JP2019069036A - 液体供給システム - Google Patents

液体供給システム Download PDF

Info

Publication number
JP2019069036A
JP2019069036A JP2017197012A JP2017197012A JP2019069036A JP 2019069036 A JP2019069036 A JP 2019069036A JP 2017197012 A JP2017197012 A JP 2017197012A JP 2017197012 A JP2017197012 A JP 2017197012A JP 2019069036 A JP2019069036 A JP 2019069036A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
plunger
package
supply system
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017197012A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6298208B1 (ja
Inventor
雅晴 中川
Masaharu Nakagawa
雅晴 中川
詩子 岩崎
Utako Iwasaki
詩子 岩崎
嘉行 渡邊
Yoshiyuki Watanabe
嘉行 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Irie Koken Co Ltd
Original Assignee
Irie Koken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Irie Koken Co Ltd filed Critical Irie Koken Co Ltd
Priority to JP2017197012A priority Critical patent/JP6298208B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6298208B1 publication Critical patent/JP6298208B1/ja
Publication of JP2019069036A publication Critical patent/JP2019069036A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】輸液ポンプを繰り返し使用することができる液体供給システムを提供する。【解決手段】液体供給システム10は,輸液ポンプ100と,この輸液ポンプ100内に着脱可能に収容される液体パッケージ200とを備え,輸液ポンプ100は,シリンダ110と,このシリンダ110の内部で軸方向に進退可能なプランジャ120とを有し,プランジャ120のピストン122によりシリンダ内が大気室112と真空室111とに仕切られ,ピストン122に作用する差圧力を推力としてプランジャ120を前進させる。液体パッケージ200は,液体の注出口231と側壁210とを有し,この側壁210は,前進するプランジャ120によって押圧されたときに軸方向に収縮する蛇腹状に形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は,薬液や血液などの液体を一定速度で持続的に供給するための液体供給システムに関する。
従来から,所定の薬液などを生体内(血管など)に少量ずつ一定速度で持続的に投与するための液体持続注入器として,例えば特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1の薬液連続注入器は,薬液などが充填された第1のシリンダと,この第1のシリンダに組み付けられた第2のシリンダと,この第2のシリンダ内に配設されたピストン及びプッシャとを備えており,このプッシャが第1のシリンダ内に延在している。そして,この注入器は,第2のシリンダ内のピストンを引いて第2のシリンダ内を負圧にし,その後にこのピストンが戻る力を利用して,プッシャを介して第1のシリンダ内の薬液を押圧して外部に吐出するように構成されている。
このように,シリンダ内の真空室と大気室との差圧を推力として薬液を一定速度で持続的に押し出す注入器は,電源を必要とせず,しかも注入器を吊り下げずに使用することができることから,医療現場での使い勝手が良く製造コストが安価なものであるとして,近年その需要が高まっている。
実開平5−20751号公報
しかしながら,特許文献1に記載の液体持続注入器は,第1のシリンダ内に薬液等の液体を直接充填するものであり,液体をすべて吐出し切った後に液体を第1のシリンダに再充填することは衛生管理上好ましくないことから,使用後には注入器全体を廃棄する必要があった。このため,特許文献1の注入器は,その構造上,注入器を繰り返し使用するのに適さないものであった。このように,使用する度に注入器全体を取り替えることとすると,薬液のコストに加えて注入器のコストがかかることとなるため,治療を受ける患者の経済的負担が大きくなるという問題がある。特に,注入器のうち,液体の吐出推力を生成する輸液構造は真空室を形成する必要があることから,比較的精密に構成されたものであり,その製造コストが大きい部分であるとされている。
そこで,本発明は,液体を一定速度で持続的に供給するための装置において,液体の吐出推力を生成する輸液ポンプを繰り返し使用することのできる技術を提供することを目的とする。
本発明の発明者は,上記従来技術の問題を解決する手段について鋭意検討した結果,真空室と大気室との差圧力を推力としてプランジャを前進させる機構を持つ輸液ポンプ内に,液体が充填された液体パッケージを着脱自在に収容し,しかもこの液体パッケージの側壁を蛇腹状とすることで,パッケージ内の液体を安定した速度で持続的に吐出できるようになるとともに,液体パッケージのみを使い捨てにして,輸液ポンプは繰り返し使用できるようになるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば従来技術の問題を効果的に解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
本発明は,液体供給システムに関する。本発明の液体供給システムは,輸液ポンプと液体パッケージを備える。輸液ポンプは,基本的に,シリンダと,このシリンダの内部で軸方向に進退可能なプランジャとを有する。また,輸液ポンプは,液体パッケージを収容するためのケーシングを有していてもよい。輸液ポンプは,プランジャに設けられたピストンによってシリンダ内が大気室と真空室とに仕切られている。ここにいう「真空室」とは,大気圧よりも低い圧力の空間である。また,「大気室」は,シリンダ外の大気に連通する吸気口を有し,その内部が大気圧となっている空間である。そして,輸液ポンプは,真空室と大気室とを仕切るピストンに作用する差圧力を推力としてプランジャを前進させる。なお,「前進」とは,液体パッケージを縮小させる方向に向かってプランジャを進行させることを意味する。これに対して「後退」とは,「前進」とは反対の方向に向かってプランジャを退行させることを意味する。また,液体パッケージには,所定の液体(補液や薬液や血液等)が充填されている。この液体パッケージは,輸液ポンプ内(例えばケーシング内)に着脱可能に収容される。この液体パッケージは,少なくとも液体の注出口と側壁とを有している。そして,この液体パッケージの側壁は,前進するプランジャによって押圧されたときに軸方向に収縮する蛇腹状に形成されている。「蛇腹」とは,山折線と谷折線が交互に繰り返し形成された構造である。液体パッケージに軸方向の圧力が加わると,蛇腹状の側壁が山折線と谷折線において折り畳まれ,この側壁の軸方向の高さが小さくなる。このように,液体パッケージがプランジャによって押圧されて蛇腹状の側壁が収縮すると,液体パッケージ内の液体が注出口から吐出される仕組みとなっている。
上記構成のように,本発明は,輸液ポンプ自体に所定の液体を直接充填するのではなく,この輸液ポンプから取り外し可能な液体パッケージに液体を充填しておくこととしている。このため,液体パッケージのみを使い捨てとし,このパッケージのみを交換すれば衛生上の問題を解決することができるため,輸液ポンプは繰り返し使用することが可能となる。液体パッケージは安価に製造することができるため,輸液ポンプに高性能なものを利用したとしても,患者の経済的負担を少なく抑えることができる。また,液体パッケージの側壁を蛇腹状とすることで,このパッケージ内に封入された液体に対して常に安定した圧力を負荷することができる。このため,液体パッケージ内の液体を最初から最後まで一定速度で持続的に吐出することが可能となる。
本発明の輸液ポンプは,押し板部をさらに有する。この押し板部は,液体パッケージの底面に当接して,この液体パッケージに対して液体の注出推力を伝達する部位である。このとき,押し板部は,液体パッケージとの当接面に凸部を有することが好ましい。また,液体パッケージの底面は,押し板部の凸部が嵌合する凹部を有することが好ましい。このように,液体パッケージの底部を部分的に内部に窪ませておき,この状態でこのパッケージの底部を押し板部によって押圧することで,パッケージの蛇腹状の側壁を完全に収縮させた際にその内部に残留する液体の量を軽減することができる。すなわち,液体パッケージの底面と天面が平面状である場合,蛇腹状の側壁を最大限収縮させた(押し潰した)としても,このパッケージの底面と天面の間に空間が生じ,この空間に液体が残留することとなる。そこで,底面に凹部を形成して部分的に内部に向かって窪ませることで,蛇腹状の側壁を最大限収縮させたときに,底面と天面の間に生じる空間の容積を減らすことができる。
