JP2019069670A - タイヤ劣化診断装置、及びタイヤ劣化診断システム - Google Patents

タイヤ劣化診断装置、及びタイヤ劣化診断システム Download PDF

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寛篤 長谷川
Hiroshige Hasegawa
寛篤 長谷川
浩文 溝嶋
Hirofumi Mizoshima
浩文 溝嶋
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Abstract

【課題】タイヤの使用状況の良否を判定することができるタイヤ劣化診断装置を提供する。【解決手段】車両100に取り付けられたタイヤ20の劣化の程度を表す劣化指標値を取得する第1取得手段11と、タイヤ20の使用開始からの車両100の走行距離を取得する第2取得手段12と、劣化指標値と走行距離との関係を示す相関情報を予め記憶した記憶手段13と、相関情報に、第1取得手段11により取得された劣化指標値と第2取得手段12により取得された走行距離との関係を照合することで、タイヤ20の使用状況の良否を判定する判定手段14とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの劣化状態を診断するタイヤ劣化診断装置、及びタイヤ劣化診断システムに関する。
空気入りタイヤにおいて、その機能や性能を十分に発揮させるためには、タイヤの劣化状態を常に把握しておくことが望まれる。例えば、車両(乗用車、トラック、バス、二輪車、フォークリフト等)に装着されるタイヤは、長距離の使用により、トレッドを構成するゴムの劣化や摩耗が進行する。また、トレッド以外のゴムや、タイヤの表面に露出していない繊維、樹脂、金属部材についても、徐々に劣化が進行する。このようなタイヤ構成部材の劣化は、車両の走行性、安全性、燃費等に影響する。また、タイヤ構成部材が劣化すると、タイヤからの騒音、振動、及びハーシュネス(NVH)が悪化するため、車両走行時の快適性も損なわれることになる。そこで、車両に装着されたタイヤの劣化状態を診断する試みがなされている。
例えば、リトレッドタイヤにおいて、ケース構成部材の現在の物性値を推定し、現在の物性値が限界物性値に達するまでに走行可能な距離を予測する装置が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、タイヤに設けた加速度センサによって検出したタイヤ径方向加速度から、タイヤトレッドの摩耗度を推定する装置が開発されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、予め記憶しているベルト剥離力と評価指標(比重、ゴム物性、酸素元素量等)とを関係付けたデータを用いて、タイヤの劣化が再利用に耐え得る程度かを判定する装置が開発されている(例えば、特許文献3を参照)。
特許第5347054号公報 特開2016−190615号公報 特開2012−13640号公報
空気入りタイヤは、経済的、環境的な要請から、より長く使用することが望まれる。しかしながら、タイヤの寿命は、タイヤ自体の経年劣化のみならず、例えば、ハンドル操作、ブレーキ操作等のドライビング技術や、ホイールアライメント等の車両のセッティングの他、タイヤの使用状況によっても大きく影響を受ける。そこで、タイヤの長寿命化のためには、ドライバーや車両管理者等には、単に現在のタイヤの劣化状態を把握するだけではなく、タイヤの使用状況の良否を認識することが求められる。
この点について、特許文献1の装置は、ケース寿命として限界物性値に達するまでに走行可能な距離を予測しユーザに提示するものに過ぎず、タイヤの使用状況の良否を認識できるものではない。
特許文献2の装置は、使用状態にあるタイヤの摩耗度を推定しているが、摩耗度の提示は、タイヤの使用状況の良否を直接的に認識できるものではない。
