ポンプ9、低温暖房用往通路63を有して、熱媒体の循環通路8が構成されている。シスターン10の容量は例えば1800ccであり、シスターン10には水位電極44とオーバーフロー通路66とが設けられている。シスターン10には、補給水電磁弁42が設けられた水補給用通路165が接続されており、必要に応じて水(熱媒体)の補給が可能と成している。
この暖房熱源機は、熱媒体(例えば水)を高温暖房端末装置や低温暖房端末装置に適宜供給することにより、必要に応じ、高温暖房端末装置の単独運転と、低温暖房端末装置(例えば温水マット)の単独運転と、高温暖房端末装置と低温暖房端末装置の同時運転を選択的に行うことができるものである。暖房端末装置の運転に際し、以下に述べるように、図の矢印に示される方向に熱媒体が流れる。
高温暖房端末装置の運転時には、暖房用熱交換器11を通って加熱された熱媒体が高温暖房用往通路64を通って高温暖房端末装置に供給され、高温暖房装置を通って放熱された熱媒体が管路61、シスターン10、管路62、循環ポンプ9、管路59を順に通って暖房用熱交換器11に戻される。なお、高温暖房用往通路64を通った熱媒体の一部はバイパス路150を通って管路61側に流れ、管路61を通ってシスターン10に導入される。
一方、低温暖房端末装置の運転時には、暖房用熱交換器11を通って加熱された熱媒体が高温暖房用往通路64を通り、バイパス路150を通って管路61に導入され、シスターン10、管路62、循環ポンプ9、低温暖房用往通路63を順に通って低温暖房端末装置に供給される。また、低温暖房装置を通って放熱された熱媒体は管路61、シスターン10、管路62、循環ポンプ9、管路59を順に通って暖房用熱交換器11に戻される。
この暖房熱源機においては、高温暖房用往通路64を通る熱媒体を管路61側に分流させるバイパス路150を設けることにより、高温暖房端末装置と低温暖房端末装置との同時運転時には、高温暖房用往通路64を通って直接的に高温暖房端末装置に供給される熱媒体の温度と、バイパス路150を通って管路61側に流れてから低温暖房端末装置に供給される熱媒体の温度とを、互いに異なる温度とすることができる。
なお、低温暖房端末装置に供給される熱媒体は、前記のようにバイパス路150を通って管路61側に流れた熱媒体と、高温暖房端末装置で放熱されて戻って管路61に戻ってくる熱媒体とが管路61で合流した後に、シスターン10に導入され、その後、管路62、循環ポンプ9、低温暖房用往通路63を順に通って低温暖房端末装置に供給される。
また、図9に示す暖房熱源機においては、高温暖房端末装置と低温暖房端末装置の同時運転を可能とするために、暖房用のバーナ装置(燃焼バーナ)5は、燃焼熱量が3000W〜15000W(3〜15kW)程度の大熱量タイプのバーナ装置により形成されている。
ところで、低温暖房端末装置として温水マットを接続し、暖房熱源機から温水マットに水(温水)を供給して床暖房を行う場合は、従来、暖房運転のオンオフ制御(暖房用のバーナ装置5の燃焼オンオフ制御や、暖房熱源機から温水マットに熱媒体を供給するときに開く(オンとする)熱動弁のオンオフ制御)を行うようにしている。そして、このような暖房運転オンオフ制御によって、温水マットが配置されている部屋の室温を一定に保つことが行われている。
それというのは、温水マットにより床暖房を行って部屋を暖める動作は、温水マットの熱を床材に伝えることにより行われるものであるが、暖房運転をオンとして温水マットにより床材を温めるには時間がかかり、また、暖房運転オフとなってから床材が冷えるまでにも時間がかかる。そのため、暖房運転のオンオフを一定周期で繰り返し行うことにより温水マット内の熱媒体の温度が多少変化しても、床材表面温度は殆ど変化せずに快適な床暖房が行われていた。
なお、図9の構成の暖房熱源機において、暖房用熱交換器11を、暖房用のバーナ装置5の燃焼ガスの顕熱を利用して循環熱媒体を加熱する一次熱交換器と主に前記燃焼ガスの潜熱を利用して前記循環熱媒体を加熱する潜熱回収用熱交換器とを有する構成とする場合は、例えば図10に示されるような構成の暖房熱源機とされる。
つまり、同図に示されるように、この暖房熱源機においても、図9に示した暖房熱源機と同様に、暖房用熱交換器11の一次熱交換器11aの出口側から導出される熱媒体を高温暖房用往通路64を通って高温暖房端末装置に供給し、低温暖房端末装置には、循環ポンプ9から導出される熱媒体を低温暖房用往通路63を介して供給するが、高温暖房端末装置や低温暖房端末装置を通って放熱された後に暖房熱源機に戻ってくる熱媒体は、管路61を通った後に、管路60に導入され、その後に暖房用熱交換器11の潜熱回収用熱交換器11bに導入される。そして、潜熱回収用熱交換器11bを通った後、管路65を通り、シスターン10、管路62、循環ポンプ9、管路59を順に通って一次熱交換器11aに戻される。
このように、従来の暖房熱源機においては、潜熱回収用熱交換器11bを設ける場合には、潜熱回収用熱交換器11bと一次熱交換器11aとが別個に形成された状態で、潜熱回収用熱交換器11bの出口側と一次熱交換器11aの入口側との間に、シスターン10や循環ポンプ9が管路61,65を介して設けられる構成となり、循環通路8の配管構成が複雑となる。
なお、図10には図示されていないが、潜熱回収用熱交換器11bを設ける場合にはドレンが発生するので、そのドレンを暖房熱源機の外部に導出するために、ドレン回収手段、ドレン中和器、ドレン通路等が適宜設けられる。
ところで、近年、建物の断熱化が進み、例えば温水マット等の暖房マットを用いた床暖房によって部屋を暖房する場合も少量の熱量で長期間の暖房が可能となってきた。また、温水マットは、従来、温水を通す温水パイプを板状のマット本体に設け、温水パイプを通る温水の熱を、マット本体の表面に貼られたアルミ箔を介して床材に伝える構成であったが、近年、マット本体の表面のみならず裏面にもアルミ箔を貼ることにより、温水パイプを通る温水の熱をマットの裏面からも放熱して床材を温める高効率の温水マットも用いられるようになった。
そして、このように高効率の温水マットを用いて前記のような高断熱の部屋の床暖房を行う場合に、従来のように暖房運転のオンオフ制御を行うと、例えばオフ時間が長くなるといったように、オンオフ制御周期が長くなり、床材の保温能力に頼っていた床材表面温度の恒温現象を保つことができず、床材表面温度が変化し、利用者に不快な思いをさせてしまうといった問題が生じることになる。
また、従来は、例えば低温暖房と高温暖房の同時運転を可能とするために、例えば14kWといったような高い燃焼能力のバーナ装置5を適用しているため、コスト高であるといった問題があった。
そのうえ、例えば床暖房時に暖房運転のオンオフ制御を行う際、暖房運転オンの時には高い燃焼運転能力で暖房用のバーナ装置5を燃焼させて高流量で温水マットに熱媒体を供給する導入することが行われているために、暖房用熱交換器11に戻ってくる温水の温度も高めとなり、暖房用熱交換器11の熱効率が悪いといった問題もあった。特に、前記のような高効率の温水マットを用いて高断熱の部屋での床暖房を行った場合には、暖房用熱交換器11の熱効率が非常に悪くなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、例えば高効率の温水マットのような高効率の低温暖房端末装置に熱媒体を供給して高断熱の部屋で暖房を行っても暖房用のバーナ装置の効率を従来よりも高くでき、かつ、利用者が床暖房を快適に利用できるようにする暖房熱源機を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、暖房用の液体の熱媒体を加熱する暖房用熱交換器と、該暖房用熱交換器で加熱した前記熱媒体を該暖房用熱交換器の出口から外部に設けられる暖房端末装置に供給する往通路と、前記暖房端末装置に通した前記熱媒体を前記暖房用熱交換器の入口に戻す戻り通路とを有し、該戻り通路と前記往通路は前記暖房用熱交換器から供給される熱媒体を前記暖房端末装置を経由して前記暖房用熱交換器に戻す熱媒体の循環通路を構成し、前記戻り通路には前記暖房用熱交換器の入口に向けて順にシスターンと循環ポンプと前記熱媒体の流れの有無を検出する水流スイッチとが設けられるとともに、前記戻り通路には前記水流スイッチの下流側部位と前記循環ポンプの上流側部位とを接続し前記水流スイッチを通って前記暖房用熱交換器へ向けて流れる前記熱媒体の一部を前記循環ポンプの上流側部位へ分流帰還させる帰還通路が設けられている構成を備えていることをもって課題を解決するための手段としている。
また、第2の発明は、前記第1の発明の構成に加え、前記帰還通路には当該通路を開閉する開閉制御弁が設けられ、循環ポンプが回転駆動されている状態で水流スイッチにより循環通路内の熱媒体の流れを検出する動作時には前記開閉制御弁を開いて前記水流スイッチを通って暖房用熱交換器へ向けて流れる前記熱媒体の一部を前記循環ポンプの上流側部位へ前記帰還通路を通して分流帰還させ、前記熱媒体の流れの非検出動作時には前記開閉制御弁を閉じる弁動作制御手段と、前記開閉制御弁の開から閉への切り替え時には前記開閉制御弁の開状態時に前記帰還通路を通して分流帰還する熱媒体の帰還流量分だけ前記循環ポンプから吐出される熱媒体の流量を絞るべく前記循環ポンプの回転数を低速回転方向へ制御し、前記開閉制御弁の閉から開への切り替え時には前記熱媒体の帰還流量分だけ前記循環ポンプから吐出される熱媒体の流量を増加すべく前記循環ポンプの回転数を高速回転方向へ制御する循環ポンプ回転制御手段と、を有することを特徴とする。
さらに、第3の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、前記暖房用熱交換器は燃焼バーナの火炎によって加熱され、当該火炎の熱源によって前記暖房用熱交換器を通る熱媒体が加熱される構成と成し、前記燃焼バーナは燃焼熱量が200W以上3000W以下の範囲内の小熱量タイプのものとしたことを特徴とする。
さらに、第4の発明は、前記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記暖房用熱交換器は燃焼バーナの燃焼ガスの顕熱を利用して循環熱媒体を加熱する一次熱交換器と前記燃焼ガスの潜熱を利用して前記循環熱媒体を加熱する潜熱回収用熱交換器を接続一体化したものであり、潜熱回収用熱交換器の入口は循環通路の戻り通路に接続され、前記潜熱回収用熱交換器の出口は一次熱交換器の入口に接続され、該一次熱交換器の出口は前記循環通路の往通路に接続されていることを特徴とする。
さらに、第5の発明は、前記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記暖房端末装置として、循環熱媒体を通す暖房用パイプをマット本体に設けて形成される暖房マットが接続される構成としたことを特徴とする。
本発明によれば、暖房用の液体の熱媒体を暖房用熱交換器で加熱し、その熱媒体を、外部に設けられる暖房端末装置に熱媒体供給用の往通路を介して供給し、前記暖房端末装置に通した前記熱媒体を前記暖房用熱交換器の入口に戻す熱媒体の循環通路が構成されているが、暖房端末装置に通した前記熱媒体を前記暖房用熱交換器の入口に戻す戻り通路には、前記暖房用熱交換器の入口に向けて順にシスターンと循環ポンプと前記熱媒体の流れの有無を検出する水流スイッチとが設けられているので、前記循環通路に熱媒体が流れたかどうかを水流スイッチにより確認できる。