本発明において,シリンダは,真空室と外界を連通する通気口と,この通気口に設置された逆止弁とを有することが好ましい。逆止弁は,真空室から外界への排気を許容し,外界から真空室への空気の流入を阻止するためのものである。このように,シリンダに逆止弁付きの通気口を設けておくことで,輸液ポンプの繰り返し使用が原因で真空室内に漏れた空気を外界へと排気することが容易になる。このため,輸液ポンプを繰り返し使用する場合であっても,真空室内の真空度を維持することができ,その結果液体の吐出速度を安定させることができる。
本発明に係る液体供給システムは,初期化アクセサリをさらに備えることが好ましい。初期化アクセサリは,プランジャを後退させて真空室の容積を拡張する機械的構造を有するものである。この機械的構造としては,例えばプランジャを後退させる方向に押し板部を押圧する台形ネジやラックランドピニオン機構が挙げられる。前述したとおり,本発明は,輸液ポンプを繰り返し使用することを想定している。輸液ポンプを再利用する際には,シリンダ内のプランジャを後退させて真空室の容積を拡張する必要がある。そこで,このようなプランジャ位置(ピストン位置)の初期化を行うためのアクセサリを別途用意することが好ましい。
本発明において,初期化アクセサリは,輸液ポンプとは別体で構成されており,プランジャを後退させる方向に押圧するための機構を持つことが好ましい。初期化アクセサリを輸液ポンプとは別体として設けることで,輸液ポンプのサイズをコンパクトに維持できる。また,初期化アクセサリに,プランジャを後退させる方向に引っ張るのための構成を持たせるのではなく,プランジャを後退させる方向に押圧させるための構成を持たせることで,初期化アクセサリの構造を簡素化できる。
本発明において,輸液ポンプは,ロック機構をさらに有することが好ましい。ロック機構は,プランジャが後退している状態において,プランジャの一部と係合してプランジャの進退を停止させる。例えば上記のように初期化アクセサリ等を用いてピストン位置を初期化した場合に,そのまま放置しておくとプランジャが再度吐出方向に向かって前進してしまう。そこで,上記ロック機構を設けて,ピストンを初期位置に保持することで,輸液ポンプを再利用する際に液体パッケージの再装填作業が容易になる。
本発明に係る液体供給システムは,液体パッケージの注出口に連結された輸液回路をさらに備えるものであってもよい。この輸液回路の先端には,例えば液体パッケージ内の液体(補液や薬液や血液等)を患者の体内に注入するための注射針を取り付けることができる。この場合に,輸液回路は,液体流量の固定抵抗を有する流量制御機構を有することが好ましい。このように,液体パッケージと注射針との間の輸液回路において固定抵抗付きの流量制御機構を設けることで,フリーフロー(液体パッケージから輸液回路を取り外したときにこの回路内に残留している液体が患者体内に注入される現象)や,過誤による液体の過剰投与を防止することができる。
本発明において,流量制御機構は,液体流入側の配管外形と液体流出側の配管外形が異なることが好ましい。仮に流量制御機構における流入側と流出側の配管外形が同径であると,医療過誤などを防止するための流量制御機構が輸液回路に装着されないまま輸液が開始されて,薬液の過剰投与事故が発生するおそれがある。そこで,流量制御機構における流入側と流出側の配管外形を異径とし,この流量制御機構を介在させなければ輸液回路を形成できないようにしておくことで,このような薬液の過剰投与事故を未然に回避できる。
本発明において,流量制御機構は,液体流量の固定抵抗値を変化させることができ,当該抵抗値に応じて液体の単位時間あたりの流出量が変化するものであることが好ましい。例えば,流量制御機構は,直径の異なる流路を選択可能に構成されており,選択した流路に応じて液体流量の固定抵抗値が変化するものとすればよい。このように,液体の流出量を簡単に切り替えできるようにすることで,医療現場での作業を簡便化することができる。
本発明において,流量制御機構は,液体の流路を遮断することができるものであることが好ましい。このように輸液の途中でも吐出を停止できるように流量制御機構を構成することで,例えば非常時における輸液の緊急停止動作を容易に行うことができる。
本発明において,輸血ポンプは,液体パッケージの収容空間が形成するためのケーシングを備えることが好ましい。この場合において,ケーシングは,プランジャのロッドのシリンダ外に突出した部位に固定されてプランジャの進退に追従するものであってもよい(図11,図12参照)。この場合,シリンダの大気室側の仕切壁とケーシングの間に液体パッケージの収容空間が形成されることとなる。このように,ケーシングをプランジャの進退に追従させることにより,輸液時にプランジャを前進させることに伴って液体パッケージの収容空間が小さくなり,結果として輸液ポンプ全体のサイズが小さくなる。このため,使用後の輸液ポンプをコンパクトにすることができ,収納時や運搬時の利便性が高まる。
上記実施形態において,輸液ポンプに収容される液体パッケージは,貫通口を持つ筒状(円筒状や四角筒状など)のものであることが好ましい。すなわち,液体パッケージは,底面から天面に亘って貫通する貫通口を有する。この場合に,液体パッケージの側壁は,貫通口に面する内側の内壁及び外側の外壁が蛇腹状に形成される。また,液体パッケージの貫通口にはプランジャのロッドが差し込まれる。これにより,液体パッケージに充填可能な液体の容量を確保するとともに,このパッケージに充填された液体に対して均一に圧力を付与することができ,液体の吐出量が安定する。
本発明において,輸液ポンプは,液体パッケージの底面に当接し液体パッケージに対して液体の注出推力を伝達する押し板部と,液体パッケージの天面に当接し押し板部との間で液体パッケージを挟み込む天板とをさらに有するものであってもよい。この場合に,天板は,液体パッケージとの当接面に押し板部側に向かって突出した凸部を有し,液体パッケージの天面は,天板の凸部が嵌合する凹部を有することとしてもよい。輸液ポンプの天板に凸部を設けて液体パッケージの天面に凹部を設けておくことで,前述した押し板部に凸部を設けて液体パッケージの底面に凹部を設ける形態と同様に,蛇腹状の側壁を最大限収縮させたときに,液体パッケージの底面と天面の間に生じる空間の容積を減らすことができる。このため,液体パッケージ内に残留する液体の量を減少させることができる。また,輸液ポンプは天板側を上向きにして使用することが一般的であるが,そのような使用方法を想定した場合に,本実施形態のように,輸液ポンプの天板に凸部を設けて液体パッケージの天面に凹部を設けておくことで,プランジャの推力が液体パッケージ内の輸液重量の影響を受けにくくなるため,プランジャが一定の速度で安定して前進するようになる。
本発明によれば,液体の吐出推力を生成する輸液ポンプを繰り返し使用することのできる液体供給システムを提供することができる。
図1は,第1の実施形態に係る液体供給システムの断面構造を示している。 図2は,第1の実施形態で使用される液体パッケージの例を示している。 図3は,第1の実施形態に係る液体供給システムの断面構造を簡略化して示しており,特に液体パッケージ内に液体が充填された状態を模式的に示している。 図4は,第1の実施形態に係る液体供給システムの断面構造を簡略化して示しており,特に液体パッケージ内に液体が排出された状態を示している。 図5は,初期化アクセサリの一例として,台形ネジを利用したものの使用状態を示している。 図6は,初期化アクセサリの別の例として,ラックアンドピニオン機構を利用したものの使用状態を示している。 図7は,ロック機構の一例を示している。 図8は,輸液回路に組み込まれた流量制御機構の一例を示している。 図9は,液体の吐出量を選択可能な流量制御機構の一例を示している。 図10は,プランジャの引上げ機構の一例を示している。 図11は,第2の実施形態に係る液体供給システムの断面構造であって,特に液体パッケージ内に液体が充填された状態を示している。 図12は,第2の実施形態に係る液体供給システムの断面構造であって,特に液体パッケージ内に液体が排出された状態を示している。 図13は,第2の実施形態で使用される液体パッケージの例を示している。 図14は,第3の実施形態に係る液体供給システムの断面構造を示している。 図15は,第3の実施形態で使用される液体パッケージの例を示している。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
[液体供給システム:第1の実施形態]
図1から図4を参照して,第1の実施形態に係る液体供給システム10について説明する。図1は,液体供給システム10の断面構造を示している。また,図2は,液体供給システム10内に収容される液体パッケージ200の外観を示している。液体供給システム10は,輸液ポンプ100と液体パッケージ200を備える。液体パッケージ200は,薬液や血液などの任意の液体が充填された樹脂製の容器であり,輸液ポンプ100内に収容される。輸液ポンプ100は,液体パッケージ200内の液体を吐出する方向にその液体パッケージ200を押圧するポンプ装置である。本発明において,輸液ポンプ100は繰り返し使用することが想定されている。液体パッケージ200は使用の度に交換され使い捨てられるものである。
