JP2019069916A - 歯科補綴物 - Google Patents

歯科補綴物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019069916A
JP2019069916A JP2017196159A JP2017196159A JP2019069916A JP 2019069916 A JP2019069916 A JP 2019069916A JP 2017196159 A JP2017196159 A JP 2017196159A JP 2017196159 A JP2017196159 A JP 2017196159A JP 2019069916 A JP2019069916 A JP 2019069916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
resin
frame material
elastic modulus
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017196159A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6977992B2 (ja
Inventor
杏南 植原
Anan Uehara
杏南 植原
朋直 清水
Tomonao Shimizu
朋直 清水
潤一郎 山川
Junichiro Yamakawa
潤一郎 山川
友康 永沢
Tomoyasu Nagasawa
友康 永沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Dental Corp
Original Assignee
Tokuyama Dental Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Dental Corp filed Critical Tokuyama Dental Corp
Priority to JP2017196159A priority Critical patent/JP6977992B2/ja
Publication of JP2019069916A publication Critical patent/JP2019069916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6977992B2 publication Critical patent/JP6977992B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Dental Preparations (AREA)
  • Dental Prosthetics (AREA)

Abstract

【課題】 フレーム材に前装材を積層した際、特にポリアリールエーテルケトン樹脂をフレーム材とする場合において、フレーム材と前装材との充分な接着が得られない場合があったという課題を解決する、フレーム材と前装材の間での剥離が抑制された積層型歯科補綴物を提供すること。【解決手段】 フレーム材(弾性率が40GPa以下、結晶性の熱可塑性樹脂材料)と前装材(樹脂系硬化性複合材料)の弾性率の差が10GPa以下である、積層型歯科補綴物を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は歯科補綴物に関するものである。
歯科補綴物は、強度や審美性の理由からフレーム材の上に前装材を重ねるなどして異なる材料を積層して使用することがある。このような積層型歯科補綴物として、例えば一般に広く使用されている技術としては、高強度な金属材料をフレーム材として使用し、そこに審美性の高いセラミックやレジン系材料を前装材として使用して積層することで作製された、強度と審美性に優れた歯科補綴物が挙げられる。例えば、フレーム材としては金属材料が広く使用されており、弾性率60GPaの金銀パラジウム合金、184GPaのコバルトクロム合金,213GPaのニッケルクロム合金などが使用されている(非特許文献1、2)。前装材としては、弾性率80GPaのポーセレン、20GPaの硬質レジンなどの樹脂系硬化性複合材料が使用されている(非特許文献1)。
ここで近年、熱可塑性樹脂、特にポリアリールエーテルケトン樹脂が着目されている。熱可塑性樹脂は、機械的・電気的な特性、軽量で加工性に優れるといった特徴を有しており、電気部材、建築材料、農業資材や日用雑貨まで幅広い分野で活用される重要な材料となっている。これら樹脂材料は、強度を保ったままの軽量化への寄与、優れた耐薬品性、生産性の高さ、といった特性を活かして各種金属部品の代替材料としての用途に広がりを見せ、使用量は増加を続けており、特に近年では、医療用材料分野への活用も盛んに行われている。また、特許文献1には、ポリアリールエーテルケトン樹脂材料と歯科用硬質レジンを積層し歯科用補綴物を作製できることが記載されている。
特開2016−027041号公報
オールセラミックスレストレーション−基礎からわかる材料・技工・臨床− P.60 最新歯科材料および技術・機器 P.54
フレーム材に前装材を積層した従来の積層型歯科補綴物は、フレーム材と前装材の間で剥離する場合があった。
特にポリアリールエーテルケトン樹脂をフレーム材としてこれに前装して用いる場合、フレーム材と前装材との充分な接着が得られない場合があった。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、フレーム材に前装材を積層した際、フレーム材と前装材の間での剥離が抑制された積層型歯科補綴物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行った結果、フレーム材と前装材を積層する積層型歯科補綴物において、フレーム材と前装材の弾性率の差を10GPa以下にすることではがれが抑制されることが判明し、本発明に至った。
すなわち本発明は、フレーム材と前装材の弾性率の差が10GPa以下であることを特徴とする歯科補綴物である。
フレーム材に使用する材料は、弾性率が40GPa以下であることが好ましく、結晶性の熱可塑性樹脂材料であることが好ましく、ポリアリールエーテルケトン樹脂材料であることが好ましい。
前装材が重合性単量体と重合開始剤と充填材とを含む樹脂系硬化性複合材料であることが好ましい。
本発明によれば、フレーム材と前装材との剥離強度が高く、はがれにくい積層型歯科補綴物を提供することができる。
以下に本発明について詳しく説明する。
フレーム材と前装材の弾性率の差が10GPa以下であることでフレーム材と前装材の剥離強度が向上し、剥離を抑制することが出来る。
この原因は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推察している。
弾性率の全く異なるものを重ねて力を加えた場合、それぞれの材料が異なる挙動を示す。たとえば、弾性率が小さい材料と大きい材料を積層したものに負荷が与えられた場合、弾性率が小さい材料は歪みが大きく、弾性率が大きい材料は歪みが小さくなる。その挙動の違いにより、2つの材料の間にギャップが生まれ、剥離が発生しやすくなると考えられる。以上より、弾性率の全く異なるものを重ねて力を加えた場合、それらの材料同士の剥離強度が低下すると考えられる。それに対し、弾性率が近い材料同士を重ねて力を加えた場合、それぞれの材料が同様の挙動を示し、剥離強度が向上すると推察している。