なお、安価な水流スイッチは、熱媒体の流量が小さいと熱媒体の流れを検出することが困難であるが、本発明では、戻り通路に、前記水流スイッチの下流側部位と前記循環ポンプの上流側部位とを接続し前記水流スイッチを通って前記暖房用熱交換器へ向けて流れる前記熱媒体の一部を前記循環ポンプの上流側部位へ分流帰還させる帰還通路が接続されているので、循環ポンプの駆動によって熱媒体の循環通路に熱媒体を流したときに、その熱媒体を帰還通路に分流させて循環ポンプの上流側に帰還させることで、水流スイッチを流れる熱媒体の流量を大きくすることができる。そのため、本発明の暖房熱源機は、安価な水流スイッチを用いても流水検知の確度を高くできる。
したがって、暖房用の熱媒体の前記循環通路への循環を安価な水流スイッチを用いて確認でき、循環ポンプが作動したはずなのに循環通路への熱媒体の流れがないといった事態を検知できることから、例えば循環ポンプが故障したといったような異常状態を検知して安全に利用できる暖房熱源機を提供できる。つまり、例えば水流スイッチにより熱媒体の流れを確認した後に燃焼バーナの火炎によって暖房用熱交換器を加熱するようにして安全に暖房熱源機の運転を行うことができる。
なお、従来例で示した暖房熱源機は、熱媒体の循環通路に、暖房用熱交換器から往通路を通して前記暖房端末装置に供給される熱媒体の一部を該暖房端末装置を経由せずに前記戻り通路に分流導出させるためのバイパス通路を設けていたので、仮に例えば往通路の先端側が詰まっていたといったような状態であっても、暖房用熱交換器から往通路に導出された熱媒体を、往通路からバイパス通路を通して熱媒体を戻り通路に通して暖房用熱交換器に導入する、といった動作で循環させることができた。そのため、循環する熱媒体の温度を検出してその温度が例えば空焚き防止用の基準温度を超えた場合には空焚きと判断し、暖房用熱交換器の加熱を停止する事により、暖房用熱交換器の空焚きを防止できた。
それに対し、本発明では、前記のように、水流スイッチがオンしたことを確認することによって、熱媒体の流れを検知できるので、流れがないときには異常と判断することにより、暖房用熱交換器の空焚きを防止できるようにしており、従来例で設けたようなバイパス通路を設けなくとも支障はなく、従来例で設けたバイパス通路を省略して構成を簡略化できる。
また、本発明によれば、前記の如く戻り通路に前記帰還通路が設けられているので、該帰還通路により熱媒体を分流帰還させることで、暖房用熱交換器を通して循環させる熱媒体の流量を小さくでき、省エネ化を図ることができる。
さらに、本発明において、帰還通路に当該通路を開閉する開閉制御弁を設け、循環ポンプが回転駆動されている状態で、水流スイッチにより循環通路内の熱媒体の流れを検出する動作時(熱媒体の流れ検知動作時)と熱媒体の流れの非検出動作時とで、前記開閉制御弁の開閉制御を可変し、また、その制御に応じて循環ポンプの回転数の回転制御を可変する構成においては、以下の効果を奏することができる。
つまり、熱媒体の流れ検知動作時には、前記開閉制御弁を開いて前記水流スイッチを通って暖房用熱交換器へ向けて流れる前記熱媒体の一部を前記循環ポンプの上流側部位へ前記帰還通路を通して分流帰還させ、このように前記開閉制御弁の閉から開への切り替え時には前記熱媒体の帰還流量分だけ前記循環ポンプから吐出される熱媒体の流量を増加すべく前記循環ポンプの回転数を高速回転方向へ制御することにより、水流スイッチを流れる熱媒体の流量を多くできるので、安価な水流スイッチを用いても流水検知の確度をより一層高くできる。
一方、前記熱媒体の流れの非検出動作時には前記開閉制御弁を閉じ、このように前記開閉制御弁の開から閉への切り替え時には前記開閉制御弁の開状態時に前記帰還通路を通して分流帰還する熱媒体の帰還流量分だけ前記循環ポンプから吐出される熱媒体の流量を絞るべく前記循環ポンプの回転数を低速回転方向へ制御することにより、閉弁動作状態時のポンプ回転エネルギを小さくでき、より一層確実に省エネ化を図ることができる。
さらに、本発明において、暖房用熱交換器は燃焼バーナの火炎によって加熱され、当該火炎の熱源によって前記暖房用熱交換器を通る熱媒体が加熱される構成と成し、前記燃焼バーナは燃焼熱量が200W以上3000W以下の範囲内の小熱量タイプのものとすることにより、安いバーナを適用して暖房熱源機のコストを安くできるし、高効率の暖房マット等の暖房端末装置を用いて高断熱の部屋の暖房を行う場合に、燃焼バーナの燃焼量を小さく抑えることができ、燃焼をオンオフさせることなく熱媒体の温度が高すぎることを防止できて部屋が暑くなりすぎないように小熱量で暖房を行うことができ、より一層省エネ化を図ることができる。
さらに、本発明において、暖房用熱交換器を、燃焼バーナの燃焼ガスの顕熱を利用して循環熱媒体を加熱する一次熱交換器と前記燃焼ガスの潜熱を利用して前記循環熱媒体を加熱する潜熱回収用熱交換器を一体化して形成し、潜熱回収用熱交換器の入口を循環通路の戻り通路に接続し、前記潜熱回収用熱交換器の出口を一次熱交換器の入口に接続し、前記一次熱交換器の出口を前記循環通路の往通路に接続することにより、暖房熱源機の構成を簡単にできてコストダウンを図れ、かつ、潜熱回収用熱交換器を通った熱媒体を一次熱交換器に通して加熱できることから燃焼効率を向上できる。
さらに、暖房端末装置を、循環熱媒体を通す暖房用パイプをマット本体に設けて形成される暖房マットとすることにより、暖房マットに熱媒体を供給することにより快適な床暖房を可能とし、かつ、前記のように省エネ化が図れる優れた暖房熱源機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本実施例の説明において、これまでの説明の例と同一構成要素には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
図1(a)には、本発明に係る暖房熱源機の第1実施例のシステム構成が模式的に示されている。同図に示されるように、本実施例の暖房熱源機は、従来例と同様に、暖房用の液体の熱媒体を加熱する暖房用熱交換器11を有しているが、本実施例では、暖房用熱交換器11の出口から、暖房用熱交換器11で加熱した熱媒体としての水(温水)を外部の低温暖房端末装置としての温水マット(図示せず)に供給する暖房熱源機であり、従来例で示したような高温暖房端末装置と低温暖房端末装置の両方に熱媒体を供給する装置ではなく、低温暖房端末装置(ここでは温水マット)に熱媒体を供給する装置である。なお、暖房端末装置の運転に際して流れる熱媒体の流れが、図の矢印に示されている。
本実施例において、暖房用熱交換器11の出側には低温暖房用往通路63が接続され、暖房用熱交換器用11で加熱した熱媒体(温水)を暖房端末装置に供給する往通路は、熱媒体(温水)を低温暖房端末装置(温水マット)に供給する低温暖房用往通路63である。そして、この低温暖房用往通路63に、暖房用熱交換器11から出る熱媒体の温度を検出する出側温度センサ40が設けられている。なお、本実施例では、従来例で示した暖房熱源機と異なり、バイパス通路150は設けられておらず、本実施例においては、高温暖房用の温度の熱媒体と低温暖房用の温度の熱媒体とを作り出す構成は不要である。
また、本実施例において、暖房用熱交換器11への熱媒体の戻り通路は、暖房端末装置(温水マット)に通した熱媒体を暖房用熱交換器11の入口に戻す通路であり、戻り通路は、管路61,62,59を有し、管路61と管路62との間にシスターン10が設けられ、管路62と管路59との間に循環ポンプ9が設けられている。また、管路59には熱媒体の流れの有無を検出する水流スイッチ120が設けられており、戻り通路において、暖房用熱交換器11の入口に向けて順に、シスターン10と循環ポンプ9と水流スイッチ120が設けられた態様と成している。
管路61,62,59を有する前記戻り通路と、往通路(低温暖房用往通路63)とは、暖房用熱交換器11から供給される熱媒体(温水)を暖房端末装置(温水マット)に経由させて暖房用熱交換器11に戻す熱媒体の循環通路8を構成しており、戻り通路には、管路59においての水流スイッチ120の下流側部位と、管路62における循環ポンプ9の上流側部位とを接続する、帰還通路121が設けられている。なお、管路59には、帰還通路121よりも暖房用熱交換器11に近い位置に、暖房用熱交換器11に入る熱媒体の温度を検出する入側温度センサ77が設けられている。
帰還通路121は、水流スイッチ120を通って暖房用熱交換器11へ向けて流れる前記熱媒体の一部を循環ポンプ9の上流側部位へ分流帰還させる通路であり、図1(b)に示されるように、帰還通路121には当該通路を開閉する開閉制御弁122が設けられている(図1(a)においては、開閉制御弁122の図示を省略している)。なお、開閉制御弁122の開閉制御は、弁動作制御手段(図1には図示せず、図2参照)によって適宜行われるものであり、その詳細は後述する。
暖房用熱交換器11は暖房用のバーナ装置5(燃焼バーナ)の火炎によって加熱され、当該火炎の熱源によって暖房用熱交換器11を通る熱媒体が加熱される構成と成しており、暖房用のバーナ装置5は燃焼熱量が200W以上3000W以下の範囲内の小熱量タイプのものにより形成されている。そして、ガス比例弁18によって暖房用のバーナ装置5に送り込まれる燃料(例えばガス)が制御され、出側温度センサ40の温度が、例えば30℃、40℃、50℃、60℃から選択される約一定の温度となるように、燃焼制御手段(図示せず)によりフィードバック制御される。
また、図2には、本実施例の暖房熱源機の暖房運転制御構成が模式的なブロック図により示されている。同図に示されるように、本実施例の暖房熱源機は、暖房運転の制御装置83内に、弁動作制御手段51、下限ポンプ回転数検出手段52、循環ポンプ回転制御手段53、時定数検出手段54、演算流量算出手段55、メモリ部(メモリ)56、加熱効率更新手段57、運転制御手段58、燃焼制御手段82を有している。
弁動作制御手段51は、開閉制御弁122の開閉動作を制御する手段であり、循環ポンプ9が回転駆動されている状態で水流スイッチ120により循環通路内の熱媒体(本実施例では水)の流れを検出する動作時には開閉制御弁122を開き、水流スイッチ120を通って暖房用熱交換器11へ向けて流れる前記熱媒体の一部を循環ポンプの上流側部位へ帰還通路121を通して分流帰還させ、前記熱媒体の流れの非検出動作時には開閉制御弁122を閉じる。
循環ポンプ回転制御手段53は、循環ポンプ9の回転数を制御する手段であり、開閉制御弁122の開から閉への切り替え時には、開閉制御弁122の開状態時に帰還通路121を通して分流帰還する熱媒体(水)の帰還流量分だけ循環ポンプ9から吐出される熱媒体の流量を絞るべく、循環ポンプ9の回転数を低速回転方向へ制御する。また、循環ポンプ回転制御手段53は、開閉制御弁122の閉から開への切り替え時には、前記熱媒体の帰還流量分だけ循環ポンプ9から吐出される熱媒体の流量を増加すべく、循環ポンプ9の回転数を高速回転方向へ制御する。
例えば、循環ポンプ回転制御手段53は、開閉制御弁122の開から閉への切り替え時には、循環ポンプ9から吐出される熱媒体としての水が例えば0.5リットル/分の流量で循環通路8を流れるようにし、開閉制御弁122の閉から開への切り替え時には、例えば3リットル/分の流量で水が循環通路8を流れるようにする。この場合、帰還通路121を通って循環ポンプ9に戻される(帰還する)帰還流量は2.5リットル/分となる。