図1に示されるように,本実施形態に係る輸液ポンプ100は,大別すると,シリンダ110,プランジャ120,押し板部130,ケーシング140,及び栓部材150から構成される。シリンダ110は,例えば円筒状に構成されており,その内部にプランジャ120が配置される。プランジャ120は,その軸方向に沿って進退(前進及び後退)できるようにシリンダ110内部に挿入されている。押し板部130は,シリンダ110から突出したプランジャ120の先端部に設けられており,液体パッケージ200に直接当接して,プランジャ120が前進したときの押圧力を液体パッケージ200に伝達する。ケーシング140は,液体パッケージ200の収容空間を形成しており,ケーシング140の内壁と押し板部130との間で液体パッケージ200を挟み込むことで,これを収縮させる。なお,本実施形態では,シリンダ110とケーシング140とが一体化されている。また,栓部材150は,シリンダ110の吸気口を密閉するために用いられる。
シリンダ110は,その内部空間が,プランジャ120のピストン122によって,真空室111と大気室112とに仕切られている。真空室111は,外界から空気が流入しないように密閉された空間であり,真空状態(大気圧よりも気圧が低い状態)が維持されている。他方で,大気室112は,シリンダ110に形成された吸気口113を介して外界から空気が流入する空間であり,その内部の圧力は基本的に大気圧と等しくなる。図1に示した実施形態では,円筒状のシリンダ110の内部空間のうち,ケーシング140側に位置する空間が真空室111となり,反対側の空間が大気室112となる。また,図示されるように,シリンダ110には,ケーシング140の収容空間141との間に仕切壁114が設けられている。この仕切壁114には,プランジャ120のロッド121を挿入するための挿通口115が形成されており,この挿通口115の内壁には,ロッド121と仕切壁114の間の気密状態を維持するためにパッキン116が取り付けられている。
また,図1内の拡大図に示されているように,仕切壁114には,シリンダ110の真空室111と外界とを連通する通気口117が形成されている。本実施形態では,この通気口117によって,シリンダ110内の真空室111とケーシング140内の収容空間141が通気される。ただし,この通気口117には,逆止弁118が取り付けられている。この逆止弁118は,シリンダ110内の真空室111から外界(ケーシング140内の収容空間141)への排気は許容するものの,この外界から真空室111への空気の流入を阻止するように機能する。これにより,真空室111内に外界から空気が漏入することはなく,真空室111内の真空状態が保たれる。ただし,輸液ポンプ100の繰り返しの使用により,真空室111内に僅かながらに漏入した空気が蓄積し,真空室111内の真空度が低下することも考えられる。このため,逆止弁118を開いて真空室111内の空気を外界へと排気し,その内部の真空度を一定値以下に維持できるようにしている。
プランジャ120は,シリンダ110の挿通口115に挿し込まれたロッド121と,ロッド121のうちのシリンダ110内に配設された部位に設けられたピストン122とを有する。本実施形態では,ピストン122は,ロッド121の後端部位に設けられている。ピストン122は,シリンダ110内を真空室111と大気室112とに気密的に仕切りつつ,シリンダ110内をロッド121の軸方向に沿って進退できるようにするために,シリンダ110の内壁と接触する部位にパッキン123が取り付けられている。このプランジャ120は,ピストン122に作用する真空室111と大気室112の間の差圧力を推力として,ロッド121の軸方向に沿ってシリンダ110を前進する。すなわち,シリンダ110の吸気口113が開放されて,大気室112内に空気が流入すると,大気室112の容積が拡張することとなり,その際にピストン122に対して大気室112から真空室111へと向かう方向に圧力が加わる。この圧力によってピストン122が押圧されて前進し,大気室112の容積が拡張するのに伴って,真空室111の容積が減少する。このように,プランジャ120は一定速度でシリンダ110を前進し,その結果,液体パッケージ200に対して一定の押圧力を持続的に負荷することができる。
プランジャ120のロッド121は,軸方向の前端部分がシリンダ110外部に突出し,その前端部分はケーシング140の収容空間141に侵入している。また,このロッド121の前端部分には,液体パッケージ200に当接する押し板部130が設けられている。なお,ロッド121と押し板部130は一体成型されたものであってもよいし,別部材によって構成されていてもよい。押し板部130は,液体パッケージ200の底面全体に当接する接触面を有することが好ましく,この接触面の直径はケーシング140の内径とほぼ同径で形成されていることが特に好ましい。ただし,本発明においては,ケーシング140内に真空空間を形成する必要はないため,押し板部130とケーシング140の内壁との間に隙間が形成されていても特に問題ない。
また,押し板部130のうちの液体パッケージ200との接触面には,この液体パッケージ200の存在方向に向かって突出する凸部131が形成されている。この凸部131は,液体パッケージ200の底面220に形成された凹部221に嵌合する。詳しくは後述するように,液体パッケージ200の側壁210は蛇腹状となっているため,液体パッケージ200内に残留する液体の量を低減させるために,押し板部130に凸部131が設けられている。押し板部130における凸部131の隆起高さは,例えば液体パッケージ200の蛇腹状の側壁210を最大限折り畳んだときの側壁の最小高さとほぼ等しいことが好ましい。例えば,押し板部130における凸部131の隆起高さは,液体パッケージ200の側壁210の最小高さに対して80%〜120%とすればよい。
ケーシング140は,液体パッケージ200の収容空間141を形成するための部位である。本実施形態において,ケーシング140はシリンダ110に固定されており,プランジャ120が進退してもケーシング140とシリンダ110の相対位置は変化しない。ケーシング140は,プランジャ120の軸方向延長線上の端部に取外し可能な蓋部材142を有しており,この蓋部材142を取り外すことで,収容空間141内部に液体パッケージ200を収容したり,あるいは収容空間141から使用済みの液体パッケージ200を取り出したりすることができる。また,この蓋部材142には,取出口143が設けられており,この取出口143から液体パッケージ200の注出口231をケーシング140外部に取り出すことができる。また,ケーシング140内の収容空間141は,押し板部130と蓋部材142の間の収縮空間141aと,押し板部130とシリンダ110の間の拡張空間141bとに区分けできる。収縮空間141aは,プランジャ120及び押し板部130の前進に伴って容積が収縮する空間であり,拡張空間141bはプランジャ120及び押し板部130の前進に伴って容積が拡張する空間である。液体パッケージ200は,ケーシング140の収容空間141のうち,上記の収容空間141内に収容されることとなる。
栓部材150は,シリンダ110の吸気口113を閉塞するために用いられる。図1に示されるように,栓部材150がシリンダ110の吸気口113に挿し込まれた状態では,シリンダ110の大気室112が密閉されて,吸気口113を介した大気室112への空気の流入が阻止される。この状態では,真空室111と大気室112の圧力が均衡することとなるため,プランジャ120は移動せず,初期位置に留まることとなる。この意味で,栓部材150はロック機構として機能する。他方で,栓部材150を吸気口113から取り外すと,この吸気口113を介してシリンダ110内に空気が流入する。すると,真空室111と大気室112の間に差圧が生まれて,プランジャ120に対して前進するための推力が加わることとなる。
図2は,液体パッケージ200の一実施形態を示している。図2に示されるように,液体パッケージ200は,側壁210と,側壁210の下端に位置する底面220と,側壁210の上端に位置する天面230とによって,液体を充填するための空間を形成したものである。図示した例では,底面220及び天面230はそれぞれ円形状に形成されている。また,天面230には,液体パッケージ200内部の液体を排出するための注出口231が設けられている。また,底面220と天面230とを繋ぐ側壁210は,蛇腹状に形成されており,軸方向(すなわち底面220から天面230までの高さ方向)に収縮及び伸長できるように構成されている。すなわち,蛇腹状の側壁210は,側壁210の周方向に沿って延びる山折線と谷折線とが,液体パッケージ200の高さ方向に交互に繰り返し形成されたものであり,山折線と谷折線に沿って側壁210を折り曲げることで,この側壁210全体が折り畳まれる構造となっている。また,液体パッケージ200の底面220には,その内部方向に向かって窪んだ凹部221が形成されている。この凹部221には,前述したように押し板部130の凸部131が嵌合する。底面220の凹部221の深さは,蛇腹状の側壁210を最大限折り畳んだときの側壁の最小高さとほぼ等しいことが好ましく,例えばこの側壁210の最小高さに対して80%〜120%とすればよい。
