JP2019069410A - 可視光活性光触媒複合フィルター材、その製造方法 - Google Patents

可視光活性光触媒複合フィルター材、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可視光領域で活性が比較的高く、バクテリア等の汚染や汚染等による通過流量の低下が比較的少ない光触媒複合フィルター材やその製造方法を提供する。【解決手段】光触媒複合フィルター材は、セルロースナノファイバー(以下、「CNF」ということがある。)と、該CNFに混合された炭素粒子・チタニアコアシェル複合体を含むことを特徴とする。光触媒複合フィルター材の製造方法は、前炭素粒子・チタニアコアシェル複合体を分散した分散液にCNF懸濁液を添加、混合し、該混合液をろ過膜でろ過することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、可視光領域で活性が発現できる光触媒複合フィルター材やその製造方法に関する。
光触媒は省エネで環境にやさしい技術であるため、種々の工業用途だけでなく、特に生活環境の改善への実用化が有望視されている。しかし、光触媒は通常一般的な熱触媒と比べ反応速度が遅いために、環境浄化や生活環境への応用に際しては、比較的汚染負荷が小さい系や、ある程度綺麗にした環境をさらにより良くするなど、範囲が限られているという面もある。
このような従来技術の中で、チタニアなどの光触媒粒子をガラス、石英、メソ多孔材料、ステンレス鋼、ポリマー等の基材中に分散・担持して、抗菌性生地や光触媒膜反応器として応用することが提案されている(非特許文献1)。しかしながら、このような応用に際しては、チタニアなどの紫外線活性の触媒粒子を用い、紫外線照射下で反応を進行させるものであった。
R. Molinari, et al. Catalysis Today, 281 (2017) 144-164
上述のようなチタニアなどの光触媒粒子をガラス、石英、メソ多孔材料、ステンレス鋼、ポリマー等の基材中に分散・担持して、抗菌性生地や光触媒膜反応器とするものについて、本発明者は調査、検討したが、次の(1)〜(3)のような欠点を有していることを認識した。
(1)紫外線照射に加え、比較的強い光触媒活性が生じるために繊維質などの基質材が比較的傷みやすく、フィルター材の寿命が短くなってしまう。
(2)繊維質などによる光散乱のために紫外線はフィルター材の内部まで浸透しにくく、折角フィルター材の内部に光触媒粒子を頑丈に固定していても表面しか光触媒反応が発生しない可能性があり、また、これを克服するためには光触媒粒子表面層を形成する解決法も考えられるが、表面層における光触媒粒子の固定は難点である。
(3)光触媒粒子をフィルター材のマトリクス中に組み込み、固定しているために、水中における応用に際しては光触媒自体による水流阻害を検討する必要がある。このような複合フィルター材を光照射下においてアンチファウリング性を持つ種々の水処理用膜の表面層として使えるが、その光触媒反応が十分でない場合には、バクテリア等の汚染による水流阻害が起こり、水流フラックスの減少がより大きな問題点となる。
本発明は、上述のような従来技術や本発明者が認識した従来技術の欠点などを背景としたものであり、可視光領域で活性が比較的高く、バクテリア等の汚染や汚染等による流量低下が比較的少ない光触媒複合フィルター材を提供することを課題とする。
前記課題の下、各種の試験研究を進める過程で、本発明者は、先に、炭素粒子表面にチタニアを有する炭素粒子・チタニアコアシェル複合体が優れた可視光活性を発現できることを知見した。
そして、そのような炭素粒子・チタニアコアシェル複合体の応用について検討を進める過程で、セルロースナノファイバーからなるフィルター材に炭素粒子・チタニアコアシェル複合体を複合させることにより可視光領域での活性が比較的高く、バクテリア等の汚染や汚染等による流量低下が比較的少ないフィルター材が得られることを知見した。
本発明は、上記のような知見に基づいて完成に至ったものであり、本件では、以下の発明が提供される。
<1>セルロースナノファイバー(以下、「CNF」ということがある。)と、該CNFに混合された光触媒を含む光触媒複合フィルター材であって、前記光触媒は炭素粒子・チタニアコアシェル複合体である光触媒複合フィルター材。
<2>前記光触媒と前記CNFは、重量割合が10:1〜1:10である<1>に記載の光触媒複合フィルター材。
<3>前記炭素粒子・チタニアコアシェル複合体は、ゼータ電位が-35mV以下又はC-OH/C-O-Cのモル比が30モル%以上で、かつ、C=Oのモル比が10モル%以下である修飾炭素粒子と、その表面に形成されたチタニアを含むものである<1>又は<2>に記載の光触媒複合フィルター材。