現在汎用されている安価な水流スイッチは、例えばオン流量が1.6リットル/分、オフ流量が1.0リットル/分であるので、このような安価な水流スイッチを水流スイッチ120として用いても、水が循環通路8を流れたことを容易に、かつ、正確に水流スイッチ120により検出できる。
また、本実施例は、暖房用の熱媒体を温水マットに供給する装置としており、循環通路8には温水マット以外の他の暖房端末装置が接続されていないので、暖房端末装置内の構成に起因する不純物が循環する熱媒体に混入して藻状生成物が発生するといったおそれがない。そのため、例えばそのような藻状生成物が水流スイッチ120の支点に絡みついて水流スイッチ120の故障が生じるといった不具合を防止できる。
ところで、本実施例は、以下に述べるような熱媒体循環流量の演算による算出を行いながら、循環ポンプ回転制御手段53による熱媒体循環流量の制御を行うことも特徴としている。つまり、本実施例では、従来の暖房熱源機と同様に、暖房用の熱媒体(水)を循環させる循環通路8の管路には、その熱媒体の流量を検出するセンサは設けられていないが、該熱媒体の流れの有無を検出する水流スイッチ120は設けられており、この水流スイッチ120の検出情報等に基づく熱媒体の流れの検知と、演算流量算出手段55による以下のような熱媒体循環流量制御とが行われる。
この熱媒体循環流量制御に際し、演算流量算出手段55は、入側温度センサ77により検出される検出温度(暖房用熱交換器11に入る熱媒体の温度)Tinと、出側温度センサ40により検出される検出温度(暖房用熱交換器11の出口から出る熱媒体の温度)Toutとの温度差(入側温度センサ77と出側温度センサ40によってそれぞれ検出される熱媒体の温度差)Tout−Tinと、暖房用のバーナ装置5の燃焼熱量と、予め与えられている暖房用熱交換器11の加熱効率ηとにより、暖房用熱交換器11を通過する熱媒体循環の演算流量(Q)を演算により求める。
Q=η・(α・A)/λ・s(Tout−Tin)・・・(1)
なお、式(1)において、λは加熱媒体(加熱される熱媒体)の比熱(水の場合は1)、αは燃料であるガスの単位体積当たりの熱量、Aは燃料供給量、sは比重である。λ、α、sの値(経年変化が生じる前の基本値)は、それぞれ予めメモリ部56に格納されており、Aの燃料供給量は燃焼制御手段82により制御される値を演算流量算出手段55が取り込む。
メモリ部56には、循環ポンプ9の回転数と循環通路8を循環する流量との相関関係データの暫定データが予め与えられており、循環ポンプ回転制御手段53は、演算流量算出手段55によって演算流量の算出が行われる前(例えば初回運転時における後述するホットダッシュ運転の開始時)には、前記暫定データに基づき、暖房運転開始時に、例えば前記のように3リットル/分の流量となるように循環ポンプ9の回転制御を行う。この暫定データは例えば3リットル/分の流量における循環ポンプ9の回転数といったピンポイントで与えてもよいし、予め定められた範囲内の循環流量に対する循環ポンプ9の回転数を与える等してもよい。
この暫定データに基づく循環ポンプ9の回転数制御の後、前記の如く演算流量算出手段55による熱媒体の流量の演算が行われ、その演算流量と循環ポンプ9の回転数との相関関係データが演算流量算出手段55により作成される。そして、演算流量算出手段55は求めた値をメモリ部56に加える。
メモリ部56には、演算流量算出手段55により求めた演算流量と該流量形成時の循環ポンプ9の回転数との相関関係データが格納される。この相関関係データは、例えば図4に示されるようなグラフデータとすることもできるし、テーブルデータとしてもよく、その態様は適宜設定されるものである。なお、初回の次以降の暖房運転は、熱媒体の演算流量と循環ポンプ9の回転数との相関関係データが作成された状態での暖房運転となるため、演算流量算出手段55は熱媒体の流量を演算したら、その演算流量と循環ポンプ9の回転数との相関関係データを更新する。
循環ポンプ回転制御手段53は、演算流量算出手段55による演算流量算出後には、その演算結果に基づいてメモリ部56に格納される前記相関関係データに基いて、暖房用熱交換器11を通して循環通路8を流れる熱媒体の循環流量を前記演算流量に代替し、循環ポンプ9の回転数によって制御する(暖房用熱交換器11を通して循環通路8を流れる熱媒体の循環流量を前記演算流量に代替しての循環ポンプ9の回転制御が行われる)。
なお、熱媒体の流量は熱媒体の温度によって変わるものであるので、前記相関関係データを熱媒体の温度毎に求めて熱媒体温度に関連づけてメモリ部56に格納し、暖房用熱交換器11から供給される熱媒体の温度に対応させて、暖房用熱交換器11を通して循環通路8を流れる熱媒体の循環流量を前記演算流量に代替し、循環ポンプ9の回転数によって制御するようにしてもよい。このようにすると、複数の互いに異なる温度のうちの例えば必要に応じて選択された温度の熱媒体を供給する機能を有する暖房熱源機において、温度によって熱媒体の粘性等が異なって循環流量と循環ポンプの回転数との関係が異なっても、より正確な制御が行えるので好ましい。
時定数検出手段54は、水流スイッチオフ時点(水流スイッチ120がオフした時点)の循環ポンプ9の回転数を維持した状態で演算される演算流量の値が安定するまでの時間である時定数を求める。また、時定数検出手段54は、それ以降にも、循環ポンプ9の回転数が低下される毎に、時々刻々と、算流量算出手段55により求められる演算流量の値を取り込み、この演算流量が安定するまでの時間である時定数を求める。
本実施例では、この時定数検出手段54により求めた時定数の時間経過後に得られる、演算流量算出手段55により求められる安定した演算流量の値が前記演算流量として使用されることを特徴とする。そして、その安定した演算流量と該演算流量とそれを求めるときの時定数とが関連づけてメモリ部56に格納されることも本実施例の特徴である。
ところで、本実施例では、暖房熱源機の暖房運転動作を制御しつつ、熱媒体の循環環境の経年劣化の影響を軽微化する運転制御手段を有している。それというのは、例えば熱媒体(例えば水であり、本実施例においても水)を循環させる循環ポンプ9の吐出能力は径年変化で落ちてくる、といった現象があるために、このような経年変化の影響を考慮しつつ、的確な暖房運転制御が行えるように構成されている。
例えば、一定回転数の時の消費電力は、機械的ロスに対応する消費電力と吐出流量に対応する消費電力とに分けられるものであるため、演算によって消費電力から吐出流量を逆算することは可能であるが、経年劣化によって生じる機械的ロスは使用される環境により変化度合に差が生じることから、循環ポンプ9の長期間の使用後に消費電力から吐出流量を逆算すると、誤差が大きくなる(つまり、演算により求められる演算流量の誤差が大きくなる)。
また、熱媒体が循環する循環通路8(循環通路8を形成する管路)は、径年変化で汚れ(例えば熱媒体が管路内を通過する際に生じる、エロージョン、コロージョンにより管路内面に損傷が生じ)、管路圧損が大きくなる。さらに、熱媒体自体も汚れるので循環させるのに力を要する。
この結果、例えば、使用開始から間もない時には、循環ポンプ9の回転数を落としても熱媒体を循環させることができたが、長期間の使用後では、循環ポンプ9の回転数を小さくしていくと、いままで循環してきたポンプ回転数(又は流量)であっても熱媒体を循環させることができなくなる(例えば水流が止まる)場合が生じる。
さらに、熱交換器の効率も、その径年変化によって低下するものであるが、その径年変化(経年劣化)の度合いが使用環境等により異なるので、効率の変化度合を一概には把握できないものである。なお、熱交換器に導入される熱媒体の入水温度が高いと効率が落ちる、といったことは知られているが、その程度は他の要因によっても影響されるために様々である。
そこで、本実施例においては、以下に述べる第1〜第3の動作を制御する運転制御手段を設け、熱媒体の循環環境の経年劣化の影響を軽微化しつつ、適切な暖房運転が行われるようにしている。
第1の動作は、暖房の運転開始時に行われるものである。本実施例では、例えば低温暖房端末としての温水マットが配設されている部屋の室温がリモコン装置により設定されている室温となるように熱媒体である温水を適宜の温度で温水マットに提供し、暖房を行う暖房運転モードの運転を行うが、この暖房運転モードの運転に先立って以下に述べる第1の動作を行うようにしている。つまり、本実施例では、暖房運転モードの運転に先立ち、該暖房運転モードでの温度よりも高温度の熱媒体を暖房用熱交換器11から供給して循環通路8を循環させることで熱媒体の粘度を下げるためのプレ運転モードの動作を予め定めた時間だけ行うという第1の動作を行う。
この第1の動作により行われるプレ運転モード動作においては、最初に暖房用熱交換器11から供給する前記熱媒体の温度を、例えば55℃以上85℃以下の温度範囲内の温度とするものであり、本実施例において、例えば80℃の温水を例えば約30分間、循環通路に循環させる(ホットダッシュ運転)。そして、熱媒体(本実施例では水)の粘度を下げる(安定させる)ことにより熱媒体の流量の演算を行いやすくして演算流量検出手段55により前記式(1)に基づいて演算流量を求める。このように第1の動作により熱媒体の粘度を小さくして演算流量を求めると、演算流量算出誤差を小さくできる。
第2の動作では、前記第1の動作後に、前記プレ運転モードの動作から前記暖房運転モードの動作に移行し、該暖房運転モードの運転において、暖房用熱交換器11から供給する熱媒体の温度を前記暖房運転モード用の温度に低下させ、温水マットを経由して暖房用熱交換器11に戻ってくる熱媒体の温度が該暖房用熱交換器11から供給される熱媒体の温度以下の予め定めた近傍温度まで上昇する毎に循環ポンプ9の回転数を段階的に低下させて行く動作を繰り返し行う。
また、第2の動作では、この繰り返し動作を行うと共に、循環ポンプ9の回転数を段階的に低下させる毎に、そのときのポンプ回転数を維持した状態で熱媒体の循環流量の演算値を演算流量として求める。この演算流量の算出は、演算流量算出手段55により前記のように式(1)に基づいて行われるものであり、演算流量算出手段55は、求めた演算流量の値をメモリ部56に加えるとともに、演算流量算出手段55により求めた演算流量と該演算流量形成時の循環ポンプ9の回転数との相関関係データを自動的に作成または更新し、その相関関係データもメモリ部56に加える。
なお、前記相関関係データの作成や更新は、以下のようなタイミングで行われる。つまり、例えば暖房運転が最初に行われるときに前記暫定データを更新し、かつ、暫定データにないデータがあるときにはデータを作成し、次回以降も、例えば毎回とか複数回に一度とか、あるいは例えば1週間といった予め定められた期間毎にとかといった、予め定められたタイミングで相関関係データの更新が行われる。なお、該タイミングにおいて、前記演算流量と該演算流量形成時の循環ポンプ9の回転数との相関関係が更新前の相関関係と同じ場合には同じ値に更新されるようにしてもよいし、前記相関関係が更新前の相関関係と異なるときにのみ更新が行われるようにしてもよい。