<歯科補綴物>
本発明における歯科補綴物とは、歯や歯に関連する組織の欠損によって生じる顎口腔系の機能障害、審美性を回復することを目的として用いられる人工物である。具体的には、インレー、アンレー、クラウン、ブリッジ、義歯(全床、部分床)、人工歯、インプラント上部構造体、インプラントアバットメントを指す。これらは、可撤式、固定式や支台歯の形式には限定されない。本発明は特に高い機械的強度と高い審美性が必要とされるクラウンやブリッジに好適である。
本発明における歯科補綴物は、2つまたは2つ以上の材料を積層して作製した積層型歯科補綴物である。
フレーム材と前装材はそれぞれ積層型歯科補綴物を構成する一部分であり、これらを積層することで積層型歯科補綴物となる。また、フレーム材と前装材はそれぞれ異なる特性を有しており、通常、前装材はフレーム材の表面に積層される。例えば、機械的強度が高いが審美性で劣るものをフレーム材、審美性が高いものを前装材として使用し、高強度で審美性が高い補綴物を作成することが挙げられる。
<弾性率>
本発明はフレーム材と前装材の弾性率の差が10GPa以下とするものである。弾性率とは、三点曲げ試験を行った際に得られる応力−歪み曲線において、応力と歪みの間の比例定数を表し、曲げ弾性率と同義である。
弾性率の差が大きいほど、積層した各材料がたわむ大きさが異なるため、たわみの差で接着面に隙間ができて剥離する。そのため、弾性率の差が小さいほどそれぞれの材料の力を加えた時の挙動が近くなり、剥離しづらくなる。特にフレーム材と前装材の弾性率の差が5GPa以下であることが好ましく、さらにフレーム材と前装材の弾性率の差が3GPa以下であることがより好ましい。
弾性率の測定方法としては、例えば、長さ15mm、幅4mm、厚さ1.2mmの角柱棒状試験片を万能試験機にて室温大気中、支点間距離12mm、クロスヘッドスピード1mm/minの条件で三点曲げ試験を行い、応力−歪み曲線を得て、下式により、弾性率を求めることができる(JIST6526,2012に準拠)。
EB=(S・F)/(4WB・Y)
ここで、EB:弾性率(Pa)、S:支点間距離(m)、W:試験片の幅(m)、B:試験片の厚さ(m)、F/Y:応力−歪み曲線の直線部分の勾配である。
<フレーム材>
本発明におけるフレーム材とは、歯科補綴物に使用される材料であって、機械的強度や耐久性を補強することを目的として補綴物構造体の一部を構成する強化部材を表す。フレーム材には通常歯科材料で使う材料を使用できる。また、フレーム材に使用する材料の弾性率は積層する前装材の弾性率を勘案して決定すればよいが、口腔の欠損歯質に装着することを考慮すると、象牙質の弾性率(12GPa〜19GPa程度)と近いことが好ましいため、40GPa以下であることが好ましく、30GPa以下であることがより好ましく、27GPa以下であることがさらに好ましい。また、弾性率が高い方が、歯科補綴物の、使用時に変形することが起こりにくくなることから、フレーム材の弾性率は4GPa以上であることが好ましく、5GPa以上であることが特に好ましい。
フレーム材としては、具体的には、機械的強度の高い、金属やセラミック、樹脂、またはこれらの複合材料を使用することができる。その中でも樹脂を構成成分とする樹脂系材料、特に、結晶性の熱可塑性材料を使用することが好ましい。なぜなら、結晶性の熱可塑性樹脂材料は高い機械的な特性を有しており、かつ軽量で加工性に優れているためである。特にそのなかでもポリアリールエーテルケトン樹脂材料であることがより好ましい。ポリアリールエーテルケトン樹脂材料は、特に強度が高いという特徴を有している。しかし、ポリアリールエーテルケトン樹脂材料は、接着性が低く、ポリアリールエーテルケトン樹脂材料のフレーム材と前装材とを積層した場合、剥離の問題が発生しやすいが、本発明によりフレーム材と前装材がはがれにくい積層型歯科補綴物とすることができ、本発明の効果は大きい。
ポリアリールエーテルケトン樹脂は、その構造単位として、芳香族基、エーテル基(エーテル結合)およびケトン基(ケトン結合)を少なくとも含む熱可塑性樹脂であり、多くは、フェニレン基がエーテル基およびケトン基を介して結合した直鎖状のポリマー構造を持つ。なお、ポリアリールエーテルケトン樹脂の構造単位を構成する芳香族基は、ビフェニル構造などのようにベンゼン環を2つまたはそれ以上有する構造を持ったものでもよい。また、ポリアリールエーテルケトン樹脂の構造単位中には、スルホニル基または共重合可能な他の単量体単位が含まれていてもよい。ポリアリールエーテルケトン樹脂の代表例としては、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などが挙げられる。
これらポリアリールエーテルケトン樹脂の中でも、物性(強度等)の観点から、主鎖を構成するエーテル基とケトン基とが、エーテル・エーテル・ケトンの順に並んだ繰り返し単位を有するポリエーテルエーテルケトン、もしく、エーテル・ケトン・ケトンの順に並んだ繰り返し単位を有するポリエーテルケトンケトンが好ましい。
さらに、この結晶性の熱可塑性樹脂材料は物性(強度等)の観点から結晶性の熱可塑性樹脂に無機充填材などの無機粒子を配合した熱可塑性樹脂複合材料にすることで歯科用途として適切な物性を付与することが容易となるため好ましく、ポリアリールエーテルケトン樹脂に無機粒子を配合したポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料とすることがより好ましい。
上述の熱可塑性樹脂複合材料における結晶性の熱可塑性樹脂の配合量は特に限定されないが、歯科用途としての物性等の観点から、歯科用樹脂複合材料100質量部当たり、25質量部〜90質量部の範囲であることが好ましく、40質量部〜85質量部の範囲であることがより好ましく、50質量部〜75質量部の範囲であることがより好ましい。
また、無機粒子としては、例えば、無機充填材、顔料、帯電防止剤、X線造影材、紫外線吸収材、蛍光剤などが挙げられ、公知のものが特に制限なく使用することができる。無機粒子の配合量は、歯科湯樹脂複合材料100質量部当たり、10〜75質量部が好ましく、15〜60質量部がより好ましく、25〜50質量部がさらに望ましい。
無機充填材としては公知のものが特に制限無く利用できる。例えば、無機充填材の材質としては、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、アルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、および重金属(たとえばバリウム、ストロンチウム、ジルコニウム)を含むガラス;それらのガラスに結晶を析出させた結晶化ガラス、ディオプサイド、リューサイトなどの結晶を析出させた結晶化ガラスなどのガラスセラミックス;シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの金属無機酸化物;シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、シリカ−アルミナなどの複合無機酸化物;あるいはそれらの複合無機酸化物にI族金属酸化物を添加した酸化物などが挙げられる。配合による生体に対する弊害が少ない事や、白色度が向上して審美性に有利な観点から、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、シリカ−アルミナなどのシリカや該シリカと他の金属無機酸化物との複合無機酸化物からなるシリカ系粒子、及びチタニアや該チタニアと他の金属無機酸化物との複合無機酸化物からなる二酸化チタン系粒子が好適であり、それぞれ単独又は混合して用いる事ができる。