<4>炭素粒子・チタニアコアシェル複合体を分散した分散液にCNF懸濁液を添加、混合し、該混合液をろ過膜でろ過することを含む光触媒複合フィルター材の製造方法。
<5><4>に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法において、有機チタン化合物と炭素粒子を含む混合物を140〜250℃の温度で水熱処理し、前記炭素粒子・チタニアコアシェル複合体を製造することを含む光触媒複合フィルター材の製造方法。
<6>前記混合物は有機溶媒と水を含むものである<5>に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<7> 前記有機チタン化合物が、チタンアルコキシド、チタンアシレート、チタンキレートから選択されるものである<5>又は<6>に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<8>前記有機溶媒がアルコール類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、カルボン酸類から選択されるものである<6>又は<7>に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<9><5>に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法において、糖類及び/又は糖類誘導体と不飽和脂肪酸を含む混合物を水熱処理して前記炭素粒子を製造することを含む光触媒複合フィルター材の製造方法。
<10>前記不飽和脂肪酸は、糖類と糖類誘導体合計量の20〜150wt%である<9>に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
本発明は、次のような実施態様を含むことができる。
<11>前記炭素粒子・チタニアコアシェル複合体のチタニアの平均膜厚が1nm以上である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の光触媒複合フィルター材。
<12>前記炭素粒子・チタニアコアシェル複合体の炭素粒子が炭素球である<4>〜<10>のいずれか1項に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<13>水熱温度が150〜220℃である<5>〜<10>のいずれか1項に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<14>前記混合物中における有機チタン化合物のチタンと炭素粒子の炭素との重量比が12:1〜50:1である<5>〜<8>のいずれか1項に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<15>前記混合物中における有機チタン化合物のチタンと炭素粒子の炭素との重量比が12:1〜40:1である<14>に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<16> 前記混合物中における有機溶媒と水の体積比が8:1〜50:1である<5>〜<8>のいずれか1項に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<17>前記混合物中における有機溶媒と水の体積比が10:1〜30:1である<16>に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<18>前記糖類は、ブドウ糖、果糖、スクロースから選択される1種又は2種以上である<9>又は<10>に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
<19><16>前記不飽和脂肪酸は、アクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、ソルビン酸、メタクリル酸、ソルビン酸から選択される1種又は2種以上である<9>、<10>、<18>のいずれか1項に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
本発明の光触媒複合フィルター材は、可視光領域での活性が比較的高く、バクテリア等の汚染や汚染等による流量低下が比較的少ない。
(a)比較例の光触媒P25、(b)比較例の光触媒Pt/TiO2、及び、(c)実施例の光触媒TiO2@CSのそれぞれの紫外光-可視光拡散反射スペクトルと、(d)石英基板上に目付量0.6mg/cm2で形成したCNF膜の紫外光-可視光透過スペクトルとを示す図面。 比較例の光触媒P25、比較例の光触媒Pt/TiO2、及び、実施例の光触媒TiO2@CSの各光触媒を用い、太陽光の全スペクトル、400nm以下の波長をカットした太陽光、LEDライトのいずれかを照射してメチルオレンジを光分解した際の光分解速度定数を示す図面。(a)は、各光触媒単独の光分解速度定数を、(b)は、各光触媒を含むCNF膜材料の光分解速度定数を、各図面の上段■は太陽光の全スペクトル照射の場合を、中段◆は400nm以下をカットした太陽光照射の場合を、下段●はLEDライト照射の場合をそれぞれ示す。 光触媒複合フィルター材を、(A)LED光照射下で活性汚泥下水中に浸漬する工程と、その後の(B)LED光照射下で純水中に浸漬する工程、とからなるサイクルを繰り返した際の各サイクルの(A)工程と(B)工程のそれぞれの最後の段階における光触媒複合フィルター材について、該フィルター材を通過する脱イオン水流量の測定結果を示す図面。下方の◆と◇は、比較例のCNF-Pt/TiO2フィルター材を、上方の●と○は実施例のCNF-TiO2@CSフィルター材をそれぞれ示す。また、◆と●は、1サイクル毎、6時間の下水中浸漬と18時間の純水中浸漬を行ったものを、◇と○は、1サイクル毎に24時間の下水中浸漬と24時間の純水中浸漬を行ったものを、それぞれ示す。 (a)は実施例のCNF-TiO2@CSフィルター材(上側)と比較例のCNF-Pt/TiO2フィルター材(下側)の写真、(b)は実施例のCNF-TiO2@CSフィルター材(上側)と比較例のCNF-Pt/TiO2フィルター材(下側)のレーザー走査型共焦点顕微鏡による顕微鏡像。(a)の左側は、未使用のフィルター材のもの、その右側は、LED光照射下で6時間活性汚泥下水中に浸漬した後のフィルター材のものを示す。(b)の左側は、該浸漬後のフィルター材の表面顕微鏡像(灰色:フィルター材料、緑:微生物)を、(b)の右側は、該表面顕微鏡像について、背景のフィルター材の像を黒にし、微生物の像だけをハイライト表示した表面顕微鏡像をそれぞれ示す。 (a)は、炭素粒子・チタニアコアシェル複合体の、炭素粒子合成時におけるスクロースに対するアクリル酸使用量(wt%)とCS表面の各種官能基のモル比との関係を示した図面。上から、(a1):C-C/C=C (○)、(a2):C-OH/C-O-C (●)、(a3):C=O (●)、(a4): COO/COOH (●)、(a5): =O/-O- (r) 及び -O (p)を、それぞれ示す。(b)は、炭素粒子合成時におけるスクロースに対するアクリル酸使用量(wt%)とゼータ電位との関係を示した図面。 炭素粒子・チタニアコアシェル複合体の、炭素粒子合成時におけるスクロースに対するアクリル酸使用量(wt%)と400nm以下の波長をカットした太陽光を照射した際のメチルオレンジの光分解速度定数との関係を示す図面。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
なお、本明細書において数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
本明細書で使用する主な略号とその意味は、次のとおりである。
AA:アクリル酸
CNF:セルロースナノファイバー
CNF-(光触媒):(光触媒)複合セルロースナノファイバーフィルター材
CS:炭素球(球状の炭素粒子)
CS-xAA:スクロースに対しxwt%のアクリル酸で修飾された炭素球
DI:脱イオン
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
TiO2@CS:炭素球・チタニアコアシェル複合体
TiO2@CS-xAA:スクロースに対しxwt%のアクリル酸で修飾された炭素球・チタニアコアシェル複合体
本発明の可視光活性を有する光触媒複合フィルター材は、セルロースナノファイバー(CNF)のマトリックス中に炭素粒子・チタニアコアシェル複合体からなる可視光活性光触媒を有するものである。
本発明においてCNFとは、繊維径がナノサイズ(1〜100nm)のものであり、繊維径が2〜3nmの単一繊維からなるシングルセルロースナノファイバー、及び、単一繊維が束ねてできた繊維径20〜100nmのマルチセルロースナノファイバーを含む。
本発明におけるCNFは、どのような製造方法で製造されたものでもよいが、例えば、水に漬けられ、水が浸み込んだ木粉をディスクミルでナノサイズの繊維径まで繊維化することにより製造することができる。
本発明における炭素粒子・チタニアコアシェル複合体は、炭素粒子の表面にチタニアが被覆されたものである。その可視光活性は、限定するものではないが、例えば、次のようにして測定することができる。該炭素粒子・チタニアコアシェル複合体20mgを濃度1mg/mLのメチルオレンジ超純水溶液100mL中に分散した温度298±2Kに保持された分散液に、該分散液の表面から13cm離れ、該表面の照度が0.15W/cm2となるように配置された疑似太陽光源(Xeランプ、300W)からの疑似太陽光を400nm以下の波長をカットするフィルターを介して照射してメチルオレンジを光分解し、その際の速度定数を測定する。