また、シスターン10はオーバーフロー通路66で大気開放状態となっており、かつ、熱媒体は使用開始から例えば10年、15年以上取り替えることなく使用され続けられるがゆえに、水補給用通路165から水の補給を受けるものの、埃、土等が侵入し、場合によっては、藻状の生成物が発生し粘性が変化する場合がある。すなわち、径年で熱媒体の粘性が変化しやすい。そこで、径年で変化する熱媒体の粘性に対応するために、必要に応じ、所定期間毎、所定回数毎に相関関係データをメモリ部56に格納することが好ましい。
第3の動作は、該第2の動作の動作中に水流スイッチ120から熱媒体の流れが無いことを示すオフ信号が発せられたときに、その水流スイッチオフ時点の循環ポンプ9の回転数を維持した状態で熱媒体循環の演算流量を求め、この求めた演算流量の値を前記水流スイッチオフ時の演算流量の値として記憶すると共に、以下のようにして校正される演算流量と循環ポンプ9の回転数に関連づけて、メモリ部56に格納するか、メモリ部56に既に格納されている時にはその値を更新するかする動作である。この動作において、循環ポンプ回転制御手段53が循環ポンプ9の回転数を維持した状態としつつ、演算流量算出手段55により演算流量の算出が行われ、メモリ部56に格納するようにする。
なお、実施例において、メモリ部56には、予め(例えば暖房熱源機が家庭等に配設される以前に)、水流スイッチ120から熱媒体の流れが無いことを示すオフ信号が発せられるときの熱媒体の循環流量の基準値(水流スイッチオフ時の循環流量基準値)が与えられている(例えば1リットル/分)。そして、第2の動作の動作中に水流スイッチ120から熱媒体の流れが無いことを示すオフ信号が発せられたときに演算流量算出手段55により算出される演算流量が、前記基準値に校正されるようにする。
つまり、演算流量算出手段55は前記のように演算流量を求め、メモリ部56に、その求めた演算流量の値を記憶する動作を行うが、その値の記憶と共に、前記水流スイッチオフ時の熱媒体の循環流量の基準値と水流スイッチ120がオフになったときの循環ポンプ9の回転数との相関データが格納される。すなわち、本実施例においては、水流スイッチオフ時の循環流量基準値は1リットル/分であるので、実際に水流スイッチ120がオフしたときの循環流量は1リットル/分であると推定されるが、演算流量の値は1リットル/分とは異なる値となる可能性がある。そこで、演算流量の値は値として記憶するが、このときの循環ポンプ9の回転数(例えばX回転;Xは自然数)における熱媒体の循環流量は1リットル/分であると記憶する(流量の校正(補正)を行って循環ポンプ9の回転数と流量との関係を校正する)。
つまり、前記第3の動作で、水流スイッチ120から熱媒体の流れが無いことを示すオフ信号が発せられたときに前記第2の動作で求められた前記安定した演算流量の値が、メモリ部56に格納されている前記循環流量の基準値と異なる場合には、例えば加熱効率の経年変化が要因で演算流量が基準値と異なる値となったことが考えられるので、前記のように水流スイッチ120がオフとなったときの演算流量を水流スイッチオフ時の基準流量に校正(補正)する。
また、この動作と共に、前記演算流量の値が前記循環流量の基準値から予め与えられる許容範囲内で基準値とは異なる値となって(ずれ込んで)、加熱効率が基準値(予め与えられている暖房用熱交換器11の加熱効率ηの値)に対して例えば±5%以内といった予め定められる加熱効率更新基準範囲内で変化したと推定されるときには、加熱効率更新手段57が、加熱効率の値の演算と更新とを以下のようにして行う。
なお、前記式(1)から、加熱効率ηは、式(2)で表すことができるものである。
η=Q・λ・s(Tout−Tin)/(α・A)・・・(2)
そこで、加熱効率更新手段57は、水流スイッチ120がオフしたときの演算流量から求められる加熱効率が例えば±5%以内といった予め定められる加熱効率更新基準範囲内で前記基準値とは異なる値となったときには、メモリ部56に格納されている加熱効率の値をその求めた加熱効率の値に更新する。
例えば水流スイッチ120のオフ流量が1リットル/分であるにもかかわらず、水流スイッチ120がオフした時の演算流量が1.05リットル/分といった値になった場合等には、加熱効率が±5%以内の範囲内で前記基準値とは異なる値となり、この場合は、径年変化による暖房用熱交換器11の熱効率が低下していると考えられるので、加熱効率の更新を行う。
なお、加熱効率が±5%以内の範囲内で前記基準値とは異なる値となるときに加熱効率の更新を行う代わりに、演算流量が水流スイッチオフ流量(ここでは1リットル/分)と予め定められた許容範囲(例えば±5%)で異なる値(1リットル/分との誤差が前記許容範囲内であるとき)のときに、径年変化による暖房用熱交換器11の加熱効率が低下していると考えて加熱効率の更新を行うようにしてもよい。
また、水流スイッチ120がオフした時の演算流量が前記許容範囲を超えて異なる値となった場合(例えば水流スイッチ120のオフ流量が1リットル/分であるにもかかわらず、演算流量が1.5リットル/分といった値になった場合等)には、例えば水流スイッチ120の支点に付着物がある可能性が高いので、まず、循環ポンプ9の回転数を高くして水流スイッチ120がオンとなるようにする。その後、循環ポンプ9の回転数を水流スイッチ120がオフとなる程度に小さくして、演算流量算出手段55による演算流量の演算をもう一度行う等し、その後の演算結果が前記熱媒体の循環流量の基準値と一致すれば加熱効率の更新は行わず、前記と同様に前記許容範囲内で異なる場合には、加熱効率更新手段57による加熱効率の値の演算と更新とを行う。
なお、式(1)から明らかなように、経年変化の影響として、加熱効率η、熱媒体の比重α、比熱sの変化の要因が考えられる。経年変化により比熱は下がり比重は上がる場合が多いが、その変化量を推測することは困難であり、本実施例では、加熱効率の変化が最も大きい要因と考えて、上記のように加熱効率更新手段57による加熱効率の演算と更新とを行うようにしている。
下限ポンプ回転数検出手段52は、循環ポンプ9の消費電力を検出する手段を備えており、この手段によって、暖房運転の終了時に循環ポンプ9の消費電力を検出する。そして、暖房運転の終了時に、運転制御手段58からの指令により燃焼制御手段82がバーナ装置5の燃焼を停止してから、循環ポンプ回転制御手段53によって循環ポンプ9の回転数を低下して行き、該循環ポンプ9が回転している状態時に、循環ポンプ9の消費電力が急激に減少変化したときには、循環ポンプ9が回転しているにもかかわらず熱媒体の流れが停止したものと判断し、そのときの循環ポンプの回転数を(循環ポンプ9の消費電力から求めて)下限ポンプ回転数として検出し、メモリ部56に格納記憶する。
運転制御手段58は、循環ポンプ回転制御手段53に指令を加え、次回からの暖房運転に際しては、循環ポンプ9の回転数を前記下限ポンプ回転数以下にしないようにする。
本実施例は以上のように構成されており、以下のような動作が行われる。まず、床暖房の運転をリモコン装置から指示(床暖房スイッチがオン)されると、循環ポンプ9を小さい回転数(水流スイッチ120がオンする程度の流量となる回転数)で駆動させる。ただし、帰還通路121に設けた開閉制御弁122を開いて帰還通路121を通る熱媒体の流量を多くして、管路59、水流スイッチ120、帰還通路121、循環ポンプ9と行った経路を繰り返し通る熱媒体の流量を多めとすることにより水流スイッチ120を作動させやすくし(循環ポンプ9の回転数は水流スイッチ120がオンする程度の流量となる回転数として)、循環ポンプ9が駆動していることを水流スイッチ120で確認する。
このように、本実施例では、循環ポンプ9の回転数が小さくても、開閉制御弁122を開状態として熱媒体を帰還通路121に通して循環させることにより、水流スイッチ120のオン流量の熱媒体を水流スイッチ120に流すことができるので、低消費電力で循環ポンプ9の駆動確認を達成できる。なお、このように、水流スイッチ120がオンして熱媒体の流れが確認できれば、その後、循環ポンプ9が作動していれば熱媒体の流れが止まることはまず無い。
また、本実施例では、前記のようにして開閉制御弁122を開くと同時に、低温暖房端末装置としての温水マットに熱媒体を供給するための熱動弁(図示せず)に通電すると共に、循環ポンプ9の消費電力(又は回転数)を監視し、前記熱動弁の状態変化を監視する。前記熱動弁への通電開始から例えば1分後に熱動弁がオンとなると、循環通路8への循環水量が増えるので、これを循環ポンプ9の消費電力(又は回転数)の検出により確認後、バーナ装置5の燃焼を開始する。
このバーナ装置5の燃焼開始と同時に、循環ポンプ9の回転数を上げて、帰還通路121に設けた開閉制御弁122を閉じても水流スイッチ120がオンのまま維持できるようにしてから開閉制御弁122を閉じてプレ運転モード動作(ホットダッシュ運転)を行う。このプレ運転動作では、例えば前記の如く30分間80℃の温水供給温度とすることで、熱媒体(水)の粘度を大きく下げるようにする(主にシスターン10内に発生する生物由来の生成物があっても、熱変性させ、熱媒体の成分を安定化させるようにする)。そして、プレ運転モード動作終了後には、暖房運転モードの動作に移行し、暖房用熱交換器11から供給する熱媒体の温度を前記暖房運転モード用の温度(例えば40℃〜60℃の範囲内の予め定めた温度)に低下させる。
暖房運転モードにおいては、低温暖房端末装置(温水マット)を経由して暖房用熱交換器11に戻ってくる熱媒体の温度を入側温度センサ77の検出温度を受信することより検知し、その温度が該暖房用熱交換器11から供給される熱媒体の温度(供給温水温度)以下の予め定めた近傍温度まで上昇する毎に、循環ポンプ9の回転数を段階的に低下させて行く動作を繰り返し行う動作を行う。
つまり、戻り温水温度が供給温水温度に近づいてくるまでは循環ポンプ9の回転数をそのまま維持した状態で暖房を行い、戻り温水温度が供給温水温度に近づくと熱効率が低下するので該熱効率低下を防ぐために、循環ポンプ9の回転数を予め定めた設定回転数だけ小さくし、低温暖房端末装置(温水マット)に供給する熱量を下げる。このように、循環ポンプ9の回転数を落とす(小さくする)と、戻り温水温度と供給温水温度との差が開いて高効率で温水を供給することができる。
そして、このように、循環ポンプ9の回転数を前記設定回転数だけ小さくしては、その回転数を維持したまま熱媒体(水)を暖房用熱交換器11に通して循環通路8を循環させる動作を繰り返し行うことで、熱効率を向上させながら、熱媒体の循環流量と前記時定数および熱効率を演算する動作を行う。
図3には、本実施例において、暖房運転時の循環ポンプ9の回転制御例と循環流量が模式的なグラフにより示されている。例えば60℃の温水を温水マットに供給すると、図3(a)に示されるように、温水マットで放熱して暖房用熱交換器11に戻ってくる温水の温度(入側温度センサ77により検出される暖房の戻り温度)が、時間が経つにつれて上昇してきて、例えば60℃といった前記供給温度(出側温度検出センサ40により検出される暖房の往き温度)に近づいてくる(図のt1、参照)。
本実施例では、運転制御手段58が入側温度センサ77と出側温度センサ40のそれぞれの検出温度を時々刻々と(あるいは、予め定められた間隔毎といったような予め定められたタイミングで)取り込み、例えば図のt1の時間における図3(a)の温度データに示すように、入側温度センサ77により検出される暖房の戻り温度が出側温度センサ40により検出される暖房の往き温度に近づいたら(例えば入側温度センサ77の検出温度と出側温度センサ40の検出温度との差が予め定められる基準温度範囲内になったら)、図3(b)に示されるように、循環ポンプ9の回転数を循環ポンプ回転制御手段53により下げて暖房を継続する。なお、図3(b)に示される流量は、演算流量算出手段55により算出される温水循環流量であり、実際の温水循環流量に相当する値である。