特許文献3の装置は、タイヤの劣化の程度を判定しているが、更生タイヤとして再利用できるか否かの判定であり、タイヤの使用中に、その使用状況の良否を認識できるものではない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、タイヤの使用状況の良否を判定することができるタイヤ劣化診断装置、及びタイヤ劣化診断システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るタイヤ劣化診断装置の特徴構成は、
車両に取り付けられたタイヤの劣化の程度を表す劣化指標値を取得する第1取得手段と、
前記タイヤの使用開始からの前記車両の走行距離を取得する第2取得手段と、
前記劣化指標値と前記走行距離との関係を示す相関情報を予め記憶した記憶手段と、
前記相関情報に、前記第1取得手段により取得された劣化指標値と前記第2取得手段により取得された走行距離との関係を照合することで、前記タイヤの使用状況の良否を判定する判定手段と、
を備えたことにある。
本構成のタイヤ劣化診断装置によれば、劣化指標値と走行距離との関係を示す相関情報に、走行中に取得された劣化指標値と走行距離との関係を照合することで、劣化指標値が表す劣化の程度が、走行距離に見合ったものであるか否かを判定することできるため、タイヤの使用状況の良否を判定することが可能になる。タイヤの使用状況の良否の判定結果をドライバーや車両管理者等に提示することは、タイヤの使用状況を改善する動機付けになり得る。この結果、タイヤの長寿命化を支援することができる。
本発明に係るタイヤ劣化診断装置において、
前記相関情報は、第1軸を走行距離とし、第2軸を劣化指標値とした座標系において、グラフ化した場合に連続的に減少又は増加するマスターカーブを示すものであり、
前記判定手段は、前記マスターカーブに、前記第1取得手段により取得された劣化指標値に対応する第1座標、及び前記第2取得手段により取得された走行距離に対応する第2座標を照合することにより、前記タイヤの使用状況の良否を判定することが好ましい。
本構成のタイヤ劣化診断装置によれば、第1取得手段で取得された劣化指標値、及び第2取得手段で取得された走行距離の夫々に対応する2つの座標を、マスターカーブに照合することで、劣化指標値が表す劣化の程度が、走行距離に見合ったものであるか否かを正確且つ容易に判定することが可能になり、タイヤの使用状況の良否を適切に認識することができる。
本発明に係るタイヤ劣化診断装置において、前記判定手段は、前記第1座標での走行距離が前記第2座標での走行距離より小さい値であれば前記タイヤの使用状況が良いと判定し、前記第1座標での走行距離が前記第2座標での走行距離より大きい値であれば前記タイヤの使用状況が悪いと判定することが好ましい。
本構成のタイヤ劣化診断装置によれば、走行距離を用いて第1座標と第2座標とを直接比較することにより、タイヤの使用状況の良否をより適切に認識することができる。
本発明に係るタイヤ劣化診断装置において、
前記判定手段は、前記マスターカーブが減少する場合において、前記第1座標での劣化指標値が前記第2座標での劣化指標値より大きい値であれば前記タイヤの使用状況が良いと判定し、前記第1座標での劣化指標値が前記第2座標での劣化指標値より小さい値であれば前記タイヤの使用状況が悪いと判定し、
前記マスターカーブが増加する場合において、前記第1座標での劣化指標値が前記第2座標での劣化指標値より小さい値であれば前記タイヤの使用状況が良いと判定し、前記第1座標での劣化指標値が前記第2座標での劣化指標値より大きい値であれば前記タイヤの使用状況が悪いと判定することが好ましい。
本構成のタイヤ劣化診断装置によれば、マスターカーブが減少する場合、及びマスターカーブが増加する場合の何れの場合であっても、劣化指標値を用いて第1座標と第2座標とを直接比較することにより、タイヤの使用状況の良否をより適切に認識することができる。
本発明に係るタイヤ劣化診断装置において、前記劣化指標値は、前記タイヤの内圧の積算値、前記タイヤの内部温度の積算値、前記タイヤのトレッドゴムのモジュラス、前記トレッドゴムの硬度、前記トレッドゴムの摩耗量、前記タイヤのトレッドに形成されているグルーブの深さ、及び前記タイヤのユニフォーミティからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