本発明で用いる炭素粒子・チタニアコアシェル複合体は、有機チタン化合物と炭素粒子を含む混合物を140〜250℃の温度で水熱処理することにより製造することができる。
有機チタン化合物としては、限定するものではないが、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド等のチタンアルコキシド;チタンイソステアレート、トリノルマルブトキシチタンモノステアレート、ジイソプロポキシチタンジステアレート等のチタンアシレート;チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクチレングリコレート等のチタンキレートから選択することができる。好適な有機チタン化合物は、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド等である。
有機チタン化合物の溶媒としては、限定するものではないが、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;酢酸等のカルボン酸などの有機溶媒を用いることができる。好適な有機溶媒は、エタノール、メタノール、アセトン等である。
炭素粒子としては、炭素球等の公知の中実炭素粒子が挙げられる。公知の中実炭素粒子の製造方法は、限定するものではないが、公知のものから適宜選択することができる。例えば、糖類や糖類誘導体を140〜250℃で水熱処理することなどの製造方法を挙げることができる。糖類としては、ブドウ糖、果糖などの単糖類、スクロース等の二糖類が挙げられる。糖類誘導体としては、ソルビトール、スクラロース等の人工甘味料が挙げられる。好適にはスクロース、ブドウ糖を用いることができる。
また、炭素粒子として、アクリル酸等の不飽和脂肪酸で修飾した修飾炭素粒子を用いると、炭素粒子・チタニアコアシェル複合体や光触媒複合フィルター材の可視光活性をさらに向上することができる。
そのような修飾炭素粒子は、糖類及び/又は糖類誘導体を140〜250℃で水熱処理して炭素粒子を調製する際に、炭素数が3〜20(好ましくは3〜10、より好ましくは3〜6)の不飽和脂肪酸を糖類及び/又は糖類誘導体の溶液中に含有させて水熱処理することにより製造することができる。
前記不飽和脂肪酸としては、限定するものではないが、アクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、ソルビン酸、メタクリル酸などの一価不飽和脂肪酸やソルビン酸等の多価不飽和脂肪酸を挙げることができる。
糖類や糖類誘導体の合計量に対する不飽和脂肪酸の使用量は、通常、20〜180wt%、好ましくは30〜150wt%である。
炭素粒子は、限定するものではないが、その平均粒径(顕微鏡観察による各粒子の粒径〔=(長径+短径)/2〕を平均したもの)が1nm〜5μm(好ましくは100nm〜5μm)のものを採用することができる。なお、本発明において炭素球は、顕微鏡観察による炭素粒子の長径と短径とが次の関係を有するものを意味する。
(長径−短径)/(長径+短径)≦ 0.1
炭素粒子は、水に分散した状態で有機チタン化合物溶液と混合することが望ましい。混合物中における有機チタン化合物のチタンと炭素粒子の炭素との重量比は、限定するものではないが、12:1〜50:1 (好ましくは15:1〜40:1)程度とすることができる。前記混合物中における有機溶媒と水の体積比が8:1〜50:1、好ましくは10:1〜30:1である。
水熱温度は、140〜250℃、好ましくは150〜220℃、より好ましくは160〜180℃である。有機溶媒と水の体積比と水熱温度の限定とを組み合わせることにより、後述の速度定数をより高い値とすることができる。
可視光活性炭素粒子・チタニアコアシェル複合体における炭素粒子表面のチタニアシェルの平均膜厚〔元素マッピング画像において無作為に選択した各炭素粒子上のチタニア膜厚(=炭素粒子周囲上のチタニアの面積/炭素粒子の周囲長)を複数個について平均したもの〕は、炭素粒子とチタニアとの界面に光が到達する範囲内であればどのような値でも良いが、通常は、1nm以上、実用的には10nm以上である。チタニアの平均膜厚の上限は、必ずしも明確ではないが、100〜300nm程度と考えられる。
本発明の光触媒複合フィルター材は、その製法はどのようなものでもよいが、例えば、光触媒粉を分散した液中にCNF懸濁液を添加し、超音波処理やその他の撹拌処理などにより十分に混合した後、混合液を適宜のろ過膜でろ過し、ろ過膜上の堆積物を乾燥することにより製造することができる。分散液や懸濁液の液体としては、限定するものではないが、好適には水を用いる。
光触媒複合フィルター材における光触媒とCNFとの重量割合は、フィルター材の用途や光照射の態様などにも依存するが、通常は、1:10〜10:1程度(好ましくは1:5〜5:1、より好ましくは1:2〜2:1)とすることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって何ら限定されるものではない。
<炭素球・チタニアコアシェル複合体の合成>
本発明のフィルター材に複合する光触媒としての炭素球・チタニアコア-シェル複合体(TiO2@CS)は、以下の記載のように、2段階の水熱工程を通じて合成した。
濃度0.2モル/L のスクロース溶液16mLをテフロン(登録商標)容器(容量:25mL)に入れ、該容器をステンレス鋼製オートクレーブに封入し、448Kで4時間水熱処理を行った。室温に冷却後、炭素球(CS)の固体沈殿物が出現した容器を取り出し、固体沈殿物を遠心分離により収集し、脱イオン(DI)水で2回洗浄した後、CSをDI水中に分散して、CS濃度5mg/mLの分散液を得た。
0.1mLのチタン(IV)テトラブトキシド〔(Ti(OBu)4〕 〔和光純薬工業(株)製、試薬特級〕を攪拌しながら12mLのエタノール〔和光純薬工業(株)製、純度99%〕中に溶解した。該溶解液中に0.6mLのCS分散液を加え、2分間撹拌した後、その混合物をテフロン(登録商標)容器(容量:25mL)に入れた。該容器をステンレス鋼製オートクレーブに封入し、433Kで3時間水熱処理を行った。室温に冷却後、粉末沈殿物が出現した容器を取り出し、粉末沈殿物を遠心分離により収集し、DI水とエタノール〔和光純薬工業(株)製、純度99%〕で繰り返し洗浄し、323Kで一晩乾燥して実施例で用いる光触媒としてのTiO2@CSを得た。
<セルロースナノファイバーの調製)
一晩水に漬けられ、水が浸み込んだ木粉を、ディスクミル(増幸産業(株)製 MKCA6-2)により、間隙150μm、1800rpmの回転速度の条件で繰り返し繊維化してセルロースナノファイバ(CNF)を含む懸濁液を得た。懸濁液から採取したCNFをSEMで観察した結果、その繊維径は、15〜50nmの範囲の径分布を有するものであった(平均繊維径約15〜20nm程度)。
<各光触媒の紫外光・可視光拡散反射スペクトル>
上記光触媒TiO2@CSの合成において製造された実施例の光触媒以外に、比較例の触媒として市販の酸化チタンP25(Evonik Degussa社)、Pt/TiO2(石原産業(株)MPT-623)を用いた。
それら光触媒粉末について、紫外光-可視光拡散反射スペクトル(UV-vis DRS)を、積分球を付属させた紫外光-可視光分光光度計(日本分光(株) V-650)で記録した。測定用のリファレンス材料として硫酸カルシウム(BaSO4)を使用した。その結果を図1中の(a)〜(c)として示す〔縦軸のK/Mは、クベルカ−モンク(Kubelka-Munk)関数〕。比較例の光触媒(a)P25、(b)Pt/TiO2では吸収端が410nm近くなっているのに対し、実施例の光触媒(c) TiO2@CSでは700nm付近から光吸収が起こっており、可視光吸収性能が高くなっていることを示している。このことは、実施例の光触媒(c)は、410nm以上での可視光活性が比較例の光触媒(a)、(b)に比べ大きいことを裏付けているといえる。
<CNFフィルター材の製造とその紫外光-可視光透過率>
10mLのDI水に上記で得られたCNFを含む懸濁液2gを添加し、2分間の超音波処理後、連続的に1時間撹拌した。撹拌後の懸濁液を表面が清浄な石英基板上に滴下してCNF膜を形成した。石英基板上のCNF膜を空気中323Kで一晩乾燥し、目付量約0.6mg/cm2のCNFフィルター材を得た。
得られたフィルター材について、紫外光-可視光拡散反射スペクトル(DRS)を、積分球を付属させた紫外光-可視光分光光度計(日本分光(株) V-650)で記録した。測定用のリファレンス材料としてフィルター材を載せなかった石英基板を使用した。その結果の透過スペクトルを図1中の(d)として示す〔縦軸のT(%)は透過率〕。CNFフィルター材は、紫外領域のように波長が短いほど透過率が低く、可視光領域のように波長が長いほど透過率が高くなっている。このことは、紫外線がCNFフィルター材の内部まで透過しにくいのに対し、可視光は紫外光よりもCNFフィルター材の内部まで透過しやすいことを意味しており、可視光活性光触媒を分散して含有するフィルター材の素材としてCNFが望ましいものであることを証明するものといえる。
<光触媒複合フィルター材の製造>
10mgの各光触媒粉(P25,Pt-TiO2、又は、TiO2@CS)を10mLのDI水中に分散した。該分散液に濃度0.567wt%のCNF懸濁液2gを添加し、得られた混合液を2分間の超音波処理後、連続的に1時間撹拌した。撹拌後の混合液を市販のろ紙〔No.5C、(株)アドバンテック製〕でろ過し、ろ紙上に光触媒粉を含むCNFフィルター材を形成した。フィルター材は、空気中323Kで一晩乾燥した。
<光触媒及び光触媒複合フィルター材の光触媒性能>