そうすると、温水マットに供給されて温水マットの温水パイプ内を通る温水の流量が小さくなることから、温水は温水マットでゆっくりと時間をかけて放熱してから暖房用熱交換器11側に戻ってくるので、その戻り温度(入側温度センサ77の検出温度)は、図3(a)に示されるように低下する。
ただし、温水マットでの温水の熱の放熱により、温水マットが配設されている部屋の温度が上昇していく(部屋が温水マットによる床暖房により暖められる)ため、図3(a)に示されるように、入側温度センサ77により検出される暖房の戻り温度が再び上昇してきて、出側温度センサ40により検出される暖房の往き温度(前記供給温度)に近づいてくる(図のt2、参照)。
そこで、本実施例では、図3(b)に示されるように、循環ポンプ回転制御手段53により循環ポンプ9の回転数をさらに下げて暖房運転を継続する。そうすると、この制御によって、前記の如く、温水マットに供給されて温水マットの温水パイプ内を通る温水の流量が小さくなって、図3(a)に示されるように、温水マットで放熱して暖房用熱交換器11に戻ってくる温水の温度(入側温度センサ77により検出される暖房の戻り温度)が低下するが、温水マットが配設されている部屋の温度が上昇していって、入側温度センサ77により検出される暖房の戻り温度が再び上昇し、出側温度センサ40により検出される暖房の往き温度に近づいてくる。
そこで、本実施例では、さらに循環ポンプ9の回転数をさらに下げて暖房運転を継続し、その後、入側温度センサ77により検出される暖房の戻り温度が再び上昇してきて出側温度センサ40により検出される暖房の往き温度に近づいてきたら更に循環ポンプ9の回転数をさらに下げて暖房運転を継続する、といった動作を繰り返していく。すなわち、熱媒体の循環流量を一定に流していると部屋(床)が温まり、それにつれて、部屋側での放熱が徐々に小さくなるので、戻り温度が高くなる。戻り温度の上昇によりバーナ装置5に送り込まれる燃料(例えばガス)は下がり、燃焼量は下がっていく。
このように、本実施例では、温水マットに供給する温水の流量を適宜調節制御することにより、従来のように暖房運転のオンオフを繰り返し行うことなく、循環通路8を循環させる循環流量を徐々に小さくしていくことで、高断熱の部屋で高効率の温水マットを用いて快適な暖房を行うことができる。
なお、図3(b)に示されるように、上記のような循環ポンプ9の回転数制御を行って循環通路8を通る温水の流量を徐々に小さくしていくと、水流スイッチ120のオフ流量程度に流量が小さくなる(図のtoff、参照)。なお、水流スイッチ120のオフ流量とは、前記の如く水流スイッチ120が水流によりオフする流量であり、本実施例では例えば1.0リットル/分である。このように演算流量が水流スイッチ120のオフ流量となったら、まず、その時の循環ポンプ9の回転数を維持して、演算流量算出手段55により求められる演算流量が安定する時定数を時定数検出手段54により求める。
この時定数の算出は、例えば安定するまでの時間に関わる関数を最小二乗法等で求めるものであり、時定数検出手段54は、最初の暖房運転時には求めた値をメモリ部56に格納する。なお、2回目以降の暖房運転時には求めた値とメモリ部56に格納されているデータ(例えば前回の暖房運転時の値)との差異を比較、確認して、この差異が予め定めた許容範囲内であるときには、メモリ部56に格納されているデータ(値)を求めた値に更新する。
演算流量は、前記式(1)により求められるものであって、出側温度センサ40により検出される検出温度(暖房用熱交換器11の出口から出る熱媒体の温度)Toutとの温度差Tout−Tinの項を含むので、フィードバック量の演算となり、循環通路8を循環する熱媒体の流量が多いほど早く安定し、流量が少ないほど演算結果が一定量となるまで時間を要する。つまり、循環通路8を循環する熱媒体の流量が少ないほど前記時定数は大きくなる。
演算流量検出手段55は、水流スイッチオフ時の演算流量が安定したら、その値をメモリ部56に記憶すると共に、前記の如く予め格納されている水流スイッチ120のオフ流量(前記基準値)と一致させる。そして、水流スイッチオフ時の演算流量が水流スイッチオフ流量と一致するように、加熱効率更新手段57により加熱効率の値を更新し、演算流量算出手段55は、更新された加熱効率の値を用いて演算流量を求めていく。一方、時定数検出手段54が、このときに演算流量が安定するまでにかかる時定数を逐次求め、時定数の値が変化したら新たな時定数の値に更新する。
本実施例では、このような動作を繰り返して循環ポンプ9の回転数を段階的に小さくしていくことにより、低温暖房端末装置としての温水マットに供給する熱量を下げると共に、循環ポンプ9の回転数を変化させる毎の(小さくする毎の)、循環ポンプ9の回転数と演算流量との関係および前記時定数の値を記憶しておく。
なお、前記の如く、水流スイッチ120がオフした時の演算流量が許容範囲を超えて異なる値となった場合(例えば水流スイッチ120のオフ流量が1リットル/分であるにもかかわらず、演算流量が1.5リットル/分といった値になった場合等)には、例えば水流スイッチ120の支点に付着物がある可能性が高いので、例えば循環ポンプ9の回転数を高くして水流スイッチ120がオンとなるようにし、その後、循環ポンプ9の回転数を水流スイッチ120がオフとなる程度に小さくして、もう一度演算流量の演算を行う。
また、時定数の演算結果が、メモリ部56に格納されているデータ(時定数の値)と整合性が取れない場合には(例えば時定数の演算結果がメモリ部56に格納されている時定数の値よりも小さい場合には)、熱媒体の径年劣化による比熱の変化と推定されるので、熱媒体(暖房用の水)の比熱の更新を行う(1以下に更新する)と共に、メモリ部56に格納されている時定数の値を時定数の変化に対応させて更新する。
それというのは、熱媒体である水が径年劣化で汚れると、比重が増加して水流スイッチ120のオフ流量が若干下がり、比熱が小さくなって演算流量が若干大きくなるものであり、そうなると、時定数の演算結果(演算値)と格納されている時定数の値との差異が大きくなる。そこで、前記のように例えば時定数の演算結果が小さく整合性が取れない場合には時定数を小さくする方向に補正し、メモリ部56に格納する時定数の値を更新するとよい。
なお、水流スイッチ120の支点に付着物が付着する等して演算流量の値が格納データと異なるのか、暖房用熱交換器11の熱効率が低下して演算流量の値が格納データと異なるのかの判断は、例えば熱効率データの更新履歴を参照し、特異点である場合に、水流スイッチ120の支点への付着物の付着等と判断する。
さらに、本実施例では、前記のような循環ポンプ9の回転数を段階的に小さくしていく動作を繰り返していくが、循環ポンプ回転制御手段53による循環ポンプ9の回転数の制御において、その回転数を前記下限ポンプ回転数以下にはしないようにする。この下限ポンプ回転数は、前記の如く、暖房運転の終了時に、下限ポンプ回転数検出手段52により検出されるものであり、温水マットによる床暖房の使用終了時(リモコン装置のオフ等=非燃焼)に循環ポンプ9の回転数を下げ、循環ポンプ9が回転しているにもかかわらず循環流量がゼロとなる(循環ポン9の消費電力が急降下する)点((図3のTE、参照)を求めて、その点における循環ポンプ9の回転数を下限ポンプ回転数とするものである。
この動作は暖房運転が行われる毎に必ず行い、下限ポンプ回転数の値を更新する。それというのは、下限ポンプ回転数は径年使用で上昇するので、常に暖房熱源機の状態に対応する下限ポンプ回転数を求めていき、循環ポンプ9の回転数がその下限ポンプ回転数以下には絶対にならないようにして、空焚き等の危険を回避するためである。
本実施例は以上のように構成されており、戻り通路には、水流スイッチ120の下流側部位と循環ポンプ9の上流側部位とを接続する帰還通路121を設けて、循環ポンプ9の駆動によって熱媒体(温水)の循環通路に熱媒体を流したときに、その温水を分流帰還させることで、水流スイッチ120を通る流量を大きくできるので、安価な水流スイッチ120を用いても流水検知の確度を高くできる。
特に、本実施例では、熱媒体の循環流量制御に際し、前記第1の動作によって、暖房の運転開始時に、暖房運転モードでの運転に先立って、プレ運転モードの動作を行って熱媒体の温度を高めて流すことにより、循環通路8を循環させる熱媒体の粘度を大きく下げることができて、熱媒体が循環通路8を流れやすくなるようにできるために、循環流量の演算を行いやすくできる。
そして、第1の動作後の第2の動作によって暖房用熱交換器11から供給する熱媒体の温度を暖房運転モード用の温度に低下させ、温水マットを経由して暖房用熱交換器11に戻ってくる熱媒体の温度が該暖房用熱交換器11から供給される熱媒体の温度以下の予め定めた近傍温度まで上昇する毎に、循環ポンプ9の回転数を段階的に低下させて行く動作を繰り返し行うことにより、熱媒体の流量を適切な流量として、良好な暖房を行うことができる。
つまり、本実施例によれば、上記構成によって暖房端末装置に供給しながら循環させる水(温水)の循環流量を的確に制御して、非常に少ない流量とすることができ、その非常に少ない循環流量の熱媒体によって、温水マットが配設されている部屋の室温を利用者が設定した設定温度の室温に近い温度にできるようにでき、快適で省エネ化が可能な暖房を行える暖房熱源機を供給できる。
なお、本実施例では、前記の如く、演算流量算出手段55が暖房用熱交換器11を通過する熱媒体循環の演算流量を演算により求める際、循環ポンプ9の回転数を小さくしていって水流スイッチ120がオフしたときに、そのときに算出される演算流量と水流スイッチオフ流量を一致(マッチング)させることで演算流量を校正するので、たとえ循環ポンプ9が劣化して、循環ポンプ9の回転数と熱媒体の循環流量との関係が初期の頃と異なる関係となっても、演算流量を求める精度を向上させることができる。
つまり、本実施例によれば、前記第3の動作で、水流スイッチ120から熱媒体の流れが無いことを示すオフ信号が発せられたときの動作で求められた前記安定した演算流量の値が、前記循環流量の基準値から予め与えられる範囲内で異なる値のときには、加熱効率更新手段57が前記の如く暖房用熱交換器11の加熱効率を求め、予め与えられている以前の加熱効率の値をその求めた加熱効率の値に更新するので、経年劣化等によって加熱効率が変化した場合に対応させて加熱効率を適切な値に更新できる。そして、その適切な値の加熱効率を用いて演算流量を適切に求めることができる。
さらに、本実施例では、前記第3の動作によって、水流スイッチ120がオフしたときに演算される演算流量が安定する時定数を求め、水流スイッチオフ時以降は前記時定数経過以降で演算流量が安定したときに演算される値を演算流量とし、この演算流量と循環ポンプ9の回転数との相関関係データを作成または更新してメモリ部56に格納することにより、的確な相関関係データをメモリ部56に格納できる。