本構成のタイヤ劣化診断装置によれば、上記の適切な劣化指標値を用いることで、タイヤの使用状況の良否を適切に認識することができる。
本発明に係るタイヤ劣化診断装置において、前記判定手段による判定結果を報知する報知手段を更に備えることが好ましい。
本構成のタイヤ劣化診断装置によれば、判定手段による判定結果を報知することで、ドライバーや車両管理者等にタイヤの使用状況の良否を迅速かつ容易に認識させることができる。この結果、ドライバーや車両管理者等に対して、タイヤの使用状況を改善する運転を促し、タイヤの長寿命化を支援することができる。
上記課題を解決するための本発明に係るタイヤ劣化診断システムの特徴構成は、
タイヤ構成部材の状態をセンシングするセンサを有するタイヤと、
上記の何れか一つに記載のタイヤ劣化診断装置と、
を備えたタイヤ劣化診断システムであって、
前記タイヤ劣化診断装置における前記第一取得手段は、前記タイヤから送信されるセンシング情報に基づいて、前記劣化指標値を取得することにある。
本構成のタイヤ劣化診断システムによれば、タイヤから送信されるセンシング情報に基づいて、劣化指標値を取得するため、走行中のタイヤの使用状況の良否判定を走行中に行うことができ、その判定結果を、ドライバーへリアルタイムに提示することが可能になる。この結果、ドライバーに対して、タイヤの使用状況を改善する運転を促し、タイヤの長寿命化を支援することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るタイヤ劣化診断システムのブロック図である。 図2は、タイヤ走行距離と劣化指標値との関係を示す相関情報の説明図である。 図3は、判定手段におけるタイヤ使用状況判定の説明図である。 図4は、判定手段におけるタイヤ使用状況判定の説明図である。 図5は、判定手段におけるタイヤ使用状況判定の説明図である。 図6は、判定手段におけるタイヤ使用状況判定の説明図である。 図7は、タイヤ劣化診断プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明について、図1〜図7を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
<タイヤ劣化診断システム>
図1は、本発明の実施形態に係るタイヤ劣化診断システム1のブロック図である。タイヤ劣化診断システム1は、車両100に搭載されたタイヤ劣化診断装置10と、車両100に取り付けられたタイヤ20とを備え、タイヤ20の劣化状態に基づいて、タイヤ20の使用状況の良否を診断する。
タイヤ20は、センシングユニット21を有するセンシング機能付き空気入りタイヤである。センシングユニット21は、タイヤ20のトレッド、サイドウォール、及びビード部等に設置されたセンサ部22と、センサ部22でのセンシング情報を車両100側へ送信する送信部23とを備える。センサ部22は、例えば、温度センサ、歪センサ、空気圧センサ、及び加速度センサ等の各種センサであり、インナーライナー、プライ、ベルト、及びゴム等のタイヤ20の構成部材の状態(温度、歪等)をセンシングする。
<タイヤ劣化診断装置>
タイヤ劣化診断装置10は、第1取得手段11、第2取得手段12、記憶手段13、及び判定手段14を備え、任意の構成として、報知手段15を備える。タイヤ劣化診断装置10は更に、近距離無線通信(RFID)等の非接触通信によって送信部23からセンシング情報を受信する第1通信手段16、及びCAN(Controller Area Network)により車両100の任意の場所に設けられている電子制御ユニット30と通信する第2通信手段17を備える。第1取得手段11、第2取得手段12、判定手段14、及び報知手段15は、CPU、メモリ、及びストレージ等を有するコンピュータにおいて、メモリに記録されているタイヤ劣化診断プログラムをCPUが読み出して実行することで、それぞれの機能が実現される。