光触媒複合フィルター材の性能試験は、有機汚染物質を分解することにより調べた。標的の有機汚染物質としてメチルオレンジ(MO)を採用した。出発溶液の初期濃度(C0)を5mg・mL-1とし、20mgの光触媒をガラス容器中の100mLのMOに加え、2分間の超音波処理により分散させた。ガラス容器を石英カバーでフタをし、疑似太陽光光源(Jasco BS-300 type Xe lamp, 300W)の13cm下が液面となり、該液の頂部の照度が0.15W/cm2となるように載置した。反応中、反応器の温度は、水浴中で297±2Kに制御された。照射前に、懸濁液は、吸着平衡が達成されるように、暗中で1時間磁気的に撹拌した。400nm以下の波長をカットするフィルターを使用するか否かにより、可視光の照射、又は、フルスペクトル(全スペクトル)の太陽光の照射を行った。異なった時間間隔で、約1mLの上済み液を遠心分離により採取し、有機汚染物としてのMOの濃度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム(島津製作所製 プロミネンス)により解析した。なお、前記HPLCシステムは、2つの送液ポンプ(LC-20AD)、脱ガス装置(DGU-20A3)、オートサンプラ(SIL-20AC)、カラムオーブン(CTO-20AC)、及び、ダイオードアレイ検出器(SPD-M20A)から構成されている。
その結果を図2(a)、(b)に示す。(a)は、各光触媒単独の光分解速度定数を、(b)は、各光触媒を含むCNFフィルター材の光分解速度定数を、各図面の上段■は太陽光の全スペクトル照射の場合を、中段◆は400nm以下の波長をカットした太陽光照射の場合を、下段●はLEDライト照射の場合をそれぞれ示す。本発明の実施例の光触媒TiO2@CSは、紫外光を含む太陽光照射下での光分解速度定数が比較例の光触媒P25、Pt/TiO2より低いものの、CNFフィルター材に含有させた場合には、紫外光を含む太陽光、400nm以下の波長をカットした太陽光、LEDライトのいずれの照射下においても、比較例の光触媒P25、Pt/TiO2よりも高い光分解速度定数を示した。
<光触媒複合フィルター材の耐汚染性と耐久性の試験>
光触媒複合フィルター材の耐汚染性と耐久性は、下記の(A)工程と(B)工程とを1サイクルとする3サイクルで、下水処理プラントで得られた活性汚泥を含む実際の下水により評価した。
最初に、真空ポンプ(約-40cmHg)を吸引器として備えたブフナー漏斗システムを用い、新鮮な光触媒複合フィルター材について、脱イオン水の流量を測定した。
(A)工程:
脱イオン水の流量を測定した光触媒複合フィルター材は、それを支持する膜とともに、ガラス容器中の27mLの活性汚泥下水中に浸漬され、ガラス容器に石英板で蓋をし、下水中に連続的に気泡を形成しながら、LED光(オーム電機製、15W)により連続的に6時間又は24時間光照射する。上記の時間経過後、光触媒複合フィルター材を取り外し、バクテリア残留物を洗い流すように新鮮な純水で3回洗浄する。洗浄後のフィルター材について、前記ブフナーろ過システムを用いて、脱イオン水の流量を測定する。
(B)工程:
上記(A)工程で脱イオン水の流量を測定した光触媒複合フィルター材は、それを支持する膜とともに、ガラス容器中の27mLの純水中に浸漬され、ガラス容器に石英板で蓋をして、LED光により連続的に24時間光照射する。24時間経過後、光触媒複合フィルター材は取り出され、新鮮な純水で3回洗浄する。洗浄後の光触媒複合フィルター材について、前記ブフナーろ過システムを用いて、脱イオン水の流量を測定する。
脱イオン水の流量は、光触媒複合フィルター材の使用前と、各サイクルの(A)工程、(B)工程のそれぞれの最後の段階で記録された。その結果を図3に示す。下方の◆と◇は、比較例のCNF-Pt/TiO2フィルター材を、上方の●と○は実施例のCNF-TiO2@CSフィルター材をそれぞれ示す。また、◆と●は、1サイクル毎、6時間の下水中浸漬と18時間の純水中浸漬を行ったものを、◇と○は、1サイクル毎に24時間の下水中浸漬と24時間の純水中浸漬を行ったものを、それぞれ示す。本実施例のCNF-TiO2@CSフィルター材は、全てのサイクルの全ての工程において比較例のCNF-Pt/TiO2フィルター材よりも顕著に高い流量を示した。特に、6時間の下水中浸漬と18時間の純水中浸漬を行ったもの(上方の●)については、3サイクルを経過したものでも高い流量を維持することを示した。