特に、循環流量が小さい領域においては、循環流量制御を的確に行えないと、空焚きや熱媒体の加熱しすぎといった支障が生じるおそれがある。つまり、ガス比例弁18の開弁量は、出側温度センサ40の温度に基づいて前記の如くフィードバック制御されるが、循環流量が小さくなればなるほどフィードバック制御によるガス比例弁18の開弁量のタイミングが遅くなり、暖房用熱交換器11内では沸騰しているにもかかわらず出側温度センサ40付近の管路内の温度がまだ低いことから出側温度センサ40の温度に基づくガス比例弁18の開弁量制御が遅れ、暖房用熱交換器11をバーナ装置5により加熱しすぎてしまうといった支障が生じやすい。
それに対し、本実施例では、その熱媒体流量制御が特に重要な領域において、暖房用熱交換器11の熱媒体通過流量が低流量になればなるほど大きくなる時定数に基づき、前記熱媒体通過流量が低流量になればなるほどその流量演算に時間をかけるようにするので、熱媒体通過流量を演算により正確に求めることができ、演算流量と循環ポンプ9の回転数との的確な相関関係データを得ることができる。
以上のように、本実施例によれば、時定数検出手段54によって、循環ポンプ9の回転数が低下される毎に時々刻々演算される演算流量の値が安定するまでの時間である時定数を求め、この時定数検出手段54により求めた時定数の時間経過後に得られる安定した演算流量の値を前記演算流量として使用し、かつ、水流スイッチオフ時の演算流量の校正を行うので、安定した適切な演算流量の値を使用することができる。なお、本実施例では、前記安定した演算流量と、該演算流量とそれを求めるときの時定数とが関連づけてメモリ部56に格納されることにより、演算流量と時定数との関連のデータも必要に応じて利用することができる。
そして、前記のようにして的確に求めた演算流量と循環ポンプ9の回転数との相関関係データに基き、循環ポンプ回転制御手段53が、暖房用熱交換器11を通して循環通路8を流れる熱媒体の循環流量を前記演算流量に代替し、循環ポンプ9の回転数によって制御するので、たとえ循環ポンプ9が経年変化等により劣化して循環ポンプ9の回転数や消費電力と熱媒体通過流量との関係が元々の関係とは異なったものとなってしまっても、熱媒体の粘度等が経年変化等により変化して演算により熱媒体通過流量を求める際の演算誤差が生じやすい状況であっても、低流量時における流量を演算により正確に求めることができ、演算流量に基づいて熱媒体の循環流量を的確に制御できる。
さらに、本実施例では、低温暖房端末装置(温水マット)に供給する熱媒体の熱量を小さくできることで、低温暖房端末装置を通って放熱されて暖房用熱交換器11に戻ってくる戻り温度(暖房用熱交換器11の入口側の温度)を低くすることができるために、熱効率を高くでき、暖房熱源機の効率や、この暖房熱源機を設けて形成されるやシステム全体の効率を上げることができ、省エネ化を可能とすることができる。
なお、本実施例において、水流スイッチ120がオフした直後は、演算流量の算出が行われておらず(演算流量値が安定していない状態のために、値が決定されておらず)、演算流量と水流スイッチオフ流量とをマッチングさせることにより演算流量を校正する動作が行われていない状態であるが、この不安定な状態では、前記の如く、循環ポンプ9の回転数を水流スイッチ120がオフしたときの回転数のまま維持した状態として循環流量を可変させず、演算流量の校正を済ませてから、ポンプの回転数を下げるようにしているので、バーナ装置5の燃焼を維持したまま循環流量を小さくしすぎて支障が生じるといったことを防ぐことができる。
さらに、本実施例によれば、下限ポンプ回転数検出手段52が、暖房運転の終了時に循環ポンプ9の消費電力を検出し、バーナ装置5の燃焼が停止されてからの循環ポンプ9の回転数の変化(消費電力の変化)に応じて、循環ポンプ9が回転しているにも拘らず熱媒体の流れが停止したときの循環ポンプ9の回転数を下限ポンプ回転数としてメモリ部56に格納記憶するので、下限ポンプ回転数を安全に検出できる。
そして、運転制御手段58が循環ポンプ回転制御手段53に指令を加え、前記メモリ部56への循環ポンプ9の回転数を下限ポンプ回転数格納情報に基づき、次回からの暖房運転に際しては、循環ポンプ9の回転数を前記下限ポンプ回転数以下にしないようにするので、安全に暖房運転を行うことができる。
つまり、本実施例では、メモリ部56に格納記憶されている下限ポンプ回転数に基づき、循環ポンプ9の消費電力が、前記下限ポンプ回転数に対応する消費電力値以下にならないように、循環ポンプ回転数制御手段53が循環ポンプ9の回転制御を行うので、循環ポンプ9が回転しているにも拘らず熱媒体の流れが停止してしまうといった状態にならないようにすることができ、流れが止まった状態においての暖房運転(空焚き現象)を回避できるため、適切な暖房運転を実行することができる。
なお、本実施例では、前記の如く、第1の動作としてホットダッシュ運転を30分間行うようにしており、この動作によって熱媒体の粘度を下げることにより熱媒体の流量の演算を行いやすくしており、このような動作を行うことが望ましいが、たとえホットダッシュ運転が短い場合やホットダッシュ運転を行わない場合であっても、前記の如く暖房用熱交換器11の熱媒体通過流量の演算結果が安定する時定数を求めて流量を算出することにより熱媒体通過流量を正確に演算して熱媒体の循環流量を低流量で的確に制御できる。
図5には、本発明に係る暖房熱源機の第2実施例のシステム構成が模式的に示されている。なお、以下の各実施例の説明において、前記第1実施例と同様の構成については、その重複説明は省略または簡略化する。同図に示されるように、本実施例の暖房熱源機は、前記第1実施例とほぼ同様に構成されており、第2実施例が第1実施例と異なる特徴的な構成は、暖房用熱交換器11が、バーナ装置5の燃焼ガスの顕熱を利用して循環熱媒体を加熱する一次熱交換器11aに加え、前記燃焼ガスの主に潜熱を利用して前記循環熱媒体を加熱する潜熱回収用熱交換器11bを有し、一次熱交換器11aと潜熱回収用熱交換器11bとが接続一体化されて形成されていることである。
つまり、第2実施例では、一次熱交換器11aと潜熱回収用熱交換器11bとが直列に接続された一つの暖房用熱交換器11が形成されている。そして、潜熱回収用熱交換器11bの入口は循環通路8の戻り通路の管路59に接続され、潜熱回収用熱交換器11bの出口は一次熱交換器11aの入口に接続され、該一次熱交換器11aの出口は循環通路8の往通路(低温暖房用往通路63)に接続されている。なお、第2実施例でも、前記第1実施例と同様に、図1(b)に示したような開閉制御弁122が帰還通路121に設けられているが、図2においては、開閉制御弁122の図示を省略しており、図10に示した暖房熱源機と同様にドレンの回収手段も省略している。
従来、図9に示したような暖房熱源機の構成に加え、潜熱回収用熱交換器11bを有する構成とする場合には、図10に示したような構成となってシステム構成(配管)が複雑となってしまうが、本発明では、第2実施例と図1(a)に示した第1実施例とを比較すると明らかなように、一次熱交換器11aと潜熱回収用熱交換器11bとが一体化されたることで、システム構成が簡単で、暖房用熱源機を製造しやすい。そのため、効率アップしながら従来例の構成に比べてコストダウンも図れる優れた暖房熱源機を形成できる。
図6には、本発明に係る暖房熱源機の第3実施例のシステム構成が模式的に示されている。第3実施例の暖房熱源機は、低温暖房端末装置71に熱媒体としての水(温水)を供給する構成に加え、高温暖房端末装置70にも熱媒体を供給する構成を有している。燃焼室100内には、2つの暖房用のバーナ装置5(5a,5b)が設けられ、バーナ装置5aが低温暖房端末装置71に供給される熱媒体を加熱し、バーナ装置5bが高温暖房端末装置70に供給される熱媒体を加熱する。また、第3実施例は給湯機能を有しており、燃焼室100内には給湯用のバーナ装置2(2a,2b,2c)も設けられている。
第3実施例において、低温暖房端末装置71は温水マットであり、高温暖房端末装置70は例えば浴室乾燥機やファンコンベクターであり、これらの低温暖房端末装置71と高温暖房端末装置70とに熱媒体を供給するために、第3実施例では低温暖房端末装置71を通る熱媒体の経路と高温暖房端末装置70を通る熱媒体の経路とを別々に形成されている。つまり、第3実施例の暖房熱源機は、2つのシスターン10,130と2つの循環ポンプ9,129を有し、それぞれの経路を形成する管路が設けられている。
具体的には、低温暖房端末装置(温水マット)71には、矢印Aに示されるように、暖房用熱交換器11の潜熱回収用熱交換器11bと一次熱交換器11aとを順に通った熱媒体が、管路63を通り、熱動弁48を介し、ケース80の外部の管路73を通って供給される。また、低温暖房端末装置71を通って放熱した熱媒体は、ケース80の外部の管路173、液体合流手段174、ケース80の外部の管路75を順に通ってケース80内に戻り、管路61を通ってシスターン10に導入される。
そして、シスターン10を通った熱媒体は、管路62、循環ポンプ9、管路59を通り、その一部が必要に応じて帰還通路121を通されて残りが潜熱回収用熱交換器11bに導入され、さらに、潜熱回収用熱交換器11bから一次熱交換器11aに導入され、前記と同様の経路で循環することになる。また、帰還通路121に導入された熱媒体は、第1、第2実施例と同様に、循環ポンプ9に戻って循環ポンプ9を通り、管路59に導入されて水流スイッチ120を通ることになる。なお、熱動弁48は、循環通路8の器具ケース80内の通路と外部通路73との接続を選択的に切り替える弁であり、この弁の開閉により低温暖房端末装置71への熱媒体の供給が適宜制御される。
一方、高温暖房端末装置(例えば浴室乾燥機等)側においては、矢印Bに示されるように、高温側の暖房用熱交換器11(11c)を通った熱媒体が、高温暖房用往通路64、ケース80の外部の管路72を通って供給され、高温暖房端末装置70を通って放熱される。この放熱後、熱媒体(温水)は、ケース80の外部の管路172、液体合流手段174、ケース80の外部の管路74を順に通って戻って管路161を通り、シスターン130に導入される。シスターン130に導入された熱媒体は、管路162、循環ポンプ129、管路159を通って暖房用熱交換器11cに戻る。
なお、第3実施例において、高温側の暖房用熱交換器11cは、暖房用のバーナ装置5bの顕熱を回収する熱交換器であり、暖房用熱交換器11cには潜熱回収用熱交換器は接続されていない。それというのは、高温暖房端末装置70により放熱されて暖房用熱交換器11c側に戻ってくる熱媒体の温度は、低温暖房端末装置71により放熱されて暖房用熱交換器11側に戻ってくる熱媒体の温度よりも高めであるため、潜熱回収用熱交換器を設けることにより高効率化を十分に図ることができない。そのため、第3実施例では、敢えて潜熱回収用熱交換器を設けずに、システムの簡略化の効果を図っている。
また、第3実施例において、液体合流手段174には仕切りが内蔵され、高温暖房端末装置70から戻ってくる熱媒体の経路は液体合流手段174を通って管路74側に導入され、管路161側に導入されるようになっており、低温暖房端末装置71から戻ってくる熱媒体の経路は液体合流手段174を通って管路75側に導入され、管路61側に導入されるようになっており、高温暖房端末装置70を通って循環する熱媒体の経路と低温暖房端末装置71を通って循環する熱媒体の経路とが実質的に分離されている。