図3及び図4は,図1に示した液体供給システム10を一部簡略化して示しており,プランジャ120及び押し板部130が前進することによって,液体パッケージ200内の液体が排出される様子を示している。図3は,プランジャ120のピストン122がシリンダ110内の初期位置にあり,液体パッケージ200に対して押圧力が負荷されていない状態を示している。この初期状態から,シリンダ110の吸気口113を開放すると,吸気口113を介して外界の空気がシリンダ110の大気室112へと流入し,大気室112の容積が拡張する。すると,大気室112内に流入した空気の圧力を受けてプランジャ120のピストン122が軸方向に沿って前進し,大気室112の容積拡張に伴って,真空室111の容積が減少する。プランジャ120が前進すると,プランジャ120の押圧力が押し板部130を介してケーシング140内に収容された液体パッケージ200に伝達される。液体パッケージ200は,押し板部130によって押圧されると,プランジャ120の軸方向に沿って蛇腹状の側壁210が収縮し,その内部に充填されている液体が注出口231から吐出される。プランジャ120は,一定速度で持続的に前進するため,液体パッケージ200には一定の圧力で持続的に押圧されることとなる。従って,液体パッケージ200の注出口231からは,単位時間あたりの吐出量を一定に保ったまま液体が一定時間持続的に吐出されることとなる。また,図3及び図4に示されるように,液体パッケージ200の注出口231は輸液回路400に接続されており,注出口231から吐出した液体は輸液回路400を経由して,最終的には患者の生体内に注入される。
図4は,プランジャ120がシリンダ110内の限界位置まで進行し,液体パッケージ200から液体を排出し終えた様子を示している。図4に示されるように,液体パッケージ200は,側壁210が蛇腹状に形成されているため,液体パッケージ200から液体を完全に排出した状態では,この蛇腹状の側壁210が折り畳まれることとなる。また,図4に示されるように,押し板部130に凸部131を形成するとともに,液体パッケージ200の底面220にこの凸部131に対応する凹部221を設けておくことで,液体パッケージ200を完全に押し潰した状態において,このパッケージ内に残留する液体の量をほとんどなくすことができる。また,液体の排出後は,ケーシング140の蓋部材142を取り外して,ケーシング140内から使用済みの液体パッケージ200を取り出すことができる。また,例えば後述する初期化アクセサリを利用してプランジャ120を初期位置まで押し戻すことで,再度ケーシング140内に液体充填済みの別の液体パッケージ200を収容することが可能になる。このため,液体パッケージ200は使い捨てにするものの,輸液ポンプ100自体は繰り返し使用することができる。
[初期化アクセサリ]
続いて,図5及び図6を参照して,輸液ポンプ100の再利用を簡便化するための初期化アクセサリの一例について説明する。初期化アクセサリは,基本的に,プランジャ120を後退させて,シリンダ110の大気室112の容積を拡張するための機械的構造を有する。このような機械的構造の例は,例えば台形ネジを用いるもの(図5参照)や,ラックアンドピニオン機構(図6)を用いるものが挙げられる。なお,初期化アクセサリは,輸液ポンプ100と別体として用いられるものであってもよいし,輸液ポンプ100と一体化したものであってもよいし。本願明細書では,初期化アクセサリの一例として,輸液ポンプ100と別体として用いられる形態のものを説明する。
図5は,台形ネジを利用した初期化アクセサリ310の使用状態を示している。図5に示されるように,この初期化アクセサリ310は,外周にネジが形成されたネジ状ロッド311と,このネジ状ロッド311の端部に取り付けられたハンドル312とを有する。この初期化アクセサリ310は,ネジ状ロッド311をケーシング140の取出口143から挿入して,その先端部分を押し板部130に当接させてこれを押圧することで,押し板部130及びプランジャ120を後退させるようにして使用する。ネジ状ロッド311は,プランジャ120を最終位置から初期位置まで押し戻すことのできる十分な長さを有するものとする。具体的には,ネジ状ロッド311は,ケーシング140の軸方向の長さ以上の長さを有することが好ましい。また,ケーシング140の取出口143の内壁部分にもネジが形成されており,この取出口143のネジとネジ状ロッド311の外周のネジとが噛み合うようになっている。このため,ネジ状ロッド311を取出口143内壁のネジに噛み合わせた状態で,ハンドル312を回すことによってネジ状ロッド311を回転させ,ハンドル312の回転運動をネジ状ロッド311の直進運動に変換する。このようにして,ハンドル312を回すことでネジ状ロッド311をケーシング140の奥へ向かって進行させ,押し板部130を後退方向へ押圧する。
また,ネジ状ロッド311によって押し板部130を押圧する際に,このネジ状ロッド311は押し板部130の凸部131に接触することが好ましい。押し板部130の凸部131は,肉厚に形成されておりその強度が増している部分であるため,この部分にネジ状ロッド311の先端を押し当てるようにすることで,押し板部130の破損を防止できる。また,より具体的には,ネジ状ロッド311の軸方向延長線上には,プランジャ120のロッド121が位置していることが好ましい。特にネジ状ロッド311の軸とプランジャ120のロッド121の軸が一致していることが好ましい。このように,ネジ状ロッド311とロッド121の軸を一致させることで,ネジ状ロッド311の直線運動による押圧力がプランジャ120に効率的に伝達されるため,このプランジャ120を初期位置まで押し戻すことが容易になり,またプランジャ120の軸に歪みや破損が生じることを防止できる。
図6は,ラックアンドピニオン機構を利用した初期化アクセサリ320の使用状態を示している。図6に示した初期化アクセサリ320は,ラックが形成されたラック状ロッド321と,このラックに噛み合うピニオン322と,このピニオン322に回転力を伝達するシャフト323と,このシャフト323を回転させるハンドル324と,これらのラック状ロッド321,ピニオン322,シャフト323,及びハンドル324を支持するフレーム325とを有する。この初期化アクセサリ320は,ラック状ロッド321をケーシング140の取出口143から挿入して,その先端部分を押し板部130に当接させてこれを押圧することで,押し板部130及びプランジャ120を後退させるようにして使用する。ラック状ロッド321は,プランジャ120を最終位置から初期位置まで押し戻すことのできる十分な長さを有するものとする。具体的には,ラック状ロッド321は,ケーシング140の軸方向の長さ以上の長さを有することが好ましい。また,ピニオン322にはシャフト323が固定されており,シャフト323はハンドル324に固定されており,ピニオン322とハンドル324は回転軸を共有している。ハンドル324を回すとシャフト323を介してピニオン322が回転し,このピニオン322の回転運動がラック状ロッド321の直線運動に変換される。このようにして,ハンドル324を回すことでラック状ロッド321をケーシング140の奥へ向かって進行させ,押し板部130を後退方向へ押圧する。
図6に示した初期化アクセサリ320においても,図5のものと同様に,ラック状ロッド321によって押し板部130を押圧する際に,このラック状ロッド321が押し板部130の凸部131に接触するように構成されていることが好ましい。特に,ラック状ロッド321の進行方向延長線上には,プランジャ120のロッド121が位置していることが好ましい。
[ロック機構]
続いて,図7を参照して,プランジャ120を初期位置に固定(ロック)するためのロック機構の例について説明する。このロック機構は,プランジャ120が初期位置に位置している状態において,プランジャ120の一部と係合してプランジャ120の進退を停止させるためのものである。
図7に示した実施形態では,プランジャ120のロッド121は,ピストン122が形成された位置よりも後端部側(後退方向側)に突出した突起部124を有している。この突起部124は,その中腹の一部に係合溝125が形成されていると共に,その端縁にはテーパー部126が形成されている。また,ロッド121の突起部124は,シリンダ110の吸気口113に挿し込むことができる。また,シリンダ110は,吸気口113の付近に,この吸気口113と直交交差するようにスライド溝119が形成されている。
ロック機構160は,ロッド121の突起部124の係合溝125に係合してこれをロックするための機構を持つ。具体的に説明すると,図7(a)に示されるように,ロック機構160は,シリンダ110のスライド溝119に挿し込まれたスライダー161を有する。このスライダー161は,ロッド121の突起部124を挿し込むことのできる開口部162と,突起部124の係合溝125に係合するフック部163とを有する。図示した例では,スライダー161における開口部162の内縁がフック部163として機能する。また,シリンダ110のスライド溝119にはスプリング164が配設されており,このスプリング164は,スライダー161のフック部163が突起部124の係合溝125に挿入される方向に向かって,スライダー161を付勢している。また,スライダー161は,スプリング164によって付勢された状態において,その一部がスライド溝119から突出し,この突出部位の先端にボタン165が取り付けられている。
次にロック機構160の動作を説明する。図7(a)に示されるように,例えば上説した初期化アクセサリ等を利用してプランジャ120が後退すると,ロッド121の突起部124がシリンダ110の吸気口113に挿し込まれるとともに,この突起部124はスライド溝119内に位置するスライダー161の開口部162にも挿し込まれる。また,ロッド121の突起部124はテーパー部126において最初にスライダー161に接触し,突起部124が後退するにつれてスライダー161がスプリング164を収縮させる方向に摺動する。その後,図7(b)に示されるように,突起部124がさらに後退して突起部124の係合溝125がスライダー161のフック部163と平行な位置まで到達すると,フック部163が係合溝125に挿し込まれる方向に向かってスプリング164によってスライダー161が押圧される。これにより,フック部163と係合溝125とが係合し,プランジャ120の進退動作が停止する。このように,プランジャ120を後退させることによって,プランジャ120の進退動作が自動的に停止するようになっている。また,プランジャ120の進退が停止した状態においては,スライダー161の一部がスライド溝119から突出している。このスライダー161の突出部位に設けられたボタン165をプッシュすると,スライダー161がスプリング164を収縮させる方向に摺動し,スライダー161のフック部163とプランジャ120の突起部124との係合状態が解除される。すると,前述したように,プランジャ120は,液体パッケージ200を押圧する方向に向かって自動的に前進を開始する。このように,図7に示したロック機構160によれば,プランジャ120のロック解除動作をワンアクション(ワンプッシュ)で行うことができる。
[流量制御機構]
続いて,図8及び図9を参照して,輸液回路400に配置された流量制御機構420について説明する。図8(a)は,流量制御機構420の一例を示している。図8(a)に示されるように,流量制御機構420は,流入側チューブ410と流出側チューブ430の間に介在し,流入側チューブ410から流出側チューブ430へと流れ込む液体の流量を制御する。なお,流入側チューブ410は,液体パッケージ200に注出口231と流量制御機構420とを連結する用途で用いられ,流出側チューブ430は,例えば流量制御機構420と注射針(不図示)とを連結する用途で用いられる。
図8(a)に示した例において,流量制御機構420は,流入側チューブ410内に差し込まれる流入側配管421と,流出側チューブ430内に差し込まれる流出側配管423と,これらの配管421,431の間に設けられたオリフィス422とを有する。オリフィス422は,流入側配管421の配管内径及び流出側配管423の配管内径よりも流路の内径が小さくなった部位である。このオリフィス422が液体流量の固定抵抗として機能する。このような流量制御機構420を輸液回路400内に設けることで,フリーフローや液体の過剰投与を回避できる。また,図8(a)のような流量制御機構420は複数種類用意しておき,種類ごとにオリフィス422の流路径を異ならせるとよい。これにより,流量制御機構420を交換することで,固定抵抗値を任意に変更することができる。
図8(b)は,図8(a)に示した流量制御機構420の改良形態を示している。図8(b)では,流量制御機構420の流入側配管421の配管外形を符号φDで示し,流出側配管423の配管外形を符号φdで示している。この場合,流入側配管421の配管外形φDと,流出側配管423の配管外形φdは,互いに異なることが好ましい(φD≠φd)。例えば図8(b)に示した例では,流入側配管421の配管外形φDが,流出側配管423の配管外形φdよりも大径に形成されている(φD>φd)。このため,輸液回路400では,流入側チューブ410と流出側チューブ430とで,その内径が異なるものが用いられる。実際,図8(b)に示した例では,流入側チューブ410の内径は流出側チューブ430の内径よりも大きく形成されている。このように輸液回路400を設計することで,流入側チューブ410と流出側チューブ430の間に流量制御機構420を取り付けずに,例えば流入側チューブ410に注射針を直接連結することができなくなるため,液体の過剰投与の事故を防止できる。すなわち,注射針は,内径の小さい流出側チューブ430にしか連結することができず,内径の大きい流入側チューブ410には直接連結できないように設計されている。このようにすれば,流入側チューブ410と流出側チューブ430の間に必ず流量制御機構420を介在させるように,看護師等に促すことができる。
図9は,流量制御機構420の別の形態を示している。図9に示した流量制御機構420は,液体流量の固定抵抗値を変化させる機能を持つ。すなわち,この流量制御機構420には,流路径の異なる複数種類のオリフィス422a〜422dが設けられており,流入側配管421と流出側配管423とを連結するオリフィス422を複数種類の中から状況に応じて適宜選択することができる。固定抵抗値(オリフィス)を選択できるようにすることで,抵抗値に応じて液体の単位時間あたりの流出量を任意に調整できる。
具体的に説明すると,図9に示した流量制御機構420は,その本体部材420に流入側配管421と流出側配管423とが形成されており,これらの配管421,423の間に流量切替弁424が挿入されている。流量切換弁424は,略円柱状の部材で構成されており,本体部材420内で周方向に回転させることができる。図9に示した例では,流量切替弁424には摘み部425が形成されており,この摘み部425を把持して向きを変えることで,流量切替弁424を容易に回転させることができる。流量切換弁424は,それぞれ流路径の異なる複数種類のオリフィス422a〜422dが形成されており,本体部材420にける流量切換弁424のポジション(向き)によって,流入側配管421と流出側配管423とを連結するオリフィス422が変化する。例えば,図示した例では,1ml/秒,2ml/秒,4ml/秒,及び8ml/秒の4種類のオリフィス422a〜422dが設けられている。また,流量切換弁424には,流入側配管421と流出側配管423との間を遮断する(すなわち流量をゼロにする)ためのポジションも設けられている。このため,緊急時には流量切換弁424を操作して流路を遮断することで,生体に液体を注入することを停止できる。
また,本体部材420は,流量切換弁424に当接するディテント用鋼球426と,このディテント用鋼球426を流量切換弁424に向けて付勢するスプリング427を有する。これにより,流量切換弁424を回転する際、所定位置の保持ができる為流量切換弁424のポジションの位置決めが容易になる。また,本体部材420には,流量切換弁424との隙間から流体が漏洩することを防止するために適所にOリング428が配置されている。
[プランジャ引上げ機構]
続いて,図10を参照して,プランジャ120を前進方向に引上げるための機構について説明する。図10に示されるように,シリンダ110の真空室111内に空気が漏入すると,プランジャ120のピストン122がシリンダ110の仕切壁114に当接する位置まで自動的には進行せず,シリンダ110の真空室111内に空気が残留することとなる。このように真空室111内に空気が残留したままでは真空室111内の真空度を高めることができなくなる。
そこで,図10に示されるように,プランジャ120のロッド121の前端部分に設けられた押し板部130(特に凸部131)に,一又は複数の係合溝132を形成しておく。また,引上げアクセサリ500を別途設ける。この引上げアクセサリ500は,押し板部130の係合溝に係合する係合シャフト510と,この係合シャフト510に取り付けられた把手520を有する。引上げアクセサリ500は,ケーシング140の取出口143から係合シャフト510を差し込み,この係合シャフト510の先端を押し板部130の係合溝132に係合させることができるように構成されている。例えば係合シャフト510の外周にネジ山を形成し,押し板部130の係合溝132をネジ穴とすればよい。そして,引上げアクセサリ500の係合シャフト510と押し板部130とが係合したところで,把手520を把持して,引上げアクセサリ500とこれに係合したプランジャ120とを,プランジャ120の前進方向へ引っ張り上げる。前述したように,シリンダ110の仕切壁114の通気口117には逆止弁118が設けられているため,引上げアクセサリ500によってプランジャ120を引き上げると,シリンダ110の真空室111内の残留空気が逆止弁118を圧迫して通気口117を開放し,この通気口117からシリンダ110の真空室111内の残留空気が外界へ排出される。このように,引上げアクセサリ500を別途用意するとともに,シリンダ110の仕切壁114に通気口117を設けておくことで,シリンダ110の真空室111内に残留した空気を簡単に排気することができる。また,残留空気の排気後は逆止弁118が通気口117を閉塞するため,シリンダ110の真空室111の真空状態は維持される。