図4に、実施例のCNF-TiO2@CSフィルター材(上側)と比較例のCNF-Pt/TiO2フィルター材(下側)についての写真と、Syto9核酸蛍光剤 nucleic acid fluorescent agent.で染色後、レーザー走査型共焦点顕微鏡(カールツァイスマイクロスコピー(株)製 LSM 880)で観察した表面顕微鏡像を示す。フィルター表面のバクテリア汚染された状態は、Syto9核酸蛍光剤 nucleic acid fluorescent agent.で染色後、レーザー走査型共焦点顕微鏡(カールツァイスマイクロスコピー(株)製 LSM 880)で観察した。左から順番に、未使用の光触媒複合フィルター材の写真、LED光照射下で6時間活性汚泥下水中に浸漬した後の光触媒複合フィルター材の写真、LED光照射下で6時間活性汚泥下水中に浸漬した後の光触媒複合フィルター材の微生物を緑に染色した表面顕微鏡像(灰色:フィルター材料、緑:微生物)、該表面顕微鏡像について、背景のフィルター材の像を黒にし、微生物の像だけをハイライト表示した表面顕微鏡像、をそれぞれ示す。
これらの写真や顕微鏡像から明らかなように、本発明の実施例のCNF-TiO2@CSフィルター材では、比較例に比べて微生物量が顕著に少なくなっている。
<アクリル酸修飾炭素球の合成>
5.472gのスクロース(和光純薬工業(株)、特級)を60mLの純水中に添加し、2分間の超音波処理とその後の10分間のマグネティックスターラーによる撹拌により溶解し、溶液Aを得た。所定量のアクリル酸(濃度99.0%以上、東京化成工業製)をスクロースに対し重量比xとなるように20mLの純水と混合し、溶液Bを形成した。その後、溶液Bは撹拌中の溶液A中に滴々で添加した。連続的に10分間撹拌後、混合物はテフロン(登録商標)でライニングされた容器中に移し、ステンレス鋼オートクレーブ中に密封した。463K16時間の水熱処理後、該オートクレーブを自然冷却した。遠心分離と、純水による2回の洗浄、353Kでの一晩中の乾燥によりアクリル酸修飾炭素球(以下、「CS-xAA」ということがある。)のサンプルを得た。
<アクリル酸修飾炭素球・チタニアコアシェル複合体の合成>
0.8mLのチタン(IV)テトラブトキシド〔Ti(OBu)4〕を60mLのエタノール中に溶解し、2分間連続的に撹拌することにより、淡黄色のチタン(IV)テトラブトキシド〔Ti(OBu)4〕の溶液を得た。該溶液に1.2gのCS-xAAを加え、2分間超音波処理してCS-xAAの分散溶液を形成した。その後、該分散溶液に2.4mLの純水を加えて、白色の沈殿物が徐々に現れた。さらに2分間連続的に撹拌した後、該撹拌混合物をテフロン(登録商標)でライニングされた容器に移し、ステンレス鋼オートクレーブ中に密封した。463K3時間の水熱処理後、該オートクレーブを自然冷却した。遠心分離と、純水による洗浄とエタノールによる洗浄を繰り返し、353Kでの一晩中の乾燥によりアクリル酸修飾炭素球・チタニアコアシェル複合体(以下、「TiO2@CS-xAA」ということがある。)のサンプルを得た。
<表面官能基のモル比、ゼータ電位の測定>
上記で得られたCS-xAAサンプルについては、X線光電子分光計(XPS、アルバック・ファイ(株)製ULVAC-PHI 5000 Versa Probeタイプ)を用い、表面の各種官能基のモル比を、C-C/C=C(285.3ev、50%L:50%G)、C-OH/C-O-C(286.3ev、100%G)、C=O(287.4ev、100%G)として、また、〜COO/COOH(289.6ev、100%G)はC 1sのピーク分離、=O/-O-(532.7ev、100%G)、-O(533.9ev、100%G)はO 1sのピーク分離から、それぞれ求めた(ただし、L:Lorentz関数、G:Gaussian関数)。その結果を図5(a)に示す。
また、CS-xAAサンプルを0.5mg/mLとなるように純水に混合し、各サンプルのゼータ電位をゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子(株)製ELSZ-1000タイプ)で測定した。その結果を図5(b)に示す。
これらの図面から、アクリル酸が50wt%の前後において、各種官能基のうち酸性-OH(C-OH/C-O-C)のモル比が高く、ゼータ電位の絶対値が高くなっていることが分かる。一方、アクリル酸が200wt%程度であるときも酸性-OHのモル比が高く、ゼータ電位の絶対値が高くなっているが、同時に、C=Oや=O/-O-、-Oのモル比も高くなっており、表面の酸化程度が進行しすぎて炭素の骨格構造が変化していることもうかがえる。
<TiO2@CS-xAAサンプルの光触媒性能試験>
TiO2@CS-xAAサンプルの光触媒性能試験は、標的の有機汚染物質としてメチルオレンジ(MO)を採用し、以下の手順でMOを分解することにより調べた。