このようにすることで、循環通路8のうち低温暖房端末装置71としての温水マットを通って循環する熱媒体の経路には温水マット以外の他の暖房端末装置が接続されていないので、前記第1、第2実施例と同様に、温水マットを通って循環する熱媒体の経路には暖房端末装置内の構成に起因する不純物が循環する熱媒体に混入して藻状生成物が発生するといったおそれがなく、藻状生成物が水流スイッチ120の支点に絡みついて水流スイッチ120の故障が生じるといった不具合を防止できる。
ところで、第3実施例では、給湯側の構成や、給湯熱交換器と暖房用熱交換器との配置構成も特有の構成を有している。以下、その構成および効果について簡単に述べる。第3実施例において、給湯用のバーナ装置2は複数のバーナ装置2a,2b,2cを有し、バーナ装置2aの燃焼面とバーナ装置2bの燃焼面とバーナ装置2cの燃焼面によって区分される態様で形成された区分燃焼面を有している。
また、暖房熱源機には、給湯用のバーナ装置2に要求される燃焼能力が一段アップする毎に前記区分燃焼面を予め定められた順番(バーナ装置2a,2b,2cの順)で選択的に順次追加燃焼させる燃焼制御手段(図示せず)が設けられている。燃焼ファン15は、給湯用のバーナ装置2と暖房用のバーナ装置5の下方側に設けられている。
また、第3実施例においては、暖房用熱交換器11cを加熱する暖房用のバーナ装置5(5b)と給湯用のバーナ装置2との上側に、給湯と暖房の複合熱交換器1が設けられている。この複合熱交換器1は、メインの給湯熱交換器を形成する給湯用の液体流通管路13のみが配設された一種管路配設部(一種流路配設部)111と、給湯用の液体流通管路13が暖房用の液体流通管路12によって上下に挟まれる態様で互いに接して配設された二種管路配設部112とを有しており(図7、参照)、二種管路配設部(二種流路配設部)112と一種管路配設部111とは隣り合わせに配設されている。
このように、第3実施例では、複合熱交換器1の二種管路配設部112がメインの給湯熱交換器の液体流通管路13を暖房用熱交換器の液体流通管路12によって上下に挟む態様で互いに接して配設された構成と成して、この構成の二種管路配設部112が複合熱交換器1の一部と成している。二種管路配設部112の下方側には、二種管路配設部112を加熱するための暖房用のバーナ装置5bが設けられ、二種管路配設部112の液体流通管路12,13は共通(1つ)のバーナ装置(暖房用のバーナ装置5b)により加熱される構成と成している。
一方、一種管路配設部111の下方側には、該一種管路配設部111を加熱するための給湯用のバーナ装置2が配設されているが、図7に示されるように、二種管路配設部112において一種管路配設部111に隣接する側の一部分に配設されている液体流通管路12,13が、給湯用のバーナ装置2の上方側にはみ出す態様で配設されている。
第3実施例では、この構成によって、暖房用のバーナ装置5のみの燃焼時に暖房用のバーナ装置5の燃焼ガスが一種管路配設部111側に広がっても、その広がり部分には給湯用のバーナ装置2の上方側にはみ出す態様で配設された二種管路配設部112の液体流通管路12,13が配設されているので、広がった燃焼ガスによって加熱されるのは、この二種管路配設部112の液体流通管路12,13となる。
そして、二種管路配設部112は、暖房用の液体流通管路12によって給湯用の液体流通管路13を上下に挟む態様で配設されているので、暖房用のバーナ装置5の燃焼ガスの広がりによって加熱されるのは、給湯用の液体流通管路13の下側に配設されている暖房用の液体流通管路12である。したがって、一種管路配設部111側に配設されている給湯用の液体流通管路13が暖房単独運転時に暖房用のバーナ装置5によって加熱されてしまうことを防ぐことができ、一種管路配設部111側に配設されている給湯用の液体流通管路13内に滞留している水等の熱媒体が沸騰してしまうことを抑制できる。
複合熱交換器1はフィン43を有しており、このフィン43は、給湯用のバーナ装置2と暖房用のバーナ装置5bの上側に立ち上がる態様で設けられて、図7の紙面に垂直な方向に(図6では左右方向に)互いに間隔を介して複数配設されており、図7に示されているように、各フィン43の面方向が給湯用のバーナ装置2a,2b,2cの配列方向とは直交(または略直交)する方向となるような態様と成している。
一種管路配設部111の液体流通管路13と二種管路配設部112の液体流通管路12,13は共に、これらの複数の共通のフィン43に形成された対応する管路挿入孔103,104に挿入され(液体流通管路13は管路挿入孔103に、液体流通管路12は管路挿入孔104に挿入され)ており、複合熱交換器1をこのような態様に形成すると非常に製造しやすい。
また、二種管路配設部112において、上下方向に配設される3つの管路(暖房用の液体流通管路12と給湯用の液体流通管路13)のうち、真ん中の管路を、低温の水が導入される液体流通管路13とすることにより、以下の効果を奏することができる。
つまり、二種管路配設部112における暖房用の液体流通管路12と給湯用の液体流通管路13の配列態様によって、暖房用の液体流通管路12の吸熱量と給湯用の液体流通管路13側の吸熱量とに違いが生じ、二種管路配設部112において上下方向の真ん中の管路を給湯用の液体流通管路13として互いに接する態様で設けることにより、給湯用の液体流通管路13の1本あたりの吸熱量を高くできる構成と成している。
なお、図6はシステム図であるために、図7の態様と異なるように示されているが、実際には図7に示される断面構成図のような態様で一種管路配設部111の液体流通管路13と二種管路配設部112の液体流通管路12,13等が配設されている。ただし、図7も模式的な構成図であるために、液体流通管路12,13等の本数等は正確に示されているとは限らず、液体流通管路12,13の本数や配設間隔等は図7に示されるものに限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
第3実施例において、メインの給湯熱交換器を形成する給湯用の液体流通管路13には、その下部側に配置されたバーナ装置2(2a,2b,2c)とバーナ装置5bの燃焼ガスの潜熱を回収する潜熱回収用の給湯熱交換器4が接続されている。なお、この潜熱回収用の給湯熱交換器4は、熱交換器を形成する液体流通管路を通る熱媒体(ここでは水)によりバーナ装置2の燃焼ガスの潜熱を回収するものであるが、潜熱回収用の給湯熱交換器4はバーナ装置2の燃焼ガスの潜熱のみならず顕熱も回収する。
図8(a)、(b)に示されるように、第3実施例において、給湯用のバーナ装置2(2a,2b,2c)は、複数の炎口110が長手方向に沿って配列配置された炎口列を一列以上(ここでは一列)配設して成る燃焼面を備えたバーナ107が、前記炎口列と直交する方向に並ぶ態様で複数配置されて形成されている。バーナ装置2aは4本のバーナ107によって形成され、バーナ装置2bは3本のバーナ107によって形成され、バーナ装置2cは6本のバーナ107によって形成されている。したがって、それぞれのバーナ装置2a,2b,2cの燃焼面により形成される区分燃焼面の面積比はおおよそ、4:3:6と成している。
暖房用のバーナ装置5bは、給湯用のバーナ装置2を形成するバーナ107と同方向に炎口110を配列配置したバーナ109を9本配置して形成されている。なお、図8には図示されていないが、暖房用のバーナ装置5aも暖房用バーナ5bと同様に炎口110を配列配置したバーナ109を、2本配置して形成されている。
第3実施例において、給湯用のバーナ装置2にも、図6に示されるガス供給通路16を通して燃料ガスが供給されるものであり、図6の図中、符号14はガス電磁弁を示す。
また、図6と図7とを共に参照すると分かるように、給湯用バーナ装置2(2a,2b,2c)および暖房用のバーナ装置5bの各燃焼面の上側に設けられている複合熱交換器1の給湯用の液体流通管路13と複合熱交換器1の暖房用の液体流通管路12は、これらの液体流通管路12,13の下方側に配設されている対応する暖房用のバーナ装置5bと給湯用のバーナ装置2(2a,2b,2c)の炎口110の列と平行または略平行に伸長した管路部位を有して配設されている。潜熱回収用の給湯熱交換器4と潜熱回収用の潜熱回収用熱交換器11bの液体流通管路もバーナ装置2,5bの炎口110の列と平行または略平行に伸長した管路部位を有して配設されており、潜熱回収用の給湯熱交換器4と潜熱回収用の潜熱回収用熱交換器11bの液体流通管路は、全体としては両方のバーナ装置2,5bの上面側に配設されている。
さらに、第3実施例では、図6、図7に示されるように、一種管路配設部111の下方側に給湯用のバーナ装置2が配設され、二種管路配設部112の下方側には、暖房用のバーナ装置5bが配設されているが、二種管路配設部112の一種管路配設部111に隣接する側の一部分に配設されている液体流通管路12,13が、給湯用のバーナ装置2の上方側にはみ出す態様で配設されているので、二種管路配設部112の下方側に配設されている暖房用のバーナ装置5bが単独で燃焼する際に、その燃焼ガスが一種管路配設部111側にも広がっても、その広がった燃焼ガスによって加熱されるのは、はみ出し配設された液体流通管路12,13となる。
そして、二種管路配設部112は、暖房用の液体流通管路12によって給湯用の液体流通管路13を上下に挟む態様で配設されているので、暖房用のバーナ装置5bの燃焼ガスの広がりによって加熱されるのは、給湯用の液体流通管路13の下側に配設されている暖房用の液体流通管路12である。したがって、一種管路配設部111側に配設されている給湯用の液体流通管路13が暖房単独運転時に暖房用のバーナ装置5によって加熱されてしまうことを防ぐことができ、一種管路配設部111側に配設されている給湯用の液体流通管路13内に滞留している水等の熱媒体が沸騰してしまうことを抑制できる。
そのため、例えば高温暖房端末装置に高温の熱媒体を供給するための暖房単独運転時(給湯用のバーナ装置2を停止して暖房用のバーナ装置5bのみを燃焼させ、給湯用の液体流通管路13内の熱媒体の流通は停止している場合)に連続して暖房用のバーナ装置5bを燃焼させることができる。なお、仮に暖房単独運転時に暖房用のバーナ装置b5のオンとオフとを繰り返す間欠運転を行う場合でも、燃焼オフの時間を短くできるので、暖房能力の向上を図ることができる。また、暖房用のバーナ装置5bの上方側空間と給湯用のバーナ装置2の上方側空間との間に仕切りを設ける構成と異なり、構造を簡略化でき、部品点数も少なくできるのでコストも安くできる。
なお、第3実施例に適用されている複合熱交換器1において、一種管路配設部111の下方側に配設されている給湯用のバーナ装置2のみが燃焼する際に、給湯側のバーナ装置2の燃焼ガスの体積が膨張して燃焼ガスが二種管路配設部112側にも広がり、給湯用のバーナ2の上側にはみ出し配設されている暖房用の液体流通管路12や、そのはみ出し配設されている暖房用の液体流通管路12に隣接する暖房用の液体流通管路12も給湯用のバーナ装置2の燃焼ガスにより加熱される。
そのため、それらの暖房用の液体流通管路12に滞留している液体の熱媒体が給湯用のバーナ装置2の燃焼ガスによって加熱されることになるが、二種管路配設部112側には、給湯用の液体流通管路13が暖房用の液体流通管路12に挟まれて設けられているので、この給湯用の液体流通管路13を通る水によって暖房用の液体流通管路12内の熱媒体の熱が放熱されることから、暖房用の液体流通管路12に滞留している熱媒体が沸騰することを防ぐことができる。