[液体供給システム:第2の実施形態]
続いて,図11から図13を参照して,第2の実施形態に係る液体供給システム20について説明する。第2の実施形態に係る液体供給システム20については,前述した第1の実施形態に係る液体供給システム10と共通する部材については同じ符号を割り当てている。第2の実施形態について,第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図11は,使用前の液体供給システム20の簡略化した断面構造を示し,図12は,使用後の液体供給システム20の簡略化した断面構造を示し,図13は,液体供給システム20内に収容される液体パッケージ200の例を示している。液体供給システム20は,輸液ポンプ100と液体パッケージ200を備える。第2の実施形態においても,輸液ポンプ100は,繰り返し使用することが想定されており,液体パッケージ200は,使用の度に交換され使い捨てられるものである。
図11に示されるように,輸液ポンプ100は,シリンダ110,プランジャ120,押し板部130,ケーシング140,及び栓部材150から構成される。シリンダ110は,例えば円筒状に構成されており,その内部にプランジャ120が配置される。プランジャ120は,その軸方向に沿って進退(前進及び後退)できるように,シリンダ110内部に挿入されている。押し板部130は,シリンダ110のうちのケーシング140との境界に位置する仕切壁114に設けられており,液体パッケージ200に直接当接して,プランジャ120が前進したときの押圧力を液体パッケージ200に伝達する。ケーシング140は,液体パッケージ200の収容空間を形成しており,ケーシング140の内壁と押し板部130との間で液体パッケージ200を挟み込むことで,これを収縮させる。第2の実施形態では,ケーシング140は,プランジャ120のロッド121のうちのシリンダ110外に突出した部位に固定されており,プランジャ120の進退に追従する。このため,プランジャ120の進退移動に伴って,シリンダ110とケーシング140の相対位置が変化することとなる。このように,第2の実施形態では,シリンダ110とケーシング140が別体として構成されている。
シリンダ110は,その内部空間が,プランジャ120のピストン122によって,真空室111と大気室112とに仕切られている。第2の実施形態では,円筒状のシリンダ110の内部空間のうち,ケーシング140側に位置する空間が大気室112となり,反対側の空間が真空室111となる。第2の実施形態では,真空室111と大気室112の位置関係が第1の実施形態とは逆になる。また,シリンダ110には,ケーシング140の収容空間141との間に仕切壁114が設けられている。この仕切壁114には,プランジャ120のロッド121を挿入するための挿通口115が形成されている。第2の実施形態では,この挿通口115が,大気室112内に空気を導入するための吸気口113としても機能する。
プランジャ120は,シリンダ110の挿通口115に挿し込まれたロッド121と,ロッド121のうちのシリンダ110内に配設された部位に設けられたピストン122とを有する。第2の実施形態では,ピストン122は,ロッド121の前端部位(すなわち前進方向の先端)に設けられている。プランジャ120は,ピストン122に作用する真空室111と大気室112の間の差圧力を推力として,ロッド121の軸方向に沿ってシリンダ110を前進する。第2の実施形態では,シリンダ110の挿通口115(吸気口113)から大気室112内に空気が流入すると,大気室112の容積が拡張することとなり,その際にピストン122に対して大気室112から真空室111へと向かう方向に空気の圧力が加わる。
第2の実施形態では,プランジャ120のロッド121の後端部位(すなわち後退方向の先端)に,ケーシング140を構成する外壁の一部が固定されている。すなわち,プランジャ120のロッド121の後端部位には,キャップ127がロッド121に対して着脱自在に取り付けられている。また,ケーシング140の外壁には差込穴144が形成されている。ケーシング140の差込穴144にキャップ127を差し込んだ状態で,このキャップ127をロッド121の後端に取り付けることで,キャップ127とロッド121との間でケーシング140の外壁を挟み込むことができる。これにより,ケーシング140がプランジャ120のロッド121に対して,取り外し可能に固定される。液体パッケージ200の交換時には,キャップ127をロッド121から外して,ケーシング140とプランジャ120の固定状態を解除し,ケーシング140を一旦持ち上げてその内部に収容された液体パッケージ200を交換すればよい。
第2の実施形態では,シリンダ110の仕切壁114のうち,ケーシング140の収容空間141と対向する面に,液体パッケージ200に当接する押し板部130が設けられている。なお,シリンダ110と押し板部130は一体成型されたものであってもよいし,別部材によって構成されていてもよい。押し板部130は,液体パッケージ200の底面全体に当接する接触面を有することが好ましく,この接触面の直径はケーシング140の内径とほぼ同径で形成されていることが特に好ましい。また,押し板部130のうちの液体パッケージ200との接触面には,この液体パッケージ200の存在方向に向かって突出する凸部131が形成されている。この凸部131は,液体パッケージ200の底面220に形成された凹部221に嵌合する。
ケーシング140は,液体パッケージ200の収容空間141を形成するための部材である。第2の実施形態において,ケーシング140はシリンダ110と別体として構成されており,プランジャ120が進退に伴ってケーシング140とシリンダ110の相対位置が変化する。ケーシング140は,プランジャ120の軸方向延長線上に前述した差込穴144が形成されている。ケーシング140内の収容空間141は,プランジャ120の前進に伴って容積が収縮する。液体パッケージ200は,このケーシング140の収容空間141に収容される。また,ケーシング140のうち,押し板部130と対面する外壁には,取出口143が設けられており,この取出口143から液体パッケージ200の注出口231をケーシング140外部に取り出すことができる。
図13は,第2の実施形態で好適に利用可能な液体パッケージ200の例を示している。図13に示されるように,液体パッケージ200は,基本的に,側壁210と,側壁210の下端に位置する底面220と,側壁210の上端に位置する天面230とによって,液体を充填するための空間を形成したものである。ただし,第2の実施形態においては,底面220から天面230に亘って貫通口240が形成されている。貫通口240は,略円筒状の液体パッケージ200の中心軸に沿って形成されたものであることが好ましい。この液体パッケージ200を輸液ポンプ100のケーシング140内に収容するときに,この液体パッケージ200の貫通口240には,プランジャ120のロッド121が差し込まれることとなる。また,液体パッケージ200の中央に貫通口240が形成されているため,側壁210は,貫通口240に面する内側の内壁211と,外界に面する外側の外壁212とに分けられる。第2の実施形態に係る液体パッケージ200では,内壁211,外壁212,底面220,及び天面230によって囲われた空間内に液体が充填される。さらに,図示した例では,底面220及び天面230はそれぞれ円形状に形成されている。また,天面230には,液体パッケージ200内部の液体を排出するための注出口231が設けられている。
また,第2の実施形態では,側壁210を構成する内壁211及び外壁212の両方が,蛇腹状に形成されている。このため,第2の実施形態においても,前述した第1の実施形態(図2)と同様に,液体パッケージ200が軸方向(すなわち底面220から天面230までの高さ方向)に収縮及び伸長できるように構成されている。また,液体パッケージ200の底面220には,その内部方向に向かって窪んだ凹部221が形成されている。この凹部221には,押し板部130の凸部131が嵌合する。
図11及び図12は,プランジャ120が前進することによって,液体パッケージ200内の液体が排出される様子を示している。図11は,プランジャ120のピストン122がシリンダ110内の初期位置にあり,液体パッケージ200に対して押圧力が付加されていない状態を示している。この初期状態から,シリンダ110の大気室112に空気が流入すると,大気室112の容積が拡張し,大気室112内に流入した空気の圧力を受けてプランジャ120のピストン122が軸方向に沿って前進する。また,大気室112の容積拡張に伴って,真空室111の容積が減少する。第2の実施形態では,プランジャ120は,後端部にケーシング140が固定されているため,プランジャ120の前進に伴ってケーシング140がシリンダ110に近づく方向に向かって移動し,その結果として,ケーシング140内の収容空間141が縮小する。ケーシング140内の収容空間141が縮小すると,このケーシング140内に収容された液体パッケージ200がケーシング140と押し板部130との間で挟み込まれて縮小することとなる。このようにして,液体パッケージ200は,押し板部130によって押圧されると,プランジャ120の軸方向に沿って蛇腹状の側壁210が収縮し,その内部に充填されている液体が注出口231から吐出される。第2の実施形態において,プランジャ120は,一定速度で持続的に前進するため,液体パッケージ200には一定の圧力で持続的に押圧されることとなる。このため,液体パッケージ200の注出口231からは,単位時間あたりの吐出量を一定に保ったまま液体が一定時間持続的に吐出されることとなる。また,液体パッケージ200の注出口231は輸液回路400に接続されており,注出口231から吐出した液体は輸液回路400を経由して,最終的には患者の生体内に注入される。