第1取得手段11は、タイヤ20の劣化の程度を表す劣化指標値を取得する。劣化指標値には、センサ部22でのセンシング情報、タイヤ20の構成部材の物性値(以下、単に「物性値」と称する。)、及びタイヤ20の形状を示す指標値等のうち、タイヤ20を取り付けた状態での車両100の走行距離との間に連続的な増加性又は減少性を有するものを用いることができる。ここで、劣化指標値が「連続的な増加性又は減少性を有する」とは、単調増加又は単調減少が含まれるが、タイヤ20の使用開始から終了までの全期間を通して常に増加又は減少する場合だけではなく、例えば、使用開始時の一時期のみ増加しその後は減少する場合等、全使用期間に占める割合が十分に小さい一部の期間を除いて、残りの期間が単調増加又は単調減少する場合も包含する。また、数学的な意味での厳密な単調増加又は単調減少である必要はなく、タイヤ20の全使用期間での増加量又は減少量に比べて、十分に小さい変動量で微小な増減があってもよい。例えば、センサ部22でのセンシング情報では、タイヤ20の内圧の積算値、及びタイヤ20の内部温度の積算値等、物性値では、トレッドゴムのモジュラス、及び硬度等、タイヤ20の形状を示す指標値では、トレッドゴムの摩耗量、トレッドに形成されているグルーブの深さ、及びユニフォーミティ等が、タイヤ20を取り付けた状態での車両100の走行距離との間に単調増加性、又は単調減少性を有しており、劣化指標値として好適に用いることができる。これらの劣化指標値は、タイヤ20におけるセンシング情報を、第1通信手段16を介して取得し、センシング情報に基づいて算出、又は推定することで得ることができる。例えば、タイヤ20の内圧の積算値は、空気圧センサのセンシング情報の累積値として算出することができ、タイヤ20の内部温度の積算値は、温度センサのセンシング情報の累積値として算出することができる。タイヤ20の内圧の積算値はタイヤ20が受ける応力の総量であり、タイヤ20の内部温度の積算値はタイヤ20が受ける熱量の総量であり、何れもゴム等の劣化状態の指標となり得る。また、トレッドゴムの硬度は、トレッドに配された歪センサ等のセンシング情報を用いて算出することができる。ユニフォーミティは、ビード部に加速度センサを設置し、定速走行時におけるタイヤ径方向の加速度の変化から算出することができる。他の例として、センシング情報と任意の劣化指標値との対応関係を示すデータベースを予め用意しておき、このデータベースを用いることで、センシング情報から劣化指標値を推定することができる。
第2取得手段12は、タイヤ20の使用開始からの車両100の走行距離(以下、「タイヤ走行距離」と称する。)を取得する。例えば、第2取得手段12は、車両100のトランスミッションから出力される車速信号を、第2通信部17を介して電子制御ユニット30から取得し、タイヤ20を使用開始した時点からのタイヤ走行距離を算出することができる。
記憶手段13は、例えば、不揮発性半導体メモリ等であって、その記録領域に、タイヤ走行距離と劣化指標値との関係を示す相関情報が予め記録されている。相関情報は、タイヤ20と同種のタイヤを用いてドラムや試験コース等で試験走行を行い、測定されたタイヤ走行距離と劣化指標値とを対応付けることで、予め作成されたものである。
判定手段14は、第1取得手段11により取得された劣化指標値と、第2取得手段12により取得されたタイヤ走行距離との関係を相関情報に照合することで、タイヤの使用状況の良否を判定する。
報知手段15は、判定手段14におけるタイヤ使用状況判定の結果を、ドライバーや車両管理者等へ報知するための報知情報を生成する。報知情報は、例えば、インストルメントパネル、コンソール等に設けられたディスプレイ40に表示される。
<相関情報>
図2は、タイヤ走行距離と劣化指標値との関係を示す相関情報の説明図である。相関情報は、テーブル、関数等の様々なデータ形式をとり得るが、図2では、第1軸(横軸)をタイヤ走行距離とし、第2軸(縦軸)を劣化指標値とした直交座標系におけるグラフ形式の相関情報を示している。以下、この直交座標系においてグラフ化した相関情報をマスターカーブと称する。図2(a)は、タイヤ走行距離に対して単調減少性を有する劣化指標値を連続的にプロットしたときに得られるマスターカーブの一例を示している。図2(b)は、タイヤ走行距離に対して単調増加性を有する劣化指標値を連続的にプロットしたときに得られるマスターカーブを示している。