さらに、複合熱交換器1の二種管路配設部112における最下段(最下位置)の通路は暖房用の液体流通管路12であり、この管路を流れる液体(熱媒体)は、加熱されて循環されている状態であれば温かく、また、その循環が停止されていても、給水側から冷たい水が導入される給湯用の液体流通管路13のように冷たい状態であることは殆どないことから、複合熱交換器1の液体流通管路12に結露が発生することを防止できる。
なお、第3実施例において、前記給湯回路45は、図6に示されるように、潜熱回収用の給湯熱交換器4と、潜熱回収用の給湯熱交換器4の入水側に設けられた給水通路46と、潜熱回収用の給湯熱交換器4の出水側に設けられた通路34と、複合熱交換器1の給湯用の液体流通管路13(メインの給湯熱交換器)と、複合熱交換器1の給湯用の液体流通管路13の出水側に設けられた給湯通路47とを有して形成されている。
また、図6において、給湯回路45側に設けられている各構成要素において、符号19は給水通路46を通る水の水量を検出する水量センサ、符号36は給湯ハイリミットスイッチ、符号151は給湯水管サーミスタ151、符号23は複合熱交換器1の給湯用の液体流通管路13の出側の温度を検出する熱交出側サーミスタ、符号24は給湯温度を検出する出湯サーミスタ、符号20は給湯回路45を通って給湯される給湯の総水量を可変調節するための水量サーボ、符号22は給湯バイパス通路22、符号21はバイパスサーボ21をそれぞれ示す。
また、第3実施例の暖房熱源機において、暖房用の循環通路8は、追い焚き用液−水熱交換器25を介して風呂の追い焚き循環通路26と熱的に接続されている。追い焚き循環通路26には、追い焚き循環ポンプ27と風呂サーミスタ28、流水スイッチ29、水位センサ30、風呂往きサーミスタ31が設けられており、追い焚き循環通路26は、循環金具81を介して浴槽75に接続されている。
循環通路8には、追い焚き用液−水熱交換器25において追い焚き循環通路26を循環する水と熱交換を行う際に、循環通路8から追い焚き用液−水熱交換器25側に通す液体流量を制御する追い焚き用液体流量制御弁32が設けられており、この追い焚き用液体流量制御弁32は、循環通路8を循環する熱媒体(ここでは水)の追い焚き用液−水熱交換器25への導入の有無を弁の開閉により切り替える熱媒体導入切り替え弁として機能する。
追い焚き用液体流量制御弁32を開いて追い焚き用液−水熱交換器25への水(温水)の導入を行いながら(図の矢印C、参照)、追い焚き循環ポンプ27を駆動することによって追い焚き循環通路26内の水を矢印Hのように循環させて風呂の追い焚きが行われるが、追い焚き循環ポンプ27を停止していれば循環通路8を通る熱媒体と追い焚き循環通路26内の水との熱交換は行われない(正確に言えば追い焚き循環通路26に滞留している水の一部は熱交換されるが殆ど熱交換は行われない)。
なお、図6の図中、符号49は注湯通路、符号50は注湯電磁弁、符号79は注湯量センサ、符号37はドレン回収手段、符号38はドレン通路、符号39はドレン中和器、符号76は熱動弁をそれぞれ示している。
なお、本発明は、前記各実施例に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な態様を採り得る。例えば、前記各実施例では暖房用の熱媒体を水としたが、例えば寒冷地などにおいて不凍液を暖房用熱媒体としてもよい。
また、前記各実施例では、暖房用のバーナ装置5を形成する燃焼バーナは燃焼熱量が200W以上3000W以下の範囲内の小熱量タイプのものとしたが、バーナ装置5の燃焼能力はこの範囲内のものとするとは限らず、例えば3000Wより大きくてもかまわない。ただし、3000W以下の方が小出力燃焼の燃焼制御がしやすいため好ましい。
さらに、前記実施例では、低温暖房側の暖房端末装置は暖房マットとしたが、暖房マット以外の低温暖房端末装置を暖房熱源機の外部に設けて接続して用いることもできる。
さらに、前記各実施例において、時定数検出手段54は、熱媒体循環の演算流量の値が安定するまでの時間に関する時定数を求めるようにしたが、例えば出側温度センサ40により検出される検出温度(暖房用熱交換器11の出口から出る熱媒体の温度)が安定するまでの時間を時定数として求めてもよい。
さらに、本発明の暖房熱源機は、前記実施例のような制御構成を有しているとは限らず、適宜の制御構成を設けることができるものであり、水流スイッチ120と帰還通路121とを設けて水流スイッチ120により暖房の循環通路9を通る熱媒体の流れの有無を確認し、適宜の暖房運転を行えるようにすればよい。例えば入側温度センサ77の配設位置は、管路59における帰還通路121よりも循環ポンプ9に近い側でもよいし、循環ポンプ9の上流でもよい。
さらに、前記第3実施例では、低温暖房端末装置への熱媒体供給と高温暖房端末装置への熱媒体供給の機能を有して、暖房用熱交換器11と給湯熱交換器の管路配設構成を特有の構成としたが、例えば低温暖房端末装置への熱媒体供給と高温暖房端末装置への熱媒体供給の機能を有する構成の場合にも必ずしも第3実施例のような特有の構成を有していなくてもよい。
つまり、本発明は、例えば第1実施例に示したような暖房用の回路を有して、戻り通路59に水流スイッチ120を設けると共に、戻り通路59における水流スイッチ120の下流側部位と循環ポンプ9の上流側部位とを接続する帰還通路121を設け、水流スイッチ120を通って暖房用熱交換器11へ向けて流れる熱媒体の一部を循環ポンプ9の上流側部位へ分流帰還させる構成を備えていればよい。
本発明の暖房熱源機は、例えば温水マット等の暖房マットに熱媒体を供給し、省エネで良好な暖房を行うことができるので、例えば高断熱の部屋で床暖房を行う家庭用の暖房熱源機として利用できる。
5,5a,5b 暖房用のバーナ装置
8 循環通路
9 循環ポンプ
10 シスターン
18 ガス比例弁
40 出側温度センサ
51 弁動作制御手段
52 下限ポンプ回転数検出手段
53 循環ポンプ回転制御手段
54 時定数検出手段
55 演算流量壇出手段
56 メモリ部
57 加熱効率更新手段
58 運転制御手段
59 管路
63 低温暖房用往通路
77 入側温度センサ
82 燃焼制御手段
120 水流スイッチ
121 帰還通路
122 開閉制御弁
8 循環通路
9 循環ポンプ
10 シスターン
18 ガス比例弁
40 出側温度センサ
51 弁動作制御手段
52 下限ポンプ回転数検出手段
53 循環ポンプ回転制御手段
54 時定数検出手段
55 演算流量壇出手段
56 メモリ部
57 加熱効率更新手段
58 運転制御手段
59 管路
63 低温暖房用往通路
77 入側温度センサ
82 燃焼制御手段
120 水流スイッチ
121 帰還通路
122 開閉制御弁
Claims (5)
- 暖房用の液体の熱媒体を加熱する暖房用熱交換器と、該暖房用熱交換器で加熱した前記熱媒体を該暖房用熱交換器の出口から外部に設けられる暖房端末装置に供給する往通路と、前記暖房端末装置に通した前記熱媒体を前記暖房用熱交換器の入口に戻す戻り通路とを有し、該戻り通路と前記往通路は前記暖房用熱交換器から供給される熱媒体を前記暖房端末装置を経由して前記暖房用熱交換器に戻す熱媒体の循環通路を構成し、前記戻り通路には前記暖房用熱交換器の入口に向けて順にシスターンと循環ポンプと前記熱媒体の流れの有無を検出する水流スイッチとが設けられるとともに、前記戻り通路には前記水流スイッチの下流側部位と前記循環ポンプの上流側部位とを接続し前記水流スイッチを通って前記暖房用熱交換器へ向けて流れる前記熱媒体の一部を前記循環ポンプの上流側部位へ分流帰還させる帰還通路が設けられている構成を備えていることを特徴とする暖房熱源機。
- 帰還通路には当該通路を開閉する開閉制御弁が設けられ、循環ポンプが回転駆動されている状態で水流スイッチにより循環通路内の熱媒体の流れを検出する動作時には前記開閉制御弁を開いて前記水流スイッチを通って暖房用熱交換器へ向けて流れる前記熱媒体の一部を前記循環ポンプの上流側部位へ前記帰還通路を通して分流帰還させ、前記熱媒体の流れの非検出動作時には前記開閉制御弁を閉じる弁動作制御手段と、前記開閉制御弁の開から閉への切り替え時には前記開閉制御弁の開状態時に前記帰還通路を通して分流帰還する熱媒体の帰還流量分だけ前記循環ポンプから吐出される熱媒体の流量を絞るべく前記循環ポンプの回転数を低速回転方向へ制御し、前記開閉制御弁の閉から開への切り替え時には前記熱媒体の帰還流量分だけ前記循環ポンプから吐出される熱媒体の流量を増加すべく前記循環ポンプの回転数を高速回転方向へ制御する循環ポンプ回転制御手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の暖房熱源機。
- 暖房用熱交換器は燃焼バーナの火炎によって加熱され、当該火炎の熱源によって前記暖房用熱交換器を通る熱媒体が加熱される構成と成し、前記燃焼バーナは燃焼熱量が200W以上3000W以下の範囲内の小熱量タイプのものとしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の暖房熱源機。
- 暖房用熱交換器は燃焼バーナの燃焼ガスの顕熱を利用して循環熱媒体を加熱する一次熱交換器と前記燃焼ガスの潜熱を利用して前記循環熱媒体を加熱する潜熱回収用熱交換器を接続一体化したものであり、潜熱回収用熱交換器の入口は循環通路の戻り通路に接続され、前記潜熱回収用熱交換器の出口は一次熱交換器の入口に接続され、該一次熱交換器の出口は前記循環通路の往通路に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の暖房熱源機。
- 暖房端末装置として、循環熱媒体を通す暖房用パイプをマット本体に設けて形成される暖房マットが接続される構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の暖房熱源機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017197689A JP2019070500A (ja) | 2017-10-11 | 2017-10-11 | 暖房熱源機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017197689A JP2019070500A (ja) | 2017-10-11 | 2017-10-11 | 暖房熱源機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019070500A true JP2019070500A (ja) | 2019-05-09 |
Family
ID=66440586
Family Applications (1)
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JP2017197689A Pending JP2019070500A (ja) | 2017-10-11 | 2017-10-11 | 暖房熱源機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019070500A (ja) |
-
2017
- 2017-10-11 JP JP2017197689A patent/JP2019070500A/ja active Pending
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