図12は,プランジャ120がシリンダ110内の限界位置まで進行し,液体パッケージ200から液体が完全に排出された様子を示している。図12に示されるように,液体パッケージ200は,側壁210が蛇腹状に形成されているため,液体パッケージ200から液体を完全に排出した状態では,この蛇腹状の側壁210が折り畳まれることとなる。第2の実施形態に係る液体供給システム20は,第1の実施形態に係る液体供給システム10(図4)と比較し,液体パッケージ200から液体が完全に排出されると輸液ポンプ100全体のサイズが小さくなることが特徴である。すなわち,図12に示されるように,使用後の状態においては,シリンダ110がケーシング140の内部に入り込むこととなるため,輸液ポンプ100をコンパクトに搬送したり収納したりすることができる。
なお,前述した初期化アクセサリ,ロック機構,及び流量制御機構は,第1の実施形態に係る液体供給システム10に限らず,第2の実施形態に係る液体供給システム20にも適用することができる。
[液体供給システム:第3の実施形態]
続いて,図14及び図15を参照して,第3の実施形態に係る液体供給システム30について説明する。第3の実施形態に係る液体供給システム30については,前述した第1の実施形態に係る液体供給システム10と共通する部材については同じ符号を割り当てている。第3の実施形態について,第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図14は,液体供給システム30の簡略化した断面構造を示し,図15は,液体供給システム30内に収容される液体パッケージ200の例を示している。液体供給システム20は,輸液ポンプ100と液体パッケージ200を備える。第3の実施形態においても,輸液ポンプ100は,繰り返し使用することが想定されており,液体パッケージ200は,使用の度に交換され使い捨てられるものである。
第3の実施形態に係る液体供給システム30は,第1の実施形態と異なり,液体パッケージの底面220に当接する押し板部130に凸部は設けられておらず,押し板部130の当接面はフラットに形成されている。また,液体パッケージの底面220にも凹部は設けられておらず,この底面220はフラットに形成されている。その代わりに,第3の実施形態では,ケーシング140の天板部分(蓋部材142)のうち,液体パッケージの天面230に当接して押し板部130との間で液体パッケージ200を挟み込む部分に,押し板部130側に向かって突出した凸部143が形成されている。また,液体パッケージ200の天面230には凹部232が形成されている。そして,ケーシング140の天板部分(蓋部材142)の凸部145が液体パッケージ200の天面230の凹部232に嵌合するように構成されている。
このように,輸液ポンプ100の天板142に凸部145を設けて液体パッケージ200の天面230に凹部232を設けておくことによっても,前述した第1の実施形態と同様に,蛇腹状の側壁210を最大限収縮させたときに,液体パッケージ200の底面220と天面230の間に生じる空間の容積を減らすことができる。このため,液体パッケージ200内に残留する液体の量を減少させることができる。また,輸液ポンプ100は天板142側を上向きにして使用することが一般的である。そのような使用方法を想定した場合に,本実施形態のように,輸液ポンプ100の天板142に凸部145を設けて液体パッケージ200の天面230に凹部232を設けておくことで,プランジャ120の推力が液体パッケージ200内の輸液重量の影響を受けにくくなるため,プランジャ120が一定の速度で安定して前進するようになる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
10…液体供給システム(第1の実施形態)
20…液体供給システム(第2の実施形態)
30…液体供給システム(第3の実施形態)
100…輸液ポンプ 110…シリンダ
111…真空室 112…大気室
113…吸気口 114…仕切壁
115…挿通口 116…パッキン
117…通気口 118…逆止弁
119…スライド溝 120…プランジャ
121…ロッド 122…ピストン
123…パッキン 124…突起部
125…係合溝 126…テーパー部
127…キャップ 130…押し板部
131…凸部 140…ケーシング
141…収容空間 141a…収縮空間
141b…拡張空間 142…蓋部材(天板)
143…取出口 144…差込穴
145…凸部 150…栓部材
160…ロック機構 161…スライダー
162…開口部 163…フック部
164…スプリング 165…ボタン
200…液体パッケージ 210…蛇腹状の側壁
211…内壁 212…外壁
220…底面 221…凹部
230…天面 231…注出口
232…凹部 240…貫通口
310…初期化アクセサリ(ネジ型) 311…ネジ状ロッド
312…ハンドル 320…初期化アクセサリ(ラックピニオン型)
321…ラック状ロッド 322…ピニオン
323…シャフト 324…ハンドル
325…フレーム 400…輸液回路
410…流入側チューブ 420…流量制御機構
421…流入側配管 422…オリフィス
423…流出側配管 424…流量切替弁
425…摘み部 426…ディテント用鋼球
427…スプリング 428…Oリング
429…表示板 430…流出側チューブ
500…引上げ用アクセサリ 510…シャフト
520…把手

Claims (13)

  1. シリンダ(110)と,前記シリンダの内部で軸方向に進退可能なプランジャ(120)とを有し,前記プランジャのピストン(122)により前記シリンダ内が大気室(112)と真空室(111)とに仕切られ,前記ピストンに作用する差圧力を推力として前記プランジャを前進させる輸液ポンプ(100)と,
    前記輸液ポンプ内に着脱可能に収容される,液体が充填された液体パッケージ(200)と,を備え
    前記液体パッケージ(200)は,前記液体の注出口(231)と,前進する前記プランジャによって押圧されたときに前記軸方向に収縮する蛇腹状の側壁(210)とを有する
    液体供給システム。
  2. 前記輸液ポンプは,前記液体パッケージの底面(220)に当接し,前記液体パッケージに対して液体の注出推力を伝達する押し板部(130)を有し,
    前記押し板部は,前記液体パッケージとの当接面に凸部(131)を有し,
    前記液体パッケージの底面は,前記押し板部の凸部が嵌合する凹部(221)を有する
    請求項1に記載の液体供給システム。
  3. 前記シリンダは,前記真空室と外界を連通する通気口(117)と,前記通気口(117)に設置されて前記真空室から外界への排気を許容し外界から前記真空室への空気の流入を阻止する逆止弁(118)を,さらに有する
    請求項1又は請求項2に記載の液体供給システム。
  4. 前記プランジャを後退させて前記真空室の容積を拡張する機械的構造を有する初期化アクセサリ(310,320)を,さらに備える
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の液体供給システム。
  5. 前記初期化アクセサリ(310,320)は,前記輸液ポンプとは別体で構成されており,前記プランジャを後退させる方向に押圧するための機械的構造を有する
    請求項4に記載の液体供給システム。
  6. 前記輸液ポンプは,前記プランジャが後退している状態において,前記プランジャの一部と係合して前記プランジャの進退を停止させるロック機構(160)をさらに有する
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体供給システム。
  7. 前記液体パッケージの注出口に連結された輸液回路(400)をさらに備え,
    前記輸液回路(400)は,液体流量の固定抵抗を有する流量制御機構(420)を有する
    請求項1から請求項6のいずれかに記載の液体供給システム。
  8. 前記流量制御機構(420)は,液体流入側の配管外形と液体流出側の配管外形が異なる
    請求項7に記載の液体供給システム。
  9. 前記流量制御機構(420)は,液体流量の固定抵抗値を変化させることができ,当該抵抗値に応じて液体の単位時間あたりの流出量が変化する
    請求項7又は請求項8に記載の液体供給システム。
  10. 前記流量制御機構(420)は,液体の流路を遮断することができる
    請求項7から請求項9のいずれかに記載の液体供給システム。
  11. 前記輸液ポンプ(100)は,前記プランジャのロッド(121)の前記シリンダ外に突出した部位に固定されて前記プランジャの進退に追従し,前記シリンダの大気室側の仕切壁(114)との間に前記液体パッケージの収容空間(141)が形成されるケーシング(140)をさらに備える
    請求項1から請求項10のいずれかに記載の液体供給システム。