無機充填材の形状や粒径は特に制限されないが、0.05μm〜5μmの範囲であることが好ましく、0.1μm〜3μmの範囲であることがより好ましい。なお、無機充填材の表面をシランカップリング剤などの表面処理剤で表面処理をして用いることも可能である。また、これらの無機充填材の配合量は、弾性、強度、靱性などの必要な物性を考慮して適宜決定すればよいが、歯科材料として適切な物性を得られやすい観点から、熱可塑性樹脂複合材料100質量部当たり、10質量部〜75質量部の範囲であることが好ましく、15質量部〜60質量部の範囲であることがより好ましく、25質量部〜50質量部の範囲であることがさらに好ましい。無機充填材の配合量を10質量部以上とすることにより、歯科用途として適当な力学的特性などの物性を得ることが容易となる。また、配合量を75質量部以下とすることにより、熱可塑性樹脂と無機充填材とを溶融混練する際に、粘度の増大が抑制され、取り扱いが容易となるとともに、粒子成分の分散性を向上させることが容易となる。
上述の熱可塑性樹脂複合材料の製造方法は特に限定されないが、結晶性の熱可塑性樹脂の融点以上の温度、例えば250℃〜500℃、好ましくは350℃〜450℃で加熱溶融して混練を行う、溶融混練工程を経て製造されることが好ましい。溶融混練を行う手法としては、公知の手法を特に限定せずに用いることが出来、例えば加熱装置付きミキサーによる溶融混練や、押出機(単軸溶融混練装置、二軸溶融混練装置、三軸溶融混練装置、四軸溶融混練装置など)による溶融混練を行う事ができる。これらの中でも、連続的に製造可能で、後述するように次工程での取り扱いが容易な粒状(ペレット状)の複合材料を得ることが容易である押出機による溶融混練が好ましく、二軸溶融混練装置による溶融混練が最も好ましい。
溶融混練工程を経た後は必要に応じて各種の後工程を実施してよい。例えば、溶融混練工程を経た直後の高温状態の溶融混練物を、そのまま射出成形や押し出し成形などにより所定の形状に成形する事ができる。また、溶融混練工程を経た直後の高温状態の溶融混練物を、一旦、ペレット状、パウダー状、あるいはブロック状などの二次加工部材に成形した後、これらの二次加工部材を用いてさらに射出成形、押し出し成形、レーザーフォーミング、切断加工、切削加工、研磨加工、付加製造等の各種加工を実施しても良い。なお、二次加工部材の形状は、取り扱い易さの観点からペレット形状(特に直径0.5mm〜5mm、長さ1mm〜10mm程度の円柱状)であることが好ましい。ペレット形状の熱可塑性樹脂複合材料は、押出機(単軸溶融混練装置、二軸溶融混練装置、三軸溶融混練装置、四軸溶融混練装置など)からストランド状で押し出された熱可塑性樹脂複合材料を、所望の間隔で切断することで容易に得ることができる。さらに所望の形状に成形した後に、成形時の応力を緩和して優れた強度を発揮させるために、熱処理工程を実施しても良い。熱処理工程は、結晶性の熱可塑性樹脂のガラス転移点以上で融点未満の温度で実施することが出来る。
<前装材>
本発明に使用される前装材は、フレーム材の表面全体、または一部を構成する部材であり、歯科補綴物の審美性を高める目的などに使用され、フレーム材とは異なる物性を有する。前装材の弾性率はフレーム材の弾性率との差を考慮しつつ適宜決定すればよいが、弾性率が高い方が、歯科補綴物の、使用時に変形することが起こりにくくなることから、前装材の弾性率は5GPa以上であることが特に好ましい。前装材には通常歯科材料として使う材料を使用できる。具体的に例示すれば、コンポジットレジン、硬質レジン、ハイブリッド型硬質レジンなどの有機マトリックス(重合性単量体と重合開始剤を含む)と充填材とを含む樹脂系硬化性複合材料、ポリアミドやポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ジルコニアやアルミナなどのセラミックス等が挙げられるが、所望の形状にすることが容易であることによる積層型歯科補綴物の製造が簡便であることから樹脂系硬化性複合材料が好ましい。
<樹脂系硬化性複合材料>
上述の樹脂系硬化性複合材料としては、前装材として使用される公知のものを使用することができる。該樹脂系硬化性複合材料は、一般に重合性単量体、重合開始剤、充填材、及び必要に応じて着色剤などのその他成分を含み、所望の形状に成形した後に重合性単量体を重合硬化させて用いる。
<重合性単量体>
重合性単量体としては、特に限定されず、ラジカル重合性単量体やエポキシ化合物、オキセタン化合物などのカチオン重合性単量体などが挙げられる。特に、生体毒性の低さや重合活性の高さの観点からは、ラジカル重合性単量体が好適に用いられる。特にラジカル重合性単量体の中でも、重合性の良さなどから、(メタ)アクリレート系の単量体が好適に用いられる。当該(メタ)アクリレート系の重合性単量体を具体的に例示すると、次に示すものが挙げられる。
(A1)単官能ラジカル重合性単量体
単官能ラジカル重合性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n‐ブチル(メタ)アクリレート、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n‐ラウリル(メタ)アクリレート、n‐ステアリル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシートリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N‐(メタ)アクリロイルグリシン、N‐(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、N‐(メタ)アクリロイル‐5‐アミノサリチル酸、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレート、6‐(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン‐1,2,6‐トリカルボン酸、O‐(メタ)アクリロイルチロシン、N‐(メタ)アクリロイルチロシン、N‐(メタ)アクリロイルフェニルアラニン、N‐(メタ)アクリロイル‐p‐アミノ安息香酸、N‐(メタ)アクリロイル‐o‐アミノ安息香酸、p‐ビニル安息香酸、2‐(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3‐(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4‐(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、N‐(メタ)アクリロイル‐5‐アミノサリチル酸、N‐(メタ)アクリロイル‐4‐アミノサリチル酸などおよびこれらの化合物のカルボキシル基を酸無水物基化した化合物、11‐(メタ)アクリロイルオキシウンデカン‐1,1‐ジカルボン酸、10‐(メタ)アクリロイルオキシデカン‐1,1‐ジカルボン酸、12‐(メタ)アクリロイルオキシドデカン‐1,1‐ジカルボン酸、6‐(メタ)アクリロイルオキシヘキサン‐1,1‐ジカルボン酸、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチル‐3’‐メタクリロイルオキシ‐2’‐(3,4‐ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピルサクシネート、4‐(2‐(メタ)アクリロイルオキシエチル)トリメリテートアンハイドライド、4‐(2‐(メタ)アクリロイルオキシエチル)トリメリテート、4‐(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテート、4‐(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、4‐(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメリテート、4‐(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリテート、4‐(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、6‐(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン‐1,2,6‐トリカルボン酸無水物、6‐(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン‐2,3,6‐トリカルボン酸無水物、4‐(メタ)アクリロイルオキシエチルカルボニルプロピオノイル‐1,8‐ナフタル酸無水物、4‐(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン‐1,8‐トリカルボン酸無水物、9‐(メタ)アクリロイルオキシノナン‐1,1‐ジカルボン酸、13‐(メタ)アクリロイルオキシトリデカン‐1,1‐ジカルボン酸、11‐(メタ)アクリルアミドウンデカン‐1,1‐ジカルボン酸、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンフォスフェート、10‐(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート、6‐(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンフォスフェート、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチル‐2‐ブロモエチルハイドロジェンフォスフェート、2‐(メタ)アクリルアミドエチルジハイドロジェンフォスフェート、2‐(メタ)アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸、10‐スルホデシル(メタ)アクリレート、3‐(メタ)アクリロキシプロピル‐3‐ホスホノプロピオネート、3‐(メタ)アクリロキシプロピルホスホノアセテート、4‐(メタ)アクリロキシブチル‐3‐ホスホノプロピオネート、4‐(メタ)アクリロキシブチルホスホノアセテート、5‐(メタ)アクリロキシペンチル‐3‐ホスホノプロピオネート、5‐(メタ)アクリロキシペンチルホスホノアセテート、6‐(メタ)アクリロキシヘキシル‐3‐ホスホノプロピオネート、6‐(メタ)アクリロキシヘキシルホスホノアセテート、10‐(メタ)アクリロキシデシル‐3‐ホスホノプロピオネート、10‐(メタ)アクリロキシデシルホスホノアセテート、2‐(メタ)アクリロキシエチル‐フェニルホスホネート、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸、10‐(メタ)アクリロイルオキシデシルホスホン酸、N‐(メタ)アクリロイル‐ω‐アミノプロピルホスホン酸、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチル‐2’‐ブロモエチルハイドロジェンホスフェート、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスホネート、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4‐ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6‐ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10‐ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート、N‐メチロール(メタ)アクリルアミド、N‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N‐(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド
などを挙げることができる。
(A2)二官能ラジカル重合性単量体
二官能ラジカル重合性単量体としては、2,2‐ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(4‐メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス〔4‐(3‐メタクリロイルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2‐ビス(4‐メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(4‐メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(4‐メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(4‐メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(4‐メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(4‐メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4‐メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)‐2(4‐メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4‐メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)‐2(4‐メタクリロイルオキシジトリエトキシフェニル)プロパン、2(4‐メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)‐2‐(4‐メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(4‐メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(4‐メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3‐ブタンジオールジメタクリレート、1,4‐ブタンジオールジメタクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジメタクリレート、無水メタクリル酸、1,2‐ビス(3‐メタクリロイルオキシ‐2‐ヒドロキシプロポキシ)エチル、ジ(2‐メタクリロイルオキシプロピル)フォスフェート、ジ〔2‐(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔4‐(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔6‐(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔8‐(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔9‐(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔10‐(メタ)アクリロイルオキシデシル〕ハイドロジェンホスフェート、1,3‐ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル‐2‐ジハイドロジェンホスフェートおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、3‐クロロ‐2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような‐OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4‘‐ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4‐シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト、たとえば、1,6‐ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)‐2,2‐4‐トリメチルヘキサンなどを挙げることができる。
(A3)三官能ラジカル重合性単量体
三官能ラジカル重合性単量体としては、トリメチロールプロパーントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパーントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパーントリ(メタ)アクリレート、トリス(2‐(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート)などを挙げることができる。
(A4)四官能ラジカル重合性単量体
四官能ラジカル重合性単量体としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジトリメチロールプロパーンテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレート化合物;ジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびトリレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加体から得られるジアダクトなどを好適に用いることができる。
なお、上記のラジカル重合性単量体は、すべて単独で、もしくは組み合わせて使用することができる。
<重合開始剤>
重合性単量体を重合硬化させるためには、重合開始剤を用いる。樹脂系硬化性複合材料の重合方法には、紫外線、可視光線等の光エネルギーによる反応(以下、光重合という)、過酸化物と促進剤との化学反応によるもの、加熱によるもの等があり、採用する重合方法に応じて下記に示す各種重合開始剤を適宜選択して使用すればよい。
例えば、光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール類、ベンゾフェノン、4,4’‐ジメチルベンゾフェノン、4‐メタクリロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、ジアセチル、2,3‐ペンタジオンベンジル、カンファーキノン、9,10‐フェナントラキノン、9,10‐アントラキノンなどのα‐ジケトン類、2,4‐ジエトキシチオキサンソン、2‐クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン化合物、ビス‐(2,6‐ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス‐(2,6‐ジクロロベンゾイル)‐2,5‐ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス‐(2,6‐ジクロロベンゾイル)‐4‐プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス‐(2,6‐ジクロロベンゾイル)‐1‐ナフチルホスフィンオキサイド、2,4,6‐トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)―フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド類等を使用することができる。
なお、光重合開始剤には、しばしば還元剤が添加されるが、その例としては、2‐(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、4‐ジメチルアミノ安息香酸エチル、N‐メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン類、ラウリルアルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどのアルデヒド類、2‐メルカプトベンゾオキサゾール、1‐デカンチオール、チオサルチル酸、チオ安息香酸などの含イオウ化合物などを挙げることができる。
また、熱重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、p‐クロロベンゾイルパーオキサイド、tert‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、tert‐ブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、トリブチルボラン、トリブチルボラン部分酸化物、テトラフェニルホウ酸ナトリウム、テトラキス(p‐フロルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム、テトラフェニルホウ酸トリエタノールアミン塩等のホウ素化合物、5‐ブチルバルビツール酸、1‐ベンジル‐5‐フェニルバルビツール酸等のバルビツール酸類、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p‐トルエンスルフィン酸ナトリウム等のスルフィン酸塩類等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、フレーム材への塗布後、樹脂系硬化性複合材料を重合硬化させる際に簡便に行う事が出来ることから、光重合開始剤が特に好適に用いられる。また、単独で用いても、2種以上を混合して使用してもよい。重合開始剤の配合量は、重合性単量体100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましい。
<充填材>
充填材は、樹脂系硬化性複合材料の物性(強度、弾性率、靱性など)や色調の観点から適宜配合される。