相関情報を作成するために行った試験走行の計測結果が、図2(a)、及び図2(b)において破線区間で示すように、タイヤの使用開始初期の増減の傾向がタイヤの使用期間全体での傾向と異なる場合、図2において実線で示した区間、即ち、タイヤ走行距離が増加するに連れて、劣化指標値が単調増加、又は単調減少する区間での計測結果をマスターカーブとして用いる。図2(a)に示すマスターカーブは連続的に減少するものであり、図2(b)に示すマスターカーブは連続的に増加するものである。このようなマスターカーブに、劣化指標値とタイヤ走行距離との関係を照合することで、第1取得手段11で取得した劣化指標値(以下、「測定劣化指標値」と称する。)Imから、タイヤ走行距離の推定値(以下、「推定走行距離」と称する。)Deを一意に推定することができる。同様に、第2取得手段12で取得したタイヤ走行距離(以下、「測定走行距離」と称する。)Dmから、劣化指標値の推定値(以下、「推定劣化指標値」と称する。)Ieを推定することができる。
<タイヤ使用状況判定>
図3〜図6は、判定手段14におけるタイヤ使用状況判定の説明図である。判定手段14は、第1取得手段11により取得された測定劣化指標値Imに対応するマスターカーブ上の第1座標aと、第2取得手段12により取得された測定走行距離Dmに対応するマスターカーブ上の第2座標bとから、夫々の劣化指標値、又はタイヤ走行距離を読み取り、これらを比較することで、タイヤ20の使用状況の良否を判定する。
第1座標aと第2座標bとの比較にタイヤ走行距離を用いる場合、判定手段14は、図3(a)、及び図3(b)のように、測定劣化指標値Imから推定走行距離Deを推定して、測定走行距離Dmと比較する。図3(a)に示すように、推定走行距離Deよりも測定走行距離Dmが大きい場合、車両100の走行では、マスターカーブを作成した試験走行に比べて、劣化の程度が同じでもタイヤ走行距離が大きいことになるため、判定手段14は、タイヤ20の使用状況が良いと判定する。一方、図3(b)に示すように、推定走行距離Deよりも測定走行距離Dmが小さい場合、車両100の走行では、マスターカーブを作成した試験走行に比べて、劣化の程度が同じでもタイヤ走行距離が小さいことになるため、判定手段14は、タイヤ20の使用状況が悪いと判定する。なお、図3では、連続的に減少するマスターカーブを照合に用いる例を説明したが、図4に示すように、連続的に増加するマスターカーブを照合に用いても、同様の判定を行うことができる。具体的には、判定手段14は、図4(a)のように、推定走行距離Deよりも測定走行距離Dmが大きい場合、タイヤ20の使用状況が良いと判定し、図4(b)のように、推定走行距離Deよりも測定走行距離Dmが小さい場合、タイヤ20の使用状況が悪いと判定する。
第1座標aと第2座標bとの比較にタイヤ走行距離を用いる場合、判定手段14は、図5(a)、及び図5(b)のように、測定走行距離Dmから推定劣化指標値Ieを推定して、測定劣化指標値Imと比較する。図5(a)に示すように、推定劣化指標値Ieよりも測定劣化指標値Imが大きい場合、車両100の走行では、マスターカーブを作成した試験走行に比べて、タイヤ走行距離が同じでもタイヤ20の劣化の程度が小さいことになるため、判定手段14は、タイヤ20の使用状況が良いと判定する。一方、図5(b)に示すように、推定劣化指標値Ieよりも測定劣化指標値Imが小さい場合、車両100の走行では、マスターカーブを作成した試験走行に比べて、タイヤ走行距離が同じでもタイヤ20の劣化の程度が大きいことになるため、判定手段14は、タイヤ20の使用状況が悪いと判定する。なお、図5では、連続的に減少するマスターカーブを照合に用いる例を説明したが、図6に示すように、連続的に増加するマスターカーブを照合に用いても、同様の判定を行うことができる。