  12. 前記液体パッケージは,底面(220)から天面(230)に亘って貫通する貫通口(240)を有し,
    前記液体パッケージ(200)の側壁(210)は,前記貫通口に面する内側の内壁(211)及び外側の外壁(212)が前記蛇腹状に形成されており,
    前記液体パッケージの貫通口に前記プランジャのロッドが差し込まれる
    請求項11に記載の液体供給システム。
  13. 前記輸液ポンプは,
    前記液体パッケージの底面(220)に当接し,前記液体パッケージに対して液体の注出推力を伝達する押し板部(130)と,
    前記液体パッケージの天面(230)に当接し,前記押し板部との間で液体パッケージを挟み込む天板(142)とを有し,
    前記天板は,前記液体パッケージとの当接面に前記押し板部(130)側に向かって突出した凸部(145)を有し,
    前記液体パッケージの天面は,前記天板の凸部が嵌合する凹部(232)を有する
    請求項1に記載の液体供給システム。
JP2017197012A 2017-10-10 2017-10-10 液体供給システム Active JP6298208B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017197012A JP6298208B1 (ja) 2017-10-10 2017-10-10 液体供給システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017197012A JP6298208B1 (ja) 2017-10-10 2017-10-10 液体供給システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6298208B1 JP6298208B1 (ja) 2018-03-20
JP2019069036A true JP2019069036A (ja) 2019-05-09

Family

ID=61629220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017197012A Active JP6298208B1 (ja) 2017-10-10 2017-10-10 液体供給システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6298208B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023163208A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 日精エー・エス・ビー機械株式会社 保圧装置、射出装置および樹脂材料の射出方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022168775A1 (ja) * 2021-02-02 2022-08-11 テルモ株式会社 薬液投与装置
CN114847545A (zh) * 2022-04-18 2022-08-05 深圳市艾普生物科技有限公司 一种电子烟油雾化液加注机构

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08257119A (ja) * 1995-03-20 1996-10-08 Piolax Inc 薬液持続注入装置
JPH09173448A (ja) * 1995-12-05 1997-07-08 Smiths Ind Plc 流体注入器
JPH11276581A (ja) * 1998-03-27 1999-10-12 Nissho Corp 陰圧を利用した薬液注入装置
JP2002239003A (ja) * 2001-02-20 2002-08-27 Yukihiro Kinoshita 薬液注入装置
WO2017134737A1 (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 入江工研株式会社 液体供給装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08257119A (ja) * 1995-03-20 1996-10-08 Piolax Inc 薬液持続注入装置
JPH09173448A (ja) * 1995-12-05 1997-07-08 Smiths Ind Plc 流体注入器
JPH11276581A (ja) * 1998-03-27 1999-10-12 Nissho Corp 陰圧を利用した薬液注入装置
JP2002239003A (ja) * 2001-02-20 2002-08-27 Yukihiro Kinoshita 薬液注入装置
WO2017134737A1 (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 入江工研株式会社 液体供給装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023163208A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 日精エー・エス・ビー機械株式会社 保圧装置、射出装置および樹脂材料の射出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6298208B1 (ja) 2018-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7086971B2 (ja) 薬剤送達装置
US11724038B2 (en) Syringe assembly with inverse delivery
US10603428B2 (en) Device for dispensing a fluid to a patient
US8602067B2 (en) Devices and methods for filling a flexible liquid medicament container with liquid from a liquid medicament reservoir
US5135500A (en) Self-driven pump device
EP2819724B1 (en) Spring force assembly for biasing or actuating stoppers of syringes, injection pen cartridges and the like
EP3750575B1 (en) Medicinal fluid supply control device and injection liquid injection device
US20100228121A1 (en) Dual Chamber Syringe
JP6298208B1 (ja) 液体供給システム
JP2009522032A (ja) 圧潰可能なリザーバを利用する薬物送達装置
CN109996576A (zh) 用于输注物质的装置
US20090292239A1 (en) Injector System for Needleless, High Pressure Delivery of a Medicament
JP2009537184A (ja) 流体製品を投与するための装置
EP3681561B1 (en) Sliding syringe cap for separate filling and delivery
JP2012519016A (ja) 流体を貯蔵/放出する圧力容器システム
JP2022095963A (ja) 自己ポンプ式注射器
JP7100064B2 (ja) ボーラス送達装置
KR102203629B1 (ko) 약액 공급 조절장치 및 이를 구비한 주사액 주입장치
WO2018091700A1 (en) Method and apparatus for transferring a liquid drug to a collapsible reservoir
JP2006223570A (ja) 医療用容器
JP2005510305A (ja) 汲み出された液体により加圧された、携帯型投与装置及びそのための使い捨てカートリッジ
JP2011125433A (ja) 注入用具及びこれを備えた薬液注入システム
KR20230087962A (ko) 약액 용기
KR20180037184A (ko) 유압 압출 시스템
JP4253538B2 (ja) 薬液導入装置及びこれを備えた薬液注入装置並びに間歇型投与システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171011

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20171011

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20171116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6298208

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250