出発溶液の初期濃度(C0)を5mg・mL-1とし、20mgの光触媒をガラス容器中の100mLのMOに加え、2分間の超音波処理により分散させた。ガラス容器を石英カバーでフタをし、疑似太陽光光源(Jasco BS-300 type Xe lamp, 300W)の13cm下が液面となり、該液の頂部の照度が0.15W/cm2となるように載置した。反応中、反応器の温度は、水浴中で298±2Kに制御された。照射前に、懸濁液は、吸着平衡が達成されるように、暗中で1時間マグネティックスターラーで撹拌した。400nmのカットオフフィルターを使用するか否かにより、可視光の照射、又は、フルスペクトル(全スペクトル)の太陽光の照射を行った。異なった時間間隔で、約1mLの上済み液を遠心分離により採取し、有機汚染物としてのMOの濃度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム((株)島津製作所製プロミネンス)により解析した。なお、前記HPLCシステムは、2つの送液ポンプ(LC-20AD)、脱ガス装置(DGU-20A3)、オートサンプラ(SIL-20AC)、カラムオーブン(CTO-20AC)、及び、ダイオードアレイ検出器(SPD-M20A)から構成されている。
試験結果を図6に示す。アクリル酸が約50wt%のとき光分解速度定数kが最も高く、アクリル酸が150wt%を超えると光分解速度定数kは徐々に低下した。この試験結果と図5(a)の各種官能基のモル比、図5(b)のゼータ電位の結果とを併せ考慮すると、炭素の骨格構造が大きく変化しない程度に酸性-OH官能基を増加させることで光触媒性能を向上させることができるといえる。なお、上記実施例ではアクリル酸を用いたが、他の不飽和脂肪酸を用いても、同様の官能基やゼータ電位調整作用を有すると考えられるので、同様の光触媒性能の向上効果が得られることが想定される。
なお、TiO2@CS-xAAサンプルについては、複合フィルター材とした例は示していないが、TiO2@CSと同様のコアシェル構造でありながら、その可視光活性がTiO2@CSよりも高いことから、複合フィルター材とした際には、TiO2@CSを用いた場合以上の可視光活性を有することが容易に予想される。
本発明の光触媒複合フィルター材は、可視光領域での活性が比較的高く、バクテリア等の汚染や汚染等による流量低下が比較的少ないので、汚染物分解フィルター材、抗菌性フィルター材、光触媒膜反応器、アンチファウリング膜材料などとして有用に使用することが期待される。


Claims (10)

  1. セルロースナノファイバー(以下、「CNF」ということがある。)と、該CNFに混合された光触媒を含む光触媒複合フィルター材であって、前記光触媒は炭素粒子・チタニアコアシェル複合体である光触媒複合フィルター材。
  2. 前記光触媒と前記CNFは、重量割合が10:1〜1:10である請求項1に記載の光触媒複合フィルター材。
  3. 前記炭素粒子・チタニアコアシェル複合体は、ゼータ電位が-35mV以下又はC-OH/C-O-Cのモル比が30モル%以上で、かつ、C=Oのモル比が10モル%以下である修飾炭素粒子と、その表面に形成されたチタニアを含むものである請求項1又は2に記載の光触媒複合フィルター材。
  4. 炭素粒子・チタニアコアシェル複合体を分散した分散液にCNF懸濁液を添加、混合し、該混合液をろ過膜でろ過することを含む光触媒複合フィルター材の製造方法。
  5. 請求項4に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法において、有機チタン化合物と炭素粒子を含む混合物を140〜250℃の温度で水熱処理し、前記炭素粒子・チタニアコアシェル複合体を製造することを含む光触媒複合フィルター材の製造方法。
  6. 前記混合物は有機溶媒と水を含むものである請求項5に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
  7. 前記有機チタン化合物が、チタンアルコキシド、チタンアシレート、チタンキレートから選択されるものである請求項5又は6に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
  8. 前記有機溶媒がアルコール類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、カルボン酸類から選択されるものである請求項6又は7に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。
  9. 請求項5に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法において、糖類及び/又は糖類誘導体と不飽和脂肪酸を含む混合物を水熱処理して前記炭素粒子を製造することを含む光触媒複合フィルター材の製造方法。
  10. 前記不飽和脂肪酸は、糖類と糖類誘導体合計量の20〜180wt%である請求項9に記載の光触媒複合フィルター材の製造方法。


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