だだし、連続的に減少するマスターカーブでは、劣化指標値が小さいほどタイヤ20の劣化の程度が大きいことを意味し、連続的に増加するマスターカーブでは、劣化指標値が大きいほどタイヤ20の劣化の程度が大きいことを意味する。そのため、図6に示す連続的に増加するマスターカーブを用いる場合、推定劣化指標値Ieと測定劣化指標値Imとの大小関係、及びその判定結果は、図5の場合と逆の関係になる。具体的には、判定手段14は、図6(a)のように、推定劣化指標値Ieよりも測定劣化指標値Imが小さい場合、タイヤ20の使用状況が良いと判定し、図6(b)のように、推定劣化指標値Ieよりも測定劣化指標値Imが大きい場合、タイヤ20の使用状況が悪いと判定する。
なお、判定手段14は、タイヤ20の使用状況を単純に「良」又は「否」で判定するだけではなく、良否の程度を評価するように構成することも可能である。例えば、判定手段14は、下式のように「タイヤ走行距離の伸び率(%)」を算出することで、タイヤ20の使用状況の良否の程度を評価することができる。
タイヤ走行距離の伸び率(%) = {(測定走行距離Dm − 推定走行距離De) / 推定走行距離De} × 100
判定手段14は、タイヤ走行距離の伸び率が正の値であるときに、伸び率が大きいほどタイヤ20の使用状況が良いと評価し、タイヤ走行距離の伸び率が負の値であるときに、伸び率が小さいほどタイヤ20の使用状況が悪いと評価する。
<判定結果の報知>
判定結果の報知は、単純にタイヤ使用状況の良否だけを示す形態、良否の程度を示す形態等、様々な形態を採用することできる。例えば、判定手段14においてタイヤ使用状況が「良」又は「否」で判定される場合、報知手段15は、「良」又は「否」の判定結果を示す二値情報を生成し、インストルメントパネル、コンソール等に設けられた「良」、及び「否」の夫々に対応するLEDを、二値情報に基づいて点灯させるよう構成することが可能である。
また、判定手段14においてタイヤ走行距離の伸び率が算出される場合、報知手段15は、タイヤ走行距離の伸び率を示す情報を生成し、タイヤ走行距離の伸び率をディスプレイ40に表示させるよう構成することが可能である。
タイヤ使用状況の判定結果に応じたLEDの点灯やディスプレイ40の表示は、ドライバーに対して視覚的に訴えかけるものであり、タイヤの使用状況を改善するためのインセンティブとなり得る。特に、タイヤ走行距離の伸び率の表示は、タイヤ使用状況の良否の程度が把握可能であるため、ドライバーに対しタイヤの使用状況の改善をより強く促すことができる。
<タイヤ劣化診断プログラム>
タイヤ劣化診断装置10は、CPU、メモリ、及びストレージ等を有するコンピュータにおいて、メモリに記録されているタイヤ劣化診断プログラムをCPUが読み出して実行することで、その機能が制御される。図7は、タイヤ劣化診断プログラムの処理手順を示すフローチャートである。フローチャートに示す各ステップの詳細な説明は、上述したタイヤ劣化診断装置10の説明と重複するため省略し、ここでは、フローチャートにより示した手順に重点を置いて説明する。
タイヤ劣化診断プログラムを実行するコンピュータでは、ステップ1〜ステップ9の処理を繰り返し実行することで、周期的(例えば、一週間に一回)にタイヤ使用状況判定を行う。先ず、ステップ1の実行により、センサ部22からのセンシング情報に基づいて実測劣化指標値Imが取得される。これにより、第1取得手段11の機能が実現される。次に、ステップ2の実行により、電子制御ユニット30から実測走行距離Dmが取得される。これにより、第2取得手段12の機能が実現される。ステップ1における劣化指標値の取得、及びステップ2におけるタイヤ走行距離の取得は、必ずしもこの順に実行される必要はなく、ステップ2をステップ1より先に実行してもよく、あるいは、ステップ1とステップ2とを並列に実行してもよい。