該充填材としては、公知の充填材が制限なく使用でき、無機充填材、有機充填材および有機無機複合充填材のいずれを用いてもよい。無機充填材としては、具体的には、非晶質シリカ、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア−酸化バリウム、シリカ−チタニア−ジルコニア、石英、アルミナ、ガラスなどの球形状粒子あるいは不定形状粒子を挙げることができる。このうち、シリカとジルコニア、またはシリカと酸化バリウムとを主な構成成分とする複合無機酸化物、例えば、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア−酸化バリウム、シリカ−チタニア−ジルコニアが、高いX線造影性を有するため好ましく使用される。
上記無機充填材は、機械的強度や耐水性を向上させるために、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で処理されていることが多い。表面処理の方法は公知の方法で行えばよく、シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2‐メトキシエトキシ)シラン、3‐メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3‐メタクリロイルオキシプロピルトリス(2‐メトキシエトキシ)シラン、3‐クロロプロピルトリメトキシシラン、3‐クロロプロピルメチルジメトキシシランなどが好適に用いられる。上記シランカップリング剤は、樹脂マトリックスに合わせて、適時選択すればよく、1種類あるいは2種類以上を合わせて用いることができる。
有機充填材の例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート−ポリエチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの有機高分子からなる粒子が挙げられる。
有機無機複合充填材の例としては、前述の無機充填材と重合性単量体を混合した後、重合させ、粉砕して得られる粒状の有機無機複合充填材が挙げられる。
また、充填材の形状は、球形状であるのが、耐摩耗性、表面滑沢性、光沢持続性に特に優れた樹脂系硬化性複合材料の硬化体が得られることから、特に好適に用いられる。
該充填材の平均粒子径は、0.001〜1ミクロンであることが好ましく、0.01〜0.5ミクロンであることが、耐摩耗性、表面滑沢性、光沢持続性の観点からより好ましい。
これらの充填材の割合は、使用目的に応じて、重合性単量体と混合したときの硬化体の機械的物性や粘度(操作性)を考慮して適宜決定すればよいが、一般的には重合性単量体100質量部に対して50〜1500質量部、好ましくは70〜1000質量部の範囲で用いられる。
また、樹脂系硬化性複合材料には、その他任意の成分を含有する事ができる。例えば、重合禁止剤、蛍光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、抗菌剤、X線造影剤などが挙げられる。
樹脂系硬化性複合材料を製造する方法は特に限定されず、公知の重合型組成物の製造方法に従えばよい。例えば、可視光重合型前装材の場合、遮光下で、配合する各成分を所定量秤とり、均一になるまで混練し、必要に応じて混練時に混入した気泡の脱泡を行えばよい。そして、得られた組成物のペーストは、遮光容器に小分けされる。
<積層型歯科補綴物の製造方法>
本積層型歯科補綴物の製造方法は、歯科用のフレーム材と歯科用の前装材の弾性率の差が10GPa以下であるものを重ねることが可能であれば、いかなる方法を用いても良く、フレーム材と前装材とをそれぞれ所望の形状に成形・硬化した後に積層することや、片方を所望の形状にした後にもう一方を積層しながら所望の形状に成形・硬化することや、積層した後に所望の形状に成形・硬化することなどが可能である。フレーム材や前装材を所望の形状に成形・硬化する方法は、公知の手法が何ら制限なく使用可能であり、例えば鋳造、押出し成形、射出成形、切削加工、付加製造、ペースト状の組成物を器具にて所望の形状に成形した後に重合硬化させる方法などが挙げられる。また、作製したフレーム材の前装材を積層する面にリテンション構造の付与やグルービングを施すなどしても良い。
例えば本発明の好ましい形態として挙げられる、フレーム材として熱可塑性樹脂材料を、前装材として樹脂系硬化性複合材料を使用する場合は、ブロック状のフレーム材を切削加工で所望の形状に形成し、その上にペースト状の樹脂系硬化性複合材料を積層しつつ所望の形状に成形した後に重合硬化させる方法が好ましい方法として挙げられる。その際、フレーム材の上に直接樹脂系硬化性複合材料を付与しても良く、フレーム材に前処理を行った後に樹脂系硬化性複合材料を付与しても良い。前処理としては接着性組成物をフレーム材上に塗布することが好ましい方法の一例として挙げられる。
接着性組成物としては、歯科用として公知のものが、特に制限なく使用可能であり、例えば、重合性単量体を配合した接着性組成物が挙げられる。
接着性組成物には、重合性単量体と溶媒を配合しており、通常重合性単量体を含まない歯科用プライマー、重合性単量体と重合開始剤と溶媒を含む歯科用接着材、重合性単量体と重合開始剤と充填材とを含む歯科用セメントがあり、その中でも、塗布性が良く、高い接着性の得られやすい歯科用接着材を使用することが好ましい。
接着性組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の接着性組成物の製造方法に従えばよい。一般的には、配合される全成分を秤取り、均一になるまでよく混合すればよい。
接着性組成物を使用してフレーム材と前装材を接着する方法は特に限定されず、接着性組成物に揮発性溶媒が含まれる場合には、フレーム材の表面に形成された接着性組成物の塗膜層を硬化させる前に、自然乾燥やエアブローなどにより塗膜層中の揮発性溶媒を除去する。フレーム材の前装材を積層する面は公知の粗ぞう化処理方法により粗ぞう化しておくことが好ましい。粗ぞう化することにより前装材を積層する面の凹凸が増加し、より高い接着性を得ることができる。粗ぞう化処理としては、簡便性および安全性の観点からサンドブラスト処理が好ましい。サンドブラスト処理は、一般的には粒径が数μm〜数百μmのアルミナ粒子を、サンドブラスト装置を用いて数十KPa〜数MPaの圧力で第一部材の被着面に噴射することで実施できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中に示した略号、称号については以下のとおりである。
<結晶性の熱可塑性樹脂材料>
[結晶性の熱可塑性樹脂]
・PEEK:ポリエーテルエーテルケトン
[無機充填材]
・F1:球状シリカ(γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物);平均粒径1.0μm

<樹脂系硬化性複合材料>
[重合性単量体]
・bis−MPEPP:2,2‐ビス〔4‐(3‐メタクリロイルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン
・3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
・UDMA:1,6‐ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)‐2,2‐4‐トリメチルヘキサン
[重合開始剤]
・TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
・DMBE:4−ジメチルアミノ安息香酸エチル
[充填材]
・F2:球状シリカ−ジルコニア(γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物);平均粒径0.5μm

各試験方法については、以下のとおりである。
<フレーム材の作製>
フレーム材としては、PEEK(ダイセルエボニック社製:VESTAKEEP M2G)と、金属無機酸化物としてF1(平均粒径1.0μm)を複合化したポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料を用いた。複合化方法は、以下のとおりである。まず、PEEKとF1を所定の量計量・混合し、これを混練ラボプラストミル(東洋精機社製)へ投入して、試験温度370℃、回転数100rpmの条件で5分間溶融混練を行った後にペレット化して、溶融混練物をペレット化したポリアリールエーテルエーテルケトン樹脂複合材料として回収した。
16x19x39mmのキャビティーを設けた金型ユニットを設置した射出成形機GL60(ソディック製)の予備乾燥機付きホッパーに、ペレット化したポリアリールエーテルエーテルケトン樹脂複合材料を投入し、成形温度(シリンダ温度)を360〜400℃、流動化温度360℃、金型温度を200℃に設定し、射出圧力350MPa、射出速度50mm/secの条件で射出充填を行った。350MPaの保圧をかけ80秒保持した。金型による冷却時間300秒の後、金型ユニットを開いて16×19×39mmの樹脂ブロック(以下、PEEK材という。)を取り出した。
<前装材の作製>
赤色光下で、所定の量比で重合性単量体と光重合開始剤を混合してマトリックスを調製しておき、これに対して所定量の充填材を加え、均一のペースト状になるまでメノウ製乳鉢中でよく混練した。さらにこれを真空脱泡して所定の組成を有する樹脂系硬化性複合材料のペーストを得た。
<剥離強度>
<剥離試験の試験片製造方法>
回転式ダイヤモンドカッターを用いて、注水下で上記のフレーム材の作製の方法で作製したPEEK材を切断し、長さ25.0(±1)mm、幅3.0(±0.1)mm、厚さ0.5(±0.05)mmの板状試験片を5本得た。この板状試験片の表面を1500番耐水研磨紙で仕上げ研磨し、強さ0.1MPa、距離1cm、時間10秒という条件でサンドブラストを行った。それを超音波洗浄し、板状試験片の中央部8×3mmの範囲に歯科用接着材(ボンドマーライトレス、トクヤマデンタル社製)を用いてボンド処理(塗布後、エアブロー)を行った。その上に厚さ1.0mmとなるように前装材をのせ、光硬化させ、長さ25.0mm、幅3.0mm、厚さ0.5mmの板状試験片の中央部に長さ8mm、幅3mm、厚さ1mmの前装材を積層した試験片を得た。
<剥離強度の測定方法>
剥離強度の測定は、JIST6120に準拠して行った。
剥離試験の試験片製造方法で作製した試験片を万能試験機AG−50kI(島津製作所)にて室温大気中、支点間距離12mm、クロスヘッドスピード1mm/minの条件で上部が前装材、下部がフレーム材となるようにして、下部のフレーム材の両端二点で支え、上部の前装材の中央一点により荷重を加える三点曲げ試験を行い、破壊力F(N)を得て、下述の計算方法により、剥離強度を求めた。
<剥離強度計算方法>
剥離強度Tは、以下の推定式に基づいて数値計算で求められる。
:弾性率(GPa)、d:フレーム材の厚さ(mm)、F:破壊力(N)
実測の弾性率Eからフレーム材の厚さd(1)=0.44、d(2)=0.50、d(3)=0.56における平均応力σxyを計算する。
σxy(1)=1.818・10−5・E −1.873・10−2・E+7.802
σxy(2)=1.695・10−5・E −1.521・10−2・E+6.131
σxy(3)=1.614・10−5・E −1.300・10−2・E+4.986
実測の弾性率Eとフレーム材の厚さdで導かれた平均応力σxyを用いて次の測定式を作るときの係数A,B,Cを計算する。
定義:D1=d(1)、S1=σxy(1)
D2=d(2)、S2=σxy(2)
D3=d(3)、S3=σxy(3)
DET=D2・D3・(D2−D3)+D3・D1・(D3−D1)+D1・D2(D1−D2)
A=(D3・S2−D2・S3+D1・S3−D3・S1+D2・S1−D1・S2)/DET
B=(D2・S3−D3・S2+D3・S1−D1・S3+D1・S2+D2・S1)/DET
C=[S1・D2・D3・(D2−D3)+S2・D3・D1・(D3−D1)+S3・D1・D2・(D1−D2)]/DET
以上の係数を用いて、以下の式より剥離強度T(MPa)を計算する。
=F(A・d +B・d+C)
<曲げ弾性率>
曲げ弾性率の測定は、JIST6526,2012に準拠して行った。
熱可塑性樹脂複合材料については、回転式ダイヤモンドカッターを用いて、注水下で、上記のフレーム材の作製の方法で作製したPEEK材を切断し、長さ15mm、幅4mm、厚さ1.2mmの棒状試験片を5本得て、フレーム材の曲げ弾性率測定サンプルとした。
また、樹脂系硬化性複合材料については、樹脂系硬化性複合材料のペーストを、長さ15mm、幅4mmの貫通した穴を有する、厚さ1.2mmのテフロン(登録商標)製のモールドに充填し、樹脂系硬化性複合材料のペーストの両面をポリエチレン製のフィルムで圧接し、歯科用可視光線照射器で片面のみ30秒光照射し硬化させた棒状試験片を5本得て、前装材の曲げ弾性率測定サンプルとした。
これらの曲げ弾性率測定サンプルに対し、#1500耐水研磨紙で仕上げ研磨し、試験片中心部の幅と厚さをマイクロメーターで測定した後、万能試験機AG−50kI(島津製作所)にて室温大気中、支点間距離12mm、クロスヘッドスピード1mm/minの条件で三点曲げ試験を行い、応力−歪み曲線を得て、下式により、弾性率を求めた。
EB=(S・F)/(4WB・Y)
ここで、EB:弾性率(Pa)、S:支点間距離(m)、W:試験片の幅(m)、B:試験片の厚さ(m)、F/Y:応力−歪み曲線の直線部分の勾配である。
<実施例1>
PEEKを65gとF1を35gとを混合し、それを溶融混練・射出成形し、フレーム材として熱可塑性樹脂材料であるポリアリールエーテルケトン樹脂複合材料の樹脂ブロックP1を得た。熱可塑性樹脂材料の組成を表1に示す。
bis−MPEPPを7g、3Gを1.5g、UDMAを1.5g、TPOを0.1g、DMBEを0.05gとを均一に混合して有機マトリックスを調製した。有機マトリックスの組成を表2に示す。この有機マトリックスを8.8g、F2を1.2gとを均一に混練し、前装材として樹脂系硬化性複合材料である硬質レジンZ1を得た。樹脂系硬化性複合材料の組成を表3に示す。P1、Z1のそれぞれの弾性率を測定した。結果を表1、表3に示す。また、P1をフレーム材、Z1を前装材として使用した際の剥離強度を測定した。また、フレーム材と前装材との弾性率の差を求めた。結果を表4に示す。
<実施例2〜10、比較例1,2>
熱可塑性樹脂材料の組成を表1に示す組成に、樹脂系硬化性複合材料の組成を表3に示す組成にそれぞれ変更した以外は、実施例1に準じて、熱可塑性樹脂材料と樹脂系硬化性複合材料を作製し、それぞれの弾性率を測定した。結果を表1、表3に示す。また、熱可塑性樹脂材料をフレーム材、樹脂系硬化性複合材料を前装材として使用した際の剥離強度を測定した。また、フレーム材と前装材との弾性率の差を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2019069916