ステップ1、及びステップ2の完了後に、ステップ3〜ステップ6が実行される。ステップ3では、例えば、劣化指標値と走行距離との関係を図2(a)に示すマスターカーブに照合することで、ステップ1において取得された実測劣化指標値Imから推定走行距離Deが推定される。ステップ4では、ステップ2において取得された実測走行距離Dmが、推定走行距離Deより大きいか否かが判定される。実測走行距離Dmが推定走行距離Deより大きい場合(ステップ4:Yes)、ステップ5において、タイヤ20の使用状況が良い(良)と判定される。実測走行距離Dmが推定走行距離Deより大きくない場合(ステップ4:No)、ステップ6において、タイヤ20の使用状況が悪い(否)と判定される。このようなステップ3〜ステップ6の処理により、判定手段14の機能が実現される。
ステップ3〜ステップ6の完了後に、ステップ7が実行される。ステップ7では、ステップ5での判定結果、又はステップ6での判定結果をドライバーや車両管理者等へ報知するための報知情報が生成され、ディスプレイ40に出力される。これにより、報知手段15の機能が実現される。
ステップ7の完了後に、ステップ8が実行され、タイヤ劣化診断プログラムの処理を継続するか否かが判定される。継続する場合(ステップ8:Yes)、ステップ9の実行による待機処理の後に、ステップ1から処理が繰り返される。ステップ9の待機処理は、例えば、タイマ関数等を利用して、タイヤ使用状況判定の実行周期(例えば、一週間に一回)を調節するものである。タイヤ劣化診断プログラムの処理を継続しない場合(ステップ8:No)、タイヤ劣化診断プログラムの処理は終了する。
なお、図7のフローチャートでは、タイヤ20の使用状況の良否の判定に図2(a)に示す連続的に減少するマスターカーブを用いる例を説明したが、判定には図2(b)に示す連続的に増加するマスターカーブを用いることも可能である。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るタイヤ劣化診断システム1、及びタイヤ劣化診断装置10は、劣化指標値と走行距離との関係を示す相関情報に、走行中に取得された測定劣化指標値Imと測定走行距離Dmとの関係を照合することで、測定劣化指標値Imが表す劣化の程度が、測定走行距離Dmに見合ったものであるかを判定して、タイヤ20の使用状況の良否を判定することができる。この結果、ドライバーや車両管理者等にタイヤの使用状況の良否を認識させて、タイヤ20の使用状況を改善する運転を促し、タイヤ20の長寿命化を支援することができる。
〔別実施形態〕
本発明のタイヤ劣化診断システム、及びタイヤ劣化診断装置は、タイヤ20の使用状況の良否を判定することができるという本発明の効果を奏するものであれば、上記の実施形態で説明した構成を変更することも可能である。そのような幾つかの変更例を別実施形態として説明する。
<別実施形態1>
上記の実施形態に係るタイヤ劣化診断システム1において、タイヤ劣化診断装置10は車両100の外部に設けることも可能である。例えば、車両100が電気自動車(EV)である場合に、タイヤ劣化診断装置10を給電設備に設けるよう構成してもよい。このような構成では、走行中にセンシングユニット21で取得したセンシング情報を車両100に設けたストレージに蓄積しておき、車両100を充電するために給電設備に接続したときに、タイヤ劣化診断装置10がタイヤ走行距離及びセンシング情報を車両100から取得し、タイヤの使用状況の良否を判定することができる。
<別実施形態2>
上記の実施形態に係るタイヤ劣化診断システム1において、タイヤ劣化診断装置10が第1通信手段16を構成要素とせず、例えば、タイヤハウスの近傍に第1通信手段16を別個に設けることが可能である。このような構成であれば、タイヤ劣化診断装置10の配置が、タイヤ20に設けられたセンシングユニット21と直接通信可能な位置に限定されないため、高い自由度での車両設計が可能である。
<別実施形態3>
上記の実施形態に係るタイヤ劣化診断システム1において、タイヤ劣化診断装置10は、送信部23からセンシング情報を直接受信せず、車両100に設けられたストレージに蓄積されたセンシング情報を、定期的に(例えば、一日に1度)ストレージから取得するよう構成することも可能である。
<別実施形態4>