Figure 2019069916
Figure 2019069916
Figure 2019069916
評価結果について、前装材とフレーム材の弾性率の差が10GPa以下である実施例1〜10は、前装材とフレーム材の弾性率の差が10GPaを超える比較例1,2と比較して高い剥離強度を示した。
また、前装材とフレーム材の弾性率の差が5GPa以下である実施例2,3,5〜7,10は、前装材とフレーム材の弾性率の差が5GPaを超える実施例1,4,8,9及び比較例1,2と比較して高い剥離強度を示し、前装材とフレーム材の弾性率の差が3GPa以下である実施例3,6,7,10は、前装材とフレーム材の弾性率の差が3GPaを超える実施例1,2,4,5,8,9及び比較例1,2と比較して高い剥離強度を示した。

Claims (5)

  1. フレーム材と前装材の弾性率の差が10GPa以下である、積層型歯科補綴物。
  2. フレーム材の弾性率が40GPa以下である、請求項1に記載の積層型歯科補綴物。
  3. フレーム材が結晶性の熱可塑性樹脂材料である、請求項1または2に記載の積層型歯科補綴物。
  4. フレーム材がポリアリールエーテルケトン樹脂材料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層型歯科補綴物。
  5. 前装材が重合性単量体と重合開始剤と充填材とを含む樹脂系硬化性複合材料の硬化体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層型歯科補綴物。
JP2017196159A 2017-10-06 2017-10-06 積層型歯科補綴物の製造方法 Active JP6977992B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017196159A JP6977992B2 (ja) 2017-10-06 2017-10-06 積層型歯科補綴物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017196159A JP6977992B2 (ja) 2017-10-06 2017-10-06 積層型歯科補綴物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019069916A true JP2019069916A (ja) 2019-05-09
JP6977992B2 JP6977992B2 (ja) 2021-12-08

Family

ID=66440457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017196159A Active JP6977992B2 (ja) 2017-10-06 2017-10-06 積層型歯科補綴物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6977992B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210120244A (ko) * 2020-03-26 2021-10-07 주식회사 하스 자연치아와 유사한 구조를 가진 치과용 보철물 및 그 제조 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210120244A (ko) * 2020-03-26 2021-10-07 주식회사 하스 자연치아와 유사한 구조를 가진 치과용 보철물 및 그 제조 방법
KR102330922B1 (ko) 2020-03-26 2021-11-25 주식회사 하스 자연치아와 유사한 구조를 가진 치과용 보철물 및 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6977992B2 (ja) 2021-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mak et al. Micro-tensile bond testing of resin cements to dentin and an indirect resin composite
D’Alpino et al. Methacrylate-and silorane-based composite restorations: hardness, depth of cure and interfacial gap formation as a function of the energy dose
JP5670022B2 (ja) 表面修飾充填剤を含有する歯科組成物
EP1787623B1 (en) Dental polymerizable composition
US20110275035A1 (en) Dental compositions
JP7191387B2 (ja) 歯科用硬化性組成物
US11400028B2 (en) Dental milling blank for the production of permanent indirect restorations and computer-aided process for producing the permanent indirect restorations
JP2007126417A (ja) 歯科用硬化性組成物
JP2024016189A (ja) 歯科用セメント組成物および使用法
JP2018153635A (ja) 間接的歯科修復物を作製するためのミリングブランク、対応する使用および方法
JP5325633B2 (ja) 2液型の歯科用接着剤
JP6633750B2 (ja) 歯科用重合性組成物
JP5730061B2 (ja) 重合収縮力を低減した接着性の歯科用修復材料
KR20070121765A (ko) 접착성 조성물
JP2018089312A (ja) 歯科用補綴物
WO2017026187A1 (ja) 歯科用重合性組成物
JP6781908B2 (ja) 硬化性組成物および歯科用硬化性組成物
WO2015141683A1 (ja) 歯列矯正用接着材および歯列矯正用接着材キット
JP6977992B2 (ja) 積層型歯科補綴物の製造方法
JPS63230611A (ja) 歯科用接着組成物
JP6088942B2 (ja) 歯面被覆材
JP7290856B2 (ja) 歯科補綴物
KR101228290B1 (ko) 요변성과 주형성이 우수한 치과용 복합체 조성물
Di Francescantonio et al. Shrinkage stress, long-term adaptation and bond strength of low-shrinkage composite resins
EP2410942B1 (en) Curable zirconia adhesive compositions for dental restorations

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6977992

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250