上記の実施形態に係るタイヤ劣化診断システム1において、タイヤ劣化診断装置10は、劣化指標値、及びタイヤ走行距離を必ずしも第1取得手段11、及び第2取得手段12において算出する必要はない。例えば、車両100に搭載された別の電子制御ユニットにおいて劣化指標値、又はタイヤ走行距離が算出される場合、タイヤ劣化診断装置10は、CANを介してこの電子制御ユニットから劣化指標値、又はタイヤ走行距離を、第1取得手段11、及び第2取得手段12において取得することが可能である。
1 タイヤ劣化診断システム
10 タイヤ劣化診断装置
11 第1取得手段
12 第2取得手段
13 記憶手段
14 判定手段
15 報知手段
20 タイヤ
22 センサ部(センサ)
100 車両

Claims (7)

  1. 車両に取り付けられたタイヤの劣化の程度を表す劣化指標値を取得する第1取得手段と、
    前記タイヤの使用開始からの前記車両の走行距離を取得する第2取得手段と、
    前記劣化指標値と前記走行距離との関係を示す相関情報を予め記憶した記憶手段と、
    前記相関情報に、前記第1取得手段により取得された劣化指標値と前記第2取得手段により取得された走行距離との関係を照合することで、前記タイヤの使用状況の良否を判定する判定手段と、
    を備えたタイヤ劣化診断装置。
  2. 前記相関情報は、第1軸を走行距離とし、第2軸を劣化指標値とした座標系において、グラフ化した場合に連続的に減少又は増加するマスターカーブを示すものであり、
    前記判定手段は、前記マスターカーブに、前記第1取得手段により取得された劣化指標値に対応する第1座標、及び前記第2取得手段により取得された走行距離に対応する第2座標を照合することにより、前記タイヤの使用状況の良否を判定する請求項1に記載のタイヤ劣化診断装置。
  3. 前記判定手段は、前記第1座標での走行距離が前記第2座標での走行距離より小さい値であれば前記タイヤの使用状況が良いと判定し、前記第1座標での走行距離が前記第2座標での走行距離より大きい値であれば前記タイヤの使用状況が悪いと判定する請求項2に記載のタイヤ劣化診断装置。
  4. 前記判定手段は、前記マスターカーブが減少する場合において、前記第1座標での劣化指標値が前記第2座標での劣化指標値より大きい値であれば前記タイヤの使用状況が良いと判定し、前記第1座標での劣化指標値が前記第2座標での劣化指標値より小さい値であれば前記タイヤの使用状況が悪いと判定し、
    前記マスターカーブが増加する場合において、前記第1座標での劣化指標値が前記第2座標での劣化指標値より小さい値であれば前記タイヤの使用状況が良いと判定し、前記第1座標での劣化指標値が前記第2座標での劣化指標値より大きい値であれば前記タイヤの使用状況が悪いと判定する請求項2に記載のタイヤ劣化診断装置。
  5. 前記劣化指標値は、前記タイヤの内圧の積算値、前記タイヤの内部温度の積算値、前記タイヤのトレッドゴムのモジュラス、前記トレッドゴムの硬度、前記トレッドゴムの摩耗量、前記タイヤのトレッドに形成されているグルーブの深さ、及び前記タイヤのユニフォーミティからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜4の何れか一項に記載のタイヤ劣化診断装置。
  6. 前記判定手段による判定結果を報知する報知手段を更に備える請求項1〜5の何れか一項に記載のタイヤ劣化診断装置。
  7. タイヤ構成部材の状態をセンシングするセンサを有するタイヤと、
    請求項1〜6の何れか一項に記載のタイヤ劣化診断装置と、
    を備えたタイヤ劣化診断システムであって、
    前記タイヤ劣化診断装置における前記第一取得手段は、前記タイヤから送信されるセンシング情報に基づいて、前記劣化指標値を取得するタイヤ劣化診断システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023021907A1 (ja) * 2021-08-17 2023-02-23 住友ゴム工業株式会社 タイヤ状態判定システム、タイヤ状態判定装置、タイヤ状態判定方法、及びプログラム

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